女「一緒の時間」(11)

百合です。
地の文ありです。

類は友を呼ぶとは今日においてよく使われる言い回しだが、例外もあると私は思う。

そのひとつが、孤独。

孤独が友を呼べば、孤独ではなくなることは必然であり、また孤独であるが故に、友を呼ばないというのが紛れもなき事実である。

学校へと続くこの長い坂。私は今、現在進行形でこの孤独な時間を謳歌しているのだが、その時間も長くは続かない。

彼女の手によって。

「女ちゃん女ちゃん!」

予想していたとはいえ、朝から彼女の大きな声は耳にかなりのダメージを与える。

なぜか入学当初から私につきまとう彼女。名前は確か、女友だったはず。

「何だ。何か用か」

私自身、あまり彼女のことを快く思っていないせいか、つい言葉が冷たくなってしまう。

すると彼女は笑顔を崩さずこう言う。

「いや、ただ単に一緒に学校いきたいなって」

今まで私はこいつに、迷惑だ、とか、あっちにいけ、とか色々言ってきたのだが、こいつは何事もなかったかのように平然としている。

めげない心の持ち主なのか、あるいは単純にバカなのかはわからないが。

「女ちゃん、英語の宿題やってきたー?」

「あっ」

私が立ち止まると同時に、ニヤッと笑う女友。腹立つ。

私の高校生活は、挫折から始まった。

中学校のときの親友と、「絶対一緒に入ろうね」って言って受けた公立高校。

私は落ちた。見事に。まるで決まっていたかのように。

結果発表の会場で、その友達と目をあわせられなかったのを覚えている。

「絶対メールするから!毎日ね!」って言われて二ヶ月、連絡無し。自分からメールする気にもならない。

こんなものか、って思った。友達って。

そんなことを思い出した途端、この子と一緒にいる自分が嫌になって、言ってしまった。

「あんたさ、なんで私にかまうの?」

女友は少し驚いてから、また笑顔になって言う。

「仲良くなりたいから、かな?」

「私は」

少しだけ声が大きくなる。

「私は、あんたと仲良くするつもり、ないから」

結局私は、立ち尽くす彼女をよそに、すたすたと先を行った。



この高校に入学して一ヶ月。

友達はおらず、いつも一人だった私に、一番はじめに話しかけたのは女友だった。 

正直、ちょっと怖かった。

元々私は人見知りだし、そもそもあまり明るい性格ではないから、人と話すのは苦手だった。

彼女から話しかけられたとき、一瞬あの子の顔が脳裏に浮かんだ。

そして私は、こう思ってしまったんだ。「この子ともいつか離れてしまうかもしれない」って。

そう思ったら、また怖くなった。

彼女とは話せなかった。私はずっと下を向いてた。

それからだった。彼女が毎日私に話しかけるようになったのは。

しばらく彼女とは話せなかったけど、それでも少しずつ、話せるようになっていった。

それでもやっぱり彼女と話すときはあの子のことを思い出してしまって、その度に彼女を冷たい言葉で拒んだ。

それで彼女が傷ついてもしかたないと思っていた。ひょっとしたら今でもそう思っているかもしれない。

自分が辛い思いをしたくないから他人を傷つける。

私って最低だな、と思いながら校門をくぐった。

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