木原s「うちの子が一番手がかかる」(985)


とある研究所




数多「おいーっす」

病理「あら遅かったですね数多くん、いつもなら真っ先に来て私たちに文句を言うくせに」

数多「うっせーな別に早く来てるつもりなんてねーよ。テメェらが遅刻常習犯なだけだろ」

乱数「遅れたくせに詫びの一つもないんですかぁ数多クン? 随分とまあ大した重役出勤じゃねぇの。アレ? オマエそんな偉かったでしたっけ?」クビカシゲ

病理「そんな事言ってはダメですよ乱数くん。数多くんは基本何も考えずその場のノリで会話する人なんですから、配慮や気配りなど期待するだけ無駄というものです」

数多「…………」スッ…


ごんっ! がんっ!


乱数「イッ……!?」

病理「った~……数多くん、いきなり拳骨は無いんじゃないですか……?」ナミダメ

数多「だったらその減らず口をどうにかするこったな」ケラケラ


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数多「で? 加群の野郎はまだ来てねえのか? それこそいつもテメェらより先に来てるはずだろ」キョロキョロ

病理「ああ、加郡くんなら先ほど連絡がありましたよ。今からこちらに向かうそうです」

乱数「ってか出張で外国行ってる奴に無茶な要求すんなよ」

数多「アア? そんなの言い訳に入りませんー、俺はきちんとここに来てんだろぉがよ」

病理「でた、全く持って説得力の無い数多くんの『俺は~』発言」

乱数「時たま思うんだけどよぉ、マジでこいつ人間かなーって思うときがある」ウンウン

病理「警備員(アンチスキル)が学園都市にテロリストが進入したって報告を受けたときにはもう全滅させてたり」

乱数「学園都市の思想からずれた研究機関を個人的なストレス発散のために自主的に潰したりとかなあ」

病理「気晴らしにゴルフ行く感覚で暴れてきますもんね数多くんは。少しやんちゃが過ぎますよね」ヤレヤレ


数多「この上なくお前らが言うなって思ったわー、マジでこんな事ってあるんだなー」

病理・乱数「ハイハイ、反射反射ァ」

数多「……よぉっし分かった、テメェらけんか売ってんだな? ならそうと先に言ってくれねえと。どっちからぶっ殺すか決めねえとイケねえからさあ」ビキビキ

乱数「どォしたンだよきはらくン、何かイヤな事でもあったのかァ?」ニヤニヤ

病理「そんな事は無いでちゅよー、ただ最近一方通行に構って貰えないから機嫌が悪いだけなんでちゅよー?」ニヤニヤ

乱数「何だそォだったのかよ、きはらくンもまだまだ子供だなー」ニヤニヤ

数多「コロス!」ガタッ

乱数「かかって来いやァアアアアアアアアアアアアア!!!!!」ガタッ

病理「スクラップの時間ですよぉおおおおおおおおおおおおお!!!!」ガタッ




ひゅんっ!




数多「がっ!?」ゴッ

乱数「ぎっ!?」ゴッ

病理「ぐ――って何言わせんですか」サスサス

????「イヤ開始数分で殺し合いとか……何でオマエら相も変わらず喧嘩っ早いンだよ……」ハァ

病理「なっ――!」

乱数「何でテメェが此処にいやがる!?」






病理・乱数「一方通行!!」





一方通行「イヤ、なンだよそのノリは……エ? 何、オレがおかしいの?」ナァナァ

数多「コイツらが頭逝っちまってんのは知ってんだろ? 諦めろ」スソヒッパンジャネェ


病r乱数「誰が精神疾患患ってるってェェ? 数多ァァァ」

病理「せめて一文字だけでも喋らせてくださいよ!」ウワァァン!

数多「オイオイ腕上げたんじゃねーか乱数? ツッコミ速度ハンパじゃねーな」

一方通行「病理ちゃンが何か言おうとする正にその一瞬の出来事だったなァ」スゲェ

乱数「同じ「木原」だからな。コイツの嫌がることなんざ手に取るようにわかる」ケラケラ

びょ数多「あーそれ分かるわー、すっげえ良く分かる」ニヤニヤ

病理「ちょ」

乱数「お前容赦ねえな」ククッ…

数多「どう致しまして」ケケッ…


病理「…………」

一方通行「アー……大丈夫か? 病理ちゃン」オソルオソル

病理「……ぐすっ」

一方通行「!?」ビクッ

病理「うわぁぁぁぁああああん! 一方通行ぁ! 二人が私をいじめてきますー!」ヒック、エグ

一方通行「エ? ちょ…ま」

病理「うわーん!」ガシィッ

一方通行「もぶゥっ!?」ムニュウ

乱数「オ? 見事に谷間に抱え込まれたな」

一方通行「ンむぐゥっ?!! (ちょ、病理ちゃン……む、胸……)」ジタバタ!

病理「ううっ、ひっく……うぇぇぇん……」ギュゥゥゥ

一方通行「―――! ――――! (あ、ヤベェ、マジで息できねェ。これ死ンだわ)」ジタ…バタ…


数多「おーおー、一丁前に顔赤くしやがってこのエロガキが」ヒョイ

一方通行「プハァッ!!」

病理「あ~ん返してください~」ブンブン

数多「うっせぇ、ジタバタすんじゃねえよ」ポン

病理「ふぁ……」

数多「ちょーっとばかし悪ノリが過ぎちまったな。わりぃわりぃ、機嫌直せよ」ワシワシ

病理「んー……もっと撫でてくれたら許してあげます」ギュッ

数多「抱きつくんじゃねえよったく」ポフポフナデナデ

病理「えへヘ……」ニヘラ


一方通行「……誰?」ウレシソウ

乱数「ありゃ病理の病気だから気にすんな」アキレ

一方通行「木原くン手馴れてンなァ」

乱数「病理のヤツ昔っから頭撫でられると大人しくなんだよ。相手数多だと効果絶大」

一方通行「その言い方だと沢山の人に撫でられると効果あるみたいだな」

乱数「紛らわしい名前してやがるよなあアイツマジ死ねよ」ペッ

一方通行「ゴメン、話し振っといて何だけど、脈絡無さ過ぎて付いていけねェわ」

乱数「あんま深く考えんな。それより一方通行」

一方通行「ン?」

乱数「お前なんでこんな所に居んだ? 二ヶ月前に特力研に入ったんじゃなかったか?」

一方通行「アー……」エート


数多「俺が連れ出してきたんだよ」

一方通行「あ、帰ってきた」

乱数「連れ出して来たあ? あそこにこのガキぶち込んだのテメェだろ? なに考えてやがんだよ」

病理「それ私も気になってました。どういうことなんです?」

数多「どうもこうも、このガキが『もォやだ! 木原くンとこにかえるゥ!』って駄々こねやがったんだと」ヤレヤレ

一方通行「だってアイツら、オレの前ではヘコヘコして媚びへつらってくるくせに、オレの見てないとこではいつも影口叩いてるンだぜ?」

乱数「え? その程度で心が折れちゃったの? 馬っ鹿オメーそんなん高位能力者にとっちゃ極当たり前の風景だろ」ケラケラ

病理「あれ? というかそんな理由で一方通行を返してくれたんですか? あの特力研が?」ハテ?

数多「返してくれたんじゃなくて押し付けようとした所を横から掻っ攫ったって所だな」ウンウン

病理「押し付ける?」

数多「何でもアイツらもうこのガキと一緒に居たくないからって虚数研だとか叡知研、しまいには霧ヶ丘付属に送ろうとしてたんだぜ? 俺に黙って」


乱数「…………」ゴソゴソ

―――ピッ


―――えーただいま詳しい情報が入ってきました。本日午後1時43分ごろ、相次いで研究所が爆破された事件について警備員の発表によりますと、
特力研、虚数研、叡知研、霧ヶ丘付属は全て同じ人物に襲撃された可能性が高いとの事です。

特力研に突入した警備員(アンチスキル)の証言によると、突入する寸前に目の前の壁が爆発して中から研究者らしき人物が一名、子供二名が姿を現し、警備員と軽い口論になった後、
研究者は子供をつれて中に引き返し、行方を眩ませたそうです。

これらの研究所の中に居た人達は全員軽症で死者はおらず、口々に『悪魔なんてぬるいもんじゃない、あれはそれ以上だ』と呟き、
それ以外の言葉を発しないほど精神的に不安定な状態にあって、警備員は引き続き事情聴取を続ける模様です―――





乱数「…………」

病理「…………」

一方通行「あー……」

数多「んだあ? 警備員よりマスコミの方が仕事速えーなあオイ。こんなんでこの町大丈夫なのかよ」ハァ

乱数「いやいやいやちょっと待て。突っ込み所が多すぎるからまず一言だけ言わせろいっぺん死ねよ」

病理「え? まさか今日遅れたのって、研究所潰してたからなんですか?」

数多「まあそういう事になるな」

乱数「イヤ簡単に言っちゃってくれますけど。オマエ確か、いつも二十分前にここに向かってるって言ってたよな?」

数多「ああ、んで十分もかかんねえからいつも加郡と世間話して暇潰してるな」


病理「1時43分に襲撃されたって言ってましたよね?」

一方通行「今2時3分かァ……」

乱数「ってことは、だ。テメェは二十分で研究所四つも潰してくれちゃったわけですか?」

数多「んなわけねえだろ、ほらアレだ、アレ。この前つくった猟犬部隊(ハウンドドッグ)とか言うのに二つほど手伝わせたんだよ」

乱数「アレイスターもこんな私的な理由でせっかく作った暗部組織こき使われるとは思わなかっただろうな」アキレ

病理「全然説得力ないですしね」ハァ

乱数「二つも潰したら普通もっと時間かかんだろーがよ。それで今日は遅れちまったってわけか」ヤレヤレ

数多「うっせーな、あのクソガキがテンション上げて暴れ出したりしなけりゃもっと早く済んだんだよ」ハァ

病理「それ以上はちょっと無双過ぎません?」ダメダコリャ

数多「あーあ、これで猟犬部隊の奴らに舐められちまったかもなあ。たかだか研究所潰すのに自分たち使うとか情けねえなとか」チッ

病理「コレが、木原数多……!!」ググッ

乱数「木原一族の力か……!!」ギリィ

数多「え? 何? お前らこんくらいの事も出来ねえの?」

病理「私だったら倍いけますね」キリッ

乱数「俺だったら都市ひとつ余裕だな」キリッ

一方通行「イヤ、流石に二十分じゃ無理だろォ……」トハイイキレナイオソロシサ


病理「あれ? そういえば数多くん」

数多「ン? どした?」

病理「さっきの話でちょっと引っかかったところがあるんですけど」

数多「引っかかったとこだぁ?」

病理「はい。さっき数多くんは『あのクソガキが』と言いましたよね? なんで本人が目の前にいるのに『あの』なんて使ったんですか?」

一方通行「オレ?」

乱数「そこ取り立てて気にするような事か? 確かにちょっと違和感はあるけどよ」

病理「確かに私が気にし過ぎているだけかもしれません。でも考えてみてください、あの一方通行がそんな好戦的な子に思えますか?」

乱数「そう言われっと、おかしい気もするが、ただ単に機嫌が悪かっただけかもしんねえだろーが」

病理「まだ理由はあります、というかこちらが本命です」


数多「(別に隠してるわけじゃないんだが、何この流れ)」

病理「乱数くん、先ほどのニュースでおかしいところがあるのに気付きませんでした?」

乱数「おかしいところって言ったってなあ、あの研究所の奴らの様子は見てて面白可笑しかったですけど」ケラケラ

病理「そこは同感ですね。あそこはなにか勘違いしている人達しかいませんでしたからね」ウンウン

病理「それはそうとさっきのニュースの話ですが、さっきのニュースでは研究所から誰が出てきたといっていました?」

乱数「アア? そりゃ数多とこのガキ―――」

乱数「―――“二人”……?」ハッ

病理「そうです。あの研究所から出てきたのは数多くんと一方通行だけではなかったのです」

乱数「そういうことなら色々納得がいくな。つまり数多の野郎が一方通行を連れて引き上げようとしたときに」

病理「その第三者が暴れだし、数多くんは遅刻してしまう結果となった……」

病理「……そうですね? 数多くん」
                               ジャンキー
数多「お前に相棒見せたのが間違いだったわこのドラマ中毒者」


数多「っていうか長々と推理してもらって悪ぃんだけどさ」チラッ

一方通行「オウ」タタタ

病理「あら? どこ行くんですか一方通行?」

数多「面倒くせえから呼びに行かせたんだよ」

乱数「え? ナニ、その例のガキが今ここに居んの?」

数多「あそこに置いて行くわけにもいかなくてよ」ハァ

病理「なんですかそのため息は」

乱数「理由は察しがつきますけど」


数多「テメェらの反応が手に取るように分かっから、俺としてもつれて来んのはお断りだったんだけどな」

乱数「だったらぶっ殺してくりゃよかったじゃねえかよ。テメェらしくねーな」

数多「いや殺そうとしたよ? 当ったり前じゃん」

病理「何でそんな自慢気なんですか?」

数多「けど色々立て込んでたからなー、不本意ながら諦めてここにやって来たってわけだ」

病理「あ・き・ら・め・て・は、いけませーん!!」ハイ!

数多「良く出来ましたー」ワシワシ

病理「えへへへー」ニヘラ

乱数「話の逸らし方がスッゲーイラつくんですけど?」ビキビキ

数多「あのクソガキが来たらちゃんと説明してやっから落ち着けって」ドウドウ




タッタッタッタッ


一方通行「木原くン、連れてきたぜェ」トテテ

少女「……」トテテ

数多「お? 噂をすればなんとやらだな」

病理「この子が研究所で大暴れしたって子ですか?」

数多「そうだ。ほら、とっとと自己紹介しろクソガキ」

少女「……クソガキじゃないわよばーか」ボソ

数多「へっくしょい!」

少女「!!」ビクゥ!

乱数「くしゃみひとつでスッゲービビッてるんですけど、オマエなにやらかしたんだよ」


数多「特に思いつかねえけど、しいて言うなら一方通行にするみたいに少し殴ったかなあ」ポリポリ

乱数「それしかねえよ」

病理「かわいそうに怖かったでしょう? さ、私の膝の上にお乗りなさい」ポンポン

数多「そんなにオレ悪い事したか?」ハテ?

乱数「うちのクソガキに頭診てもらえよ馬鹿」

一方通行「病理ちゃンオレも! オレも!」ピョンピョン

病理「ふふっ、構いませんよ。おいでなさい」ニコッ

一方通行「やったァ! ほら沈利ちゃン! こっちこっち!」グイグイ

沈利「ちょ、ちょっと一方通行……!」ワタワタ


病理「へえ、沈利ちゃんというんですか。かわいい名前ですねえ」ナデナデ

沈利「あ、頭なでないでよ……!」カァァァ

一方通行「カワイイだろォ?」ナデナデ

沈利「ふにゃぁぁぁ……」プシュー

乱数「相変わらずガキにゃ甘えやつだな」

数多「『他人を諦めさせる』とか言っときながらめっちゃクソガキのこと励まして甘やかしてたもんな」

乱数「オーイ、馴れ合うのはいいけど、そろそろ自己紹介始めてもらえませんかねえ?」

病理「おっとそういえばそうでしたね、忘れるところでした。さ、沈利ちゃん」ダキカカエ

沈利「……麦野、沈利です」モウドウニデモナレ

乱数「麦野沈利、か。どっかで聞いた事があったような気が――」ウーン


数多「粒機波形高速砲とか長ったらしい名前が付いてたっけなあ」

乱数「アア思い出した! 確か超能力者(レベル5)になれる素質があるって噂のガキか」

一方通行「沈利ちゃンはもうレベル5並みの能力者だって言ってたぜ? 次の身体検査(システムスキャン)で間違いなくレベル5認定されるだろうって」フフン

乱数「何でオマエが得意気なワケ?」

数多「そういや特力研の奴らそんな事言ってたっけな、「レベル5を二人も手に入れることができたぞ!」って」

乱数「それで扱い切れなくなって手放しゃ世話ねーよ」

数多「でもアイツが手に負えないってのは少しはわかっけどな」

沈利「なによ? わたしが悪いんじゃないわよ。あいつらが勝手になんかしてどうかしちゃっただけよ」フン

乱数「投げやりだなー、どうでもいいけど」

病理「同感ですね」ヨシヨシ

沈利「うぅ~……」モジモジ

数多「別にテメェみてえなクソガキが暴れたって痛くも痒くもねえよ。あの研究所的にはって意味だ」


沈利「……思ってたんだけど、あんた、能力開発(カリキュラム)受けてるんじゃないの? どう考えても人間の動きじゃなかったんだけど」

乱数「やっぱそうなるよなあ……」

病理「数多くんを見た人が最初に通る道ですよねえ……」

一方通行「反射破られたときはマジで人間に思えなかった……」

沈利「じゃあなんて思ったの?」

一方通行「木原くンは人じゃなくて木原なンだなァって思った」

病理「やめてください。私まであんな事進んでやるような人と思われるじゃないですか」

乱数「オレはあそこまで頭ン中おめでたくはねえよ」

数多「テメェらちょっとそこに直れ」




―――――



数多「――とまぁそんなわけで、このクソガキ(一方通行)はコイツと一緒に居たいって言って聞きやがらねえし」

数多「この新しいクソガキ(沈利)も、他の研究所から引き取るって話も来ねえから、仕方なく俺が面倒見るはめになったってわけだ」

数多「分かったかクソッタレ共」

病理「……はい」ヒリヒリ

乱数「よーく分かりましたぁ……」ヒリヒリ

一方通行「反射の角度変えたのに……」ヒリヒリ

沈利「別にいやなら無理に引き取ってもらわなくても結構よ」フン

数多「ふーん? そんじゃ二度とクソガキと会うなよ?」

沈利「へ?」


数多「てめえらがど~~~~~~しても一緒じゃないとヤダ!ってんならオレも面倒くせえし認めてやろうかなと思ってたんだけどな?」

数多「そうじゃねえんならテメェはガキの教育上よろしくねえからどこかの研究所に売り飛ばしてやる」

乱数「スッゲーお前が言うな感」

数多「黙れ」

沈利「…………!」

一方通行「なに言ってンだよ木原くン! 研究所を出るとき沈利ちゃンも連れて来いって言ったの木原くンだろ!? なンで……!」

病理「落ち着きなさい一方通行」

一方通行「病理ちゃンも見てないで木原くンを止めてくれよ! こんなのおーぼーだ!」

病理「だから落ち着いてください一方通行、心配しなくても大丈夫ですよ」ヨシヨシ

乱数「テメェと数多が最初に会った時もあんな感じだったろーがよ」

一方通行「それは――」


病理「一方通行、貴方は数多くんを信用して、信頼して、特力研に入る1ヶ月前まで一緒に行動を共にしてきましたね?」

一方通行「……うン」

病理「今の数多くんに失望しましたか?」

一方通行「ちがう! 失望なンてしてねェ! オレはただ木原くンが沈利ちゃンに酷い事を言うから……!」

乱数「それは取り立てて食いつく様な事かよ? アイツの事知ってんなら放って置いても別に何の問題もねーだろ?」

一方通行「だからって、沈利ちゃンと離れさせられるかもしれないってのに黙ってられねェだろ!」

病理「数多くんはその場のノリでしか動かない人ですが、意味のない行動はしない人ですよ」

一方通行「でも―――」


―――スッ


病理「ですから安心しなさい、一方通行」ギュゥ…

乱数「数多の野郎もけっこう甘いところがあるからな。なるようになんだろ」

一方通行「―――なァ、二人とも」

乱数「ア?」

病理「はい?」






一方通行「―――木原くン、その場のノリで暴れるような奴だけど」






病理「」

乱数「」


病理「…………」

乱数「…………」

一方通行「…………」

病理「――おや? 何やら数多くんたちの方がにぎやかになってきましたね!」プイ

乱数「――ああホントだ、こりゃすぐにでも片がつきそうだな!」プイ

一方通行「オイ」


――――同時刻、研究所ロビー





???「……」キョロキョロ

女性「どうしたの? なにか気になる物でもあった?」

???「……乱数くん、こない……」ブスー

女性「まだ集まったばかりだし、全員揃ってもないしねぇ」

???「ねぇ、乱数くんのとこいっちゃだめぇ?」クイクイ

女性「(和むわぁ……)乱数博士はここで待ってるように言ってたんでしょ? ならいい子にして待ってないと」ヨシヨシ

???「いつもいっしょなのにどうしてきょうはだめなのぉ?」

女性「いや、いつも乱数博士の言う事ガン無視して着いていってるだけでしょ」

???「むぅ~」プクー

女性「ふふ、そんなにほっぺた膨らませたらかわいいお顔が台無しよー?」ポンポン


???「―――きめた」

女性「?」

???「乱数くんのところにいく!」

女性「え? いや、それは」

???「“おねえちゃんはここでまっててねぇ?”」

女性「――――っ」ピタッ

???「むふふー、それじゃれっつごー!」


タッタッタッ……






女性「ココデ、マツ……」ボー





バチィッ!





女性「痛っ…! は!? 私は何を……あれ?」

女性「あれれ!? あの子が居ない!? ちょ、ちょっと待ってえええぇぇぇぇ……!」




ドタドタドタ……




男性「相変わらず落ち着きがないなアイツは」

女性「仕方ないわよ、もしここに隊長がいたら殺されてもおかしくない失敗だし」

男性「っていうか助けてやれよお前ら」

女性「冗~談、私たちついさっきまで研究所潰してたのよ? そんな体力残ってないわよ」グデー

男性「あの子を止めるのは居残り組の役目だろ?」ダラー

男性「ぶっ飛ばすぞ? ったく……」


















???「やあやあ、みなさん、お久しぶり」


男性「ひっ!?」ビク!

女性「な、ななな、なん……っ!」パク、パク

???「久しぶりだからってそこまで驚かなくてもいいでしょ。それより何かあったのかな? 向こうの廊下から待ってー、って聞こえるけど」

男性「い、いや、ヴェ、ヴェーラがちょっと不注意で……」

???「ふむ、まあ向かってる先はあの子達の部屋だし、どれ、私が手伝ってきてあげるとしようかな?」

女性「だ、大丈夫ですよ! 大したことじゃありませんし、それより少しこちらで休憩なさってはいかがですか?」

男性「そ、そうですよ。今日は暑かったですから、喉渇いていませんか? お飲み物お持ちたしますよ?」

???「そうだねぇ、確かに今日は歩いてきたし少し疲れてるからお言葉に甘えようかな?」

???「ありがとうね、オーソン君、ナンシーさん」ニコ

オーソン・ナンシー「「いえいえどういたしまして!」」ハッハッハ!


男性(た、助かった……)ホッ

???「ああそういえばロッド君」

ロッド「は、はい!?」ビクッ

???「その足元の長い金髪、掃除しておいた方がいいと思うよ?」

ロッド「ああホントだ。よく気付きましたね――――」

ロッド「あ」

???「さて、今日は楽しい一日になりそうだ」ニヤァ




スタスタスタ……








オーソン「終わった……ガキの面倒も見れねえのかクズが、って殺される……」ブルブル

ナンシー「面倒くせえ状況にしやがってって殺される……」ビクビク

ロッド「その前に隊長達が無事でいられるだろうか……」ガタガタ




数多の研究室






沈利「―――大体、いきなり研究所ぶっ壊すとか頭おかしいんじゃないの!?」

数多「あ゙あ゙!? テメェの方がメチャクチャ暴れまくってたじゃねえか! 自分の能力がどんだけ危ねえか考えやがれ!」

沈利「あーらごめんなさーい? 怖い思いさせちゃってたんだー、それは大人気なかったわー」クスクス

数多「ハッ! あんな使い勝手の悪いクソ能力だーれがビビるかっつーの。得意気になってんじゃねえよクソガキ」

沈利「さっきからクソガキクソガキって、それ以外にわるぐち思いつかないの? やーいボキャ貧ー」

数多「コミュ症のガキにはクソガキで十分なんですぅ」

沈利「だれがコミュ症よ!」

数多「テメー以外に誰がいるってんだよ、研究所で一人隅っこの方でクソガキの実験が終わるのを待ってたくせによ」ギャハハ

沈利「別にコミュ症じゃないわよ! ただ周りのやつらが勝手に距離を置いてただけよ!」ウガー!

数多「ぼっちじゃねえ、一人が好きなんだ」キリッ

沈利「ふざけんなぁあああああああああっ!!」バチチチ


数多「能力使おうとしてんじゃねえよ! あのクソガキが真似したらどうするつもりだテメェ!」

沈利「う、うっさいわね! っていうか教育上良くないとか言ってるけど、あんたの方がよっぽどあくえーきょーでしょ!」

数多「オレはちゃんとしつけてんだよ。ふざけたこと言ったりやらかしやがったらぶん殴りゃいいしな」

沈利「最低だ!」

数多「スッゲー今更な反応をどーもあんがとよ。オマエ頭の回転おっせーな」ゲラゲラ

沈利「きーっ! むかつくー! もうアンタなんか知らない!!」

数多「そりゃコッチの台詞だ。テメェみたいな厄介もん、適当な研究所見繕ってやっからさっさと出て行けクソガキ」シッシッ

沈利「……っ!」ギリッ

沈利「そんなこと言われなくたって――」

数多「それと一方通行にも二度と近づくんじゃねーぞ」

沈利「――!!」


沈利「……」

数多「あ? どーしたよ黙りこくって。なんだ? 「一方通行と離れたくな~い☆」とかぬかすんじゃねーだろな? 言っとくが――」

沈利「……んで」ボソッ

数多「――ああ?」

沈利「―――なん、で。そこまで……ッアクセラ、レー……タとぉ…ヒクッ…はな、離した……がる…のよ……!」ポロポロ

数多「オイオイオイ今度は泣き落としですかぁ? オレに通じると思ってんのかよ。おめでてえ頭してんなあテメェ」

沈利「ううぅ……ひっく…うるさい、ばかぁ……!」ポロポロポロ

一方通行「もうやめろ!」ヒュン!

数多「うぉっ!?」バッ


一方通行「大丈夫か!? 沈利ちゃン!」

沈利「うう…あくせら、れぇ、たぁぁ…! ぐすっ…いやだよぉ……はなれたく、ないよ……!!」」ボロボロボロ

一方通行「……!! 大丈夫だ沈利ちゃン! オレは絶対沈利ちゃンのそばを離れねェから!」ギュゥゥ!

沈利「もう、いやなのぉ……みんな、わたしのこと…“化物”って……避けていって……一人ぼっちで…!」ギュゥ…

一方通行「大丈夫だから……泣くな、沈利ちゃン」

沈利「だから、あくせられーたが……わたし、に……話しかけてくれた…っく…と、ときはぁ…!」

一方通行「…………!!」

沈利「うれしくて…すっごく…うれしく、てぇ……ぅああ……!」

一方通行「沈利……!!」


沈利「うあぁぁぁぁぁぁん! わぁぁぁぁぁぁぁん!」

一方通行(何で……)

沈利「いやだぁぁぁ……! はなれたくないよぉ……!」

一方通行(どォして……)

沈利「あくせられーたぁあああああ……! うぁぁぁぁぁぁん!」

一方通行(どォして沈利がこンなに苦しまなきゃいけないンだ!)

沈利「うぅっ……ヒグッ…うぇぇ……」

一方通行「き、はら……(沈利を泣かしてるのは……こンなにも沈利を苦しめてるのは――)」









数多「あーあー俺はこういう時なんて言えばいいんだ? とっても安っぽいお涙頂戴な展開をどーもアリガトウ。ってか?」








一方通行「―――木ィィ原ァァあああああああああああああああああああああああああああああああッ!!」


数多「うっせーなあんまギャンギャン騒ぐんじゃねぇよ。ただでさえそこのクソガキの喧しい鳴き声で耳が痛てえんだからよお」

一方通行「…やまれ」ボソッ

数多「ああ?」

一方通行「―――!」ギリィ!

一方通行「―――沈利に謝れっつってンだよォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」ギュン!

数多「あらよっと」ヒラリ

一方通行「―――!?」

数多「ホレ、腹ァチカラ入れて歯ァ食いしばれよクソガキィ!!」




――ドゴォッ!!




一方通行「が……ッ!??!?」ミシッ…

数多「ホレホレどーしたよクソガキ? 顔面スキだらけだぞ~?」

一方通行「――!!」バッ

数多「そーら、よ!!」スパァン!

一方通行「な……ッ(足払い!?)」グラ

数多「ぎゃはっ!」





メキャ――





一方通行「ぶっ……ハァ……!!」

数多「おい、おいおいおいおいおいおいテメェの頭は飾りかなんかか?」

一方通行「クソ…ッタレ…がァ……!!」ググッ

数多「だーから言っただろーがよ。顔面がスキだらけだってよぉ? オレが今までテメェに嘘ついたことありますかぁ?」ケラケラ


乱数「なんてムカつく台詞だ」

病理「でもウソついたことないんですよねー、意外なことに」

乱数「挑発しまくるけど騙すってことは不思議としないんだよなー」フシギ

病理「あれじゃないですか?「人を騙すのは卑怯者のすることだ」みたいな?」

乱数「それだ!「モルモットなんざ騙すもクソもねーだろ」的な!」

病理「そして終いには「極真っ当な研究者のオレがなんで卑怯者呼ばわりされなきゃなんねぇんだ?」で決まりですね!」

乱数・病理「最低ですね~」

一方通行・数多「オマエらが言うな」

沈利(どうしよう、ついていけない。っていうか何この人たちこわい)ブルブル


一方通行「チッ……舐めやがって、よォ!」ビュゥオオオ!!

数多「あー、ダメだ。ダメだダメだ全っ然ダメだ」ポイ

一方通行「……!? (手榴弾!?)」

沈利「一方通行……っ!」

一方通行「な――――! (風に押し戻されて沈利たちのほうに……!)」

一方通行「チィィッ!!」ダッ!

数多「駄目なんだよなぁ……」ググッ…





――メキィッ!





一方通行「ぐぼァ……っ!」

数多「ピンが抜かれてるかどうかぐらいキチンと確認しやがれってんだ」

一方通行「ク、ソ……調子に乗ってンじゃ、ねェぞ……!」フラフラ


数多「―――なあ一方通行、テメェ、ヤル気あんのか?」

一方通行「……!」ゾク

数多「あのガキ助けにしゃしゃり出て来たんじゃなかったのか? あ?」ブン





ズドンッ!





一方通行「うぐっ……!」ヨロ

数多「最初に俺に向かって啖呵切ってきた時ゃたしかに殺気がこめられてた」ゲシ

  「だがその後はどうだ?」ガス

  「殴られるたびに動きは鈍り殺気は薄れ」メキ

  「とっさに放った攻撃も雑で幼稚でひねりもなくて」グシャ

  「何より決定的なのはテメェの目には殺気はあっても決意ってもんがなかった」ゴズッ

  「俺を殺してでもこのクソガキを助ける、なんてダークヒーロー気取ってるつもりだろうが―――」


数多「“それは違うだろ?”」

   「テメェが何を考えて何を思おうが自由だがよ、履き違えちゃいけねえよ?」グチャ

   「テメェの目的は俺を殺すことじゃなくてこのクソガキを助ける事のはずだ」ペキャ

   「俺の命よりも、他のアレやソレよりもあのクソガキを優先するはずだ。しなきゃいけないはずだ」ベキキィ

   「なのにテメェは逃げる事はしねえで、本気で俺を殺す覚悟も出来ずにこの俺の前に立ちはだかりやがって」ドズ

   「ただわき目も振らずにクソガキを連れて、どこかに逃げるなり何なりすりゃあ、互いにこんなクソつまんねぇコトにならずに済んだってのによ」ゴリュッ

   「いい加減目障りだからここらで終わらせてやるよ」ベギャ

   「ま、テメェの能力はそこそこ楽しめたぜ。あばよクソガキ――」


沈利「やめて!」バッ

数多「……ア?」

一方通行「し、沈利……離れてろ……!」

沈利「一方通行はもうボロボロじゃない! これいじょう殴る必要なんてないでしょ!?」

数多「理由なら俺にはなくてもそっちのクソガキにゃーあんだろ」ギロリ

沈利「ひ……っ!」ビクッ

一方通行「沈利…オレは、大、丈夫だから……」フラァ

沈利「! アクセラレータ―――」ダキッ

一方通行「だいじょう……うぐっ!」

沈利「一方通行……!」


沈利「……ねえ、木原さん」

数多「アア? なんだよ急に、気持ち悪ィな」

沈利「一方通行を傷つけないで」

数多「はあああ……お前頭マジで逝っちまってんじゃねえか? だから俺は別に―――」

沈利「ここを出て行く」

一方通行「――――!?」

数多「……ほう」

一方通行「沈利……オマエ、何を言って―――」

沈利「わたしが居ると一方通行に良くないから置いておきたくないんでしょ? だったら出て行く」


数多「そりゃいい心掛けだがよ、ホントにいいんだな? クソガキと一切話させねえし会わせもしねえぞ」

沈利「構わないわ。だからお願い、一方通行をもう殴らないで」

数多「……よし、分かった。仕置きはこんくらいで勘弁してやるよ」

一方通行「ダメだ! オレは認めねェぞ! 絶対に沈利と離れない!」

沈利「ワガママ言わないで。コレはもうアナタの問題じゃなくて、わたしの問題なの。口を出さないで」

一方通行「―――!」

数多「おいおい、本人がこう言ってるんだから無理に引き止めようとするのはいただけねえなぁ?」ニヤニヤ

一方通行「ウルセェ! オマエは黙ってろ!」

沈利「黙るのはそっちの方でしょ? わたしは今木原さんと話をして―――」

一方通行「関係ねェッッ!!!」

沈利「―――!?」ビク!

数多「…………」


一方通行「オイ、沈利。1つだけ答えろ」

沈利「な、なによ……?」

一方通行「オレはオマエの事が好きだ」

沈利「ふ、ふぇっ!?」カァァァ

一方通行「オマエと一緒に居られれば、オレは他には何もいらねェ」

沈利「ちょ、いきなり……その……!」カァァァ

一方通行「―――悔しいけど、さっきの木原くンの言葉で、やっと分かったンだ」

沈利「え?」

一方通行「オレはオマエが大事だ。オマエを傷つけたり、悲しませようとするなら、相手が誰だろうと容赦しない」スッ…







ぎゅうっ―――







沈利「!??!? ちょ、アクセラレータ?!」アタフタ

一方通行「オマエを放したくない」ギュゥゥ

沈利「アクセラ、レータ……」

一方通行「オマエを一生守りたい。一生オマエにそばに居てほしい」

沈利「うぅ……」カァァァ

一方通行「なァ沈利。1つだけ、答えてくれ」

沈利「…………」
















一方通行「これからもずっと、俺と一緒に生きていってくれますか?」















沈利「……なによ、いきなり」

   「人が一生懸命考えて考えて考えぬいて、自分の気持ちを押し殺してでもアンタと離れる決意をしたって言うのに」

   「なによ、好き放題言っちゃってさ……だいたい自分勝手すぎるなのよアンタは」

   「初めて会ったときだって、部屋の隅っこの方で他の子達を眺めてたわたしの隣に勝手にやって来てずぅっと喋り続けて」

   「何が嬉しいのか無視されてるって言うのに、ニコニコ笑いながら色々質問してきて……」

   「一人でいるとどこからともなくやって来て、「いっしょにご飯食べよう?」とか、「いっしょに遊ぼォぜ?」とか言って……」

   「何かイヤな事があったときは黙って傍に居てくれて、元気付けようとしてるのか、面白くも無い話をずーっと話し続けててさ……」

   「いつだってわたしのそばにいてくれて……いつだってわたしとむきあってくれて……」ジワ

   「いつだって……わたしなんかにわらいかけてくれて……」ポロ…

   「――しだって……っ!」ポロポロ…

























沈利「私だって……! これからもずっと、一方通行とずっと一緒に生きていきたいわよっ!」


沈利「離れたくなんかない! 誰になんと言われようと、私は一方通行が好き! 大好き!!」

一方通行「俺だって沈利が大好きだ、誰にも渡さねェ! 離れてなンかたまるもンか!」

沈利「~~~!! わ、わたしのほうが、もっと離れたくないもん!」

一方通行「いーや、オレの方がもっと離れたくねェ! 一生沈利に抱きついたって構わねェ!!」

沈利「だ、抱きつ……!」カァァ












乱数「オイ誰かあの馬鹿ガキ二人止めろ」

病理「いくら幼いとはいえ……これは」ハズイ








数多「―――アー、今度こそ茶番は終わりかなあ? 正直言って色々とツレーわこの状況」ポリポリ

一方通行「―――!!」キッ

沈利「―――!!」キッ

数多「……あ?」

一方通行「よォ木原。俺はここまで覚悟を決めたぞ」

一方通行「沈利のために、オマエの醜いスプラッターを見せる覚悟をなァあああ!!」

沈利「私は一方通行と一緒にいたい」

沈利「その邪魔をするなら、アンタが何者だろうとチリ一つ残さず消し飛ばしてやるわよ!!」

数多「ははっ、感動的だねえ! いいぜ、そうこなくちゃ面白くねえよなあ!?」

一方通行「クッソ野朗がァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

沈利「絶対に倒してやるんだからぁああああああああああああああっ!!」

数多「ぎゃははは! いいぜクソガキ共、最っ高だぜえ!!」














数多「合格だ!」









一方通行・沈利「……は?」














病理「やっぱこうなりましたか」ヤレヤレ

乱数「だぁから何の心配もねえっつってんのによ」アキレ


数多「いやー、随分と手間取っちまったがこれでようやく一息つけるな」ガハハ

沈利「へ……いや、え……?」

数多「オレとした事がちっとばかし急ぎ過ぎちまった感じも否めなかったが、無事に終わって良かった良かった」ウンウン

一方通行「なに言ってンだオマエ……?」

数多「いや、教育だよ。きょーいく?」

沈利「なんで疑問系なのよ……っていうか、ほんとにどういうこと??」

数多「だから教育だよ。ほら、ガキって気に入るとすぐにあれ欲しいだの何だのワガママ言っては結局は飽きて捨てちまうだろ?」

数多「オレはめんどくせえのは嫌いだからよ。テメーらが大きくなって互いに飽きて破局したとして」

数多「そんでテメーらのギスギスした空気に巻き込まれるのはごめんだし? 何より面倒くせぇし?」

数多「だったら今のうちに別れるか、それともこれから先何があっても絶対に別れないって言質を取っちまおうって考えたわけだ」


一方通行「……ちなみに、もし別れた場合は?」

数多「綺麗に後腐れなく別れるならぶん殴る。それ以外は殺す」キッパリ

沈利「どっちにしても痛い目見るじゃない!」

数多「当ったり前だろ! このオレがわざわざガキ共のキューピッド担ってやったってのに、それで別れやがったら死ぬほど殴る。死ぬまで殴る」

一方通行「勝手におせっかい焼いて勝手にキレてンじゃねェよ!」

数多「ああ!? そんじゃテメェは絶対に離れない自信があったってか!?」

一方通行「当たり前だ! オレが沈利と離れるわけねェだろ!」

数多「ハッ、口ではどうとでも言えるな。信用ならねえんだよなー、ガキの言う事って」

一方通行「口先だけじゃねェ! オレは沈利が大好きだ!」ムキー

沈利「ア、アクセラレータ! こ、声が大きいわよ……!」カァァ


数多「ガキって簡単に好きって言葉使うんだよな~。信じられないな~」ニヤニヤ ピッ

一方通行「ただ好きなンじゃねェ、大好きなンだ!」

数多「沈利ちゃんはどうですか~?」ニヤニヤ

沈利「ふぇっ?! そ、それは、その……ゎたしも……き」カァァ

数多「ぜぇんぜん聞こえませェェェん! あーあ、こりゃ時間の無駄だったかなあ?!」

一方通行「沈利、オレのこと……そンなに好きじゃねェのか……?」ズーン

沈利「! そ、そんなことないわよ! 一方通行が大好き! す~っごく大好きなんだから!!」

一方通行「ホ、ホントに!? ウソじゃない!?」パァァ!

沈利「うそじゃないもん! わたしは一方通行のことがだーい好きなんだから!」

一方通行「! オ、オレの方がもっと好きだけどな!」カァァ

沈利「わ、わたしの方がずっとず~っと大好きだもん!」マッカァァ

一方通行「オ、オレは沈利のことを愛してるぜ!!」マッカッカァァ

沈利「あ、愛し……!? わ、わたしだって、あ、ああ、愛、愛してりゅんだからぁ!!」ボフンッ!




数多「……」

乱数「……」

病理「……」

数多「……」カチ










ボイスレコーダー<『あ、ああ、愛、愛してりゅんだからぁ!!』












数多「~~~っ!! ~~~っ!!」ダンダン!

乱数「キ……キツイ――――ブフォッ!」ガタガタ

病理「さすが数多くん、やることがえげつないですね……ゥクッ!」プルプル

数多「これは予想以上の収穫だぜ……思春期頃に聞かせてやっかなー」ククク

乱数「オレ、オマエのそういうとこマジで好きだわ」ククク

病理「ゲスですねー。一緒に笑ってる身で言えた事ではありませんが」クスクス

本日分の投下しゅーりょォー。

初めまして、以前総合で少し書かせて頂いた者です。先ずはこのssの注意点です。


・初ss

・木原一族とレベル5達(とその他諸々)の仲良しssです。

・とりあえず確定カップリングは原子通行、加郡×マリアン、準レギュラー(予定)では固法×黒妻です。

・時系列は本編から七年前でスタート。

・いずれ原作再構成までいきたいですが原作は13・4・5・6巻と新約しか読んでないので原作読んでから突入。

・キャラ崩壊は自分の基本装備でした。

・このssを読んだからにはみんなも木原くンssを書くんだ! 短編でも良いから! ※重要!


他に今のトコ浮かばないので、以上のことを踏まえて、皆さんに楽しんでもらえれば幸いです。

あと、この注意書きが最後に回ったのは、よくこの書き込みがあるのが不快な人が多いようでしたので後出ししてみました。


後これは自分の個人的な意見ですが、どんなに期限ギリギリのスローペース更新になっても完結させるつもりです。

過去ログ漁って面白いのがあったけど未完だった時の悲しさは異常ですので。落とすなら完結させてから!

最後に総合の>>398さん、>>399さんのレスのおかげで踏ん切りがつきました。ありがとうございます!

それでは次回投下は来週の木曜か金曜に。長々と失礼しました。










次回はみんな大好きロリっ子登場でっせ

まさかのレス! 寝る前に一言貴方のために一言!


びょーりんはまだまだやってくれるよ(もっと後だけど)


上条さんは出るのかな?

さって中途半端な時間ですけど投下です。
あと、注意書き追加です。
このssは浮かんだ台詞をダラダラと書きなぐってるタイプのいわばネームを投下してるような物なので、なんか微妙だなと思う人ばかりだと思います。
だからぶっちゃけるとこの後の展開もそろそろネタギレしかかってる!(まあ書いてるうちに浮かんでは来るけど)

溜まってるもやもや書ききったらスッキリしたー。次からはテンション収まるのでお許しを。



???「……」ジー

数多「ん? おい乱数、あのガキ来てんぞ」

乱数「アア? おいおいロビーで待ってろつったろーがよ」

???「だってぇ……」ジー



ドタドタ、バターン! ふぎゃ!?



病理「なんか今ものすごい勢いで転んだ音がしましたよ?」

乱数「つーか今の声って数多の部下の声だよな」

数多「ちょっと殺してくる」ガタッ

病理「いや殺しちゃ駄目でしょう。どんだけ短気ですか」ガシ





ダダダダッ! バン!




ヴェーラ「み、みさ、ちゃ……ちょ、ちょっと、は、早過ぎ……」ゼエ、ハア

数多「……」

ヴェーラ「あ」

数多「……」

ヴェーラ「あの~……」ダラー

数多「……」

ヴェーラ「……」ダラダラ

数多「……最後に言い残す事はあるか?」

ヴェーラ「……」

数多「……」


ヴェーラ「即、逃げる!」ダッ!

数多「はーいそれが遺言で決定だな」ガシィ

ヴェーラ「すみませんごめんなさい申し訳ありません許してくださいー!」ガタガタ

数多「安心しろ、例えテメェがどれだけ使えねぇ部下だったとしても最後くらいは役に立つチャンスをくれてやっからよ」ズルズル

ヴェーラ「隊長! 私の記憶が間違っていなければそこの部屋は実験室では!?」

数多「さーて、テメェはどんな能力が発現すんのかなっと」ズルズル

ヴェーラ「開発する気ですか!? 私もう19ですから面白い結果なんか出ませんよ!」ジタバタ!

数多「なーに言ってんだよ、能力開発なんて言うのはマトモな頭ァ薬品とか電気ショックやらでグッチャグチャに掻きまわして行うモンだ」

数多「しっかりした人格が形成されてたって能力が発現しないとは限らねえだろ?」

ヴェーラ「私が言いたいのはそこじゃないですよー!」ジタバタ!
                                  こわ
数多「何か珍しい能力発現するかもしんねーから黙って開発されてろ。大丈夫だ、オレの開発ならいきなりレベル3は確実だからよ」ケラケラ

ヴェーラ「今発音がおかしくなかったですか!? 確実に壊すって言いましたよね!?」ガタガタ

数多「黙らねえと殺すぞ」

ヴェーラ「どっちにしても助からないよぉ!」ウワーン!


病理「さて、そろそろ本気で止めないといけませんね」ウィーン ガシィ

数多「テメ、病理! 車椅子使ってんじゃねぇぞゴラァ!」グググ…

病理「ヴェーラさん、立てますかー?」

ヴェーラ「は、はい……! 病理さん、ありがとうございます~……」ホッ

乱数「安心してるとこ悪いんですけど、ちょぉっと質問させてもらえますかねえ?」

ヴェーラ「ひっ―――! す、すみません、きちんとこの子の面倒を見れなくて!」バッ

乱数「まあ起きちまった事をぐちぐちと文句を言ってもしゃーねえし、どうせ後で数多からこってり絞られるだろうからオレからは何も言わねーよ」

ヴェーラ「あ、ありがとうございます……ふふ、そうだ、これはその場しのぎだ……ふふふ……」ズーン

病理「せめて上げてから落としてくださいよ」

乱数「イヤだ。それよりヴェーラ、あのガキに能力使われたんだよな?」

ヴェーラ「は、はいそうです! 「お姉ちゃんはここで待ってて」と言われたと思ったら一瞬意識が飛んで、気がついたら周りに誰もいなくて……」


乱数「能力使われてから解除されるまで大体何秒ほどか分かるか?」

ヴェーラ「えっと、恐らくは5秒位かと……気付いたときのあの子との距離を考えたらそれくらいかと」

乱数「5秒か、もう少し配合を弄くった方がいいか……?」ブツブツ

ヴェーラ「乱数博士?」

乱数「イヤ、何でもねえ。数多の機嫌はどうにかしとくからさっさとロビーに戻れ」

ヴェーラ「わ、分かりました! それでは失礼します! 申し訳ありませんでした隊長ー!」ダッ

病理「脱兎のごとく逃げましたね」

数多「チッ、後で覚えてろよアイツ……」

乱数「まさかクソガキが能力使ってくるとは思わなかったんだろ、勘弁してやれよ」

数多「お咎め無しかよさっすが乱数クンやっさしー☆」

病理「さっきの会話、彼女の頭に特定の電気信号を発して洗脳を解く科学物質を仕込んでおいたんですね? 抜け目がないですねえ☆」

乱数「やっべ、まじやっべ、殺してえわマジでコイツら」イラッ


病理「私たちよりその子に構ってあげた方が良いんじゃないですか乱数くん?」

???「乱数くぅん……」ジー

乱数「ハァ……とりあえずこっちに来い。来ちまったモンはしょうがねえ、アイツらに紹介してやるよ」コイコイ

???「!!」パァァ

???「うんっ!」トテテテ ポスン

乱数「ナチュラルに膝の上に座ってんじゃねーよクソガキ! 離れろ!」グイグイ!

???「やー! おひざのうえがいいのぉ!!」ギュウウ

乱数「鬱陶しいんだよいいから離れろクソガキ……!」グググ…

???「い~や~……!!」グググ…

病理「一方通行ー、沈利ちゃーん、こっちで面白いものがみれますよ~」ニヤニヤ

乱数「テメ、病理……っ!!」グル

???「すきあり!」ドゴォ

乱数「ゴフッ――――!!」


一方通行「な、なンだよ病理ちゃン、大声で呼ンで」タタタ

沈利「あれ? その子だれ?」トテテ

数多「乱数んトコのガキだ。コイツの研究に色々と役に立つってことで去年から世話してるらしい」

病理「ほら乱数くん。いつまでもおなか押さえてないでこの子を二人に紹介してあげてください」

乱数「ガキが邪魔で腹なんか押さえられねえっつぅの……!」ビキビキ

???「ごめんね乱数くん、だいじょうぶぅ?」サスサス

乱数「心配するならさっさと膝の上から降りてくれませんかねえ?」

???「や!」ギュウウ

乱数「駄目だこりゃ、チクショウ……」

一方通行「なァなァ乱数くン、その子名前なンて言うンだ?」

乱数「ほらクソガキ、さっさと自己紹介しろ」

???「むぅ~……」プクー

乱数「何だよその膨れっ面」


病理「乱数くんは分かってないですね~」ヤレヤレ

乱数「ハァ? どういう事だよ」

病理「乱数くんから自分のことを紹介してほしいんですよこの子は」ヨシヨシ

???「えへへー」ニコニコ

沈利「か、かわいい……」キュン

一p数多「言わせねえぞ?」

一方通行「木原くンのケチー!」ウガー

乱数「オレの口から紹介って何でだよ?」

病理「ふっふっふー、それは紹介してから教えてあげます」フフン

乱数「うわその顔スッゲームカつくんですけど?」イラッ

数多「どうせコイツの事だからメロドラマでも見せて仕込んだんだろ」

病理「な、何のことですか? 私にはさっぱりですねー」ピュピュー


乱数「アーそう言うことか……」ジー

???「?」ワクワク

乱数「……オレの専攻は世界平和ってやつでよ、簡単に言っちまえば特定の共通条件下による人種差別などが発生しない状態を研究してるわけだ」

乱数「そういう研究だから当然脳科学にも精通する必要があったわけで、そんな時に出会ったのがコイツだった」

沈利「すごい研究をしてるのね」キラキラ

一方通行「乱数くンもスッゲー一流の研究者だからな」キラキラ

乱数「コイツの能力は精神に関する能力なら何でも使える精神系能力ではまさに最高の能力の持ち主だった。順調に成長すればレベル5は間違いない」

乱数「そんなモルモットとしちゃ申し分ない素質を持ってるからオレはコイツを引き抜いてうちの研究所で面倒見ることになったんだ」

数多「話引き伸ばしてねえでさっさと紹介しろよ」ニヤニヤ

乱数「後で殺す。で、コイツの能力名は心理掌握(メンタルアウト)、名前は食蜂操祈っつーんだ。まあ仲良くしてやれ」

操祈「むぅ~……」ジー

乱数「そんな目で見てもこれ以上言う事はねーよ」

操祈「乱数くんのけち!」

乱数「病理、後で面ァ貸せ」ビキビキ

病理「だがことわr「テメーのDVDコレクション叩き割るぞ」すみませんそれだけは勘弁してください!」ウワーン!


乱数「ハァ……オイクソガキ」

操祈「なぁにぃ……?」ムスー

乱数「オレの見立てじゃオマエ以上の精神系能力者はこの先現われねーよ」

操祈「?」キョトン

乱数「……俺の研究に都合のいいモルモットはテメー以外いねぇから誇りに思えってこった」

操祈「え……?」

乱数「話は終いだ。ホラ、さっさと降りろ」シッシッ

操祈「――――乱数くぅぅぅぅぅんっ!!」ギュウウウウ!!

乱数「だあああああっ! しがみつくんじゃねえ!」

数多「おーおー、お暑いこって」ニタニタ

病理「お似合いですよ二人ともー」ニヤニヤ

乱数「」ブチッ

病理「あ、あれ?」ビクッ

数多「マジ切れ……?」アトズサリ


乱数「くき。くきき」

一方通行「!! 逃げるぞ沈利!」ガシッ

沈利「え? ちょ、ちょっと一方通行、一体なに―――」







乱数「くかきけこかかきくけききこかかきくここくけけけこきくかくけけこかくけきかこけききくくくききかきくこくくけくかきくこけくけくきくきくきこきかかか―――――ッ!!」







沈利「―――っ!?」ビクゥ

数多「お、落ち着け乱数! ちっと悪ふざけしすぎた!」

病理「ですから少し冷静になって話し合いを――――」




シュウウウウウウ―――――




数多「ギャアアアア! 白衣が燃えたああああああああ!!!」メラメラ

病理「熱い! 車椅子が焼けた鉄板みたいにぃぃぃぃぃっ?!」ジュウウウ

乱数「テメェら全員灰にしてやるよオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!!」



ギャーギャー!! ニゲテンジャネェゾゴルァアアアア!! ヤメロォ! タスケテー!!




沈利「ね、ねえ一方通行……? 一体なにが起きてるの?」ボーゼン

一方通行「乱数くンは科学物質を取り扱うのが「木原」の中でも突出してるンだ……」ガクガク

一方通行「乱数くンが前にオレを仕事に連れて行ってくれたときにスキルアウトに襲われた事があってよォ……」ガクガク

一方通行「ハッキリ言えばオレ一人でどォとでもなる連中だったンだけど、その内の一人が乱数くンの研究レポート台無しにしちまって……」ガクガク

沈利「ど、どうなったの……?」

一方通行「……人間バルーン……」ボソッ

沈利「へ?」

一方通行「違うンだ……あのフライングヒューマンはなンの関係もないンだ……アイツらは今も学園都市のどこかで平和に暮らしてるはずなンだ……」ガタガタ

沈利「理論のりの字も分かんないわ……」チラ



ユカガ!ユカガプリンミタイニィィィ!? ダメダ、コレイジョウニゲバガネエ! カクゴハデキタカテメェラアアアアア!!




沈利「―――この中で一番おっかないのは乱数さんなのね」

一方通行「イヤ、「木原」に一番はねェ……病理ちゃンだってキレたらかなりおっかねェンだ……」ガクガク

沈利「病理さんも? 想像がつかないわね……」

一方通行「でも木原くンの方がもっと怖いです」

沈利「もうわけがわからないわ……」

操祈「ねぇねぇ」クイクイ

沈利「あ、ど、どうしたの操祈ちゃん? (操祈ちゃんのこと忘れてた……)」

操祈「おねえちゃんとおにいちゃんのなまえはなんていうのぉ?」

沈利「あ、そういえば自己紹介まだだったわね。わたしは麦野沈利よ」ニコッ

一方通行「病理ちゃンが呼ンでたけどな。オレは一方通行だ、ヨロシク」

操祈「しずり……あくせられーた……」ブツブツ

一方・沈利「?」

操祈「―――しーちゃんとあーくん!」ニパー


沈利「何このかわいい生き物」キュン

一方通行「父性か? これが父性ってヤツなのか?」キュン

操祈「しーちゃん、あーくん、よろしくねぇ~」ギュウウウ

沈利「パパ、ママ、わたし、妹が出来ました」キュウウウウン

一方通行「えーとカメラカメラ……」ゴソゴソ









???「おやおや、随分と賑やかだが、またあの三人が騒いでいるのかな?」









沈利「? えっと、どちら様ですか?」

???「おや? お嬢ちゃん達は初めて見る顔だね。成る程、それで足止めされたわけか」フムフム

???「新しい子が来たのなら一言言ってくれてもいいのに、全くあの子達は私に何も伝えんから本当に困ったものだ」ハァ

一方通行「!? こ、この声は―――!」バッ!

???「ほぉ一方通行までいるのか。久しぶりだね、こうして会うのは二ヶ月ぶりだ」ニッコリ

一方通行「お――――」

???「さて、とりあえずはあの三人を止めてくるとしよう。子供達、少し待ってなさい」スタスタ


乱数「――――ちょこまかと避けてんじゃねえぞクソッタレがァッ!」ブワァァァ

数多「くそっ! このままじゃ埒があかねえ!」

病理「まずいですよ数多くん! あの子特製の物質散布してるのに全く作用してません!」

数多「的確にばら撒く化学物質を取捨選択してやがる! めんどくせ―――っ!?」ビタッ!

病理「どうしたんですか数多くん! 今止まったら乱数くんの餌食に―――っ!?」ギョッ!

乱数「オイ、オイオイオイオイいきなり立ち止まってどーしちゃったんですかあ!? 今更謝ったって遅ェ―――」










???「実に楽しそうだなぁ三人とも。どれ、私も混ぜてはくれないかな?」










乱数「!?!!?!??!!!?」ビクゥ

病理「あ、ああ、あああああ……」ガタガタガタ

数多「な、なんでテメェがここに来てやがる――――」









数多「幻生のじじいいいいいいいいいいいっっっ!!!??」

一方通行「おじいちゃァァァァァァン!?」








幻生「顔を出すのは一ヶ月ぶりだったねえ。とりあえずそこに座りなさい三人とも」ニィィ





うん、途中加筆したところ見事なまでにグダグダだった。
短いけどとりあえずこれで今日の投下は終了! の、筈でしたが!
自分今日は7時半まで起きていられるので書き溜めが進んだらまた投下しに来るかもしれません。
次の投下はなんかぶっ飛んでなくて「木原」を題材にするには物足りない回なんだよなぁ……ま、いいか。


・本日の木原紹介



木原乱数
「体感」を司る木原一族でスタンダードな「木原」。一族内でのランキングは中の下。
(尚、このss内でのランキングの基準は被検体の破壊数、どれだけ他の分野に精通しているか、他の分野に影響を及ぼすかがポイント)
週一で新しい化学物質を作るというトンデモ科学者。しかし大半が特に使い道のない物質なので評価は低い。
キレた時の周囲への被害は木原一ィィィ!!

