上条「ソードアート・オンラインか、やってみたいな」アルゴ「その5ナ」 (960)


登場人物やそれぞれの舞台説明


【SAO・アイングラッド】


天才、茅場晶彦が開発したゲーム内の仮想世界
初日に茅場の起こしたテロ事件により約1万人が囚われる。
現在も数千人のプレイヤーがここでゲーム攻略に励む

しかし、半年近くがたち様々なギルドや娯楽が生まれてる
新聞や雑誌などの出版物。ソードスキルを応用した野球が現在盛ん

なお、快楽を求めて、未成年者の飲酒率が格段に高い問題もある。

現在、最先端は第57層



各、ギルドの紹介

ヒーローズ:ギルド頭、カミジョウ

早くから19層にギルドハウスを持つ1派。所属するほぼ全員が攻略組の高レベル集団。
ギルドハウスに温泉風呂が付いていたり、懐事情もよく、所属する女の子が全員美少女とかなりの勝ち組。
良くも悪くも、影響力のあるギルド。
しかし、ギルドメンバーの行動や他プレイヤーの嫉妬で別命がかなりひどい。
例。『ギルドDQN』 『渋谷に居そう』『サッカーで勝敗関係なく騒いでそう』


血盟騎士団:団長、ヒースクリフ


第25層より結成した精鋭ギルド。最初こそ強引とも言われた方法で仲間を集めてたが現在では超人気ギルド。
その原因は、絶対的な強さのヒースクリフとSAO1可愛いと言われるアスナの御蔭と、警察の様な治安維持活動の為。
『ヒーローズ』とは相互補填のような関係、副団長のアスナと団員数名が彼等との交流を根深くやってる。


風林火山:リーダー、クライン

仲間内だけのギルド。メンバー同士、全員現実での知り合いなので大変仲がいい。
和風の雰囲気を守ってるコンセプトギルドでもある。
『ヒーローズ』、『血盟騎士団』共に交流があり、仲裁役になる事もしばしば


ラフコフィン:ヘッド、Poh

犯罪者級のサイコパスしかいない殺人ギルド。古くから暗躍してる集団。
最近は鳴りを潜めてるが、大規模な活動があるかも知れないと噂されてる。
特に最近加盟した『ホウジョウ』は『Poh』と並びアイングラッドで最も危険な人物と言われており、
彼のギルド『神羅』のメンバーも『ラフィン・コフィン』に加盟した。



ヒーローズ:団員

上条当麻:言わずと知れた禁書の主人公。童貞、だったが現実世界で五和に無理やり襲われて、今は違う。
しかし、本人は知るはずもなく、童貞だと認識してる。

ここでは両手剣の剣士。武器は現在『バスター・ブレード』
戦闘スタイルは、剣と体術を使い分ける珍しいタイプで、特に『体術』に関しては1速く『完全習得』しており、
それが原因なのか彼だけのユニークスキルもある。
スキル名は『ブレイカー・ザ・インパクト』
相手がプレイヤーならほぼ確実に『防具』を破壊し、モンスターなら『防御無視』のダメージを与える右手のパンチ。
現在、このスキルを持つ者は彼しかおらず、また習得方法も不明のまま。
ヒースクリフ曰く「第25層で私を殴り飛ばした時に既に君は『習得』したのではないか?それなら説明が付く」との事。
ちなみに仲間内や本人はこのスキルの事を『イマジンブレイカー』と呼んでいる。
ここでも不幸は健在。
自分自身は何故自分が、特に理由のない暴力に襲われる、のか真剣に悩んでる 。
しかし、他者からは「おまえの不注意(自業自得)」と言われよく凹む。地味に『料理』と『裁縫』のスキルが高い。
ここでは、カミヤン病や説教はあまり発動してない 。
最近、御坂美琴の事を気になるが、自身は否定してる。どうなる事やら…。キリト対しては、男同士なので普通に仲がいい。
が、よく2人で不幸に巻き込まれる。アスナに対しては何もなく彼の中では『クラス1の優等生』の認識。


土御門元春:科学、魔術両サイドのダブルスパイ兼、シスコンメイド軍曹。非童貞

ここではダガー使い。武器は『コダチ』
戦闘スタイルは、バックステップしながらメインのダガーの他『帯術』やアイテムを駆使するタイプ。
ここではスパイの経験を活かして新聞記者もやってる。偶に冗談を言って場を和ませたり、時に場を占めるムードメーカー 。
だが、時には味方をも騙す。最近では夜な夜な1人で何かをしてる。
何故かここではカミヤンの特性が感染しており、女性に弄られたりラッキースケベに襲われる。『アイングラッドカード四天王』の1人。


浜面仕上:第3の男。3主人公の中で明確に彼女の居るリア充。非童貞

ここではカタナ使い。武器はカタナでも珍しい太刀『スサノオ』(モデルは、るろうに剣心の雪代縁)
戦闘スタイルは、大柄の割に軽業師みたい素早く動き、更にしなやかな剛剣のパワー。
ギルド内最大のHPを誇っており、それに物を言わせて怯まないで相手に突っ込んでいく斬り込み隊長。
ここでは頼れるアニキタイプ。本人曰く「童貞捨てると男は落ち着くんだよ」是非とも爆発してほしい
普段は温和だが、彼女の滝壺に魔の手が及ぶと鬼の様にキレる。


一方通行:第2の主人公、学園都市レベル5の第1位の天才。非童貞

ここではレイピア使い。武器はレイピアの『ウィル・ターナー』
(モデルは、映画パイレーツオブカリビアンに出てくる準主人公で鍛冶屋のウィル・ターナーから)
戦闘スタイルはアイングラッドでは珍しい『カウンター』主体で、最小限の動作で相手を圧倒していく。
しかし、『カウンター』スキル多用の影響でギルド内では1番レベルが低い。
ここでは、突っ込み属性がかなり発達してる。そして戦闘以外のスキルはほぼパーフェクトに近い 。
番外個体と肉体関係がある様だが、付き合ってない模様。しかし、彼女の事に成ると浜面と同レベルの勢いでキレる。
ちなみに本人は嫌がってると口では言ってるが、『アイングラッド』にてかなり人気がある。
何でもその容姿が、『SAO』開始当初に放送されてた『仮面ライダー』主演の俳優に似てるとか。
おかげでシリカなどの年下のプレイヤーには人気者。が、彼女さんはいけ好かないようだ。



御坂美琴:超電磁砲の主人公。学園都市レベル5第3位

ここでは片手剣の剣士。武器は『約束の思い出』
(モデルはキングダムシリーズに出てくるキーブレイドの『約束のお守り』と『過ぎ去りし思い出』)
戦闘スタイルは、フラニティーの特性を活かした刀狩や素早い攻撃方法と、ユニークスキルの『ストライ・クレイド』による遠距離攻撃。
ギルド内では1番レベルが高い。
ここでは上条と共同生活なので最初は現実同様テンパったが、今はスルースキルを覚えて日常に差し支えない。
だが現実同様、感情を爆発させやすい。母親同様、かなり酒癖が悪い。
キリトとは険悪だったが、殺し合い手前の『デュエル』の末和解。以後、ライバルと認識してる。
異性としては誰かに気を使ってるのか、本当に気がないのか意識してない。
現在、『ラフィン・コフィン』に拉致されており、行方不明。


佐天涙子:超電磁砲の元気っ子

ここではランス使いの『帯術』使い。武器は『ロッド・ドラゴン』
(モデルは仮面ライダークウガのドラゴンフォームの武器ドラゴンロッド)
戦闘スタイルは、ランスを巧みに使い『帯術』で遠距離攻撃も出来るマルチタイプ。
ここではいつも通りムードメイカーで、最近ではリズベットや番外個体、土御門と共謀していろんな人に悪戯を仕掛ける。
メインターゲットは美琴とアスナ。5層で自身の体を切り裂いたPohを探すと言う目的がある。
土御門をアニキと言って慕ってる。恋心なるのかと言う質問には持ち前のトーク力で逃げる 。
黒髪ロングの美少女だからか『アイングラッド』の中ではアスナに次いで人気が高く、町中でよく写真を取る事を強請られる。
本人も気さくに対応するので、ますます人気が高い。



番外個体:御坂美琴のクローン。何故か一方通行と肉体関係がある。

ここでは片手剣の剣士。武器はバスター・ソード(モデルは特になく、シンプルな剣。上条のバスター・ブレイドと同じシリーズ)
戦闘スタイルは、美琴と相反するずっしりしたパワー型。浜面や上条に近いく、元から知ってる軍隊格闘の知識を混ぜ合わせた独特なスタイル。 が、人によっては『カチコミに来たスケバンの持ってる武器が木刀から剣に変っただけ』と、揶揄される。
何故か一方通行に対する悪意がめっきり減って、歳相応の乙女な反応が多い。だが、下品な口調は健在。
それどころか、だらしなさすぎる行動が多く『ギルドハウス』内を上裸で移動したり、
男もドン引きな下ネタも所構わず言うので、美琴や一方通行から鉄拳制裁をよく喰らう。
美琴と同様に『ラフィン・コフィン』に拉致される。


初春飾利:パンツ要員の花瓶、腹黒

ここではダガー使い。武器はポイズン・ダガーと割とえげつない物。
基本的に戦闘に参加しない。普段は条処理能力を駆使した新聞記者で、何気に美琴や佐天よりも稼ぎまくっている。
何故か尋問能力がずば抜けてる。
この世界だとダイエットの必要性が無いので、甘い物の消費量が現実の倍に増えた。
この世界では現実で佐天にやられてた悪戯を番外個体やリズベット、シリカにもやられるようになる。
が、その代りやり返してたりする。例えば『1日50個』限定のお菓子を買占め、見せびらかしながら食べるとか。


滝壺理后:浜面の彼女の不思議っ子

ここではシミター使い
基本的に戦闘に参加しない。『アイングラッド新聞』の創刊者及び社長。このギルドで1番の稼ぎ頭 。 このギルドで日常雑務は彼女が行う。
怒ると怖い。『カード』に関しては全プレイヤーの中でもトップレベルであり、『アイングラッドのカード四天王』の1人でもある。
浜面とラブラブ。肉体関係あり、惚気ることに抵抗感がない。の為に、少々生々しい事もさらっと言う。



キリト:SAO主人公。孤高のソロプレイヤー。『黒の剣士』とは彼の事 。
『ヒーローズ』に属してないが、ほぼ一緒に行動するので同じにみられる。

片手剣の剣士で、武器は『エリュシデータ』
元々『ヒーローズ』やアスナとはとある事があって最近は疎遠ぎみ。
だったが、前述した美琴との『デュエル』にて和解。以後、よく共に行動してる。
戦闘スタイルはずば抜けた反射神経と洞察力による攻守万全なタイプで、
反応速度に関しては『ヒーローズ』のメンバーでは誰も彼を超えることはできない。彼の洞察力は一方通行も認めるほどの物。
レベルも『アイングラッド』にてトップ5に入る。アルゴ曰く『ミコっちゃん以上、ヒースクリフ以下かナ』との事。
初期は『掴み所のない人物』で『ビーター』と言う事もあって、避けられてたが。アスナや『ヒーローズ』面子との絡みにで徐々に歳相応の反応をするようになる。
特にカミジョウとはウマが合うが、彼の不幸体質が伝染して理不尽な事故に巻き込まれやすくなり『不幸だ…』と偶に呟いてしまう。
最近では『カミヤン病に感染した疑いがある』との報告書は土御門と一方通行により発表された。
美琴に対しては『デュエル』以降、『ライバル』として認識しており異性としては認識してなく、むしろ彼女の恋を応援している。
アスナに対しては、自分が孤立しようとしてる時も傍に居てくれたので、不思議な感情を抱いてる。


アルゴ:情報屋のお姉さん()

頬に髭のペイントを描いたプレイヤー。キリトや美琴などをお得意様にする重要な人。
土御門や滝壺、初春とは新聞関連で特に交友がある。何故か学園都市の事情を知ってたりズバズバ言うので、一方通行や土御門を驚かせる。
自身を『オネーサン』と言うが、その容姿からか、番外個体や土御門、佐天などからオモチャの様に弄られる。
『アイングラッドカード四天王』の1人。



血盟騎士団:団員


ヒースクリフ:言わずと知れたあの人

片手剣のユニークスキル『神聖剣』の使い手。アイングラッド1のプレイヤー。
普段は表に出ないが、ここぞと言う時に出でるタイプ。
ここでは『真面目にボケる』事が多く。副団長のアスナ意外にも上条にも悩まれる存在。


アスナ:SAOヒロイン。常識人?

かつては『ヒーローズ』に所属してたが、彼女を掛けたゲームに『ヒーローズ』が負けこちらに移籍。
ここでは副団長を務める。原作と違い、ヒースクリフの事は心の底から嫌い。
しかし、部下の団員から絶対的な信頼があり、今では立派にその地位に見合った行動をとってる。
おかげで超が付くほどの有名人になり、最近では美琴達の女子会に出れないのが悩み。
しかも、ここしばらくの『ラフィン・コフィン』の活動により、もっと多忙になっている。
現実では親の引いたレールを何の疑問も無く歩む人生だった。しかも、学園都市や超能力者にあまりよくない印象を持っていた。
しかし、SAOがデスゲームになってからそれらの価値観が崩壊。キリトや美琴達の出会いで『生きる、現実世界で生きて帰る!』と言う目標を元にこの世界を走ってる。
現実へ帰れたら学園都市で本物の美琴達に会う事を夢見てる。ちなみにキリトにも言えるが、上条達に濃く影響された人物の1人であり、今まで喋らなかったかのような崩れた口調や、ツッコミなどもするようになった。
美琴とは最初に『トールバーナ』で逢って以降、何の問題も無く友人になっており。
女子会を通じて『ヒーローズ』の女子とはかなり仲がいい。勿論、美琴の恋は早い段階で分かっており応援してる。
なので、上条ははなから恋愛対象として見ておらず、あまりの鈍さに彼女も彼への鉄拳制裁にたびたび参加してる。
そして、このゲームで最初に『生きる』事を見せてくれたキリトに、特別な感情を抱いてる。



シキシマ・ヤマト・アサヒ・ヤマザクラ※オリキャラ

血盟騎士団の団員で1番隊から4番隊の其々隊長。浜面、土御門を尊敬していて、『ヒーローズ』とはかなり友好的。
かなり酒を飲む。シキシマとヤマトは空軍のパイロット候補生で、アサヒとヤマザクラは航空関連の理系大学生。4人は幼馴染。
この中でヤマトだけ現実で彼女がおり、たびたび弄られる。
彼等の運命は、名前の元ネタの通り。



その他、キリトや上条に友好的な人々


シリカ・リズベット

ビーストテイマーの少女とマスターメイスの少女。アスナや美琴達とはかなり仲が良く、しょっちゅう女子会で喋ってる。
シリカは既にキリトにフラグを建設されてる。実はこの2人、『アイングラッドカード四天王』ほどでもないが、カードに関してはかなり強い。


クライン:ギルド『風林火山』のリーダー

キリトがSAO正規版で最初に出会った人物であり、学園都市勢(土御門)と最初に接触した人物。
野武士面とも揶揄される通りの風貌。これでも20代。『アイングラッドカード四天王』の1人で、賭け事と酒には滅法強いが、女運は悪い。
非公認ギルド『リア充駆逐兵団』の団長であり、リア充を見境なしに襲う(主に、浜面や一方通行。別のベクトルで上条やキリト)を襲ってる。


エギル:大男の大人な人。

第50層にて、『ダイシー・カフェ』と言う名の店を営む商人であり、高レベルの大斧使い。
現実で結婚してるからか、大人をやっておりキリトや上条たちのよき理解者であり、時に何かのヒントを出してくれるいい人。
しかし、たまに店で暴れられるのでなら身の種でもあったりする。



ラフィン・コフィン:団員


Poh:アイングラッド最強のPKにて当ギルドのヘッド

SAOにて最もPKをしてるプレイヤーで、その名前を出すと場が凍りつくとも言われるぐらい名をはせてる。大型ダガー『友切包丁』は彼の象徴。
「ゲームを愉しみ殺すことはプレイヤーに与えられた権利」との理念から多くのオレンジプレイヤーを洗脳して行った。
尚且つ、3カ国語を話すバイリンガルと、その美貌と独特の声も相まってギルド内にて絶大的なカリスマ性を持つ。
プレイヤーの殺し方も独特の美学を持っており、「イッツ・ショウ・タイム」の言葉を相手に宣言する。
その言葉を聞いて生き残ったのは10もいない。初期に一方通行と接触しているが、互いの利害が合わなかったため、今はほとんど交流がない。


ザザ

ラフィン・コフィンに古くからいる1人で、通称『赤眼のザザ』。
エストニックの使い手で、相手のエストニックを奪いコレクションする趣味がある。
通り名のままに髪と目を赤くカスタマイズしている。言葉を短く切って話す癖がある。
ちなみに『ラフィン・コフィン』の機関紙ともいえる『SAOタイムス』の主筆は彼。


ジョニー・ブラック

ザザと同じく『ラフィン・コフィン』に古くからいる1人で、子供のような行動と容姿とは裏腹に、暗殺者じみた戦法を得意とする。
が、『ガキ』と言われると頭に来るようで、攻撃が短絡的になる。武器は『ポイズン系のダガー』を主に使う。


ロザリア

女ランサー。オレンジギルド『タイタンズハンド』のリーダーだったが、とある事を機にキリトによって牢獄へぶち込まれた。
が、何故か『ラフィン・コフィン』の1員となって彼の目の前に現れる。


ケイタ

かつてキリトが所属していたギルド『月下の黒猫団』のリーダー。死んだと思われてたが、生きていた。
以前の彼は面倒見のいい理想に燃える責任感のある爽やかな青年だった。が、今ではその雰囲気はどこへやら。
ロング丈の黒い革のコートを着た『怨念の亡霊』様な風貌で、周りからは『セフィロス』と呼ばれてる。
武装も、棍からカタナの身の丈以上の長さの斬馬刀『正宗』。

一方通行がライダー似...?
誰のことだ?



カダージュ※オリキャラ

『ラフィン・コフィン』のメンバーとして最初に確認されたのは第25層で、それ以降『ヒーローズ』を襲撃する際には必ずと言っていいほどいる。
特に浜面を執拗に襲う傾向がある。容姿は細身で中性的な顔立ちの銀髪のセミロング。これは現実世界で染めていた色。
上半身裸で行動するのが多く、裸に何か簡易的な防具をつけて現れることが多い。
『露出狂』と双方に思われてるが、本人は理由を頑なに話さない。絹旗最愛を知ってるらしく、拉致してきた滝壺に問いかけた。
武装は土御門と同じ『コダチ』
モデルはFF7アドベントチルドレンに出てくるカダージュ


ホウジョウ ※オリキャラ

元はギルド『神羅』を創設した人物。前線より、後方で指示する致傷タイプ。
「この世界を新たに生きる世界として決意した者達を守り抜く」と言う 理念の元、攻略組をに様々な妨害をしてきたが、第25層以降ぱったりと姿を消す。
再び活発になったのは第55層攻略以降、『ラフィン・コフィン』に合流してから。
それまで中小のギルドを吸収してきて、人員を確実に増やしてきた。
彼の部下は狂信的に彼を崇拝しており、半ばカルト集団の教祖のような存在。そして、『元神羅』の兵は命を惜しいと思わない集団。
容姿は、細目のすらっとした体型で、ねっとりとした口調の人物。
現実では『杉原一世』と言う名の過激派指名手配犯。見た目は20代後半だが、還暦越え。
学園都市や能力者、関係者を恨みのごとく嫌ってる。武装は『アロウズ』と言う弓矢。

モデルはFF7の宝条にゲット・バッカーズの赤羽さんを足して割る4の感じ。


ユフィ※オリキャラ

『神羅』にて、幹部の立ち位置にいた女プレイヤー。動きが素早く、まさに白井黒子がSAOにいたらと言うタイプ。
武装は『ウータイ』と言う必ず何かしらの状態異常を起こすブーメラン。特に『ベイン』というスキルはすべての状態異常を起こす。
しかし、必ず状態異常を起こすが、ダメージ量は少ない。
戦闘スタイルは、主に空中戦。『ウィンダム・スーツ』と言うジョークアイテムのような物を使い、風に乗ってグライドしながら素早く移動し隙を作る。
更に『ウータイ』の効果である『振ると飛び散る赤い液体』 で相手の目を塞ぎ、隙を見て相手を攻撃して状態異常にさせる。
勿論、空中戦でなくとも手ごわいが、対策さえすれば攻略可能。
容姿は、白井黒子の髪を黒髪しただけであとは関西弁を喋るだけ。歳は3つ上。体型は変わらない。
学園都市や能力者を生理的に嫌悪しており、『ヒーローズ』の御坂美琴は見ただけで殺意が湧くほど嫌ってる。
原因は両親と学校の授業で徹底的に反学園都市の思想を教え込まれ、更に現実世界で心酔している彼女の先輩が美琴に瓜二つだから。
他にも原因がある模様。アスナ同様、親の引いたレールの上を生きていたが、デスゲームにより崩壊。
この世界で生きようとしてたところ、ホウジョウの演説に惚れ込み『神羅』に加入。以後、ホウジョウを崇拝している。

名前の由来はFF7のユフィ。



【現実・学園都市】

化学が周りより2,30年発展しており。超能力をまじめに研究してる
独立を保った都市だったがとある事により、日本国の1地方都市と同等の扱いに変化していく。
現在では、ゲートが増えセキュリティーが外部と同等になってる。
更に、東アジア地域の紛争が激化し、中国、朝鮮系の密入国の移民が大量に流入し治安が悪化してる。
能力者の無能力者への実力行使が条例で禁止され、無能力者(この場合、外部からの流入民も含む)への憎悪が高まってる。
ここ最近、人が変わったかのような人が増え、謎の事案が増えてる。あれ、あんま変わって無くね?



麦野沈利:学園都市レベル5の第4位

アイテムリーダー。仲間2人を連れていかれ、助けるために奔走してる。
ここ最近では、京都に現れた自分と同じ能力を扱う少女を調べてる。
その過程において魔術側の人物との交流が増え少しではあるが知識が増え始める。
しかし、その力には懐疑的。ここ最近は保護者的な立ち位置が多い。


禁書目録(インデックス):禁書のヒロインの1人。

言わずと知れた大食いシスター。『十字教』の『必要悪の教会』に所属。
上条当麻の帰りを待ちながら『学園都市」に居る。
最近は交流が広まり、絹旗や結標に服を選んでもらってる。
現れた謎の集団の『魔術』などの能力を気にしており、
自身の持つ魔術書に乗ってない物も持ち前の知識でカバーする。


白井黒子:超電磁砲のヒロイン?変態淑女

御坂美琴の後輩で初春や佐天と同い年。彼女らを取り戻すために奔走。
ここ最近は麦野たちと行動しており、あまり学校に行ってない。
『風紀委員』の権限低下で若干やさぐれてる。それでも自身の正義は曲げてない。


絹旗最愛:暗部組織『アイテム』のアイドル!!

レベル4の『窒素装甲』の能力者。『暗闇の五月計画』の被験者の1人で『置き去り』でもある。
『超~』という口癖のC級映画好きの少女である。が、本人は認めてないが弄りやすいタイプである。
最近では白井黒子と行動する。しかし、彼女の知らない所で、肉親の話題が出てきている。


海原光貴:アステカの魔術師。及びミサコンストーカー

『グループ』所属の工作員だが『アイテム』同様2人欠員してるため麦野達と共に行動してる。
『魔術』と『科学』の仲介役になる事もしばしば。
謎の集団の技術がかなり気になり、真相を究明しようと奔走。
しかし、若干答えが出来てるらしく、その意見は麦野や禁書も納得している。
最近は、女性に囲まれ、若干ハーレムモード。



謎の集団:※オリキャラ軍


ルーマニアや京都に現れた謎の集団。『科学』『魔術』両方の力を行使する。
しかしそれらは変質してるらしく、双方の者達からは懐疑的に見られる。
基本的に誰かに成りすまし、顔に護符を張り潜伏してる。
多くが学園都市にいると思われ、水面下で行動してる模様。
彼等の言動で『この時代』の者ではない可能性がある。
『賢者の石』を用いた魔術を展開する。
『ヘブライ教』とのつながりが指摘されてるが、『魔女』によって否定されてる。



リノア:最初の人物。

京都にて最小に行動を起こした人物。しかし、それまでは京都に修学旅行に来た女子中学生だった。
普段はアステカ式の護符で女子大生等に扮する。
能力は『原子崩し』と『血文字を用いた術式』。
しかし、麦野や海原には懐疑的にみられる。
上司の事は敬愛してるが、振り回される事が多い。
学園都市での行動後、麦野達に拘束される。

モデルはFF8のヒロイン、リノア


サイファー:ルーマニアより参戦、ドSの変態

普段は『とある高校』の教師、災誤に扮してる。
性格は『イラつく爽やか青年』のまんま。
学校や日常では評判はイイが、その裏で気に入った少女を自宅へ連れ込み壁と一体化させて楽しむ。
能力は『何かを融解させる』の様な感じだが、具体的には不明。
アルティミシアを逃す為、自爆し、命を絶った。
モデルはFF8のサイファー


オダイン:ルーマニアより参戦、変態其の2

誰に扮してるか不明だが、発言を見ると女中学生の模様。しかし、本来の性別は男。
鼻から出すような声で、仲間内からも不評。
モデルはFF8のオダイン博士


アルティミシア:このSSのラスボス。見た目はカワイイ

とある少女に扮した『魔女』。その性格は天真爛漫。
魔術の知識はインデックス並であり能力のほとんどを『賢者の石(鬼灯石)』を用いて行使する。
それ以外は『踊り』を用いた魔術を行使する。
最近、なぜかアイドルデビューした。



ここまでの流れ。

SAO正規版、販売。学園都市でも『能力者対応版』としてナーヴギアをSAO同梱で限定50個販売。
土御門、佐天、初春、浜面、滝壺が購入。上条は友人の青ピに譲ってもらう。
13:00サービススタート。
この時、アーガスの依頼により、御坂美琴と一方通行、番外個体もプレイ開始する。



同日18:00.茅場晶彦がデスゲーム宣言。約1万人のプレイヤーが閉じ込められる。この時、土御門がクラインと遭遇する。



同時刻、学園都市内にても騒ぎになる。
が、この件に関しては手を出すなと上層部からきつく指示され、また強硬な手段に出そうな者には暗部組織により直接警告される。
この時、白井黒子と麦野沈利が出会う。



1ヶ月後、第1層迷宮区の攻略。この時、キリト、アスナ、アルゴ、エギル、シンカー、キバオウと出会う。
しかし、キリトは他のβプレイヤーを守るため『ビーター』と名乗り孤立。他のメンバーとは交流を深めていく。
が、直後、第2層の『体術』習得ポイントにてキリトと遭遇。何やかんやで交流を深める。
この時、アルゴに上条達が学園都市の人間だとばれる。しかし、これと言った対立は無かった。



2か月後、第5層にて、美琴とキリトの『片手剣』の代替を探す。
この時、伝説の剣『白金の剣』を掛けて大木『ヨラバタイ樹』を登る競争をし、美琴が勝利。『白金の剣』を手に入れる。
この時、木の根元で待っていた上条、浜面、佐天、アスナをPoh、ザザ、ジョニー・ブラックの『ラフィン・コフィン』が急襲する。
奇襲でもあったため、最初は劣勢だったが『ヨラバタイ樹』から降りてきたキリトと美琴の助けもあり、
何とか撃退。翌日の攻略会議にて上条はヒースクリフと遭遇する。その後、エリアボスを無事倒す。
この時、上条やキリト達は酒の味を覚える。土御門が佐天にフラグを立てる。


4か月後、学園都市にて白井と絹旗、麦野に木山が京都へ新品の『ナーヴギア』を受け取るために出向くことに。
なおこの日、会員制バーにて働く半蔵が郭と肉体関係があることが発覚。
翌日、上記4人が新横浜より新幹線で出発。この時、車内にて現在の学園都市の弱腰について木山から聞く。
京都到着、白井、絹旗。麦野、木山の2組に分かれて行動開始。木山、麦野はとあるホテルにてレクトの須郷から『ナーヴギア』を貰い受ける。
絹旗、黒子は国立大学にて工作後、親切な学生に次の目的地へ送ってもらってる途中、公安警察に捕まりかかる。
その後、潜伏してた学校にて絹旗は、浜面と滝壺にそっくりな学生と遭遇する。
続いて、四条大宮にて黒子は美琴、佐天、初春のそっくりな学生と遭遇する。
レクト京都支社(旧アーガス)に潜入した麦野と木山。この時、麦野は木山が茅場晶彦と関係があったことを知る。
その後、車に乗ろうとしたところ公安に拘束されそうになるが、麦野が2名殺害し逃走する。
この時、遅れてきた海原、結標の助けによって公安を撒く。
しかし、この2名の捜査員を殺害したことにより、より強固な捜査態勢になり、ついには陸軍まで投入される。
麦野達は学園都市の非難設備『カーゴ』へ向かう。
『カーゴ』直前で足止め喰らっていた絹旗と白井、謎の勢力の介入により何とか非難設備に逃げ込み京都を脱出。



再びSAO第19層。既に彼等はギルドを結成済み。
名前は『ヒーローズ』でメンバーは上条、美琴、佐天、土御門、浜面、アスナ、滝壺、初春。
この時、とある『クエスト』のクリアした結果、『ギルドハウス』をタダ同然で手に入れる。
ちなみに、この層から『スキル』を応用した『野球』が流行り始める。



学園都市、事件発生半年後。この時、学園都市は自治権の多くを取り上げられ、外部と同化させられてる。
その為、外部流入民の犯罪が多発している。
後にこの1連の学園都市の弱腰を住民は『学園都市にもギュンター・シャボウスキーが居たんだ』と皮肉を込めて語った。
その頃、内乱中の中国国立博物館にて様々な宗教に絡む重要な石、『賢者の石』が京都に現れた少女に盗まれる。
少女はシルクロード方面に逃走。この時、上条さんは五和に逆レイプされてた事が発覚。神裂さん、マジ切れ。


第25層。SAOでも珍しい海がある『フィッシャーマンズ・ホライズン』。
この層から売られ始めた『カード』で遊びながら回ってると、美琴達が襲われてるとの情報が入る。
そして救援に行くと、ビーストテイマーの少女『シリカ』に出会う。
襲ってきた人々曰く、『美琴のそっくりサンとガラの悪い白いモヤシ』がシリカを誑かしてる雑誌が売られてるの事。
その後、この2人をシリカに呼び出してもらう。その正体は一方通行と番外個体だった。
キリトが立会人で2人のギルド加入を掛けた『デュエル』をする。『デュエル』は浜面と土御門によって勝ち、2人の加入が決まる。
この時、キリトは『月下の黒猫団』に加入しており、アスナや美琴の癇に障る。
翌日、キリト、上条、浜面と土御門、佐天は第25層の南方を探索。残りのメンバーは街中を探索。
この時、リズベットと出会う。南方探索中のキリト達、岬の先にて『フィールドボス』との戦闘、それに快勝する。
その後、町中にてアスナや一方通行達も『フィールドボス』に遭遇、快勝するかに思えたが横やりが入る。『血盟騎士団』である。
キリト達はアスナ達の下へ向かうが、途中『ラフィン・コフィン』に襲われる。
同じころ、美琴やアスナたちは『血盟騎士団』団長ヒースクリフからアスナを掛けた『デュエル』を仕掛けられる。
どうにか『ラフィン・コフィン』を撒いた上条たちは美琴達の元へ向かう、たどり着くとそこで見たのは敗戦してアスナを取られた美琴達だった。

後日、第25層迷宮区前にて『血盟騎士団』やアスナと再会。
この時、ヒースクリフは上条に顔面パンチをくらい防具を全て破壊される。その為、『フロアボス』戦を離脱。
なお、前日深夜、キリトにも顔面パンチ喰らってる。
、第25層フロアボス『マザー・ザ・レギオン』との戦闘。大規模な犠牲も出しながらも、何とか勝つ。
が、この時、キリトは自身の所属するギルドメンバーが死亡した事に気が付く。
急いで現場に急行すると、そこでは『ラフィン・コフィン』の手によってお互いに殺しあわせられてるササマルとサチの姿。
しかし、目の前でササマルをジョニー・ブラックに殺される。そして、殺意のままに暴れるがあと1歩でサチを助けられず殺されてしまう。
この後、キリトは再度『孤立』を決意する。



事件発生後、9か月立った学園都市。治安の悪化傾向ある学園都市だが、遠く離れたルーマニアで事件が起きる。
とある村の住民全員が死亡、または失踪してしまった。原因は京都に現れた少女が、何らかの魔術を行使し同胞を召還たため。
その中での中心人物は魔女『アルティミシア』という。そんな事も知らない学園都市の化学側の麦野達。
SAO関連等、手詰まり感が漂っていたが、そこで魔術側の『禁書目録』と初めて関わる。
彼女等による説明により、中国にて盗まれた石は『魔術側』でも重要な物であり、
更にルーマニアで消息を絶った住人の中に『魔術側』でも重要な人物『魔女』がいると。
その頃、既に『魔女の一団』は学園都市に潜入してた。



その頃、SAOでは束の間の休息。と、そこで消息不明だったキリトを見つける。
『ヒーローズ』は彼の手当てをし、回復を祈った。彼が目を覚め喜ぶが、それもつかの間。
彼があからさまに体調異変の症状を出す、しかし彼はギルドハウスを出ようとする。
それを止めようとした滝壺を突き飛ばし、浜面の怒りを買うが、まさか彼を刺す。
その後、彼と殺し合い寸前の戦闘になるが、『ヒーローズ』は敗北する。その後、美琴を中心に彼に対して嫌悪感が広がる。


SAO事件発生10カ月後、学園都市。SAOの情報が無い麦野達は『魔女』の情報を集めてた。
そんな中、学園都市の入管施設が不法移民によって占拠される。解決はしたが、学園都市の兵器がローテク兵器に敗れる事態が発覚。
その後、麦野達はとあるホテルにてランチを食べてたが、そこで『魔女』の一行と遭遇。
戦闘になる。武力派の『リノア』とは麦野が、『魔術派』の『アルティミシア』とは禁書目録が。
其々、僅差で麦野と禁書目録が勝った。



SAO第50層。エリアボス討伐後、そのドロップアイテムを巡って美琴とキリトで激しく対立。
ヒースクリフの提案で『デュエル』で決めることに。頭を抱える上条、アスナの元に謎のNPCの情報が入る。
各々討伐しようと戦闘に入る。だが、そのNPC?は『ヒーローズ』の面々の現実の友人たちと思われる。
この後、これに関しては語られない。



数日後、キリト、美琴のチームの『デュエル』。
様々な戦いを経て、キリトチームが勝利。戦利品『エリュシデータ』はキリトの元へ。
この勝負により、美琴とキリトは和解へ。しかし数週間後、『ラフィン・コフィン』が攻略組へ宣戦布告。



学園都市。事件発生11か月後。『とある高校』に潜入してた魔女の手下『サイファー』が『とある高校』にて実験開始。
その時、麦野、白井、ステイルはSAOへ潜入する。実験を嗅ぎ付けた禁書目録たちが『魔女』の実験を阻止しようと『とある高校』へ潜入。
様々な『ヘブライ魔術』を目の当たりにしても必死に妨害。その結果、『サイファー』を殺害、『リノア』を捕縛。と言う結果になる。
魔女『アルティミシア』は本格的に『科学・魔術側』に武力を含むあらゆる方法の解決を決意。



SAO事件発生後、1年3ヶ月後。『ラフィン・コフィン』が本格的に攻略組へ宣戦布告。この時『ヒーローズ』の1部の面々へ奇襲。
その結果、御坂美琴、番外個体、滝壺理后が拉致される。その時、白井黒子に瓜二つの少女『ユフィ』が目撃される。
そして、『カダージュ』が滝壺理后に『絹旗最愛』について『自分の兄妹か』と問われる。

今回はここまで。

以前、『あらすじを…」と言う意見がありまして、
それと『カダージュ』や『ユフィ』の関連性に無理がないか、前の話を読み返してあらすじを書いてみました。


その結果、話が全然進みませんでした。ごめんなさい・・・


で、SAOⅡ始まりましたね!自分はアスナとキリトの皇居デートが羨ましくて拳が辛いです。
やっぱり、顛末を知ってるとは言え、キャラクターが動いて話してるのは感動しますね!!

このSSもSAO1期の時に書き始めたんだよな~…何してんだ自分…

ともあれ、これからもSAO、とある。共に楽しみです!!


関係ないですが、美琴さんが電気から炎に属性チェンジしましたね。
私は幼稚園であれの劇をやったのを思い出しました…


ではまた!

その4の方リンク貼れてないよ

>>11

この時代のライダーで、これと言ったモデルは居ません。
でもひょっとしたら、一方通行の中の人もライダーデビューしてほしいなァ…。アスナの中の人は戦隊デビューしたし。

>>20

訂正しときました。ご指摘ありがとうございます。


あと、前スレでご質問があったのですが、

このSSは『アイングラッド』編だけです。

このSSにFF系のキャラ名のオリキャラが多いのは私の趣味です。

間違えて前スレにコメしてしまたスマソ

やっと追い付いた
>>1
めっちゃ面白いよ

ちなみに一度聞かれたかもしれんけど
>>1の過去作とか他にある?

すいませんスレ間違いました…いや、本当すいませんでした…マジで…勘弁してください…

>>24


これが処女SSです…


>>28

ミスは誰でもありますから。


良ければあなたのSSを御教え下さい。

こんばんわ!!


さて、このスレ初の投下行きます。

今回はラフコフメンバー中心です!!


では投下。

『ラフィン・コフィン』のアジト・カダージュの部屋


銀髪の少年の言葉に耳を疑う。


カダージュ「あってるよな…あれ、違った?」


目の前にいるのは『ラフィン・コフィン』でも古株の1人、『カダージュ』。
『ダガー』でも珍しい『コダチ』系統の使い手で、同じく『コダチ』の使い手の土御門と比較される。しかし


滝壺(何故か、はまづらしか襲わない…)

カダージュ「ねえ、どうなんだよ?」


覗き込むように滝壺の目を見るカダージュ。
彼の今の服装はズボンだけの上半身裸で、特徴的な銀髪も先ほど滝壺に顔を見せた時にあげた前髪をヘアゴムで結んでる。
いかにも寝る直前の思春期の男子で、彼女に危害を加える気配はない。
後、彼女が確認できるのはギルドを離脱され、交友関係がすべて破棄されてる事だ。
この状況の確認できない今、下手な事を言えばどうなるか?とにかく、時間を稼ぐように答えることにする


滝壺「…兄弟がいるのは初めて聞いたよ」

カダージュ「知ってるのか?」

滝壺「うん。…けど、さいあいに兄妹いるのは知らなかった」


ここはあえて『きぬはた』の名前で呼ばない。


カダージュ「…事実か?」

滝壺「事実も何も、あなたのさっきの発言が本当かどうかも解らない。嘘かどうかも」

カダージュ「…」


それもそうだ。さっきの言葉、仮にこの男が絹旗と知り合いなら証拠を出してほしい。
顔が似てるとか、そんな抽象的な言葉でなくちゃんとしたデータを。
しかし、ここはSAO。現実世界のデータなんぞ手に入るはずがない。


カダージュ「…あいつと同じ事を、同じような声で言いやがる」

滝壺「?」


彼がボソッと言った言葉を、彼女は聞き取る事は出来なかった。
が、彼の表情が落胆していく様子ははっきりとわかった。
数分間、うなだれたように無言で座ってると


カダージュ「!?」


何かに反応する。これは全プレイヤーにある事で


滝壺「『メッセ』?」

カダージュ「あぁ…」


のこと。『メッセ』メッセージの略で、メールのような物だ。そして、このタイミングだと


滝壺「何か会議があるの?それとも、侵入者?」

カダージュ「前者だ。…侵入者も何も、この場所は見つからないよ。仮に解っても手段がない」


その言葉を残すと、彼は部屋を後にする。


滝壺「…はまづら」



廊下


カダージュ「…」

「あら、現実世界のお友達と姿が似てると言う女を持って帰った。そないな事と聞いたから来てみたら、振られたん?」


自分達と同じにされてイラつくイントネーションの言葉の女


ユフィ「図星やったか?」


彼女が声かけてくる。


カダージュ「…大阪女の気品高い言葉はキッショイわ」


問いに対して、感情論で返す彼も下品であるが…


ユフィ「京男は…ホンマに、下品やなァ!!!」


この少女には通じる様だ。そして、その答えは


カダージュ「ッいきなりかよ!!超下品だな!!」


彼女の行動で表される。
唐突に『ウータイ』で襲ってくるユフィ、スキルも何も使ってない物だが、彼女の武器の効力を知っているのなら当然防ぐ。
赤黒い液体がカダージュを襲う。


「やめないか」


唐突に入る落着いたネチッコイ声。


ホウジョウ「これから演説があるのだ。問題は起こしてほしくない」

ザザ「だとさ」


2人の衝突に間に入ったのはホウジョウとザザ、そして


Poh「…」


コイツを含む3人だ。



カダージュ「ヘッド!?」

ユフィ「ホウジョウ様!!?」

ホウジョウ「若さゆえの衝突は私は歓迎するが、今はすべきではない。そうだろ?ユフィ」

ユフィ「…はい。申し訳ございません」

ホウジョウ「カダージュ君も、ユフィから仕掛けたようだが、私の顔に免じて許してくれないか?」

カダージュ「…解りました」

ザザ「そうだ、ユフィ。俺と、変わって、くれないか?どうも、人前に、出るのは、苦手だ」

ユフィ「…ええ」

Poh「そろそろ時間だ。急ぐぞ」

ホウジョウ「おっと、そうでしたね」



カダージュ「…」

ザザ「気にするな、俺も、嫌いだ。そうだろ、ロザリア、セフィロス」

「あら~バレチャッタ」

「気が付くだろ」


柱の陰から出てくる2人。
ロザリアとセフィロス事、ケイタだ


ザザ「近くに、居たのなら。せめて、止めて、欲しい」

ロザリア「いやだねぇ。私のレベルでその2人を止めるのかい?」

ケイタ「それに似た物同士の戦い。興味があったから…」

カダージュ「似た者同士だと!?」

ザザ「それは、有名」

ケイタ「多分みんな知ってんぞ?」


カダージュ「フザケンナよ!
あのアマは今まで親の言う通りにしか生きて来なくて、この世界で挫折してグレタお嬢様だろ!?俺のどこが超似てるんだよ!?」


ロザリア「そのまんま」


得意げな表情でキセルに火をつける彼女。
しかし、隣のケイタは煙が迷惑そうな表情だ。



ロザリア「親の言う通りに生きてきた。君だってそうでしょ?」

カダージュ「いい加減にしろよ!?誰があんな超クズ親――」

ザザ「ロザリア、その辺で」


火に油を注いだの如く、反論するカダージュ。
ザザも止めようとするが


ロザリア「また――」


彼女の次に言葉で、状況は一変する。


ロザリア「『超』って言った…」

カダージュ「!?」

ザザ「はぁ?…って、ザザ!?」


突然、彼女の言葉を聞いたカダージュが小刻みに震えだす。
その表情も、先ほぼまでの勢いは何処に行ったのか、まるで怯えている子犬のような表情。


ケイタ「…本当だった」

ザザ「これは、まさか!?」


ロザリア「あら、医学系に詳しいザザさんも解ったあ?
そうだよ、特定のワード、アクションで怯える仕草。児童虐待受けてた子供の多くに見られる特徴ね」


ケイタ「児童…虐待…」

カダージュ「かっ…ごッ…ごめ…」


衝撃だった。
感情の起伏が激しい人物だとケイタは思っていたが、彼がここまで怯えるには初めて見た。


ザザ「…いくらなんでも、やり過ぎだ。現実の事が、タブーの『アイングラッド』なんだ。今すぐヤメロ。…カダージュ、部屋に戻って、休め」

カダージュ「…超、ありがとうございます」

ロザリア「あ、また――!」


彼女がまたカダージュの言葉で上げ足を取ろうとすると


ケイタ「次言えばその喉切り裂く…」

ザザ「セフィロス…」


ケイタがロザリアの喉元へ『正宗』を寄せる。
それは、彼女が牢獄へぶち込まれる前に『とある黒の剣士』にやられたのと同じように


ロザリア「…悪かったよ。カダージュ、気分落着けるなら『アイスドリンク』飲め。落ち着くわよ」

カダージュ「ち…ありがとうな」

ロザリア「さっきの言葉は2度と言わないわよ」


その言葉を聞くと、最小限の表情で安心した顔をして、彼は自身の部屋に戻って行った。



ロザリア「…やり過ぎたね」

ケイタ「当たり前だろ。ジョニーさんに聞いたことを試して…」

ザザ「おい、マテ!どう言う事だ?」


沈黙。それもそうだ、自身は知らなかったのに、


ケイタ「ジョニーさんが言ってたんですよ『アイツの【超】って言葉の癖を指摘すると』って。それにロザリアさんが」

ロザリア「引っかかっただけよ。それだけ…」


だそうだ。しかし、何故引っかかったのか


ザザ「…気になる。なぜ、その言葉に、引っかかった?それだけで」

ロザリア「現実の仕事の癖よ。それだけさ」

ザザ「…それは、聞いてほしい、サインか?」

ケイタ「この人の場合、聞いてほしいんすよ。…だから結婚できない――」

ロザリア「何か言ったか!アァ!?」


何かを言おうとしたケイタの喉元に今度はロザリアのランスが来る。
これが世が世ならセクハラになるのだろうか?それともツンデレか?



ザザ「…なんとなく、解った。ロザリア、お前は、児童関連の、仕事に、就いてた、のだろう?現実で」

ロザリア「御明察。流石、医療系に総合的に詳しいザザさんだ事。家が、医者かねぇ?」


ケイタの喉元に向けたランスを下す。そして話し始める


ロザリア「ま、当たりだよ。…最低な場所だったがな」

ケイタ「最低?」

ロザリア「私の働いてた施設はな。学園都市と繋がりが深くてよ、よく子供を提供してたよ。お金が入るからね」

ザザ「聞いたこと、あるな。育児放棄、された児童を、学園都市へ、優先的に、送ってると。しかも、自治体に、よっては」

ロザリア「交付金が出る。アイツの妹とかもそれなんだろうね。…私の職場もそうだった」

ケイタ「つまり」


ロザリア「そのまんまだよ。…虐待されてた子を優先的に学園都市に入学させてた。
お金がもらえるからね。慈善事業とはいえ、孤児を養うのにはお金がかかるのよ。だから」


ザザ「育てるのに、リスクが伴う、虐待された、子供を、学園都市に、差し出した。そう言う、事、か…まるで」


ロザリア「奴隷商売よ。…だけど、1年もかからないで慣れた。だって、文句言ってたら仕事できないし、お給料ももらえないからね。私は考えることを放棄したよ…」


ケイタ「だけど、なんでそれを――」


ロザリア「この世界に来て考える余裕が出来たのよ。元々、ネットゲームはやってたし。
それに、オレンジになったのはこの世界で私が生きやすいから、それでやっただけ。生きるために。
…紆余曲折あって、このギルドに参加したけど、カダージュは思い出させるのよ。現実で見た子供たちの事を。
…だから、私は戻りたくない。奴隷商売の片棒を担ぎたくないんだよ」


絞り出すように言う彼女。その言葉のもつ感情は、彼女の声を聴いた者ならば解る。


ケイタ「…お前も、現実世界に戻るのを躊躇う1人か」

ザザ「あれ、お前、って?」

ケイタ「…俺は戻りたい。戻って、罪を償いたい。…でも、あと1つ罪を重ねてから」

ロザリア「あの『黒の剣士』…キリトとやらを倒すんでしょ?」

ケイタ「ッツ!!」


唇を噛みしめる。その表情は、憎悪に一瞬で染まる。しかし、


ロザリア「けど、あなたのその感情は簡単に言えば『逆上』ね」


彼女の言葉で一気に変わる。図星か?そうだ。しかし、彼女の言葉は続く。よく回る口だ。


ロザリア「いえ、『嫉妬』ね。男のそれほど醜いものは――」


そんな彼女の口が止まる。それは口前にカタナの『正宗』が彼女の目の前に来たから


ケイタ「…その口の動きが滑らかにぬるぬる動くとは、流石SAOとナーヴギアだ。だが、俺はぬるぬる動くのが嫌いでな。…消そうか?」

ロザリア「やるかい?」


ここまでで解るが、彼等は1枚岩でない。しかも、『旧神羅』系とはかなり溝がある。ザザには頭の痛いネタだ。



ロザリア「つーかさ、なんで『攻略組の性悪女』を拉致ってきたの?どう見ても邪魔か、男共のオモチャか――」

ザザ「ホウジョウの、肝いりだ。最初は、俺も、解らなかった、が――」


メニューをいじり、とある画像を2つ表示させる。それは、アバターの耳の画像で


ケイタ「…この髪、ミコトとワーストの物か?」

ザザ「セイカイ」

ロザリア「あら、ちゃんと男の子してるのね。女の子の髪を覚えてるなんて」

ケイタ「…で、この画像が何か?」


ロザリアの言葉を無視して、ザザに聞く。
一方、無視された彼女は、つまらなそうな顔になる


ザザ「…アバターの、顔が、現実と、同じリアルなのは、知ってると、思う。耳も、現実で、ピアス、してたら、その穴や、怪我の、痕も――」


彼の言葉に2人は頷く。SAOにログイン時、『ナーヴギア』で顔をスキャンされてたのは、現時点で生き残る者すべてが知っている。
そして、顔の傷もくっきり残ってたりする。
例えば、浜面の耳には、麦野と対峙した時に出来た傷跡が生々しく再現されてる。つまり、


ザザ「基本的には、『アインクラッド』に、居る、プレイヤー、には、同じ、形の、者、は、居ない」


ケイタ「…聞いたことあるぞ。確か、耳紋だっけ?」

ロザリア「あれよね。指紋や瞳孔と同じで、同じ形の物は無く。仮に同じなら、二卵性双子か…」

ザザ「同一の、DNAや、遺伝子、を持つ、か…」


こういいながら、彼は2つの画像を重ねあわせる。するとその画像はぴったりと、重なる。
その様子にロザリアとケイタは「おぉ…」と声を漏らす。


ザザ「ホウジョウの、事は、気に入らないが、これは、面白いだろ?」

ケイタ「これって!?」

ロザリア「双子?…いや、歳が離れすぎでしょ!?」

ザザ「だから、あれだよ。…噂に、有った、物。そう。…クローン」





カダージュ「ハァ…ハァ…」

滝壺「…おちついた?」

カダージュ「黙れ!!」


部屋に戻るなり物に激しく当たり始めて、鼻息の粗い彼を心配する滝壺。
この状況で余裕があるあたり、流石暗部だと言えるだろう。
しかし、縛られてる身。安全とは言えない。


カダージュ「おィ!!さっきの外で話してた事、聞き耳立ててないよなぁ!?」

滝壺「大丈夫。聞いてない」


勿論、嘘だ。しかし、これは彼の気に触れない為ではない


窓の外から、何やら演説のような声と、人々の歓声が聞こえて来る。


滝壺「…なに?」

カダージュ「ホウジョウの演説が始まったんだよ。自分に酔ってて気持ちわる奴のな」


たしかに、演説には『僕らが目指した理想の世界』などの、自分に酔った言葉が聞こえて来る。
しかし、彼にはこの演説に興味がないみたいだ。ここは1つでも情報を聞き出したい。


滝壺「…ねえ」

カダージュ「ん?」

滝壺「よかったら、あなたとさいあいの関係を教えて。そして、あなた自身の事を」


ダメ元だ。教えてくれるはずがない。そう思っていた。が


カダージュ「…暇つぶしだ。いいよ」


あっさりOKが出た。



ラフィン・コフィン・アジト・とある場所


「…ん」


ゆっくりと美琴の意識が回復する。
彼女の視線に入って来るのは、白い天井、白い壁、白い床。あまりに白すぎて眼の奥が居たくなるような感じだ。
気のせいだが。扉らしきものは見当たらない。のそりと起き上がると、自身のアバターを確認する。
どこも異常は無く、ご丁寧にも『約束の思い出』が彼女の隣にあり、HPも回復してる。


御坂(なんなの…)


疑問に思いながらも剣を腰に掛け、歩き始める。
ギルド所属やフレンド関係も全て消されており、位置を確認できない。確認できたのは


御坂(この空間の大きさは、体育館位。おそらく、天井への高さもそれ位。…これだけか)


との事。


御坂(壁を叩いても《破壊不能》と出る。『転移結晶』が必要なのか?)


この部屋の脱出方法を模索してると


「お姉ちゃん?」


後ろから声。幼い。



御坂「!?」


振り返る。そこには


「大丈夫だよ。ここは安全だから」


声の通り、子供だ。彼女よりも若い、純粋な子供。
しかも1人ではない。4人。


御坂(なんで、こんな幼い子供が?…そうじゃない

御坂「攫われたの?ねえ、もしよかっらたお姉さんに『マッピング・データ』を――」

「お姉さんも悪者なの?」


御坂「は?」


彼女の率直な感想は、何を言ってるんだ。これだけだ。
自分達は、普段の行動はあれだが『悪人』と言われるまでの事はやっていない。


御坂「何言って――」


「だって、先生言ってた。」

「お姉ちゃんたちは、僕たちを悪いパパ、ママの元へ連れてっちゃう悪い人だって」

「ホウジョウ先生言ってた」

「僕のパパ、ママは僕の事が嫌いで僕の事殴る、悪い人だって」


頭が点になる。そして様々な可能性を考える。そう



滝壺「あなたみたいな子がここには多いと…」

カダージュ「そうだよ…」


彼の話を聞く滝壺。しかし、まだ序盤だ。


カダージュ「惨めだろ?この地獄の城よりも、現実の方が地獄だなんて」

滝壺「そうかもね」

カダージュ「俺が生かされてるのは、親の生活保護や児童手当とかの金の為で。俺が居れば親は楽できる。…漫画みたいだろ?」

滝壺「そうだね」

カダージュ「ビビったよ。…他にも、俺みたいな奴。しかも、俺から見ても子供だぜ?…笑えるよ…」


掠れた笑い声。自虐にも程がある。今までの彼の人生を自身で笑うように。しかし


滝壺「…でも。どこに行っても地獄はあるよ」


彼女の言葉で空気は変わる



カダージュ「どう言う事だよ!!?」

滝壺「そのまんま。どこに行ったって、地獄や闇はある。それだけだ、ッツ!?」


彼女の言葉を力でふさぐ。右手だ。


カダージュ「フザケンナ!!そんなの知らねえよ!!お前が言ってるのは、学園都市だろ!?」

滝壺「そうだよ」

カダージュ「そんな外国の事情なんざ、知らねえよ!!」


勢いよく彼女の胸倉を掴む。


カダージュ「見てろよ…」



第25層・フィッシャーマンズ・ホライズン


キリト「ゆ、揺れるな…」

上条「あ、あぁ・・」


彼等『ヒーローズ』は移動中である。何で?


浜面「Ohベネ~チィ~ア~~」

上条「ヤメロ。いろいろ思い出すから」

浜面「んだよ。サービスだろ…。ベネチアのゴンドラ乗りみたいに」


冗談の軽口を言う浜面。彼が言うように、彼等は船に乗っている。何故なら


キリト「…まあ、思わないよ。まさか、あの島が『トルトゥーガ』とはな…」


キリトが言う。彼等がいるのは第25層、『フィッシャーマンズ・ホライズン』の湾の海上。
三日月のような陸地から離れた所にぽつんと浮かんでる島


一方通行「『悪魔の掃き溜め』の島なんざァ、洒落てるじゃないかァ…」

土御門「はぐれ者の島だからにゃ~。…お似合いだぜい」

佐天「…なんか。海賊映画で見た通りの雰囲気の島ですね」


その島は『フィッシャーマンズ・ホライズン』にて、犯罪エルフの根城と言われ、誰もが近寄らない島と言われてた。しかし、その島はプレイヤー誰もが知ってたがそこへの行き方は知らなかった。そこが彼等


上条「『ラフィン・コフィン』のアジト…」


『トルトゥーガ』




『仮想世界の内乱』にて、この島について

後に分かったことだが、この『アインクラッド』はゲームを進めていくと『隠しダンジョン』の物がある事が解った。
この『トルトゥーガ』もその1つであり、最初の『隠しダンジョン』と言える。
何故か?それはその島のモンスターのレベルとあり得ないぐらいのとあるアイテムの手に入り易さだ。
これには、『ラフィン・コフィン』のあの戦法も頷ける。


と、このように書かれている。

今回はここまで。


このSSで『ラフコフ』の扱いは原作同様
『快楽を求めた殺人集団』と書き
『この世界も地獄だが、現実も地獄で逃げて来た者達』
と言う感じで行きます。


ではまた。

こんばんわ

さて、3連休最終日、投下します


では


数十分前・フィッシャーマンズ・ホライズン・とある桟橋


佐天「いいですよ~」

浜面「どりゃ!!」


佐天の声と共に浜面が勢いよく桟橋を蹴る。彼等の乗る船の出航だ。
と言っても、公園の池にあるような小舟だが


上条「しっかしまぁ。こんな原始的な方法とはな」

土御門「洒落た、船旅と行きましょうや」

一方通行「…だな…オッ」

キリト「あまり、洒落た気分じゃ…ウップ」

佐天「…船、弱いんですか?」


あまりいい物ではないが



そして、時は戻る。


この船の移動。
船自体はベネチアや矢切の渡し船みたいにオールでこいでいくもので、漕ぐのは浜面。


上条「しっかし、ヒースクリフもよく知ってたな」

土御門「知ってた。ねぇー…おっと!?」

佐天「アニキ。しっかりしてくださいよ?」


前方にて、とある果実の樹液を均等に流す土御門と佐天。
この黄色い果実の液体は『グッゴンゾ』などの水中モンスターが寄りつかなくなる物である。
しかし、数が希少なため、彼等の持つ量だと片道だろう。
尤も、彼等の乗る小舟よりもでかい船なら必要はないが


キリト「…役に立ったから…お」

浜面「吐くなら海に出せよ!?」


船酔いで厳しいキリト。多分、彼が言いたかったのは「役に立ったから文句ないだろ?」だろう。
確かに役に立った。この船は元々、港にて酔っぱらったジジイのNPCが乗っており、話しかけると絡んでくる。
すると、2つの選択肢が出る。内容は【話を聞く】【海へ叩き落とす】。
この選択肢で彼等は躊躇なく後者を選んだ。気のせいか、港の方から「罰当たりが~!!」とジジイの声が聞こえる。
ちなみに、この結果はヒースクリフの情報に書いてあった。



上条「これでも飲んどけ。な?」


特に酔いが激しいキリトに『アイスドリンク』を渡す。
元々、このアイテムは暑いフィールドでばてない為のドリンクだが、さわやかな味のため気分を落ち着かせる効果もある。
あくまでも感覚だが。


キリト「…ありがとう」


効くようだ。しかも


キリト「頭の中もすっきりしたよ…」


こんな効果もある。



キリト「でだ。このまま上陸してどうする?…『マップデータ』もないし、モンスターレベルも解らない」

一方通行「…仮説だが。あの島は『隠しダンジョン』の可能性もある」

上条「『隠しダンジョン』?」

佐天「ああ、ゲームでよくある物語を進めてると少し強い敵が出てくるあれですか!」

浜面「あー、あるある。…って、それだと!?」


『隠しダンジョン』
数多あるRPG系の定番だ。普通に攻略するといけない、クリア後でないといけない。
様々な条件があり、珍しいアイテムや魔法が簡単に手に入ると言うメリットもあるが、
やたら強いモンスターがうじゃうじゃいる事が多い、と言うデメリットもある。


土御門「結構厳しいかもにゃ~」

上条「とすると、いつも通り『出たとこ勝負』か…」

キリト「…考えると、お前らよく毎回毎回そのスタイルで大丈夫だったな。ごり押しもいいとこだよ」


と、ゆるーく話してると。聞こえて来た



佐天「なに!?」

土御門「結構多めの人の歓声だぜい」

キリト「一方通行!」

一方通行「解ってる」


そう言うと、2人は耳を澄ませる。
『聴覚』に関してはこの2人が高く、数百メートル先の音声も拾える。


キリト「んー…」

一方通行「…」


しかし、数秒で聞くのをやめる。疑問に思った上条が聞く


上条「どうした?」

それに対し、一方通行が応えた


一方通行「…自分に酔った、哀れな演説だ。船酔いの俺には厳しィな」



トルトゥーガ・広場


『トルトゥーガ』。
この島は『フィッシャーマンズ・ホライズン』側からは何もない岩の島に見えるが、その反対側には小さな町がある。
『フィッシャーマンズ・ホライズン』もそうだが、この層は海がメインに見えるが、所々に何かを掘っていたらしき坑道の跡がある。
特にこの層の迷宮区や『バラム川』はその面影が強い。そして、この島もそうだ。
水車に狭い土地に無理やり作った石造りの建物、通常の層よりも高い。が、それも過去の話。
それらの物は全て朽ちており、何年も使われてないことを表してる。そして、この島では流れ着いた、荒くれ者のエルフなどが住みついてる。
そして


「おおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」


ホウジョウ「今が立ち上がる時なんだ!!」


彼等も根城にしている。



建物と建物の間のにある小さな広場に、3ケタに行くか行かないかのプレイヤー達が集まっていた。
オレンジの姿も見える。それはこの島全体が圏外だと言う証拠だ。
その広場を見下ろす様にホウジョウが演説してる。その後ろには、Pohとユフィの姿も見える。


ホウジョウ「これで分かってくれただろ!?僕たちはこのゲームに閉じ込められた時点で、学園都市のモルモットになったんだ!!」


声高に握った紙を掲げながら、叫ぶ。
その紙は御坂美琴と番外個体の姿や耳を写した資料。そう


ホウジョウ「学園都市の奴らが、このゲームと僕らを使って実験してるのはこの2人が証拠だッ!!」


彼がザザにやらせたものだ。
その結果と、彼の持論を混ぜた資料はこの広場に居る全員に渡ってる。
呼んだ人々は口々に「許せない」「マジかよ」とこぼす。この場で事実かどうか多くの者は確認できない。
さらに続く


ホウジョウ「さっき説明した通り、2人は似てる…では済まされない!!
ワーストは国際法で禁止されている、御坂美琴のクローンであることは間違いない!!
そして、その元となった御坂美琴は電気の超能力者なのはみんなも知ってるだろう。
つまり、ワーストも電気使いの可能性がある!!
奴らは、自分たちの実験結果を早く学園都市へ報告したいから攻略を急いでる。違わないか!!!?」


「ソウダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」


その場にいる多くの者が叫ぶ。
躊躇する者もいるが、『ラフィン・コフィン』のメンバーに睨まれるとより大きな声で叫んだ。
当然、このメンバーは『旧神羅』系。


ホウジョウ「奴らの1派は今夜、僕たちに奇襲を仕掛けてくると情報があった!!事態は一刻の猶予もない!!」


何処で手に入れたのか、このような情報を声を大にして言う。
まあ、現状は当たらずとも雖も遠からず、であるが。不思議である。
彼の発言に疑問に思う者は居るにはいる。
しかし、周りの「嘘だろ!」「俺らを殺しに来るのかよ?」「やるしかないだろ!!」このような声の前に消えてしまう。


ホウジョウ「立つんだ!!武器を持って!!僕たちは今、岐路に立たされてる!この世界を守るために。僕らの明日を守るために!!
奴らを皆殺しにしてでも、生きるんだ!!この世界で生きる事を決めた民よ!
これは平和のための聖戦である!!!」


「オオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」


各々の武器を天へ向け掲げる。
その武器の掲げる様に地からうねるような叫び声が島に響いた。



『トルトゥーガ』・ラフィン・コフィンのアジトの1室


壁に開いた窓のような大きな穴から、聞こえてくる叫び声。


番外個体「デモのシュプレキコールかよ…」


その声を貼り付けにさてながらも聞く番外個体。滝壺と違いかなり厳重に貼り付けられてる。


「そうだね。…あのオッサンはデモとかをよく企画してた人みたいだしね。
沖縄とかで元気にやってたみたいだよ。プラカード持って『軍隊出てけ!』とか『差別反対!』とかね」


番外個体「よくもまあ、そんな矛盾したこと出来るね」


彼女の話を聞く青年。ジョニー・ブラックだ。


番外個体「つか、よくもまあミサカやお姉様の事で、あんなにデタラメな妄想を垂れ流せるよね。ビックリだよ」


彼女の言う通りだ。
学園都市の関係者、彼女達からしてみたらホウジョウの言ってる事は、彼女がクローンと言うのは解ってるがデタラメでしかない。
ただ、憎悪を煽るだけの物だ。


ジョニー「それが目的だからいいんじゃないの?お姉ちゃん」

番外個体「やっぱりね…」


ジョニー「あいつは、理由は聞く気も無かったから聞いてないけど、学園都市を憎んでる。
俺らはアイツほどでないけど、興味ない。
だけど、ここに居る奴らは嫌悪感持ってる奴は多い、逆恨み同前だけどね。
だけど、多くの奴は『この世界で生きる』事を望んでる。俺もね。
で、そこへホウジョウはつけこんだんだよ。
この世界で生きたい奴らの邪魔な存在、攻略組に居るお姉ちゃんたち『学園都市の人間』をね」


番外個体「お姉様が聞いたらブチ切れそうな話ね。
というか、アナタ達はあれだね。フランス市民革命の市民。社会の不満、自分への不満を何かにぶつける。
さしずめ、ミサカ達はフランス王室ってか?ギャッハ☆」


ジョニー「なら、お姉ちゃんの行先はギロチンだね♪」

番外個体「…チッ!!」


盛大に舌打ちする。
しかし、その光景を楽しむように見つめるジョニー・ブラック。そこへ


「ジョニーさん…」


『ラフィン・コフィン』のメンバーの1人が入ってくる。彼は扉近くまで行き、番外個体に聞こえないように小声で話す。
と言っても、番外個体は耳を立てる。2人は聞こえてる前提で話す。



ジョニー「なんだ?」

「電気鼠の処置は終わったんですが…」

ジョニー「終わったんですが?」

番外個体(電気鼠?…お姉様!?)

