女「…何で私の服着てるの?」 少年「」(482)

一部閲覧注意描写ありです

苦手な方はスルーしてください

3月24日 AM9:30

女「…はよー」ゴシゴシ

母「あっ、女!遅かったじゃないの!」

女「だって、今日から春休みだよ…。ゆっくり寝せてよ」フワ

母「そうじゃないでしょ!今日は少年君が家に来る日だったでしょうが」

女「…あ、そうだった」

母「部屋の掃除とかしなきゃならないの。手伝って!」

女「はーい…」

女(少年君、か。久々に会うなぁ…)

母「ほらっ、早く着替えた着替えた!」

少年君とは、お母さんの友達の息子です。

…多分、今年で中学2年生。だったはず

私より2歳年下で、なかなか引っ込み思案な奴でした。

春休みの間、両親の都合からこっちで預かることになったそうですが

……正直、短い春休みを他人と一緒に過ごすのは、少し憂鬱です。

女(…着替え完了。あーあ、リビングの掃除くらい昨日したらいいのに)

女「お母さん、私何すれば…」

母「あっ、玄関の掃除して!靴はなるべく靴箱に入れなさいよ!」

女「へいへい…」

女(…面倒くさいなぁ。今日はゴロゴロしたかったのに)

女(うわっ、お母さんの靴ばっかじゃん)

女(全くもー…)ゴソゴソ

女(…玄関ポーチもほうきで掃いておこうかな)

女「…うわ、案外寒いっ」ブルッ

女(このワンピース、ちょっと薄着だったかなー。でも、マシなのってこれしかないし)

女(早く終わらせてよう)サッサッ

「…」

女(…何だあの男)

「…」ジー

女(…めっちゃこっち見てる…)

女(え、変なの…)

「…」

女(い、いや気になる)

女「…あ、あのー」

「あ、あのっ」

女「あっ」

「あっ」

女「お、お先にどうぞ」

「さっ、先にどうぞっ」

女(ええええ何このシンクロ率)

女「えっと、いえ。お先にどうぞ…」

「あ、えっと…。こ、ここって女さんのお宅、ですか…」

女「え?はい、私の家ですけど…」

女(ん?ってまさか)

女「…君、少年君?」

少年「はっ、はいっ。お久しぶりですっ」コクコク

女(…わーお)

驚きました。

1年前会ったときは、私より背の低かった彼が

いつの間にか私よりちょっと高いくらいになっていました。

あいかわらず、女の子みたいにヒョロくて白いのは変わっていませんが…。

女「う、うっわ…。久しぶり、少年君!すごい背、伸びたね!」

少年「はっ、はいっ。バスケやりはじめたので…」

女「バスケ!?えええすごい、バスケ部入ったの!?」

これまたびっくり。

彼はどちらかと言うと地味な部類でした。

将棋部とか漫画研究部とか帰宅部とかが似合う奴でした。

女「えええ、何か、変わったね…」

少年「そ、その…。女ちゃんも、ちょっと変わりましたね」

女「そうかな?」

少年「髪、伸びてるし…。大人っぽくなりました」

女「え…?あはは、自分では全然気づかないしなぁ」

母「あらーー!少年君!!!」

女「あ、お母さん」

少年「あ、おばさん。お久しぶりです」ペコッ

母「あらあら…!見ない間にすっかり男前になったわね!」

少年「!?い、いえ…」カァ

女(そうかなー、相変わらず女の子みたいだけど)

母「疲れたでしょう、取り合えず中に入って!」

少年「はい。お邪魔します」

母「駅から歩いて来たの?」

少年「はい」

母「まあ、遠かったでしょう!喉渇いてない?女、お茶だして!」

女「…はいはい」

少年「…」チラ

女「…」

少年君はいっつもうつむいてるような奴でした。

話しかけても、はにかんで目も見てきません。

下を向いたまま、チラッと一瞬見上げてくる動作が、すごく懐かしいと思いました。

女「はい、どうぞ」コトッ

少年「あ、ありがとう…」

女「いえいえ」

母「それにしても、最近どうなの?運動部に入ったんだって?」

少年「はい。バスケしてます」

母「まあ、すごいわねぇ!勉強も、頑張ってるんだって?」

少年「い、いえそんな…」

母「偉いわぁ。うちの女なんて…」

女(やめてくれ)

お母さんは1年の壁など気にせず、グイグイ行く人です。

…少年君は、始終困ったような笑みで質問に答えていました。

3月24日 AM11:00

速報、ついに少年君がお母さんの長話から解放される。

母「じゃ、そろそろお部屋に案内するわね…。二階だけど、いい?」

少年「はい」

母「空いた部屋が一つしかなくてねー。女が隣にいるから、うるさくしたらごめんなさね」

女「お母さんっ」

母「あら。本当のことじゃない」

女(ううう、口塞いでやりたい)

母「はい、ここよ。荷物はクローゼットに入れてくれていいから」

少年「はい、ありがとうございます」

母「女、少年君に迷惑かけないで生活しなさいよ」

少年「そ、そんな…」

女「…」フン

母「じゃあ、私夕飯の買い物に行ってくるわね。ゆっくりしてて」タタタ

女(!?こ、このタイミングで買い物!?気まずい!)

少年「…」

閲覧禁止の内容がわかんないよう

女「…えーと。ごめんね、お母さんうるさくて」アハハ

少年「いえ…そんな」

女「…えーと…」

少年「お、女、さん」

女「な、なに?」

少年「…えっと、高校楽しいですか」

女「えー…。うん、まぁまぁ。でも勉強きついよ」

少年「…そうですか」

>>15

察してくれ…

シーン

女(出た出たこの空気…)

少年「あの…。その、何か、雰囲気…変わりましたね」

女「お、そう?」

少年「はい、…女の子っぽくなりました」

女「なんじゃそりゃ。前が男みたいだった?」クス

少年「い、いえ!そうじゃなくって…!」

女「んふふ、高校生だからねー。まあ色々あるさ」

女(結構普通に喋れるな…)

少年君は、自分からはあんまり喋らないタイプでした。

そのくせ、会話が続かないと申し訳なさそうな顔をするのです。

女「でも、少年君も大分大人になったよ。相変わらず童顔だけど」

少年「そ、そうですか…?」

女「っていうか、眼鏡外したんだね?コンタクト?」

少年「はい、コンタクトにしました」

女「ふーん…。ちょっと格好よくなったね」

お世辞ではありません。

大きくて綺麗な目と、白くてスベスベした肌。少年君はなかなか美形でした。

少年「え、ええ…そ、そんな」カァ

女「そんな赤くならなくても。いや、本当だからね」

少年「……」カァァ

女(反応が女子。まるっきり女子。私より女子)

少年「すみません、あの、荷物、片付けます…」

女(あ、逃げた)

3月24日 PM1:00

女「ごちそうさまでしたーっ」

少年「ごちそうさまでした。美味しかったです」

母「あら、嬉しいわ、そういってもらえて」

少年「あ、洗い物僕がやります」

母「ええ!?…いいの?じゃあお願いするわ」

少年「はい」

女(うっわ偉っ)

母「…あんたも手伝いなさい」

女「言われると思いましたー。やりますよー」ノソッ

女「少年君、流れ作業しよ。洗ったのこっちちょうだだい。拭くから」

少年「は、はい」

女「~♪~♪」フキフキ

少年「…」チラ

女「ん?」

少年「い、いえっ何もっ」

女「…くす」

少年「な、何で笑うんですか」

女「いや、少年君ていっつも困ったような顔してるなぁって思って。そこは変わらないよね」

少年「…!」

女「それに、相手の顔をこう、上目遣いでちらって見てくるの。懐かしいー」クスクス

少年「お、女さんだって」

女「?」

少年「そ、そういって僕をからかうところ…変わってませんよ」

女「そうかなー?」

少年「全然、変わってないです!すぐ僕にちょっかい出すところとかっ」

女「あはは、そうだったっけー」

少年「…そうですよ」

女「ちょっかいって…例えばこんな?」プニ

少年「!ひゃっ…」

女「あははは、相変わらず脇腹弱いんだねー」ニヤニヤ

少年「…!」カァ

少年「なっ何するんですか」

女「うわー、こわーい。怒ったー。真っ赤だし」クスクス

少年「…!」

女「本当、なつかしー。このやり取り、一年前もしたよね」

少年「…はい」ムスッ

女(良かった、調子が戻ってきた)

女(ぎこちない感じだったら嫌だなあって思ったけど、これは上手くいくかも)

3月24日 PM3:00

コンコン

少年「…はい」

女「やっほー少年君。トランプしようぜ」ニコニコ

少年「女さん…いいですよ」

女「お邪魔しまーす。うわ、綺麗にしてるんだね」

少年「物が多いと、落ち着かないんですよ…」

女「へえ、そうなんだ」

3月24日 PM4:00

女「やったあああアガリィイイ!!」

少年「…ええ…」

女「少年君、弱いねぇー!全然上達してないじゃん!」

少年「も、もう一回。もう一回しましょう」

女「うーわ。そのセリフ聞くのもう5回目な気がする」

少年「なんで勝てないんですかぁ…」

女「意外と顔にでてるのよー」

3月24日 PM9:00

女「いやいや、それは無いってー」ケラケラ

少年「本当ですって。だから僕、言い返したんです…」

母「おーい、女ー」

女「あ、呼ばれちゃった。はーい、何ですか」

母「あんた、少年君と仲良く話してるのもいいけど、お風呂はいったの?」

女「あ、忘れてた…」

少年「行ってらっしゃい」

少年「…あの、僕、ちょっと部屋に戻ってます。片付け終わってないので」

母「あら、そんな気にしなくていいのに」

少年「…」タタタ

母「行っちゃった…。本当、良い子ねえ」

……


ガチャ

少年「…」ゴクリ

3月24日 PM9:30

女「ふー、良いお湯でした」フキフキ

女(…あれ、少年君どこ行っちゃったんだろう。二階かな)

女(よし、ババ抜きニ回戦といきますかね)クス

コンコン

女「おーい、少年君ー」

女「…おーい?」

女「…入るよ?」ガチャ

女(…あれっ、いない)

女(電気ついてるからいると思ったのに…。どこだろ)

女(…ま、いいか。とりあえず自分の部屋戻ってトランプ取ってこよう)バタン

女「…あれ」

女(私の部屋、電気ついてる?)

女(おかしいな…付けっ放しだったけ?)

女「…」

そのときの事は、よく覚えています。

女(…物音?)

私の部屋からする、微かな物音。

女(…?)

そして、くぐもったような息遣い。…人の気配

女「…」

恐る恐る手をかけたドアノブが、やけに冷たかった。

女「…」キィ

ドアをゆっくり開けた瞬間に

女「…誰か、いるの?」

目に入ってきたのは

「…!!」

女「…え」




女「少年、君…何で私の服、着てるの…?」

少年「…!」

目の前に座り込んで、呆けた表情をしている少年。その顔から、ゆっくり色が抜けていきました

女「…え?」

大きな黒目がちな目、長くて細い髪の毛、少女のような華奢な体。

女「なに、してるの…」

…そして、その体にまとわりついた私のワンピース。

少年「…」

女「…少年君?」

女「…」

少年「…ごめん、なさい…」

私の顔を見上げながら、彼は震える声で言いました。

女「…え、っと」

少年「…ごめんなさい、ごめんなさいっ…」ガタガタ

私は

女「…えっと、少年君…。とりあえず、脱いでもらっていいかな…?」

少年「…!」

女「それ、私のだよね?…えっと、伸びちゃうかもしれないから、脱いで」

少年「…」ガタガタ

女「…あ、見ない。見ないから、早く」パッ

少年「は、はい…」

後ろから、衣擦れの音。

女(…な、んだこれ)

女(とんでもないものを見てしまった気がする、頭追いつかない)

女(…え、なに。本当これなに)

女「…えっと、もういい?」

少年「は、い…」

振り返ると、きちんと男物のパジャマを着た彼が立っていました。

一瞬、彼が何をしていたか忘れそうになります。ですが

女(…足元に、脱いだワンピース…)

少年「…」ガタガタ

女「…えっと、どうしよ…」

女「…」スッ

少年「…っ!」ビクッ

女「えっと、ごめん。皺になっちゃうからハンガーにかけるね」

少年「…」

女「…」カチャカチャ

女(お、大きな声出さないだけ大人になった)

女(怒ってるわけじゃない、けど。な、なんだこれ。本当に訳がわからない)

少年「…」ガタガタ

女「…あの、さ」

少年「…っ」ピク

女「こう、なんていうのか…。女の子の服が、好きなのかな」カチャカチャ

少年「…」

女(顔、真っ白…。声出せないのかな)

女「ごめん。いいよ答えなくて…よし」パン

少年「…ごめんなさい、…許して…」ガタガタ

女「えっと、怒ってない!怒ってるわけじゃないの!」

女「えーと、でも。びっくりしない?いきなりこんな…」

少年「…」コクコク

女「そ、そうだよね。あはは、泥棒じゃなくてよかった」

少年「…」

女(え、これどう展開すりゃいいの)

少年「…ぐすっ」

女「!え、え?」

少年「女っ、さんっ…。違うんですっ、ぼ、僕…」ポロポロ

女「えええ、な、泣かないで泣かないで!」

少年「うっ、ぐすっ…ううっ…」ポロポロ

女「怒ってない!そ、それに誰にも言わないから!」

少年「…」ポロポロ

女「えーと、ごめん!もう、いいから…。私も、忘れるから…」

少年「…え」

女「本当、気にしないでいいから!魔が差しちゃったんだよね?」

少年「…」ポロポロ

女「…と、とりあえず。落ち着いて、自分の部屋もどろっか」

少年「は、はい…。ごめん、なさい…」

女「いいから!お、おやすみ!」

バタン

女「…」

女「ええええ…」

女(ど、どうしようこれ。どうしよう)

女「…」チラ

女(隣の部屋…ち、ちゃんと帰ったよね)

女(…びっくりしたなー)ボフン

女(…明日から、どうしよう)

女(お互い気まずいままなんじゃ…)

女(…)モンモン

女(…別に、怒ってるわけじゃないけど)

女(…ただ…)

女(…なんか)

私に見つかったときの、彼の凍りついた顔。

恥ずかしさと情けなさと、申し訳なさが混ざった、蒼白の顔。

女(…)

座り込んだまま、上目遣いで私の顔色をうかがう顔。

震えながら、何度もごめんなさいをする顔。

女(…)ゾク

女(…な、なんだ今の。何で震えが)

女(…ああ、もう…)

女(寝よう。何も考えたくない…)

女(…無理だろうけど)


春休み1日目 終了

3月25日 AM7:00

女「…」ボー

母「あんた、何ボーっとしてんの。…隈ついてるし」

女「いえ、別に…」

母「まーた遅くまで漫画かなにか読んでたんでしょ、全く」

女「…」

「…おはようございます」

女「…」ピク

たまらんな

少年「…」

女(…うわ…)

母「あ、おはよう少年君、朝ごはんあるわよ」

少年「はい、ありがとうございます…」

女(…み、見れない)

少年「…」モソモソ

母「じゃあ、私は仕事に行ってくるから。あとのこと、頼んだからね」

女(…お母さん、見捨てないでぇ)

少年「行ってらっしゃい、頑張ってください」

女「いってらっしゃい…」ムス

母「おう!じゃあね」

バタン

女「…」

少年「…」

女(…き、気まずすぎる)

少年「…あ、あの」

女「は、はい!?」ビク

少年「…き、昨日、のこと」

女「あ、あああ…。えーっと、気にしてないから、本当」

少年「ごめんなさい、僕、どうかしてたんです!…こ、怖かったですよね?」

女「こ、怖がる?」

女「ううん、全然。引いてないし、本当に驚いちゃっただけだから」

少年「で、でも。勝手に部屋に入って…」

女「そ、それはいけないことだよね」

少年「ご、ごめんなさいっ…」

女「う、うん。良いよ、許す」

少年「…」

女(あ、また泣きそうな顔…)

女「…」ブルッ

女(…お?)

女「あ、あのさ。早くご飯食べなよ!冷めちゃうよ!」ニコ

少年「は、はい…」

少年「…」モグモグ

女(会話、会話しないと。きっと萎縮しちゃってるから…)

女「えへへ、お母さんの作るご飯、美味しいでしょ?」

少年「…は、はい」コクン

女「…テレビとか見る?あ、教育テレビで今面白いのやってて…」

少年「…」

女「…少年君?」

少年「…うっ…」ポロッ

女「!な、何で泣いてるの!?」

少年「……っ」フルフル

女「な、泣かないでいいんだよ!ね?」ナデナデ

少年「だっ、だって…。僕、あんな酷い…気持ち悪いことっ、したのに…」ポロポロ

少年「お、女さん…僕に、まだ優しくしてくれてっ…」ポロポロ

女「…!」

女「…そっか」

少年「ごめんなさい、僕、なんて気持ち悪くって…っ」ポロポロ

女「…だって、悪気は無かったんでしょ?」

少年「…」コクコク

女「じゃあ、よし!」

少年「…」グスッ

女「…もー、じゃあ仕方ないな…」

女「ほら、ちょっと来て」グイ

少年「!え、え…」

女「いいから、早く!」

少年「な、何ですか…?」

女「はい、いいから早く入る!」ドン

少年「わっ…」

バタン

少年「こ、ここ女さんの部屋…」

女「…えーと」ゴソゴソ

少年「な、何してるんですか」

女「んー?決まってるでしょ、服出してるんだよ」

女「はいっ、見て。この中から選んで」

少年「え、え…?どうして…?」

女「だぁかぁら。黙って着ちゃったのは良いとして、興味があるんでしょ?」

少年「…!」カァ

女「そういうの、隠さないといけないし、辛いでしょ…。いいよ、私の貸してあげる」

少年「!そ、そんな」

女「遠慮しないでいいって。ほら、これなんかはどう?」

少年「……」カァァ

女「ほら、このスカートとカットソー合わせて…」

少年「だ、駄目ですよ、そんな…」

女「え?何が駄目なの?」

少年「お、女さんの服、なんて…。ぼ、僕」カァァ

女「…」ゾク

女「…昨日は黙って着てたくせに…」ボソッ

少年「…え?」

女(…んんん!?な、何言ってるんだ私!)

