仮面ライダー×仮面ライダー SAO大戦 (157)

仮面ライダーとSAOが大好きな筆者が、妄想爆発させて書いたクロスssです。

筆者の勝手な趣味により、出てくるのは平成二期+剣となっており、基本剣崎視点で進んでいきます。

設定変更あり、オリキャラありです。

長編のため、なるべく週一ペースで投下します。

初ssですので暖かい目で見守っていただけると嬉しいです。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1413109465

「ご協力、感謝します。」
建物の中に2人の男性が立っていた。
「いや、私からも礼を言わせてもらおう。面白いものを見せてもらったからね。」
1人は全身に白い服をまとった男性。
もう1人は白いロングコートに身を包んだ博士の用な男性だ。
「しかし惜しいものだ。君の様な人材こそ、我々が欲している人間なのだが…」
「その件については何度もお断りしたではありませんか。私にはやることがあるんです。」
博士の様な男性がため息まじりに答える。
「フフッ、そうだったな。さて、全ての準備は整ったのだろう?」
「ええ、βテストも行いましたし、あとは始めるだけです。」
「…あのプログラムは?」
白服の男性が博士の様な男性を見つめる。
「今のところ異常はみられません。もっともβテストで使われることはありませんでしたがね。」
「そうか…まあ短期間で使えるものではないからな。手を加えたりはしてないだろう?」
「当然ですよ、あれだけの資金援助をしてもらった以上約束は守ります。」
「物分りが良くて助かるよ。」
「まぁゲームとしては面白いですし、むしろ私の目指しているものに近づくかもしれないですから。」
ゴーン…ゴーン…
建物内に鐘の音が響く。
「おや、名残惜しいがそろそろ時間の様だ。」
「そうですね。では、私も準備があるのでこれで。」
「わざわざ来てもらってすまなかったね。最後に君に会えてよかったよ。健闘を祈る」
博士のような男性は白服の男性に軽く頭を下げ、その場を後にした…

「はぁ…また戻って来ちゃったな…」
ため息まじりに呟く。
「あいつらにはもう会っちゃいけないって分かってたはずなのに…」
あれからもう10年の月日が経っていた。
あの日から俺は、あいつに会わないために世界中を旅していた。
なんの計画も無く始めた旅だったが、それでも悪いものではなかった。
新しい出会い、初めての経験…
何もかもが新鮮で、かけがえのない時間だった。

だが…それも長続きはしなかった。
この体の秘密を隠して過ごすには限界があった。
長くて半年、早い時には数週間でその場を離れなければいけなくなった。
時にはそれでも俺を受け入れてくれる人もいた。だが、俺を庇った人は決まって俺を拒絶した周りの人間から孤立していった。そういう時は、俺は黙って姿を消した…
それでも、また新しいところに向かうのが楽しかった。たとえ同じことを繰り返すことになっても、俺は満足していた。

だが、ある時…あの事件がきっかけで俺は変わった。
俺は何者なんだろう。俺は何が出来るんだろう。
俺は、なぜ生きているのだろう…
自分の中で虚無感が渦巻いた。そして気づいたときには俺はこの地を踏みしめていたのだ。
「…やっぱり落ち着くな、この国は。」
長い月日が経ち、変わったところも多くある。新しく大きな電波塔ができているし、昔よりも圧倒的にビルが増えた気がする。周りの人間がいじってるのはおそらく携帯なのだろうが、昔俺が使っていたタイプとは全く形が違う。
それでもやはりかつて自分が住んでいた国は安心する何かがあった。
「あまり長居はしたくないけど、
少し最近のことを知りたいな…」
特になんの予定も立てていなかった俺はとりあえず散策を始めた。

「本当にあったよ…」
目の前にはゲームショップ。たてられた看板には先着50個の文字。
見たところ20人程度しか人はいないため、間に合ったのだろう。
「よし、並ぶか。」
俺は最後尾についた。

少し時を遡り…
俺は調べものにうってつけの場所を見つけた。
インターネット喫茶だ。
なんと、お金を払えばパソコンが使えるという。
旅の最中も色んなことをして、金はそこそこにあったので、俺はとりあえず入ってみることにした。
正直…驚きの連続だった。
インターネット喫茶だというのに、漫画は置いてあるし、飲み物は飲み放題だし、ダーツなんかも置いてある。つくづく時代の進歩を体感させられた。
特に、パソコンには。
昔パソコンを使ったことはあったが、あれからかなり進化したものだ。使いこなすのにそこそこ時間がかかった。
使えるようになってからは色んなことを調べた。
中には都市伝説みたいなものもあった。街のど真ん中に大きな魔法陣が現れたとか、空に丸いメダルのようなものに囲まれた巨大な石が現れたとか、なかなか読んでいて面白いものだった。
そんななか、俺はあるサイトに興味を持った。
「ソード・アート・オンライン、いよいよ明日発売。」
ソード・アート・オンライン…略称はSAOと言うらしいが、名前自体は最近のことを調べている時に何回か見たし、なんなら街中でもちらほら見かけていた。最初はただゲームが発売されるだけだと思っていた。だが、だんだん何故ここまで騒がれているのか気になった俺は、そのサイトを開いてみた。
時代は進歩したものだ。
なんとこのゲームは自らが入り込んで、まるでその世界に入り込んでいるかのように遊べるらしい。
記事を読んで行くうちに俺は段々そのゲームに惹かれていった。戦いにあけくれ自身を強くすることもできれば、ゲーム内で家を持ち普通に生活することもできる。
記事を読み終わる頃には、俺はSAOの虜になっていた。
いい気晴らしになるかもしれない…そう思った俺はすぐにSAOを売ってる場所を調べた。
だが、あまりに遅すぎた。
これほどのゲーム、マニアが放っておくはずもなく、一週間並ぶのは当たり前…既にほとんどの店が売り切れだそうだ。
だが、諦める気になれなかった俺は調べに調べ、近くに一軒だけまだ在庫が残っているであろう店を見つけた。何でもそこは知る人ぞ知る隠れた名店らしい。その店は50個入荷し、今朝の段階で18人しか並んでいないらしい。でもなぜそんなに人が少ないのだろう。

ここまで来てやっとわかった。
並の人には辿りつくのは厳しいのだ。
距離が遠すぎる。この店はある街の中なのだが、その街自体が森に囲まれているのだ。俺でも約3時間程かかったから、おそらく普通の人だと4、5時間かかるだろう。おまけに途中道とは思えない道が多くあり、危険だ。
なるほど、わざわざゲームを買いにここまで来る人はなかなかいないだろう。もっとも、目の前にその険しい道を通ってきた人達がいるのだが。
と、いうかこの街はどうやって物資を得ているんだろう…

「あの、君ソード・アート・オンライン買うために並んでる?」
色んなことを考えていると後ろから声をかけられた。
振り向くと若い青年が立っていた。
「ああ、そうだけど…」
「ふぃ〜、じゃあここでいいのか…いやぁー遠かった。」
驚いた。彼もまたあの道のりを通ってきたのだ。
「へぇ〜すごいな…あんたもあそこ通ってきたのか…」
「ん?まあ他の人とは鍛え方が違うからね〜」
目の前の青年がニヤニヤしながら答える。
「そういうあんただってあの道を来たんだろ?」
「それもそうか…まあ鍛え方が違うからね」
俺も笑いながら返す。
「ははっ、違いないな。あ、俺操真晴人。よろしく」
一瞬本名を言おうか躊躇したが、彼に隠す必要もなかった。
「よろしく。俺は剣崎…剣崎一真だ」

とりあえずここまで。
一回分が少ないなあ…
コツコツ書いていきます。

改行してくれよ

果てしなく見辛い
地の文に余計な情報詰め込みすぎ
一レスがアホみたいに長すぎ

いうほど久し振りじゃないだろ、橘さんが間違ってカメレオンアンデット解放した時日本にいたし。

>>5
>>6
すみません、確かに見づらいですね…
次から改行して、数レスに分けます。
余計な情報も多かったですね…SAOに入ってしまえばなくなると思いますので多めにみてください…

>>7
day after tomorrowを知りませんでした…無かった設定でお願いします…

剣崎って紛争地域回って人助けしてたはず…

仮面ライダー大好き(大嘘)

なるほどブレーキ野郎って意味か納得

>>9
時間的にはそれより前のつもりで書いてますので、今は無視してください。(後々、そこにつながる様にすると思います)