「『ジェノバ』達が先に行動しまして…」

ジョニー「襲ってる!?」

「いえ、交流だけです。まだ、手は出てないかと…」

番外個体(『ジェノバ』…。ミサカを拉致した白いあれか!?)

ジョニー「…あの女の面倒はユフィが中心だ。アイツに伝えろ。もう、演説は終わってる」

「ハッ!!」



男はジョニー・ブラックの指示を聞くと、ユフィの元へ走る。
それを見届けると彼も歩き出そうとする


番外個体「ねェ?」


だが、そんな彼を彼女は呼び止める。


番外個体「あんたが、この世界に残ろうとする理由は何?
感覚だけど、ここに残る理由を感じられない、ドヤ顔で演説してるジジイや、何も考えないで金魚の糞みたいに後追いする馬鹿共と違う。
テメエはなんで?」


彼女の質問に、彼は答える。乾雑巾を絞ったかのような声で


ジョニー「戻したくない奴がいるんだよ。俺の下でな。
…そいつの為に、例え気に入らなくてもホウジョウの意見には賛成なんだよ。
…勘違いするな。俺らが就いてくのは、ヘッドだけだ。それだけだ…」


もっともらしい言葉を言う。しかし


ジョニー「あ!?」


この雰囲気は直ぐに崩れる


ジョニー「騒がれると、面倒だからこれ飲んどいて」

番外個体「モボッ!!」


アイテム欄から出した瓶を番外個体の口に突っ込む。
種類は、『スピリタス』


ジョニー「…これで、しばらくは静かだろう」


3分もたたないうちに、全て飲ませたのを確認するとジョニー・ブラックは部屋を出る。しかし


番外個体「ッガ!!」


彼女の意識は残る。
番外個体の酒の強さを舐めてたジョニー・ブラックの誤算だ。だが


番外個体「あの時の事思いだすよ…。酔い加減も同じだし…」


彼女にとって、思い出になる痴態を思い出す結果になった。



1年以上前


番外個体「ただいま~!!ワーストさんの御帰りだよ!!ギャッハ☆」


その日、彼女は夜遊び帰りで、ベロ酔いで黄泉川家に帰った。しかしその日は


番外個体「…ミサカ以外、誰もいないんだっけ?」


そう、この日、彼女以外は誰も居ない筈だ。
なので、彼女はリビングのソファーを占領しようと思い向かう。

しかし


番外個体「なんでアナタが居るんだよ…」


そこにはモヤシ男が横になっていた。それも


番外個体「ロン缶。黄泉川の…。殺されるぞ?」


彼も出来上がってる様だ。
周りに潰れた銀色の500mlの缶が散らばってる。


番外個体「チキショウ…」


酔っぱらって寝てる彼をみて、無性に悪戯したくなる番外個体。
どこにしようかと飲酒して乾いた唇を自身で舐めながら考える。そんな時


番外個体「あ…」


自身とは対照的に、乾いてない彼の唇を見つける。
行きつけのバーでくノ一の少女と飲んでた彼女。


番外個体「…」


この時、普段なら思いつかない考えが彼女の頭に浮かぶ。


番外個体「…ッン」


唾を飲む。彼女は自身の顔を彼に近づけていく。
距離が縮まるごとに、顔の皮膚で感じる温かさは高まる。そして


番外個体「ッ!!」


その唇同士が重なる。酒が入ってる影響か、鈍いが確かに感じる生暖かい感触。普段なら気持ち悪すぎて絶対にやらない痴態。
この日、くノ一の少女と変に下世話ネタした影響かもしれない。


「…って!?」


その感触に、彼も反応して目を覚ましてた。彼女は自分指針の行動を振り返り、思考が停止状態になる


「何やってンだ、おまェ…」


信じれらない目線で彼女を見る。普段なら口悪い言葉で返す彼女。しかし、答えは意外過ぎる言葉だった


番外個体「…いやだ?」



番外個体(なんで、あの後攻め続けたんだろう…)


そう思う時、部屋に誰もいなかった。
彼女は何も手を出されてないまま。すると


ドオン!!


部屋を轟音が襲う。その音に


番外個体「…感動しちゃうよね」


彼女は何かを感じ取った。

野獣のような激しく、温かい人物を…



数十分前・トルトゥーガ・町中

甲子園と同等の大きさの島で全体が鉱山、多くは急な斜面で平面はほぼ無い。
そんな少ない土地に乱雑に建つ建物。それらの中からは酒を飲んだり、大喧嘩をしてる者達。
プレイヤーの他にもNPCで騒いでる固体もあるのだから、混沌と言う言葉がまさに合う。そんななか


「なァ頼むよォー」

「無理ですって!!」


とある扉の前で門番2人と話す集団。
見るからにヤカラな男3人に、金髪の少女1人。
しかし、この少女はこの男共とは違う空気。
そもそも、この男の達の目的は何なのか?それは


「いいだろうよ?居るんだろう、『女』が?」


フルフェイスの兜をかぶった大男が口にする。
『女』、この言葉の意味はつまりは


「頼むぜよ、俺らも発散させたいんだにゃ~。知ってるんだぜい、コマンドの…」

「それ以上言うな」


言葉を隠してるが、彼等の目的は門番に伝わったようだ。
彼等の目的はSAOに無い筈の『性欲』を満たす為。
確かに、それを満たすための『隠しコマンド』を知ってる者はいる。
しかし、多くの者は混乱を避けるため、そして相手がいないと言う根本的な問題だ。
だが、『ラフィン・コフィン』にはそれを満たす相手を、金と条件次第で提供してくれる噂がある。
勿論、噂なので信じる者はほぼいないが…


「そのリアクションだと…ビンゴってことだよなァ?」


の様だ。所詮、噂の類は元ネタがある物が多い。今回の噂は本当の様だ。



「…おい、前を張れ」

「解った」


観念したのか、話す気になった門番。
1人がこの4人の後方に立ち、これからの会話を聞かれないように目を光らせる。
そして、小声で話しだす


「…どこで聞いたかは尋ねないけどさ。あれ、俺達も簡単にできないんだよ。超美人になるとそれなりに立場が上になるし。
…それに、あんた等はその子」


「アァ。俺達の『肉』だァ」

「後に漢字が2文字が付くけどな」

「ウウッ…」

「ちなみに愛称も『肉』だよ。な!?」

「は、ハイッ!私めは『肉』でございます…」


何とも女性に失礼な言葉で少女を呼ぶ男3人。
金髪で服からも解る巨乳な少女、彼等の言う『肉○○』の意味は考えるまでもない。


「けどよォ…俺らもうコイツに飽きちまったンだよ。従順だしなァ」

「そこで、新しい女を探してんだぜい」

「そうそう、例えばタキ…巨乳な女とかさぁ!」


何とも贅沢な言葉を言ってる男3人に対し、若干引いた表情をしながらも考える門番。
軽く扉を開け、中に居る数人の仲間に聞く。中では酒瓶を片手に『カード』で暇をつぶしゲームをする兵士たちの姿。
この時、『肉』は扉に入ろうとするが、訛りのあるグラサン男が肩を掴んで止める。


「おい、今日ヘッドたちが捕まえた奴って、降りて来るの何時?」

「んー…御坂美琴は無理かもしれないけど、『人形』と『巨乳』は今夜中に行けんじゃね?」

「マジか!?あのたれ目、1発ぶちかましたかったんだよ!!」


(人様の女を…)


「そうか?俺は人形とやりたいぜ。『学園都市』だと、人形とヤリまくってる奴もいるんだろ!?」


(ほゥ…)


「そうか?俺はあの『電気のモンスター』だね。あ、これ獣姦になるのかな?」


(御坂さんを…)
(御坂を…)
(ミコトを…)


「おう、わかった」


下世話な話を混ぜながらも、中の仲間と相談を終えた門番。


「何とかなりそうだよ。俺らの制服貸すからそれ着て混ざってこいよ」

「…ああ、解ったよ」


先程までの軽そうだった声が落ち着くグラサン男。
不思議に思うが、門番は特に気にすることなく話を続ける。


「そうそう、御代だけどさ。俺達金は困ってないからさ、その『肉』でイイかな?」


門番が少女を指差す。それに対し少女は無言のまま。
「俺らにこれから弄ばれるから、緊張してるのか?」と都合よく解釈してしまう。
仮に鼻息がSAOでリアルに再現出来たら、彼の鼻息はとてもあらぶってるだろう。


「まァまァ、そンな事言わずに」

「あと2つあるから貰ってくれよ」

「はぁ…何処にもいねーじゃん!?」


あと2つ。この状況なら『肉』と呼ばれてる少女同様、彼等の性玩具のはずだが姿は無い。
そんな疑問を門番が抱いてた時、少女が叫んだ


「キリトさん!!上条さん!!やっちゃってください!!」


先程までの無言の表情がウソの様に、凛とした声で叫ぶ。
誰かを呼ぶ声なのか?答えが解った時


「え?」


彼は斬撃で斬られ、両肩が切断されてた。
そして、後方の扉も轟音と共に砕け散る。

「なんだ!?」


派手に破壊された扉から出てくる『ラフィン・コフィン』の兵士たち。
煙で視界が悪い、しかしそれは相手も同じ。と思っていた


「これ位の視界なら、お前の姿なら御見通しだぜい」

「ナッ…ッボ!!」

「どうした、ッガ!!!」

「声を出して居場所を教えてくれて、どうもアリガトゥ…」

「ズッ!!」

「悪いな、滝壺の命がかかってんだ。手段は選ばねえよ…」


土煙の中で聞こえて来る短い悲鳴と、スキルの発動音。
多くの者は状況が理解できない。


「ここか!?」

「ああ、第19層と同じ脆い岩だ。砕いて、中へ侵入できる。お前の『イマジン・ブレイカー』なら1発で十分だ!!」


更に、聞き覚えのない声。
さっきの3人の中には明らかに居なかった男の声。しかも2人。


「他にも仲間がいるぞ!気をつけtッチョ!!?」

「邪魔はさせませんよ。特に、御坂さんを…私の友達を愚弄したあなたにはね!!」


更に女の声。『女プレイヤー』仮に可能性があるなら、先程まで居た少女


「『武装』してる奴は囲め!!絶対に煙に入るな!!」


後方にいた兵士が集まってきた者達に指示する。が


「はあああああああああああああああああ!!!」


野太い叫びと共にまたもや爆音と振動。煙の中で何が起こってるのか?
珍しく吹かない海風が待ち遠しい。早くこの煙を払ってほしいと思う兵士たち。
彼等の思いは別の形で叶う。



「フッ!!」


何者かが剣を振り、煙をかき消す。その声から先ほどまで居なかった人物だとわかる。
何人かの兵士は、彼等は『隠蔽強化』のアイテムを使った仲間を近くに2人ひそめてたのだと考えた。当たりだ。
その動きから『片手剣』使いなのはここに居る誰もが解る。そして、そのような事が簡単にできるのは高レベルプレイヤーだと言う事も。
…10秒もかからずに煙が晴れてくると、姿が見えてくる。黒い。


「お、おい・・・」


その格に兵士たちの1人が声をこぼす。
そう、この姿、低レベルだろうがオレンジだろうが皆知ってる。
全身黒ずくめで、漆黒の剣。更に


「う、嘘だろ…」


その他の人物の姿も見えてくる。だが、先程まで居た4人ではない。皆、名の知れたプレイヤー。
彼等『ラフィン・コフィン』としては『血盟騎士団』と同じ敵に回したくない軍団。
ホウジョウは彼等を『改造生物』とレッテルを張り蔑んでいたが、Pohは彼等を認めていた。

『本当の戦いを知ってる者達』と


「ひ…『ヒーローズ』だぁぁぁぁ!!!!」


『ラフィン・コフィン』の兵士の1人が叫んだ。
自分達の姿を見せて『恐れろ』と言わんばかりの彼達


上条「キリトォ!!」

キリト「オウ!!」


そんな彼等のリーダー上条当麻の声に応える様に、キリトはジャンプし


キリト「ヘアァァァァ!!!」


『脆い岩』の天井をスキル『ソード・インパクト』で斬る。
『破壊可能』な岩石などを破壊できるこのスキルで攻撃すれば、当然天井は崩れる。


キリト「じゃあな!!」


が、それは彼等と『ラフィン・コフィン』の兵士たちの間に壁を構築することが可能になる。いわゆる時間稼ぎ。
そんな様子を全部見終えないで彼等は次の行動に移る。


上条「行くぞ!!」


彼の声に、土御門、浜面、一方通行、佐天、キリトは勢いよく「オウ!!!!」と答え『ラフィン・コフィン』のアジトの中へ突入していく。


今回はここまで。


いよいよ、『ラフィン・コフィン』のアジトへ突入です。


ホウジョウの演説の参考に
『基地反対』や『差別反対』、『オスプレイ反対』
の人たちの演説聞きまくって頭がおかしくなりそうでした。


ではまた

乙!!


原作だと何人死んだの?

そんな演説聞いてきたんですかw
乙です。

削板先輩は出るんでせうか?

差別反対って叫ぶ側が実は一番差別してるってのが多々あるよね
自分を棚にあげて正当化してるっていうか
自分は正義でいたいっていうか

>>87

確か、30人ぐらいです。

>>88

元々、ホウジョウがその手の人が元ネタ何でwwww

>>89

ジョーカーずぎて今のところありません…

>>90

あの人たちの演説を聞いてると本当にそうなんですよ。
テクノ音楽で有名になった人が「たかが電気」とか言って。考えると支離滅裂でした。

中々スランプで、悩んでる今日この頃。

そんな時、ふと思った。

キリトが作ったり乗っても違和感ないガンダムは何だ!?



悩んだ結果、自分の中で『ストライク・ノワール』になりました。


あと、学園都市のメンツは何のガンダムが好きなんだろう?
垣根は解るんだけどなぁ…浜面はGX9900が似合いそう。



どうでもいい>>1の何か意見がありましたら、お願いします。


何をしても、所詮はゲームの中なんだよなぁ・・・
ゲーム好きな人は楽しいだろうけど、全く興味が無い人にとっては滑稽だわ

そうか?

俺は好きだし、長く続いてるの見るよ?

>>105

なんか戦ってても、体は家のベッドで寝てるだけだと思うとかっこいいと思えないんだよなぁ

なんでゲームの中で粋がってんだ?wwwwってなってしまう

食わず嫌いはよくないから一応アニメも原作もパラパラ見てるんだけど、どうもね
原作の方の現実世界で「黒の剣士を倒したのは俺だ!」とか言ってキリトに物理攻撃してる奴が出てきた時は物凄い笑った
案の定、生身のキリトはあっさりヤられてるし
なんだかなぁ・・・って感じ

連投スマソ

>>106
きっと未来ではそれが普通になりますよ
時代背景2024年くらいだったし

>>108

なんて絶望的な未来だ・・・(((;゚Д゚)))gkbr

こんばんわ。


投下日でもないのに、変な事書いてすんませんでした。



さて、行きます



ラフコフ・アジト内部


御坂「なに!?」


彼女の居る部屋に轟音が響く。
無論、それが上条達が救出に来たことなど、窓も扉も無い部屋で、しかも『フレンド登録』等を解除されてる彼女には解るはずもない。
だが、


御坂(チャンスよ)


そうであることには変わりはない。
先ほどまで、彼女は目の前にいる子供4人の説得に時間を費やしてた。が、この振動に


「なに?」


表情は変化ないが、子供たちは動揺してる。手に『ダガー』を持ちながら。
彼等は美琴へ刃物をチラつかせながら迫ってきた。
『あすなろ園』や『ゲコ太』の缶バッチ時にいた子供とほぼ変わらない歳と思われる年齢の。
そのような子供に、彼女は『約束の思い出』を振るう事は出来なかった。だが、この状況なら


御坂(いい気分じゃないけど、こちら側に誘導できる!!)


子供たちを自分の考え、目的に使えると思った。
いやらしいが、ここまで教育された子供たちを自分の考える方向へ導くには、この異変を使うしかない。そう、美琴は考えた。
そして、その考え方が『学園都市』のクズな研究達と同じなのは、この時は考えないようにしてた。


御坂「ねえ!!」


「お姉さんと一緒に、脱出しよう!!?」そう言おうと思った。
いや、言うつもりで口を廻してた。が、そこで


「ダメですわよ」


邪魔が入る。そう


御坂「ユフィ…」

ユフィ「あら。私の名前、憶えてくだはりましたの?」



彼女だ。彼女はこの空間、もとい部屋の中2階のテラスに居る。
影の無い部屋だからか、彼女は見逃してた。
ここが現実離れしたゲームの世界だと、彼女は改めて痛感した。更に


ユフィ「怪物に名前を覚えられるなんて、さぶいぼがぎょうさん出来てるんやろうなぁ…。現実だったら」


彼女が後輩の白井黒子とは声と外見以外は全く違う人間なのだと。そして


ユフィ「みんなもそう思うやろう?こないな怪物が目の前におるの…」


確実に違う中身。彼女の言葉に子供たちも美琴への嫌悪の言葉を呟いていく。
仮に彼女が白井黒子なら、このような事は絶対しない。ましてや、小さな子供を使うなど


御坂「ねえ、何してるか解ってるの!?これじゃタチの悪いカルト団体よ!子供を使うだなんて、最低よ!!」

ユフィ「…最低?」

御坂「そうよ!!まだ何も解らない子供たちをこんな――」

ユフィ「その子供を実験動物にしてる、学園都市の化け物がウチラを悪党と…」


彼女の体が小刻みに震えだす。
すると、彼女は『ウータイ』を振り、それから出る赤い液体を美琴に吹っ掛ける。


御坂「ッツ!!」


咄嗟に美琴は腕でガードし、目に入るのを防ぐ。
この赤い液体が『視力』を落とすのは経験済み。逆鱗に触れたか?答えはYes


ユフィ「ええかげんな事を言わんといてもらいましょか!?その子らの事情、耳に入ってないんか?その子らはなぁ!?」

「これこれ、ユフィ。子供たちの前ですよ?あまり、下品な言葉使いはやめてほしいですが…」


感情を爆発させた彼女を宥め様とするネチッコイ声。ホウジョウ。そしてPohも来る



御坂「あんたらまで来るとはね…」

ホウジョウ「ええ、改造動物の生態を詳しく観察したかったのですがね。事情が変わりまして」

ユフィ「もしや!?」

Poh「お前は、計画通り、中央の『結晶殿』だ」

御坂(中央…結晶殿?)

ホウジョウ「行きなさい…」

ユフィ「ハッ!」


2人が来るや否や、態度が変わるユフィ。
何が起こってるか、100%は理解できないがこれだけは理解できる


御坂(あの馬鹿たちが来た!!)


そう、彼女等の言葉から推測すると何者達がここへ侵入して来て、Pohが『中央の結晶殿』と言う所にユフィを差し向けた。
ここへカチコンでくる者達、そう『ヒーローズ』だ。



Poh「コイツはどうする?」


彼の質問にホウジョウは美琴を見る。
そして、彼女がいまだに剣を抜かないで子供たちを対応してた事にニタリと笑い


ホウジョウ「…彼等に任せましょう」

Poh「『ジェノバ』共!!」


Pohの声と共に反応する子供たち4人


Poh「武装しろ…」

御坂「武装って…子供たちに何させようとするのよ!!?」

ホウジョウ「それは、あなたの目でお確かめください。…では」


言葉を残してその場を去ろうとする2人。だが、こんな小さな子供を戦わせようとするこの男たちを


御坂「待ちなさい!!」


彼女はみすみす逃すわけがない。
腰に掛けた剣を掴むと、彼の元へジャンプし飛びかかろうとした。が


「グゥ!!」

御坂「ッツ!!」


足を掴まれ


「グァア!!!」

御坂「ッブ!!」


そのまま地に叩きつけられる。
仮に、彼女を叩きつけるなら、それなりなレベルが必要だ。
しかし、そんな人物。目先の男2人に、先程まで居たユフィ。そう思っていた。
が、他にもいることを忘れてはいけない。そう4人いる。


ホウジョウ「さあ、みなさん。そのお方と遊びなさい」


先程まで居た子供たち。が、その容姿は、先程までと大きくかけ離れている。
この部屋同様の薄気味悪い純白に真紅の模様。血の滴る生肉を食べて来たばかりのような、真っ赤な口から見える歯。
そこには、先ほどまで居た『洗脳された子供』から『飼いならされた野獣』が4匹いた。


Poh「言っておくが、『ジェノバ』を子供だと思って手を抜くと、痛い目を見ることになる。
お前のクローンを奪取し、取り巻きの男を駆逐したのはこいつ等と同型だ」


彼の言葉と共に目の前の4人が吠える。その叫びはモンスターと変わらない。
子供の時、両親がたまたま見てたSFアニメに出てきた白い怪物。
当時の彼女は、泣きじゃくりまくった。今でも、あまり好きではない。


ホウジョウ「では、またの御機会に」

Poh「イッツ、ショウ、タイム」




トルトゥーガ・ラフコフ・アジト内部


先程の『ヒーローズ』の奇襲により、多くの者は混乱してた。
怒号の指揮に、配置場所へ駆けて行くもの。
しかし、彼等の多くは『ヒーローズ』を未だに発見できてない。何故なら


佐天「準備しといてよかったでしょ?ゲームでお約束だし」

上条「全くな。まさか過ぎたよ」


6人で行動する集団。そう、彼等だ。
彼等は『ラフィン・コフィン』の制服を何故か着ている。何故か


キリト「まさか、冗談で作った『ラフィン・コフィン』の制服レプリカが役に立つとはな」

一方通行「花瓶たちの悪乗りが、助かったな」


そう、彼等は今、『ラフィン・コフィン』の兵の制服を着ている。尤も詳細な部分は違う。理由は


浜面「最初に、ドヤ顔で俺達の存在をアピールさせて。それからこの制服に着替えるね…よくもまあ、思いつくな」

土御門「最初のインパクトは重要だからな。俺達が普段の格好で乗り込んできたと、思わせることが必要だ」


との事。確かに、『ラフィン・コフィン』の兵は皆、フルフェイスの兜を付けてるので顔も解らない。
尤も、彼等のネームを凝視されたら1発でばれるが。
そんな余裕は『ラフコフ』の兵たちに無いようで


「貴様等、何をしている!?ダガーは侵入者の探索、ソードは下のフロアでアイテムを補充して、島の防衛線へ行けッ!!」


何の疑問に思うことなく、彼等へ命令する。
ちなみに、『ラフィン・コフィン』兵の多くは『バスター・ソード』と『ポイズン・ダガー』であり、彼等ももちろん装備してる。


「「「「「「了解!!」」」」」」


無論、彼等は周りの兵同様敬礼で返す。
指令した上官はそのまま急ぎ足で去るが


「あれ?」


何か、疑問に思う。



上条「さて、だそうだが」

佐天「この場合、『バスター・ソード』を持ってる私と上条さんとキリトさんが下で」

浜面「俺達がこの階。…いや、上だな。」

キリト「何でだよ?」

浜面「ボスは1番高い所に居るのがお約束だろ」

キリト「煙と馬鹿だろ」

浜面「ナッ!?」

一方通行「その意見には納得だァ…俺に任せろ、いィ考えがある」

土御門(…いやな予感)



数分後


「居たゾオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」


その叫び声が聞こえた範囲に緊張が走る。
そして、捜索してた、手の空いてる者が一斉にその声の元へ走り出す。


「グワアアアアアアアア」

浜面「くそう…」


浜面に斬りつけられた兵士が悲鳴を上げて消える。


土御門「血生臭くないとはいえ、やっぱ殺していい気分はしねえな…ット!!」

「ニャッ!!」


感想を言いながらも、敵の首を跳ね飛ばす土御門。無論、2人のカーソルはオレンジになってる。


浜面「なーにが、「俺にいい考えがある」だ!囮じゃねーか!!」

土御門「ま、御蔭で敵さんを大量に連れたんだ。役割は、果たしてるぜい」


2人は変装を解き、更には背中にやたら目立つ幟を立ててる。戦国侍の様だ


「何をしている!?相手は2人だけだ、数で押し倒せ!!」


相手側の指揮官の命令に応える様に、兵たちが雄叫びを上げながら攻めてくる


土御門「雑魚がワンサカ来ても、役に立たないぜい!!!」

浜面「何人でもかかってこいやァァァァァァァァ!!!」



トルトゥーガ・下部


「報告!!現在、正面にて侵入者複数発見。捜索隊、前衛が応戦!!」


地下にあった、倉庫の様な場所で報告する兵。
その報告にこの場の責任者はどのように行動するか悩む。
事実、報告に来た彼等2人で物資の補充は終わる。


「ですが、現在苦戦。応援を求めています!!」


女のような少年兵の言葉に


「それを早く言わんか!!全員作業やめ!地上に出る!!2人は奥で補充して、直ちに合流。それと、奥の『畑』に残ってる奴にも伝えろ!!」

「「((『畑』?))…了解!!」

「行くぞ!!!」


現場指揮者の声に「おお!」と答えると彼等2人を残して地上へ向かった。



「…行ったか?」

「です…ね」


誰もいない事を確認する2人。佐天に上条だ


佐天「どうします?奥に居るらしいですけど?」

上条「…とにかく、補充品を貰って行こうぜ。それからでも遅くは無い」


彼の言う通り、何人いるか解らないが『畑』と言う場所に居るらしい。
近くにいないのだから、補充品を貰っても問題ない。
奥の茶色い安物の麻袋に近づき、中に入ってるアイテム欄を見て2人は驚愕した。


佐天「え、何これ、『回復結晶』が6つ!?」

上条「それどころか、浄化や転移まであるじゃねーか!!」


彼等の補充品は『結晶』アイテムが冗談の様に詰め込まれてた。現在、ただでさえ数少なく、しかも末端の兵にこの数。


佐天「…この秘密」

上条「やっぱ、『畑』か?」


先程、責任者から出たワード『畑』どう考えても秘密がある。
2人は部屋の奥にある扉に進んだ。



上条「これは…」

佐天「綺麗…」


『畑』と呼ばれる部屋に入ると2人は息をのんだ。
岩石で出来た部屋だが、その床、天井、壁、いたるところが光ってる。それは


上条「結晶…」

佐天「ラピュタだ…」


そう、上条が言った通りその光ってる物すべてが結晶だ。
1つ2つではない、何百と言う数。奇しくも、佐天がこぼした通り、この光景は夏休みにやる冒険アニメーション映画の序盤のシーンにそっくりであり。
その映画は『天空の城』が舞台の映画でもある。
更に2人の気を引いたのは


上条「つか、あれって何だ?」

佐天「気になりますよね」


彼等の興味を引くのは、目先にある2mほどの物体。
例えるなら『石化したトウモロコシ』で実の部分が光ってる。
近づき、その実をもぎ取る。すると画面が表示される


上条「『浄化結晶』!?」

佐天「こっちは『回復結晶』です!!」


彼等の採った果実のような部分が、其々『結晶アイテム』に変化する。
その光景はまさに収穫。『畑』という名が定着した理由も良く解る。


上条「…とにかく。持てるだけ採っていこう。あって損は無い」

佐天「そうですね」



持てる限界だけ収穫した2人


佐天「とりあえず持ちましたけど、このまま下ります?」


思考する。『畑』の奥には下りの通路がある。下りるか?上条は考える


上条「行こう。俺にはそれが正解だと思う。それに…」

佐天「それに?」

上条「んー…なんて言うか、感じるんだよ。御坂を」

佐天「へ?」


すっとんきょんな声を上げてしまう。
この状況で何を言ってるんだ?彼女の素直な今の気持ち


上条「わかんないんだよ…けどよ、感じるんだよ、アイツを。…御坂は間違いなく下に居る。しかも、俺達よりも危機的な状況だ。
確信は無いが、そんな感じがするんだ」


もっと意味解らないことを言ってくる。が、悩んでる暇はない


佐天「…わかりました。下に行きましょう。仮に、御坂さんが危機的な状況なら悩む時間は無いですからね」

上条「…ありがとう」

佐天「頭なんですから、しっかりしてくださいよ!!」


そう言って、彼女は上条の腰を軽くたたく。
そして、2人は更に下へ降りて行った。



トルトゥーガ・上部


多くの者が、外で暴れてる浜面や土御門に対応しに行き。人の数が少なくなってる。
そんな彼等の雄叫びが大きく開いた窓から聞こえる1つ部屋に


キリト「管理者の部屋か?」

一方通行「だな。…書物のほとンどは日誌とかだ」


この2人が居た。変装を解き、通常装備で部屋を見てる


キリト「お前、この文字読めるのか?」

一方通行「…古代ヘブライ語。古代イスラエル、ヘブライ教で使われてた文字だ。現代のイスラエルのヘブライ語とは多少違うなァ」

キリト「…流石だな。俺にはアラビア文字とどう違うのかさっぱりだ」

一方通行「5分くれ。全部読む」

キリト「全部って…300冊以上はあるぞ!?」

一方通行「余裕ゥ」


この時、キリトは改めて一方通行のいい意味でのキチガイ度を再認識した。



一方通行「なるほどなァ…」

キリト「解ったのか?」

一方通行「アァ」


最初に言った5分の半分の時間で日誌を読み終えた一方通行。キリトは驚くことを放棄して


キリト「で、どうだったんだ?」


彼に日誌の内容を聞く。



一方通行「理解力あるオマエだから、簡潔に話すが。
この『天空の城』が天空に浮くための動力機関がこの層に有り、その結果『結晶』が出来てるらしい」


キリト「なるほどな、その装置の副産物が『結晶』で、地面から離れた時に失った魔法の1部が『結晶』に記録されてる。こんな所か?」

一方通行「正解。尤も、その魔法のいくつかは木に宿り、その木の実を食せば使えると。『スキル・ベリー』はこれだな」

キリト「なるほどな…。つか、この設定って俺、見たことあるぞ?あのアニメの」

一方通行「奇遇だな、俺もクソガキと見たことある。でだ――」

キリト「この島にはその装置を守るために『ガーディアン』がいて、その『ガーディアン』は海を越えられない、または苦手とする。どうだ?」

一方通行「…よく解ったなァ?」

キリト「ゲームよくある設定だ。…で、続きには『そのガーディアンは大変強い』みたいなことが書いてあるんだろ?」

一方通行「ついでに、その『ガーディアン』、『ウェポン』とも表記されてるが、剣を持ってるそうだ?」

キリト「剣…」

一方通行「オマエ、最近は『新しい剣を手に入れる夢』見てるとか、俺に相談してたじゃねェか?興味持ったかァ?」

キリト「あぁ、持ったよ。ちなみに、正確には『二刀流』な?夢だけど。…お前が誰にも言わないでくれたのが助かったよ」

一方通行「所詮、夢だ。起きてる時の記憶の整理なだけ。喋らねェよ。お前は俺の興味対象だからなァ…」


喋りのリズムで、ゆっくりと一方通行は扉の方へ目線を向ける。


キリト「まさか、俺が学園都市第1位様の興味の大将だと思わなかったよ…」


一方、キリトも一方通行同様、部屋の戸の方へ目線向ける。それは


キリト「が、今はそこに居るプレイヤー2人が、気になると思うけどねぇ!!!」

一方通行「御明察ゥ!!」


共に、その場からスキルを発動させ扉へ突っ込む。



「…カダージュ」


扉の辺りから声が聞こえると、空間の1部が光る。スキル発動時の物。
それは1秒以内に放たれる


キリト「ッグゥ!!?」


一方通行「キリトォ!!?」


その光はキリトに命中する。彼はまるで野球のピッチャーが投げたボールがバッターに撃たれたかのように、そのまま反対方向へ飛ばされる。
しかし、キリトは『エリュシデータ』を床に刺し減速する。しかし、


キリト「カッ…オッ!!!」


連続して打ち込まれる。


一方通行「弓だとォ…ッテ!?」

「目線離したらだめだよ、天才君」


キリトの心配をしてたら攻撃を外し、剰え、自身の細剣『ウィル・ターナー』を掴まれる一方通行。しかも


キリト「って!?」

「4発で十分だった」


4発の攻撃を喰らったキリトはそのまま


キリト「ウオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォ!!!!????」


外へ叩き落とされた。


「俺はこれで戻ります」

「ああ、ちゃんとあの子の傍にいないと、コイツみたいにやられちゃうよ?」

一方通行「そりゃ、ご忠告アリガトゥ。…ジョニーブラック!」


彼の言葉と共に、彼の目の前に現れる小柄のアバター。
彼が現れた瞬間もう1人の気配が消える。


ジョニー「イエイエ、どういたしまして。学園都市最強のお兄ちゃん。…いや、今は攻略組最弱か?」


ジョニー・ブラックが姿を現した。


一方通行「ジョーカーと言え」



ジョニー「僕に勝ったら、いい物を上げるよ?」

一方通行「なン…だと!?」


彼の刀を掴みながらジョニー・ブラックは懐からオブジェクト化されたアイテムを出す。


一方通行「鍵…だとっ!?」

ジョニー「そう、鍵だよ。これはね、ここから少し行った所に居る『御姫様』を救う鍵なんだよ。口の悪い、ね?」

一方通行「…」


口の悪いお姫様。一方通行にとってそれは1人しかいない。彼女だ。


ジョニー「ただ、僕間違えてお姫様に毒を飲ませて来たからね…そうだね、あと、20分かな?…って!?」


ジョニー・ブラックが気が付くと、彼の顔に右手の拳が近づいていた。そう


一方通行「ウヲラァァァァ!!!!」


彼の右手だ。ジョニー・ブラックは防御できないまま天井へぶち当たり、バスケットボールの様にバウンドして床に激突する。


一方通行「チビィ…いい事教えてやる。
世の中にはなァ、喧嘩売っていい相手と悪い相手がいる。お前は後者に撃った。だからなァ…」


ジョニー「だから…なに?」


そんな彼に、煽るような表情で問いかける。超化学が生み出した、野獣に。


一方通行「楽に死なせねェぞォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」


いや、感情のままに暴れる、怪物か?

今回はここまで。

ラフコフ幹部、ジョニー・ブラックと一方通行の戦いの導入で締めさせていただきます。

エヴァ量産機が小説になってるの無いかなぁ…



ではまた

乙  憶えてくれはりましたの?やな

>>129

ありがとうございます

そういや、このssでヒースクリフ=茅場って知ってるのって、ステイル・アレイスター以外にいましたっけ?

SAOって弓矢とか銃などの射出武器はなかったはず・・・

こんばんわ


夏で暑いですね~…

受験生は>>1みたいな寂しいオジサンにならないように、頑張って勉強にいそしんでください!!


では投下

『学園都市』。
その街は行けない者にとって、それは憧れであった。彼みたいに


ジョニー「…」


尊敬の念を込めて。
そして、調べるほどその中でも飛び出た能力者、『レベル5』の名を知る。
第3位超電磁砲。第2位未元物質。そして。第1位一方通行。
これらの名称は興味があれば外部でもある程度調べられる。
そして、メディアに頻繁に出る『超電磁砲』と比べ物にならない『一方通行』の存在を知った時、多くの者はどれだけ歓喜し、高揚したか?
更に、その『一方通行』こと『アクセラレーター』がこのSAOに居ると知って、どれほど感激し、希望を抱いたか?彼もそうだ。
だが


一方通行「ッグ!!」


目の前の彼は何だ?


一方通行「アァ!!?」


よくて中級のプレイヤーではないか?いや…


一方通行「…グアァッ!!?」


感情に身を任せ、スキルもまともに発動出来ないままツッコんでくる、タダの獣。


ジョニー「本物かよ…」


彼は失望した。
ネットで都市伝説になっていた『最強の超能力者』それがこのざまだ。
彼と同じような存在、『スサノオのミコト』こと御坂美琴の強さは、
『黒の剣士』キリトとの壮絶な『デュエル』にてアインクラッド全体に知れ渡ってる。
しかし、彼『アクセラレータ』の強さは未知数だった。
が、蓋を開いたらこれだ


ジョニー「もういいよ…壊れちゃえ」



一方通行「冗談じゃねェぞ!!!」


彼の内心が口から盛大に漏れる。


ジョニー「僕が言いたいね、その言葉」


淡々とした言葉を、彼に投げつけるジョニー・ブラック。それと同時に攻撃も投げつける。
ここまで、彼は最初の拳しかダメージを与えてない。
その後は一方的にジョニー・ブラックが彼に攻撃を加え続けてる。


一方通行(『防毒スキル』を付けてるが、これだと!)


何もできずにやられる。無論、彼も何もしてないのではない


一方通行「ハァッ!!」


レイピアのスキル『リニア』で反撃するが


一方通行「ッツ!?」

ジョニー「何回目だよ…ミスるの」


モーションを失敗し、スキルを発動できず攻撃を防がれる。
先ほどから9割はこれだ


一方通行(何をしてンだ俺!冷静になれ、『リニア』ごときの単純なスキルを失敗してどォする!?)


ジョニー「学園都市の『超能力者』がここではその力を使えないのは、なんとなく解ってたけど…
『超能力』がないと本当にゴミなんだね。お姉ちゃんたちが特別なのかな?」


余裕があるジョニー・ブラック。
どう見ても本気だしてない状態であり、あろうことか彼の事を独自に分析し、それを彼に問いかけ確認してくる。
一方通行にとって、屈辱以外なんでも無い。
が、一方通行にも落ち度はある。それを


ジョニー「あ!」


コイツは掴んでる


ジョニー「やっぱ、『肉人形』と『肉人形の元』だから強いのかな?」


その言葉を聞いた途端


一方通行「アアアアアアアアアアァァァァァァァ!!!」


雄叫びを上げながら彼はジョニー・ブラックに突っ込む。スキルもへったくれもない。


一方通行(何してンだよッ、またァ!?)


しかし、それは彼も解ってる。
が、彼の体が反応する『番外個体』を貶す言葉を聞くたびにがむしゃらな攻撃を仕掛けてしまう。
あっさりと反撃を喰らい、あおむけに倒れる一方通行。岩石の天井が見える。


ジョニー「手前の女の悪口言われて、感情的に反撃とか…三下だよね」

一方通行「…」



否定の使用がない。彼は、『番外個体』を咎める言葉に反応し、体が動いてる。
それは彼も認識してる。何故だ!?
…認めたくないが、守るべき存在である『妹達』、その中でも特別な存在である『打ち止め』と『番外個体』。
それらは彼の中で、大切な存在であり、心の支えであり、家族でもある。そう自認してる。
が、あの日、『番外個体』と一線を越えてしまったあの日以来、彼の中で少しずつ変化が起きていたのは言うまでもない。


一方通行(ンでだよォ…)


しかし、彼は認めなかった。
彼の中で『妹達』は命を懸けてでも守る存在。これは変わりようがない。
だが、なぜ彼女を貶されると体が動くのか?
正直、今の状況以外でも、彼はこの世界で無茶をして番外個体を庇う場面が多かった。周りが驚くぐらいに。
そんな彼を見て現実での同僚はとある言葉でチャカし、番外個体の元になった少女も同様にチャカした。
その少女の友人2人も同じ言葉でチャカし、同じギルドの馬鹿夫婦にも同じ言葉でチャカされた。
こいつにだけは言われたくない人物2人にもその言葉で茶化され、更にはこの世界で会った者達にも同じ言葉で茶化された。


一方通行(やっべ、イラついてきた…)


その言葉を言う資格は自分にはあるのか?いや無い筈だ!
彼が今まで殺してきた1万以上の命、彼が死ぬまで償えないかもしれない罪。
とても言えるはずがない。

「認めちまうと楽だぜい」と、面白半分で言う同僚。

「あんたの行動見てたら、言っても大丈夫よ。あの子達も納得するだろうし、いざとなったら私も味方になるわよ」
と言う、番外個体の元になった少女。

「お前がその言葉を言ってはいけないのは幻想なんじゃないか?少なくとも、番外個体や打ち止めは言われたら嬉しいと思うぞ?
その幸運を、お前は認めてないだけだよ」
絶対に、コイツにその言葉でアドバイスを貰いたくない男。

一方通行(ウゼェ…)


「ねえ、ミサカにさ、あの言葉言える?…って、アナタが言うとキモイね。うん、キモイ。
…え、怒ったの?ギャッハ☆マジで?ウケるんですけど。ギャッハハ!!
…って、そっぽ向いて膨れるなよ。…悪かったよ。ミサカが言い過ぎたよ。メンドクセェ…けどさ、何時か言ってくれると嬉しいなー…
ナシナシナシ!!今の言葉なしッ!!ニヤニヤすんなモヤシッ!!なら言ってみろ!!は、寝る!?何寝てんの!?マジ寝かよ!?
言えよ、へたれ!!」


何時かの彼女との会話。こんな状況で思い出す自分に凹む。
ぬるま湯に常時浸かってるこの世界。それは、学園都市の怪物でさえ変えてしまうのか?
彼は自己嫌悪に何回陥ったか。その結果が今の戦闘での劣勢。


一方通行(試してみるかァ…)


当てもない。そんなの気休めだと理解してる。
が、今のままではおそらくあと1撃で死ぬ。
仮にその言葉を言って『自分だけの現実』が崩壊したとしても、死ねば現実で生きる『打ち止め』や『妹達』を守る事は出来ない。
一斉大一大の勝負に出る。彼がここまで言うのに躊躇する言葉。それは


一方通行「愛してる」

ジョニー「は!?」



唐突な言葉に反応時てしまうジョニー・ブラック。
どう考えても彼が言う言葉ではない。コワレタか?


一方通行「…クヒッ」


コワレタ


一方通行「アッヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、ヴェヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ」


薄気味悪い、彼独特の笑いが部屋に響く。異様。今の彼を見た者ならその言葉しか思い浮かばない。
現に、彼を前にしてるジョニー・ブラックもその光景に引いてしまう。
デスゲーム、この状況下で壊れた人物は多くいる。
が、ここまでの者は見たことがない



一方通行「キメェ、キメェよオレ!何考えてンだよ!気色悪ィなァ!!ったくよォ!!!
何が愛だ、キモ過ぎて笑えてくるぜェ!!馬鹿に囲まれ過ぎて脳みそに花咲いたかァ!!?」


ジョニー「…無様だ」


自分の目の前で壊れた人間の中で、ここまで無様な人間は居たか?いやいない。
ジョニー・ブラックはそう思った。彼は武士の情けで、彼に止めを刺すことにした。
彼は『投擲』用の短剣を手に取る。『投擲』用にしては大きめであり、狙いを付けにくいものだが。
この距離で外す事はまず無く、アクセラレータに止めを刺すのはこれ1つで十分だ。『最強の能力者』を自分で止めを刺す。
本来なら気分は最高潮になるが、今は残念な気分だ。憧れであった人物の醜態を見るのは、


ジョニー「さようなら…最強さん」


そう言って、彼は短剣を投げた。その剣は一方通行へ一直線に飛ぶ。
彼の散り際を見届けようと、その剣を見届けてが


一方通行「…ッ」

ジョニー「へ?」


その剣を、この男は掴んだ。



『投擲』、このスキルで放たれた物を掴むことはできる。
しかし、それは銃弾の玉を掴む事のような物で、誰もが出来ないと思っていた。
が、目の前の男はどうした?あおむけに寝ながら当たり前の様に掴んだ。


一方通行「気持ち悪いこと考えて頭がスッキリしたぜェ…」


のっそりと起き上がる男。『ラフィン・コフィン』は『神羅』合流後、彼等学園都市の人間を怪物と言う人が増えた。
それは漠然としたイメージによる物だが、目の前の男はどうだ?天然の白い髪、紅い目。
そして今の妙技。まさに怪物。


ジョニー(そんな事は無い!!)


その認識を必死に否定し、自分に言い聞かせながら、彼は素早く彼の背後にまわり


ジョニー「!!」


首元にダガーを向けた。が


一方通行「ハァ…」


のそりと、彼の『ウィル・ターナー』が動く。
特定の場所、全ての武器がその場所に攻撃が当たると


ジョニー「ブッフォ!!!?」


プレイヤーごと弾き返させる。
多くのプレイヤーが使いこなせず、また初期からあるので存在を忘れてるスキル。


ジョニー「反…射?」


そのスキルの効果で、壁まで弾き飛ばされた彼の様に


一方通行「惜しィ。…答えは『カウンター』。オメェのダガーにもあるはずだぜ?」


『カウンター』スキルとして全ての武器にあるが、戦闘しても経験値が入らない事から、多くの者は使わないスキル。
そして、その扱いの難しさも難点の1つ


ジョニー「…ふん。偶然発動するような『スキル』で、僕を倒せるとォ!!?」


再び、今度はランダムに移動しながら一方通行に近づく。
『カウンター』はスキルの軌道が読めるとやりやすいと話がある。
なら、ランダムに移動し比較的モーションが少ないスキルを使えば。そう考えた。
幸い、彼のHPは先ほどと変わってない。1撃で殺せる。



一方通行「これだから三下はァ…いや、ここに来て、オレも落ちたなァ」


しかし、またもや必要最低限の動きで『ウィル・ターナー』を動かし


ジョニー「ウグオッ!!!?」


『カウンター』を発動させる。ここまで来ると偶然ではない。
理解した、彼は『カウンター』を使いこなせる。
ジョニー・ブラックはもう1回


ジョニー「ッツツツ…肉人形からの愛の言葉でも思い出して、強くなったの?」


苦し紛れに『番外個体』を貶してみる。
これで彼が感情的に突っ込んで来たら、もう1回こちら側のペースになる。が


一方通行「かもなァ…」


彼は認めてしまった。


一方通行「俺もかなり頭ン中に花咲いたみたいだからよォ。あの馬鹿共の言葉でスッキリしたぜェ。
確かに、俺はお前が考えてるみたいに『愛』なンざ生ぬるい言葉とは程遠ィ人間だ。
おかげで、自分を見失いそうにもなった。…だがなァ、こンな訳の分からない感情は簡単に解決できる」


ジョニー「…それは?」

一方通行「認めちまえばイィ。『愛』とやらをなァ」


とんでもない言葉が出てきた。『愛』?
彼が作っていたアクセラレータと言うイメージ、そして一方通行を知ってる者達の認識でも、聞き間違いだと思いたい言葉。
その言葉が、もっとも遠い居場所に居るはずの人物が言った言葉に


ジョニー「幻滅だよ」


彼は幻滅した。


ジョニー「僕は君と言う人間は、闇の中でその紅い目を光らせて得物を狙う獣であり、そんな安い感情に流されない人物だと思ってた。
そしたら街中の奴らと同じ脳内花畑のような事を言う。…最悪だ」


一方通行「何でも言え。それはテメェが勝手に作った俺のイメージだ。
オレだって自分がまさかこんな言葉を言うとは予想外ナンだよ。だがなァ、最悪かどうかオレに勝ってから決めても遅くはねェンじゃねェか?」



『ウィル・ターナー』をジョニー・ブラックに目標を定めて構える。
彼のHPは何度も述べるがレッド手前、ジョニーが1激でも加えれば直ぐに0になるだろう。
しかし、ジョニー・ブラックは驚くべき行動に出る


ジョニー「…『ヒール・アクセラレータ』」

一方通行「…!?」


突如、彼のHPを『回復結晶』で回復したのだ。


一方通行「なンの真似だァ?」

ジョニー「別に、本気の最強さんと戦いたかったんだ」

一方通行「ナメタ真似してくれるじゃねェか」

ジョニー「本当だよね。…けど、これで僕が作ってきた『一方通行』という『幻想』を心置きなく壊せる。これで、この世界に残る理由もできた」

一方通行「そいつは迷惑な事をしちまったなァ。…お詫びに。その『幻想』、オレがぶち壊してやるよ。ありがたく思えよなァ?」


自分の作った『幻想』、相手に作らせてしまった『幻想』それらを破壊するための戦いが、『仮想』の世界で始まる。


第1層・始まりの街


「『SAOタイムス』本社の制圧、完了したようです」

「そうだナ。アーたんからも連絡が来たよ」


血盟騎士団の本部ほどではないが慌しい建物の中、『アインクラッド解放軍』の本部内での1角に居るシンカーとアルゴ、と初春。
現在、『アインクラッド解放軍』と『血盟騎士団』の共同の元、『SAOタイムス』の本社への強襲作戦が行われ、無事、制圧が完了した。


初春「そう言えば、キバオウさんは?」

シンカー「『監獄』を解放した元団員…いえ、『ラフィン・コフィン』のスパイを追跡中です。…ですが」

アルゴ「3人のうち、1人は確保、2人も時間の問題だろうナ」

初春「でも『監獄』って、プレイヤーでも解放できたんですね」

シンカー「はい…どうやら前線が第50層の辺りで自由に開放できるようになってたみたいです」

アルゴ「ったく、気付けよナ。おかげで、キー坊とかがぶち込んだオレンジとかが全部あの島に居るゾ!?」

シンカー「面目なくて、返す言葉もありません」

初春「…考えると、第50層から物事の変化が多いですよね…まさッツ!?」

アルゴ「言葉を選べヨ!!」


彼女の口を塞ぐアルゴ。
シンカーも周りの様子を見るが、彼女の言葉を聞く余裕がある者はいない様だ。


シンカー「大丈夫です。…ハルさん、気持ちは分かりますし、その先も何となく分かります。
ただ、ここは第1層です。あなた方『ヒーローズ』を快く思ってない人も多いので」


アルゴ「気を付けろって事だナ。…マ、あの『アレ』を気にすることも解るがヨ」


アルゴの指す『アレ』とは『謎のNPC?』、黒子たちの事だ。
確かに、あの事件は不審な事も多く、また多くの謎を残してる。
尤も、黒子達だと言う確証は現在の彼等にはない。
なので『ヒーローズ』意外だと彼等と親交がある1部のプレイヤーが少しの情報だけを知るに過ぎない。


シンカー「まあ、ゲームなら攻略を進めていくと様々な要素が解放される事はよくありますからね。
そこまで気にしなくてもいいと思いますし、確認しようがありませんからね。クリアしないと」


そう初春をフォローするシンカー。



「シンカーさん、来ました!!『SAOタイムス』の奴らです!!」


奥からシンカーを呼ぶ声。
捕まった『SAOタイムス』の記者らがここにある『監獄』へ送られてきた。


シンカー「さて、私はこのまま『監獄』の監視に行きます」

アルゴ「副団長がワザワザ監視とかたへんだナ」


シンカー「仕方ないですよ。奴らがいる限り、見張らないと安心できませんからね。
それに、キバオウさんももう少し強権的になろうかと考えてますし」


初春「あまり強権的になると…」

シンカー「解っていますが、現状だとこの町を纏めるにはそれが1番です。なるべく、暴走しないようにコントロールしますが…」

アルゴ「お前はどちらかと言うと、そこまで強く言えないタイプだから心配だヨ。…ま、がんばれよナ」

シンカー「はい。では御2人も。皆さんによろしくお願いします」


彼の見送りの言葉を聞くと、2人は『アインクラッド解放軍』の本部を出て、アスナに指定されたポイントへ向かう。第25層、迷宮区前へと



第25層・フィッシャーマンズ・ホライズン・迷宮区前


海面に反射した月の明かり以外はほぼ無く、鉱山の跡らしく開けた港がある。
その湾内に泊まる1隻の帆船がある。その名は『インターセプター号』


「ん~男はやっぱり、海に出るんだなー…」

「同感だ…」


その船の舵の両隣で海風を感じてる2人


「…なにしてんの、エギル、クライン?」


エギルにクラインだ。声をかけてきたのはリズベットである。


クライン「いやさ、ぶっちゃけやる事無くってさ」

エギル「この船調べると言っても、ほとんど調べたしな」

クライン「それに、男なら船の上で海風を肌で感じるのは夢だぜ?舵を右手で掴み、片手でコンパスを持って、鼻歌謳う」

エギル「よぅほぅ~ほぅ~ほぅ~」

クライン「海賊の暮らし~♪」

リズ「微妙に上手くて似合うのがウゼェ…つか、よく歌謳う余裕があるね」

「イイじゃないですか。この雰囲気に合ってますし」


『血盟騎士団』3番隊隊長のシキシマが声をかける。しかも


リズ「酒かよっ!?」


真面目な彼が珍しく、作戦行動中に瓶片手に飲酒してる。こういうのは


クライン「お、俺にもくれよ!」

エギル「俺も貰おうかな?」

シキシマ「そう言われると思って、2つ余分に持ってきました」


彼等が主にやる事である。
シキシマもこれを予測してか、酒瓶を余計に持ってきていた。



クライン「で、御宅の大将はどうした?」

シキシマ「この船、『インターセプター号』の操舵の仕方が解ったので、アスナ様たちが来るまで、船室で1人にしてくれと」

エギル「相も変わらず、変わった男だな」

リズ「変わり者しかいないでしょ…」


海風を肴に飲む酒、それは格別なのだろう。
何だかんだでリズベットも貰ってる。彼等の居る下のフロア、船室に


ヒースクリフ「ふぅ…」


彼も、月明かりを見ながら酒をたしなんでる。訳ではない


ヒースクリフ「さて…《起きてるかい?》」


頭の中で誰かに呼びかける。SAOでは念話などは出来ない。では誰か?


《…退屈していたところだ。偶には、君の世界の事を話してくれないか?》


男にも女にも、子供にも老人にも、聖人にも囚人にも聞こえる声。アレイスタークロウリー。


《何、君が送ってきた使者居たではないか?》

《…あれは、彼等の成果だよ。私は関係ない》

《…そうだったな。で、彼等が来た影響でね、『隠しダンジョン』が開けてね。これからそこを根城にする勢力を駆逐する》

《ほう、そのような効果があったのか。てっきり…君がすねて開けたのかと思ったよ》

《私は述べたはずだ。こちらも行動させていただくと》

《…まあいい。せいぜい君の城の騒乱を見させていただくよ。が…君の思うように、城の民は動くかな?…私の城と同じように》

《その違いを楽しんでるのだろう?アレイスター…》

《ああ、もちろん。…お互い、自分の城に害虫が湧いてるが、さしたる問題ではない。時期に消滅する》

《それは間違いない。…さて、私の部下がそろそろ着くころだ。また、次回に伝えよう。その時には、君の少年少女たちの報告が出来そうだ》

《なら、君のお気に入りの少年…いや、剣士の話を聞きたいね》

《ああ、是非、聞かせたいよ…》



第25層・迷宮区前


ヒースクリフが外に出るとそこには今回の『ラフィン・コフィン』討伐で、彼等の本部に行く者達、
そしてここまでの支援のリズベットやエギル、初春にアルゴ、シリカ達が集まっている。


アスナ「団長」


先程まで『SAOタイムス』制圧に向かってたアスナが声をかける。
疲労感のある表情で、とても10代の一般的な少女の顔ではない。辛い思いをしたのだろう。
そんな彼女に労いの言葉を贈らずに、彼は1段高い石団の上に立つ


ヒースクリフ「…皆、見知った顔だな」


言葉をこぼす。彼から見えるプレイヤーは、多くは攻略組で彼と共にクエストに挑んだことのある強者だ。しかし、その1人1人の表情は暗い。

それもそうだ。『ラフィン・コフィン討伐』と言えば聞こえはいいが、彼等がこれから行うのはモンスターではなくプレイヤー。人間だ。
平たく言えば殺し合い。
SAOにて生き残ってる多くのプレイヤーはレベル関係なく元は一般人が殆ど。殺し合いに笑顔で行くものなど皆無だ。

しかし、この緊張は解さなくてはならない。


ヒースクリフ「…すまない」


そう思ってるのか、はたまた天然なのか。
ヒースクリフの発した言葉に多くの者が彼を、驚愕の目線で見た。
しかし、そんな事を気にもせずヒースクリフは話を続ける


ヒースクリフ「そして、ありがとう」



「最初の言葉は、最強と言われる『血盟騎士団』の団長として、このような事態を避けれず。また、避ける努力を怠った私からの言葉だ。
今回、『ラフィン・コフィン』の取った行動は許し難い行為だ。しかし、それを私は何の判断もせず、ただ悪戯に被害を拡大してしまった。
私の責任だ、団員は悪くない」


深々と、頭を下げる。その行動に静かなどよめきが広がる。
だが、ヒースクリフは話を続ける。静かなトーンで


「後者は、殺し合いが予想される、あの島、『トルトゥーガ』への『ラフィン・コフィン』討伐へここまで集まってくれた君たちへの感謝の言葉だ。
…しかし、これは強制ではない。自分の命、また他者の命を奪う事に躊躇ある者は何時でも下りて構わない。
…いや、降りて欲しい。これから先、戦うのはプレイヤー、すなわち私達と同じ人間だ。誰とて命は大事だ。
しかし、自分が10秒悩めば、相手は5秒で自身を殺しに来るだろう。
…もう1度言う、覚悟の無い者は降りたまえ」


最期に強めのトーン。これは脅迫ではなく、心からの警告だ。
しかしそれでもアスナたち『血盟騎士団』やクラインたちは残ってる。
覚悟の故。そんな彼等を、誇らしく見渡すヒースクリフ。


「行こう。これはゲーム攻略の為。そして、我らの友好ギルド『ヒーローズ』救援のためだ」




ヒースクリフの宣言の後、整然と『討伐組』は『インターセプター号』に乗船していく
。そんな彼等を応援する声援が、彼等を送り出していく。そんな中


初春「アスナさん!!」


知り合いがいる者は知り合いに持てるだけのアイテムを渡したりしてた


アスナ「初春さん、リズ、シリカちゃん、アルゴも…」

リズ「アスナ、剣貸して!!」

アスナ「へ!?」

リズ「『レイピア』よ!!この場で整備する!!」

アスナ「え、でも!?」

リズ「解ってる!!でもやらせて!!不完全なまま、友達を戦地に送りたくない!!…3分、いや1分で終わるから!!」

アスナ「…解った」

初春「アスナさん!!これを!!」

アスナ「…この紙は?」

初春「…佐天さん、御坂さんが絶対に戦う人物の情報です!!」

アスナ「絶対にって…それって!?」


アルゴ「マ、『SAOタイムス』の本社にあった情報が役に立ったナ。アーちゃんの御蔭だヨ。
…絶対に渡セ。2人はそいつと絶対に戦ウ。アーたんはその時に絶対に援護しロ。
それが、今回の情報料ダ。出来なかったら、10万コルだからナ」


アスナ「あら、お高い。…絶対に、払わないように帰ってきますから」

シリカ「アスナさん!!これを!!」

アスナ「これって!?『回復結晶』に『回廊結晶』じゃない!?しかもこんなにたくさん…いいの?」

シリカ「今まで出会った人たちが、カンパしてくれました。数は少ないですが…お願いです、ミコトさん達を助けてください!!」

アスナ「もちろんよ!!」

リズ「はい!アスナ!!」


リズベットが研ぎ終えたレイピアを渡す。整備が終わったレイピアはいつもより重さが違ったような気がした。
その重さを全身で受け止め、


アスナ「行ってくる!!必ず、美琴さん達を連れ戻して来るから!!」


彼女は腰にレイピアを掛け、船へ向かった。

今回はここまで

>>131

そうです、2人だけです。
疑念を持つ人はいますが。


>>133

ゲームだけですね。
ただ、出したくて…



ではまた

こんばんわ!!

遅くだけど行きます!!


では投下



「クッソ!!どれだけ長いんだよ!!?」

「解ってますけど!!」

「…言いたいことは解る」

「なら、口より足を動かしてください!!」


若干焦った口調の男女。佐天と上条だ。なぜだ?


上条「転ぶなよッ!!」

佐天「解ってますよぉぉぉぉ!!」


彼等が説明できる余裕はない。簡単に言えば


佐天「上条さんが、トラップ踏むからですよぉぉぉぉ!!」

上条「何回も聞いたァァァァ!!!」


彼等の後方から、冗談みたいな『大きな丸岩』が迫って来るから


佐天「インディ・ジョーンズは映画から出て来るなーーーーー!!!」

上条「兎にも角にも、不幸だァァァァァァァァァァァァ!!!」

佐天「私に言わせろォぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


大岩の転がる音をかき消すぐらいの賑やかな声が、ダンジョンに響く。


「…こんな『ジョーク・トラップ』引っかかるなんて。本当に『攻略組』なのかい?」


色っぽい女の声が2人の耳に入る。後ろから。
2人がふと振り返ると、そこには女のランサー。
しかも、彼女は腕1本んで掴んでるランスで、大岩を止めてる。
同じランサーの佐天も目を丸める


佐天「えっ?」

「それとも…」


腕に力を入れる女。それはランスが光だし、スキルが発動したことで理解できる。そして


「学園都市のお子様たちはどんな状況でも、純粋に楽しむのかいッ!?」


槍単発重攻撃スキル『ランス・ストライク』でその大岩を砕いた。
中レベル以上のランサーならだれでも使えるスキル。


「ねぇ。『ヒーローズ』頭のカミジョウにルイ…」

上条「お前は?」

「おっと、失礼だったね。私の名前はロザリア」

佐天「ロザリア…あ、それってオレンジギルド『タイタンズハンド』のリーダーで!」

ロザリア「今は『ラフィン・コフィン』の幹部。…そ、目の前にいる私」

上条「何でだよ!『タイタンズハンド』はキリトが全員投獄にぶち込んだって!?」


ロザリア「疑問に思う事無いでしょ?現に目の前に私は居る。それだけでいいでしょ?お頭さん
…本当は『黒の剣士』さんが居たらよかったんだけどね」


上条「…何がだよ」


答えが解ってるがあえて問う。その結果を2人は予測し、各々の武器に手を掛ける


ロザリア「ここであんた等はお終いだって事だよッ!!」


腕を上げ、指を弾く。その音と共に周りに出現する青白い光


佐天「これって!?」

上条「やっぱり『転移結晶』!?」


ロザリア「そう。ここに来たって事はあんた等は『畑』を見たのでしょ?
私達、『ラフィン・コフィン』の主流戦法の1つである『転移結晶』を使った奇襲。『召喚』。
そこのお頭さんは『フィッシャーマンズ・ホライズン』で見たわねぇ。で、対策はあるのかしら?」


上条「っく!?」

佐天「無いんですか!?」

上条「時間が無かったよ!!」

ロザリア「アーッハッハッハハ。万策尽きたって所かしらぁ…さて、どうする?」


次々と現れるロザリアの手下たち。他の兵と違い制服は着ておらず、武装も疎らだが


上条「全員、『毒系』の武器ですか」


ロザリア「『バトルフィーリング』には1回やられたからね。その対策よ」



2人の取り囲むように、ロザリア及びその手下が包囲する。


上条(どうする)

佐天(ここで戦えばおそらく時間は20分は最低でも取られる)

上条(佐天を先に行かせて、俺一人で)

佐天(なんてこと考えてそうだけど、この先に御坂さんが居る保証は…)

ロザリア「そうそう、忘れてたわ」


まるでワザと思い出したかのようなリアクションで喋り始めるロザリア。
誘惑に違いない。2人は思う。
ロザリアは彼女の後方にある奥へ続く坑道を指差し、話し始める


ロザリア「この先に、電子の御姫様がいるわ。そう、『科学の御姫様』がね」

上条「何ッ!?」

佐天「それって、御坂さん!?」

ロザリア「そう、超能力者『超電磁砲』事、御坂美琴がこの先に居るわ。でも、困ったわねー…あの娘、今怪物に襲われてるかも?」

上条「おい!!」

ロザリア「で、アナタ達にサービス」


悪女と言う名がピッタリの表情で問いかける。誘惑。


ロザリア「どちらか1人、見逃してあげるわ。そう、どちらか1人ね」


どちらか1人。戦力の分断だ。しかし、彼女の言う事がブラフの可能性も捨てきれない。
万が一、ブラフだとした場合、最悪、残された1人が死ぬ可能性がある。


ロザリア「40秒で選択しな」


が、悩む時間は無い。



上条(ここは佐天に行かせよう)


良くも悪くも、彼らしい判断をし


上条「さ――」


彼女にその趣旨を伝えようとした時


佐天「すみません」


上条「へ?」


彼は胸倉をつかまれ


佐天「へああああああああああああああああああああああああ!!!!!」


右腕で、彼は坑道の方へ力強く放り投げられた。



上条「ヘブッ!!…何だよ!?」

佐天「行ってください!!」


上条の問いに力強く答える。が、無論、理解できたわけではない


上条「何でだよ!!そしたらお前が!!?」

佐天「聞いたでしょ、御坂さんがこの先いるって!言ったでしょ、この先に御坂さんがいるかもって!!」


そうだ、この先に美琴がいると確証の無い事を言ってたのは彼だ


佐天「だったら、自分で言った言葉の責任位撮ってくださいよ!!自分の目で確認して来てくださいよ!!」

上条「けど!」

佐天「さっさと行け!!上条当麻!!もう1回、御坂美琴を救って見せろよ!!!」


1度も呼ばれたことのないフルネームで激を飛ばされる。この少女の気合い、無駄にするのか?