女「ごっ、ごめんっ。今の忘れて。…遠慮しないでいいんだよ!ほら!」グイグイ

少年「ん、んむっ…で、でも」

女「我慢はよくない!よくないから!」グググ

少年「わ、分かりました!き、着ます!着ます!」

女「よ、よし…(何かこっちが着せたいみたいになってません?)」

少年「…う」カァァ

3月25日 AM8:00

女「…着替えたー?」

「…はい、でもっ…」

女「失礼しまーす」ガチャ

少年「!だっ、だめっ…」

女「…くす」

少年「……っ」カァッ

女「可愛いじゃん。似合ってるよ」

結局、カットソーとスカート、黒タイツを貸してあげました。

いかにも女の子といった格好ですが、華奢な彼が着ると違和感はないのです。

女「…でも、ちょっと着方がおかしいかな…ごめんね」スッ

少年「!」ビク

女「よいしょ。ここは、もっとあげて…。うん、良い感じ」

少年「…う」

女「んふふ、本当に女の子みたいだよ」

少年「…」カァァ

女「ちょっと立って、くるって回ってみてよ」

少年「え!で、でも」

女「いーいーかーら。ほらっ」

少年「…」クルン

女(…うわ、足細っ。お尻も、ちっちゃい…)

女(へ、へこむなぁ。私より似合ってるんじゃないのこれ)

少年「あ、あのっ」

女「すごい…。マジで女の子だこれ」

少年「あ、足が…変な感じなんですけど」モジモジ

女「あ、寒い?」

少年「そ、そうじゃなくてっ…。な、なんかスースーして」

女「女の子はこんな気持ちでスカート履いてるんだよー」

少年「…っ」

女(…待てよコレ、化粧とかでもすれば本当に化けるんじゃ…)

女(敗北感がはんぱない…)

少年「あ、あのこれ…何時まで着てればいいんですか…」

女「え?お母さんが帰ってきたら着替えればいいじゃん」

女「それまで貸すからさ。…嫌?」

少年「い、嫌じゃ、ないですけど…っ。恥ずかしい、です…」

女「私しか見てないから、良くない?」

少年「…っ」カァァ

女「…ねえ、少年君って…その、こういうのってさ…」

女「…男の娘、って言うんでしょ?」

少年「!!?」ガタッ

女「え、違うの?」

少年「わ、分かりません!知りませんっ」

女(あ、この反応絶対知ってるわ)

女「…いつから?」

少年「…い、いつからって…」

女「話したくない?」

少年「…い、いえ…。あの、はっきりした時期とかは、ないです」

女「お家とかでしたことは?」

少年「お、お母さんの服でってことですか?…ないです」

女「あはは、お母さんの服はちょっと違うもんね」

少年「…」

女「あっ、ご、ごめん…。デリカシーないこと聞いちゃった」

少年「い、いいんです。僕のほうが、酷い事しちゃったし」

女「いやいや、本当に気にしてないから」

オナニー狂の兄の人?

3月25日 PM11:30

<デハ、ツギノニュースデス

少年「…」モゾモゾ

女「…あのー」

少年「は、はい?」

女「そのう、…足、閉じないと見えちゃうよ…」

少年「!すっ、すみません、すみません!!」バッ

女「無意識だもんね…。内腿に、こう、力を入れないと」

>>66
いいえ、違います

少年「…こう、ですか」

女「そうそう。で、足を斜めにするの」

少年「…」スッ

女「女子アナ座りの完成ー」クスクス

少年「…なっ」

女「すごい、清楚なお嬢様ってかんじがするよ」

少年「お、お嬢様…」

女「…うーん、ちょっと悔しいかも」

<~♪ ~♪

女「あ、電話だ」

女「もしもーし?」

「おーう、もしもし。女か?」

女「あ、幼馴染ー!どうしたの急に」

少年「!」ピクン

「いやさ、数学の宿題の範囲忘れちゃってよー。どこだっけ?」

女「はぁー?ちゃんとメモとっときなよ…。えっと、テキストの15ページまでだよ」

「おう、そんなにあんのか…。早くやって早く楽になるか」

女「計画的にやりなよー」

「ところでさ、お前明日空いてる?教えて欲しいところあんだけど」

女「え、明日…?」チラ

少年「…」ジッ

女「まあ、一応は暇だけど…」

「じゃあさ、お前の家行っていいかー?礼は用意するから」

女「…んー、いいよ。ジュースとエクレアで手を打とう」

「はいはい、じゃあ、明日なー」

女「ばいばい」

ガチャ

少年「…あの、今の人って」

女「ん。幼馴染だよー。夏休みとかに一回会ったはずだよ?」

少年「…えっと、覚えてないです」

女「そう?…明日勉強教えることになったんだけど、いい?」

少年「はい…」

女「まあ喋りやすい奴だから、気にしなくていいからね」

少年「この家で、ですか?」

女「うん…そうだけど?」

少年「…い、いえ。結構あっさり家に上げるんだな、って…」

女「ああ、お母さんもそのへん緩いからねー」

少年「そ、そうですか」

女「まあ、幼馴染だからねー。別に気兼ねしなくていいし」

少年「…」

3月25日 PM6:00

女「やっ、やめて!来ないでっ!」

少年「…くす」

女「きゃああああああああ」

<ピッ♪

少年「はい、キングボンビーあげます」クスクス

女「ゆ、許さん…許さんぞ貴様」ワナワナ

少年「女さん、カードゲームは強いのに、桃鉄はからっきしですね」

女「まず日本の地理がダメなんだよねー」ムスッ

少年「そうですか?県庁所在地とか覚えるの、楽しくないですか?」

女「ええー、ぜんっぜん!面倒くさいもん」

少年「意外と簡単なんですけどね」

ガチャ

「ただいまー」

女・少年「!!!!!!!」

「ああー、つっかれたー」

女「やばいやばい!は、早く二階に!」グイ

少年「はっ、はい!」

ドタドタ…

女「は、早く脱いで!」

少年「は、はいっ…。あ、あれ?」モゾモゾ

女「どうしたの?お母さん上がってきちゃうよ!」

少年「ごっごめんなさい…。あ、あれっ…。なに、これ」

女「…っ」イラッ

女「動かないで!脱がせてあげるから…」ガシ

少年「!え、え…!?」

女「動かないでって!引っかかっちゃうから…」モゾモゾ

少年「……!」カァァ

「女ー?少年君ー?ただいまってばー」

女「…」モゾモゾ

少年「…っ、はぁ…」カァァ

女「はい、ばんざーい」

少年「わ、わわっ」

女「ふぅ、上脱げた!はい次、スカート脱いで!早く」

少年「え!?や、やだっ…」

「おーい?二人ともー?上なのー?」

女「ほ、ほら!ハリーハリー!」

少年「しっ下は!じ、自分でできます!」

女「…」ハッ

女「…ご、ごめん!そうだよね」パッ

少年「…」カァ

女「く、くっついてごめん!いや、ちょっと手伝おうと…」

女「で、出るから!お母さん止めてくる!」ガチャ

バタン

少年「…」

少年「…はぁ…」ヘタ

少年(…よ、良かった…。…「見られ」ずに、済んだ…)

女「お、お母さんお帰りー」タタタ

母「あ、やっぱり上にいたのね。駄目じゃない、ゲーム付けっ放しで」

女「ごめんごめん」アハハ

「お、お帰りなさい…」

母「ただいまー、少年君」

女(…危なかったー)

女(あんまりにもナチュラルだったから、忘れるところだった…)

3月25日 PM9:00

コンコン

女「少年君、入って良い?」

少年「…はい」

女「失礼しまーす」ガチャ

少年「どうかしましたか?」

女「いや、脱ぎっぱなしの服、回収しに来たの」

少年「あ、あります。貸してくれてありがとうございました」スッ

女「うわ、めっちゃ綺麗に畳んであるし…。几帳面だね」

女「じゃあ、小分けにして洗濯しないとね…。怪しまれちゃうし」

少年「す、すみません…」

女「いいのいいの。…それより、どうだった?」

少年「え?ど、どうって?」

女「着てみた感想だよ!どうだった?ねえ」

少年「…え、えっと」カァ

女「変な感じ?」

少年「…へ、変、かもしれません。なんかフワフワしてて、色んな所見えちゃいそうで…」

女「あー、確かに…。スカートなんて新感覚だもんね」

少年「は、はい…。で、でも」

女「?」

少年「ちょ、ちょっと良い気分でした」

女「マジか!そっかそっかー!貸しがいがあったよ!」バンバン

少年「でっ、でもやっぱり恥ずかしいほうが大きいです!」

女「えへへー。すぐ慣れるって。春休みは長いんだから、いっぱい楽しもうよ」

少年「は、はあ…」

女「…でも、こんなことで仲が親密になるとは思わなかったなー」クス

少年「!そ、そうですか?」

女「うん。なんかぎこちない感じになるかなって思ったけど」

女「良かったー。なんか、二人の秘密みたいでいいね!」ニコ

少年「ふ、二人の秘密ですか…」

女「そうだよね?私が初めてだよね?」

少年「…!」コクコク

女「…じゃあ、もって行くね」

少年「は、はい。ありがとうございました」

女「今度ファッション雑誌も貸してあげる。一緒に見ようね!」

少年「は、はい」

女「ああ、何か妹できたみたいで楽しいなぁ。じゃあね!おやすみ」

バタン

少年「…」

少年「妹、かぁ…」

女(…ふー)

女(今日は楽しかったなー)ボフン

女(何か、スタイリストになった気分だし…)ニヤニヤ

女(…それに、照れてる少年君も新鮮だったし)

女(…)ブルッ

女(…まただ。何なんだろ、この震えと鳥肌)

女(…ま、いいや。寝よう…)

女(…明日は、どんな服を貸してあげようかな…)

目を閉じました。

今日体験した、楽しい事を思い出します。

女(…明日こそ、キングボンビーつけてやる)

二人での昼食、ゲーム…

女(…)

ですが、何故でしょう

女(…)ゾク

…泣いてる彼、困った顔をする彼、不安そうな彼のことばっかりが気になるのは。

3月26日 AM7:00

母「じゃあ、行ってくるからね」

女「はーい、行ってらっしゃい」

少年「行ってらっしゃい」

バタン

女「…さて」チラ

少年「…」ビク

女「ふふ、今日はどんな服にしようか?」ニコニコ

少年「きょ、今日も…ですか」

女「嫌なの…?」

少年「嫌じゃない、です。けど…」

女「なら問題ないね!さ、行こう」グイ

少年「あ、ちょ…」

女「昨日はタイツとスカートだったし、ハードル高かったのかなー」

少年「…」カァ

女「はい、自由に選んで、どうぞ」

少年「え…?僕、あんまり組み合わせとか分からないですよ…」

女「じゃあ、手伝うから!今日はスカートな気分?それとも、パンツ?」

少年「…ズ、ズボンがいいです」

女「じゃあ、このキュロットとかはどう?」

少年「!か、可愛い…」

女(おお、良い反応)

女「じゃあ、このキュロットと…。レギンスにしようか」

女「はい、じゃあ着替えてきて」ポン

少年「は、はい…。でも、今日って」

女「?今日がどうかした?」

少年「幼馴染さんが来るんじゃないですか?ぼ、僕この格好…」

女(…幼馴染)

少年「き、着たいですけど。人前はバレちゃうんじゃ…」

女(…)ブルッ

女「いや、絶対バレないよ」

少年「…え」

女「少年君って、髪が長くてボブみたいなかんじだし…」サワ

少年「!」カァ

女「今日は結構、ゆったりめの格好だから、ラインも分からないよ…」

少年「そ、それって」

女「大丈夫だよ…。どこからどう見たって、女の子だもん…」クス

少年「お、女さん…!?」

女「…早く着替えて?」

少年「え、で、でも」

女「早く…ね、お願い?」

少年「!は、はい」

バタン

女(…髪はきちんと梳いて、ちょっとだけリップも塗って)

女(声さえ怪しまれなければ…)

女(…って、何!?何考えてんだ!?)

女(あああでも、何か見せたい!幼馴染に見せたい!)

少年「き、着替えました」

女「おお、似合う似合う!ほら、ちょっと髪いじるからね?」

少年「は、はい」

女「はい、カチューシャつけて…。うわっ、誰この美人さん」

少年「…そ、そんな」カァ

女「いやもうこれ、バレるはずない!絶対ばれない!」

少年「…本当にこの格好で会わなきゃいけないんですかぁ…」モジ

女「そんな泣きそうな顔しないでよー。自信もって!」

少年「で、でも…。声とか、動作とかでバレちゃうかも…」

女「…」ブルッ

女「だ、大丈夫だって…。バレそうだったらフォローするし」ナデ

少年「で、でもっ…」

女「…言う事聞いて?ね?」

少年「…!」

少年「は、い…」

女「やった。ありがとう」ニコッ

3月26日 AM10:00

「よーっす、お邪魔しまーす」

少年「…!」ビクッ

「おう。ちゃんとブツは持ってきたんだろうな」

「へいへい。ちゃんと持ってきましたよ」

少年(…ど、どうしよう。来ちゃったっ…)ビクビク

「あれ?靴一足多くない?誰か来てんの?」

「えへへ、知り合いの子ー」

少年(む、無理っ。こんなの、上手くいくわけ…!)

…言う事聞いて?ね?

少年(…!)ゾク

少年(…う、ううっ…)

ガチャ

幼馴染「…あれ」

女「…」

少年(…っ!)バクバク

幼馴染「…うわ、はじめましてー。幼馴染です」ペコ

少年「!」

幼馴染「お前、こんな可愛い友達いたのかよー!紹介せんか!」

女「嫌だー」クスクス

女「良かったねぇ、可愛いだってー」

少年「!そ、そんな…」カァ

少年(え、え?バレないの?…嘘!?)

女「じゃあ、皆で勉強会しようか」

少年(か、体の力抜けそう…)ハァ

女「じゃあ、ちょっとお茶淹れてくるね!待ってて」タタ

少年「!!?お、女さ…」

幼馴染「ねえねえ、君、名前は?」

少年「はっ、はい!?え、えっと名前…!?」

少年(お、女さんの馬鹿…!どうして傍にいてくれないの…!え、えっと…!)

少年「あ、あの。しょ…少女です」

幼馴染「へー、少女さんか」

幼馴染「え、高校生?」

少年「…ちゅ、中2です」

幼馴染「へえー、何か大人っぽいんだね」

少年「そ、そんなこと…」

女「はい、幼馴染紅茶でよかったよね?」

幼馴染「おーう、あんがと」

少年「…」ホッ

少年(よ、良かった…。ボロ出そうで怖かったよ…)

少年「お、女さんっ」ジロッ

女「えへへ、ごめん」クス

幼馴染「?どうした?」

女「いやいや、この子ちょっと引っ込み思案だからさ。一人にするなって怒られちゃった」

幼馴染「え、そうなんだ。あ、でも俺の事はきにしないでいいから!少女さん」

女「少女…、か。そうだよ。こいつ何か無視したらいいんだから」

少年「…え、ええ…?」

幼馴染「ちょ、それはねーだろうが!」

3月26日 PM11:00

少年(…あ、足しびれてきた…)ジンジン

少年(お、女の子ってどんな座り方してたっけ…。もう分かんないよ)

女「だから、ここにxを代入すんだって!何回言えば分かるの?」

幼馴染「はぁー?今の一回しか言ってないし」

女「だったけ?でもこれくらい分かれよ!」

幼馴染「えーーー」

少年(…楽しそうだな)

幼馴染「あーーもう無理。優しさが足りないんだよお前」バタン

少年「!」サッ

女「だって説明しても同じところでミスるじゃん…。ね、しょう…じょ!」

少年「え?は、はい…」

幼馴染「ひでー。二人ともひでー。バファリン見習えよ」

女「半分は優しさってことか。やかましいわ」バシッ

少年「…」クス

幼馴染「よし、休憩すんべ」ゴロン

女「1時間経ってないんですが」

幼馴染「ねえ、少女さんってマリオカート好きー?」

女「聞いてくれ…」

少年「あ、好きですけど…」

幼馴染「よっしゃ、やろう!息抜きしよう!」

女「ダメ人間の権化だお前は」

>>102

あ、間違えた。

3月26日 AM11:00です

幼馴染「ブイーンヒャッハッハッハwwwwwww」

女「いけええ、ゲッソー!」

幼馴染「うわああああああ鬼いいいい」

少年「…」モジモジ

少年(あ、足…っ。本当にやばい…)

女「あーあ。負けちゃった…。ねえ、少女次幼馴染とやりなよ」ポン

少年「え、え?」

幼馴染「ふっふっふ、ウェルカム少女さん」

少年「じゃ、じゃあ」スク

少年(…あ)グラ

女「!少年っ…!?」

幼馴染「うわっ、危ねぇっ」タッ

ガシッ

少年「…あ、ありがとうございます」

幼馴染「いやいや…。足痺れてたの?崩せばよかったのに」

女「び、びっくりした。大丈夫、少女?」

女(あっぶない、今反射的に少年って言っちゃった…)

少年「だ、大丈夫です」

幼馴染「…?」

女「ちょっと幼馴染、あんた何時まで触ってんの」

幼馴染「…あのさ、少女さんって何かスポーツやってる?」

少年「え」

幼馴染「いや、意外と肩の筋肉とかあるんだなーって。違う?」

少年「…!」

少年(ど、どうしよう、体…女の子じゃないってバレ…)ガタガタ

女「…」ブルッ

女「あー、女子バスケット部なんだよね?少女?」

少年「え?あ、は、はい…」

幼馴染「へー。女の子なのに結構筋肉あるんだなー、たくましいわ」

女「微妙なこと言うな、そして離せ」バッ

少年(よ、良かったぁ…っ)

3月26日 PM3:00

幼馴染「じゃあ、そろそろ俺帰るわー」

女「結局ほぼゲームしてたじゃん」

幼馴染「そこは言うな」

幼馴染「んじゃあ、お邪魔しましたー」

少年(な、長かった…。すっごく疲れたかも)