>>10
それを言われると…(苦笑
確かに自分が敵わないくらいの仮面ライダー好きは多くいますが、好きなものは好きなので。

>>11
前に作った名前でして(ゲーム等)
その時はBREAKERのスペルミスだったんですが、被ったりしないのでBRAKERを使ってます。

こんにちは。
まずは一週間投稿せず、すみません…
言い訳させて頂くと、今週分が途中で切りにくかったのと、様々な事が重なり忙しく、なかなか完成出来ずにいました。
その分少し長くなっておりますので、ご了承ください。
それと、分かりにくくなってきたので、今回からセリフに「」をつけました。

晴人「…どうする?一真…」

剣崎「いや…どうするも何も…」

道なりに敵を倒しながら進むこと数分。
これといった問題もなく、隣町に着くはずだったのだか…
「グルルルル…」
俺達はトラの様なモンスターと向かいあっていた。
大きさは今まで戦ってきたやつの約2倍。さらにHPバーが二本表示されていた。

剣崎「あれ…今のレベルで巡り合うはずの敵じゃないよな…」

どう考えても雑魚モンスターではないだろう。
まだ数レベしか上がっていない俺達が倒せるかは賭けのようなものだ。
だがそれに見合う報酬がもらえる可能性も低く無かった。

剣崎「一か八か…戦ってみるか?」

ゲームなのだし、最悪死んでもまだ失うものは少ない。
そう判断した上で、俺は晴人に尋ねた。

晴人「いいねぇ。そういう賭け、嫌いじゃないよ」

俺達は剣を握り、同時に走り出した。

「はぁ…はぁ…」

俺達はなんとかモンスターを倒した。
目の前には手に入れたアイテムのウィンドウが出ている。

剣崎「猛獣の毛皮…これだけかよ…」

手に入ったアイテムは一つだけだった。
晴人の方には何も無いという。
全力で戦った割に、あまり良いとは言えない報酬だろう…

晴人「まあそう落ち込むなって!もしかしたらとてつもないレアアイテムかもしれないだろ?」

晴人が俺を励まそうとしてくれる。確かに、使い道が分からない以上なんとも言えない。

剣崎「そうだな…とりあえず街に戻るか」

誰かこのアイテム使い道を知ってる人がいるかもしれない。
それに、ポーションや、アイテムの量からしても限界だった。

晴人「あ〜俺はそろそろ一回休憩するわ。友達もやりたがってるだろうし」

剣崎「そうか…まあ確かに時間も時間だもんな。」

もうすぐで始めてから四時間になるところだった。気づかない内に熱中してしまっていたらしい。

晴人「じゃ、また今度。多分また明日には入るよ」

剣崎「ああ、そんときはメッセージ送ってくれ。レベル引き離してても驚くなよ?」

晴人「ははっ、お手柔らかに」

晴人がメニューを開く。
そしてしばらく操作をして…

固まった。

晴人「あれ?ログアウトボタンがない…」

剣崎「え?いや、それはないって。メニューの下の方に…」

そして俺も気づいた。
本来ログアウトのマークがあるべき場所に何もないことを。

剣崎「あれ、おかしいな…確かにない…」

晴人「だろ?何かのバグかなあ…」

剣崎「いや、でもそれだったらゲームを一回止める位すると思うけど…」

瞬間、目の前が白くなった。

「プレイヤー諸君、私の世界へようこそ。
私の名前は茅場晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ」



晴人「茅場晶彦・・それって…」

剣崎「ああ、このゲームの製作者だ…」

俺は何度もその名前を見てきた。SAOを調べていれば必ず目に付く
名前だ。

そしてさらに驚くべきことを続ける。


「プレイヤー諸君は、すでにメインメニューからログアウトボタンが消滅していることに気付いていると思う。
しかしゲームの不具合ではない。
繰り返す。これは不具合ではなく
ソードアート・オンライン本来の仕様である。
諸君は今後、この城の頂を極めるまで、ゲームから自発的にログアウトは出来ない。」

晴人「は?あいつ何言ってんだよ…それじゃあ俺達は現実に戻れないってことじゃねぇか!」

剣崎「いや、でもそれなら現実の方で誰かが外してくれれば…」



「また、外部の人間の手による、停止あるいは解除もあり得ない。
もしもそれが試みられた場合。ナーヴギアの信号素子が発する高出力マイクロウェーブが、諸君の脳を破壊し、生命活動を停止させる」


晴人「おいおい…冗談にも程があるぞ…そんなことできるわけ…」

剣崎「いや、可能性はある。」

晴人「嘘だろ?」

剣崎「SAOを調べてる時に少し見かけたんだ…仕組みが危険なんじゃなかいかって意見をな。
なんでも仕組みが電子レンジに近いらしい…」

晴人「そんな…いや、ならコンセントを抜けば…」

剣崎「説明書にあったろ?ナーヴギアには停電時用にバッテリーがついてる…」

晴人「くそっ、じゃあ一体どうすれば…」

俺達の混乱なんか気にもとめず、茅場はさらに話を続ける。


「ちなみに現時点で、プレイヤーの家族友人等が警告を無視してナーヴギアの強制排除を試みた例が少なからずあり、その結果…


残念ながら、すでに213名のプレイヤーが、アインクラッド及び現実世界からも永久退場している」


晴人「おい…それって…」

俺は言葉も出なかった。
茅場の言っていることはつまり…

既に213人の人間が死んだということだ。



「諸君の現実世界の肉体は心配ない。
既にテレビ、ラジオ、インターネットで告知されると同時に死者が出ている事を繰り返し放送している為、ナーウギアが強制的に解除されて死ぬ可能性はない。
諸君らは安心して攻略に励んでくれたまえ。
しかし充分に留意してもらいたい……
今後ゲームにおいてあらゆる蘇生手段は機能せず、ヒットポイント(HP)がゼロになった瞬間、諸君らのアバターは永久に消滅し、同時に諸君らの脳はナーヴギアによって破壊される」

晴人「おいおい…そんなのありかよ…じゃあ一体どうしろって言うんだよ!」

剣崎「落ち着け、晴人」

晴人「でも!」

剣崎「気持ちは分かる。
だがあいつの言うことが本当なら俺達はあいつの言う通りに行動するしかない。
今はあいつの話を聞くんだ」

晴人「くっ…」

俺達は再び茅場に目を向けた。


「諸君らが解放される条件はたった一つ……
このゲームをクリアすれば良い。
現在君達がいるのはアインクラッドの最下層、第一層である。
各フロアの迷宮区を攻略しフロアを倒せば上の階に進める……
第百層にいる最終ボスを倒せばクリアだ」

剣崎「なるほどな…命をかけてゲームをクリアしろってことか…」

晴人「そんな…無理に決まってるだろ…
1度も死なずにこのゲームをクリアしろって言うのかよ…」


「では最後に、諸君らのアイテムレージに私からのプレセントがある確認してくれ」


剣崎「プレゼント?」

言われるままストレージを見ると、そこには手鏡というアイテムがあった。

晴人「うわっ!」

剣崎「どうした、晴…なっ・・」

晴人から悲鳴が聞こえた直後、手鏡が光りだした。

少しして光がおさまった。

剣崎「なんだったんだ…今の…」

晴人「わからない…とりあえず無事みた…な、一馬・・」

剣崎「どうした晴…お前・・」

目の前には晴人がいた。アバターではなく現実の姿の。
慌てて先ほどの鏡を見るとそこには現実の自分が写っていた。

晴人「なんだこれ…一体どうやって…」

剣崎「ナーヴギアは頭を覆っている。
それに初回起動時に体のあちこちを触ったからな。
現実の姿にする位お手の物ってことか…」

晴人「なるほど…でも一体なんでこんなこと…」

剣崎「さあな…でも、すぐに教えてくれるんじゃないか?」

見計らったかのように再び茅場が話し出した。


「諸君は今、なぜ私がこんな事をしたのかについて考えを巡らせているだろう。
なぜ―――SAOの開発した茅場晶彦がこんな事をしたのか。
これは一例だと、テロかもしくは身代金目的の誘拐か?と。
私の目的はそのどちらでもない、それどころか私には一切の目的がない。―――何故ならこの状況こそ私の最終目的だからだ。
この世界を創り、人々を配置し、鑑賞する為にSAO及びナーウギアを開発したのだ。
故にすでに私の目的は既に達成されたのだ………
以上でSAOの正式サービスのチュートリアルを終了する。」