薬味久子は俺の嫁。どうも<<1です。

最初の投下は多めだったけど今は20レス以下が限界だなぁ、書き溜め残しながらやるには。
とりあえず今日のでプロローグ的なのはお終いになります。
早くシスコンと天使二号出したいなあ……







あと、今更どうでもいいけどびょうりんはセーラー服着用です。理由は最後で。


木原(ヤングs)「」チーン

幻生「やれやれ、久しぶりに顔を見せたらいきなり問題を起こすとは、相変わらず元気一杯だねえこの子達は」フッ

沈利(すっごくさわやかな笑顔してるけど今やった事は口にするのも憚られるほどおぞましいものだったわ……)ブルブル

幻生「おっと自己紹介が遅れたね。私は木原幻生と言うんだ。よろしく頼むよ、お嬢ちゃん達」ニコニコ

沈利「あ、わたしは麦野沈利って言います!」ペコリ

操祈「しょくほうみさきですぅ……」ジー

幻生「おやおや、操祈ちゃんはちょっと大人しそうだねえ? ほぉら、おじいちゃんは怖くないよ~?」ヨシヨシ

操祈「みゅぅ~……」ニヘラ

沈利(あっという間に落ちたわね操祈ちゃん……でも、油断は出来ないわよね、一方通行は一体どういう反応を―――)

一方通行「おじいちゃン久しぶりィ! すっごく会いたかったンだぜェ!?」ギュウウ

幻生「はっはっは、相変わらず甘えん坊だなあ一方通行は。この可愛いやつめ~」ウリウリ

一方通行「うあ~視界が揺れるゥ~」キャッキャッ

沈利「すっごく懐いてるー!?」ガーン


幻生「やっぱり警戒されてたか」ハハハ

沈利「え? あ、いや、その、ごめんなさい……」シュン

幻生「ふむ、警戒心をどう解いてあげようか思案してたが、どうやら一方通行の様子にかなり影響されるようだねえ。この子が好きなのかな?」ニヤニヤ

沈利「ふぇっ!? あ、その……はい」カァァ

幻生「そうかそうか、一方通行は良いお嫁さんを見つけたねえ」ナデナデ

一方通行「お!?」ボンッ

沈利「お嫁さ……っ!?」シュウウウ

幻生「おっとこういうのはもう少し大きくなってからした方が良い話題だったかな?」ニヤニヤ

沈利(うん、やっぱりこの人「木原」なんだ。よーっく分かった)プルプル



ウーン、アクマガ、アクマガクルゥ…… カラダガオメェ、チクショウ…… チッタアテカゲンシロッツーノアノクソジジイ……


幻生「どうやら三人とも目が覚めたようだ。一方通行、操祈ちゃん」

一方通行「ン? 何だァ?」

幻生「少しお仕置きがキツかったかもしれないから、三人の具合を見てあげてくれないかな?」

一方通行「うン! 分かった!」タタタ

操祈「はぁーい!!」トテテ


ダイジョウブカサンニントモー ランスウクンドコカイタイトコロアルゥ? 


沈利「……元気ねえ二人とも」

幻生「子供はアレぐらい元気なのが一番でしょ」ハッハッハ

沈利「ふーん……(気まずい……どうして二人を離したのかしら……もしかしてわたしの態度が気に入らなかったからお仕置きとか……)」


幻生「……ありがとう、沈利ちゃん」ポン

沈利「ん……はい?」

幻生「あの子と仲良くしてくれて、本当にありがとう」

幻生「一方通行はとても不憫な子だ、学園都市に来て能力を発現させて以来、あの子の周りは敵だらけだった」

沈利「…………」

幻生「あの子が学園都市に入って能力を発現させると、ご両親は行方を眩ませてしまってねえ」

幻生「それからは彼の能力を発現させた数多と私達で一生懸命育てた。それはそれは大事に育てたよ。数多以外は」

幻生「とても優しい子に育ってくれたのに、周りの大人は「一方通行」という規格外の能力でしかあの子を認めようとはしなかった」

沈利(そういえば、特力研に来たとき、わたしとは比べようがないほど周りからの視線が冷たかったような……)

幻生「そんな時、数多は「一方通行」をぜひ研究に使わせて欲しいと申し込んできた特力研に、あの子を引き渡す事をあっさりと承諾してしまっていた」

幻生「あの時は私と病理、今この場にはいないが他の木原達も数多を責め立てた。「あんな狂人達のところにどうして預けてしまったんだ!」とね」


沈利「……」

幻生「お前が言うなって突っ込まないのかい?」

沈利「え!? 今のボケだったの!?」

幻生「もちろんじゃないか。私に預けるならともかく、たかだか特力研くらいで取り乱したりはしないよ」ハッハッハ

沈利「ほんときはらってこわい」ビクビク

幻生「まあそんなわけであの子は特力研に送られることが決定した。一方通行も最初は行きたくない、数多と離れたくないと駄々をこねていた」

幻生「だが最終的にはあの子は納得して自分から特力研に入ると言い出した。あの時はそれはそれは驚いたよ」

沈利「どうして、一方通行は入る気になったの?」

幻生「それはね、君が居たからさ。沈利ちゃん」

沈利「え? わたし……? どういう事……?」


幻生「君の能力――粒機波形高速砲だったかな? それはかなり強力で危険な能力だ。学園都市の闇も恐れるほどのね」

沈利「…………」

幻生「レベル5相当の力を持った君は特力研でもかなり浮いた存在だったでしょ。周りからはいつだって負の感情しか向けられない」

幻生「いつ暴れて自分達を消し去るか分からない“化物”として扱われていたんじゃないかな?」

沈利「―――っ!」ギリ

幻生「数多はそこに目をつけた」

沈利「―――は……?」

幻生「強すぎる力ゆえの孤独、誰からも愛情を向けられない環境、「こいつは使える」と数多は思った―――」










幻生「―――この子なら、一方通行にとって大事な“なにか”になってくれるかも、とね」








沈利「……わたしが、一方通行の……?」

幻生「さっきも言った通り、あの子は私達「木原」以外からは常にモルモットとしてしか扱われなかった」

幻生「そのせいで、彼は私達以外には心を開かなくなってしまっていたんだよ」

沈利「あの、一方通行が、心を……?」

幻生「私達はそれでもいいと思っていた。自分達「木原」にはあまりにも眩し過ぎる“光”だった彼をこの街の腐った大人達に渡したくない、他の誰の目にも触れさせたくない」

幻生「今にして思えば自分勝手な独占欲で一方通行を守ろうと思っていたんだ。それで、あの子が救われる訳はないというのに……」

沈利「幻生さん……」

幻生「そんな時に数多があの子を特力研へ入れる事を決めた。私達は数多に問うた、『なぜ一方通行を手放した』とね。そうしたらアイツ、なんて言ったと思う?」

沈利「え? いや、えぇっと……」ウーン

幻生「答えはね、いたってシンプルだったよ」
















『あのツラ見てるとムカつくんだよ』















沈利「……それだけ?」

幻生「それだけ」

沈利「……」ジー

幻生「おやおや何か不満でも?」

沈利「ないと思う?」

幻生「いや? 普通はそういう反応だろうねえ、だが私達はそれで納得がいったよ」

沈利「どうして? わたしにはさっぱり分からないんだけど……」

幻生「君はまだ数多とは付き合いと言える物は皆無だからいまいちピンと来ないだろうね。まあ、いずれ分かるでしょ」

沈利「ちょ、ちょっと! 教えてくれないの!?」

幻生「語るのは野暮ってものだよ。どうしても知りたかったら、その子に聞きなさい」チラ

沈利「?」クルリ

一方通行「……」

沈利「ア、一方通行!? いつの間に……」

一方通行「今聞いたばっかだ。でも、なにを話してたのかは大体分かる」

沈利「あ、その……えっとね……?」シドロモドロ


一方通行「別に慌てるような事でもねェだろ? オレみたいに扱われてる奴なンざ探せばごまンと居るだろォしな」

沈利「一方通行……」

一方通行「聞きたいか?」

沈利「え?」

一方通行「木原くンがオレを特力研に入れた理由、どうして沈利が居たからオレを入れようと思ったのか、知りたいか?」

沈利「……うん」

幻生「大まかな事情は知っているが細かいところまでは私も知らないねえ。一緒に聞いてもいいかな?」

一方通行「構わねェよ。隠すもンでもねェし」

一方通行「木原くンに特力研に行けって言われたとき、オレは当然それを拒ンだ。そしたら木原くンが――――」




――
――――
―――――



『イヤだ! 絶対あンなところに行かねェ! ここで木原くンたちとずっと一緒に居るンだ!』

『文句言ってんじゃねえぞクソガキ! もうこれは確定事項なんだよ! 黙って言う事聞きやがれ!』

『木原くンはオレの事嫌いなのか!? オレが特力研のやつらに酷い目に合わされてもいいのかよ!』

『はあああ? なーに的外れな事言ってんだテメェ? 俺が実験動物(モルモット)相手にんな殊勝な感情抱くとでも思ってんのか?』

『……っ、じゃァ、オレの事なンて……どォでもいいンだな』

『うわぁ……何コイツ、すっごく面倒くせぇ……この手の質問って答えたら答えた分だけ面倒くさいやり取りが続くだけだろ……』

『……オイクソガキ、少し俺の話を聞け。それから特力研行くか決めろ』

『……はァ? なンだよそれ。そんなのぜってェ行かねェに決まってンだろ』

『いーから聞け。なあ、一方通行、前に一度特力研に連れて行ったことがあったよな?』

『あー、確か去年オレの時間割(カリキュラム)で一回だけ協力してもらったンだっけか?』

『そうだ。その時に少しばかり気になるモンを見かけてな』

『気になるもの?』



『なあ、あの研究所に一人だけ、周りとは距離を置いてる――いや、距離を置かれてるガキが居たのを覚えてるか?』

『一人だけ……あ。研究所の隅の方でオレ達を見つめてた子がいたような……その子がどうしたンだ?』

『ムカつく』

『……は?』

『テメェのその顔見てるとイライラする』

『いきなりなンだよ? 研究所に居る子はどこいった?』

『あのガキも全く同じツラァしてやがんだよ』

『それで?』

『何とかしてこい』

『……ごめン、何言ってるかさっぱり理解できねェンだけど』

『テメェ一人だけでも腹が立って仕方がねえってのに他所に同じツラ浮かべてるガキがいたら不快で不快でたまらねえ。だからあんガキどうにかしてこい』

『いや、別に気にしなければいいだけの話だろ? そもそもそれは去年の話だろ? 何で今更――――』



『居たんだよ』

『居た?』
                                                    つら
『この前特力研に行った時、あのガキがまだ居やがったんだ。あの時と全く変わらねえ表情でな』

『あの、表情で……』

『気になるか? そりゃー気になるよな。アイツの顔は昔のテメェとソックリだからな』








『孤独』








『……っ』











『……なあ一方通行。あのガキ、助けたくねえか?』

『え――――?』

『テメェも気付いてるだろーが、アイツはかなり高位の能力者だ。恐らくテメェと同程度のな。だとしたらあそこでのアイツの扱いも理解できんだろ?』

『…………』

『別にイヤならいーんだ。それならテメェをあんな無能な連中に引き渡す理由もねーしな。良かったじゃねーか、これでお前はこの研究所に残れるぞ』

『…………』

『お前の言う通り、オレが気にしなけりゃいいだけなんだよな。あのガキはあのガキで何とかすんだろ』

『うっし! これでこの話は終いだな。病理達がうるせーからさっさと伝えるとするか。一方通行は特力研に行かねーって――――』

『……なぁ、木原くン』

『ア? どーしたよクソガキ』

『オレ……特力研に行く』

『どういった心境の変化だ? オレはもう別に強制なんてしてねーぞ?』



『……ぃンだ』

『ああ?』

『助けたいンだ。あの子を』

『……テメェがあのガキを助けて何のメリットがある? どころか、あのガキと関わったせいで不要な恨みを買うかもしれねーんだぞ?』

『――――チャンスなンだ』

『チャンスゥ……?』



『……オレは今まで逃げて来た。周りから向けられる悪意から、周りに存在する恐怖から』


『木原くンや病理ちゃン達に守られて、オレはその優しさに甘えてずっと全てから目を背けてきた』


『でも、それじゃあ駄目なンだ』


『いつまでも目を背けてたら、いつまでも現実と向き合わなかったら、何も変わらねえンだ』


『自分から変えていかなくちゃいけねえンだ! このクソッタレな世界を! 自分に向けられる悪意を!』


『今まで甘やかされて守られてきたガキの戯言かもしンねェ。誰にも救いの手を差し伸べなかったクソッタレが何を今更善人気取ってンだとか言われるかもしンねェ』


『それでも! 例えオレがどれ程のクズでも!』


『これ以上近くで悲しンでる奴を見て見ぬ振りして良い筈がねえンだ! オレだって誰かを助けてやって良いンだ!』



『…………』

『だからオレは特力研に行く。行かせてくれ、木原くン』

『……クソガキが。言いてえ事がうまく纏まってなくてちぐはぐな印象しか受けなかったぞ。そんなんで特力研の奴ら相手にできんのかよ?』

『う……そこはがンばる……』

『随分と頼りねェな~。ま、あのクソガキが腹立つ表情やめるよう、精々頑張れよ一方通行』

『―――! オオ! 任せてくれよ木原くン!』

『期待しないで待ってるぜ。上手くいったら特別にご褒美をやるからな』

『何ニヤニヤしてンだよ、ご褒美って?』

『テメェが大喜びする一生モンだ。ま、あのクソガキの事、任せたぞ』


――――
―――
――




一方通行「―――それでオレは特力研に入ったんだ」

沈利「……そんなことが、あったんだ」

幻生「成る程、それであんなに騒がしかった君が大人しく特力研に入ったわけか」フム

一方通行「最初は沈利の事を笑顔にしたらそれでいいと思ってた。そうすればオレ自身何かが変わるンじゃねェか、って」

一方通行「でも沈利と一緒に過ごしているうちに、沈利を笑顔にするだけじゃなくて、沈利ともっと居たいって思うようになって……」

幻生「惚れたんだね?」

一方通行「……うン」カァァ

沈利「うぅ~……」カァァァ

幻生「それからしばらくして研究所を抜け出して今に至るって事だね?」

沈利「正確には壊滅だけど……」

幻生「おや? 特力研はもう無いって事かな?」チッ

沈利「なにその自分が壊したかったって顔」

幻生「親戚の木原から新しい義体の試験運転用モルモットを紹介して欲しいと頼まれていたのに……」クッ

沈利「それにしても木原さんって実は優しい人だったのね。落ち込んでるわたしを元気つけて来いだなんてさ」←話題を逸らした


幻生「そういう子だからね数多は」

一方通行「本人に自覚はないらしいけどな」

沈利「な~んちゃっ―――え?」

幻生「特力研から依頼された時はきっと待ってましたと言わんばかりにオーケーしたんだと思うねえ」

一方通行「今にして思えばホント下っ手くそな話題の振り方だったと思うなァ」

幻生「沈利ちゃんの事気になって気になって仕方がないのが丸分かりだ。本当に、いい父親になれるよあの子は」

一方通行「ついさっきの出来事だけど、木原くンってば沈利の顔を見たとき少し口元ゆるンでたンだよ」

幻生「想像でき過ぎて恐ろしいね。そのあと君の頭を撫でてくれたでしょ?」

一方通行「うン。スッゲェぶっきら棒に『やればできんじゃねえか』って言われたぜ?」

幻生「もっと素直に人を褒められないものかねえ全く……」アキレ

一方通行「その後の木原くン活き活きしてたなァ。逃げる研究員達をとっ捕まえてさ―――」ペチャクチャ

幻生「ほうほうそんな事まで―――」ペチャクチャ



ソコデキハラクンガキョニュウノネエチャントコウロンニナッテ アノコハシンシナタイオウガデキナイナアホントニ




沈利「……」










『木原くン! もうアンチスキルが近くまで来ちまってるぜ!?』

『チッ、無能共にしちゃ随分と手際がいいじゃねえか……ホラ、何ボーっとしてやがる? さっさと来い』

『え……?』

『テメェがいねーとあのクソガキがギャーギャー喚いて研究所に帰りたがらねぇんだよ。いいからさっさと来い』

『い、いいの……? わたし、危ないわよ?』

『は? 危ない? 何が?』

『ほら、見たでしょ? わたしの能力……』

『へーアレって危ないんだー、それは気をつけないとなー。んなこと別にどうでもいいっつってんだろ』













『テメェみてーなクソガキが一人や二人増えたって、俺は別にどうもしねーよ』











沈利「……」クル


数多「あー、やっと腕の感覚が戻ってきた……」グッグッ

乱数「相変わらず滅茶苦茶なジジイだなクッソ……」フラフラ

病理「さっきまで異空間形成してた人にだけは言われたくないと思いますよ……私の車椅子……」グスン

操祈「乱数くぅん、つうかくしゃだんするぅ?」ギュゥゥ

乱数「別にいらねーよ。ってか抱きつくな鬱陶しい」




トテトテトテ




数多「アア?」

沈利「……」ジー

数多「何だよクソガキ、一方通行ならアッチだろ。なーに人様の顔睨みつけてんだよ」

沈利「……」ジー

数多「……オイ、ケンカ売ってんのか? 上等だ、ヤんならかかってきやが―――」









ギュウウウウ!








数多「――――れ?」

沈利「……」ギュウウ

病理「あらあら? あらー?」ニコニコ

乱数「プッ、くくく……」ニタニタ

数多「後で殺す。オイ、クソガキ、一体何のマネだ? 言っとくがオレにはガキに引っ付かれて喜ぶ趣味はねーぞ?」

沈利「……ありがと」ボソッ

数多「……ああ?」

沈利「―――」ニコッ














沈利「これからよろしくね、木原くん!」








数多「……はァああああああああああああああああああああああああ!?」










・おまけ



病理「それにしてもどうしましょうか、私の車椅子……」ジー

一方通行「とりあえず猟犬部隊の皆に預けとくか?」

病理「そうですねえ、それじゃそうしましょうか」

一方通行「そンじゃ車椅子運ンでくるな」ヨイショ

病理「よろしくお願いしますね~」ヒラヒラ

数多「いや何ガキに運ばせてんだよ。テメェがやれ」

病理「立ち歩けない人に失礼な事を言いますね数多くんは」ヤレヤレ

沈利「病理さんって足が悪いの?」

病理「そうなんですよ……あれは聞くも涙語るも涙の―――」

数多「テメェ普通に歩けるだろうが。楽してんじゃねえよ車椅子考えたやつに謝れ」

沈利「え? 歩けるの? どこも悪くないの?」

乱数「しいて言うなら頭が悪い」

病理「紙の束で殴り倒しますよ」


沈利「歩けるならなんで車椅子に乗ってるの?」

病理「病理さんはー『諦め』のプロなんでーす。一昨年くらいからもう自分の足で立つのを諦めました」

幻生「何も頑張っていないのに諦められるんだから凄い物だよ」ハハハ

乱数「笑い事じゃないんですけど」

幻生「それはそうと何時まで床の上に座っているつもりなのかな? ほら、きちんと座りなさい」パンパン

数多「急に仕切るなよクソジジイ」スクッ

乱数「おい、なんかやけに静かだと思ったらクソガキ俺にしがみ付いたまま眠ってるんですけど?」ヨロッ

操祈「んぅ~……らんすうくぅん……むにゃ」zzz

幻生「微笑ましくていいじゃないか」ハッハッハ

病理「……」

数多「おいどうした病理、さっさと席に着けよ」

病理「起こしてください」

数多「死ね」イラッ


病理「お願いしますよ~。もう半年以上も歩いていませんから足が言う事聞いてくれないんですよ」

数多「ならテメェだけ地べたに這いつくばってろよ」

病理「冷たいですねえ。ま、一方通行が帰ってきたら起こしてくれますし、別にいいですよーだ」フフン

乱数「得意気になれる理由がさっぱり浮かばねえ」

数多「―――はぁ……分かったよ、起こしゃいいんだろ起こしゃ」ハア

病理「さすが数多くん、一方通行が絡むと本当に甘いですね☆」

数多「減らず口たたいてんじゃねえよ、ほら」スッ

病理「きゃ、数多くんに手を差し伸べて貰えるなんて、私ってついてますね」スッ

数多「おいおい、何で片方だけなんだよ?」

病理「へ?」

数多「両手出せ、ほれ」

病理「こ、こうですか?」スッ


数多「そうそう」グルリ

病理「数多くん? どうして私の両手を首に回してるんですか?」

数多「万が一落としたら面倒くせえだろーが」スッ

病理「あ、数多くん? 肩と足に手を回して、まさか―――」

数多「あらよっと」ヒョイ

病理「きゃ―――っ」

沈利「え? こ、これって……!」カアア

乱数「おー、さすが数多」ニヤニヤ

幻生「やってくれたね」ニヤニヤ


病理「――――」 ←何が起きたか理解してない

病理「――――」チラ ←地面確認

病理「――――」クル ←数多の方に向き直る

病理「~~~~~っ!? あ、ああ、あ数多くくくんのか、かか顔、ち、近……っ!?」カァァァァァァ!

数多「やっぱ思ってたとおり軽いなーお前。少しは運動しろよ」ジー

病理「ゃ、み、見つめないでくださいよぉ……」プシュウウウ

数多「へいへい、それより病理」

病理「ふ、ふぁいっ!? な、ななな何ですか?!」ビクゥ

数多「もうソファに下ろすから、首に回した手を離していいぞ」

病理「あ……はい、分かりました……」シュン

数多「なに暗い顔してんだよテメェは……」スッ








ギュウウウ―――






数多「―――ア?」

病理「―――へ?」

乱数「~~~~~っ!!!」プルプル

幻生「ほっほう」ニタニタ

沈利「びょ、病理さん……?」

数多「……おいコラ病理、これァ一体どういうつもりだ?」

病理「ちょ、ちょっと待ってください! い、今ちゃんと離しますから……」ググ…










ギュウウウウウ!








病理「」

乱数「ぶはっ! ギャハハハハハハハハ!! どんだけ甘えっ子ですかあ病理ちゃんんんんんん!?」ゲラゲラ

幻生「もはや無意識レベルで数多に抱きつくとは……成長したんだね病理」ホロリ

病理「ち、ちちちち違います! こ、これは……そう! きっと操祈ちゃんが―――」

操祈「ふみゅっ……?」パチクリ

乱数「あー起きちまったメンドクセェ……」ハア

操祈「むー……」ボー

幻生「まだ寝惚けているみたいだね」クスクス

操祈「――――?」ジー

病理「あはは……(なんでしょう、物凄くいやな予感が……)」ダラダラ











操祈「……あー! びーちゃん木原くんにおひめさまだっこしてもらってるー!」ビシィ!

病理「きゃあああああああ!! 口に出さないでくださいいいいいいいいっ!!!」カァァァァァ!








結局木原病理は一方通行が帰ってくるまで木原数多にお姫様抱っこされていたという―――
















数多「――――え? オレ巻き添え?」

その時目立った木原を紹介しようと思ったけど何時までたっても活躍する目処が立たないので簡単な部分を先に紹介。


・本日の木原紹介




木原病理
「諦め」を司る木原一族。一族内のランキングは下の上。理由は木原くンに夢中でまともに研究していないため。
高校を中退しようとしたが幻生さんに怒られて仕方なく在学(通う気は0なので休学状態)している現役女子高生。
車椅子に座っているため正面から見ると魅惑の絶対領域が一望できます(シスコンメルヘン談)

大好きな数多くんに注意されたため、パジャマ姿での外出は控えている。



木原幻生
コミックの9巻が出たら設定考えますのでお待ちを。


木原くン爆発しろ、というコメはお控え下さい。びょうりん泣いちゃうので。

あと帰ってきた一方通行の目に映ったのは長くすらりと伸びたしみ一つない白いおみ足と絶対領域の中身だったそうです。爆発しr(このコメントは原子崩しされました)

やべェよ、この後の書き溜め研究所編終わるまでどことなく不穏な空気が漂っちまうよ、さすが木原一族(数多)
次回投下分はギャグだけどその次は木原くンがシリアス入っちゃってるよ。誰も求めてないってェーの!

明々後日の金曜日にお会いしましょう。<<119の一方通行ェ……

×<< ○>> ←油断するとすぐこれだ!

ちょっと確認です。これからの投下は木原くンがシリアス入っちゃって若干個人的にスレチな展開になっているので、病理さんみたいにおまけでお茶を濁したいのですが、以下のどれを書いたら良いか意見をください。
(全部書きますが、明日の投下のおまけにはどれが良いか)

1.その頃シスコンメルヘンは

2.天使2号とお姉ちゃん

3.覗き見! 円周ちゃんの監禁生活~みんな幼女が大好きです~


タイトルと大まかな内容しか決まっていませんがご意見お待ちしております。

薬味久子とにゃんにゃんしたい。どうも>>1です。
思った以上に書き込みがあって超嬉しいけどおかげで登場予定のなかったシスコンメルヘンを後々ぶち込まないと
いけなくなっちった。
ほんの軽い気持ちだったのに……2、3レス書けばいいやと思ってたのに10レスになっちった。
あれ、大した量なくね?





操祈「―――それでねぇ、乱数くんがこうちゃにおさとうをいれてくれてねぇ」キャッキャッ

沈利「へえ、やっぱり乱数さんって良い人なのね」キャッキャッ

一方通行「乱数くンって意外と面倒見が良いンだよ。昔オレが一人で公園で遊ンでた時もさ―――」キャッキャッ



ワイワイガヤガヤ



数多「……」

幻生「ニヤニヤ」

乱数「ニタニタ」

病理「ニマニマ」

数多「……はあ」ハア

病理「あ、あら? 元気がありませんね数多くん……」

乱数「オイオイ、そこはブチ切れるところだろうよ、らしくねーな数多」

数多「……んで」ボソッ

幻生「何だ?」













数多「――――何であのクソガキまで木原くん呼びなんだよォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!」