幼馴染「…少女さんも、またね!」ニコ

少年「は、はい!さようならっ」ペコ

少年「…はぁあ…」ヘナッ

女「お、お疲れ様少女ちゃん」

少年「からかわないでくださいっ。ド、ドキドキしたあ…」

女「ごめん…。疲れたよね?でも、全然バレてなかったよ」

少年「う…」

女「ほら、やっぱりちゃんと女の子に見えるんだよ!自信持って!」

少年「は、はい…」

女「無理させちゃったね…。もう大丈夫だから」

3月26日 PM9:00

女「ちわー、お洋服の回収に来ました」ガチャ

少年「!!」バッ

女「あ、ご、ごめん。ノックし忘れちゃった」

少年「あ、あっ…」

女「…漫画、読んでたの?ごめん、邪魔しちゃったかな」

少年「い、いえっ。大丈夫です」

女「あ、服もらうね…。なんか、今日は本当ごめん」

少年「い、いいです。バレなかったし…」

女「なんかさあ、本当に可愛くて、感動しちゃって…。見せたくなっちゃった」

少年「か、可愛いなんて」

女「んー。幼馴染も鼻の下伸ばしてた気がするよ」

少年「…なんか騙して申し訳ないです」

女「いいって…。多分。あのさ、少年君」

少年「はい?」

女「明日さ、近くのショッピングモールでセールがあるんだけど」

少年「い、嫌な予感がするんですけど」

女「じゃあそれ、当たりだー。ねえ、私、姉妹でショッピングとか憧れなんだー」

少年「むむむ、無理!無理ですって!」

女「いや、マジで問題ない。幼馴染が騙せたんだから」キリ

女「心配なら、ちょっとお化粧もしてあげるからさー」

少年「…っ」ブンブン

女「…えー、でも。可愛い洋服とか見れるよ」

少年「恥ずかしいです!本当に!」

女「でも、幼馴染から可愛いって言われたんだよ?」ジリ

女「私もすごく可愛いと思うし…。ね、何だか気分よくなかった?」

少年「え、ええ?!」

女「自分が可愛いって言われてさ…。きっとショッピングモールに行ったら、もっとたくさんの人がそう思うよ」

女「それって、嬉しいんじゃない?少年君、気持ちが良いよね?」ジリ

少年「…!?」

女「私は、見てて気分良かったよ?」

少年「…ど、どうして」

女「何でかなー…。こう、私が可愛くしてあげた少年に騙されてるって思うと」

少年「…な」

女「ね?行こうよ…」ジリ

少年「…ち、近い、です」

女「…あ、ごめん」パッ

女「…え、えっと!変なこと言ってごめん…。何言ってるんだろう、私」

少年「…」

女「えーっと、じゃあ、おやすみ」

少年「…ま、待ってください」

女「え?」

少年「ぼ、僕と外に出たら、女さんは嬉しいですか?気分がよくなるんですか?」

女「え、だ、だから…その」

少年「…行っても、いいですよ」

女「え、マジで!」

少年「…」コクン

女「やった…!一人じゃ行きづらかったんだよ…」

少年「え?そ、そうだったんですか」

女「ありがとう!ありがとう!何か、奢るから!うわー、嬉しい」ニコニコ

少年「…えへへ、そんなに喜んでもらえるなんて」クス

女「とびっきりお洒落して行こうね!約束!」

少年「は、はい!」

女「~♪ ~♪」

3月26日 PM11:00

女(あー、明日楽しみだな)

女(…でも、何でだろ)

女(こんなに強くお願いすることでもなかったのにな…。最悪お母さんと行けば良いし)

女(…うーん?)

女(それにしても、今日の幼馴染は傑作だったなあ。ふふ)

女(バレそうになったときは、ちょっとひやひやした…)

…少年君の、不安そうな顔

…体を触られたときの、引き攣った顔

女(…あ)ゾク

女(うう、何なの)

女(…と、とにかく。明日、明日!楽しみだなあ)

女(少年君と一緒に、擬似姉妹体験かー)

女(…ふふ)クス

女(さ、明日に備えて早く寝よう…)

…明日は、どんな顔をしてくれるのかな

エ、、Sな臭いがしてくるぜ

3月27日 PM9:00

女「今日は、これね!」

少年「シフォンのワンピースですか…。あの、僕昨日みたいなズボンが」

女「ええ…折角のショッピングなんだから可愛いの着ようよ?」

少年「は、はい…」

女「着たら呼んでね。約束どうりお化粧もしてあげる」

少年(ノ、ノリノリになってきたな、女さん…)

女「~♪ ~♪」

女「はい、ここ座って」

少年「は、はい」ストン

女「まずは髪をあげるね。…よいしょ」サワ

少年「…」

女「うわ、おでこもスベスベだ…。洗顔何使ってるの?」

少年「ふ、普通にせっけんですよ」

女「…むー、羨ましいな。体質なのかな」ナデナデ

少年(…く、くすぐったい)

少年「…女さんは、普段お化粧するんですか」

女「んー、本当にたまにね。私、そんな派手じゃないし…」

少年「…化粧なんかしなくても」

女「ん?」

少年「い、いえ。よろしくおねがいします」

女「あはは、まあそんな大それたことしないよ。ちょっとマスカラ塗って、リップつけるだけ」

少年「…」ドキドキ

女「じゃあ、まずマスカラね…。動かないでよ」

少年(か、顔近い…)ビク

女「動くな、動くなよー…」ヌリヌリ

少年(…い、息がかかって…)

少年(…やっぱり、可愛い…。1年前もだったけど、昔よりずっと…)ジィッ

女「ふー、よし完了。睫毛長いな、こんちくしょお」

少年「…ぷはっ」

女「あはは、息止めなくてもいいのに」

少年「で、でも」

女「よし、じゃあ今度は唇ね」キュポ

少年「…は、はい」

女「ちょっと触るよ?」フニ

少年「!は、はひっ」

女「うおー…。ふっくら…。ってごめん、オヤジみたいなこと言って」ヌリ

少年(…っ)ドキドキ

女「口紅ってさ、なんか変な味するんだよねー。舐めちゃだめだよ?」

少年「は、はひ。わかひまひた」

女「あ、待って喋らないで!ずれちゃう…」

少年「!す、すみませ」

ペロッ

少年「!!!!!」ビクッ

少年(ゆ、指に舌当てちゃった!!ど、どうしよう!)

女「もー。動かないでって言ったのにー」ムス

少年「ごめんなさい!ゆ、指っ…」

女「…」ブルッ

女「いいよいいよ。唇、ぎゅってしちゃってごめんね」

少年「…うう」シュン

女「ふふ、そんなことより。できましたー」ニコニコ

少年「…あ」

女「ふふふ…。どうかな?」

少年「す、すごい…。睫毛、増えたみたい…。唇も、光ってるし…」

女「えっへん」

少年「すごい!女さん、すごいよ!」キラキラ

女「ま、まあたいした事ないって。そんなに褒められたものじゃ」

少年「すごい…。女の人って、なんか…」

女(ふふ、惚れ惚れしちゃって。可愛いなー)

女「じゃあ、バスの時間もあるしそろそろ行きますかー」

少年「はい!」

女「いっぱい買うぞー。ふふ、荷物持ちよろしく」ポン

少年「え、えええ…?」

3月26日 PM10:30

<ガヤガヤ ガヤガヤ

女「うおー…流石に多いなあ」

少年「…」

女「…そんなうつむかないで。ほら、シャキっとする!」ペン

少年「ひゃ!は、はい」シャキ

女「ほら、誰も変な目で見てこないよ。むしろ、可愛くて注目されてるかも」

少年「…」カァ

女「さっ、じゃあまずは一階の服屋から攻めて行きましょう!」

女「おー春物いっぱい入ってるー」キャッキャッ

少年(お、女の人ばっかり…。ああ…)オロオロ

女「…」

女「ねえねえ少女~。コレ、どう思う?」

少年「え、ええ!?い、良いと思い、ます」

女「あ、見て見て。こっちの花柄のやつ、少女に似合いそう!ほらっ」ピト

少年「…そ、そうですか?」

女「ふふ。萎縮しないでいいんだよ、少女は女の子なんだから」クス

少年「…は、はい」

女「そうそう。その調子!あ、このブラウス可愛いー。ね?」

少年「…」

少年「本当だ、可愛い…!」ニコ

女(良かった。やっと笑った!やっぱ、笑顔が似合うね)

女(…困ったり、照れたりしてる表情もいいけど…)

女(じゃないじゃない)

女(な、なんなんだ最近。おかしいよ!?)

少年「…」

女「しょーうじょっ。何か書買いたい物、あった?」

少年「…いいえ、特に」

女「え?ないの?」

少年「…」コクン

女「そう?じゃあ私、お会計してくるね」タタッ

少年「…」ジィ

女(ブラウスとか、気に入ったと思ったのになあ…)

3月26日 PM1:00

女「…あー、疲れちゃったね。連れ回してごめんね」

少年「いいえ。すっごく楽しかったです」

女「でも、結局少女は服買わなかったね…。気に入ったのなかったの?」

少年「うーん、はい…まあ」

女「…う」

グゥウッ

少年「…くす」

女「わ、笑うな。もう一時だし…。お腹すいちゃったよ」

女「んじゃー、あそこのカフェ入ってご飯でも食べよう!オムライス美味しいんだよ」

女「付き合ってもらったお礼に、奢るから!」

少年「そ、そんな。いいんですよ」

女「いいからいいから。私の気がすまないし。ほら、行こう!」グイ

少年「あっ…」

<ニメイサマ、ゴアンナイシマース

女「はあ、やっと座れるね」

女「遠慮しないでいいから、頼んでね」

少年「…でも」

女「いいんだよ。私は少女の、お姉ちゃんなんだから」ニコッ

少年「…くす。でも、僕のほうが背が高いから、女さんのほうが妹っぽいですよ」

女「!も、盲点…」

少年「じゃあ、お言葉に甘えます。…このケーキ頼んでいいですか?」

女「小食…。じゃあ、私はオムライスにしよう」

女「…あのさー、一つ気になる事があるんだけど」

少年「?何ですか?」

女「しょうね…違う、少女は、女の子の服が好きなんだよね?」

少年「女の子っていうか…まあ、そうですね」カァ

女「…それって、格好だけ?」

少年「?どういう…?」

女「えーっと、恋愛対象って男の人なのかなーって」

少年「」ブホッ

女「わ、わあ!大丈夫!?」

少年「…ごほっ…!」

女「うわわわ、変な質問してごめん!」

少年「え、えっと…。ぼ、僕」

少年(…男の人が好き?そんなの、考えた事ない…)

少年「…」フルフル

女「あ、そうなんだー。じゃあ格好だけなんだね」

少年「そう、ですね」カァァ

女「そうかー。恋愛対象は女の子かあ」

少年(…女の子っていうか…)

少年(…!な、何考えてるんだ!)

女「…彼女とかできた?」ニヤ

少年「!!!?」

女「ねえー、どうなのどうなの」ニヤニヤ

少年「な、ないっ。ないです!」

女「えー、モテそうなのにね?本当に?」

少年「…お、女さんはどうなんですかっ」

女「あはは、私もないー」ケロッ

少年「!そ、そうですか」

女「…でも、好きな人はいるかも」

少年「えっ」

女「まあ、まだ分かんないけど。多分、好き…」

少年「…だ、誰ですか」

女「…企業秘密です」

少年「ええー…」

<オマタセシマシター

女「あ、来た来た!食べようー」

少年「はい…(…誰だろう。僕の知らない人かな。それとも)」

女「いっただきまーす」

少年「!いただき、ます」

女「うー、相変わらず卵柔らかくて美味しいー」モグモグ

少年(…誰なのかなー)

女「…」チラ

少年「…」モグモグ

女「ねえねえ少女」

少年「は、はい?」

女「あーん」ズイ

少年「…!?」

女「オムライス美味しいよ?ほら、あーん」

少年「え、えっ…」

女「ほら、遠慮しないでお口開けて」

少年「…あ」カァァ

女「うん、良い子。あーん」

少年「…」パク

女「どう?美味しいでしょ?」ニコ

少年「お、おいひいです」カァァ

女「じゃあ、そっちのケーキも一口ちょうだい?」

少年「は、はい…」

女「…あーん」パク

少年(…か、間接キスなのに…。気にしないのかな)

女「うん、美味しいー!ちょっとビターなところがまたいいね!」

少年「そうですか?…」

少年(ど、どうしよう。このままフォーク使っていいのかな)

女「次来たときは、私もこれ頼もうかなー」パク

少年(あ、女さん使っちゃった…。僕が咥えたスプーン…)カァ

少年(…ぼ、僕も気にしない…)パク

3月26日 PM3:00

女「ふう、そろそろ帰ろうかー」ノビー

少年「はい、そうしますか」

女「いやはや、結局あなた何も買わなかったよね。お目が高い」

少年「あはは…」

女「じゃーえっと、出口は…」ピタ

少年「?女さん?」

女「…」

少年「どうしたんですか?どこ、見て…」

少年「…!」ピタ

少年(…じょ、女性の下着屋さん!!?)

女「…」チラ

少年「嘘、嘘!待って、これは本当に…!!」カァァ

女「…っ」ブルッ

女「あっはは、分かってるってー。冗談冗談」

少年「も、もうっ!やめてくださいよっ!」

女「あ、怒られちゃったぁ」

少年「も、もうっ。女さんがからかうから…!」

女「からかってるわけじゃないもん。こういうのは、いらない?」

少年「…っ!い、いりませんよっ」

女「う、ご、ごめん…。そんなに怒らないでよ」

少年「…うー」

女「ごめん、ねえー。ごめんって」ナデナデ

少年「!べ、別にいいです…けど」カァ

3月26日 PM8:00

少年「じゃあ、お先にお湯いただきます」

母「はーい。あ、今日は女の買い物につきあってくれてありがとね」

少年「!い、いえ。僕も楽しかったですし…。じゃ、じゃあ」ソソクサ

女「…くす」

少年(ああ、知り合いとかに見られてたらどうするつもりなんだろ、女さん…)

少年(何か、ちょっとアグレッシブなところあるよなあ、女さんって)

ガチャ

少年「…」ザバッ

少年(…今日、初めてお化粧なんかしたなあ)

少年(なんか顔が重たい気がしたし、不思議な感じだったな)

少年(…唇)サワッ

少年(女さんに…唇、触られて…。指に、舌当てちゃった…)

少年(…)ゾク

少年(…それに、女さんが使ったフォーク…)

少年「…っ」ゾクゾク

少年(…な、なんで…)

少年(駄目…だって)ハァ

少年(こ、ここに居るときは「我慢」しようって…決めたのに…)

少年(…決めた、のにっ…)

少年「…んっ…」ピクッ

少年「…はぁ、はあっ…」

少年(女さん、女さん)

少年「……おんな、さんっ…」

<ソレデハ、イッテミマショウー

母「あはは」

女(あ、そういえば。まだ服回収してなかったな)ガタ

母「?上行くの?」

女「んー。ちょっとね」スタスタ

女(いやあ、にしても似合ってたなあ)

ガチャ

女「えっと…。どこだろ」キョロキョロ

女「あ、あったあった。相変わらずベッドの上に畳んで…。マメな子」

女「よいしょ」

バサッ

女「…お?」

女(…枕の下から、本?)

女(ああ、前読んでた漫画かな)ヒョイ

女「…」

女「」

女(えーと)

女(これは、あれだね)

女「…」ペラ

女(はい、間違いないです。大人向けの絵本です。)

女「…」

女(うわああああああああああああああやっちまったあああああああ)

女(待て!待て待て!彼も中学2年生だ!それに男子であって!)

女(逆にこんな本もってないほうが不健康というか、ねえ!?)

女(…うわ、男の人がMのやつだ)ペラ

女(…)ペラ

女(…うわ、すご)ゴク

女(って何をしてる!!戻せぇええ!!)

ガチャ

女「あ」

少年「あ、お、女さん…。何やって」

女「」

少年「…あれ、それ」

女「」

少年「」

時が止まるってこういうことを言うんですね。ああ、2日前に体験済みですが

少年「…」スタスタスタスタ

女「…」ビクッ

少年「あ、あの。返して、ください…」カァァア

女「あ、は、はい。すみません。どうぞ」

少年「…っ」バッ

少年「…」ガチャ

女(クローゼットに直すんだ…)

少年「…」

彼は、真っ赤でした。自分が悪いわけではないのに、眉尻をぐっと下げ、すでに泣きそうでした。

女「ご、ごめんなさい…。服、取ろうと思ったら、落ちてきて…その」

少年「…ごめんなさい」

女「!ち、ちがっ。私が悪いんですっ」

少年「…」カァァ

女(う、うわっ。これ…どうしたら)

少年「…」ジワ

女(!!!ま、また泣かせて…)

少年「…ぼ、僕…。嫌だ、なにしてんだろ…」ポロ

女「…」ブルッ

女(…あ、れ)

少年「…ぐすっ、ううっ…」ポロポロ

女「…」

本来なら、慰めて、私が平謝りをする場面です。

少年「…ぐすっ、ひぐっ…」ポロポロ

また泣かせてしまった。罪悪感でいっぱい、な、はずなのに

女「…」ゾクゾク

謝らなきゃ、いけないのに

女「…ねえ」

口から出る、言葉は








「…こんなのが、好きなんだ?」

少年「…え」

女「こういう、女の人にいじめられるやつ…。好きなの?」

謝らなきゃ

少年「な、お、女、さん…」

女「…ね、好きなの?」

慰めなきゃ

少年「え、え…」

女「好きなんだよね?」

やるべきことは分かってる、分かってる、のに

女「ねえ…答えてよ」

少年「…」フルフル

泣いている彼。白い頬を赤く染めた彼。子供みたいに首を振る彼。

女「…」ゾクッ

…追い詰めたい。

女「…くす」

少年「お、女さんっ…。は、離れて、離れてっ…」

少年「ごめんなさい!ごめんなさいっ…」

女「何で謝るの?後ろめたいの?」

少年「…っ」

女「…ねえ、こうやってさ」ジリ

少年「!お、女さっ」

女「女の人に追い詰められるのがいいの?」

少年「…!」ビクッ

少年「…や、やめてくださいっ…!」

女「…くす」ギュ

少年「な、何してるんですか!手、っ…離してくださいっ」

女「…」ジリッ

少年「や、やだ。女さん、やめ…」

「女ー、あんたの好きなバラエティ始まるわよー」

女「!」

…え、何してんの私。

少年「…う、はぁ、はあ…」

女「…!!」バッ

女「い、嫌だっ…な、何…。してんだろ、ご、ごめんなさい!!」

少年「…え」

女「ご、ごめんなさい!ごめんなさいっ!」ガチャ

少年「!ま、待っ」

…バタン!