そう言い残すと茅場は姿を消し、空が元に戻った。

だか、周りの人間は元には戻らなかった。

悲しみと恐怖に支配され涙を流す者、わけが分からずパニックを起こす者、中には言い争いを始めるものまでいる。


今や人ではない彼は思い出した。
かつて人間が絶滅の危機に瀕したことを。

手に指輪をはめた青年は思い出した。
かつて一人の男が娘のために行った儀式を。


この光景はその時の人々の反応に近いものがあった。

一馬「茅場晶彦…」

晴人「許せねぇ…」

そして彼らは決意する。

「「俺がこのデスゲームをクリアして見せる・・」」

ここまでです。
来週はきちんと投稿出来るように、進めていきます…

SAOやログホラみたいな世界観のライダーいつかやらないかなぁ
プレイヤーの主人公がクラス「仮面ライダー」になってモンスター(敵怪人)と戦いつつ
一緒に仮想空間に閉じ込められた他のプレイヤーと協力したり対立したりしながら
ゲームの真相に迫っていく...みたいな感じで

すいません!
今更ですが34と35の間に次の文を追加してください…

「なっ…」

そして目の前に映し出されたのは

剣崎「ここは…始まりの町か…?」

晴人「そうみたいだな…」

隣を見ると晴人がいた。

晴人「強制的に飛ばされたみたいだな。他のプレイヤーも飛ばされてきてるし、何かやるんじゃないか?」

晴人がそう言ったそばから、空にWARNINGと表示されたウィンドウが表示される。
と、同時に警報が鳴りはじめ、同じ形のウィンドウで空が覆われた。

晴人「なんだこれ・・」

剣崎「開始記念のセレモニーってわけじゃなさそうだな…」

目の前に映し出されたそれは、どう見ても明るいものでは無かった。

やがてウィンドウの隙間から血のような物が垂れ、それが一つに重なり人のような形になった。

そして、とんでもないことを話し始めた。


投稿時に更新が遅れ、途中を抜かしてしまった…

このスレで初めて暖かい言葉を頂き、大変舞い上がっております。
おかげさまで頑張れます!ありがとうございますm(_ _)m

>>47
ドライブも型破りでしたし、いつかゲーム世界で戦うライダーが現れるはず…!

こんにちは。
ユウキとタイプワイルドのせいでテンションMAXの筆者です。
では今週分投下

あれから約一ヶ月が経った。
しかし未だ第一層をクリア出来た者は誰もいない。
それどころか死を恐れて始まりの町に引きこもってしまった人間も少なからずいた。

そんな中俺達2人はというと、

剣崎「晴人、スイッチ!」

晴人「任せろ!はああ…おりゃあ!」

レベル上げに勤しんでいた。

パリィィン

晴人の攻撃で目の前の敵が砕け散る。

晴人「ふぃー…やっと13レベだ…」

剣崎「俺もまだ15レベだ。
そろそろレベルが上がりにくくなってきたな…」

晴人「今度こそ向かうか?
…迷宮区に」

剣崎「もうその時かもしれないな。安全なレベルは越えてるし、これ以上犠牲者を出さない為にも…」

SAO開始当日、あのチュートリアルの後、俺達は2人でひたすら第一層を
駆け回った。
茅場の言っていた迷宮区へ真っ先に辿りつくため、誰かがやられるより先に第一層のボスを倒すため。

そして3日後、俺達はそれらしき場所を見つけた。
既に2人ともレベル5であり、一層ならクリア出来るだろうという根拠の無い自信があった。

だが、迷宮区の難易度は俺達の想像を遥かに越えていた。

道中の雑魚とは桁が違い、迷宮区のモンスターを一体倒すのに二人ともHPバーを三割程削られてしまった。

まだまだ奥には同じようなモンスターが多くいたため、俺達は仕方なく撤退し、レベルを上げることにした。

そして今、俺達はあの時よりも強くなった。
おそらく、もう迷宮区のモンスターも簡単に倒せるくらいに。

晴人「もう約2000人が死んでるんだよな…」

はじまりの街には黒鉄宮という宮殿がある。
そこには様々な重要施設があるのだが、その中に生命の碑と呼ばれる石碑がある。
この石碑にはプレイヤー全員の名前が書いてあり、プレイヤーが死亡すると名前に横線が引かれるという仕組みらしい。
そして、横線が引かれた人数は既に2000人にのぼっている。

剣崎「俺達は一刻も早く第一層をクリアしなくちゃ行けないんだ。
今まで犠牲になった人達のためにも…」

晴人「だな…よし!じゃあ一度町に戻ってから準備を整えてもう一回迷宮区へ向かおう。」

剣崎「ああ!」

そして俺達はアイテムや装備を整理して、再び迷宮区へ向かった。

剣崎「さあ、リベンジと行こうじゃねえか…」

晴人「ああ… 」

俺達は迷宮区の前に戻ってきた。約一ヶ月ぶりに。

晴人「あ、そうだ一真、これ」

剣崎「ん?」

晴人が渡してきたのは銀色の腕輪だった。

晴人「道中で敵が落としたんだ。
俺には指輪があるから一真にやるよ。」

正直あまり強い効果ではなかったが、今は不思議と心強かった。

剣崎「サンキューな、晴人!」

そして俺達は迷宮区に再び足を踏み入れようとした。

「そこの君達!」

ふと呼ばれた声に振り向くと、一人の青年が立っていた。

青年「こんなところで何してる?」

晴人「見て分からないか?
今からボスを倒しに行く。」

青年「正気か?
たった二人で敵うような相手じゃない!
そんな簡単じゃないのは今までの犠牲者から分かるだろう。」

剣崎「その犠牲者の為にも俺達は早く一層を突破するべきだ。」

そう言うと青年は黙り込んだ。

晴人「言いたいことは済んだか?
なら、もう行かせてもらう…」

再び迷宮区に入ろうとした時、

青年「君達は自分が死ぬかもしれないとは考えないのか?」

再び青年が尋ねてきた。

確かにこれは遊びではない、命がかかっているのだ。
だが…

剣崎「そんなこと考えてたら、いつまでたってもこの世界からは出られないさ。」

そう。死を考えていたらこの世界で進むことは出来ない。

すると青年は静かに笑った。

青年「ふふっ…確かにその通りだな。
だが、死ぬ可能性を下げることを考えるのは無意味ではないだろう?」

晴人「何が言いたいんだ?」

青年「もっと多人数で挑むべきだということさ。」

剣崎「人を集めていたら、その間にまた犠牲者がでるかもしれない。
それに、今更ボスに挑もうとする人は…」

青年「いるさ、君達のようにね」

今度は俺達が黙る番だった。
青年はさらに続けた。

青年「明日、トールバーナで第一層ボス攻略会議を行う予定だ。
君達のような人こそ、是非参加してもらいたい。」

俺は晴人と顔を見合わせた。

青年「この世界を終わらせようと思っているのは君達だけではないさ。
それに、君達が死んだりしたらこのゲームのクリアが遅れる可能性もある。」

剣崎「どういう意味だ?」

青年「おそらく上層に行けば行くほど人手が必要になるだろう。
その時、君達のような人間が多いほど、ボスを倒せる可能性が上がるはずだ。
この世界で死を恐れず、前に進める人間は貴重な人材だからね。」