上条「…すまないッ!」


出来る物か。上条当麻は坑道奥へ走り出す。



ロザリア「へぇー…。若いっていいわねぇ」

佐天「あれ、律儀に待っててくれたんですか?」

ロザリア「囚われの御姫様を救い出す勇者様の為に、仲間が敵を引き付ける。古典的だけど、私は嫌いじゃないわよ?」

佐天「それはどうも。…あぁ、御坂の名前フルネームでしかも呼び捨てしちゃったよー…」

ロザリア「あら、後悔してるの?でも、大丈夫。そんな感情、直ぐに無くなるから…恐怖って感情に上書きされてねェ!!」


ランスを彼女に向ける。周りの部下も武器を構える


佐天「あーあ。お姉さんって、データカードとか直ぐ上書きして失敗しちゃうタイプでしょ?」

ロザリア「煽る余裕なんてあるのかい?思考に嘘ついても、体は正直だねェ。その手の震え、ビビってんじゃないのかい!?」

佐天「あ、やっぱそう見えます?そうっすよねー…昔の人は良くこんな早打ちできたなぁ」

ロザリア「は?」

「ロザリアさん、コイツの指の動き!!」

ロザリア「…ッテ!?」


気付いた時には遅かった。
その動き、このゲームの中で、いや、この時代で多くの者は使わない、使ったことない物の動き。
惜しくも、ロザリアは使う側の人間だった。


佐天「『ガラケイ?』のブラインドタッチって、難しいですよね」

ロザリア「メッセージを送った!?」


そう、彼女が先ほどまでしてた指の動き、『メッセージ』機能で文章作成の時に『ガラケーモード』特有の動き。
特徴は『5』のパネルに小さな突起があり、それさえ覚えれば目にしなくても文章が作成できる。


佐天「ええ、送りましたよ。あなた達と同じ『召喚』の呪文をね。…誰が来るか解りませんけど」


彼女が話し終える前に彼女の横が光る。先ほどと同じ


ロザリア「『転移…結晶ッ』…」

「ロザリアさん!やっちまいましょう!!今ならこいつ1人です!!」

佐天「いいんですかぁ?こう見えても私、『運』がかなりいいですよ?上条さんもいないし、引きはイイと思いますよ?ほら」


光が散る。そこには男が1人。


「あ…ああぁ」


その男を見る否や、ロザリアの部下たちが震えだす。


ロザリア「ッく」


彼女に至っては、屈辱のあの日を思い出したかの様な顔。
それもそうだ


「…落下途中での転移。…無茶苦茶にも程があるぞ。支離滅裂な文章だったし」

佐天「でも、私の示した座標に来てくれたじゃないですか」

「…まあな」


不満を漏らしながらも。片手剣の剣士は、己の剣を抜き彼女の問いに答え


「それに、どうやってこの場に居るか、聞きたい奴その1に出会えたからな」


その漆黒の剣をその人物へ向ける。


ロザリア「ククククッ…黒の剣士!!!」


キリト「久しぶりだな、ロザリア。…お前以外をスタンさせてから聞きたいことがいくつもある」


召喚獣、黒の剣士、キリト。である。



ロザリア「投げろッ!!」


彼の姿を見るとロザリアは号令を部下に掛ける。その瞬間、彼等の半分は一斉に武器を投げる。


佐天「これは、あの時の!?」


あの時、それは第25層が開かれて間もない時に、シリカの取り巻きに誤解され襲われた時に喰らった攻撃法。
あの時は浜面アスナ達が到着して何とかなったが


佐天(数が多いッ!?)


あの時の半分ぐらいの武器の数だが、それでも多いのは変わりがない。
しかも、これの後に攻撃があるのも彼女は知ってる。が


キリト「ルイ!お前は後方の敵を」


彼が指示してくる。対策法があるのか?…いや、悩んでる時間は無い


佐天「了解っ!!」

ロザリア「そんなんで、この剣の雨をよけられると?――ッツ!!?」


避けられない。思う誰もが


キリト「…ッフ!!」


彼は佐天に降り注ぐ剣を全てジャンプして1撃で払う。


「嘘だろ…ッツ」


そんな彼の動きに驚愕してる時間は無かった。先ほどまで空中から、彼等の懐に入り込み


キリト「遅えんだよ…」


彼等の脚部を水平切り『ホリゾンタル』で切断する。しかも、1回で複数人の。


キリト「足を狙え!!こいつ等の動きを封じろ!!」


佐天「ハイッ!!」

ロザリア(なんだよ…コイツ。また本気だしてないのか?)


かつて、ダメージを与えられなかったが攻撃を加える事は出来た。しかし、今はどうだ?


「やろおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


キリト「遅い」


彼に斬撃は


「またかッ!?」


届かない。



ロザリア(何でだよ!確かに、私達とビーターには絶望的にな差がある。だけど、これでは一方的だ!なんだよ…この反射速度)


彼女が彼の反射速度を異常に思うのも無理はない。例えば


「ホワタァァァァァァァ!!」

佐天「ヒョッ…かすり傷ゥ!!」


同様に彼女達よりもレベルの高い佐天でも、何とか攻撃を不意打ちで与えることはできる。だが、彼はどうだ?


「何でだよ…なんで、当たらないんだよ!?」

キリト「遅いからだよ…反射神経が」


彼の即座に反応する速度は異常だ。どのようにここまで生き残ればあの反応速度は見に着くのか?
攻撃を忘れ、彼の攻撃に見とれ、自分のするべきことを忘れたロザリアはこの時点で負けてた。そう


キリト「お前で最後だ…」


彼が目の前に来た時点で。戦闘が始まり何分立ったか?
確実に言えるのはカップヌードルはまだ固い。その間に彼女の部下は全員スタンし。
現在、意識があるのは、佐天、キリト、そしてロザリアだけだ。


ロザリア「ッツ!!マッタァ!!」


あがきでランスを振ろうとするが


キリト「遅いんだよッ!!」


彼の『シャープネイル』の3連撃が彼女の左腕、脚部、右腕を切断し、肉ダルマにした。

キリト「ふぅ…」


20人近くだろうか。佐天もいたが、殆ど彼が行動不能にした。そんな疲れを軽く吐き出すかのようなため息


佐天「…すごいっすね。なんか」

キリト「何がだよ」

佐天「反射速度が。…いや、『反応速度』っすかね?」

キリト「…何とも言えよ。…とにかく、今はこいつの尋問が」


先だ!そう言おうと、キリトは考えてた。
が、その時、この空間に「プッ」っという、人間の言に続いて「ベチャ」という、肉が床に落ちる音が響く


佐天「キリトさん!?」


彼女がの言葉に反応する前に、彼は音源を見る。それは


キリト「…ロ、ロザリアァァァァァ!!!!!」


オレンジの女のネームを叫ぶ。ロザリア自身にHPの変化はない。
キリトに刻まれ、地面にのさばってるだけだ。ではなぜ?…それは、彼女の前にある赤い肉片。舌だ。
SAOでは口の辺りを破損すると『会話不能』のペナルティーが発生する。
例えば、第1層のフロアボス戦にて、上条が下顎を破損した際に会話できなかったように。舌だけでも会話不能になる。
知り合いで、やっと会話ができるレベル。
現実と違い、痛みを感じないこの世界だからこそできる情報流失を避けるための荒業。


キリト「貴ッ様ァァァァァァ!!!??」


力任せに、ロザリアの胸倉をつかみ剣を向ける


キリト「なぜ、監獄に送ったはずのお前らがここに居る!?何でケイタが生きている!?何でケイタが『ラフィン・コフィン』に入ってる!?
言えッ!!」


佐天「落ち着きなさいって!!?」


そんな彼を後ろから羽交い絞めの様に抑える佐天。
その2人を見て、
「あらあら、私を刻んで何も情報を引き出せないで激昂とは…ビーターさんも人間臭いわねぇ」
とでも言わんばかりの目線を送ってくるロザリア。彼女の目線は何処かほくそえんでる。


佐天「今は怒りを当てる状況では無い筈ですよ!?解りますよね!?」


キリト「ッツ?」


冷静に戻る。そうだ。ここで、彼の持つ疑問を怒りに任せてぶつけても、彼女の『会話不能』が解消されるわけでもない。


佐天「…いまはその人を置いて、御坂さんや上条さんを救助に向かうべきです」


そうだ。今は1人でも仲間が欲しい。彼女の言い分を聞けばこの先に美琴と上条がいる。


キリト「…」


涙子の会話に納得し、剣を納刀しロザリアを地に下ろそうとした時


キリト(あれは?)


彼の目線に映る。それは『転移結晶』と同等の大きさの物。ロザリアの腰のベルトにある。2つだ。


キリト「…ッ」


彼は剣を納刀し終えると。その手でスキルを発動し、それら2つを奪取する。
そのスキルは『盗み』。名前の通り、相手のアイテムを盗むもの。
他にも、ダメージを与えながら奪う『強奪』もある。


佐天「キリトさん!?」


彼の行動に驚く彼女。


キリト「これが気になったんだ。…見た事無い色だしな」

佐天「え?…これ!?」

キリト「コイツが持っていた。…ま、聞こうにも聞けないが」

ロザリア「…」


そうだ。彼女に聞こうにも『会話不能』の彼女に質問することはできない


キリト「考えて――」

佐天「…『鍵結晶』」

キリト「へ?…あ」


思い出す。そう、これは彼は見ている。
この層、第25層のフィールドボス『リバイザ・ヘッド』討伐前にあった『鍵結晶(キークリスタル)』だ。
そう、その時にあの立体パズルを解いたのはキリトの目の前にいる佐天涙子だ。その瞬間、彼は全てを理解する。


キリト「なるほどな。このアジトは鍵、つまりは『鍵結晶』がないと先へ進めないのか?」


問いただす様に彼はロザリアを見る。
しかし、彼女は答えるはずもなく「自分で確かめな」と言わんばかりの目線を送る。
ここまでの余裕は何処から来るのか?それは、彼等が彼女の部下を1人も殺さない所から来る自信だろう。
現に、キリトと佐天は1人も殺してない。
それが、彼女の自信を生んでいる。そんな彼女が、彼の問いに反応するはずない。


佐天「…行きましょう」

キリト「…あぁ」


この答えを自身で考えることにし、2人は上条が行った行動へ走って行った。



ロザリア(やすっちいもんね)


彼等2人を送った後、ロザリアは1人心の中で呟く。
『バトルフィーリング』のスキルの無い彼女等はただ、ジッとしてるだけしかできない。


ロザリア(無様だね…)


今の状況。そして、現実での自分に重ねた言葉。

現実で、仕事に着けた時の喜び情熱。それらは遠い昔に置いてきた気分だ。
あの時の正義感は何処に行った?現実での自分は何処に行った?気づけば、身寄りのない子供を学園都市へ輸出してる自分。
身寄りのない子供のお母さんになるはずだった自分は何処に行った?


ロザリア(無様だよ…)


また呟く。無様だ。どう思っても、何もできない?
仮に動けるようになって、私は何をする?

解らない。




フォオン

悩める彼女の目の前が光る。
『転移結晶』の光。誰が来た?

…仮に誰か来たとして、自分は何をする?そんな自問自答をする前に


「おや…随分派手に負けましたことで…」


姿を現す。そう


ロザリア(…ホウジョウ…ユフィ!?)


ホウジョウ「ですが、安心してください…」


そうこの男と付き添いの少女だ。
だが、ロザリアの焦った口調から安堵感は無い。
同じギルドの仲間なのになぜか?それは


ロザリア「ッツッブ!?」

ホウジョウ「あなた方の死は有効に使わせていただきますから」


彼女の口に突っ込んできた『木剣』が物語る。
無論、それがただの『木剣』ではない。
その証拠に、彼女のHPが減り始める。状態異常の表示と共に


ホウジョウ「ホぅ、流石『バズビース・ソード』ですね。
剣による攻撃力は全くないが、呪い…状態以上の『毒』の威力は『ポイズン系』では最強と言われる品物!
名の由来である『バズビーズ・チェア』に引けを取らない!…あなたのHPなら3分もかからない」


ユフィ「ホウジョウ様…」

ホウジョウ「ユフィは、その辺の使えないゴミを処分しなさい」


ホウジョウの指令を聞くと、ユフィはロザリアの部下たちを『ウータイ』で攻撃し始める。猛毒の効果のある『ウータイ』で


ロザリア「ファメホ!!」

ホウジョウ「ヤメロと言ってるのですか?…それは無理な提案です」


気を逆立てるように話すホウジョウ。とても同じギルドのメンバー、幹部に話す言葉ではない。
そんな彼を、ロザリアは睨みつける。が


ホウジョウ「いいですねー…。そのヘイト感情に溢れた目線。まるで、私を殺さんばかりの目線だ」


そんな彼女を、ホウジョウは『記録結晶』で撮影してきた。


ホウジョウ「もっと、ヘイトに溢れた目線でこの結晶を見なさい。私はそれを望んでる。
あなたのそのヘイト感情が、我らの最強戦士を生み、あの黒の剣士と言うガキや改造人間共を抹殺できる!
君は、私達が生きるために死ぬ生贄だ!!もっと…もっと、そのヘイト感情を――」


ホウジョウの言葉を言い終える前にロザリアは光となって消えた。死だ。
その瞬間、ホウジョウへのヘイト(憎しみ、憎悪)の目線だった。
しかし、送られた側は認めなかった。



ホウジョウ「役に立たない。…所詮、ネットで強がる若者か」


そんな1人ごとを呟く男を言葉を


ユフィ「…」


何処かの街にいる少女のそっくりサンは聞き流した。


自分を守るために。

今回はここまで。

ではまた。

ごめんなさい>>1です。


お盆で色々忙しくて投下できませんでした、すみません。


今週末、投下します!!


ではまた

こんばんわ


御心配かけてすみません。>>1は元気です!!

さて、2週間ぶりに投下します!


話しはあまり進まないけど…


では投下




「ッタハッ!!」

「逃げないでよ?」

「殺しに来てよ?」

「ねぇ、アナタ達!自分が何言ってるか解ってるの!?」


キリトと佐天が戦ってる頃。とある場所でも戦闘


「来てよおねいちゃん」

「こわいの?」

「ええ、あなた達をそんな風にしてしまった、大人がねぇ!!?」


いや、説得が続いていた。そう


「僕たちは、改造人間のお姉ちゃんを壊すためだよ?」

「ソレが解らないの?」

「改造人間だから?」

御坂「それがおかしいのよ!?」


御坂美琴の言葉によって。


「なら、先生がウソついてるの?」

「酷いよ、おねいちゃん」

御坂「だから聞いてって!!」


しかし、このような会話のやり取りを数十分続けてる。



子供たちとの戦闘はどのくらい続いてるだろうか?…いや、戦闘と言えるか


「ふん!!」

御坂「ッツ!!」


彼女が自身の『約束の思い出』でガードする。
しかし、そのまま『カウンター攻撃』に入る気配はない。
それは、やたら重い『バスター・ランス』だからか?…ちがう


御坂「ヴッ!!!」


『バスター・ランス』を力強く弾くとその瞬間、彼女は子供たちと距離を取る。
30秒もかからない動作だが、その時間なら彼女なら相手に1撃を加えることなど『筆箱からシャープペンシルを取る』ぐらいの簡単な動作だ。
だが、彼女はしない


御坂(何回目よ…)


同じような事をひたすら続けてる。なぜか?


「お姉ちゃん…」

「来てよ!!」

御坂(こんな子供たち、斬れないわよ!!!)


これが理由だ。彼女が相手にする『ジェノヴァ』と言われる『ラフィン・コフィン』の兵士。
だが、彼等は子供。彼女よりも年下のだ。
かつて、彼女は『学園都市』にて彼等と同じ年代の子供たちを、あの街の狂った科学者『大人』たちから救ってきた。
だが、今回はどうだ?
『大人』に利用されてるのは間違いない。しかし、この子達は彼女を


「ウン!!」

御坂「ッツ!!(今のはやばかった)」


殺しに来てる。比喩でもない。
子供たちの攻撃はスキルは発動してない物の『バスター・シリーズ』特有の効果『スキル発動時と同等の威力』のおかげでダメージ量も大きい。
が、デメリットで隙ならば山ほどある。
これは、他の『バスター・シリーズ』と同じ。毎日の様に上条や番外個体と組手をしてた彼女なら知らない筈がない。
それでも、この子達を斬る事は彼女にはできなかった。
それが彼女の弱点であり、強さでもあるから。



御坂(なんとか…この子達を傷つけることなく気絶させる方法は…)


ない。当たり前だ。このSAOでは痛覚がない、なので腹部を強打などの方法は使えない。
そして、彼女の能力もここでは使えないのは1年以上前にログインした時に確認済み。
方法としては


御坂(『スプリル系』の武器を使うか、頭部への強打、若しくは…切断)


そう、これしかない。
しかし、前者『スプリル系』の武器、彼女の場合は片手剣『ソード・スプリル』
だが、彼女の所持してる物は全く強化しておらず、現状では使い物にならない。
頭部への強打、これも彼女は可能なスキルをほぼ使っていないので無意味。
残るのは『頭部の切断』。
しかし、先のに述べた通り、彼女がするはずもない。ならばどうする?


御坂「(なら!!)…いいわよ。お姉さんを捕まえてみなさい」

「わかったぁ!!」


何かを決断し、子供たちを煽る美琴。
その言葉に応え、子供たちは保育園の先生にじゃれる様に飛びつく。『バスター・ランス』を持って。


「お姉さぁーん」

御坂「ふん!!」


可愛い声に似合わない、重量感の轟音が部屋に響く。
それを見極め、最小限の動きで避け距離を取る


御坂「ほらぁ!!お姉さんを捕まえるなら、そんなに遅いとダメよ!!」

「動くなぁ…」


重そうに『バスター・ランス』を持ち上げながら美琴の方へ向く。彼女の考え


御坂(『バスター・シリーズ』は精神披露が大きい。
アイツや番外個体でも2時間フルに振っていたらバテる。
なら、その瞬間に『ソード・スプリル』で攻撃すれば…。
私のでも、この子達を眠らせることができる!!)


それは、この子達の精神披露の隙をみて、彼女の『ソード・スプリル』で眠らせることだ。
しかし、子供たちを傷つけることになってしまうが


御坂(ごめんね…この方法しかないの…)


現在、彼女が考えるこの子供たちを唯一救える方法だ。
しかし、あまい。美琴の優しさがあふれるこの方法。


「ふえあぁ…」

御坂「ッツ!!?」


あますぎた



移動する直前に、1人のランスが直撃しそうになる。タイミング的に避けられない。
彼女は『約束の思い出』でガードする。


御坂「ヴッ…グッ…」


自分の倍以上ある重さの『バスター・ランス』を抑え込む。
片手では支えきれず、もう片方を刃の方を持つ。
それでも重く、奥歯やあるはずのない関節の骨がギシギシ音を立てる。


「つーかまえた~」

御坂「ッ残念!…もう逃げ――」


その瞬間、彼女の目線に映る


「…いや」


奥で躊躇っている固体。声からして、少女。



「どうしたんだよ?」


心配したのか、1人が近づいてくる


「もうヤダよ…おねいちゃん苦しんでるし…」

「…」


流石に一方的に攻撃するのにためらったのか、少女が苦言を呈した。
この時、美琴はこの少女の感情を使って、残り2人を説得しようと考える。


御坂(そうよ!この子達だって、この戦いに疑問に思うことだってあるんだ!なら、その感情を使って…チャンスとは言え、嫌なものね)


そう、彼女がしようとしてるのは、あの少女の感情を使っての説得。
一時的とはいえ、子供を道具にしてしまう事に嫌悪感を覚える。
しかし、迷う時間は無い。


御坂「その――」

「ダメだよ」

「エッ…」


美琴が声を出す前に、傍に行った少年が少女の腹部に『バスター・ランス』を刺す。あっさりと


「イタイ!イタイヨ!!イタイ!!」


痛覚のないSAOだが、少女は必死に痛みを叫びながら訴える。


「当然でしょ?」

御坂「ちょっ、やめなさいって!?」

「お姉ちゃんは僕の相手でしょ?」

御坂「グッ!!」


少年の行動を制止しようと叫ぼうとするが、目の前の子がさらに重さを掛けてくる。
支えるだけで動けない。ナメテいた。
この子達は本当に美琴と遊んでいたのだ。
だから、先程までと力の入りようが違う。
それほど、あの2人の行動を邪魔されたくないのだ。なぜ?


御坂(おそらく…)



「なんでこうなったの?」

「イタイイイタィ」

「痛いじゃわからないよ?」

「ウグッ!」


少女の腹部に刺してた『バスター・ランス』をそのまま回転させる。
見てるだけで痛さが伝わってくる。


「ねえ、何で?」

「ごめんなさいごめんなさい!!先生の言いつけを破って、攻撃をやめてしましました!
私は悪い子です、悪い子です!!ごめんなさい、ごめんなさい!!」


怒涛の勢いで謝り始める少女


御坂(やっぱり…『自己批判』)


そんな彼女の行動を分析する美琴。
『自己批判』、文字からして自制と勘違いしてしまうが、立派な『マインドコントロール』の1種。
職場や学校などの閉鎖的なコミュニティで行うとかなりの効果が表れる。
この場合、閉鎖的なコミュニティとは『ラフィン・コフィン』の事を指す。


御坂(あいつ等はァァァァァ!!!)


美琴の心に怒りの炎が広がる。子供にこの様な洗脳紛いの事をさせた彼等に対する怒りが



御坂「ウグゥゥゥゥゥ!!!!」

「えっ…おっ?」


先程までと比べ物にならない力で『バスター・ランス』を押し戻し始める美琴。


御坂(可哀そうだけど、四肢を切断する!!それから素早く『ソード・スプリル』で眠らせる。いざとなれば…)


首が狩れる!…考えが短時間で変わり過ぎだが、それほど現状。
彼女のおかれてる立場が危ういのだ。生命的に。


御坂「ップッ!!」

「ふわっ!?」


『バスター・ランス』を弾き返すと同時に少年を弾く。
かわいそうだが、首を狩れるポイントへ移動しようとした美琴。


「へあぁ…」

御坂「へ?」


彼女の目の前に子供たちの1人が現れる。先ほどまで『自己批判』していた少女。
だが、雰囲気は違う。それは何か?
ある物に似ている。美琴の答えは


「アヴァゥ!」


少女の行動で確認できた。美琴の首筋に噛みついた少女の行動によって。



御坂「チョッ!?」

「ヒググゥ…」


噛みついた?いや、喰おうとしてる!?それが、彼女の最初の印象。
まるで獣。それもそうだ。『ジェノバ』事、彼等のような白装束の兵を攻略組の多くは『ラフコフの白いの』と言ってた。
だが実際、1番多く遭遇した『血盟騎士団』2番隊の隊員はこう呼び合ってた『白い獣兵』。納得ができる。
今の彼女は猛獣が死闘で首筋を噛みついて相手に止めを刺す行為に近い


御坂(動脈が無くてよかった…じゃなくて!)

「そりゃああああああ!!」


冷静に分析している暇も無く、先程弾いた少年が大きく『バスター・ランス』を振り下してくる。
無論、少女のことなど気にせず、美琴もろとも斬り倒す勢いで。


御坂「ふん!!」

「あふん」


下顎に拳を入れ、自分の首筋の肉もろとも少女を離す。
あまり表現したくない感触が首筋辺りでブチブチと音を立てながら脳に伝わる。
その音と感触を堪能し終える前にその場からジャンプした瞬間


「そいや!!」


少年の掛け声と共に重厚な金属音の混じった轟音と、アバターを切断された時特有の音が響く。
無論、切断されたのは少女。
腰から切断され、光の結晶となり下半身が消滅する。幸運にもHPはゼロになっていない。安心する。
しかし、美琴に


「僕も行くよぉ~」


そんな時間は無い。
続けてもう1人の少年も彼女に斬りかかってくる。『バスター・シリーズ』特有のゆっくりとした動き


御坂(そう言えば!!)


この時、彼女はギルドに居る2人の『バスター・シリーズ』使いの言葉を思い出した。



「『バスター・シリーズ』ってさ、スキルを発動できない分、攻撃力がデカいのはミサカ的には助かるけどさ」


「1歩間違えれば、腕ごと持って行かれるよな。…反動もデカいし」


「ま、その反動をうまく使えれば、スキル以上のコンボも可能だけどね。ギャッハ☆」


「…そう言いながら、無茶な動きで右腕を明後日の方向に吹き飛ばした番外個体さんが良く言いますね」


「ブッ!はぁ?ヒーローさんは体ごと持っていかれたくせに!!」



御坂「(あの時は聞き流しながら『そんなに使い辛いなら変えりゃいいのに』って思っていたけど。なるほどね)…ふっ!!」

「惜しい!!」


少年2人の連携攻撃をジャンプとバク転でかわす美琴。


御坂(考えてみたらそうだ。『スキルなしでスキル攻撃と同等』が特徴の『バスター・シリーズ』。デメリットが超重量なだけは無い!…つまり)


攻撃の目標が定まる。


「うおおおおおおお!!」


少年が突っ込んでくる。
だが美琴は先ほどまで見たいに後方へ距離を取らない。静かにスキルを発動させ


御坂「フッ…タッ!!」


少年の両腕に軽く一太刀づつ入れる。ダメージは軽度。
この程度なら彼等の『バトル・ヒーリング』スキルで10秒もかからず回復する。
それは彼女承知しており、美琴も先ほど少女に食いちぎられた首筋の痕は同じスキルでHPを全快してる。


御坂「…セイッ!!」

「うわっ!?」


更にもう1人の少年に駆け寄り、先程と同じように腕と脚の付け根の辺りを
軽く切り込みを入れ、距離を取る


御坂(これで向こうが)


「そんな攻撃!!」

「効かないよ!」


御坂(乗った!!)


心の中でガッツポーズをとる。



美琴の攻撃にやり返そうとした少年2人。
『バスター・ランス』力強く振り廻した時、


「えっ?」

「うそ?」


異変は起こった。1人は両腕、もう1人は片腕と脚の付け根が切断した。
どちらも美琴が斬り込みを入れた場所だが、ダメージは軽度。切断されるほどの威力ではない。
いや、切断と言うより、『バスター・ランス』の重さによる反動で引きちぎられた状態。いわゆる自滅だ。
状況が把握できない子供たちに対して


御坂「…『バスター・シリーズ』はね、重くて威力のあって使いやすい武器だけど、1歩間違えたらそういう風に体を壊しちゃうのよ。
先生に教わらなかった?」


美琴が子供たちに解り易く理由を説明する。
ちぎれた箇所が痛々しいが、痛覚がないSAOなのだからか、それとも男の子だからか、泣く素振りは無い。
おかげで、破壊された部位が復活するまで説得の時間が出来る。美琴はこう読んでいた。
しかし、何をしでかすのか解らないのが子供。
何事も計算通りいかない。例えば


御坂「へ?」

「ほががぐが…」


下半身切断され少女が這いつくばって美琴の足本まで来て、彼女の右足を食べ始めるなど考えてもいなかった。



ボキン!骨が折れた時、漫画などではこのような表現が多い。
所詮、それはマンガなどのフィクションの事だと美琴は思っていた。
しかし、フィクションのような世界に居る今、彼女は聞いた。


「フゥゥゥ…」

御坂「ナッ!?」


少女により、右足のひざ下を食いちぎられた時に、ボキン!と言う音を。
その言葉に、彼女は少ない言葉、同じような言葉を言うだけでしかできなかった。


たった10数秒で足を食いちぎられた。それほどまでに少女の力が強いのか?そんな事を考える前に


御坂「うわっ」


尻餅をついたかのように倒れる美琴。
当たり前だが、不意に片足を失い片足で立ち地づけるのは不可能に近い。


御坂「ッツテテテテ…って!?」

「ほぐうぅがぉぉぁ」


そんな倒れた美琴に対し、少女は更に喰らい付く。


御坂「放しなさい!!」


美琴がやめる様に声を掛けるが少女は彼女に喰らい付くのをやめない。
それこそ、自然界で肉食動物が獲物を食すように。


「ハァァァァ」

「グゥゥゥゥゥ」


そして、その獲物を食おうとするハイエナの様に少年2人も美琴によって来る。
1人は片足がないのに器用に片手と足を使って。


御坂「ちょ、ちょっと!」


恐怖が混じった眼でその2人を見る。
しかし、2人を止めるどころか目の前の自分の体を貪ってる少女を止められない美琴にとって。


「シャグゥゥ!!」

「ショグゥゥ!!」


この2人を止められるはずも無かった。



『ジェノバ』と呼ばれるこの3人を見た時、美琴は幼い時みた劇場版SFアニメの人造人間を思い浮かべた。
あの時、幼かった美琴は泣きじゃくった。何故か?それはとあるシーン。
そのシーンは味方の赤い人造人間が、白い人造人間に食い尽くされる場面。
あまりにも生々しく、泣いて吐きまくり、両親に一晩中介抱された。
それから年を取り、成人はしてないが、そのような光景はありえない事と認識してた。
仮に、サバンナなどでハイエナや禿鷹に囲まれても、彼女の能力で撃退できただろう。だが


御坂「やめなさいって!!」

「ハフッハフッ!!」


現状はどうだろうか?


御坂「やめろっつーの!!」

「ガシュガシュ!!」


撃退できてない。幾ら声を掛けようが彼ら3人は、美琴を貪る事をやめない。
彼女は言葉を理解してるのか疑う。それこそ、獣だ。
…いや、獣としか言いようがない。


「ホムゥウ!!」

御坂「グッ!(喉をやられた?)」


喉を食いちぎられ、『発声不能』のペナルティが発生する。
もうこの子達に声を掛けることはできそうにない。後は体を動かして抵抗するだけ。
しかし、『バスター・ランス』を使ってただけあって3人とも筋力があり、かなりの圧で抑えられておりまともに動けない。


御坂(…おわり?)


ふと弱気になってしまう。抵抗し、もがいてるが止まる気配はない。
痛覚が無いのは唯一の助けだが。それでも、感触は伝わる。アバターを食いちぎられる感触。


御坂(これだったら、ママが貸そうとした漫画。読んどけばよかった…)


ふと、両親の顔と一緒に思い出す。
それは、彼女が最後に実家に帰った時に母親が貸そうとした漫画。
あのSFアニメのコミカライズ本だった。
無論、読む気もなく断った

「残念ねー。美琴ちゃんの泣きじゃくったシーン。変わっていて、ツンデレ女の子にヒーローが来るのに」

その時は余計なおせっかいだった。
だが、気になる。こんな状況なのに


御坂(ヒーローって…来るわけないわよ…)


自虐的になる。が


御坂(けど…)


希望がある。それは彼女の願望なのかもしれない。だが、


御坂(アイツは来る…いや、来てくれる)


信じてる。誰をだ?


そんなの決まってる


御坂(当麻ッ!!)


その人物の名前を心の中で叫ぶ。



ドゴォン!!!

激音と共に、純白の天井が崩壊する。
それに反応し『ジェノバ』と美琴は崩壊した方へ反応する。
幸い、彼女達の方の天井は何ともなく土埃が来るだけ。


「ハァァァ…」


『ジェノバ』が警戒し始める。その理由は美琴にも解る。
その土煙の中に誰かがいるからだ。


「つっててててて…まさか『スピアー・ダウン』でここ前崩壊するでせうか?」

御坂(あっ)


その声に、美琴は安堵する。その安心する声。
何かあれば黙っていられない誰でも救おうとする善人。
この世界においてもそれは変わらない。


「けど…当たりみたいだな」


そして、自分が恋い焦がれてる人物。
ここに来て、共同生活してるがその気持ちは変わらないことを再確認した。
毎回、自分でも、どうしようもない時に助けてくれる彼。


上条「助けに来たぞ。御坂!」


上条当麻だ。

今回はここまで!!


ではまた

こんばんわ


さて、今回は超少な目で行きます。


では投下



「ハッ…ハッ…」


時を遡る事、数十分。上条当麻は第25層の孤島、『トルトゥーガ』の地下迷宮を駆け抜けていた。


上条「ハァ!?」


そんな彼の目の前に、現れる


上条「このめんどくさい時に!!」


分かれ道。
一方はそのままなのに対し、もう片方は下に下がってる。どうするか?
ここで選択を間違えれば


上条(御坂がヤバい!!)


そう、既に彼女が攫われてから6時間は経過してる。
フレンド登録が解消されてる現在、彼女の安否は確認できない。
少し前に、初春から第1層の『鋼鉄球』にて彼女の名前はまだある事をメッセで確認してる。
が、現在どのような状況なのかは不明。
焦りと苛立ちで、この分かれる分岐点の選択が決まらない。


上条「落ち着け…落ち着くんだよ、上条当麻ァ!!」


必死に自分に言い聞かせる。しかし、彼を落ち着かせたのは


【…ハッ!!】


上条「!?」


頭に響く、誰かの呼吸音。女だ。


上条「誰かいるのか!?」


咄嗟に周囲を確認する。『索敵系』のスキルは低い彼だが、それでも周囲に誰もいない事を確認できる


上条「気のせい…」


【…サイッテ!!】


上条「!?」


気のせいではない。今度はしっかりと彼の頭の中に響いた声。第5位の能力による物の物と違い、かなりあやふやだが


【ヤメナサイッテ!!】


聞こえる。そう、この声は


上条「御坂!?」


御坂美琴の声。
何かと戦闘中なのか、息遣いが荒い。


上条(戦闘中…つか、何だよコレ!?頭の中に御坂の声、スキルかなんかか?)


そうだ。SAOでは相手に生の声で意思疎通などできない。
しかも『幻想殺し』のある彼にとって、現実でもこの世界でもあり得ない筈の『異能の力を使ったかのような症状』。
だが聞こえる


上条(左の方から坂の声が)


この状況で、彼が取る行動はただ1つ。


上条「待ってろォォォォォ!!」


左の通路へ全力で突っ込んだ。『幻想』のような不思議な声に導かれ。



上条「はぁ!?」


彼の絶叫が空間に響く。それもそうだ。
彼をが聞いた『美琴の声?』に導かれ、来てみたら行き止まり。


上条(俺のミス…)


追い詰める。彼の中に響いた訳の分からない声に導かれ来てみたらこれだ。が…


上条「いや…」


声に出して否定する。彼の頭の中では


【ヤメロッツーノッ!!】


先程から聞こえてた声がより鮮明になっているから。そして、この部屋の下に感じる


上条「いる…よな?」


不確定だが、感じる。

この表現できない感覚。
彼は学園都市にて再放送してた約半世紀近く前のロボットアニメのあれだと、後日思い出す。
普段なら、SFに疎い同居人が珍しく興味を示したあの作品。
偶然か、この時美琴が戦ってる相手がそのロボットアニメを大きく影響受けてる作品に出てくるロボにそっくりだ。
そして、この感覚。それは人の進化だと作中で言っていた。


上条「『新型人類』…だっけ?」


その言葉を思い出そうとするが、思い出せない。
だが、彼の頭に響く人物の名前は言える。


上条「やるんだよ、上条当麻!!御坂美琴を救って見せろよ!!」


彼女の名前を叫びながら剣を構える。
この時も、彼の頭の中で響く彼女の声。奇しくも、この声を聴くと、体に電流が走るような感覚は現実での彼女の能力か?
それとも、偶然か?茅場の趣味か?わからない。だが、やる事は変わらない。


上条「ふえああああああああああああああ!!!!」


スキルを発動しにくい『バスター・ブレイド』で『スピアー・ダウン』を発動させ床を叩き割るように斬る。その瞬間、


上条「って、へひゃあああああああ!?」


床が崩れ落ちる。



上条「っつたたたた…」


土埃と瓦礫で視界が全くない。だが、直ぐに解る。そこに誰かいるか。


煙が晴れ、そこにいる人物達が解る。
白い獣のような兵がその人物の上に乗っている。HPも少ない。


上条「助けに来たぞ」


そして、当たり前のようにこの言葉を投げる。
同じような意味の言葉を、彼は何回言ったか?何回彼女に送ったか?


上条「御坂!」


御坂美琴への言葉。

今回はここまで。





…はい、スランプです。


チキショウ。


ではまた


床は破壊可能設定なの?



鋼鉄球じゃなくて黒鉄宮じゃなかったか

久々に見に来たけど、美琴が子供3人に喰われそうになるシーンがガンダム種スタゲのミューディーがやられるシーンに見える・・。

こんばんわ


>>227

一部破壊可と勝手に脳内設定してしました。せつめい不足ですみません。


>>228

みすりますた


>>232


お、自分が少し意識してたのが伝わって嬉しいです!



では投下



瓦礫と共に、現れた上条当麻に


御坂(こいつは…)


安堵の眼を送る美琴。だが


「カアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」


彼女に乗っかってる『ジェノバ』の動きは止まらない。
何も無かったかのように、彼女を喰らい付こうとした瞬間。


上条「御坂から離れろ!!」


彼が剣を振りながら美琴に駆け寄り『ジェノバ』を散らせる。
そして懐から『回復結晶』を取り出し


上条「『ヒール!ミコト!!』」


呪文を唱える。これでHPは全回復した


御坂(あ、今名前読んでもらった…)


上条「大丈夫か!?」


声が出せないので頷く。
確かにHPは大丈夫だ。だが


上条(脚部破損…)


彼女の脚部は、先程まで『ジェノバ』に鳥葬の様に喰らいつくされ、片足しか残っておらず。
しかも、残ってる方も『ヒノキの棒』の様に細い。


上条「復活まで!?」


上条の問いに、彼女は右腕で指を2本『ピースサイン』の様にしてウィンクする。ハンドサイン。
これはギルドで違うが、攻略組ではある程度統一しておりこの場合


上条(20分!?)


との事。彼女が、自力で立てるまで20分



上条(厳しいぞ…)


そう、厳しい。美琴を守りながら最低でも20分。
佐天が駆け付けてくれて加勢してくれれば、楽だが確証はない。そして何より


上条(『バスター・ブレイド』が)


ひびが入ってる。これは先ほど『破壊可能』の床を『スピアーダウン』で壊したためのダメージ。
ただでさえ、数少ない『破壊可能な床』だがその分武器へのダメージも多い。
『バスター・シリーズ』以外ならば1回で破壊されてるだろう。
しかも『ヒビ入り』間違いなく


上条「(次の攻撃で)…って!?」


「シャアアアアアアアアアアア!!!!!」


彼に考える時間を与えないように、『ジェノバ』が突っ込んでくる。
彼と同じ『バスター・シリーズ』の槍をもって。


上条「っくっそおォォォォォォォオ!!」


破れかぶれで剣を振りガードする。無論、答えは


バリィン!!


『武器破壊』。上条の『バスター・ブレイド』は粉々に砕け散った。



上条「ック!」


美琴を背に、拳を構える上条。
1番似合う光景だが、それは『現実の幻想殺し』がある場合。


上条(『幻想殺し』は防具は破壊できる。けど武器は無理だ。…しかも『バスター・シリーズ』だと防具に近い。それに…)


奥に目を向ける。
先ほどまで、下半身が無かった『ジェノバ』の下半身が復活している。


上条(奴らの『バトル・ヒーリング』は御坂、いやキリト以上。
つまり、下手に攻撃しても直ぐに復活しちまう。顔面を殴ってスタンさせる?いや、御坂を守りながらできるか?
…いや、御坂を抱えながら上の穴までジャンプする。…無理だ、俺の脚力だと届かない。
誰かが、途中まで『帯』でも下してくれたら)


考えを重ねる。そんな彼をあざ笑うかのように、『ジェノバ』は口から歯を見せ、涎を垂らし機会を窺う。
まるで、獲物を追い詰めたハイエナや禿鷹の様に。


「掴まれッ!!」



上条が開けた頭上の穴から声が響く。聞いたことのある声


上条「ッツ!」

御坂「!?」


その声を聴いた瞬間。彼は美琴を脇に抱え穴に向けてジャンプする。
無論、『ジェノバ』はそうはさせまいと上条たちに飛びかかる。


「オシッ!!」


そして、穴から出てきた黒い影が上条が伸ばした右腕を捉える。そう


キリト「いいぞ、佐天!!」

上条「キリト!!」


この男だ。彼は自分の腰に佐天の『帯』を巻き、飛び降りて来たのだ。
何と言う無茶。だが、それが彼等2人を救ったのは間違いない。



佐天「御坂さん!?」


上部にて彼等を引っ張り上げた彼女は真っ先に美琴に近づく。


佐天「ひ、酷い…」


そんな彼女の状態を見て、声が出てしまう。
所々赤く光る場所があり、防具も破損している。心配と再会の喜びからか、目には涙があふれてる。
そんな佐天をあやす様に、美琴は彼女の頭をなでる。
今現在声が出ないが、言ってる事はこの場に居る全員解る。


御坂「(心配かけてごめんね。…でも、大丈夫だから。声も少ししたら)出てるはず…って、なおった」


が、都合よく彼女の『発音不能』が治る


佐天「み、御坂しゃ~ん!!」


そんな彼女に抱き付いて泣き始める。
キリトと上条も胸を下す。


キリト「よく解ったな?この場所」

上条「ん?…ああ。感、かな?この場所へ来れたのは。後、声だな」

御坂「声?」

上条「御坂の声が頭に響いたんだよ」


沈黙する3人。
今日は何やら電波な発言多い上条に対し、佐天とキリトは「またか」と表情で語り、
美琴に至っては「ちょ、ま、な、なななななな何を言ってるのコイツは!?///あ、でも私もあったな」と忙しく顔で語る。
誰が突っ込むか


「グアアアアアアアア」

「ゲエエエエエ!!!」


そんな空気を断ち切るかのように、穴から動物のような声。


キリト「なんだ!?」



穴を覗くと


「ギョオオオオオオ」

「ヴェヴェヴェ」


『ジェノバ』3体がお互いを槍で刺したり、口で相手を噛み千切ってたりと謎の行動をしていた。


佐天「共食い?」


この言葉が1番しっくりくるだろう。


キリト「…あまりいい光景じゃないけど、俺達はこのまま頬っておいた方がよさそう」

御坂「ダメよ!」


美琴が遮る。


御坂「あの子達は私達よりも幼い。小学生、いえそれ以下の子供たちよ!?」

上条「子供って…『バスター・ランス』振り回してたぞ!?…って」

キリト「ここはSAO。不可能じゃない。…だけどなんで?」


御坂「…おそらく言われてるのよ。私を始末できなかったら死ぬと。
あの子達、1人が私を攻撃するの嫌がったら躊躇なくその子を刺したのよ!?」


佐天「そんな!?そんな小さい子供たちが何で!?」


キリト「忘れたか!?『ラフコフ』は襲ったギルドメンバーを殺し合わせたり、
『神羅』に至っては人格を破壊するほどの『洗脳』をしてきたギルド。今はそれが合わさってるんだぞ!?」


余りにも酷い状況に言葉を失う。だが、その間も『ジェノバ』のHPは減り続けイエローになる。


上条「…ッツ!」

佐天「って!?」

御坂「ちょっと!?」

キリト「あんの馬鹿ッ」


何かにこらえきれなくなった上条が、拳を握りしめ、再び『ジェノバ』達の居る空間へ飛び降りる。



上条「こっち向けェ!!」


下に降りると、彼は『ジェノバ』に向けて叫ぶ。
その声に反応すると、彼等はその武器を、目を、キバを上条に向け


「フガアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


襲ってきた。

最初に襲ってきた固体は運よくイエロー直前のHP。
『バスター・ランス』で突き刺して来るが


上条「ッン」


それを最小の動きで避けると、右手に力を入れスキルを発動させる


上条「ゴメンな…」


小さな声で謝る。そして、その個体に彼は『ブレイカー・ザ・インパクト』こと『幻想殺し』を腹に打ち込む。
その個体は打ち上げられるように宙に舞う、破壊された防具の破片と共に。


「フッ!!」


そしてその個体に一筋の太刀傷が入る。入れたのはキリトだ。


上条「キリト!?」


キリト「上条!お前が『幻想殺し』でコイツ等の防具を破壊しろ!そうすれば、俺の『ソードスプリル』なら数時間眠らせることができる!」


上条「…解った!!」



数分後


御坂「…これで暴れないよね?」


そこには、縄でグルグル巻きにされ、眠りについた子供たちがいた。
防具を外され、眠りについた子供たちは歳相応の幼さしかない。


佐天「アスナさん達と連絡が取れました。座標も送っています」


キリト「そうか…ここならモンスターも出る確率も無いし、申し訳ないけど『ラフコフ』やフレンド登録も消させてもらった。
…仲間も来ない筈だよ」


先程の場所から少し戻り、ロザリアの軍団と戦闘した場所まで後退した4人。


上条「ゆるせねぇ…」


言葉を漏らす上条。


上条「ゆるせねぇよ。何で、こんな小さな子にあんな事をさせるんだよ!!」

御坂「…こんな小さな子供、だからでしょ」

上条「御坂ァ!!」


激昂して、美琴の胸倉をつかもうとする。が、その彼の手を掴む彼女。


御坂「言っとくけど、鶏冠に血が上ってるのがこっちも同じなの。この子達をあんなふうにした悪者たちを、許す気はさらさらないのは同じよ」

上条「…お」

御坂「あんたの事は、このSAOで1番わかってるつもりだから。感謝しなさいよ」


上条「お、おう」


御坂「あんたは、『ヒーローズ』の頭なんだからシャキッとしなさい、シャキット!」

上条「…すまねえ」


2人の会話に、佐天とキリトは入れなかった。
それは、彼等の本音が背中で伝わってくるからだ。
2人は良くも悪くも自分達と同じプレイヤーだ。
もし、2人が現実と同じ『異能の力』があれば、ひょっとしたらこの子供たちを救えたかもしれない。が、結果はコレだ。
その悔しさが、ひしひしと伝わってきた。2人の悔しさが。



佐天「あ、御坂さん。ギルドとフレンド登録!」


ふと思い出したかのように言う佐天。
そう、彼女は現在、それらを解除されており、言うなれば『ソロプレイヤー』状態。


キリト「…すっかり忘れてたな。そうだ、ギルドの登録はミコトからやって、フレンド登録は俺達からするのはどうだ?
戦闘中の奴とかがフレンド登録が来たら気が散るだろ?」


佐天「…そうですね。じゃあ、送りますので御坂さんもお願いしますね」

御坂「はーい」


一斉にメニューを操作する4人。そこまで難しくないので簡単だが


上条(あ、そうだ)


この男は余計な事をやらかす。



御坂(えーっと。ギルドはこれでっと)


ギルドの登録など、そう何回もするわけでもないので手こずる美琴。
他の3人より少し時間がかかる


御坂(よしっ、出来たと)


ネームバーにギルドのマークが表示される。見慣れた光景


御坂(後は、申請を。ホイホイホイ!)


そして、来ていた申請のウィンドウの○ボタンを押していく。

だが、皆さんはこのような経験はあるのではないか?
ネットで同意が必要な時に、注意書きがあまりにも細かく、全く読まないで同意し、トラブルに巻き込まれそうになったこと。
特に、男性ならばあるのではないか?私はある。
そして、今現在やってしまった少女が


御坂「へ?」


ここに居た。

リゴ~ンと鐘の音が響く。


キリト「へ?」

佐天「え?」


その音に驚く2人に


上条「へー。こんな音が鳴るんだ。浜面の時は俺近くにいなかったからなー」


妙に納得してる男が1人。
そう、原因はコイツだ。何をしたかって?


佐天「な、何『結婚』してるんですか!?」


『結婚』無論、この世界だけの物だ。が、あまりにも唐突過ぎて


御坂「ゴッ…」

キリト「み、ミコトが立ったまま気絶してる…」


妻はこうなり。無論、2人はドン引きしてる。

ちなみに彼の言い分は


上条「いやさ、多分この後アイテムとか渡すと思うけどいちいちやるのメンドイし、
アイテムストレージ統合できるからこの方が御坂も楽だろ?
それに、防具とかも俺余ってるの多いから御坂が好きに取ればいいと思ってさ。な、いい考えだろ?」


との事。まるで土曜日の夕方スーパで
「あ、日曜朝から酒飲みたいから、明日の飯3食分の材料も買って行こうぜ」
という夫の様だ。…軽い。


キリト「いやでも…」

上条「それに、この戦いが終われば解除すればいいしさ」

佐天「うわー…」


ここまで来ると、デリカシーの無いチャラ男を通り越してクズである。無論


上条「な、御坂。よかった…って、何でそんな阿修羅のような顔をしてるのでせうか?」

御坂「…スサノオよ」


阿修羅をも超える怒りで、『スサノオのミコト』の鉄拳が振り下されたのは言うまででもない。



『畑』へ向かう通路


御坂「ったく、何が「この戦いが終わる『まで』」よ。普通逆でしょうが」


顔に青筋立てながら不機嫌度MAXでズカズカと歩いて行く美琴。それもそうだ


佐天「女の子のあこがれの1つが、あんな風になれば怒りますよ」

キリト「ま、まあ。これはしょうがないな…うん」

佐天「キリトさんはあんなのやっちゃいけませんよ~」

キリト「…もっと慎重に雰囲気を作ってから言います。つか、あれは無い」


その美琴の数歩後ろを何か持って付いていくキリトと佐天。
本当は「あ、でも解除しないんだ」と言いたいが、怒りの矛先がこちらに来そうなので言わない。
ちなみに、彼等が引きずってるのは


上条「ごっ…がっ…」


勿論この男。片足ずつキリトと佐天に持たれ引きずられてる。そんな彼から


上条「ふ、不幸だ…」


と、お約束の言葉が出ると


「自業自得よ!!」
「自業自得でしょ!!」
「自業自得だろ!!」


3人の適切な言葉が木霊した。



トルトゥーガ・アジト前


『ヒーローズ』が侵入してから2時間弱。
アジトの外では約2名の討伐に『ラフィン・コフィン』の兵たちが集まってるのだが


「う、嘘だろ?」


驚愕の声。それもそうだ。彼等はこの2人を排除するために送られた。
少なくとも彼等を発見した時には多くの『ラフコフ側』の兵居た。
しかし、その数は8割近くまで減ってる。更に


「の、のわああああああああああああァァァァァァァァ・・・・」


彼等を指揮していた者が今まさに絶命した。


浜面「どうしたァ?もう終わりかあ?…」

土御門「散々数で押せとか煽っておいてこのざまとは、『ラフコフ』も大したことないぜい」


この2人によって。


その場にいた『ラフコフ側』の者の多くは、この2人を20分もかからないで倒せると思っていたであろう。
だがふたを開けたらどうだ?既に2ケタ近くの兵が死亡してる。
血飛沫や屍が無いだけ、鮮明にその姿を確認できる。その姿をみた彼等の感想は


「鬼だ…」


この一言に集約されてた。



浜面「おいおいどうした!?次は来ねえのか!?…
(冗談じゃねーぞ。こっちはもう数カ月戦ってる感じなんだぞ!頼むから引いてくれよ!!)」


土御門「所詮、本当に人殺しをした事のない連中なんざ、こんなもんぜい…
(『ぶんどる』で向こうさんの回復アイテムパクって回復してきたが、対策してきて前衛は所持してなくて後衛で回復してる。
…ヤバいぞ、俺は『バトル・ヒーリング』があるが浜面は無い。HPはMAXならアホみたいあるが、今は半分)」


浜面「(もう囮としては十二分に役に立った。適当にカマ掛けて内部に乗り込んで、滝壺を見つけ出さねーと。こいつなら解るかな?)
…来ねえならこっちから行くぞ!!」


浜面のはったりの意図に気付いた土御門。


土御門「死にたくねぇ奴は道開けろぉ!!(なるほどねぇ)」


構えてた兵士たちに突っ込んでいく2人。
十分な恐怖感を味わった兵士たちは、震えながら剣を持ち構えるか、生存本能で逃げ出すものもいる。


ザザ「死なないし、道も、開けない」

浜面「ッツ!」

土御門「ザザ!!?」



が、そんな2人にエストニックを持つ男が立ちふさがる。
ザザ、『ラフィン・コフィン』の幹部の1人。そして


「『ジェノバ』だ!」

「おっしゃ!これで殺せる!!」


彼の後ろには『ジェノバ』が4体ついて来てる。


ザザ「ジョニー・ブラックや、カダージュの、報告に、よれば、グラサンは、コイツ等と、戦ってるはず…」

土御門「あぁ。二度と戦いたくない奴だね。ガキを洗脳して作り上げた奴なんかなぁ」

浜面「ガキって!?」

土御門「そのまんまだ。言っておけば、こいつ等の『バトル・ヒーリング』は下手すればキリト並だ」

ザザ「お前たちは、ここで死ぬのが――」

「船だァァァ!!!!」


突然の声が辺りに響く。
ザザもその声に反応し、『ジェノバ』に命令を出すのを止めてしまう。


浜面「よそ見厳禁!!」

土御門「事故の元!!」


そのわずかな隙に、土御門と浜面がザザに襲い掛かる。



インターセプタ号・甲板


ヤマザクラ「接舷、後二〇です!!」

ヒースクリフ「うん。…状況は?」


シキシマ「現在、アジト入口とみられる付近にてハマーさんとツッチーさんが戦闘中!
ん、ザザです!幹部のザザ、それにあの白いのが4います!!」


クライン「白いのって、あの化け物みたいな奴4体もかよ!?」

アスナ「アサヒ!方向調整、行ける?」

アサヒ「ばっちりです!!今までの経験、舐めないでくださいよ!!」

ヤマト「変な所に『ホームラン』打ったらぶち殺すぞ!」

アサヒ「テメーにはぶち殺されねぇよ!!」

アスナ「お喋りしない!!」


『インターセプター号』の甲板で進められる上陸準備。皆慌しく準備する。


ヒースクリフ「作戦に変更なし。接舷と同時に状況を開始する」

ヤマザクラ「接舷します!!」


「「「了解!!!」」」



気合の入った号令が甲板に響く。
今回の作戦はこうだ。
まず、接舷と同時にアスナが率いる1番隊を打ち上げる。
これは以前、ヒースクリフとの『デュエル』や第25層のフロアボス『マザー・ザ・レギオン』戦において、行った『野球』の応用の打ち上げ。
この場合、アスナ達が軽くジャンプした時に、アサヒ達2番隊がそれを飛ばす。
これらは『野球』になぞられて『ホームラン』と呼ばれ、攻略組ではかなりメジャーな戦闘方法の1つ。
かなりの距離や高さにプレイヤーを送る事が出来る。話を戻す。
打ち上げたアスナ達は浜面たちを援護合流、そののちにアジト内部へ進行。
次に、シキシマ、ヤマザクラが率いる3、4番隊が『インターセプター号』を中心に陣を制定。
最後に、ヤマト、クライン率いる2番隊混成部隊がアジト前の兵を捕縛、若しくは駆逐。
最終目標は、『ヒーローズ』の救出、『ラフィン・コフィン』の壊滅、リーダー及び幹部数名の生きたままの確保。



アスナ「始めッ!!」


彼女の声と共に、作戦は開始された


アサヒ「ウオラァ!!」


次々に打ち上げられるアスナを含める1番隊。


「お、おい!!」


その様子を下から見上げる『ラフィン・コフィン』のメンバー。
その様子はさながら、空を舞う『閃光』その物だった。


アスナ(いた)


その舞う『閃光』が土御門と浜面を補足する。
その瞬間、彼女はレイピアを抜刀し


アスナ「ハアアアアアァァァァァァァ!!!」


スキル『リニア』を発動させ


アスナ「ァァァァァァアアアアアアアアッ!!!」


土御門と浜面の元へ力強く着地した。



土御門「アスナ!?」

アスナ「お待たせッ!!!」

浜面「全然待たせてないぜ!!」

ヤマト「HP半分切ってるじゃないですか!!強がらないでくださいよ!」


次々と舞い降りる1番隊


「け、け、け、血盟騎士団だァァァァァァァァァ!!!」


その彼等を見て『ラフィン・コフィン』の兵たちが悲鳴を上げる。


ザザ「うろたえるな。…『ジェノバ』」


が、ザザは動じることなく『ジェノバ』に指示を出す。


ヤマト「クッ!白いのかよっ!?アスナ様たちは内部へ!!」

浜面「おいおいおいおい!そいつらの相手と周りに兵だぞ!!?」

ヤマト「2番隊が援護に来るまで持たせられますよ!!早く、皆さんを!!」


他の1番隊の隊員も同じようにアスナたちの背中を押す


アスナ「…土御門さん、案内を」

土御門「まかせろぃ!」

浜面「死ぬなよ」

ヤマト「もちろん!」


掛かってくる『ラフィン・コフィン』の団員を斬り退かしながら進んでいく3人を送り出すヤマト。
本当はかなり厳しい、1番隊が壊滅してやっと2番隊が間に合うぐらいだろう。そんなの、1番隊の隊員全員は知っている。

そんな彼等に、『ジェノバ』が襲い掛かる。


「グギャアァァァ」

ヤマト「人語を話せや鰻野郎がァァァァ!!!」



アジト内部


アスナ「フッ!!」


襲い掛かる兵の攻撃を避け、軽く『カウンター』を入れるアスナ、そして


浜面「『裏拳』!!」

土御門「『雷神拳』!!」


彼女の後方で素手で相手を殴ってる彼等。
どちらも『体術』の技だ。
特に『雷神拳』は威力は低いが、正確に攻撃成功すれば相手の武器を強制的に手放させることができる、便利なスキル。
要は、肘のファニーボーンを殴ると痺れるアレである。



アジト内を駆け抜けていくと、


アスナ「倉庫!?」


多数の箱などの荷物が置いてある部屋に出る


浜面「あれ、こっちじゃなかったっけ?」

土御門「間違えたかにゃ?」

アスナ「ちょっと!この状況で!?」


まさかの迷子である。幸い、敵は撒いたのか追っては無い。
いや、アジト内部の兵が少なすぎるのだ。何故だ?と3人は薄々疑問に思ってた。


「…この『トルトゥーガ』。基は鉱山で似たような景色が続くからな。俺も最初は超迷ったよ」


その答えが彼等に話しかけてくる。何処からともなく聞こえる青年の声。
相手は『隠蔽』効果を高めるアイテムを使ってるのだろう。


浜面「…いくらなんでも幹部連中がザザしか出て来ないから不思議に思っていたけど」

土御門「どうやら、俺ら対策で幹部連中はアジトの中でおもてなしの準備ですか?…いや、もう何人かはしてるのかもな」

「…っふ。超知ってるくせに、とぼけるのは、いいセンスだと思うぜ?土御門さんよォ?」

アスナ「リアルネームを!なんで!?」

「驚くことないだろう?こいつ等は仲間内ならバンバンリアルネームを使いまくるし…何より」


アスナの疑問に応えるかのように、その姿を現す銀髪で細身の青年。そう


カダージュ「殺す相手の事を調べるのは超基本中の基本だろ?なぁ、『SAOタイムス』の本社を強襲したアスナさんよお!?」


幹部の1人、カダージュ。



浜面「こんの!!」


姿が現れるなり、浜面は戦闘態勢に入る。
これでも、彼等は何度も、何度も剣を交えてる。基本、先手はカダージュだがこの日は


カダージュ「『パーレイ』!!」


浜面「イッ!?」


彼のこの声に場が固まる。



『パーレイ』

お互い何か(アイテムやメンバーなど)を巡って対立した時に、発せられる。
この言葉が発せられたら、互いの代表者が交渉しなければならない。
そして、その場にいる全てのプレイヤー同士の戦闘は禁止される。
無論、これはシステム上の物ではなく、慣習。守らなくてもいい。


浜面「レッドが何決まり事を言って!!」

カダージュ「お前たちはそうかもしれないけど、『血盟騎士団』副団長の意見を聞きたいなあ?」


浜面の言う通りでもある。オレンジプレイヤーなどが『パーレイ』を言ったのは聞いたことがない。
つまり、罠の可能性もある。が


アスナ「…浜面さん」

土御門「マジかよ?」


彼女は乗り気だ。無論、『話し合えば何とかなる!』みたいな御花畑思想ではなく、何とか情報を引き出す為。
正直、この島の情報は少ない。それに、『決裂』してもこの3人なら彼を制圧できると判断したためだ。
無論、『パーレイ』が発令されると納得できない野郎も多いい。今回は浜面がそうだ。その場合


土御門「フランス人に文句言え」

浜面「ぐぬぬ!!」


こう言って宥めるのが、お約束。



アスナ「で、条件は?」

カダージュ「これだ」


彼は、自身の『アイテムストレージ』からとある物を『可視化』する。
それは『結晶』だが、見たことのない色。


カダージュ「『鍵結晶』。…俺は知らないが、この層や第50層の迷宮区では超メジャーなんだろ?
この『トルトゥーガ』にも同じような仕掛けがあってな、それに必要なんだよ」


『鍵結晶(キー・クリスタル)』
名前の通り、何かしらの扉や仕掛けを動かすのに必要な結晶。
しかし、1人につき20個までしか所持できない。彼が出したのは3個だ。
普通に考えれば1人1個だ


カダージュ「この倉庫からの奥にある扉で使えばとある場所『畑』に行ける。
そこには、お前たちの『電撃姫』がそろそろ来るころじゃないのか?」


アスナ「『電撃姫』…それって、美琴さん!?」


カダージュ「ああ。が、そこにはウチの『手裏剣女』もいるはずだ。…どうする?
この『鍵結晶』3個使えば1人はその場所へ行ける。…で、条件なんだが。誰が『鍵結晶』貰うか?」


浜面「3個って…それじゃあ1人しか!」

カダージュ「ふん!お前の癖に超よく解ったな。…で、どうする?」


選択の時。
が、この条件は誰か1人が別れる事になる。戦力の分断だ。
条件を飲まず、3人で彼を倒し、『鍵結晶』を奪う、そんな選択肢もある。
が、美琴が戦うであろう相手は、『手裏剣女』のワードから予測するに『ユフィ』だ。
彼女は、美琴と佐天を同時に相手にし、美琴を拉致した人物である。かなりの危険人物だ。
選択を誤れば、最悪な状況になる。


アスナ「…解りました」


その最悪な選択を、アスナは下した。

今回はここまで


何時ものりょうかな?


ではまた

こんばんわ

さて、今回は一方通行メインで書きたいのですが…


スランプ過ぎで難しいです!!

ジョニー・ブラックとの対決で、どのように行けばいいのか?悩んでます。


そんな中途半端な作品ですみません。


では投下

こんばんわ

さて、今回は一方通行メインで書きたいのですが…


スランプ過ぎで難しいです!!

ジョニー・ブラックとの対決で、どのように行けばいいのか?悩んでます。


そんな中途半端な作品ですみません。


では投下



「男の仕事の8割は『決断』。後はおまけみたいなものだ」


このセリフは1年前、このデスゲームが始まる前に学園都市で流行った言葉。
子供用特撮ドラマの台詞の1つだが、大人や子供をひっくるめた学園都市の多くの男が共感した。そして


一方通行「ウエァッ!!!」


レイピア『ウィル・ターナ』を振り回してるこの男も、その言葉にひそかに共感してた。



ジョニー「ハァ…ハァ…」

一方通行「ヘッ…ヘッ…」


2人の視線は相手を離すことない。
それは、相手の攻撃をいかに先読みすることに集中してるからだ。無論、先読み対決は


一方通行「ヘッ…」


この男の方がジョニー・ブラックよりも優れてる。
だが、基本的なステータスでは彼には到底及ばない。が


ジョニー(…やばい)


ステータスが絶対的でないことは、彼にかかわった人物は皆承知している。
『最弱の攻略組プレイヤー』
と少し不名誉な2つ名を持つ彼が、もう1つの名前もある
『15分戦うと、モンスターだろうがプレイヤーだろうが、攻略法を見つける男』
そのまんまだ。
現に、彼は多くのボス戦にて最初15分以内でモンスターの特徴やパターンを捉え、攻略法を幾度も編み出してきた。
まさに『SAO最強の頭脳を持つ男』だ。

そんな男と対峙してて気が付かなかった。いや

一方通行「ン?」

彼も気が付いて無かった。そう、窓から響いてくる声。雄叫びに。
それは明らかに『ラフィン・コフィン』の団員だけでなく


一方通行(援軍が来たか…)

ジョニー(攻略組の奴らが来たのか!?)

一方通行(つゥ事は、土御門達は囮を全うしたことになる。とすると援軍の誰か…多分、アスナだな。だが)


時間がない。
最初にこいつは言っていた「口の悪いお姫様に毒を飲ませた」と。
そして20分でそのお姫様は絶命すると。


一方通行(何分…何分たったァ?)


思えば、ジョニー・ブラックの戦法、何処となく時間稼ぎのようだった


ジョニー「そろそろ、お姫様がアイテムだけになってるかもね?…いや、線引かれてるかも?」


つまり、それは彼の御姫様、番外個体が死亡してる事を述べている。ゆさぶり。が


一方通行「…フン!」


動揺する雰囲気はない。
それどころか、彼に対し「無様な事言ってるなァ」と表情で語ってる。
まるで嘘ついてる子供を見るような目。


ジョニー(何でだよ…何でなんだよ!?)


その彼の余裕、その理由が解らない。少し前に「何で、そんなに余裕なの?お姫様死んじゃうかもしれないよ?」と聞いた。だが「…口より剣を動かせ」と返ってきた。その後も同じように問いたが、内容は全く同じ


ジョニー(確証の無い自信があるとでも言うのか?)