女「…はあっ、はっ…」ガチャ

女(私…!)

バタン!

女(あ、ありえない、ありえない!)ボフッ

女(あ、頭がボーっとしたかと思ったら、こんな…!)

女(嘘、嘘…っ)

…ただ、ひとつだけ言えることは

女「…く」ゾクゾク

私は、怯える彼を見て

…気持ちが昂ぶっていました。

はい、今日はここまでです。

おやすみなさいー

乙!


続きとても楽しみ



にしてもスレたててその日の内にかなり投下したな

乙乙

超乙

3月27日 AM7:00

母「じゃあ、行って来るわね。女が寝坊してるみたいだから、起こしてあげて」

少年「…はい」

バタン

少年(…女さん、起きてこないな)

少年(…昨日の事、だよね。やっぱり)

…こんなのが好きなんだ?

少年(…)ブルッ

少年(…何か、いつもの女さんじゃないみたいだった)

少年(わざと意地悪して迫ってるみたいな…)

少年(…怖かった、って訳じゃないけど、ただ、何か)

少年(…)ブルッ

少年(お、起こしてあげた方がいいよね?)

少年(昨日の事、…漫画の事、ちゃんと謝って。女さんも謝ってくれればそれで終わる)

少年(…終わる、はず)

コンコン

女「…」ビクッ

「お、女さん。朝だよ…?」

女(…うわ、少年君…。どうしよ、怒ってるよね)

「女さん?起きてるの?」

女(…どう、しよう)

「…入るね」

女「えっ待って!!」

ガチャ

少年「…やっぱり、起きてたんですね」

女「…」

少年「あ、あの。もう朝ですよ」

女「…昨日、ごめんなさい」

少年「い、いいんです!…ぼ、僕も変なもの見せて、その」

女「…」シュン

少年「…で、でも」

少年「な、なんであんな…。詰問するような」カァ

女「わ、分かんない」

女「…ただ、何か…」

少年「…」

女「ごめん…。分かった、起きるね」

少年「は、はい」

女「…」ハァ

3月27日 AM10:00

女「…」ボー

少年(ど、どうしよう。女さんすごく落ち込んでる)

女「…」

少年(ああやって座って、テレビ見てるだけだし…。ぼ、僕本当に気にしてないのに)

<ピンポーン

女「」ビクッ

少年「あ、誰でしょうか…」

女「あ、私…出るよ」ノソ

少年「はい…」

ガチャ

幼馴染「おっすオラ幼馴染!!!」

バタン

幼馴染「おいおいおいおい!何でよ!?」ドンドン

女「…。今このタイミングで来ないでよ」ガチャ

幼馴染「は?何それ?お前はいつだって俺に会いたいくせに」

女「…」

幼馴染「えっ黙殺!?何かテンション低くね?」

女「色々あったの…」

幼馴染「ふーん。じゃ、そんなお前の気分を上げてやろう。どっか遊び行こうぜー」

女「お前…まじもんのアホか」

幼馴染「だって俺暇だし、ついでにお前に元気になってほしいもん」

女「ついでかよ」

幼馴染「あたぼーよ」キリッ

幼馴染「あ、この靴どっかで見た…。少女ちゃんのやつだ!来てるの?」

女「いるっちゃいる」ムスッ

幼馴染「じゃあ、三人でどっか行こうぜー!な!」

女「ええーーー。面倒くっさー」

幼馴染「ノリ悪すぎだろ!じゃあ家でいいから上げろや」グイグイ

女「!だ、だめ!」

幼馴染「おーーーい、少女ちゃーーーん」

女「おいおいおい!入るな!分かった、行く!遊びに行くから!」

幼馴染「最初ッからそう言え、ばーか」ニカッ

女「ちょ、ちょっと着替えてくるから、コンビニでも行って来い!」

幼馴染「え、パシリ?」

女「いいから行け!早く!」シッシッ

幼馴染「はいはいー」

バタン

女「しょ、少年君!今から幼馴染と一緒に遊びに行く事になったんだけど」

少年「え…い、今からですか」

女「あ、あの馬鹿…。あー面倒なのに。少年君、別にお留守番でもいいんだよ」

少年「…」

少年「い、行きます」

女「え」

少年「行きますから…。だから、お洋服貸してくれませんか?」

女「う、うん。ありがとう。幼馴染、少女に会いたがってたから」

少年「…僕に?」

女「…んー」ムス

3月27日 AM10:30

女「お待たせ、幼馴染」

幼馴染「おっせーよ!何でそんな時間かかるんだよ」

女「い、色々あるんだよ、女なんだから」

幼馴染「何言ってんだ…あ、少女ちゃん!こんちはー!」

少年「こ、こんにちは」ペコッ

幼馴染「いやー、また会えて嬉しいかぎりだわ」

女「おい、近づくな」サッ

女「んで、何処行くの」

幼馴染「ノープラン」

女「毟るぞハゲ」

幼馴染「きゃっ、女ちゃんこわーい。ねえ、少女ちゃんは何処か行きたいところある?」

少年「え?わ、私は…」

女「私には聞かないんですねー」ムス

幼馴染「お前とだと、買い物とかに付き合えって言いそうだしよ」

少年「…えっと」チラ

女「いいじゃん。好きな所行こう」

少年「…水族館、行きたいです」

幼馴染「おー、いいね!水族館!」

少年「去年女さんと行ったとき、すごく楽しかったから…」

女「ああ、そうだったねー。あそこの水族館、わりと大きいしね」

幼馴染「んじゃ、バス乗って行こうぜ!」

少年「…はい!」ニコ

3月27日 AM12:00

<デハ、イルカノショーヲハジメマース

バシャンッ

幼馴染「おっほwwwwイルカにお水かけられちゃったww」

女「だ、だから後ろにしようって言ったのに!」

少年「あはは、つめたーい」クスクス

幼馴染「…へー、少女ちゃんてそんな感じで笑ったりするんだー」

少年「…あ、無意識でした」

女「うわ、見てみてクリオネいるよ!」

幼馴染「おー本当だ、マジで天使みたいだなー」

少年「でも、食事のときは頭が割れて、触手を出すみたいですよ」

幼馴染「なにそれ可愛くない」

女「へー。よくそんなこと知ってるね?」

少年「本で読んだんです…」

女「こんなに可愛いのになぁ…。ウラの顔があるわけだ」

幼馴染「嫌だ、なんか響が卑猥」

幼馴染「うわ、この魚うまそー」

女「それは牧場および水族館のNGワードです」

少年「チンアナゴが美味しそうなんですか?変わってますね」

幼馴染「え、これチンアナゴって言うんだ」

幼馴染「…」

幼馴染「チン」

女「言わせねーよ!!!?」

少年「あははっ」

女「…あ、ちょっと私、お手洗い行ってきていい?」

幼馴染「おーう」

少年「はい」

女「勝手に行ったりしないでよー!」タタタ

少年「…」

幼馴染「いやー、楽しかったね」

少年「そうですねー」

幼馴染「あのでっかい亀、すごくなかった?絶対2000年は生きてるわー」

幼馴染「…何か、少女ちゃん、今日はよく喋るよね」

少年「え、そう…ですか」

幼馴染「前会ったときは、ずうっと静かだったからさ…!でも、仲良くなれて良かった」

少年(あー…。確かに、初めて会ったときは男だってバレないか不安だったし)

幼馴染「…」チラ

少年「…?」

幼馴染「あ、い、いや」パッ

少年(…変なの。もう疑われることはないだろうけど…)

幼馴染「…少女ちゃんさ、あの、良ければ…メルアド教えてくれない?」

少年「え?」

幼馴染「あ、嫌ならいいけど…」

少年「いえ、別にいいですよ」

幼馴染「ま、まじで。うおー、ありがとう!」




女「…」ハァ

「じゃあ、今度またメールするかも」

「ええ、いいですよ」

女「…」

女「おまたせー!」ドンッ

幼馴染「うおおおおおびっくりしたああ!!」

女「何、私抜きでイチャイチャしてんですかー。何してたの?」

幼馴染「え、い、いや」

少年「幼馴染さんと、メールアドレス交換してました」

女「へー、仲良くなったね!よかったよかった」バシンバシン

幼馴染「いてっ、いてっ!」

少年(…こっちの友達もできてよかったな)

少年(でも、女の子だって騙したままなんだけど…)

少年(…ま、いいか)

女「…」

幼馴染「んじゃあ、そろそろ帰るかー」

少年「そうしましょうか」

3月27日 PM4:00

幼馴染「じゃあ、まったなー!少女ちゃん、女ー!」ブンブン

少年「はい、さようなら」ペコ

女「ばいばーい」

バタン

少年「…ああ、楽しかったー」ノビ

女「うん、そうだね…」

少年(良かったー、女さんも普通になってくれたみたいだし)ホッ

3月27日 PM10:00

<~♪

少年(あ、ケータイ…。メールだ)

少年(あ、幼馴染さんからだ)

少年(あの人、面白くて話しやすかったなぁ。良い友達になれそう)

コンコン

「おーい、少年君、私だけど」

少年「!あ、どうぞ」

女「こんばんはー。あ、服もらうね」

少年「はい、どうぞ」

女「…メールしてたの?」

少年「あ、はい!幼馴染さんとしてました」

女「そうなんだー…。大分慣れたね」

少年「はい!普通に良い人で…」

女「…」

少年「でも、相手は女の子だと思ってるんですよね…どうしよう」

女「別に、このままでいいじゃん」

少年「そうですか…あ、女さん!トランプしませんか?今日こそは」

女「ごめん、眠いからもう」ガチャ

少年「…あ」

バタン

少年「…」シュン

少年(…まだ、気にしてるのかな)

少年(…僕、いっぱい女さんと話したいのに。…そのために、ここに来たのに)

女(…はー)

女(…)ドサッ

<~♪

女(!お、幼馴染から電話だ)バッ

女「…も、もしもし。どうしたの、こんな時間に」

「いやー、すまんすまん。ちょっと声聞きたくなって」

女「…なんじゃそりゃ、気色悪い」

「いやん。ひどいんじゃない?」

女「あ、あのさ。そういえば今日の水族館で」

「…あのさー、ちょっと相談っつーか、聞きたいことがあるんだけど」

女「…?…何?」

「んー、少女ちゃんのことなんだけど」

女「…」ギュ

「あの子、どこに住んでるの?中学校って、どこの?」

女「ば、ばーか。がっつきすぎでしょ」

「いや、あの子…。結構可愛いしさ」

女「へー、あんな感じがタイプなの?」

「…うーん、まあ」

女「…」

「なあ、教えてくれない?お前の友達なんだろ」

女「…少女は」

女「…」ギュウッ

女「馬鹿、そういうのは本人に直接聞け!このいくじなし!」

「え、ちょ」

女「もう眠いから切る。おやすみ!」

「ええええ女さんちょt」

ピッ

女「…」ポイ

女「…アホか」

女(…相手は男なのに。…まあそりゃ、すごく可愛いけど)

女(…言えないよね)

女(…ああああ、もう!)

3月28日 AM7:30

女「…」モグモグ

少年「女さん、今日は何しますか」

女「そうだねー…。二日間連続で外出たし、なぁんか疲れたし」

少年「確かに…」

女「…まったりしようかな、今日は」

少年「そうですね!」

女「そうと決まれば、早速着替えをしますかね」

少年「はい!」

女「よし、今日は元気めな感じでいこう」

少年「…おー、Tシャツも結構いいですね」

女「どうせ外でないし、ラフでいいよね?」

女「…あ、そういえば」

女「お母さん、明日から仕事が忙しくて3日間は泊り込みなんだよね」

少年「そうなんですか?」

女「うん。だからさ、料理とかも二人でしなきゃいけなくって」

少年「うわあ、何か楽しそう」

女「ですから、今日は料理のスキルアップを図りたいと思います」パン

少年「女さん、料理できるんですか?」

女「…簡単なものならね?」

少年「おお、流石女子ですね」

女「何言ってるの、少女ちゃん。あんたもでしょー」

少年「!…う」カァ

女「とりあえず、今日の昼ごはんから頑張ってみますか」

少年「は、はい…」

3月28日 AM11:30

女「って言う事で、今日のメニューは初歩的な野菜炒めです」

少年「まあ、これならなんとか大丈夫そうですね」

女「えっと、まずは野菜から切るね」

少年(…エプロン、似合ってるな)ジッ

女「少女ちゃーん?作業に集中しないと、手ぇ切るよ?」

少年「あ、あの!二人のときはちゃんと少年って呼んでください!…恥ずかしいです」

女「あはは、ごめんごめん、少年君」

女「…」トントン

少年(うわ、結構上手…)トン、トン

女「少年君、ちょっと手つきが危ないよ?」

少年「え?どうすればいいですか…?」

女「こう、猫の手だよ」

少年「…えっと?」

女「だから、こうだよ」クイッ

少年「!あ、ありがとうございます(…て、手が)」カァ

女「よし、あとはコレを炒め合わせて、調味料入れて完成だね」フー

少年(…結局、ほとんどの作業を女さんにしてもらったな…)

少年「あ、あの。炒めるのは僕がします」

女「え?本当?」

少年「はい。具材切るの、あんまり手伝えなかったんで!」

女「おお…。じゃあ、やけどしないようにね?」

少年「はい!任せてください」

女「…何か、頼もしいね」クス

少年(…フライパンに油をひいて)

少年「…こう、かな」カチ

ボッ

少年「う、うわ…。ちょっと緊張しちゃいますね」

女「頑張れ、少年君!大人の階段を登るんだ!」

少年「う…。は、はい」ジュウッ

少年(焦がさないように、箸で混ぜながら…)クルクル

女「…」

女「…そういえばさー」

少年「はい?」クルクル

女「昨日、幼馴染から電話があって」

少年「はい」ジュウ

女「…少女ちゃんのこと、もっと知りたい、だってさ」

少年「え」

女「…あいつ、少年君に気があるんじゃないかな」

少年「」ガタッ

少年「…あっ!」

ジュッ

女「!しょ、少年君!?」

少年「…あ、っつ…!」バッ

女「だ、大丈夫!?すぐ冷やさなきゃ」ギュ

少年「す、すみません…!」

女「ごめん、私が変なこと言っちゃったから…」ジャー

少年「い、いえ。僕がドジだったんです」

女「しばらく流水で冷やしておいて。氷とってくる」タッ

少年「ありがとうございます…」

女「…はい。どう?痛い?」

少年「…な、なんかジンジンします」

女「…見せて?」

少年「…」スッ

女「うわ、指真っ赤…。痛そう…」

女(…)ブルッ

少年「…っ」ビクン

女「結構押し当てちゃったんでしょ…。ここ、水ぶくれになっちゃうかも」

少年「…あ、の」

女「…痛いの?」

少年「い、痛いです。だから、水に…」

女「…どういう風に?」ナデ

少年「ジ、ジワジワって…。チクチクしたのが、だんだん大きくなるんです」

女「…へえ」ゾクッ

女(…痛がってる)

女(早く冷やしたくてたまらないのに、私に掴まれてるからできない)

女(…やっぱり、泣きそうな顔。…すごく)

少年「あ、あの。冷やしていいですかっ…」

女(…そうか、私は、やっぱり)

少年「あ、あのっ…。痛いっ…」ジワ



女(この顔が、好きなんだな)

女「…ごめん、いいよ」パッ

少年「…っ」ジャー

女(離された途端、蛇口に飛びついちゃって…。必死なんだ)ブルッ

少年「うう…」

女「ごめん、私が後はやるね?少年君は、冷やしてていいから」

少年「はい、ありがとうございますっ…」

女(…私って、どこかおかしいのかな)

女(…でも、あの顔を見ると、どうしようもなくいじめたくなる)

3月28日 PM12:30

少年「…ごちそうさまでした」

女「んー、ちょっとコゲくさくなっちゃった。ごめん」

少年「いいえ、僕が火傷なんかしちゃうから…」シュン

女「まあ、次は失敗しないようにしよう」

少年「はい」

女「傷、痛くない?」

少年「あ、はい。大分痛みも引いてきました。触ると痛いですけど」

女「…そうなんだ」

少年「はい。もう平気ですから、おかまいなく」

女「痕とか、残っちゃうのかなあ」

少年「別に、いいですよ」

女「…そう」

女(…白くて細い指に、痕かあ)

女(…)ブルッ

少年「あー、何か自分で自分のドジさが嫌になるな」ムス

3月28日 PM9:00

少年「ふー、さっぱりした」

少年(…うわ、傷、ちょっと汁みたいなの出てる)

女「あ、少年君ー。ケータイ鳴ってたよ」

少年「そうですか。ありがとうございます」

少年(…えっと、メールだ)ピ

少年(…幼馴染さんだ)

少年(昼間、女さんが言ってた事って本当なのかな。…いや、そんな訳…)

少年(第一、僕は男だし。好きな人は…)