病理・乱数「「おい」」

幻生「そんな事だろうと思ったよ」アキレ


数多「おかしいだろ! オレの何処にくんなんて要素があんだよ!? どっからどう見たってさん付けされるタイプの強面だろーがっ!」

病理「さん付け」プププッ

乱数「強面とか」ケラケラ

幻生「自意識過剰」ククク

数多「殺す」

幻生「やっと調子が出てきたみたいだねえ数多」

乱数「いいじゃねえかよ木原くん。親しみがあってよ」ケラケラ

数多「あー、そういえばそうかもなあ。親しみやすさがあって良いかもなあ乱数くぅん?」ニヤニヤ

乱数「表出ろ」ガタッ

数多「上等だ」ガタッ

幻生「面白い」ガタッ

病理「悪ノリ止めてくださいよ幻生さん」ガタガタ


幻生「それにしても随分とまあ賑やかになったものだ。一ヶ月前に顔を出したときは加郡を含めた4人だけで、あんなにも静かだったのに」ニコニコ

数多「あの時は病理のトコのクソガキが居たじゃねーか。騒がしさはアイツらとほぼ変わらねえってどんだけだよ」

病理「まだまだ育ち盛りですからねえあの子は。元気なのは良い事です」ウンウン

乱数「元気なのにも限度ってモンがあるだろ。あのガキ、人が作った化学物質で遊びやがって……」ハァ

病理「好奇心旺盛な子ですからねー。乱数くんの作る新しい科学物質に興味津々なんですよ」

数多「そういえばそのクソガキ今日は来てねえんだな。いつもテメェにべったりなクセしてよ」

病理「今日は唯一ちゃんの研究のお手伝いとかで来れないみたいですよ? 乱数くんに会うのを楽しみにしてたんですけどねえ」

乱数「楽しみにってなんだまた人の研究材料弄くる気満々だったのかよあの野郎」チッ

病理「乱数くんと遊びたかっただけですよ。乱数くんって面倒見が良いですから」

数多「乱数は頼りになる兄貴だって一方通行も言ってたな確か」

乱数「頼りにされてる気がしねーよ。玩具にされてる気しかしねーよ」


数多「うるせーな、とりあえず加郡よりはましな扱いだろうが」

乱数「ヒドイ扱いしてるって自覚はあったんだな」

病理「自覚無しでアレだけ虐めることができるって恐怖以外の何物でもないですよ」

数多「今こうして会話している間も遅刻をどう仕置きしてやるかシミュレート中だぜ?」

幻生「なんて頭脳の無駄使い」

数多「オレに遅刻するって報告しなかったアイツが悪い。一週間は立ち直れなくしてやるぜ」ククク

病理「報告するのが怖かっただけだと思いますねー……」

乱数「多分電話口でボロックソに貶されて帰国すら危ぶまれる状態に追い込まれるに決まってるもんな」

数多「いつもは遅刻なんて絶対しねーから軽く文句を言ってやるつもりだったんだけどな? 連絡一つ寄越さねえってんなら仕方ねえよな?」

幻生「おにちく」ケラケラ

病理「幻生さん、無理してキャラ作ろうとしなくてもいいんですよ」ニアワナイ

幻生「今時の若者はよくこんなんで会話が成立するもんだ」フゥ

乱数「方向性が違えよ」




~~~十分後~~~



数多「―――なあ、マジで遅くねえ? 加郡のヤツ一体どこで道草食ってるんだよ」イライラ

病理「連絡があってからもう一時間は経ってますねえ……」ハテ

乱数「どこかの誰かさんみたいに研究所ぶっ壊してるんじゃねーの?」ケラケラ

幻生「あの子に限ってそれはないでしょ。「木原」の中でも珍しい数少ない“善人”なんだから」

数多「善人は人の心臓止めたりなんかしません~」

乱数「生き返ってる分俺達よりはマシだけどな」

病理「何でいきなり会話が殺伐としてきてるんですかねえ……」

幻生「私たち「木原」の会話なんてこんなものだろう? 『諦め』なさい」

病理「ハーイ……って、そう言えば私が納得すると思ったら大間違いですよ?」

幻生「ぶっちゃけこの会話どうでもいいんだけどねぇ」

数多「右に同じ」

乱数「以下同文」

病理「いらっ☆」


幻生「まあ真面目に考えるなら多分第二三学区で足止めでも食らっているんじゃないかな」

数多「あー……」トオイメ

病理「ありえますねえ……」トオイメ

乱数「アイツ変な土産モン大好きだもんなー……税関かなんかにしょっちゅうお世話になってるもんなー……」トオイメ

幻生「本人曰く、『せっかくの土産なのだから、滅多にお目にかかれない珍しい物がベストだろう』だそうだよ?」

数多「それで毎朝手榴弾で目覚ましされてるオレの身にもなれ」

病理「使ってあげてるんですね一応は。っていうかなんて物プレゼントされてるんですか数多くん! それ絶対嫌われてるでしょう!?」

数多「いやそうじゃなくてよ、猟犬部隊の奴らの目覚ましにいいものねーかなあと思って加郡の野郎に相談したらくれたんだよ」

乱数「正に外道」

数多「まあ、朝目覚める度に君の抜け殻が消し炭になってたなんて生活耐えられない! とかいって一週間でやめちまって、結局オレが使うはめになったけどな」

病理「自業自得ですよお馬鹿」




コンコンコン



???『数多、私だ』

幻生「ナイスタイミングだね」

数多「やぁっと来やがったかあの野郎。一時間も遅刻しやがって」チッ

病理「ですから出張帰りの人に無茶言わないで下さいよ」

乱数「偉そうに言ってるけどお前も一応遅刻組だからな?」

数多「普段から遅刻する奴よりはマシだ」





ガチャッ―――





数多「オラ加郡! テメェ一時間も遅刻とはいい度胸―――」ピタッ

乱数「どうしたいきなり黙っちまって―――?」ポカーン

病理「二人とも全く同じリアクションなんかしちゃって、加郡くんが何か面白い格好でもしてるんですか?」クルリ











少女「……」コソコソ

加郡「遅刻してしまってすまない、少し入国審査で時間を食ってな」ナデナデ









病理「」


病理「あ、もしもしアンチスキルですか? 今目の前に少女誘拐の現行犯がいるんですが」

加郡「待て! 事情を説明させてくれ!」

乱数「無理だろ!? 流石にこの状況は言い訳できねえだろ!? 裸オーバーオールだぞ!?」

数多「乱数の時はまだ研究に都合のいい能力者だったから誤解解けたけどよ、お前のそれはアウトだよ! わざわざ外国からお持ち帰りとか……うわぁ」

加郡「誤解だといってるだろう! まずは話を聞いてくれ頼むから!」





ポン





加群「?」クル

幻生「加郡……」ニコ

加郡「げ、幻生さん……!」パアア

幻生「覚悟は出来てるね?」

加郡(あ、死んだなこれ)


病理「ま、冗談はこれくらいにしておきましょうか」

数多「え」

乱数「え」

幻生「え」

病理「え?」

加郡「……」グスン

病理「いや、みなさん、冗談ですよね?」

数多「も、もちろんじゃねえか! なあ乱数!」ハッハッハ

乱数「そ、そうだよこんなの軽いジョークだってぇーの!」ハッハッハ

幻生「加郡がそんな事するわけないじゃないか!」ハッハッハ

病理「木原男子って……」

加郡「頼む、それでは私が巻き込まれるからやめてくれ」


幻生「いや、そもそも私は事前に加郡から連絡を受けていたから事情は知ってるんだけどね」

病理「え」

加郡「そういえば、昨日幻生さんにこの子のこと報告していたんだったか……」

数多「ハアアア!?」

病理「まだ治ってないんですかその天然ボケ!?」

乱数「出張理由の九割は天然ボケ治療だと思ってたんだぞ?」

数多「今からでも遅くねーから病院行って来いよ」

加郡「帰ってきて一分足らずでこのオーバーキル……」グス

数多「メンタル途轍もなく弱ってんじゃねえかコイツ」

少女「だ、大丈夫か……?」オロオロ

病理「ほ、ほら加郡くん! そちらの子がどうすればいいのか分からなくて困ってますから、早く紹介してあげてください!」

加郡「……そうだな、まずは紹介するのが先だな……」ズーン

乱数(暫らく立ち直れそうにねーな……)


加郡「この子の名前はマリアン・スリンゲナイヤーだ。マリアン、自己紹介して」

マリアン「マリアン・スリンゲナイヤーです。よ、よろしくお願いします!」カチコチ

病理「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよマリアンちゃん。私は木原病理といいます。こちらこそよろしくお願いしますね」ヨシヨシ

乱数「オレは木原乱数だ。後でうちのクソガキ紹介すっから仲良くしてやってくれ。まあ、よろしく頼む」

幻生「ずいぶんと発音が良いね、加郡に教えてもらっていたのかな? 私は木原幻生だ。よろしくねマリアンちゃん」ヨシヨシ

マリアン「は、はい……!」テレテレ

加郡「ほら数多、お前も早く自己紹介しろ」

数多「はぁ? 何でそんな面倒くせえことしなきゃならねえんだよ? 別にオレはそのガキにお願いする事なんざ何もねーよ」

加郡「っていう感じのこいつが木原数多だ。こう見えてかなり面倒見が良いからすぐに仲良くなれると思うぞ?」

病理「数多くんはツンデレって奴ですから☆」

幻生「誰得とはこの子のためにある言葉だ」

乱数「ハッキリ言ってキモイ」

数多「あれー? オーバーキルがオレに移ってるぞー? あれれー?」

乱数「キモイ死ね」

数多「テメェがな」


加郡「ん? そういえば今日は二人とも見かけないな、来ていないのか?」キョロキョロ

病理「操祈ちゃんは今日来ていますよ。うちの子は今日用事で来れなかったんです」

乱数「今研究所の中を案内して回ってるんだよ。一方通行もいるぜ」

加郡「一方通行がいるのか!? いつの間に帰ってきていたんだ!?」ガタッ

幻生「今日特力研から数多が連れて帰ってきたんだよ。詳しい事はテレビを見るといい」

マリアン「なーなー、一方通行ってベルシが言ってた白髪の子?」クイクイ

病理「ベルシ?」

加郡「それは皆が集まってから話そう。それにしても一方通行が帰ってきているのか、会うのは二ヶ月振りだなぁ」ワクワク

病理「ビッグニュースもありますよ?」ニヤニヤ

数多「こっち見んなニヤニヤすんな」

加郡「ビッグニュース? というか乱数、さっき研究所を“案内”していると言ってたが、今日は私達のほかに誰か来ているのか?」

乱数「それがビッグニュースなんだよ。まあアイツらが帰って来りゃあ分かる」




ワイワイガヤガヤ



幻生「噂をすればなんとやらだね」

操祈「あー! かーくんだぁ!」ギュウウ!

マリアン「むっ」

一方通行「加郡くーン! 久しぶりだなァ! 会いたかったぜェ!」ギュウウ!

加郡「心配してたんだぞ一方通行! 特力研は恐くな――いとして、嫌な事され――てるよな。ええと……」

一方通行「大丈夫だって加郡くン、結構楽しンできたからさ」ギュウウ!

マリアン「むむむっ」プクー

沈利「一方通行、こっちの子がものすごくほっぺた膨らませてるんだけど?」

加郡「おや? 君は初めて見る子だが、もしかして一方通行の友達かな? 友達できたんだな?」キラキラ

沈利「(目がすっごく輝いてる……)は、はい。わたしは一方通行の―――」


数多「女」

乱数「彼女」

病理「恋人」

幻生「奥さん」

沈利「ふにゃっ!? にゃ、にゃにゃ……!?」ボフンッ

加郡「幻生さん、それは違うだろ。この歳なら婚約者、いや許嫁だ」

沈利「~~~~~~っ!!!」プシュー

一方通行「オ、オレはそれでも構わねェけど……」ボソ





沈利「――――――」ピタッ

一方通行「し、沈利? どうし――――」










沈利「ふみゃあああああああああああああああああああああっ!!!!」バチチッ!

一方通行「お、落ち着け沈利! 能力ぶっ放そうとするな! 木原くンが見てるぞ!」

沈利「う、だ、だって……うぅぅ、うううう……」カァァァ

一方通行「ホラ、二人に自己紹介しようぜ―――?」

沈利「……? どうしたの一方通行……?」モジモジ

一方通行「―――“二人”?」

沈利「え」

マリアン「え」

加郡「気付くの遅すぎるだろう」

数多「加郡のボケが移っちまったじゃねえかどうしてくれんだよあとクソガキ見て目ェ輝かせんなこのロリコン」

加郡「……」グスッ

乱数「立ち直りかけてたのに……」


病理「えーでは気を取り直して、自己紹介をどうぞ」

沈利「先程は取り乱しちゃってごめんなさい……麦野沈利です。よろしくお願いします」ペコリ

加郡「こちらこそ不用意な発言すまなかった……木原加郡だ。こちらこそよろしくお願いします……」ズーン

マリアン「元気出せよベルシ……わたしはマリアン・スリンゲナイヤーだ。よろしくね」ヨシヨシ

数多(裸オーバーオールのガキに頭撫でてもらってる22歳男性……どうみても犯罪です本当にありがとうございます)

病理(容赦なく貶してる感じが伝わってきます……)ヒデェ

操祈「食蜂操祈っていいます。よろしくねぇマーちゃん!」ギュウウ

一方通行「オレは一方通行だ、よろしくな。えー、と……」

マリアン「マリアンって呼び捨てでいいよ、敬語とかも気にしなくていいからさ。そんなに年は離れてないでしょ?」ナデナデ

操祈「わたしは7さいよぉ」ニヘラ

沈利「わたしは10才よ」

一方通行「オレは9歳だ」

マリアン「おっ、じゃあわたしが一番お姉ちゃんだ。11歳。マリアンお姉ちゃんって呼んでもいいわよ~?」ナデナデ


沈利「んぅ……お、お姉ちゃん……」テレリテレリ

一方通行「……ね、姉、ちゃン……」カァァ

マリアン「くぅ~、なんだよかわいいなあもう! うりゃ、うりゃ!」ワシワシ

沈利「きゃっ! ちょ、ちょっとお姉ちゃーん!」カミボサボサ

一方通行「うァー頭がゆれるゥ~!」グワングワン

操祈「ふたりばっかずるぅい! マーちゃんわたしもぉ!」グイグイ

マリアン「はっはっはー、操祈は甘えん坊だな、そりゃ!」ワッシワッシ

操祈「ふゃー」キャッキャッ




エーイ、コウナッタラオカエシダー! キャーシカイガユレルー チョ、オレノアタアハナシテクレ…グアー アークンオモシロォイ!




幻生「……流石に子供は打ち解けるのが早いねえ」ズズー

病理「本当ですねー」ズー

数多「どっからお茶出した」


・おまけ
その頃シスコンメルヘンは



とある研究所


???「……なぁ唯一姉ちゃん」

唯一「はい? どうかしたの帝督」

帝督「この実験いつまでかかるんだよ。早く数多くんの研究所に行きてえんだけど」

唯一「私も同感ですけど、何せ上層部直々の依頼だから、相手が納得してくれる数値を叩き出さないことにはどうしようもありませんねえ」ハァ

帝督「今日は加郡くんが帰ってくるんだろー? 早く会いてえよお」ジタバタ

唯一「はいはい暴れない暴れない。私だってこんなケチな研究所ぶっ壊して数多兄さん達に会いに行きたいですよ」

唯一「一方通行が特力研に入ってから色々立て込んじゃってもう二ヶ月も顔を出せていませんし」

帝督「その一方通行ってヤツにも会ってみてえな。真っ白けなんだろ?」

唯一「ええそうですよ、君の翼に負けず劣らずの純白さですね」

帝督「あれより白いとかペンキぶちまけたってレベルじゃねーぞ」

唯一「ちょっと誇張し過ぎたかな? まあ真っ白なのは間違いないですね」


帝督「暇潰しにも飽きてきたよー。せめて乱数くん連れてきてくれよー」ブーブー

唯一「その乱数くんが作った科学物質ことごとく未元物質化しといてなに言ってるんですか」

帝督「いやこれ結構アタマ使うんだぜ? 既存の物理法則から外れる境界スレスレな物質だからまずその物質の性質を理解してさ」

唯一「ほうほう」

帝督「次にどの未元物質と結合させた場合どんな現象を起こすのか、思ってたのと違う反応があったらまだ解析しきれてない特性が隠れているのか」

唯一「乱数兄さんの科学物質はとにかくハチャメチャですもんねー」

帝督「この前のはスゴかったよな、ほら、数多くんの珈琲メーカーがさ」

唯一「ああ、たしかいきなり液状化したんでしたね。兄さんがコーヒー淹れてるときに」

帝督「しかもカフェインと反応したのか紫色の煙撒き散らしながら数多くん包んじゃって」

唯一「そこへ君の未元物質が混ざった結果兄さん紫人間になっちゃいましたよね。しかも最後は燃え出したし」オーバーキル

帝督「……オレ、二度と数多くんの前で未元物質操作しない、絶対しない」ガタガタ

唯一(あの後乱数兄さんと一緒に病院送りにされたもんねえ……)


帝督「暇すぎて翼出しちゃった」バサァ

唯一「ちょ、何本気出してるの君!?」

帝督「別に暴れたりしないって、ただこうしてるとなんか分かんないけど頭が冴えてくるんだよ」

唯一「一方通行の反射膜みたいな物かな? 翼が一つの演算装置の役割を果たしてるとか」フムフム

帝督「おっ、今日の翼はさらさらだな。姉ちゃんも触ってみろよ」ズイ

唯一「さらさら!? その翼さらさらなの!? っていうか日によって手触り変わるものなのそれ!?」

帝督「オレの未元物質に常識は通用しねえ」キリッ

唯一「なにその決め台詞?」

帝督「この前病理姉ちゃんと一緒に考えたオレの決め台詞!」フンス

唯一「……」ナデナデ

帝督「な、なんだよ姉ちゃん、無言でアタマなでんなよー!」 ←と言いつつされるがまま

唯一(ホント可愛いですねえ。病理ちゃんが甘やかすのも納得です)ニコニコ


帝督「いける、いけるぞ!」

唯一「何がいけるんですか帝督?」

帝督「むむむ……」グググ…

唯一「?」

帝督「はあっ!」







バッサアアアア!







唯一「」

帝督「よっしゃああああああ!! 翼が増えたぜええええええええ!!」グッ

唯一「ぱんぱんぱーん、ぱぱぱぱっぱぱーん。帝督の翼が2対から4対になった、ってばか」

帝督「やっべー、まさか翼が増えるとはな、これは予想外だったぜ」フゥ

唯一「一体どういう事なのこれ……」

帝督「この前数多くんの授業受けて演算効率が上がってからなんか違和感があってさ」

帝督「未元物質の演算をいつも以上に集中したらなんか増えた」テヘ

唯一「もう訳が分かんない……助けて数多お兄ちゃん……」


pピッ帝督「はいもしもし、どうした姉ちゃん?」

唯一(ワンコールどころか一音鳴る前に電話に出るってどうやるの)

病理『帝督の声が聞きたくて掛けちゃいました。ちゃんといい子にしてますか?』

帝督「んー、ちょっとはしゃぎ過ぎてるかなあ」バサバサ

唯一「ちょっとじゃないでしょ翼しまいなさもぶふ」モフ

病理『あんまりはしゃいで唯一ちゃんに迷惑かけちゃ駄目ですよ?』

帝督「大丈夫だって、実験はちゃんとやってるから」

病理『それならいいんですけどね。早く実験を終わらせてこっちに来た方がいいですよ?』

帝督「? どうしてだよ?」

病理『それは来てからのお楽しみです。それじゃ実験頑張ってくださいね帝督』

帝督「うん、分かった。なるべく早く終わらせるよ。じゃあな」

病理『はい。愛してますよー帝督ー』ブツッ


帝督「よし! 実験頑張るか! 唯一姉ちゃん、早く実験の続き――――」クル






唯一「」モフモフモフモフ






帝督「ダ、未元物質に飲み込まれてる!?」ガーン






唯一「は、やく、つばさ、しま、って……」ピクピク


唯一「―――はい、これで実験は終了ですね」

帝督「やぁっと終わったー……早く病理姉ちゃんとこ行こうぜ!」グイグイ

唯一「はいはいちょっと待っててくださいね、今データをまとめて保存してるところですから」カタカタ

帝督「待ってる間テレビつけてていいか?」ピッ

唯一「答える前につけるのはもはや様式美ですね」カタカタ



―――特力研は非人道的な実験を繰り返していたことが分かり、今回の襲撃事件はその内部事情を知る何者かの犯行という線が有力とのことです

虚数研、叡知研、霧ヶ丘付属でも同様に非道な人体実験が行われていた形跡があり―――





唯一「……え?」

唯一「どうして特力研が……っていうか暗部がらみの研究所が4つも?」

帝督「特力研が襲撃された? どういう事―――はっ!」

唯一「どうしたの帝督?」

帝督「特力研襲撃……来てからのお楽しみ……つまり、今日数多くんの研究所には一方通行が来ている!」ビシィ!

唯一「推理もへったくれもないや」

帝督「病理姉ちゃんがお楽しみって言って、オレが楽しみにしている事といえばもうそれしかない!」

唯一「申し訳程度の推理要素ありがとうございます」

帝督「こうしちゃいられねえ! 唯一姉ちゃん、オレ先に研究所行って来る!」バサア

唯一「ちょ、翼広げないで! まずは落ち着いてロビーに―――」








ドゴオオオオオオオオオオオオオンッ!!!








帝督「待ってろよおおおおおおおおおおおおおおお!! 弟よおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」






ギュウウウウウウウウウンッ!!







唯一「……」

研究員「ゆ、唯一所長……?」オソルオソル

唯一「……ょが」ボソ

研究員「はい?」ゾク







唯一「お兄ちゃんが建ててくれた研究所があああああああああああ!! あんのクソガキィィィィィィィィィィッ!!」






帝督「すぐ行くぜええええええええええええええええええええ!! マイブラザァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」












シスコンとブラコンが交差するとき、物語は始まる。

数多「交差してねえよ思いっきり違えてるよ」


・本日の木原紹介




木原加郡
「命」を司る木原一族。(仮)
本作の木原サイドのいじられポジション。自分で書いてて不憫すぎワロタ。この後もまだまだいじられる。どうしてこうなった……
臨死体験時に浮かぶ不可解なヴィジョンを研究し、それらから一切のオカルトを排除、科学的に解明した上で、
『命は確かに存在し、その価値は生まれや境遇で変動することはない』ことを証明しようとしていたが、自身の研究方法に危機感を抱き研究を一時凍結。

思想、悪行、功績、全てにおいて「木原」の中でもトップランカーと言われているほどの危険な「木原」……って言われてるはずなのにこの様である。

木原くンの研究所に週一で集まるのはお互いの研究成果を発表しあい、それらを応用して自身の研究をもっと別の角度からアプローチできないかを
調べるために加郡が提案した。つまりこのお話が成り立つのも彼のおかげ。なのに不遇。



木原唯一
司る木原はいずれ本編に出るかもしれないから後回し。
木原天使三号。ブラコン。細かい詳細はもっと本誌に登場してから。
幼いころ病理、テレスティーナと一緒に数多くんに面倒を見てもらっていたため、かなりのブラコン。
数多も若干唯一には甘い。(言う事をきちんと守る良い子なため文句をつけづらい)

今の目標は統括理事会の直属の役職に就いて数多お兄ちゃんと一緒に働くこと。


以上です。俺きめえ。
書き溜めが虫食い状態で少ししかないので次回投下はおそくなります。水曜日は休みで木曜は夜更かしできるから、
その日に投下できるといいんだけど……多分いけるな。遅くても二週間後になるかな?(書き溜め増やしておく場合)

ってか垣根くん自分で書いててなんだけど落ち着けよ。俺の書き溜めの整合性ガン無視した行動取らないでくれよ。
唯一さんはごめんなさい。自分の趣味全開なブラコンキャラにしちゃってごめんなさい。
恨むなら数多と唯一ってなんか対っぽくね? 兄妹なんじゃね? ってインスピレーション湧く名前に生まれた事を恨んでくだs 

パァン! (全身の血管がぶち破られた音)

唯一「こんなケチな研究所」 ←ていとくんの前だから澄ましているだけでこの研究所大好きです。ほんとなんだからね!

乙ー
木原さんちはほのぼのヒドイなw

あと加郡じゃなくて加群な

加郡× 加群○
オレ見直したぞ!!何回も見直した!!辞書登録もした!!!何で書き溜めは違うんだ!!!

まじで何時の間にすり替わってたんだ……?

すみません、書き溜めはそこそこ進んでいるのですが肝心の研究所編が進んでおらず、研究所の外での話の方が進んでて本日は投下できません。
シフト表がまだできていないので次いつ休みかまだ分からないので休みが分かり次第予告します。
予告がないときは書き溜めに夢中になって忘れてる物だと思ってください。

書き溜めが進まない……早く研究所終わらせたい……書いてて何これ何が面白いの?って文章しか書けない……
虫食いで後々の部分は良い感じに進んでるって言うのに……最悪の場合~~数時間後~~でごまかすか。

火、水、木と時間に余裕がある日が3日あるので中途半端でもその日に少し話進めたいと思います。

|│ /
| ̄\
| ∀゜)<ダレモイナイ・・・
|_/
|│ \
|
|_∧
|∀゜)<小ネタとうかスルナラ・・・
|∧∧
|∀゜ )<イマノウチ!
|⊂/
|ノ
|



八月、木原病理の自宅




病理「暑いですね~……」グデー

数多「暑いな~……」グダー

病理「どうしてこんな暑い日にクーラーが壊れるんですかねー……」パタパタ

数多「どうしてこんな暑い日に来ちまったんだろうなーオレ……あ、団扇もう一個ねーか?」クレ

病理「団扇はこれしかないんですよ。よ、良かったらい、いい、一緒に使います?」モジモジ

数多「一緒に使ったら余計暑っちいだろーが。お前が使ってろ」ワシワシ

病理「ん……はーい、お言葉に甘えさせてもらいますね」テレテレ


数多「にしてもマジで暑い……水分が欲しい……」アセダラダラ

病理「ジュースうまー」ゴクゴク

数多「オイなに自分だけ涼んでんだよ!? オレにも寄越せよ!」

病理「これは私が買ったジュースですから所有権は私にありまーす」プハー

数多「オレ客だよな? テメェが暇だから遊びに来いってしつこく電話してきたんだよな?」

病理「じょーだんですよ、冷蔵庫に色々入ってますから好きなのを取っちゃって下さい」
数多「客に自分で茶入れさせるたあ大したセルフサービスだよったく」ガチャ

数多「……」

病理「……くふ……っ!」プルプル

数多「……オイ病理」

病理「な、なんですか?」プルプル










数多「バナナ酒しめじポタージュ雑穀粥ハバネロスカッシュラードラテ―――なんてゲテモン揃えてやがんだ!」

病理「ぷはっ! あはははは!」ケラケラ

数多「特にこの『鰯水』ってなんだよ! 色んな所から苦情が来んだろこのネーミング!」

病理「あ、数多くん……あまり口に出さない方が……」ビクビク

数多「自分で仕込んどいて勝手にビビってんじゃねーよ!」


数多「ハア……テメェのイタズラ心には参ったよクソッタレ」

病理「いえいえ数多くんにはまだまだ及びませんよ」

数多「あっそ。あー、ガチで喉が乾いてきた」カラカラ

病理「あれだけ大声出せば当然ですよ。観念して冷蔵庫のジュースを飲んだらどうです?」クスクス

数多「誰のせいだ誰の。絶対に飲まねえ、テメェのオレンジジュース寄越せ」パシッ

病理「え? あ、ちょ!」

数多「んぐ……んぐ……」ゴクゴク

病理「」

数多「プハー! あー生き返った」スッキリ

病理「あ、数多、く、い、いいい今……」フルフル

数多「あ、ジュースサンキューな、助かった。ほれ」スッ

病理「あ、どうも……ってそうじゃなくて!」


数多「何だよ、少ししか飲んでねーから別にいーだろーが」

病理「いや、だって!」

数多「だって?」

病理「だって……」

数多「?」

病理「……いえ、やっぱり何でもありませーん」プイ

数多「何もねーのかよ」

病理「ところで数多くん、私は今少しお腹が空いてしまってるので何か作ってもらえませんか?」

数多「唐突すぎるな。まあ俺も腹が減ってきたし何か適当に作ってくっか」ヨイショ

病理「ゆっくりで良いですからね~」



スタスタスタ―――






病理「……」ジー

病理「数多くんが飲んだジュース……」ジー

病理「その前に私が飲んでましたよね」ジー

病理「つまりこれは、か、かかか、かん、間接キ―――」カァァ

病理「い、いや、数多くんは全く気にしてないからそこは問題じゃありませんね」ウンウン

病理「……ぐすっ」シュン

病理「私って魅力がないんですかね……」ズーン

病理「……」チラ

病理「数多くんが、口をつけて飲んだジュース……」ゴクリ

病理「……」ギュッ

病理「……っ」ドキドキ

病理「……っ!」ドキドキドキドキ









ちゅ――――









数多「オラ、飯ができたぞー」ガチャ

病理「ひゃわあっ!?」ビクゥ!

数多「あん? どーしたよいきなり大声あげて」

病理「な、何でもありません!」カァァァ!

数多「何でもねーって事はねーだろ、ひゃわあっ!?だぞひゃわあっ!?」ケラケラ

病理「い、良いから気にしないでくださいー!」ポカポカ

数多「痛っ、叩くなよ! 分かった分かったもう聞かねーよ!」イテテ

病理「本当に何でもないんですからね!」ビシィ!

数多「へいへい、ったく……あ、そういや一つ聞きたいことがあんだけど」

病理「何ですか……? さっきのについてはノーコメントですからね」ジトー











数多「ジュース飲むのに何でキスでもするような顔してたんだ?」








病理「」











数多「オーイ? いきなり固まってどうしたー?」ツンツン

病理「…………あ」プルプル

数多「あ?」








病理「数多くんのバカアアアアアアアアアア!!」

数多「オレが何したん――――いででで止めろ落ち着け鉈を降ろせええええええええっ!!!」








木原病理13歳の夏である――――




モチベーション上げるため的な。自分を鼓舞する意味合い的な。びょうりん思春期かわいい的な。

本編の投下が遅れてスレが進まない時にちょくちょく思い付きの小ネタ投下するかもです。

携帯からって難しい……


どうも、薬味久子は俺の嫁(nurus135)です。

遅くなりました、やっとこさ本編が少しだけ進みます。

なんか木原くンを暴れさせたいって気持ちが現れてきてますが、原作一巻に突入しないと思い切り暴れさせてあげられないなー。

ただの暴力オヤジになりかけて――――あ、元々か。


加郡「さて、自己紹介も終わったし、次はここまでの経緯を話すか」

数多「お持ち帰りの?」

加郡「うっ……い、いや、大丈夫だ、まだやれる……」スゥ、ハァ

数多「チッ、さすがに慣れたか」

幻生「程々にしてあげなさい。話が進まないでしょ」

数多「いーやまだスッキリしてねえ。あと十回は心をへし折ってやる」ククク

乱数「数多は容赦が出来ない」

病理「こら数多くん! 少しは手加減しろぉ!」

数多「手加減って何だぁ?」

幻生「分かりにくいネタはやめなさい」

加郡「……なあ、そろそろ真面目に話を聞いてくれないか……?」ナミダメ


乱数「そうだな、いい加減話を進めるか」

数多「えー、もうコイツが性犯罪者ってことで良くねえ?」ブーブー

病理「しつこすぎると鬱陶しいですよ数多くん」

加郡「数多、これはお前にとってもかなり興味が沸く話だぞ」

数多「ガキに興味はねえ」

乱数「二人も世話しといてどの口がほざくんだよ」

数多「ブーメラン投げるぞ」

加郡「……被検体3753番」ボソ

数多「……ああ?」

加郡「お前が“ある法則”の存在を垣間見た実験体の番号だ。よく覚えているだろう?」

数多「……テメェ、何が言いてえ?」









加郡「その法則が何なのか、私は答えを知った」








病理「何の話ですかね?」ヒソヒソ

乱数「お前はもっと働け」

幻生「ここ最近実験とかしてないだろう」

病理「いえいえこれでも週一で実験してますよ?」

乱数「一般的な研究所より少ねーじゃん!」

数多「シリアスムードしゅーりょォー」

加郡「ちくしょう……ちくしょう……」グスン


マリアン「―――黙って見てたけど、こりゃひどいな……」

加郡「すまないマリアン……私では話が進まないからお前から説明してやってくれ」ズーン

マリアン「はいはい。えっと、どれから話せばいいんだっけ?」

病理「マリアンちゃんと加郡くんの出会い話が聞きたいでーす」ハイ

数多「いや、そいつは後回しでいい。ガキ、“もう一つの法則”について、テメェなら何か知ってんだろ」

マリアン「いきなり“もう一つの法則”とは、ほとんど確信は持ってるってことでいいのかな?」

数多「まあな、どうみても致死量を超えた薬物投与しても生きてるガキや、体操してたら体に原因不明の傷がついたりとか、例を挙げればキリがねえ」

数多「何千何万と実験を繰り返してるとな、既存の法則じゃ説明がつかねえ現象がちらほらと出てくる。ま、普通の科学者どもにゃ気付けねえだろうがな」

マリアン「それじゃあ、どうして私なら何か知ってるって思ったのかな?」

数多「一つは加郡が連れてきたって事もある。自分の研究に危険を感じて研究者を辞めちまうようなやつだが、これでも「木原」だ」

数多「そんなヤツが連れてきた得体の知れないガキ。何かあると思うのは当然だ」


マリアン「ふぅん、じゃあもう一つは?」

数多「これはもう理屈とかじゃなく、ただの勘だ」

マリアン「勘って……ずいぶん非科学的な」

数多「そう、非科学的だ。だが、その勘にも理由がある」

マリアン「理由?」

数多「……あのガキの能力開発に関わってから、俺は漠然と何らかの違和感を感じるようになった」

数多「完成されているはずのこの世界に、見落としちゃならねえ何かが存在する感覚がずっと居座ってやがる」

数多「俺達「木原」を否定する、何かをな」












病理「何でシリアスになるんですかねえ?」ヒソヒソ

乱数「お願いだから黙っててくんね? 頼むから」

幻生「数多が自分の知らないことで誰かと話を弾ませてるのが嫌なんだろう、察しなさい」

病理「ち、違います!」カァァァ!


マリアン「それが理由か、『木原』って言うのは少しベルシから聞いたけど、別に“これ”はそんな大層な物じゃないって」ヒラヒラ

数多「あ? 金色の金槌……純金か?」

マリアン「ご明察。さすがは一流科学者、複雑に加工するにはやっぱ純金が一番!」ブン

数多「加工するだけなら楽だろうけど実用性は皆無じゃねえか? 純金じゃあ無駄に重い上に硬度も大した事は――――」







バキバキバキ!







病理「!?」

乱数「オイオイマジかよ……」

幻生「金属製の机がまるで紙くずのように……」

数多「……」

マリアン「どう? 純金でもすごいもんでしょ? でも勘違いしないで欲しいんだけどこれは――――」

数多「単に金槌の威力でぶっ壊したわけじゃねーんだろ?」

マリアン「……へえ」ニヤリ


数多「俺の戦闘スタイルは精密戦闘。金槌レベルの破壊力を顕微鏡サイズで制御する、とか言われてる」

数多「そういう特性だからか、細かい所に目がいく。例えばその机の足」ビシッ

病理「? どうなってるんでしょう、足が異様に細くなってますね」マジマジ

乱数「よく見たらこの机厚みが減ってただの薄い鉄板みたいになってるな」マジマジ

数多「つまりテメェが今やったのは金槌で机を破壊したんじゃなく、“金槌で破壊できる机に作り変えた”って事になる」

数多「だがそれだけじゃねえだろうな。漠然とした得体の知れない感覚が、これで終わりじゃねえと俺に囁いてくる」

マリアン「すごいね、ベルシの言ったとおり、数多さんは異能の力に対しての感覚が桁違いに鋭い」

数多「だてに能力開発専門の「木原」を名乗っちゃいねえよ。ほら、次のを出しな」

マリアン「次?」

数多「俺に手加減は必要ねえ。テメェも自分の力を思いっきり使ってみたいだろ? 遠慮せずに来いよ」クイクイ

マリアン「はは……」










マリアン(ど、どうしよおおおおおおおおおおおおおおお!?)








マリアン(事前にベルシから)



加群『数多に力を見せたら間違いなく数多はお前と戦おうとするだろう。だからその時は遠慮なくやって良いぞ。てか手抜いたら殺される』



マリアン(――――って言われてたからこうなる事は予想できてた。できてたけど……)チラ

数多「……」シンケン

マリアン(まじで獲物を狩る目じゃん、ガチで11歳の子供を殺る気満々の目じゃん、容赦がないってレベルじゃないよアレ!)

マリアン(そりゃーなんか不穏な空気醸してたよ? その場の雰囲気に飲まれて私はすごい力持ってるんだぞーって少し調子乗ったよ?)

マリアン(でもぶっちゃけ私戦闘タイプじゃないし、技巧派だし、何より戦いたいわけじゃないし)カタカタ

数多「……」ピクッ

マリアン(そもそも次のって言われたって道具が変わったからって使える手が凄く増えるってわけでもないよ? 大した物作れないよ私?)ガタガタ

マリアン(人を材料にすればそこそこ対応できるだろうけどそんな人間近くにいないしそもそもベルシに禁止されてるし……)ガタガタ

マリアン(ていうかどうして戦うって発想になるのさ、戦闘員じゃなくて研究員でしょ!?)ガタガタ

数多「……」プルプル


マリアン(あれ、もう詰んじゃったよねこれ? 私ここで数多さんに殺されるのかなぁ……いやだなぁ……)ジワァ

マリアン(ベルシがここに来れば家族がたくさんできるって言うから北欧から出てきたのに、こんなところで人生終わっちゃうのかぁ……)ナミダメ

マリアン(みんな結構優しそうだから期待したのになあ……いやだなあ……)ポロポロ










病理「……」ソワソワ

乱数「あのガキなんか勝手に泣き出したんですけど」

幻生「数多も大人気ないやつだ」アキレ

加群「ああ、止めた方がいいのか……? いやこのまま放っておいても大丈夫なのは分かってはいるが……ああでも!」オロオロ

乱数「オマエの豆腐メンタル伝染っちまってるだけだから落ち着け気色悪い」

加群「……」ズーン

乱数「うっわまじメンタル弱ってるうぜえ」ヒキ

病理(追い討ち掛けといてなんて勝手な……)

幻生(数多に似てきたなあこの子……)ハア


数多「―――おいクソガキ」

マリアン「ひいっ!?」ビクゥ!

数多「さっきから動かねえで何企んでやがる?」ギロ

マリアン「あ、あああ……」ガクガク

数多「俺は言ったよなあ? 遠慮はいらない、加減はするなって」ザッ

マリアン「あ、ご、ごめんなさ……」ガクガク

数多「まさかもう一つの法則っつーのはこんなクソつまらねえもんだってのか? あ?」コツ、コツ

マリアン「い、いや……来ないで」フルフル

数多「そんなちゃちな面白手品であんな得意気になっちまってたんですかあマリアンちゃぁん?」コツ、コツ

マリアン「ひ……ぅあ……」ガタガタ

数多「それともたぁっぷりと痛めつけてやんないとヤル気が起きないのかなあ?」ピタッ

マリアン「やだ……やだ……っ!」ジワァ

数多「オイオイんだよそのツラァ? 殺る気出てくるなあオイ!」スッ

マリアン「――――っ!!」ググッ!






――――ポン





マリアン「……ふぇ?」

数多「……」ナデナデ

マリアン「ん……え、はれ? なに……」ポカーン

数多「く……」プルプル

マリアン「あ、数多さん……? 一体何を――――」







数多「ぎゃぁあああはははははははははははははははっ!! マ、マジでビビリ過ぎだろお前! ぶはっ!」ゲラゲラ






マリアン「え、え? な、何……?」

乱数「数多の洗礼ご苦労さんでしたー」

病理「大丈夫ですかマリアンちゃん! 怖かったでしょう? 可哀想に!」ギュウウ!

マリアン「むぎゅ。え? 一体どういうことなの?」ナミダメ

幻生「つまりは数多のちょっとしたイタズラだったと言うわけさ」

加群「数多は性質の悪いイタズラが大好きでな、とりあえず一回は相手を甚振るのが大好きなんだ」ナデナデ

マリアン「え? なにそれ? じゃあ本気で数多さんと戦えっていうのはなんだったの? 抵抗すれば嬲り甲斐があって喜ぶってこと?」ギロ

加群「抵抗しないと機嫌を損ねて本気で殺されかねないから……」ガタガタ

病理「数多くんの容赦の無さは次元が違いますから……」ブルブル

乱数「その金槌の成分表に[マリアン・スリンゲナイヤー]を加える事に一切躊躇しないヤツだ」

マリアン「悪意があるってレベルじゃねーぞ」

病理(何故でしょう? お前が言うなってフレーズが浮かんできました……)ハテ


数多「いやースッキリしたわー、これで加群の遅刻分はチャラにしてやるか」ククク

マリアン「ベルシの尻拭いをさせられたってわけか……」

加群「こんな小さい子相手になに大人気ない事をしているんだ!」

数多「こうなる事が分かってたからって傍観決め込んでたヤツに発言権はねえ」

加群「はい」

病理「これは数多くんが正論ですね」

乱数「これで“善人”なんだよな?」

幻生「これが「木原」の限界か……」

加群「ホンットーに申し訳ありませんでしたあっ!」ドゲザ

マリアン「数多さん、やっていいよ」プイッ

数多「お? ホントーか?」ニヤニヤ

加群「え? ちょっと待ってくれ。謝るから、もっと謝るから! 何でもするから! お願いしま――――」


加群「」チーン

数多「フーーースッとしたぜ」スッキリ

病理「わたしはなにもみていないわたしはなにもみていないわたしはなにもみていない……――」ブツブツ

乱数「こんな事で「木原」フル活用するとかお前……」ウワァ…

マリアン「ベ、ベルシには傷一つ付いてない様に見えるけど、さっきフルボッコしてたよね?」ガタガタ

幻生「数多の持つ木原としての性質なら簡単な事さ。ちなみに君に頭を揺られてからずっと気を失ってる一方通行もさっきまで数多に酷く痛めつけられていたんだよ?」






一方通行「」チーン

沈利「一方通行ぁ! しっかりしてえ!」ユサユサ

操祈「あーくんどうしてねてるのぉ?」ツンツン






病理「あれ、幻生さんが来たのって一方通行がボコボコにされた後では?」

幻生「一方通行の呼吸や姿勢を見ればすぐに分かったよ」ハハハ


数多「さて、ベルシってなんだ?」

病理「唐突にも程があります」

数多「加群の野郎が気を失ってるからな。コイツ弄って話が脱線する事もねーからよ」

乱数「そろそろ加群はキレても良い」

幻生「キレたら病院送りにされるのが関の山だ」

乱数「ひでぇ」

病理「感情こもってませんねー乱数くん」

マリアン「ベルシっていうのは北欧で読まれてるスカルド詩の『コルマクのサガ』って作品に出てくる決闘家の名前だよ」

病理「アナタも唐突ですねマリアンちゃん」クスクス

マリアン「何時までたっても話が進まないから、ここは強引に話を進めようかと」

幻生「正しい判断だね」ハハハ

乱数「今この場に加群の味方が一人もいないのが証明された」


数多「決闘家ねえ、じゃあ何で決闘家の名前でコイツは呼ばれてるんだ?」

マリアン「私がスカルド詩読んでた時たまたま目に入ったのがこれだった」

乱数「適当かよ!?」

病理「え? 何か特別な愛称とかではないんですか?」

マリアン「んーん、その場のノリ」キッパリ

幻生「あだ名なんてパッと思いついたものが一番だと思うけどねえ」

乱数「パパッと付けたにしちゃ凝ってるからおかしいんだろ」

病理「数多くんなら納得できるんですけどね、こういう中学生が好きそうな名前を付けるの」クスクス

数多「病理ちゃぁぁぁん? それはどういう事かなぁ?」

病理「だって数多くん中二病じゃないですか☆」キラッ

数多「……」ムニー

病理「ほっふぇひっはらはいえふあふぁい~!」ジタバタ


乱数「それにしたって決闘家ぁ? 加群がぁ?」

幻生「数多ならまだ分かるが、加群が戦士のようなイメージはねえ……」

病理「加群くんも、けして弱いわけではないんですけどねー……」

マリアン「……」

数多「どうした? 急に黙っちまって」グリグリ

加群「―――っ! ―――っ!」ビクン、ビクン

木原s「「「うわぁ……」」」

マリアン「いや……ベルシにちなんだ魔術を未完成だけど作り上げてるからここから逆転劇を見せてくれるかなって思ったんだけど……」

数多「ああ、なんかコイツやらかそうとしてたからとりま潰してる」ゲシゲシ

加群「」チーン

マリアン「……ねえ数多さん、ベルシもこのままじゃあまりにも悲惨だから見せ場をあげてくれないかな?」ウワァ


数多「見せ場ぁ? 別にいいが、後悔するだけだと思うけどなあ?」

マリアン「でも魔術が見れるよ? 私のは魔術って言うにはちょっと毛色が違うし、ベルシはそこそこ強力な魔術を見せてくれるはずだよ」

数多「そこまで言うんなら一度くれぇチャンスはやるけど、何となくオチが見えるんだが」

病理「加群ちゃんがボロ負けに一票」ハイ

乱数「加群が入院に一票」ハイ

幻生「加群が死亡に十票」ハイ

マリアン「……ベルシってこんなに嫌われてたんだ……」

数多「そりゃあ、「木原」の癖に研究職を仮とはいえ引退しやがったからな」

乱数「それもトップランカーだったから尚更だな、このクソ善人」

病理「研究をしない木原なんて木原じゃありませんからね」

数多「じゃあテメェは明日から木原やめろ」

病理「残念でしたー、実はこつこつと機械部品を開発してるからまだ「木原」ですぅ」エヘン

数多「屁理屈こねてんじゃねえよ」ハア


幻生「それで数多、加群とは勝負するのかな?」

数多「まーコイツがどんな力を仕込んできたのか気になるしな」

幻生「分かった、それじゃあ加群を起こすとしようか。少し離れててもらえるかな?」

数多「俺が起こすからテメェはゆっくりしとけって、な?」キッパリ

病理「あまり無理に体を動かすのは良くないですよ? 座って待ってましょう!」アセアセ

乱数「いやいやここは俺の化学物質使えば一発だから座ってろって!」アタフタ

幻生「気を使ってもらわなくても大丈夫だよ。さて、加減はどれくらいで……」スッ

病理「やめてください! 加群くんはまだ21歳なんですよ!?」ガシィ!

乱数「冗談抜きに死ぬからやめろ!」ガシィ!

幻生「ちょ! いきなり何をするんだ! 放しなさい!」ジタバタ

数多「早く起きろ加群! 研究所が消し飛ぶ!」ブンブン!

加群「ぅ……ちょ……やめ……」グワングワン

マリアン「あ、意識がもどっ――――」










がしゃああああああああああああああああああああああああんっ!!!!!!!!!








帝督「トウッ!!」ドゴォ!

加群「おぶぇふぉっ!?」メキメキ

帝督「オレの登場に常識は通用しねえ!」ババーン!





数多「……」

病理「……」

乱数「……」

幻生「……」

マリアン「……」

沈利「……え? 誰アイツ?」ポカーン

操祈「あー! てーくんだぁ!」ムギュウウ!

帝督「おっとっと、いきなり突っ込んできたら転んじまうだろー? めっ!」ナデナデ

操祈「えへへー、ごめんなさぁい」ニヘラ


帝督「ん?」チラ

沈利「う……(こっち見た……)」

マリアン「ベルシ……どんだけ運が無いんだよお前……ギリギリ致命傷にならない打撃食らうとか……」ホロリ

帝督「……」テクテク

沈利(うわっ、こっち来た!)

帝督「……なあ」

沈利「な、何よ……」

帝督「二人ってお客さん? それとも誰かの研究所で世話になってんの?」

沈利「わ、わたしは木原くんのところにお世話になる予定だけど……」

マリアン「私はベルシ――――じゃなくって加群さんのところで世話になる予定だよん」

帝督「ふーん……」ジロジロ

沈利「なによ、人の事あんまりジロジロと見ないでくれる?」キッ


帝督「何だよやけに厳しいなぁ。まあ良いけど、ところで二人とも年はいくつ?」

沈利「女の子に年を聞くって失礼なことだって教わらなかったの? まあ天井突き破って来るようなヤツに聞いても無駄か」ハン

帝督「マジでオレお前に何かした? それとも元々初見には厳しいタイプか?」

マリアン「年よりまずは名前を聞くのが正解じゃないの?」

帝督「あ、そっか。オレは垣根帝督、11歳で能力名は未元物質だ。よろしく」ニコ

マリアン「私はマリアン・スリンゲナイヤー、マリアンで良いよ。年はアンタと同じで11歳だから気楽にやろうよ」スッ

帝督「あ、これはこれはご丁寧に……」アクシュ

沈利「ちょっとお姉ちゃん……!」

マリアン「この子は麦野沈利。年は一個下の10歳だよ」

沈利「なに勝手に紹介してるの!?」

マリアン「ちなみに一方通行のガールフレンドだってさ」ニヤニヤ

沈利「~~~~~~っ!?」ボンッ

帝督(なんとなくこの子の扱いが分かった)


帝督「それにしても殆ど同年代かー」

沈利「ど、同年代だからにゃんにゃにょよ……」プシュー

マリアン「舌が回ってないぞー? 可愛いヤツめ!」ナデナデ

沈利「やめてよお姉ちゃん! 人前でー!」カァァァ

帝督「……た」ボソ

マリアン「ん? 何か言った?」

沈利「なんか嫌な予感がするんだけど――――」










帝督「――――ぃよっしゃあああああああああああああああ!! 年の近い姉妹が出来たあああああああああああああああああ!!!!」バサアッ!










マリアン・沈利「「!?」」ビクゥ!


帝督「いやーオレと年の近い子って操祈しかいなくてさー。でも操祈ってまだ7歳だし? 一緒にバカやれるって感じじゃないだろ?」バッサバッサ

沈利「な、なにこれ……?」ポカーン

マリアン「天使……?」ポカーン

帝督「だからオレと年がそんなに変わらない兄弟姉妹が欲しかったんだよー! な、な! お兄ちゃんって呼んでみてくんね!?」ズイ

沈利「ちょ、ちょっと! 顔が近――――」

帝督「……」キラキラ

沈利「ま、眩しい……! なんて純粋な瞳……!」

マリアン「なー、えっと、帝督、で良いのかな?」

帝督「もちろん呼び捨てで構わねえよ。それより早くお兄ちゃんって――――」

マリアン「いや、呼ぶのは構わないんだけどさ、帝督って誕生日いつ?」

帝督「え? ○月○日だけど?」

マリアン「……私さ、自分の誕生日がいつか知らないんだよね」


帝督「……そうか」

マリアン「そんなに暗くならないでよ。生まれた年は知ってるけど細かい日付までは覚えてないってだけなんだからさ」

マリアン「それで本題なんだけど、帝督は私たちにお兄ちゃんって呼んでもらいたい」

帝督「ああ」

マリアン「沈利は間違いなく年下だけど、私はもしかしたらお姉ちゃんっていう可能性があるわけだ」

帝督「んー……難しいなこりゃ」

マリアン「そこでどっちが年上かジャンケンで決めない?」

沈利「雑すぎるでしょう」

帝督「フッ……このオレにジャンケンで勝負を挑むとは、お兄ちゃんって言う覚悟はできていると見て良いんだな二人とも?」ニヤリ

沈利「ナチュラルに巻き込まないでよ!?」

マリアン「それはこっちの台詞さ。お姉ちゃんって呼ぶ準備はできたかい?」ニヤリ

沈利「何この意味不明な戦い……」


マリアン「知りたいかい? 妹よ」

沈利「キャラが違うんだけど、どうしちゃったの? そっちが素?」

マリアン「違うんだよ沈利……そうじゃないんだ……」

帝督「まだこの領域に足を踏み入れていないお前にはピンと来ないかもしれない感覚だろうな。だが、オレには分かるぜ」

マリアン「一挙手一投足に目を奪われ」

帝督「一言一句に心を奪われる!」

マリアン「この気持ちは間違いなく!」






帝督・マリアン「「愛!」」





帝督「……」ガシィ!

マリアン「……」ガシィ!

沈利「学園都市最強のシスコンコンビ誕生の瞬間である」

帝督「オレはただのシスコンじゃねえ、ブラコン予備軍でもある」キリッ

マリアン「私はすでにブラコンだ」キリッ

沈利「駄目だこの人たち…早くなんとかしないと…」


マリアン「さて、ちょっと話が脱線したけど決めようか。どっちが年上なのかを」

帝督「いや、やっぱそれはまた次の機会で良い」

マリアン「?」

帝督「……」ジー

沈利「?」クル





一方通行「」チーン





マリアン「あー、一方通行まだノビちゃってるのかー」アチャー

帝督「やっぱコイツが一方通行なのか」ジー

沈利「一方通行にちょっかい出したら承知しないわよ?」キッ

帝督「妹の彼氏で弟でもあるのに変な事しねーって」ツンツン

沈利「か、かかか彼氏!?」ボンッ

帝督「おお……何だよこれ肌すっげぇスベスベじゃねぇか」プニプニ


沈利「コラー! 言ったそばからちょっかい出してんじゃないわよ!」

帝督「うおやっべ! 髪の毛さらさらすぎるだろ!? オレの翼よりさらさらじゃねぇか……」サラサラ

沈利「え、その翼さらさらなの? もふもふじゃなくて!?」

マリアン「スゴイ……右の翼はさらさらなのに左の翼はつるつるだ……」サワサワ

沈利「もふもふ感ゼロ!?」

帝督「オレの未元物質に常識は通用しねえからな。そうだ沈利も触ってみるか?」ファサッ

沈利「沈利言うな! って、ちょっと、翼広げすぎ少し抑えなさいよ!」

帝督「ケチケチすんなって。おお……何コイツホント触り飽きねえな」モチモチモチ

沈利「もが、翼ジャマ……げほっ! 口に入った!」ジタバタ

帝督「こいつ寝顔可愛い過ぎじゃね? ホントに男かよ」ツンツン

沈利「ふぉえふぃはふぉうひふふあ」※それには同意するわ

帝督「早く起きねーかなー、早く一緒に遊びたいなー」ワクワク

沈利(……悪いヤツじゃないのは分かるんだけど……なんか苦手ねこいつ……)


数多「帝督クゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン?」

帝督「!? な、何だよ数多くん、そんな怖い顔しちゃって……」ビクゥ

数多「テメェは病理からどんな教育を受けているのかなああああ?」

帝督「え? いったい何を――――」

数多「あれー? オレの研究所っていつから入り口が天井になっちまったんだ? じゃあオレが今日通ってきた入り口は何だったんだろーなあ?」

帝督「……あ」ダラダラ

数多「なあ教えてくれよ、何時の間に入り口が入れ替わっちまってたのかをよお」バキ、ボキ

帝督「ひ……っ! ね、姉ちゃん! 助け――――」チラ







病理「……ごめんなさい」 ※先手を打たれて縛られてる

乱数「」チーン ※屋根を見て笑ったからリンチ

加群「」チーン ※放置

置手紙『研究所から呼び出しがあったので先に帰ります。by木原幻生』

帝督「うわぁ……」


数多「ちっとばかし躾がなってないのが見て取れますねえクソガキ?」

帝督「ま、待ってくれ数多くん! や、屋根を壊しちゃってごめんなさい! ちゃんと未元物質で直すから落ち着いて!」

数多「今のが遺言ってことで構わねえんだよなあ?」ペキペキ

帝督「くそ! こうなったら腹括るしかねえか……妹の前でカッコ悪い所は見せらんねえし――――」







バターンッ!







唯一「てええええええいいいいいいいいとおおおおおおおおおおおおくううううううううううううううっ!」ギロリ





帝督「(´;ω;`)」ブワッ


数多「おーう唯一、丁度良いところに来たじゃねえか、テメェもこのクソガキの教育的指導を手伝え」

唯一「勿論ですよ兄さん。品行方正を絵に描いて破り捨てたような真面目少年に変えて見せますよ」

帝督「意味ねえよ!? 破り捨てちゃ駄目だろそれは!」

唯一「甘いですね帝督、我々「木原」の教育方針は『とりあえず壊してから考えよう』が基本なんですよ?」

帝督「教育じゃねえ! ただの危険思想だよ!」

数多「おいおい失礼なこと言ってくれんじゃねーかよ。俺達「木原」っていうのは目的自体はキレイなモンなんだぜ?」

帝督「目的以外破綻してるって言ってんだよ! 終わり良ければ全てよしじゃ済まされねーぞ!」

数多「この木原数多にあるのはシンプルなたったひとつの思想だけだ。『破壊して成果を得る』! 過程や…! 方法なぞ…! どうでもよいのだァーッ!」

帝督「いきなりジョジョネタぶち込んでくるんじゃねえよ!」

唯一「やれやれだわ」

帝督「あれ? もしかしてオレで遊んでる? オレいつの間にかツッコミ役にされてる!?」ガビーン




イマスグニラクニシテヤルヨ! イヤアアアア!フタリガカリハヤメテエエエエエエ! オシオキノジカンダゼエエエエ!




沈利「……」

マリアン「……」

沈利「……あれ、助かると思う?」

マリアン「……無理でしょ」

沈利「そうよね……」

マリアン「……」

沈利「……」

マリアン「……病理さんの拘束解いてくるか」テクテク

沈利「わたしも手伝うわ」トテトテ






帝督「だれか助けてくださあああああああああああああい!!」ウワーン!


・おまけ






研究者A「ついに、やってしまった……」

研究者B「あの、木原一族を……」





円周「?」キョロキョロ





研究者A「……誘拐してしまった」










円周ちゃんの監禁生活 ~初日~


円周「あまたおじちゃーん? びょうりおねえちゃーん?」キョロキョロ

研究者A「所長命令で捕まえてきたが、本当にこんな事して良かったのか?」ヒソヒソ

研究者B「良いわけないだろ! 誘拐だぞ誘拐! 木原一族がどうのこうの言う前に犯罪だぞ!」ヒソヒソ

研究者C「私この研究所辞めるわ、間違いなく報復に来るに決まってるじゃない!」ヒソヒソ

円周「らんすうおにいちゃーん、かぐんおにいちゃーん、ゆいいつおねえちゃーん」オーイ

研究者A「いや、木原一族は身内に厳しいと聞く、恐らくそれはないだろう……って所長が」ボソ

研究者B「ちょっとあの豚ぶっ殺してくる」ガタ

研究者C「手伝うわ」ガタ

研究者A「落ち着け! 今は仲間割れしてる暇はないだろう!」ヒソヒソ

研究者B「落ち着いていられるか! あのクソ所長、自分が『木原』の研究者に遠く及ばないからってつまんねえ事考えやがって!」ヒソヒソ

研究者C「今のままでも十分に周りから良い評価を貰ってるって言うのに、全く……」ハア

円周「テレスおねえちゃーん……げんせいおじいちゃーん……なゆたちゃーん……」ジワア


研究者A「!? お、おい、この子泣きそうじゃないか!?」ヒソヒソ

研究者B「当たり前だろ! まだ五歳なのにこんな見ず知らずの所に連れてこられて、挙句知り合いが誰一人としていなかったら誰でも泣くわ!」ヒソヒソ

研究者A「な、なあ、お前確か元教師志望だったよな? あの子をあやしてくれ!」ヒソヒソ

研究者C「そうしたいのは山々よ? でも、私じゃ無理みたい。どうすれば良いのか全く浮かんでこないのよ……」ハァ

円周「ふぇ……あまだおじぢゃああああん! びょうりおねえぢゃああああん! びええええええええん!」ボロボロ

研究者A「ぎゃああああああああああ! 心が、心が痛いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!!」ジタバタ

研究者B「うるさい! 今はお前の事なんて全く重要じゃねえんだよ!」バキィ

研究者A「うべぁっ!?」ドサア

円周「う……?」キョトン

研究者C「! 泣き止んだ……? 貴方達、今のをもう一回やってみてちょうだい」

研究者A「え? いやちょっと待って、殴られるのめっちゃ痛いn」

研究者B「オラアッ!」バキィ!

研究者A「ふばあっ!?」ドシャア


研究者B「あの子がッ! 泣き止むまで! 殴るのをやめないッ!」バンッ、ボガ!

研究者A「げぶっ! おふっ! ばうぁああああああっ!?」ズシャアアアア!

研究者C「些かやり過ぎな気もするけど、これで泣き止むはず……」チラ

円周「……」ジー






――
―――
――――
―――――
――――――


『テメェ乱数! オレのデスクがグズグズに溶けたじゃねえか!』

『知らねえよ! 加群のヤツが勝手に――――』

『問答無用だクソッタレが!』

『待て数多! 少しは落ち着いて――――』

『黙れ主犯格!』


ドゴガスボキメキャグシャッ!!


『円周ちゃんはあの三人みたいな大人にはなっちゃ駄目ですよー』

『うん! わかったー!』



ワイワイガヤガヤ――――


――――――
―――――
――――
―――
――






円周「……」

研究者C「え、円周ちゃーん? どうしたのかなー?」オソルオソル

円周「……うう」ジワア

研究者C「!?」

円周「どこにいるのー……? あまたおじちゃあん……みんなぁ……」ポロポロ

研究者C「ごめんなさい! なんかもうホント色々とごめんなさい!」ギュウウウ!

研究者A「身も……心も……限界……で……す」バタッ

研究者B「ハアッ、ハアッ……ちくしょう、もう打つ手がない……!」ガクッ

研究者C「所長はどこに行ったのよ! 所長が責任を持つべきでしょうに!」





ピリリリリリリリ!





研究者B「ああ!? 誰だよこんな時に電話なんか掛けてきやがって! もしもし!?」

研究者B「……え? あ、ああ。はい、分かりました……」

研究者C「? 誰からの電話?」

研究者B「いや、この子の知り合いがこの子と代わってくれって……」

研究者C「知り合いって……この子誘拐した子なんだからおかしいでしょ!?」

研究者B「あ、ど、どうしよう!?」アタフタ

研究者C「知らないわよ! もう私何の関係も無いから! 知り合いの研究所に移るから!」ギャーギャー

円周「うええ……ぐすっ……ひっく……」ボロボロ








電話『――――オイオイオイ何時まで人の事待たせりゃ気が済むんだこの研究所はよお?』






円周「!」ピタッ!

研究者C「! 止まった……?」

研究者B「一体何が……」

電話『もしもーし、聞こえてますかー? こっちも暇じゃねえんだからさっさと代わってくんねーかなー?』

円周「おじちゃん!? あまたおじちゃん!?」ガシ

研究者B「うおっ! ど、どうぞ?」スッ

数多(?)『よっ! 良い子にしてるか円周?』

円周「おじちゃんどこにいるの? あいたいよー!」ナミダメ

数多(?)『会ってやりてえのは山々だけどな、こっちも今忙しい身でよ、暫らくは会えねえんだ』

円周「やーだー! あいたいよー!」ブンブン

数多(?)『わがまま言うんじゃねーよ、無理なもんは無理だ』

円周「なんでえ……? わたしがわるいこだからあ……?」ボロボロ


数多(?)『……そうじゃねえ、ただマジで忙しくてお前の面倒が見られないからソイツらに世話を頼んだんだ』

円周「おじさんたちにぃ……?」チラ

研究者A「ど、どうも……ごふっ」フラフラ

研究者B「あ、あはは」ニコ

研究者C「よ、よろしくね」フリフリ

円周「……いいこにしてたら、おじちゃんたちにあえる……?」

数多(?)『それは難しいな。かなり大変で正直余裕がねえ』

円周「ふぇっ……」ジワァ

数多(?)『泣くんじゃねえよ、別に一生会えねえわけじゃねーっつーの。それになるべくこうして暇を見つけて電話してやるから我慢しろ』

円周「でもぉ……!」ウルウル

数多(?)『ちっ、ならこういうのはどうだ?』

円周「んぅ……?」


数多(?)『何とか一回はそっちに顔を出せるよう都合をつけてやるから、それまでテメーが良い子にしてたら何でも言う事聞いてやるよ』

円周「なんでも?」

数多(?)『ああ、何でもだ』

円周「あたまなでてくれる?」

数多(?)『禿げちまうくらい撫で回してやるよ』

円周「ぎゅーってしてくれる?」

数多(?)『ぎゅーってして抱っこして高い高いしてやるよ』

円周「ほっぺたにちゅってしてくれる?」

数多(?)『デコチューでもベロチューでも何でもしてやるよ』







研究者A「……いやそれはオカシイ」

研究者B「悔しいが同意見だ」

研究者C「木原数多ってかなりのマッドサイエンティストって聞いてたのに……」


円周「……わかった、いいこにしてまってる」

数多(?)『それは何よりだ』

円周「おじちゃん、ぜったいぜぇーったい! あいにきてね……?」

数多(?)『分かってるっつーの。オレが約束破る様なヤツに見えるか?』

円周「うん」キッパリ

数多(?)『ぶふっ!』

円周「? あまたおじちゃん、どうしたの?」

数多(?)『い、いや―――くふ……! な、何でもな……プクク……! じゃ、じゃあまたな円周、ちゃんと良い子にしてろよ』

円周「うん! いいこにしてまってるね!」

数多(?)『じゃあな……ぶはっ! アッハッハッハッハ――――』ブツッ


円周「……」

研究者C「円周ちゃん? お話終わった?」オソルオソル

円周「!」グルリ!

研究者B「うおっ!?」ビクゥ

円周「おじちゃん、おねえちゃん、これからよろしくおねがいします!」ニパー

研究者A「て、天使や……うおおおおおおおおおおおお! オレが守ってあげるからなー! せめてもの罪滅ぼしだー!」ギュウウウ!

円周「おじちゃんくすぐったいー」キャッキャッ

研究者C「これで良いのかしら?」

研究者B「本人が納得したんなら良いんじゃないかな――――ん?」ピクッ

研究者C「どうしたの?」

研究者B「なあ、あそこの通路の角からちらちらこっちの様子を伺ってるのって……」

研究者C「先輩……?」


研究者D「ふく……っ! くくく……だ、駄目だ、笑いが……治まら――――ぶはは!」ゲラゲラ

研究者C「先輩? こんな所でなにお腹抱えて笑ってるんですか?」

研究者B「あれ? 先輩の手に持ってるのってケータイですよね。もしかして……」

研究者D「あ、ああ。さっきの電話はワタシが掛けたんだ」プクク

研究者C「え、でも円周ちゃんが確かに数多おじちゃんって……」

研究者D「あー、あー……んんっ!」ゴホン





数多(偽)「こんちわー、木原数多でーっす!」キリッ





研究者B「せ、声帯模写!? そんな特技持ってたんすか!?」

研究者D「そうだ。所長がAに木原円周の誘拐を指示したのが三日前だったから寝ずに練習した甲斐があった……」ウツラウツラ


研究者C「ああ……それじゃさっきのやり取りは寝ぼけてたんですね」ホッ

研究者D「へ? 寝ぼけてた?」

研究者B「ほら、ベロチューがどうのってヤツ……」

研究者D「あー、あれね。別に寝ぼけてはいなかったよ」

研究者C「え、じゃああの発言はいったい――――?」ヒキ

研究者D「あれはだな――――」シンケン

研究者B「あれは……?」ゴクリ








研究者D「オレも『木原』大っ嫌いだから悪ふざけしちゃった♪」ペロ






研究者B「……」

研究者C「……」

研究者D「さて、オレはこのあと外回りだから、じゃあな!」スタスタスタ

研究者B「あ……はい……」

研究者C「行ってらっしゃい……」







<おべろっしゃあああああああっ!?







研究者B「な、何だ!?」ビクゥ!

研究者C「曲がり角の向こうから先輩の悲鳴が――――」









『あー、お二人さん』




研究者B「――――っ!?」

研究者C「ちょ、ちょっと、この声って……」

『ちぃっとばかし野暮用ができちまって今日は――――いや、数ヶ月は研究所に戻れそうにねーから、円周の事よろしく頼むぜ?』

研究者B「ひ――――!」

研究者C「は、はいっ!」

『じゃあな』




ズル、ズル、ズル…





研究者B「――――なんか引きずられるような音が聞こえるけどオレは何も聞いてない……」ブツブツ

研究者C「あ、もしもし天井さん? 私そっちの研究所で働きたいんだけど紹介してもらえないかしら? 理由? そんなのどうだっていいのよ!」

円周「ふたりともどうしたのかな?」

研究者A「さー、何があったんだろうねぇー」タカイタカーイ




その後、研究者Dの姿を見たものは誰もいない――――





・本日の木原紹介



木原円周
木原天使四号。それ以外の情報は不要。
しいて言うなら甘えん坊、頭が良い、かわいい、カワイイ、可愛い。


時間がかかった割にはこんなもんですみません。垣根くんもごめんね。

とりあえずここからは巻いて研究所の外にスポットを当てていくつもりです。

登場させたいキャラが多すぎて話がまとまらない。海原くんと扶桑ちゃんと風斬さんはいつだそうか……上条さんは早く出せと言われたら早めに出します。

次回投下予定日は火曜日ですけど、投下できるかなあ……




とりあえず所長ぶっ殺してきます。

乙。美琴と削板に出番はありますか


理后「南南東から信号が来てる……」トテトテ

那由多「おねえちゃんまってー」トテチテ

理后「? なゆたちゃん、それお花のかんむり?」

那由多「うん! はい」スッ

理后「とってもきれいだね。わたしにくれるの?」

那由多「じょーずにあめたからおねえちゃんにあげる!」フンス

理后「ありがとう。それじゃわたしもなゆたちゃんにお花のかんむり作ってあげるね」ニコ
那由多「ほんとう!?」ニパー

理后「じゃあまずはお花を買いに行こう?」

那由多「はーい!」








幻生「いや花買うのかい」


>>187さんが指摘してくれたのに書き溜めの最初の部分書き直したはずが加郡のままだった怒りに
むしゃくしゃして書いちゃいました。

ちなみに滝壺さんのしゃべり方の練習も兼ねてます。思ってるよりしゃべり方難しいなぁ。




~~お花屋さん~~



理后「おお……お花がいっぱいだね」キョロキョロ

那由多「チューリップきれー」キラキラ

店員さん「いらっしゃいませー。あら、可愛いお客様だこと」

理后「すごい、もう6月なのにジャコバサボテンがまだ咲いてる」

店員さん「すごいでしょ? 学園都市は一年365日春夏秋冬問わずどんな花でも手に入るからね」

理后「それじゃ冬にひまわりが見れるの?」ビックリ

那由多「もみじもみれるの?」キラキラ

店員さん「いや、紅葉はちょっと……」ハハハ

理后「あ、もみじ発見」

店員さん「嘘ぉ!?」


店員さん「うわあ、本当に紅葉がある……店長、いつの間にこんなものを……」マジマジ

理后「店員さん、店員さん」クイクイ

店員さん「あら、いけないいけない、今はお客様の相手に集中しないと。どうなさいました?」ニコ

理后「お花のかんむりにはどんな花が良いと思いますか?」

店員さん「冠? 花かんむりを作りたいの?」

理后「うん」

店員さん「ん~、花かんむりと言ったらシロツメグサとかが一般的だけど……作った事がないからあまり浮かばないわ、ごめんなさい」

理后「それは困った」ウーン

那由多「おねえちゃん、このおはなきれーなピンクいろだよ!」グイグイ

理后「! きれい……それじゃこのお花にしようか」ニコ

店員さん「はい、ありがとうございま――――」






・アメリカオニアザミ






店員さん「拷問!?」


那由多「でもこれだけだとさみしいねー」ウーン
理后「じゃあアキノウナギツカミとバラと……」ゴソゴソ

店員さん「待って待って! それで花かんむりを作るつもり!?」

理后「だめ?」ジー

店員さん「何でよりによってトゲトゲな花ばっかチョイスしたの!? 頭血まみれになるわよ!?」

理后「かぶるときはちゃんとトゲは切るもん」ムスー

店員さん「その手間考えたらもっと他にいい花を選べば良いと思うんだけど……」

理后「好きなことに手間なんて感じないよ?」

店員さん「そう言われたらちょっと言い返せないわね……」

理后「それにトゲトゲしてる方があみやすそう」フンス

店員さん「今思いっきり手間省いたわね」

店員さん「というか被るときは良くても編むときは手がボロボロになっちゃうんじゃないの?」

理后「!」ハッ

那由多「!」ハッ

店員さん「そこはノープランだったのね」

理后「それはもうてんだった」ビックリ

那由多「てんいんさんすごいね」ビックリ

店員さん「あはは、どう致しまして」

理后「でもお花はきれいだから、絶対に使いたい」ムムム

那由多「!」ピコーン

那由多「おねえちゃん! あまたおじちゃんにたのもう!」ピョンピョン

理后「! その手があった」オー

那由多「あまたおじちゃんならこれくらいのトゲなんてへっちゃらだよ!」

理后「うん。それじゃあお花を買って木原さんのところに行こ」


店員さん「大人の人にやってもらうなら心配はいらないわね。必要なのはさっきのお花だけで大丈夫かしら?」

理后「木原さんならきっとサボテンもあめるはず……!」グッ

店員さん「ジャコバサボテンは無理よー!」

那由多「だいじょうぶ! あまたおじちゃんならてつぱいぷだってまげられるもん!」フンス

店員さん「なにそれこわい」






――――店の外






幻生「カオスだ……」

すんません、更新遅れます。とりあえずは理后ちゃんで暇つぶしお願いします。

これは生存報告も兼ねている数レスのショートストーリーです。



とある研究所



数多「――――そんで、俺の所に来たって訳か……」ジー

理后「木原さん、花かんむり作れる?」ジー

数多「作れねえことはねーけどよ、それ」ユビサシ

理后「?」



ジャコバサボテン、アロエ、アサガオ、蓮etc…



数多「……お前ホントーに花かんむりが作りてーわけ?」

理后「もちろん」フンス

数多「ウソつけ」

那由他「ジャコバサボテンははずせなかったんだよおねえちゃん」ギュウウウ

数多「理解できねえ……」ポンポン

窒素姉妹はでますか?


数多「ここをこうして……いや、そうすっと蓮が絡まねえ……サボテンってなんだよチクショウ」イライラ

理后「―――ここを、こうして……できた、なゆたちゃんどうぞ」ハイ

那由他「わーい! ありがとう、おねえちゃん!」ギュウウウ!

理后「ふふ、どういたしまして」ニコ

数多「オイコラ、何やってんだテメェらは」

理后「なにって……お花のかんむりを作ってるんだよ?」キョトン

数多「何不思議そうな顔してんだよ! オレに花かんむり作れって言ったのはテメェだよな!?」

理后「作れなんて言ってない。作ってってお願いしたよ?」

数多「言い方の問題じゃねえよ! 問題なのはどうしてオレにかんむり作らせてるすぐ横で自分もちゃっかりかんむり作ってんだよ! 完成してんじゃねえか!」

理后「だってなゆたちゃんに作ってあげるって約束したから」

数多「じゃあオレが作ってるかんむりは誰んだよ?」

理后「……? 誰だろ?」ハテ

数多「……オレ、一生お前に勝てねえ気がするわ……」ズーン


理后「でも、そのお花で作ったかんむり見てみたい」

那由他「みたーい!」ハイ

数多「クソッ……サボテンの花で良いならともかく、サボテン丸々使えってどうやんだよ、理論のりの字も浮かばねえよ……」アミアミ

理后「大丈夫、文句を言いつつもなんやかんやで花かんむりをあんでくれる木原くンをわたしは応援してる」グッ

数多「良い笑顔で親指立てんなってかなんで木原くん呼びになってんだゴラアアアアアアアアアッ!?」

那由他「ちがうよあまたおじちゃん、”ん”じゃなくて”ン”だよ」

数多「んな細けえイントネーションなんざ知るか!」

理后「北北東から信号が来てる……」ボー

那由他「たしかとくりょくけんってところがあるほうこうだよね?」

数多「クソガキテメェエエエエエエエエエエエエエエ!!!! 何やらかしてくれてんだああああああああああああああああああっ!!!!」









~~特力研~~



一方通行「~~~~~っっ!?」ゾクッ!

沈利「どうしたのアンタ? いきなり黙っちゃって」

一方通行「今、凄まじい理不尽を感じた気がする……」ブルブル

沈利「あっそ、どーでもいいわね」



30分後――――



数多「――――ほら、作ってやったぞ」ポイ

理后「おお……すごくりっぱ」キラキラ

那由他「あまたおじちゃんすごーい!」キラキラ

数多「クソ……こんなくだらねえ事に「木原」フル活用する事になるとは思わなかったぜ……あー、もう今日は仕事切り上げちまうか……」ボー

理后「……」ソー

数多「……おい、クソガキ」

理后「なに?」ピタッ

数多「一応聞いておくが、何しようとした?」

理后「木原くンの頭にかんむりを乗せてあげようかと――――」

数多「お断りしますゥ」ペコリ


理后「きっと似合うと思うよ?」

数多「こんなのが似合ったら二度と外歩けねえよ」

那由他「かわいーとおもうのにー」ブーブー

理后「わたしたちもつけてるから、木原くンもつけよう?」

数多「オマエらさっきクッキー作ったんだがいるか?」

那由他「たべる!」ハイ!

理后「木原くンの料理おいしいからだいすき」ムフー

数多(ガキって楽でいいな)

理后「それじゃ木原くンがかんむりつけたらいっしょに食べよう?」ニコ

那由他「はーい!」

数多「マジでオマエに勝てねえよチクショウ……」シクシク




さらに30分後――――




那由多「――――ぷはー! ごちそうさまでした!」ニコニコ

数多「ああ……お粗末さん……」グッタリ

理后「木原くンってほんとうに料理上手だね。いっぱいれんしゅうしたの?」

数多「練習なんざしてねえよ。適当に味付けしたって余程雑に作らなきゃまず食えない事はないからな」

理后「それでこのレベル……だと……?」

那由多「やはりてんさいか……」

数多「へいへい、ふざけてねーで食器片すぞ」カチャカチャ

理后・那由多「「はーい」」カチャカチャ




キーンコーンカーンコーン――――



那由多「あ、もうこんなじかんなの?」

数多「誰だヒトの研究所に放課後のチャイム取り付けやがったバカは!」

那由多「いそいでおうちにかえらなくちゃ! りこうおねえちゃん! あまたおじちゃん! ばいばーい!」トテテテ

理后「また明日あそぼうね」フリフリ

数多「おい病理、テメェまたクソガキと一緒にヒトの研究所改造したろ? 明日直しに来い」 ※電話中

数多「ハァ? 明日平日? テメェ学校行ってねえから関係ねーだろ! いーから直せクソッタレ!」ピッ

理后「電話おわった?」

数多「オウ、ってか何でまだいるんだよ、お前もさっさと帰れ」

理后「え?」

数多「え」


理后「木原くンは帰らないの?」

数多「オレは研究所に寝泊まりしてるから関係ないんだよ」

理后「お家あるんでしょ?」

数多「家? ああ、あのマンションか、別に帰る用事もねーしなあ」ポリポリ

理后「用事がないとお家に帰れないの?」ビックリ

数多「そういう訳じゃねえけど、あの家は病理達に薦められて無理矢理買わされたモンだし、帰る必要は感じねえな」

理后「あくせられーたがいないから帰らないの?」

数多「……まあ、あのクソガキの教育上一般的な住居は必要だ!って名目で買わされた訳だし、アイツがいないんなら帰る必要ねーだろ?」

理后「でもあくせられーたと一緒に帰るお家だとは思ってるんだよね?」

数多「…………」

理后「じゃあ一緒に帰ろ?」

数多「いや、どうしてそうなる」


理后「木原くンはお家に帰る気はないんだよね?」

数多「研究所で寝りゃ済むからな」

理后「その理由はあくせられーたがいないから」

数多「理由言ったのに意味を為さねえ」

理后「木原くンは誰かと一緒じゃないとお家に帰りたくない……」

数多「嫌な予感がする……」







理后「つまり、わたしが一緒に帰ればもんだいかいけつ」フンス

数多「滝壺理后さんの次回作にご期待します、お帰りくださーい」


理后「どこがダメだったの?」キョトン

数多「理由のくだりっていうすごく早い段階でだ」

理后「でも一人で帰る気はないんだよね?」

数多「蛇口捻れば水が飲めるのにわざわざ山登ってまで湧き水飲みに行かねえだろ? つまりそういう事だ」

理后「なんてきょくたんなりろん」ビックリ

数多「そんくらい帰る必要がねーって事なんだよ」

理后「じゃあお家には帰らないの?」

数多「何回同じこと言うんだよ。ああ、帰らねえ」

理后「そう……」シュン

数多「何でしょげてんだよ」

理后「お家……帰りたかった……」ショボン

数多「なら帰れば良いだろ? 寮まで送ってやるからよ」


理后「寮は好きじゃない」

数多「何でだ?」

理后「わたし、独りだから……」

数多(……こいつの能力強度はレベル3、しかも発電能力や念動能力と違ってAIM拡散力場に干渉するレアな能力だ)

数多(九歳のガキがそんな能力を持ってさらにレベルも高けりゃ、当然周りから距離を置かれるだろうな)

理后「……ごめんなさい、わがまま言っちゃって、ちゃんと寮に帰るね。木原くン、ばいばい」トテトテ

数多「……オイ、クソガキ」

理后「?」ピタ

数多「今思い出したんだが実は冷凍庫に肉を凍らせっぱなしでよ、いくら凍らせてるとはいえさすがに今日中に食いきらねえと捨てる羽目になっちまう」

理后「それはたいへんだね」

数多「本当にな。しかも量が無駄に多くて一人じゃ食いきれないんだが……」チラ

理后「!」


数多「良かったら消化すんの手伝ってくんねーか? マジで多すぎて明日の朝飯まで食って行ってもらう事になるが――――どうする?」

理后「行く!」パアッ

数多「そうか、そいつは助かる。そんじゃオレは所員に先に上がるって伝えてくっから、外で待ってろ」

理后「うん!」タタタ

理后「あ、そうだ」ピタ

数多「アン?」





理后「木原くン、ありがとう!」ニコッ



パタパタパタ――――



数多「……ハッ、何だよ、ちったあ語気を強くできんじゃねえか」





――――誰かと一緒じゃないと帰りたくない――――




数多「……チッ、何が寮は好きじゃない、だよ」ガシガシ










数多「勝てねえな、クソッタレが」







7月7日、午後10時。


第21学区の自然公園。



帝督「今日は晴れて良かったなー」

一方通行「天の川スゲェ、あれ全部星なンだよなー……」キラキラ

帝督「学園都市でもこんなに星が見られるなんてスゲーよな、東京って言ったら星空とは無縁だと思ってたのに」

一方通行「環境対策も“外”とは比べようもないンだろォな。おかげでアイツらのテンションヤベェ事になってるし」チラ



美琴「ゲコ太グッズが当たりますよーに!」パンパン!

操祈「ことちゃん、せっかくの七夕なんだからもっと大きなねがいごとをしなくちゃ」

美琴「ほうほう、そのこころは?」

操祈「せかいでただ一つのゲコ太プレミアムリュックサックでどうだ!」ババーン!

美琴「な、なにぃぃぃぃ!? そ、そんなゲコ太がいたなんて……」ガクッ

操祈「フッフッフッ、それじゃあまだまだ一人前のゲコラーとはいえないわよぉ!」ドヤッ

美琴「さきちゃん、それテレスおねえちゃんからきいたでしょ」

操祈「うん」


マリアン「ベルシの天然ボケが治りますよーに……と」カキカキ

沈利「加群さんが見たら泣くわね、この短冊」カキカキ

マリアン「『一方通行とずぅっと一緒にいられますように』か。さすが沈利、期待を裏切らないなあ」ニヤニヤ

沈利「ちょ、ちょっとお姉ちゃん! 声に出さないでよ!?」カァァァ!

マリアン「ごちそうさまでーっす。おかわりはありますか?」ニヤニヤ

沈利「お姉ちゃーん!」ウガー!





理后「……」

那由多「……」

理后「……お空から信号が来ない」ボー

那由多「おそらはれてるのにねー」ボー

氷華「えと、織姫と彦星にAIM拡散力場ってあるのかな……?」

理后「分からないけど、ためしてみる価値はあると思う」ボー

那由多「あきらめたらそこでしあいしゅうりょうだよ!」フンス

氷華「え、ええー……?」オロオロ


帝督「……なんだこれ」

一方通行「オレにも分かンねェ」カキカキ

帝督「お、一方通行の願い事はどんな感じかなー?」ノゾキミ

一方通行「別に大したことじゃねェよ」カキカキ

帝督「『みんなの願い事が叶いますように』……ええ子や……」ホロリ

一方通行「垣根は短冊に何て願い事をしたンだ?」

帝督「当然これ一択!」スッ





短冊『皆がお兄ちゃんって呼んでくれますように』





一方通行「……ああ、うン。そンな予感はしてた」ヒキ


帝督「という訳で、さあ! お兄ちゃんって呼んでみ!?」ハリーハリー

一方通行「クソ兄貴」

帝督「……アリ、だな」キリ

一方通行「コイツまじで底なしだな……」アキレ

帝督「ん? そういえば光貴はどこ行った?」キョロキョロ

一方通行「光貴ならもォ短冊を飾りに行ってるぜ」

帝督「お、それじゃオレ達も飾りに行こうぜ」

一方通行「オーイ理后ー、那由他ー、氷華ー、オマエらも早く願い事書いとけよー」



<は、はい! 分かりましたー!

<星きれい……

<きれーだねー



帝督「多分まだまだ時間がかかると思う」

一方通行「木原くンがいれば理后達も反応するンだけどなァ……」



~~展望台~~



光貴「―――よし、これでオッケーですかね」

帝督「とうちゃーく。おい光貴ー、飾るならオレ達も誘えよー」ブーブー

光貴「あ、帝督兄さん。いえ、お二人が楽しそうに空を見上げていましたから、邪魔してしまうのはよろしくないかと」

一方通行「そンなに気を使う必要なンざねーよ、むしろこの馬鹿はどンどン邪魔してやれ」

帝督「そうだぞ、弟のやる事全てを受け入れてやるのが兄貴ってもんだ!」ドーン!

一方通行「……な? 気を遣うのが馬鹿らしいだろ?」

光貴「ははは……」

帝督「それより光貴、オマエは短冊に何書いたんだ? それが気になってしょうがないんだよー」ベター

一方通行「蒸し暑いんだから引っ付いてやるな」

光貴「いえいえ大丈夫ですよ。短冊はもう笹に飾ってあります」


帝督「どれどれ~、光貴の願い事はなっにっかなー?」ジー

一方通行「コイツの事だからオレと似たような事だろ」ジー

光貴「そんな食い入るように短冊を見つめなくても……」ソワソワ

帝督「えー、『帝督兄さんともっと仲良くなれますように』……え?」

一方通行「光貴……暑さで頭がやられちまったのか……」ホロリ

光貴「ち、違いますよ! よく見てください!」

帝督「あれ? 他にも短冊があるぞ」タクサン

一方通行「沈利達はまだ向こうで書いてるから、これ全部光貴のか?」

帝督「おい、しかもこれ全部……」

一方通行「『沈利姉さんともっと仲良くなれますように』『美琴ともっと仲良くなれますように』『操祈ともっと仲良くなれますように』……全員分あるな」

帝督「光貴、こりゃなんなんだ?」

光貴「えっと、何と言いますか、皆さんと仲良くなりたいでも良かったかなとは思ったんですが……」

一方通行・帝督「「?」」


光貴「みんなって書いたら効力が薄まるような気がしちゃいまして、一括りではなく一人一人思いを込めて書いたら願いが叶いやすくなるかなー、と……」テレ

帝督「……」ナデナデ

一方通行「……」ナデナデ

光貴「ちょ、ちょっと二人とも、何で無言で頭を撫でるんですか?」カァ

一方通行「ブラコンになる理由がよくわかるわー……悪かったな垣根」ニコニコ

帝督「気にすんな。あとできればお兄ちゃんって呼n「調子のンな」はいすみません」ニコニコ

光貴「やめてくださいよ兄さん達ー!」カァァァ






マリアン「ちょっと行って来る」ダッ

沈利「行ってらっしゃ――――速っ!? もう高台にいる……」ボーゼン




ワタシモマゼロー! マリアンネエサン!ム、ムネガ… アー、ミツキカオマッカー …ワラエネェヨ、タニマホールドハ


病理「子供達が楽しそうで何よりですね」

幻生「本当にね、ここに円周ちゃんも連れてこられれば良かったのだけれど」

病理「場所は数多くんしか知りませんからねー、まあ何かあったら数多くんが行動を起こしてるでしょうから、きっと元気でしょう」ソワソワ

幻生「おっと、思い出したら居ても立ってもいられなくなったかな?」

病理「あの子は甘えん坊でしたから、今頃寂しくて泣き出していないか心配で心配で……」





そのころの円周――――





円周「――――そこで数多おじちゃんが男の人のくびをつかんでかべにたたきつけたあとにね」ペチャクチャ

研究者A「うっわ、えげつねえ……」フムフム



所長「…………」ガタガタガタガタガタ

研究者B「……ドンマイ」ププッ

研究者C「良い気味ね」ププッ


七夕? このおまけを投下するまでが七夕だ(キリッ

こンなのばっか書いてるから本編遅れンだよ三下ァ!と言う方、本編はそろそろ溜まりますのでお許しを。

毎日理后ちゃんは一応あれで区切りがついたので、ほかのが見たい!って方がいましたら口調の難しいキャラのリクお願いします。
本編レギュラー、準レギュラー予定のキャラだった場合そのキャラで口調練習で毎日シリーズを書きたいと思います。

ちなみに時間は本編から一年後で、みんなの漢字率が少しだけ上がっています。(特に美琴と操祈)
これを投下するという事は最低でもこのキャラたちの登場は早めに出すという決意の表れでもあります。頑張ります。

木原くンの出番がなかった理由については本編投下後に話しますが、爆発しろとだけ言っておきます。


Q.薬味久子を好きになったきっかけは?

A.年上、ガーターベルトで持ってかれた。

どうも遅れました。やっとこさ本編投下です。
もう本当に書き溜めって大変。中々進まない。頭の中でイメージした展開を書き起こそうとすると突然量が増えると言う怪奇現象に襲われます。

あと原作読んだりしてキャラの設定とか考えたりしてて遅れてしまったのもありますね。



1時間後――――



一方通行「――――か、かまぼこ!?」ガバッ

沈利「どんな夢見てたのよ……」

一方通行「し、沈利!? 無事だったのか! どこもかまぼこにされてねェか!?」

沈利「うん。悪夢だっていうのは分かった」

一方通行「夢……?」

沈利「そうよ、覚えてない? さっきマリアンお姉ちゃんに頭なで回されて……」

一方通行「……ああ、思い出した。そこで限界が来て気を失っちまったンだな、オレ」ヨイショ

沈利「もう動いて大丈夫? どこも痛くない?」ペタペタ

一方通行「大丈夫だ、やっとダメージが抜けきったぜ」ノビー

沈利「それも不思議な話よね。木原くんにあれだけ痛め付けられてたのに見た感じ健康その物って感じだし」

一方通行「木原くンの格闘センスは凄まじいからな。オレの反射だって理論が分かったからって簡単に破れるものじゃないし」

沈利「まあそれは特力研で嫌と言うほど目にしたけどね……」

一方通行「特力研のヤツら目立った外傷はなかったけど、全員中身グチャグチャの可能性があるな……」


一方通行「ところで沈利、さっきから気になってたンだけどよ……」チラ






謎の袋「――――」ゴソゴソ






一方通行「……あの袋、なに?」

沈利「気にしちゃ駄目よ一方通行」

一方通行「いや、だってアレ、オレの記憶が正しかったら遺体袋じゃ……」

沈利「大丈夫、誰も死んではいないから……まだ」ボソ

一方通行「誰が入ってるンだよ沈利ィ!?」ガタガタ


唯一「躾のなってないクソガキですよ一方通行」ポン

一方通行「わ、唯一ちゃン? 久しぶりだなァ! いつの間に来てたンだ?」ギュウウ

唯一「私が来たのは一時間くらい前ですよ。その時にはすでに君は気絶してましたけど」ナデナデ

一方通行「そォだったのか。なァ唯一ちゃン、あの袋の中身は何なンだ?」

唯一「二箇所の研究所の天井を破壊した危険極まりない要注意人物です。近付いてはいけませんよ?」



謎の袋「――――! ――――!」ジタバタ



一方通行「な、何か急に暴れだしたンだけど!?」ビクッ

唯一「ちょっと待っててください」スタスタ

沈利「死体袋に近付いていってどうするのかしら?」

一方通行「やっぱ死体袋じゃねェか!」


唯一「はーい、ちょぉっといいですかー?」

謎の袋「!?」ビクッ!


沈利「袋越しでもすごく怯えてるのが分かる……」

一方通行「ホントにオレが気絶してる間なにが起こったンだよ?」


唯一「私は今一方通行たちと仲良く楽しく賑やかしくおしゃべりを満喫してる最中なので、あまり空気をぶち壊さないでいただけると嬉しいんですが」

謎の袋「――――」ブルブル

唯一「アナタは空気の読めないところがありますけど、それでもこうしてお願いすれば分かってくれると私は信じてますよ?」ナデナデ

謎の袋「――――!」ガタガタ

唯一「分かってくれて何よりです」ニコ


沈利「な、なんでだろう……唯一さんの笑顔からなぜか木原くんに似た物を感じる……」ブルブル

一方通行「唯一ちゃンは木原くンの影響を最も濃く受けた二人の片方だからな」

沈利「もう一人いるんだ、木原くんみたいなのが……」


唯一「さて、お待たせして申し訳ないんですが、やっぱり私もそろそろ帰ることにしますね」ヨイショ

謎の袋「――――!?」ガタガタ ←担がれた

一方通行「えー? もう帰っちゃうのかよ? せっかく久しぶりに会えたのに……」シュン

唯一「私ももう少しここに居たいんですけど、この後予定が入ってますからね。まあ時間ギリギリまで粘って君と久しぶりに話せたから良しとしましょう」ヨシヨシ

沈利「今度会ったらまた一方通行と木原くんの昔の話聞かせてくださいね」ニコ

唯一「ええもちろん。また会いましょうね沈利ちゃん」ナデナデ

沈利「えへへー」ニコニコ

一方通行「オレが気絶してる間にこンなに仲良く……これからは体を鍛えよう……」ケッシン

謎の袋「――――」ゴソゴソ ←袋に穴を開けている

唯一「……大人しくしろって言ったよなぁ?」ボソ

謎の袋「――――」ピタッ

唯一「……体内の二酸化炭素揺さぶって全身の血管ぶち破んぞゴラ」ボソボソ

謎の袋「」シーン

一方通行(微動だにしなくなった……)

沈利(……「木原」にまともな人は居ないのかしら……)


沈利「――――嵐のように去っていったわね」

一方通行「結局中身は誰だったンだ……」

沈利「なんかすごい食いつきようだけど、気になるところでもあった?」

一方通行「気になるところしかねェよ。木原くンの影響受けすぎだよ」

一方通行「いやなンかさ、あの袋見てるとさっきのかまぼこの夢を思い出すンだよな……」ウーン

沈利「……ちなみに聞くけど、いったいどういう夢だったの?」

一方通行「えーと……何か触れたらかまぼこにされるって言うデッケェかまぼこが出て来て皆をかまぼこにしちまって……」

沈利「シュール過ぎて言葉も出ないわ……」

一方通行「オレは必死で反射しようとすンだけど何故か効かなくて、オレの髪の毛触ってきたり、両ほほに引っ付いてきてこねくり回してきたりして……」

沈利「あの袋消し炭にしてくる」ダッ

一方通行「待て! 何しようとしてンだ!?」

沈利「大丈夫よ一方通行。わたしの能力なら証拠なんて絶対残らないから……!」キィィィィン

一方通行「やめろ! 頼むから早まらないでくれ! 誰かー! 沈利を止めてくれー!」ガシッ

沈利「あのクソメルヘンがあああああああああああああああああああああ!!」



――――研究所外



乱数「――――あー、今日は色んな意味で疲れたわー……」

操祈「おつかれさまぁ乱数くぅん」ギュウウウ

乱数「ありがとな。半分はテメェの所為だけど」

数多「すみませんが今日は真夏日なんでー、いちゃつくのは自宅でやってもらえませんかねえ?」ニヤニヤ

乱数「テメェの眼球洗って丁寧に磨いてやるから寄こしな」ビキビキ

数多「おやおやー? そんな口聞いて良いのかな? オイ操祈」

操祈「ふぇ? どうしたの木原くん?」

数多「木原くんじゃねえ! ちょっとオレの頭ン中覗いてみろ、面白いモンが見れるぜ?」

操祈「あたまを? わかったわぁ。むむむ~」シュウチュウ

乱数「オイ、何企んでやがんだ数多?」

数多「すぐ分かっから見てろって」ニヤニヤ


操祈「……乱数くん」

乱数「ア? どうした?」

操祈「乱数くんといっしょにいるこのおんなのこはだぁれ?」ジッ

乱数「!? な、何でソイツを――――はっ!?」

数多「……」ニヤニヤ

乱数「数多ァアアアアア! テメェ、いつの間にあのガキの事を調べやがった!」

数多「十日前理后と散歩してたらたまたま見かけた。ただそれだけ。他意はない」

乱数「何で少し喋り方がぎこちねぇんだよ! つーか加群じゃあるめえし、あのガキとはなんもねえよ!」

数多「その割には結構頻繁に会ってるよなぁ? しかも満更でもなさそうなツラ浮かべやがって」ククク

乱数「趣味が合っただけだっつの! あんまふざけた事ばっか抜かしてっと全身ドロドロのゲル状にして――――」





ごんっ! がんっ! ぼぐっ!




乱数「」チーン

加群「私じゃあるまいし何だ? オイ」ビキビキ

数多「アララ、容赦ねーなテメェも」

加群「さすがに今日一日で想像以上のストレスが溜まっているんだ。荒々しくもなる」フゥ

マリアン「ベルシのこんな動き初めて見た……」ビックリ

数多「人体の特定の箇所に決まった衝撃を与えて入眠時幻覚に似た作用を引き起こすのが加群の戦闘スタイルだ。オレでもできるけど」シレッ

加群「ホントお前のチート具合には只々感心するよ……」アキレ

数多「仕方ねーだろ、オレの性質上そういう細かい芸当は一通りできるんだしよ」

マリアン「そういえば幻生さんも言ってたけど、数多さんの性質って何のことなの?」


数多「んー? そうだな、しいて言えば細かいんだよ」

マリアン「細かいだけじゃイマイチよく分かんないんだけど」

加群「もう少し真面目に答えてやれよ数多」

数多「メンドクセェからパス」

加群「そういう奴だよなお前は……そうだ、お前に頼みたい事があるんだが、ちょっといいか?」

数多「メンドクセェ事じゃなけりゃ考えねえ事もねえ」

加群「なーに、大した事じゃない。私が気絶しているうちに幻生さんは帰ってしまってたから、代わりにお土産を渡しておいて欲しいんだ」

加群「確か明日はテレスの家に研究資材を届けに行くんだったろ? テレスの分も一緒に渡しておくから頼む」

数多「――――みやげ? みやげ、ミヤゲ……土産……置き土産……?」ブツブツ

加群「なにいきなり物騒なこと言ってるんだ」

数多「いや……だって、オマエ……アレが土産か……? 人の心を何とも思ってねえヤツが作っただろアレ」

加群「アレを作ったのはお前だったのか数多」ビックリ

数多「死ね」




~~木原くンの研究室~~




一方通行「ン? この箱なンだ?」コンコン

沈利「加群さんからのお土産だって」

一方通行「沈利、今すぐこの研究所を封鎖して隣の学区まで逃げるぞ」ガタッ

沈利「ちょ、ちょっと、いきなりどうしたのよ!?」

一方通行「あの加群くンがマトモな物持ってくるわけがねェ! 急いで逃げないと手遅れにな――――」









うじゅる――――








沈利「――――え?」オソルオソル

一方通行「あ、あああ……」ガタガタ






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一方通行・沈利「「イヤァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!?!?」」







数多「―――んじゃ乱数とガキを頼むぜヴェーラ」

ヴェーラ「はい! しっかりと研究所まで送り届けてきます!」ビシッ

数多「乱数が目ェ覚ます前に送り届けろ。もし途中で目覚めてオレに苦情の電話がかかってきたらテメェをひん剥いて路地裏に投げ捨ててやる」

ヴェーラ「ひっ! い、急いで送ってきますー!」バタバタ

操祈「木原くん、かーくん、ばいばぁい!」フリフリ

加群「また今度遊ぼうな」フリフリ


ホラミサキチャン、イソイデ! ハァイ!


数多「……なあ加群、一つ聞いて良いか?」

加群「オマエが私に聞きたいことがあるとは珍しいな。何だ?」

数多「……オレってそんなくん付けされるような面してんのか……?」ズーン

加群「さ、さあ……?」

マリアン(気にしてたんだ木原さん……)


加群「そ、それじゃまた来週に会おう。数多、ちゃんと幻生さんに土産を渡しておいてくれよ?」

マリアン(無理矢理話をそらしたな)

数多「へいへいわぁーってるよ。来週は遅刻すんじゃねーぞ? あとまたガキ増やしてきたら今度こそ警備員につき出す」

加群「最後までロリコン扱いは変わらずか……さ、行くぞマリアン」グスッ

マリアン「そんなに泣くなよ……それじゃ、また、今度」オズオズ

数多「おう、お前ならあのクソガキ共の面倒も見れるし、いつでも大歓迎だ」ワシワシ

マリアン「わわ……えへへ」ニヘラ

加群「なにこの扱いの差……」

数多「え、何? ガキにするみたいに接して欲しいってこと? お前、子供好きじゃなくてそーいうプレイが……ちょっと離れてもらえませんか?」ヒキ

加群「さーマリアン、今日は何か食べて帰るか!」ナミダメ

マリアン「ちょ、ちょっと腕引っ張らないで! あ、数多さーん! またねーっ!」ブンブン

数多「なんかあったらすぐ連絡しろー、もしくは大声を上げろー」ニヤニヤ




ウワーン! ドコイクキダ!モドッテコイベルシ!



病理「容赦ないですねー本当に」キコキコ

数多「なんだ、車椅子直ったのか」

病理「直ってるように見えます?」ギシギシ

数多「見事にガラクタだな。ロッキングチェアに車輪つけた方がまだ乗り心地良さそうだ」

病理「幻生さんと数多くんって本当にそっくりですよねー。周りの被害を一切考えないところとか」ジトー

数多「車椅子おじゃんにしたのは乱数だろ。あと俺は周りにどれだけ被害が出るか分かった上で暴れてんだよ」

病理「最低じゃないですか」

数多「うっせ。それよりその車椅子でちゃんと帰れんのかよ? なんなら送っていくぞ?」

病理「あら珍しい。どういう風の吹き回しですか? 数多くんが優しいとか違和感がすごいんですが」

数多「別に、ただの気まぐれだよ」

病理「ですよねえ。数多くんがあの子達以外に優しくするなんて、気まぐれでも起こさないと有り得ませんもんねえ」ニヤニヤ

数多「そーか? 別にそんな事はねーと思うぞ? 例えばさっきお前を抱えたとき結構抱き心地が良かったからとか」

病理「ふぇっ!?」カァァァ


数多「あー、お前って思ったより軽かったなぁ。柔らけーし良い匂いだし……そうだ、また抱き抱えて送ってやろうか?」ニヤニヤ

病理「な、あ、その……! えと、そ、それじゃ……お、おね――――はうぅ……」モジモジ

数多「ん? どーした病理、顔真っ赤じゃねえか。なんか恥ずかしい事でもあったのか?」ニヤニヤ

病理「~~~っ! な、なんでもないですよっ!」プイッ

病理「そ、それでは数多くん、先に帰らせてもらいますね!」キコキコ

数多「おー、気ぃ付けてなー」ヒラヒラ

病理「あ、そういえば数多くん」ピタッ

数多「今完璧帰る流れだったろーが」

病理「まあまあ。それより帝督の事なんですが」

数多「クソガキがどうした?」

病理「乱数くんと加群くんが二人を紹介してくれたわけですし、やっぱり私もあの子を一方通行に紹介してあげた方がいいですよね?」

数多「そんなのオレに聞いてどうすんだよ? そんなのクソガキが勝手に紹介すんだろ」

病理「いやー、数多くんって意外と神経質なところがあるじゃないですか。自分の知らないところで勝手に話が進むのを嫌うと言いますか」


数多「テメェらが絡むとろくな事にならねえから神経質になってんだよ。朝出勤してきて研究所が楳図ハウスになってた時の絶望感舐めんなよ」

病理「だって殺風景過ぎるんですもん数多くんの研究所って。必要最低限の物しか詰め込まれてません!って感じじゃないですか」

数多「だからってあのガキ使って研究所勝手に改造すんのやめてくんねえ? 一軒家サイズがどうやったら東京ドームサイズになるんだよ敷地どう確保した」

病理「あの子に常識は通用しません!」キリッ

数多「ああ、非常識なガキなんだな、ゆとり世代め」

病理「あの子は立派な常識人です! 悪く言わないで下さい!」キー!

数多「今日人様の研究所ぶっ壊しながら登場してくれたのはどこのどいつでしたかねえ?」

病理「数多くんだってさして変わらないでしょう? 山がある、更地にしろ。川がある、更地にしろ。崖がある、でっけえ更地にしろって素で言うような性格のくせに!」

数多「言わねーよそんなこと」


唯一「はいはいいつまでもじゃれ合ってないで帰りますよ」パンパン

数多「ア? クソガキの教育は終わったのか唯一?」

唯一「はい、こんなにも素直で静かな子になりましたよ」ポイ

謎の袋「――――」ドサッ

病理「きゃあああああああああっ!! 帝督ぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!?」ギョッ

謎の袋「――――」ゴソゴソ

数多「素晴らしいな、流石は唯一。教育ってモンを理解してるな」ナデナデ

唯一「えへへ、数多兄さんをお手本にしてみただけですけどね」ニヘラ

病理「生きてますかー! 帝督ー!」ユサユサ

謎の袋「―――エ―――ウ」ゴソゴソ

数多「呻き声が出せればまだ大丈夫だろ」

病理「そんなわけないでしょう!?」


唯一「さて、兄さん成分も補給した事ですし、帰るとしますか」

数多「その言い方なんか気持ち悪いからやめろ」

病理「唯一ちゃん! 何か私に言わなければならない事があるんじゃないですか!?」

唯一「え? ありませんけど?」シレッ

病理「このっ、外道が……っっっ!!」ギリッ!

数多「あ? うるせえよ」

唯一「兄さんじゃないですよ」

病理「自覚は有るんですね」

数多「ちっ、しくったか……」グリグリ

謎の袋「―――! ―――!」ビクン、ビクン


病理「ちょ! 何やってんですか数多くん!?」

数多「何って、踏んでるんですけどそれが何か?」

唯一「ボロボロな子供にさらに追い討ちをかけるのにかけては兄さんの右に出るものはいませんね」カンシン

病理「感心してる場合じゃないでしょう! 帝督から足をどけてください~!」ポカポカ

数多「喚くな喚くな、別にこのガキを蹴ってるわけじゃねえしよ」ゲシゲシ

謎の袋「――――!」ジタバタ

病理「めっちゃ蹴ってますよね!? さっきより酷くなってますよね!?」

数多「テメェもまだまだだな病理……」ハァ

病理「あれ? 私何か変な事言いました? なんでこんな呆れられてるんですか?」

唯一「簡単な事じゃないですか。数多兄さんが蹴ってるのにまだ息がある、それが答えです」

病理「簡単じゃない! っていうかそんな答えにさせてたまるか!」


数多「こいつ、未元物質で緩衝材に似た物質でも生成してんだろ、感触に違和感があんだよ」グリグリ

病理「いやその割には足がどんどん沈んで行ってません? 帝督の動きが徐々に鈍くなってきてません!?」

数多「ガキの浅知恵でその場凌ぎの物質作った程度でオレの蹴りを止められるわけねーじゃん」ゲシゲシ

謎の袋「」チーン

病理「いやあああああああああああああああああああ! 止め刺されたぁああああああああああああっ!?」ガーン

唯一「ほら病理姉さん、さっさと帰りますよ」ヨイショ

病理「優しくしてあげて! 帝督のライフはもう0なんですよ!」ウワーン!

唯一「それじゃあ兄さん、さようなら~」テクテク

病理「無視しないでよぉ唯一ちゃーん! あ、数多くん、ばいばーい!」キコキコ

数多「おー、気ぃつけて帰れよー」ヒラヒラ



ワタシノヒザニノセテイキマスカラカエシテヨー! アーアーキコエナーイ




数多「……やっと帰ったか。騒がしい奴らだなホント」ハァ

数多「さて、と。そろそろクソガキも目を覚ました頃だろうし、さっさと研究室に戻――――」クルッ




―――――――。




数多「……っ」バッ

数多「……気のせいか? なんか視線を感じた気がするが……」ジー

数多「……確かこの感覚は、3年前にもあったような――――」








『お、お化けが! 女の子のお化けがいたんですよー!』








数多(そうだ、あれは病理達が俺の研究所に泊まりに来た日の夜だった。夜中に目が覚めてふと窓の外を見たら幽霊がいたとかなんとか……)

数多(あまりにもアイツらがホントに見た!ってうるせーから窓の外に意識を向けたら、誰かに見つめ返されてるような感覚がした……)

数多「……」ジッ





――――――っ。





数多「何か居るな……なるほど、偏光能力者か。それもかなりの高位能力者」フム

数多「あの時は病理達もまだ中二で「木原」としてもまだまだだったから気付けなかったみてーだが、タネが割れりゃこんなモンか」スタスタ

数多「テメーが何のつもりでまた姿を現して―――いや、見えちゃいねーが、この研究所に来たのかは知んねーけどよ」スッ




ぽん。



???「!?」ビクッ

数多「何か用があんならコソコソとしてねーで堂々と来い。今日の俺は機嫌が良いから話ぐらい大人しく聞いてやるからよ」ワシワシ

???「あ……その……」

数多「あん? 声の感じじゃ女子高生ってトコか。その年でここまで完璧な偏光能力が使えるとは大したモンじゃねーか。どうだ、俺のトコで開発をしてみねーか?」ズイ

???「~~~~~~っ!!」ダッ

数多「うぉっと、逃げやがった。今度は隠れてないでちゃんと顔見せろよー、待ってるからなー」オーイ




ジ、ジジッ――――




数多「ん? あの制服……霧ヶ丘女学院の制服か……?」

数多「とするとただの偏光能力者って訳でもねーのかもな。もっと珍しい能力者か、格段に応用力に長けた能力だったのか」

数多「ま、どっちにしてもどうせまた会うことになるだろうな。俺は『木原』なんだし」

数多「……独り言が多すぎるな、さっさと部屋に戻るか」スタスタ




研究室前――――



ガチャッ。



数多「あー、なんか疲れてきちまった」ボリボリ

一方通行「お帰りー」

沈利「お帰りなさーい」

数多「おー、目が覚めたかクソガ……キ?」









一方通行「いっタいどウしたんダヨ木原くン、ソンなふシぎそうナかおしテ?」ウジュルウジュル

沈利「ワたシたチノかオニなにかつイてルノかしラ?」ウジュルウジュル

<ildtw同jpkz増ethfsh♪






数多「何があったあああああああああああああああああっ!?」




タッタッタッタ――――



???「はっ、はっ、はっ……」ピタッ

???「はぁー、はぁー……」ハァ、ハァ

???「……」サスリサスリ

???「……初めて、男の人に頭を撫でられた……」ボソッ








待ってるからな――――








???「~~~~~っ!」ボンッ

???「はぅ……」プシュゥゥゥ


うちの木原くンはほんっとにもーフラグメイカーで腹が立ちますね!

七夕ssで木原くンがあの場に居なかった理由ですが、仕事で外国に行った時に出会った原作の時間軸だったら20歳前後の色白でスタイルは悪くない
そこらの雑誌でモデルでもやってればよさそうな金髪女子高生に腕試しと称して絡まれてたからです。(あれ、すごい既視感が……)

毎日シリーズですがアックアさんが見たくて今原作の18巻読んでるので17巻も読んだら幼い頃のやんちゃ姫と年甲斐ないやんちゃ女王を書きたいと思います。
読んだり書いたり時間がかかるので始まったら口調のチェックお願いしますね。

次回投下は消極的に2週間以内を目指します。







慌てると丁寧な口調が取れちゃうびょうりんってかわいくね?


エリザード「孫が生まれたぞ!」

騎士団長「実在の女王様の方にですけどね」

リメエア「実に、喜ばしい限りだけど」

キャーリサ「私たちも早く姪っ子が見たいし。なーヴィリアン?」

ヴィリアン「ど、どうしてそこで私の顔を見るのですか?」

リメエア「あら、それを言わせる気なのかしら? 皆まで言わなくとも、解っているでしょうに」クスクス

キャーリサ「ほらほらウィリアム、ヴィリアンが困ってるのだから助けないと」ツンツン

アックア「無論そのつもりではあるが、その悪意に満ちたにやけ面でもって言われると腹が立つのである」イラッ

エリザード「まあまあ落ち着け、仮にも第二王女に対して浮かべて良い表情ではないぞ?」ニマニマ

騎士団長「そうだぞウィリアム。そもそもお前が何時までたっても覚悟を決めないからいけないのだろう」ニタニタ

アックア「貴様ら表へ出るである、少し語らおうではないか」ガタッ

リメエア「自分のヘタレを棚にあげるんじゃないの。ほら、学園都市から貴方へ贈り物があるそうよ?」

アックア「ヘタレとは遺憾であるな。それより私に贈り物であるか?」

エリザード「学園都市という事は木原の方々からか。私にも何か贈り物は届いていないのか?」ワクワク


リメエア「幻生さんから、絶対に倒れないホッピングというのが届いてはいますね」

エリザード「なにそれ超ステキ!」キラキラ

騎士団長「言っておきますが、公務の合間を縫って宮殿内で跳ねまわったりさせねぇからな!?」

アックア「話が逸れていきそうなのでさっさと荷物を確認するのである」

リメエア「何やらカタログのような物みたいね」スッ

アックア「ふむ、カタログであるか。学園都市製の最新機器の宣伝であろうか……」ジー






学園都市Toy's ~赤ちゃんが喜ぶおもちゃ特集!~

差出人  木原数多






アックア「」


リメエア「あらあら」ニコニコ

キャーリサ「さっすが木原のみんななの」ニヤニヤ

騎士団長「順調に外堀が埋められて行ってるなウィリアム」ニタニタ

エリザード「私も期待しているから、早く元気な孫の顔を見せてもらいたいな?」ニヨニヨ

キャーリサ「おーっと、英国女王直々のお願いとは、これはもう腹を括るしかないと思うし?」ククク

ヴィリアン「み、みなさん! な、ななな、何を勝手に盛り上がっているんですか!」カァァァ

ヴィリアン「ウィ、ウィリアムも固まってないで何か言って下さい!」

アックア「……」

ヴィリアン「……ウィリアム? どうしたのですか?」







アックア「――――これより木原数多の粉砕に赴く。止める気であれば全力で臨むようにされたし……」カキカキ

ヴィリアン「お、落ち着いてくださいウィリアム!」ギュウ!

アックア「放すのであるヴィリアン! あの顔面刺青男だけは許せんッ!! ――――ええい、囃し立てるな外野が! もっとくっ付けではないっ!!」ジタバタ







本編は明日の朝8時までには投下します。

英国王室の皆様、木原sスレ登場キャラ一同、お喜び申し上げます!


Q.量が少ないが大丈夫か?

A.大丈夫じゃない、問題だ。


2週間たって書き溜めに余裕がないとか、時間と静かな場所が欲しいです。

原作を読む時間も欲しいなー……そこは1のやる気次第か。


一方通行「病理ちゃンたちの見送り終わったのか?」 ※正気に戻った

数多「不本意ながらな。さぁって、今日は色々あって疲れたし、仕事は明日に回して今日は上がるか」ギュウギュウ

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数多「テメェは黙ってろ!」ギュウギュウ!

一方通行「ホント!?」パァァ

数多「何嬉しそうな顔してんだ、テメェらも適当に飯済ませとけよ、明日も用事がびっしりなんだからよ」

一方通行「え?」

数多「ああ?」

一方通行「何言ってンだよ木原くン、帰らねえのか?」

数多「帰るってどこにだよ?」

一方通行「ほら、木原くンの家」

数多「あー、そういえばあったなぁそんなの」

沈利「自分の家なのに何で過去形なのよ……」アキレ


数多「仕方ねーだろ、別に欲しくて買った家じゃねーんだから」

沈利「? どういう事?」

数多「どうもこうも、病理達が『子供にはもっと住み心地のいい環境を!』とか言って無理矢理買わされたんだよ」チッ

一方通行「オレは別にいいって言ったンだけど、病理ちゃンたちが研究所みたいな閉鎖的な空間は子供に良くない! って聞かなくてさ」

数多「そう言うわりにはかなりあの家気に入ってたよなあ?」

一方通行「だ、だって、研究所ってやっぱ息苦しいっていうか、朝起きて部屋から出たら朝飯作ってる音が聞こえると嬉しいっていうか……」

沈利「え? 木原くん料理できるの?」ビックリ

数多「木原くん言うな。病理達が小せえ頃はよく飯作らされたもんだ」シミジミ

一方通行「木原くンの料理メッチャクチャ美味いンだぜ? 本人は否定してるけど」

数多「あんな男料理のどこがいいんだよ?」

一方通行「いや、あれは男料理って言わねェ。男が作るから男料理って言うンじゃないンだぜ木原くン」

数多「え、まじ?」

一方通行「うン」


沈利「木原くんの手料理かー……食べてみたいかも」

一方通行「それじゃさ、この後スーパー寄って夕飯の買い物しながら帰ろうぜ」

沈利「良いわねそれ! ねえ、木原くんってどういう料理が得意なの?」

数多「コラコラコラなに話を勝手に進めてんだよテメェら。俺はあの家に帰るとも飯を作ってやるとも言ってねーぞオイ」

一方通行「えー、飯ぐらい別に良いだろォ? 木原くンのケチー」ブーブー

沈利「ケチー」ブーブー

数多「言っとくが全然微笑ましくねえからな?」

一方通行「なァ、本当に駄目ェ……?」ジー

沈利「木原くぅん……」ジー

数多「目ん玉くり貫くぞ」

一方通行「……」ウルウル キラキラ

沈利「……」ウルウル キラキラ

数多「……」

一方通行「……沈利かわいい」ボソッ

沈利「ふみゃっ!?」ボンッ

数多「所詮ガキの集中力か……」


数多「……チッ、わぁーったよ、家で飯をご所望なんだなテメーらは」ハァ

一方通行「!」パァァ

沈利「やったね一方通行!」ペチーン

一方通行「やったな沈利!」ペチーン

数多「あーあ、今日は適当にファミレスで済ませてやればいいと思ってたのによ……」

一方通行「ほう」ニヤニヤ

沈利「一応わたしたちのご飯のこと考えてくれてたんだ?」ニヤニヤ

数多「今日の献立はピーマンたっぷり野菜炒めとナマコの梅肉ソース和えに決定しましたー」

一方通行「なンだよその子供に対する悪意に満ちた献立は!?」

数多「あー? テメェ、ガキの癖にいっちょ前にナマコにケチ付けてんじゃねえぞゴルァ!」

沈利「ナマコじゃないわよ! 木原くんによ! ぶっちゃけ木原くん、その料理作ったとして絶対食べないでしょ!?」

数多「当たり前じゃん、誰があんな気色悪いもん食うんだよ」シレッ

一方通行「その台詞は色んな人たちを敵に回すから謝れ!」


数多「文句の多いガキだな、ちゃんと考えりゃいいんだろ? ったく」チッ

一方通行「なァ沈利、オレなにか悪いこと言ってるか?」ヒドイ

数多「ぶつくさ言ってねえでさっさと行くぞ。遅い時間に行ったって何の得もねえからな」

沈利「遅い時間に行ったほうがお得じゃないの? 特力研のやつらはいつも半額弁当狙って夜にスーパー行ってたけど」

数多「弁当とか惣菜ならそれでいーけどよ、テメェらはめんどくせぇ事に手料理が食いてえんだろ?」

沈利「うん。食べたい」

数多「だったら鮮度の良い食材が残ってるうちに買いに行ったほうが良いだろ。ただでさえこの街の食料は怪しい保存料まみれなんだからよ」

沈利「……一気に食欲がなくなってきたわ……」ウエッ

一方通行「っていうか木原くンのキャラじゃねェだろそンなの」

数多「今日の献立は萎びたキャベツと茶色味がかった豚肉のロールキャベツでーす」

一方通行「やっぱ鮮度って大事だよな!」

沈利「やっぱり新鮮が一番!」

数多(楽だわーコイツら―――って、何かスゲー既視感が……)







理后「くしゅんっ」

那由他「おねえちゃんかぜひいたの? おねつはかりますねー」ピトッ

理后「ありがとうなゆたちゃん。風邪じゃないから大丈夫だよ」ナデナデ








数多「……っ」ブルッ

一方通行「どォした木原くン?」

数多「何か寒気が……いや、何でもねえ」

沈利「?」


数多「んじゃオレは猟犬部隊の奴らに研究所の戸締まり命令してくっからテメーらは先に外で待ってろ」

沈利「え?」

一方通行「どォした沈利?」

沈利「いや、木原くんのことだからてっきり猟犬部隊の人達に買い物任せて、自分はさっさと家に帰っちゃうものだとばかり……」

数多「それ良いな。よしアイツらパシってくるか」

沈利「はいいきましょー」ギュッ

数多「何いきなり手繋いでんだよクソガキ」

沈利「木原くんがサボらないよう見張っておかないと」フンス

一方通行「じゃァオレも!」ギュッ

数多「コラ! 両手掴むんじゃねえ! さっさと放せ!」

沈利「ほら、猟犬部隊の人たちに早く戸締りお願いしに行かないと」グイグイ

一方通行「レッツゴー!」グイグイ

数多「ふざけんな! こんな姿アイツらに見せられるわけ――――強っ!? こら一方通行! 能力使ってんじゃねえ!」ジタバタ



――――第七学区、大通り



数多「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す……」ブツブツ

一方通行「怖ェーよ木原くン、ここ外なんだからやめろって」

数多「チクショウ……アイツら、必死で笑いを堪えてやがった……」

沈利「だからって口で器用に手榴弾のピンを抜いたときはどん引きだったわよ」

数多「テメェらが手を放せばそんな事しなくて済むんですけどねえ?」

沈利「や!」ギュウウ!

数多「お前そんな甘えんぼだったっけ?」

一方通行「どォでもいいけど皆スゲェこっち見てンな」




ヒソヒソ アレッテユウカイ? ナカノイイオヤコジャナイ? アンチスキルニツウホウシタホウガ…




数多「よし殺そう」

一方通行「落ち着けって」