俺達は驚いた。
そんなこと、考えたこともなかった。
未来など目も向けず、今しか見ていなかったのだから。

青年「さて、話は以上だ。
俺には君達を止める権限は無い。
今からボス戦に行くなら行ってもらって構わないよ。」

俺達はしばらく考え込んだ。

しばらくして晴人が口を開いた。

晴人「はぁ…なんか難しい話して疲れたわ。
こんな気分でボスに挑んでも勝てる気しないな…」

そう言いながらも晴人の口元には笑みが浮かんでいた。

なるほどな。

晴人の意図を理解した俺もそれに続く。

剣崎「そうだな、今日はトールバーナまで戻って休むか。」

それを聞くと、青年も笑みを浮かべる。

青年「そうか、では俺は明日の準備があるから失礼するよ」

晴人「待てよ、まだ名前を聞いて無い」

晴人に言われ、帰ろうとした青年が振り返る。

青年「そうだったね。
俺の名はディアベルだ、よろしく!」

晴人「俺はウィザード。で…」

剣崎「俺はブレイドだ。よろしく」

ディアベル「ああ、よろしく」

握手をした後、ディアベルが思い出したように口を開いた。

ディアベル「そうだ。どこで誰が聞いてるかわからないから、あまりリアルネームを使わない方がいいよ?
一真君に晴人君!」

俺達は苦笑いするしかなかった。

ここまでです。
晴人が遠回しに言った理由は、剣崎に様子を伺うため、そしてはっきり確定しないためという設定で。

ちゃんと暗号化出来てなかった…今更ながらこれで。

こんばんは。
アニメでキリトさんの登場があまりにかっこよくて鳥肌がたった筆者です。
チェイサーもかっこいい!
では本日分投下
今回は少しgdgd&短めです…

ディアベルと別れた後、少し迷宮区で戦い、余裕でモンスターを倒せることを確認した俺達は、トールバーナに戻った。

剣崎「さて、じゃあ俺は食べ物買ってくるから、今日の宿見つけといてくれるか?」

晴人「ああ、分かった。
じゃあ見つかったらメッセ送るわ。」

その場で晴人と別れた俺は買い物に向かった。

この世界には色んな食べ物があり、ちゃんと味も感じることができる。
空腹感や満腹感まで再現されている辺り、さすがフルダイブ形式のゲームだ。

だが、

剣崎「今まであれ以上にうまい物食べたこと無いんだよなぁ…」

俺達が最近食べているのは、黒パンという物だ。

はじまりの街から、ここトールバーナまで俺達は様々な物を食べた。
だが、さすがにゲームの世界だけあり、現実ではあり得ないような食べ物が多かった。
そして、それらは食べられる味ではなかった。

一度だけ、パスタの様な食べ物を見たが、それもあまり美味しい物ではなかった。というか辛かった。
食べたことがある様な味だったのだが気のせいだろうか。

剣崎「お、あったあった」

店についた俺はNPCに話しかけた。

「「すいません!」」

同時に別の人の声が聞こえた。
被った声の方を見ると、少年が同じ様にこちらを見ていた。

NPC「はい、いらっしゃい」

そしてNPCが反応したのは少年の方だった。

少年「あ…なんかごめん」

剣崎「いいよいいよ、先どうぞ」

少年は俺に小さくお辞儀をして、NPCから黒パンを購入した。
続けて俺も黒パンを購入する

少年「お、あんたも黒パンか…」

剣崎「こっちでこれ以上まともなもん食ったこと無いからな」

苦笑いしながら答える。

少年「確かに。上の階層が解放されれば、もう少し上手いものもあると思うけど…まだ第一層だからな。」

剣崎「せめて一層に一つは上手い食べ物用意して欲しかったな…こんな味気ないパンばっか食べてるとさすがに飽きてくるぜ…」

少年「あ、それなら…えーと」

少年がインベントリから何か取り出す。

少年「ほら、これ使ってみろよ」

剣崎「おっと、なんだこれ」

少年が投げて来たのは、とても小さな壺のような物だった。

少年「開けてみ?」

言われた通り開けて見ると…

剣崎「クリーム…?」

中からクリームが出てきた。

少年「パンにつけると結構いけるぜ?一個やるよ」

剣崎「まじか・・サンキュー、えっと…」

少年「あ、俺はキリトだ、よろしく」

剣崎「俺はブレイド。よろしくな、キリト!」

キリト「よろしく、ブレイド」

ピピッ

目の前にウィンドウが表示される。
晴人からだ。

剣崎「お、いい宿があったか…じゃあ俺行くわ。またな、キリト!」

キリト「ああ。またな、ブレイド!」

キリトと別れた俺は晴人のところへ向かった。

ここまでです。
あのクリームの入れ物の名前が分からない…

こんばんは
大変お待たせいたしました…
今週分(とは言いにくいですが)投下です。
今回は前回の晴人パートになります。

晴人「さてと…どこにするか…」

剣崎と別れた後、晴人は街を彷徨っていた。
明日が攻略会議とあって、街は賑わっている。
おそらく、宿屋も混み合っているだろう。

晴人「よし…視点を変えてみるか…」

晴人は思いついたように路地裏に入って行った。

晴人「案外こういうところに良い宿屋があったりしそうだよな〜
ゲームだし…ん?」

奥の方に数人が集まっているのが見えた。

晴人「お…もしかして大正解だった?」

晴人は歩くスピードを早めた。
だが、近づくにつれて様子が変なのが分かった。

晴人「はぁ…外れか…
でも、放っておく訳にはいかないよな!」



「なぁ嬢ちゃん、一緒に遊ぼうぜ…」

「そんなフード取って素顔見せてくれよ!」

「通してって言ってるでしょ。早くそこをどいて…」

「通りたいなら突き飛ばしてでも通れば良いだろ?
ハラスメント警告で牢獄に送られても知らないがな!」

「くっ、卑怯者…」


近づいて行くとだんだん声が聞こえてきた。
どうやら複数人で女の子を取り囲んでいるらしい。
見たところ5人程度か。

晴人「どこの世界でもああいうやつはいるんだな…」

その様子を見つめながら、近くに落ちていた手頃な石を拾う。

晴人「おらっ」

そして思いっきり投げた。


「さあどうする?牢獄に行くか俺達と…ガッ」

一番手前にいた男の後頭部に直撃する。

「なんだてめぇ…何しやがんだよ!」

周りの男もこちらに注意を向ける。

晴人「あ、わりぃ。
俺、最低な人間見ると先に体が動いちゃうタイプでさ」

笑みを浮かべながら男達に言い放つ。

「なんだとぉ!」

「てめぇ…調子に乗りやがって!」

男達が武器を構える。

晴人「おいおい…ここは街中だろ?
お前らがどれだけ攻撃しようが俺には何も意味がないぜ」

「くっ、うるせぇ!」

男達がソードスキルを発動しながら突っ込んでくる。

晴人「やれやれ…まあ、黙って食らうのも良いもんじゃないな…」

晴人も腰から短剣を抜き、ソードスキルを発動する。

「おらあ!」

晴人「ふっ!」

パアアアアン

小規模な爆発、そして…

「うわあああ」
「ぎゃあああ」

男達は吹っ飛んだ。

晴人「ダメージは食らわなくても衝撃はおきるみたいだな…
どうする?もういっちょぶっ飛んどくか?」

「ちくしょう、覚えてやがれ!」

石を当てられた奴が捨て台詞を吐いて逃げて行く。
他の男もそれを追うように慌てて走って行った。

晴人「ふぃ〜、ソードスキルって便利だなあ…
あ、大丈夫か?」

一部始終を見ていたフードの女の子に声をかける。

女の子「大丈夫…助けてくれてありがとう」

女の子は小さくお辞儀をしてすぐに歩きだした。

晴人「待てよ、さっきの奴らがまだ居たら…」

女の子「ソードスキルにあんな使い方があるなんて知らなかったの。
次からは使うから心配しないで」

そう言うと、彼女は再び歩いていってしまった。

晴人「大丈夫かなあ…てかあの子誰かに似てるような…ま、いっか。
あ、宿屋探さねえと!」

急いで走りだした晴人が、路地裏の突き当たりに怪しい宿を見つけたのはそれから三分後のことだった。

ここまでです。
まあ…フードの女の子は誰だかばればれですね。
後三回位で一層終わらせたいです…

こんばんは
また前回の投稿から二週間経ってしまいました…
もはや言い訳にもなりませんが、今回はそこそこ量が多めなので、ご理解お願いしますm(_ _)m

剣崎「いやぁ、実に気持ちの良い朝だな、ウィザード!」

晴人「…悪かったよ。でもブレイドだって反対はしなかったろ?」

剣崎「反対はしてない、けど最初から乗り気じゃ無かった!」

晴人「タダで済んだんだから良いだろ・・」

朝、俺達は口喧嘩をしながらトールバーナの街を歩いていた。
何故こんなことになったかは昨日の夜に遡る。


晴人に言われた宿屋は古い建物だった。
中は民宿のようで、老婆のNPCがおり、話しかけるとクエストが発生した。
なんでもその老婆の悩みを聞くと無料で泊まれるとのことで、俺達は喜んで受領した。

…が、そのクエストは俺達の想像とは違った。
老婆の悩みを聞くという意味を履き違えていたのだ。
キャンセルしようにも老婆はずっと喋りっぱなしだし、逃げようとすると老婆がドアの前に移動した。
結果として俺達は約三時間老婆の話を聞くはめになった。
話が終わるとクエストは終了したが、俺達は余計に疲れたのだった。