彼の中で疑問が増える。


一方通行「…ァ」


ジョニー「!?」


そんな彼が、短く『ァ』とこぼした。
その直後、彼は最小限の動きでアイテムを『実体化』した。


ジョニー「『回復結晶』!?」


それ何故実体化させたのか?解らない。
ここまで彼はアイテムを使わなかったことを考えると、それは『とっておき』なのだろう。
だがなぜこのタイミングで?疑問が増える。


一方通行「答えはお前の後ろから来るぜ」


彼の思考を見抜いたかのように一方通行が喋る。が、彼がその言葉を理解したのは


ジョニー「ブベラッ!!?」


床とキスしてからだった。




突然、ジョニー・ブラックの右側の壁が砕け散った。
その瓦礫に巻き込まれるジョニー・ブラック。


一方通行「すっげェな…」

「はァ…はァ…素直な感想言うなら、その手にある『回復結晶』、ミサカに使ってくれないかな?」

一方通行「おっと、わりィわりィ…『ヒール・ワースト』」

(…なんか…いいかも)

一方通行「あン?どォした、番外個体」

番外個体「うっさい!!」


まさかの番外個体だ。彼女は閉じ込められてたはず


ジョニー「なん…でだ…よ?」


無論、閉じ込めたはずのジョニー・ブラックが問いただす。


番外個体「ん?ああ、『体術』って、完全習得したら『Sクラス』以外の縄なら自力で壊せるから。
2に、アナタがミサカに嫌がらせのつもりで部屋に鍵かけなかったから」


彼女の言った通りだ。『体術』を強化すると様々な素材を素手で壊すことができる。
例えば美琴の剣を握りつぶしたキリトや、逆にキリトの剣を白刃取りしてへし折った美琴の様に。
今回の場合、番外個体の手錠と壁をつないでた鎖は『Aクラス』で悪くない物だが、
彼女の様な『体術』完全習得した者なら15分位粘れば破壊することができる。
といっても、彼女の様に『体術完全習得』した者は多くない。剣の世界だし。
なので、ジョニー・ブラックが知らないのも無理ないし


一方通行(まじか…)


この男も知らなかった。ちなみに、彼女の台詞の後者は完全にジョニー・ブラックのミスである。


ジョニー「…なら、そのお兄ちゃんもろとも消してあげるよ。このクソビッチがァァァァァ!!」



そのミスを消すかのように突っ込んでくるジョニー・ブラック。


一方通行「クッ!」


それに対し、彼女を庇うように構える一方通行。
現在、番外個体は武器はおろか、腕に手錠、防具さえつけておらず、下着にラフなキャミソールだけだ。が


番外個体「いいから」

一方通行「は!?」

番外個体「ミサカにやらせろ」

一方通行「何言って、って、おィ!番外個体ォ!!」


彼の制止を振り切ってジョニー・ブラックに突っ込んでいく番外個体。
もう一回言っておくが、彼女は武装も何もない。


ジョニー(馬鹿だ!!カモが自分からやってきた!!)


その彼女に、ジョニー・ブラックも表情が緩む。
そりゃ、殺す相手が裸同然で突っ込んで来たら顔も緩む。
ダガーのスキルを発動させつつ、確実に首筋を狙おうとした。が


番外個体「遅いよ」


彼女の『体術』の蹴りの方が速かった。
しかも、その蹴りは彼の頭部右半分を正確にとらえた。その光景を見た者の感想は


一方通行「…ハ?」


彼の一言で十分だった。


まだ、キリトや上条達、『ヒーローズ』と出逢う前の2人を知ってる物なら。

今回はここまで


便利だけど扱いが難しい一方通行さンメインが難しい…



ではまた

乙乙
一応、ジョニー他ラフコフメンバーは殺さないように気をつけてください。

乙です

おやっさん懐かしいw

こんばんわ!


>>280

Yes!!


>>279

そのためのオリキャラです


では投下



技の○○!!力の○○!!


この言葉は現在の2024年から半世紀近く前に生まれた言葉。
そして、このゲームが始まる前に、学園都市で子供たちの間で流行ったヒーロごっこの言葉だ。
しかし、現在生き残ってる、学園都市側の9人は覚えてるかどうか…



ジョニー「カッ…」

番外個体「よわっ」

一方通行「…」


彼女の蹴りにて頭部の半分以上もぎ取られたジョニー・ブラック。
意識はあるようだが、喋れる状態ではない。彼女の発した言葉。
これには誤りがある。確かに、彼女の攻撃にてジョニー・ブラックを行動不能にした。
がそれは、彼が今まで戦いジョニー・ブラックを精神的に疲弊させたこともある。
無論、彼女もその事は解ってる。なので


番外個体「…ありがとう」

一方通行「ン、何だって?」

番外個体「何でもないっつーの!!」


彼女なりのお礼を言った。



一方通行「さァてェ…ジョニー・ブラック君、どうしましょうかァ?」


剣を収めながら一方通行が近づく。
言葉を発せないジョニー・ブラックだが、残った眼は動かすことができる。
片目で自身の率直な思いと感情を一方通行に叩きつける。そう


一方通行「『殺せ』ってかァ?」


その通りだ。が、これには納得できる部分もある。
仮にこのデスゲームをクリアし現実に戻ったとして、ここでの行為が白日の下にさらされた場合、彼は大罪人である。
すべてを擲って、ここで死を迎えるのも悪くない。だが


一方通行「させねェよ」


この男の考えは彼と違った


一方通行「お前らがしてきたことで、はいそうですか、て納得できる奴がいるか?いねェよなァ…だからよォ…『生きて』もらおゥ」


彼の言葉を聞いたジョニー・ブラックの目が、まん丸くなる。
この男は何と言った?『生きる』?冗談か何かか?
が、このタイミングで冗談を言われるほどこの男と彼は親しくない。ではなぜだ?


一方通行「…これは俺の経験則なンだがなァ、『罪』を背負って生きることはそれ自体が『業』だ。永遠に晴れることのなィなァ」

番外個体「…」


この言葉は彼の経験からか?彼が殺した1万人以上の『妹達』、『暗部』にて葬ってきた者達からの言葉か?
彼女は彼を見ながら考える、が、フィーリングでは理解したが適切な言葉は見つからない。
が、彼がこの世界でジョニー・ブラックに裁きを加えない理由は理解してる。


一方通行「それになァ、この世界でお前を殺すわけにはいかないンだよ…。この世界にはある事がない、そゥ『痛覚』、イタミだァ」


彼が殺さない理由はこれだ。『痛覚』がないSAOにて、彼が望む罰をこの男に行使できない。


一方通行「懺悔しとくンだなァ。…現実に戻ったらお前の居場所調べて『感動の再開』しに行くからよォ。
クヒッ、その時には、嬉しくて丁寧に全身の皮をむいて、骨を向いていくからよォ。
勿論、その間は殺さないよう気絶させないようにしてやるからなァ。
…アァン、イィ顔じゃねェか。想像力が豊かなんだなァ…
なら、お前が今考えてる事の2乗の事を、『再開の証』として経験させてやるからなァ。
感謝しろよォ、この俺、学園都市第1位のアクセラレータ様が、直々に外部の人間に会いに行ってやるかやなァ。
…そう泣くなって、泣くのは現実で再開してからにしようさァ。
その時は、今は出ない声で、『感動の叫び』を俺に聞かせてくれよなァ?
アヒャッ、ヤベェなァ。今から楽しみが増えちまったよォ、ジョニー・ブラックさンよォ…」


静かに、淡々と彼への思いをぶつける一方通行。
その言葉を聞いてたジョニー・ブラックの顔は酷く崩れていく。
が、彼が今してる顔を彼は何回も見てきた。
そう、彼が襲ってきたプレイヤー達の表情その物だ


番外個体「…一方通行。長い」

一方通行「ア」


流石に聞き飽きた番外個体。彼等の間に入り、ジョニー・ブラックの腕を自身の胸に触らす。
そして、彼女の目線に表示させられる『ハラスメントコード』でジョニー・ブラックを『監獄エリア』へ送った。


一方通行「ンだよォ、まだ足りねェのによォ…」

番外個体「いいから。…そこに転がってるのミサカの手錠の鍵でしょ?早く」


事務的言う。が、ここに『ラフィン・コフィン』の幹部、『ジョニー・ブラック』との戦闘は、捕獲で一方通行達が勝利した。



手錠を解き装備を整えた番外個体。
と言っても、彼女の装備はほぼ奪われており、現在装備している防具は全て一方通行からの譲り物。


一方通行「わりィな、流石に『片手剣』は無ェからよ」

番外個体「知ってるよ…で、アイテムなんだけどさ」


続いて、回復アイテムを要求してくる、が、一方通行は疑問に思う


一方通行「なァ…『結婚』した方が早く」


その疑問を口にした途端


一方通行「ゴッ!?」

番外個体「…」


こめかみに1発喰らう。


一方通行「ッツ、何すンだ、このクソビッチがァ!!」

番外個体「知らない。…ってか、そんなに大声出すと」

「誰だッ!?」

番外個体「あーあ、見つかっちゃった。ギャッハ☆獲物が来ちゃったよ~」


見回っていたのか、『ラフィン・コフィン』の一般兵士に見つかる。
装備は『バスター・ソード』、番外個体の装備と同じだ。
それを見ると彼女は兵士へ突っ込みだしてた


一方通行「…ッチ!とにかく上だ、上に向かう!!」

番外個体「了ッ!」

「ガッ!」


懐に入ると彼女は敵の顎に1発加え、『バスター・ソード』を強奪し


番外個体「解~♪」


奪った剣で相手を切り裂いた。



トルトゥーガ・中心部・畑


佐天「そんな!?」


その頃、一方通行が勝利を収めたころ、『トルトゥーガ』内部では少女の唖然とした声が空間に木霊してた。
何故なら


キリト「おい、ここが『畑』なのかよ!?」

上条「間違いねぇよ!!ここだ」

御坂「でも、何もないじゃない!」


彼ら4人は前に佐天と上条が見つけた『回復結晶』などの結晶アイテムが取り放題の場所に来ていた。
が、そこに広がる光景は光結晶に照らされるだだっ広い空間。要は何もないだけだ。
2人が嘘を言ってたのか?
いや、彼等がこの状況で嘘を言う必要性がない。なんだ?


「…敵が手に入れる前に、それが敵に利する物であるならば自らの手で破壊する。戦術の掟でなくって?」


その瞬間、女の声が響く。
その声をキリトは初めて聞き、上条は学園都市で聞いた。
そして少女2人は、数時間前に聞いた。そう


ユフィ「ねぇ、御坂美琴はん…いえ、改造人間の方がよろしくって?」


現実、学園都市にいる誰かさんと声も容姿もそっくりな幹部の1人『血染めのユフィ』の声。
そして、御坂美琴と佐天涙子が惨敗した相手。



キリト「訂正しろ!!」

ユフィ「は?」

キリト「訂正しろと言ったんだ!ミコトの事を『改造人間』と言ったことを!!」


キリトが激しく怒る。それは美琴を『改造人間』と罵ったこと、仲間を愚弄したことに対するもの。
この時、上条も同じような事を言おうとしたが、横目で美琴に制される。


ユフィ「あら、ごめんあそばせ。せやったら、『ビーター以外の改造人間共』と言った方が良かったでっか?黒の剣士はん。
…いや、『化物』の方が良かったでっか?」


が、その言葉は更に悪化して返される。
彼女の言葉にキリトの中の何かがキレる


キリト「キッサマァァァァァァァ!!!」


がむしゃらにユフィに突っ込んでいくキリト。
無論、最初から突進系のスキルを発動してない。
それは相手の『カウンター』を警戒するためだ。
結果的に、その読みは当たる。


ユフィ「フッ!!」


彼女は武器の『ウータイ』を軽く振る。
すると、その刃から赤黒い液体が発される。
その液体に触れると状態異常を起こす厄介な物。
しかも、通常なら避けられない距離で放たれる。が


キリト「ッツ!!」


彼はそれを確認してから避ける。
異常なまでに『反射神経』が発達してる彼だからこそできる動きでもある。
宙返りしながら、地に足を付けると今度こそ突進系スキル『ソニックリープ』を繰り出す初期モーションに入ろうとした瞬間


キリト「っとお!?」


彼の目にを何かが通り抜け、それがブーメランのように戻っていく。それは剣だった。
剣をブーメランのように投げれるスキル『ストライク・レイド』を持つプレイヤーは、SAOで1人しかいない


キリト「何すんだ、ミコト!!?」

御坂「ごめんね」


彼女しかいない。



御坂「ごめんねキリト。あんたの言葉、嬉しかったよ。…けど、ここは譲って」

キリト「は!?」

佐天「上条さん、お願いです。キリトさんと」

上条「へーへ。解ってるよ」

キリト「お、おい。…解ってるのか?そんな事言ってる時間」

御坂「無いのは解ってる!けど、どうしてもなの!!」


この意気込み。
解ってる、キリトにだってこのような状態になれば美琴が梃子でも動かないことに。
それに佐天の雰囲気もそれに準ずるものだ。
それほど、ユフィは彼の知らない学園都市に居る美琴の後輩に似ているのだろう。剣を収める


キリト「…もう言わねえよ。ただ、これだけは言わせろ」

御坂「皆まで言わなくても解ってるわよ」

上条「キリト…」

キリト「あぁ…」


その場を去り、先へ進もうとした時


ユフィ「お待ちなさい!!」


彼女が声をかけ、とある物を投げる。それは


キリト「『鍵結晶』!?」


ユフィ「その先、それを使い仕掛けを動かせば頂上付近へ行けますわよ?
…あなた、ロザリアの持っていた『鍵結晶』、所持しておるんやろ?あんさんのと合わせて使えば、仕掛けは動くはずや」


上条「…罠、と言う可能性は?」


ユフィ「さぁ、それを信じる信じないはあんさんらやで?類人猿はん
。…それに、その先には2人に会いたい殿方がお待ちしとる。選ぶのは、あなた方2人や」


キリト「会いたい人物…ケイタ!?」

上条「ホウジョウ…Pohか!?」

ユフィ「さぁ。己の眼で確認してきた方が、確信できるんさかいなぁ…」


男2人が部屋を出るのを確認してから振り返り


ユフィ「さて、女同士。心置きなく殺し合いまひょか?バケモノ」


『ウータイ』を美琴達へ向ける。憎悪の感情で染まった目線と共に


御坂(もし、仮に、あの子も『ジェノバ』の子供たちと同じく、ホウジョウ達に操られてるとしたら
…私は…私はあの子の洗脳を解けるの?…いや、解かなくちゃいけない!)


佐天「御坂さん!!」


ユフィの事について考え込む美琴に喝を入れる佐天。
当たり前だ。何故なら


ユフィ「フェアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」


目の前にユフィが迫っていたから。





「なんでよ!!何でここまで時間かかるの!?」


暗闇の通路をひたすら走る閃光が1筋。そう


アスナ「ハッ!!」


彼女だ。あの選択した結果。


アスナ「この補足狭い通路?冗談じゃないわよ!!」


彼女は『中心部』への道を1人走っていた。所々でモンスターが出るが、そんなのは問題ではない。


アスナ「美琴さん達、無事かしら…」


それは仲間の心配だ。そして


アスナ「浜面さん達も…」


自身が選択して、置いてきた仲間の心配も





倉庫


「ック!!」

「超遅いんじゃないの!?」


その、アスナがいた場所では


カダージュ「あの女剣士さんも、超見る目ないのかね?」


浜面「勝ってから言えよ、女顔がァ!!」


この男共の戦いが繰り広げられてた。


カダージュ「超余裕でしょ!!」

浜面「オッ!!」


弦を引いた動作をみた浜面は近くの物陰に急いで退避する。
その刹那、彼の居た場所に3連続の矢が浜面の居た場所に放たれる。そして


浜面「(お次は)…っと!?」


彼の隠れてる荷箱に5連続の矢が、散弾の様に当たる音がする。


カダージュ「おぃおぃ、物陰に隠れてないでかかってこいよ。超チキンかよ?」

浜面「…ケッ、遠距離攻撃しかできない女顔には言われたくないよなぁ!!」


近接戦に持ち込もうと挑発する浜面。
彼の使う武器『ソニック・アロー』はSAOでも50層以降見つかった新しい武器、弓(ランス)の部類だ。
基本的に、攻略組など前線で使う者はまずいない。それは、あまりにも信頼がないから。
デスゲームのSAOにて使い慣れない新しい種類の武器を使ってやられるなど、笑い話にも出来ない。
が、彼は


カダージュ「ほれほれ~、次はその箱を超貫くぜ~」


使いこなしてる。無論、弓を使いこなし始めたのは他にもいる。例えば


土御門「ハアアアッ」


この近くで雑魚狩りをしているグラサン。
しかし、彼等2人はここまで『ダガー』を使ってた。何故だ?


浜面「(原因はやっぱ)…って!?」

カダージュ「切ったよォー!!!」


彼の隠れてた空箱を切り裂くカダージュ。
そう、これが弓『ソニック・アロー』の特徴である。
この『ソニック・アロー』両端が刃になっており、そこでスキル攻撃を行えることができる。
そのスキルを行使するのは武器は『ダガー』。つまり


カダージュ「雑魚がサァ!!」

浜面「っぐ!!」


彼や土御門みたいなダガー使いは、この新武器『ソニック・アロー』はセンスがあれば使えることになる。

無論、デメリットとして、全てのスキルの威力が半減がある。

が、モーション消化速度半減というメリットもある。

つまり


カダージュ「オラオラオラァ!!」

浜面「ガッグッガアアアアアアアァァァッァァ!!」


通常では考えられない連続攻撃も可能になる。無論、ダメージ量は少ないが相手への精神的ダメージは大きい。

…普通ならば。



カダージュ「おいおいおい…学園都市の人間と聞いてたけど、噂通りへたれかよォ!?」

浜面「んだ…と!?」

カダージュ「…」


そこには、立ち続ける浜面の姿があった。
どう考えても、HPが0になるはずの攻撃なのに


カダージュ(超あいつみたいじゃねーかよ…)


その光景を、カダージュは現実にて喧嘩した相手のことを思い出す。そう


【何でだよ!お前だけで考え込むなよ!!】

【大丈夫。私達は味方。】

【俺達の事を忘れるなよ!な、―――】

【私達は―――の味方。】


彼の現実で待ってるはずである2人に。似すぎてる。



カダージュ(ダメなんだよ…)


しかし、彼は望まない。


カダージュ「そういやさ!」


彼が望むのは


カダージュ「あの捕虜…いや、性奴隷。…お前の女だっけ!?」

浜面「は!?」

カダージュ「超最高だよん!あの胸、超最高だね!!やっぱ、マザコンが多い学園都市はあんな大きなおっぱい求めるんですかァ!?」

浜面「…なんて言った」

カダージュ「あ?」

浜面「何て言ったかと聞いてるんだよ!ロン毛やろう!!」

カダージュ「…最高の数の子だったぜ(何言ってるんだ俺)」


彼の望みをかなえる言葉を吐いていく。そう


浜面「…お前の運命は決まったよ」


カダージュ「…あ?」


死へと


浜面「俺の女へ手を出した罪だ」

カダージュ「今更…俺自身の罪を数えるつもりはないけどなァ?」



滝壺「止めなくちゃ…」


『トルトゥーガ』アジトの上部にて隠れながら移動する滝壺。
その表情に、汚された雰囲気はない。無論、これがデジタルの世界だからと言う理由でもない。


滝壺「あの2人は、戦ってはダメ」


今回はここまで。


ではまた

こんばんわ

お楽しみの方も多いようですが、今回の投下は、勝手ながら、火曜日に延期します。
すみません。


ではまた。


ばんわ

短いですが投下



トルトゥーガ・中心部


キリト「本当にエレベーターみたいだな…」

上条「まるで第50層の迷宮区みたいだ」


その頃、キリトと上条の2人は『鍵結晶』を用いた、仕掛けを動かし、島上部へ向かっていた。と言っても、


キリト「ま、第50層の仕掛けと同じで、壁も無いから、ちょっと怖いけどな」

上条「あぁ…」


そんな状況を説明しながら、フランクに話すキリト。が、上条の表情は明るくない。
それは下に残してきた美琴達を心配してか?違う


キリト「…何を考えてる?」


その様子に、キリトも気づく。
それはその悩みが大きすぎると戦闘に影響するから、それは彼自身のここでの経験だが


上条「心配すんな。これでも、考えながらの戦いには慣れてるんだ。大丈夫だよ」


その質問に、彼の疑問を打ち消すかのように応える上条。
これでも、戦闘経験はキリトよりもあるのは事実だ。が、キリトが心配するのも無理はない


キリト「…ならいいけどさ」


その心配事をキリトは伝えようとした。
丁度その時、エレベータは吹き抜け部分に出る。
結晶で出来てる幻想的な空間。その時


キリト「危ないッ!!?」

上条「へ?」


裏返った声を出しながら、上条の頭を力ずくで伏せさせ自身の剣を抜く。
それは目の前に迫っていたから。長刀のカタナが



キリト「ッグ…ッパ!?」


こらえきれず、エレベータから弾き落とされるキリト。
すぐさま足場を確認し、手近な結晶の柱に移る。


上条「キリトォ!!」


そんな光景を見ていた彼だが、無論仲間を見捨てるわけにはいかない。
すぐさま飛び降りようとするが


キリト「オレに構うな!!こいつは俺が…俺が相手にしなくちゃいけない相手なんだ!!」


そんな彼の性格を彼はここ1年で熟知しており、彼の助けを拒んだ。
理由は彼の言葉と目の前にいる男で説明できる。


キリト「やっと…2人っきりで話せるよ…」


寂しさと、不安と、疑問が混ざった声で、長刀のカタナの男に話しかける。


キリト「…何でだよ…なんでお前がここに居るんだよ…なぁ?」

「…」


が、答える気がない。
…いや、今のキリトには答えたくないのか?仮にそうなら


キリト「…もしかして」


その理由は、キリトには解ってる。


キリト「…俺が…俺が…上条たちと…アスナ達と…友好的だから…」

「喋るな」


自分なりの理由をぶつけるが


ケイタ「寄生虫臭いんだよ…『ビーター』」


永久凍土の様に冷たい言葉と


ケイタ「フッ!!」


彼のカタナが返ってきた。
距離が近かったせいか、完全によけきれず剣先が当たってしまうはず。
無論、キリトはそれも承知で先ほどの言葉にめげず質問を続けようとしてた。だが



キリト「ナッ!?」


少し頬に当たった刀によるダメージに、キリトは驚愕する。
そのスキルは浜面やクラインが小手調べにやるスキル。とても彼の


キリト(400…だとッ!?)


400ダメージを与える物ではない。全力の浜面でも300はいかない。


ケイタ「…舐めてただろ?レベルを鯖読みした時みたいに」

キリト「違う…違うって!!俺は!!」

ケイタ「喋りたくもない…」



上条「やるしかないよな…」


1人拳を握りしめる上条当麻。このエレベータはどう考えても頂上に向かってる。そこには


上条「やっぱいるよな…」


ホウジョウ「おや?」


Poh「ほう…」


彼等2人がいるからだ。


上条(単機特攻か…いやな役回りだよ)

今回はここまで


上条さんとラフコフボス2人と、キリトが何故か生き残ってるケイタとの対決です。


ではまた

こんばんわ!!


今日はとても気分が良いです!!


関西方面のラジオっていいですね!!


では投下!!



『ラフィン・コフィン』最高幹部2人と対峙する上条。
共に武器『友切包丁』に『バズビーズ・ソード』、前者のPohの愛刀『友切包丁』は彼と対峙した経験があるので、ある程度何とかなる。が


上条(ホウジョウの奴は…)

ホウジョウの武器『バズビーズ・ソード』は初見だ。そもそも、この男は前線に出るタイプではなく、その武装スタイルも

上条(ヒースクリフと同じ、片手剣に盾のオーソドックスな形)


無論、これは多くのプレイヤーが採用してる形であり、それなりに実績と信頼があるからだ。
それに対しての攻略法も多くあるスタイル。だが


ホウジョウ「おや、どうしました?あなたの愛刀は?」

Poh「紛失…いや、破損したという表現が正しいだろうな」

ホウジョウ「おやおや…。大丈夫なんですか?」

上条「…」


大丈夫かどうか?はっきり言って未知数だ。
彼は剣と『体術』を主体の戦闘スタイルであるが、最初から『体術』と言うのはあまり経験がない。
特に、対人戦闘では皆無だ。相手が複数人相手の戦闘など。が


上条「…やるしかねぇよな」

Poh「ん?」


そうつぶやくと、上条は構えた。現実と同じように



上条「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


上条当麻が走り出した。
そこまで広くない部屋、学校の教室よりも狭い。
そんなわけで、直ぐに相手との距離が狭まる。その拳の相手は


ホウジョウ「ッツ!?」


コイツだ。
彼のスピードに反応できないホウジョウは、このまま彼のパンチを食らうかと思われたが


上条「おっ!?」

Poh「…」


直前に、Pohの援護によって助かる。
かなり単調な攻撃だったので、簡単に距離を取る上条。
ホウジョウは安堵のため息の後


ホウジョウ「ふふっ、やはり若さは羨ましいですねぇ…ですが、次はこう上手くいきませんよ?」


余裕をふりまいてるが。


上条(なるほど)

Poh(使えん…)


この2人の内心は違う。


上条(やっぱり、ホウジョウって奴はそこまで戦闘が得意じゃない!となれば、そこまで心配もいらないか…)

Poh(と、思ってそうだが。半分当たって、半分その通りだ。…しかし、『スキル』無しだが、あの動きに反応速度。やはり現実で…)

上条(行けるッ!!)

ホウジョウ「しかし、2人ですので。君が不利なのは変わらない事実!!」

上条「ナッ!?」


まるで自分の思考を読み取ったかの様に、頭の中の会話の続きに上手に入ってきたホウジョウ。
しかも、彼は上条の懐まで入ってきてスキルを発動させようとしてる。いや、した


ホウジョウ「ウフッ」

上条「っと!」


片手剣のスキルでも単調なスキル『バーチカル』で上条に斬りかかるが、
流石に単調な垂直切りなら懐に入られても0ダメージとまでいかないが避けることはできる。
上条は左腕に、軽い太刀筋覚悟で避ける。
上条の考え通り、左腕に軽いダメージを受けるが僅かなHPの減少だけだ。
そう、スキルによる切り傷だけなら


上条(『毒』!?)


ホウジョウに斬りつけられると、上条のステータスバーに状態異常『毒』の表示が出た。だが、対策済み


上条「(『対毒スキル』はセットして来てるし、大丈夫な)…ッブ!?」


だったのだが、唐突な嗚咽感を感じる。
それは久しぶりで懐かしく、最悪な状況で来てしまった。
そもそも、SAOというこの世界で何故、嗚咽感を感じる?


ホウジョウ「おやおや…やはり『バズビーズ・ソード』の効果は凄まじいですな」

上条「『バズビーズ・ソード』…まさか、あの椅子がモデルの!?」

ホウジョウ「おや、ご存じで?」


知っている。
とある日、学園都市で土御門と舞夏と一緒に外部のとあるホラー映画を見た時にインデックスから聞いた。
インデックスはその映画の影響で携帯電話をひどく怖がっていて、大丈夫だと言ったが


【もとはるは知ってると思うけど、イギリスには座っただけで死んじゃう椅子があるんだよ!!ひょっとしたら、このけーたいでんわも…】


この後もなんだかんだ続いた記憶がある。多分、『即死』は無いだろうが


ホウジョウ「悶え苦しみながら、あなたの最後が見れそうですね…この剣の『毒』は『対毒スキル』でも防げないみたいなので」

上条「そん、ッブ!」

ホウジョウ「そう、そのように吐血しそうな感じでね?…『治癒結晶』がないと、死にますよ?」


『塗油結晶』。あるにはある。が


上条「…使えないんだよ」

ホウジョウ「はぁ」

上条「俺だけのアイテムじゃないからな!」


そう、現在、彼のアイテムは彼だけの物ではない。



そして、その少女の元へ向かう女剣士が


アスナ「出たッ!!」


通路を走り抜け、『中央部』の空洞へたどり着いた。
結晶と岩石が創り出す不思議な空間。天井は吹き抜けのようで高い。そして


「ハアアァァッ!!!」


女の声と金属音が聞こえる。


アスナ「上!?」


彼女は手近な壁などを使い、蹴り上がって行った。



少し上がり壁から生える『結晶柱』に足を付くと。


「あ、アスナさん!?」


そこにはランサーの佐天がいた。状況を考えると回復中だろう


アスナ「大丈夫!?」

佐天「えぇ…ですけど、アイツ強敵ですよ」

アスナ「う、うん…」


彼女の言葉に違和感を覚えるアスナ。
それはここに向かうまで考えてた事、当たらないでほしい。
そんな中、少し上の結晶柱で爆音と金属音が響く。そこには


ユフィ「サァサァサァ!!ニンゲンモドキのお力はそんなもんやんかあ!?」

御坂「ック!!」


ユフィからの連続攻撃を『約束の思い出』で防いでるが、押されてる美琴の姿だった。
その光景に対し、アスナは更に不安になる。


アスナ(嘘でしょ!?)

佐天「御坂さん!!アスナさん、援護お願いします!!」

アスナ「…わかった!!」


回復が終わったのか、美琴の元へ飛んでいく佐天。
援護を頼まれたアスナだが


アスナ(ごめんね)


動かなかった。何故か?


アスナ(美琴さんのあの動き…これで、佐天さんもだったら)


観察のためだ。
彼女がここに来るまで考えた理論と『SAOタイムス』本社を占拠し、
そこで手に入れたユフィと言うレッドプレイヤーの情報が正しいかどうか。





結論から言うと、彼女の推測と手に入れた情報は見事に的中してた。


アスナ「なん…で」


が、それは前者に限って言えば当たってほしくなかった事だ。
その苛立ちは、彼女が握るレイピアに入る力に現れてた。


アスナ(でも…)


が、ふと考える。
仮に、自分が美琴や佐天の立場だったら彼女は2人と同じような行動を取るかも知れない。だが


アスナ(それはダメな事ッ!)


何かを決心し、彼女は彼等の元へ飛んで行った。






ジャンプで飛んでる最中、彼女はとあるスキルを発動させ


アスナ「ハァァァッ!!!」

ユフィ「ブッ!!?」


彼女に突っ込む。
弾き飛ばされたかのように宙を舞うユフィだが、


ユフィ「ノッ!!」

アスナ「…」


壁に弾き返ってきたボールのごとく再び突っ込むアスナ。

『ソニック・レイヴ』
レイピアの連続突進の重攻撃スキルで、テンポよく攻撃することによって最大6回連続で攻撃できる。
そして、6回成功した場合、フィニッシュは防御力無視の攻撃になる。


アスナ(やっぱり…)

ユフィ「ガッ!!」


順調に成功する『ソンック・レイヴ』。
ユフィのHPも先ほどまでの美琴達とのバトルは何だったのかと思うぐらい順調に減る。
このスキルはアスナはかなり多用してるので基本的に妨害が入らなければ、ほぼ成功する。そう、妨害が無ければ


アスナ「最後ッ!!」


最期に6発目を入れようとした時


アスナ「ッツ!?」


彼女のレイピアに当たる剣。
その影響で、『ソニック・レイヴ』の6発目は失敗してしまう。
もはや、動ける力のないユフィは力なく落下していく。
そして、その体を受け止めるかのように、飛び降りるランサー。
アスナは手近な結晶柱に乗ると、その飛んできた剣を目で追う。
回転しながら飛ぶ剣。片手剣をブーメランのように飛ばせるプレイヤーはこの場に1人、いやアイングラッドに1人しかいない。


アスナ「…やっぱりなのね」


そう


アスナ「美琴さん」


御坂「…」


戻ってきた『約束の思い出』をキャッチした彼女だけだ。

今回はここまで。

今回出てきたスキル

『ソニック・レイヴ』
レイピア重突進連続スキル。相手に突っ込みながら連続で最大6連続の攻撃が出来るスキル。
最期の攻撃は防御力無視の攻撃が出来るレイピア系でも最大級のスキル。

元ネタはキングダムハーツシリーズの『ソニックレイヴ』



ではまた

こんばbbわ


今週は、阪神が日本シリーズ進出のため休みます


やすみとるために

こんばんわ

気分辛いよ~

では投下



上条「勝てない!?」

ホウジョウ「ソウッ!!」


大雑把なホウジョウの攻撃を避ける上条。
強力な『毒』の状態だが、嗚咽が来るタイミングは数分で把握できた。
無論、それは相手のホウジョウも解っており、


上条「ッツ!」

ホウジョウ「理由はッ!!」


上条がしゃっくりの様な嗚咽の後、彼を攻撃し


上条「なんだ!?」


その後、上条が反撃する。
奇しくも、上条当麻がこの世界での服装で意識しているFFⅦなどのバトル形式に近いものになっており。


ホウジョウ「あなたにも解っているでしょう?」


この様に、相手との話す時間が少なからずできた。
尤も、このスタイルはホウジョウにも好都合である。
戦闘経験とレベルが低い彼にとって、上条を倒すには大きめのモーションのスキルを使うしかない。
攻撃が当たるかは別だが。
それでも『毒』によって、上条のHPが減ってる事は事実である。
本当はさっさと片付けたい上条だが、ご覧の通り何やら気になるワードを小出しに言ってるのが気になる。


上条「解ってるだと!?」

ホウジョウ「そう、『改造人間』にはユフィ君を、ビーターにはケイ…セフィロス君を。この意味、君には解りますかな?」


この男の言葉を解き解くと導き出されるのは、この男の指示で美琴には彼女をさらい、しかも現実世界で彼女の後輩にそっくりのユフィを、
キリトには第25層で壊滅したはずのギルド『月夜の黒猫団』のリーダー、ケイタを差し向けたことになる。


上条(つか、コイツの話だと、ここ最近の『ラフィン・コフィン』の動きの大半はこの男の指示?)

ホウジョウ「まったくもって、素晴らしい」


そしてこの男、自分の行動を半ば美談の様に、そのねっとりした声で話し続ける。
まるで、自分の願望が次々と叶ってる小児のような態度。
おかげで次々と状況が理解できていく上条だ。おまけに、


上条「それとこれが、御坂とキリトが勝てないのはどう繋がってるんだよ!?」

ホウジョウ「解りませんか?」


ご丁寧に、説明もしてくれる。



ホウジョウ「セフィロス君にはかつてのギルド仲間を、ユフィ君には現実での先輩の瓜二つの女を!!
その2人が、かつての盟友を、現実での後輩の写し鏡を…シライ、でしたっけ?斬る事は出来るでしょうか?」


上条「何で白井の事を知ってるんだよ!?」


彼が問う。それもそうだ。
白井黒子は学園都市、すなわち現実世界に居る美琴たちの後輩であり友人。
しかし、美琴の様に外部にも名が知られてる訳でもない。
もしかしたら、上条の知らない所で有名なのかと勘繰るが


ホウジョウ「それは、あの時の『会談』で解りましたよ」


『会談』それは今から数時間前、『血盟騎士団』本部にて開かれた物。
その時、上条は美琴やキリト、佐天たちと共に半軟禁状態でその場にはいなかった。


ホウジョウ「あの『会談』後、こちらが返る時に風が吹きユフィ君のフードがめくれ彼女の素顔がバレテしましました。
その時、そちら側の新聞記者のハルさんがこう叫びました。『シライさん』と。まるで久しぶりの友人と再会したかのように…」


その話は後に初春から聞いた。


ホウジョウ「それでですよ。改造人間の後輩はユフィ君にそっくりかと思いましてね。
…元々、彼女から攻略組に彼女の友人のそっくりがいると。
そして、敬愛する先輩のそっくりがいて、その先輩は自分が嫌悪する『超能力者の御坂美琴』にそっくりだとッ!」


上条「っと」


言葉を締めるように攻撃してくるホウジョウ。
だが、単調なのは変わらず避けるのも他愛もない。


ホウジョウ「後輩の件については、私の仮説が的中しましたよ。おかげで今回の騒乱のトリガーも引けた」

上条「何が言いたい?」

ホウジョウ「では、端的にあなたに問いましょう」


ホウジョウが『バズビーズ・ソード』を上条に向けて問う。


ホウジョウ「アナタは…いえ、貴方との友人2人は、友…いえ、大切な人を斬れると思いますか?」


その問いは上条にではなく、美琴とキリトに対するものだ。その問いに対し上条は


上条「解らねえよ!!」


こう答えたが。内心は思ってた。



無理だと。……そう思ってた。



ケイタ「そんなもんかよ、ビーターァ!!」

キリト「グッ!?」


上条や美琴の戦闘中の中、キリトも戦っている。
押されてるように見えるが、キリトのHPは差して減ってない。
むしろ、ケイタの方が尋常ではない勢いで減っている。


キリト「聞いてくれよ!!俺には『ダメージ・ヒーリング』のスキルがあるから、お前の攻撃を喰らっても何ともないんだよ!!
それに引き替え、ケイタは!!」


ケイタ「何度も言っている…」


カタナを水平に構えスキル『平手打ち』を発動するケイタ。


ケイタ「俺はセフィロスだと!!」

キリト「ッブ!?」


カタナの『突きスキル』の中でも1,2を争う命中率の争うスキル。
キリトの左脇腹に命中しキリトのHPを大幅に削る事が出来たが、
その分『サクリファイス』属性の武器なのでケイタのHPも大幅に削られる。


ケイタ「…今の攻撃。お前だったら避けられたよな?」

キリト「なっ…何を?」

ケイタ「大方、少しでも俺と話したくて、ワザと喰らったんだよな?」

キリト「何を根拠に…」

ケイタ「なら、『正宗』をしっかりつかんでるその手は何なんだよ?」


キリトの左脇腹に突き刺さってる『正宗』だが、ケイタが力を入れても抜き出せない。
それは彼が言った通り、キリトがその長刀の刃を掴んでるからだ。
折らないよに放さないように、絶妙な力加減で。


ケイタ「ビーターのお前なら知ってるはずだ。
カタナは小手次第で『片手剣』『両手剣』の両方のスキルに近い物を発動できるが、デメリットとして『耐久率』が低い。
攻略組で、カタナのプレイヤーが少ないのもそのため…」


キリト「ッツ!?」


確かにケイタが言った通りだ。
『カタナ』、その名の通り日本刀の武器でSAO以外のMMOやRPGでも使用するプレイヤーは多い。
だが、SAOの場合はデメリットとして『耐久率』が低く、直ぐに折れたり刃毀れしてしまう。
この為、現在攻略組で使用してるのは浜面とクラインの2名になる。
尤も、彼が述べた通り『小手』、つまりは『スキル』をちゃんと使い分ければ『片手剣』や『両手剣』のスキルに近い物が繰り出せる。
話を戻すが、ケイタが言った通り、カタナは脆い。その刀を絶妙な力加減で握る事が出来るのは、10人もいないだろう。
そう、彼の目の前の男もその1人に確実に入ってる。黒の剣士ことビータの、キリトが。



ケイタ「何度も言っている。お前ごときと話すつもりはないと…解り合う灯りはないとなァ!!」

キリト「ボッ!?」


キリトの脇腹に刺さったまま振り払う。
ひょっとしたら『正宗』が折れてしまうかもしれないが、幸運な事に折れず、ついでにキリトも弾き飛ばされた。


ケイタ「それに『ビーター』と呼ばれるお前なら解るはずだ!
ネットゲームユーザーがお前みたいなタイプを嫌う事を、
しつこく話したり解り合おうとするタイプを拒絶することぐらい知っているだろ!!」


キリト「…」


彼の言ってる事が解る。
そうだ、キリト自身がやろうとしてる事はネットゲーマなどからは1番嫌われるウザイと思われることだ。
無論それは、ゲーム内ではなく現実世界でのこと、熱血教師気取りとかがそうだ。
考えてみたら、SAOは確かにバーチャルの世界だが、言葉のやり取りは現実と変わらない。
事実、今自分がやってる事を現実でやられてたら、前の彼なら嫌悪してただろう。
そう、前の彼なら。


ケイタ「土足で人の領域中に入り込んできて、何様のつもりだ!?」


そして、今のケイタはあの時の、美琴達と距離を置いてた時のキリト自身だ。


キリト「…なら、その構ってほしいオーラを何とかしろよ」

ケイタ「あ“!?」



キリトがケイタに投げた言葉。それはかつて同い年のシャンパンゴールドの髪色の少女に言われた言葉。


キリト「お前の雰囲気だよ」

ケイタ「何言ってるのオマエ、狂った?毒された?」

キリト「…SAOに来て出逢って、学んだことがある」

ケイタ「ゲームで学ぶって…流石ビーター様だな」


あきれるような声で返すケイタだが、キリトの顔はとこかまんざらでもない表情。


キリト「そうだよな…俺は狂って毒されたかもな…」


この時、キリトの頭の中には何人も浮かんだ

全力でぶつかってきた少女

その少女を抑えながらも、キリトを案じてた少年

そして、孤独の彼をいつも優しく見守っていてくれた、閃光のような女性


キリト「だけど、その毒が今の俺を作った。ケイタが俺の事を狂ったと思ってもしょうがない。
俺自身も、自分の変りように驚いてる。…それに後悔してない」


ケイタ「それは、毒され過ぎて元に戻れないだけじゃないのか?お前が、ケイタのと言う男の世界を壊した事を肯定するための詭弁だ!」


キリト「違う!確かに、俺は最初にあいつ等を煩わしく思った。
お前の言う通り、土足で自分の領域に入ってきた!だけど…それは切っ掛けの1つだったんだ。
自分の中の迷いに答えを出すための!受け入れたんだ!」


ケイタ「気持ち悪い。…そうやって、自分の変化を肯定したくて、自分に酔って説教かよ?お前、最高に気持ち悪いよ」

キリト「だけどお前も変化した!そう、俺とは別のベクトルで。…その答えが、お前が自称してる『セフィロス』と言う名だ!!」

ケイタ「ッ!?」


図星だったのか息をのむケイタ。が、キリトの口は止まらない。


キリト「お前は自分の弱さを認めない為に、『セフィロス』と言う『幻想』を作って逃げたんだ!
だけど、それが出来てない事を自覚してるのは他でもないケイタ自身だ!!」


ケイタ「…マレ」


キリト「だけど、そんな『幻想』に逃げたらもっと弱くなるだけだ!!
ケイタは…『月夜の黒猫団』のリーダ、ケイタはもっと強い人間だ!!その強さにササマル達やサチが一緒について来て――」


ケイタ「黙れと言ったァ!!」



1段と大きい声で叫ぶケイタ。
彼も思っていたのだ、例え『セフィロス』と名乗ろうと、何も変わらないことに。
そしてムカついていた、そんな事しかできない自分に。
そして、その事を見抜いたキリトに更に嫉妬した。
しかし、それはキリトがかつて経験したからだ見抜けたことだ。
が、そんな事はケイタに解るはずもない。


キリト(これしか…道はないよな)


キリトは『エリュシ・データ』をケイタに向ける。
彼自身も、この事態の解決法が正しいと思っていない。
そもそも、彼を救い出した時、その手はいくつもあった。仲間がいた。
だが、今は彼1人。彼自身が考え付いた方法。


キリト「ならば、この世界の方法、剣で黙らせてみろ。
俺も全力で、圧倒的な力で、お前の『セフィロス』って『その『幻想』をぶち殺してやる』」


ケイタ「…それは、俺を殺すことになるが?」


キリト「聞こえなかったか?……お前を殺す」


「チョイサァァァァ!!!」


少女の叫びと共に頭が飛び、首を斬られたプレイヤーが消える。死だ。


「ヒッ…バケモノ!?」


共にいたラフコフ兵が逃げようとするが


「ゴッ」


次の瞬間、口からレイピアが生える。貫かれた。


「そゥだぜェ、俺達はバケモノだァ。で、バケモノに、背中を向けるのはダメだよなァ!!」


そのレイピアで体を引き裂かれる兵、消滅し死亡する。


「何人目、一方通行?ミサカ、もう数えてないからわかんにゃ~い♪」

「俺も同じだ。めんどくせェから数えてねぇよ、番外個体」


通路にて雑魚兵無双をしてた一方通行に番外個体だ。


一方通行「とにかく、誰頭に合流だ。ヤマザクラのネームが消えたのが気になる」

番外個体「死んだんじゃない?」

一方通行「おィ」


番外個体「おや、誰かの生死を気にするアナタ。キンモーイ☆
…ぶっちゃけ、かなり苦戦してるんだと思う。お姉タマや黒いの、他のパンピーは殺気全開の奴を斬るのを躊躇しそうだから」


一方通行「あれ、アスナは?」

番外個体「アータンは、覚悟決めたら躊躇なく行動するタイプだから心配はしてないよ。信頼してるし」

一方通行「へェーお前が信頼するなンて。病気になったか?」

番外個体「だまれ」


口の悪い2人が話してると


番外個体「聞こえた!?」


一方通行「あァ…」


坑道内を響いて聞こえて来る金属音。剣と剣が混じり合う時、すなわち戦闘中の時に聞こえて来るタイプの物。
誰かと誰かが戦闘中でしかも1対1なのだろう。そして


番外個体「この重いけど、透き通るような金属音…」

一方通行「『エリュシデータ』…」


そう、聞きなれた剣音。それは身近な人物のであり、その剣『エリュシ・データ』はこの世界に1つしかなく、持つ人間は1人


一方通行「行くぞ」

番外個体「うん」


その音源へ走って行く2人。



5分も掛からずに吹き抜けに出る。
感覚からして島『トルトゥーガ』の中心部だと2人は考えた。それはあたってる。
その吹き抜けを上から下へ目線を下すと、戦ってるプレイヤーが2人。そう


キリト「ハアアアアアアアアアアア!!!!」


ケイタ「オオオオオオオオオオオオオ!!!!」


この2人だ。


番外個体「何あれ、キリトと…幹部?」

一方通行「だろォな」

番外個体「でも、キリトが押してるじゃん」

一方通行「そォ見えるか…」

番外個体「?」

一方通行「終わってるンだよ」



ケイタ「オオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」


確かに、傍から見たらHPはキリトが上の様見える。
が、ケイタ事セフィロスが使うカタナ長刀『正宗』の属性、『サクリファイス』によって通常より多くなる。
現に、今繰り出してる『横水平切り』は、この逃げ場のない横から飛び出た結晶柱の上に居るキリトを確実に捉え


キリト「ノオッ!!?」


彼の腹部に切り傷を与える。赤く光る線が入ったキリトの体。それに伴いHPが減る。
バトル開始直後、この結晶柱に移動したケイタの作戦は当たりの様だ。キリトに近づける隙を与えない。
が、無論『サクリファイス』の影響で自身のHPも危うい。次に『平手撃ち』をキリトに喰らわせたら合い撃ちだろう。


キリト「そう言う事か…」


そして、その内を読み取ったかのように呟くキリト。
その言葉が聞こえたのか、聞こえてないのか、ケイタは『平手撃ち』の構えに入る。


ケイタ「これで終わりだ…」

キリト「あぁ…終わりだ」



先にキリトが動く。
逃げ場に少ない結晶柱の上、先に動く場合ほぼ賭けである。その賭けに


ケイタ「ハアアアアアアアアアアアアア!!!」

キリト「ッツ!?」


ケイタは的中させた。
ジャンプしたキリトの右肩に見事に命中する『正宗』、そのまま突き刺し彼のHPを0にし、自分もろとも死ぬはず。



…だった。



ペキン


ケイタ「へ?」


あの何とも言えない金属音を聞くまで。
生き残ってるプレイヤーのうち、何人が聞いたことがあるだろうか?そんなに多くないはずだ。武器が折れる瞬間の音など。
ましてや戦闘中に。その音聞いた場合、その場から逃げるか、あるいは死だ。
わざわざ、自身の攻撃を有利にするために逃げ場の少ない結晶柱に移動しての結果がこれだ。
しかも、折れた場所は先まで、キリトが掴んでた場所。ダメージを蓄積してた場所。
それは、ケイタの怠慢だったのかもしれない。
が、無情にも


キリト「…」


無言でスキルを発動しながらこちらに来るキリト。
この空中からの攻撃を避けるのは、今の彼には不可能だ。
彼の、右肩にキリトの『エリュシ・データ』が振れる。



次の瞬間、彼の目にする光景は帰りを待つ父と母の若かりし日だった。

そして、それぞれの両親の祖父母との出会い。

始めて褒められたこと。

始めて叱られた事。

始めて風邪ひいたこと。

始めて幼馴染に出会ったこと。

友達が出来た事。

ありとあらゆる、光景がフラッシュバックした。

その光景は、かつて見たアメリカ映画で男が命と引き換えに隕石から地球を救ったシーンの様だった。
走馬灯と言う奴だろうか?長い時間のように感じた。


気が付くと彼は柱から落下してた。下半身も無い。理解した。
彼はキリトに切り裂かれたのだろう。見上げるとキリトが見える、


ケイタ「見たくねぇんだよ…」


彼は独り言のようにつぶやき目を閉じた。そして


ケイタ「サチ…」


その1言を呟くと、彼は光の結晶となって消えた。

今回はここまで

キリトがこのSSで初めて殺した所で終わりです。


ではまた


はぁ…来週はいい気分で投下したい…

ジェノバの解説をしていただきたいな

洗脳されてるといっても攻撃翌力はステータス依存のはずですよね?
攻略組と同等なレベルの子供がそんないっぱいいるわけないと思うのですが

こんばんわ!!

今回はお休みです。西岡ェ…


>>372

ジェノバの外見のモデルはエヴァ量産機です。
ですが、中身のモデルは地下鉄で毒ガステロ起こした奴らがモデルです。
死ぬことを、ある種誇りと思っています。
そして、このSSでは討伐隊の多くが相手を[ピーーー]ことを躊躇してるので、
[ピーーー]ことに何のためらいもない彼等との違いと言う事です。
その違いが影響しています。
つまり、精神力>ステータス、という事でこの様な流れになりました。



尤も、このSSでは『バスター・ソード』等のスキルに頼らない武器の存在もありますが…



ではまた。

ジェノバの噛みつきってスキルなんですか?
武器による攻撃ではないのでスキルじゃないと御坂に部位欠損とか無理じゃないですかね

こんばんわ

さて、短いですが投下します。


>>384

『体術』みたいな感じで解釈してました。

では投下



一方通行「おィ」

番外個体「大丈夫、黒いの?」


数分も立たないうちに、一方通行と番外個体の2人がキリトの元に来る。
そこにはアイテム欄を開いたままで立ち尽くすキリト。


キリト「あぁ…」


声に生気がない。彼が戦っていた幹部を殺したことを確認してから2人は降りてきた。それは


一方通行「気にするな、慣れろ。…と言いたいが」

番外個体「前のギルドのメンバーだったんだっけ?」

キリト「うん」


彼をフォローするためだ。
理由はどうであれ、彼は初めての人殺しを経験した。しかも顔見知りを


キリト「…殺す気はなかったんだ」

一方通行「ア?」


何を甘ったれた事を言ってるのかと一方通行は思った。
彼と番外個体も見たが、あの太刀筋は間違いなく、殺意全開だった。


キリト「『還魂の聖晶石』で生き返らせて、力を見せつけたうえで説得しようと思ったんだ。…けど、アイテム欄に無くって。
今思い出したけど、この前整理した時に家に置いといたんだよな。…なんで、余計な事してるんだよ、俺。…都合よく考えてたんだな」


番外個体「うん、都合よく、甘ったれた考えだね。ミサカ、あほらしくてこれ以上聞いてられないよ」


彼の話をぶった切る番外個体。



番外個体「どう考えても、その考えは甘ちゃんだよ。…黒いの、アナタは誰に言い訳してるの?」

キリト「俺は…」


この時、俺は解っていた。俺への言い訳だ。
あの時、俺は明確な殺意を込めてケイタを斬りかかり、手に掛けた。
それは、殺意全開のケイタに対抗するため、あの短時間で導き出した答えだった。
だが、その答えが正しかったのか、俺には


一方通行「悩んでも答えなンか出ねェよ。それに出す時間も無い。それだけだ」

番外個体「そう言う事、悩んでる時間も余裕も、今は無いことぐらいわかるでしょ?」

キリト「…ああ」


内心、この2人でありがたかった。
彼等のこの口調で俺は自分に鞭うてる。
俺は表情を作り一方通行達の方を向く


キリト「行こう、この先に通路がある。そこに行けば上に行ける。上条やPohもそこにいるよ」

番外個体「…そうだね」

一方通行「…なら結構」


一瞬の間、表情は変えてないが目で分かる。
ああ、SAOの感情再現ソフトの完成度に驚かされるのはよくある事だ。
…2人は歩きだし、俺を抜いて奥の通路へ歩き出した。その抜きざま


一方通行「オィ」


一方通行が俺に声をかけた


一方通行「本当に大丈夫なンだな?」


俺は彼に笑顔で答える。嘘の回答。


キリト「あぁ、大丈夫に決まってるだろ?」


そりゃ頬に涙が伝っていたら嘘だと直ぐに解る。
俺自身、涙が伝わる感触が頬に生暖かく感じる。
高性能なゲームだと、俺は改めて実感した。


一方通行「そうかァ…なら結構」


しかし、その事を触れることなく2人と共に俺は足を動かしだした。

ただ、この妙に冷めた言葉は、彼等の経験からなのかと思った。

割り切る事は大事だ。……辛い事だけど。

今回はここまで。

ではまた。

続きまってる!

けど、アインクラッド編だけでなく。フェアリイ・ダンス編もやってほしい。
無理ですか?

それな
無理でもキャリバーとかそこら辺の短編をやって欲しい
それも無理なら仕方ないが
1乙

こんばんわ


>>399

FD編は特に考えてませんね…

どちらかと言うと、キリト達が現実世界で今までのVRMMOのような事を体感するようなSS書きたいです。

例えば、アスナの親父さんの企業がとある企業と提携し
その後、とある物を試作、同じころ獄中の須郷が自殺を図り死亡、だが蘇生。
そして、キリト達の元にとあるベルトと旧型携帯電話が届く。

この様な感じですね。


>>400

ぜ、善処します。


では投下。



うらやましかった


「おい!なにしてるんだよ!?」


なつかしかった


「また、けんかした」


2人といた時間


「オイ!―――缶けりしようぜ!!」


「大丈夫。一緒にあそぼ」


もどりたかった。



だけど


カダージュ「へああああああああああああああ!!」

浜面「ッツ!!」


無理だよな。



浜面「ッツ!?」

カダージュ「どうしたァ?かくれんぼばっかで、お兄さん超飽きちゃったぞう?…」


物陰に隠れてる浜面。情報の少ない『弓』と言う遠距離武器に対して、正しい戦法だ。
先ほどと違い、破壊不可能の物なので壊される心配もない。が、カダージュが優勢なのは変わらない。


カダージュ「早く出てこいよ~超暇なんだよ~」


言葉に余裕を持たせて、まるで隠れ鬼の様に浜面を挑発するカダージュ。
実際、浜面はHPは高いが『バトル・ヒーリング』スキルは無く、回復アイテムも無いが、彼にはどちらもある。
この戦い、長期戦になればなるほど浜面に勝機は無くなるだろう。


カダージュ「おいおい。俺の女に手を出した罪、とかドヤ顔で言ってたのは何処の金髪ですかあ?超はったりですかァ?」

浜面「なら、御望みどおりにッ」

カダージュ「ッツ!?」


が、この状況、少なくともカダージュ自身は圧倒的有利とは思っていない。それはこの男の


浜面「ドオオオオオォォォォ!!!」


泥臭い根性による物なのかもしれない。

腹の底からの叫び声と共にカダージュに斬りかかる浜面。
『ソニック・アロー』で受け止めるが、彼の力と気迫が合わさり通常よりも重く感じる。
『ソニック・アロー』は両端が刃になっており、『ダガー』のスキルが発動できるトリッキーな武器だ。
無論、弓矢のスキルも使える。この場合、『零距離』で『弓矢』のスキルを放つのもいいが


カダージュ(超残矢が!?)


そう、『弓矢』最大の弱点。それは『残矢』 、つまりは残りの弾数を気にしながら戦闘を進めなくてはいけない事だ。
そして、『ダガー』『弓』の両方を使える『ソニック・アロー』のデメリット、全てのスキル威力が半減がある。


浜面「弾数は、常に気にしながら戦うのが常識だぜぇ…女顔ォッ!!!」


彼の心を読んだかのように、更に力を入れ斬り込んだ浜面。
『ソニック・アロー』は破壊できなかったが、カダージュに太刀傷を負わせることは出来た。


カダージュ「ヌヴッ…調子にのんなッ!!」


彼はそのまま後退しながら、矢を2発放った。
1発目は牽制…と言うより斬られた直後なのでまともに照準も合わせられなかったが


カダージュ(マジか!?)


2発目は幸運にも浜面の顔面に命中コースだった。嬉しい誤算…だったが


浜面「よっ」

カダージュ「え!?」


その誤算は、嬉しくない誤算になった。
あろうことか、浜面は弓をまるで夏に跳ぶ蚊の様に握り掴んだのだ。
これには、後方にてカダージュと同じ武器『ソニック・アロー』で雑魚無双をしてた土御門も


土御門(うっそーん…)


驚愕の表情。


浜面「1回やってみたかったけど、案外簡単にできるんだな」

カダージュ(いや、超簡単って何だよ!?)


まるで、始めて逆上がりをして出来た時のような感想を口にしながら、掴んだ矢を投げ捨てる浜面。


浜面「さーて、いい加減にしたらどうだ?」



カダージュ「ッツ!?」

浜面「俺は殺してもいいんだが、こっちの大将的にはお前らをなるべく拘束したいんだ。解るよな?で、滝壺の場所を言え」

カダージュ「…そうか」


浜面「こちら側の最大限の譲歩だ。
本来はお前をこの場でぶった切ってしまいたいが、冷静に考えれば、聞きたいことが山ほどあるしな。そして滝壺の場所を言え」


カダージュ(…あぁ。そうか)


彼はそう遠くない昔の記憶を思い出していた。
あの日、鴨川の河原で大喧嘩したあの日。親友と大喧嘩したあの日。デジャヴだろうか?
デジャヴだろう。それはこの男が似てるから、そして喧嘩の原因となった女が


浜面「滝壺は何処だァ!!」


この男の彼女に似てるから。

現実世界に残してきた親友2人に。

汚れすぎて、合わせる顔がない2人に。


カダージュ(ゴメンな…幸せになってくれよ)



カダージュ「知るかァァァァァァァァ!!!!」


アバター全体を振るわせながら突っ込んでくるカダージュ。それはまさに


浜面「特攻かよ!?」


浜面の言葉も無理もない。
今のカダージュには余りにも隙が多く、自爆ともいうべきものだった。
その瞬間、浜面はカダージュと理解できない解り合えないと判断した、殺意全開で突っ込んでくるカダージュに浜面も全力で答える。


浜面「ッツ、オオオオオオオオオオオオ!!!!」


彼も走り出し、その叫びを空間に響かせながら。



土御門「なんだ!?」


雑魚を片付け終えた所に響く剣劇音。
土御門は振り向くが、先程より浜面たちと離れてしまったため様子が解らない。


「つちみかど!!」


そんな中、女の声が響いて彼を呼ぶ。


土御門「滝壺か!?」

滝壺「うん」


ひょっこりと岩陰から顔を出す彼女。
走ってきたのか、肩で息をする彼女は不自然であった。


滝壺「はまづらは!?」


そして、真っ先に浜面の事を気にするところは彼女そのままだと、土御門は内心思った。


土御門「すぐそこだ。行けるか?」


滝壺「もちろん」



土御門と滝壺が、浜面とカダージュが戦っていた空間にたどり着く。そこで見たのは


浜面「ふぅ…」


息を吐きながらゆっくりと納刀してる浜面と


カダージュ「…」


そこに立ち尽くしたカダージュだった。


土御門「何が…」

滝壺「…もしかして」


状況が理解できない土御門に対し、滝壺は理解してしまった様子だ。
そしてその答えを納刀し終え、冷めた表情で浜面が


浜面「…『九頭龍閃』」


そのスキル名を呟く。


次の瞬間、カダージュの頭、肩、胴、小手、膝等合わせて九つの場所がめり込み始めた束の間、アバターは九つに弾け飛んだ。



カダージュの爆散する音を背中で聞き終えた浜面。
その顔は知る者が見たら、ロシアから帰還直前の時の表情そのままだろう。そう、知る者が見たら


滝壺「はまづら…」


その知る者の1人が声を掛ける。
そう、彼の大切な思い人。彼は振り返って己の目で確認する。


滝壺「大…丈夫?」

浜面「たきぃぃぃぃぃぃぃぃつぅぅぅぅぅぅぅぼぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


彼女の姿を確認した瞬間、彼は涙と鼻水を盛大にこぼしながら滝壺へ飛んで行った。比喩ではなく。
仮に、この光景を初春や佐天が見たら「白井さんみたい」とドン引きしながら例えてただろう。
先ほどまでの、自分の女の為に殺しあってた男は何処に行った?


浜面「大丈夫か?何もされてないか?AVみたいなことされてないか?汚されてないか?あ、俺が汚したんだ。
脅されてないか?元気か?宿題忘れてないか?結婚しないか?幸せ家族計画!子供作ろう!!無事か滝壺!?」


滝壺「お、おおぅお」

土御門「きもい」


心配してた気持ちがストレートに出て来たのか、とんでもない早口で支離滅裂な言葉を滝壺に送る浜面。
土御門がこぼした感想など、彼の耳に入ってないだろう。
そして、肝心な滝壺に至っては、その早口を処理できていない。


滝壺「はまづら。落ち着いて」

浜面「わん!」

土御門「えぇ…」



さほど時間を掛けずに浜面は落ち着いた。そして、フレンド登録や、来ていたメッセの読み込み、アイテム装備関連を整えながら、滝壺はカダージュに拘束されてる間の話をした。


浜面「つー事は、マジで何もされてないと?」


滝壺「うん。むしろ高待遇だったよ?」

浜面「なんだよ…」


肩の力が抜けた。カダージュが言ってきた言葉を鵜呑みしてた浜面は、滝壺が上の階でエロ同人のような目にあわされてるのかと本気で心配してた。が、実際は謎の高待遇であった。ひょっとしたら、滝壺が浜面を心配させない為にウソをついてる可能性も十分に考慮されるが、彼女との付き合いがこの世界では1番長く、尚且つ特別大切な存在の浜面だからこそ分かる。彼女は嘘をついていない。そして、空気の読める土御門はその様子を浜面の態度で察した。そして思う


土御門「しかし、何故カダージュは滝壺を高待遇で拘束したんだ?
つか、話を聞くと、悩み相談を受けてたんだろ?自分語りを聞くだけの?」


滝壺「うん…」

浜面「で、その内容は何だったんだよ?」


彼女はカダージュとの会話の内容はほとんど話してなかった。
何故なら、あまりにも重くて不幸な事実だからだ。


滝壺(きぬはたと…兄妹だったなんて…)


そう、彼女がカダージュから聞いた、問われた話。
それは、彼が絹旗と双子の兄妹である可能性がある事だ。…いや、事実であろう
。彼女はカダージュに対し、生年月日、血液型などを問いた。それらは見事に絹旗最愛と一致したのだ。そ
して彼の顔、それは仮に絹旗が男だとしたら、そのまんまであろう顔だった。その声質も、何処となく絹旗に近い物だった。


浜面「…滝壺?」


黙り込んだ彼女を心配そうに覗く浜面。
彼女からしてみたら言えるわけがない。
同じ『アイテム』の仲間である絹旗の兄妹であった可能性のあるカダージュを殺したのは、彼女の大切な人である彼だ。が、


滝壺(言おう)


彼女は決心した。


滝壺「はまづら…」

浜面「ん?」

滝壺「落ち着いて聞いてね?」

浜面「お、おう」

滝壺「………………………………………………………………かだーじゅって」

浜面「あの女顔が?」

滝壺「…………………………………………………………………きぬはたの…兄妹だったんだって」

土御門「なっつ!?」


驚愕する土御門。
同じ暗部だが別組織『グループ』に所属していた彼でも知っている。だが、当の浜面は


浜面「…なぁ?」


反応が違う。滝壺はこの後「嘘だろ?」みたいな反応を取ると思っていた。土御門もだ。
が、彼の反応は全く違う。…いや、アリエナイ言葉が返ってきた。


浜面「絹旗って…だれ?」

滝壺「え?」


ジョークか?いや、この状況で言う意味が無いし、先の言葉にジョークで返すのはあまりにも無神経すぎるし、
何より彼がジョークを言ってる素振りが何もなかった。純粋に聞いていた。




今思えば、私は御坂さん達の事を全て理解できてなかった
。一方的に、その時の状況『血盟騎士団、副団長』の立場を優先させたのだと思う。
あの時の決断を、私は未だに正しかったのか、わからない。
ただ、自分に弁解するなら、あの時私はこれしかない。と考える余裕しかなかなかった。
仮に御坂さん達の様に大切な後輩、親友と瓜二つの人物が目の前に敵対する形で出てきたらどうなるか?
残念だけど、SAOに居る時点での私には考えられなかった。
母親の言う通りに生き、結果を残し、学校でも周りの人たちとはある程度のコミュニケーションを取りつつも、
自分の中身をすべて出した事は無かった。
そう、SAOに閉じ込められて、キリト君、美琴さん、リズベット、上条君、ワーストさん。
私はこの世界で出逢った彼等のおかげで生まれて初めて自分を好きになれた。素直になれた。

だけど、ふと考えた事もあった。みんなと出逢ってなかったらどうなっていたか?
あの時、兄の『ナーヴギア』を使わなかったら、あの洞窟でキリト君に出逢っていなかったら。
どれも、納得いく答えが出なかった、出るはずも無かった。
けど、その1例はこの日、思わぬ形でその例に遭遇した。
いや、『SAOタイムス』本社を強襲した際に手に入れた情報で解ってたのかもしれない。どうなるかを。
その結果が目下にいたから。

その前に、その結果と戦うことになる私の友達に、事実を指摘されて動揺してる私の友達に。


「な、なんのこと?」

「とぼけないでッ!!」


激を飛ばした。空間を木霊する私は冷たい声で。

問いただされてる彼女の声は動揺を隠しきれてない。


「何で、今そんな事したの!?」

「そ、それは…」


言葉が詰まる。その答えは既に本人も解ってるからだ。そう


アスナ「答えてよ!御坂美琴さん!?」

御坂「ッツ!?」


美琴さんには。

何時思い返しても、この時の私はとても冷たくて嫌な人だったと思う。


だけど、その時の私は美琴さんの友人のアスナではなく。『血盟騎士団』副団長のとしてのアスナとしてだった。

今回はここまで


ではまた

こんばんわ!!