~~~24時間ストア~~~



数多「この学園都市で24時間って挑戦的だよな」

一方通行「コンビニとか平気でやってるじゃン」

数多「毛色が違げーよ。完全下校時刻があるこの街で24時間とかどうやって利益出してんだって話だよ」

一方通行「そっか、夜には大人しか利用できねェンだよな」

数多「ガキ共が来れない時点で単純計算で八割は客がいねーから売り上げヤベェだろうな。それよりほら、カゴ持てねえから手ぇ放せ」

沈利「はーい……」シブシブ

数多「マジでどうしたよテメェ」カチャ

一方通行「今日の献立は決まったのか?」

数多「まだだ。とりあえず適当に食材見て回るか」

沈利「それじゃ最初はお肉コーナーね」




~~~精肉コーナー~~~



数多「ん~、牛肩ロースが二割引か……でも気分じゃねえしなあ……」ジー

一方通行「木原くンが買い物してる姿初めて見るけど……」ヒソヒソ

沈利「すごく似合わないわね……」ヒソヒソ



ごごんっ!



一方通行「いてえ!」ヒリヒリ

沈利「げんこつはやめてよ!」ヒリヒリ

数多「人が買い物してる姿にケチつけるからだクソガキ共」

一方通行「だからって殴るのはおかしいだろ!」

数多「教育的指導っていう魔法の言葉があってだな……」

沈利「教育要素かいむじゃない! ただの児童ぎゃくたいよ!」


店員「あ、あはは……」

一方通行「店員さンが苦笑い浮かべちまってるじゃねェか」

数多「だったら少しは黙ってろ。おい、なんかオススメとかねえのか?」

店員「え? あ、でしたら今日は合い挽き肉がお得になっておりますよ?」

数多「ひき肉か……鮮度は申し分ないが、グラム120円ってのは少し高くねーか?」

店員「こちらは“外”で流通されている国産のブランド肉で作られた物となっております。本日仕入れたばかりなので鮮度は抜群ですよ?」

数多「“外”から仕入れた肉か、なら品質の方もしっかりチェックされてるはずだよな……よし、二キロ買いだ」

店員「二キロ!? ありがとうございます!」バタバタ

数多「折角だしついでにこの肩ロースも入れとくか。冷凍すりゃ長持ちするしな。お、こっちの肉は天ぷらに使えそうだな」ヒョイ、ヒョイ

一方通行「どンだけ買い込む気だよ木原くン?」ヒキ

数多「冷蔵庫の中身空っぽなんだよ。その日必要分しか買わなかったからな」ジー

沈利「どうしよう、研究所でのイメージがぶち殺されていってる……」


店員「ありがとうございましたー!」ニコニコニコ

一方通行「オレあそこまで爽やかな笑顔生まれて初めて見た」マブシイ

沈利「だってざっとみて二万円分は買ってるわよこれ……」マジマジ

数多「つい昔のノリで買っちまったが、まあいいか」

沈利「昔って?」

数多「話す必要はねえ、ほら、次は野菜だ」スタスタ

一方通行「木原くン、今日は大荷物になりそうだからカート使おうぜ」カラカラ

数多「お、気が利くじゃねーか」ナデナデ

一方通行「へへっ」ニヘラ

沈利(いいな~……)ジー

数多「なに指くわえてこっち見てんだよクソガキ」ポンポン

沈利「ふにゃっ……えへへ」ニコニコ

店員(微笑ましい……)ホクホク




~~~青果売り場~~~



数多「玉ねぎ玉ねぎ……」キョロキョロ

沈利「もはや誰これ状態ね」

一方通行「木原くン! ダイコン安かったダイコン!」トテテテ

数多「店内を走るんじゃねえよ、って結構良い大根じゃねぇか。いくらだこれ?」

一方通行「本日の特売でお一人様一本89円と見せかけての68円だって」

数多「安っす! はっきり言って見せかける意味分かんねーけど安いなオイ!」

沈利「太くて立派なダイコンね」ナデナデ

数多「よし3本買いだ」ゴト

沈利「これ使い切れるの?」

数多「余裕だなこんくらい。あ、トマト買わねーと」

沈利「わたしが取ってくるわ」テクテク


沈利「んー、トマトってどういうのが新鮮で良いトマトなんだっけ……?」ジー

沈利「! このトマト、他のトマトに比べて色とつやが全然違う!」ペタペタ

沈利「張りもあるし、そういえばさっき木原くんがカゴに入れてたナスもつやつやで張りがあった……」

沈利「よし! このトマトに決めた―――」スッ



こつん――――



沈利「……?」チラ

少女「?」キョトン

沈利(小さい子ね、操祈ちゃんと同じくらいかしら?)ジー

少女「ねえおねえちゃん」

沈利「え、ええ。何かしら?」

少女「おねえちゃんもこのトマトがほしいの?」

沈利「うん。わたしの保護者みたいな人がね、トマトが必要なんだって」

少女「わたしもー。おねえちゃんがきょうはハヤシライスだからトマトがほしいんだって」


沈利「ハヤシライスにホールトマトじゃなくて普通のトマト使うの? ずいぶん本格的ね」

少女「おねえちゃんのおにいちゃんがりょうりじょうずで、おねえちゃんもまねしてるんだってー」

沈利「そういえばそのお姉ちゃんはどこにいるの? 一人でお使いってわけじゃないんでしょ?」

少女「おねえちゃんはいまおそとででんわしてるの。だからさきにひつようなものをかっておいてあげてるの!」フンス

沈利「へえ、偉いわねえまだこんな小さいのに」ヨシヨシ

少女「えへへ~」ニヘラ

沈利「なにこれすごくデジャヴ」キュン

沈利「それより困ったわね、状態の良いトマトがこれしかないわね……」ウーン

少女「じゃあこのトマトはおねえちゃんにあげる!」スッ

沈利「え? いいの?」

少女「うん! だっておねえちゃん、このとまとほしいんでしょ?」

沈利「そうだけど……アナタだってこのトマトが良いでしょ?」

少女「わたしとまとすきじゃないからあんまりきにしないの!」フンス

沈利「すごく納得できたわ」


沈利「それじゃこのトマトはもらうわね。ありがとう」ナデナデ

少女「えへへ~、どういたしまして~」ニコニコ

沈利「そうだ、今お姉ちゃんって人はお話中なのよね?」

少女「そうだよ。でもおねえちゃんってじかんにずるいから、まだまだかかるかも……」ムムム

沈利「ずるい?」

少女「うん! おねえちゃんってほんとじかんにずるいんだよ? きょうだってわたしとのまちあわせにおくれてきたし……」プクー

沈利「もしかして“ルーズ”って言いたいの?」

少女「それだ!」ビシッ!

沈利「……」ギュウウ

少女「わぷ、おねえちゃんどうしたのいきなり?」キョトン

沈利(やばいわ、あのメルヘンの気持ちが理解できそうで怖いっていうか理解はできるけどアレと同じレベルになるのだけは嫌だわ)ナデナデ

少女「ふにゃ~」ピコピコ

沈利「アホ毛って素晴らしいわね」キリッ


沈利「ってそうじゃなくて……ねえ、良かったらしばらくはわたしたちと一緒に買い物をしない?」

少女「おねえちゃんたちと?」

沈利「ええ。アナタの保護者さんはしばらく戻って来ないみたいだし、一人で店内をうろうろしてるよりは良いんじゃない?」

少女「んー、それもそうかなー……」ムムム

沈利「それにわたしの保護者はすっごい目利きだから、とっても良い食材を選んでもらえるわよ? そうしたらアナタの保護者さんも喜ぶと思うけどなー」

少女「よろこんでくれる?」

沈利「ええ、ぜったいに喜んでくれるはずよ?」

少女「いく! おねえちゃんによろこんでもらいたい!」ピョンピョン

沈利「それじゃ決まりね。あともう何パックかトマトを持っていきましょ」ヒョイヒョイ

少女「はーい!」

沈利「あ、そういえばまだじこしょうかいがまだだったわね。わたしは麦野沈利よ」

少女「わたしのなまえはねー……――――」









美琴「御坂美琴っていいます! よろしくおねがいします!」ペコリ

数多「はいアウトー。留置所でお会いしましょー」








沈利「いきなり犯罪者扱いっ!?」ガーン

数多「当たり前だろこのバカ、なに堂々と知らねえガキお持ち帰りしてんだよコラ」

一方通行「お持ち帰りってなンだ?」キョトン

数多「ガキは知んなくて良い事だ。それよりクソガキ、テメェは自分のやらかした事の重大さを理解してるんですかあ?」

沈利「事の、重大さ?」

数多「お嬢ちゃん一人なの? 危ないから一緒に来る? 良い物あげるよ。完全に誘拐犯ですありがとうございます来世でお会いしましょう」ペコリ

沈利「待って! お願いだからチャンスをちょうだい! まだ死にたくない!」

数多「もう遅ぇよ手遅れだよ取り返しつかねえよ。そのお姉ちゃんとやらが戻ってきた時どうなると思う? そう、俺の社会的な死だ」

沈利「死ぬの木原くんだった!?」

数多「この風貌でガキ3人引き連れて、その内1人が見ず知らずの他人様のガキとなったらもう言い逃れできねーな。問答無用で死刑確定だ」

沈利「リアルに死にそう!? い、いや、ちゃんと事情聴取くらいはしてくれるんじゃ……」

数多「警備員がそんな有能だと思ってんならそれは大きな間違いだ。アイツらはノルマを稼ぐためなら冤罪だろうと有罪に変えちまうクズだ」

沈利「昔何があったのよ……」ヒドイ

数多(猟犬部隊に1人いるからな、前科持ちが)


数多「まあクソガキの処刑は後回しにするとして……」

沈利「後回しにしないで! 処刑しないで!」ウワーン!

数多「おい一方通行」

一方通行「泣くな泣くな……ア? どォした木原くン?」ヨシヨシ

数多「簡単なクイズです。オレは今もの凄くげんなりしています。ソレは何故でしょう?」

一方通行「は? イヤ、いきなり言われたって分かンねェよ」

数多「ヒント、今の俺の状況を三文字で表せ」

一方通行「木原くンの状況……?」ジッ




美琴「~~~~~♪」ギュウウウ




一方通行「アウト」

数多「正解」ゲンナリ


美琴「ねえねえ、おじさんのなまえはなんていうの?」ギュウウウ

数多「おじさんじゃねえ、まだ25だ。オレは木原数多、こっちは下僕のピカセラレータ」

一方通行「ピッカァ! ……ってオイ! なンだよピカセラレータって! オレは下僕でもポケモンでもねェよ!」プンプン

沈利「けっこうノリノリだったわねアナタ」キュン

数多「なーにときめいちゃってるんですかぁ沈利ちゃぁぁぁぁん?」

沈利「な……! と、ときめいてないわよ!」カァァァ!

数多「みなさーん、沈利ちゃんはピカセラレータにご満悦のご様子でーす」ニヤニヤ

沈利「にゃああああ! やめてよもぉぉぉぉお!」ポカポカ ジュッ

数多「熱っつぁああああっ!? テメェクソガキこの野郎! 能力無意識に発動してんじゃねェよ! 白衣が焦げ付いたじゃねーか!」プスプス

沈利「ご、ごめんなさーい!」ダッ

数多「コラ! 逃げんじゃねえ!」ダッ

美琴「おいかけっこ!? わたしもやるー!」ダッ


一方通行「…………」

一方通行「行っちまった……」ポツーン

一方通行「カート置きっぱなしだし……」


ヒソヒソ サワガシイワネアノカゾク カカワラナイホウガイインジャナイ?


一方通行「……ここにいても邪魔なだけだし、とりあえず移動するか」カラカラ







???「うわああああああ! どいてくれええええええ!」ダダダ







一方通行「ハァ?」クル





ガッシャーン!




一方通行「イテテ……あー! カートの中身ぶちまけちまったァ!?」ガーン

???「わ、わりぃ! ケガとかねーか?」

一方通行「…………」

???「ど、どうした? もしかして、どこか痛めちまったか?」オロオロ

一方通行「――――え」ボソッ

???「え?」

一方通行「死にたくなけりゃカート戻すの手伝えっつってンだよ馬鹿やろォ!」サササッ

???「ひぃっ!? す、すみませんでしたー!」ヒョイヒョイ

一方通行「謝ってる暇があるなら手を動かせ! もし木原くンが帰ってきてこの惨状を目の当たりにしたら……」ガタガタガタ

???「ま、目の当たりにしたら……?」ゴクッ

一方通行「メッ・・・やっぱりいえない!」

???「そのさき、すっげー気になる!!」


一方通行「――――フゥ、何とか片付いたな」ホッ

???「ホントにスマン! いきなりぶつかっちまって!」

一方通行「ぶつかったのがオレでツイてたなオマエ、これが木原くンだったらそこの商品棚の中に詰め込まれてたぜ?」

???「……え~っと、オレの目がおかしくなければ、その棚に人が入れるようなスペースがないのですが……」

一方通行「…………」

???「…………」

一方通行「…………」ニコ

???「無言でほほ笑むとかやめてくれよ!? 不安になるだろ!?」

一方通行「大丈夫だ、バレなきゃいいンだ……バレなきゃ……」ポン

???「あれー? もしかしてオレ今命の危機にさらされてる? 不幸ってこんなにもゴロゴロ転がってる物でしたっけ?」

一方通行「大丈夫だって。ホントに不幸って言うのはこのタイミングで木原くンが帰ってく――――」





どさああああああっ!





一方通行「……る?」

???「な、なんだ……?」


黒服の男「」チーン

一方通行「何だコイツ? あからさまに怪しいって見た目しやがって」ゲシ

???「ちょ! いきなり見ず知らずの人をけるのは駄目だろ!?」

一方通行「いいンだよ、どォせ研究所の回しモンだろォからよ」グリグリ

???「け、研究所……?」

一方通行「アア、十中八九オレを研究所に拉致ろうと考えた馬鹿の使いだろォな。こんな人目のつく場所でよくもまァ派手に突っ込ンできやがったな」ググッ


ミシッ―――メキメキメキ


黒服の男「――――!」ビクン、ビクン

???「おい! それ以上やったら死んじまうぞ!」

一方通行「ハッ、こンなクズぶっ殺してやった方が世の中のためなンだよ……!」グググッ

???「――――っ(こいつ、目つきが、冷たいなんてもんじゃねえ……ヤバイ!)」ガシッ





パキィィィィィン!




一方通行「!?」

???「…………」

一方通行「オイ、オマエ……今なにをしやが――――」クルッ






数多「…………」ゴゴゴゴゴ






一方通行「沈利、愛してるぜ」フッ





パキ。


一方通行「」チーン

数多「ったく、次から次へと問題起こしてくれてんじゃねえよクソガキが」ゲシゲシ

???「――――っ!? (え、いつの間に後ろにいたんだ!?)」ガタガタガタガタ

数多「ああ? 誰だテメェ、ぶっ殺すぞ?」ギロ

???「い、いえ! わ、わわわたくしはですね!?」ビクビク

数多「あー、別に答えなくて良い。どうせすぐにそこでお寝んねしてる野郎と同じ目に遭うんだしな」バキ、ボキ

???「ひぃっ!? ま、待って! オレはただソイツを止めようとしただけでしてね!?」

数多「死ねやオラアッ!」バキィ!

黒服B「ごぶぇああああっ!?」ドサアアア!

???「うわああああぁぁぁぁぁぁ……――――あれ?」チラ

数多「チッ、とりあえずこれで全員か? 面倒くせぇ」

???「う、後ろにもう一人居たのか……オ、オレじゃなくて良かった~……」ヘナヘナ

数多「あん? おいおいガキが座り込んで何やってんだ? 邪魔だからどっか行ってろ」シッシッ

???「気付かれてすらいなかった!?」ガーン

数多「うるせえ、殺すぞ」

???「すみません」

数多「それにしてもこのゴミクズ共は何なんだ? クソガキを狙ってたって訳じゃねえし」ボキン


???(無表情で淡々と関節を外してる……怖ぇぇ……)ガタガタ

数多「おい店員!」

店員「は、はいぃっ!?」ガタガタ

数多「俺は今日買い物に来てるってのは言うまでもねーよなあ? だがこのままじゃ間違いなく警備員がやってきて職質を受ける破目になる」

数多「こんなカス共のために時間を取られるのは癪だし? そちらとしても営業をストップさせんのも店としちゃあ願い下げだよなあ?」

店員「え、あ、いや、その」

数多「だからよお、警備員への通報は後回しにしちゃくんねーか? 深夜くらいなら人も少ねーし都合が良いだろ?」

店員「で、ですが、お客様の安全や信頼などを考慮した場合、警備員に通報した方が……」オロオロ

数多「いやそこは大丈夫。ちょこっと情報操作しちまえば評判なんてのはいくらでも変えられる」

数多「例えばコイツらは重度のペドフィリアで家族連れの多い時間帯を狙った異常性愛者たちで、親と逸れた子供をこっそりお持ち帰りするようなクズ共だったとする」

数多「たまたまその現場を目撃した店員がたまたま腕に自信があったんでソイツらを懲らしめてやった、って事にすりゃあ店の評判は上がるだろ」

数多「最悪さっき別れたばっかの知り合いの精神能力者呼んで記憶を改竄させるのも1つの手だな」ウンウン

???(ゲスだ……)

店員(でも悪いのはこの男達だから擁護できないしなあ……)


数多「頼むって、今日は疲れが溜まってて一刻も早く家に帰りてえんだよ」

店員「ん、ん~……」

???「店員さん、コイツらがまたやって来るんじゃないか不安になってる?」

店員「そ、そりゃあそうだよ。この二人だけってわけじゃないだろうし……」

数多「あっちの飲料コーナーに4人ほど沈めてっけど」シレッ

店員「何してくれちゃってんですかああああああああ!」

数多「心配すんな、ちゃぁんと人数は把握してっからよ」

店員「それなら一安心ですね、ってなるかボケ!」

数多「んだよ、朗報だぞ? ここに転がってる奴らで全員だそうだ」

店員「こいつらが正直に答えたという保証は?」

数多「俺が聞いた」

店員「いや、全然説得力が無いんですが……」

数多「俺が聞いた」

店員「……ああ、そうですか」

???(折れた……)


???「店員さん、大丈夫ですよ」

店員「はい? 大丈夫とは?」

???「この男達はすぐにここに来なくなりますから」

店員「どうしてそんな事が分かるの?」

???「あんまり詳しくは言えないんですけど……とにかく大丈夫ですから! だからアンチスキルに通報するのは少し待ってもらえませんか?」

店員「君もかい……はぁ~、分かったよ、不審者を捕まえてもらったんだし、店長を説得してみますから周りのお客様へのフォローお願いしますね」スタスタ

???「ありがとうございます!」ペコリ

数多「……なるほど、お前か」

???「?」

数多「アイツらの標的はお前だなガキ」

???「っ」

数多「まーどうでも良いんですけどねー」

???「いや良いのかよ!? アンタのツレが襲われたんだぞ!?」

数多「いや襲われてねーし、クソガキもろともぶちのめしたし」

???「でしたねー」ハハハ


数多「ぶっちゃけ俺の邪魔になんなきゃ好き勝手に野垂れ死んでろって感じだな」

???「すげー……ここまで清々しいくらい最低な人っているんだ」ビックリ

数多「つったってよー、俺が関わる必要がねぇんだからどうしようもねーだろ?」

???「へ? どういう事?」

数多「俺としちゃあのまま放っといてやっても良かったんだがな? あんのクソジジイ、人の事こき使いやがって」チッ

???「! あの、もしかしてあのおじいさんの知り合いですか!?」

数多「テメェの言ってるジジイが灰色のオールバックで左側の額に大きなシミがあるジジイなら俺の親戚だ」

???「そうです! その人です!」

数多「やっぱな、ついさっきジジイから電話が掛かってきたと思ったら――――」



『私を追ってる暗部の人間が何人か行き擦りの少年の方に向かってったから駆除しといてくれ』



数多「――――だもんなあ。意味不明にも程がある」

???「そ、それじゃあおじいさんに頼まれたから、オレを助けてくれたんですか……?」

数多「すれ違ったこいつらの息が臭かったからボコっただけですが?」シレッ

???「それだけで人ボコるか普通!?」

数多「堅気じゃねえのは分かってたからボコったんだよ。建前は」

???「建前っつった! ただ暴れたいだけなんだろアンタ!」


数多「あーあー聞こえなーい」アーアー

???「やべぇ、すんげえムカつく」イラッ

数多「イライラし過ぎると胃に穴開くぞ」ドードー

???「誰のせいだ誰の!」

数多「っていうかオレはこんなとこでガキの相手してるほど暇じゃねえんだよ。さっさと失せろ」シッシッ

???「ごめん父さん母さん、他人に助けてもらったはずなのにオレ全く感謝できねえ……!」

数多「ゆとりがここにも……世も末か」ハァ

???「ゆとりじゃねえよ! ゆとるヒマなんかねーっつぅの!」ムキー!

数多「あ、幻生のジジイはこのスーパー出て三つ目の路地裏にいるってよ」

???「教えてくれてありがとう! でもタイミングおかしいよな!?」

数多「土葬と火葬どっちがいい? 好きな方を選べ」バキ、ボキ

???「ご迷惑おかけしましたー!」ダダダ


数多「……やっと行ったか」ジー

数多(あのガキ、俺と話してるときもチラチラとクソガキの方に意識を向けてやがった)

数多(チッ、出るのが少し遅かったか。一方通行の黒い部分を見られちまうこと事態は構わねえが、相手が問題だな)

数多(幻生のクソジジイと一緒にいるのも十中八九首を突っ込んだからだろう、でなきゃあのジジイがガキを自分の問題に巻き込む訳がねえ)

数多(典型的なお人よし、というかお節介焼きか……? 少なくともまともな幼少期は過ごしちゃいねえだろうから、その影響が行動に強く現れてやがるのか)

数多「チッ、どっちにしろ、俺達「木原」にとっちゃ厄介な相手だなクソッタレが」フゥ

数多「……っと、一息ついてる場合じゃねえな。あのクソチビ、クソガキを足止めしてんだろうな……?」クルリ



タッタッタッタ……――――








一方通行「…………」

一方通行「……また、置いてけぼりかよ……」グスン


やっとこさ美琴の登場&木原天使二号の登場間近です
何で、何で展開がこんな亀なんだ……!本当ならさくさくっと買い物終わらせる予定だったのに、感性に身を任せてたらカオスになった。

次回投下は書き溜めがすっからかんなのでかなり遅れると思います。下手したら4,5レスの短い小ネタでお茶を濁す可能性が高いです。

あと何となく古いレスに返事してみる。

>>65中々出ないですねー、何時登場しますかねー(棒) 

>>263削板くん登場させ方思い浮かばねえwアイディアください……

>>280逆に聞こう、彼女等が出ないと何故思った。



それでは一ヶ月以内に来ます。弱気ですみません……

何か昨日上がってたみたいなのでついでにアンケートをば。
今後登場キャラはどんどん増えていきますが、そのグループ分けについてのアンケートです。
ある程度のキャラをそれぞれの木原に割り振ればキャラが多くなっても出番を均等に与えてあげられると思いまして。

・レベル5の削板くんと準レベル5の結標さんはどの木原に面倒を見てもらいたいか。

・窒素姉妹は二人揃って木原の世話になるか、それとも敢えて別々のグループに分けるか。

・風斬さんは木原くンかテレスティーナさんのどちらの世話になるか。(珍しい能力者としてなら木原くン、AIM拡散力場に関してならテレスさんという人選です)

・上条さんはどの木原の世話になるか、それとも遊びに来る程度でいいか。

あと参考がてらに現在確定しているグループを載せときます。(レベル5小学生編では登場予定未定の人が混ざってますが)


・木原数多、一方通行、麦野沈利

・木原病理、垣根帝督、心理定規

・木原乱数、食蜂操祈、扶桑彩愛

・木原加群、マリアン・スリンゲナイヤー、雲川鞠亜

・テレスティーナ=木原=ライフライン、御坂美琴、海原光貴、ドリー

・木原幻生、滝壺理后、木原那由多

・木原脳幹、木原唯一

木原円周はその日の気分で転々と。


ここにいずれ魔術サイドが加わってくると思うと自分大丈夫なのか……?

解答お待ちしております。


ギリ一ヶ月以内にこんにちわ、ロードトゥエンデュミオンヤフオクで落札してウキウキな>>1です

アンケートのほうはまだまだ募集中ですのでご意見どしどし書き込んでいってください。
>>1のインスピレーションを刺激する組合せを採用させて頂きますので、この子はここに入れるとこういう風になりそうだな。って感じで書いていってもらうと滾ります。

リアルのほうでごたごたが凄まじいことになって集中力がやばい。書き溜めが少ない。
予定では次回投下でスーパー終了、おまけの天使2号とお姉ちゃんで少しはボリュームある投下ができると思います。

とりま今回は少量でごめんなさい。


数多「……」

沈利「……」ダラダラ

美琴「……」ダラダラ

数多「……なぁテメーら」

沈利「は、はいっ!」ビクゥ!

数多「正直に言えば怒らねえから、正直に答えろ」

美琴「はい……」ビクビク





グチャグチャアアアアア……




数多「何で辺り一面に生魚が散乱してんだ?」





沈利「わたしたちが走り回って大騒ぎしてしまったからです……」

数多「殺す」

美琴「うそつき!」ウワーン!


数多「嘘は言ってねえよ? ただ殺意があるだけで」ガシ

沈利「た、隊長! 頭をわしづかみにしてどうするおつもりですか!?」ガタガタ

美琴「なんかみしみしおとがなってるようなきがしますたいちょー!?」ガタガタ

数多「ガキの頭ってどんくらいの圧力で潰れんのかなっと」メキメキ

沈利「痛い痛い痛い! 本当にごめんなさいだから頭はなしてー!」ビエーン

数多「オレだって本当はこんな事したくねえ……だがオレの『木原』としての好奇心が許してくれねえんだ……ッ!」ギリギリ

沈利「だまされないわよ!? そんな悔しそうな顔したってバレバレだからね!?」

数多「ウソじゃねーって、ほら、この顔がウソ吐いてるツラに見えんのか?」ニヤニヤ

沈利「その顔が証拠でしょ―――痛い痛い本当にごめんなさい! 大人しくしますから許してくださいぃぃぃ!」ビエーン!

数多「謝る相手が違うだろクソガキ」

沈利「相手……?」ジタバタ

数多「そこで呆気に取られてる鮮魚部の方々にだ」

店員「……」ビクビク

沈利(呆気に取られてるんじゃなくて木原くんに怯えてるだけじゃ……)

数多「反省してない空気を感じたので圧力アップでーす」ギリギリ

沈利「に゛ゃあああああああっ!?」ジタバタ


数多「反省しましたかあ沈利ちゃぁん?」

沈利「はい……これからは落ち着いた行動を心がけます……」ナミダメ

数多「クソちびはどうだ? 理解できたか?」

美琴「……」

数多「おい、何黙りこくってんだ?」

沈利「大丈夫美琴ちゃん?」

美琴「……えへへ」ニヘラ

沈利「み、美琴ちゃん? 急にどうしたの?」ビクッ

数多「ちっとばかし強くやり過ぎたか? こんくらいで脳に影響が出るとは思えねえんだが……」

美琴「ねえねえおじさん?」ギュウ

数多「おじさんじゃねえっつってんだろ。んだよ?」

美琴「おじさんってやさしいね!」ニコッ

数多「……ア?」


数多「おいおい、こりゃ本格的に頭ぁヤられちまったか? オレのドコにんな殊勝な感情が備わってると思ったんだよ?」

美琴「えー? だってやさしいじゃーん」ギュウウ

数多「引っ付くな鬱陶しい。またアイアンクローかまして欲しいんですかあ?」ニヤリ

美琴「いーよ?」

数多「……は?」

美琴「だっておじさん、てかげんしてくれるんでしょ?」

数多「……手加減だ……?」

美琴「うん! さっきのはすごくいたかったけど、でもてかげんしてくれてたんでしょ?」

数多「ハッ! こいつは愉快に素敵に勘違いしてくれちゃってんなクソちびが。オレが手加減? この「木原数多」が手加減だぁ?」ギロリ

沈利「み、美琴ちゃん! それ以上言っちゃダメ!」

美琴「でもほんとーのことだよ?」

数多「口の減らねえガキだ、じゃあもう一度仕置きしてやっから考えを改めろや」パキ、ペキ

美琴「だって、さっきつよくやりすぎちゃったかな?ってしんぱいしてたでしょ?」

数多「――――っ」


美琴「さっきあたまをつかまれたときはさいしょはすっっっごくいたかったけど、そのあとはそこまでいたくなかったし」

美琴「もしおじさんがほんとーにてかげんしないわるいひとだったら、たぶんわたしもおねえちゃんももっといたいことされてるでしょ?」

沈利「いや、十分痛かったんだけど……」

美琴「でもおねえちゃんのことしんぱいそうにみてたよ? おねえちゃんにもつよくやりすぎたんじゃないかって」

沈利「え?」

美琴「おじさんはやさしいんだよ。おじさんなんでかそれをちがうっていってるけど、おじさんはいいひとだよ?」ギュウウ

数多「さっきっから黙って聞いてりゃくっだらねぇ妄言をベラベラベラベラ……あんま調子に乗ってるとマジでスクラップに――――」

美琴「……」ジッ

数多「っ!? (何だ、この目は……心の内を見透かされてるような、そんな感じの目だ。コイツは、まるで――――)」



「木原くン!」



数多「ッ!?」






沈利「あ、一方通行」

一方通行「あ、じゃねーよ! オマエらオレのこと完っ全に忘れてただろ!」

沈利「わ、忘れてなんかないわよ? ただちょっと頭から抜け落ちてただけで……」ゴニョゴニョ

一方通行「それ忘れてるって言うンですよォ! こっちはもう滅茶苦茶な目にあってたっていうのにさァ!」プンプン

沈利「いや、こっちも結構大変だったのよ? ね、ねえ美琴ちゃん?」

美琴「え? う、うん……」

一方通行「なァンかぎこちないンですけど、言わされてる感がハンパないンですけどォ?」ジトー

沈利「ホントーに大変だったんだから! 信じてってばぁ!」

一方通行「オレなンか皆待ってたら頸椎へし折られかけてンだよ」ハァ

沈利「何それ怖い」



ギャーギャー!