剣崎「大体そこそこ時間あったろ…他に無かったのかよ」

晴人「こっちだって色々あったんだよ。仕方ないだろ?」

剣崎「色々ってなんだよ?」

晴人「それは…」


「おーい!君達ー・・」


急に遠くから聞き覚えのある元気な声が聞こえてきた。

見るとディアベルがこちらに手を振っている。

ディアベル「やあ、参加してくれるんだね?」

晴人「まあ…みんなの力になりたいんでね。この層でも、上の層でも。」

剣崎「これ以上の犠牲者を出さないためにも、まずはみんなで第一層を突破しないといけないしな。」

ディアベル「フフッ、君達はいつか恐ろしい勢力になりそうだ。」

剣崎「どういう意味だ?」

ディアベル「いや失礼、悪い意味じゃ無いんだ。
これから先どれだけ仲間を作り、みんなをまとめていけるか…それが生き残ることに繋がると俺は思う。」

晴人「人が増えるほどリスクは減るし勝算も上がるもんな」

ディアベル「その通りだ。
君達は自分ではなく人のために戦おうとしている。そういう人間にこそ仲間は集まるものだよ?」

剣崎「俺達が口先だけだと思わないのか?」

ディアベル「昨日の君達を見てれば真意なんだと分かるさ。それじゃ、俺はそろそろ行くよ。また後で」

俺達はお互い笑顔で別れた。

晴人「あの人も結構なお人好しだよな」

剣崎「さあな…ほら、俺達も行くぞ」

晴人「おう」

俺達は攻略会議の場所へ向かった。


ディアベル「今日は俺の呼びかけに応じてくれて有難う!
俺はディアベル、職業は気持ち的にナイトやってます!」

攻略会議はディアベルの冗談から始まった。


ディアベル 「今日、俺達のパーティがあの塔の最上階でボスの部屋を発見した。」

ディアベルの冗談に反応していた周りが静まる。

ディアベル「俺達はボスを倒し、第二層に到達してこのデスゲームもいつかクリア出来るて事を始まりの街で待っている皆に伝えなくちゃならない。
それが、今この場所に居る俺達の義務なんだ、そうだろ皆?」

すると今度は拍手や歓声がおきる。

ディアベル 「OK、それじゃ早速だけどこれから攻略会議を始めたいと思う。まずは6人のPTを組んでみてくれ」

それを聞くとすぐに周りが行動を始める。

晴人「どうする?ブレイド」

剣崎「別に二人でいいだろ、元からそのつもりだったんだしな。
ほら…あそこにも二人だけで…ん?」

見覚えのある顔を見つけ、そこへ向かう。

晴人「おい、ブレイド?」

晴人もついてくる。

剣崎「お、やっぱりか。」

隣の少女と話していた少年が顔を上げる。

キリト「お、昨日の…ブレイドだよな?」

剣崎「覚えててくれたか、キリト」

隣にいた少女もこちらに注意を向ける。

晴人「おい、どうしたん…あ!」

少女「あ…」

ついてきた晴人が少女を見るなり声を上げた。
少女の方も晴人に驚いたようだったが、すぐに目をそらしてしまった。

剣崎「おい、どうしたんだ?」

晴人「いや…それより彼は?」

剣崎「あ、彼はキリト。昨日買い物した時に色々あってな。クリームもキリトに貰ったんだ。」

晴人「ああ…久々にうまいと思ったよ、ありがとうな。
俺はウィザードだ、よろしく!」

キリト「キリトだ、よろしく。」

剣崎「キリトは二人だけのパーティーか?」

キリト「ああ、そうだけど…」

剣崎「なら俺達と組まないか?俺達も二人なんだ。いいよな、ウィザード。」

晴人「俺はいいぜ。」

キリト「お、助かるぜ。いいか?」

キリトが隣の少女に話かける。

少女「…私も別にいいわ」

キリト「じゃあ決まりだな!」

俺と晴人は一度パーティーを解散し、キリトのパーティーに入った。

ディアベル 「よーし、そろそろ組み終ったかな?」

ディアベルが話し始めた時だった。

「ちょう待ってんか!」

急に一人の男が壇上へ飛んだ。

キバオウ「わいはキバオウってもんや。ボスと戦う前に言わせて貰いたいことがある。
こん中に今まで死んでいった二千人に詫び入れなあかん奴がおるはずや!」


晴人「何言ってんだあいつ?」

剣崎「大方予想がつくだろ…どうせベータテスターのことだ」

案の定、キバオウと名乗った男はベータテスターへの文句を連ねていた。
ふと横を見るとキリトは深刻な顔で見つめていた。

「発言いいか?」

急に別の男が壇上に上がった。

エギル 「俺の名前はエギルだ。
キバオウさんあんたが言いたいのはつまり、元ベータテスターが面倒を見なかったからビギナーが沢山死んだ、その責任をとって謝罪、賠償しろ、と言うことだな?」

キバオウ 「そっ…そうや!」

するとエギルは、ポケットから何かを取り出した。

晴人「あれって…」

剣崎「ガイドブックか」


エギル 「このガイドブック、あんたも貰っただろ?道具屋で無料配布してるからな」

キバオウ「もらたで、それがなんや?」

エギル 「配布していたのは元ベータテスター達だ」

その一言に周囲がどよめいた。キバオウも驚いたように目を見開いている。

エギル 「いいか、情報は誰にでも手に入れたんだ。
なのに沢山のプレイヤーが死んだ。
その失敗を踏まえて俺達はどうボスに挑むべきなのか、それがこの場で論議されると俺は思ってたんだがな。」

ついにキバオウは黙り込んだ。

ディアベル「よーし、じゃあ再開していいかな?
ボスの情報だが実は先ほど例のガイドブックの最新版が配布された。
それによるとボスの名前は…」

そこからは有意義な情報を得ることができ、結果として俺達にとってボス攻略会議はとても価値のあるものとなった。

ここまでです。
多少設定が無理矢理なところがあって申し訳ない…

お久しぶりです。
また二週間以上経ってしまった…本当に申し訳ないです…
さて、今回はキリト君視点です。
若干原作と違う展開になります。

俺は暗くなったトールバーナの街を歩いていた。
さっきキバオウが言ったことを思い出しながら。

確かにベータテスターではない者は、彼の言うように感じているかもしれない。
だが俺は知っている、その死んだ2000人の中にベータテスターが少なからずいることを。
下手に情報を持っているからこそ、ほんの少しのベータ版からの変化によって命を落とす危険があるということを。

しかし、後ろめたいことが全くないかと言えば…

『おめえにこれ以上世話になるのはいけねよな、だから気にしないで次の街に行ってくれ。』

キリト「クライン…」

「おい、キリト!」

声に気づいて振り向くとブレイドが立っていた。

キリト「おう、ブレイド。あれ、ウィザードは…」

ブレイド「用を思い出したから宿を見つけといてくれって言われてな…そしたらお前を見つけたんだ。
どうした?何か考えてる様だったが…」

キリト「いや、ちょっとな…」

自分がベータテスターだと言うことは知られたくなかった…のだが、

ブレイド「キバオウって奴が言ってたことか?」

キリト「なっ…」

ブレイド「お前…ベータテスターなんだろ?」

ブレイドに言い当てられてしまった。

キリト「どうして…」

ブレイド「昼間のお前の表情だ。何か思い悩んでる様だったからな…」

迂闊だった。確かにあの時俺は悩んでいたが、顔に出ていたとは…

キリト「…俺を責めるか?」

俺は意を決した。
人間関係に亀裂があってはパーティーとしての意味がない。
最悪パーティーを抜けることも考えていた。

ブレイド「責める理由なんかないだろ。」

だが帰ってきたのは意外な答えだった。

ブレイド「キリトが本当にキバオウの言う様な人間なら、会ったばっかりの人間に簡単にアイテムを渡したりしないだろ。」

キリト「でも俺は…一度仲間を見捨てた…」

ブレイド「それを馬鹿正直に言う時点でお前が悪いやつじゃないって分かるさ。それに、何か事情があったんだろ?」

何と返したらいいか分からなかった。

ブレイド「俺はお前がベータテスターだろうがなんだろうが良いさ。
でももしキリトの気持ちが落ち着かないなら…パーティーの他の二人にも話してみたらどうだ?」

いきなりブレイドが思いもよらない提案をしてきた。

ブレイド「話を聞いてもらえば楽になることだってある。
それに向こうにとっても隠し事を話してくれた人間の方が信用できるんじゃないか?
それにあいつらは頭固そうじゃないしな。」