最近、隔週になって申し訳ないです。


では投下!!



アジト中心部。
キリトがケイタと死闘を繰り広げた場所の下で、同じように『結晶柱』が生える空間にて、響く凛としたアスナの声。


佐天「ち、ちょっと、アスナさん」

アスナ「あなたもよ!?佐天さん!!」


その声は地上にて気絶したユフィを抱える佐天にも向けられる。
その声はいつもの友人としてのアスナの声ではない


アスナ「今の状況解ってるの!?」


『血盟騎士団』副団長としての声だ。


アスナ「…もう1回質問するわね」


そして、先程の問いをもう1回、御坂美琴へ投げつける。


アスナ「何で手を抜いてるの?」


この問いが、先程アスナの声が木霊した理由だ。



御坂「だからどこを抜いてるのよ!?答え次第ならアスナさんでも」


アスナ「さっきの攻撃。『バーチカル』よね?何であのタイミングで発動させたの?おかしいよね?
何時もならいったん後退して『スイッチ』するのに」


御坂「そ、それは状況がたまたま」

アスナ「他にも、佐天さん。何であんなに大振りなガードなの?」

佐天「それは…この『ウータイ』から出る液体から守るために…」


トーンが落ちている。図星を突くべきか?


アスナ(…時間が惜しい)


突くことにした。しかし、それは不毛な衝突になるだけかもしれない。
だが、必要だと彼女は思った。それは、この世界での1年以上生き抜いてきた経験からである。そう、共に生き抜いてきた仲間だから。


アスナ「あなた達はユフィさんに、シライクロコさんを重ねてるだけ!
傷つけないようにできるだけ攻撃を避けて、スタンさせようとしている。違わない!?自分たちのエゴで!!」


御坂「違が」

アスナ「違わないよね!?」


美琴の反論の前に、ドスの効いた声で更に念押しするアスナ。
更に、視線でも美琴に釘指す。美琴も視線だけはやり返してるが、その瞳は正直だった。
だがそれ以上に、アスナの瞳には美琴以上に複雑な感情が折り重なっていた。


御坂「…ルノヨ」


アスナ「何?大声で!?」

御坂「アスナさんに何が解るのよ!その娘は黒子に似ていて、声も同じなのよ!?」

アスナ「だから何なのよ!その子はシライクロコさんじゃないでしょ!?」

御坂「姿形、声まで一緒の人が目の前に現れてもアスナさんは動揺せずにいられるの!?親友そっくりの!?」


アスナ「そんなの居なかったわよ!!
今までに私に、私に居たのは…私に居たのは、お互いを…競争相手としか見ない人たちだけ!親友と言える人はいなかった!!
この世界であなた達に出逢うまで!!」


御坂「そんな…」

佐天「アスナさん…いきなり何を?」


彼女の唐突な自分の現実での話をされて動揺する2人。それもそうだ、あまりにも唐突過ぎる。
が、それは2人とアスナとの立場の違いから、そうギルドの違いからだ。何故なら


アスナ「…ねぇ、知ってる?今『血盟騎士団』で何人亡くなったか?」

御坂「へ?」


彼女の問いに2人は答えられるはずもない。
それは2人は『ヒーローズ』所属なのに対し、アスナは『血盟騎士団』所属だからだ。


アスナ「もう10人超えてるのよ…知ってる?アサヒやシキシマも…」

佐天「嘘!だって…って!?」


彼女の言葉で慌てて自身のフレンドリストを確認する佐天。
そこには間違いなく登録されてた『血盟騎士団』の2人、しかも隊長2人の名前が無かった。


アスナ「美琴さん。…あなたが最初に誘拐されたのは確かに不意打ちだったかもしれない。
…けど、けど!貴女が自分の持てる力を最大限に使わないと、被害は増えるだけなのよ!
今の私は確かに『血盟騎士団』として、副団長として言ってるから美琴さん達には受け入れられないかもしれない!
けど、あなたが彼女をシライクロコさんに重ねてる上で、そんな手を抜いてたら、多分、シライクロコさんは!」


「ものっそい、不機嫌になるやろうなぁ…。ウチみたいに」



ゆらりと、薄暗い声が響く。そう、ユフィの声。彼女はゆらりと立ち上がる。
無論、傍にいた佐天は慌てて距離を離す。美琴やアスナが言い争いをしてる時間。
常識的に考えれば目が覚め、更に『ダメージ・ヒーリング』のスキルでHPも回復できる。


アスナ「あら、お早いわね。…で、何処から聞いてたの?」


が、それを狙ってたかのような態度のアスナ。
いや、狙っていたのだろう。


ユフィ「…最悪や」

アスナ「全部ね。…で、狸寝入りまでして、話を盗み聞いてた感想は?」

ユフィ「同じ言葉を2回も言わすきかいな?」

御坂「そう…よね」


美琴が呟く。考えてみたらそうだ。
仮に、黒子と美琴が敵対関係だとしてぶつかった場合、手を抜いたらどうなるか?黒子は気を悪くすることは目に見えている。
それはまるで、学園都市にて、部活の試合で自分より低いレベルの能力者、無能力者チームに手を抜いて挑むのと同じような事。
彼女はその様な事をしないように接してきた。が、結果はコレだ。


佐天「何してるんだろ…私」


同じように、ユフィよりも高レベルの佐天も自己嫌悪に走る。
彼女は現実にて、それは1番わかってた事だ。
『レベルによる絶対的な違い』、何より、美琴や黒子と会った時にはそれを意識してたのは佐天自身だ。


ユフィ「何でなん…」


立ち上がったが、力なく崩れ落ちるユフィ。
その声、態度にはやはり力がない。抵抗する意思、姿勢も。



アスナ「…抵抗する意思は?」


近づいてきたアスナが高圧的にユフィに問う。
彼女はその問いに、しばらく俯き


ユフィ「…あらへん」


答えた。投降である。


アスナ「ならば、現時点で『血盟騎士団』副団長、アスナの名のもとに、ユフィ、貴女を拘束します。いいですね?」

ユフィ「ほな」


彼女は武装、それにギルドの所属も自力で解除していく。あまりに素直で不審に思う。
『血盟騎士団』副団長として、先程まで上から目線全開の態度だった彼女だが、ユフィの素直さに作っていた表情が崩れそうになる。


アスナ(なんで?…何を考えてるの!?)


そんな彼女にユフィは視線を送る。
アスナにとって経験した事ある、嫌な目線。


アスナ「ッツ!?」


理解して送ったのか、はたまた偶然なのか。
彼女達にユフィの真意は、今の時点では謎のままだった。


御坂「アスナさん?」

佐天「何したの!?」


アスナの表情の僅かな変化に直ぐに気が付くが


アスナ「…何でもない」


再び、彼女は副団長の表情に戻る。


ユフィ「それより、はよウチを早くあのガレオン船『インターセプター号』に連れてってーな。連行するんやろ?
…あ、ウチこれでも幹部やさかい、護衛3人の高レベルプレイヤーで言った方がええやろうなぁ。
自分ら、『回廊結晶』の類は数が少ないんやろ?」


引っかかる言葉。
なぜ、彼女は船の名前を知っているのか?何故、『回廊結晶』が少ないのを知ってるのか?
疑問に思うがここは置いておこう。何故ならば


ユフィ「時間、無いんやろ?余裕、無いんやろ?仲間がしんどるんやろ?急がな、あかんなぁ?副団長はん」


そう、先程アスナが言った通り、時間も余裕もない。


アスナ「…美琴さん、佐天さん」

佐天「…いいですよ」

御坂「やるわよ…」



アスナは2人に彼女を『インターセプター号』まで送る間の護衛を頼んだ。しかし、煮え切らない。
まるでユフィの手の上で踊らされてる様だ。


御坂(仮に、黒子だったらこの状況でも諦めない。それは結標淡希の時もそうだった。…だったら何、この余裕?)


考えるが答えを導き出せない。佐天やアスナも表情を見る限り何かを考えてる。が、答えが出る雰囲気ではない。
ひょっとしたら…考えたくもないが、最近、黒子の事を思い出せなくなってるのに関係あるのか?


ふとその時、美琴は、アホな展開で彼女は認めたくないが、システム上結婚してしまった上条当麻のステータスを見る。


御坂(へ?)


見た瞬間、彼のHPは既にレッド、更には状態異常でもあった。
が次の瞬間、彼のHPは全回復した。


御坂「何が…」


素直な感情を、彼女は口に出してた。



上条「ナッ!?」


そんな上条当麻だが、彼は絶句していた。何故ならば


ホウジョウ「グワッ!」


自分と会い見えてたホウジョウが、『ラフィン・コフィン』のNo.2のホウジョウが背中から攻撃されたからだ。
別に彼が強いから背中から不意打ちしかない、と言う訳でない。
彼は正直、上条から見てもかなり弱い。ユフィの方がよっぽど強い。
そう、彼位なら高レベルのプレイヤーなら堂々と倒せる。
そう

上条「なん…」

ホウジョウ「何で…何で、あなたが!?」

「何故?…そうだな」


この妖艶な七色の声質の持ち主なら尚更だ。
その主は、有るはずのない血液を振り払うかのように、大型のダガー『友切包丁』を振るう。
しかし解らない。


Poh「やはり、あなたの美的感覚と私の感覚、解り合えない。…いや、理解できないからだ」


『ラフィン・コフィン』ヘッド、Pohが何故、ホウジョウを攻撃したか。
その時の上条当麻には解らなかった。

いや、今の状況を正確に把握できる者は、この世界には1人しか居なかった。

今回はここまでです。


浜面のスキルの九頭龍閃がウケててちょっとうれしい世代の>>1です。


一応、このSSでの設定として、『カタナ』には【るろうに剣心】が元ネタのスキルが何個もあります。
ですが、かなり前に述べましたが、この世界の『カタナ』にはクラインが使う打刀と浜面が使うの太刀の2種類があります。
其々、打刀は【飛天御剣流系統】、太刀は【倭刀術系統】のスキルになります。

で、ここで「あれ、九頭龍閃って【飛天御剣流】じゃね?」と疑問に思います。ええ、正解です。
では何故つかえたか?一応、打刀、太刀両方で其々のスキルは使えますがデメリットが存在します。

打刀で【倭刀術】を使った場合、スピードがかなり無くなります。
太刀で【飛天御剣流】を使った場合、スキル発動後の停滞時間が尋常ではないほど伸びます。

ただ、威力は差して変わりません。ですので、浜面が使用した九頭龍閃も強いのです。

こんな所です。



ではまた

ついにシキシマさん達が退場されてしまわれましたか……

つか、記憶なくすって

上条さんかよwwwwww

こんばんわ。

>>431

自分の作ったオリキャラですが、悲しんでもらえると何か嬉しいです。


>>432

それが重要なポイントなんですよ!!


では今晩も行きます!!


では投下



理解できない状況。彼は何度経験した事があるだろうか?
このゲームに閉じ込められて1年近く。そして、記憶を無くしてからの1年近く。
いや、あの日、病院のベットの上で目を覚ましてから上条当麻は何度、理解できない状況に遭遇しただろうか?
古い記憶だけでも、カエル顔の医者に告げられた自身の状況、自分が守ったらしい銀髪のシスター。
数えたら限がない。そう


ホウジョウ「言ってる意味が、解らッ!!?」


この男が斬りつけられながら叫んでる言葉を、彼も頭の中に多々浮かべる。何故ならば


Poh「先にも言った。私とあなた、価値観が全く違う。そうは思わないかね、カミジョウトウマ君?」


彼にも、この男の考え、行動が全く理解できないからだ。

『ラフィン・コフィン』のヘッド、Pohと、
旧『神羅』のリーダーで現『ラフィン・コフィン』の幹部ホウジョウなら、上条はPohの方がかかわりは長い。
と言っても、友好関係ではなかったが。ホウジョウについては、先程まで戦いながら向こうの主張を聞いてた。
バトルセンスについては、とてもではないが上条の足元にも及ばない。
が、そこは『状態異常』を起こす武器では最強レベルの武器『バズビーズ・ソード』を所持してるだけの事はある。
HPをかなり削られたが、『イマジン・ブレイカー』で防具に関しては破壊した。


ホウジョウ「そもそも何故、何故彼に『治癒結晶』を使った!?
あと1歩、あと1歩で彼を倒し、この戦の流れを、大義を、我らの物に出来たと言うのに!?」


そう、彼ホウジョウをPohが背中から斬りつけホウジョウがよろけると、上条を治療したのだ。
これだけでも訳が分からない状況。HPは回復したが、まだ痺れが取れておらず言葉は出るが動けない。


上条(どうする、静観するか?いや、どう考えてもPohの一方的な戦いになる。けど、ホウジョウは)

Poh「助けようと言うのかね?この男を?」

上条「ナッ!?」


考えを読まれる。


Poh「…君は、目の前で助けを求めてる人間、助けが必要だと判断した人を助けられずにはいられないようだね。
優しい者だそう、彼と同じか」


上条「ハァ!?」


Pohの言葉に驚愕する上条。彼は何と言った?ホウジョウと同じ?自分が?ありえない。
正直、上条はここ数十分彼の目的を探るために、彼の攻撃を受けながら彼の言葉に耳を傾けていた。
が、とてもではないがホウジョウはかけ離れた存在だと現時点では思ってた。


ホウジョウ「その子供が、その少年が、私と根っこは同じだと言いたいのですかアナタは!?」

Poh「…少なくとも、私にはそう見える。彼が、若き力のある者なら、アナタは老いた力なき者だ」

ホウジョウ「それは『学園都市』と言う実験場にて、国家権力や知識欲に溺れた科学者たちの実験のはてのモルモットだから!!」


Poh「言ったであろう。私は、彼は他の学園都市の青年たちと違う物を感じる。
…この、電子の世界でもな。少なくともこの少年が今思う目的は叶えられるだろう。…この世界ではな」


背筋を舐められるような不思議な感覚に陥る上条。
Pohの声、雰囲気。7色の声とはよく言った物だ。
その七色の声を引き立たせるかのように、Pohは舞うようにホウジョウの攻撃を避ける。
その妖艶な舞は、剣の光も相まって、この男の底知れない狂気を表しているものだ。その踊りをPohは止める。


Poh「そして、私は同志への手向けの言葉を贈らなければならない…そして、彼に私の作品を見せてあげよぅ」

ホウジョウ「は?」

上条(何を言って…ッ!?)



その時、上条は今更ながら気が付いた。ホウジョウの体には極細だが線が引かれてる。
赤黒く光る線、『太刀傷』だ。先までPohはホウジョウの攻撃を舞うように避けてた。
光る剣がその動きをより…光る剣


上条(スキルが発動してた!?でもホウジョウのHPは!?)


減っていない。
そう、彼は先ほどPohが後方から斬りつけられてから、彼の攻撃を喰らっていない。


ホウジョウ「こ、この線は!?」


ホウジョウも、気が付いたのか己の体を見回す。
だがその時、フードから僅かに見える口元は笑ってた。Pohが。


Poh「…イッツ・ショウ・タイム」


その口から放たれた言葉の直後、ホウジョウの体は弾けた。
…いや、分離したの方が正しいだろうか?


上条「…あッ」


そこにホウジョウ?は立っていた。
いや、ホウジョウと認識できる物が立っていた。
それにはしっかりと『Hojo』と表示されてるからだ。では何が立ってるのか?

赤黒く、光る人型の物。それはアバターを包丁などで丁寧に皮膚の部分を剥いたような物だ。


Poh「…どうかね?私の作品。この『スキル』を使って製作したのはアナタが初めてですよ、ホウジョウさん。
そして、観覧者第1号のカミジョウ君。是非とも感想を聞きたいね」


よほど自分の思い描いた作品が出来て上機嫌なのか、双方に感想を求める製作者のPoh。
だが、当事者のホウジョウは勿論、上条も答える事が出来なかった。理解の範疇を超えてるからだ。
外見の急変は勿論、HPも先までグリーンだったのが、レッドになってる。
この間、1分もかかってない。まさに一瞬。


Poh「ん?おっと、私としたことが、仕上げを忘れてた」


そして、彼は仕上げに入るために『友切包丁』を握る右手に力を入れた。


上条(アイツ!?)


この動きに上条は気が付くが、ホウジョウは気が付いてる様子は全くない。
おそらく、まだ頭の中の整理が出来てないのだろう。


上条「ヤッメェェェェ!!!」


叫びながら上条当麻は飛び出た。
この時、まだ『状態異常』は治って無かったのは誰もが知らない。
上条自身はホウジョウを完璧な芸術作品にしようと、仕上げを行おうとしてるPohを止める事だけしか考えてなかった。



結果、作品は完成してしまった。

Pohの行った仕上は、ホウジョウのアバターの胸部に5連続切りにて、星の形を模した切り傷を入れる事だった。
それを見れたのはPohと上条だけであった。


上条「フェアッ!!!」


が、上条はその作品を凝視することなく、がむしゃらにPohに拳を向けた。


Poh「ふん…」


無論、スキルも何も発動させてない、がむしゃらな右ストレートを避けるのは容易い。
ふわりと後方にジャンプし、上条と距離を取る。
部屋に、ホウジョウの絶叫と彼を構成してたアバターの光が舞う。



Poh「…少しは心に余裕を持たせられないのかね?素晴らしい芸術作品ではなかったか?」

上条「何が芸術作品だ!人を殺して…人が目の前で死んで心に余裕も何もあるわけねえだろ!!」


Poh「なぜかな?私は無様に生き遅れた彼を最高の芸術作品にしてあげたのだよ?
題名はそうだな…『スペクター・オブ・ソーシャリズム』どうかな?」


上条「ふざけてるのか!?」


Poh「ふざけて作り、人々を感動させるのも、また芸術作品の1つだ!!
ちなみに気に入らないのなら、腹案として『ファントム・レッド』もあるのだが?」


仮に高貴な芸術家が聞いたら、ブチ切れそうな事を言いながらPohが斬りかかってくる。
それをグローブ『ドラゴン・ナックル』の装甲部分で受け止める。
偶然なのか、それはキリトからこの第25層で受け取った物だ。そのグローブで受け止める


上条「グウッ!?」


が、その長年付き添ってきた相棒から聞こえる嫌な音。それは


上条「あっ!?」

Poh「ふん。長い間強化してきた君の芸術品みたいだが、所詮、私の芸術感性の前では追いつかないと言う事だ!!」


『武器破壊』。彼のグローブ、『ドラゴン・ナックル』は砕けてしまった。


Poh「ふふっ」


そんな中、Pohが嬉しそうに息を漏らす。


上条「な、何なんだよ!?」


ストレートに思いをぶつける。


Poh「うれしい、嬉しいのだよ。私はこの世界で深く知りたかった人物が3人いる。そう、3人だ」


興奮の抑えきれないのか、先よりも歯切れのいい口調で『友切包丁』を振り回しながら喋る。
が、そこには薬物中毒者のような下品な感じはない。


Poh「1人は君、もう1人は剣士、そして最後1人は創造主」

上条「創造主!?」

Poh「ほう、流石に剣士は誰か解るか。…が、解るはずだ。創造主の名も」

上条「……茅場…晶彦」

Poh「Exactly」



上条「なんで…何でだよ!?少なくとも剣士はお前らは関わりあるはずだろうが!!」

Poh「…君は、彼がどこにいるのか知らないのかね?」

上条「当たり前だろ!!いたら俺は」

Poh「残念だよ」


がその言葉を境に、彼のテンションは先の興奮状態が無くなっていく。
興ざめしたように。いや、興ざめしたのだろう。
彼は、上条当麻にとある行動を求めていたのだろう。そして、その行動を見届けようとしたのだろう。そう、とある知識があれば。
が、彼にその知識があるように思えない。無知を装ってるふうにも思えない。そんな彼が次に言った言葉は。


Poh「不幸だよ」


皮肉にも、上条当麻の口癖だった。



Poh「不幸だよ。まさか、私の作品となったホウジョウ君の考えが、私の求める作品に1番近かったとは…」

上条「おい!自分で納得してるな!!訳分かんねえよ!!」

Poh「君の、君たちの全ての理解を求めてない。そう、彼の…彼が求めた『天使の世界の革命』と同じようにね!」

上条「何がしたいんだよ!そんな訳の分かんないのに『ラフィン・コフィン』のメンバーを巻き込んだのかよ!?」


Poh「そうだ!彼、ホウジョウに関してはそうだ。
『神羅』に共感した者達を『この世界を新たに生きる世界として決意した者達を守り抜く』と言う、
綺麗ごとで仲間を集め洗脳した、解るか!?」


上条「お前らと同じじゃねえか!?」


Poh「違う。違うよ。…そう、我らの『ゲームを愉しみ殺すことはプレイヤーに与えられた権利』とは全く違う。
我らは権利を主張しただけで、彼等の様に『革命』を求めた物ではない」


上条「『革命』!?」


Poh「そう『革命』だ。彼は、現実で生きてる時から『革命』を求めた。
この国を平等で平和な世界を目指すための『革命』を!が、現実はそれを拒否した。
それに絶望し、世捨て人の様に生きてきたようだがな。…なぜ、私が彼の『革命』を話してるのかな、ここまで気持ちを込めて」


上条「…お前は、その『革命』をどう思ったんだよ?」


Poh「時代遅れの、頑固者の考えだ。…少なくとも、今を生きる人間には古い。それだけだ
。……随分、認めたくない格好だが、君とも話せたな」


上条「は!?」

Poh「お別れだ」


彼はその言葉を言うと、ゆっくりと『友切包丁』を向けた。それと同じように叫び声が聞こえてきた。


「おおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」


その声は、Pohが会いたかった男の、剣士の叫び声。

黒の剣士の声。


その声に、上条とPohは直ぐに反応した。

多くのプレイヤーが雄叫びを上げるときは突進してくるときだ。
無論、キリトも突進して来てる。声のトーンで分かる。だからPohは『友切包丁』を動かしガードの体制に入った。
上条は動揺した、彼がカウンターに巻き込まれるのではないかと。


それは無駄な心配だったと、結果論で言えた。



2人の予想通り、声の主はキリトで


キリト「ゼアアアアアアアアアアアアアア!!」


剣を突き刺して突進してきた。そしてPohの『友切包丁』でガードされた。


Poh(フッ)

上条(アッ)


『友切包丁』にガードされた剣が2人の視界に入る、黒い剣先、彼の愛刀『エリュシ・データ』だ。

この時、2人とも思った。キリトがカウンターを喰らうと。そう、そう思った。銀の、鉄の刃先が見えるまで。


Poh(な!?)


それに気が付いたのはPohだった。ガードしたはずなのにHPが減り、斬られてる。

二刀流で無ければあるはずのない剣先、剣。

だが、現に切られてる。斬られてるのだ。2個目の剣で。


キリト「ヘアッ!!」


キリトはPohの左肩を切断した。


上条「キリト!?」


その動きに反応できた上条がキリトに声を掛けるが


キリト「わり、答える時間がもったいない」


詳しくはその時には答えなかった。
次の瞬間、彼は星の様に早く思い16連続の攻撃をPohに叩き込んでいたからだ。そう、『二刀流』の。



『二刀流』そう、このSAOにて誰もが憧れるスキルで、あるはずがないと思われてたスキル。
そう、あるはずがないと思われてた『スキル』。だが


キリト「はぁ、はぁ、はぁっつ」


目の前の黒の剣士は何をした?両手に持つ剣を其々光らせスキルを発動し、Pohを斬ったではないか?


上条「お、お前?」


キリト「ハア、ハァハァハァ、ッツッヲ!」


嗚咽のような声を出すキリト。それが、彼が今行ったスキルについてけない事を表してる。
そして、嘘のように彼が左手に装備していた剣が耐久出来なくて消滅する。
そう、耐久率では現在の所『アインクラッド』最高と言われた『バスターソード』が。


Poh「ナッ…なにを」


そして、そのスキルを喰らった男が黒の剣士に問う。


Poh「何を・・したあ?」

キリト「…俺にも、今はまだ解ってないんだよ。……だけど、だけど!!」


残った剣『エリュシ・データ』をPohに向け剣士は叫ぶ。


キリト「お前に聞くことは決まってる!!!ケイタ…セフィロス、サチの事だ!!」


凛とした声に表情、それに似合わない怒りと憎悪に満ちた眼で問いただすキリト。


Poh「…答えよう。だが、ここではない。この世界ではない。電子の世界でない」

上条「なら、俺の問いに応えろ!お前は、お前は何がしたいんだ!?」


感情全開の問いに対し


Poh「…その答えはカミジョウトウマ君、君には言えぬ。黒の剣士に、今後答えよう。今は」


言葉の途中で彼はキリトが飛び出してきた通路の方を見る。そこからは、男女の声が聞こえる。


「ゴラァ黒いの!!ミサカの『バスター・ソード』パクって何し飛んじゃァ!?」

「少しはこっちの事を考えろや、三ン下がァ!!」

「アナタの方が下だろうがァ!!」

「ンだとォ!?」


痴話喧嘩の様に聞こえるがこれでも援軍だ。そして。


Poh「私は表舞台から消えるとしよう。そう、表から。…いや、戻るのか?どちらにせよ、カミジョウ君とは二度と会う事は無い」


上条「ちょっと待て!?」

キリト「どういう事だ!?」


彼等の疑問に、答えぬままPohは話を進める。しかし、それは何とも言えない方向だった。


Poh「その代り、私からのお詫びはこれだ」


そう言うと、彼は『アイテム欄』からとある物を実体化させた。


Poh「『アルティマ・ウェポン』。この島の支配の為に必要な両手剣だ」

上条「は!?」


唐突な行動に動けない2人。


Poh「そして」


彼は自身のネーム欄を巨大化させる。


Poh「私の答えはこれだ!」


彼の答え。それは直ぐに解った。それは彼の所属してたギルドマークの消失。すなわち


Poh「『ラフィン・コフィン』の解散だ」


なのだが展開が速すぎる。ついて行けない。


Poh「ではまた」


キリト「おい!?」


畳みかけるように、Pohは持っていたアイテムを発動させた。『転移結晶』



一方通行「ヒーロー、キリトォ!!」

番外個体「Pohは!?」


彼等の問いに応えられる者がいるか?


上条「いや…」

キリト「わかんねぇよ。本当に、何が何だか……教えてくれよ。何なんだよ、何なんだよォォォォォ!!!!」


そこに響いたのはその場に居た者全員の思いだろう、黒の剣士が叫んだのは。
しかし、言えることがある。『ラフィン・コフィン』の反乱はこの時に終わりを迎えた。



納得できる者など、皆無であった。

今回はここまで。


上条さんの活躍が難しいよォ…」:


ではまた

こんばんわ!!


年末やらクリスマスやら忙しくて遅れて申し訳ありませんでした。


さて、投下します!



上条当麻は思い出していた。
ここまでスッキリしない戦いはあったかだろうか?
敵対する相手が明確に死亡した例は、左方のテッラがいた。ホウジョウもそうなるだろう。何処から整理すればいいか?


土御門「カミヤン!!」

上条「ほ!?」

土御門「ほ!?じゃねーよ。ほ、じゃ。…耳がバグったかにゃ~?」

キリト「少なくとも、コイツはさっき『治癒結晶』つかってるよ」


視界に土御門とキリトが入る。現在、彼等がいるのは『インターセプター号』の甲板。でその船は今まさに


番外個体「ちょっと野武士面、ぶつかるって!!」

クライン「しょうがねーだろ、船操縦するの生きててこれが2回目だぞ。無茶言うなよ!」


ヒースクリフ「いや、ここまで来たら後はシステムのアシストでオートでやってくれる。
アクセラレータ君、岸壁に居るエギル君たちに縄を」


一方通行「へいへィ…チンピラァ!!」

浜面「あいよッ!!」


第25層『フィッシャーマンズ・ホライズン』の北部の港に接岸するところだった。


エギル「受け取ったぞ。ここに結べばいいのか?」

浜面「光ってる場所に持ってけだってさ」

リズベット「…普通、こういうのは男の役目だろ?重くないけどさ」




接岸すると上条とキリトはヒースクリフに呼ばれる。


上条「…何だよ?」

ヒースクリフ「フフッ、役目だよ。お互い『ギルド』の長としてのね?」

キリト「俺はギルドには属してねえぞ?」

ヒースクリフ「でも、君は今回の『英雄』の1人であることは間違いない」

キリト「『英雄?』…何かの間違いだろ。俺は」


その言葉の続きは上条にも予測できた。『人殺し』。
確かに、彼はセフィロスこと『ケイタ』を含め複数人を殺したのは事実だ。
上条はその場にいなかったが、明らかに雰囲気が違うのは合流した時から感じていた。


ヒースクリフ「だからだよ」

キリト「は!?」

ヒースクリフ「君はヤル事が出来た。それだけでも『英雄』だよ。ねえ、カミジョウ君?」

上条「ッツ!?」

一方通行「おィ!降りれるぞ」


そこに舷梯を接続させたことを伝える声が響く。
上条は内心、タイミング的によかったと思った。
一方通行の声が無かったらヒースクリフの胸倉をとっ掴まえてたところだ。


ヒースクリフ「悩む事もあるだろう、言いたい事もあるだろう。が、この場は素直に歓喜の声を受け止めようではないか?」

キリト「歓喜…の声?」

ヒースクリフ「おや?君たちがよく使う表現なら『耳がバグった』だったかな?聞こえないかね?」


そう、先程から聞こえる


ヒースクリフ「恐怖から…『ラフィン・コフィン』と言う名の恐怖から解放された人々の声だよ」


それはヒースクリフたちが降り立つ前から聞こえてた声。
『歓声』だ。何処から噂を聞いたのか、夕闇が明るくなり始める時間に多くのプレイヤーが港に詰めかけていた。
凱旋とはまさにこの事だろう。その多くのプレイヤーの声は彼等をたたえる物だ。
中には楽器を出し、歌い始めたり踊りだす者や花火を打ち上げてる者もいる。そんな中を彼ら討伐組は歩いて行く。
それだけ、『ラフィン・コフィン』の存在は多くの者に恐怖と閉塞感を与えてたのだろう。
そして、帰還した英雄たちに次々と声が送られる。知人がいたら尚更だ



佐天「初春ーーっ」

初春「佐天さん!!御無事で!!御坂さんも!!滝壺さんも!!」

御坂「うん、何とかね…」

アルゴ「…本当カ?」

滝壺「心配かけて、ごめんね。ういはる、しりか、りずべっと、あるご」

シリカ「本当ですよ!心配…心配したんですよ!!」

リズ「泣かないの。喜ぶところでしょ?」

シリカ「うれし泣きです!!ピナも泣いてるんです!!」

初春「だからピナちゃんにお花食べるのやめさせてくださいよ~」

滝壺「ふふっ。帰ってきた感じがする」

佐天「そうですね~初春のパンツを見たら元気が出てきましたよ~」


そこで何を思ったのか、初春のパンツをめくる佐天。
…いや、いつもの事だが場所が場所だ。
先にも言ったが、ここには彼等『討伐組』の帰還を祝うために多くのプレイヤーがいる。
同じ討伐組の4隊長の生き残りヤマトとヤマザクラ、クライン率いる『風林火山』のメンバーはボタボタと鼻血を垂らしてる。
…うん、彼女たちにはいつもの事だ。
それでも、一応文句を言おうと振り返り


初春「ちょっ、佐天さん何やって!?」


が、そこで見たのは佐天のHPが回復してるところだった。


初春「なんで!?」


佐天「ふふん。これが私が習得した『ユニークスキル』よ、初春。
初春のパンツを見ることで私は急速にHPを回復することができる。そう、その名も『初春のオパンツ――』」


御坂「いや、単に『回復結晶』つかってもらっただけでしょ?滝壺さんに」

佐天「ちょ、御坂さんネタバレするの早や――」

初春「なーんだ」

リズ「つか、リコさんもルイの悪乗りに乗らなくてもいいじゃないですか?」


滝壺「大丈夫。このくだりはさっき船で私が考えた」

シリカ「…何が大丈夫なのか、私にはさっぱりです」

アルゴ「おう、安心しロ。オネーさんもさっぱりダ。(…無理してるナー)」


この様に、明るく答える『討伐組』の面々だが、何処となく無理してる感はあった。
浮かない表情してるから。そして、明らかに人数が減っているから。




出迎えてくれた人々の輪を抜けると、『討伐組』の面々はいったん第55層の『血盟騎士団』本部へ向かった。そこで今後の事を決める会議。


ヒースクリフ「さて、今後の事だが、眠いだろうが聞いてくれるかな?2つ今のうちに」


流石に時間が時間で、更にあの激戦の後だ。無理もない。


ヒースクリフ「…まず1つ、今後のフロア攻略については大幅に予定を修正する必要がある。ので、私は少しの間の休息を提案しよう」


少しの間の休息。これが意味することが直ぐにこの場にいる者には理解できた。
それはフロア攻略の休止。


ヒースクリフ「反論があるのなら是非とも言ってほしい。無論、立場は気にしない」


最初に口を開いたのは『風林火山』のクラインだった。


クライン「反論もクソもねえよ。確かにあんた等『血盟騎士団』は今回の討伐で1番被害が出てて、直ちに戦力に影響が出るレベルだ。
そう言いたいのも理解できる。が、攻略組は俺達だけじゃない。
エギル達もいるし、何より『聖龍連合』が聞いたら我先に攻略するぜ?レアアイテム独占できるしな」


彼の見解は正しい。
レアアイテムの為ならオレンジになる事も辞さない『聖龍連合』が聞いたらどう出るか?火を見るより早いだろう。
だが、クラインの発言で理解力の速い2人がヒースクリフの意図に気が付く。


キリト「…なるほど。だから、ここにいる面子でいったん話を纏め、その案を『聖龍連合』にその提案を持ちこむ。こういう事だろ?」

一方通行「で、断れば俺達が武器を片手にご質問に参ります。ってか?」


ヒースクリフ「理解が速くて助かるよキリト君、アクセラレータ君。
無論この案にこの場にいる者が賛同してくれたら、『聖龍連合』には私がこの案を持ちこもう」


一方通行「ご丁寧な恫喝だなァ」

ヒースクリフ「何とでも言ってくれ。…あぁ、君には」

一方通行「『ジェノヴァ』とやらのシャブ中みたいな奴らのケアに解析。って所かァ?」

ヒースクリフ「助かるよ。…で、君たち『ヒーローズ』の見解は?」

浜面「だとよ、大将」

一方通行「俺らの意見は、ヒーロの意見でイィ」

上条「…反対する理由もないし、俺達もそれに賛同だ」

土御門「正直、ウチもボロボロだしな。良い機会だろ」

浜面「…お嬢、ヤバそうな顔してるもんな」


零れるように呟く浜面。が同時に彼を心配する視線がある事に気が付いてない。
それは1つはサングラス越しに、もう一つは何時も見てるからだ。


滝壺「…」



ヒースクリフ「もう1つは…アスナ君」

アスナ「…はい」


ヒースクリフ言われ、アスナが何故か手錠をはめられてるフードをかぶった『血盟騎士団』の女性団員を前に連れてくる。
そして、ヤマトが同じような格好の『血盟騎士団』を連れてくる。こちらは男。其々前に連れてくる。
気のせいか、先程まで目蓋の重そうだった者達の姿勢がよくなる。
…いや、殺気全開になる。アスナの小さな合図と共にフードを捲る。


ヒースクリフ「さて、知っての通り、今回我々は『ラフィン・コフィン』の幹部8人のうち3人を捕縛することに成功した。
残り4人は死亡、1人Pohに関しては行方をくらました。そして、この2名は幹部『ユフィ』と『ザザ』である。間違いないかね?」


裁判官が被告人に生年月日を問うかのようにユフィとザザに問う。2人に抵抗する様子は見られない。


ヒースクリフ「…沈黙は肯定とさせていただこう。皆も知ってる通り、幹部2人だがこの様にして連れてきたのには理由がある。それは」

上条「先に言っとく」


会話の途中で話を切る上条。


上条「俺達はその案には乗らない」

ヒースクリフ「ほう…」

佐天「ちょ!?」

浜面「流石に聞こうぜ、大将!?」

アスナ「え!?」


無論、この3人と同じように驚く者が大半だ。が、何人か理解できる、できた者は


一方通行「まァそうなるな」

番外個体「そうだよね~」

土御門「カミヤン解ってるぜい」

浜面「え、なにが?」

滝壺「はまづらはだまってて」

キリト「…理解できた自分が嫌になるよ」

クライン「な、なあ?自己完結しないで教えてくれよ!?」


理解できない1同代表のクラインの問いに


御坂「簡単よ…」


美琴が応える。



御坂「けじめをつけさせるのよ」

佐天「けじめって…まさか!?」

御坂「…古くから、争いの後の相手側の大将や側近の末路。処刑よ」

アスナ「処刑って…ウソですよね、団長?」

ヒースクリフ「…いや、間違っていないよ。私はそう考えてたからね」


『処刑』その言葉をあっさりと認めたヒースクリフ。まるで既定路線の様に


ヒースクリフ「そもそも、彼らはカミジョウ君、ミコト君、私、そして、君の首を狙っていたのだよ?
ならば、同じことを彼等がされないと思っていたのかね?」


アスナ「で、ですが?」


土御門「この手の主義主張を掲げた集団は、指導者が死ぬと下手に神格化してたちが悪いぜい。
それに、ウチのギルドはカミヤンが言った通り全員が反対だぜい」


佐天「そ、そうですよ!」

番外個体「アナタもそうなの?」

一方通行「…さっき言ったろ。俺の意見は上条と同じだと」

番外個体「ふーん…(ヒーロさんの名前ちゃっかし呼んでるし)」

御坂「まさかこの不機嫌そうな雰囲気で、私が賛成だと思わないわよね?」

ヒースクリフ「なるほどな。では、クライン君達『風林火山』は、どうかね?」



クライン「は、反対に決まってるだろ!確かに、俺達はあの戦いの中でいっぱい切ったし、…ぶっちゃけ殺しもしたよ。
けどさ、それは…なんて言うか…自衛だったじゃないか。
そうしないと俺達も死んでたし、何より他のプレイヤーの命も危なかったかもしれないんだぜ?
それに…考えたくないけど、立場ひっくり返したらこいつ等だってある意味自衛だろ?」


キリト「俺も同じ意見だ。あの戦場で、きっかけは何であれ生きるためには双方斬るしかなかった。
殺されそうなら、殺す気で…。そうしないと、止められなかったんだ。止められなかったんだよ…。」


苦虫を噛み潰したかのような顔でフォローするキリト。
正直、彼はあの時、Pohと接触した時なのを思ったか?
『月夜の黒猫団』、サチの仇を前に何を思ったか?
仮に、3日前にあの島に突入してたら彼は間違いなく『ラフィン・コフィン』メンバーを選別することなく、切り殺してただろう。
そう、そこに『月夜の黒猫団』のケイタがいることを知る前だったら。身内が居なかったら。



ヤマト「自分は賛成です」

浜面「ちょ!?」

アスナ「ヤマト!!」

ヤマト「おかしいですか、アスナ様?俺おかしいですか!?」


4隊長の生き残り2番隊隊長ヤマトが吠えるように反論する。
そう、今まで感情を抑えてきたのだろう。


ヤマト「俺なんでシキシマやアサヒの仇を警護しなくちゃなんないんですか!おかしくないっすか!コイツは」

アスナ「抑えなさい!!自身を」

ヤマザクラ「落ち着けヤマト!!」


彼を羽交い絞めるように押さえつけるヤマザクラ。
他の団員達も過激な発言の罵声をザザ達に浴びせ始める。
特に、シキシマとアサヒが指揮してた1番隊と3番隊が


ヤマト「アスナ様は悲しくないんですか、悔しくないんですか!
シキシマ達の無残な最期を、アサヒの最期を!悲しくないんですか!悔しくないんですか!?」


アスナ「悔しいに決まっているでしょ!!」

ヤマト「ならこいつ等を――」

ザザ「…シキシマ~アサヒ~」

ユフィ「ん、どないしたん?」


そんなのどこ吹く風、自分の世界に入り、口笛の様にシキシマとアサヒの名前を呟く。


ザザ「あぁ、『ジェノヴァ』に、食われた、2人か」

ヤマト「そうだよ!!お前らの気持ち悪い鰻野郎に――」

ザザ「あの時の顔、ヘッドに見せたら、何点、貰えた、かな」


煽ってるのか、天然なのか。ただ言えるのはこの場にいた者の琴線に触れたのは確かだ。
そして、次の瞬間。ザザは壁に激突していた。そう


土御門「悪いにゃ~こいつら含め、シキシマとアサヒは俺達の弟子みたいなもんなんだぜい。わかったか、ガキ」

浜面「弟子の面汚されるのは、いい気がしねえからな…解ってるよな?」


この2人だ。それもそうだ。偶然なのか、必然なのか、『血盟騎士団』が結成されて、
初めて『ヒーローズ』の面々と友好的になったのはシキシマ達4人で、1番親しくしてたのはこの2人だった。
そして、第25層フロアボス討伐後、2人に話しかけてきたのは、シキシマとアサヒ。


キリト「…ヒースクリフ。今日はもう開こう。この状況で決断するのは無理だ」


彼の意見に反対意見は無く。皆、首を縦に振る。


ヒースクリフ「その様だな。…では、後日、この件について決めよう。この2人は本部の倉庫を監獄代わりにしてくれたまえ。
…監視は、アスナ君とアクセラレータ君でいいかね?」


アスナ「…はい」

一方通行「へいへィ」


これにて会議は終了した。だが、『ザザ』と『ユフィ』の処遇を決める会議は開かれなかった。

今回はここまでです!!


ではまた。

こんにちわ!!あけましておめでとうございます!!


皇紀2675年、西暦2015年最初の投下行きます!!


ですが、なかなかスッキリしない展開なのであしからず。



では投下



第55層・カフェ


キリトと上条は会議の後、早朝からもやっているカフェ&バーに朝食に来ていた。
第55層の雰囲気がどことなくドイツ風だからか、店内は朝食に来ているNPCで溢れており、茹で上がったヴルストの臭いが食欲を誘う。

普段なら。


キリト「眠くて食欲ねえよ…」

上条「なら寝ろよ」

キリト「その言葉カウンターで返すよ」


身体のだるさが残る中、口にザワークラフトと農夫の朝食を運ぶ。


キリト「納得いかないんだよ」

上条「そりゃ俺もだよ。…つか、Pohの件から話が進み過ぎて訳分かんねえよ」

キリト「うーん…」


するとキリトは自身の『アイテム欄』から紙とペンを出す。


キリト「本当は一方通行がいたらいいけど…とにかく整理しよう。時系列順に箇条書きしていく」

上条「ちょっと上条さん的に気に食わない事言ってたけど。それに対しては賛成だな。すんませーん!ビール」

キリト「こんな時間から飲むのかよ。あ、俺白ビールな」



酒を飲みながらであるが、彼等は流今までの流れをまとめ始めた。
彼等の箇条書きを見てみよう。


◎Pohが消息を絶ち、『ラフィン・コフィン』が解散すると多くのメンバーは武器を地に落とし、投降した。
この時数名が逃走するも、多くは何の反抗もせず『監獄エリア』まで送られる。


◎ただし、洗脳状態である『ジェノヴァ』だけは攻撃をし続け、彼等を操れる『ザザ』は投降するも『ジェノヴァ』を停止させるのを拒否。


◎結果、『血盟騎士団』を中心に死者を出しながらも『ジェノヴァ』を拘束。『ジェノヴァ』に関しては『血盟騎士団』本部に送られる。


◎『フィッシャーマンズ・ホライズン』へ凱旋。直ぐに『血盟騎士団』本部へ移動。


◎先の会議。当分の攻略は延期を決定。『ザザ』『ユフィ』の処遇は未定。



上条「で、今になると」

キリト「だな」



一連の流れを書き終えると同時にジョッキを飲み終える2人。


キリト「改めて書くとあっさりしてるな…」

上条「あぁ。納得できない奴が多いのも分かるよ」

キリト「で、ミコトやアスナ達は本部に残って警護と監視」

上条「『ジェノヴァ』と『ザザ』達のな。…で、暇になったお前と上条さんがこうやって飲んでると」

キリト「クラインや土御門、ヤマトもな。尤も、最後の1人は『頭冷やせ』って意味だろうけど」

上条「つか、エギルの店に行くとか言ってたけど、やってるのか?」


キリト「アイツは結構早くから店開いてるし、アルゴやシリカ達がいるってさっき連絡あったから大丈夫だろ。
…それにあいつ等も話聞きたいだろうし。納得はしないだろうけど。あ、どもー」


キリトが話し終えると同時にNPCが2杯目のビールを持ってくる。
調子がいいのか、勢いよく飲んでも酒がまわってる感じはない。むしろ冴えて来てる。


キリト「なあ?」

上条「ん?」

キリト「Pohってどんな奴だったと思う?」



アスナ「それを私に聞くの!?」

ユフィ「せや」


同じような質問を『血盟騎士団本部』の1室で問われてた。
ただしこれは『ラフィン・コフィン』の幹部から、『血盟騎士団』幹部への質問。


アスナ「馬鹿にしてるの?」

ユフィ「してへんし、する必要があらへん。今現在はな。後、具体的に頼むわ」


正直言って質問もPohも意味不明、と即答したいアスナ。
現在彼女は捕縛した『ユフィ』に対して食事を与えていた。
マッシュポテトと玉ねぎのスープの簡単な粗食。


アスナ「…多分、第5層で遭遇した時から変わってないわよ?
『何考えてるか解らない』『気味悪い美声』。仮に狂気と言う名の銅像があるとしたらあのままでしょうね」


ユフィ「なんや、ウチと同じ感想かいな」


零す様に笑うユフィ。その笑い仕草は何処となく上品で、思い出したくない懐かしさだとアスナは思った。


アスナ「アナタ、一応『ラフィン・コフィン』の」


ユフィ「『幹部』や。けどな、ウチが忠誠を誓ったのは『ホウジョウ様』だけや。
絶望の淵から、死のうと思っていた時に救ってくれた生きる希望をくれた『ホウジョウ様』だけや!」


だんだんと口調が荒く熱くなるユフィ。だが、その話を聞いてアスナは


アスナ(やっぱり…)



一方通行「似てるか…やっぱお前もそう思うか」

ザザ「気づく奴は、気づく。ここの、副団長と、あのツインテ、どっちも、似ている」

一方通行「隠しきれない上品さがなァ」


同じく本部内の部屋でアスナ達と同じような状況の一方通行にザザ。ただ、こちらの会話の内容はアスナとユフィが似ていると言う話題。


ザザ「俺は、アイツが、苦手、だった。
何でも、積極的に、参加して、教員、からも、評判が、よくて、自分で、何も、決めたことが、無かった、ような、奴。
親の、敷いた、レールの、上を、走ってる、だけの、奴」


一方通行「で、このデスゲームでそれらがパーになり、ある種刹那的で自暴自棄になって所をホウジョウと接触して自分を再構築した。
結果は言うまでもないがな」



ユフィ「せやから見たかったんや、ホウジョウ様の隣に立ってこの城の『城主』の座を奪い取り、この世界で生きることを!」

アスナ「だからって、意見の対立する人たちを次々に襲っても、それは」

ユフィ「憎しみの連鎖?ふん、そないな事解りきってた事。…けどな、それをわかった上での行動や、分かるやろ?自分も」

アスナ「分からないわよ!少なくとも、あなた達がやろうとしてた『革命』と言う言葉を最大限に利用した『殺人』よ!!」


ユフィ「それはPohたち『ラフィン・コフィン』の連中や!
ウチ等は違う、この世界で新たに生きて行くことにしたんや!
それを『討伐』と言う名の言葉を最大限に使ってウチラを弾圧したのは、自分ら『攻略組』やろが!!」


アスナ「…ッ」

ユフィ「…言い過ぎた。すまんな」


お互いに、拳が出そうになった所でブレーキを掛ける。
無論、本当は1発でも入れたいが。手を出したら止まらないだろう。お互いに。


ユフィ「…ただな」


が、ユフィはどうしても伝えたいことを彼女に伝える。それはなぜか?
感覚としか言いようがない。遠くを見るように、彼女は話し出す。


ユフィ「ウチも含め、現実世界に帰ることが正解とは思えないんや。分かるか?」

アスナ「…分からないわよ」


ユフィ「…ウチは、なんとなく察しが付くやろが、家柄的にも上、エリートコースに位かなアカン。けど、もう無理や。
この時期に1年以上学校に行かないのはどういう意味か、アンタでもアンタ以外でも解るやろ?学校だけやない、会社でも何でも。
…そして、現実世界に絶望したウチを含めた人々。
それらの人々が絶望から希望への道標がホウジョウ様であり、『この世界を新たに生きる世界として決意した者達を守り抜く』と言う言葉。
そして、それを実現するための力、それが『神羅』。
そしてその力は名を変え『ラフィン・コフィン』になった」


言いたいことは解る。だが、


アスナ「…まるっきり子供のダダコネよ。そんなの、怒られるのが嫌な子供が理由をつけて逃げるだけじゃないの」


素直な感情がアスナの口から零れた。
が、それがユフィの琴線に触れた事は言うまでも無かった。



一方通行「ンあ?」


ザザ「ベット、から落ちて、暴れ始めた、かな?」

一方通行「ハッ、それこそ子供じゃねェか」


隣の部屋から聞こえた物音に反応するザザと、ケタケタと笑いながらコーヒーを入れる一方通行。
アスナ達とは違い、こちらには緊迫感はない。と言うより、ザザは明らかに抵抗する意思がない。
まるで『処刑』を望んでるかのように、死に対して全くの恐怖感がない。
いや、何かを知ってるかのように。が、彼が何を知ったかは、一方通行は薄々感ずいてる。


ザザ「…不思議に、思った」

一方通行「ア?」


ザザ「アクセラレータ。お前は、俺達の、処刑に、真っ先に、賛成すると、思った。
だが、お前は、反対の、立場を、取った。いや、むしろ、処刑に、賛成、だと思った。
ここに、運ばれてくる、途中、ヤマト、とか言う奴が、言ってた。
『ジョニー・ブラック』を捕縛、したのは、オマエ、だと。何故、殺さなかった?」


一方通行「…現実であのチビに聞け。オマエラはどうせ、現実でも交友関係できそうだしな。
それに、俺が懸念してた事はあの金髪グラサンが言ったことだけだ。
テメェみたいな生え抜きの『ラフィン・コフィン』連中ならともかく、
『旧神羅』の連中は下手に『処刑』したら、テメェ等を神格化しそうな勢いと危なさがある。それだけだ」


ザザ「すごいね。ジョニー・ブラックが、憧れてた、だけ、あるよ。けど、それに、納得する、人間の方が、少ないよ」


一方通行「それは、この現状も含めてもな」



リズ「あたしだって、考えたけどいやだもん」

土御門「まあ、そうなるにゃ~」


一方、第50層アルゲードのエギルが営む店には、リズや土御門、初春にアルゴ、シリカにヤマト、クラインがいる。
ここまでの経緯を説明しようとしたのだが、感情的になってつヤマトの愚痴と思い出話をさんざん聞かされ、
当の本人は酒に酔って寝ていて、朝まで頑張ったシリカも疲れたのか寝てしまって、何か気になったアルゴもどこか行ってしまった。


エギル「ここまでこじれた話しになるとはなあ…」

クライン「仕方ねえよ。仮にも人間同士での最大の戦闘だろ?今の所」

土御門「だにゃ~。今の所最大で最悪な戦いだぜい」

リズ「今の所、じゃなくて二度とゴメンよ。参加するしないにしても友達があんなところで戦うなんて、待つ方も正気じゃないわよ」

エギル「だな。…まあ、参加しなかった俺が言うのもあれだが」

クライン「エギルは自分の価値観に従ったんだ。誰も責めねえよ。それに、あんなの参加しない方がいいんだよ。よかったんだよ…」


声を小さくしながら、スコッチを飲むクライン。その言葉には今現在のクラインの気持ちが入ってるのかもしれない。現在瓶5本目。


エギル「飲み過ぎだ。いくらSAOだからと言って体に悪いぞ」

クライン「イイじゃねえかよ。…忘れたいんだよ」

エギル「忘れたいってなぁ…」


クライン「分かってるよ。本当は忘れちゃいけないんだろうけど、俺はもう思い出したくないんだよ…なんか、夢に出そうでさ。
…俺なんかはまだいい方だけどよ、そこでぐーすか寝てるヤマト、キリトにアスナやミコトの方が辛い筈だしな。
特にキリトは…斬った相手が相手だ。何ともない方がおかしい」


リズ「知り合い…だったんだっけ?」


土御門「ああ。だが、詳しい事はまだ知らん。本人も言わないし、何よりこれを聞いたのは、近くにいた一方通行と番外個体からだからな。
2人も直接聞いたわけじゃない」



沈黙する。正直、今現在は話すことしかできず、結論を導き出すには情報が明らかに足りないのだ。
無論、それは『討伐』に参加してないエギルやリズベットにとっては更に答えを出せるはずがない。
が、逆に言えば参加してないからこそ気が付く疑問もあったりする。


リズ「ん!!おかわり!!」

エギル「お、おう」


それは、今エールを一気飲みし、おかわりを頼んだ少女からだった


リズ「ねえ?」

土御門「ん?」


リズ「私なりに話を整理してたんだけどさ、
『ラフィン・コフィン』ってのは元からの『ラフコフ』と『神羅』ってのが合わさって『ラフィン・コフィン』になったんだよね?」


クライン「そうだな」


リズ「で、『ラフコフ』はPohが率いていて『ゲームを愉しみ殺すことはプレイヤーに与えられた権利』とか言ってて、
『神羅』はホウジョウが率いていて『この世界を新たに生きる世界として決意した者達を守り抜く』って言ってたんでしょ?」


土御門「そうだぜい」


リズ「けど、ツッチーの言い分だと後者のホウジョウは建前で、本当は『革命』を起こしたかったと?これ本当?」


土御門「直接聞いたのはカミヤンだが、間違いないと思っていい。
『討伐』以前の情報から推測したり、現実での奴の思想は『革命』しか求めていなかった生粋の過激派テロリストだ」


リズ「ならさ、Pohにも本音があるんじゃないの?本当にやりたいことが」



浜面「やりたい事だあ?」

アルゴ「ああ、何か心当たりないカ?」


同じころ、第25層の激戦の地『トルトゥーガ』にて何かを探すプレイヤー4人の姿があった。
浜面、アルゴ、初春に番外個体だ。彼女達は何故、この地に戻ってきたのか?


初春「それが『トルトゥーガ』に戻ってきたことと何か関係あるんですか?」

アルゴ「ある…いや、あってほしくないんダ。それの確認ナ」


喋りながらも『トルトゥーガ』の『ラフコフアジト痕』を捜索する4人。
ここにいるのは、アルゴの感で何か良くない物を感じたから。根拠なんてない。


番外個体「次が、ミサカがいた階だけど、本当に最上階じゃなくていいの?」

アルゴ「ああ、奴の性格ダ…」

浜面「おいおい、それがPohがやりたかった事とどう関係があるんだよ!?」

アルゴ「…本当に物わかり悪いナ。だから再開してからリコリンの機嫌が悪いんじゃないカ?」

浜面「んだと!?」


アルゴ「ホウジョウが『神羅』を作るにあたっての大義は『この世界を新たに生きる世界として決意した者達を守り抜く』
と言ったが、実際は自身の願望の『革命』の為」


番外個体「ショボイおっさんの戯言だったけどね。ギャッハ☆」

アルゴ「で、Pohは『ゲームを愉しみ殺すことはプレイヤーに与えられた権利』を元に『ラフコフ』を作り上げた。もう分かるナ?」

浜面「…奴の本音。だとすると!?」

アルゴ「アァ。カミジョウが言ってたよナ?奴がホウジョウを斬った後、何か名前を付けたってナ」

初春「芸術作品…でも、それは直ぐに」

アルゴ「アバターは消えた。けどこの考え、…イヤ、これは前にもあったよナ?ハル。だからルイを連れてこなかったんだヨ」


初春「…それって」


そう、そうだ。彼女達は最初に遭遇した時の事を忘れてる。イヤ、忘れようとしてたのかもしれない。
かつて第5層のヨラバタイ樹の元で、Pohの一行に襲われた時、奴は佐天を嬲るように切り刻んだ。
その時、彼はとても楽しそうだと、のちに佐天は語ってた。そう、まるで彫刻を掘るかのように。
思い出しただけでも、背筋が凍るような記憶。初春の顔が曇る。


アルゴ「すまないナ」

初春「…いえ。でも、それが」

番外個体「当たってたみたいだね。この部屋」



探索してて番外個体が覗き込んだ部屋。そこに入る。
長方形の部屋でそこまで大きくなく、学校等の部室部屋の様だ。
其々の辺に戸が閉めてある窓がある。


浜面「…んだよ、コレ」


そこには『石』や『木材』で出来た彫刻に、『絵画』が飾られてた。よく言えば『アトリエ』。だが、


アルゴ「とても、趣味がいいとは言えないナ」


そこにあるのは人の彫刻や絵画であるが、人と言っても穏やかな表情の物は1つも無い。
とてもではないが、まともな人間なら最初に来るのは嫌悪感しかないだろう。異質な部屋。


番外個体「全部『憤怒』の感情か『絶望』に満ちた物だね。まるで死ぬ瞬間みたい♪」

浜面「ってか、そうだろうな」

初春「っつ」

浜面「大丈夫か、お嬢ちゃん?」

初春「えぇ…」

アルゴ「仕方ないヨ。オレッチだっていい気分はしないサ」


アルゴの言う通り、この部屋にある物を見て嫌悪感を抱かない物がいるとしたら、それはこの部屋の持ち主と誓い感受性を持つことになる。
そう、Pohと同じ。



暫く部屋を検索すると気が付く。


番外個体「これらって、独立した作品じゃないんだ」

アルゴ「そうみたいだナ。いや、独立した作品でもあるナ」


部屋にある彫刻や絵画。
それらは1つ1つが褒めたくはないが、1つの作品として立派な完成系だ。


浜面「俺の気のせいじゃないのか。重ねてみると違った見方がするよな?」

初春「浜面さんが言うなら、私の勘違いじゃないようですね」

アルゴ「だナ」

番外個体「うん」

浜面「オイコラ」


馬鹿にしたように浜面を弄るが、実際そうであるから仕方ない。
少女の泣き叫ぶ木彫りの彫刻を後ろの泣き叫ぶ男の絵画と重ねると、それは切り刻まれて命乞いをする男女の姿になる。
不思議としか言いようがない。…いや、奇怪としか言いようがない。



3分もしないうちに。


アルゴ「…戻ろうカ」


彼女達は部屋を出て、戻る事にした。収穫が無かったのではない。
これ以上いるとPohと同じような精神面に落ちてしまいそうだからだ。
だが


浜面「ちょっと待ってくれ!」


この男は納得いかないようだ。


アルゴ「なんだヨ!!なんか引っかかるのカ!?」

浜面「ああ、そうだよ!引っかかるんだよ!!」

番外個体「チンピラさんの気のせいじゃないの?」

初春「…窓開けてみません?」


浜面の疑問に初春が乗る。彼女も心残りがあった方。
誰の同意も取らず、初春は窓の1つを開く。



アルゴ「これは…」


閉ざされた窓が開き、光が入る部屋。そこに浮かんだ光と影は、そこにいた者達の身近な人物の表情を浮かべる


番外個体「アータン?ガチギレの?」

浜面「だな…」


開いた窓から取り入れられた光源によって、反対側に浮かぶ影絵。
それは間違いなく『憤怒』の表情のアスナだった。言うなれば、『光のカラクリ』



アルゴ「何で…いや、必然?」

初春「ワーストさん!!こっちを閉めますので、反対側の窓を!!」

番外個体「分かった!もちろん、『記録結晶』で記録でしょ?」


初春はそれに頷くと、それぞれが動く。そして反対側の窓を開くと


初春「やっぱりキリトさん…」


そこには『憤怒』の感情全開のキリトの顔。
正直、影絵でここまで再現できるのかと思う。
影に重なった絵画が、アスナ、キリトの其々の『憤怒』の表情をより強調させる。
だが


浜面「まだ」

アルゴ「足りないナ」


2人の意見に初春と番外個体は頷く。それらは絵としては素晴らしい完成系だった。
だが、何かが足りない。そう、何かが。


浜面「俺…解ったかも。Pohがやりたかった事…残りのカラクリも」



上条「なんだよ、解ったって!?」

キリト「Pohがやりたかった事だよ!!」


男たちが第55層の鉄の道を走る。


上条「だから何だって!!?」


キリト「全部奴の掌の上だったんだよ!!
『ラフィン・コフィン』を解散することも、幹部が何人か捕まる事も、俺達がそいつらの『処刑』に悩む事も!!」


正直、ここまでの理解力について行けない上条。つい1分前に店を飛び出してこの状況だ。
『血盟騎士団本部』へ急ぎ、鉄でできた道を金属音を響かせながら走る2人。


キリト「やりたかった事…じゃない。見たかった事だ!!」

上条「何をだよ!?」

キリト「顔だよ!!」

上条「は!?」

キリト「顔、表情だよ!奴は表情を見たかったんだよ!!アイツの」



浜面「これで…」

番外個体「何なんさ?」


部屋の中心部にあった作品をを番外個体達にに手伝ってもらい移動させた浜面。
彼女達にはさっぱりだったが


浜面「よしっ。お嬢ちゃん、そこの窓開けて」

初春「は、はい!」

アルゴ「何なんだヨ?」

浜面「分かる。はらな?」


そこには先ほどと同一人物、アスナの影絵が浮かぶが表情は『憤怒』ではない。どちらかと言えば


番外個体「『絶望』…」

初春「あ、この顔!?」

アルゴ「あぁ、見たことあるナ。しかもこの層でナ」


そのアスナの表情。
それはかつて彼女を賭けた『デュエル』にて、『ヒーローズ』が惨敗した時、彼女が『降参』と叫んだ時の表情だった。



ヤマザクラ「悪いな、警備に付き合わせて…」

「いえ…」


ヤマザクラは『本部』の入り口近くを部下と共に警備してた。それは本来、彼がやる仕事ではないが。


ヤマザクラ「イイじゃないか?みんなが疲れてる時こそ、上官が働くもんだろ?」

「ですね…けど、隊長は?」

ヤマザクラ「俺は大丈夫だよ!大丈夫だよ…うん」

「全く大丈夫に見えません」


この兵士が言った通りだ。どんな素人が見ても、彼が無理してるのは解りきってる。


ヤマザクラ「俺が無理するのは当たり前なんだよ。…なんて言うか、上司?
だからな。みんなで頑張らないと、アサヒとシキシマがいないんだ。だから、俺らで引っ張らないと」


そこにあるのは、上司と部下の光景だけであった。が、それは


「いずれ、君を壊すよ?」


その通りなのだが、問題は声の主が主だ。その玉虫色の声。


ヤマザクラ「ッツ!?」


振り返るとそこには居た。そう、現在『討伐組』が追ってる男。
それが、まさかの『血盟騎士団本部』正門前に、その男は現れた。



ヤマザクラ「おい!お前は――」


逃げろ。そう言いたかった。ヤマザクラはそう思った。だが言えない。何故なら


「『逃げろ』って、叫ぶと大きな口が開きますよね…」


彼の口に一緒にいた『血盟騎士団』団員の剣が入ってるから。


「甘いんですよッ!!」


その剣がそのままヤマザクラの体を斬る。
その流れに、突然の来訪者であるPohは賞賛を送る。彼の名前と共に。


Poh「全く、素晴らしい太刀筋だよ。…クラディール君」


クラディール「それほどでも…自分はこいつ等があまり好きではなかったですから。あの脳筋集団と共に…」



ヤマザクラ(おま!?)


クラディール「裏切った?違いますよ。自分はあの女を手に入れたいだけですよ。邪魔者を排除してね…」


あの女。それが誰か分かる。わざわざ『血盟騎士団』に入って、も手に入れたい女。
ヤマザクラ自身もその女性を尊敬してる。
だからこそ、この場を一刻も早く離れ、彼女や他の団員に伝えなければならない。


Poh「心配しなくてもいい。私は、既に彼女の欲しいものを獲てる。私の狙いも女だが、彼とは被らない…」


が、この殺人鬼の目的はヤマザクラの思った女、『アスナ』ではない。


Poh「科学の…電気の姫。…彼女の『絶望』した顔が見たいと、私の芸術感性が疼くのだよ」


彼の心を読み取ったかのような言葉を発しながら、この狂気の芸術家は赤黒く光る『友切包丁』を彼に見せつける。
こんなのを眺めてるのなら、早くこの場から離れなくては。がそれが出来ない。
麻痺の状態異常。クラディールの剣に何か仕込んでいたのか?
それらの答えは出なかった。


Poh「ふふっ。君の表情も、なかなかいい物だよ」


Pohが彼の表情を気に入った時、ヤマザクラは絶命してたからだ。
しかし、それを『狂気の芸術家』が知る事は無かった。
そんなのお構いなしに、彼は10数年前に流行った曲の流行曲の鼻歌を歌いながら建物内部に入る。

今回はここまでです。


まさかのPohが『血盟騎士団本部』への強襲とクラディール登場で終わりです。


ではまた。

どうでもいいけど、神羅とやらの連中は原作1巻で指摘されてた「現実世界の肉体は植物状態で、そんな状態がいつまで保つか分からない。個人差のあるドロップアウトは確実だし早くクリアしなきゃ」という件を考えもしてないのか?
まあ手も汚れてるし、今更のこのこ現実に戻れないって心理もあるのかもしれんが

>>503

お答えします。


はっきり言って、知りません。

彼等は、『SAOの世界で生きる』と言う意味を都合よく解釈した連中です。
後者の様に、汚れたから帰りたくない連中が多いです。

仮に、その矛盾に気が付いたとしても、それは異端者として自己批判させられるか、処分されるだけです。

これって何層までやるの?
アニメと同じ??