数多「……」

美琴「おじさん……」

数多「おじさんじゃねえ……何だ?」

美琴「えと、その……」モジモジ


数多「言いてぇ事があんならハッキリ言え。俺は相手の伝えたい事をわざわざ汲み取ってやる程の“優しさ”は持ち合わせてねーんだよ」ジトー

美琴「うぅ――――ぃ」ボソッ

数多「ああ? もう少しボリューム上げろクソちび」

美琴「~~~~~! ご、ごめんなさい!」バッ!

一方通行「うおっ!?」ビク

沈利「びっくりしたあ!?」ビク

数多「……」

美琴「おじさんにいやなおもいをさせちゃって、ほんとーにごめんなさい!」

数多「……」

美琴「おねえちゃんもおにいちゃんも、おじさんとおはなししてるととってもうれしそうだから、それで……」モジモジ

美琴「きっといっぱい、い~~~っぱい! やさしくしてもらってるんだろーなーっておもって、その……」モジモジ

美琴「おじさんも、おねえちゃんたちのことやさしそうにみてたから、やさしいひとなんだなっておもって……それに」チラ

数多「……それに、何だ?」


美琴「……おじさんって、ちょっとだけパパににてるの」

一方通行「この場に乱数くンが居なくて本当に良かった」

数多「同感だ」

沈利「美琴ちゃんのお父さんってどんな感じの人なの?」

美琴「んー……やくざ?」

数多「優しさのやの字も感じねーなオイ!」

沈利「ヤクザのやはあるじゃない」

数多「あ、すみませんが黙っててもらえます?」

美琴「ちがった、まふぃんだ!」

一方通行「……マフィン? それは美味そうな顔つきだな……」ハハッ

沈利「違うわよ、マフィアって言いたいのよ。ね、美琴ちゃん?」ナデナデ

美琴「うん!」ニコニコ

数多「どうしよう、全くもって笑えねえ」ヒキ

一方通行「き、木原くンが動揺している……だと……?」


数多「マフィア顔とはこりゃまた何つーか、とりあえず母親似で良かったな」

美琴「ママは『美琴ちゃんはパパにお顔ソックリだね~』っていってたよ?」キョトン

数多「マフィアって何だっけ」プシュー

一方通行「頭ショートしてるぞ! 落ち付け木原くン、冷静になるンだ!」ユサユサ

沈利「っていうかお母さんの冗談でしょ、普通に考えて」

数多「オレに家族の常識を理解しろって言うのが無茶なんだよ」

美琴「おじさん、ふんいき? がパパにそっくりだったからわるいひとじゃないなっておもって、それでついおじさんにあまえちゃって……」シュン

美琴「パパはおしごとがいそがしくてあんまりあえないから、おじさんをみたときなんかうれしくなっちゃったの。でも――――」

数多「つい余計な事をベラベラと口走っちまったんだな」

美琴「……ごめんなさい」シュン

一方通行「そういえばオレいまいち状況が飲み込めないンだけど、木原くン何て言われたンだ?」

沈利「木原くんの事を、その、優しいって……」

一方通行「あ、そりゃねェわ」サラリ


数多「バッサリと言ってくれるじゃねーのクソガキ」

一方通行「だァって木原くンだろ? 善意ってモンはあっても優しくはねェだろ」ウンウン

沈利「善意と優しさって同じじゃないの?」

一方通行「スパルタ教育って物があってだな……」

沈利「分かりやすい解答をありがとう」

数多「オレにその手の感情があるって事は確定なのか……」

一方通行「当たり前だろ。オレは木原くンが居なかったら今この場に、いや、この世に居なかったはずだ」

沈利「一方通行……」

一方通行「木原くンがオレの能力開発をしてくれて、オレに色々な物を与えてくれて、本当に感謝してるンだ」

数多「ハッ……俺が発現させなけりゃテメェは今頃普通の少年として生活してたかも知んねーだろ」

一方通行「そしたら皆に会えなかった」

数多「結果論だ」

一方通行「研究者は結果が良ければそれで良いンだろ?」ニッ


数多「……」

一方通行「……」ニヤニヤ

数多「……」

一方通行「……」ニヤニヤ

数多「……」ゴスッ

一方通行「痛い!」

数多「ったく、口だけは達者になりやがってクソガキが」

一方通行「い、痛い……久し振りにガチな殴り方だこれ……」ナミダメ

数多「……ま、今回はテメェの勝ちだ、一方通行」ポン

一方通行「ン……?」

数多「いやー、オレとした事が大人気なかったな。ガキの言う事なんざ適当にハイそうですかで済ませりゃ良いっつーのにな」ケラケラ

一方通行「……やっとらしくなったじゃねーか、木原くゥン?」ニヤ

数多「おう、今日は色々な事があったからな、自分でも意識してねー内に調子が狂ってたんだな」ウンウン


数多「テメェにも大人気ねえ真似しちまって悪かったなクソちび」ポン

美琴「んみゅっ」

数多「まーあれだ、テメェがそういう風に見えちまったんじゃとやかく言っても無駄だよな。悪りぃ悪りぃ」ナデナデ

美琴「ふにゃー……」ポー

一方通行「そォいえば木原くンってよく頭撫でるよな、理由とかあンのか?」

数多「あー、こりゃあれよ、ガキの頃から病理達の面倒を見てたら、こう……な?」

一方通行「うン、スゲェ納得」



ワイワイガヤガヤ



沈利「……」

沈利(機嫌の悪くなった木原くんがあんな簡単に元に戻るなんて……)

沈利(やっぱり、一方通行と木原くんはわたしなんかよりずっと付き合いが長いからなー……)

沈利「少し、悔しい……かな?」ボソッ

数多「聞こえてますよ沈利ちゃぁぁぁぁぁん?」ニヤニヤ

沈利「ふにゃっ!?」ビクゥ!


数多「あれー? もしかしてー、焼きもちとか焼いちゃった感じですかぁ?」ニタニタ

沈利「べ、別に焼きもちなんて焼いてないわよ!」カァァ

数多「照れんな照れんな、構ってやるからそんな寂しそ~ぉな顔すんなよ?」ナデナデ

沈利「だから、そんなんじゃないってばぁ……」テレテレ

美琴「かおとせりふがあっていませんなぁはかせ?」ニコニコ

一方通行「ツンデレって傍から見る分には微笑ましいって言うけど、本当だったンだなァ……最初の頃はかなり心にきたモンだけど」ニコニコ

沈利「ツンデレじゃないっ!」カァァァ!

数多「別にテメェが役立たずだなんて考える必要はねえんだぞ沈利」ナデナデ

沈利「ふみぃ……どういう事……?」プシュゥゥゥ

数多「このクソガキはホンットにオレにべったりだったからよぉ、テメェが居てくれりゃあオレの負担が減るわけだ」

一方通行「そ、そこまでべったりじゃなかっただろ!」カァァァ

数多「夜中にいつも人のベッドに潜り込んで来たガキの台詞とは思えねえなあ?」ニヤニヤ

沈利「何それうらやましい」

数多「……ちなみに聞いとくが、どっちがだ?」

沈利「さあ?」


数多「あっそ、まあそういう訳だからもうしけた面は浮かべんな。テメェにはテメェなりの役割ってモンがあるから安心しろ」

沈利「……うん、ありがとう木原くん」ニコ

数多「できればくん付けもやめて貰いてぇんだけどな、ま、言っても無駄か……」ハァ



カランカラーン!



一方通行「ン? 何だこの音?」

沈利「ベル?」



<只今からタイムサービス、○○食品のインスタントラーメン5食入り1袋198円とお買い得になっておりまーす!



数多「……○○食品のラーメンっていやかなりボリュームがある商品だったはず……」スゥ

一方通行「き、木原くンの目が真剣モードに……!」ゴクッ


数多「うしテメェら! さっさと買い物済ませんぞ!」ダッ!

一方通行「オイ! 店内を走り回っちゃイケマセン!」ダッ!

沈利「あ、ちょっと!?」



<うおらぁぁぁぁぁぁぁああああ!!



ドドドドドド……――――



沈利「……行っちゃった」ポツーン

美琴「ふたりともすごかったね」ビックリ

沈利「わたしたちはここで待ってましょうか。ぶっちゃけわたしたちが行かなくても山盛りインスタントラーメン持って帰って来るでしょうし」

美琴「そうだねー」


沈利「……ごめんね、美琴ちゃん」

美琴「どーしてあやまるの?」

沈利「いっしょに買い物しようって付いて来てもらったのに、嫌な思いをさせちゃったわよね……」シュン

美琴「そんなにきにしなくてもだいじょうぶだよ? にぎやかでたのしかったもん」ニヘラ

沈利「そう言ってもらえると助かるわ」クス

美琴「でもおじさん、どうしてあんないやそうなかおをしたんだろう……」ウーン

沈利「木原くんの親戚のお姉ちゃんが言うには、木原くんってかなりのカッコつけたがりで、自分のイメージを壊されるのが死ぬほど嫌いなんだって」

美琴「いめーじ?」

沈利「うん。ものすごい悪党で誰も逆らえないような大物ぶった中二病だってお姉ちゃんが言ってたの」

美琴「ちゅうにびょー? おじさんびょうきなの?」シンパイ

沈利「美琴ちゃんが思ってるのとは違うから、心配しなくても大丈夫よ」ナデナデ

美琴「んー……」


数多「戻ったぞー」カラカラカラ

沈利「あら、ずいぶん早かったのね――――って多っ!? カートがいつの間に二台に!?」

一方通行「流石にカート一台じゃ足りなくなってきて補充してきた」

沈利「ずーるーいー! 次はわたしが取ってこようと思ってたのにぃ!」プンプン

数多「キレんなキレんな。ところで菓子類も買い置きしてえんだけど、適当に見繕ってきてくんねぇか?」

沈利「! 任せて! オススメのお菓子があるのよ!」タタタッ

数多「一方通行、クソチビを連れてアイツと適当に菓子選んで来い。オレは鮮魚部の奴らに謝罪しとかねえといけねぇからよ」

一方通行「オッケー、行こうぜ美琴」チョイチョイ

美琴「は、はーい!」トテトテ

数多「お前も好きな菓子選んで良いぞ。さっきの侘びだ」

美琴「ありがとうございます! おにいちゃん、いこ?」ニコッ

一方通行「……操祈と会わせたら破壊力抜群だろォな」キュン

数多「やめろ、考えただけで疲れてくる」


一方通行「どンなお菓子がいいかなァ」カラカラカラ

美琴「……」テクテク

美琴(おねえちゃんはおじさんがいめーじをこわされるのがいやだったっておもってるみたいだけど……)

美琴(あのふんいき、いめーじをこわされるとか、そういうのじゃなくて、もっとべつのなにか……)

美琴(まるで――――)

一方通行「……」チラ

美琴「……」ウーン

一方通行「……ハァ」








一方通行「……あの馬鹿ビビリくンが」ボソッ








以上です。スローペースだなぁ……

相変わらず木原くンが少しギャグに染まりきっていない感じがしますが、一日目が終わればしばらくは真面目な空気はありません。

このssにおける木原くンの性格をキャラたちの口で説明したり>>1が説明したりするのは野暮なので、
ああ、木原くンはこういう人なんだなあ、とみなさんに気付いてもらえるよう要所要所にヒントをさりげなく出せるよう頑張ります。

っていうか、自分ルールで7歳までは基本ひらがな、8歳から漢字が入ってくるってやっちゃったせいで美琴が打ち止めより一行以内に台詞収めるのきつい。


次回投下は二週間以内を目指します!









ロリテレスさん、久し振りに見たら可愛い過ぎだろjk……


数多「ギャハハハハハハハハハ!!」ゲラゲラ

一方通行「……」

数多「く、くくく……ぶはっ! くひゃあっはははははひゃははひゃ!!」ゲラゲラ

一方通行「……オイ、笑い過ぎだろ木原くン」イライラ

数多「ぶはははははっ! ヒィーッ! ヒィーッ!」ダンダン!

一方通行「……コロス」ユラリ

打ち止め「ダ、ダメー!って、ミサカはミサカは戦闘体勢に入ったアナタにしがみついてこの場を抑えようと―――し、しがみつけない!? ミサカ反射の対象に含まれてる!?」ガーン

数多「オイオイ一方通行、共演者は大切にしてやらなきゃダメだろーが。企画干されちまうぜ?」ニヤニヤ

一方通行「そのにやけ面をやめろクソッタレがァァァァァァ!」ガタン!

数多「ハハッ、スピンオフ決定で随分テンション上げ上げじゃねーの! いいぜ、全国で恥を晒さない様たぁっぷりと教育的指導してやんぜえええええええ!!」ガタン!

打ち止め「やめて! 二人が暴れたらお家が壊れちゃうよ! ってミサカはミサカはガン無視されて今にもへし折れそうな心を無理矢理奮い起たせて二人に突撃してみたりー!」バッ!



ギャーギャー!


帝督「あ、もしもし当麻? 実はまた二人がケンカ始めちゃってさ、止めるの手伝いに来てくんねー? 飯奢るからさー」

眠気に負けた結果、このクオリティ。おやすみなさい。




~~~数多家キッチン~~~



数多「―――そうそう、そこで野菜を入れるんだ」

淡希「こ、こう?」ボチャボチャ

数多「そんな恐る恐る入れる必要ねーよ。ちゃんこ鍋なんざ汁作ったら後は具材を放り込むだけなんだからよ」

淡希「だ、だって、一から全部私に作ってみろって言われてここまで何とかミスなくできたのよ? ここで何かヘマして失敗したら悔しいじゃない」シンケン

数多「いくら料理ベタでももう心配いらねーよ。この後は煮込むだけだ。もし気をつける所があるとすれば灰汁取り程度だ」

淡希「ねえ、網使っちゃダメ? スプーンで灰汁取りって苦手なのよ」

数多「何でもかんでも楽しようとするから上手くなんねぇんだよ」バッサリ

淡希「うぐっ!」グサッ

数多「つーかそんな難しいか? 浮いてきた泡掬い取るだけだぞ?」

淡希「できる人は皆そう言うのよ。素人に『余分な汁まで捨てんなよ、勿体ねーから』なんて言ったら慎重になるわよ! スプーン震えるわよ!」

数多「会いたーくてー会いーたーくて」

淡希「ふーるーえる♪ ……ハッ!?」

数多「楽勝だな、レベル4」ニヤリ


帝督「10分後」

数多「何ナチュラルにキッチンにいるんだよ」

帝督「いやー、いい匂いがしたもんだからついつい引き寄せられちまって。これ淡希が一人で作ったのか?」ジー

淡希「ええ、木原くンが指示を出して私が作るって感じでね。正真正銘私の手作りよ」プルプル

数多「スプーン震えてんぞー。っつか木原くン言うな」

淡希「垣根がいるから気に障っても全部垣根の責任になるし別にいいやと思ったのよ」

帝督「妹が冷たい……うぅっ……」グスン

淡希「はい味見、あーん」

帝督「あーん。もぐもぐ……うまい!」テーレッテレー

数多「ヤベェ……何か知んねーけど妹達のパラパラが頭ン中に浮かんできた……」ウーン

帝督「やめろよ! 美琴と黒子が乱入してきたらどうすんだよ!?」ビクビク

淡希「ゴチャゴチャしすぎてツッコむのも面倒くさいわね」ハァ


美琴「さらに5分後!」

黒子「ですの!」

数多「ツッコまねーぞ、ゼッテーツッコまねーぞ」ゲンナリ

帝督「淡希の料理が人を引き寄せるレベルに成長したって事か、良かった良かった……」ジーン

淡希「素直に喜べないのは何でかしら……」

美琴「ねえねえあわきん! 私にも一口ちょーだい!」キラキラ

黒子「わたくしにもぜひ!」キラキラ

あわきん「はいはい二人とも口開けてー……アラ? 何かとんでもない事が起きてる気がするのだけど?」アレレ?

帝督「ようこそあわきん……常識の通用しない領域へ」キリッ

数多「美琴はテーブルに食器並べとけ。黒子はガキ共呼んで来い」ジュージュー

美琴「木原くん! 私卵焼き甘いのがいい!」ハイ!

黒子「わたくしは今日は普通の卵焼きでお願いしますの」ヒュン

淡希「さて、後は土鍋に中身を移せばミッションコンプリートね!」グッ

帝督「ハァッ☆」


円周「数多おじちゃーん、お皿並べ終わったよー」トコトコ

数多「何? 何なの? このキッチン人を引き寄せる何かが備わってるの? 全員分このやり取り繰り返すつもりじゃねえだろなオイ」ジュージュー

円周「大丈夫! 当麻お兄ちゃんと軍覇お兄ちゃんは縄で縛って関節外して部屋の隅に転がしてあるから!」グッ

帝督「何この子笑顔でとんでもない事言ってるコワイ」ガクガクブルブル

数多「トラブルメーカー二人を真っ先に処理しておくたぁ良く分かってんじゃねえか」ウツシウツシ

円周「数多おじちゃんなら絶対こうするって思ったから!」フンス

数多「ああ、ナイス判断だ。だがちぃっとばかし詰めが甘いぜ円周」テクテク

円周「?」

数多「いいか? 「木原」っつーのは――――」ガシッ







数多「――――こうやんだよ!」ガチャッ!









どさどさどさどさー


木原とか一方通行とかその他諸々「」チーン




帝督「姉ちゃああああああああああああんっ!?」ガーン

淡希「ちょっと数多さん!? 何でお菓子の戸棚に皆が詰め込まれてるの!?」ビックリ

数多「甘々だぜェ!! コイツらが淡希の一人クッキングに食い付かねー訳ねえだろーがよヤッハーッ!」

彩愛「こいつは予想外の展開だー! この後登場の可能性が高かった人物が全員! ぜっっっっっっんいんっ!木原数多選手によって出鼻を挫かれてしまったー!」

帝督「お前は無事だったのかよ。いや良いんだけどさ。真っ先に潰されてるべきだろお前は」

彩愛「そんな細かい事は気にしちゃ駄目だぜ駄目駄目! さあ木原選手! 結標選手が料理をしている時の正しい行動は? 答えをどうぞおおおおおおおおおおおおっ!!」

数多「とりあえず全員潰せば間違いありません!」

帝督「暴走した木原くんヤベェ……。全く対処しきれない……」

淡希「ぶっちゃけ私の料理もうどうでも良くなってるでしょう」


うん、カオスだな。

いやね? ジャンプの読み切り読んでたらヒロインが露出してないあわきんだったからつい書いちゃったんだ☆
うちの木原くンは料理上手なのであわきんにとって料理上手な父親的な存在です。

小ネタでガンガン今後の登場キャラを消費していってる……。彩愛ちゃんの夢は歌って踊って司会ができるアイドルです、はい。









本編早く書き進めないと……

乙。たまにはageてもいいのよ?


本編まだ多少時間かかるので暇つぶしにどうぞ



祝☆とある科学の超電磁砲9巻発売記念!

毎日シリーズ第二段!


『英国女王の優雅なひととき』


9月6日より1レスずつ更新!






以下本編サンプル



平和なイギリスに起きた突然の惨劇。






               「把握しているだけでも20以上の街が襲撃を受けています!」


 「住民の避難、間に合いません!」


                                        「必要悪の教会からの増援が何者かに襲撃を受けた模様!」

          
            「現場に向かった騎士達からの連絡が途絶えました!」





為す術もなく蹂躙される街並み、恐怖と混乱に覆われた人心。






そこに現れた一人の男性。



「これはそちらから仕掛けてきた戦争だ。学園都市はイギリス清教、並びにそれらを管理するべきイギリス王室への報復を決定した」




その男は、たった一日で英国全てを破滅に導いた。




「まさかとは思うが、私が、『木原』が、この程度で終わるとでも思っていたのかな?」




これは、ヒーロー達が活躍する20年前の物語。

それは、20年後まで語り継がれる悪夢の物語。




「木原」と英国王室が交錯するとき、物語は、始まる―――――――












※本編はギャグです。シリアスではありません。


英国王室が居を構えるウィンザード城のとある一室で、英国女王エリザードは給仕のメイドが淹れてくれた紅茶を口に含みフゥ、と息をついた。
連日の公務でクタクタのはずのその姿には微塵も疲労の色を浮かばせず、正に大英帝国女王の名に相応しい威厳に満ちた空気を従えていた。

時刻は午後3時。政治家達との退屈な昼食も終え、今はミッディ・ティーブレイクの時間を満喫している。
英国人として生まれた以上、どんなに公務が忙しくともこの時間だけは死守せねばならない。

傍に控えていた給仕から資料を受け取り目を通していく。例えお茶の時間であろうとも仕事はなくなる訳ではない。
紅茶をまた一口含みながら資料を熟読する様は、その行為自体が一つの洗練されつくした芸術の様な空気を醸し出している。
その一挙手一投足に給仕は目を奪われ、すぐに我に返り首をフルフルと振った。それほどまでにエリザードの動きは無駄がなく、それでいて美しかった。

公務を余裕を持って終わらせ、日々のスケジュールに振り回されてる様な感想を抱かせず、毅然とした態度を崩さない。それも英国女王としての嗜みというもの――――。


「かえせー! それはわたしのケーキだし!」

「何を言ってるの、これはヴィリアンの分でしょう。貴女はさっき食べたのだから、我慢なさい」

「あ、あの……その……」


……クロテッドクリームとクランベリージャムをふんだんに盛り付けたスコーンを一口齧り、先程『騎士派』の者から受けた報告を思い出す。
どうやら『清教派』の一部署で科学サイドとの共同研究が秘密裏に行われて――――。




「それはヴィリアンからもらったの! だからこのケーキはわたしのだし!」

「嘘おっしゃい、どうせ、ヴィリアンのケーキをジーっと見つめて『おいしそーだなー、食べたいなー』って、無言の圧力をかけたんでしょう?」

「い、いや……そうじゃ……」

「ウソじゃないし! ヴィリアンが『おねえさま、ケーキあげるー』ってくれたの!」

「残念だけど、貴女には前科があるから、その言葉の信憑性はゼロに近いわね」

「これはほんとーだし! ねーヴィリアン?」

「ほ、ほんとう……です。うそじゃ、ありません……」


……魔術の知識が漏洩しないよう『騎士派』が制圧に向かったそうだが、その際に幼い――――。






「ほらほら! ヴィリアンもそー言ってるし! わたしはウソなんかついてないの!」

「ヴィリアン? キャーリサをそんなにかばう必要はないわ。正直におっしゃい?」

「ふぇ? あ、あの……ほんとうに……」

「そんなふうに聞かれたらヴィリアンが答えられるわけないし! これはゆーどーじんもんだ!」

「あらあら、誘導尋問だなんて、そんな難しい言葉、どこで覚えてきたのかしら?」

「あーもう! このままじゃらちがあかないの! こーなったら、ヴィリアン!」

「は、はい!」

「このケーキかえすからもう一回わたしにあげるの!」

「え、ええ?」

「もし自分が食べたいなら食べればいーし、わたしにあげたいならまたわたしてくれればいーの。これならあねうえももんくはないでしょ?」

「そうね、確かにそれなら文句は付けられないわね。ヴィリアンが嫌なことは嫌と、はっきり言える子だったらの話だけれど」


…………その件について学園都市との協議は――――。







「ふん、すぐにほえづらかかせてみせるし! さーヴィリアン! ケーキを食べるか渡すか決めるの!」

「あ、えと、お、おねえさまに……」

「本当にキャーリサにあげちゃうの?」

「え!? いや、その……」

「あねうえ! プレッシャーをかけるのははんそくだし! ヴィリアン、あねうえなんか気にすることないの!」

「ヴィリアン? たまには厳しい態度を取ってあげるのも優しさなのよ? 甘やかすのはキャーリサのためにも良くないわ」

「う……」

「あねうえ! だからそれはゆーどーじんもんだって言ってるの!」

「私はただ妹の事を心配しているだけよ。甘やかすのにも、甘やかされるのにも慣れてしまってはいけないもの」

「わ、わたし……」

「ヴィリアン! さっさと決めるし!」

「ヴィリアン、無理はしなくてもいいのよ」


「わたしは……」

「ヴィリアン!」

「ヴィリアン?」

「わた、しは……」

「ヴィ――――」







「うるっさいぞこの小娘どもがああああああああっ!」





「「「!?」」」








pixivに薬味久子の絵があって幸せになれた>>1です。

危うく今日が終わるトコだった。おまけが間に合わないから先に本編投下します。
>>429さんがたまにはageてもいいのよ? と言ってましたので投下量が多い時はageることにします。sage進行は何となくやってみたかっただけで特に拘りはないので。


―――――
――――
―――
――



数多「――――ま、こんくらいで十分だろ」カラカラカラ

一方通行「十分じゃねェよ、十二分に買い過ぎだよ」カラカラカラ

沈利「結局カート三つも使う事になるなんて思いもしなかったわ……」カラカラカラ

美琴「おじさんのかごにおにくとやさい、おにいちゃんのかごにおさかなとのみもの、おねえちゃんのかごにおかしとレトルト……」ホエー

数多「こんだけありゃしばらくは買い物行かなくても済むな」

一方通行「しばらくっつーか今月っつーか……」

沈利「これ本当に全部使い切れるのかしら……」

数多「この程度じゃ半月も保たねーよ」

沈利「半月!? どうやれば半月で使い切れるのこの量!?」ビックリ

数多「俺の予想だと明日この食糧の三分の一は消失する」キッパリ

沈利「なに? ジャイアント白田でも家に来るの?」

数多「来ねーし仮に知り合いだったとしても来させねーよ」


一方通行「ああ、理后と那由他か」

数多「お前が帰って来たって事はそろそろジジイから伝わってるだろうから、明日辺り家にやって来るだろ」

沈利「理后? 那由他?」

一方通行「那由他は木原くンの親戚で、理后はオレと同い年の子だ」

数多「ちなみに二人ともメスだ」ヒソヒソ

沈利「女の子……?」ピクッ

数多「特に理后はガキながらに結構整った面構えしてんだぜ」ヒソヒソ

沈利「ほほう……?」ピクピクッ

数多「傍から見てても仲睦まじいんだこれがいやマジで」ヒソヒソ

沈利「……」

数多(あり? 俯いて黙りこくりやがった。俺の予想だとここでクソガキと一悶着起こすと踏んでたんだが……)ハテ



沈利「……」テクテクテク

一方通行「ン? どォした沈利?」

数多(クソガキの前に立って何するつもりだ?)

沈利「――――っ」




ぎゅうううううっ!



一方通行「うおっ!? し、ししし沈利!?」ビクッ!

沈利「――――から」ボソッ

一方通行「え? な、何だって……?」ドキドキ

沈利「わ、わたしは、ア、一方通行のことがだだ、大好きだからっ!」カァァァ!

一方通行「~~~~~っ!?!??!?!!」ボンッ

美琴「? ねえねえおじさん、ふたりともおかおまっかにしてどうしちゃったの?」 ←上手く聞こえていない

数多「さあなー、何でだろうなー」ニヤニヤ

数多(明日テレスに見せる面白ムービーが手に入ったな)●REC


数多「オラ何時までもイチャイチャしてねぇでさっさと会計済ませんぞ。警備員が勝手に嗅ぎつけて来ねーとも限らねぇんだからよ」

一方通行「オ、オオそォだな」ギュウウウ

沈利「アンチスキル!? も、もしかして商品台無しにしちゃったから、タ、タイホされちゃうの!?」ギュウウウ

数多「いや離れろよ、何しっかりと抱き合ってんのお前ら? そういうのは沈利が出るトコ出始めてからやれよ。オモシレーことになっから」ケラケラ

一方通行・沈利「「???」」キョトン

数多「……そうか、意味通じねーか。まー、あと2、3年すりゃ分かる」

一方通行「大丈夫だ沈利、アンチスキルは別の用件で来るだけだから、沈利は逮捕されたりしねェよ」ナデナデ

沈利「ホント? ウソじゃない?」ギュゥゥゥ

一方通行「本当だって。オレを信じろ、沈利」キリッ

沈利「う、うん……」テレテレ

数多「……ヤベェ、人の事無視していきなりイチャつくとか殺したい、マジぶっ殺したい」イラッ




ざわざわざわ――――



美琴「なんかにぎやかになってきたねー?」

数多「クソガキ共が周囲の視線も憚らずにイチャついてりゃ目立つだろ」

店員「お、お客さん!」バタバタ

数多「ああ? さっきの店員じゃねえか。どうしたよそんな血相変えて」

店員「は、はい、実は――――」



警備員「アンチスキルです! 通報を受けて参りました! 皆さん、その場を動かないで下さい!」



数多「……オイオイ、コイツァどういう事だ? 俺は通報を待ってくれって頼んだよなあ?」ギロリ

店員「ち、違うんです! 私達よりも先に誰かが通報してしまっていたみたいで……」アセアセ


数多「チッ、メンドクセェ事になってきやがったな」ガシガシ

一方通行「どォすンだ木原くン?」

数多「ハッキリ言って俺とテメェが見つかるのはマズい。あのカス共潰した時に近くに居たテメェが見つかったら色々質問攻めに遭うだろう」

数多「そしてテメェが見つかれば芋づる式に俺が見つかっちまう。こんだけ特徴的な二人じゃ他人の振りしてシラを切るっつーのも時間稼ぎにもならねえ」

数多「そして何より、警備員の増援が来たとして、その中の誰か一人でも今日の事件に関わっていれば……」

一方通行「……! 研究所潰しの犯人だってバレちまう……」

数多「ここは誰かを囮に使って警備員の目を誤魔化すしかねえ。その隙に俺たちは会計を済ませて外に出る」

一方通行「でも誰を囮にするンだ? いきなり“囮になってください!”なんて言われてはいそうですかって言うヤツはいねェだろ?」

数多「それならここにうってつけの奴が居んじゃねーか」チラ

一方通行「エ?」チラ







沈利「……へ?」








アンチスキル「―――それで、その男の特徴は……」

沈利「あ、あの~……」オソルオソル

アンチスキル「ん? どうしたのお嬢ちゃん、おじさんに何か御用かな?」ニコ

沈利「何かあったんですか? わたし、今買い物に来たばかりで何がなんだか……」

アンチスキル「ああ、実は十数分前に怪しい集団が店内をうろついていたらしくてね、その身柄を引き取りに来たんだけど……」

沈利「どうしたんですか?」

アンチスキル「どうにもその集団、誰かと争って返り討ちに遭ったって話でね。今その人物について聞き込みを行っている所なんだよ」

沈利「へ、へぇ~」ダラダラ

アンチスキル「大丈夫? 何かすごい汗だけど……」

沈利「え、あ、暑いからじゃないですかねー? ほ、ほら! わたしさっきまで外に居たから!」アタフタ

アンチスキル「何をそんなに慌ててるの君……」


アンチスキル「あ、そうだ、折角だし君にも聞いておこうかな」

沈利「き、聞きたいこと?」

アンチスキル「うん、分からなかったら分からなかったでいいんだけど、店の中に白衣を着た男の人を見かけなかったかな?」

沈利「は、ははははは白衣の木原くんなんて見てません!」

アンチスキル「え? 木原くん?」

沈利「じゃ、じゃなくて、それっぽい人なら、さっきトイレの方に向かって行くのを見かけたような……見かけなかったような……」ゴニョゴニョ

アンチスキル「トイレか……よし、少し確認してくるとしよう。協力ありがとう、お嬢ちゃん」タタタッ

沈利「ど、どういたしましてー!」フリフリ

客「……」

沈利「……行ったわね」ホッ

客「……君も大変だね」

沈利「……はい」


数多「ひど過ぎ笑えない」ウワァ

一方通行「沈利……」ホロリ

美琴「あーゆーのをだいこんやくしゃっていうんだっけ?」

数多「それも腐ってる大根だ」

店員「大根なのに当たっちゃいましたね」

数多「やかましい、ってかまだ居たのかよ」

一方通行(擁護したい、擁護したいけど……さすがにアレは無理だ、ゴメン沈利)

数多「まあ一応これで一人は追っ払えたわけだ、次はクソチビ、お前の番だ」

美琴「まかせて! おじさんたちがみつからないようにすればいいんでしょ?」フンス

数多「なんだろう、スッゲェ安心感がある」

一方通行「さっきの沈利と比べたら……なァ?」

数多「お前のその人見知りの無さは素晴らしい長所だ。間違ってもあのコミュ障みてーにはなんなよ」ナデナデ

美琴「はーい!」ニコニコ

一方通行(……オ、オレは大丈夫だよな? 沈利にだってほぼ初対面だけど話しかけられたし、コミュ障じゃねェよな?)ガタガタガタ



スミマセーン! ン?ドウシタノオジョウチャン



数多「……さて、クソチビがあの警備員を引き止めてる隙にさっさとレジへ向かうぞ」

一方通行「つーか、普通に考えたらレジにもアンチスキルが居るンじゃねェか?」

数多「簡単な話だ、警備員が居たら現金放り投げて逃走、居なけりゃ全レジ使って人海戦術だ」

一方通行「スゲェ、何も考えてなかったのか」ハァ

数多「こんな事で頭使いたくねーからな。ほれ行くぞ」カラカラ

???「あ、すみませーん、トイレってどこら辺にあるか知りませんか?」

数多「アア? んなモン店員にでも聞けよ」クルリ

アンチスキル「あ」

数多「あ」

一方通行「どォした木原くン、そンな間の抜けた声出して――――」クルリ

アンチスキル「え」

一方通行「え」


数多「……」

一方通行「……」

アンチスキル「……えーと」

数多「……に」ボソ

アンチスキル「に?」







数多「逃げるが勝ち!」ダッ!

アンチスキル「させるかああああああああああああああああああああっっっ!!!!!」ガシイッ!

一方通行「うわァ!?」

アンチスキル「あれ? 何で君が捕まってるの!?」

数多「代わり身の術ってなァ! 後は任せたぞ一方通行!」ギャリリリリリリ!

アンチスキル「カ、カート三つでドリフトかました!?」スゲェ

一方通行「マジで人間離れしていくなァ木原くン……」アキレ


アンチスキル「くっ! 逃がさないじゃん!」グッ

一方通行「ここでベクトル操作ですよ」キュイーン

アンチスキル「うわあっ!? へぶし!」ドシャアア

一方通行「地面から押し返そうとする反作用のベクトルを変換すれば軽い跳躍もできずに転ぶンだぜ?」

アンチスキル「イタタ……い、一体何が―――」ツルッ

アンチスキル「ゲフゥッ!?」ゴンッ!

一方通行「摩擦力は動いている物質の接触面に対して働く力……その向きを逆にしてやればつるつる滑っちまうンだわこれが」

一方通行「今オマエは油まみれの床の上に倒れこンでるのと同じ状態だ」ケラケラ

アンチスキル「っつ~……き、君が能力を使ってるから私が思うように動けないって事?」

一方通行「足止めを頼まれちまったモンでよ。悪りィけど、今日のところは諦めてもらうぜ?」

アンチスキル「……これは、君の意志でやってるのか?」

一方通行「……ア?」


アンチスキル「アイツは研究所を破壊した凶悪犯かもしれない、放って置くのは危険じゃん」

一方通行「木原くンがやったって証拠はドコにあンだよ」

アンチスキル「木原……? あの男は木原って言うじゃん?」

一方通行「さァな、信用できない奴にベラベラ情報を吐くつもりはねェよ」

アンチスキル「私はアンチスキルじゃん、多少は信用してくれてもいいんじゃないかな?」

一方通行「信用ゥ? ハッ! コイツは傑作だなァ」ケラケラ

アンチスキル「……?」







一方通行「大切な人を逮捕しようとしてる奴を信用なンてする訳ねェだろォが、クソッタレ」







アンチスキル「……っ!!」








一方通行「アンチスキルなンざ、一度たりとも信用した事ねェよ」

アンチスキル「じゃ、じゃあ、あの男は絶対に信用できるじゃん? さっきの君の能力を考えると、知らず知らず利用されているって可能性も……」

一方通行「だとしても、あの研究所がクソッタレだって事にも気付かずに、何人もの犠牲を見過ごしてきたオマエらに、木原くンの事をとやかく言う資格はねェよ」

アンチスキル「ぁ……」

一方通行「……じゃァな、もォ関わってくンじゃねェぞ」クルッ



スタスタスタ……――――



アンチスキル「わ、私は……」

アンチスキル「わた、しは……」

アンチスキル「…………」


一方通行「…………」テクテク

一方通行「チッ……」イライラ

一方通行(何やってンだよ、オレは。あンなのただの八つ当たりじゃねェか……)

一方通行(自分で言ってたじゃねェか、オレは誰にも救いの手を差し伸べなかったクソッタレだって……)

一方通行(あのアンチスキルは間違いなく善人だ。黒い噂で溢れてる特力研に突入して木原くンと出くわして、噂以上の地獄を見て……)

一方通行(そンな状況でガキ二人連れた怪しい研究員らしき人物を見たら心配するに決まってるじゃねェか……)

数多「だからオレは友達が一人も居ないし出来ないし筋金入りのコミュ障なんだよなぁ」ヒソヒソ

一方通行「そォそォ……ってうォおおっ!?」ビクゥッ!

数多「なぁーにシケた面ァ浮かべてんだよクソガキが」

一方通行「べ、別に、そンな顔してねェし……って言うか、何で木原くン居るンだよ。レジ向かったンじゃなかったのかよ?」

数多「ああ、カゴだけ置いて精算させてるトコだ。沈利を回収しねェといけねーからな」

一方通行「店員さンを猟犬部隊みたいにこき使ってンじゃねェよ」


数多「んだぁ? 沈んでると思ったら意外と元気じゃねーの」

一方通行「当たり前だろ? 何でオレが落ち込まなきゃならねェンだよ」

数多「それもそうだな。それより一方通行」

一方通行「ン? 何だ?」

数多「ちぃっと歯ぁ食いしばれや」ググッ

一方通行「へ――――」




ばぎゃああああっ!!




一方通行「~~~~~~っ!?」ドサァ

数多「ふぅ~」コキコキ

一方通行「い、いきなり何しやがるンだよ……!」キッ


数多「あ? ちょっとした躾ですけどそれが何か?」キョトン

一方通行「ハア? 躾だァ? 一体何を言って――――」

数多「大人泣かせて満足でちゅかぁぁぁぁ? アクセラちゃあああああん?」

一方通行「……!」ビクゥ!

数多「ったく、テメェの気持ちも一応は理解してっけどよ、そいつはやりすぎだ」

一方通行「……はい」

数多「あの警備員が直接何かした訳じゃねーだろ? なのに警備員への不満を、よりにもよって新米も新米の青二才に当たるたぁな」ハァ

一方通行「……ごめンなさい」シュン

数多「謝るのはオレじゃねぇだろ?」

一方通行「……うン、悪りィ。オレ、ちょっとさっきの姉ちゃンに謝ってくる」クル

数多「あ、それは別にしなくて良い」サラリ

一方通行「ええええええええええええええええええええええええええええええっ!?!?!?」ガーン


数多「当ったり前だろ。今アイツんトコ戻って謝ったとして、それであの警備員が立ち直れると思うか?」

一方通行「そ、それは……」

数多「そんなのはただの自己満足だ。本当に申し訳ないと思ってんなら、その場その場の空気に流されるんじゃなくて、きちんと互いに気持ちが落ち着いてからするべきだ」

数多「今、そのブラブラ中途半端な気持ちぶら下げて謝ってみろ、これから先テメェは同じ様な状態でしか他人に謝る事ができなくなる」

数多「あの警備員が何処の支部所属かは後で調べといてやっから、侘び入れんのはまた今度にしろ。いいな?」

一方通行「……なァ、木原くン」

数多「何だ?」









一方通行「木原くンがそういう事言うの、スッゲェ似合わねェな」

数多「今日の夕食はクッソ不味い豚箱のメシだクソガキ」ギリギリギリギリギリ

一方通行「痛い痛い痛いごめンなさいごめンなさいごめンなさいアタマ割れるうううううううううううううっ!」ジタバタ


数多「いーち、にーい、さーん」ギリギリギリ

一方通行「――――っ! ――――っ!」ビクン、ビクン

数多「目ェ覚ませクソガキ」ポイ

一方通行「ゴフェッ……、な、投げ捨てなくてもいいじゃン……」プルプル

数多「俺のストレスゲージは1までしかねーんだから気をつけろよ」ケラケラ

一方通行「少ねっ! 生きてるだけでストレス満タンじゃねーか!」

数多「ちなみに人と話すだけで10は溜まる」キッパリ

一方通行「1までじゃなかったのかよ!?」

数多「今増設したんですぅ~」

一方通行「くっ、ブン殴りてェ……ッ!!」ギリッ

数多「んじゃあオレは蹴らせてもらおうかなあ?」ニタァ

一方通行「ボウリョクヨクナイ」ブンブン


数多「つーか話脱線しまくったじゃねぇか、どうしてくれんだよクソガキ」チッ

一方通行「理不尽すぎる!」ウワーン!

数多「まあ、あれだ。この事はキレイさっぱり忘れちまおうってこった。別にあの女が気に食わねえから冷たい態度とってる訳じゃねえぞ?」

一方通行「ああ、何かあったンだな」

数多「だから何もねーって。研究所で出会い頭に『顔に刺青とかカッコイイとか思ってるじゃん?』って言われたりなんかしてねーし」

一方通行「木原くン初見でよくそンなセリフ言えたなって素直に感動した」

数多「思い出したらスッゲーぶち殺したくなってきた。オイクソガキ、あの女ァ精神的にポッキリへし折って来い」

一方通行「さっきまでと言ってる事違くね!?」

数多「俺の感情は殺・殺・殺・殺でできてるからな」

一方通行「喜・怒・哀・楽だろ!?」

数多「ぐちぐちウルセーなあ。ほら、そろそろ会計終わるだろうからレジ行くぞレジ」

一方通行「なァ、一度でいいからちゃンと会話して? マジで切実にお願い」ネエネエ


数多「おいコミュ障ー!」オーイ

沈利「コミュ障じゃないって言ってるでしょ!」タタタッ

数多「あんだけキョドっといてまだ言うか」

沈利「し、しょうがないでしょ? アンチスキルとお話なんて、何もしてなくても緊張するのに、今回は色々と事情が複雑じゃない!」

数多「……」クイッ

沈利「後ろ? 後ろに一体何が――――」クルッ





美琴「―――そしたらあわてておみせからでていっちゃったの!」

アンチスキル「なるほど、店で暴れてたのは15~6歳の学生、体格は小柄で小太り、運動神経はあまり良くない……と」カキカキ

美琴「あとぼっちゃんがり?みたいなあたまだった!」

アンチスキル「髪の色は茶髪で髪型は短め、おそらく耳などは出していない坊ちゃん刈りと思われる。お洋服はどんな物を着てたのかな?」

美琴「うーん、みずいろのセーターをきてたかな~」ムムム

アンチスキル「水色のセーターを着用……っと。ありがとうお嬢ちゃん。ご協力感謝いたします!」ビシッ

美琴「おまわりさん、がんばってわるいひとをつかまえてくださいね!」ニコ





数多「……な?」

沈利「うわぁ」


数多「満面の笑みを浮かべながら嬉々と人を騙せるたぁ、アイツは将来有望だな」ウンウン

一方通行「なンてこったい」

沈利「美琴ちゃんに何やらせてるのよ……」ゲンナリ

数多「俺の座右の銘は使い捨て上等だ」

沈利「ワォ最低」

数多「るせぇ、いいからレジ行くぞ。釣りはいらねぇって言っといたから後は荷物持ってずらかるぞ」

沈利「今更だけど、何でわたしたちこんなコソコソしなきゃいけないんだろう……」

一方通行「研究所ぶっ壊したっつっても死傷者0なンだから堂々としてりゃいいのにな……」

数多「空き缶のポイ捨てをあれよあれよとテロ行為に祭り上げちまう様な連中だぞ?」

数多「研究所ぶっ壊した犯人を捕まえたとなりゃ間違いなく国際的テロリストにされるのがオチだ」

一方通行「さすがに誇張しすぎじゃねェ?」

数多「デニスは酔っ払ってスキルアウトと喧嘩してるトコを、警備員に見つかって殺人未遂でぶち込まれて猟犬部隊に流れ着いたヤツなんだけどよ?」

一方通行「事情聴取もろくにしてくれないンだぜ!」

沈利「アンチスキルなんて、学園都市の悪魔さ!」

数多「分かってくれたようで何よりだ。これでデニスの野郎も浮かばれる……」ジーン

数多(ぶち込んだ警備員も猟犬部隊に堕ちてきたんだけどな)


デニス「死んでねえよ!?」

オーソン「いきなりどうした!?」ビクッ

マイク「やっぱ牛タンは外せないよなー」ウキウキ

ヴェーラ「分かるー! スーパーで結構立派なの見ると、値段考えずについ買っちゃうのよねー」ウンウン

ルル「味付けしてある肉はどうしても受け付けないんだよなぁ……」

ナンシー「あるある。使うタレが同じ会社から仕入れてるのか、ドコのスーパーでも似たり寄ったりな味付けなのよねー」

ロッド「お前サンチュにごはん乗っける派? それともごはんとおかずは別々派?」

ケインズ「肉、野菜、飯の順で食う派だ」キッパリ

ロッド「サンチュ単体かよ!」

オラフ「サムジャンだけで飯三杯イケる」キリッ

全員「「「「「「「「分かる~!」」」」」」」」

デニス「あれ? あのスーパーの前に居るのって――――」


数多「何だろう、嫌な予感がする」ガサガサ

一方通行「具体的には?」

数多「いつまでたっても話が進まなくなる感じ?」

沈利「さっきまでと大して変わらなくない?」

数多「誰の所為ですかぁ、誰のぉぉぉぉぉ?」グニー

沈利「ひっふぁらはいふぇよー!」ジタバタ

一方通行「そういう事ばっかやってるから話進まないンだろ、っと。木原くン、袋結び終わったぜ」ヒョイ

数多「オウ、そんじゃさっさと引き上げるぞー」ムニムニ

沈利「ふぁっはらほっぺふぁはわひふぇよー!」ジタバタ

数多「お前のほっぺたやーらけーなあ。テレスと良い勝負だ」ブニブニ

沈利「ふぇれふ?」キョトン

一方通行「テレスティーナちゃンも木原くンの親戚……ってか沈利スゲェ顔」ククク

沈利「ふうううう~……」ガックリ


美琴「おじさーん!」トテテテ

数多「おークソチビ、足止めごくろ――――」クルッ






アンチスキル「居たぞ! 店の出口だー!」ドタドタドタ!

美琴「にげてー!」ウワーン!

一方通行「見つかった!?」ガーン

沈利「うじゃうじゃいる!?」キャー!

数多「まー監視カメラ見りゃ一発だしな」ポリポリ

沈利「え? それじゃあわたしが囮になったのって何だったの?」

数多「監視カメラで確認された時オレ達の近くに居る警備員の数を減らしておくためだ。出入り口をあの人数でギッチリ固められちまったら面倒くさいだろ?」ガサガサ

一方通行「イヤ出口にもたくさンいるンですけど!?」

数多「決まってんだろ! 蹴散らせえええええええええええええええええええええええええええええっっっ!!!!!!!」ダダダッ!

一方通行「分かってた! あの黒服見たときからこンな結末だろォと思ってたよチクショウ!」ダッ!

沈利「なんで買い物に来ただけなのにこんな事になるのもうやだああああああああああああああああああああああ!!!」ダッ!



―――――店の入り口前




ウゴクナ!オトナシクトウコウシロベラッシャアアアアア!? タイチョオオオオオオオオオ!?


???「……ん? 向こうが騒がしいようだけど、コイツのお仲間さんでも捕まったのかしら?」ゲシ

黒服「」チーン

???「はぁ、黄泉川さんから連絡来ないし、美琴も心配だし、少し様子見に行った方が良いかしら?」




がっしゃああああああああああああああああああああああああん!





???「!?」ビクゥ!


数多「なぁぁぁぁぁぁに自動ドアぶっ壊してくれてんですかテメェはよおおおおおおおお!?」ダダダッ

一方通行「しょうがねェだろ!? あンだけうじゃうじゃいたらこうでもしないと撒けねェだろ!」ダダダッ

沈利「器物破損が罪状に加わったー! ごめんなさーい!」ダダダッ

数多「ぶちまけちまった魚と商品棚の弁償に更に自動ドアまで追加してくれてありがとよ!」バキィ

デニス「げぶふぉおおおおっ!?」ドシャア

一方通行「木原くン! 今すごい見覚えのある顔を殴らなかったか!?」ギョッ

数多「気のせいだ。仮に知り合いだったとしても問題ねえ、俺の前にいたのが悪い」キッパリ

沈利「どんどん罪が重なってくるうううううううううう! もういやあああああああああああああああああああああああああああっ!!!」ウワーン!


ロッド「デニスううううううううううううううううううううううううううううっ!?」ガーン

ナンシー「何やってるんですか隊長おおおおおおおおおおおおおおおっ!?」ガーン


一方通行「ほら聞こえてきた! ロッドくンとナンシーちゃンの声が聞こえてきた!」

数多「黙って走れ! アイツの尊い犠牲を無駄にする気か!」クッ

一方通行「何悔しそうな顔してンの? 木原くンのせいだろ? 全然同情できねェよ?」

沈利「あはははははははははははははははははははははははは!!」ケラケラケラ

一方通行「沈利が壊れたあああああああああああああああっ!?」ガーン











???「……何、アレ?」ポカーン


ここで一旦終了。今日は投下グチャグチャだな……

晩飯食い終わったらおまけ書き終わり次第おまけの方投下します。


エリザード「人がいい感じに威厳溢れる女王様な空気を作っていたというのに、何どうでもいい事で騒いでるんだアホ!」

キャーリサ「どーでも良くないの! こっちはわたしのけっぱくとケーキがかかってるんだし!」

エリザード「ふん! どうせヴィリアンにケーキが欲しいとねだったんだろう? はい解決!」

キャーリサ「ちょっと待つの! それは一国の女王としてあまりにもてきとうすぎないか!?」

エリザード「私はなキャーリサ、女王である前に一人の母親なんだ……」ニコ

キャーリサ「そんないー笑顔でいーセリフを言われても全くきょうかんできないし」シラー

エリザード「ちっ、我が娘ながらなんて心がひん曲がっているんだ」ハァ

キャーリサ「えんざいじょうとうのははうえに言われたくないの! そーいうずさんさからこくせいはみだれるんだし!」

エリザード「残念でしたー、英国は今日も平和ですう」ヘラヘラ

キャーリサ「うわ、こんなのが国のトップとか終わってるし」イラッ

リメエア「これはキャーリサに同意するわ」イラッ

エリザード「いやリメエア、まるで他人事のような顔をしているがお前にだって責任はあるとは思わんか?」

リメエア「はて? 私に責任……?」キョトン


エリザード「甘やかすのは確かによくないが、ここは姉としての威厳を誇示する意味合いもこめて、ヴィリアンのではなく自分のケーキを分けてあげれば人としての器の大きさをキャーリサに示せたのではないか?」
リメエア「うん、それはいや」ピシャリ

エリザード「短いっ! もう少し文量を増やしてくれても良いだろう!?」

リメエア「お母様ってなんか話が長いのよね。どうしてかしら?」

キャーリサ「大人はとりあえずべらべら長ったらしくしゃべれば自分がえらいと思ういきものなの」ヤレヤレ

エリザード「よーし戦争だ。第一次親子大戦の開始をここに宣言する」イラッ

リメエア「私はご遠慮します」プイッ

キャーリサ「わたしだってやだし。一方的にケンカをふっかけてもいーの? かりにも一国の女王が?」ニヤニヤ

エリザード「関係ねえよ!! カァンk」

リメエア「長台詞は自重下さい」

エリザード「(´・ω・`)」

キャーリサ「あわれなの」クスクス


エリザード「きー! なんて可愛いげのないヤツらなんだ! もういい! お前達とは金輪際口を聞かん!」

ヴィリアン「え? ええ?」ビクッ

キャーリサ「べつにそれでもいーし」フンッ

リメエア「これと言って、困る事は何もないわね」

ヴィリアン「え、えと……あの……」オロオロ

エリザード「あースマンスマン、もちろんヴィリアンは違うぞ? お前はあの二人と違って良い子だからなあ」ナデナデ

キャーリサ「ちょっとははうえ? 何じぶん一人だけヴィリアンにいーかっこしてるの?」

エリザード「良い子良い子~」ナデナデ

リメエア「あらあら、本当に口を聞かないつもりみたいね」

キャーリサ「あーそう、それならそれでけっこうなの。ヴィリアン」グイ

ヴィリアン「きゃ!?」

エリザード「コラ! いきなり引っ張ったりして、転んだりしたらどうするつもりだ!」

キャーリサ「さーヴィリアン、ケーキを持ってへやにもどるし」シラー


エリザード「ほうほう、私を無視するかそうか」ビキビキ

キャーリサ「じぶんが先にむししといてやられたらもんくを言うとか、ホントーに国のトップとして終わってるの」ヤレヤレ

エリザード「ぐぬぬ……」ギリッ

キャーリサ「ふん」プイッ

リメエア「何をやってるのやら……。ヴィリアン、私たちは向こうで遊んでましょ」

ヴィリアン「……」

リメエア「ヴィリアン?」

ヴィリアン「……」

キャーリサ「? どーしたヴィリアン? ははうえがあまりにもおとなげなくて言葉も出ないの?」

エリザード「まだ言うか貴様!」

キャーリサ「ホントーなんだから仕方がない」

エリザード「キーッ!」ムカムカ

リメエア「どうしたの? どこか具合でも悪いの?」

ヴィリアン「……ぐすん」ポロッ

三人「「「!?」」」


ヴィリアン「グスッ……ひくっ! うあああ……!」ポロポロ

エリザード「ど、どどどどどうしたヴィリアン!? なぜ泣いているんだ!?」オロオロ

キャーリサ「わ、わたしがうでをつよくひっぱりすぎちゃったから!? ご、ごめんねヴィリアン! 痛かったよね!?」サスサス

ヴィリアン「ヒクッ……うぁああああああん! うぁあああああああん!」ボロボロ

リメエア「な、泣かないでヴィリアン! まずは落ち着いて、ね?」オロオロ

ヴィリアン「う、うぅぅ……うぁああ……! ご、っうぁ……ごめんな、ざい……グズッ……」ボロボロボロボロ

リメエア「ご、ごめんなさい? 何がごめんなさいなの?」ナデナデ

ヴィリアン「わ、わたしっ、がぁっ……ひくっ……け、けーきを、たべ、なかったから……お、おかあさまと、おねえさまが、け、けんか……っ! けんか、やだああああああ……!」ポロ、ポロ

エリザード「―――っ! ヴィリアン!」ギュウウウ!

ヴィリアン「ごめ、ごめんなさい……! わたし、わ、わるいこ、だからぁ……っ!」ボロボロ

エリザード「違う! 私が大人気無かっただけだ! お前は悪くない……っ!」ギュウウウ!
キャーリサ「ごめんね、ごめんねヴィリアン! かなしい気持ちにさせちゃってごめんね……!」ポロポロ

リメエア「あなたは悪くないわ……! 私達がもっとしっかりしてないからいけないの……。だから泣かないでヴィリアン……!」ギュッ…

ヴィリアン「ひくっ……ぐすっ……。け、けんか、しない……?」グスッ

エリザード「ああしない! だからそんな悲しい顔をしないでくれ……」ギュウウウ

キャーリサ「今からははうえとなかなおりをするから、お願いだから笑って? ヴィリアンの悲しむ顔なんて見たくないの……」ポロポロ

ヴィリアン「おかあさま、おねえさま……」ウルウル


エリザード「……すまなかったキャーリサ、お前の言い分も聞かず一方的にお前が悪いと決めつけてしまって……」ペコリ

キャーリサ「わたしの方こそごめんなさい。これからはお姉ちゃんらしくしっかりしたまじめな子になるの……」ペコリ

リメエア「私も謝らないといけないわね。ごめんなさい、もっと周りに気を配れる良い子になります……」ペコリ

エリザード「いや、子供というのはそれくらい元気なのが良いんだ。大人である私がしっかりしなければいけなかったんだ」

キャーリサ「それはちがうし。子どもだろーとわたしは王女なんだから、わたしこそしっかりしないといけないの」

リメエア「それを言うなら私が一番良くなかったわ。長女として二人の見本になってあげないといけない立場なのだから」

エリザード「いやいや私がもっと立派な母親だったら――――」アーダコーダ

キャーリサ「だからわたしがまじめじゃなかったから――――」アーダコーダ

リメエア「私がしっかりと二人の間を取り持ていれば――――」アーダコーダ

エリザード「…………」

キャーリサ「…………」

リメエア「…………」

ヴィリアン「……クスッ」プルプル


エリザード「……ぷっ」

キャーリサ「あははは……!」プルプル

リメエア「ふふふ……!」プルプル

ヴィリアン「あははははははは!」

エリザード「あーっはっはっはっはっは!」

キャーリサ「ははははは! はははははは!」

リメエア「ぷっ……、くくっ……! あはははは!」

エリザード「はーっ、いや笑った笑った! 全く、親子揃って同じようなやり取りをするとはな」ククク

リメエア「だって親子だもの、似てて当たり前じゃない?」クスクス

キャーリサ「そーそー、わたしたちは家族なんだから仕方がないことなの。ね、ヴィリアン?」ニコ

ヴィリアン「はい!」ニパー

エリザード「おっと、紅茶が冷めてしまったな。すまないが紅茶を淹れ直してもらえないか? あと私にもケーキをくれ。食べたくなった」

メイド「畏まりました!」スタスタ

キャーリサ「ねーねーははうえ、ケーキを食べるならそのスコーンもらってもいい?」

エリザード「仕方がないな、今日だけだぞ?」

ヴィリアン「え」

エリザード「え?」


ヴィリアン「おねえさま、けーきをたべないのですか?」

キャーリサ「んー、なんかそーいう気分じゃなくなってきたし」

エリザード「キャーリサは他人のを見ると自分もこれが良い!ってタイプの人間だからな」ハハハ

キャーリサ「だからそのケーキはヴィリアンが食べて? まあ、元々ヴィリアンのなんだから、食べてって言い方はおかしいけど――――」

ヴィリアン「……ふぇえええ」ジワァ

エリザード「何故に!?」ガーン

ヴィリアン「だ、だって、おねえさまにたべてほしいんだもん……。おねえさまがわらってるおかおがみたいんだもん……」フルフル

リメエア「キャーリサ! ケーキを食べてあげなさい!」ヒソヒソ

キャーリサ「い、いや、さすがにあのさわぎの後でケーキをもらうのは、いささか大胆というか無茶というか……」ヒソヒソ

エリザード「そんなこと言ってる場合ではないだろう! さっき大泣きしたばかりだから涙腺が弛んで、ちょっとした事でも泣き出しかねないんだぞ!?」ヒソヒソ!

ヴィリアン「ふぐっ、えぐっ……!」ポロ、ポロ
リメエア「きゃああああああっ!? ま、また泣いちゃうわよ! キャーリサ! 良いから早くケーキを貰いなさい!」

キャーリサ「……」

エリザード「何をボーッとしてるんだ!?」ヒソヒソ

キャーリサ「……いや、すごく言いづらいけど――――」









キャーリサ「普通にケーキを半分こすればここまで話しはこじれなかったの……」

エリザード・リメエア「「……」」











キャーリサ「ヴィリアン?」

ヴィリアン「えぐ……。なぁに……?」ウルウル

キャーリサ「そのケーキ、もらってもいいかな?」

ヴィリアン「! たべるの!?」パァァァ!

キャーリサ「うん。でも、わたし一人では食べないし」

ヴィリアン「?」キョトン

キャーリサ「半分はわたしが食べるから、もう半分はヴィリアンが食べると良いの! これならばんじかいけつだし!」フンス

ヴィリアン「はんぶん?」

キャーリサ「そっ、半分」

ヴィリアン「ぜんぶたべてもいいんですよ? はんぶんこにしなくても……」

キャーリサ「いーのいーの。幸せそうにケーキを食べてるところを見たいのは、わたしも同じだし」ニコッ

ヴィリアン「おねえさま……」


キャーリサ「ふふっ、最初っからこうすれば良かったの」ニコニコ

ヴィリアン「でも、おねえさま?」

キャーリサ「ん? どーしたの?」








ヴィリアン「まえにはんぶんこしたときはたりないっていってましたよね?」

キャーリサ「」

ヴィリアン「えいむずさんにこっそりけーきをやいてもらってましたよね?」

キャーリサ「」

エリザード「キャーリサェ……」

リメエア「台無しにも程があるわ……」ハァ


キャーリサ「こ、細かいことはいーの気にしなくて! ほら、ケーキ分けるからちょっと貸して!」カァァァ

エリザード「あ、ヤバイ。キャーリサ超かわいい」キュン

ヴィリアン「で、でも……」

キャーリサ「いーからいーから! 二人で食べたほうがおいしいの!」

リメエア「キャーリサもこう言ってることだし、半分こしてあげたら?」ナデナデ

ヴィリアン「……ほんとうに、はんぶんでいいんですか?」ジー

キャーリサ「上目遣いちょーヤバイ(だいじょーぶだいじょーぶ! もうわたしはついさっきまでのわたしとはちがうんだし!)」

ヴィリアン「へ?」キョトン

エリザード「激しく同意(おいキャーリサ、本音と心の声が逆だぞ)」

ヴィリアン「???」

リメエア「駄目だこの親子……」


テレスティーナは可愛い(確信)。どうも>>1です。

おまけ投下するとか言ってから10日たってしまって呆然としています。しかもおまけのつもりだったのに途中から本編と軽くリンクさせてみるか! という軽はずみな行動の所為でおまけがまさかの50レス近くという体たらく……

つまり本編投下はまだまだ先という訳だぁ!




美琴「書き溜めは計画的にね! ビリビリ!」



―――第二学区、駆動鎧(パワードスーツ)開発施設―――



???「―――ふぅ、これぐらいグレードダウンさせれば文句はないでしょう」

作業員「テレスティーナさん、お疲れ様です!」

テレスティーナ(以下テレス)「あらお疲れ様。そっちの方は調整終わったの?」

作業員「はい! テレスティーナさんに教えて頂いた方法を使ったらあっという間に終わっちゃいました!」ニコニコ

テレス「それは良かったわ。明日の展示会に間に合わないんじゃないかとヒヤヒヤしちゃったわよ」クスッ

作業員「す、すみません……力不足にも程があって……」シュン

テレス「こら、そんな暗い顔しないの。今回は間に合ったんだからそれでいいじゃない」

作業員「で、ですが……」

テレス「……ねえ、貴方、正座は何?」ゴソ

作業「「へ?」

テレス「占ってあげる。今日は正座占い。ほら、正座は?」ガシャガシャ

作業員「し、しし座です……」

テレス「しし座はたしかオレンジだったわね~……はい、手を出して」カシャカシャ

作業員「は、はい」スッ



コロン



テレス「あらやったじゃない! ラッキーカラーのオレンジよ!」パァァァ

作業員「は、はあ……?」

テレス「なーに? 嬉しくないの?」ジッ

作業員「え? い、いや、う、嬉しいです! ありがとうございます!」カァァァ

テレス「どうしてお礼なんて言うのよ、私はただラッキーカラーが出るかどうか試しただけよ? はい」ヒョイ

作業員「え――――むぐっ!?」

テレス「今日は一日ラッキーが続くわよ? シャキッとなさい。良いわね?」

作業員「むぐもぐ―――ごくん。は、はい! 頑張ります! ありがとうございます!」ビシッ!

テレス「だからどうしてお礼なんて言うのよ」クスクス

テレス「さて、私はこの後アンチスキルの駆動鎧の調整があるから、お先に失礼させてもらうわね」

作業員「はい! お疲れ様でしたテレスティーナさん!」

テレス「フフ、じゃあね~」ヒラヒラ


作業員「……はぁ~」ウットリ

警備員「おい」

事務員「なにあっつ~い視線送ってやがんだコラ」

作業員「な、別に熱い視線なんか送ってませんよ!」カァァァ

警備員「うるせえ! 一人だけ美味しい思いしやがってコンチクショウ!」ガスガス

事務員「どうだった! テレスティーナさんの指先の感触はどうだったクソッタレ!」グリグリ

作業員「痛い! やめて! やわらかかったですよイヤッホォォォォォォォォォォォォウッ!!!!!」


警備員・事務員「「殺す!!」」



ギャーギャー!



テレス「―――? 何か騒がしいけど、どうしたのかしら?」



―――先端技術展示会場―――



テレス「こんにちわー」ヒョコ

???「お? テレスティーナさん、まだ予定の時間まで大分あるのにもう出勤じゃん? 精が出るじゃんねー」

テレス「あら黄泉川さんじゃないですか。今日はどうしてこちらに?」ガチャ

黄泉川愛穂(以下愛穂)「いやー、先輩が急用で来れなくなって、変わりに私が調整してもらった駆動鎧の調子を確かめる事になったじゃん」ハハハ

テレス「ああ、また何かヘマやらかしたんですね」ゴソゴソ

愛穂「うっ……な、何のことか分からないじゃんよ~?」ピューピュー

テレス「明日の展示会の準備でごっちゃごちゃの会場の中で黄泉川さんの周りだけピッカピカなのは何ででしょうねー」カチャカチャ

愛穂「な、なぜそれを!?」

テレス「芳川さん情報です。はい、ちょっと駆動鎧開きますから離れててくださーい」カチ、ガコン、プシュー

愛穂「おっとと……桔梗め、後で覚えてるじゃん……!」グググ

テレス「仮にも教員目指してるなら逆切れは良くないですよ? あ、そこの打撃スパナ取ってもらえます?」

愛穂「この大きいヤツじゃん? ほれ」ヒョイ

テレス「ありがとうございます。それで? 今日は何をやらかしたんですか?」ガンガン


愛穂「いや、大した事じゃあないんだけどさ……ほんとじゃんよ?」

テレス「大した事ないんならここにいません」キッパリ

愛穂「……はい」シュン

テレス「また学生と拳で熱く語り合いすぎましたか? それとも屋内カーチェイスでも繰り広げましたか?」ガション

愛穂「こ、今回はそれとは全く毛色が違うじゃん!」

テレス「前科は認めるんですね。それで、どのような?」カチャカチャ

愛穂「うぐぐ――――特力研って知ってるじゃん?」

テレス「特力研? 特例能力者多重調整研究所の事ですよね?」ジジ、キュイーン

愛穂「やっぱ知ってるか」

テレス「当たり前じゃないですか。私は「木原」ですよ?」チキチキチキ、バチッバチチ

愛穂「―――実はついさっき、その特力研が何者かに襲撃を受けて壊滅したじゃん」

テレス「へ?」ピタッ


愛穂「研究所内部は完全崩壊、奇跡的に死傷者はゼロだったけど、犯人は取り逃がしたじゃん……!」ギリリ!

テレス「壊滅? 特力研が? え、じゃあ一方通行が……?」ブツブツ

愛穂「ん? 一方通行? 誰ソレ?」

テレス「あ、いえ何でもないです。それよりどうして特力研が? 犯人の特徴とかは?」

愛穂「私が突入した時かなり怪しいヤツとばったり出くわしたじゃん。おそらくソイツが犯人で間違いないと思う」

テレス「……その犯人ってどんな見た目でした?」

愛穂「かなりの強面だったじゃん。髪は金髪で顔の左側には大きな刺青が彫ってあったじゃんよ。白衣を羽織ってたから研究所の人間だとは思うんだけど……」

テレス「……研究所に紛れ込んだヤクザかなんかじゃないですかね?」

愛穂「まあ科学者って言うよりはそっちの方がしっくりくるじゃん。でもあの身のこなし、只者ではない事は確かじゃんよ」

テレス「そりゃ……数多兄さんだし」ボソッ

愛穂「ん? 何か言ったじゃん?」

テレス「空耳では?」


テレス「それにしてもあの特力研が潰されるとはねえ。自業自得としか言えないけど」

愛穂「……あの男のインパクトに気を取られすぎたけど、あの研究所は地獄なんて物じゃなかったじゃん……」ギリッ

テレス「黒い噂はよく聞きましたけど、どれぐらい酷かったんですか?」

愛穂「……「敷地内に死体処分場が有る」っていう噂はよく耳にしていたけど、あれはそんな生ぬるい物じゃない……それ以上じゃん……!」

テレス「まあ、お爺さまと比べたら霞む程度よね……」ボソ

愛穂「あの子達は無事なのかな……今頃あの男に何かヒドイ事されてなければいいんだけど……」 ※今フルボッコにされています

テレス「あの子達?」

愛穂「ああ、研究所で容疑者と一緒に二人子供が居てさ、まあ逃げられちゃったけど……」

テレス(多分ひどい目には遭わされてると思う) ※正解

テレス「でも二人……? 一方通行以外に誰が……あの子の友達? それとも実は数多兄さんにソックリなだけの別人だったとか……」ブツブツ

愛穂「さっきからボソボソどうしたじゃん?」

テレス「何でもありません」シレッ


テレス「っと、こんな物かしら。黄泉川さん、すみませんが駆動鎧の調子を確かめてもらえますか?」ウィーン

愛穂「あ、ああそういえばこの為にテレスティーナさんは来てたじゃんね。ほいっと……」イソイソ

テレス「どうですか? 何か違和感があったりしますか?」

愛穂「いーや全然そんなことないじゃん! さすがテレスティーナさん!」ブンブン

テレス「腕を振り回さないで下さい! 当たったら人体なんて余裕で砕けますよ!?」

愛穂「おっとっと、ついハシャいじゃったじゃん」テヘ

テレス「ついで済ませないで下さいよ……」ハァ

愛穂「でもホントーに調子が良いじゃん。これならどんな相手だろうと怖い物なしじゃん!」ハッハッハ

テレス「ははは……」

愛穂「あれ? テレスティーナさん元気ないじゃんね、大丈夫?」

テレス「大丈夫ですよ」

テレス(駆動鎧壊せる人うちの親戚だけで何人もいるんだけどね……)ニガワライ



――――1時間後。


テレス「――――それじゃあ他の駆動鎧のメンテも終わりましたし、失礼させてもらいますね」

愛穂「えー、もう帰っちゃうじゃん? もう少しゆっくりしていきなよ。一人は退屈じゃんよ~」

テレス「そう言われましても、この後ある場所に寄らなければいけないので、長居はできないんですよ」

愛穂「まだ仕事するじゃん? すごいハードスケジュールだねぇ」カンシン

テレス「いえ仕事ではなくてですね――――」



<オーイ



愛穂「ん? 今声が聞こえなかった?」キョロキョロ

テレス「声? 私は何も聞こえませんでしたけど……」




<おねえちゃーん!



愛穂「近付いてきてるじゃん?」

テレス「……この声は、もしかしなくても……」クル

美琴「おねえちゃんはっけーん! とりゃー!」ピョーン!

テレス「キャッチ。やっぱりアナタだったのね、美琴」

美琴「おねえちゃんおっそーい! おむかえにきてくれるっていってたのにぜんぜんこないんだもーん!」プンプン

テレス「アラ? 約束の時間までまだもう少しあったと思うんだけど?」

美琴「きょうは3じでがっこうおわるよっていったよ?」

テレス「はれ? 4時じゃなかったっけ?」

美琴「あー、やっぱりちゃんときいてなかったー! おねえちゃん、ひとのはなしをきくときはちゃんとあいてのかおをみてきかなきゃだめでしょ!」メッ

テレス「う……言い返す言葉もございません……」ペコリ

美琴「だいたいおねえちゃんはなにかにむちゅうになっちゃうとまったくまわりがみえなくなっちゃってさ!」プンプン

テレス「ごめんなさい……」シュン


愛穂「あっはっは! あのテレスティーナさんがちびっ子に怒られてるなんて、こりゃ珍しい物を見たじゃん!」アハハ

美琴「? おねえさんはテレスおねえちゃんのしりあい?」

愛穂「お姉さんとテレスお姉ちゃんは大親友じゃん! ね、テレスティーナさん?」

テレス「え、親友?」ビックリ

愛穂「……そのリアクションは傷つくじゃんよぉ……」グスン

テレス「黄泉川さんとは前に彼女が自動車をスクラップにしちゃってね、それを修理したときに会ったのがきっかけなのよ」

愛穂「テ、テレスさん、その紹介はあんまり良い印象もらえないじゃんよ……」

テレス「それからちょくちょくアンチスキルから機械の修理を頼まれてるんだけど、その殆どが黄泉川さんが原因なのはご愛嬌」クスクス

愛穂「……意地悪ぅ」グスン

美琴「よしよし、なかなくてもだいじょうぶだよ」ナデナデ

愛穂「美琴ちゃん……」キュン

テレス「幼女に慰められるアンチスキル発見なう、と」カチカチ ソウシン

愛穂「言い回しがすごく悪意に満ち溢れてない!?」


テレス「気のせいですよ。さ、行きましょ美琴」スッ

美琴「はーい!」ギュウウ

愛穂「ホントーに行っちゃうじゃん? 完全下校時刻まではまだ余裕があるじゃんよ?」ウルウル

テレス「残念ながら瞳ウルウル攻撃は私には通用しません」

愛穂「ちぇー」

美琴「おねえちゃんってほんときびしいんだよね……いったいだれににたのやら」ヤレヤレ

テレス「アンタは私の親かっ」ペシ

美琴「あいたっ! ちょっとおねえちゃん! こーゆーのでぃーぶいでぃーっていうんだよ!?」

テレス「DVDじゃないし、ドメスティックバイオレンスは子供に対しては使いません」ムニムニ

美琴「むゃーん、ほっぺこねりゅのだむぇ~」ジタバタ

テレス「いーや。美琴のほっぺた柔らかくて触り心地良いんだもーん♪」ムニー

美琴「ふゃー!」ジタバタ

愛穂「……楽しそうじゃん……」ハブラレタ