俺は悩んだ。
確かに命を預ける仲間だ。隠し事は無い方がいいだろう。
だが、果たしてそれで俺を受け入れてくれるだろうか?むしろ不信感を抱かれる可能性もある。

悩めば悩むほど俺の気持ちは乱れていった。こんな気持ちではボス戦なんてできそうにない。

キリト「話してみるよ。俺もこのままだとまともに戦えそうにないしな…」

ブレイド「なら決まりだな。
えーと、ウィザードの位置は…あれ?もう一人と一緒だな。」

メニューからパーティーを開くとブレイドの言う通り、二人は同じ場所だった。

ブレイド「ならウィザードに二人で来る様に言うか。場所は…」

キリト「俺が今借りてる家にしよう。あそこならゆっくり話せる。」

ブレイド「え?このゲーム家借りて住めるのか?」

キリト「知らなかったのか?部屋も広いし風呂とかもあるから宿屋より落ち着けるんだ。」

ブレイド「…泊まっていいか?」

そう言えば宿を探しているって言ってたな…

キリト「ブレイド達がいいなら…」

ブレイド「ありがとう!」

両手をガシッと掴まれる。
俺は久しぶりに人の暖かさを感じた。

こんばんは
久しぶりの一週間更新です。
ですが…というかなのでというか、かなり少ないです…ご理解おねがいします
今回は晴人視点で前回と同時刻です。

「よっ!」

俺は座ってパンを頬張っている少女に声をかける。

少女は一瞬びくっと驚いたが、フードの中からこちらを確認するとすぐに言葉を返してきた。

少女「何か用?」

晴人「いや、たまたま見かけたからさ。
まあ同じパーティーになったんだし、挨拶でもしようと思ってね。」

と、言うのは嘘で気になったから位置を確認して来たのだが。

少女「それだけ?ならもういいでしょ」

またパンを食べ始める少女。

晴人「まあ、そう言わずにさ…あ、これ使うか?」

俺は一真がキリトに貰った小瓶を取り出す。

少女「これは?」

晴人「クリームだよ。昨日キリトがくれたんだがこれがうまくてさ…」

少女はしばらく考えたあと、パンにクリームを塗って一口…食べた後二、三口でそれを食べきった。

晴人「な、うまいだろ。
あ、キリトに入手方法聞くか?」

少女は少し反応したが、首を横に振った。

少女「美味しい物を食べる為に私はこの街に来たわけじゃない」

晴人「へぇ…じゃ何のためだよ?」

少女「私が私でいるため。
最初の町の宿屋に閉じこもってゆっくり腐って行くくらいなら最後の瞬間まで自分のままで居たい。
たとえ怪物に負けて死んでも、このゲーム、この世界には負けたくない…どうしても」

晴人「あんたは明日自分が死ぬと思うのか?」

少女「どうせ全滅するに決まってるわ…今まで何人もあそこで死んでいるんだから。」

晴人「でも今まであそこまで人が集まったことは無いらしいし、今回は勝てるかもしれないぜ?」

少女「だとしても次の層…そこも越えれたとしても、いつか死ぬ。
始めから抜け出せるわけが無いのよ、こんな絶望だらけの世界…」

聞き逃せない言葉を聞いた。
今この世界ではゲートやファントムは関係ない。
だが、目の前に絶望しかけている人間がいる以上、放っておくことなど出来なかった。

晴人「絶望だらけだとは限らないだろ?」

少女「じゃああなたはこの世界をクリアできると言うの・・
一ヶ月経って一層もクリア出来てないのに、百層まで辿り着けると思っているの?」

晴人「そんなことは分からないさ。」

少女「だったら…」

晴人「でも!」

ああ…彼女が誰に似てるのか分かった。

晴人「前に進むには今を受け入れるしか仕方ないさ。」

少女「っ!」

少女は黙り込む。

晴人「だけど、もしどうしても絶望してしまいそうなことがあったら…」

俺は約束する。

晴人「そのときは、俺がお前の最後の希望になってやる。」

少女は少し呆気にとられた様だったが…

少女「…な、何言ってるのあなたは・・」

すぐに元通りになった。

晴人「ん?俺なんか変なこと言ったか?」

少女「…はぁ、何でもない。」

よく分からなかったが、メッセージが届いたせいで考える暇はなかった。

晴人「お、ブレイドからだ。えーと…キリトが話したいことあるらしいから集まれってさ。
あんたも連れて来いと」

少女「…遠慮しておくわ、作戦とかなら明日の朝でも聞けるし。」

晴人「そうか。へぇ、このゲーム家なんか借りれるんだな…広い部屋に風呂付きなんて…」

後半は完全に独り言だったのだが…気がつくと少女の顔が目の前にあった。

少女「場所は・・」

ここまでです。
次回でどこまで進めるか決めてないので、また日付が空いてしまうかも…

オツカーレ
鎧武はでるんかな?

