カイム「…………」(20)

カイム「…………」ダッ


アンヘル「どうしたカイム」

カイム「……」ペタッ

アンヘル「急に触るでない」

カイム「……」スリスリ

アンヘル「ええい、止さぬか莫迦者」

カイム「……」サワサワ

カイム「……」ザラザラ

アンヘル「我が身体で何を遊んでおるか」

カイム「……」モミモミ

アンヘル「何とか言ったらどうなのだ」

カイム「……」カリカリ

アンヘル「お主の事だ、竜の弱点でも探しておるのか」

カイム「……」グニグニ

アンヘル「……無駄だ。竜にそのようなものはない」

カイム「……」ムニムニ

アンヘル「そも、逆鱗に触れるなどと言い出したのは人の浅知恵。知らぬものを憶測で諺にまでするのだから、人の何と愚かなことか」

dodとは珍しい期待

カイム「……」ゴシゴシ

アンヘル「……ええい、鬱陶しい!」

カイム「……」ピタッ

アンヘル「さっきから一体何なのだ!斯様に暑苦しい中でベタベタと!人肌が恋しいなら何処へなりとも行けばよかろう!」

カイム「……」

アンヘル「この様な夏の盛りになってまで態々我を暖めて何をしたいのだ!」

カイム「……」

アンヘル「熱さで頭がやられたのならばここから南に小さな湖がある、少し頭を冷やしてくるのだな」

カイム「……」コクリ

アンヘル「全く、彼奴は一体何を考えておるのだ」バッサバッサ

アンヘル「ただでさえ何を考えておるのか読めぬ変人が“声”さえも使わぬのでは」

アンヘル「竜の智恵を以ってしても人間の心は読めぬ」

アンヘル「…………」

アンヘル「そういう部分に、惹かれる者が後を絶たぬのだがな」

アンヘル「…………」

アンヘル「……いかん。我も少々おかしくなってきたようだ」

アンヘル「最近また増えていた、塵共の掃除でもしておくか」

アンヘル「彼奴、あのなりで不要な剣を振るうのは嫌う面もある。手を出されぬ限りは眼中にないのだろうが」

アンヘル「生憎と我はそう優しくはない。異形の闊歩する世などあまりに醜悪で見ておれんわ」

期待

アンヘル「……むう、あれだけ居た筈の異形が影も形もないとは」

アンヘル「この世界は何とまあ我に取って間が悪いものか」

アンヘル「まあ、我々も世界にしてみれば等しく“敵”と似た様な物か」


アンヘル「ふむ、あの莫迦者は居らぬか」

アンヘル「まあ良い、彼奴もいい加減街へ出れば良いと言うものだ」

アンヘル「見てくれは危うくもあるが、あれで弁えた人間ではある」

アンヘル「人並みの暮らし振りを手に入れるにはそう掛かるまいて」

アンヘル「……そうだ、いつまでも修羅と生きる訳には行くまいて」

アンヘル「走れぬ馬が、地に落ちた鳥が死を待つのみであるように」

アンヘル「彼奴もいずれ老いるのだ、あの神官長のようにな」

アンヘル「そうして己の力を見誤り、無様に戦場で死を迎える」

アンヘル「その様な事故に巻き込まれて我も消えるのならば、いっそ」

アンヘル「今の内に別れておいた方がいいのだろうな」

アンヘル「そう、だ」

アンヘル「互いの為に、その方が、いいのだろうよ」

アンヘル「……全く」

アンヘル「これではどちらが莫迦者か分からぬな」

アンヘル「どうしてこうも、我は」

アンヘル「いずれ来るその日を、離別を恐れているのだろうな」

カイム『竜と言えども、殺せば死ぬ程度に生物であることに変わりはない。ならば未知を不安がることもおかしくはないんじゃないか?』

アンヘル「!?」

カイム『……済まん、聞こえていた』

アンヘル『……全く、莫迦者が』

カイム『それと、先程の未来予測には二つほど誤りがあるぞ。竜の智恵も完全じゃないな』

アンヘル『ほう、面白い。言うてみよ』

カイム『まず一つ。走れなくなった馬は死ぬが、それよりも走ることを諦めた馬から死んでいくものだ』

カイム『俺の諦めの悪さは十分身に染みて理解していると思うが?』