~~~第七学区大通り~~~



美琴「――――でねー、ゆきりんがたっくんをおこらせちゃってねー」ペチャクチャ

テレス「あらあら、それは大変」クスクス

美琴「あ! あれがおねえちゃんがいってたスーパー?」

テレス「そうよ、ココってちょくちょく特売があって家計に優しいのよ」

美琴「おねえちゃんはしょみんはなんだね」

テレス「んー、意味合い的には間違ってないような……でもやっぱり少し違うというか……」ムムム

美琴「おねえちゃん、きょうはなにをつくるの?」クイクイ

テレス「そうね~……ハヤシライスとかどうかしら?」

美琴「やったぁ! わたしハヤシライスだいすきー!」ピョンピョン

テレス「ふふっ、それじゃ店に入りましょう?」


携帯<Hey DJ カマセ yeah yeah yeah キブンジョウジョウノ♪


テレス「ん? 電話? ごめんなさい美琴、ちょっと待ってて?」ゴソゴソ

美琴「はーい」


テレス「はい、テレスティーナです。はい、はい、駆動鎧の整備の依頼ですか? 今は他に依頼もないので、日付を指定していただければ――――」ペラペラ

美琴「~~~~~♪」ルンルン

テレス「四台ですとかかる費用は一台辺り――――」ペラペラ

美琴「ハヤシライス♪ ハヤシライス♪」ルンルン

テレス「あ、少々お待ちを……。美琴? ちょっとちょっと」コイコイ

美琴「?」トテトテ

テレス「この電話多分もう少しかかりそうだし、外はまだ蒸し暑いから先に中で待っててくれる?」

美琴「うん、いーよ? ついでにざいりょうそろえておく?」

テレス「そうねー、じゃあメモを書いておくから、それに書いたヤツを準備してレジで待っててもらえる?」

美琴「わかった!」

テレス「それじゃメモ書くからちょぉっと待っててね~……よし、そえれじゃあこのメモ通りに準備してレジで待っててね?」スッ

美琴「はーい! まっかせて! いってきまーす!」トテテテ

テレス「あんまり走ると転ぶわよー! っと、お待たせしました。それで整備の時のアシスタントですが――――」



10分後―――――


テレス「――――では、依頼に直接寄越すのは杉谷という方でよろしいんですね?」

テレス「はい、分かりました。詳しい話は二日後の14時半で、杉谷さんから細かい指定を聞くという形で。了解しました。それでは」ピッ

テレス「全く、駆動鎧依存症よねあの男。もう自分の原型も思い出せなくなってるんじゃないかしら?」ハァ

テレス「あらいけない、もう10分も経ってるじゃない! 急いで美琴の所に行かないと……」クル


「うわあああああああああああああまだ追ってくるううううううううううううっ!!」


テレス「? 何かしらこの声?」キョロキョロ

???「うわわっ!? 危ねぇっ!?」キキー、ダッ!

テレス「きゃっ!? ちょっとボクー? そんなに走ったらぶつかっちゃうわよー!」

???「すいませーん!」ダダダダ…

テレス「全く……それで?」クルッ



ゾロゾロゾロ――――



テレス「貴方達は何の用があって来たのかしら?」

黒服A「ち……」

黒服B「面倒な事に……」

テレス「見るからに怪しいですって格好で、しかも集団行動なんてある意味凄いわね」

黒服C「堂々としてればこの街では結構気にされないものだ。おい」クイッ

黒服D「はい」タタタタタ



タッタッタッタッタ―――――



テレス「……」


黒服C「どうした? アイツらはもう店の中に入ってしまったぞ? 止めなくていいのか?」

テレス「止めるも何も、わざわざそんな事する理由がないじゃない」

黒服C「私達があの少年を追いかけているのは分かってるだろう? 見過ごすのか?」

テレス「アハッ、私は別に見ず知らずの他人のために無償で動くスーパーマンじゃないのよ? 好きにすればいいじゃない」クスクス

黒服C「……そうか。ならここは素通りさせてもらえるんだな?」

テレス「うふっ、貴方がその気なら好きに通ったらいいじゃない?」

黒服C「……では、ここは通らせてもら――――」スッ



ビタアアアアアアアンッ!!



黒服C「か……っ、はっ……!?」ビクンビクン

テレス「あらあら、軽く投げただけなのに酷い有り様ね。受身の一つも学んでこなかったの貴方?」

黒服C「き……貴様……! いきなり、何を……っ!!」ギリッ

テレス「……舐めてやがるよなぁ……」ボソッ

黒服C「――――っ!?」ゾクッ


テレス「テメェみてーな下っ端ごときがなぁぁぁぁに偉そうに口利いてんだよ、ああ?」グリッ

黒服C「げふっ!」ビクッ!

テレス「分かってんだよこっちはよお。テメーらが幻生のクソジジイを狙ってる組織の雇われだって事はな」

黒服C「な――――」

テレス「驚くこたねーだろ。テメェらが私の顔を見た時の反応を考えりゃすぐにジジイ関連だっつーのは予想が付くんだよブォケ!」ドスッ!

黒服C「ぐぁっ! じゃ、じゃああの少年は? 我々があの少年を追っていたのげべう!?」ビクン!

テレス「まだ私が喋ってる最中だろうがよ。あー、あのウニ頭? 私には関係ねーからどこでくたばろーとキョーミねーし?」

テレス「どーせクソジジイの厄介事に巻き込まれただけの一般人だろうから、ジジイが責任もって助けんだろ」ケラケラ

テレス「でもまぁ、ジジイが迷惑かけちまったんだとしたら? それを付けねらう奴らを始末すんのはせめてもの謝罪ってヤツだよなあ?」ニヤリ

黒服C「ひっ!? わ、悪かった! もうあんた達に手は出さない! た、助けてくれ!」ガタガタガタ

テレス「……私には一人、それはそれは頼りになる親戚の兄貴がいてな?」

黒服C「ひぅ?」ビクビク

テレス「昔っから何かあれば助けてくれる自慢の兄貴でよぉ? 私も兄貴みたいになりたくて色々真似してるんだけどな? いややっぱ兄貴はスゲェわ」



ボギンッ!


黒服C「~~~~~~っ!?!?!?」ズキン、ズキン

テレス「んー、兄貴なら今ので砕けるんだけどなー……。私じゃ間接外すのが精一杯か」グリグリ

黒服C「うぐああああああああああがああああああああああっ!?!??!!」

テレス「ひゃっはははははははっ!!! オイオイスッゲー声だな、喉自慢大会にでも出演予定ですかあ!?」

黒服C「ひぎぃ……た、たす、けて……」ガクガクガク

テレス「んー、それは無理な問題だよなあ」ポリポリ

黒服C「ど、どうじて……?」ガクガクガク

テレス「言ったろ? “私は兄貴の真似をしてる”ってよ」ガシッ

黒服C「げうっ!?」グイッ

テレス「ウチの兄貴は手加減はしてくれるけど――――」









テレス「――――いっさい容赦してくれねぇんだよ」ニヤァ













黒服C「」チーン

テレス「ったく、手間かけさせやがってよこのカスが」ペッ

テレス「……美琴に何かあるといけないし、さっさと店ん中入るとすっか」クル




警備員「このスーパーだ! 急いで包囲しろ!」




テレス「……ハア?」

警備員「ん? あれ? テレスティーナさんじゃないですか。このスーパーで買い物の御予定ですか?」

テレス「え、ええ、連れが先に中で買い物をしているので今入るところですが……」

警備員「申し訳ありませんが、先程買い物客から直接警備員の方に通報がありまして、スーパーの中に不審な集団がいるので捕まえに来てほしいとの事でして」

テレス「不審な集団――――って、ああ、コイツらの事ですね?」ゲシゲシ

黒服C「おぶふっ」ビクン!


警備員「うわっ!? ミンチよりヒデェや! これテレスさんがやったんですか!?」ギョッ

テレス「絡まれたものですからつい手が出てしまって……。勝手な事をして申し訳ありません」ペコリ

警備員「流石にこれはマズイですよねー。……具体的に何かされたわけではないんでしょう?」

テレス「はい……ロクでもない連中だろうというのは分かったので、後先考えずやってしまいました……」シュン

警備員「これではテレスさんの方が傷害罪に――――ん?」チラ

テレス「? 足元を見てどうしたんですか?」チラ



黒服C「……」ジー ←見上げてる



テレス「」 ←ミニスカート

警備員「」

黒服C「……ふっ」グッb



どんがんざんぎんぼぐっ!!


黒服C「」チーン

テレス「こ、この人痴漢です!」カァァァァ!

警備員「は、はい。公然わいせつ罪で連行しましょう」カァァ

テレス「この状況で普通スカート覗く?」ジトー

愛穂「ははは、とんだ災難だったじゃん! ねえテレスティーナさん?」

テレス「丁度いいですし、この際このケガは痴漢を働かれて正当防衛でやったって事にしません?」

警備員「コイツらが何の目的があってここに来たのか調べてからじゃないと……。まあテレスさんにはお世話になっていますし、調書は適当にとっておきますよ」

テレス「ありがとうございます!」ニコ

警備員「い、いやぁ~、ははは」テレテレ

愛穂「……」グスン


テレス「はいはい、いい大人がちょっと無視されたくらいで落ち込まないの」ヨシヨシ

愛穂「まだ二十歳になったばかりじゃんよぉ……」イジイジ

テレス「二十歳ならもう十分大人です。はいシャキッとする!」パンパン!

愛穂「へーい……」シブシブ

警備員「おい黄泉川、お前今日は先端技術展示会場の警備にあたっている筈だろう? どうしてここにいるんだ?」

愛穂「あ! そうだったそうだった、すっかり忘れてたじゃん!」

テレス「問題を起こさない方法も忘れてるんじゃないですか?」

愛穂「……」グスン

テレス「やっちゃった☆」テヘ

警備員「テ、テレスさんが黒い……!」ガタガタ


愛穂「……はっ!? だからこんな事してる場合じゃないじゃんよ!」ガバッ

テレス「そんな血相変えて、一体何があるんですか?」

愛穂「このスーパーで不審人物を見かけたって話は聞いてる?」

テレス「ええ、それで警備員が身柄を確保しに来たんですよね?」

愛穂「それじゃあ、その不審人物達を一般客が無力化していたって話は知ってるじゃん?」

テレス「いいえ。でも、この街なら大して驚きませんね。高位の能力者がたまたま居合わせたとかが考えられますし」

警備員「それが、その一般人というのがどうも大人らしいんですよ」

テレス「大人?」

愛穂「そう。しかもその一般人の特徴が似てるじゃんよ」

テレス「似てる……って、誰にです?」

愛穂「特力研を含む四つの研究所襲撃の犯人と特徴が一致したじゃん」

テレス(兄さんだわー、間違いなく数多兄さんだわー)

愛穂「白衣を着て顔の左側には大きな刺青が彫ってある。私が特力研で目撃した研究員らしき人物と特徴が一致してるじゃん」

テレス(あ、確定したわー、数多兄さんで決定だわー。揺ぎ無いまでの数多兄さんっぷり発揮してるわー)ハハハ…


警備員「成る程な、それで唯一犯人らしき存在に接触したお前がここに寄越されたのか」

愛穂「はい、もし同一人物だったらすぐにでも身柄を確保しないと。何せ相手はあの特力研をたった一人で壊滅させた危険人物じゃん」

警備員「……本当に一人で壊滅させたのだろうか? 実は協力者がいて、いざ実行したら使い捨てられてしまった、とか」

愛穂「その方がしっくりはくるけど、『アレ』を直接目の当たりにしたらその考えは違うと言い切れるじゃん」

警備員「そんなにヤバイ奴がこんな平凡なスーパーの中に潜んでいるかもしれないのか……」ゴクリ

愛穂「とにかく、この出入り口の周りは特に人員を割いて欲しいじゃん。あの男は絶対にここでしょっ引いてみせる……!」メラメラ

警備員「……無茶はするなよ。みんながいるんだ、お前一人に重荷は背負わせたりはしない」

愛穂「……ありがとうございます。黄泉川愛穂、行って来るじゃん!」ビシッ!

警備員「ああ! 行って来い!」グッ!








テレス(え? 何この空気? 戦争にでも行くの? って数多兄さん相手じゃ戦争程度じゃ済まないか)


テレス「!?」ビクッ

警備員「ど、どうしましたテレスさん!?」

テレス「いや、今なんかすごい聞き覚えのある声が聞こえたような気が……」キョロキョロ


オーソン「あれ? テレスティーナさんか?」

ヴェーラ「ホントだー」

ルル「何でこんな警備員が多いんだ?」


テレス「……? あの、どちら様でしょうか?」ジー

警備員「テレスさんのお知り合いではないんですか?」

テレス「はい、記憶が正しければ、初対面のはずですけど……」ンー


オーソン「ああ、そういえばこうして会うのは初めてでしたね」

ナンシー「私達は隊長からよく話を聞いてるけど、テレスティーナさんにはまだ話してないみたいね」

テレス「隊長? 警備員の方ですか?」

ロッド「いえ、木原数多さんの所で世話になっている者です」ペコリ

テレス「数多兄さんの?」

ヴェーラ「はい! 自己紹介が遅れました、私は……っと、ここは職場での名前で名乗らせてもらってもよろしいでしょうか?」

テレス「私は構いませんけど……どうして?」

ケインズ「隊長の方から実名は伏せるよう言いつけられておりまして……」

マイク「まあ、愛称で呼び合ってチーム内での仲間意識を高めよう、って事ですよ」

警備員「ずいぶんと面白そうな職場ですねー、ウチもマネしてみようかな?」ハハハ

デニス「勝手にすればいいんじゃないかな」ケッ

警備員「え」


オーソン「すいません、こいつ、前に警備員に誤認逮捕されてからすっかり警備員を毛嫌いしちゃって……」

警備員「そんな事が……。謝って済まされる事ではありませんが、本当に申し訳ありませんでした」ペコリ

デニス「いや、こっちこそすみません。アンタには何の罪もないっていうのに」ペコリ

ナンシー「ねーねー、テレスティーナさんが困ってるんだからちゃっちゃと自己紹介済ませましょうよ」

オーソン「それじゃー俺から。オーソンって言います。お兄さんにはお世話になっております」

ナンシー「私はナンシーって言います。よろしくねテレスティーナさん?」

オラフ「自分はオラフと言います。お噂はかねがね」

マイク「俺はマイクです。ホンットーに美人だなー……」

ロッド「ロッドです。その足元に転がってるのテレスティーナさんがやったんですか?」

ケインズ「さすがは木原隊長の妹さんだな。あ、自分はケインズと申します」

ヴェーラ「私はヴェーラって言います。仲良くしてくださいね!」

デニス「俺はデニスです。あ、今言い辛そうだなって顔しましたね?」

ルル「最後に自分はルルって言います。今後ともよろしくお願いします」

テレス「私はテレスティーナ=木原=ライフラインと申します。こちらこそ今後ともよろしくお願いいたしますわ」ニコッ


テレス「ところで皆さんもココへは買い物に?」

オーソン「はい、今日はもう仕事がないので、たまには皆でパァーッ!と焼肉でもやろうかって話になりまして」

ヴェーラ「ついでに隊長達がここのスーパーに向かったので仲睦まじい様子でも覗き見してみようかと」

テレス「アラ、それじゃあやっぱり数多兄さんだったのね」

ナンシー「? そういえば何かあったんですか? 警備員が周りにたくさんいるけど……」キョロキョロ

ケインズ(正直生きた心地がしねえ)

テレス「実はこの店に入ってきた怪しい集団が一般客にコテンパンにされるっていうちょっとした騒動があったんですよ」

ロッド「やったな」ヒソヒソ

マイク「間違いないな」ヒソヒソ

ロッド「よりによって隊長が買い物してる時間に入るとかツイてねーな」ヒソヒソ

警備員「え? テレスさんのお兄さんなんですか? お兄さん確か研究職に就いてるとか言ってませんでした?」

テレス「あはは……あ、そういえば一つ、気になる事があるんですけど」

オーソン「(誤魔化したな……)何ですか?」


テレス「今日特力研が潰されたって聞いたんですけど……、もしかして、一方通行も一緒にいるんですか?」

ヴェーラ「はい! 隊長が特力研から連れ帰ってきましたよ?」

テレス「まあやっぱり! 明日兄さんと会う用事があるし、久し振りに一方通行に会えるわね♪」ウキウキ

マイク「カワイイ……」ポー

デニス「おおーっとぉ?」ニヤニヤ

オラフ「これは隊長に報告しないといけないなァ~?」ニヤニヤ

マイク「ば……っ!? やめろよ! 絶対に言うなよ!?」カァァ

ナンシー「うわぁ、気持ち悪い……。アンタの恋バナとか誰が得すんのよ……」ウエッ

オーソン「隊長が聞いたらあまりの気持ち悪さにぶっ殺されるレベルだな」ウエッ

マイク「あれ、何でだ……、視界が霞んできたぞ……?」ジワッ

ヴェーラ「コラコラ二人とも……」


ザザッ――――


警備員「ん? 無線か?」


警備員「こちらD班、どうした?」

無線『今容疑者がレジを通って入り口に向かった! 急いでバリケードを張れ!』

警備員「りょ、了解!」ブツッ

警備員「皆さん! ここは危険ですから離れていてください!」



ドタドタドタ――――



ルル「隊長どうやら絶好調みたいですね」

テレス「数多兄さんを捕まえられる警備員なんていないと思いますよ?」

ルル「確かに。それだけの実力があったら警備員なんてやってませんもんね」

テレス「黄泉川さんはそこそこ腕は立つけど、まだまだ荒削りだしなー。……あれ? そういえば黄泉川さん、大丈夫なのかしら……?」ウーン

デニス「ね、ね、ちょっと近くに寄ってみません?」ソワソワ

ナンシー「なんかスゴイ死亡フラグを感じるのは私だけかしら……」

ロッド「奇遇だな、俺もだ」


警備員A「絶対にここを通すなあああああああああああああああああああああああああっ!!!」

警備員B「今日はテレスさんだけじゃなくて知り合いらしい美女が二人もいるんだ! 気合入れろやテメェらああああああああああああああああああああああっ!!」

警備員C「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお正面撃破じゃあああああああああああああああああああああああああああああぶごう゛ぇりゅへぼすっ!?!?」

警備員D「Cぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!!!」

警備員E「この職場大丈夫かしら……」







テレス「ん? 向こうが騒がしいようだけど、コイツのお仲間さんでも捕まったのかしら?」ゲシゲシ

ヴェーラ「うわ白々しい」

黒服(…………ピンク…………良いなっ!)チーン

ケインズ「オイ、なんかコイツからスッゲェくだらねえオーラを感じるんだけど」ジー

マイク「もしかして意識あるんじゃないか? (おい、テレスさんの下着何色だった?)」

黒服(ピンク、しかもフリフリの超フリルだ!)チーン

マイク「やっぱ意識ねえかな? (マジか! くっ……! 見ず知らずの他人にここまで羨ましいと感じるなんてこの先きっとねえぞ!)」

ケインズ「……なんか良く分からんが、お前も一緒に補導してもらった方が良さそうな気がしてきた」ジー

マイク「なんでだよ!? 俺何にもしてねえだろ!?」ギクッ!




がっしゃああああああああああああああああああああああああん!



ゲブフォオオオオオオオオオッ!? デニスウウウウウウウウウウウウウウウッ!? ナニヤッテルンデスカタイチョオオオオオオオオオオオオッ!?


ヴェーラ「な、なにっ!?」ビクッ

オーソン「バカ離れろ! 巻き込まれるぞ!」サッ

オラフ「オイ! デニスのヤツなんかマジで危険な角度で倒れたぞ!?」ギョッ


ルル「隊長!? ちょ、ちょっと待ってくださ――――ひでぶっ!?」グシャッ


ヴェーラ「ルルぅうううううううううううううううううううううううっ!?」ガーン

オーソン「お前なんでそんなとこに居たんだあああああああああああああああああああああっ!?」ガーン


ギャーギャー!





テレス「……あれは数多兄さんと一方通行? 一緒にいる女の子は誰かしら……?」ウーン



<おねえちゃーん!



テレス「あら? おかえりなさい美琴。その手に持ってる袋はなーに?」ジー

美琴「じゃーん! ハヤシライスのざいりょう!」ババーン!

テレス「はれ? 私美琴にお金渡してたっけ?」

美琴「おじさんにかってもらったの!」

テレス「悪い子にはおしりぺんぺんよ。後ろ向きなさい」

美琴「どうして!?」ビクゥ

テレス「見ず知らずの人に付いて行った挙句、お金を払わせるとか、そんな悪い子に育てた覚えはありません」ピシャリ

美琴「うぅ……。ごめんなさい……」ペコリ

テレス「分かればよろしい。さ、店に入るわよ」

美琴「え、どうして? かいものはおわってるよ?」キョトン


テレス「おじさんって人にお金を返さないといけないでしょう? それに黄泉川さんが全然戻って来ないから様子を見とかないと」

美琴「でもおじさんたち、おれいをいおうとしたらもういっちゃったんだ……」シュン

テレス「え? もうお店にいないの?」

美琴「うん、ほらあそこ」ビシ

テレス「向こう?」クル



マテー! マダオイカケテクルゾ!? トニカクニゲロ! アッハッハッハッハッハッハ!



テレス「あー……。あの人に買ってもらったの?」

美琴「うん! すぅ~っごくいいひとだったよ?」ニコッ

テレス「――――美琴って運がいいわね」ボソ

美琴「ふぇ? なにが?」

テレス「明日になればあのおじさん達にお礼が言えるわよ、って事」ナデナデ

美琴「えへへ~」ニコニコ


テレス「そういえば美琴、店の中で黄泉川さんを見なかった?」

美琴「よみかわおねえさん? んーん、みてないよ?」

テレス「変ね、数多兄さんに返り討ちに遭って商品棚の中で眠ってるのかしら?」ウーン

愛穂「そんな面白オカシイ愉快なやられ方してないじゃん……」フラフラ

テレス「あらお帰りなさ――――って、どうしたんですかその鼻!?」

愛穂「んー? ちょっと転んじゃって……」

テレス「……あの、ホントーに大丈夫ですか? 何か元気がありませんけど……」

愛穂「……ははは! いやぁーまんまと犯人にしてやられたモンだから、少し悔しかっただけじゃん! 黄泉川オネーサンは何時だって元気いっぱいじゃんよ?」ハハハ

テレス「……そうですか」

愛穂「……そうじゃんよ」

テレス「元気いっぱいなら何の心配もありませんね。犯人について色々教えてあげようかと思ったけど、それだけ元気なら私の助けがなくても自力で犯人を捕まえられますね」

愛穂「……っ」ビクッ

テレス「……その反応、おおよその見当はついているって事でよろしいかしら?」


愛穂「……あの男は、テレスさんがよく話してる、親戚のお兄さん――――でしょ?」

テレス「はい。スーパーから飛び出してきたのをしっかり確認しましたので、あれは間違いなく数多兄さんです」

愛穂「そう……か。それじゃあ、悪い人ではないじゃんね……」

テレス「いえ、極悪人ですけど?」シレッ

愛穂「ええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!?」ガーン

テレス「良い人が研究所ぶっ壊したりするわけないでしょう? 全く……」ハァ

愛穂「あれー? 何で私聞き分けの悪い子みたいな感じになってるの? あれれー?」

テレス「数多兄さんが心優しい善人なら、世界中の犯罪者が皆聖人君子にランクアップですよ」ヤレヤレ

愛穂「ゴメン、ちょっと待って。テレスさん、もしかしてお兄さんの事そんなに好きじゃない?」

テレス「な、何言ってるんですか! 大好きですよ失礼ですね!」プンプン

愛穂「えー……? 何で私が怒られてるの……?」


テレス「いいですか? 数多兄さんの好きな所は語りだしたら止められる自信がないので割愛させていただきますが、嫌いだなんて一回も思った事ありませんよ!」

テレス「あれは私が10歳の時でした、辛い実験の後で誰にも見つからないよう一人でひっそりと泣いていた私を見つけた数多兄さんは――――」

愛穂「ス、ストーップ! 語りだしてる! 語りだしちゃってるじゃんよテレスさん!」

美琴「ねえねえ、あのおじさんはおねえちゃんのいってたおにいちゃんなのぉ?」グイグイ

テレス「そうよ? それはもう頼りになってカッコよくて――――」

美琴「あ! そういえばあのしろいおにいちゃんのなまえ、あくせられーたっていってた!」

愛穂「!?」ピクッ

テレス「……。あら、一方通行とお話したの?」

美琴「うん! すぅ~っごくやさしかったよ!」ニコニコ

テレス「それは当然よ、あの子は本当に良い子なんだから! まあ――――」チラ

愛穂「……っ」プイッ

テレス「――――例外もあるにはあるけどね?」クスクス


美琴「おじさんたちにおれいがいいたいなー……」

テレス「明日兄さんと会う用事があるから、その時にお礼を言いなさい?」

美琴「ほんとう!?」パアアア!

テレス「もちろん。兄さんにもちゃんと美琴の事紹介しないといけないし」

美琴「わーい! おねえちゃんだいすきー!」ギュウウウ!

テレス「よしよし……黄泉川さんもどうです? 明日一緒に」

愛穂「へ……?」

テレス「一方通行に『数多兄さんを逮捕しようとする気に入らない警備員』って印象を持たれたままはイヤでしょう?」

愛穂「な、何でそれを……」

テレス「バレバレです。二人の事を多少なりとも知っていればすぐに分かりますよ」

愛穂「でも、会ったところで、話を聞いてくれるかどうか……」イジイジ

テレス「はいはい、いい年した大人のいじけた姿なんて誰も得なんてしませんからさっさとやめて下さい。目障りです」バッサリ

愛穂「うぐっ!」グサッ


テレス「いいから黙って明日一方通行ときっちり話し合えっつってんだよ手間ぁ掛けさせんじゃねえぞコラ」ニコニコ

愛穂「テ、テレスティーナさん……? キャラが変わってるじゃんよ……?」ブルブル

美琴「おねえちゃんがこわい……!」ブルブル

テレス「言っとくけど、私が数多兄さんだったら黄泉川さん今頃病院の安置室行きですからね?」

愛穂「ひと思いに死んでるって言って! なんかただでは殺さない感じが伝わってくる!」ガタガタガタ

テレス「何言ってんですか、兄さんは殺すなら余計な小細工なしに殺しますって。病院行きはある意味生存フラグですよ?」

愛穂「安置室って言ってるじゃん! もう生存してないじゃん! 王大人でなくても死亡確認って言うじゃん!」

テレス「そこはホラ、仮死状態のまま検死解剖とかはごり押しでスルーして、いざ火葬場で葬儀が行われた時に蘇生しちゃう……みたいな?」

愛穂「そこまで手の込んだ事までしといて生存フラグと言い切るか!」

テレス「まだ助かる可能性があるじゃないですか」ニコッ

愛穂「何の笑顔なのそれ? ここまで人を安心させない笑顔浮かべられるもんなの?」


テレス「あーもう、手間がかかる人ですね全く。いいから一方通行とちゃんと話し合いなさい。いいですね?」

愛穂「……分かった、明日あの子ときちんと話し合ってみるじゃんよ」

テレス「それでいいんですよ。さて! 夕飯の材料は買ってもらったわけだし、早くお家に帰ってご飯にしましょうか!」

美琴「むずかしいおはなしおわったー?」クイクイ

テレス「ええ、難しいお話は終わり! ここからはまた美琴の学校でのお話が聞きたいなー」ナデナデ

美琴「むむむ! これはもしかしてきたいされてる!?」

テレス「面白い話を期待してるわよ?」ギュッ

美琴「まっかせて!」ギュウウウ

愛穂(仲良く手を繋いで、羨ましい限りじゃん。私もあんな風に、子供達と仲良く手を繋いで笑い合えるような警備員になりたくて……)シュン

テレス「何やってるんですか黄泉川さん?」

愛穂「ふえっ!? な、何がじゃん?」

美琴「いまおねえさんボーっとしてたよ?ほらはやく!」ギュウウ

愛穂「え? ええ? どうして手を繋いでるじゃん?」


テレス「どうしてって、黄泉川さんも一緒に帰るんですよ」

愛穂「わ、私も?」

テレス「兄さんったら、こんなに材料を買ってくれちゃって、私たちだけじゃ使い切れませんからお夕飯一緒に食べましょう?って事」

美琴「いいでしょー? おねえさーん」グイグイ

愛穂「い、いや、お気持ちは嬉しいんだけど、桔梗を待たせちゃってるから」

テレス「それなら心配要りません、仕事が片付いたら私の部屋に来てくださいとメールしてありますから」

愛穂「え? いつの間にそんなメール打ってたの?」

テレス「黄泉川さんが幼女に慰められてた時です」

愛穂「だからその言い方は……って、あの時にもう私がテレスティーナさんの家に行くことは確定してたじゃん!?」

テレス「芳川さん愚痴を言ってましたよ? 『もうホットプレートなんて見たくない! どうやったらホットプレートで炒飯が作れるのよ!?』とかなんとか」

愛穂「ホットプレート馬鹿にしちゃあいけないじゃん! ホットプレートは実に優秀な調理器具じゃん!」プンプン!

テレス「数多兄さんが聞いたら頭抱えるわね……」ハァ


テレス「……それで、黄泉川さんは一緒に来てくれるんですか? それとも一人寂しく夕食を食べて今日という日を終わらせるつもりですか?」ジトー

愛穂「わ、分かった分かった! お言葉に甘えさせてもらう事にするじゃんよ!」

美琴「やったねおねえちゃん!」ヘーイ!

テレス「やったわね美琴!」ヘーイ!

愛穂「……はあー、これじゃ落ち落ちと落ち込む事もできないじゃん」クスッ

テレス「やっぱ呼ぶのやめよっか」ヒソヒソ

美琴「いまのはひどかったね」ヒソヒソ

愛穂「待って! 今のは本当に偶然じゃんよ! だからその冷たい目やめて! 距離を取らないで!」ウワーン!




ワーワーギャーギャー!



幻生「うんうん、仲が良さそうで何よりだ」ニコニコ

???「いやのんびりしてる暇ないでしょ!? 目に見えては怪しくはない不審者がたくさん追って来てるんですよ!?」

幻生「大丈夫大丈夫、いざとなったら全滅させるから。それにしてもテレス、あんな小さい子を預かってるなんて聞いてないな。一言くらい報告してくれてもいいのに……」ハァ…

???「だからのんびりしてる暇ないって――――うわっ! 弾が飛んできた!?」

幻生「スナイパー付きとは豪勢だねぇ。うーん、テレスに電話を掛けてみようかなぁ……」ムムム

???「ああもうちくしょう! オレはただ父さんと母さんと夕飯の材料を買いにきただけだったはずなのに!!」

???「不幸だああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」


以上ですの!

クオリティには目を瞑ってやって下さい。
天使2号とお姉ちゃんを書いてたはずだったのにその要素がほぼ皆無に近いので、テレスと美琴のおまけはいずれまた別に書くことにします。

次回の投下で、今度こそ! 食事や定番イベントのお風呂やって最後に就寝まで終わらせてみせる……!

投下予定は一ヶ月以内に。ま、まあ気長にお待ち下さい。









……ロイヤルファミリー楽しんでもらえてますかね?

あ、40レスぐらいだった


キャーリサ「ええいらちがあかないの! ヴィリアン! 口を開けるし!」

ヴィリアン「きゃ、むぐっ!」パクッ

エリザード「ちょ、そんな食べさせ方危ないだろう!?」

キャーリサ「こーでもしないと話が進まないの!」

ヴィリアン「もきゅ、もぎゅ」モグモグ

キャーリサ「どう? おいしー?」

ヴィリアン「ごくん……。えへへ、おいしいですー」フニャ

リメエア「はうっ」キュン

エリザード「そ、想像以上の破壊力だ……っ!」プルプル

ヴィリアン「はい! おねえさまも、あーん」スッ

キャーリサ「あ、あー……んっ!」パクッ

ヴィリアン「おいしいですか?」

キャーリサ「うん! すっごくおいしーの! ありがとーヴィリアン」ナデナデ

ヴィリアン「えへへへ~」ニヘラ

エリザード「争いなんて全くもって無意味だな」キリッ

リメエア「同意するわ、お母様」キリッ


ヴィリアン「リメエアおねえさまも、はい、あーん」スッ

リメエア「あむっ。うん、美味しいわ。ありがとうヴィリアン」ヨシヨシ

ヴィリアン「えへへ~」ニヘラ

エリザード「それにしてもアンナの奴遅いな。まさかケーキの作り置きがなかったのか?」

キャーリサ「だったら戻って来て一言くらい報告があってもいーと思うの」

エリザード「エイムズが新作スイーツを作ってる時に行かせてしまったか? あいつも腕は確かなんだが、あの空気を読まない食べさせ癖は改善してもらわんとなあ……」








ドタドタドタガシャン、ガララララ!!



<イソゲ!コレイジョウハイッポタリトモシンニュウヲユルスナ!

<ハイ!







エリザード「何だ? 廊下が慌ただしいが……」



同時刻、ウィンザー城内警備室前――――。



騎士A「何か聞こえなかったか?」

騎士B「聞こえたな、表の方からだが、この感じは……」

騎士団長「侵入者だ」

騎士A「騎士団長! 侵入者とは?」

騎士団長「私もつい今しがた報告を受けたばかりだからまだ詳しくは知らんが、かなり危険な人物のようだ」

騎士B「確か、今警備にあたっていたのはディックとチャールズでは?」

騎士団長「……恐らく、もう生きてはいないだろう」

騎士A「な……っ! あの二人がやられたと!?」

騎士団長「……お前たちは急いで女王陛下にこの事をお伝えしろ。私は侵入者の排除に向かう」

騎士A「ッ……。わ、分かりました。アレックス、行くぞ――――」










???「ああ、ちょうど良いところに三人も人がいた」










騎士A・B「「!?」」

騎士団長「何者だ!」


???「何者だ!と言われてもねぇ。見知らぬ不審人物がこうして城内に居るところを見れば、大体の事は予想がつくでしょ?」

騎士A「っ!」ガシッ!


ズダアアアアアアンッ!


???「かは……っ」ミシッ

騎士A「貴様……表にいた二人はどうした?」

騎士B「おい落ち着け!」ガシ

???「二人? 外には人がたくさんいるから誰の事を言ってるのかよく分からないねえ」

騎士A「しらばっくれるな! 城の外で警備をしていた男達が居ただろう!!」

???「んー? んー……。ああ、あの騎士の様な格好をしていた二人ね。はて、お互いに殺し会うようにセッティングしておいたけど、もうそろそろ決着が着く頃じゃないかな?」

騎士A「な……に……っ!?」

???「お仲間さんには、彼らは最期まで勇敢に戦ったと伝えておいてあげなさい。それより道案内をお願いしたいんだけど、今時間は大丈夫?」ニコ

騎士A「――――っ!?」ゾクッ

騎士団長「アレックス! 急いで二人の所に向かえ!」

騎士B「了解!」ダッ!


???「おっと、何処へ行くのかねー?」スッ




ズチュッ!!




騎士「………………え?」ポタ、ポタ

騎士B(以下アレックス)「!? き、貴様、今何を――――」

???「教えたら理解する自信はあるのかい? そんなことより、人が道案内を頼んでいるというのにそそくさと立ち去ろうとするのは、騎士道精神とやらに反しないのかねえ」

騎士団長「……貴様の目的は何だ」チャキ

???「そう身構えないで、ちょっとした野暮用さ」

アレックス「野暮用だと……?」

???「そうそう。それで女王陛下に謁見したいんだけど、ウィンザー城の中なんて初めてだから案内して欲しいんだよ」

騎士団長「エリザード様にお会いして、何をするつもりだ?」

???「ははは、そんなこと決まりきってるでしょ!」

騎士団長「……っ」ゾクッ











???「英国を滅ぼすのさ」












木原sスレ登場人物年齢表


・本編は原作から7年前スタートなのでここに載せる年齢は原作より7歳低いです。

・キャラの見た目から年齢を設定してる物もありますので、それらに関しては原作で年齢が明かされたらそれに変更する場合もあります。

・しばらく出番はないけどいずれ登場する予定のキャラも何人か載っています。

・※印のあるキャラは年齢変更の可能性が高いキャラです。

~木原組~

1.木原数多 25歳
2.木原病理 17歳
3.木原乱数 21歳
4.木原加群 21歳
5.木原幻生 72歳
6.木原円周 7歳
7.木原唯一 17歳 ※
8.木原那由他 5歳
9.テレスティーナ=木原=ライフライン 17歳
10.木原脳幹 1歳 ※


~木原サイドの子供達~

11.一方通行 9歳
12.麦野沈利 10歳
13.垣根帝督 11歳
14.御坂美琴 7歳
15.食蜂操祈 7歳
16.マリアン=スリンゲナイヤー 11歳
17.滝壺理后 9歳
18.海原光貴 8歳
19.上条当麻 8歳
20.扶桑彩愛 8歳
21.結標淡希 10歳
22.削板軍覇 9歳
23.絹旗最愛 6歳
24.黒夜海鳥 5歳
25.心理定規 7歳
26.風斬氷華 実年齢3歳 見た目年齢16歳 (ただし高校生から紆余曲折あってロリ化します)


~その他登場人物達~

27.黄泉川愛穂 20歳
28.芳川桔梗 20歳
29.天井亜雄 21歳
30.エリザード 46歳
31.リメエア 25歳
32.キャーリサ 21歳
33.ヴィリアン 17歳
34.騎士団長 29歳
35.アックア 29歳
36.サフリー=オープンデイズ 18歳
37.ヴェント 13歳



――――エリザードの自室。



エリザード「少し様子を見てくる」ガタッ

リメエア「お母様? まさかとは思うけど、楽しそうな事をやっているなら自分も乱痴気騒ぎしたい。とか考えてる?」

エリザード「そ、そんな訳ないだろう? ただ私は女王として騒ぎの原因を把握している義務があるわけで」アセアセ

キャーリサ「へー」シラー

エリザード「信用0かチクショウ!」ウワーン!



ダアアアアアンッ!



メイド(以下アンナ)「エ、エリザード様! 大変です!」ヨタ、ヨタ

エリザード「うおっ!? い、いきなりドアを開けるな、っていうかそんな乱暴に開けるやつがあるか――――」



騎士「へ、陛下……!」ヨロ、ヨロ…



リメエア「……っ!?」ビクッ

キャーリサ「な、に……ッ!?」サァァァ

ヴィリアン「ひ――――!?」ガタガタ


エリザード「ど、どうした! 酷い怪我ではないか! 一体何があった!?」

アンナ「わ、分かりません! 意識が朦朧としているらしく、先程から逃げろとしか……」

騎士「お、お逃げ下さい……、や、奴が……すぐ、そこまで……ガフッ!」ビシャ

エリザード「!? わ、分かった! もう良い、喋るな! まずは急いで傷の治療を――――」


『と、止まれ! それ以上こちらに近づ――――ごぼっ!?』


リメエア「この声……」

エリザード「騎士団長か!?」


どごもぎゃべきごしゃぐぢゃっ!!


キャーリサ「な、何? この音……?」ビクビク

騎士「ナ、騎士団長が……やられ、た」ガクッ

エリザード「そ、そんなはずないだろう! 騎士団長は英国屈指の実力者だぞ!? 例え必要悪の教会の魔術師だろうと遅れを取るような男では――――」











???「おやおや、それじゃあ私はその“魔術師”とやらより手強かった、という事になるのかな?」











エリザード「――――っ」ゾクッ


???「やれやれ、もうすぐ60歳の老人相手に随分と手荒い歓迎だ。おかげでくたくたになってしまったよ」フゥー

エリザード「な、何者だ貴様……! この城で一体何を――――!?」ビクッ

騎士団長「……」ヒュー、ヒュー

???「ん? ああ、これね。そちらの彼が道案内してくれてる間、暇潰しにちょっとした大道芸みたいなのを見せてくれてね。どうやら頑張りすぎて疲れてしまったようだ」ポイ

騎士団長「げぅ……」ドチャッ

エリザード「――――!!」チャキ

???「おっと、そんな刃も付いてない刀でどうする気かな? こんな老人一歩手前を殴り殺すとか? それとも無理矢理突き刺してみるかい?」ニタニタ

エリザード「すー……はー……」クルクル

???「?」


どんっ!!


???(刀を床に突き立てた……?)








エリザード「無礼者! ここは英国王室と限られた者しか立ち入る事は許されない神聖な場所である! 私に謁見するのであれば定められた手順に従い正々堂々と参られよ!」



エリザード「私は誰が相手であろうと逃げも隠れもせず、毅然とした態度で応じて見せよう!」








???「……ほぅ」


???「いやはや、これはお見事、お見逸れしました。若き女王など所詮イギリスの古き風習を世間にアピールする為の広告塔程度だと思ってたけど、これは認識を改めざるを得ませんねえ」

エリザード「誉め言葉だと受け取っておこう。それで、貴様は何者だ? これだけの事をやらかしたんだ、それ相応の理由というものがあるのだろうな?」

???「おや、お気に召しませんでしたか? 他国を侵略し奴隷制度まで設けたような国ですから、こういうのがお好みだと思ったんですけどね」

エリザード「安い挑発だな。その程度で私を動揺させようとでも? だとしたら貴様の底は知れたというものだ」

???「おやおや、たったこれだけのやり取りで相手の底を把握できるとは、女王というのはやはりスゴいスゴい」ケラケラ

エリザード「私は中身の無い長話は好かない性質でな、これ以上話を引き延ばすのであれば実力行使で聞き出す羽目になるわけだが」

???「はいはい、分かりました。会話に余裕を持たせられない性急な女王様の為に掻い摘まんでお話致しましょう」ヤレヤレ

エリザード「そうして貰えると有難い」

???「まあ、色々と事情はある訳だけど、言葉にすれば酷くシンプルなものでね?」



バタアアアアアアンッ!