少年(…違う違う、メール確認しなきゃ)ピッ

少年「…」

少年「」

少年「お、お、女さぁぁああああん!!!」ダッ

女「うわっ、大きな声出して、どうしたの?」

少年「おっ、おさっ、幼馴染さんがっ」ガタガタ

女「お、幼馴染!?ちょ、落ち着いて!取り合えず部屋入って!」

バタン

少年「はー、はー…」ガタガタ

女「な、何。どうかしたの?」

少年「お、幼馴染さんから、メールがきてっ…」

…嫌な予感はしました。

少年「そ、それでっ…。ぼ、僕」

私の、幼馴染。明るくて、一緒にいると楽しい、私の幼馴染。

女「…」

少年「僕…」

いつも笑顔で、冗談が好きで。私の、私の

少年「…告白、されちゃったんです、けど…」

幼馴染。











女「…ふーん」

おいまさか閲覧注意ってホ

女「…やっぱ、あんたなんだ」

気づけば、後ろ手でドアに鍵をかけていました。

少年「ぼ、僕…。ど、どうしよう」ガタガタ

目の前で、ケータイを握り締めて戸惑う少年。

……幼馴染に好かれた、少年。

少年「女さん、どうしたら…」

女「…私さあ」

その少年を見下ろす、幼馴染に選ばれなかった私。

少年「…お、女さん?」

女「…好きだったんだよね」

そう、好きでした。

少年「…え?」

女「…幼馴染のこと。好きだったんだよね」

少年「…!!!」

あーあ。

少年「そ、そん、な…」ガタガタ

女「…そっか、幼馴染は少年が好きなんだ」

少年「ごめん、なさい。ごめんなさい」ガタガタ

女「何であんたが謝ってんの…?いいじゃん、あんた選ばれたんだよ」

少年「…」フルフル

女「…だよね。あんた、ゲイじゃないもんね」

少年「…ゲイ…って、お、女さん…?」

女「…なんであんたなのかな」

少年「…ご、ごめんなさい!僕、そんなつもり…」ジワ

同じ幼稚園のときから、ずっとずっと好きだった幼馴染。

…盗られた。女性ですらない、よりにもよって、少年君に。

…でも、そんなことよりも

少年「ごめんなさい、僕、断って…!ちゃんと説明し」

女「…いや、もう、いい」

そうです。もう、いいのです。

少年「…え?」

私を見上げる少年。目にいっぱい涙を溜めて、申し訳なさそうに縮こまる少年。

女「…どうでもいいの。幼馴染なんか、もう」

少年「で、でも」

女「…ね、私さ。気づいたんだ」

少年「…え?」

女「私、あんたのそういう顔見ると、ゾクゾクするの」

少年「…え」

女「泣いたり、恥ずかしがったり、苦しがったり、申し訳なさそうにする顔。すごく良いの」

もっと見せてください。もっと泣いてください。

女「…もっと見たい」ギュ

少年「…!!お、女さん!?は、離しっ…」

女「ねえ、幼馴染盗って、申し訳ないならさ」グイッ

少年「…!わっ…」

運動部に入っているというのに、彼は簡単に、女である私に押し倒されました。

女「…後ろめたいんならさ、もっと、頂戴。その顔、私にもっと見せてよ」

少年「…あ、あっ…」

女「ねえ…」ギシッ

少年「お、女、さんっ…」

息がかかる。彼女の熱が伝わってくる。

女「それ…。ねえ、もっと見たいんだよ?」

…女さんが、僕を欲しがってる。

少年「…あっ…」ゾクッ

少年「い、嫌です…。やめて、のしかからないで…」

抵抗すればするほど、彼女は僕をもっと欲しがるだろうか。

女「…ばらしちゃうよ?」

女「私のお母さんにも、あんたの家族にも…。私の服勝手に着て、女装してましたって」ギシ

少年「!や、やだ…」

女「あんたの弱みは、私が握ってるの」ギシッ

少年「女さん、女さんっ…!」

女「…ねえ、言う事、聞けるよね?良い子にできるよね?」

少年「…っ」ゾクゾク

彼女が、それを望むのなら。

少年「…は、いっ…」

3月29日 AM7:00

母「じゃあ、留守のときの事はよろしくね」

女「うん!大丈夫、任せてよ」

母「ちゃんと戸締りしなさいよ!分かった?」

女「もう、分かったってば!遅刻するよ?」

母「いけない…。じゃ、よろしくね!」ガチャ

バタン

女「…行ってらっしゃい…」クス

女「ねえ、お母さん行っちゃった」

女「これから3日間、二人きりなんだね」

女「…起きてるんでしょ?入るからね」

ガチャ

少年「…」ビク

女「…おはよ、少年君」

少年「おはよう、ございます…」

女「…昨日の事、忘れてないよね?」

少年「…は、い」

女「あはは、そうなんだ。じゃあ、自分の言ったことも覚えてるんだ?」

少年「…覚えてます」

女「じゃあ、昨日の夜、君は私に何て言ったのかな?」

少年「…」

女「何ていったのかな?」

少年「…ぼ、僕は、女さんの言う事に、決して逆らいません。女さんの望む事を、してあげます」カァ

女「…へー、そうなんだ」

少年「…」カァ

女「…それは、君の嫌がることなのかな?」

少年「…」フルフル

女「ちゃんと口で言わなきゃ駄目だよ?」

少年「…嫌じゃないです。嬉しい、です…」

女「あはは、そうなんだー」クスクス

少年「…」ゴクッ

女(…昨日、私達の関係は完全に変わってしまった)

女(今なら、私は少年君の良い表情や声を、自由に堪能できる)

女(…でも)

女「…どうやれば、いいのかな」

少年「え…?」

女「いや、勢いでこうなっちゃったけどさ。どうやったら、少年君の可愛いところが見れるのかなって」

少年「…」カァ

女「…あ、そうだ」

女「この間の本、見せて」

少年「…え!?」

女「だから、この間のえっちな本。見せて」

少年「…!」ブンブン

女「君に拒否権は?」

少年「…な、ない、です」

女「早く持ってきて…?」

少年「は、い…」

少年「…どうぞ」カァァ

女「ん。良い子だね」

少年「…」ゾク

女「…えーっと」ペラ

女「…」

少年「…」

女「…くすっ、何コレ。厭らしいの」

少年「…っ」カァァ

女「…やだあ…」ペラ

少年(…女さんが、僕のベッドで足を組んで座って。僕はその下に正座して)

少年(…まるで、女さんのペットになったみたいだ)

女「…こんなの、隠れて読んでたんだ?こんな、やらしーの」クスクス

少年「…ごめん、なさい」カァァ

女「…男の人、のしかかられたり、意地悪されたりして、可哀相だよ?」

女「それなのに、こんなが良いんだ?」

少年「…っ」コク

女「…これで、するの?」

少年「…え?」

女「だから、この本って使い道なんか一つでしょ?するの?」

少年「なっ…」カァァ

女「ちゃんと答えて」

少年「し…します」

女「は?何をするの?言ってくれなきゃ、分かんないよ」

少年「…っ」カァァ

少年「…ナニー…」ボソッ

女「…ごめん、よく聞こえないよ」

少年「…っ、だから、オナニー、しますっ…」カァァ

女「あはは、そうなんだー?」

少年「…っ、はぁ、はあ…」

女「よしよし、良く言えました。良い子だね」ナデ

少年「…うっ…」カァ

少年(女さんの前で、こんな恥ずかしい事言ってる…)ゾク

女「よしっ」バサ

女「もう、これはいいや。着替えようか?」

少年「…っ、はい…」

少年(…もう、お終いなの…?)

女「じゃあ、今日は私の前で着替えてもらおうかな」

少年「…!?」

女「…だめなの?」

少年「で、でも…」

女「…ふーん?」

少年「わ、分かりました。着替えます…」

女「はい、よろしい」

少年(…うう…)

女「はい、じゃあこれ。今日の分ね」ポン

少年「…」グイ

女「わっ…。い、いきなり脱がないでよ。ちゃんと言ってからにして」

少年「…脱ぎ、ます。…いいですか…?」

女「はい、どうぞ」

少年「…」プチプチ

女「…」ジッ

少年「…」バサッ

女「…やっぱり、筋肉はちゃんとあるんだね」

少年「…そう、ですか?」

女「でも、肌は真っ白なんだね。羨ましい」

少年「…」モゾモゾ

女「大丈夫?きつくない?」

少年「大丈夫です」

女「じゃあ、次は下だね。スカートとタイツだよ」

少年「…」

女「どうしたの?」

少年「あ、あの…下はっ…」

女「…恥ずかしいの?」

少年(…恥ずかしい、恥ずかしい、けど)

少年(それ以前に…。…見られちゃう…)

女「ねえ?あの、早くして欲しいんだけど…」

少年「…ごめんなさい、できません。できません…」フルフル

女「…何で?」

少年「…は、恥ずかしい、から」

女「…じゃあ、私が脱がせてあげようか?」

少年「…!?」

女「私に見せ付けてるみたいで、嫌なんでしょ?だから私が脱がしてあげる」ギュ

少年「!い、いや!そんな…!」

女「私に強制的に脱がされてるんなら、気に病むことないよね?ほら、手、どけて」

少年「…嫌です!やっ…」

女「…もう、言う事聞い…」グイ

バサッ

女「…きゃっ…!?」

少年「…っ!」バッ

パジャマのズボンが脱げた瞬間、少年君は座り込んでしまいました。

…でも、一瞬だけ見えたのは。

女「…少年、君」

少年「…っ、ごめんなさいっ…。ごめんなさいっ…」ビクビク

つまり、その。彼は

女「…」

興奮、してるようでした。 それも、ものすごく。

少年「うっ…ひぐっ、ううっ…」ポロポロ

女(…は、初めて見た。下着ごしだけど)

少年「うう…」ポロポロ

女(…え、えっと。ちょっと、何で?そんなつもりじゃ…)

少年「ぐすっ…違うんです、これっ…。ごめんなさいっ…」

女「え、えっと。やりすぎちゃったかも…。ごめんね」

女「もうあっち向いておくから。ひ、一人で着替えていいから!」バッ

少年「…ぐす…」

少年(見られちゃった、どうしよう…)

女(…やってしまった)

女(これは死ねるレベルだよね…よく考えたら)

女(あああ、これは可哀相だ。いくらなんでも、気分がノリすぎた)

少年「…終わりました」

女「う、うん。お疲れ様」

少年(…最低だ、僕。あんなもの、女さんに見せて…)

少年(…何でこんなときに、反応するんだよっ…。馬鹿…)

女(駄目だ、これは反省しないと。もうやめよう、もうやめよう)

3月29日 正午

女(…ご飯、味しない)モソモソ

少年「…」モソモソ

女(結局、あのあとお互い気まずいままだし)

女(…自分にちゃんとセーブをかけるべきだった。何であんなこと…)

女(…でも、何であんな…。こ、興奮してる、みたいな)カァ

女(…あれだよね、こう、朝立ちとか、そういうやつかな)

少年「…」

少年(…女さん、驚いてたな)

少年(…あんなことするから、僕、てっきり…)

少年(…ま、漫画みたいなこと、されるのかと思った)

少年(弱み握られて、…そ、その。…エッチな、こと)

少年(着替え見るとか、漫画を目の前で見るとかより、もっと、過激なこと…)

少年(…)ブルッ

少年(…こ、これじゃまるで、僕がしてほしいみたいだ)

少年(…)

3月29日 PM8:00

<デハ、ツギノニュースデス

女「…お風呂、入らないの?」

少年「!は、はいり、ます」タタ

女「…あのさ、今日はお母さんいないし、パジャマは私の使っていいよ」

少年「…え」

女「朝のお詫び、っていうか。…どうぞ」

少年「…あ、ありがとうございます」

少年(…なんか、拍子抜けだな)チャポン

少年(…のしかかられたときのほうが、ずっと…)

少年(…女さん、もう、僕のこと諦めたのかな)

少年「…嫌だ…」ボソ

少年(我慢しないでほしい。…僕を好きに扱ってほしい)

少年(…僕、女さんが…)

少年「…はあ」

少年「…女さん、あがりました」ガチャ

少年「…女さん?」

少年(…あれ、テレビついてるのに…。どこだろ)

「…すー、すー」

少年「!」

少年(ソ、ソファで寝てたのか。…隠れてて気づかなかった)

女「…」スースー

少年「…」ゴク

うああああああああ(興奮)
歪んでるぜええええええええ

期待

細い髪の毛がかかった、子供みたいな寝顔。

軽く曲げられた腕、細いけど、肉づきのいい足。

少年(…起こさないと)

女さんは、綺麗な人なんだ。

少年(…起こさ、ないと)

少年(…良い匂い、する…)

少年「…女、さん。風邪ひいちゃうよ」ソッ

女「…」

彼女の腕に触れた指が、わずかに沈みました。

…柔らかくて、温かい、女性の体でした。

少年(…温かい)

駄目だって分かっています。

少年(…もっと)

自然に指が、彼女の無防備な体を滑っていきます。

少年(…もっと、もっと触りたい…)

少年(…女さんの、肌…)ハァ

少年(…女さん、好き…)ハァ、ハァ

気づけば、僕は女さんの横に跪き、夢中で彼女の体を触っていました。

…二の腕。肩。背中。腰。お尻。太もも。

僕の指が、ゆっくりゆっくり、彼女の体を知っていく。

少年(…綺麗な足…)ハァ、ハァ

女「…」

少年(太もも、何でこんなに柔らか…)

「…何してんの」

少年「…!!」

女「…くすぐったいよ、少年君」

少年「あ、あ…」ビクッ

女「…何してたの?」

少年「ご、ごめんなさい、こ、これはっ…」ガタガタ

女「謝れなんて言ってない。何してたか聞いてるんだよ?」

少年「…!」

女さんは、体を起こして僕を見つめてきました。

黒くて大きな目で。僕が大好きな、虐げるような視線で。

少年「…ぼ、僕。ごめんなさい…」ガタガタ

勝手に体が震えて、目に涙が滲みます。

女「…」ゾク

しかしこれは、まるで体が『どういった反応をとれば女さんが喜ぶ』のかを知った上で、勝手に反応しているようでした。

女「だから、何してたの」

少年「…ぅ…」

女「…私の体、触ってたんだよね」

少年「……っ」ガタガタ

女「嫌だ、加害者のくせに泣くなんてずるい。怖いのは私なのに」

少年「ごめん、なさ…」

女「…」

女「いいよ、別に」

少年「…え」

女「…私が朝、変なことしちゃったせいだよね?…忘れてあげるから、もうこんなことしないで」

少年「…」

女さん、どうして

女「…許すから」

違う。違う。許さなくていい。

少年「…あ」

僕、あなたに弱みをあげたんですよ?僕を、もっと好きにしていいんですよ?

女「…疲れてるんだよ。早く寝たほうが良い」

…女さん、優しくしないで。僕を、僕を

少年「…」スッ

女「…少年、君?」

少年「…女さん、違う…。違うよ」

女「…え」

少年「僕、悪い事しました。悪い子なんです。女さん、僕におしおきしないと駄目なんですよ?」ゾク

女「…」ポカン

少年「…僕を、好きにして…?」

ぴん、と張った糸があるとして。

それが、隠された私の理性だったとして。

「…僕を、好きにして…?」

この言葉で、

彼の表情、媚びるような声音で

女「…」

「分かった」

糸はぷつんって、千切れてしまいました。

3月29日 PM9:00

女「…っ」グイ

少年「…!女、さ」

ドサッ

女「あっはは、また簡単に押し倒されたね」

少年「はぁ、女、さんっ…」

女「そうだね、悪い子にはお仕置きしなきゃね?」クスクス

少年「~~っ」フルフル

女「何言ってるの?自分からしてくださいって…」

女「誘ってきたくせに」

少年「!は、はっ…はあっ…」ゾクゾク

女「ねえ、あんた、何を触ってたの?」

少年「お、女さんの…っ体、ですっ…」

女「へえー?どうして?何で触っちゃったの?」

少年「お、女さんがっ、女さんが、綺麗で、切なかったからです…!」ゾクゾク

女「…うわ、変態さんなんだね…」

女「私が寝てて、気づかないのをいいことに…」

女「鼻息荒くしながら、色んな所触っちゃったんだぁ…」

少年「……っ」ハァハァ

女「ねえ、ごめんなさいは?女さんの体、勝手に触って、勝手に興奮して、ごめんなさいって言って?」

少年「お、女さんの体、勝手にさわ、って…!ごめんなさいっ…」

女「違うよ。興奮してごめんなさい、が抜けてる」クスクス

少年「…興奮してっ、ごめんなさいっ…!!」

女「うわあ、興奮してたんだぁ」

少年「……っ。は、はいっ…」

女「…じゃあ、証拠見せてよ」

少年「…!!」

女「よく分かんない。少年君が興奮してるって、証拠見せて」

少年「…」ハァ、ハァ

女「あるよね?見せれるよね?」

少年「だ、駄目っ…」

女「はあ?勝手に人の体触った変態に、拒否権ないよ?早くしてくれないかな?」

少年「女さん、無理。無理ぃっ…」フルフル

女「…ふーん」

女「…」ピッ

少年(!?け、ケータイ!?)

女「そんなに嫌なら、いいや。今からお母さんに電話して全部言う」ピッピッ

少年「!…やめてください!お願いします!」

女「…えーと、お母さんの番号…」ピッピッ

少年「…女さんっ…!お願い…!」

女「…お願いが多いんだね。私はどうすれば許してもらえるか、さっきから言ってるのに」

少年「はぁ、はぁ…!」

女「通話ボタン押しちゃうよ?休憩時間だから、すぐ応えてくれるんだよ?」クス

少年「…っ!」

涙でぐしゃぐしゃの顔で私を見上げながら、彼はじぶんのズボンに手をかけました。

私が貸してあげた、白い花柄のパジャマの下を、降ろしていきます。

少年「…っ、これで、いいっ…ですかっ…」

女「…良いわけないでしょ。よくわかんないし」

白い太ももに引っかかった、女物のパジャマのズボン。

しかしその下には、可愛いパジャマに不釣合いな、黒いボクサーパンツがありました。

…その中心が隆起していることが、よく分かりました。

女「…分かんないなー」

少年「し、下着も…脱ぐんですか…!?」

女「さあ?私は証拠がはっきり見たいんだよ?自分で考えて行動しなよ」

少年「う、うう…」ガタガタ

…彼は、下着に手をかけました。

少年「…はぁ、はあ…!」ギュッ

少年「ぬ、脱ぎますよ?…い、いいんですか…?」

女「だから、好きにすれば?」

少年(…女さんに、見られちゃうんだ…!)ゾクゾクッ

女「…うわ」

少年「…くっ…」ズッ

女「…すご。初めて見た…」

少年「……っ」カァアッ

女「…こんな、人前で自分の晒して、恥ずかしくないの?」

少年「恥ずかしい、ですっ…!」

女「…」スッ

少年(!触って…くれるの?)