こんばんわです!!さて、ラフコフ討伐編、最終回行きます!!

>>508

アニメと同じです。

ダラダラやってます。



では投下



佐天「アスナさん!アスナさん!!」


乱暴に戸を叩く佐天。後方には『血盟騎士団団員』が何人かいる。


ヒースクリフ「何事かね、騒々しい…」


そこへ、隣の一方通行とザザがいる部屋からヒースクリフが出てくる。


「団長、侵入者です!」


団員の1人が報告する。
表情こそ変えてないが、動揺するヒースクリフ。


ヒースクリフ「確か、門の守りはヤマザクラ君のはずだったが…」

佐天「ヤマザクラさんは…」


悲痛そうに事態を伝えようとする佐天。その目頭には液体が浮かんでる。
この空気を感じ取れないほどヒースクリフは鈍感ではない。


ヒースクリフ「みなまで言わなくていい…。私の部下の為に流してくれた涙、無駄にはしない」

御坂「おーい!!」


そこに、他の団員を引き連れた美琴と


アスナ「何があったの!?」


部屋から出てきたアスナと、この本部に居る強者がそろった。



事態を説明しあう。ここまでPohを見たのは負傷したクラディールだけだ。
が、ヤマザクラが死んだのはネーム欄から確認できる。


ヒースクリフ「…本来、このゲームのシステム上このような事は起こりえない筈だが、現に起きてしまってる。
兎にも角にも、この事態の打開だ。作戦はアスナ君の指示」


アスナ「…解りました」

ヒースクリフ「ミコト君達には、今回は私達の配下に下ってほしい」

御坂「解ってるわ」

ヒースクリフ「で、だが――」


作戦を説明しようとした時、響く音。
その音に、皆が注目する理由を説明する必要は無いのではないのだろうか。



佐天「指パッチン?」

アスナ「だよね…」


『血盟騎士団本部』内部に響く指音に動揺する一同。余裕と挑発の念が込められた、指音。


ヒースクリフ「どうやら、彼は誘い出してる様だね」

アスナ「ッツ!行動は『3人1組の探索型』、団長と2番隊ランサー7人はこの部屋前で待機!」


慣れたように指示するアスナ。
『3人1組の探索型』とは、入り組んで見通しの効かないダンジョンなどで、分散して探索する際の陣形。



『鉄の街・グランサム』そこに聳える『血盟騎士団本部』の城。
街の雰囲気に合わさった重厚な内装が、最強ギルドの本部に相応しかったが。


御坂「いざとなると厄介ものね」

アスナ「見栄で決めなければよかった」


重厚な雰囲気を醸し出すための光源の少なさが、どこにいるか解らない『狂気の芸術家』への警戒心を増大させる。
無論Pohが『索敵』スキルで探せない事もあるが。


佐天「またッ!?」


時折響く、指音が更に見えない彼への警戒心を増大させる。
彼女達は先ほどの階の2つ上を探索してる。
指音がするたびにその音源へ急行するが、空振りか他の団員達と鉢合わせるだけ。


アスナ「こっち!!」


しかし、確実にこの建物内に居る。
『ラフィン・コフィン』のリーダーにして、『アイングラット』の殺人鬼Pohが。その事を1番感じてるのは。


御坂「こっちよ!!」


彼女だった。


佐天「またですか!?」

アスナ「何もなってないのに!?」


が、美琴が言う方向からは何の音も聞こえない。無論、空振りばかりなのだが。


御坂「こっちなのよ、とにかく!!」


何故か彼女は自信たっぷりだ。


御坂(なんなの?この感覚。ねっとりするような嫌悪感。全方向から温いヘドロを叩きつけられるよう。視線!?)


彼女もこの感覚に戸惑ってる。仮に、ストーカーの被害に遭うとしたらこんな感じだろう。
しかし、彼女が思った『視線』はあながち間違っては無い。
『狂気の芸術家』の欲求を満たしたい思いが混ざり込んだ視線は、彼がこの建物に入り込んでから常に美琴に向けられてるのだから。



「アスナ様!!」

アスナ「いた!?」

「いえ…」


10分もかからないで本部内の検索は終わるが、Pohを発見できてない。1同は本部玄関に集まる。


佐天「赤い影とかは見るんだけど…」

アスナ「ワザと見せてるのね。おちょくってるのよ」

佐天「そう言えばユフィさんは?」


ふと思ったことを聞く佐天。


アスナ「縛ってきた。…あまり言いたくないけど、彼女と解り合う事は無理だと思う」

佐天「え?」

「なぁ、団長たちと連絡取れたか?」

「いや?」


何気ない会話から気が付く。ここ10分近く、ヒースクリフ達と連絡が取れてない。


アスナ「あれ、御坂さんは!?」

佐天「へ!?」


更に、美琴の姿が見えない事にも気が付く。



御坂「気になる…」


1人美琴は、アスナと佐天から別れ、先程のユフィ達を拘束してる部屋へ向かってた。
その前にはヒースクリフ達がいるはずで、そこの角を曲がればいるはずだ


御坂「なっ!?」


しかし、そこには確かにヒースクリフ達はいた。倒れた状態で。


御坂「ちょっと、しっかりしなさいよ!!」


慌てて駆け寄る。HPはイエローだが、死んでる者はいない。


ヒースクリフ「ウッ…」


かろうじて、ヒースクリフだけが意識があるようだ。
この状況、最強と言われるプレイヤーがこの状況。


ヒースクリフ「奴は…」


振り絞った力で指差すヒースクリフ。そこはユフィが軟禁されてる部屋。
美琴は、勢いに任せて扉を開ける。



部屋には赤黒いポンチョを被った男が1人いた。そう、1人だけ。が、この部屋は何だ?
そう、『ラフィン・コフィン』の幹部、『血染めのユフィ』を拘束してた部屋だ。
この騒ぎが始まる前はアスナも監視要員としていたが、部屋を出たのは美琴も知ってる。
ならばユフィが縛られていなくてはならない。そう、彼女の大切な後輩にそっくりなユフィが。
しかし、この部屋には先に述べた通り、ポンチョを被り右腕にダガーを持った男しかいない。
その答えは何なのか?この男、Pohは何をしたのか?
それを問い質す事は無い。
何故なら、彼女の頭の中で何か弾け、美琴はこいつに体当たりしたからだ。



上条「みんな!!」

キリト「何か起きてる…よな!?」

アスナ「キリト君、上条君!」


同じ頃、上条とキリトが本部に着く。彼等が予想してた事が現実になったと改めて認識し


上条「御坂は!?」

佐天「ちょっと目を離した隙に。あと、ヤマザクラさんが…」

キリト「なん…だと…」


そして、予想してたよりも最悪な状況だと確信する。更に


「アスナ様ァァァァァ!!!団長達がァァァァァ!!!!!!」

アスナ「エッ!?」

上条「嘘だろ、ヒースクリフもやられたのか!?」


ヒースクリフの様子を見に行った数人のうちの1人が会談を叫びながら駆け下りてくる。
その報告にその場にいた全員が動揺し、ネーム欄を確認する。
死んではいないが、無事とも考えにくい。


キリト「今度は!?」


続けて聞こえるガラスの割れる音。それは外からだ。
砕け散ったガラス片が地面に叩きつけられるのと同じタイミングで何かも地面に叩きつけられる。
人だ。しかも2人。


アスナ「Poh!?」


1人は侵入者であるPohであるのに対し


佐天「御坂さん!?」


もう1人は美琴であった。



叩きつけられた?いや、叩きつけた、の方が正しい表現だろう。
何故なら、それは彼女の次の行動が物語ってるからだ。


御坂「ハッ!!」

Poh「ッ!?」


『狂気の芸術家』に馬乗りしながら、彼女は特にHPを気にする仕草も無くPohの顔を殴りつけた。
『体術』のスキルが発動してる訳でもない、がむしゃらな拳が殺人鬼の顔面に入る。
無論、それが1発で終わるわけもなく


御坂「アア!アアッ…ゼアッ!!」


短く叫びながらも何発も拳を叩きつける。
フードで表情が分からないPohに対し、美琴の顔ははっきりと分からないが雰囲気である程度予測ができる。
いい意味で男前、と言われる少女の爽やかな顔つきは見る影もない。
彼女の雰囲気に、上条と佐天を含む取り巻きはただただ驚き、たじろぐしかなかった。


アスナ「何してるの!みんなPohが逃げないように取り囲んで!!」

キリト「最低でも3mは距離を取れ!!」


そんな中でも、この2人は『血盟騎士団』の団員に指示を出す。
状況が把握できなくても、最低限やるべき事『Pohの捕縛』は達成しなければ。
美琴とPohの動きを注視しながら、2人を囲んでいく団員達。
だが、そんな事を気にしない、いや気が付いてないのか、美琴の拳は止まらない。
止めようとしない。誰も止めることができない。



御坂「ウアッ!!!」


重い拳がPohの顔面にまた入る。
彼女は感情的であるが、冷静に、確実に、顔面の弱点を殴りつける。
無論、それは現実での話で、SAOで、ましてやスキルの発動しない拳などほぼ意味が無い。
そう、HPを削ることなどレベルが高かろうが意味が無い。
そう、HP的には無為だ。だが


Poh「ッツ」


精神的には意味がある。この時、Pohは美琴の拳を避けた。
その動きは『恐怖心』による物だとその場にいたプレイヤーは全員が思った。


御坂「ぐうッ!!」


彼女の拳は無論そのまま地に叩きつけられ


上条「拳と腕が砕けた!?」


力強く地面を殴りつけられた彼女の拳と腕は、まるで骨が飛び出たかのように破損する『部位破損状態』になる。
改めて『SAO』の世界に感謝するデフォルメされた生々しい表現。
しかし、Pohが美琴の拳を避けたからこのような事態になる


キリト「そっちに行ったぞ!!」


美琴の拳を避けるのと同時に、転がるように離れようとするPoh。
足元がつたないのは、やはり顔面を何回も殴打された影響からだろうか?
この男にも、恐怖を感じることがあるのだろうか?


御坂「逃がさなッ」

上条「落ち着け御坂!」

アスナ「美琴さん、冷静になって!」

御坂「放せッ」


殴りかかろうとした美琴を後ろから抱き抑えるように抑え込み止める2人。
それでも、美琴は殴りかかろうとする。
が、このままでは、Pohを捕縛することができない。
しかし、この状況はPohにとっては逃げる絶好の機会なのだが


キリト「逃げるチャンスだと思うなよ?
美琴が何であんなにブチ切れてるのかは知らないが、お前を殴ったり切り刻みたい奴は俺を含めてここにはたくさんいるんだ。
話を聞きたい奴も、殺したい奴もな」


キリトを先頭に『血盟騎士団』団員が剣を向け取り囲む。キリトは冷静に見える。
が、彼の剣の持ち方はそのまま『片手剣』最大連続攻撃を仕掛けれる位置にある事に『狂気の芸術家』は気が付く。
恐ろしく冷静に、確実にPohを殺す手順をキリトは頭の中で作ってあるのだろう。



御坂「言え!何であの子を殺した!?秘匿?気まぐれ?あんたのそのイカレタ『芸術性』って奴か!?言え!何でユフィを殺した!?」


感情が抑えきれない美琴が叫ぶように問い質す。


佐天「そんな…ユフィさんを?」

Poh「…誤解しないように言っておくが、私は彼女から何も奪っていない。…そう、奪っていないのだよ」


この状況で命乞いは無いだろうが、ユフィを殺めた事を否定するPoh。
しかし、その言葉を信じる者はいない。


御坂「嘘だ!私は見た!部屋に入った瞬間、残った粒子の光とアンタのその醜い包丁がね!!あの光の粒子は間違いなく」

Poh「なぜ、断言できる?君は見ていないのだろう…」


御坂「自分が殺されそうになったら命乞い?ハッ見っとも無いわね。
あんた達が作ったイカレタ『カルトギルド』の信者が今のアンタを見たらどう思うかしらね!?」


Poh「幻滅するだろうね。そう、本当に命乞いならばね。が、私が言ってるのは『事実』だ」

御坂「どこを根拠に信じ」

キリト「美琴!!」

御坂「何よ!!話を遮るな!!」

キリト「コイツが言ってるのは嘘ではない」

御坂「はあ!?何処を根拠に」

アスナ「あ、カインズさんとヨルコさんの!?」

キリト「そうだよ」

上条「え、誰?」

佐天「第57層で『圏内事件』の騒動を起こした2人ですよ」


『圏内事件』
最初は『安全地帯』である圏内にて殺人事件が起きた。
と言う一報だったが、後に殺人ではなく、かつてあったギルドの内輪揉めとザックリ説明できる事件。
ちなみにこの時、『ヒーローズ』はとある謎解きクエストに挑戦中で、あまり知らないのだが、それはまた別の話。
ちなみにクエストは失敗し、そのクエストは『SAO3大難解クエスト』の1つ。
話を戻す。『圏内事件』と言われた事件、それに関わったプレイヤーはこの場に居るのは、キリト、アスナ、そして


キリト「お前も関わってたよな…」

Poh「そうだったかな?」


この男もだ。



キリト「こいつは俺が見張ってる!ミコトとアスナ達はユフィを!!」

アスナ「ええ!解ったわ!!」

御坂「ちょっと!?」

上条「状況が解んないんだけど!?」

佐天「移動しながら説明してくださいよ!!」

アスナ「するから!!急がないと、ユフィさんが!!」

御坂「ッツ!?」


アスナの言葉に動揺する。が、彼女の雰囲気からは嘘をついてる気配はない。
只々、急かすことしか考えてない。それが吉と出るか凶と出るか、この時の彼女には解らない。
しかし、何時導き出された答えがある『ユフィはまだ生きていて、逃亡しており。アスナとキリトには見当がついてる』と。


御坂「逃したら殺すわよ?」


が、彼女を含む上条とアスナ、佐天はその場から離れた。


キリト「殺す、か…」

Poh「フフッ、ならば殺されないように、私を監視しないとな?」


キリトを茶化すPoh。吹っ掛けてるのか?


キリト「解ってる。が、1つ聞きたい」


しかし、キリトは彼自身が思う事を問い質す。


キリト「セフィロス…ケイタは、何故お前らと行動を共にした?何で、サチ達の仇であるお前達と!?」

Poh「それは君が1番理解してるであろう、そう、君ならば…いや、彼等と接触する前の君ならば?そして君のパートナーも」

キリト「パートナー?」

Poh「へぇ…君はそちら方面に疎い…認めたくないのかな?」

キリト「…何が言いたい?」

Poh「…解っているだろうテッ!!」


振り回す様に『友切包丁』を振り回してきたPoh。些か、彼の行動に疑問はあるが、彼がしようとしたことは分かる。


キリト「ミコトの『絶望』した顔を拝ませるかよッ!!」


そう、Pohがここに来た理由は美琴の何かしらの表情を見るため。
キリトの予測は『憤怒』と『絶望』。正解だ。
そこへ行かせまいと、彼は『片手剣連続スキル』『ハウリング・オクターブ』で斬りつける。


「下がれッ」


周りを囲んでた団員達がさらに距離を取る。ド派手に舞い散るスキルの光と斬撃音。


「…おかしくないか?」


しかし違和感に気が付く。Pohが反撃してる様子がないのだ。HPはしっかり減り続けてるのに、


キリト「ハアアッ!!」


剣劇を終えるキリト。が、その表情には余裕はない。
何故ならば、彼の目の前に奴は立っている。HPをレッドまで減らし、不敵な笑みを浮かべ。
その瞬間、その場に居た者全員が『キリトが斬られる』と思った。キリト自身も思った。
連続攻撃直後の硬直時間、先程の『スキル』ならば約1分はある。どのような馬鹿でも斬りかかるだろう。
そう、常識の範囲内なら。が


Poh「あの剣劇でないとダメか…答えはまた今度…」


そう言って『狂気の芸術家』は懐から取り出した『転移結晶』でキリトの目の前から姿を消した。



「あ、あの…」


心配そうに近寄る『血盟騎士団団員』。
あの扱い、屈辱以外なんでも無い。


キリト「…あの『スキル』を使いこなせていれば」

「え?」


が、キリトは悔しそうなそぶりはない。


キリト「何でもない。…誰か、『転移結晶』貸してくれないか?」


それよりも、彼は『結晶』を強請る。手近な団員から受け取る。


「あの…何処へ?」

キリト「土御門が言った言葉、ホウジョウの死に場所。それらを纏めて導き出された場所さ。きっと『血染めのユフィ』が逃亡した場所。」


そう、そこは


キリト「…『転移、フィッシャーマンズ・ホライズン』!」


彼はその場所を叫び、『転移結晶』を使用した。



第25層・フィッシャーマンズ・ホライズン


転移門から離れた海沿。
人の通りは少なく、NPCやクリチャーの『シーク』がうろつく『圏外』のこの場所に、
1人のツインテール少女が沖に浮かぶ島『トルトゥーガ』を眺め。


ユフィ「はぁ…」


ため息を漏らした。風になびくツインテールと何処とない儚さが彼女の魅力を押し上げる。
足元には何かを使用とした痕跡がある。


ユフィ「夢で高く飛んだ・・・そないな歌詞やったかな」

「飛べるわよ!!」


彼女が1番好きな曲をのワンフレーズを謳ってると、後ろから声がかかる。


御坂「夢は叶える物なんだから」


美琴だ。ユフィを探して全速力で走ってきたのか、肩で呼吸をする。
本当ならば、そのままユフィを拘束したいが、何故か先へ進めない。
おそらく何かしらの『クエスト』が発動してるのだろう。何時かの様に、見えない壁があるようだ。


御坂「ねぇ…あなたがしようとしてるのは」

ユフィ「関係あらへんやろ?ウチの勝手や」

御坂「勝手じゃない、勝手じゃないわよ!!残された人たちに」

ユフィ「自分に関係あらへんやろ、改造人間が!!」


激しい口調で叫ぶユフィ。が、彼女の言ってる事は正しい。
人が何かをしようとしてる時にどうこう言われる筋合いはない。しかし


御坂「だからと言って、目の前でMPKで自殺しようとしてる人に『はいそうですか』って引き下がれる訳ないでしょうが!!」


これも正論である。目の前で自殺しようとしてる人を、まして知り合いなら止めない方がおかしい。
そして、彼女は見過ごすことができないタイプだ。



「…年下のあんたに教えといたる!」


「え?」


「世の中には、どうしても受け入れられない解り合えない奴らがおる。元に戻れない事もある。
そして…汚れた自分を絶対に見せとうない人がおるんや!!」


「…それって!」


「……………………お姉様」



その時、彼女が言った言葉は美琴の中で完全に重なった。
ツインテール大切な後輩に。
しかし、美琴の目の前にいたその後輩を少し成長させたかのような少女は、その時には美琴の視界からは消えてた。


御坂「あッ!?」


その瞬間、ユフィを大型の口が襲った。大型魚のモンスター『バハムート』。

『バハムート』は普段は第55層以降に居るモンスターで第25層には絶対に出るはずのない。
だが、特定の日時、アイテムを使用することで第25層に出現する。
特にこの層に出る『バハムート』の特徴で、水中から浮上してくる時、海岸近くのプレイヤーなどを襲う。
この時、体当たりで『バハムート』の体に当たるとフルHP換算の4割を削られる。
そして、捕食された場合はフルHP換算で8割である。
尤も、とろいので気をつけてればまず当たる事は無い。
がユフィの場合はどうなるか?

彼女が『血盟騎士団本部』から脱出した時、彼女のHPは抵抗する可能性があったので半分だった。


結論から言おう。


御坂「待ッ!!」


彼女は死んだ。敬愛する、『お姉様』に似ても似つかない。
いや、似てると認めたくない少女の目の前でモンスターに喰われて死んだ。



御坂「…」


その時、美琴は己がどのような表情をしてたかは解らない。
無表情。そうだったとしか言えない。
そんな美琴に、『バハムート』は視線を移す。次の獲物は彼女だ。
そんな彼女へ向け、『バハムート』はその大きな口を限界まで開いて威嚇する。
層全体に響く、大型モンスターの咆哮。


御坂「汚い口…」


美琴はその口を見て素直な感想を言う。
SAOのモンスターやプレイヤーの口内は、正直恐ろしいレベルでリアルで生々しい。美琴の感想も頷ける。
が、本当に生々しいのなら、そこには食べ滓がないから。なんの食べ滓かは、言うまでもない。
いい加減聞き飽きた『バハムート』の咆哮に対し。
彼女は腰にマウントした『約束の思い出』を掴みながら


御坂「うるさいのよ」


言葉をこぼした。


キリト「何で『転移門』の近くにいたんだよ!!?」


上条「探してたんだよ!!」


その頃、転移門付近を爆走するキリトと上条。
2人が出会ったのは偶然だ。そして事情を確認する前に聞こえたモンスターの咆哮。


キリト「とにかく、今のは『フィールドボスクラス』の咆哮だ。それに、方向的にも『トルトゥーガ』の方だ!」

上条「…だけどな、まさかユフィの目的が『自殺』だなんてな」

キリト「Pohの目的がミコトの『憤怒』と『絶望』の表情が見るのが目的、それでユフィは」

上条「ホウジョウを失って、この世界で生きる目的がない。ならば」

キリト「土御門が言った通り、イカレタ教祖様の居る世界への片道旅行だよ!!」

上条「…」


止めさせなければ。そう、上条当麻は彼らしい考えをしていた。
が、どうにも止まらない悪寒。


海沿いの道に2人が出ると


アスナ「キ、キリト君…上条君…」

佐天「あ…」


アスナや佐天、それに土御門やエギル、ヤマトにアルゴ達の姿が見える。
他にも多くのプレイヤーが集まってきてる。それらの人々は、陸に上がった


エギル「『バハムート』?」


の巨体に釘づけだった。釘づけだったプレイヤーの多くは、高レベルプレイヤーである。
それは、通常『バハムート』がプレイヤーの目の前で大人しくなるわけがないからだ。
そう、死ぬ直前で無ければ。
次の瞬間、『バハムート』の体が膨れる。鱗が逆立ち、まるで腐った水が入ってる風船のようだ。


ヤマト「膨らんだ!?」
クライン「やべ!?」


アルゴ「逃げろ、『クジラの爆発』だゾ!!」


それは、『バハムート』特有の現象で、コイツは死ぬ直前に破裂し体液を辺りにぶちまける。
その現象自体に正式な名前はないが、誰が言ったか『クジラの爆発』と言う。生臭さが同じみたいだ。
なので、コイツから得られる素材は少ない。だが、経験値は嘘のように得られる。


土御門「誰ダにゃ~こんな迷惑なのに挑んだのは!?」

番外個体「ミサカ達じゃないよ!!」


常人ならば1人では挑まない。
それほど『バハムート』が強いと言う事もある。


リズ「爆発したッ!?」

初春「く、臭いです…」


弾けるように破裂し、『バハムート』の体液が辺り一面に、腐敗臭と共にぶちまけられる。


アスナ(この臭い…)

佐天(ユフィの…)


しかし、この臭いを嗅いだら分かる事もある。
そう、ユフィの武器『ウータイ』はこのモンスターから偶にドロップする物の1つ。


浜面「お、おい」

シリカ「あ…あれは?」


そんな中、『バハムート』がいた所に立ち尽くす人影。
体液や逆光で確認できない。
しかし、そこはSAO。ネーム欄で直ぐに確認できる。


上条「美琴…」


鮮血を全身で浴びた御坂美琴が、力なく『約束の思い出』を握りしめ立っていた。



彼女を立ち尽くす意味を理解できたものはその場には居なかった。だが


キリト「花火!?」


その瞬間上がった花火の音、色合いは直ぐに理解できた。


御坂「…また呼んだの?」



「行こう!!」

「ホウジョウ様の元へ!!」

「ユフィ様の元へ!!」

「桃源郷への道は開かれた!!!」


何処からともなくプレイヤー、しかも低級の連中がぞろぞろ湧いてきた。考えなくても分かる。
彼等だろう、先程の『花火』を上げたのは。この場所で花火を上げる意味。
それはこのフィールドのモンスター『クザ』『ムド』『フグ』『クッゴンゾ』『ダツ』等、MSモンスターを呼び押せる効果がある。
先ほどの数ならば百近くは下らない。
そう『MPK』だ。


ヤマト「『元神羅』の奴らかよ!?」


そう、彼等の言動から『旧神羅』のメンバー、若しくはその考えに同調、狂信した者達だ。


「現実に戻るのなんかいやだ!!」

「僕はこの世界で生きるんだ!!」

「苦労しなくてもいいんだもの!」

「神羅万歳ー!!ハレルヤー!!」


クライン「クッソ、このくそ忙しい時に」

番外個体「自殺志願者たちなんだから、見捨てちゃえばいいじゃん」

アスナ「ダメ!!いいみんな、誰も死人を出さないでェェェェェェェ!!!!」


澄んだ声の少女の叫びが当たりに響いた。



結果から言うと、この時の戦いは死者は0だった。
それは、ただの自殺志願の集合だった低レベルプレイヤーの集まりと、今更集まった第25層のMSモンスターの集まりだったこともある。


しかし、討伐組…いや、攻略組へのダメージは甚大だった。
特に最強ギルド『血盟騎士団』は多くの人員、その中でも4大部隊長の3人の死は大きく組織再編に時間を取る事になった。
そして、多くの攻略組面子の心の『ダメージ』は甚大であった。
それは、人の友人の死から来るものだった。

その後、捕縛した『ラフィン・コフィン幹部』、ザザ、ジョニーブラックの処刑は却下され。
全ての攻略行為が、最低でも2週間禁止となった。
これを犯したグループは他のグループにより殲滅すると言う厳しい罰と共に。



SAOクリアから数年後。この時の事を事細かく書いた『黒雪』氏著の本、『仮想世界の内乱』からの抜粋である。


この戦いで勝者は3通りある。
 1つは軍団、討伐組である。また述べる事も無いが、戦略的にもこの戦いは彼等の勝利であることは間違いない。
しかし、見方を変えれば彼等は敗者だ。
 2つ目に『狂気の芸術家』であるPohだ。彼は己の目的を、己の思うがままに達成した。
それは前述で紹介した彼の残した作品で分かるだろう。
 そして最後にホウジョウ。彼はこの内乱の途中で死んだ。だが、彼が建前として掲げた理想は確実に攻略組に侵食してた。
その様子は、またの機会に著すとしよう。
ここからは私の意見だ。
この『仮想世界の内乱』そこに勝者は1人もいなかった。そうとしか思えない。
そして、この内乱に関わった多くの者が今でもそう思い、悩む日々を送ってる。

今回はここまでです。


今回にて、SAOラフコフ討伐編は終了です。

次回からは、皆さん忘れてるかもしれない、魔女たちの正体編をお送りします。

うだうだ続けてるこのSSですが、今年もよろしくお願いします!


御質問、ご指摘お承ります!!


ではまた

乙!
これでしばらくSAO内部から離れるのか
浜面の記憶喪失の件は結局、どうなってるんだ?

こんばんわ!!


さて、今回からは短編で『SAO事件の遺族、魔女軍団の正体』編を行きます!!


では投下



 その日、とあるテレビ局が『SAOなどVRMMOを含む、フルダイブ技術の問題性』
を主軸にした報道特集番組を生放送と言う形で放送していた。
尤も、内容としては少し知識ある人間ならば『酷い』の一言で済む番組であり、
この番組に専門家の1人として出演した菊岡誠二郎氏は
「まるで20年前に自分がタイムスリップしたか、僕以外の人たちがタイムスリップしてきたのか、と思った」
彼が述べた通り、その番組はとてもではないが『問題提議』してるのではなく
フルダイブ技術』と言うよりネット全般への『言われの無い中傷と八つ当たり』と言っても差支えなく、
後に起こる事件によって、更に批判が相次ぐことになった。


 その番組の1つのコーナにて起こった。
そのコーナーは女優も務めるキャスターが、SAO事件被害者が収容されてる都内の病院からの中継だった。
目線や身振りで事の大きさをネットリ伝える。
そして、VTRに入り後に医療関係者、被害者家族、その『被害者家族支援連絡会』と続けて現場からのインタビューだった。
が、病院からの中継開始から数分


「ちょっと、まッ」


とある病室から10代後半ぐらいの少女の声が聞こえた。
安定してない声色で、動揺してるのは誰でも解る。次の瞬間、ブザー音が響いた。
この時に、この番組の未来は決まっていたような物だ。
それは『ナーヴギア』がプレイヤーの脳を焼き焦がす約1分前にだけ響く2段階の警告音。
音が聞こえたと同時に、病院のスタッフが慌しく動く。無論、テレビクルーも当該病室の方へ移動するが。


「ここまでです!」


スタッフに制止される。そのまま病室を壁越しに撮影し続ける。
中からの音だけで動かない画、だが生々しさは圧倒的だ。


「君、離れなさい!!」

「い、イヤや!嘘や、だって!!?」

「危ないから!!」


中から響く声。
おそらく少女が被害者から離れようとせず、スタッフに力づくで引きはがされてるのを抵抗してるのだろう。
無論、その気持ちは理解できなくもないが、この『電子処刑装置』が作動する時にそばにいて負傷した遺族もいる。
安全の為でもある。が、それは目の前でただ死ぬだけの光景を、その少女に見せるだけである。
しかし、こうなっては誰もが何もできない。目の前で患者が被害者が、友人が、親族が、愛する人が、死ぬのを黙って見てるだけである。


「や、ヤバいって。カメラ」


を止めよう。ディレクターが提案しようとした瞬間。
弾ける音と先ほどと違うブザー音。何時聞いても生理的に嫌悪する音だ、人間の頭が弾ける音など。


「なんでやああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」


次の瞬間、少女の悲痛な叫びが病院に響き渡った。それらの様子は、在京キー局を通して全国へ生放送された。


後に分かったことだが、その日は『大量死』が起きた翌日だった。
その番組は前日の報道特別番組からの続きであった。何も、この局だけが生放送していただけではない。
そもそもその『大量死』の原因が定かではなく、『強力なモンスターとの戦い』『プレイヤー同士の殺し合い』と意見が分かれてる。
 そして、その少女は遥々、大阪から自分の後輩の見舞いに来ており、週末はほぼ来ていた少女であった。


それから3カ月の月日が過ぎた。



大阪市内から私鉄特急で数十分のとある町のお寺。
そこにあの時絶叫した少女の姿があった。
柄杓と花を入れた桶を右手に持ち、左手に紙袋を抱え境内の墓地を歩く。
目的は言うまでもない。その場所に近づいた時


「え…」


1人の少女が後輩の墓標の前で祈ってた。何故、その少女がいるのか?分からない。
が、ここは素直に彼女の気持ちを受け取る事にした。手を合わせてた少女がこちらに気が付く


「あ…お、こ…」


罰が悪いのか、それとも自分と会うのは想定外だったのか、その立派なツインテールを揺らしながら動揺する少女。本当に似ている。


「別にええって。自分もウチも目的は同じや」

「…怒らないんですか?」

「怒る?理由があらへんやろ。…それに、ここで怒ったら他の寝とる仏さんに迷惑やさかい、な?」

「…そうですの」

「ふふっ…ねえ、こん子磨くんやけど手伝ってくれへん?えーっと、名前…」

「白井…白井黒子ですの」

「黒子ちゃん…手伝って」

「…もちろんですの」


どこか懐かしく、また別物の空気をこの白井黒子と言う少女から感じた彼女だった。



麦野(ったく…)


一方、京都のとある講堂前にてスマホをいじってる麦野。
ここに来たのは、任務と言うより絹旗の私用であるが。


麦野「どうして、自分から辛い事に向き合うのかねぇ…」


彼女はどうしても理解できない。いや、最初から今回の近畿行きは反対であった。
どう転んでも、いい事がないからだと踏んでたから。しかし、絹旗は『超どうしても』と懇願した。


麦野「ま、いいけど…って」

絹旗「…」


彼女が呟いてると絹旗が講堂から出ていた。感想を聞こうと絹旗に話しかけようとしたら


麦野「終わっ」

絹旗「ッツ」

麦野「って、絹旗ぁ何処へ行くんだ!!?」


彼女は全速力でどこかへ走って行った。いや、『逃げ出した』に近いのか?


「もあいちゃ~ん!!まって~お母さんから離れないで~」

「何してるんだ!新聞やテレビを呼んでるんだぞ、早く見つけ出せ!!」


中から数人の男女が出てくる。
女は絹旗の事を『もあい』と呼んで自身の事を『お母さん』と言ってる。
黒髪に地味なメイクだが、にじみ出るけばさは本性なのか?
そして、男は『SAO被害者遺族連絡会』と書かれた腕章をつけてる。
この日、この講堂にて行われるのはSAO事件に対する政府対応の抗議集会だ。
この人々はその関係者であろう。


「あ、あんた!?」

麦野「あん?」


その関係者の1人が麦野に話しかける。


「あんたさっきのもあいちゃんの知り合いか?」

麦野「…悪いな、もあい、って奴は私の知り合いにはいないよ」


そう言うと、彼女は絹旗が走り抜けて行った方向へと歩み始めた。



麦野「いくらなんでも、娘の漢字ぐらいちゃんと読めよ…確かにあまりない名前だけどよ」


ブツブツ文句を言いながら路上を歩く彼女。絹旗の位置は端末にて確認してるが


麦野「どこまで行くんだよ。新幹線超えてるじゃないかよ!!」


彼女のあまりにも走った距離と速さに驚愕する。


麦野「だから反対だったんだよ」


「しかし…結局の所、君も同伴する前提で許したのだがな…」


麦野「木山…」


偶然か、それとも待ち伏せたのか、木山春生がそこには居た。


木山「すまないな…余計な事を言ったか?」


麦野「…いや…いいんだ」


零す様に答えると、麦野は手近にあったバス停のベンチに腰を下ろす。


木山「人様の事情に余り踏み込むのは主義ではないが…これに関しては彼女に任せるしかないよ」

麦野「解ってるよ…解ってるんだよ」


項垂れる。


そもそも、今回の京都訪問は麦野と木山の2人だけで十分、いやもっと末端の人員でいいぐらいだった。
目的は『レクト京都支社(旧アーガス本社)』への訪問と、結城家本家付近の探索。
この2つだ。1つ目は前回同様、茅場晶彦及び『ナーヴギア』の関連物証の確保。
そして2つ目は結城家本家への盗聴器の設置。
これは現在『ナーヴギア』及び『SAO』関連の資料を保有してる『レクト』が、何らかの実験を画策してるとの情報があったゆえだ。
が、どちらも現時点では彼女達側にはさほどの脅威、問題点ではなかった。

そう、『大量死』までは…



あの日、『大量死』にて発覚したのは絹旗最愛の親族が死亡した事、そして両親の所在の発覚だった。
そう、絹旗の親族。『置き去り』の1人である彼女だが、親がいることは人間である以上、当然である。が


木山「いくらなんでも酷過ぎるね…これは」

麦野「だろ?」


来たバスの車内にて資料をもう1回見ながら言葉に詰まる木山。
麦野もこの資料だけは何回見ても絶句、あるいは不憫に思う。
この資料は警察から得た物だが、そこには絹旗の家族構成等が記されてる。
死亡したのは絹旗と双子の少年であり、絹旗は幼少のころ養子に出されたことになっている、彼女が面識も記憶も無い事も納得できる。
そして、両親だが…いや親とは呼べる人物ではない。


麦野「で、そんなクソ親の所からついて来てるそこのカワイ子ちゃんは、何なのかにゃ~ん?」


「やべッ?」


「しかたないよ。バレルって」


人気のないバスの最後部席からひょこりと飛び出る2つの影。年齢は絹旗と同じぐらいだろうか?しかし、その容姿は


木山「おやおや…」

麦野「ったく、この町は何なんだよ…。絹旗と言い、白井と言い」

木山「君も、含まれるね…それらには。…正直、病院行くたびに2人の顔を見るが、ここまで…」


「え…なんかダメっすか!?」


麦野「いや…いいんだ。イインだよ、ボウズ」


2人の反応に焦る若き追跡者。いや、追跡者ごっこだろう。麦野が言いたいことは


麦野「女連れで何やってんだよ!!?」


「ヒッ!」

「まって。彼は悪くない。私も同罪だから」


麦野「…そうかい」


彼女はあきれていた。
前回、京都に来た時に彼女は絹旗から報告を受けてた。
が、実際遭遇すると嫌な気分になる。


麦野(似すぎだろ…浜面と滝壺に…)

今回はここまでです!!

>>541

浜面のあの言葉の謎を今回の編で説明します。
お付き合いお願いします。


ではまた

こんばんわ

さて、浜面や美琴が記憶が薄れた理由や、そっくりの理由の1編を出します。


では投下



「ありがとうね、手伝ってもろうて」

白井「いえ、これも何かの縁ですの」


所変わって、黒子は先ほど再開したこの少女と彼女の後輩のお墓を掃除してお寺を後にするところだ。


黒子「マシロさん…と言う方でしたの?」

「何で名前…ああ、見たんか。そう、『クロヤ マシロ」。それがあそこで眠ってるウチの後輩の名前や」


不思議な縁。それは1個あるとトコトン続くものだ。
まさか自分の名前をひっくり返したかのような名前あるのか。
が、この場合この少女が理解したのと現実は違い、事前に入手した情報である。まあ、言う事でもないだろう。
彼女に会うために彼女の個人情報を調べ上げたのは、なので


「せや、ウチの名前マダやったな」


彼女の本名を既に黒子は知ってる。


「火野コトミ、それがウチの名前や」

白井「コトミさん…ですの」

「まあ、あの子は『お姉様』と言うとったけどな。…まあ、自分の好きに呼んでや」

白井「えぇ…」


火野「…まあ、長居する場所じゃないさかい、駅の方にウチがバイトしてる店があんねん。
『ひやしあめ』位奢ったるから行かへんか?…ウチ、自分ともう少し話したいねん」


確かに、境内で立ち話するのは今日はあまりいい日和ではない。
それに彼女が言う通り、黒子も話したいことは事実だ。その為に再び近畿にやってきたから。


白井「分かりましたの。『ひやしあめ』とやらを頂きたいので、お邪魔させていただきますの」

火野「よっしゃ。あ、借りもんなんやけど…」


そうこうしてると寺の外の駐輪場に着く。そこには1台の原付が止まっている。
言葉から察するに、彼女のではなく誰かの借り物で、頻繁に使っているのだろうか慣れた手つきでエンジンをつける。


火野「2ケツ、したことある?」


黒子を気遣ってか、2人乗りしたことあるかを問いながらスペアのヘルメットを軽く投げ渡しながら問う彼女。


白井「い、いえ・・」


無論、友人には原付はおろか免許すら持ってる人もおらず、
ましてや常盤台中学と言う校則が厳しく、尚且つ『風紀委員』の彼女が2人乗りした経験など皆無である。
尤も、彼女は普段の遠出の移動なら『瞬間移動』で補うが、ここでは使う訳にはいかない。


火野「マジか…まあ、運痴みたいではなさそうやし、何とかなるやろ。ウチの腰のあたり後ろから軽く抱きしめればええよ」

白井「だ、抱きしめッ!!」

火野「うお、ナンや!?」


『抱きしめる』と言うワードに反応する黒子。
1年半前まで毎日のように美琴に対してやってた行為。
無論、時と場所によったら黒焦げか鉄拳制裁だった。そう御坂美琴から。
が、彼女を抱きしめた場合、どうなるか?


火野「けったいな娘やなぁ…ほら、はよしいや」


原付に乗りながら黒子を急かす彼女。胸の鼓動が高まる。彼女は御坂美琴ではない。
それは分かる。が、容姿は彼女を3年成長させた姿であり、性格も現在評価だがかなり近い。
これでミコトニウムを検出してしまった場合、黒子は暴走モードに入るだろう。いや、確実に理性が無くなる。


白井「で、では…」


自然体を装いながら彼女に近づく。彼女の頭は煩悩に支配されそうになってる。
普段から黒子を知る人が彼女の今の姿を見たら確実に「今すぐそこの寺で煩悩捨ててこい」と言う。
ゆっくりと黒子は腰を下ろし、両手を彼女の腰に回す。


火野「ええか?」

白井「…ええ」


が、彼女の理性は保たれた。
どことなく、寂しそうな黒子の返事を聞くと彼女はアクセルを入れ、寺を去った。



彼女がバイトしてると言う店は、駅前なら昔からあるようなごく平凡的な喫茶店だった。
店内も汚れても無く綺麗でもなく、ほのかな煙草のにおいが漂う。
カウンターには店長だろうか、煙草を吸いながら新聞を読む女性が1人、他に客の姿は見えない。


火野「ママ~、ウチの知り合いナンやけどひやしあめ2つエェ?」

「あのなー、何時も言ってるやろ。ツレやったら自分でやりい…」


面倒くさそうに、新聞を閉じながら彼女に話しかけようとした女性が振り向くとあり得ない物を見たような目で何か言おうとしたが


白井「ほげええええええェェェェェェェ!?」

「え!?」

火野「ほげェ、って」


黒子の渾身のリアクションでその言葉が頭から消えてしまう。正直、淑女がするリアクションではない。


「…おもろい娘だな。そのリアクションに敬して、ウチの自慢の1品をプレゼントしよう。コトミ、手伝え」

火野「は、はいー…」



1人、店内にいる黒子。おいおい、営業大丈夫なのかと聞きたくなるが。


白井(やっちまったー、やっちまったですの…)


そんな事を気にする余裕は今の黒子に無い。
それは先ほどの淑女にあるまじきリアクションもあるが。


白井(何で寮監に似てるんですの!?声まで!!朝会ったばかりですの!!)


そう、先程彼女が『まま~』と言った人物、おそらくはこの店の店長なのだろう。
しかし、その容姿は彼女が住む寮の寮監に恐ろしいほどに酷似している。
センター分けのセミロングの黒髪、ピシッとした雰囲気、凛とした声。恐ろしいほどに似ている。


白井(まさか、これが『魔術』と言う物ですか!?そっくりサンを大量生産する『魔術』ですの!?)


彼女の推測は少しあってる。黒子が推測した魔術に近い物なら『御使おろし』があるが、残念ながら違う。しかし、黒子に分かるわけもなく


白井(そ、そうですの。こんな時こそインデックスさんにご意見を窺ってててて)


テンパりながらも自身の端末を出し、インデックスにメールで確認を取ろうとする。しかし


白井(しまったー!今インデックスさんは飛行機の中ですの!!絶対にALOやってますの!!)


そう、インデックスは所用でステイルと共にイギリスに戻っていて、現時刻ならば日本に戻る飛行機の中。
しかも、飛行機内にてALOをプレイすると豪語してたので間違いなくメール等にはステイル共々出ないだろう。


白井(こうなったら、私1人で事態の対処を)


憶測が憶測を呼び、先程のような恥ずかしい行動を仕掛けた時に


火野「分かってるッつうの!!」


奥の厨房から声。彼女だ。声色や台詞的にあまり穏やかではないのは確かだ。



火野「おまちど~。この店の名物やでぇ」


何事も無かったかのように厨房から出てくる彼女。
その手にはサンドイッチが乗った皿を持っている。作っていたのだろう。


火野「って、ひやしあめ全然飲んでへんやん。口に合わんかった?」

白井「あ、ああ、違いますの?ちょっと、考え事を…」

火野「あ、ひょっとしてさっきの『ほげぇ』?大丈夫、大丈夫。最初ビックリしたけど、今となって…ップ」


思い出したのか、プルプル震えながら笑うのを我慢する彼女。
黒子への配慮だろうが、目の前で我慢されるのも辛い。


白井「ちょ、ちょっと、目の前で笑うのを我慢しなくても!!」

火野「せ、せやかて…ほげぇよ、ほげぇ?笑うなッちゅうのが無理やろ」


本当は全力で大笑いしたいのだろう。
しかし、ネタにされ弄られてる黒子の顔は恥ずかしさらか真っ赤だ、無理もない。


火野「ま、まあ、とにかくこれ食べて」


プルプルしながらテーブルに皿を置く。


火野「タマゴサンド。おっと、その辺のタマゴサンドと比べたらアカンで」

白井「比べるも何も…」


これは本当にタマゴサンドなのか?いい意味で。
見ただけでも解るふわっとした大きな卵焼きが自己主張してる。
それは、黄色と表現していいのか?否、黄金色と表現するべきであろう。


火野「さ、食べてみ」

白井「い、いただきますの」


黒子の反対側に座った彼女が進めてくる。
穏やかな表情で自分を見てる、仮にお姉様と結婚したらこのような新婚生活が続くのだろうと一瞬思う。
それはさておき、黒子はその自慢のタマゴサンドを1つ手に取り口へ運ぶ。


白井「こ、これは!?」

火野「どや!?」


美味い。
見た目以上の柔らかさ、がただ柔かいでなく程良い触感。
絶妙な感覚で混ざった卵液と空気が素晴らしい。


白井「と、とてもおいしいですの!!」

火野「ホンマに!?」

白井「ええ、本当ですの!!ウソ偽りありませんの!!」

火野「めっちゃうれしいわぁ!!ありがと~」


そこまで嬉しいのか、彼女は黒子を胸に当てるように抱きしめ始める。


白井「ちょ、おお、ま、まだ、食べ、食べてますの!!」

火野「かわいいやんな~」


黒子の事を聞きもせず抱きしめ続ける、よほどうれしいのか?
しかし、黒子は嬉しそうであるが、複雑そうにも見える。
それは、彼女が美琴よりも年上だからか?ちがう



白井「ふぅー、美味しかったですの」

火野「お粗末様」


タマゴサンドを食べ終え口を拭く黒子。
正直、ただのタマゴサンドだったが、黒子が生きてきた人生の中でも1、2を争う美味しさのサンドイッチだった。
が、引っかかる。


白井(なんですの?)

火野「あ、口直しのひやしあめのおかわり持ってこよ」

「コーヒー入れといた。飲むやろ?」

白井「え、ええ」

火野「ママ……」


タイミングを窺ってか、店長がコーヒーを持って来た。
しかし、あまり顔を見たくなかったのか、彼女の表情が曇る。店長もそれを知ってるかのよう。
何があったか聞くタイミングが無かったが、先程キッチン内にて揉めてた2人。しかも、


「…無様やな」


彼女を煽る。


火野「…何がです?」

「ハッ、耳も逝かれてもうたか?無様と言った」

火野「あ?」

白井「ちょ、ちょっと」

火野「黒子ちゃんは黙っといて!!」

「そうだな。その子はお前の後輩である『マシロ』ではない。それを1番自覚してるのはオマエ自身だろ?」

火野「黙れ言ってんのが聞こえへんのか、ワレェ!!」


激昂してテーブルをひっくり返す勢いで立ち上がる彼女。
しかし、そんな彼女に対しても冷静に言葉を続ける店長


「聞こえないな。そうやって、憑りつかれたように死者に固執した哀れな小娘の戯言なんざな」

火野「もう一回言ってみろ!!『あの子の名誉』にかけて顎引っこ抜いたる!!」


「やれるものならやってみろ。だがお前の言ってる『あの子の名誉』とはお前が自分勝手に創り出した幻想だ。
まやかしだ。現実を受け入れられない、お前自身の甘えた思い込みのな!」


火野「コンノォォ」


そのまま彼女が店長目がけ拳を振った時、


「は?」


彼女は店内から姿を消した。
それはまるで神隠し、いやテレポートと言うべきか?そうテレポートだ


白井「…」


黒子がいるのだから。



白井「ごめんなさい。本来であるならば、部外者である私が仲裁するのはどうかと思ったのですが…」

「いや…」



唐突な事に動揺する店長。その時、ふと壁に掛けてあるコルクボードの写真の1つを見る。
数ある写真の中の1つ。そこれは去年のハロウィンで彼女がコスプレで虎柄のビキニを着て、とある男と弾ける笑顔の2ショット写真。
何故彼女は虎柄ビキニを着ているか?それは彼女が髪の色は違えどとある人物にそっくりだからだ。
そう電気を操る超能力者、御坂美琴と。


「なるほどな…」


全て理解したのか、メガネを軽く上げる店長。


「運命であり必然か、残酷な物だ。…すまない、取り乱してしまったな。片づけるの手伝ってくれないか?」

白井「えぇ…ですが」

「あの子は1人にさせとき、今は頭冷やした方がええんや」



店舗の裏側。そこには先ほど使った原チャとビックスクーターがある。
一般的な光景である、そしてそこで休憩で煙草を吸う店員がいてもおかしくない。そう


火野「フゥー…」


彼女もだ。気の抜けた表情でしゃがんで、空を見ながら煙草をふかす。
数本目なのか、彼女の足元には吸殻がある。再び口にしようとした時


火野「へ?」


唐突にその煙草の火元とフィルターの間に現れる紙。この店の名詞だ。
切断された火種はそのまま地に落ちる。彼女の日常でこの様な事はあるはずがなかった。
が、今日だけで2度目だ。空間移動


火野「ほんま、なんでもありやな…」

白井「そんなことありませんよ。色々と条件がありますの。…それ以前に、煙草は美容と健康によろしくなくてよ。無論」

火野「未成年はダメ。…しっとるわ」


白井黒子がいつの間にか彼女の後ろにいた。テレポートしてきたのか?
偶々彼女が気が付かなかったのか?それは解らない。
が、黒子が能力を使って煙草を切断したのは事実。
ゆっくりと立ち上がる。


火野「…聞いたんやろ?ママから」

白井「えぇ…結構、おキツイ事を」

火野「ええんや。…けど、黒子ちゃんのおかげで吹っ切れた」


彼女が何を言われてきたのか、それは


火野「忘れるわ。あの子の事…『マシロ』の事」

今回はここまでです。


ではまた

こんばんわ!

さて、投下行きます!!




忘れる。死者を忘れる。それは同意味なのか?黒子が疑問に思ってた時。


「何でだよ!!?」


隣の府である京都でも同じような事を言われた少年が憤怒してた。


麦野「だから言ったろ。君には『ハチ』君の事を案ずるのは荷が重すぎるんだよ」

「でも、だからって!!」

木山(ストレートに言いますね…)


麦野と木山は先ほどバスにて会った少年少女と喫茶店にいた。
新幹線の時間までの時間潰しのつもりで2人に話を聞いてた、すると2人はかつて絹旗と黒子と遭遇してたようだ。
しかもその時、絹旗は2人に銃口を向けてるのだが、結果はこの様に麦野の目の前で憤怒するぐらい元気だ。
これほど少年が憤怒するのは。


「だから言ってるだろ!!ハチの親の事を、つかあの時の姉ちゃんハチの家族かなんかだろ!?」


そう、絹旗とその家族の事だ。
彼の言うハチとは絹旗の家族であり、死亡してしまった双子の兄妹の事。


麦野「…それに関しては、私が言う事ではない。絹旗が言う事だ」

「…そこまで言うと認めてる事になりますよね」


そして、この少年のガールフレンドは雰囲気に反して中々鋭い。
つくずく、あの2人に似てると麦野は内心思う。
本当によく似ている。浜面と滝壺に。


木山「…まあ、この短時間で君たちはこのお姉さんがキツイ性格だと言う事は理解できたろう」

麦野「おい!」


麦野のツッコミを無視し、手元の単語帳をいじりながら話し始める木山。


木山「が、言ってる事は事実だ。…君たちの話を100%信用したとして話を進めると、確かに絹旗君のご両親
…親と言っていい物か解らないが、いい人ではない事は確かだ。…しかし、君たちが抱え込める、介入できる大きさの問題ではない」


彼女の言葉は2人は麦野達に絹旗の両親の事を説明を聞いたからの言葉。
無論、この情報は事前に調べてたが近しい人から聞くと更に胸糞悪い。
そして、事前に調べた事によりもう1つ分かった。


「いいさ…いざとなったら」


この少年がある力を使おうとしてる事を。
『力なき者が力ある者に贖うための力』、言い換えると
『才能のない人間が才能ある人間と追いつくために作られた技術』
を習得しようとしてる事に。不確定な情報だったが。


「あいつ等を、『ハチ』に変って人誅を下せる力、『魔術』を――」


彼のこの言葉で、2人が『魔術』を習得しようとしてる事は明白になった。



木山「やはり…ですか」

「へ?」


木山は少年の言葉からあるワード。
『魔術』の言葉を聞くと手元の単語帳の1ページを破る。


「な――」


少女が反応した時には手遅れだった。
その瞬間、2人は光の球体に囚われ、意識を失ってしまう。
その球体には何らかの模様、いや魔方陣が描かれてる。


麦野「これが『速記原典』と言う奴か、ここまで便利だと私も使いたくなるな…って、使えないのか」


木山「ええ、あなた達『超能力者』には。…それに、これは私の知り合いの魔術師の物とはかなり異なります。
これを『速記原典』と言ってはイイのか…そもそも『魔術』は」


先程までの眠そうな声から一気に若返ったような声になる木山。


麦野「何回も聞いたが理解できん」

木山「…麦野さんが理解しようといないだけでは?…まあ、いいです。5分位で終わるのでアナタはこの機械端末を」

麦野「へいへい解りましたよ木山、じゃなくて神裂さん」


ダルそうに返事しながら2人のスマホを受け取る麦野。
彼女は木山の事を神裂と言ったが、間違いではない。それに答えるように


神裂「…やはり自分の名前を呼ばれる方がいいですね」


神裂は護符をはがす。そう、木山に扮してたのは神裂火織だ。


麦野「とっとと、そのバカップルの『魔術』に関わる記憶を消せ。こっちは端末内の怪しげな情報を消すからよ」


『記憶を消す』
今回、絹旗とSAO関連で京都に訪れたのが『化学側』の理由だとしたら、
2人の『記憶を消す』のに来たのが『魔術側』神裂火織の目的だ。


麦野「…後」

神裂「…何です?」

麦野「悪かったな」


唐突に謝る麦野。それは彼女の経歴からによる物なのか?
いや、この状況でのその言葉、そう思うのが正しい。


神裂「同情されたくはありません。それに方法も全く違います。状況も」


ただ、彼女はそれを受け付けなかった。



神裂「ただ、この2人を思う根本は同じだと思います。
私は不用意に術式の拡散を防ぐため、あなたは2人をあの屑親に近づけさせない為」


麦野「何が言いたい?」

神裂「2人共、甘ちゃんなんですよ。…ええ、甘ちゃんです」

麦野「…チッ、そうかい」


不満そうに舌打ちをし扉に手を触れる直前に


麦野「おい」


彼女が神裂へ自身の中の質問をぶつける。


麦野「あの時私は2人に、死んだ『友達であるハチの事を忘れろ』と言った。
これは私の経験での言葉だし、どちらかと言えば本能で言ってたに近い。…で、本来ならば何が正しかった?
私は宗教とは程遠い人間だ、頼むよ…」


神裂「…私は麦野さんの言葉を肯定します。
死者を忘れることは、死者の為でもあり残された生者の為でもあります。…忘れることなどできませんからね。
だから、麦野さんの言葉は正しい、と言っておきます」


その言葉を聞くと麦野は外へ出て行った。


神裂「…さて、慣れないやり方ですが始めますか」



「…あれ?」

「何してたんだろ…私達?」


数分後、少年と少女が目覚める。
しかし、何故この店に居るのかが分からない。
モヤモヤするのが分かる。が、分からない。


「あ、親父の弁当」

「届けに行こう?」


とりあえず、2人は京都駅で新幹線の駅員である少年の父への弁当を届けることにした。

今回はここまで。


ではまた

こんばんわ!!

さて、投下行きます!!

では投下



同じころ、黒子は


火野「大丈夫?さっきのよりスピード早いけど?」

白井「大丈夫ですの。…こちらのタイプなら1回ありますの」


彼女のビックスクーターで京都駅に送ってもらってた。


火野「ねえ、黒子ちゃんやったらウチの考えどう思う?」


『ウチの考え』それは彼女の後輩『マシロ』を忘れる事だ。それに対し黒子は


白井「私が口出すことではありませんの。…ですが、私もお姉様が…考えたくもありませんしあり得ませんが、もしもの時は…解りませんの」


何も言えない。『死者を忘れる』残酷に思えるがそれが正しいのか今の黒子には分からないし、考えたくもない。
が、考えなくてはいけない事でもある。現に、今だSAOカラの帰還の可能性は低い。


火野「黒子ちゃんはあの子に似てるぶんもある。ひょっとしたら『御坂美琴』もこないな――」

白井「似てませんよ。あなたとは…『マシロ』さんとも」


少しキツメの口調で言う。
そうだ、彼女は姿、声こそ黒子が敬愛する御坂美琴に似てるが。今日、京都に来て再び再開して確信した。全くの別人だ。
そして、彼女の後輩である『マシロ』と言う名の少女も黒子に容姿が近かったのだろう。


火野「ふっ…せやね。あの子が自分のそっくりさんが『超能力者』って聞いたら、泡吹いてひっくり返るやろな」


その様子を思い浮かべたのか、笑い声をこぼす。
彼女達の通ってる女子高では、『反超能力』の教育が活発で、多くの生徒が『超能力者』を毛嫌いしてる。
無論、生徒会を務めてた『マシロ』はその学校の模範的な生徒の1人だった。
そんな学校で、彼女は大丈夫なのかと黒子は思ったが。


火野「ま、ウチは変わりもんやからな」


大丈夫みたいだ。このメンタルの強さは美琴に通ずるものがある。


火野「…ひょっとして、『御坂美琴』も結構独特なんちゃう?」

白井「黙秘しますの」

火野「肯定してるやん」


それどころかカマ掛ける余裕もある。
しかし、逆に考えると2年前の美琴の様に黒子を安心させるための空元気なのかもしれない。
しかし、その真相は分からない。


白井「とにかく、私は最悪な状況を考えたくありませんですし、あなたの考えを否定しません。ですが、『わすれる』事については、正直理解できませんの」

火野「せやろな。ウチも誰かに理解してもらおうと思わへん。これはウチ自身の問題や。…ぶっちゃけ、他人の黒子ちゃんに聞いたのがアカンかったわ」

白井「…ですね」



暫く走ると橋の上で渋滞に捕まってしまう。


火野「…アカン」

白井「ま、まあ時間はまだありますので何とかなりますの…多分」

火野「調子悪いなぁ…」


凹んでる彼女を励まそうとする黒子。
話題探しに周りの風景を見るが、そこは橋の上。車やトラック、そして緩やかな淀川の風景。
黒子の住む街にも多摩川があるが、その風景はおなじ河川でもどこか違う。そんな河原に


白井「あれは…」


何かを見つける。


火野「お、動いたでー」


それと同じタイミングで渋滞が動き出す。が


白井「すみません。この橋渡った場所で待っててほしいですの!!」

火野「へ?チョッ!?」


その時には黒子は彼女のバイクの後ろには居なかった。

「ハッ、ハッ、ハッ」


どれだけの距離を全力で駆け抜けてきたのだろうか?
小刻みに呼吸をし、肩を上下に動かす小柄な少女が河原に1人。絹旗最愛だ。


絹旗「ハッ…ッ」


乱れた息を強制的に整え、拳を握る。


絹旗「チキショウ…チキショウ…チキショウ、チキショウチキショウチキショウチキショウチキショウチキショウチキショウ!!!」


すると彼女は河原の小石だらけの地面を殴り始めた。
がむしゃらに、乱暴に、何かを発散させようと全力で殴り続ける。


白井「絹旗さん…」


そんな彼女を見守るように黒子が少し離れた場所に現れる。
『空間移動』で音なく現れたからか、それともそれほど自分の世界に入ってるのか、絹旗は気が付いてない。
そして黒子が心配して近寄ってる事にも気が付かない。河原の小石を踏む音が聞こえるのに。



新幹線の時間まではまだあるので、ある程度放置しようと思った黒子。
原始的だが、それで彼女の理不尽な今までの人生を消すことができるのなら目を瞑ろうと。
それに、彼女の能力『窒素装甲』なら怪我をする心配もない。そう、能力が展開していれば。

白井「って!?」


黒子が見た絹旗の拳は赤黒く染まっていた。そう、血と泥で赤黒く。
導き出される答えは、彼女の『窒素装甲』は展開していない。


白井「絹旗さん!!?」


慌てて絹旗を止めに入る黒子。


絹旗「放して、超放してください!!」


後ろから羽交い絞め状態になる絹旗、無論抵抗するがいくら『暗部の人間』と言えど、
海原認識で能力なしで強いゲテ物女TOP3に入る黒子の拘束を解けるわけがない。
しかし、この時点でかなりおかしい。
絹旗の『窒素装甲』は彼女の意思関係なく常時展開されてる代物、なのでいくら黒子が筋力があろうがこの状況はありえない。
そして、黒子自身も絹旗の能力を知っているのでこの状況に驚き、動揺している。


白井(まさか!?)