昨日投稿したかった…
度々お待たせしてすみません。
今回はまたキリト視点です。オリ設定が混ざるので読みづらかったら申し訳ない…
では投下です。

キリト「えーと…明日のことの前にまずは言っておきたいことがあって…」

後から来た二人も含め、ブレイド達を部屋に招き入れた俺は早速本題を切り出した。

キリト「…実は、俺はベータテスターなんだ。」

しばしの静寂。
そしてまず口を開いたのは…

ウィザード「まじで!?」

ウィザードだった。

キリト「隠すつもりはなかった…って言うと嘘にな…」

ウィザード「よっしゃあ!俺超ラッキーじゃん!」

・・・はい?
今彼は何と言った?聞き間違いじゃないなら…

キリト「ラッ…キー…?」

ウィザード「だってさ、ベータテスターってことは俺達が知らないことも知ってるんだろ?」

キリト「まあ…序盤だけなら…」

ウィザード「そんな奴と知り合えるなんて…なあ、色々教えてくれよ!」

キリト「え、えーと…」

完全にウィザードのペースだった。
見るとブレイドは苦笑いしている。

女性プレイヤー「あの!」

すると今度は女性プレイヤーが声を発した。
ウィザードに気を取られて全く気にして無かった…彼女の方はどう思って…

女性プレイヤー「お風呂…貸してください…」

・・・・・はいぃ??
俺は今何を話してたんだ?少なくともお風呂なんて単語は出さなかったはずだが…
しかし、俺は彼女の鋭い視線に逆らえず…

キリト「ど、どうぞ」

何故か許可を出した。
すると彼女は小さくお辞儀をして一目散に【Bathroom】と書かれたプレートの下がった部屋へ向かって行った。

そしてまた静寂が訪れた。

コン、コココン

今度はウィザードではなく、廊下のドアのノック音が静寂を破った。

ブレイド「お…おい、誰か来たみたいだぞ。」

キリト「あ、ああ」

ブレイドに言われ我に返った俺はドアの方へ向かった。
もっとも、ノック音から誰が来たのかは分かっていたが。

ガチャ

キリト「よう、アルゴ。どうしたんだ?わざわざ部屋まで来るなんて…」

アルゴ「少し言っておきたいことが出来てナ。あ、情報料は取らないから安心してくれ。」

ウィザード「キリト、彼女は?」

キリト「ああ、知らなかったか。彼女は情報屋で通称鼠のアルゴ。
で、アルゴ、こっちは明日のレイドでパーティを組むことになったブレイドとウィザードだ。」

ブレイド「ブレイドだ、よろしく。」

ウィザード「ウィザードだ、よろしくな!」

アルゴ「よろしくナ。情報が欲しかったら言ってクレ、ただし相応の報酬はもらうガナ。」

キリト「それで話って?」

アルゴ「ああ、そのことなんだが…」

急にアルゴがブレイド達を見ながら黙り込む。
そういうことか。

キリト「この2人なら俺がベータテスターだってこと知ってるぞ。」

アルゴ「ンナ!?キー坊、正気カ!?この世界じゃあベータテスターは…」

ブレイド「安心しろ、俺達はベータテスターだからって責めたりするつもりはない。」

ウィザード「むしろ嬉しい位だぜ?俺達が知らないことを知ってる人間とお近づきになれるなんて。」

アルゴは目を点にして驚いていた。

アルゴ「なんつーカ…変わった奴らダナ。」

キリト「まあ悪い奴らじゃないさ。で、本題に入ろうぜ。ベータ絡みの話なんだろ?」

アルゴ「まあナ。」

一呼吸置いてアルゴは話出した。

アルゴ「『空を駆る泥棒』がクリアされた。」

キリト「なっ!?」

ブレイド「何だ?その空を駆る泥棒って」

ブレイドとウィザードが不思議そうにしている。

アルゴ「本来なら情報料をもらっても言わないんだガ…オレっちもベータテスターだ。」

ブレイドもウィザードもあまり驚く様子もないので、アルゴが続ける。

アルゴ「で、『空を駆る泥棒』ってのは第一層のクエストデ、要は鳥に取られた宝石を取り戻すものなんダ。
だが、ベータ時代にはクリア不可能と言われていタ。」

ウィザード「何でだ?」

キリト「そのクエストの終着点は森のフィールドにある巨大な木の上の巣から宝石を奪い返すことだ。
だが…少なくとも序盤ではそれは無理なんだ。」

アルゴ「その木はあまりとっかかりがなくてナ…何人もが木登りに挑戦したが構造上一番上までは登れないようなんダ。
だからベータ時代は誰も挑戦しなくなっタ。」

キリト「だがある時、そのクエストはクリアされた。
誰も気にしていなかったから誰がクリアしたのかもクリアした方法もクリア報酬も分からない。」

アルゴ「だから今回は木を見張ってる奴らがいたりしたんだがナ。
攻略会議の最中にクリアされたみたいで、誰も見ていなかったそうダ。」

ブレイド「なるほどな…」

キリト「前回は何層か進んだ時だったからまだわかる。
だが今回はまだ一層も進んでないのに…」

アルゴ「あまりにもおかしイ…ってことでキー坊に話に来たんダ。
もしかしたらなんか知ってるんじゃないかと思ったんだガ…」

キリト「いや…俺も少しは気にしていたが目立ったものは無かった筈だ。」

アルゴ「そうカ…まあなんか気づいたら教えてクレ。場合によっては情報料払ってもイイ」

キリト「ああ、分かった。」

ブレイド「俺達も協力する。黙って見てる気にはなれないからな。」

アルゴ「ありがとナ。
まあ話はそれだけダ。
あ、キー坊、夜用の装備に変えたいから隣の部屋借してクレ。」

キリト「ああ、いいぞ」

この時俺達はこの件で頭が一杯だったのだろう。三人とも黙って考え込んでいた。
そして三回目の静寂を破ったのは…

「きゃあああああああ!」
「んナッ!?」

彼女達だった。




同じ頃…森のフィールドに二人の人間がたたずんでいた。

「あのクエストをクリアしたのは君だね?」

「あ〜…周りには気をつけてたつもりだったんだけどな…」

「安心してくれ、言いふらすつもりはない。
その代わりと言ってはなんだが…頼みがある。」

「頼み?」

「クエストのクリア報酬の一つをもらいたい」

ここまでです。
さて、少し物語が動き始めました。うまく書けているか分かりませんが、これからも頑張ります。
後今更ですが前回アスナのセリフで・・となっていたところは!?です。半角だと表示されないんですね…気をつけます

>>110
マッハドライバー炎さんこんにちはw
構想では鎧武も出すつもりです。ただ、鎧武は終わり方が特殊だったので、本編の時系列通りには出来ないですね…

お久しぶりです。
いつ以来の投下だか…
結局先週も投下できませんでした。
別段多いわけでもないですが、少しでも楽しんで頂ければ幸いです。

翌日、俺たちは迷宮区へ向かって歩いていた。

剣崎「いよいよか…」

キリト「ああ。」

昨日の夜、一波乱の後、俺たちはキリトからボスの情報を聞いた。
大方の情報は会議で聞いたものと変わらなかったが、所々注意点や対処法を織り交ぜてくれたため、より分かりやすかった。

だが、翌日俺たちに与えられた役割りは周りに湧く取り巻きの殲滅であった。

ディアベル「君達の強さは分かってるつもりだ。しかし君達のパーティの人数が少ない以上、こういう分担になってしまうんだ…分かって欲しい。」

と、ディアベルに押し切られ渋々了解した。

もっとも、それに納得のいかない人間もいる。

晴人「あーもう!なんで雑魚退治なんだよ…俺達はボス戦に来たんだっつーの!」

少女「まったくだわ!ボス戦の邪魔をするなって言ってる様なものじゃない!」

この二人だ。

キリト「まあまあ、周りの取り巻きを倒すのも大事な仕事だって。」

剣崎「悔しかったら次の層で見返してやればいい。そのためにも今は一層の攻略に集中するべきだろ?」

二人を落ち着かせようとしていると、

「おい」

今一番話しかけて欲しくないと言っても過言ではないくらいの人間の声が聞こえた。

キバオウ「ええか、今日はジブンらはサポ役や。大人しく引っ込んどれよ。」

と、余計な言葉を言いながらイガグリ頭が通り過ぎていった。

剣崎「…ウィザード、腰の短剣を抜こうとするのやめろ。」

キリト「あんたもだ。そのレイピアから手を離せ。」

今にもキバオウに切りかかりそうな二人をなだめる。

少女「あなた達は悔しくないの!?」

晴人「納得いかねぇだろ!だいたいあいつらよりキリトの方が…」

剣崎「止めろ、誰かに聞かれた時困るのはキリトだぞ。」

晴人「あ、わ…わりぃ…」

キリト「ははっ…まあいいよ。確かに気にくわないかもしれないけど、とにかく今はボス戦に集中しようぜ!」

こんな状態で本当にボスを倒せるのか…さすがにそれを口に出すことはできなかった。

12時半

俺達は最上階に到着した。

キリト「最後にもう一度確認しておく。取り巻きのルインコボルドセンチネル相手に剣は部が悪い。」

晴人「だから俺達が止めをさすんだよな。」

キリト「ああ、俺とブレイドが奴らの武器を跳ね上げさせるから、スイッチして飛び込んでくれ。ただし…」

少女「ダメージが入るのは喉元だけなのよね。」

キリト「そうだ、それさえ気をつければ難しい相手じゃない。」

キリトの指示を頭に入れ、整理する。大丈夫、他でもないベータテスターのキリトが言うんだ、心配はないだろう。

キリト「ただ、これだけは忘れないでくれ、これはあくまでも…ベータ時の情報だ。くれぐれも油断はしないでくれ。」

安心していたところに忘れかけていたことを言われる。

そうだ…これは命がかかっているんだ、一瞬の油断が死に繋がる…死?

そこまできてあることを思い出す。
今までの混乱のせいで忘れていたこと。

…俺に死なんて言葉は無縁だった。

だが、だからと言ってこの世界で簡単に死ぬ訳にはいかない。この世界でも現実でも何が起きるのか分からないのだから。
とはいえ、万が一誰かに危険が迫ったら…

キリト「ブレイド?」

キリトの声で現実に引き戻される…この世界を現実と言うなら。

キリト「どうした…大丈夫か?」

剣崎「いや、少し考え事をな…」

キリト「まあ初めてのボス戦だからな、警戒するに越したことは無いさ。」

剣崎「ああ、そうだよな…」

考えてることは違った。だが説明するわけにもいかない。

ディアベル「みんな!」

ディアベルがボス部屋の扉の前で呼びかける。

ディアベル「俺から言うことはたった一つだ、勝とうぜ!」

余計なことを考えるのは止めよう。今は目の前のことが最優先だ。

ディアベル「行くぞ!」

ディアベルが扉を開け放つ。

ディアベル「攻撃開始!!」

こうして俺達の初めてのボス戦は幕を開けた。

ここまでです。
あと2回位で一層を終わらせたい…

失踪と言われる前に投稿(
週一とか言ってた昔の自分を殴りたいです…(むしろ殴られるべき)

今回は
剣崎視点でボス戦です。中途半端ですが、お付き合い下さい…m(_ _)m

恐ろしいほど全てが順調だった。
それぞれの隊の連携も上手く回っていて、メンバーも誰一人欠けることはおろか、赤の危険域になった者すらいない。

特に驚いたのはキリトと女性プレイヤーの二人だ。
キリトは元ベータテスターだと言うことを差し引いても、常人離れしたテクニックを持っている。特に反応速度に関しては群を抜いている。
女性プレイヤーの方も、全体的に見れば拙いが、攻撃の速度と正確さはキリトと互角以上に見えた。