女「…んー」スクッ

少年「…えっ…」

女「…ねえ、ここに座って。足をM字に開いてごらん」

少年「…え、え?」

女「早くして?」

少年「…」ギシ

女「あはは、女の子みたいだね…。顔、隠しちゃ駄目だよ。ちゃんと見せてね」

少年(…恥ずかしい…。頭、パンクしそうっ…)カァァ

女「…私は、ここで立って見ててあげる。…しなさい」

少年「…え?」

女「だから、自慰しなさいって言ってるの。したいでしょ?いいよ?」

少年「……っ!?」

女「ここ、よく分かんないけど、はちきれそうだし…。楽になりたくないの?」

少年「で、でもっ…」

女「…」ピッ

少年「!!!…ううっ…」ギュ

少年「ぐすっ、ううっ…」

僕は、見下ろされたまま、自分のものに手をかけました。

少年(…すご、いつもより、ずっと大きいっ…)

女「…握るだけなの?」

片足に体重をかけて立ったまま、彼女は聞いてきました。

少年「…」フルフル

女「いつも自分がしてるようにしなさい」

少年「…は、い」

少年「…ん、あっ…」ビクッ

いつのまにかテレビが消えたリビング。

その静かな空間に、僕が自分自身をこする音と、荒い吐息が響きます。

少年(…見られてる)

眉根を微かに寄せて、不思議さと嫌悪感と好奇心が混じった瞳で僕を見て。

少年「…あ、あっ…。んんっ…」ハァ、ハァ

女「…くす。女の子みたいな声…」

少年「…っ。あ、あっ…はぁっ…」ギュウッ

少年(…なに、これ。気持ち良い。気持ち良い、よっ…)

少年(女さんに見られて、恥ずかしいこと言われてっ…)

少年(自分のっ、一生懸命しごいてるとこっ…。見せ付けてるっ…)

少年(…手、止まらないっ…)

女「…赤くなって、汗かいて。そんなに気持ち良いんだ?」

少年「~~っ」コクコク

女「ちゃんと言って?」

少年「お、女さんにっ…僕の、オ、オナニー、見られてっ…。気持ち良い、ですっ…!」

女「うわ…厭らしいね」

少年「…っ、あっ、ああっ…!!」

少年(も、もう…!駄目、だめっ…!!)ハァハァ

女「…あ、手の動き、早くなった」

少年「はあっ、あっ、んんぅっ…!!」

女「…いきそうなの?」

少年「はいっ…あっ、いきそう、ですっ…!」

女「…私に見られてるのに?」

少年「……っく、はいっ…!」

女「…」ゾクゾク

少年「い、いいですか?僕、女さんの前でっ…。いっても、っ…いいですかぁ…!?」

女「…はぁ、はぁ」ブルッ

少年「あっ、んっ…!ねえ、女さんっ…!いい、ですか?いいですかっ…?」

女「はあ…いいよ…」クス

少年「!んっ、あああっ…!!」

少年(女さん、女さん女さん女さん、女さんっ…!!)

少年「女さんっ…!も、いくっ…!!」

少年(女さんっ、だい、好きっ…!!)

少年「~~~っ……!!!」ブルッ

少年「…はぁ、はぁ、はあ…!…んっ…」グタッ

女「うわ…。すっごい、出てる」

少年「はぁ、はぁ…。すみ、ません…」

女「…くす。どう?きもちよかった?」

少年「…は、い…」ハァ、ハァ

女「ふふ…。頑張ったね。よしよし」ナデ

少年「…女、さん…」

女(…ああ、もう、可愛いな…)ゾク

3月29日 PM11:00

女「…やっぱ、同じベッドに二人は狭いね」

少年「…は、はい」

女「そんな隅っこにいないで、もっとこっちおいでよ」

少年「…」モゾモゾ

女「あ、でも、私の体には触らないでね?」

少年「…は、はい」

女「…今日、すごかったね。少年君」

少年「…っ」カァ

女「目が、とろーんってして、よだれも垂れてたの、気づいた?」

少年「…そ、そんな」

女「…ふふ。一生懸命こすってて、可愛かった」

少年「…っ」

女「…私もね」

女「…ちょっと、興奮しちゃった、かも」ボソッ

少年「…!」カァ

女「…明日も、覚悟してよ。勝手に触られたこと、まだ根に持ってるから」

少年「…は、はい」

女「…じゃあ、おやすみ」ゴロン

少年「…」ゴク

少年(…僕も、女さんに触りたかったな…)

少年(…我慢、できますように…)

女「…」スゥ、スゥ

今日はここまでです。
おやすみなさい

よくやっま

おつ

ええぞ

ってか、だいたい話のあらすじはできてますが、どういうプレイしたら良いか悩みます。

何かご希望あったら是非あげてください

女の履いてたパンティーでシコらせ寸止め、そっから言葉責めで堕とす

幼馴染君とのねとられプレイ

お風呂で洗いっこは王道だよね!

王道と言ったら足舐めだろ!

NTRだけ無ければいい

NTRはちょっと予定にないですねー

参考になりました!またぼちぼち書きます

3月39日 AM7:00

女「…んー…」ゴロ

女(…朝か)ムクッ

女「…少年君、朝だよー。起きてー」ユサユサ

少年「…すー、すー」

女(うわ、ぜんっぜん起きないし)

女「…」

女「…しょうねんくーーーーん!!」バチン!

少年「!!?い、いったぁああい!?」

女「あははは、ごめん。声かけても、全然起きないから」

少年「だ、だからっていきなりほっぺた叩かないでくださいっ…」ジンジン

女「ごめんごめん。…でも、びっくりしてる少年君も可愛い」クスッ

少年「…!」カァ

女「早く起きて、今日はやることいっぱいあるんだから」

少年「…っ。はい、女さん…」

>>294

うわあああ39日って何だ!

30日のまちがいです。すみません

3月30日 AM8:00

女「少年君、ちょっとこっち来て」クイクイ

少年「?…はい」

女「じゃーん、これ、なーんだ」チラッ

少年「…?えっと、何ですかこれ。…黒と白のレース?」

女「うん、これ、メイド服」

少年「え!!?」ズザッ 

女「あはは、初めて見たかな?」

少年「なっ、何でそんなもの持ってるんですか!?」

女「文化祭の後片付けで、友達から押し付けられたんだよ」ニコニコ

少年「…ま、まさか」

女「察しがよくなってきたねー…。はい、今日の服これね」

少年「…!」カァァッ

女「…早く着替えて?ね?」

少年「…う、は、い…」

女「うん、良い子」

少年「…」ヌギヌギ

女「ちょっと着にくい服だから、手伝ってあげるね」ピト

少年「だ、大丈夫です…。一人で着れ…」

少年(…?こ、これどこのボタン?)

女「…くす」

少年「…ご、ごめんなさい。お願い、します…」

女「はいはい。ここは、こうだよ」パチン

少年(…手馴れてる。女さんも、着た事あるのかな…?)

女「…」

慣れない服に、苦戦する少年君。眉根を寄せて、一生懸命に。

女(…首筋、白くて綺麗だな…)

女(…触っちゃえ)スッ

自分でも驚くほど自然に、私は自分の指を、彼の首筋に這わせていました。

少年「…!あっ…」ビクッ

彼が声を漏らしたのは、驚いたからでしょうか。くすぐったかったからでしょうか。

…それとも

少年「…な、何ですか…?」

女「ううん。何か、首、綺麗だなあって思って」スッ

少年「…ぁ、あの、くすぐっ、たい…」カァ

触っていた彼の首筋が、急に熱をおびてきました。

女「…」スッ

少年「んっ…あ、やめっ…」ビクッ

女「えへへ、じゃあやめる」パッ

少年「…えっ…」

驚いた顔をする少年君。…その顔に、残念さが滲んでいるのは、分かりきったことでした。

女「邪魔してごめん。続けていいよ」

少年「…は、い」モゾモゾ

女「…」

真っ赤な顔。耳も、首も、ほんのりと赤い。

女(…触ってこの反応だったら)

…舌だったら、彼はどんな声を出すでしょうか

女(…試したいな)

女「…」

彼は言い付け通り、服を着ることに一生懸命です。私はそっと、彼の首筋に口を寄せました。

女「…」チロッ

少年「!!!?」ガタッ

あらら、失敗です。ちょっと躊躇ったせいか、舌は先っぽしか触れませんでした。

少年「なっ、なっ」

女(もう一回…)

今度は遠慮せず、彼の首筋に舌を当てます。

女「…」ペロ

少年「あっ、女、さんっ…!?んっ…」ビクン

女「…あむ」カプ

少年「!やっ、噛まないでくださっ…あっ、んんっ…」

すでに息を荒くしながら、身をよじる少年君。

女「ねぇ、どうして…ん、声出てるの…?」ペロ

少年「だ、って…!ああっ、何か、変でっ…」

女「何か変って何?どういうこと?」

少年「…っ、はぁ、んっ…」

女「ねぇ、どういうことなの?」カプ

少年「あっ…!…ぞ、ぞくぞくって…!ぞくぞくってしますっ…!」

女「あっそう」パッ

少年「…!?」ハァ、ハァ

女「んー、全然着替えられてないじゃん。早くして?早く遊ぼうよ」

少年「…く…」

少年「は、はい…」モゾモゾ

3月30日 AM9:30

女「…何分かかってんのよ」ムス

少年「ご、ごめんなさい…」

女「ふふ、でも凄く似合ってるよ。鏡見てごらん」

少年「!う、うわ…っ」カァ

女「結構丈も短いし、太ももまで見えちゃってるねー。…足、あんまり開かないようにしないとね」

少年「…は、はい」

女「じゃあ、一日メイド少年君、よろしくね」ニコ

女「なんか本物のメイドさんみたい…。ね、もっとリアルにしようよ」

少年「?」

女「私の事、ご主人様って呼んでごらん?」クスクス

少年「!?…ご、ごしゅじん、さま…」

女「そう。女さんって言ったら、何か罰ゲームね…。この格好で外出るとか」

少年「…っ!」ブンブンブンブン

女「あはは、じゃあ頑張れー。はい、返事は?」

少年「はい、ご主人様…」

3月30日 AM10:00

女「ねえーメイドさーん」

少年「はい、何ですか、お…」ピタ

女「お?」

少年「ご、ご主人様っ。何ですか?」

女「あのさ、ちょっと肩こっちゃったから、マッサージしてほしいんだけど」

少年「あ、はい…。分かりました」

女「よろしくねー」

少年「えっと、し、失礼します」

女「痛くしないでね?それじゃ、よろしく」

少年「…」ソッ

少年(…肩、なのに…。ふわふわってしてる…)ドキドキ

女「…あはは、もっと、がっちり掴んでいいよ?マッサージにならないじゃん」

少年「え、えっと…」ギュ

女「んー、昨日は勝手に触ったくせに、今日は遠慮するんだね」

少年「…っ、こう、ですか」ギュウ

女「おお、気持ち良いー」

少年(!や、やった。喜んでもらえてる)モミモミ

女「…んふふ、なんか、くすぐったいね」

少年(…体、動いてる…。もっと触りたいな。肩だけじゃなくて…)

少年(…昨日みたいに、腕とか、足とかも…。触りたい…)

女「ちょっと、力弱くなってるよ」

少年「ご、ごめんなさい」モミモミ

女「…」

女「…なんか、眠くなってきちゃうね」

少年「!ね、寝たいんですか?」

女「…んー…」ウト

少年(目、とろんってしてる…。寝るのかな…)ドキドキ

女「…」カクン

少年(!ね、寝た?)

女「…すー、すー」

少年「…」ゴクッ

少年(…お返し、だ。朝、首触られたお返し…)

少年(あんな、厭らしい触り方して、舐めて…。僕を煽ったのがいけないんだ)

少年(女さんが、女さんが…悪いんだ…)

女「っ、ああっ」

少年「!!」

女「あっぶなー…。気持ちよすぎてマジ寝してた…。ありがと、もういいよ」

少年「そ、そうですか」バクバク

少年(よ、良かった…!気づかれてない…)

3月30日 PM1:00

女「…はいっ、あーがり」パサ

少年「…はあ…参りました」

女「もう、ほんっと弱いねー?まさか、手を抜いてる訳じゃないよね?」ジロ

少年「ち、違いますよ…。女さんが強いんです」

女「もー、そっちが弱いのー。面白くないなー」ギュッ

少年「…んむ、は、はな、つままないでくださいっ…」

女「…あ、そうだ」

女「次のババ抜きで、そっちが勝ったら…」クス

女「何か一つだけ、私が言う事聞いてあげても良いよ?」

少年「…!」

少年「…ほ、本当ですか…!」

女「うん。まぁ、絶対私が勝つけどねー」フフン

少年(…何でも、何でもできる…?)ドキドキ

女「じゃあ、カード配るね」

少年「…」ドキドキ

女「…」ジッ

少年「…」

女(…こ、こいつ。前まで表情でどこがババか分かったのに、全然だめだ)

女(…お、落ち着け。…ここ!)バッ

少年「…」クス

女「えええええええええ!!な、何でぇぇええ!?」

少年「…あがり、です」パサッ

女「う、嘘…。初めて負けた…」

女「ず、ずるした!?したでしょ?」

少年「どうやってですか…。してないですよ」

女「…く、悔しい…っ」

少年「…あの」

少年「そ、その。お願い…何でも聞いてくれるん、ですよね」カァ

女「…」

女(まあ、苛めてくださいとか、そんな感じだよね?)

女「…はいはい、分かりましたよ」

少年「…っ。じゃあ」ギュ

女(い、いきなり正座?)

少年「……き」

女「…?」

少年「…キス」

女「え」

少年「キス…しても、いいですか…?」

女「え、無理」

少年「…え、だって、何でも言う事聞くって」

女「い、いやいやいやいや。キスって、好きな人同士でするもんでしょ?」

女「そ、それに私、したことないし!無理、無理だよ」

少年「…そんなぁ」

女(参ったなー…。てっきり、その、また「見て」くださいとかだと思ったら…。)

女(…ま、まさか攻めに転じてくるとは)

少年「…」

女(やばい、めちゃくちゃ凹んでる…)

女「…えーっと」

少年「…好きな人同士でするもの、って…」

女「う、うん。まあ、あんな事しておいて今更って感じだけど、ねえ?」

少年「…」

女「…そんな怒らないでよ」

少年「怒ってないです」

女「じゃあ、目を合わせてよ」

少年「…」フイ

女「…」

女「こっち見なさい、これ、命令だよ」

少年「…っ」フイ

女「…!(な、生意気な…)」

女「言う事聞けないなら、お仕置きだからね?」

少年「…」

女「…っ」グイ

少年「…あ」ドサ

女「どうせ、あんたなんて…」グイッ

少年「やっ、い、痛い…っ!」

女「苛められて、気持ちよくなりたいだけのクセに…!」

少年「ち、違っ…!」

女「ただの性欲の塊なんだから、生意気にキスしたいとか言うなっ…!」ギシ

少年「や、やっ…!苦しい、ですっ…!のしかからないでっ…!」

女「…変態!変態、変態っ」

少年「…っ、違うっ…」

女「あはは、何が違うの?…大きくしてるくせに」サワ

少年「…!!」ビクッ

女「うわ、熱っ…。ねえ、スカートの上から触っただけなのに、こんなに熱い」

少年「あっ、女さっ…」ビクビク

女「ご主人様、じゃなかったっけ?」

少年「ごしゅじん、さまっ…!止めて、くださいっ…!」

女「偉そうに命令しないで…。ほら、こうされたかったんだよね?」ツゥ

少年「あっ、んっ…!!」

女「…」パッ

少年「はぁ、はぁっ…」ブルッ

女「…ベッドに座って。足、ぺたんってつけて」

少年「な、なんでですかっ…」

女「早くしなよ。イライラさせないで」

少年「…っ」ペタン

女「ほら、前見てごらん。姿見に、あんたが映ってる」

少年「…!」

女「こうして、後ろから…」ギュ

女「私に、手を回されてさ…」

少年「…はっ、はぁ、はぁ」

女「ほら、ちゃんと見てごらん。…下、めくるよ?」ピラッ

少年「…う」

女「大きくなってるの、自分で分かるよね?」

少年「…っ」コクコク

女「私に、ちょっと撫でられただけなのに?こんなにしちゃうの?」

少年「は、い…。ご主人様の手…で…」

女「私の手で?」

少年「……こ、ここなぞられて…。っはあっ…気持ちよかった、ですっ…」

女「へー、そうなんだ。じゃあ、したくなってきた?」クスクス

少年「…っ、は、い…」

女「声が小さい。ちゃんとお願いして欲しいなぁ」

少年「…出し、たいです…っ」

女「くす。じゃあ、いいよ…。見ててあげるから、またやったら?」

少年「…っ」ゴソゴソ

女「あはは、もう全然躊躇わないんだ。余裕ないね」

少年「はあ、はあっ…んんっ…」

女「…下向かないで。ちゃんと鏡見なさい」

少年「…っああ…!」ビクビク

女「ねえ、あんたここで何してるの?」

女「私のベッドの上で。男のクセに、メイド服なんか着て。一生懸命、何してるの?」

少年「はぁ、んっ…!僕っ…オナニー、して、ますっ…!」

女「あっははは、馬鹿じゃないの?手、何で早くなってるのよ」

少年「…!あああっ、はぁっ、ううっ…!」ビクビク

女「…手伝ってあげようか?」

少年「…え、っ…」

女「このまま前見て、続けなさい」ギシッ

少年「…っ!?」

女「…また、首筋舐めてあげるよ…」チュル

少年「…あっ、あっ…!駄目、それ、ぇっ…!!」

女「…ん。駄目じゃ、ない…でしょ」

少年「あっ、やっ…!!駄目、変っ…だからっ…!」

女「変じゃなくて…あむ…、きもちいんでしょ?…涎、垂れてるし」

少年「あっ、あああ…!!」ビクビク

女「…耳も、してあげるから」ペロ

少年「はぁ、はあ、んっ…!も、だめっ…ごしゅじん、さまっ…」

女「んー?もう…?はぁ…早いんじゃ、ない…?」カプ

少年「らって、耳、耳がぁ…!きもちい、よっ…!」

少年「あっ、ああっ…!」

少年(来る、来るっ…!)