絹旗「超放せって言ってンだろうがァ!!」



叫ぶように大声で黒子を振り払う絹旗。
しかし、その力が何時もの力でないことぐらい黒子にも分かる。


絹旗「ハァ…ハァ…」

白井「絹旗さん…」

絹旗「超無様ですかァ!?」

白井「えっ!?」


絹旗「超ォ無様ですよね、私!…『置き去り』で『暗部』で、しかも『暗闇の五月計画』の実験体になってさァ!今まで超クソな人生と自覚してましたよ!!
ですが、超ォ何なンですかァ!?生まれた時から超クソ親に売り飛ばされてよォ!
存在も知らなかった弟ってなンですかァ!超虐待されて、生活費の為に超生かされてた存在なンてよォ!
しかもSAOで死んだってさァ!で、『自分だけの現実』の超崩壊ですかァ!?何ですか、超ォ私の人生はクソなンかよォォォォォォォ!!!」


魂の叫びだ。

確かに、彼女の人生で超能力者になってからの人生は、社会の裏側での人生だ。正直、胸を張って言える事をやってなかった。
それでも『アイテム』の仲間たちとある程度の日常を送ってきた。
その『アイテム』も1度崩壊したが、あの男によってもう1度皆が集まり、小さな仲間も加わり彼女なりの日常を送ってきた。
『SAO』に2人囚われても彼女は黒子や神裂インデックス等、新たに知り合った仲間と共に今日まで来た。
が、それでも生立ちの事を知ったのは彼女の『自分だけの現実』を崩壊させるほどには十分だったのだろう。



絹旗「何なンだよその眼!?」

白井「へ?」


コンビニの前で屯してるチンピラの様に黒子にイチャモンを付ける絹旗。
そして、テンプレの様に


絹旗「超ォ気に入らないンだよッ!!」


黒子に殴りかかる。
無論、黒子ならば能力を使わなくても避けられる。だが


白井「ッツ!」


彼女は避ける事はしなかった。
『窒素装甲』が展開してないとはいえ、筋の通った絹旗の拳は黒子が大きめによろけるには十分だった。


絹旗「何ン!」


更に殴り続ける絹旗。しかし、黒子に避ける雰囲気はない。
何回も何発も絹旗の拳を喰らってはよろける。
2人が動くたびに河原特有の小石がザクザクと音をたてる。


火野「青春やなぁ…」


そんな2人を土手の上の道に止めたビックを背によっかかりながら煙草を吹かし眺める彼女が呟いた。



絹旗「こンのォォォ」


流石にふらふらになった黒子に止めを刺す為か、大きめに拳を振るおうとする絹旗。


白井「ッ!」


しかし、そこに出来た隙を黒子は見逃さなかった。


白井「いい加減に、しなっさいッ!!」


絹旗「ッブ!」


一瞬の隙をついた黒子は絹旗の頬に1発ビンタを加えた。
その乾いた音が響いた時、川の流れる音、橋を渡る車の音などが一瞬消えたかのように感じた。


白井「いい加減にしなさい絹旗最愛!貴女がやってるのは、ッブ!」


黒子が話そうとした瞬間、再び黒子に拳が入る。


絹旗「見っとも無い?だらしない?無様?そンなの超ォ承知してますよ!
だけど…だけども、それ以上に納得できないんですよ、心が!!超解りますか、白井にップ!」


そしてまた黒子の平手が絹旗に入る。



白井「ええ解りませんとも!!所詮私と絹旗さんは『他人』ですし、解り合えませんですッブ!」

絹旗「それを超堂々と言いますか、この状況でッボ!」

白井「言いますとも、言いますとも!ただ叫んで急にいちゃもん付けてきましたアナタにですからね!ッブ!」

絹旗「白井のその見下したかのよゥな目つきが超気に入らないんですよ!ッベ!」

白井「それを、いちゃもんと言ってるんですの!『スキルアウト』と同じような事言ってますの。ヴェッ!」

絹旗「だからどうしろと!?超どうすればいいんですか!!?」

白井「だっ、かっらァァァ!!」



言葉と同時に、黒子の全体重を乗せたストレートが絹旗の顔面に入る。その拳を受けた絹旗は


絹旗「オボロロロロロ」


ズザザと小石の音をたてながら倒され、転がり込む。
1連の行動で疲れたのか、立てる気力は無い。
仰向けにになり、夕焼けを見ながら小刻みに呼吸をする。黒子も膝を地に着ける


白井「ハッハッ、ハッ…解りませんの、そんなの」

絹旗「ハッハッハッ…超そうですよね、私自身も分からないんですから…」

白井「こんな事言うのもあれですが…」

絹旗「今更超なんですか…」


白井「私は身内や友人に幸福な事に不幸はありませんでした。…ですので、絹旗さんの今の心情を100%理解できません。
…特に、今回の様に疎遠になってた身内の状況を知っての状況など、私は想像もできません。ですが、今の絹旗さんは――」


絹旗「超子供みたいですか?ええそうです、超そうですよ子供ですよ。白井と同い年の超餓鬼です。だから超分からないんですよ。
…仲間を失った時、その時は『暗部』だから。そう思って納得しました。
…けど、例え超クソでも、超疎遠だったとしても、肉親は響きますよ…まじで」


白井「そうですか。…このような言葉――」

絹旗「超決めました!」



黒子が言葉を送ろうとした時、絹旗はハッキリとした声で空へ叫んだ。そして、思いがけない言葉を口にした。


絹旗「超忘れます!!この事を」

白井「へ?」


その言葉は黒子が1時間ぐらい前に聞いた言葉だ。そしてその続きも


絹旗「超勘違いしないでくださいよ?『忘れるんです』、と言っても、記憶の中から消すわけでもありません。
超消えることはあり得ませんからね!今は忘れるんです」


それは、先程から土手の上で何本も煙草を吹かしてる彼女が言った決意表明とほとんど同じ内容だった。


絹旗「正直、今の私には超受けきれません。理解しようにも、仕事と超違って感情が前面に超出てしまいます。
だから『時間』に任せようと超思います。…超変ですか?」


本当に同じ内容だった。そんな『偶然』に


白井「フフッ…」


黒子は笑みがこぼれた。


絹旗「な、笑う事無いじゃないですか!?」

白井「いえ、私が言おうとしたこと、絹旗さんが全部言ってしまうんですもの。何か、『偶然』過ぎてビックリしてしまいましたの」

絹旗「ふ~ん~…」


仰向けながらも土手の方を向く絹旗。その視線には彼女が映ってるだろう。


絹旗「あそこで超スパスパしてる人ですか?」

白井「ええ」

絹旗「…超『偶然』ってあるもんなんですね。フフッ」


そんな『偶然』に絹旗も笑みをこぼした。



絹旗「よっ…ホッ!!」


ふんぞり返るように飛び起き上がる絹旗。
最後の声がかわいい。


絹旗「超ごめんなさいね白井、いきなり超喧嘩ふっかけて。立てますか?」


黒子に近づくと手を差し伸べ立ちあがるのをアシストする。


白井「これでも『風紀委員』が全盛期の時同様、鍛練は疎かにしてませんですの。大丈夫ですわよ」


絹旗の力を借りて立ちあがる黒子。
どちらかと言うと顔の痣が痛々しい。


絹旗「本当、超すみません。…ですが、白井にも超謝ってほしいですね?」

白井「え?」

絹旗「さっき殴り合ってる時、白井は『他人』って超言いましたよね?あれ、超傷つきましたよ?」

白井「あはは、言いましたね…」


言った。本心ではないだろうが勢いで言ったのは確かだ。
それを訂正するために黒子は絹旗の手を深く握った。


白井「ごめんなさいね、『友達』の絹旗さん」

絹旗「『友達』?ノンノン、私達は『超親友』ですよ!」

火野「あんな、河原で大喧嘩してその後に『私達を駅まで載せてってください』、何て言うやつおらんで?。普通」

絹旗「ですよね~」

白井「絹旗さん」

絹旗「超ごめんなさい…」


先程の河原での大喧嘩から2人は、彼女ののバイクで京都駅へ向かっていた。
乗り方は御愛嬌。街中に入り、生暖かい風が3人の頬を触れる。


火野「そろそろ着くで、駅に」


彼女が言うとおり、バイクは京都駅南側の入り口に着いた。
反対側の『これが古都の玄関口か?』と問いたくなるような建物と違い、こちらはよくある新幹線の止まる駅の雰囲気。
ロータリーの一角に止める。


白井「ありがとうございました。突然押しかけて、色々と」

絹旗「傷の手当、超ありがとうござす」

火野「かまへんって、ウチも黒子ちゃん達と会って頭の中スッキリしたから。お互い様や」


彼女にヘルメットを返しながらお礼を言う2人。


火野「…あんな、もしよかったらまた」

白井「ええ、解ってますとも。時間が出来ましたらまた来ますわ」

火野「うん…あ、そや」


思い立ったかのように彼女はポッケから自身のバイト先の名刺を取り出すと、ペンで自身の電話番号等を書いて黒子に渡した。


火野「来るときは連絡してな。ウチもこっちにいたら会いに行くから」

白井「ええ、…その時までには是非とも禁煙しててくださいまし」

火野「あはは…前向きに善処します」

絹旗「それ、、超やらないパターンじゃないですかー」


罰の悪そうに笑ってごまかす彼女。そんな仕草がどことなく美琴を連想させると思う黒子。
この人物は『御坂美琴』ではない、『偶然』出会ってしまっただけの『ソックリ』さんだ。
そう認識しようと思っているのに、煮え切らない。
そんな黒子の考えが表情に出てたのか、彼女は


火野「黒子ちゃん、多分ウチの事やさっき言った『わすれる』って事が引っ掛かってるんやろ?」

白井「…ふふっ、本当に御見通しなのですね」


火野「ホンマ『ソックリ』やもん、あの子『マシロ』が思い悩んでる時と。まあ、ウチが悩んでる時もそんな顔してるかもしれへんし、今もね。
…せやから、黒子ちゃんのモヤモヤが晴れた時はウチにも教えてな?」


白井「はい、ご参考になるか解りませんが、その際は是非」


彼女は黒子の返事を聞くと再びエンジンを吹かし


火野「じゃあ、ウチは帰るから。絹旗ちゃんも元気でな」


そのまま後にした。



絹旗「白井ー?」

白井「なんですの?」

絹旗「やっぱり『御坂美琴』に超似てましたか?白井目線で」

白井「…全然似てませんわ…そして、すごく似てますの」


答えになってない答えだが、その言葉に妙に納得した絹旗。自身もそうだからか?


絹旗「なんか、京都に来ると超煮え切らない事ばかりですね」



京都駅・新幹線改札口


夕刻の改札には各方面へ帰る出張のサラリーマンが多く、所々で1杯飲み始めてる人もチラホラ。


麦野「ったくよ。絹旗ちゃんに白井ちゃんよォ!!」

絹旗「超すんません」

白井「言い訳の言葉もありませんの」

神裂「ちょちょっと、御三方」


そんなホームにて青筋立ててご立腹な麦野と頭を下げる黒子に絹旗、それをたしなめる神裂。とても目立つ光景だ。
と言っても、麦野が怒ってるのは2人と連絡がつかず、新幹線に遅れ、更には傷だらけでの御帰還。心配から来るものだ。


麦野「…はぁ。ま、こうなるかも知れないとは思ってたけどよ。少しはこっちの身になれ」


最もな意見だが、彼女はこの言葉を言った時ふと思った『自分がこのような言葉を言うようになったとわ』と。



お説教が済んだ後、絹旗は1人ホームのベンチに座っていた。絹旗と黒子が遅れたので予定してた新幹線に乗り遅れ、更に時間が時間だったので空席を取るのに8本もの電車を見逃すことになった。しかもグリーン車、代金は勿論2人持ち。ちなみに3人は駅弁やお土産を買いにコンコースへ行ってる。


絹旗「そう言えば、この前も新横浜に超遅れましたね。私達」


ため息を吐くように呟きながら引っ切り無しにやって来る、蒼と白のストライプの車体をベルやアナウンスなどのBGMで見つめる彼女。その表情は『煮え切らない』と言う言葉が1番似合う。その理由は彼女が『わすれる』事にしたこと、自分の親族関連の事。黒子にはああ言ったが、やはり簡単にできる事ではない。


絹旗「何か超キッカケが…」


そう、キッカケがあれば彼女は少なくとも表面上『わすれる』事が出来る。そして


「ねえ!」


その『きっかけ』のほうが彼女の方へ来た。


絹旗「あ、アナタは…」


その少女との出会いは『偶然』であるが、再会は『偶然』だったのか『必然』だったのか。おそらく後者だろう。運動が苦手そうな雰囲気の少女だが、肩で大きく呼吸し軽く汗を掻いて。滝壺理后と『ソックリ』な少女が再び絹旗の目の前に。



正直言うと、絹旗は彼女と浜面に『ソックリ』な彼女のボーイフレンドに会いたくなかった。
それはあの日、任務中であるが2人に銃口を向けた事による後ろめたさ。
そしておそらく彼女も知っている、いや友人だったのだろう。死亡した絹旗の兄妹を


絹旗「えっとー…」


言葉が思いつかない。何を言ったらいいのか分からない。
絹旗が考えるより、彼女の行動の方が速かった。


絹旗「おぅ!?」


絹旗が言葉に悩んでる間に、彼女ほうから絹旗を抱きしめてきた。


「大丈夫…」


その言葉、またしても『偶然』か?
しかし、この言葉が彼女の本心であることは間違いない。
確証はないが、絹旗はそう理解し抱きしめ返した。


「おい」


男の声に反応するとそこには彼女のボーイフレンド、浜面の『ソックリ』がいた。
若干であるが絹旗を警戒してる。
しかし、絹旗は自分が敵意は無いと目線で語りかけると彼も応え警戒心を解くと握りしめていた紙切れを絹旗に渡す。


絹旗「…これは?」

「あいつ、『ハチ』の墓がある寺だ。…時々でイイから、兄貴に線香でもあげてくれよ」


ぐしゃぐしゃな紙にぐしゃぐしゃな文字。急いで書いたのがよく解る。
そして、どうしても伝えたかった事も分かる。ゆっくりと彼女を離すと、絹旗はその紙を受け取った。



麦野「絹旗ぁ?」


麦野の声が聞こえて周りの状況に気が付く。
麦野達は既に新幹線に乗り込んでいて、ドアからこちらを見ている。
よく聞こえる電子音の発車ベルにアナウンスがホームに響く。彼女はそのまましっかりとした足取りで車内へ向かう。
その様子を寂しそうな視線で送る2人など簡単に想像できた。本当ならいろんなこと『ハチ』と言われてた絹旗の兄妹の事を聞きたかった。
しかしそんな余裕、双方心にも時間的にも無い。それでも、彼女は最低限の事だけを伝えたいと思い、デッキに入り立ち止まると振り返る。


絹旗「1つだけ超言わせて下さい。…私の方が超姉です」


彼女が言葉を言い終えると同時に、新幹線の扉は閉まった。




「…絶対に『ハチ』の方がアニキだよね?」

「だな。で、どっちが兄かで毎回喧嘩してそうだよな」


絹旗の言葉を聞いた2人が新幹線を見送りながら突っ込みを入れる。
本当ならば、青春映画よろしくな追いかけようとしたが、外部製で10年前の車両でも約1分で160キロ近くになる車両には追いつかないし、
何より絶望的に絹旗が小さいので乗降口の窓からは見えなかったからだ。


「やっぱ言ってたね。『超』って」

「本当な。…報告していくか?」

「うん」



車中


京都で、様々な事があり過ぎたのか絹旗と黒子は発車後すぐに眠りについてしまった。


麦野「よくもまあ寝てよ」

神裂「お疲れになったのは明らかですからね。仕方ないですよ」


そして2人は、駅弁をつまみに酎ハイを飲んでる。まるで引率の先生だ。


麦野「で、何であの2人の記憶が戻った?」

神裂「そうですね…」


唐突に仕事モードに入る2人。
話題は神裂が持ってる単語帳『速記原典』モドキ。
確かに、神裂はこれを使いあの2人の記憶、自分達に関わる事を消させたのに2人は覚えていた。


神裂「慣れてない、と言ったら話は終わりです。しかし、私なりに考えるとやはりあの2人だったから、とでも言えましょうか」

麦野「もしくは、その『速記原典』とやらがお前らの知ってる物じゃなくて『ヘブライ魔術』が入ってる、だからか?」


神裂「それもあります。…ですが、SAO関連の技術を『旧アーガス本社』で探索した際には、木山春美と意識を共有できました。
ですので、このように『化学側』の資料をこうして持ってこれたのです」


彼女がカバンの中を見せるとそこにはファイルに挟まった資料や、神裂が使えるはずのないタブレット壊れてないで入ってる。


麦野「今回の京都行と『偶然』、そしてその『速記原典(仮)』。
これらから導き出される答えは、その専門家とやらに会いに行ったインデックスとステイル待ちか…」

今回はここまでです!!


今回で京都編は終わりです。
元々自分が「とあるシリーズで超絶和風な場所での戦闘ってあったっけ?」と言う思い付きで出したのが京都です。
ですが、このSSでは大きなキーパーソンになりました。
SAO的には、ゲームメーカの某天堂繋がりです。あと個人的に好きな街です。

次回からは今回の京都編にまだ1回も名前が出て来てない彼女達のホームタウンでの話です。


ではまた

こんばんわ!!

さて、投下行きます!!

では投下


麦野達が自身の街に着いたのは京都を出てから3時間半は経っており、夜空を繁華街の雑多なネオンが照らす。
都市部の乗換駅などではよく見る光景であるが、その光景に違和感を覚える人がこの地域には多くいる。そして


麦野「あれ?」


彼女もその1人。しかし、その違和感が何なのか今は解らない。
いや、そこまで気に留めるほどでもないと麦野は脳内で処理してた。


神裂「どうしたんですか?」

麦野「いや、エセ神父を探そうと思って喫煙所探そうとしたんだけどよ、何処だっけなーってさ」

絹旗「麦野ォ…超更年期には早いと思っていましたが」

麦野「き ぬ は た ちゃん。オマエ少しこっちが気を使ってるからってな」


そう、疲れによる些細な違和感だと。


神裂「あそこの看板に書いてあるマークの方向じゃないですか?」


しかしそんな違和感、もとい度忘れは街中にある案内標識、情報端末ですぐに何とかなる。


白井「多分そうですわね。私も度忘れしてましたが…それよりも麦野さんはステイルさんをお探しなんですよね?」


麦野「仮にも『風紀委員』だったんだから忘れるなよ…そうだよ。
あのニコ中ならどう考えても十数時間の機内や成田だから電車で2時間半煙草我慢できる訳ねえし、
だからと言って空港や駅構内の狭い喫煙所だとあの目立つ図体だから下手すると駅員とかに声かけられてNG。
なら、こういう外の喫煙所で吸うと思ってな」


神裂「ステイル…まあ、その予想は大方当たりでしょうけど」


1番付き合いの長い神裂があきれたように肯定する。
実際、ステイルがこの街に来て煙草関連でイライラすることは神裂も知っている。
そして、彼が安心して喫える場所が少ない事も知ってる。
厄介な事だと神裂はいつも思ってた。が、その予想は大きく外れる。


絹旗「いいえ、超はずれですね」


黒子の端末を覗いてた絹旗が否定する。そこに何が映ってるのか


麦野「見せろ」

白井「イイですけど。…フフッ、アホ臭いですわよ」


笑を堪えながら端末を渡す黒子。
よく見ると絹旗も今にも吹き出しそうなのを我慢している。
そんなにステイルが関わってる面白い画像なのか?


麦野「ブッ!」

神裂「グッ!」


とても面白い画像である。
大人びた美女が噴き出すほどに。



『飛行機内では電場の出る物は電源を切る』
離陸前のくどいアナウンスや説明ビデオや席のポッケに入ってるしおりにも書いてあるお願いだ。
それは飛行機の計器類の誤作動を防ぐための処置であり、1度起きれば大事故になる航空事故を防止するためでもある。
しかし、技術革新で2010年代前半から特定の業者との契約さえすれば、飛行機内にてのインターネット接続が可能になった。
初期こそ程々の通信しか出来なかったが、2024年代現在大容量通信が可能であり、長編映画、リアルタイム通信などをしながら空の旅を楽しむことができる。
無論、そこにVRゲーム機が加わるのは言うまでもない。
ワザワザVR系ゲームを機内でやるようなのはネットゲーマーの廃人の部類。と、普通は思うだろう。
だが考えて欲しい。狭い機内、例え大型機だろうとしてもその中で体を動かすのはスペース的にも限られる。ならばどうする?
そう、そこでフルダイブゲームである。肉体的『エコノミークラス症候群』などの根本的な解決にはならないが、精神的にはかなり効果があり。
今までフルダイブゲームをやらなかった人々にも受け入れられるようになり、『ナーヴギア及びSAO事件』にて評判を落としたフルダイブゲーム機の名誉挽回にもつながった。
 さて、話をステイルの方へ戻す。先述の通り、ステイルはヘビースモーカーであり1日1箱は喫わないと落ち着かない体である。
なので飛行機等の公共交通での移動は大の苦手であり、特にロンドンからの直行便は苦行の他なんでも無い。そこで『アミュスフィア』の登場である。
『魔術側』の人間の中では機械に強いステイルなので問題なく使えるので、彼は販売以降飛行機内では必ずと言っていいほど『ALO』にダイブしている。
理由は勿論、煙草を吸うためである。しかし、国際線は搭乗する前にチェックインや荷物検査、出国手続き等時間がかかり、先述の通り空港内では喫えない。
ゆえに、ログインして喫ってるのだが


絹旗「そんな超噴き出したら…ブッホ!!」

白井「ブフウウウ!!」


その光景はあまりにもシュールでアホ面である。


ここまでの無駄に長い文章はこの為の前フリだ。画像の正体は『ALO』内にて取られた写真だ。
ステイルは『ALO』内では『サラマンダー』になるが、現実での容姿が若干ゲーム臭いので違和感はない、
そこに映ってるステイルは平たく言えば『煙草を吸ってる』この1言で説明できるのだが、問題は本数である。
1度に6本もの煙草を吸う姿は『アホ面』以外の説明がつかない。
それを真顔で若干カッコつけて「僕は煙草吸ってるだけなのに、なぜ君たちはそこまで笑うのだ?」と表情で語りかけるのがツボを誘う。
更にその後ろで『ウンディーネ』のインデックスが顔をそむけて笑いを我慢し、この画像の送り主の『シルフ』リーファも笑ってるのもイイ。
人々を笑顔にする実にいい写真ではないか。


麦野「いい写真撮るじゃねーか、リーファの奴ッ。今度ヒマな時に何か手伝ってやるか」

神裂「そ、そうですね」


笑ながらも事態を理解できた4人は、ステイルがいるであろう『冥土返しの病院』へ向かう事にした。
インデックスとステイルは1時間前にこの街についてる様だ。



そんな自分の表情を笑われてると知らないステイルは


ステイル「フゥー…」


『冥土返しの病院』内のベンチにて煙草を吹かしてた。
本来、院内は全面禁煙だがそこは目を瞑ってもらってる。
バーチャルではないリアルの世界での雑味と煙さ、1本目特有の根拠のない旨さにヤニクラが心地よい。


「そしてこれがあればその臭い嗜好品は更に美味しくなると聞きました、とミサカは昭和時代のドラマで見た知識を元にこれをあなたに送ります」


特徴のある口調と共にステイルに近づく、胸元からのハートのアクセサリーをかけてる御坂妹。


ステイル「その知識はあってるし、君の持っている飲料は今僕がとても飲みたいものだと思ってた物だ。…しかし聞きたい。
何故この街の、しかも『純粋な科学側』の人たちは僕にくれる飲み物は全部『ミルク入り』なのかな?ケンカ売ってるのかい?」


御坂妹「嫌だなステイルセンセ。高確率で眉間にしわを寄せてたり変に重く考えるからリラックスしろと言う意味と、お子ちゃまだからミルク入りなんだよBoy☆
と、ミサカは60年代メリケン映画に出てくる陽気なオッサンとムギノンから教わった煽り文句をミックスしながらあなたを煽ります。Hey Boy!」


挨拶がてらにステイルをおちょくりながらも缶コーヒーを手渡す御坂妹。
しかし、冬は超えたが、まだ夜は寒い時期。あたたかい飲み物は嬉しい。
そう思いながら黄色い缶コーヒーの蓋を開ける。



御坂妹「どうでしたか、1カ月ぶりの母国と言うのは?と、ミサカはとりあえず掴みの会話をしてみます」


ステイル「…君たちの話し方には慣れたつもりだったが、その言い方はあんまりだろ。気を遣わせてるみたいでいい気分じゃない。
で、その問いの答えなら相も変わらず、霧と雑多な街だったよ。ただ、久しぶりに食べたイールゼリーと向こうのコテージパイは美味しかったね」


御坂妹「自分で言うのもアレですが、食い意地があるミサカですが前者に関しては全く持って興味が湧きません、つかロンドンに居る個体が拒否反応を起こした時のMNWの荒れ具合が忘れられません、とミサカはその時に共有してた味覚を忘れるためにコーヒー一気飲みします。
しかし、後者に関しては凄く興味があります、とミサカは自作したコテージパイとの違いがすごく気になり早く調理したい心情を漏らします。腹減った」


ステイル「空腹なら何か食べてきたらいいじゃないか。あの子もお腹空いてるしね」


御坂妹「そのつもりでしたが、あなたが此処にいると言う事は彼女はあの人の所で何時ものでしょ、
とミサカは何とも言えない気分であの人の部屋の前の廊下の明かりを見ます。あ、出てきた」


ステイル「…察しがいいよ。本当」


続けてステイルも彼女と同じように2階の廊下を見上げる。
そこには銀髪の少女が盥に入ったぬるま湯とタオルを交換しにナースセンターに向かってる様子がよく解る。
その少女の日課の1つ。その病室で寝たきりの少年の身体を拭く事だ。かれこれ1年以上は続いてる。


ステイル「君は良いのかい?」


御坂妹「あの子が不在の時や遅い時はミサカがいつもやってますので。
と、ミサカは余裕ぶりながらも若干悔しい思いをにじませます。そう言えば、あなたの同僚は」


ステイル「さっき顔見て唾掛けてきた。ま、後で義妹が拭き取ってくれるだろうさ」

麦野「その隙に、お互いチャンスがある者が何かやらかすと。…あーあ。」

神裂「言わせませんよ。天草式の何チャラと!?」

ステイル「言ってないよ!!」

御坂妹「言ってませんよ!!それ以前に居るなら声かけてくださいよ、とミサカは唐突に後方に現れた2人に驚愕します。いつからいた」




2人の会話に唐突に入ってきた麦野と神裂に突っ込みを入れながら驚く2人。
麦野たちも御坂妹達の会話をはっきり聞いて無かったのか、会話がかみ合ってない。


神裂「あ、京都お土産です」

ステイル「八橋か…僕はあまり好きではないが、あの子のためだ」

麦野「礼ぐらい言えよな偏食野郎」

ステイル「…ありがとう」


御坂妹「この神父と違い、ミサカは素直に早急に感謝の言葉を御2人に送ります。ありがとうございます、とてもうれしいでごわす。
と、ミサカは本音だと八橋よりもお漬物類がよかった心情を吐露します」


麦野「本当、素直な人間がいないなここは!!」

神裂「あなたが言いますか!?で、あなた達が此処にいるのは…」

ステイル「同じだよ、君たちと」


そうだ。2人共、ステイルや御坂妹と同じだ。
神裂は御坂妹に近い立場で、ツンツン頭に用があったがあの娘がいるため諦めた。え、同僚のグラサン?
安眠した顔見た瞬間ぶった切りたくなるので無し。
麦野も仲間と馬面に会いたがったが、今日は絹旗が京都でのことを1人で伝えたいと言ってたので無し。黒子は言わずもがな。



麦野「つか、表のワゴンやマイクロバスは何なんだよ?撮影かなんかか?」


彼女が質問した通り、『冥土返しの病院』の駐車場にはこの時間には珍しく車が多く止まっており、それらの車種はワゴンやマイクロバスである。
そして、その周りではテレビスタッフが慌しく仕事をしている。


御坂妹「忘れたのですか?今日はテレビ番組の撮影で、夜間医療の現場を撮影すると言ってたではないですか?
と、ミサカは今日の日程を忘れたムギノンに伝えます。痴呆かよ」


麦野「真顔でナチュラルに喧嘩売るな、オマエ。…ま、忘れてたのも事実だけどよ」


そう、今日は番組改編期の『真夜中の仕事』と言う特番の撮影で、その1つが病院の救急医療である。
番組はよくあるひな壇形式でワイプに芸能人の表情が写る典型的な物。
その中のコーナーで、出演者の数人が実際の現場に行くVTRの撮影が今日この病院なのである。
どう考えても病院関係者からしたら邪魔であるが、院長の『冥土返し』が「1回ぐらいならいいかもね?」との事で今日に至る。


麦野「物好きだね~先生も」

ステイル「人間、歳を取ると好奇心が余計な位に旺盛になるんだよ。どこの国の人間でもね」

神裂「本当、そう思いますよ」

御坂妹「何か実体験からの言葉のようで、重みが感じれます。と、ミサカは中間管理職のような哀愁を醸し出してる御2人に同情します」

神裂「ありがとうございます」

麦野「つか、流石に私ら団体がいたらまずいだろ?絹旗達が来たらどこかに行こうぜ」



白井「そうだったんですの。ですからこの様な時間でも人が多かったんですのね」


病室から戻ってきた黒子達が合流すると。先ほどまでの流れを軽く説明する。
で、一行は黒妻の店か、服部の店か、どちらに行くか決めようとしたが。


絹旗「歩きながら超決めませんか?どちらに行くにしても乗るのは『多摩センター』行の超バスですし」


と、ごもっともな意見が出る。しかし、ここで一同に違和感が生まれる。
この面子で彼女がいると絶対に必要な考慮だ、が普段は彼女から申して来るので気にしないが。


麦野「おいインデックス、調子悪いのか?」

インデックス「へ?だ、大丈夫なんだよ」


そう、彼女がいつも問う事。
それは『~が食べたい。~量が多い方がいい』等、それらの言葉がない。
それ以前に、ここ最近の彼女は様子がおかしい。


ステイル「本当に大丈夫なのかい?やっぱり、飛行機で移動した疲れが…」

インデックス「大丈夫なんだよ!!」


ステイルや神裂も同じように彼女の変化。何かを隠し空元気のような態度が気になっていた。
そして、今日のインデックスは輪をかけて様子が変だ。


白井「…もしかして」


しかし、黒子は以前彼女と同じような雰囲気の者を間近で見ていたことがある。


白井「誰かから観られてると感じるのですか?」


そう、彼女の雰囲気は2年前に御坂美琴が訴えていた『誰かの視線』と同じ雰囲気だ。黒子の問いに対し、インデックスは


インデックス「…半分、当たってるかも」

インデックス「視線…と言うより『プレッシャー』に近いかも」

御坂妹「『プレッシャー』ですか?」

神裂「重圧みたいなものですか?それをここ最近常に感じてると?」

インデックス「そっちは違うかも。…『プレッシャー』は今日、『学園都市』に帰ってからで」


微妙な肯定だが、それでも引っかかる。


麦野「…つか、流石に言え。お前の様子が変だとこちら側も困るし、お前を心配するのも私やステイル、いっぱいいるんだ。
向こうの世界に行っちまったお前の『ヒーロー』さんもな。つか、いつも思うんだがお前はこの辺りの街の愛称が好きだな」

インデックス「ッ!?」


インデックスが麦野の言葉に素早く反応する。
麦野からしてみたら、飯の事に反応しなくて先の言葉に反応したのに驚く。


麦野「…とにかく。今から行く店で話せ。こっちが気が付かないうちにお前の癇に障る事があったら謝るし、悩み事があったら真剣に聞く。
…頼むよ、仲間に心配かけさせんなよ」


麦野の心からの言葉と優しい表情に、インデックスは何かが壊れそうになった。しかし、今はまだ壊れると木で無い事は彼女にも解る。


インデックス「解ったんだよ」


安心した表情で答える。流れ的にこのまま夕食に向かおうとした時。


「一一一さん入りまーす!!」

絹旗「超うっせ!?」

ステイル「雰囲気ぶち壊しだね」


響くテレビスタッフの声。内容から察するに、男性アイドルの一一一が現場入りしたのだろう。
夜の病院なのだから空気読んでほしいものである。しかし、仮にも特番に売れに売れまくってる一一一が出るのである。

神裂「なにかの番宣なのでしょうか?」

白井「あー、そう言えば今度恋愛青春映画やるんですよね」

絹旗「爆死しそうな超A級映画に出るみたいですね」

ステイル「何とも、ウチの女性陣が興味なさそうなジャンルな事だよ」


御坂妹「エセ神父に忠告しときますが、そのような映画の1本や2本見とかないと普通な年頃の異性との会話が弾みませんよ?
と、ミサカは自身が興味ない映画を観ることを薦めます。ツカ観てこい」


ステイル「…遠慮しとくよ」

麦野「あれ、その映画のヒロインはーって、インデックス!?」


と、そのまだ見ぬ映画の事を軽く貶してる1同をよそに

インデックス「ッツ、ッツ!!?」


インデックスが目を見開いて顔を真っ青にし、首を絞められたかのごとく冷や汗を噴き出し震えていた。
そしてインデックスの状態を一同が認識した瞬間、再びスタッフがもう1人の出演者を紹介する。
そう、一一一と映画で共演するアイドル。

「アルミンさんはいりまーす!!」

「どうも~♪」


金髪で小柄なアイドル『アルミン』が現場に入ってきた。
まさかと思う。そうだ、この状況だとインデックスが言う『プレッシャー』を発する相手が彼女だと言うことになる。
どう見ても『魔術側』『化学側』でもなさそうな『アイドル』。

麦野「い、インデックス?」


確認を取ろうと麦野が代表で聞こうとし瞬間


「キャッ!?」

「なんだ!?」


御坂妹「チャフ!?」


乾いた破裂音。次の瞬間、辺りに『白い何か』が舞う。
最初その場にいた者は消火器等が破裂したのかと思った。
マネージャだろうか、一一一とアルミンを素早くガードする。
怪我をさせないように自らの身で守るマネージャーの鏡だが、その『白い何か』が一一一の髪の毛に付着すると彼はそれを手に取った

「…鳥の羽?」


そう、『白い何か』は鳥の羽だ。
更にその羽には何か粉末が塗してあるが、それが何は彼が知る事は無かった。

「眠りなさい!!」


その場で男女の数人の言葉で響く凛とした声。
その声を聴いた羽まみれた者達はまるで力尽きたかのように倒れていく、無論一一一も例外ではない。


絹旗「チョォーー…zzz」

御坂妹「またですか、絹旗さん?」


そして、またもや絹旗が眠ってしまう。
そう、これで麦野やステイル達が理解した。


麦野「これって、前回京都で海原が使った」


「そうです。アステカの子守りの術式ですよ」


陰から出てくる青年、海原ことエッツァリだ。
そう、先程のは彼が使用したアステカの術式で、トウモロコシの粉末と鳥の羽をぶちまけその地の言葉で『眠りなさい』と言うと皆眠ってしまう術式だ。
尤も、本来は彼が述べた通り『子守り用』の物である。


海原「ですが、この術式はおなじアステカの『護符』を使用し姿を変えてる者には別の効果が出るのですよ」


説明するように響く声で眠ってしまった人々の間をよけながら、ある少女の元へ向かう。同じように麦野達も近づく。
そこにはある少女が、右手で顔を抑えながら立ちあがろうとしてた。


海原「簡単に言えば『護符』の無効化ですね。2度とその札は使えませんよ。」


「そうみたいだな、しかしお前も…いや、予備の培養させた護符があるのだろう」


先程までの人々から愛される声は何処に行った?人々を引きつける声には変わりないが、妖艶と言う言葉が近い。
何故、アイドルから言えるか?答えは簡単だ。


インデックス「でもね、あなたはさっきまでのスラブ系の顔よりもそっちのゲルマン系の顔が良いよ。ね、時の魔女『アルティミシア』」


ばらばらと護符が割れながら現れる顔。
忘れもしない、現時点でこの街の最大の問題事項であり首謀者でもある人物。


アルティミシア「久しぶりであるな。…こう言ったらいいのかな?ご先祖様に1st世代の方々」


『魔女』

今回はここまで。

ではまた

おお、俺の妄想した妖精の意見が通ってるとは
あと気になったのでアドバイスだが「科学サイド」ですぜ
化学以外も司っておりますぜ

こんばんわ!!

さて、今回も戦闘シーンなしの話回ですが、魔女の秘密暴露回です。


>>625

すんません。ですが、今回は純粋に科学人間として見逃してください!!
これからも、ご指摘お願いします!!


では投下



敵地への単独強襲。
物語の終盤でよくある展開だが、それには仲間と共に戦いながら時には犠牲を出して行くものだ。

そう、だからこそ


アルティミシア「おい、せめてコーラぐらい出せ。でないとボッタクリピザの美味しさが半減してしまうだろうが」

インデックス「その意見には賛成かも。ケータリングピザにはコークが必須なんだよ。それにアメリカ式のならタバスコもね」

冥土返し「ふん、間違えてXLサイズ2枚頼んじゃったけど、結果オーライだったかもね?」

ステイル「最近はローマの奴らのせいで食べれなかったけど、やっぱ僕はこっちのタイプのピザがいいや」

麦野「ゴラ」


こんな意味解らない展開にツッコミが1人しかいないのが異常である。
しびれを切らして麦野が質問を入れる


麦野「おい魔女!」

アルティミシア「なんだ、食事中に無粋な」

麦野「食事続けたかったら私の質問に答えろ。何故ここに来た、目的はなんだ、今まで何してた、お前らは何なんだ!?」


本当に食事を続けさせる気はあるのか、4つの質問を一気にぶつけた。
しかし、どれも麦野達なりにはある程度推測を立ててるが、確信的な答えはない。


アルティミシア「さっきの通り、テレビの仕事でここに来た。今までお前たちも知ってる通り『アイドル』として仕事してた。私達は私達だ。
さて、質問には答えたぞ。私は目の前のピザを頬張るので忙しい」


インデックス「あ、人のてりマヨ勝手に食べないでほしいんだよ!!」

アルティミシア「うるさい!お前こそ人様のハワイアンさっきから何枚食べてる!?」


求めてた内容とは程遠い回答を即答され。
剰え、目の前で喰い意地シスターとの小学生のような食った喰わないの言い合いを始める始末。


麦野(そう言えば、コイツ等と初めて遭遇した時もホテルのバイキングでインデックスとの食い意地張ってたな…)


いつぞやの、ホテルでのバイキングにて遭遇した時の事を思い出す。
あの時もそうだ、インデックスと寿司を巡って言い争いをしてた。そう、あの日から彼女たちの攻勢が始まった。
しかし、ここ最近はどうだ?とある高校にての騒動、いや麦野たちがSAOへ潜入した日の翌日からの目立った活動は見られない。


麦野(仕方ない、神裂たちが『捕虜』の様子を見終わってからでもいいだろう。どの道、ピザを食い終わるまで話にならなそうだな)



『冥土返しの病院』の地下


病院の地下、と聞いてまず好印象を持つ人間の方が圧倒的に少ないだろう。
『解剖用の検体保管庫』『発電施設』など、知らない者からしてもいい印象はない。
無論この病院の地下にもそれらはある。しかし、この病院の特殊な施設として『能力者重病人隔離区画』と言う物がある。
それは本来、能力開発の過程にて何らかの重大な障害が発生した場合にのみ使用されるが、その風景は『監獄』と言っても差支えない。
が、そのような事態の大方は研究所等にある施設と大差なく、この病院の施設は使われたことは無かった。
そう、彼女が搬入されるまでは。


「…ふん」

神裂「あ、アナタは!?」

白井「おや、ここに誰かがいると言う事は先生のお知り合いで?と、思いましたが神裂さんのお知り合いのようで」

絹旗「うお、超マッチョ」

白井「そして溢れ出す、紳士な雰囲気」

海原「何故あなたが此処に!?」


『魔術側』のリアクションが無ければ、彼は絹旗達の反応通り大柄マッチョの紳士で『冥土返し』の知人だと認識されてたであろう。
しかし、彼は『魔術側』の人間なら知らぬ人などいない存在、『神の右隻』の1人にて『二重聖人』『後方のアックア』。
しかし、今ではそれらの肩書は過去のもの。


アックア「…『偶然』ではあるが、あのシスターや君の話を聞いてな。…話が本当ならば興味を持たない方がおかしいのである」


白井「それなら、私もインデックスさんの話を聞いた時には『その事』にとても興味を持ちましたし、今でもあります。
…ですが、些か無理が大きすぎますし、それに『その力』はあなた達の方でも」


海原「『神話レベルの術式』です。…ですが」

神裂「各国の神話を調べれば調べるほど、彼女達の行動は『それ』にとても近いです。しかし…その中には」

アックア「『科学側』の論理が入ってる。のであるな?」

白井「その様なのですが…」


不確定な要素の情報を聞くと、アックアは胸ポケットからUSBとカードの記録媒体2つを出す。
どちらもユニバーサル企画の品。


アックア「私なりに試したいことがあるのである。だが、私は機械に疎いのである。そこでアステカの魔術師と化学側の人間1人を貸してほしい」

海原「自分ですか!?」

アックア「ああ、で能力者だができれば音感がある方がいいのである。それに、何やら嫌悪感を示す存在が来てるようであるな。そこの少女と同じように」


と軽く振り返るように後のガラス越しにベットで拘束され、目を見開いたまま横になってる少女を見る。
絹旗や白井と変わりない少女であるが、彼女は何御力を持たない人間だった。そう、あの京都での夜までは。
彼女が捕えられた時の名前は『リノア』。魔女の元で暗躍した『原子崩し』である。



廊下


白井「いいのですか、唐突に現れましたあの紳士に任せても?」


神裂「彼は信頼できる魔術師です。仮に力を無くしても知識は無くなりません。
アックアの考えに賭けてみることで、『魔女』との交渉にカードが増えるかも知れません」


廊下を話ながら応接室へ向かう2人。アックアの指示通り絹旗と海原を置いて来てきた。


御坂妹「御二方」


後方から物静かに御坂妹が声をかける。そして


神裂「ヨ、よろしいのですか」

白井「作戦としては解りますが、…やはりち、その娘を同席させるのは」

御坂妹「リスクは承知の上です。と、ミサカはミサカはこの子の口調をまねてこの子の決意をミサカの翻意を2人に伝えます」


無表情ながらも力強い視線。そして、幼さが1年半前と比べてやや薄くなった顔。


麦野「どういう意味だゴラァ!!」


しかし、そんな空気を断ち切るかのように麦野の怒号が響く。
状況を確かめるために4人は急いで応接室へ向かう


アルティミシア「やあ、ここで3人追加とはとてもいい。この3方にも決めてもらおうではないか?」



応接室へ入ると『会談』が始まったのか、アルティミシアが麦野達の反対側のソファーに足を組みながら余裕の表情で神裂達を向かいいれた。
本来、拳の1発でも飛んでもおかしくないが、麦野達は此処に彼等がいるから。
アルティミシアも薄々此処にリノアが拘束されてるのを推測してるのだろう。
そして、何らかの発言が麦野の勘に触ったのか?


インデックス「かおり…」


インデックスも神裂の方を向く。彼女も険しい顔をしている様子を見ると、他のメンバーも同じであろう。


神裂「…状況を説明していただけると、ありがたいのですが。あ、この臭いは説明しなくていいです」


流石に、ピザ特有のチーズの油臭さは説明抜きで構わない様だ。



冥土返し「…僕から説明してもイイかな?彼女はピザを食べ終え食後のコーヒーを飲み終えてこう言ったんだね?」

白井(いなくてよかったんですの。突っ込み疲れしそうでしたの…)

御坂妹(ああ、だからむぎのんは他の人よりも機嫌が悪いのでしたか)


冥土返し「つまりね?

◎彼女の仲間である例の少女を解放してほしい。

◎今後、我らに干渉するな。こちらもしない。

かなり要約したけど、こうかな?」


アルティミシア「流石だ、歴史に名を残す名医なだけはある!」


落ち着いた声ながらも、その表情は自分の言いたいことを纏めてくれた親への感謝の気持ちでいっぱいの子供のようだ。
が、そのころころ変わる表情を誰1人凝視する者はこの場にはいない。
見下すように見るか、直視しないか、とにかく『魔女』から視線を逸らす。


白井「要求だけでそちら側からの提案の一切ない無理強いな要求ですの。これは麦野さんが声を荒げる理由も解りますの」


御坂妹「何より、名前を知らない者が勝手にミサカたちのピザを全部食べた時点で、あなたの提案は受け入れる物ではありません。
とミサカは夜食を食べたであろう『魔女』に遺憾の意を示します。くたばれ」


アルティミシア「おお、そう言えば面と向かって名乗って無かったな。
…普段なら、自身の持つ情報をベラベラと喋るなと言う私だが、今回はピザのお礼とこちら側の条件も飲んでもらいたいのでな」


そう言うと、彼女はゆっくりと立ちあがりスカートの裾を軽くつかんでお辞儀をし名乗った。





「『アルティミシア』だ。そちらの名医は初対面だが、マネキンとは1度ホテルにて遭遇したが、名乗らなかったかな?」





御坂妹「…人様の事を侮辱するような方の名前を覚えるつもりはさらさらありません。
と、ミサカはミサカの事を侮辱した魔女に向かって自分の意思を伝えます。生意気…」


麦野「生意気な餓鬼には、私は厳しい躾が必要だと思うんだがな…」

神裂「奇遇ですね。私もそう思ってました」

ステイル「と、言うより。そろそろみんな、限界でしょ」


魔女が名乗ると、麦野達はしびれを切らしたかのように、原子の光球を、刀を、炎を、自動小銃を構える。


インデックス「…だね」


それらを確認すると、インデックスはアルティミシアを見下す様に睨みつけると、右手で指を『パチン』と弾く。
それはまるでマフィアのボスが部下に目の前の『ゴミ』を掃除しろと合図するかの如く。
無論、この場合での『ゴミ』は邪魔者、即ち目の前の『魔女』


白井「チョッ…」


その事に気が付いた黒子が止めようとしたが、時すでに遅し。光線、斬撃、火炎、弾丸が目の前の小柄な少女に無数に襲い掛かった。
硝煙の臭いと弾丸の轟音が響き、火炎と光線の影響で温度が、斬撃による風圧等がが応接室で暴れ狂う。


白井「耳が、耳がァァァァァァァァァァァァァ!!!」


この様な事態になる事を予想できなかった白井、爆音にのた打ち回る。


冥土返し「ふう、駄目だよ?サングラスと耳栓位用意しとこうね?」


白井「何で私だけぇぇぇぇぇぇ!!!!」


この対応は年の功と言う物か?



数分間続いただろうか、それぞれの攻撃が終わり。皆目の前の煙を覗く。


御坂妹「この時点ですでにおかしいですね。と、ミサカはマガジンを交換しながら疑問点を述べます」

ステイル「確かに、焼け焦げた跡がない時点でおかしいね」


そう、少なくともおかしい点は最低でも1つはある。それはこの部屋の状況だ。
先ほどまでの攻撃は『応接室』の室内で行使された。
そうすれば当然、家具の1つ2つ、と言うより後方の壁が崩壊してない時点でかなりおかしい。


麦野「結構本気で撃ったんだけどなぁ、『原子崩し』」


そう、少なくとも彼女の能力は平たく言えば『すべてを貫くビーム』だ。
こうして壁際まで歩いて窓を開けることなどありえない。と言うより、窓があるはずもない。


麦野「それがどうして窓や壁があるんだか…教えてくれないかアルティミシアさんよォ?」


窓を開けると煙が外へ勢いよく出て冷たい空気が入れ替わるように入ってくる。
晴れてくると、そこに麦野が質問した相手がネイルを見ながら退屈そうに平然と座ってた。


アルティミシア「あのような事をして平然と質問する神経は、『図々しい』や『面の皮が厚い』と、この時代のこの国では言うのではないか?」


不機嫌そうにも応える魔女。


インデックス「…やっぱり効かない」


麦野「そりゃ未来の歓迎作法なんか私達には解らないからなぁ。正しい作法があるなら是非とも教えて欲しい物ですよ。
『時の魔女』…いや、『未来人』さんよぉ?」


『時の魔女』『未来人』まるで漫画やゲームなどのフィクションの中でしか聞かない言葉だが、その言葉に驚く者は今現在この部屋にはいない。



アルティミシア「ホウ…いつ、気がついた?」

インデックス「最初に疑ったのはあなた達がルーマニアに現れた後なんだよ」

神裂「ルーマニアのあの村。生活配管を見ましたらとある伝説の魔術の陣の形でした。『時の術』」

ステイル「それに、過去内戦で破壊されたはずのモニュメントが再生されてたのもヒントの1つだった」


御坂妹「こちらからはこの『演算兵器』です。
とミサカはどこぞの推理物語の謎解き役が犯人に証拠を突きだすかのように袋に入った銃を『魔女』に突き出します。バーロー」


何処からともなく捜査の証拠品の様に『演算兵器』を取り出した御坂妹。


御坂妹「こちらの銃は試作段階で、試作量産品を含めてすべてが研究所にあります。
また、これの製作に関わった全ての関連項目、また情報漏洩の点からも洗いましたが、全て白でした。
つまり、この銃を手に入れるには何処からか持ってくるか、作り方を知っている人物がこの時代で製作するか」


麦野「それにお前らはベラベラと情報を話さない主義らしいが、同じような意味の言葉を言い過ぎてる。
現に、さっきお前の正体がばれた時も言ってたよなァ?例えば『1St世代』とかなぁ?」


冥土返し「現時点で能力者の区分に採用されてる言葉の中に『1St世代』はないね?けど、提案されてる言葉にはあるね?たとえば」


アルティミシア「現時点では、『能力者の生んだ子孫が、能力者として目覚めた場合』、定義は現在未定だが『レベル5の後任』だったかな?
提案された冥土返し先生?」


冥土返し「…そうだね?」

白井「すらすらと、私にも知らない情報を…」

アルティミシア「当たり前だ。『1St世代』の基準が決まるのは少なくとも数年後だ。…その時に、目の前の彼女は無論『1St世代』になるがな」

麦野「ほう。その言草だとお前らは『未来人』として認識を確定していいんだな?」


アルティミシア「今更どうしろと?」


認めた。彼女は自らを『未来人』と認めた。

麦野「『未来人』ねぇ…未来人は精神体かウィルスかなんかの御仲間ですかぁ?その体はルーマニアのドイツ系少女…イデア、だったかな?」

神裂「ええ、イデアで間違いないです」

麦野「そう、イデアの身体だろうが。気が付いてると思うが、お前のその飲みかけのコーラが入ったコップについてる――」

アルティミシア「私の唾液をお前がつけてるネックレスの『カメラで撮影しDNA鑑定』したのだろう?」


『カメラで撮影しDNA鑑定』、そのまんまの意味だ。
これは暗部が持つ情報端末の1機能である。カメラで唾液血液等の体液を撮影すると、約30秒でDNA等を解析できるアプリ。
特徴はカメラを問わない事だ。それこそ玩具のカメラ画像でも解析できる代物。実用化されたのは半年前。


アルティミシア「それ以前に、お前たちは『リノア』で散々できる限りのことを凌辱めいた方法で調べただろう?
基本的に私の身体はリノア達と変わらない。
それに、私はその『アデル』の容姿をたいそう気に入ってるからな。護符は仕事以外使わない」


白井「…私が理解しやすい方法で解釈すると、その『アデルさん』のなかにあなたがいる。と?」

アルティミシア「もっとわかりやすく言えば、PC等のファイルの上書きだ。…そう、『ジャンクション』と言えば解り易いかな?インデックス」


『ジャンクション』聞き慣れないワードを言うと魔女はゆるりとインデックスの方を見る。場の者も一斉にインデックスに視線を集める。


インデックス「…だろうね。『ヘブライ魔術』、それにネイティブアメリカンの術法で死者の魂や『精霊』をその身に宿して行使する魔術があったのは間違いないんだよ。ただ、どちらもとても不安定な物であるし、そもそも『天使』と同等の『精霊』を身に宿すのは――」


アルティミシア「聖人ぐらいでないと無理…いや、そこまで追い詰められた者でないと使わないな。今の時代では」


インデックス「それに、『ジャンクション』は行使するたびに、術者の記憶、魂に影響を残していく。
例えば死者の魂なら、行使しすぎれば術者の魂が上書きされ死者と入れ替わり、『精霊』なら記憶がすべて消えるか、精霊に体を取られ怪物になる」


アルティミシア「抜けてるぞご先祖様。
前者の場合、今現在の主な方法は『不老不死』の為に老いた体から自身の魂を抜き出し、新たな体に定着させ生きながらえる方法。だろ?」


ステイル「更に付け加えると、その術を行使しようとする物なら、
僕たち『必要悪の教会』が術者の『ジャンクション』の知識量に沿った警告、制裁を加えてるね」


神裂「貴女の言葉から読み取ると、貴女の時代ではかなり一般的な魔術のようで。
実際、貴女は精霊の1つ『セイレーン』を手下の身体を媒体に召還しました。…かなりとち狂った御時代に住んでるようで」


アルティミシア「…かもしれんな」


寂しそうに、神裂の話を聞く『魔女』。


御坂妹「…つまり、『精霊』がどうこうの件を抜いて考えますと、あなた達はこの時代に来るのに『身1つ』、ではなく『魂1つ』でやってきたのですか?
と、ミサカは『魔術側』の話を自分なりに整理してまとめてみました」


そう、御坂妹の言う通りになる。彼女達の『時の魔術』、仮に『ジャンクション』と言うのならば、
その術式は何らかの方法で未来で術式を発動させこの時代へまで遡り、この時代の人間に強制的に乗り移る事だ。


白井「そして、あなた達が辿り着いたのはルーマニアの村であり、その村人の身体を使い『この街』で暗躍してたと?」

アルティミシア「…正解だ」


つまらなそうに肯定するアルティミシア。
しかし、彼女から発せられる『オーラ』ともいえるのか、いや、この場にいる者が解っている。
『そんな事を聞きたいのか?』と、無言の言葉を。



インデックス「…なら」


そんな中、インデックスが口を開く。
それはアルティミシアが聞いてほしい、インデックス達が聞きたい言葉。そう


インデックス「あなた達がこの時代に来たのは何の目的で?
…正直、『科学側』の事の多くは解らないけど、あなた達の『魔術』はデタラメとしか言えないんだよ」


麦野「それを言うなら科学、いや『超能力』についてもデタラメだ。『リノア』、アイツの能力は間違いなく私と同じ『原子崩し』何か最たるものだ」


アルティミシア「デタラメに感じるならデタラメで認識するがいい、この時代の常識ならな。
…私とて、時代を遡れば遡るほど常識が崩れて行った。本当に…。話がずれたな。
で、私達の目的だが…そこのツインテールの彼女はどう思う?」


白井「私ですの!?」


唐突に名指しされる黒子。
無論、『魔女の軍団』の目的について、彼女なりに何度も考えた。
が、その答えはどう考えても、どう向こう側の立場に立ってもその考えは1つの結果に集約される。
おそらく、麦野やインデックス、この場にはいないが絹旗に結標、そして御坂美琴もこの件に首を突っ込んでたら黒子と同じ考えに至ってただろう。
そう、至ってシンプルな考え。


白井「…この時代、過去に遡って、あなた方の目的、未来に戻って貴女の望む世界を作り上げるために、特定の人物、建物の破壊。
つまり『歴史の改竄』ですの」


アルティミシア「正解だ…ま、流石にここまで正体をばらすなら解るか」


そう、『歴史の改竄』。
多くの者が『時間遡行』などの能力があったら行使したい望み。願い。そして


麦野「チープな願望だな」


そう、チープだ。
その願いは、あまりにも一般的でありふれた願い、古来からある人々が思う願い。
そして、古今東西様々な創作物の題材になる願い。


アルティミシア「しかし、そのチープな願いに人がどれほど思いを託すか…どれほど代価を払うか
…その事に対しては『魔術』としては先程ご先祖様や聖人達が熱弁しただろうし、お前もある程度解っているのだろう?」


そうだ、『歴史の改竄』、いや『時の魔術』がどれほどの代価とそれを行使するのに用意が必要か。
そもそも、『科学側』で『魔術』など、麦野は明確な接点としてはあの日、インデックスと野球スタジアムで出逢った時からだ。


麦野(あれ、球場ってどこにあったっけ?東京ドーム?)


アルティミシア「我らは、そのチープな願い。『歴史を改竄』するために時を遡り、この時代へやってきた。が、我らの旅路はまだ途中だ。
だから安心しろ、我らはじきにこの時代から姿を消す。だから、先の要望2つを出した」



だそうだ。彼女が麦野達に出した提案。

【仲間である『リノア』を解放してほしい】

【今後、我らに干渉するな。こちらもしない】

確かに、このままだとその話2つは真実であろう。



御坂妹「…解せませんね。と、ミサカは素直な意見を吐露します。正直、貴女は『魔術』素人のミサカが見ても大物だと思います。
それはそこのシスターとポニテとは別のベクトルですが貴女ほどの力があれば、貴女の時代で貴女はそれ相応の地位を、あなたの望む物を手に入れられたのでは?
とミサカは疑問を魔女にぶつけます」


アルティミシア「それはまるで、この時代なら『レベル5』やそこの『聖人』ならば全ての願望をかなえられるような言い方だな。
が、そうでないのだろう?
同じだ。我らの時代とて不穏分子は

『量産化された『幻想殺し』や『レベル6』『聖人』』に駆逐されるだけだ」


麦野「まてや」

神裂「ちょっと待ってください!」

アルティミシア「えっ、なんだ!?」


麦野と神裂の反応に驚いた表情で話を止めるアルティミシア。
その反応からすると彼女の時代では当然なのだろう。
が、彼女はとんでもない事をさらっと言った。
彼女の発言に驚いたのは何も麦野と神裂の2人だけではない。
が、その言葉にどのように反応すればいいのか解らないのだ。


冥土返し「…もしよかったら、君たちの時代の事を話してくれないかな?当然だけど、僕たちは君たちの情報が少ないからね?」


そんな中、年長者である冥土返しが提案してきた。
『自身の事を敵にベラベラ喋るのは愚か者のする事』と言う彼女が


アルティミシア「…いいかもな」


まさかの承諾だった。しかし、それは何処か寂しそうで…いや、今回遭遇してからどこか『魔女』は情緒不安定だ。が、


インデックス「少し、温かい物のみたいかも…」


それは先ほどから『魔女』から『御先祖様』と言われてる彼女もだ。
麦野や神裂達も聞くことは無言で肯定した。正直、相手の事情など知ったことか!
と言いたいが、攻撃が通じず、更に情報があるようで無い相手が自身の事を話すと言うのだ。黙って聞くことにした。

冥土返しがインデックスが所望した温かいコーヒーと一緒にアルティミシアにもコーヒーを持って来た。
彼女はそれをゆっくりと口に含むと、目を閉じて語りだした。

この時、彼女の脳裏には遠い未来の記憶が、影絵のように映りだされた。





「私の生まれた時代、…いや世界は、風俗、技術的にはこの2020年前後とそう変わりはない。…そう首を傾げるな、そうだったからしかたない」

「イイから、続けろ」




「その世界を言葉で言い表すなら、

――人々が争い合い、憎しみ合い、騙し合い奪い合い殺し合い、孤独になることなく、
自由で博愛に満ち、差別なく平等に己を邪魔されることなく、人生を全うできる世界――

そんな世界。だった」




「その言葉を聞く限り、私にはとても『時間を遡る』理由が見つからないですの」

「そうだな。確かに、この時代の価値観ならそうだな。…実際、科学と魔術、国家、宗教、民族、思想による血で血を洗う対立は私の時代には無かった」


「やはり、先程白井さんがおっしゃったとおり、『時間遡行』する理由が見当たりません。
私達…いえ、この時代の考えならば貴女の時代は『誰もが辿りつっけなかった、人々が望む理想的な世界』私にはそう思います」


「ああ、私も時間を遡れば遡るほどそう思った。あの世界が、国家、民族、宗派、科学と魔術、それらに其々属する人間の多くが望み夢見る世界だと。
…あの未来での出来事が無ければな」


「出来事ね…僕からすると、君のいた世界はこの国で言う『ぬるま湯に浸かってる』ような物だね。
多少の『不満』など、少し我慢すればいい。僕は15…もうすぐ16年の人生の間、どれほど自分の願いを…塞いできたことかッ!」


「そう力むな魔術師。が、お前の気持ちは分かる。とでも言っておこう」

「君の性格なのか、それとも配慮なのか、解らないけどその言い方はよくないね?」


「気にしなくていいよドクター。癇に障ったのは事実だけど、今の僕…いや神裂や麦野でも攻撃が通じない相手なんだ。
手を出さないよ。何より、この殺気の中でケロッとしてる彼女が気味悪い」


「病院で殺気はやめてほしいね、この場にいる皆も?病院だからね?後、君は煙草を吸うなとは言わないから、本数を考えてね?」

「すまない名医。…そこの神父。お前は『多少の不満なら我慢すればいい』と言ったな?が、それが吐き出せないならどうする?」


「…君の質問を、僕的な解釈で言えば『構わず吐き出せ』。それだけだ。
しかし、その言草だと、『本音』は言えなかった。違うかな?…いや、『不満』が言えない社会、だったのかな?」


「なるほどな。大体わかった。…お前たちの未来だと『不満』を少しでも漏らすと、強制的に社会からドロップアウト
…そうだな、例えるならソ連などの東側国家にあった『思想教育』みたいなものか?お前が言った世界、どう考えても無理があるからな」


「ほう、『1St世代』の『原子崩し』様はそこまで当てるか。流石、歴史上の偉人の1人であるな」


「その言い方はスンゲームカつくな!…で、お前はその社会の落伍者になって、自分を弾いた社会、いや世界への逆襲、革命の為に『時間遡行』してこの時代に来たのか?
随分とまあ、苦労人な事だなあ!そんな手間をかけるぐらいなら、真っ当に立ち向かって社会復帰した方がよかったんじゃいんですかァ!?
なんなら、この街の社会復帰施設の1つや2つを――」


「皮肉全開の御節介とてもありがたいが、それは無理だったな。私が不満を持った時点であの世界での私の平和な生活は終わった。
…『不満』の原因は何だったのか、未だに分からないが」


「…で、その後どうなったか気になるかも」


「そのまんまだよ、ご先祖様。終わったんだ。私の普通の日常が。
…目が覚めたら私は培養槽の様な中に全裸で身動きが取れない状態でいた。
体中に開いたプラグに入った電極、頭を覆うようなヘッドギア。それら全てをうっとおしく気持ち悪いと感じるのに時間はかからなかった。
そうは思わないか?同じことを経験してるマネキンよ」


「きっとそれはミサカの調整の事を指してると思いますが、気持ち悪いには賛同できますがミサカには全身にプラグは無いのでうっとおしさには同意できません。
と、ミサカは決してマネキンと言う言葉に反応してその言葉を訂正するために『電波魔女』に反応したのではないと言っておきます。ウザイちび餓鬼だ」


「人形に…いや、私達の世界を作り上げた技術の結晶の1つのお前に言われたくない。
…戻そう、私達の世界は、今まで生きていた世界は『電子仮想世界』だった。そう、この時代に出来た、VRMMOの技術が種のな」


「それはつまり、茅場晶彦が作り上げたあのゲームの技術が元に?」


「そうだツインテール。…私が生まれた世界、生きた世界は『仮想世界』だった。
…笑うだろ?『真実の世界は~』、なんて台詞、フィクションの話だけと思っていたが、いざ実際に話すと、滑稽でアホらしく思う。今の私がそうだ」


「それは、同情してほしいのかな?」

「そんな事は無いぞ御先祖。私はそのまま処分されることになり、そのまま排水管へ流された。が、その時、私は出逢った。『魔女イデア』に」

「また魔女ですか。と、ミサカは呟きます。ネタ切れの作家かよ」


「仕方ないだろ?事実は物語の様にスリルある展開ばかりではない。
…で、そこで出会った『イデア』に私は初めて聞いた概念の知識を叩きこむための教育が始まった。『超能力』と『魔術』初めて聞いた概念だった」


「ちょっと待ってください!!『魔術』『超能力』が初めて聞く概念!?なら、どうして貴方達はその2つを!?」


「知らんぞ聖人。
…そもそも、我らの生きていた『仮想世界』ではそれらの概念は確かに無かった。
が、『現実世界』は逆にあった。…使いこなさなければ死ぬ世界。そもそも、我らは『仮想世界』の住人、そして動力源の元だった。
現実世界は何処までも薄汚い廃墟の世界だ。培養槽のタワーだけしか光ってない、無機質な世界。それだけだった。
…そして、私のような者は処分されるだけだった、先に述べた『量産化された『幻想殺し』達にな』」


「それも、ミサカ達の影響だと言うのですか?」


「ああ。…実際、『レベル6シリーズ』の1つはお前の元、行方不明の御坂美琴がモデルだ。
以前仲間だったゼル、セルフィが命と引き換えに持ちかえった情報にそう記されてた。…正直、今の所それを信じるしかない」


「曖昧な情報だな。まるでお前らの存在そのものだな」


「そんなの解ってる『1St原子崩し』。……だから、駆逐された。理由は言うまでもないだろう?私達のような社会のはみ出し者は不必要。それだけだ。
…逃げ回った後、私は『一方通行』によって暴行された、死ぬ直前の『イデア』から『魔女』の力を引き継いだ。その時だ、私の今の力が発芽したのわ」


「そうなんだね?…君と君たちの世界がどれほど悲惨か解ったよ?
だけどね、君の言う言葉を全部聞くと、君たちは元の時代に戻れない事になると思うんだ?ちがう?」


「ああ。そうだよ!…我らは元の世界には戻れない、私達がいた時代がどうなってるか、確認もできない。
お前らが言った通りデタラメで中途半端な存在だ。だが、だけども、我らはそれを承知の上で行動してる。
人が愛し合い、憎しみ合い、語り合い、罵倒しあい、抱き合い、殺し合い、人間が人間として血を見て痛みを感じる、過剰な理性を、過剰な倫理が無い、欲求を制限することなく発散でき、本能を出しあえる世界の為に行動してる。
その為に、我らは命など惜しまない!…お前らに分かるか、欲望を、本能のままに発散できるこの時代のありがたさが!!?
過去の人間…いや、経験した事のない人間が解るはずも、無いがな。
当然。経験したこといからな。…理解できてるとは思えない。いや、理解できるはずがないだろう。
だから、あえて高圧的な言葉で締めさせていただこう」






                    「我に従え!!」

今回はここまでです!


魔女のいた世界。

モデルは、ソ連が冷戦を勝利し、全世界の覇権を握って300年以上たった世界と、マトリックスのチャンプルーです。



ではまた

それだと、流れ的に一方通行もレベル6になりそうなんですけど

やっと追いついたぜい…
乙です。
せっかくリーファ出てきてるんで出来たらFD編も書いてください!m(_ _)m

今更だけどなんで☆は学園都市から一般人追い出さないの?
世界中の軍隊が集まっても余裕で勝てそうなんだが、まあここら辺は突っ込んじゃいけないのか…?まだ読んでないけど学園都市編でもっと学園都市側の反抗が見たい

え、魔女の世界はマトリックス?

こんばんわ。

返信できる物だけ返信!!

>>649

書きたいですが、何年かかるやら…


>>650

ぶっちゃけ、☆がその気になればSAOからの解放、魔女の殲滅は朝飯前です。
反抗?あるに決まってるじゃないですか。

>>652

マトリックスベースです。


では投下。


アルティミシアが自分語りを終え、これまたチープな言葉で話を閉める。
その言葉は彼女の行動原理、『願い』と同じく、チープだからこそ伝わる。
しかし、その言葉は古今東西多くの者が言葉1つで断るのも事実。


麦野「お断りだバーカ」


とこのように、断られるのが殆どだ。無論、魔女も


アルティミシア「流石に先の言葉を鵜呑みにされたら私も驚く」


聞き入れると思ってなかったようだ。
しかし、彼女の話で幾分か未来の状況が解ってきた。


神裂「つまりあなた達は、貴女方の時代で『革命』のような物を起こそうとしたが、絶対的な力の前に敗走し、この時代へと逃げてきたと?
そう言う話になりますよね?確かに『幻想殺し』『レベル6』が量産化されて、兵として襲いかかるそれと対峙するのは絶望的でしょう。ですが」


御坂妹「だからと言って、貴女方の理想の為にミサカ達を…この時代を巻き込むのはやめていただきたいです。と、ミサカは率直な感想を魔女にぶつけます」


ステイル「そもそも、君は僕たちに危害を加えないと言ってるが、『時間遡行』、それを行えば僕らには当然何らかの影響が出るよね?
それを黙って見る訳にもいかないんだよ、言っただろ、僕と神裂は『必要悪の教会』だと?その役割も」


ステイルの言った通りだ。先にも述べたが『必要悪の教会』の任務の1つに『時の魔術』の監視もある。
そもそも、『神の右席』ですら使えるかどうか危うい『時の魔術』を、
行使するたびに人的被害と犠牲が多い『ヘブライ魔術』で使おうとするならばどれほどの犠牲が出るか。
それは、過去数回の戦闘でその一片を見ているから解る。


神裂(戦った…何回?)