晴人「あいつらとパーティーを組んで良かったな!」

晴人も二人を気にしていたのか、声をかけてくる。

剣崎「ああ、このメンバーでボスと戦いたかったよ…」

晴人「なんだ、お前も吹っ切れてねえじゃん。」

晴人が悪戯っぽい笑みを浮かべる。

剣崎「まだ先は長いさ。この先幾らでも機会はある。もっとも、あの二人にその気があればだけどな。」

晴人「後で声かけて見ようぜ!この層はクリアできそうだし。」

晴人に言われボスの方を見ると、すでにHPゲージはラスト一本になる直前だった。

確かこの後タルワールとかいう武器に持ち変えるんだよな…
思ったそばから、ボスモンスターは今までの武器を投げ、腰の武器に手をかけた。
そして出てきた武器は俺の思い描いていたものとどこか違っていた…つまり、キリトにもらった情報と。

慌ててキリトの方を見ると、目を見開き、呆然としていた。

やはり違うのだ、ベータとは。

ディアベル「はあああ!」

しかし、武器が違うことに気づいていないのか、ディアベルはボスに向かい突っ込んでいった。

キリト「だめだ…全力で後ろに飛べぇっ!」

キリトが叫ぶと同時に、俺の身体もディアベルへ向かって走り出していた…だが、取り巻きの相手をしていた俺にとって、

ボスはあまりに遠かった。

グオオオオオオオオッ!

ディアベル「ぐわあああ!」

ボスの猛々しい方向と共に繰り出されたソードスキルがボスと戦っていたC班を薙ぎはらう。
そして、ボスに飛びかかっていたディアベルは、攻撃をまともにくらい弾き飛ばされた。

剣崎「ディアベルっ!」

元々ディアベルへ向かっていた俺が真っ先にディアベルの元へとたどり着く。

剣崎「さあ、早く!」

俺が差し出したポーションをディアベルは受け取らなかった。

ディアベル「これで…良いんだ…」

剣崎「これで良いって…このままじゃ!」

ディアベル「ブレイド君。」

ディアベルの真剣な声に、一瞬黙り込む。

ディアベル「君は絶対に生きて…このゲームをクリアするんだ。誰かを庇って…死んだりしては駄目だ。」

剣崎「お前…何言って…」

キリト「ディアベル!」

見ると晴人やキリトや、女性プレイヤーまでこちらに来ていた。

キリト「ディアベル…どうして…」

ディアベル「君も…ベータテスターなら分かるだろう?」

キリト「まさか…ラストアタック狙いで…」

ディアベルは小さく笑うと、真剣な眼差しで俺達を見た。

ディアベル「君達なら出来るはずだ…頼む…ボスを倒してくれ…後は任せたよ…」

そして、小さな声で何か呟き…
アインクラッド初めてのボス攻略レイド指揮官はポリゴン片へと姿を変え、四散した。

ここまでです。
やっと一層の終わりが見えてきました…

保守ありがとうございます!
もう少し進める気だったのですが…流石に時間が空きすぎてしまったので投下します。
いつもいつもお待たせして申し訳ない…

キバオウ「ディアベルはあああん!」

キバオウの叫びが響く。

「そんな…ディアベルさんが…」
「あんなの情報には無かったじゃないか!」
「もう駄目だ…勝てるわけがないよ…」

リーダーであるディアベルを失ったことと、ガイドブックの(というよりベータテストの)情報と違うボスの行動により、レイドの誰もが動揺していた。

本来なら、こんな異常事態の中ボス攻略を続けるようとはしない。

だが、ここで引き下がればもうこんなレイドパーティーは組めないだろう。
そうすればこの層のボス戦…延いてはこのゲーム事態のクリアはいよいよ絶望的なものとなるだろう。

そして何より…

ウィザード「ディアベルは…ボスを倒せと言った!」

ウィザードの声に一瞬の静寂が生まれる。

そう、このレイドの指揮官は『撤退しろ』ではなく『ボスを倒せ』と。

ブレイド「最後までリーダーの意志に報いるべきじゃないのか?」

ブレイドの言葉に、一同が黙り込んだ。
だが…

キバオウ「せやけどあいつがどんな行動するか分からないんやで?
第一誰が指揮を執るいうんや!」

キバオウの言葉により、また周りがざわつき始める。
まずい…確かに誰かがまとめなければボスは倒せない。

グオオオオオオオオッ!

またボスが雄叫びをあげ、手に持っている刀を振り回す。

「うわあっ!」

間一髪、刀が振り下ろされた場所にいたプレイヤー達が攻撃を避ける。
だが…次は当たるかもしれない。

早く何とかしないと…っ!

おそらくこの中であの武器の挙動を知っているのは、ベータテストの時上層で見たことのある俺だけだ。
だが、それを伝えれば俺がベータテスターだと分かり、ボス戦どころじゃなくなるかもしれない…

キリト「くっ…どうすれば…」

「ねえ」

悩んでいる最中に女性プレイヤーから声をかけられる。

女性プレイヤー「あなたなら、あのモンスターの攻撃分かるの?」

キリト「…ああ、この層では無いが、見たことはあるからな。」

女性プレイヤー「そう、なら…」

すると女性プレイヤーは突如フードを脱いだ。

栗色の綺麗な髪が露わになる。
彼女はとても美しかった…誰もが一瞬目を見張る程に。

女性プレイヤー「彼はこうも言ったわ…」

その一瞬の隙をついて彼女は話し出した。

女性プレイヤー「次の指揮官は彼だと。」

そう言って彼女が細剣を向けた先にいたのは…俺だった。

キリト「…え?」

思わぬ事態に頭がついて行かなかった。無論ディアベルはそんなことは言っていない。じゃあ何故そんなことを…

ああ、そういうことか。簡単な話だったんじゃないか。

その意味が理解できた時、俺は少し笑ってしまった。見るとブレイドやウィザードも吹き出しているようだ。

キバオウ「う…うそや!ディアベルはんがんなこと言うはずあらへん!」

ブレイド「…ならどうするんだ?あんたが指揮をとるのか?」

キバオウ「っ!」

キバオウが食ってかかったが、ブレイドの言葉ですぐに引き下がった。

女性プレイヤー「さて…指示をどうぞ?」

女性プレイヤーがこちらを向く。

キリト「ははっ…とんだお嬢さんだな…」

小さく呟いたつもりだったが、聞こえてしまったらしく、女性プレイヤーこちらをムッとした表情でこちらを睨んできたので慌てて目をそらす。

キリト「さてと…」

俺は大きく息を吸って

キリト「全員ボスから離れろ!取り囲まなければ範囲攻撃は来ない!」

指示を出し始めた。

キリト「HPがイエロー切ってるやつはすぐにPOTしろ!グリーンはそいつらの援護、手が空いてるやつは取り巻きを頼む!」

みんな最初は戸惑っていたものの、すぐに指示通り動き始めた。

キリト「よし…」

そして俺はボスに向き直る。
あいつのHPは残り後一本…一人で削りきろうと思えば不可能ではない、だがかなりの無茶だ。

キリト「それでも…」

俺がやらなきゃいけない…これはずっと逃げてきたことへの戒めなんだ。

そう俺が決意した時、

女性プレイヤー「私も行く。」

横から声がかかった。

ウィザード「置いてくなんて水臭いことしないよなぁ?」

ブレイド「俺たちはパーティーだろ?」

…正直なところ、みんなを巻き込みたくは無かった。
これから俺がやろうとするのは命懸けな行動だ。相手の行動が分かりきっているであろう俺でも危険が伴う…変更前の行動パターンしか知らないブレイド達なら尚更だ。

だが…
(お前が悪いやつじゃ無いって分かるさ)
(なあ、色々教えてくれよ!)
(さて…指示をどうぞ?)

3人とは出会って間もないが、既に俺の中で大きな存在となっていた。
そして、俺は今強く思っている…

このパーティーでボスを倒したい!

キリト「作戦を立てる…やってくれるか?」

俺の言葉に3人は強く頷いた。

ここまでです。
そこそこの文章量に見えますが…これ状況的には全く進んでないんですよね…
一層終わらせるのにあと何回かかるのか…

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