少年(…女さんの、唇…っ、こんなに近くにある、のにっ…!)

少年(キス、しながら…いきたい…!)

少年「…っ!」グイッ

女「!なっ、何して」

少年「ご主人様、ご主人様っ…。好き、好きだよっ…」ギシッ

女「…や、やだ!離して!ちょ、っと…!!」

少年(僕、女さんにのしかかって…っ)

少年(キス、したい…!女さんの舌っ…)ギシッ

女「…やめてって言ってるでしょ!!」

ドカッ!

少年「!い、った…!!」ドサ

女「はぁ、はあっ…。少年君、あんた、なにしてんのっ…!?」

少年「…ご、ごめんなさい…」

女「…っ、もう、いい。今すぐ止めなさい、それ」

少年「…えっ!?だ、だって、もうすぐ…っだったのに!」

女「駄目。もうお終い」

少年「…い、嫌です!出させて!出させてくださいっ…」

女「絶対駄目!ふざけないでよ、勝手に押し倒してきたくせに」

少年「こ、こんな状態で…!無理、すぐなんです、からっ…」モゾ

女「…触るなっ」

少年「…そん、なあ…」

女「これは、罰だから…。我慢しなさい」

3月30日 PM4:00

女(…私のメイドさんが口もきかず、ソファに座ったままで3時間が経過しました)

女(押し倒されて、顔近づけられたときは、焦ったなぁ…)

女(…そんなにキスしたいか。…気持ちよくなるなら、自慰だけでいいじゃん)

女(…好き、だってさ。…私は)

女(…少年君が好き、だからこんなことしてるのかな?…違うな)

女(単純に、表情や反応が見たいから。だから、こ、こういう恋人がするようなことは…)

女(…あー、どうしよう)

女(…そりゃあ、少年君は良い子だよ)

女(…でも、好きだなんて、考えた事ないし)

少年「…」

女(ずーっと膝抱えてる。…見えてるのになー、スカートの中身)

少年「…」

女(…)

女(何か、可哀相なことしちゃったのかな)

女(…はぁ)

女「…ねえ」

少年「…」ピク

女「えーと、その。少年君は、さ」

女「…私が、好きなのかな?」

少年「…はい」

女「そ、それはあれか。こう、気持ちよくされたから、みたいな…?」

少年「…」

女「だとしたらね、それは全くの勘違いだよ。君の感情は、恋愛感情とかじゃなくて、ただの性欲だから」

少年「…はい」

女(…我ながら意地悪なこと言っちゃった)

女(…本当は、分かってる。そうじゃない。少年君は、ずっと前から)

女(でも、どうしたらいいの。こんな捩れた関係なのに)

女(今更何もなかったように、少年君を受け入れる事ができるはずない)

女(…少年君は、私に逆らえないだけ。私は、彼の反応が見たいだけ)

女(それでいい。そのほうが、ずっといい)

3月30日 PM8:00

少年「…」ノソ

女「あ、お風呂?」

少年「…はい」

女「あ、あははー。残念だなぁ。もうメイドさんはお終いかー」

少年「…」スタスタ

女「…」

女(あああああ、もう)

ガラッ

女「…しょ、少年っ!!」

少年「!わ、な、何ですかっ!?」バッ

女「…私も」

少年「は、はい?」

女「私も入る」

少年「」

女「ああああ何かもう色々、吹っ切れたわ!入る!一緒に入る!」

少年「な、何言ってるんですか、ちょっ」

女「うるさい!あんたが何時までもムスーってしてるから!私だって、申し訳ないって思ってるよ!」

少年「だ、だからって何で」

女「…だからっ」

女「……なんていうか、その。不公平、かなって」

少年「は…?」

女「…」カァ

女(な、何を言ってるんだ私は。しかも何がしたいんだ一体)

女「だからそのー、スキンシップ!スキンシップだよ!」

女「…っ、私と入るの嫌!?」

少年「そ、そんなことないです!」

女「じゃ、じゃあ問題ない!さっさと脱ぐ!」

少年「…は、はいっ…」

女「…」モゾモゾ

女(ど、どうしちゃったんだ私は…!)

少年(…どうしちゃったんだろう、女さん)

僕の目の前で、女さんが一枚ずつ服を脱いでいきます。

決して触らせてはくれない、彼女の白い肌。柔らかい体。

…僕がずっと想像していた、彼女の、体…

女「…じ、じろじろ見るな」

少年「す、すみません」

少年「…」チラ

女「だから見るな!!」

ガラッ

女「…」

少年「…」

少年(…タオル巻いちゃうんだ…)

女「さ、先に洗ってあげる」ガシッ

少年「!え、じ、自分でしますって!」

女「いーや。私が洗ってあげるから!動くなっ」

女「…ここ、座って」

少年「…う、はい…」

女「…」ゴシゴシ

少年(…あ、結構気持ち良い…)

その手つきは別に、厭らしいわけではありませんでした。

何か壊れ物を扱うみたいに、恐る恐る触れているようで。

女「…い、痛くない?」

少年「痛くないです。気持ち良いです…」

少年(…意地悪してこないのかな)

少し残念な気もしましたが、彼女の手つきから、その、なんというか

少年「…優しく洗うんですね」

愛情、みたいなものが

女「う、うるさい」

少年「…」クス

女「はい、お終い…。流すよ」キュ

少年「はい。ありがとうございます」

女「…じゃあ、湯船へどうぞ」

少年「…あの」

女「…何よ」

少年「…僕も、洗ってあげたいんです、けど」

自然と言葉が出てきました。

女「…」

断られるのは、分かっていました。けど、言いたくなりました。

女「…いいよ」

少年「え」

女「…いいよ、もう、なんか…。どうぞ」

少年(ええええええええ!!?)

少年「い、良いんですかっ?さ、触っちゃうんですよ?」

女「…いいよ」

少年「…っ。あ、ありがとう…ございます」

少年(こ、断られて当然だと思ったのに…!)

女「や、やるなら早くね。お湯つかりたいし」

少年「…ど、どこから洗ったらいいですか」

女「…髪の毛」

少年「は、はい。わかりました」

女さんを椅子に座らせて、僕は後ろへ回ります。

少年「…で、では」キュ

女「…んー」

少年「…」シャカシャカ

少年「い、痛くないですか」

女「ううん。…大丈夫」

少年「そうですか、良かった」シャカシャカ

女「…あのさー」

少年「は、はい?」

女「…いつから?」

少年「…?」

女「私の事、いつから好き…なの」

少年「…そ、それは」

少年「…。ずっと前から、です」

女「ずっと前って、いつよ?」

少年「だ、だから…。強いて言うなら、会った時からです」

女「…わお」

少年「本当ですよ…。だから、その。気持ちよくしてもらったからとかじゃ、ないです」

少年「女さんともっと近づけるって思ったら、拒否できなかったし…」

女「…ふーん」

少年「…えっと、じゃあ、流しますね」ジャー

女「んー」

少年(…つ、次は体か)

少年「…」ゴク

少年「…え、と。体…触りますね」ソッ

女「はい」

前触ったときよりも、ずっと深く指が彼女の体に沈んでいきます。

少年(…女の子、なんだなぁ…)

女「…くすぐったい。くくっ」

少年「!う、動かないでください」

背中をタオルで撫でただけで、彼女は結構敏感に反応しました。

少年「…前も、いいですか」

女「…どうぞ」

少年「…っ」ムニュ

女「後ろから!?」

少年「だ、だって…。ま、前からは…!」

少年(…女さんの胸、触ってる…!)ギュッ

女「…んっ」

少年「…く、くすぐったいですか」

女「…わかんない」

少年「……」ゴシゴシ

女「…ん、っ」

少年「は、はい。次は足です」

女「…はぁ、どう、ぞ」

少年「…」ゴシゴシ

女「…あのさ、少年君ってさ」

女「…足フェチだったりする?」

少年「…なっ」

女「い、いやだって…。本とかにも、そんな感じのシーンあったし…」

少年「…し、知りませんっ」

女「お、おお。怒らないでよー」

少年「…お、女さんの足なら、好き…です」

女「!は、恥ずかしいこと言うな馬鹿っ」ベシッ

少年「い、いたっ。ごめんなさいっ」

少年(な、なんか雰囲気に流された…!こんなの言うつもりなかったのに)

少年「…じゃ、じゃあ。おしまいです」ジャー

女「…。ちょっと、前見せて」

少年「…何で、ですか」カァ

女「手、どけて。見せて」

少年「…っ」スッ

女「…」

少年「ご、ごめんなさい」

女「何も言ってないじゃん…。まぁ、生理現象だからいいよ」

少年「…う」カァァ

女「それに、朝からずっと焦らしてたつもりだったし」

少年「!そ、そうだったんですか!?」

女「うん。昼のだって、結局最後までやらせないつもりだったし」

少年「…ひ、酷い」

女「あはは、ごめんって。…したい?」

少年「…したい、ですけど」

女「…じゃあ、そこに膝ついて」

少年「は、い…」

浴槽のへりに腰かけている女さん。彼女の足が、僕の顔の前にさしだされました。

女「…私の足、好きなんだよね?」

少年「…はい」

女「…ん」

女さんのつま先が、そっと僕の頬を撫でました。

少年「…え、あの」

女「…好きにしてごらん」

少年「…!!」

少年「い、いいんですか」

女「…」コク

少年(う、嘘。どうしよ、どうしよ…!!)

少年(女さんの足…。好きにして、いいの…?)ゴク

少年「…じゃ、あ…。その、舐めても、いいですか…?」

女「…どうぞ」

少年「…っ…」チュッ

女「…ぁ」ビク

少年「あむ、ちゅっ…。女さん、女さんっ…」チュ

少年(すごい、滑らかで、熱っ…)

少年「はぁ、ああ、んっ…。すご…ん、ふっ…」

これはアレですな
いずれ共に依存しちゃう感じですな
女ちゃんも少年くんの虜になっちゃうんですな
大好物です

女「…っ」フイ

少年「か、顔っ…、逸らさないで、ちゃんとっ…はぁっ、僕を見てくださいっ…」

女「い、いや…だって…んっ」

少年「女さんっ…あっ…くすぐったい、ですか?」

女「…知らない。わかんない」

少年「んぅ…っ、僕はっ…きもちいですっ…」

女「き、聞いてないよっ…あっ…」ビク

少年「…もっと、上のほうもいいですかぁっ…?」

女「う、上ってどこ!?ひ、膝の下だけじゃ満足できないの?」

少年「…」コクン

女「で、でも。えっと…」

少年「…駄目、ですか」

女「…い、いいよ」

少年「…綺麗な太もも…。ん…ちゅ」

女「!う、うわっ」ビク

少年「あむ…はぁっ…」

女(…な、なにこれ)モジ

少年「…んっ…あっ…。あ、あの…っ、足、抱えていい、ですか…」

女「な、何で?」

少年「太ももの裏のほうが…。その、気持ち良いと思うんで…」

女「き、気持ち良い!?な、何が」

少年「…んっ」グイ

女「…きゃっ!」

少年「…ちゅ…っふ…。女さん、女さんっ…」

少年「…んぅ」チュゥッ

少年「…ぷはっ。あ、で、できた…」

女「…何が?」

少年「えっと、えへへ…。キス、マーク…」

女「!」

少年「白い肌に、ぽつんって赤い色があって…。すごく、綺麗です…」

女「…っ、報告しなくていい、から…」

少年「…ふふ、ごめんなさい…」

少年(つけちゃった…。女さんの肌に、僕の印…)

少年「…っ、ああっ…ふっ…」ビクッ

女「…来そうなの?」

少年「…っ、は、いっ…」

女「あっ…、ん…。そ、っか…」

少年「女さんも…っ、気持ち良いですか…?僕に足、舐められて…」

女「…っ」

女「…うん。きもちい」カァ

少年「…っ、嬉しい、ですっ…あっ…」

少年「女、さんっ…!可愛い、です…」

女「ば、馬鹿…じゃないの…んっ…」

少年「はぁ、ああっ…。も、いくっ…んっ…」

少年「うっ…く、いい、ですか?僕、女さんの足舐めながら、いっても…!」

女「はぁっ…。いい、よ…」

少年「女さん、女さんっ…んぅっ…ああっ…!!」ビクン

少年「…っ…!!」ビクビク

女「うわっ…!」

少年「っ…はぁ、はあっ…。ご、ごめんなさい…。ちょっと、かけちゃった…」

女「…そ、そんなに溜まってたの?」

少年「…う」コクン

女「そ、そっか。ふーん…」

少年「ごめんなさい、すぐ流しますね…」キュッ

女「ん…」

少年「…その、気持ち良かったです」カァ

女「…あ、あっそ」フイ

少年「…女さんの声も、その…。可愛かったです」

女「…っ!」ベシッ

少年「い、いったい!蹴らないでくださいよっ…!!」

女「へ、変なこと言うな!声なんかだしてないし!」

少年「…で、でも気持ち良いって」

女「今度はお腹がいいかな」

少年「すっすみませんっ!」

ハードじゃなくて甘々なのがたまらん

女「っ寒…。湯船、つかる」スッ

少年「…あ、あのっ」

少年「い、一緒に入っていいですか…?」

女「…なんかグイグイ来るね」

少年「だ、駄目…ですか?も、もう変なことしませんからっ」

女「んー…。しょうがないなぁ」

少年「や、やった」ニコ

女「…」ムス

少年「…」ワクワク

女「…」バサッ

少年「わっ…!な、何で入浴剤そんなに入れるんですか!?」

女「う、うるさい」ボフボフ

少年(…お湯、濁ってる。女さん、見えなくなるのに…)

女「…」

少年「…女さん、なにしてるんですか?入らないんですか?」

女「…う、うん。入る」

少年「…ふー。温かい」チャポン

女「…もうちょっと端っこ行ってよ」

少年「え、ええ…?余裕ありますし、いいじゃないですか」

女「行って」

少年「…う」ズリズリ

女「…」チャポン

少年「温かいですね」

女「…うん」

少年(…髪上げた女さん、色っぽくて可愛いなぁ)

少年(…も、もうちょっと近づいてもいいよね)ズリ

女「こ、来ないでよ」ジャバッ

少年「うぶ!?な、何で水かけるんですかっ」

女「ち、近づいてくるのが悪いでしょ!」

少年「うー…。水、鼻に入ったぁ…」グシ

女「…」プイ

少年(…き、機嫌悪い?もしかして)

少年「…女さーん」

女「…」

少年「な、何で怒ってるんですかぁ…」

女「別に怒ってないし」

少年「…あの、もしかして…。僕だけいっちゃったからですか?」

女「死ね」バシャッ

少年「…わ。あはは、二度目はくらいませんよ」

少年「あ、あの…。よければ、女さんも、その」

女「…いい」プイッ

少年(…あ、後ろ向いちゃった…)

少年(僕にはあんなに色々したのに、自分がされるのは駄目なのかな…?)

女「…」

少年(…か、可愛い…)

少年「…女、さん」ギュウ

女「!!」ビク

少年「えへへ、後ろから抱きつかれるの、女の子は好きなんですよね」

女「…ど、どこ情報だ。そんな訳ないでしょ」

少年(あ、震えてる。顔も真っ赤だし…。やっぱり、受身なのは苦手なんだ)クス

女「は、離れてよ」

少年「嫌です」ギュウッ

女(…い、意外と力強いし。ふりほどけない)

少年「女さん、温かいですね。それに、ふわふわしてる」クスクス

女「み、耳元で声出さないでよ」ビク

少年「あはは…ごめんなさい」

少年「ねぇ、女さん」

女「…何」

少年「どうして今日、僕に体を触らせてくれたんですか?」

女「…」

少年「…教えてくれませんか?」

女「…」

少年「む、無視ですか。じゃあ、僕が勝手に喋りますから」

女「…」

少年「…最初は、僕のご機嫌取りかなーって思いました」

少年「僕が言う事を聞かなくなって、反応が悪くなったら困るからかなって」

女「…」

少年「で、でも、その…。僕の勝手な推測ですけど」

少年「お、女さんは…。えっと、僕を…」

女「…っ」ブン

少年「うわあああああ!!!?」ヒョイ

女「ちっ、外したか」

少年「い、いきなり裏拳ですか!?びっくりしたぁあ!」ドキドキ

女「流石バスケ部、素晴らしい反射神経だね」

女「…あーあ、のぼせちゃった。もうあがる」ザバッ

少年「え、えー…」

少年「む…。じゃあ、僕もあがります」ザバ

女「付いて来ないでよ…」

少年「ぼ、僕ものぼせそうなんですっ」

女「…ふん」

女(調子狂うなー、もう)フキフキ

女(いきなりグイグイ来て。生意気な)

少年「…」ジッ

女「な、何見てんの」

少年「え、えっとー…。下着つけてる女の子って、ちょっとそそるなぁって」

女「…」ガシ

少年「ごっごめんなさい、ごめんなさい!ドライヤー置いてください!」

女「…ちっ」ポイ

3月30日 PM11:00

女「…」

少年「お、女さん」

女「…」

少年「女さん、寝てますか?」

女「…」

少年「…えい」プニ

女「…っひゃ!?」ビク

少年「あはは、やっぱり寝たふりだったんですね」

女「…も、もう」

少年「…可愛いです、すごく」

女「あ、あほかっ」

少年「…あの、ちょっとお話していいですか?」

女「ご自由に…。つまんなかったら勝手に寝るから」

少年「…えっと、明後日で僕、ここを出ますよね?」

女「んー、…そうだね」

少年「その…。寂しくないですか?」

女「別にー」

少年「う。そ、即答ですか。傷つきます」

少年「…僕は、すっごく寂しいです」

女「…」

少年「女さんと、折角距離を縮められたのに…。また離れ離れになるんですね」

女「気持ち悪」

少年「ひ、酷い!」

少年「ま、まあいいです。…続けますよ」

少年「ぼ、僕…。そのですね、こんなことになるとは想像もしてなかったです、けど」

少年「…女さんが僕を、ちょっとでも必要としてくれるなら、それでいいです」

女「…はぁ?」

少年「こんな妙な関係でも…。女さんが僕を使って満足感を得られるなら、それでいいんです」

少年「だって、僕」

少年「大好き、ですから…。あなたのことが」

女「…」

少年「僕、何か変な趣味もあるし、地味だし、余裕も何もないガキです」

少年「…幼馴染さんみたいなタイプじゃありません…」

少年「…だから、女さんと両思いになれるなんて思ってないです」

少年「でも、好きです。大好き。多分、これからもずーっと」

女「…」

少年「…女さん、大好き」

女「…」

少年「…女さん?」

少年「…」ツン

女「…」

少年「…寝ちゃった、かぁ」

少年「…おやすみ、女さん」

女「…」



女「馬鹿」ボソ

3月31日 AM7:00

女「…んー」モゾ

女「…ふぁ。少年君、朝ー」

女「…って、あれ」

女(い、いない…だと)