しかし、魔女はそれを承知のようで


アルティミシア「だからどうした?この場で力づくで私を止めるか、止められるか?十数分前に私へ何をしたのか、お前はもう忘れたのか」


そうだ、現状この魔女への攻撃は現状、超能力・魔術・銃火器は通じないのは少し前の麦野達の攻撃で証明済みだ。


白井「ですが、これからあなた達の行動を阻害することは可能ですの。例えば、『魔術』には下準備が必要と聞きましたの、それを妨害すれば――」

アルティミシア「お前たちは、我らが既に準備が終わってると考えないのか?既に術式が発動してると思わないのか?」


この言葉。


麦野「何言ってんだ?仮に、お前らがその『時の魔術』とやらを発動させる条件が何だか知らないが、
その強大な力を行使するのに準備なしで行使できるのか?」


ステイル「あり得ないね。確かに、君たちの行使する魔術はデタラメであるが『ヘブライ魔術』。僕たちの十字教の方式とは異なる。けどね」

神裂「だからと言って、私達が全く持って無知だとは思わないでほしいです。そもそも、貴方達が私達と現れて1年近く、私達が何も対策を――」

アルティミシア「取れてない。と、言わざる負えないなぁ…なあ、ご先祖様『禁書目録』さん?」


ゆっくりとインデックスの方を見る魔女。
それに対し、インデックスは


インデックス「…」


無言だった。それはまるで


麦野「う…嘘だろ?」


魔女の言葉を肯定してるも同然だった。
そう、『時の魔術』が発動してる事実を知ってたかのように。誰にも言わずに。



彼女の反応に驚く1同。


ステイル「な…な!?」


その中でも特に反応が良かったのは彼だ。


ステイル「何で言わなかったんだ!?言ってたら!!」

神裂「ちょ、ちょっとステイル、落ち着いて!」

インデックス「…言ったんだよ」


胸倉をつかんで勢いのままに問いただそうとするステイルを制止させよとする神裂。
しかし、とうのインデックスは零す様に言葉を放つ。
その言霊には『疲労』と言う言葉がピッタリのトーンだ。


麦野「待て、私も初耳だ。正直、記憶力に関してはお前ほどでもないけど自信がある。例え酒を飲んでる状況でもな」

御坂妹「そうです!仮に、そこの『外見で年齢確認する時に損ばかりしてる3人』が外見通りど忘れしていても」

神裂「喧嘩売ってるんか!!」


御坂妹「ミサカは記憶をMNWでクラウド保存できます。ですので、今現在MNW内を検索してますが、貴女がその様な事を言った、相談した記録はありません。
と、ミサカは検索完了して出た事実を言わせていただきます。そして、老け顔御三方はミサカを睨みつけないでください」


白井「そうですの!インデックスさん、何も虚構で相手に威勢を張らなくても私たちは――」

インデックス「何回も言ったし、相談したんだよ。…何回も、何回も!!けど、そのたびに」

アルティミシア「時が過ぎれば忘れてしまってた。…そうだろ?」


魔女が間に入る。が、その言葉に対し、インデックスは悔しそうに睨みつける。涙を滲ませながら。


冥土返し「どうやら、そのようだね?俄かには信じられないけどね?」

唖然とする。それもそうだ、いや、どのような反応をすればいいのか解らない、が正解だろう。
先の話と同様あまりにも実感がない。が、実感がない変化だからこそ、それはとてもも恐ろしいものである。


アルティミシア「何のために、我らがこの地で1年近くも、この時代で1年近くも暗躍してたか?
それはお前らが言った通り『時の魔術』の、準備・発動に時間を要するからだ。そして多くの魔術同様、失敗は許されない。
その為にその時代時代で実験をしてきた。そう、あの日の晩『とある高校』で最終実験したようにな?覚えているだろう、聖人」


神裂「ええ、あなたの行使した『魔術』の対処に手こずったのは覚えてます」

アルティミシア「どのように対処した?」

神裂「え?」

アルティミシア「どのように、何の魔術に対処した?と聞いた。覚えてるだろう?」

神裂「何の…魔術…」


言葉が詰まる。頭から脳からその時の記憶が下りて来ない。
いや…そもそも『とある高校』とは何処だ?学校名は?


インデックス「…とうまやもとはる、あいさにこもえの居る学校だよ」

ステイル「後者の僕の知らない友人ならともかく、土御門に上条当麻の学校を忘れるのは――」

インデックス「ねえステイル。あいさにこもえ、知らないの?」

ステイル「…何を言ってるんだ、君は」

インデックス「ねえ、くろこ。くろこは『警察官』目指してるんだよね?」

白井「そうですが…なぜこの場で?」

インデックス「ねえクールビューティー。とうまに買ってもらったネックレス――」

御坂妹「そんな物があるのなら、ミサカは毎日見せびらかす様につけています。とミサカは多少図々しく言います。…ですが、その言い方だと」

インデックス「ねえしずり。…この街の名前は?…ううん、この病院の住所は?」

麦野「住所って…」


まるで何回も、何回も同じことを聞いたかのようにスラスラと質問を続けるインデックス。
しかし、どれも彼女が求める回答でないのか寂しそうに次の質問へ流れる。
麦野も彼女の質問の意図が解ったが、彼女の知識だとインデックスの質問にはこう答えるしかない。


麦野「東京都多摩市…」


そう、この病院の住所。確かにあってる。が、インデックスの表情は「やっぱり…」と寂しそうに変え俯く。
麦野は彼女の表情を見るとこの病院の住所を全部言うのをやめる。


アルティミシア「『実感のない変化』…それが自己に不利益な場合、その変化を実感できると、とても怖くはないか?なあ、ご先祖様」


そして、彼女達を挑発するように魔女が言葉を乗せてくる。
『実感のない変化』が、それ以前に何がどう変化してるか麦野達には解らない。そう、彼女を除いて。


アルティミシア「ご先祖様、この病院の住所、冒頭だけでも教えてくれないか?」

インデックス「…『学園都市』『第7学区』の」

アルティミシア「正解」


白井「待ってほしいですの!『学園都市』と言う名は、この辺りが再開発された時に着けられた愛称で、
『学区』と言うのはかつてあった、独立都市計画の――」


アルティミシア「ほう、そうなってるのか…しかし、疑問に思わないのか?何故、この特に一帯で超能力開発が盛んか?万が一を考えたらとても脆弱な地域になるのではないのかね?『警察官』を目指す御嬢さん」


そうだ、仮にすぐ横にいる麦野が暴走した場合、一般人に被害が出るのは火を見るより明らか。


麦野「お…つ、つまり。お前たちは『学園都市』とやらを」

アルティミシア「直接的ではないが…事実上、消してしまったな。なあ、そうだろう、インデックス」



インデックス「そうかもね…」


インデックスが肯定する。つまり、魔女達はの『時の魔術』は


麦野「発動してるのか?」


アルティミシア「そうだ。と、ここは力強く言わせていただこう。
そもそも、時の流れで異質な我らがこの時代に来た時点で、時間への干渉は始まってる。
例えるなら、1つ水の流れのある場所に、異物である石を置いた場合、その下流はどうなるかな?
素直に考えれば、乱れるであろう?それだけの話だ」


神裂「つまり、貴女方。…いえ、あの日、京都に現れた『リノア』と言う少女がこの時代に現れた時点で」


アルティミシア「『時への干渉』は始まってる。尤も、偶然もある。
交わる事の無かった物語がどこかで交わった。誰かが交わらせてしまった。と言うかな?」


その内容は恐ろしい物だ。
1年近く前あの日、麦野達が京都に行った時に『魔女の軍団』の1人リノアが現れた、そして彼女が現れてた時に『時の魔術』が発動してたと言う事だ。
しかし、魔女の言草から推測するに彼女自身も『魔術の範囲』と自身で補足できてないのだろう。あまりにも迷惑だ。
そして、そのあまりにも迷惑な力と、迷惑なチープな願いの為に、『学園都市』を人々の願いを改竄してしまったのだ。

インデックスを除いて。



神裂「ちょっと待ってください!!なら何で、インデックスの記憶は何の影響もないんですか!?
仮に、私達がその術式に影響されて『記憶が改竄』されたとして、何でインデックスは!?」


アルティミシア「『特異な存在』、そうとしか言えないな。他にも『電撃使い』もそうだったな。
…おそらく、『幻想殺し』も『時の魔術』の干渉を受けないだろう」


御坂妹「しかし、ミサカも影響されてる可能性を含めると『電撃使い』でも高レベル、おそらくお姉様レベルでないと…。と、ミサカは推測を立てます」

ステイル「なら、逆に考えると、『電撃使い』や上条当麻はのような存在は君たちへの有効的な切札になると。そう言うことになるね…」

白井「しかし、貴女方がこの時代まで遡れた事を鑑みると、貴女達への阻害は無かった。…なぜなら」


麦野「今の私達みたいに周りの記憶を改竄、干渉して孤立させる。もしくは、本人から孤立していったのだろう。
…最悪な場合、お前たちにとって最高の場合は『自害』」


アルティミシア「そう言う事だ♪」

インデックス「…」


プルプルと震えてる。そう、インデックスは相談できなかった。
仮に相談しても、麦野や神裂達は1日2日で記憶が無くなってしまう。
それ以前に、インデックスの周りの変化、いや悪夢は悪化した。
姫神が消え小萌が消え、気が付くと『上条当麻』と出逢った当時、二年近く前、七月二十日に彼女が知り合った人物の多くが学園都市からいなくなっていた。
それどころか、上条当麻とインデックスが出会ったあの部屋、あの学生寮は今はない。



ステイル「ック!!オマエなァ!!」


唐突にステイルが机を勢いよく叩く、感情が爆発したかのように。
いや爆発したのだ、彼女を、インデックスへの魔女の対応に。
『魔女』の胸倉をつかみ持ち上げようとするが、つかめない。
何か『結界』のような物が張ってるかのように。
この感覚、覚えてる。SAOに潜入した際に、上条当麻を殴ろうとした際に現れた壁と同じ感覚だ。


ステイル「何故その子を追い詰める!何故その子に執着する!?時間遡行?
この時代に執着は無い、僕たちに危害は加えない?全く言葉と行動が合っては無いだろうが!!
そもそも『記憶』であの子を追い詰めることの意味をしっててやっているのだろ、『時の魔女』!!!」


アルティミシア「ああ知っている。お前たち2人が、無知ゆえに禁書目録の記憶を定期的に消してたことぐらいはな」


激昂するステイルに容赦なく油を注ぐ魔女。ルーンの魔術師の中でも炎属性を得意とする。


ステイル「君はねぇぇぇぇ!!!」


彼の感情が燃え盛るのは言うまでもない。


神裂「ステイル!!」

麦野「よせ、エセ神父!!」

ステイル「ナッ、放せ!!」


そんなステイルを止める2人の女性。彼女達もステイル同様魔女を殴りたい。
が、それをできないこと、今の時点で無駄な事を理解したくないが理解してる、理解せざる負えない状況。



アルティミシア「アハハッ」


この状況で唐突に歳相応の声で笑いを零す魔女。まるで、この状況を楽しんでるかのようだ。


白井「随分と楽しそうですね。私たちの醜態がそんなに面白いですか?」


アルティミシア「面白いのではなく、嬉しいのだよ。
やはり、我らが求めてた世界は過去にあったと言う事を、時間を遡れば遡るほど確信できるからな。
例え、干渉を受け、細かな歴史が変わろうとも、その時代の風俗は変わらないと言う事だ。
この喜び、本来ならご先祖様も消え去り、『幻想殺し』と『超電磁砲』、『一方通行』が見つかればなおいいのだがな」


麦野「欲を言えば?」

アルティミシア「『茅場晶彦』、奴を含めた数人と先の3人も消し去れれば、この時代での障害物は無くなる」

冥土返し「だけど、現状だと君たちは圧倒的な力があるかも知れないけど、不安材料がある。と言うことになるね?」


アルティミシア「ああ、そうなる事になる。が、それ以上に絶対的な力がある。
『時の魔術』『ヘブライ魔術』『賢者の石』。そして、我にこの場でコイツ等が傷1つ与えられないのも事実であるからな。
誰も止められない」


そう、この状況で『魔女』を『時の魔術』を止められる者はいない。



だが、傷を与えられる者はいる。


その人物はただ1人、『魔女』に対して物理的に攻撃を加えてきた。
まるで異能の存在の塊である『魔女』への対抗策として。
その人物は、常に守られてきた。神父に聖人に。そして、『幻想殺し』に。


乾いた音が、応接室に響いた。





インデックス「…痛いよね?」

アルティミシア「ッツ!?」


インデックスの平手打ちを喰らったアルティミシア。一瞬呆ける。
すぐに睨み返すが、その時には少女の右手の拳が目の前に迫っていた。


アルティミシア「ウゴッ!!?」


その時、余裕を全面的に出し、常に上から目線で対応していた魔女から素っ頓狂な声が発せられた。
少女の拳に吹き飛ばされた魔女は、吹き飛ぶとまではいかないが、その場に倒れ込む。


インデックス「っふぅ。…忘れたのかな?ホテルでも、とうまの学校でも貴女は私の手や足には無反応だったんだよ。
それは、ノーマークだったかもしれない。けどね、今日、貴女が言った言葉で確信したよ。
貴女がいう『特異な存在』、私みたいな存在からの物理的、ひょっとしたら魔術的な攻撃は防げないのかもね」


麦野「う、嘘だろ?」

インデックス「半分賭けだった。…けど」

アルティミシア「くっ…」

インデックス「そこで私を睨みながら立ちかがる『魔女』を見たら事実っぽいかも」


ゆらりと立ちあがる魔女。インデックスが言ってる事が本当なのか、先程までの余裕は皆無だ。


インデックス「無様だね。本来ならば圧倒的な力で、圧倒的に制圧できる魔術なのに、中途半端なあなた達のせいでこんなにもろいなんてね。現にほら!」


インデックスが自信にあふれた言葉を放つと、空間が一瞬ゆがむ。次の瞬間、テレビの砂嵐のような現象を皆を襲う。


白井「な、な、なんですの!?」



アルティミシア「な、何が起こったのだ!?」

インデックス「あなたが1番わかってるんじゃないの?何が起こったか?確認してみたら?」


その瞬間、アルティミシアを含め場にいる者達が一斉にそれぞれの方法で状況を確認する。
そして、すぐに変化を理解できた。


麦野「ま、街が、『学園都市』に戻ってる!?」

アルティミシア「『リバウンド』しただと!?」

インデックス「そうなるかもね。『時の魔術』、不完全ゆえの『リバウンド』。しょうがないかもね。だって―――」


インデックスが言葉を続けようとした瞬間、重い発砲音と共にインデックスの頭をかすり切るように何かが通過する。
銃弾、『魔女』の愛銃M1911だ。


アルティミシア「それ以上喋るな。…やはり、私はお前が嫌いだ。
『御先祖様』、そう私と同じ『10万冊近くの魔道書』を持つお前を我が陣営へ引き込みたかった。
が、やはり、お前は葬り去る。私が全身全霊でな!!」


インデックス「できるならやってみた方がいいかも。けどね、私も決めたの。
私は『あなたの、そのフザケタ過去への幻想をぶち壊す』事をね。
この時代を、とうま達の街を守るから!」



お互い見つめる、魔道書を持つ少女たち。
話は平行線、なのだろうか?話の筋など、この場の誰もが正確に解らない。


アルティミシア「…さて、私は帰らせていただこう」


諦めたのか帰る事を宣言したが、どのように?
少なくとも、現状では付けられるそれだけだが


御坂妹「伏せてください!!!」


御坂妹が唐突に大声を出す。
その声に反応し御坂妹はインデックスを、ステイルと神裂は冥土返しを、麦野は何かを守るように覆いかぶさった。
次の瞬間、壁が爆発した。


白井「ちょっと!!何で私は守られないんですの!!!」



ぱらぱらと破片が床に落ちる音がする。
そんな中、ひた、ひた、と足音がする。おそらく、10代の人間の足音。


「飛んできた保線車両にゲコ太缶バッチを守って意識は途絶えたはずですが」


その人物の声だろう、乙女の声だ。
が、その声は多くの者が直前に聞いた声。言うなれば、「伏せろ」と言った人物と全く同じ声色だ。


御坂妹「そ、そんな…」


その人物を見て、先の声色の人物、御坂妹が驚愕の表情と共にその者を見る。それはありえない存在だ。
何故ならば、彼女は彼女の死ぬ間際の記憶を共有してるからだ。


「ですが、再び生を享受できることに感謝と不思議な気持ちでいっぱいです。と、ミサカは全裸で宣言します。痴女じゃないよ?」

御坂妹「9982号!?」


それはかつて、第九九八二次実験にて一方通行に圧殺された固体、9982号だからだ。


アルティミシア「何を驚く?『賢者の石』を所有する私にとって、人1人の組成など造作もない事だ」

9982号「あなたが、ミサカを蘇生し先ほどから頭に声を送ってる人物ですか?…いえ、そのようですね」

アルティミシア「理解が速い娘は、私は好きだ。それに、私の頼みも叶えてくれたようだな」

9982号「ええ」


右手に抱えた物を魔女に見せる。


神裂「それは捉えていた少女!?」


『リノア』だ。


9982号「何やら大柄な紳士と、胡散臭い青年、小柄な少女がいましたが、適当に意識を刈り取っときました。
と、ミサカはできる範囲での事をしたとアピールします」


アルティミシア「フフッ。さて、帰ろうではないか。その背中に背負った物は、役に立つのだろう?」


9982号が背負ってる物。それは軍用兵器の試作品で『妹達』で試験をしていた代物。
『ランドセル』次世代演算兵器Cの1つである。名前の通り、背負う物であり、バックパックと繋がってるロングライフルのような物が特徴。


9982号「役に立ちますよ」


アルティミシア「フフッ、それはありがたい。では」


その瞬間、アルティミシア、9982号、リノアが光だす。まるで『ゲームの転移』のごとく。


「今度は、我らが過去へ飛ぶとき。特等席へ招待しよう」


魔女たちが消えた後、インデックスが倒れ込んだ。
無論、その瞬間周りの者が駆け寄り、すぐにインデックスは治療を受けた。
心労が原因だと冥土返しは言い、見な心を下した。



インデックスが目を覚ました3日後。

インデックスが入院してた理由を知る者はいなかった。

今回はここまで。


ではまた

こんばんわ!



では投下



3日後


「ん、ん…」


1人の少女が目を覚ました。どれほど寝ていただろうか…。いや、意識を失っていただろうか?


「あの時…どの時?」


まだ脳が覚醒してないのか、無意識に見知らぬ天井に問いかける少女。
場所を確認しようと起き上がろうとするが


「あっ…」


全身に電流が走るような感覚と変な声が出る。痺れた。


「しかし少女は、その時感じた感覚に不快感を感じなかった。『もっと…』少女は顔を赤らめながら再び体を動かす。
『あ…あっ』、その感覚、前にも感じていた、が。
『…違う』そう違うのだ、その感覚をもっと感じれる場所を、少女は知っている」


「何回も想像した。『ミサ…私は、違う』誰に言ってるのか、否定の言葉を言うが少女の手はしっかりと下腹部へと進んでいた。
だんだんと近づくと鼓動が大きくなるのを感じる。何をしてるんだ。
そう思う少女だが、肉体は、本能は欲望に忠実なようだ。そう、もっと激しい刺激がほしい。だんだんと近づく快感のスイッチ。
と、ミサカはモノローグを――」


「いい加減ツッコんでいいですよね。アルティミシア様にそこの」


「おや、『突っ込む』と言う単語が出るとは、道具があった方がよかったかな?リノア」


「やはり欲求不満でしたか。と、ミサカは女戦士のお目覚め妄想のモノローグ語りが出来ない事を寂しく思います。チェッ」

「あのねえええええええええええええええええええええええ!!!!!!」



少女、リノアの叫びが建物に木霊した。
…いや、寝起きにこの様なボケに対しツッコめる彼女も彼女だが。


アルティミシア「あっはは。そこまで大声が出せるのなら、問題は無さそうだな」

9982号「そうですね。ツッコミはかなりのエネルギーを必要としますからね。と、ミサカは『学習装置』に何故か入っていた知識を披露します」

リノア「はぁ…って、ここは?」

アルティミシア「私の家だ」


そこは大学生が多く住む『第5区』のマンションの1つだが、どう見ても学生向けではない。


リノア「まだ、アイドルの仕事やってるんですか…」

アルティミシア「無論だ。私が芸能界で仕事してることの1つが、目的のためのだと言う事をお前は意識失ってて忘れたのか?」


9982号「『レベルアッパー』を応用した原理とサブリミナルによる暗示、後者は古くからある技法ですが興味が湧きますね。
と、ミサカは『魔術』の片鱗に好奇心が抑えられない事をお伝えします。ミサカも使いてー」


アルティミシア「案ずるな、時期にお前も使える」

9982号「やった」


リノア「あの…ちょっと待ってくださいアルティミシア様。誰ですか、その無表情女?
ってか、私はどの位寝ていたのですか?今状況はどうなってるのですか?」


矢継ぎ早に質問をするリノア。当然のことだ。
現時点にて、彼女は状況を把握できているわけも無く、また9982号の事など聞きたいことがあるが。


アルティミシア「おっと」


奥の方から、ピューカタカタカタと音が聞こえてきた。察するにお湯が沸いた音。


アルティミシア「詳しい話はコーヒーを飲みながらしようではないか。リノア、お前は練乳だったな?」

リノア「は、はい…」

9982号「ミサカはアルティミシア氏にお任せします。と、ミサカは社交辞令的な物を言いつつ、本音は――」

アルティミシア「とりあえず砂糖とミルクを用意してくれ。そう言いたいのだろ?解っているよ」

リノア「な…馴染んでる」



アルティミシアがコーヒを入れ戻ってくると、魔女はリノアが拘束されてる間の事を説明しだした。
それは9982号への説明を含める物でもあり、若干長かった。


リノア「『サイファー』は…」

アルティミシア「すまない。お前があの戦いで意識を無くした後、奴は自爆した」

リノア「オダインの方は?」

アルティミシア「相も変わらず、よくやってくれてる。奴は裏方だからな、人形の能力も相まって計画の土台を作ってくれてるよ…。今は、探し物だ」

リノア「まだ見つかってないと…」

アルティミシア「そう言う事だ。…我ながら、『魔女』と呼ばれてるが、実際はそうでもないことにつくづく実感する」

リノア「そんな事!!?」


弱気な事を言おうとした『魔女』をフォローするリノア。だったが


9982号「あ」

アルティミシア「お」


タイミングよく、お腹から可愛い音がする。空腹の音。


リノア「ッツ」

アルティミシア「ハハッ、そう言えばまだ何も食べてなかったなリノア。そうだ、私の仕事前に何処かに食べに行こうではないか、お前のリハビリついでだ」

リノア「で、ですが…」

9982号「そんな乙女な顔をしても腹の虫の暴走は収まりませんよ?と、ミサカは顔を真っ赤にしてお腹を押さえてる貴女をにやけな。ッ!?」


言葉を遮る。理由は彼女もお腹が鳴ったからだ。
が、音がどう聞いてもどうフォローしても可愛くない熊の鼾みたいなものだったからだ。


リノア「私をにやけながら。どうしようとしたのかなぁ?」


形勢逆転とばかりに、攻め返すリノア。
9982号は顔を赤らめ小声でグゥと言いながら顔をそむける。


アルティミシア「と、とにかく。支度しよう」



十数分後、彼女達は『第5学区』の街中を3人は歩いていた。
其々、軽くギャルが入った平均的な服装で、9982号はサイドテールである。
3人が目指すのは『第5学区』の繁華街で、夜にもなれば居酒屋やバーにカラオケなどに人があふれ、雑多で混沌な雰囲気になるが。
昼間と言う事もあって、何処もランチ営業でありただ雑多なだけである。
で、多くの飲食店は収益増加の為に昼間はランチ営業をしているのだが、学生の街だからか量も多く。食べ放題の店も豊富にある。
良くも悪くも、学生向きなのだが。


「すみません。本日のランチ営業はちょっとー…」
「ごめんねー。材料切らしちゃってさー」
「これ以上やると、夜営業出来なくてねー」
「空腹の白い悪魔が来てやってらんねェよ!!」
「アイヤー。お客さん残念だったアルな。今ちょうど、お客さんみたいな女の子が我の店の冷蔵庫空にしたところアル。
20分待てば食材公園で調達してくるアルが、待つか?」


まさかの連続NG。


9982号「リノア氏。やりました」

リノア「何が?」


9982号「ミサカにも魔術が使えるようになったみたいです。アルティミシア氏の周りにどす黒いオーラが見えますよ。
と、ミサカは自身の視覚情報を大雑把にリノア氏に伝えます」


リノア「違うから。魔術じゃないから。私にも見えてるから。…つーか、アイツかよ…ホテルバイキングの時もあったよな」

アルティミシア「あんの…腐れご先祖がァァァァァァァァァァ!!!!」


空腹に苛立った『魔女』の咆哮が『第5学区』に響いた。



結局、3人は近場にあったパブで昼食を取る事にした。
無論、アルティミシアはこれからアイドルの仕事があるし、残り2人は病み上がりのような物だ。お酒は飲まない。
メニューは1ポンドステーキ。席は表のテラスのような場所で本当は店内の席に座りたかったが、
店内ではどこぞのヤンキーよろしくな集団が馬鹿騒ぎしながら飲んでる。
その中でもリーダー格の1人は上半身裸でスパイダーのタトゥーを見せながら、ムサシノ牛乳とウォトカを交互に一気飲みし、
もう1人は彼女らしき人物に抱きしめられながら手裏剣を投げるものまねをしている。中に入るのは最小限にしたい。


9982号「分厚い肉に溢れだす肉汁。グリルで焼き色を付けた後オーブンで焼いたのか、食感を残しながらもとても柔らかく。
また、和牛にはない血肉の味がしっかりと口の中に広がり、粒マスタードの風味を残した酸味のあるソースで口の中に脂っこさが残りません。
GJな仕事だと、この店のマスターに伝えたいですが今は遠慮しときます。と、ミサカは肉を頬張りながらレポートします」


リノア「何故食レポ!?」

アルティミシア「フフッ。なら、こちらのソースならどうだ?」


9982号「むむっ。こちらはバルサミコ酢に甘い洋酒でしょうか?
煮詰めて酸味を飛ばしたバルサミコ酢に洋酒の甘さと風味とコクが加わり、それらが肉本来の甘みを押し出しています。
と、ミサカはこれはお酒があった方がおいしいんだろうな~と想像してみます」


9982号のリアクション1つ1つが面白いのか、アルティミシアはくすくすと笑いながら9982号に餌付けする。
傍から見ればどこにでもある光景だ。が、リノアは少々顔が浮かない。警戒してる、と言う表現が正しいだろう。
無論、それに気が付かないアルティミシアや9982号ではないが。


アルティミシア「ほれほれ~、食べろ~」

9982号「にゃ~」


気にする様子は皆無である。その時、リノアは1つ確信した事がある。
これから頭を痛めることが増えるのだな、と。



アルティミシア「さて」


2人が食べ終えた事を確認しアルティミシアが一息つく。
代金については、パブによくある前払い制で、アルティミシアが既に払っている。


アルティミシア「私は仕事に行くが、お前たちはどうする?」


リノア「どうすると言われましても…今の状態でしたら、この時代の住民からの襲撃は無いでしょうからアルティミシア様の護衛はいらなそうですし。
マネージメントもアルティミシア様がやっておられるのでしょう?」


アルティミシア「無論だ。うーん、お前はどうしたい?」

9982号「ミサカ、ですか?」


問われる9982号。考える間もなく、バックから携帯端末を出す。


9982号「ミサカは此処に乗ってる店のグルメめぐりに行きたいです。と、ミサカはチェックしてた店の一覧を御2人に示します。はしごだぜ」


画面に出されたのは自作したグルメマックなのか、クレヨン仕様で書かれた地図だ。
9982号がマップの所々の動物マークをタッチすると、店の詳細が表示される。
どうやら、料理の種類で動物を分けてる様だ。これを見たリノアは


リノア「お、多くない?」

9982号「何を言ってるのですか、これでもかなり絞りましたよ。と、ミサカは昨日の悩みの種をリノア氏に披露します。ま、全部行けると思いませんが」


確かに、この四方2キロのマップの中にはかなりの動物マークがある。
常識的に考えれば行けるはずがないが、9982号の無表情ながらも「全部行きたい!」と主張が顔に出ている。


アルティミシア「おお、いいではないか。金銭面は心配するな、私のカード使え」


安心したのか、アルティミシアは自身の財布からクレジットカードを出すとリノアに預ける。ブラックカード。


リノア「あ、アルティミシア様!?」

アルティミシア「じゃ、楽しんでくるんだぞ~。あ、帰りは解らん」


リノアの意見を聞くことなく、アルティミシアはその場を離れタクシーを捕まえて行ってしまった。嵐のごとく。


リノア「あ…」

9982号「ま、人生こんな事もあるんですよ。と、ミサカはリノア氏の肩に手を置きながらグッジョブサインを送ります。おっと、ため息は幸せが逃げまっせ」

リノア「ハァ…」



近くの駅に移動してる2人だが、会話と言う会話が全くない。
考えてみれば、知り合ってから数時間程度の付き合い。
しかも9982号については正直、リノアは良い思いは無い。
パッと入りの新人なのに、アルティミシアと距離を縮めすぎている。
と言うより、アルティミシアの態度も何処かしら違和感がある。


9982号「リノア氏」

リノア「何!?」


9982号「改札…引っかかってますよ?と、ミサカはリノア氏が上の空でまさかそんなボケをするとは思わなかった事を告げます。ついでに視線がイタイです」

リノア「ハッ!!?」


考え事をし過ぎてた。改札に引っかかり、改札機から警報音が鳴り響く。
周りの客、駅員からの冷たい目線が彼女に集まる。
顔を真っ赤にし、リノアは急いで現金をチャージし改札を抜けた。



9982号「大丈夫ですか?と、ミサカはリノア氏を気遣います」

リノア「大丈夫よ…ありがと」


ホームに降りた2人。ホームには通過待ちの各駅が止まってるが、目的の駅には隣に来る速達電車に乗るのが一般的だ。
しかし、それ以上に気になる事がある。アルティミシアの態度だ。
元々、リノアを振り回すのが趣味の1つだが、今日は何処か距離感がある。
自身が監禁された間、何かあったか?それとも9982号の影響か?
どうとしても、いい気分ではない。


9982号「あー、ミサカあっちのでんしゃにのりたーい」

リノア「は!?」


唐突な棒読みでリノアの腕を掴み各駅に引き入れる9982号。
あまりに唐突過ぎたのと、軍用クローン特有の腕力であれよと言う間に電車内に引き入れられ、車端部のボックスシートに連れ込まれる。


リノア「何なのよッ!!」


流石に訳が分からなくなり腕を振り払う。
それを見越してたかのごとく、9982号は流れるようにアウターのポッケから情報端末とある物を取り出す。
『速記原典』だ。


9982号「意味、解りますよね?これで合ってますよね?」


この2つの意味は、定時連絡以外で『速記原典』を用いた連絡。


リノア「解るし、合ってる」


うんざりした声で、自身の『速記原典』を取り出し、1ページ千切り耳にかけ髪で隠す。
9982号も慣れたように耳にかける。おそらく、1度やっているのだろう。



《リィィィィィノォォォォォォォォォアァァァァァァァァサァァァァァァァァァンンンンンンンンンンンンンンンンンンン!!!!!!》

リノア「ウルセエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!」

9982号「どっちもだあああああああああああああああああああああああああ!!!!」


通信開始した瞬間、鼓膜を破るような。
いや、頭蓋骨を破裂させそうな音量でネチッコイ嘆き声が2人の頭に響いた。反射的に2人も叫ぶ。
その声は普通に叫んでるので周囲の人々からの冷たい目線が再び2人に集まるが、そんな事を気にする状態ではなく悶えてる。

数分後

リノア《…いきなり大声で喋らないでよ、失聴するかと思ったわよ》

9982号《全くですよ。と、ミサカはオダインさんに文句を言います》

オダイン《そんな事言われましてもぉ。心配してたのですよぉ、リノアさん》


ねっちこい声の主は、リノアやサイファーと共にこの街に潜入した1人。オダインである。
リノアやサイファーと違い、基本的に表には出ない人物。


リノア《それはアリガトウなオダイン。アンタのネチッコイ声聞くと、もーっとイライラしそうでね》

オダイン《そんなぁ、これは私の地声ですよぉ?それに、何故イライラしてるのですかぁ?そんな時は私の操折ちゃんの声胸キュンボイスをぉ》

リノア《お前の人形の声なんざ聞きたくねぇんだよ、気持ち悪い!!》

オダイン《残念ですねぇー。せっかく今最高の状態なんですがぁ…》

リノア《おい、切るぞ。脳が腐る》

9982号《はい、ミサカもただならぬ気色悪さを感じたので自己保身の為に切ります》

オダイン《ちょっと!?》


一方的に通信を切る2人。夏場で冷房が掛かって無い筈ないのにうすら寒いのは気のせいでは無いはずだ。
気が付くと、電車は動き出していた。


9982号「…すみません。古い御仲間と話せば元気になると思っていたんですが、当てが外れました。と、ミサカは先ほどの恐怖の変態に戦慄を覚えます」

リノア「あれはマジキチの変態だから関わっちゃダメ。仕事以外だと5分関われば脳が腐るから…って、私を元気づけようと?」


9982号「ええ。正直、ミサカはコミュニケーションは『学習装置』で学習した知識、そして死ぬ前の一時しかありません。
そんなミサカでも、貴女が不安に思いイライラしてる事は解ります」


リノア「…何で、私が不安を感じてると思うの?」


9982号「あなたが囚われ意識を失ってる間、何がどのようになっているのか人の話等の伝搬でしか解りません。
変化が多すぎてついて行けない、と言うのが正解でしょう。ミサカもです。
ミサカはかつて死にました。約2年前です。そして生き返れば、どうでしょうかこの変化。ついて行けません。
知ってるかと思いますが、ミサカ達はMNWで繋がっており、記憶をクラウド形式で共有できます。読み込み、理解は数分もかかりません。
様々な個体の記憶が流れ込んできました。
そして、とある個体の記憶。ミサカは理解不能でした。
ミサカを殺した相手と抱き合ってるのです。解りますか、この屈辱のような記憶!!」


激昂する9982号。その記憶は番外個体の記憶であり、相手は一方通行である。
無論、リノアには誰と誰かは解るはずないが、彼女の『周りに置いてかれたが故の孤独』は理解できる。今の自分がそうだから。
が、その孤独の重さは天秤に乗せ比べる必要は無かった。


リノア「…そっか」

9982号「理解できないですよね?」

リノア「うん、アナタじゃないもん。…けど、アナタがこの時に反逆する理由は解ったよ。その記憶の」

9982号「抹殺です。…いえ、あの事実を消し去るために、ミサカ達その物を歴史からの抹消です。…チープですか?」

リノア「『歴史の改竄』自体がチープな願望だもん。…それに、記憶の抹消は私も同じだから」



リノアが話し終えると同時に、対向電車が警笛を鳴らしながら猛スピードですれ違う。
車内のほとんどの乗客がそれに驚くが、ただ1人9982号は違う。


9982号「驚きました。皆がアルティミシア氏と同じ願望の為に行動してるのかと思いました。
と、ミサカは驚愕の表情で初耳の情報を聞きます。決して、電車の警笛に驚いたわけではありません」


リノア「そうだよ。みんなそれぞれ願望はあるし、無論アルティミシア様の理念に共感してるの。
…いや、その理念の元ならば私達の望みをかなえられるし、その世界ならばみんなの希望をかなえられる」


9982号「ひょっとして…あなたの記憶とは」

リノア「…初恋だよ。何となく、感じてたでしょ?」



第15学区、学園都市でも最大級の繁華街を誇る学区である。
彼女たちはその中で外部大手メディアも入る複合ビルの一角の店舗のテラスに居る。
9982号リストの中でも上位の店なのだが


9982号「失敗しました。と、ミサカは頭を抱えます」


不味かったのか、違う、料理は抜群の味だった。
雰囲気も申し分なかったのだが


9982号「どーすんだよ、コレ」

リノア「グスン…スコール」


彼女の目の前にはブッ潰れ、テーブルに頭をつけ眠っているリノアの姿があった。


本来、お酒を飲む予定は皆無で、9982号の提案でリスト上位のこの店に入った。
店に入り料理のオーダーすると店員がお勧めでこの様な物を紹介してきた。『自家製サングリア』。
2人はまだ未成年である。大学生の格好だからだろうか、バイトの店員の怠慢だろうか。そこまでは解らない。
が、『1杯ぐらいはイイかな?』という甘い考えで頼んだ。
『サングリア』果実を漬け込んだ甘いお酒であり、ワイングラス等で飲む物お洒落な物である。そう、『雰囲気に飲まれた』。
ちなみにこの時、リノアは「私強いから大丈夫だよ~」と言ってた。が


9982号「結果はコレだよチキショウ」


コレである。

ちなみに、9982号は元が元なので酒が弱いと思っていたが全く何ともない。
この特性は他の妹達(番外個体、打ち止めを除く)も同じである。
更に補足すると、リノアは普段は全く弱くないのだが、恋愛トークの時に酒が入ると冗談みたく弱くなる。
最終的には初恋の相手の名前を泣き叫び、唐突にスイッチが切れて寝落ちる。迷惑極まりない。


9982号「どうしましょう。と、ミサカは対策を思案します」


さて、彼女を運ぶ方法だが、どうするか。
誰かに頼みたいが9982号が彼女達の知り合いで頼みやすいのはオダインかアルティミシアになる。
が、オダインは対象外であり、アルティミシアは


「さて、今日は今夜7時からのバラエティーのゲストである、アルミンさんがスタジオに遊びに来てくれましたー!!」


アルミン「こんばんは~」


目の前の巨大な街頭ビジョン映ってる生放送の夕方ニュースに、アルミンとして番宣で出演中だ。



《お困りのようですね。と、ミサカは生き返った個体に救いの手を差し伸べます。プギャー》


その瞬間、9982号の脳内に会話が入ってくる。魔術ではない。そう


9982号《まさか、まだMNWが使えるとは思いませんでしたよ。と、ミサカは驚きの声を貴女の脳内に送ります。10032号》


ミサカ・ネットワークだ。
が、彼女が言う通り使えないと思っていた、いや使えなかった。


御坂妹《ごく近距離ならば使えるようですね。と、ミサカは弾き出されたあなたとMNWできることを分析します。
で、どうしますか9982号。ミサカはその手の泥酔者の的確な対処法を知ってますが?とニヤケナガラ言ってみます》


9982号《何処からともなくミサカ達を見ながらニヤついてるアマに助けられたくありません。とミサカは貴女の提言を跳ね飛ばします。不潔な奴らめ》


御坂妹《あらそうですか。と、ミサカは救いの手がいらない事を残念に思います。
ですが、最後の言葉は気に入りません。
そもそも、貴女は誤解してます9982号。
一方通行の犯した罪は許されるものではありません、ですがそれに対し彼は》


9982号《聞きたくありません!そのような言葉が出て他の個体が言わない時点であなた達は穢れたも同然です。
と、ミサカは10032号の甘ったるい言い訳に反論します。そもそも、『一方通行』は何処ですか、『番外固体』と言う大馬鹿野郎は何処ですか》


御坂妹《…》


9982号《何とか言ったらどうですか、10032号》

御坂妹《……を殺してどうするのですか、それで貴女のその感情は収まるのですか?ミサカ達を抹殺しようとする考えろやめるのですか?》


9982号《考えをやめる?貴女は考えることを放棄することで記憶が抹消できると思っているのですか、貴女の『学習装置』は壊れてたのですか。
…やはり、2年近い溝は埋めることはできないようですね》


御坂妹《思考がデジタルすぎます。極端ですよ。貴女も妹達であるならば、そのようなデジタル思考は》


9982号《もういいです。さようなら!》



御坂妹「9982号。もしもし、9982号!!」


離れたビルから『光学迷彩』を被り、双眼鏡で先ほどまで9982号がいたテラスを覗いてる御坂妹。
視線の先では酔っ払い2人がそそくさと会計を済ませ、出るところだった。どうやら、9982号がおんぶして帰るようだ。


御坂妹「…結果。『ナーヴギア』というワードを含ませて会話をすると、文節ごと向こうには認知されない
…いえ、あの時『魔女』が来た時に確認できました。
彼女達は『ナーヴギア』を認識できないと、目の前に『ナーヴギア』を被った上位個体のチビがいたのに」


そう、彼女がここへ来た目的は9982号を監視することも1つだが、どちらかと言えばこちらが主目的。
あの時、『魔女』の目の前には打ち止めがいたが、アルティミシアどころか9982号も認知できていなかったのだ。
『ナーヴギア』を被った9982号を


御坂妹「先ほどミサカは9982号の会話の中でこの様に喋りました。

【『ナーヴギア』を被って入院してますよ?】

【『ナーヴギア』のせいで意識不明の一方通行と番外個体を】

この様にミサカは話しましたが、彼女には通じなかったようです。…いえ、認知できなかったと言う方が正しいでしょう。
と、ミサカはぶつくさ独り言を喋りながら自身のノートに記録します。…しかし、何故このようなアナログな方法で?」


筆が止まる。そうだ、そもそも記録ならば紙のノート等ではなく、端末の方が楽である。
それ以前に、彼女達ならばMNWに記憶を保存すればいいのだ。


御坂妹「そもそも、何故あのシスターは入院してたのでしょうか?と言うか、最初にこの事を指摘した腹ペコシスターが確認すればいい物を、
しかもとっとと退院して外食ですか!?ふざけてますね。
と、ミサカは腹ペコシスターへの不満を募らせます。こちとら朝からウィダーインなのに…お腹すきました」


子猫のような腹の音が彼女の腹部から聞こえる。立ち入り禁止の屋上で誰もいないのが幸い。


御坂妹「…帰りにイヌのエサでも買って帰りましょうか。
…スフィンクスのも買いましょう、どうせシスターが入院してたのですからお腹すかせてるでしょう。…あの人も居ませんし」


決して、自身の空腹音で思い出したわけではないが、愛猫とスフィンクスのエサと最近お気に入りのパン屋でパンを買おうと思う彼女。
しかし、そこの青髪関西弁の青年は気にらない。



第7学区行の電車が出る駅へ向かう道中、信号待ちの最中ふと巨大な街頭テレビに視線が行く。


御坂妹「アイドルと言う物はいいですね。と、ミサカはOLのようなどうでもいい愚痴をこぼします。あ、アルミンは今は殆ど女優か」


愚痴をこぼしてると、信号が変わり人波が動き出す。
彼女もつられて歩き出すが、歩きながら考える。彼女的にはどうでもいい事だと。


御坂妹(しかし、ミサカは彼女にアルミンに会ったことがあるような気がします。それもごく最近に。
そして、なにか重要な事を知ったと思うのですが何でしたっけ?と、ミサカは自身の記憶の曖昧さを思慮します。
…いけません、何か残念なストーカー思考になっています!やめましょう。
今はイヌへのご飯と、あのシスターと低血圧さんと合流を考えないと)


そう、今の彼女にはどうでもいい事だ。いや、覚えていない。


『魔女』が誰であり、彼女達の目的など、今の彼女は覚えていないのだから。



「まるで、この街…いや、君の城の住民はセーブ機能が壊れてしまったゲームのようだね」


「しかし、セーブさえしなければそのゲームはクリアできるのではないかな?ゲーマーと言うのはそう言う類が好きな者が多いと聞く。
特に、君の城のプレイヤーはそうではないかな?」


薄暗い部屋に強大なビーカーがオレンジ色に照らされてる。
中には逆さに入った人が1人アレイスター・クロウリー。そして、もう1人の声の主、茅場晶彦。


「それに君も、城で内乱を起こさせたようではないか。君の目指す理想の為に」


「かつて君は此処に『魔女』を招待した時に、この街の現状を『麦踏』と例えた。同じだよ。そして私の方は成果は出た。
後は彼が使いこなしてくれればいい事だが、その点は問題ないだろう」


「『黒の剣士』か…。私が言うの何だが、物好きだよ、君は」

「もの好きでなければ城主などやってないよ」


静かに零す様に笑う2人。それは互いが似た者同士だと認識してるからだろう。そう、似た者同士。


「アレイスター。君は魔女の目的を薄々感付いてるのではないかね?
何故君を狙わないか、何故『時間遡行』とやらの魔術にとって絶対的な障害になるこのビルを消さないか」


「ほう…」


そこに瞬時にいくつもの画像が表示される。それは『窓のないビル』を様々な場所から撮影したものだ。
が、『窓のないビル』以外の建物、風景に違いがある。
『学園都市』を外部と隔てる壁が、時にはその姿を誇示してたり、時には消滅してたりする。壁の有り無しは街の雰囲気にも影響してくる。
ある場合は以前同様洗練された近未来都市なのに対し、壁が無い時には、郊外の雑多な繁華街となってる。
そして、1番新しい画像は以前の『学園都市』に多少外部の雑多さを混ぜたような雰囲気。
『SAO事件発生後半年』辺りに1番近い。
そして、変わらずこのビルはその姿を変えず存在してる。


「このビルが『魔女』の魔術に干渉してると思うなら、それは少し違う。
このビルは『何事にも干渉せず干渉しない』それだけさ。ただ、君の言う『魔女』の狙いは当たってるよ。私にも心当たりがある」


「だが、それは教えてくれないのだろう?こ事象の顛末を君に問いた時同様」

「そして私はこうも言った。『君の城、君の物語が終えた時に話す』と」


アレイスターの言葉をこの場で第三者が聞いても解るであろう。そう、茅場晶彦がどのような顛末を送るのか。


「ふっ、酷いなアレイスター。まるで答えを先に言ってるようではないか」

「重々承知の上、だろう?君が行動を起こしたのも」


が、2人にはそれは当然だと言う雰囲気が流れる。悟りの境地とでもいうのだろうか?



「そろそろ戻らせていただくよ。何分、ウチの副団長が君の所のクローンと一緒に団員をしごいてるからね。あまりサボり気味だとドヤされるのでね」

「そうかね。…ここに来る者も少なくなってね、寂しい限りだよ。『偶然』にも定期的に来る1人が君の所にいるからね」

「『偶然』か…」


その瞬間、仮にここに茅場晶彦が実体であるとしたら足を止め思慮してる風景があったであろう。
その時の表情はきっと、『疑心』。そして、彼はそれをアレイスターに問いかける。


「不思議に思っていた。何故彼らなのか」

「彼等、とは?」


「人が悪いな。何故君の城でもキーマンである彼等が『偶然』にも私のゲームにログインしたのか。何故、私の目を付けた剣士とここまで交流を深めたか。
疑問に思っていた。そしておそらく『魔女』も方向は違えど、同じことを思っているだろう。何故彼等だけ見つけられないか?」


「さあね。それは『偶然の結果』としか言えないだろう。
君は知らないかもしれないが、過去…いや、つい最近には天使を召還する大魔術が『偶然』発動したこともある」


「そうか…『偶然』とはすごいのだな。
…『偶然』にも、私の作り上げた『ナーヴギア』が、『魔女の軍団』にも認知されないのも、それを被ったプレイヤー達も認知されないのもかね?
そして、VR技術が彼女達『遥か未来の世界』を根幹を成す技術だとしてもか?」


「ああ。君の城に居るクローンの技術が『遥か未来の世界』で人間を安定して培養させるのも。
この街に彼女達が求める物があるのも、『偶然』だ。そう、『偶然』なのだよ」


「まるで『偶然』のバーゲンセールだな。…とでも言ってほしいのか?君ならば、『偶然』を生むことぐらい容易いと思うが」

「ふん…なるほど。面白い見解、と言っておこう。そして、否定も肯定もしないと言っておこう。言っただろう?『君の城、君の物語が終えた時に話す』と」

「そうか、残念だよ。…では、私は行くよ」

「またの機会を楽しみにしておくよ。…そして、私のアバターを用意してくれて感謝するよ」

「造作もないことだ…」


完全に人気が無くなった部屋。アレイスターは1人寂しそうにため息をつくと、誰かに語りかけるように呟き始める。


「寂しいものだ…友の多くが私より老け死に絶え、更には生きてる時点でもその先が見えるのは、寂しいものだ。…ああ分かってる。それが、私だよ」

今回はここまでです。

次回からはSAOに戻ります!


ではまた

新キャラ紹介


9982号

2年近く前、1番最初に御坂美琴と遭遇した『妹達』。その時、食レポしながらのグルメ旅と美琴からプレゼントをもらう。
一方通行との実験で足をもぎ取られ保線車両に押しつぶされ死亡。
そして、この物語にて『魔女』アルティミシアにより蘇生される。
身体能力は生前と変わらず、魔術も現在の所そこまで使えない。
ここ2年間と言うタイムラグを他の個体の記憶を読み取ることで知ったが、あまりにも自身の認識する状況とかけ離れてる事に嫌悪し離反。
アルティミシアの『魔女側』に附くことになる。
性格は10032号が評価した通り、かなりデジタルな性格。仲間の事を○○氏と呼ぶ。

武器は強奪した、次世代演算兵器C『ランドセル』。
これは名前の通り背中に背負う物でバックパックが主体で、
これに接続されたシールドと一体化されたロングライフル『オモチャの兵隊MK-Ⅱ』が特徴。
ブースターを介した跳躍機能と、『超電磁砲』なども打てるが、エネルギーカードリッジの数の影響で回数が制限されてる。
いわば、フルアーマーミサカMK-Ⅱ

※モデルは、ガンダムビルドファイターズに出てきたビルドブースターMK-Ⅱ

縦ロールさんは今頃どこでどうしてるだろう  

おはようございます!!

さて、今回からはちと短めに、SAO内での彼等のうだうだな『日常』を紹介していきます!!

>>700

縦ロールさんは生きています。


では投下。

SAO開始、約2年。


『日常』。俺キリト事、桐ケ谷和人がこのデスゲームに巻き込まれる前のそれは単調な物だった。
いや、単調で毎日の事だからこそ『日常』なのだろう。
そう、ただ単に学校と家を往復し、部屋に帰ればゲーム。
休日ともならば寝ずにゲームをプレイすることはザラだった。

あの日まで。

あの日、茅場晶彦が一方的にデスゲーム宣言し約1万人のプレイヤーの日常が崩壊した。無論、俺も含まれる。
それからはモンスターと戦い、第100層を目指して攻略の毎日。
戦って戦い抜いて、俺は生き残った。

その結果


キリト「ちょっと待ってくれ…」

御坂「ああん?私の酒が飲めないのか、ああ!?」

上条「毎度のことだけど御坂さん、飲み過ぎですよ。つか、キリトにアルハラすんなよ!!」

エギル「それ以前にお前ら俺の店を荒らすな」


俺は、現実とは180度違う『日常』の中に身を置いてた。平和?な方向で。



その日、夕方になり俺達は予定も特になくなりエギルの店に転がり込んでた。
昼間はシンカーたちと『野球』をしていたのだが、試合終了後広場で『交流会』と言う名の宴会が模様され現在に至る。
ちなみに、俺と上条、美琴が助っ人に入ったチームの監督クラインとギルドメンバーは未だにこの層の広場にて飲んでいるだろう。


エギル「しっかし、お前たちもよくもまあウチの店に来るよな。俺は大歓迎だけどさ、ここだと」

キリト「SAOだと自動会計だから飲み逃げできないからだろ?」

上条「それ以前に、エギルのつまみ料理美味いからさ。来たくなっちゃうんだよね」

エギル「嬉しい事言うじゃないの。どれ、この前お前に教わった『手羽の素揚げ』でも食べるか?」

上条「マジか!欲しい!!」

キリト「小腹が減ってきたし、俺も」

御坂「私もォォォォォ!!」

エギル「わかってるよ!全員分あるからよ!!」


この様に、俺達がいるとエギルは俺達3人分の料理をサービスしてくれる。
ここ最近は俺と上条、美琴との行動が多い。
無論、アスナや他のメンツとの交流を疎かにしてる事は一切ない(俺基準だが)。



俺の『日常』はあの日から確実に変化した。
1つはこの世界での出会い。アスナやエギルといった友人たちもそうだが、上条に美琴、そう『学園都市』の住人との出会いだ。
特に御坂美琴は俺が知る限り、そう現実でも名の知れた有名人だ。『
学園都市』と言う超能力者を養成する場所でのある意味アイドルのような存在。
雲の上のような存在だと思っていたが、


御坂「キリトォ…あんたペース遅くなってるわよ?」

キリト「今の言葉を数個借りてこの言葉を贈るよ。美琴、あんたペース落とせよ」

御坂「全ン然ン借りてないじゃぁーん!!」

上条「痛った!何で俺を叩くんだよ!!」

キリト「…何時もながらご愁傷様」

上条「不幸だ」


お判りいただけるだろうか?
酒が入ると『学園都市のアイドル』こと美琴はたちの悪い酔っ払いになる。何でも遺伝だそうだ。
と言うか、ここで出逢った『学園都市』の人間はよく言えばキャラが濃い。
オブラートを取り除けば性格がぶっ飛んでる。
例えば上条も


上条「ホグオッ!?」

キリト「椅子が壊れたァ!?」

御坂「えー何尻餅ついてんのよー?」

上条「しらねーよ!急にぶっ壊れたんだよ、おいエギル!!」

エギル「あ、ワリ。それ『耐久値』ヤバいの忘れてた、ゴメンなー」

上条「…またまた不幸だ」

キリト「あはは…」


お判りいただけただろうか?
こいつの不幸属性は尋常じゃない。何かしらのスキルかと思うぐらいだ。
尤も、これはこいつの現実での能力の弊害だと聞いたが。
やっぱりよく解らない。

兎にも角にも、俺の此処での『日常』はこんな感じだ。
良くも悪くも、ここでの出会いと経験に俺は複雑な気持ちで感謝している。



キリト「やっと電池切れたか…」

上条「長かった…」

エギル「本当だよ…」


2時間ぐらいたつと美琴はスイッチが切れたかのようにテーブルに突っ伏して爆睡し始めた。
ここまでキリトに上条、エギルがどれほど飲まされたかは語るまでもない。


キリト「お…ップ」

上条「大丈夫か?」

エギル「ダメな感じだな。今日はもう開いたらどうだ?」

キリト「そうしたいんだけど…久しぶりに番外個体とかが…この後来るみたいだからさ」

エギル「いや無理だろ。無理なパターンだよ、それ」

上条「俺が謝っとくから今日は帰れ、な?」

キリト「うっ…ウッ」


蒼白と言うのが正しい感じの顔色になるキリト。
彼の胃には現在4種類の酒がたまってる、俗にいう『チャンポン』状態。
主犯は横で爆睡してる美琴と、自らゲームを仕掛け自爆したキリト自身。


キリト「な、なら…頼む…よ」


流石に観念したのか、自身の愛剣を杖代わりにして店を後にした。
彼の背中を見送った上条とエギルは「よく道に迷わず帰れるな」と、心の中で思った。



エギル「で、このお嬢様はどうするんだ?」

上条「んー」

御坂「こぉぉぉぉぉぉ」


確かに、このまま電池の切れた美琴を此処に置いとくのはよくない。
が、番外個体のメッセージ通りならもう間もなく来るだろう。


上条「『回廊結晶』はさっきキリトから預かった『スペイン』しかないしなー」

エギル「また悍ましい場所の奴だな、『イタリア』なら欲しいんだが…しかたない」


そう言いながら自身のメニュー欄を操作し始めるエギル。
ちなみに『スペイン』や『イタリア』とは『回廊結晶』に記憶された場所の暗号で他に、
『アメリカ』『日本』『イギリス』『中国』『ロシア』『フィンランド』等がある。
さて、エギルが自身の『回廊結晶』を実体化させる。
記録されてる転移先は彼等のギルドハウスだ。


エギル「色々世話になってるからな、今回は1割引きだ」

上条「…そこはタダにしてくれよ。ま、ありがたいけどさ」


何やかや、文句を言いながらもエギルに代金を払う上条。動きや言動から察するに、よくある事なんだろう。


上条「じゃあ、俺達も帰るよ。アスナと番外個体の事は」

エギル「わかってるよ。『疲れたOL』のような2人のお相手なら任せろ、本職だ」

上条「…なあ、まだ引っ張るか、そのネタ?」

エギル「いや、あれは俺もやっちまった、と思ってるしな?…アスナ『ガチ泣き』だったし」



『疲れたOL』とは、先日この店にてふと上条がアスナに言ってしまった言葉で、
それに対しその場にいたエギル、アルゴ、番外個体も面白がって悪乗りしまったことだ。
無論、言われたアスナは『ガチ泣き』した。当たり前だ。
尤も、このところのアスナは『血盟騎士団』の仕事でほぼ徹夜、疲れがたまってる事は周囲の心配の種の1つだ。
が、あまりにもデリカシーの無い発言と3人のフォロー、17歳の少女にはかなりキツかったのは言うまでもない。
言うまでもないが、そこで4人が土下座を含めた強烈な謝罪をしたのは言うまでもない。
しかし、アスナが許したかどうかは分からず終い。

さて、美琴をおんぶした上条が店を出る準備を終える。


上条「まあ…明日のイベントがあるから、俺達はここで」

エギル「おう、じゃあな」


展開した『回廊結晶』の中に上条と美琴が消えていくと、間接照明に照らされた店内に静かに流れる街の喧騒と言う名のBGMが聞こえる。
エギルは一息吐くと自身の飲み物を飲み


エギル「さて、お嬢様2人のお気に入りの飯でも作りますか」


アスナと番外個体のお気に入りのメニューを作り始めた。
2人が来たのはそれから間もなくだった。

今回はここまでです!!

ではまた

こんばんわ!!

さて、日常編投下します!!



【あなたのSAOでの『日常』は何ですか?】

この様な問いかけに対し、多くの者は【攻略】と答えるだろう。
現に、『本来の日常』へ戻るにはこのゲームを命がけでクリアしなければならない。それがこの世界の真理である。
が、今現在その『攻略』は数人と協力しなければ成せない事実もある。
なので、『攻略』の日程が組まれてるのが今のこの世界である。
さて、その『攻略』が無い場合多くの者は何をしてるか?


キリト「フェアァァァァァァァ…」


この気のぬけた欠伸をしているソロプレイヤーの1人『黒の剣士キリト』を中心に辿ってみて行こう。



キリト「ぼー…」


誰に説明する必要もないのに自身がボーっとしてる事を示すかのような言葉。
決してすこぶるよいとは言えない日差しを浴びながらゆっくりと頭を覚醒させる。
今日の彼だが、本当にやる事がない。
レベルも現在の最前線ではかなりの余裕がある、なのでレベル上げに何処かの迷宮区へ赴く必要もない。
そして、求めてたアイテムも先日リズベットの協力で得ることが出来た。つまり


キリト「何しよ…」


本当にやる事がない。



形だけの洗顔と歯磨きを終え、キリトは自身のホームタウンである第50層の街中へ出た。
彼の現実の家がある街とは違い、雑多で込み入った雰囲気が西欧ファンタジーをベースにした世界観の中でどこか東洋的な雰囲気を醸し出す。
ある程度年齢を重ねてる者は『かつての秋葉原』に近いと言うが、
キリト達の年代にはピンとこないのが現状で『都心の繁華街』の方が彼等はしっくりくる。


キリト「エギルもう店開いてるかな」


ラフな服装で『アルゲード』の路地裏を歩くキリト。
『アルゲード』は街全体が『圏内』なので武装を外していても特に危険はなく、
この街に住んでいるプレイヤーの多くもちょっとした外出ならばラフな格好で出回ってる。
さて、朝起きて洗顔、歯磨きを終え、多くの者が次にやる事はそう、朝食だ。ここで何故家で食わないのかと疑問が湧く。
何かしらのイベントがありそこで食べるとアイテムがもらえる、若しくはちょっとお洒落に外食したいから。
答えはどちらもNOである。


キリト「昨日ちゃんと買っとけばよかった、パン…」


物事は何時だってシンプルである。



「こんなにたくさん、嫌味ったらしい量の原稿ありがとうございま~す。は~今日は忙しくなりそうねー」

「金貰っといて、その言草はねェだろ」

「大丈夫。あくせられーたがイヤミ抜きで用意した原稿の量が嫌味ったらしい量になるのはみんなしってる」

「…それ、フォローなンだよな?」

「他に何か?」

キリト「あ」

一方通行「ン?」

滝壺「あ、きりと、おはよー」


街中のプレイヤーが営む印刷所から出てきたのは一方通行に滝壺という珍しい組み合わせだった。


キリト「滝壺は新聞関連なのは分かるけど、お前は?」

一方通行「徹夜で仕上げた論文だ。たかが20であンな嫌味ったらしィ事言われるとわよ」

キリト「俺は書いたことないんだけどさ、普通論文って1日で20個も書けるのか?」

一方通行「当然だろ。こンなの朝飯前だ」

キリト「なるほど、普通は無理か」

一方通行「オィ!!」

滝壺「大丈夫。きりとの判断は正しいよ」


SAOではプレイヤーは執筆した物を創刊できる。無論有料だ。
創刊に際してはNPCが営む店とプレイヤーが営む店の2種類があるが、
困ったことにNPCの店は2割の確率で持ちこんだ原稿を紛失してしまうと言う謎仕様がある。
速さは断然NPCの方が速いのだが、この紛失を避けるため、多くはプレイヤーが営む店に出す。
が、一方通行の様に膨大な量を出す者が居たりするので創刊までには日数がかかる。
ちなみに一方通行は趣味の一環で、自身が過去に読んだ『論文』を書きだしている。
それは膨大な量で更に美琴も加わり、現在SAOにて創刊されてる書物の量は下手な大学の図書館が裸足で逃げ出すほどである。
まさにレベル5の有効活用。


一方通行「で、お前は何してンだ?」

キリト「これからエギルの店で朝食でも食いに行こうと思ってさ」

滝壺「ちょうどよかった。私達も朝食まだ」

一方通行「今日は朝食作らねェ日だったからなァ。俺達も行くか」



エギル「んんッー・・・」


自身の店の前で背を伸ばすエギル。
その様子から、開店までの下ごしらえが終わった事を察することが出きる。


一方通行「よォエギル」

滝壺「おはよ」

キリト「昨日ぶり」

エギル「おう、朝から早いな。朝飯か?」

キリト「そんな所だ。何時のも頼むよ」



薄暗いのには変わりないが、昨夜の雰囲気とは違うのは日差しの影響だからだろうか。
『アイングラッド』はその形から日中になると日差しが直接入る事がまずない。
しかし、朝や夕方は層の間から入る日光は昼間の明かりとは違う雰囲気を醸し出す。
現に『ダイシー・カフェ』の店内の雰囲気も朝特有の爽やかな空気である。
そして、エギルの作る料理の臭いも相まって3人の空腹度は増加した。


エギル「へい、お待ち」


その空腹度が限界に達したころを見計らったかのタイミングでメニューが運ばれてきた。
香ばしく焼かれたパンにカリカリベーコン、ポーチドエッグに滑らかなオランデーズソース、エギルお得意の故郷の味。


エギル「エッグベネディクトだ!」


皿にはそれが2個にちょっとしたサラダ。
ヘビーゲーマーの多いこの世界のプレイヤーからは、縁もゆかりもなさそうなお洒落料理だが。


キリト「何時もながら旨そ~!!」

滝壺「今日こそ味を盗む」

一方通行「グダグダ言ってねェで早く食べねェか?」

キリト「そうだな!いっただきーます!」


評判はかなりいい。理由はソースだ。
オランデーズ・ソース、普通に生活していたらあまり聞かないソースだが、一口食べるとあの味を思い出す。


キリト「やっぱり、このオランダソース?は、何処となくマヨネーズの味がするな」

一方通行「オランデーズ・ソースな。確か、材料は確かマヨネーズとあんま変わらないンだよな?」

エギル「おう、手間はかかるが大体同じだ。ちなみにオランダってのも当たらずとも遠からずだな」



そう、この料理にかかってるソース『オランデーズ・ソース』は何処となくマヨネーズに似ているのだ。
具体的に言うのならば、『濃厚でリッチなマヨネーズ』とでも言おう。
現実世界と大きく異なり、現代日本に当たり前に有る調味料の多くが無いSAO。
特に醤油が無いのは多くの者が嘆き、更に若者が多いのでマヨネーズが無い事にも嘆く者が後絶たない。
自身で調合する者も多いが、成功した者は今のところいない。
現在、プレイヤーによって作り出された調味料は、味噌、味醂、日本酒、のみである。
しかし、現代の料理を無理に再現しなければ美味な料理を作る事はさほど難しくない。
簡単に言えばSAOがベースにしてる中世欧州にあった素材、調味料は手に入りやすいのである。


滝壺「そんな雑学より、私はこのソースのスキルを習得したい」

エギル「そんなに難しいか?料理スキルならお前の方が上だろ?」

滝壺「ピンとこない。なかなか」

キリト「スキルが高くてもそう簡単にはいかないんだな」

滝壺「うん。料理は簡単で難しく、奥が深い」

キリト「へー・・・」

一方通行「コーヒー」

エギル「はいよ!しっかし、お前も解り易いな」

一方通行「あァ?」

エギル「旨いものは黙って黙々と食べる。コーヒーもな」

一方通行「・・・御馳走さン」


何かに触れたのか、お代わりしたコーヒーを一気に飲み干すと立ち上がる一方通行。
尤も、普段から掴み所のない奴だと認識してるエギルは特に動揺することはない。
それに、この後彼が何するかも大体見当がついてる。


エギル「お迎えか?」


一方通行「あンの馬鹿、20年前に流行った謎言語で真夜中にメッセージを送ってきたからな。説教もかねてだ。
あ、キリト。ついでにそいつ送ってくれないか?じゃねェと三下にウダウダ言われてウゼェからよォ」


キリト「いいけど、よく女の子の家に行けるな」

一方通行「何回かあるし、今更な」

キリト「えっ!?」

エギル「マジか!?」

一方通行「じゃ、ごちそォさーン!」


鮮やかに爆弾発言を残して去る一方通行。