エレン「たった独りの朝」(6)

ここは……………そうだ、俺、訓練の時倒れたんだ…………

早く、起きないと…………



エレン「うぅ………」

辺りを見回すと、部屋には誰も居なかった

きっと、もう訓練に行ってしまったのだろう

でも、なんの訓練だっただろう

思い出せない

大事な事なのに

思い出せない

嫌だ

部屋を走り抜けて、食堂に向かった

誰かがいるかもしれない

エレン「なんなんだよ………どうして誰も居ないんだよ!!!!」ガンッ

どんどん忘れていってしまう………

こんな所に、独りなんて…………

エレン「ここは、どこなんだよ………」

「……目覚めたか、エレン」

エレン「!!!」

後ろには、冷酷な目付きの人間が立っていた

その目は、暖かく、けれど冷たい

遠くを見るような目だった

エレン「………リヴァイ兵長」

リヴァイ「……俺は、正しかったのか?」

エレン「…………」

思い出してしまった

もう、誰も居ないんだ

みんな、俺と兵長が殺してしまった

もう、誰も居ないんだ

エレン「兵長の判断は、正しかったんだと思います……ただ、運が悪すぎたんです」

リヴァイ「……そうか」

エレン「もう、楽になってもいいんですよね?」

リヴァイ「………それが、答えか?」

エレン「はい…………やっぱり俺には無理だったんです」

リヴァイ「そうか…また、次の絶望で会おう」

エレン「はい………」



そして、また目を開いた。

アルミン「おはよう、エレン」

俺と兵長だけが知っている、世界の結末を、これからもみんなは何度も知らずに死んでいくのだ

『終わり』

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年10月07日 (火) 04:17:45   ID: VTmRYsh_

なんか切ないssですね。

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