騎士「エ、エリザード様、大変です!」

エリザード「何だ! こっちは今取り込み中だ! 城内への侵入者の件なら後にしろ!」


騎士「ウェ、ウェールズが……」

エリザード「……?」










騎士「ウェールズが何者かの襲撃を受け、主要都市はほぼ壊滅、遠征中の騎士76名は消息が途絶えました……」




エリザード「……え? 壊……滅?」











エリザード「ど、どういう事だ? 確か、ウェールズに潜伏中の魔術結社の討伐に向かわせて……」

騎士「スコットランド周辺に駐屯中の騎士達が救援に向かいましたが、こちらも何者かの襲撃により足止めを食らっているようです……!」ギリッ

エリザード「――――っ!」バッ

エリザード「まさか、これも貴様の仕業か……!?」

???「うん? どうしてそう思うのかねー?」

エリザード「いいから答えろ!」

???「違うよ」キッパリ

エリザード「…………は?」ポカーン

???「何その反応? 私に犯人であって欲しかったんですか?」

エリザード「い、いや、すまなかった……。貴様が何者であれ、無実の罪を着せる訳にはいかんから――――」











???「私が襲撃させたのはこのイギリスを構成する四つの国全てさ」












また上がってたみたいだしアンケートのお時間でーっす!

随分先の話になりますが、毎日シリーズ第三段はフレイヤちゃんの子育て奮闘記ってのを考えているわけですが、便宜上子供ではなく母親の方をフレイヤちゃん、子供の方には別の北欧神話の名前を付けるつもりですが、構わないでしょうか?

あと、アーノルド=マッケンジーは生かしておいた方が良いですかね?原作読む限り解釈次第ではめっちゃ良い奴の可能性が微レ存ですし、フレイヤちゃんの幸せを考えたら彼には生きてもらった方が良いのかも……。

皆さんの彼に対する考察を書き込んでいって下さい。一番多い考察を採用します。


ちなみに>>1の予想は最初はヤり逃げ男。次は財閥のどら息子でレイプ魔(これがかなりしっくりきてた)。最近はフレイヤちゃんとの関係を周りに反対されてるお坊っちゃん(しかも事故とはいえ知人に焼き殺されるんだから上条さんもドン引き)


ご意見お待ちしております。


時間が凍りついたかと思った。

それほどまでに目の前の男の発言は現実味が欠けていて、それでいて何より有無を言わせない説得力に満ち溢れていた。
寧ろ“襲撃した”ではなく“襲撃させた”という部分の方が信じられないくらいだった。


「襲撃、させた……? 何を、どうやって……」

「簡単な事だよ、イギリスに不満を持つ集団に有ること無いこと吹き込んだらあっという間にこれさ。まあ、ここまで有能だとはちょっと想定外だったけどね」


不満を持つ集団――――間違いなく全員魔術師だろう。これらの敵対勢力については前々から念入りに調査を行い、つい先日討伐部隊を編成しウェールズに送り込んだばかりだった。


「いやー、テロリストっていうのは探せば見つかるものだねぇ。手頃な酒場に入って『この中にテロリストはいますかー!』って言えば大体四、五人はあからさまに反応するからね」


カラカラと笑う男の言葉一つ一つが事態の深刻さを増していく。

相手は曲がりなりにもプロの魔術師の集団だ。

普通ならその存在を認識することすら困難を極める程で、『清教派』がその存在に気付いたのは二ヶ月前。
相手の組織の目的、人員の数、扱う魔術の系統、それら全てを調べあげ確実に無力化するための作戦を考え、制圧準備を整えるのに実に一ヶ月も要した。

なのに、目の前の男は――――、


「彼らの詳しい事情は知らなかったけど、私の目的も同じ様なものだと伝えたら快く迎え入れてくれてねえ」

「色々と教えてあげたよ。ウェールズにいるイギリスの兵隊さん達の簡単な制圧方法、スコットランドからやって来るであろう救援の撃退法、北部アイルランドに遠征途中の騎士への奇襲攻撃――――」


男の声が途切れる。しかしそれは意図的に言葉を止めたのではなく、突如室内にけたたましく鳴り響く非常ベルに似た騒音がかき消したからに過ぎない。
一見してスピーカーなどの音の出る物体が見当たらずに多少困惑した表情を浮かべている。

だが今はそれどころではない。この音は魔術的記号の組合せによって作られた緊急時用の通信回線だ。これが鳴るという事は余程の事が起きたという事だ。





「どうした! いったい何があった!」

『大変です! 市街地にて敵対勢力による総攻撃が開始されました!』


その報告を皮切りに、次々と各地から通信が送られてくる。


『把握しているだけでも20以上の街が襲撃を受けています!』

『住民の避難、間に合いません!』

『必要悪の教会からの増援が何者かに襲撃を受けた模様!』

『現場に向かった騎士達からの連絡が途絶えました!」』


悪夢のような報告が室内を蹂躙していく。
娘達の方に視線を送れば、部屋の隅で三人が寄り添い、目の前の恐怖から堪えるように体を震わせていた。まだ年端もいかない子供達の怯える姿に胸が締め付けられる思いがする。
一言でも良い。怯える愛娘達を安心させるために、何か一言でも声をかけてやりたい。

しかし、今この場において、そのような涙溢れる愛情劇は決して許してはもらえなかった。


「予想より被害は小さめだけど、どうやら皆上手くやってくれているようで何よりだ。おかげさまで女王陛下に面と向かって堂々と宣言できるんだから」


こほん、とわざとらしく咳払いをする姿に悲鳴を上げそうになる。制圧? 撃退? 奇襲? これ以上この男は何を口にするつもりだというのだ? まだこれ以上があるというのか?


「全く別の系統の新しい能力者を創る……だったかな? “ウチ”とそちらの必要悪の教会とやらが手を組み行っていた研究は」


ゆっくりと右手を伸ばした男に優しく、子供をあやすかのように頬を撫でられ、体が強張るのを感じた。
微かに瞳に映ってしまった怯えの色を、当然目の前の“怪物”が見逃すはずも、見逃してくれるはずも無く、


「こちら側の死傷者は19名、対してそちらの被害は0。あまり喜ばしくないねぇ~、異国の者を毛嫌いするのは実に宜しくない」


怯える私に唯一許されたのは、


「だからちょっと戦争させてもらうよ。何か異議申し立てはあるかねー?」

「ふざけるな」


――――女王として、目の前の脅威に立ち向かう以外、許される道などある筈がなかった。












息を吹き返したように気迫を纏った私の姿に、相手は一瞬面食らったような表情を浮かべていたが、すぐにそれも歪んだ笑みへと変貌を遂げる。


「ふざけるな? いやいやそれはこっちのセリフでしょ。そもそもがお互いの一部所が勝手に始めた研究ではあるが、ならば何故こちらだけしか被害が無い?」

「『魔術』とやらの知識の漏洩防止だというのは理解できるが、それはこちらにも同じような事が言えるはずだ」

「我々『学園都市』の最新技術をそちらが秘密裏に盗み出していないと言う確証がない上、一方的に被害を受けたのなら然るべき処置を取るのは当然さ」


その言葉に多少だが心が落ち着くのを感じた。得体の知れない怪物がようやく得体が知れる怪物にまで位置付けできるようになったからだ。

学園都市――――、日本国内にありながら回りを高い外壁で囲み独自の制度を設けている、形式上は日本の一都市である科学の街だ。
世界を二分する勢力である科学サイドの総本山でもあるその街は恐ろしいまでに科学技術が進歩しており、その技術力は30年先まで進んでいるとすら言われている。

今回の事件の片棒を担いだ必要悪の教会を管理する『清教派』との繋がりを持っている向こうからしてみれば、今回の『騎士派』による一方的な制圧は不満でしかないだろう。

だが――――。


「それで何の罪も無い者達まで手にかけるというのが、貴様等のやり方か。だとしたら救いようが無いな」

「確かにこの件について私には大いに責任がある。双方の共同研究についても、それを『騎士団』が制圧に向かった事も、私は何一つ知らなかった……」

「しかし、だからといってその責任を周りにまで負わせるな! 私の不出来のツケを、なんの罪もない国民に背負わせないでくれ……!」


私は不出来な女王だ。自分の部下の動向を何一つ把握しておらず、その所為で尊い命を失わせたばかりか、何も知らない国民すら戦火に巻き込まれようとしている。
そんなのは耐えられない。この未熟な命一つでどうにかできるなら、ぜひとも奪って欲しい。

そんな気持ちを込めて発した言葉はしかし、


「これはそちらから仕掛けてきた戦争だ。学園都市はイギリス清教、並びにそれらを管理するべきイギリス王室への報復を決定した」


目の前の怪物には、全くもって意味など成さなかった――――。










「さて、ウェールズ、スコットランド、北部アイルランドはテロリストさん達が勝手に滅ぼしてくれるだろうから、こちらはゆっくりと話し合おうじゃないか」


どの口が、と言いかけた私の目の前に書類の束が放り投げられた。恐る恐る手にとって内容を確認する。
内容は当たり障りのない、何の変哲もない貿易に関する文言が書き連ねてあるだけだった。


「そちらから輸入している医薬品の値下げ、天然ガスや原油といったエネルギー資源の優先的輸入……。ま、よくある不平等な取引ってやつさ」

「……まさか、これが目的なのか?」

「ははは、いやまさか。こんなのはついでさ。これに承諾してくれたら日本政府に貸しを作れる。駄目でもこちらの本来の目的はイギリスの制圧だから損失は0だ」

あまりの事に目眩がした。
つまり、学園都市はイギリスへの報復行為を利用し、あわよくば日本国内での自分達の立場を確固たるものにしようと画策していたというのか?
たったそれだけのために、これだけの事を起こしたと言うのか?

通信用の礼装から各地での被害の規模が詳細に伝えられてくる。今無事に原形を留めているのはこのイギリスのみで、他の3ヶ国はほぼ壊滅状態に近いらしい。
推定死者数が4桁を越えたあたりで、私は礼装から意識を逸らし、眼前で底意地の悪い笑みを貼り付けている老人を睨み据える。


「もし仮にその条件を飲んだとして、この事態は収束するのか? 各地で暴れまわる魔術師達を抑える方法は?」

「それは簡単。あんなの、周りの被害を度外視すれば、気を揉んでやる価値もな――――」


ヒュッ――――と、男の首元に剣を突き立てる。刃も切っ先もないまるでおもちゃの様な剣だが、これを英国王室が手にする事で、その価値は激変する。
例え相手がどんな装備だろうと、どれほどの防護術式を構築していようとも、この刀の前では無意味だ。


「……もう一度訊ねる。各地で暴れまわる魔術師達を『おとなしく無力化させる方法』は?」


ありったけの殺気を込めて放った言葉もどこ吹く風か、男はニヤニヤと笑いながら、一言。


「ないね」










今回、非があるのは間違いなくこちら側で、あちらは共犯ではあるが「被害者で、学園都市には何一つ問題などなかった。だが、相手は報復の仕方を誤った。
罪無き人々を巻き込まれてなお、それでも相手に礼節を持って毅然とした態度をとるなど私には不可能だった。


今回の『騎士派』による制圧作戦はいくら謝罪してもしきれない。真に申し訳なかった

だがしかし! その報復と称し罪無き国民を犠牲にしようとする悪逆卑劣な行為! こちらもそれ相応の対応をさせてもらうぞ!


刃も切っ先もない飾り物のような剣――――カーテナ=セカンドを握り締め、今度は、こちらから宣戦布告を宣言した」



「……あのー、非常に言いづらいんだが……」

「何だ? まさか今更怖気づいたとでも言うつもりでは――――」















「心のセリフが途中から丸聞こえなんだけど……」





「…………」















「家出しましょう」

「そーするし」

「……そう、ですね」

「ちょっと待ってごめんなさい!」


リメエア「あら、空気も読めない女王陛下、いかがなさいました?」

キャーリサ「これ以上まだふざけたことを言い出すつもりか?」

ヴィリアン「……」フイッ

エリザード「ヴィリアンが一番心にくる……っ!」ブワッ

ヴィリアン「……ごめんなさい」プイ

エリザード「一切こっちを見てくれない……」グスン

リメエア「ヴィリアンがここまで厳しいのは自業自得でしょう」

キャーリサ「ねー、何を考えてあんなばちがいなことしたの? じょうきょう分かっててやってる? イギリスほろぼしたいのかこのバカ母」

エリザード「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」シクシクシク





???「何だかなぁ……」


騎士「俺たちはこんなのに忠誠を誓ってたのか……」

騎士A「騎士団長が浮かばれない……」

騎士団長「へ……陛、下……」

アンナ「女王様、しばらくお暇を頂いてもよろしいでしょうか? 戻ってくる予定はありませんが」

エリザード「待って! 反省してるから! チャンスを! チャンスをくれ!」

ヴィリアン「わがままをいうんじゃありません」シラー

キャーリサ「おおう……。ヴィリアンの目が冷たい……」ビクビク

リメエア「普段大人しい子が怒ると、ここまで迫力があるものなのね……」ビクビク

エリザード「もう駄目だ……、あのヴィリアンがここまで冷たいなんて……」グスン

???「いや、この後の展開次第でどうにかなるんじゃないかな? 諦めずにもう少し頑張りなさい」

ヴィリアン「母を甘やかさないで下さい」ピシャリ

エリザード「ひっ!?」ガタガタ

キャーリサ「今ヴィリアンがすごく大人に見えたし……」コワイ

リメエア「良くない方向に成長してしまったわ……」ホロリ

???「来るんじゃなかったこんなトコ……」


???「困ったねぇ、こんな調子じゃ“遊びに来た”意味がないや」

エリザード「遊び……? この惨状を遊びと言ったか?」

ヴィリアン「一番遊んでいるのはお母様でしょう。私達が話を聞きますからそこで正座でもしていて下さい」

エリザード「……グスン」

???「あー良いから良いから、もうそういう芝居はしなくて良いから」

リメエア「え? 芝居?」

???「典型的な隙の窺い方だね。表面化した反乱分子達を制圧するのは、本来なら不意をつかれた所で君達にはなんの苦にもならない」

???「だけど事実、私のアドバイスを受けただけのテロリスト達に君達は壊滅的なダメージを受けた。そして私自身にも襲撃された」

???「私を放ってテロリスト達の制圧に向かうのはまず無い。かといって私を倒すのは容易でないという事は、そこの彼らが身をもって証明してくれている」

騎士A「く……っ」

騎士団長「……」

???「だから女王様はあまりに場違いな言動を取ることによって私のやる気を削ぎ、隙を見て無力化しようと考えた。どうかな子供達、理に適ってるでしょ?」

キャーリサ「いや買い被りすぎだし」

リメエア「お母様に限ってそれはない」

ヴィリアン「だってお母様ですよ?」

エリザード「」チーン

???「どうしろって言うんだ……」




バターンっ!



アレックス「エ、エリザード様! 大変です!」ドタドタ

騎士A「ア、アレックス! 無事だったのか!?」

アレックス「ああ、ディックとチャールズも無事だ! それに各地に遠征中の騎士達も無事が確認された!」

エリザード「何? それは本当か!?」

アレックス「はい! 今必要悪の教会から遣いの者が戦況報告に来て、負傷者は多いものの、味方や住民に死者は一人もいないとの事です!」

エリザード「……は? 今、なんと言った?」

騎士団長「推定死者数は、1000を越えると……ごふっ……聞いていたが……?」

???「あー……もうネタバレしちゃったか……。結局面白かったのは最初の内かー」ハァ
リメエア「ネタバレ……? 一体何を……」

???「あ、もしもし? 僕だけど状況はどう? 半分くらい減った? それじゃあもう“後片付け”に入っちゃって。うん。こっちはなんか冷めちゃったし撤収するよ。よろしくねー」プツッ

エリザード「今のは何の会話だ? それにその白い板みたいな物は何だ?」

???「あ、そっか。“外”の携帯電話はまだ無骨な形状だったねぇ。ま、どうでもいいけど。会話の内容についてはシンプルだよ」

???「帰る前に『木原』らしく状況を引っ掻き回して行こうかってさ」

エリザード「木原……?」

???「ん? あーあー! そうだすっかり自己紹介を忘れていたよ! 僕としたことがとんだご無礼を」ハハハ
















幻生「私は木原幻生と申します。以後があるか分かりませんが、どうぞお見知り置きを」















エリザード「木原、幻生……」

幻生「別に無理して覚える必要はないよ。もう会うことはないだろうし。それより少し喉が乾いたからこの紅茶頂いてもいいかな?」

エリザード「……アンナ、新しい紅茶をお淹れしろ」

アンナ「エ、エリザード様!?」

エリザード「話し合いの場で飲み物ひとつ出さない所などないだろう? ついでに私の分も頼むぞ」ニコ

アンナ「は、はいっ!」タタタ

エリザード「さて、幻生殿。先程は見苦しいものをお見せしてしまい申し訳ない。気を取り直して改めて話し合いをしたいと思うのだが、如何かな?」

幻生「天晴れだねえ、ふざけているかと思えば急に真面目になる。その切り替えには本当感心するよ」

エリザード「それはどうもありがとう。それで、如何か?」

幻生「勿論お受けいたしましょう。というより、こちらから今回の事の顛末を語るつもりでしたけどねー」

エリザード「敬語は使わなくても構わん。アレックス、娘達を連れて席を外してもらえるか?」

リメエア「な……っ!」

キャーリサ「何を言い出すしこのバカ母は!」

ヴィリアン「おかあさまをおいてなんかいけません!」

エリザード「お前達が居たところで状況は何一つ変わらない。寧ろお前達が居ることで危機的状況を招くリスクがある分、是非とも席を外してもらいたいのだがな」

三王女「「「……」」」


幻生「僕は一向に構わないけどねぇ。丁度その子達と同じくらいの歳の親戚がいるし。そうだ、今写真持ってるんだけど見る?」パサッ

エリザード「聞く必要があったのか? どれどれ……」ジー

キャーリサ「おー、この男の子二人はわたしと同じくらいかな?」ジー

リメエア「こっちの女の子達はヴィリアンと同じ年齢かしら?」ジー

ヴィリアン「まんなかのおとこのひと、リメエアおねえさまよりすこしおとなっぽいですね。かおがちょっとだけこわいですけど……」オソルオソル

リメエア「でも皆すごく嬉しそうだわ。よっぽど見かけによらない子みたいね」クス

キャーリサ「よらないにもほどがあるし。ちょーふきげんそうなの」

幻生「この子は素直じゃなくてホント、困ったものだよ」ハハハ

エリザード「ちょ、お前達! 何堂々とテーブルを囲っているんだ!?」

幻生「とかなんとか言いつつ嬉しそうじゃない。別にこの子達に危害を加えるつもりも、理由も必要もないから安心しなさい」

エリザード(何もかもお見通しといった感じが少々苦手だな……)

幻生「さて、先ずは何から知りたい? と言っても語る事は一つに纏まってしまう訳だけど」

エリザード「……この英国襲撃事件、その真実が知りたい」

騎士A「……」

騎士団長「……」

アレックス「……」


幻生「そうだねー、簡単に言えば実験かな?」

エリザード「実験だと?」

幻生「近頃コソコソと怪しげな動きを見せる研究所が多くて色々と調べてみたんだよ。そしたら今回の計画を知ってね」

幻生「仲間を数十人ほど連れてこっそり着いてきたのは良いんだけどそしたらどうだい?」

幻生「何人もの騎士が施設にやって来てあっという間に制圧してしまったじゃないか。しかもこちらの連れてきた子供が、施設で出会い仲良くなった子の前で殴り殺された。でしょ?」チラ

騎士団長「ぐ……っ!」ギリッ

幻生「あー、勘違いしないで頂戴。君を責めてるわけじゃないから。君の部下が君の目の前で君が止めるよりも早く殺してしまっただけなんだし?」ニヤニヤ

騎士A「余計なことを言わずにさっさと要点だけ話せ!」バンッ!

アレックス「バカ落ち着け!」

幻生「おお怖い怖い。そんなボロボロな体でまだ威勢よく喋る元気があるんだ」ククッ

幻生「要点だっけ? 科学とは違うもう一つの法則である“魔術”とやらがどれほどの物か、騎士団と魔術師をぶつけてデータを録った。以上」

騎士A「貴様、ふざけているのか……? 騎士団と魔術師をぶつけた? たった一人でそんなこと――――」

幻生「そう、“できてしまったんだよ”。未知の力を振るい、科学に身を置く者には到底理解不能な法則を用いているはずの彼等が、あっさりと思い通りに動いてしまった」
幻生「その時点で僕としてはもうお開きにしても良かったんだけどね? 普通に何処にでもいる極ありふれた凡人になんて興味もないし」

幻生「待機させておいた仲間に予定通り魔術師を全滅させもらってから学園都市に帰ろうと思ったんだけど、そこで重要な事に気が付いたんだよ」

エリザード「重要な……事?」


幻生「そう重要な事。しつこいようだけど騎士に殺された子供についてね。耳にたこができるころかな?」

エリザード「……気にせず続けてくれ」

幻生「そう? ならお言葉に甘えるけど、僕はイギリスから引き上げる直前にその事を思い出してね。このまま謝罪の言葉も無しに帰る訳にはいかないと思ったんだよ」

幻生「何せ相手はまだ年端もいかない少年だ。死んでしまいましたちゃんちゃん。では済まされないのは分かってるでしょ?」

エリザード「……当然だ。真実は告げられないが、ご家族には出来る限りの補償はするつもりだ」

幻生「いやその必要はないさ。彼生きてるしね」サラリ

エリザード「……は?」

幻生「ウソ吐いちゃってごめんね。死者は0って言っちゃったらまともに取り合ってもらえないかもしれないと思ってさ」

エリザード「ほ、本当か……? 本当に誰一人として死者はいないのか?」

幻生「本当だとも。死なせるわけがない」ハハハ
エリザード「良かった……。本当に良かっ――――」












幻生「大したデータも録れてないのにタダで死なれては困るんだよ」












エリザード「………………な、に?」

幻生「いくら替えの利く実験動物とはいえ、何の成果も得られずに使い潰すのはできれば避けたいのさ。替えだってタダじゃないんだから」

騎士A「貴様……何を言って……!?」ゾク

幻生「ん? 理解できない? 簡潔に言うと無駄な努力ってやつだよ。大量の人員と大掛かりな機材にどれだけ経費が掛かると思う?」

幻生「そこまでやっておいて『邪魔が入って実験中止になっちゃいました』はあまりに酷い結末だと思わない? 皆の努力が無駄に終わるんだよ?」

アレックス「本当に何を言ってるんだ……? お、お前は、子供が傷つけられた事に不満があってこの城に来たんじゃ……」

幻生「何の目的も目標も、何の意味も意志も、何の思想も理想も無く傷つけられればね。君達だって、何の結果も伴わない無意味な死なんて御免でしょう?」

騎士団長「まさか、それだけなのか……? ただ実験結果が得られなかったと言うだけの理由で、貴様はこれだけの事を仕出かしたというのか……?」

エリザード「人を……、命を、何だと思っているのだ!?」

幻生「逆に聞くけど、君達は肉や魚をどう思ってる?」

エリザード「な、何?」


エリザード「………………な、に?」

幻生「いくら替えの利く実験動物とはいえ、何の成果も得られずに使い潰すのはできれば避けたいのさ。替えだってタダじゃないんだから」

騎士A「貴様……何を言って……!?」ゾク

幻生「ん? 理解できない? 簡潔に言うと無駄な努力ってやつだよ。大量の人員と大掛かりな機材にどれだけ経費が掛かると思う?」

幻生「そこまでやっておいて『邪魔が入って実験中止になっちゃいました』はあまりに酷い結末だと思わない? 皆の努力が無駄に終わるんだよ?」

アレックス「本当に何を言ってるんだ……? お、お前は、子供が傷つけられた事に不満があってこの城に来たんじゃ……」

幻生「何の目的も目標も、何の意味も意志も、何の思想も理想も無く傷つけられればね。君達だって、何の結果も伴わない無意味な死なんて御免でしょう?」

騎士団長「まさか、それだけなのか……? ただ実験結果が得られなかったと言うだけの理由で、貴様はこれだけの事を仕出かしたというのか……?」

エリザード「人を……、命を、何だと思っているのだ!?」

幻生「逆に聞くけど、君達は肉や魚をどう思ってる?」

エリザード「な、何?」

やっべ連投しちった。お詫びの意を込めて明後日何か小ネタ書きます。リクエスト受け付けます。(自分が何か書きたいだけ)


幻生「愉快な人格者達は皆揃ってこう口にするだろ? 『牛や豚などの家畜は、食べられるために生まれてきた。だから食べてあげるのが供養になる』ってさ」

リメエア「ひ、人を家畜と一緒に考えるのは……」

幻生「なるほど。人は尊く高尚な生物だから畜生とは一緒くたに考えるなと? これは将来有望な国家元首候補様だ」ケラケラ

リメエア「ふぐ……っ!」ジワァ

キャーリサ「あねうえをいじめるな!」ダッ!

エリザード「!? やめろキャーリサ!」

幻生「遅い遅い」ガシ

キャーリサ「は、はなせー!」ジタバタ

幻生「良かったねえ襲った相手が僕で。これが数多だったらこの場に居る全員が皆殺しされているところだよー?」ニコニコ

キャーリサ「!?」ゾワワ

幻生「話が逸れかけたけど、つまり僕が言いたいのはそういうことさ。優しい道徳家達と同じ、彼らの存在理由というのを尊重しているだけなんだよ」

ヴィリアン「お、おかしいです……そんなの……」

幻生「ちなみに今君が立っているこの毛皮の絨毯、生きてた動物を殺して裂いて洗浄して加工して作られた物なんだよ?」

ヴィリアン「ひ――――っ」ササッ

幻生「これを聞いて、君はこれを捨てたいと思うかね? 人の都合で殺された動物の最後の存在理由を、またもや身勝手な都合で葬るつもりではないだろうねー?」

ヴィリアン「う……うぁ……」ポロポロ

幻生「今の時代、君達が普段何気なく目にしてる景色は全て改良化されていってる物だ」

幻生「綺麗な花はより美しく咲くよう作り変えられ、口に入れる食物はより無害な物へと調整され、犬や馬などの動物は人の身勝手な都合で遺伝子を弄くられ生み出されている」

幻生「生産者側である僕みたいな人間からしてみたら、その礎になっていった者達に敬意を払わない此度の件は真に遺憾であるという訳なのですよ、女王様?」

エリザード「……そちらの、言い分は……理解した。だが、それならば……謝罪程度で許しては、くれないように聞こえるが……」

幻生「いやいや構わないよ。さっきも言ったが彼は生きている。時間をかければまた実験動物として復帰する事も――――っと、今回の実験はもう凍結するけどね?」

幻生「だから今君達にして欲しい事は一つ、今後こういう事が起きないよう気をつけて下さい。以上」ペコリ

エリザード「……分か、った」ボソ

幻生「うんうん、これでこの件は解決だ。さて、あともう一つ話しておかなければいけない事があるんだけど……」

騎士団長「まだ、あるのか……? も、もう許して差し上げてはくれないか……? 女王に責任などないのだ……ッ!」ギリッ!

幻生「ん? もしかして、まだ女王様を攻め立てるような事を言うと思ってる?」

エリザード「違うのか……?」

幻生「はっはっは! 違うよぜんぜん違う! ただ今回の後始末についてね、学園都市から復興部隊を編成してもらったから、数週間もあれば国は元の街並みに戻るよ」

エリザード「そ、それは本当か?」

幻生「勿論。そもそもこうなる事は予測していた訳だしね、今頃復興工事が始まっているんじゃないかな?」

エリザード「そのような連絡は一切入ってこないが――――」



バタンッ!



アンナ「エリザード様! 今学園都市から大量の人員が送られてきて、各地で復興工事が行われているとの事です!」ドタバタ

エリザード「……」

幻生「連絡来たね」プププ



二時間後、ロンドン・ヒースロー空港内。


幻生「……もしもし?」

???『どうした、木原幻生? 君の方から連絡をしてくるとは珍しいな』

幻生「そうかね? ついこの間も連絡を取り合ったと思うんだけど?」

???『半年に一度連絡が有るか無いかの相手から一週間も経たずに連絡が来たんだ。珍しい事だろう?』

幻生「そう言えばそうだねー」ククク

???『それで、今回はどのような件だ? イギリス土産に所持金を使い果たしてしまって途方に暮れている所か?』

幻生「なに、帰国する前に一つだけ確認したい事があってね」

???『確認?』










幻生「僕を利用したでしょ。アレイスター君ー?」




アレイスター『……』










幻生「僕も大概ぶっ飛んでる人格だとは自覚しているけど、まったくもって君には遠く及ばないねえ」

アレイスター『何を言っているのか理解できないのだが』

幻生「ははは、君に解らないことがあるとは驚きだ。冗談はさておいて、よくもまあこのタイミングであんな大それた事ができるものだ。いや、寧ろこのタイミングを待っていたのかな?」

アレイスター『何の話だ?』

幻生「今回の英国同時多発テロ、って事で公表されるかな? その復興にあたらせてる人員……。彼等にやらせているのはただの復興工事ではないんだろう?」

アレイスター『……君にはお見通しか』

幻生「ウィンザー城に行かなければきっと何も気付かずにいただろうけど、僕は今回知ってしまったからね。魔術とやらを」

幻生「“君達”の目的は英国全土に魔術的記号を蔓延させて死角を潰すこと……当たってる?」

アレイスター『その通りだ』

幻生「やっぱりね。それならそうと先に教えてくれれば良かったのに。そしたら僕が直接襲撃して英国をもっと滅茶苦茶にしてあげたのに」ケラケラ

アレイスター『やはり、私から言わせれば君の方こそ飛んだ人格の持ち主だよ。木原幻生』


アレイスター『――――ところで木原幻生、そちらで何かあったのか?』

幻生「ん? どうしてそう思うのかな?」

アレイスター『会話のリズムが普段と違うものだからおそらく何かあったのではないかと思っただけさ。それで、どうなんだ?』

幻生「そうだねー、実に有意義な時間だったと言うべきかな?」

アレイスター『ほう。初めて見る『魔術』に心奪われたか?』

幻生「多少は興味が湧いたね。やはり研究職に従事する者としては、ああいう未知の現象には心動かされるものがあるよ」

アレイスター『それは重畳と言ったところか。それで“収穫”は?』

幻生「英国襲撃の実行犯である組織と、それにぶつけた三つの別組織のトップからご教授賜った魔術の基礎知識や歴史について少々」

幻生「あとは『被験体』を一つかな。悪くない収穫だったよ」ハハハ

アレイスター『ふむ。ならば、君の研究もようやく光明が見えてきたといったところか?』

幻生「いや、何の足しにもならないね」

アレイスター『何?』

幻生「どれだけ魔術知識を仕入れたって、そんな物は何の役にも立ちはしないさ」












          S  Y  S  T  E  M
幻生「“神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くもの”には、ね」













アレイスター『……何故そう言える? 何の取っ掛かりも、そもそも本当に存在するのかも怪しい『絶対能力者』の研究に、魔術は一切役に立たないと?』

幻生「まあ、少なくとも僕の研究にはねえ。アレイスター君、学園都市の目的であるレベル6とはいったい何だったかな?」

アレイスター『……もしこの世に神という存在が実在し『世界の心理』を知っているのならば、その神と同じ領域に――――』

幻生「あーもういい、大丈夫。定型的な回答をどうもありがとう。まあ街のみんなはそれを目指してる訳だし、そういう事にしておこうか」

アレイスター『……君はそうは思っていないと?』

幻生「いや、僕も同じ見解だよ。ただ僕はその領域に辿り着ければゴールなのさ。君のようにぶっ飛んだ目的はないだけ」ケラケラ

幻生「まあ、流石に君が掲げているであろう目的は、具体的には何一つ予想が立てられないけどね」

アレイスター『私としては、君には全て知られているような気がしてならないな』

幻生「そんなことはない。この考えも今日魔術を知ったからこそ浮かんだ思考だ。君のような存在の考えている事など、本当は誰にも、何一つとして真に理解する事は出来はしないよ」

アレイスター『フフフ……』

幻生「おや、君が笑うとは珍しいねー」

アレイスター『やはり『木原』というのは凄まじい。私の予想をいとも簡単に飛び越えて行ってしまう』

幻生「お褒めの言葉として受け取らせてもらうよ」ククク


アレイスター『さて、この会話もそろそろお開きにしよう。どこで誰が聞き耳を立てているとも限らないだろうしな』

アレイスター『それでは木原幻生、乗客の皆様の快適な空の旅をぶち壊さないように。では』


ブツッ、プー、プー、プー……


幻生「心配性だねえ彼も。さて、お土産を預けにいかないとね」テクテク

助手「相も変わらず不穏な会話でしたね」

幻生「そう? 僕としては天気の話の延長程度の認識なんだけど」

助手「そこが不穏だと言ってるんです」ハァ

幻生「ため息を吐くと幸せが逃げると言うよ?」

助手「迷信は信じない主義ですので」

幻生「ま、要は気の持ちようって事だもんね実際」

助手「それよりいかがなさるおつもりで?」

幻生「ん? 何のこと?」キョトン

助手「決まってるじゃないですか、英国王室の事ですよ。初めて見る『魔術』に興奮して“貴方らしくもない行動を取ってしまっていた”じゃないですか」

幻生「あー……」


助手「普段の貴方なら、今回のような大規模戦闘があったら間違いなく“英国領土にいる人間一人残らず実験材料として使い潰す”はずです」

助手「それがなんの気の迷いか英国王室に真っ向から啖呵切った挙句、ただ相手の心を傷つけて帰って来ただけという始末」

幻生「ははは、返す言葉もないよ。あの時はとにかく興奮していてね、特に何も考えずべらべら喋っていたら全部終わってて流石に参ったねホント」ククク

助手「無意識的にアレだけの事をやらかすんですから流石は「木原」と言いたい所ですけど、王室にアフターケアをする身にもなってください」ハァ

幻生「ゴメンゴメン反省してるよ。次からはもっと冷静に努められるように意識しとくよ」

助手「お願いしますね。さて、私はこれからイギリス清教の方に必要な書類を届けて参りますので、学園都市で会いましょう」スタスタ

幻生「はい、気を付けて行ってらっしゃ~い」フリフリ

幻生「……さて、もう大丈夫。そんな所に隠れてないで出てきなさい」チラ








幻生「シェリー=クロムウェル君ー?」








シェリー「…………」










最近何がメインかわからんくなる


>>629

自分もごちゃごちゃしてるなと思います。

取りあえずはもう少しでロイヤルファミリー終わりますので、これが終わったら本編投下します。
無計画な毎日シリーズはスレ内が慌ただしくなって仕方ないですね。


幻生「わざわざ空港まで見送りに来てくれたのかな? なんてね」

シェリー「……別に、そんなんじゃ」

幻生「エリス君の事なら私に任せなさい」ポン
シェリー「ッ……! 本当に、大丈夫なんだよね……? エリス、助かるよね……?」ジワァ

幻生「勿論だとも。彼の傷は確かに深かったが、保護した時にはほぼ傷口は塞がっていた。まるで、何か見えない力によって修復されたかのようにね」

シェリー「見えない……力……」

幻生「能力者が魔術を使うと命に関わる大怪我を負う。だが魔術は決して使えないわけでもないという事が証明されたね。君が教えた術式が、彼の命を守ったんだよ」ニコッ

シェリー「――――エリス……!」ポロポロ

幻生「感極まっているとこ悪いけど、僕との約束を覚えているかな?」

シェリー「……もちろん。忘れるわけない」

幻生「本当に申し訳ないとは思うが、これ以上魔術の世界に関わったら、今度こそエリス君は騎士達に殺されてしまうかもしれない」

幻生「彼の身の安全を保証するには、暫くはお互いに干渉してはいけない。それが何年、何十年掛かるかは、君の努力次第だけど」

シェリー「大丈夫、まかせて。エリスを助けてくれたんだもの。約束は絶対に守るわ」










シェリー「『騎士派』の連中は、わたしがこの手でこわしてやる……!」

幻生「うん、その意気だ。期待しているからね」ニッコリ






――――
―――
――



飛行機内――――。


幻生「――――ふぅ、今日は疲れた」グデー

幻生「まさか魔術なんてオカルトが実在するとは、中々に愉快な見世物だったねー」ククク

幻生「さてと……」スッ


カタ、カタタタ カタ カタ カタタタタタ


幻生「カルシウム分解バクテリア、空気感染率18%増加。瞬間凍結地雷、爆発時に於ける冷却液の温度上昇は改善されておらず」カタカタカタ

幻生「催眠誘導装置、設置箇所から半径1.5kmまでの影響率34%上昇。敵性魔術師消費人数1005人、イギリス国民並びイギリス清教、騎士団、どれも死者は0名」カタカタカタ

幻生「被験者・エリス=ウォリアー。生命活動に異常は無し。順調に治療が進めば37時間と19分後に実験動物として再利用可能」カタカタカタ

幻生「……『原石』の人為的製造実験、失敗。通常の能力開発と同様の能力の発現、及びその状態での魔術の発動による肉体の損傷を確認、有益なデータは得られず」カタカタカタ
幻生「引き続き“英国全土を利用した『原石の発現法則解析実験』を続行”。以上で、今回の実験報告を終了する」カチッ

幻生「……ま、レポートはこんなもんでいいでしょ」


幻生「フゥー、SYSTEMまでの道のりは遠いなぁ」




『これだけの事をやらかしたんだ、それ相応の理由というものがあるのだろうな?』

『ただ実験結果が得られなかったと言うだけの理由で、貴様はこれだけの事を仕出かしたというのか……?』

『初めて見る『魔術』に興奮して“貴方らしくもない行動を取ってしまっていた”じゃないですか』




幻生「……ククッ、皆甘いねぇー」ククク

幻生「相応の理由? 研究者が実験を行うのにそんなもの必要ない」

幻生「実験結果? 現在進行形で実験は行われているのに何を馬鹿な事を」

幻生「僕らしくない? まさかとは思うが、僕が、『木原』が、この程度で終わるとでも思っていたのかな?」

幻生「クククッ、まったく……」


幻生「今日も世界は科学で満ち溢れ――――」








キャーリサ「おー、見て見てあねうえ、ヴィリアン。イギリスがもーあんなちっぽけなの!」キャッキャッ

ヴィリアン「きれーですね~!」キラキラ

リメエア「初めて飛行機に乗ったけど、何だか耳が変な感じがするわ……」ウーン








幻生「ファッ!?」


幻生「ちょ、ちょっと君たち? どうしてこんな所に……」

キャーリサ「ん? そんなの決まってるし、おじーちゃんにあやまってもらうためなの」

幻生「は? 謝る?」

リメエア「今回の件で死者はいないにしても、貴方が唆したおかげで、英国は壊滅的なダメージを受けましたからね。その謝罪です」

幻生「いや、そもそもそちらがあんな制圧方法を採らなければ、僕だって彼らに助言なんてしなかったさ」

ヴィリアン「それでもこんかいのことはやりすぎです! やられたからやりかえすなんて、そんなことをしたらおなじことがずっとつづいてしまうんですよ!?」

幻生「幼いねぇ、世の中やられたらやり返すなんて当たり前だよ? 全人類が皆両の頬を差し出す訳じゃあないんだから」

キャーリサ「そんなことは百も承知?ってやつだし」

幻生「ほほぉ? つまり、素直に謝罪しなければ相手の頬を叩く、と見ていいのかな?」ニヤ

リメエア「いいえ。私達はそういうつもりはありません」

ヴィリアン「わたしたちはもっとへいわてきにかいけつすることにきめたんです」

キャーリサ「そーそー」ニヤニヤ

幻生(……なんでだろ、何か嫌な予感がする……)














三王女「「「日本の観光案内をして下さい!!」」」

幻生「わけがわからないよ」


ヴィリアン「わたしたちはきがいをくわえるきはありません」

リメエア「かと言って、貴方が素直に謝罪するとも思えないし、何かしら困った目に遭わないと、お仕置きにはならないし」

キャーリサ「おじーちゃんが困りそうなことって何かなー、と考えた結果がこれなの!」

幻生「お願い。理解できるように言って」

キャーリサ「だーかーらー、いろいろといそがしそうなおじーちゃんにわたしたちのお守りをさせて、さんざん振り回してやろーってことだし」

幻生「こんな王女が居ると思いますか? はい、僕の前に居ます」

リメエア「心身ともに疲弊しきってごめんなさいと言ってくるまで、私達は帰りませんから、そのつもりで」

幻生「「木原」をドン引きさせるとか相当だよ君?」

ヴィリアン「わたしきよみずのぶたいからとびおりてみたいです!」

幻生「誰だこの子にストレス与えた奴! 僕か! チクショウ!」

リメエア「え? 清水の舞台って飛び降りる場所なんでしょ? 日本人はなにか覚悟を決めた時には、そこから飛び降りて着地すると願いが叶うって……」

幻生「飛び降りないよ? 死亡率は低いけどもうとっくの昔に飛び降り禁止されてるよ?」

キャーリサ「う~ん、旅行ガイドには《今、清水の舞台が熱い!》ってとくしゅうがくまれてるんだけど……」

幻生「その雑誌見せなさい。出版社ぶち壊すから」

リメエア「ラフガイドって所です。結構メジャーどころだと思いますけど」

幻生「やっぱ英国滅ぼすべきだったかなぁ……」



ピリリリリリリ!


幻生「おっと電話だ」ピッ

キャーリサ「おー、それが最新のけーたいでんわなの?」キラキラ

幻生「そこのバッグに使ってないケータイ入ってるから、欲しかったらどうぞ。あ、もしもし?」

助手『もしもし、すみません幻生さん。実はちょっとした問題が起こっていまして……』

幻生「王女様たちなら今はしゃぎ回っているよ……」ハァ

助手『ああ、遅かったか……』

幻生「女王様はいったい何をやっているんだい? 娘達がプチ家出みたいなことをやらかしているっていうのに」

助手『……そ、それが、ですね。ええと…』

幻生「? 何をそんな言い淀む必要があるの? 細かい事は気にせずハッキリ言いなさい」

助手『で、では報告しますが、エリザード様は王女様方にあの後こってり絞られたらしく』

幻生「ふんふん」

助手『ぶっちゃけると今部屋に閉じこもってて王女様たちまで手が回んないから、王女様たちは幻生さんにどうにかしてもらおう。という結論になりまして……』

幻生「ぶっ殺すぞ」


幻生「てめぇよお、人を保育士かなんかと勘違いしてんじゃねえだろうな、あ゙あ゙!?」

助手『ひいいいっ!? げ、幻生さん? 数多君が乗り移ってますよ!?』

幻生「てめぇがふざけたこと抜かしてっからだろーがよ! 何? 幻生さんに任せよう? だったら今すぐこいつらミンチにしてサンドイッチの具にすんぞゴラァッ!」

助手『お、落ち着いて下さい幻生さん! す、すぐにそちらに迎えを寄越しますから……』

幻生「お迎えェ? んな糞の役に立たねえモンてめぇに押し付けてやるよ! どっちが良い!? 天国か地獄か実験室か!」

助手『いやあああああああああああああっ!!』



ギャーギャー!



リメエア「荒れてるわね」カチカチ

キャーリサ「ウィンザー城での姿がウソみたいなの」ピロリロリーン

ヴィリアン「でもすごくこまったようなかおをしてますね」パカッパカッ

リメエア「頭が混乱してるから、取り敢えず怒鳴って気を静めているのよ」カチカチ

キャーリサ「あれも人の子だった、ってことだし」ヤレヤレ

幻生「ねえ、頼むからケータイ弄るなら少し離れたところでやってもらえる? 何で僕の膝の上なの君達?」


ヴィリアン「……くー」スヤスヤ

幻生「あーあ、寝ちゃったよ……」

リメエア「はしゃぎ疲れちゃったのね」クス

キャーリサ「それも仕方ないの。今は王室の人間じゃなくてふつうのいっぱんしみんとして外国に行くわけだしね」

リメエア「お母様はああ見えてかなりのスパルタですから、無意識に張り詰めてた緊張の糸が切れちゃったみたい」

幻生「まあ、その点に関しては理解できるよ。うちの数多もスパルタだしね」

キャーリサ「ウィンザー城でも言ってたけど、数多ってだれのことなの?」

幻生「写真を見せたでしょ? 真ん中で仏頂面を浮かべてる子供が数多だよ」

キャーリサ「あー、あの子」

リメエア「そんなに厳しいんですかこの子は?」

幻生「厳しいって言葉で言い表せられる内はまだ良い方だね。本気でキレると病院送りにされるし」ブルッ

キャーリサ(おじーちゃんが震えてる……だと……?)

リメエア(え? 私と同じ歳よねこの子? あれれー?)


幻生「それじゃ、僕もぼちぼち眠るとするかな」ゴソゴソ

キャーリサ「もーねちゃうの? まだ6時だし早くない?」

幻生「日本は今夜中の3時だからね。時差ボケを無くすためにも、今の内に向こうと睡眠時間を合わせておかないと」

リメエア「確かにそうですね。でも初めての飛行機だから、興奮しちゃって眠気が全く無いわ」

幻生「日本まで約12時間掛かるし、八時間ぐらい睡眠時間を確保して後は景色を楽しむと良い。もしかしたらUFOが見られるかもしれないよ?」

キャーリサ「あねうえ! あそこに見えるのもしかしてゆーふぉーかな!」

リメエア「あれは……飛行機? この飛行機と並走してる……?」

幻生(何が迎えだよ戦闘機が堂々と一般の旅客機と仲良くフライトしてんじゃねえよクソ助手が!)

幻生「あー、進化したドーラ一家が空中遊泳でもしてるのかな? なんてね」ハハハ

キャーリサ「あ、それ知ってるの! ラピュタに出てくる空中かいぞくだし!」

リメエア「本当に海賊だったら危険だけど、見た感じ敵意はなさそうだし、心配しなくても大丈夫ね」

幻生(ラピュタが通じた。宮崎さん、流石です)


キャーリサ「あの雲の中あやしーし……」ムムム

リメエア「ラピュタだったら、もうちょっと大きい雲に入ってるんじゃないかしら」

幻生(すっかりラピュタ探しに夢中になってるねえ)

幻生「ふあああ……。眠い……」ウトウト

キャーリサ「ねーねーおじーちゃん、って」

幻生「ぐー……」スヤスヤ

リメエア「もうお休みになったみたいね」

キャーリサ「ねがおはけっこうあいきょうがあると思うのになー」ジー

リメエア「こんなお爺さんが騎士団長を倒したのよね……」

キャーリサ「あの写真の子たちも、おじーちゃんみたいにとてつもない子たちなのかなー?」

リメエア「流石にそれはないでしょう。お爺さんが特別なのよ」

キャーリサ「だよねー、みんながみんなハチャメチャなわけがないし」アハハハ









数多「ぶぇっくし!」


キャーリサ「あふ……。なんかわたしも眠くなってきたし……」ウトウト

リメエア「眠くなったのなら寝ておきなさい。まだ時間はたっぷりあるのだから」ナデナデ
キャーリサ「そーするの……。お休みなさい、あねうえ……」スー、スー

リメエア「あらあら、寝付きが良いわね」クスクス

リメエア「私はもう少しケータイのカメラ機能で遊んでましょう」ピロリロリーン



10分後。



キャビンアテンダント「お客さま、夕食をお持ちしました」コンコン

キャビンアテンダント「お客さま?」ガチャッ

キャビンアテンダント「あらら、失礼いたしました」クスッ






幻生「……ぐう……」

ヴィリアン「んー……」スヤスヤ

キャーリサ「むにゃむにゃ……」

リメエア「くー……くー……」



8時間後。

日本、学園都市。



数多「……」





《From》クソジジイ
《Sub》急で悪いけど

~~~~~~~~

イギリス王女三人を観光案内して差しあげないといけなくなったから、もう暫く一人でテレス達の面倒を見てて頂戴。

PS.お土産にローストビーフ買ったから許してね

~~~~~~~~





数多「……」

数多「おーいテレス、富士山見たくねえ?」

もうこのネタで別スレ立てて平行進したらどうかな



~~~日本、成田空港~~~


幻生「フゥ、やっと日本に着いた」

キャーリサ「おー、ここが日本……」

リメエア「空港内じゃ大した違いはないでしょう」

ヴィリアン「おねえさまおねえさま! にほんはがいこくじんがたくさんいますね!」キャッキャッ

幻生「そんな懐かしいネタどこで仕入れてきたのやら……」

リメエア「ミスターは有名ですから」

幻生「まさか英国の王女様方にまで知られてるとは夢にも思わないだろうね」

キャーリサ「ねーねーおじーちゃん。まずはどこから見てまわるの?」

幻生「ん? そうだねぇ、ここは無難に京都辺りを満喫してもらおうかな」

キャーリサ「キョート! ジャパニーズ和服を着た人たちがいるところだし!」キラキラ

リメエア「お侍さんに会えるかしら?」キラキラ

ヴィリアン「おねえさまがたたのしそうですねー」ニコニコ

幻生(よしよし、このはしゃぎようなら、適当にブラブラと観光すれば満足してイギリスに帰るだろう)ククク


キャーリサ「ねーねー! キョートにはどーやって行くの?早く行こーよー!」グイグイ

幻生「慌てない慌てない、まずは衣類を揃えないと。日本でドレスというのは目立つからねぇ」

リメエア「それじゃ免税店を探すのが一番先ですね。どういう服装が良いのかしら?」

幻生「コーディネートは店員に任せればいいさ。さ、まずは免税店へ向かう――――」



「えーと、そろそろおじいさまがかえってくるじかんだよね?」

「ああ。っつーか、こんな人で溢れかえってる場所でじいさん探すとかほぼ無理ゲーじゃね?」

「だがせっかくここまで来たんだ、会えずに帰るなんて兄さんが許さないだろう」



幻生「……っ!?」バッ!

ヴィリアン「あれ? あのひとたち、どこかでみたような……」ウーン

幻生「な、なぜこんな所に……」



ピリリリリリリ!


幻生「! ――――もしもし?」

数多『元気かなーん、クソジジイ。ぎゃははははっ!!』

数多『なあ、そこら辺からガキの声とか聞こえてこねえ? まだだったら探してみろって、わーざわざ迎えに寄越しておいてやったんだからよぉ』

幻生「オ、マエ……ッ!!」ギリリッ!

数多『あー? なーに怒っちゃってるのかなー? もう歳なんだから落ち着けよ、血管が切れたら事だぜ?』

幻生「おかしいなー、僕は『テレス達の面倒を見ててね』って頼んでおいたはずなんだけどねえ?」

数多『あんな妄言真面目に語られちゃっても困るんですけどー? つかよ、俺が言うこと素直に聞くよーなタマだとでも思ってたのかよ?』

幻生「帰ったらお仕置きが必要かなぁ? それとも“教育的指導”の方が良いかな?」

数多『ははっ、そんな無駄口叩いてる余裕があるたぁ驚きだな』

幻生「何?」


数多『いいか、あのクソガキ共は文字通りただのクソガキだ。多少アタマの出来は良いだろうが言動はまだまだ歳相応な訳だ』

数多『生まれてから一度も『街』の外に出たことのなかったガキ共が、初めての旅行に大人しくしてると思うか? できると思ってんのか?』

数多『ましてやテメェの周りには同じ年頃のイギリス人のガキがいるっつーんじゃ、アイツらの反応、想像に難くないと思いますがねえ?』

幻生「しま――――っ!?」バッ



「あー! おじいさまみつけたー!」

「ん? てか周りの女子は何モンよ?」

「数多兄さんが言ってた同行人じゃないか?」



リメエア「あら? あの子達って、木原さんの写真に写ってた……」

キャーリサ「こっちに近づいてるし。もしかしてあの子たちもいっしょなの?」

ヴィリアン「にぎやかになりそうですね!」ニコニコ

幻生「あ、ああ……」ガタガタ

数多『これが俺の“勝利宣言”ってヤツだ。精々これからの一ヶ月、大好きな孫達に思う存分振り回されてきな』


ブッ、ツー、ツー、ツー


幻生「ク、」













幻生「クソッたれがァァァあああああああああああああああ!!」















アレイスター「……木原幻生が戻ってこない……」


以上で毎日シリーズ第二段。どたばたロイヤルファミリーは終了です。長かった……。

すんません、最近シフト安定せず仕事疲れでダウンして投下うまくできませんでした。
本当なら今日このまま本編も投下したかったんですが仕事が1時間早まってもう寝ないといけないので寝ます。

明日、実に2ヶ月ぶりの本編投下いたします。本当に>>1の無計画さを笑ってやってください。では。


あ、投下し忘れてた。


本日の木原紹介


・木原幻生

「進化」を司る木原一族トップランカー。
このスレで一番の悪人&怪物。の筈。自信なくした。
散歩感覚で国を滅ぼしたり発展させたりと、世界経済をある意味牛耳っていると言っても過言ではないとか。

色んな研究所を破産させてるけど、そこは退かぬ・媚びぬ・省みぬの精神で全く気にしていない。美味しい思いさせてやったんだから文句ないでしょ?

孫のテレスが可愛くて仕方がない今日この頃。でも実験台に使う。そこは「木原」として譲れない。



その他登場人物紹介


・エリザード

言わずと知れた我らが英国女王。
楽しいこと大好き、娘大好き、しかしその愛は解ってもらえない。日頃の行いの大切さをやっと痛感した。

イギリス勢で二番目に扱いが酷い。


・リメエア

眼鏡と黒髪が似合う知的美少女。可愛いね。
真面目そうな雰囲気を醸し出せているようで全く出せてない。あの母だもんね、仕方ないね。
今回の母の姿に軽く人間不振を患ってしまったとか。可哀想だね。


・キャーリサ

皆さん大好き元気はつらつお転婆ガール。可愛いね。
とにかく忙しない。目に映るものみんな興味津々な箱入り娘。楽しそうだね。
今回の母の姿に呆れてなんか軍事の方に興味が湧いちゃった。幻生さんのせいだね。


・ヴィリアン

可愛いね。可愛いよね。可愛いでしょう?
しかしアックアの嫁。アックア格好良いから仕方ないね。
英国の良心。10年後、そんな彼女を見捨てようとした政治家達の末路は「木原一族」のみぞ知る。
今回の母の姿に厳しい態度を取ったがすぐ許してくれた。『人徳』の片鱗はもう現れ始めている。素晴らしいね。


・騎士A

後の騎士団長。
この頃は血気盛んな直情型。「木原」にとって実にいいカモ。だから謎科学で腹吹っ飛ばされた。可哀想だね。
アックアさんと会うまで色々苦労する。会ってからはアックアさんを巻き込んで苦労する。


・アックア(ウィリアム=オルウェル)

↑本編出てないのにとばっちりなのである!



オリジナルでちょいキャラ達

・アンナ

英国王室に仕えるメイド。
エリザード達の暴走を優しく見守ってくれる聖母。
ある意味一番人間が出来てる子。健気だね。


・アレックス&ディック&チャールズ

『騎士派』の若き騎士達。
幻生さんのせいで心に深い傷を負った。モブだからしょうがないね。


・騎士団長

20年前の騎士団長。
とても強いが幻生さんは格が違った。
今回の一件で騎士団長を騎士Aに引き継ごうかと考えている。

二ヶ月ぶりwwww
ちっとペース上がらんのかww


薬味久子にこのクソ忌々しいアレルギー性鼻炎を治してもらいたい。どうも>>1です。

スレ自体にはほぼ毎日来てたのに二ヶ月ぶりって言葉使うことになるとは思わなんだ。

投下します。


数多「……よし、やっと撒いたようだな」フゥ

沈利「牢屋出るのにスプーン何個必要だと思う一方通行?」アハハハ

一方通行「沈利ィ! 頼むから正気に戻ってくれよォ!」ユサユサ

数多「……」ゴソゴソ ピッ



ボイスレコーダー『わ、わたしは、ア、一方通行のことがだだ、大好きだからっ!』



沈利「きゃああああああああああああああああああああああああああっ!? な、何やってんのよいきなり!?」カァァァァ!

数多「ア? テメェがいつまでも頭ぁオカシイのがいけねえんじゃねーか」

沈利「だ、だからってあんな大音量で流す必要ないじゃない! ていうか何そのボイスレコーダー!?」

数多「おっと、コイツは隠しておかねえといけねぇんだった……」ス…

沈利「もう遅いわよ! 貸しなさい! 一体どんな内容を録音してるの!?」ブンブン

数多「別になんもねーって。ほら」ピッ



ボイスレコーダー『あ、ああ、愛、愛してりゅんだからぁ!!』



数多「な? 微笑ましいモンだろ?」ニヤニヤ

沈利「~~~~~~っ!?!?!?」プルプル


数多「クソガキの醜態も晒したところでやっと目的のマンションまで着きましたよー」ケラケラ

沈利「あくせられぇたああああああ……」グスン

一方通行「よしよし、辛いだろォな。でも諦めろ」ギュウウウ

数多「カードキーカードキーっと……」ゴソゴソ

住人A「あら、木原さん。お久し振りですね~」トコトコ

数多「おー久し振り。テメーも買い物帰りか」

住人A「はい、あの人が今日はビーフシチューが食べたいと言ってたのでその買い物に行ってたんですよ~」ニコニコ

数多「ちゃんと野菜も食わせろよ? メタボ気味だからなアイツ」

住人A「んふふー、木原さんにそう言われると思って、じゃ~ん! シーザーサラダの材料です!」

数多「おいおいこりゃステーキ肉か? さっきビーフシチュー作るつったばっかだよな?」

住人A「でも~、トッピングにステーキを使ったりもするって載ってましたよ~?」

数多「肉食いすぎだからサラダ食わせろっつったのに、テメーはホント旦那に甘ぇなー」ハァ


住人B「あれ? 木原さんじゃないですか! 一ヶ月ぶりですね!」

住人C「お! 一方通行君も一緒じゃないですか! 久し振りだねー」

住人D「あれー? しらないおねえちゃんもいっしょだー」

住人E「まあまあ、一方通行ちゃんも隅に置けないわねぇ?」ニヤニヤ

数多「何だ何だ、ぞろぞろと集まってきやがってこの暇人共が」

沈利「な、なにこの状況?」ソワソワ

一方通行「このマンションの住人は皆木原くンに結構世話になってるンだよ。ほら、木原くン無駄にスペック高いだろ?」

数多「無駄には余計だ無駄には」

沈利「ふーん、二人とも人気者なのねぇ」フーン

住人A「このマンションだけじゃなくてぇ、周りのマンションの皆さんとも交流が深いんですよ~木原さんって」

住人F「何せこの目立つ外見でやってることはバリバリの完全無欠の主夫だってんだからそりゃ目立つわな」

住人G「おいおい皆、それよりもまずは先に聞くべきことがあるだろ?」ニヤ

A~F「「「「「「あ~」」」」」」ニヤニヤ

沈利「……っ!?」ゾワッ


住人A「お嬢ちゃんお名前は~?」

沈利「え? む、麦野……沈利、です……」ビク

住人B「木原さん達とはどんな関係なの?」ズイ

沈利「け、研究所で会って、今日から一方通行と同じように能力開発を受け持ってくださるそうで……」ビクビク

住人C「お! それじゃあここに住むのか! いやー賑やかになるなあ」

沈利「は、はい……」

住人D「あくせらにいちゃんのかのじょさんー?」クイクイ

沈利「か、かかかか彼女っ!?」ボフン!

住人E「こんなかわいい娘捕まえるなんて、一方通行ちゃんも木原さんに似てきたわねえ?」ニヤニヤ

数多「オイちょっと待て。オレがいつ女捕まえたって?」

住人F「病理さんと仲良いじゃないですか。傍から見たらカップルですよもう?」ニヤニヤ

数多「アイツとカップル? あ、何か頭が痛くなってきた……」イタタ

一方通行(病理ちゃン、頑張れ……)ホロリ


住人G「さーて、それじゃ皆そろそろ戻ろうぜ。木原さんもお疲れの様子だし、積もる話はまた明日ってことで」

数多「どうでもいいけど、何でテメーが仕切ってんだよ」

住人G「まあまあ細かい事は良いじゃないですか。はい皆集合!」パンパン!

A~F「「「「「「はーい!」」」」」」

沈利「?」

住人G「せーの……」










住人達「「「「「「「これからよろしく! 沈利ちゃん!」」」」」」」

沈利「……こ、こちらこそ、よろしくお願いします!」ペコリ



~~~マンション7階~~~


沈利「……良い人たちだったわね」テクテク

数多「鬱陶しいだけだがな」スタスタ

一方通行「でもオレは好きだぜ?」テクテク

沈利「わたし、ここなら上手くやっていける気がするわ」ニコ

数多「まぁコミュ障なんて気にしねー奴らだからな。安心してキョドり倒していいぜ?」ニヤニヤ

沈利「……さすがにもう言い返せない」グスン

一方通行「よしよし」ナデナデ

数多「そーいやテメェら、夕飯は何をご所望だ? まさか献立も全部俺に一任するつもりじゃねーだろな?」

一方通行「ハンバーグ! 久し振りに木原くンのハンバーグ作ってるところ見てェ!」キラキラ

数多「ハンバーグ好きだなあホント。テメェは何が良い?」

沈利「わたしも同じのが良い! できたら中に卵が入ってるの!」

数多「卵入りか。半熟と完熟どっちが良い?」

一方通行「オレは半熟ゥ!」ハイ!