アンヘル『……そうだな、生きる為に憎き仇と生を分かち合うなど、お主の様な酔狂の莫迦者位のものよ』

カイム『後もう一つは、そうだ。“己の力を見誤り、無様に戦場で死を迎える”だったか』

アンヘル『如何に契約者と言えど弁えぬ者には死あるのみ。これに何か異なることでもあると?』

カイム『俺の命はお前が守るんだ。死ぬ訳が無い』

アンヘル『……』

カイム「……」


アンヘル『安心した。やはりお主は当世最高の大莫迦者だ』

カイム『そりゃあ、“真の賢者ならばこんな世界には生まれぬ事を選ぶ”んだろう?』

アンヘル「全く……」

カイム『楽しいお喋りもいいが、こっちに来てくれないか?』

アンヘル『……分かったよ。深く考えるだけ無駄だと学ばせてもらった』


カイム『どうだ?水を沢山汲んで来たんだが』

アンヘル「済まぬ。まるで意味が分からんのだが」

カイム『最近お前、何だか不安そうだったからな。また暖めれば良くなるのかと思ったんだが。

昼はそれで随分怒られてしまったからな、ならば涼しい方がいいかと思って水浴びを用意したんだ』

アンヘル「それで今までずっとその様な事をしておった、か。結局その様な下らない落ちと」

カイム『確かに最近暑いし、お前のその体じゃああの泉には全身が収まらないからな。途中ちょっとトラブルはあったが』

アンヘル「……そうだな。見れば分かるよ。だからまずはお主がその身体を水に流すべきだと思うのだが」

カイム『何かおかしなことでもあったか?』

アンヘル「……前言は撤回しよう。返り血に塗れた状態を一切気にも留めぬ者が人並みの暮らしぶりを掴むなど易々とはいかんだろうな」

終わり

いちゃいちゃは正義

この後おまけ

カイム『それで、最近不安そうにしていたのは一体なんだったんだ?』

アンヘル「分からぬ。分からぬが、何か近い内に非常に嫌な事が起こる予感がするのだ」

カイム『それってもしかしたらこれか?』

つ 【dod3鋭意開発中!】

アンヘル「なっ、何なのだこれは!一体どうすればよいのだ!」ビクビク

カイム『落ち着いて記事をよく見るんだ、俺たちに直接関係はないらしいぞ』

アンヘル「そ、そうだな。先日も何か嫌なことが起きた様な気がしたが我々には特に影響は無かったのだ、今度も平気だろうな」

カイム『ああ、時代が違うんだ。余程の事が無い限り影響は無いはずだ』


カイム『このミハイルとか言う竜がお前の前世とかじゃ無ければ』

アンヘル「止めんか莫迦者!実は同一人物だったなどはどこぞの下卑た竜を思い出す!」

・言い訳
dod3に伴うドラゴン愛護キャンペーンの一環だからいちゃいちゃしていても何も問題が無い。
見たことあるような気がするとすれば、どこかのサイトの影響を受けているんじゃないかな。
シリアスを期待していた人、読後感をぶち壊された人はごめんなさい。コレジャナイ感の人も本当にごめんなさい。嫌わないで。

dod未プレイだけど面白かったよ


これ読んでたら、またdodをしたくなった

乙です!

レグナ「全く、儂が彼奴にどの様な顔を会わせろと言うのだ」

ノウェ「後回し後回しじゃ絶対に後悔する。会える時に会いに行かなきゃ」

レグナ「なんと挨拶しろと言うのだ。その節は殺し合いでお世話になりました、御身体は無事でしょうかとでも言うのか」

ノウェ「それだったら俺だって一緒だよ、直接切り結んだ間柄だ」


レグナ「死んでも儂は彼奴を義兄(あに)などとは呼ばぬぞ!」

ノウェ「覚悟を決めよう!……伯父さん、何が好きかなぁ」

……というコメディを考えたけど、正直レグナってどんなこと言っていたか忘れた

あとノウェ?だっけ?ノなんとかさんの性格も忘れた

折角立てたスレなので出来るだけ有効活用したいと思ったんだけど没ネタ帳ぐらいしか用途が無かった

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