沈利「わたしは固い方がいいかなー」


数多「見事に分かれたな、りょーかいりょーかい。メインはそれでいいとして、付け合わせとか副菜はこっちで勝手に決めるぞ」

一方通行・沈利「「はーい!」」

数多「とりあえず家入ったら適当に部屋決めとけ。その間に飯とか風呂の準備しとくからよ」

一方通行「え、一緒の部屋を使うつもりなンだけど」

沈利「一方通行の部屋一人で使うには大きいって言ってたし」

数多「……お前らさぁ、なんで変なトコで羞恥心とか仕事しねーの? そこ普通は一番の弄りポイントだろうが」

一方通行「だって、特力研はオレと沈利は相部屋だったもンな?」ナー

沈利「他の子達から隔離されてたもんね」ネー

数多「あ、そーですか(これは3、4年経ったらオモシレー事になるな。放っておこう)」

一方通行「お、我が家に着いたぜ?」ピタッ

数多「……」

沈利「どうしたの? 急に黙っちゃって」

数多「……」スッ

沈利「表札? 表札に何が――――」



~木原数多~

~一方通行~

~木原那由他~

~滝壺理后~


沈利「……何これ?」キョトン

数多「もうやだ……。アイツらマジ手に負えない……」シクシク

一方通行「き、木原くンがマジ泣きしている……ッ?」ビクッ

数多「まさか居るのか? 合鍵渡しちまってたし俺を待ち伏せしてやがんのか!? ギャハハハハハハハハハ!」ゲラゲラ

一方通行「木原くゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!?」

沈利「ちょっと待って! わたしだけ話について行けてない!」



ギャー! ギャー!



~~~木原家リビング~~~


数多「……悪ぃ、取り乱した」ズーン

一方通行「オレの居ない二ヶ月で一体何が起きたンだよ……」

沈利「……」キョロキョロ

数多「あぁ……? どうしたクソガキ、んなキョロキョロ部屋ァ見回してよ」

沈利「ふぇっ!? い、いや、ここが二人のお家なんだなー、と思って……」

数多「そんな忙しなくなる程のモンかねえ」

沈利「だって、学園都市に入学した時以来なんだもん、こういう普通のお家って」

数多「ああ、確か生意気にもお嬢様だったなテメェ」

一方通行「オレとしてはお金持ちの家ってどンな感じか気になるなァ」

沈利「ただ無駄に広くて落ち着かないわよあんなの。使用人たちがやたらひっきりなしに挨拶してくるし、どこか出かけるにも必ず誰かが付いてくるし……」ブツブツ

一方通行(ガチお嬢様だ)


数多「飯は7時頃に食うとして、俺はちょっと風呂掃除してくっからテメェらは今日買ってきた物冷蔵庫にしまっとけ。終わったら適当にゴロゴロしてろ」スタスタ

一方通行「ハーイ。沈利、冷凍食品取ってくれ」ガチャ

沈利「ん」スッ

一方通行「サンキュ。調味料はそこの戸棚にしまってくれ」ガサガサ

沈利「この棚ね、りょーかい」ゴトン

一方通行「キャベツは芯をくり貫いてから……」ポーン

沈利「ベクトルの無駄使いしたわね」コト

一方通行「挽肉はこの後使うから冷蔵庫に入れて、それ以外は空気を抜いて冷凍っと」ゴトゴト

沈利「手馴れてるわねー。よし、調味料しまい終わったわ」

一方通行「こっちも冷蔵庫しゅーりょォー」

一方通行・沈利「「へーい!」」ペチーン



数多「何やってんだアイツら……」



~~~一方通行の部屋~~~


一方通行「いらっしゃーい、面白いモンとか特にねェけど」

沈利「こざっぱりしてるのかと思ってたけど、意外とそうでもないのね」キョロキョロ

一方通行「この部屋にあるのは全部オレの宝物だ」

沈利「うわっ、ゲームボーイカラーがある! パパがたまにテトリスやってる時以外滅多に見かけなかったわよ」マジマジ

一方通行「それ木原くンがくれたンだ。『俺の記録を超えられるかなぁ?』なンて言いながら」

沈利「……ちなみに結果は?」

一方通行「超えるも何もカンストしちまってて勝負しようがなかった」

沈利「なんてやる気を削ぐ状態なのかしら」

一方通行「そのあと木原くンがスコア上限無しのテトリス作ってくれてそれでひたすら遊ンだっけ……」シミジミ

沈利「何点くらい出したの?」

一方通行「何ならやってみるか? 自分で言うのも何だけど、かなりスゲェ点数だぜ?」スッ

沈利「ふふん、わたしだってパパから借りたテトリスで100万点出してるのよ? 多少の点数くらい――――」




ゲーム画面[木原数多、8382291824567] [一方通行、2308743228906]




沈利「」


一方通行「通常のテトリスの百倍のレートだから結構なスピードで点が貯まるぜ?」

沈利「まあそれはとってもお得ね♪ってなるか! 何この点数!? たとえレートが一万倍だったとしてもぶっ飛んでるわよこれ!」

一方通行「10億超えた辺りから記憶がありませン」ハイ

沈利「体壊すわよ!」

一方通行「木原くンは憑き物が落ちたみたいに爽やかな笑顔を浮かべてたなァ」ウンウン

沈利「木原くんぶっ壊れた!?」

一方通行「何十時間も無駄にする覚悟がある者だけが1兆の壁を越えられるのだ!」

沈利「常識がぶっ壊れてる!」

一方通行「というわけでやってみる?」

沈利「絶対にやらない」キッパリ

一方通行「じゃァぷよぷよやるか?」

沈利「まさか連鎖が3桁あります!とか言い出したりしないでしょうね?」

一方通行「……」プイッ

沈利「おい」



一時間後――――。


数多「――――下ごしらえはこんなもんか。さてと、ガキ共をこき使いに行くとすっか」スタスタ


ナニコレ、ナンナノコレ!? テヲヤスメルナシズリィ!


数多「ああ? 随分と盛り上がってるみてーだな」スタスタ

数多「おーい、入るぞー」コンコン

<いいよー!

数多「なーにをそんなに盛り上がってるのかな、っと」ガチャ

沈利「ムリムリ何これどうすんのちょっと待って意味分からない誰か助けてー!」カチカチカチ

数多「はあ? おいおい何だよ、どんな愉快な事してるかと思ったらただのぷよぷよかよ」

沈利「本気で言ってる!? この画面を見てそれでも本気で言ってる!?」カチカチカチ

数多「おい、ブロック置かねーと28連鎖で終わっちまうぞ」

沈利「はいはいはい質問質問質問! 何で連鎖中なのにぷよが降ってくるんですか!?」カチカチカチ

数多「だーって、連鎖合戦になるとただの作業ゲーじゃん? だったら忙しなく動き回る方が楽しそうだと思って」

沈利「限度ってものがあるわよ! 道理でレートは普通なのにスコアがぶっ飛んでると思ったわ!」カチカチカチ

数多「相手の画面に自分が操作できるぷよ出して勝手に連鎖を崩すって事もできるんだぜ?」

沈利「いい加減にしろ!」


沈利「あーもうやってらんない!」ポイ

数多「キャッチ。全く、文句が多いなーテメェは……。これもゆとり教育の弊害か……」カチチチチチチチチチチチチチ

一方通行「ぎゃー! 15連鎖くらい差があったのに一瞬で100連鎖抜かれた!?」カチカチカチ

数多「セレクトボタンを押すとレートが半分になる代わりにぷよの消える時間も半分になんだよ」カチチチチチチチチ

一方通行「だからってこれはおかし――――ぎゃー! 巨大なおじゃまぷよがぷよ全部潰してった!?」ガーン

沈利「なんてえげつないのかしら……」

数多「現実は無情だな……」シミジミ

沈利「貴方は非情よね」

一方通行「うう……。初めて50連鎖いけると思ったのに……」グスン

数多「たかがゲームで落ち込むんじゃねぇよ。ハンバーグ50グラム増量してやっから機嫌直せ」ナデナデ

一方通行「本当!?」パァァァ!

数多「おう、ちなみにデミグラスソースだ」

一方通行「やったァ!」ピョンピョン

沈利(はしゃぐ一方通行かわいい)キュン

数多(そしてオレの左腕はときめいてるクソガキを逃さず撮影。思春期頃にまた会いましょうってなあ!)●REC



~~~ダイニングキッチン~~~


数多「やっぱキッチンはダイニングに限る」

沈利「なにそれ?」

数多「気にすんな。うっし! そんじゃー今からテメェらにはハンバーグを焼いてもらう」

沈利「え? ひき肉こねたりとかはしないの?」

数多「いずれは一人で調理できるようになってもらうが、まずは簡単な調理から覚えさせる。クソガキ、ボウルを寄越せ」

一方通行「ほい」スッ

数多「サンキュ。つってもハンバーグの空気抜きくらいは教えるつもりだ。二人とも、自分の手のサイズに合う量を手に取れ」ムンズ

沈利「これくらいかしら……」ムンズ

一方通行「……」ワクワク

数多「手に取ったタネを軽く丸めて、ここからが重要なポイントだ。今この状態は空気を大量に含んでて焼いたときに肉汁とかが出ちまって美味くならねえ」

一方通行「そこで生地をキャッチボールするンだよな?」ワクワク

沈利「あ! それテレビで見たことあるわ! こう、パパパパンッ!って」

数多「そうだ。今から手本を見せるから良く見てろよ?」スッ…


パンッ!


数多「はい終了」

沈利「おい」


数多「ん? どうした?」

沈利「どうしたじゃないでしょ。ちゃんとやってよ」

数多「ちゃんとやったじゃねーかよ。ほら、空気がしっかり抜けてんだろ?」

沈利「あれ? ほんとだ……」ウーン?

数多「ほら、次はテメェらの番だ。ちなみに自分で形を整えたハンバーグは責任を持って処理してもらうぞ」

数多「真剣にやらねえとボッソボソのハンバーグ食う羽目になるから、精々頑張るんだな」ケラケラ

沈利「う……急にプレッシャーが」

一方通行「……」ムムム

一方通行「えい!」グチャッ!

数多「残念タネは潰れてしまいました」

沈利「ほっ、よっ……わととと……」ポスッ、ポスッ

数多「あんまり遅ぇとハンバーグが温まっちまうぞー」ニヤニヤ

一方通行「木原くンみたいにできねぇ……」パンッ、パンッ

数多「当たり前だ。ガキに真似できる様な技じゃねーからな」フフン

沈利「なにがお手本だなにが」


数多「――――よし、何とか形にはなったな」ジー

沈利「ちょっと形がいびつだけどね……」

数多「空気さえ抜けてりゃ味に問題はねえ。それじゃ肉焼くぞ」ジュー

沈利「あれ? 油はひかないの?」ジー

数多「せっかく肉食うのにサラダ油なんざ使えるか。焼けば勝手に油が出るんだから、俺はがっつりな肉料理には油はひかねーんだよ」ジュージュー

一方通行「まァそれができるのも学園都市製のフライパンだからだけどな。やっぱ安物のフライパンは良く焦げ付くみたいだし」ジー

数多「そういうこった。よし、そろそろ良いだろ。クソガキ、そこに置いてある卵二つよこせ」

一方通行「はァい」コトン

数多「一方通行、今からテメェの分のハンバーグに卵を入れる。一つは俺が手本を見せるから、もう一つはお前がやれ」パカッ

沈利「え!? どうやって割ったの今!?」ビックリ

一方通行「カッターで切ったみたいにキレイな断面だな……」オー

数多「力の加わる方向をある程度操作してやりゃヒビ入れなくても割れんだよ」 ※木原くンにしかできません

沈利「なんでこんな人に天は二物を与えたのか」

数多「オラ一方通行、早く卵入れねぇと片方完熟になっちまうぞ」ムニー

沈利「いひゃいいひゃい!」ジタバタ


一方通行「真ン中のくぼみに入れればいいンだな?」コンコン パカッ

沈利「あら、けっこう手なれてるのね一方通行」ヒリヒリ

一方通行「木原くンの料理ちょくちょく手伝ってたからな」フンス

数多「何回黒焦げのハンバーグ食べさせたっけ……」シミジミ

沈利「木原くんも大変――――食べてない!?」ガーン

一方通行「自分の不始末は自分で処理しろ。が木原くンの教育方針だから」

沈利「ガチスパルタだわ……」

数多「スパルタじゃねえだろこんくらい。自分の行動に責任を持てる大人になって欲しいという親心ってやつでだな……」パパパンッ

沈利「世間一般の家族の常識を理解してないって言ってたくせにどの口が」ピタ

数多「?」パカッ

沈利「……木原くん、それ、何?」

数多「あ? 生卵をハンバーグの種で包んで空気抜きしてるだけですけど何か?」パパパンッ

沈利「いや、卵グチャグチャでしょ。原形留めてないでしょ絶対」

一方通行「そォ思うだろ? でも焼いた後中を割るとこれまた見事なゆで卵が出てくるンだ」ジュージュー

沈利「常識が通用しな――――」

数多「おいやめろ」



10分後――――。


数多「飯食うぞ~」カチャカチャ

一方通行「はい沈利。ご飯」スッ

沈利「ありがと一方通行」コトッ

数多「オニオンスープは自分で好きな量よそえー」ザクザク

一方通行「木原くン! パン乗せて良い!?」キラキラ

数多「だから焼いてあるんじゃねぇか」ザクザク

沈利「うーん、チーズの良い香り……。すっごく美味しそう」

数多「自分で作ると余計に美味い!とか言ってたなテレスの奴も」コトッ

沈利「おお、サラダ大盛りね」

数多「ドレッシングは好きなの使え。ん、全部揃ってるな」

一方通行「早く食べよォぜ~」

数多「急かすな急かすな。んじゃお前ら、手を合わせろ」

一方通行・沈利「「はーい!」」

数多「せーの……」











一方通行・沈利「「いただきまー数多「父よ、あなたのいつくしみに感謝してこの食事をいただきます。ここに用意されたものを……」ブツブツ



一方通行・沈利「「!?」」











30分後――――。


帝督「え? 食事シーンならオレの横で寝てるよ?」

病理「いきなり何言ってるんですか帝督?」

唯一「いいからピーマン食べなさい。好き嫌いは体に良くないですよ」ドサドサ

帝督「嫌だああああああああああ! 唯一姉ちゃん減らしても減らしてもすぐ山盛りにしてくんだもんんんんんんんんん!」ウワーン!

唯一「今まで残してきた分のツケが回ってきてるだけです。ほら、あと500グラムでノルマ達成ですよ?」

帝督「お願いだから一回で済ませようとしないで! 毎日ちょっとずつ増やすだけで簡単に済む話だぞ!?」

唯一「楽な道に逃げるなんて許せませんね。病理姉さん、ちょっとその子押さえててください」ガタッ

病理「あらほらさっさ~」ガシッ

帝督「な!? オレを売る気か姉ちゃん!?」

病理「ごめんなさい帝督……これも「木原」の定めなんですよ……!」クッ

唯一「場をしっちゃかめっちゃか掻き回したくなる衝動には抗えませんよね~」ククク

病理「そういうこと☆」キャピッ

帝督「木原くん助けてぇええええええええええええええええええええええええええっ!!!!!!!」






数多「お残しは許しまへんで!」クワッ!

沈利「なに!?」ビク

数多「悪ぃ、空耳だったわ」

一方通行「そっちじゃねェよ」


一方通行「ふゥ~食った食った」ケプ

数多「父よ、感謝のうちにこの食事を終わります。あなたの慈しみを……」

沈利「もういいから」

一方通行「木原くンって十字教徒だったっけ?」

数多「いやそういう訳じゃねーんだけどな。知り合いにガッチガチの十字教徒がいるからたまに出ちまうんだよ」カチャカチャ

沈利「ごちそう様でした。木原くん、食器わたしが片付けてあげるから座ってていいわよ?」カチャ、カチャ

数多「見るからに手馴れてなくて不安なんで結構だ。皿割られたら堪ったもんじゃねーし」ガチャガチャ ジャー

一方通行「要約すると慣れてないことして怪我されるのが怖いから駄目って事」

数多「よしクソガキ。今から10分間呼吸止めてろ。もし呼吸したらぶっ殺す」

一方通行「取り込んだ酸素を体内で循環……よし、これで大丈夫!」キリ

数多「チッ、呼吸器系統への酸素供給量調節実験なんかするんじゃなかった……」

沈利「その実験成果がこんな使われ方するとか誰が考えたかしら」


数多「飯も食い終わったしちょっとだけ仕事してくっか。お前ら、少し休んだら風呂入っちまえよ?」

一方通行「えー? 木原くンも一緒に入ろォぜ?」ナーナー

数多「絶対に嫌だ。俺は風呂はゆっくりのんびり入りたいんだよ。ガキのお守りしながら入れるか」ケッ

沈利「そ、そうよ一方通行。木原くんも疲れてるだろうし、今日は一人で入らせてあげましょ?」

数多「……おいクソガキ」

沈利「な、何?」

数多「テメェ、何企んでやがる?」

沈利「た、たくらむだなんて、そんなこと……」

数多「今日一日であれだけ好き勝手やってたテメェが、ここにきて急に人の事労るなんて怪しいにも程がある。言え、何企んでる?」

沈利「べ、別になんにも……。き、木原くんの考えすぎじゃないの?」アセアセ

数多「まーホントはただ俺と一緒に風呂入んのが恥ずかしいだけって分かってるんですけどねー」

沈利「分かってたんじゃない!」

数多「気づかない方がオカシイだろ。ていうか一方通行と一緒に入る事には抵抗ないんですかぁ?」ニヤニヤ

沈利「ふぇっ!? そ、そそそそそれは……!」プシュゥゥゥ

一方通行「? 別に今更だろ? 特力研で何回か一緒に入ったし」

数多「えー……」


数多「何つーかその、お前って結構やる女なんだな。悪い、正直見くびってた」ペコリ

沈利「違う! 木原くんが何を考えてるのか分からないけど別に変な意味はないから!」ワタワタ

一方通行「沈利って髪長いじゃン? 一人で洗ったり乾かすの大変だからよく手伝ってたンだよ」

数多「ああ、お嬢様だから自分でやったことがねえもんな。そうだよな」プイ

沈利「目をそらさないで! 絶対納得してないでしょその空返事!」

数多「いやー、かみがながいってたいへんだよなー。びょうりたちとふろはいったときのことおもいだすわー」

沈利「棒読みにも程がある!」

数多「なんか面白そうだしやっぱ俺も風呂入るわ」ニヤニヤ

一方通行「そうこなくっちゃ!」

沈利「ちょっと待って、話がどんどん進んでいってるけどわたしは木原くんと一緒には入らないからね!?」アセアセ

一方通行「いや、悪いことは言わねェから一緒に入っとこォぜ。……オレもう濡れた髪の毛で首を吊るなンて体験二度としたくない……」ブルブル

沈利「木原くんお願いします」ペコリ

数多「何をどうやったらそんな状況になるんですかねえ……」



~~~浴室~~~


一方通行「久し振りの我が家の風呂だァー!」ダダダ

数多「コラ、狭ェんだからはしゃぎ回るな」

沈利「……」モジモジ

数多「クソガキ、テメェは逆にもう少しはしゃげ。たかが風呂くれぇでンなしおらしくしてんじゃねーよ」

沈利「む、ムチャ言わないでよ! お、大人の男の人といっしょにお風呂入るなんて、は、初めてなんだから……」カァァ

数多「あっそ。俺はテメェの裸になんざキョーミねぇから安心してはしゃぎ疲れて溺れて死ね」

沈利「ほんと何でそこまでさらりとわるくち言えるのか分かんない」

数多・一方通行「「仕様です」」

沈利「あ、そうですか……」


一方通行「なァなァ木原くン、アタマ洗ってくれよォ」グイグイ

数多「ハア? お前まだ一人で頭洗えないのかよ。特力研ではどうしてたんだ?」ガシガシ

一方通行「能力使って老廃物とか洗い流してた」

数多「マジ無駄使いだな。開発した俺が言えた義理じゃねえけど」

一方通行「なーあー、木ィ原くゥン」グイグイ

数多「分ぁーったから腕引っ張んな――――痛てっ! 目に石鹸入った!」ジタバタ

一方通行「木原くン涙目になってるぜェ?」ニヤニヤ

数多「よしクソガキ、そこを動くなよ……」ジリジリ

一方通行「な、なンだよ木原くン……? そンな怖い顔して……」ビク

数多「テメェの眼球くり貫いてピッカピカに磨いてやるからおとなしくしてろよ」

一方通行「ヒィッ!? お、お断りします!」

数多「心配すんなって。きちんと目ン玉嵌め直して視力も微塵も低下しねえからよ」

一方通行「木原くンなら出来かねないからイヤだ!」



ギャーギャー!


沈利「……」ゴシゴシ


一方通行「ぎゃー! ごめンなさいやめてー!」ジタバタ

数多「さぁて、まずはどっちの目から洗ってやろうか……」


沈利「……」ゴシゴシ


一方通行「み、水のベクトルを変換!」

数多「わぷっ! オエッ! 石鹸水飲んじまった!」


沈利「……」ゴシゴシ


一方通行「ぎゃははははは! ちょ、木原く、やめ、く、くすぐりはあはははははは!」ジタバタ

数多「ハッ! この程度で演算できなくなるようじゃまだまだだなァ一方通行!」コチョコチョコチョ


沈利(あれ? もしかしなくてもわたし空気?)ガーン


沈利(い、いやいや、何をショックをうける理由があるの麦野沈利)ゴシゴシ

沈利(このまま二人がわたしのことを忘れて盛り上がってるうちに、さっさとお風呂に入って体をかくす!)ゴシゴシ

沈利(別に二人に完全に蚊帳の外にされたからって、落ち込む必要なんてどこにもないじゃない)ウンウン

沈利(…………良いなぁ)ショボン

沈利(じゃなくて! 早くお風呂の中に入らないと……)トテテ

数多「おっとそこまでだ」ガシィ

沈利「きゃあっ!?」ビクゥ!

数多「テメェなーにコソコソしてんだ?」ジロリ

沈利「こ、こっち見ないでよ!」ババッ!

数多「だからガキの体になんざ興味ねーって。もう裸は病理達で見飽きてんだからよ」

沈利「それはそれで色々と問題な発言よね……」

数多「うるせえ。それよりクソガキ、なーに風呂入ろうとしてんだよテメェは」

沈利「いや、お風呂入りに来たのに何でそんなこと言われなくちゃ……」エー…


数多「そうじゃねーだろ。お前アタマ大丈夫か?」トントン

沈利「なんでそこまで言われなきゃいけないの!?」ガーン

数多「そうじゃねえ、髪だ髪」

沈利「ふぇ?」キョトン

数多「なに呆けてんだ、俺が一緒に風呂入ってる理由だろうが。忘れてんじゃねえぞクソッタレ」

沈利「あー、すっかり忘れてたわ」アハハ

数多「そのまま呼吸の仕方も忘れてみろよ」

沈利「何? 何なの? 一回の会話で最低一回はわるくち言わないと気がすまないの?」

数多「「木原」としての仕様ですぅ」ケラケラ

沈利「木原くんって、相手を煽るのも一流よね」イラッ

数多「まー、あのメンバーでは煽りは俺が一番だろうな」

沈利「煽り“は”って何よ“は”って」

数多「なんか文句あんのか?」

沈利「むしろ文句以外何があるか教えてよ」


数多「とにかくここ座れ。髪洗ってやるから」チョイチョイ

沈利「わ、分かったわよ……」テクテク ペタン

沈利「……あれ? そういえば一方通行は?」キョロキョロ

数多「あのクソガキなら、ホレ、そこに」スッ

沈利「?」クルリ




一方通行「」ブクブクブクブク…




沈利「どざえもん!?」ガーン

数多「こ~ん~に~ち~わ~、ぼ~く~どざえもんです」ククク

沈利「やかましい!」


数多「お前の髪、結構ボリュームがあるな」ワシャワシャ

沈利「そーお?」トローン

数多「どっちかっつーと細めの髪だけど平均より本数が多いのかもな」ワシャワシャ

沈利「ふにゃあ……」ポワポワ

数多「オイ、何だよその間抜け面は」ワシャワシャ

沈利「だって、木原くん頭洗うの上手なんだもん……」ポワワーン

数多「ならここらでいっちょ落としとくか」バシャア

沈利「冷たあああああああああああああああああああああああっ!?」ビクゥ!

数多「ナイスリアクション! これでリアクション芸人になるって夢も現実味を帯びてきたな!」グッ

沈利「親指立てて好い笑顔やめい!っていうか別にリアクション芸人なんか目指してないわよ!」

数多「えー? 結構筋が良いと思うんだけどなー」ニヤニヤ

沈利「嬉しくないから」

数多「良い所褒めたっつーのに文句言われるとかやってらんねーな」チッ

沈利「もうやだこの人……」


一方通行「二人とも楽しそうですねェ?」ジトー

沈利「あ、起きた?」

一方通行「あと一歩間違えれば永眠してたなマジ」ブルルッ

数多「チッ」

一方通行「オレはツッコまない」

沈利「ねえねえ一方通行、木原くん頭洗うのすっごい上手ね!」

一方通行「家事全般こなせる天才的な格闘センスを持ったヤクザ顔のインテリ、それが木原くンだからな」

数多「どざえもんリターンズいっとくか?」

一方通行「性格がもォ少し丸ければ完璧なのになァ」ネー

沈利「やっぱり一番大事なのは性格よね」ネー

一方通行「加群くンは優しいンだけど、やっぱ天然がなァ……」

沈利「あれは目も当てられないわよねぇ……」

数多(あ、コイツら俺を無視してやり過ごそうとしてる)



10分後。


一方通行「ふィー、さっぱりしたァ~」ホカホカ

沈利「なんやかんやで、結構楽しめたわ」ホカホカ

数多「ほれクソガキ共、髪乾かすからコッチ来い」

一方通行・沈利「「は~い」」トテテテ

数多「髪が短けえからまずは一方通行の方からだな。すぐに終わっから沈利は少し待ってろよ」カチッ ブオオオオオ

沈利「はーい」

一方通行「ファー……」ウツラウツラ

数多「いきなり眠りかけてんじゃねえよ。寝巻きに着替えて布団に潜り込んでから寝ろ」ワシワシ

一方通行「ンー……何で夏なのにドライヤーの熱風はこンなにも気持ち良いンだろ……」ポケー

数多「そいつは不思議だな。おい、頭揺れてんぞ。固定しろ固定」ブオオオオ ガシガシ

一方通行「うァー」グワングワン

沈利「ドライヤーかけてもらうとホントに気持ち良いのよねー」サワサワ

一方通行「あはは、沈利ィ、くすぐってェよォ」キャッキャッ

沈利「一方通行の髪の毛サラサラー」キャッキャッ

数多「何コイツらスッゲェうざい」ブオオオオ


数多「っし、次はテメェの番だクソガキ」

沈利「待ってました!」ワクワク

数多「そんな期待されても反応に困るんですけど」カチッ ブオオオオ

沈利「ふやー……」ウットリ

数多「お前ら何なの? ドライヤー掛けた瞬間新しい世界に飛び立とうとすんなよ」ワッシワッシ

一方通行「木原くン、床屋始めてみねェ?」

数多「オーイ、シャンプーとドライヤーだけで床屋開けるわけねえだろ。一番重要な散髪要素どこ行ったんだよ」ブオオオオ 

一方通行「え? 木原くン髪切れねェの?」

数多「病理達の髪型は俺がセットした」キリッ

一方通行「木原くンはどこに向かおうとしてンの?」

数多「歌わせて踊らせるパワハラ上司になりたい」ファサファサ

沈利「ふにゃー……」ポワー

数多「……ツッコミがねーとリズムが崩れるんですけど。コイツ自分がツッコミ担当だって事忘れてんじゃねーか?」

沈利「イエース、わたしつっこみぃ……」ウツラウツラ

数多「ツッコミじゃないわよ!ってツッコむトコだぞオイ」

一方通行「ダメだこりゃ」


数多「よし、乾いたから次は髪を梳くぞー」カチッ

一方通行「すごい、もォ髪が乾いた……」オー

沈利「わたしたちあんなに時間かかってたのに……」オー

数多「櫛が良く通るなー。こりゃ梳かし甲斐があるわ」スッ、スッ

沈利「パパが『沈利の毛はママに似て綺麗だなぁ』って言ってたわ」

数多「親バカと言いてえ所だがこりゃ仕方ねーな。髪の毛梳くのスゲェ楽しいもん」スッ、スッ

一方通行「なァなァ木原くン、オレにもやらせてよォ」クイクイ

数多「おう、かなり癖になんぞコレ」パス

一方通行「オオ……病理ちゃンみてェな手触りだな。ふわふわでさらさらでつやつやで……」スッ、スッ

沈利「ふふっ、一方通行くすぐったいぃ」キャッキャッ

一方通行「さっきのお返しだ! うりゃ!」コショコショ

沈利「きゃー!」アハハハ

数多「少し油断するとすぐコレだ」ハァ


一方通行「よし、終わったぜ」

沈利「二人ともありがとう!」フワフワ

数多「髪の毛ヤベェ、頭でっかちに見える」

一方通行「本気で手入れしすぎたかな?」

沈利「そう? そんな感じはしないんだけどなー」クルクル

一方通行(かわいい……)

数多(結婚したら?)

一方通行(結婚しよ……はっ!?)

数多(楽勝だな、レベル5)ニヤリ

一方通行(こいつ直接脳内に・・・!)

沈利「二人ともどうしたの?」

数多「テメェの寝巻きはコイツのお古でいいな、って話してたんだよ。病理達の昔の服は今手元にねえし」

一方通行「え」

沈利「本当? ちょ、ちょっと恥ずかしいけど……ありがとう」モジモジ

一方通行「え」



~~~一方通行の部屋~~~


一方通行「サイズは大丈夫か?」

沈利「大丈夫よ。ただふとももが少しきついかなぁ……」クイッ

数多「一方通行が細すぎるだけなのか、お前が太ましいだけなのか……」ボソッ

沈利「なんか言った?」ギロリ

数多「ん~!? なんのことかなフフフ…」ニヤニヤ

沈利「大きくなったら覚えてなさいよ……」

数多「お前が強くなると俺に勝てるの?」

沈利「………………………………当たり前じゃない」

数多「情けねぇ……」

一方通行「木原くンが相手だから仕方ない」

沈利「木原くんだもんね。仕方ないわよね」

一方通行「仕方ない仕方ない」

数多「バカにしてるな?」


沈利「ベッドふかふかで気持ち良いー」モフモフ

一方通行「二ヶ月ぶりのオレのベッドだー!」ボフン

数多「だから何で一緒のベッドに平然と……いや、もう何も言わねえ」

沈利「ふあ~……」ネムネム

一方通行「なンか急に眠くなってきた……」ウツラウツラ

数多「今日は色々あったからな。まだ時間は早いけどもう寝とけ」ポンポン

一方通行「ンー、おやすみィ……」

沈利「木原くん、わたしもー」グイグイ

数多「分かってるっつの、良く寝ろよガキ共」ナデナデ

沈利「えへへ~、おやすみなさーい……」

数多「へーへー、お休みー」ヒラヒラ


バタン……。


一方通行「……」ニヤリ

沈利「……」ニヤリ



~~~数多の自室~~~


数多「水流操作系能力者の能力向上マニュアル作成完了、小学校中学年用能力開発教材製作率93%……」カタカタカタ

数多「都市外からの産業スパイ十数名の処理は下部組織に依頼。技術漏洩の可能性は0……」カタカタカタ

数多「あ? メールが何通か届いたな。何々……特別時間割の申請? 中学生相手に二時間以上講義して欲しいだぁ!? 却下だ却下!」カタカタカタ

数多「こっちは霧ヶ丘女学院から教員申請。……俺に女子校教師とかコイツら頭イってんじゃねーか?」

数多「……霧ヶ丘、か。今日来たあのガキも霧ヶ丘の生徒だよな……」

数多「……一応交換条件で、どういう生徒か情報提示要求しとくか」カタカタカタ

数多「最後はー……」カチ





《From》未登録
《Sub》祝!パソコンデビュー!

~~~~~~~

メール届いてるかなー?

私もとうとうパソコンを始めてみたの!

たまにはイギリスに遊びに来い、ってゆーか勝ち逃げしてないでさっさと決着をつけろこのバカ木原!

~~~~~~~



<新規登録しますか?>


数多「……」

数多「英国クソ第二喪女っと」カタカタ、カチ

数多「アイツ次会ったら殺す。全身の穴という穴に茶葉詰め込んで窒息死させてやる」

数多「つーかどうやって俺のメールアドレス知ったんだよ。SISにでも調べさせたか?」

数多「……なんか面倒くさくなってきたし、もう寝よう。そうしよう」パタン

数多「そういえばベッドで寝るのは一ヶ月振りか。あの時は理后がせがんだからなぁ……」ボスン

数多「やべぇ、スッゲー気持ち良い。ベッドってこんな心地良いモンだったのか」フカフカ

数多(眠ぃ、思ってるより疲れてたんだな俺)

数多(明日はテレスに研究資材届けて、溜まってる仕事片付けちまって、それから……)ウツラウツラ

数多「……ぐー……」










一方通行「……眠ったか」コソコソ

沈利「眠ったわね……」コソコソ


一方通行「そーっと、そーっと……」ヌキアシサシアシ

沈利「音を立てないように……」シノビアシ

数多「……」スー、スー

沈利「木原くんって、寝てる時は静かなのね」ヒソヒソ

一方通行「木原くンがいびきを欠かないのは疲れてる証拠だ。さすがの木原くンも今日は大変だったみたいだな」ヒソヒソ

沈利「ま、その方が都合は良いんだけど」ヒソヒソ

一方通行「じゃ、オレが右側な」ゴソゴソ

沈利「わたしは左側ね」ゴソゴソ

数多「んん……」モゾ

一方通行・沈利「「!?」」ビクッ

数多「ぐがー……」

一方通行・沈利「「……ホッ」」


沈利「あったかーい……」ヌクヌク

一方通行「この部屋寒すぎるだろォ……。冷房って体に良くないンだぞ……」ギュウウウ

沈利「設定温度20度……低っ!」

一方通行「いくら暑いからってこの温度はやりすぎだっつーの」ハァ

沈利「こういう所は普通の現代人よねー」ギュウウウ

一方通行「そォなンだよ、いつもやれ水は出しっ放しにするなだの、やれ使わない電気は消せだのうるさいくせによォ……」ブツブツ

沈利「ふふっ……」クスクス

一方通行「ン? なに笑ってンだ沈利?」

沈利「いや、今すっごく幸せだなー、と思って」

一方通行「……」


沈利「テレビの中で楽しそうに能力を使う子たちを見て、不思議な世界に憧れて、学園都市に来て最初はとても楽しかった」

沈利「今まで当たり前のように使ってた両手からバチバチとちっちゃな火花が出たときはすごく驚いた」

沈利「一生懸命頑張って、能力を磨いて、君の能力はとても珍しいものだねって言われたときは、ちょっとだけ天狗になったりもした」

沈利「でも、頑張れば頑張るほど、周りから人はいなくなって、代わりに能力だけはどんどん強くなっていった」

沈利「仲の良い子は誰もいない。優しくしてくれる大人はどこにもいない。気付けばわたしは一人ぼっちになってた」

沈利「そんな時だった一方通行と出会ったのは」

沈利「毎日わたしに話しかけてくれて、いつもずっとそばに居てくれて、ここを出たら木原くんのとこに行こうって誘ってくれて」

沈利「本当に、本当にうれしかった……」グス

一方通行「……沈利」

沈利「……ふふ、それもうれしいことの一つよ、一方通行?」

一方通行「え?」

沈利「わたしのこと、しずりちゃんって言わなくなった」

一方通行「!? い、いや、これは……」アタフタ


沈利「なんか、あなたともっと仲良くなれたみたいで、すごくうれしいの。変かしら?」ニコ

一方通行「へ、変じゃねェ!」

沈利「ほんと?」

一方通行「本当だ! オレだって、沈利ともっと仲良くなれた気がして、スッゲェ嬉しい」

沈利「……ありがと、一方通行」ニコ

一方通行「こっちこそ、ありがとォな、沈利」ニコ

沈利「えへへ、おやすみなさい、一方通行……」ウツラウツラ

一方通行「お休み、沈利……」ウツラウツラ

沈利「……すぅ……」スヤスヤ

一方通行「……くー……」スヤスヤ















~~~窓のないビル~~~


アレイスター「くっ……! 体中が痒くなりそうだ……!」

エイワス「この世界もまた奇怪な所だな……」


以上です。やべえ、また☆落ちだ……。

>>661スレタイ考えてくれたらいずれ書きます。

>>672笑ってくださってありがとうございます。これからは流石に二ヶ月に一回はないと思います。(このあと魔の年末年始が待ち構えておりますが……)

次回投下はまだ地の分練習がしたいので地の文形式になります。これを書いたらもう地の文をやる予定はありませんので、>>1の我侭にもう少しお付き合いください。


次回投下予定は二週間以内、投下できるかはシフト次第。では。


すみません、書き溜めに予想以上に時間がかかってしまっているので小説形式は中断して二日目入っちゃいます。

もうおとなしく本編書きます。素人の癖に無理して凝った物書こうとしません。がっつりギャグやります。

今急ピッチで書き溜めてるので、月曜か火曜に投下します。

あと勿体ぶって後回しにしてた本日の木原紹介、木原くンの分投下しときます。



本日の木原紹介





・木原数多

「精密」を司る木原一族。木原サイドの主人公格。ランキングは中の上。
知っての通り外道。加減はするけど容赦はしない人。木原一族は数多と面識ある人は例外無く一度は入院させられたことがある。
座右の銘は『男女平等』。木原くンが言うと不穏な響きになる。

八歳の頃から病理達の面倒をみて(押し付けられて)いたため子供の扱いに多少の心得がある。凝り性なため家事全般もこなせる完璧超人。しかし外道。

苦手な物は理后ちゃん。理后ちゃんみたいな子、ではなく理后ちゃん。これ重要。


時間無いんで書けた分だけ投下します。



翌日、朝6時半。



数多「……んん」ゴソ

数多「朝……?」パチ

数多「ふあああ……。朝飯準備しねえと――――」ググッ

数多「あ? 何だ、体が動かねえ、つか腹が重ぇ……?」チラ




一方通行「……ぐー」スヤスヤ ←右腕に抱きついてる

沈利「……むにゃむにゃ」スヤスヤ ←左腕に抱きついてる

理后「……おはよう木原くん」 ←お腹にしがみ付いてる




数多「……」

数多「ぎ、」

理后「ぎ?」


数多「ぎぃやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!?!?!!?!?!???!?」

一方通行「ウワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?!!?!?!!???!?」ビクゥッ!

沈利「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああっ!??!?!!!!?!?」ビクゥッ!

数多「あああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!」バキィ!

一方通行「ごぶェああああああああああああああああああああああっ!?」ドシャア!

沈利「いやあああああああああああああああああああああああああっ!?」ビクビクゥッ!

数多「ああああああああああっ!! ああああああああああっ!!」バキッ!バキッ!

一方通行「ゴブッ! えぶふっ!」ビクンビクン

沈利「きゃああああああああああああっ!? きゃあああああああああああああああっ!?」ドタバタ







理后「……これは、よそうがい」ビックリ









10分後、キッチン。



数多「人生で初めてだぞ、あんな悲鳴上げたの……」ゲッソリ

理后「ごめんね? 木原くん。びっくりさせちゃって」モグモグ

那由多「おじちゃん! めだまやきたべさせてー!」ギュウウウ!

数多「口に物入れたまま喋るな引っ付くな口開けろホラ」カチャ

那由多「あーん」パクッ

理后「むっ、木原くん、わたしにもあーんして?」アーン

数多「君呼びやめるってんなら食わせてやらない事もねーけど?」

理后「……サラダおいしいね」ニコッ

数多「君呼び続行ですね、分かります。チクショウ」





一方通行・沈利((話の輪に入れない……))






理后「どうしたのあくせられーた? ご飯食べないの?」

一方通行「イヤ、食べるけどよォ……」

理后「あーんする?」

沈利「」ガタッ

数多「座れ」ガシッ

一方通行「あーンはいい。それより、オマエらいつの間に家に来てたンだ? 全く気付かなかったぞ」

理后「あくせられーたたちが起きる少し前だよ」モグモグ

那由多「みんなきもちよさそうにねてたからわたしたちもねむくなっちゃったんだよ。ねー」ニッコリ

理后「ねー」ニコッ

数多「こっちにしてみればただのトラウマだっつーの。ガキを退けたら下にもう一匹潜んでるとかどんなホラーだ」

那由多「まわりにきをとられて、おじちゃんとおねえちゃんのあいだにもぐりこんでもきづかないだろーなー、っておもってたらあたっちゃった!」

数多「本日のMVPはお前だよクソッたれ……」ナデナデ

那由多「えへへ~」ニヘラ


沈利(……ねえ、一方通行)ヒソヒソ

一方通行(どォした沈利?)ヒソヒソ

沈利(木原くんってもしかして重度のロリコン? わたしたちと扱いがまるで違うんだけど)ヒソヒソ

一方通行(そンなことはねェよ? ただここには理后が居るからな……)ヒソヒソ

沈利(あの子がいると木原くんおとなしいの?)ヒソヒソ

一方通行(木原くンはとにかく面倒事が嫌いだからな。会話がまともに成立しないヤツが相手だとさっさと殺そうとするくらいに)ヒソヒソ

沈利(? つまりどういうこと?)ヒソヒソ

一方通行「それは体験してみれば分かる。オイ理后」

理后「……」ボー

一方通行「理后?」

理后「……北から信号が来てる」ボー

一方通行「……せめて飯食い終わってからにしろよ……」

沈利(うん、もうなんとなく察したわ)


理后「あ、わたし滝壺理后っていいます」ペコリ

沈利「へ? あ、わ、わたしは麦野沈利って言います……」ペコリ

理后「麦野沈利……。うん、覚えた」ニコ

沈利「ど、どうも……」

理后「ねえ、“むぎの”って呼んでもいい?」

沈利「べ、別に良いけど……」

理后「じゃあむぎの」

沈利「な、何?」

理后「わたしとお友達になってくれる?」

沈利「え?」

理后「あくしゅあくしゅ」ギュッ

沈利「ちょ、ちょっと?」アセアセ

理后「これでわたしたちお友達だね」ニコッ

沈利「そ、そうですね?」

理后「これからよろしくね。むぎの」

沈利「は、はい! こちらこそよろしくお願いします!?」アセアセ


数多「お前も容赦ねーなあ、あのコミュ障を理后にぶつけるとか」ズズ-

一方通行「理后があそこまで積極的だとは思わなかったけどな。木原くン、オレにもコーヒー」モグモグ

数多「お前が特力研に居る間に色々あったんだよ。ガキにはまだ早ぇ」ズズー

那由多「おじちゃん、こーひーのんでみたーい」ネーネー

数多「カフェオレで我慢しろ、ほら」コト

那由多「わーい! おじちゃんありがとー!」コクコク

一方通行「あ、じゃァオレもカフェオレで」

数多「テメェはもうカフェオレって年じゃねえだろ。駄目だ」ズズー

一方通行「年関係なくね!? つーかそれオレにカフェイン採るなってことか!?」

数多「正解のご褒美にコーヒーやるよ」ゴト

一方通行「いや、これ豆じゃねェかよ」

数多「食え」

一方通行「ふざけンな!」


那由多「おにいちゃんいらないの? じゃーわたしもーらいっ!」パクッ

一方通行「ば、ばか何やってンだ! 早く吐き出せ!」

那由多「おいしー!」キラキラ

一方通行「へ?」

数多「んだよ、クソガキはいらねーのか。せっかく作ったコーヒー豆型チョコレート」

那由多「こーひーのあじがするー」モグモグ

数多「そりゃコーヒー練り込んであるしな……って、まだ朝飯途中だろうが、チョコは食後にしろ」サッ

那由多「あ~ん、ちょこかえしてよおじちゃーん!」ピョンピョン

数多「だーめーでーすぅ~。少なくともピーマンあと二口食えたら考えてやるよ」ケラケラ

那由多「うぅ、ぴーまんきらい……」グヌヌ

数多「だからいつも言ってんだろ? ピーマンの肉詰め食う時は肉から先に食べるなってよ」

那由多「だってぇ……」ショボン

数多「……俺の肉やっから、さっさとそれでピーマン片しちまえ」カチャカチャ

那由多「!!」パァァァ!

那由多「あまたおじちゃんだぁいすきー!」ギュウウウ!

数多「分かったからイチイチ引っ付くな鬱陶しい!」グイグイ

一方通行(アア……オレって奇数グループでは絶対にハブられるタイプなンだなァ……)シミジミ




3時間後――――。



理后「―――そしたらびょうりさんが木原くんの頭の上のお花を見て笑い転げてたの」

一方通行「プッ……クハ……!」プルプル

沈利「に、似合わない……!」ププッ

那由多「おじちゃんかわいかったのに、どうしてびょうりおねえちゃんはわらってたのかな?」ウーン

一方通行「ヤ、ヤメ……! わ、笑い死ぬ……ぶふっ!」ククク

沈利「か・わ・い・い……あはははははは!」ケラケラ

数多「おぉっと! なんか無性にボウリングがやりたくなってきたなあ!?」ガッシィ!

沈利「ごめんなさい! 笑いすぎました! だから頭を放してください!!」ガタガタ

一方通行「木原くン! 頭はボールじゃねェ! まずは落ち着いて手を放すンだ!」ガタガタ

数多「放して良いんだな? 本当に放して良いんだな?」ニヤァァァ

沈利「きゃ――――」

一方通行「ちょ、振りかぶるのはやめ――――」




数多「飛んでけえええええええええええええええええええええええええええええええっ!!!!」ブンッ!



びゅうううううううううううううううんっ!!



沈利「いやああああああ……――――」ヒュウウウ…

一方通行「何で窓が開いて……――――」ヒュウウウ…



数多「よし、理后、那由多。今から出かけんぞ」

那由多「おでかけ!?」パアアア!

数多「1時にテレスと待ち合わせしてっから、研究所に資材取りに行って、その後は適当に外ぶらつくだけだがな」

理后「それじゃあ、わたしペットショップに行きたい」キラキラ

数多「オーケェオーケェ。ほら、さっさと支度しろガキ共」スタスタ

理后・那由多「「はーい!」」


一方通行「待てやゴラァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」スタッ

数多「チッ、生きてたか……」

一方通行「死ンでたまるか! オマエのせいで沈利にトラウマが出来ちまったじゃねェか!」

沈利「高い所こわい高い所こわい高い所こわい高い所こわい高い所こわい高い所こわい……」ガタガタガタガタ

数多「おう、良かったじゃん」

一方通行「良くねェだろ!? この状況のドコに良い要素があるンだよ!?」

数多「ちゃっかりお姫様抱っこしといてどの口がほざきやがる」

一方通行「え? あ、それは、まァ、とっさの事で仕方がなかったと言うか何と言うか……」ゴニョゴニョ

数多「とうっ」ゲシッ

一方通行「ぎゃああああああああああああああああああああああああっ!?!?!?」ヒュウウウウウ…

沈利「みぎゃあああああああああああああああああああああああっ!?!?!?」ヒュウウウウウ…

数多(理后たちが準備終わるまでこれで暇つぶしすっか)ククク



10時40分、第七学区。


~~~ペットショップ~~~


子猫「みゃぅ……」ノビー

理后「おお……」キラキラキラ

那由多「かわい~」キラキラキラ

店員「良かったらこの子抱いてみる?」

理后「良いの?」キラキラキラ

店員「もちろん。ちょっと待っててねー……。はい、抱っこしてあげてね~」スッ

理后「もふもふする」モフモフ

子猫「くぁー……」スリスリ

那由多「ねこさんおねんねのじかんなの?」ナデナデ

店員「この子は甘えん坊さんだからね。心地良いとすぐ寝ちゃうんだよ」

理后「かわいいね、なゆたちゃん」ニコ

那由多「うんっ!」ニコニコ


沈利「……」

数多「……」

一方通行「……」

子猫「みぃー……」プルプル

沈利「……」ソー


パチチッ!


子猫「にゃあああああっ! ふしゃあああああっ!」ビクゥッ

数多「プッ」ニタニタ

一方通行「……ドンマイ」ポン

沈利「うう~……」シュン



11時20分。


~~~お花屋さん~~~


理后「お久し振りです」ペコリ

店員さん「あら? まああの時の可愛らしいお客様。一ヶ月ぶりねー」ニコ

那由多「またきちゃいました!」ハイ!

店員さん「綺麗な花冠は作れた?」

理后「うん、これが写真だよ?」スッ

店員さん「どれどれ~……」ジー


金髪刺青ヤクザ面 With 花冠


店員さん「怖っ!?」ビク

那由多「このひとがあまたおじちゃんだよ!」

店員さん「まさかの事実!?」

理后「ちなみに今日来てる」アッチ

店員さん「え!? 居るの!? 来ちゃってるの!?」ビクビク


数多「やぁっぱサボテンは冠用じゃねえよな絶対……」ブツブツ

一方通行「てかサボテンを編むってどォやンだよ」

数多「あの時は俺もどうにかしてたんだよ……結局冠被らされたしな……」ウツロ

沈利「いっそサボテンに花かんむり乗せてあげたら意外と満足したんじゃない?」

数多「!? て、天才がいる!?」

一方通行「その発想はなかったぜェ……」

帝督「でも確かに理后たちなら通用しそうな方法だよな」

数多「くそっ、その方法に何で早く気付けなかったんだ……っ!!」ギリッ

一方通行「仕方ねェって。誰でもそォいう時はあるって」ポン







店員さん「……良いパパじゃない」


短いですが以上。2週間以内に来ます。もっと投下量増やします。

すみません、クリスマスや年末が近いため忙しく、投下タイミング逃しました。今年あと投下可能な日は来週に一回あるか無いかです。
水曜日か木曜日、そこで駄目なら元旦に投下となります。なるべく投下したいです。

SL連続はキツイ……

仕事の合間にこんにちは。生存報告です。

只今店がどたばたしてて>>1のプライベートがごりごりと削られています。

しかも書き溜めを確認したらなんか訳分かんない文章だったり所々抜けがあったりと、体調が悪いときに書いた部分が凄まじい有り様だったので推敲中です。

一応水曜日がお休み(かもね)なのでその日に区切りの良いとこまで少しですが投下します。


レディリーが早く出せと脳内を暴れまわってる……。

短めですが投下します。



11時50分。


~~~アイスクリーム屋~~~



理后「チョコレートミントください」

那由多「わたしばにら!」

店員「チョコミントとバニラですね。サイズは三種類ございますがどれになさいますか?」

理后「二人ともレギュラーで」

店員「レギュラーサイズですね。カップとコーンどちらになさいますか?」

理后「わたしはコーン」

那由多「わたしもこーんで!」

理后「あ、この子はカップでお願いします」

那由多「えー!」


理后「だってなゆたちゃん、コーンからアイス落としちゃうでしょ?」

那由多「おとさないもーん」ブーブー

理后「わたしのアイス半分あげるから、カップにしよ?」ネ?

那由多「むー……わかった」

理后「ん、いい子」ナデナデ

那由多「えへへー」ニヘラ

店員(ほっこりする……)ニコニコ

理后「以上でお願いします」

店員「はい、では少々あちらのお席でお待ちください」

理后・那由多「「はーい」」


一方通行「コーヒー一択で」キリッ

数多「テメェにカフェインなんざ百年早ぇ。チョコレートにしとけ」

沈利「そのやり取りもういいから」

帝督「ヤッベなにこれチョー美味ぇ!」モグモグ

一方通行「なにコーヒー豆型チョコ店内でむさぼってンだよオマエ」

帝督「いやだってこれスゲー美味いんだもん。あ、ポッピングシャワーねオレ」モグモグ

数多「くどいモンは食いたくねーし、ここはレモンにしとくか」

沈利「んーと、わたしは……」エート

数多「ラブポーションな分かった。スンマセーン、注文いいっすかー」

沈利「ちょっと待って! 勝手に決めないでよ!?」

数多「別にいーじゃねえか。テメェにピッタリな名前だろ? 恋の媚薬って」プププ

沈利「媚薬?」

一方通行「鼻薬?」

帝督「微薬?」

数多「どんどん効果がショボくなってるな」



12時40分。


~~~本屋~~~


理后「AIM拡散力場と磁石の関係。能力開発におけるタブー……」ペラ、ペラ

那由多「むむむ、このほんむずかしい……」ウーン

理后「この本はだめ。論点が的外れ。言いたいことが伝わってこない」

那由多「おねえちゃんわかったの?」

理后「ふだんから木原くんの仕事を見てるわたしに、死角はない」キリ

那由多「おねえちゃんすごーい!」キラキラ

理后「なにか分からないことがあったらなんでも聞いて」フンス








一方通行「テストは?」

数多「平均79」

帝督「得意科目は?」

数多「理科」

沈利「あの本理解できてると思う?」

数多「不可能だ」キッパリ


一方通行「頭は悪くないンだけどなアイツ」

数多「ボケーっとしてっからなあ……。問題解いてる最中にいきなりボーっとしだして全部解き終わった試しがねえ」アキレ

一方通行「勉強教えても途中で眠っちまったり……」

帝督「どこどこから信号が来ただのなんだの言ってはふらふら歩き回ったり……」

一方通行「木原くンの論文を丸暗記してるくせに何で都道府県覚えられねェンだろ……」ハァ

帝督「でもそこで甘く見ると痛い目見るんだよな。なんであいつあんな英語ペラペラなの?」

数多「ヒント、テレス」

帝督「オーケー把握」

一方通行「オ、オレだって英語くらい喋れるし!」

沈利「え? それくらい当たり前じゃないの?」キョトン

一方通行・帝督「「え」」


沈利「英語って発音しない部分とかあるから最初は大変だけど、慣れちゃえば綺麗な発音ができるようになるわよ」

一方通行「あ、あのー……」オソルオソル

沈利「ん? どうしたの一方通行」

一方通行「その、どれくらい英語ペラペラですかね……?」

沈利「んー、とりあえずそこらの英語講師よりは喋れる自信があるわね」

数多「そういやテメェのデータ見たら何ヶ国語か修得って書いてあったな」

帝督「え」

沈利「わたしが英語覚えるの早かったから、パパがどんどんエスカレートしちゃってね」

沈利「イタリア、フランス、ドイツ、タイ、中国……メジャーどころは全部覚えさせられたわね」


一方通行「……」

帝督「……」

一方通行「……オマエどンくらい英語喋れる?」

帝督「……まだ中一レベルです」

一方通行「……オレもそンくらい」

数多「那由多以下じゃねえか」

一方通行・帝督「「うわああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」」

沈利「那由多ちゃんそんなに英語得意なの?」ヒソヒソ

数多「んなわけねえだろ?」ニヤニヤ

沈利「ああ、やっぱり……」ハァ

数多「アイツにはラテン語教えてる」

沈利「チョイス!」



1時00分。


~~~ショッピングモール前~~~


数多「――――んだよ、まだテレス達来てねーのか」チッ

一方通行「珍しいな。テレスちゃンが遅刻するなンて」

数多「関係ねえ。視界に入ったら謝罪する暇も与えねえぜ」バキ、バキ

沈利「ちょっと、いきなりリンチする気満々!?」

数多「当たり前だろ、アイツから今日資材を届けて欲しいって言ってきやがったのに、それで遅刻なんて絶対認めねえ」グッ、グッ

一方通行「やめろマジでやめろこンな大通りで暴れるなよ絶対!?」

数多「それはテメェらの努力しだいだな」ニヤニヤ

一方通行「チクショウ! オレらで遊ンでやがる!」

沈利「何、何なの、体力有り余ってるの? 一日寝れば体力万全なの!?」

数多「日常生活とハメ外す時用に体力2種類用意してんだよ」

沈利「あ、ごめん。意味分かんない」



――――5分後。


テレス「……」

数多「……」

テレス「……兄さん?」

数多「……何だよ」






一方通行「」チーン

沈利「」チーン

帝督だった物「」チンチンカイカイ

理后「そこでこの数式を代入すると……」カリカリ

那由多「なるほど、これでおいしいすぽんじけーきのはいごうがわかるんだね?」フムフム






テレス「どういうことか説明お願い」


数多「ガキ共が急にトチ狂ったんだよ」

テレス「ウソね」

数多「おおぅ、即答……」

テレス「で? 何があったの?」

数多「人の言う事を素直に信じられないなんて……。お前もすっかり心が荒んじまったなぁ……」グスン

テレス「あからさまなウソに付き合ってあげるほどは澄んでないのは確かね」

数多「チッ、誰に似たんだか……」ハァ

テレス「えー? そうねえ、高校デビューして髪の毛金髪に染めた人とか?」

数多「……」

テレス「それとも、一回もブラックで飲んだ事のなかったコーヒー