女(珍しいな…。いっつも朝弱いくせに…)

女「…あれ、良い匂い」クンクン

少年「~♪」

女「…なにしてんの、君」

少年「あっ、女さんおはようございます。朝ごはんできてますよ」ニコ

女「どういう風の吹き回しっすか」

少年「い、いや!朝ごはんって言っても、ハムエッグ作って、トースト焼いただけです」

女「…彼女か」ボソ

少年「?何か言いました?」

女「ううん、なーんにも。いっただきまーす」アム

少年「…うーん、卵、ちょっと焦げちゃいましたね。ごめんなさい」

女「ううん。普通に美味しいよ」

女(てか、…なんだこの違和感は)

女「…あ」

少年「んー?どうしました?」

女「し、少年君、男物の服着てる…」

少年「ああ、そうですねー。…いけませんか?」

女「い、いや。別に…」

女「…えっと、今日は何しようかー。お母さん夕方には帰ってきちゃうし、昨日みたいにおおっぴらには」

少年「すみません、今日、僕予定あるんですよね」

女「…え」

少年「ですから、今日はそういうの、できません」

少年「はー、ごちそうさまでした。あ、女さん、皿ください。洗いますから」ガタ

女「…う、うん」

女(…予定、って。何があるっていうのよ)

3月31日 AM10:30

少年(…もう、十時半か)

少年(そろそろ準備した方が良いかな)

女「…」ジッ

少年(えっと、上着は…っと)

女「…少年君」

少年「は、はい?」

女「…ちょっとこっち来て」

少年「…あの、そろそろ行かなきゃいけないんですけど」

女「早く」

少年「…はい…」

女「…っ」ガシッ

少年「う、うわっ!?」

女「…ちゅっ…」

少年(!ま、また首筋っ…)

女「…あむ、ちゅぅ…っ」

少年「お、女さんっ…。は、離してくださっ…」

女「…うるさい。あんたに、あむ…。拒否権ないって、言ったよね…」チュ

少年「だ、駄目ですっ。お願い、離し…」

女「…反応してるくせに」スッ

少年「!」

少年「…止めてくださいっ!」ドン

女「…っ!?」

少年「…っはあ…。ぼ、僕、これから予定あるんですってば。こんなことしてる場合じゃないんです」

女(…なに、こいつ…)

女「…言う事聞けない訳?」ジロッ

少年「はい。聞きません」

女「…!!」

少年「それに、もうこんなこと止めましょう」

女「は、はぁ?何言って」

少年「もう僕、こんな事したくありません」

女「…!」

女「…君、自分が何言ってるか分かってるの?」

少年「はい。もう僕、女さんにこういうことして欲しくないです」

少年「良いおもちゃが無くなって、あなたは困るでしょうけど…」

女「…ふー、ん…。じゃあ」

少年「バラすなり何なり、好きにしてください」

女「…なっ」

少年「もういいですか、僕、行きますね」クルッ

女「ちょ、待っ…!」

バタン

3月31日 AM11:00

少年「はぁ、はぁ…っ」

少年(えっと、図書館の前…。あ、いた!)

幼馴染「…」ソワソワ

少年「…」スゥー

少年(よ、よし。ちゃんと言うぞ)

少年「…あのっ」

幼馴染「…お、はい?」

少年(落ち着け、落ち着け…)

少年「あの、待ち合わせ…してますよね」

幼馴染「え、そうだけど…。君、誰…?」

少年「…少女、です」

幼馴染「…は?」

少年「ですから、少女です。幼馴染さん」

幼馴染「…え、え?」

幼馴染「いや待って待って。君、少女ちゃんの弟君かなにか?イタズラ…」

少年「ですからっ。僕が少女なんです!」

幼馴染「…え?待って、あのさ、冗談は」

少年「…告白の返事は、会ってしたいので、図書館の前で11時に待っていてください!」

幼馴染「え」

少年「き、昨日僕が送ったメールです」

幼馴染「…う、嘘。まさか…」

少年「…騙してごめんなさい。少女は僕、女装した僕です」

幼馴染「…」ポカーン

少年「…本当にごめんなさいっ…!」バッ

幼馴染「…マジか…」

少年「こんなことになるとは思ってなくて…!ごめんなさい」

幼馴染「…すまん。少し時間をくれ」

幼馴染「頭を整理したい…」

少年「は、はい」

3月30日 AM11:30

幼馴染「…しっかし、凄い精度だったな。女の子にしか見えなかったよ」

少年「う、すみません」

幼馴染「いや、いいんだ…。さっき木に頭ぶつけたので吹っ切れた」

幼馴染「それに、まだ本気じゃなかったし…」

少年「…そ、そうでしたか」

幼馴染「あはは、まあねー」

少年「あ、あの。まだ話は終わりじゃなくて」

幼馴染「おいおい、今度はどんな告白だよ。まさか君、ソッチの気が」

少年「ないです。断じて無いです」

幼馴染「お、おう。よかったー」ホッ

少年「…えっと、あなたの近くには、少女とかいうのよりも、もっと良い女の子がいます」

幼馴染「…え」

少年「あなたのすぐ、傍ですよ。長い時間一緒にいる」

少年「…彼女に、気づいてあげてください」

幼馴染「…それって」

少年「じゃあ、僕、帰ります」スクッ

少年「許してくれて、ありがとうございました!じゃあ!」タタタ

幼馴染「お、おいちょっと…」

幼馴染「…」

幼馴染(俺の傍にいる、女の子…)

幼馴染(……あの子、まさか…)

3月31日 PM1:00

ガチャ

女「…!」バッ

少年「…た、ただいま、女さん」

女「…」フイ

少年(…そうだよね)

少年(これでいい。二度誘われたら、きっと…)

少年「…僕、自分の部屋に行きますね」

女「…」

女(…何が、もうこんなことして欲しくない、だ)

女(…拒否されたのか)

女(…)

不思議でした。

彼が私を拒む事は、予想の範囲内のつもりでした。…最初のうちは。

でも、悦んでる彼を見て、私に奉仕する彼を見て

女(…いつのまにか、少年君がわたしのすることを拒否するなんて)

考えもしないようになった。

不思議でした。

女(…少年君に断られて)

女(…私に逆らうなんて、とか。生意気だ、って)

思うよりも先に

女(…単純に)




傷ついた私が居ました。

女(…なんで、そんなこと思うんだろう)

何ででしょう。

女(怒りとか、そんなことよりも、…寂しいし、悲しい)

何ででしょう。

女(そして、何で私は)

女(…彼のことをまだ、バラしてないんだろう)

…何ででしょう。

女(……)

3月31日 PM6:00

母「…ただいまー。あー、疲れたー」

女「…おかえりー」

少年「おかえりなさい」

母「二人とも、留守番大丈夫だった?何もなかった?」

少年「いいえ、何もなかったです」

女「…」

母「そう。良かった」

3月31日 PM8:00

女(…あ、服回収しなきゃ)

女(…あ)

女(…そっか。今日はもう)

母「いやー、寂しいわね、女」

女「は?何が」

母「少年君よ!もう明日で帰っちゃうのよ?」

女「…そうだったっけ」

母「そうよ…。またしばらく会えないわね」

女「…」

母「そうそう、少年君、来学期には3年生じゃない?」

女「うん」

母「志望校、あんたと同じ高校にしてたのに、変えちゃったんだって」

女「…はぁ?」

母「やっぱり自分の学区内にするって…。うーん、まあ確かに交通費とかもあるしね」

女「…へー」

女(何、あいつ)

女(距離を置くにもほどがあるでしょ)

女(しかも露骨すぎるし…!)

女(き、昨日まで私の事好きとか言ってたくせに)

女(何勝手に離れてるの!?馬鹿じゃない…)

母「…女?」

女「…あ、いや。なんでもない」

3月31日 PM10:30

女「…」ジッ

女「…っ」

コンコン

「…はい」

女「わ、私。入って良い?」

「あ、駄目です」

女「…な、何でよ!」

「ごめんなさい、荷物まとめてて忙しいので」

女「…っ、あのね、君、どういうつもり?」

「はい?どういうつもり、って?」

女「い、いきなり距離おいてきて…。しかも志望校とか」

「まあ、単純な心境の変化ですよ。志望校だって、今の学力に見合った」

女「…っ。わ、私のせいなの!?」

「…え」

女「わ、私が君に酷いことしたから?本当は嫌だったから?それとも、私の事嫌いになったんだ?」

「それは、違います…」

女「う、嘘。あんなことしておいて、私が何もさせないから…。愛想がつきたんでしょ」

「…」

女「私が好きって言ってくれたのに…、私は君を」

「女さん、声が大きいですよ」

女「…!」

「…疲れてるんですよ、だから寝たほうが」

女「…もう、いい」

女「…」ガチャ

バタン

女「…」ドサ

女(あーあ)

女(何言ってるんだ)

女(私の事、嫌いになったんだー…だって。彼女でもないくせに、馬鹿かお前は)

女(…馬鹿か…)

女「…はぁ」

女「…」

<~♪

女「うわっ」ビク

女(…メ、メールか。びびった)

女「…えっと。…幼馴染?」

女(何だ、こんな時間に…)ピッ

女「…」

女「…!」

4月1日 AM9:00

少年「…ふー」

少年(…長いようで、短かったな。春休み…)

母「じゃあ、忘れ物は無い?」

少年「はい。おばさん、本当にお世話になりました」

母「いいのよお…。っていうか、本当に送っていかなくて良いの?」

少年「はい。どうせ駅までですし」

母「そう…。寂しくなるわね。またいつでも来て」

少年「…あはは、どうでしょう」

少年(…できれば、もう)

少年「…すみません、電車の時間があるので、これで。本当にありがとうございました」ペコ

母「はい、またね。元気でね」

少年「…」ペコ

少年「…」クルッ

少年(…さよなら、女さん)

少年(…)

「…電車の時間って。まだ一時間以上あるじゃん」

少年「…うわ!!?」

女「…よう」

少年「な、なにしてるんですか女さん!へ、部屋にいたんじゃ…」

女「こっそり抜けてきた。さよなら言ってないし」

少年「…さ、さようなら」

女「いや、まだ言わない。駅まで送っていくから、荷物ちょーだい」スッ

少年「…あっ…」

少年「…一人で行けます。帰ってもらって結構です」

女「は?私が何するかなんて、私が決めるの。口出ししないで」

少年「な…」

女「ほら、さっさと歩け!ひょろがき!」バシッ

少年「ん、い、ったあ…!」

女「…んー、天気が良くてきもちー」

少年「…」

女「…昨日さぁ」

少年「はい」

女「…幼馴染から、メールがあったの」

少年「…そうですか」

女「ふふっ。…でね」

女「…私、幼馴染と付き合うことになったんだ!」ニコ

少年「…っ」

少年「ほ、本当ですか!おめでとうございます!」

女「っていう」

女「シナリオだったんだろ」バシンッ

少年「!!?い、痛っ!?」

女「嘘でぇーーーす。付き合うもんか、あんな女装した男も見抜けない奴」

少年「……!?な、な」

女「君、昨日あいつに会ったんでしょ」

少年「…!!」

女「昨日奴からメールがありましたー。少女ちゃんが男で、恋破れましたってね」

少年「な、なんのことですか」

女「観念しろ!馬鹿!」ゲシッ

少年「い、いたい!!やめてくださいっ」

女「…あいつが、全部言ってきたの」

女「『彼女に気づいてあげてください(キリッ』…って言う変態がいたって」

少年「」

女「余計な事、すんな!」バシバシ

少年「うわぁあああ!!」カァァ

女「私と幼馴染をくっつけて、そのままトンズラここうと思ったわけね!はいはい良い子良い子ぉー」ワシャワシャ

少年「な、な」カァァ

女「…だから昨日も冷たかったんでしょ」

少年「…っ」

女「私の返事も聞かないで逃げるつもりだったんだ」

少年「だ、だって」

少年「お、女さんにっ…。普通の恋愛をして欲しかったんです!こんな、僕みたいな歪んだ相手じゃなくて」

女「歪んだ…ねぇ。それ、私も一緒だし」

少年「…女さんは、歪んでなんか無いです!僕の方が、ずっと汚いっ…!」

少年「ぼ、僕なんか、僕なんかっ」

少年「地味だし、頭もよくないし、ひ弱で女装癖なんかあって…!!」

少年「女さんの気を引きたくてっ、色々せこいことしてきた、卑屈な奴なんです!」

少年「…っだから、女さんの傍にいていいわけ…」

女「…」

女「なんっじゃそりゃ」

少年「…は?」

女「今の自己分析、もう正論すぎて口はさめないけど」

女「そんなの、もうとっくに知ってるんですけど」

少年「…は」

女「うん、確かに歪んでる。だから、私も一緒」

女「その理論でいったら、私も君の傍にいる資格ないね」

少年「…」

女「ちょっと黙って聞いてくれるかな」

女「…最初はさー」

女「君の顔とか、声とか、反応とか。そういうのが見たくて、自分が満足したくてやってた」

女「けど、一緒にお風呂入いったときから、あれ?ってなった」

少年「え」

女「黙れ」

少年「…」

女「なんかさ、こう…。単純に、気持ちよくしてあげたいなー、満足させてあげたいなーって」

女「…何か、自分のこととかはどうでも良くなっちゃった」

少年「…えっと、それって」

女「…黙れって」

少年「…」

女「…少年君」

女「…好き、なんだけど。君の事」

少年「」

女「喋れ」

少年「」

女「あらら」

少年「え、う、嘘。えっ」

女「うん、嘘」

少年「…!!」

女「あはは、その顔。…本当だって。好き、君が好き」

少年「だ、だって僕」

女「ドMで女装好きで、勝手に人の服着たり、体触ったりする君が好き」

少年「…あ」

女「…君は?」

少年「…」パクパク

女「私のこと。好き?」

少年「…っ」コクコク

女「…うーん?どんな私が?」

少年「…っ、ドSのくせに、自分が受けの時はヘタレでっ、すぐからかってくる…」

少年「あ、あなたが。女さんが…好き、です」

女「はい、よくできました」ワシャワシャ

女「うおー、両思いだね」クス

女「めちゃくちゃ順番すっとばしてるけど…」

少年「…っ」カァ

女「…手、握っても良い?」

少年「は、はい」

女「…ありがと」ギュ

少年「…あ、あの」

女「はい?」

少年「…っ」グイ

少年「…っ、ぼ、僕からも、お願い、いいですか…」

女「…」

女「いいよ」

少年「…っ」ゴク

少年「…キ、キス。しても…いい、ですか?」カァ

女「嫌」

少年「…えええ!?」

少年「な、何で!?この流れで、断るんですか!?」

女「…だーかーら」グイ

女「お願いの仕方が、違うでしょ」

少年「…え」

女「…キスしてもいいですか、じゃなくて」

女「…『キスしてください』でしょ」

少年「…!」

女「…ほら、できないの?おねだり」クスクス

少年「…っ」カァァ

少年「…してください」

女「違う。ちゃんとして」

少年「…キ、キスしてくださいっ…!!」カァァ

女「…くす。ここ外なのに、そんな大きい声で、恥ずかしいこと言っちゃうんだね」

少年「…っで、でも、そんな僕が、好き…なんですよね」

女「…」

女「生意気」チュッ

少年「んむ…!?んっ…!」

女「…ぁむ。ちゅっ…」

少年「~~っ、んうっ…!」

女「…っはあっ」

少年「…はぁ、はぁ」

女「…満足?」

少年「は、はい」

女「ふふ。そう、このド変態」

少年「…」カァ

女「…あのさ」

少年「は、はい?」

女「高校、絶対ここの受けてよ」

少年「はい…!」

女「それから、週末はちゃんと会おう」

少年「はい!」

女「…それから」

女「…いつかちゃんと、最後までシようね」

少年「え?しようって…何をですか」

女「は、はあ!?だ、だから」

少年「…?僕、わかんないんですけど…」

女「だ、だからっ…。その、…もういい」カァ

少年「…えっちですか?」

女「…!わ、分かってて聞いたでしょ、今!」

少年「えへへ。どうでしょう」

女「……っ、馬鹿!馬鹿ばか、ばーーーか!!」カァア

少年「…くす。真っ赤です」

女「…っ、うるさい!」

少年「…します。あなたが、したいって言うなら」

女「…っ」

少年「いっぱいいっぱい、ご奉仕しますね」ニコ

女「…よ、よくそんなエロいことをさらっと言えるね」

少年「お互い様です」

女「…ふん」

女「…こら」ムニュ

少年「!!なっ」ビク

女「なんかここ、…固くなってる気がするんだけど」

少年「な、なってない!なってないです!」

女「…ほんっと、変態だよね…」ハァ

少年「…っ」カァア

女「…あのさ」

少年「は、はいっ…?」

女「…外で、ってのもまた、こう、いいよね」

少年「…は」

女「私さあ、実は着替え用に一着持ってるんだよね」

少年「え、えっ」

女「…」ピトッ

女「…電車くるまで、時間あるし…。ねぇ、あんたも、我慢できないんじゃない?」

少年「…」

少年「…はい、分かりました。…あなたの言う通りに」

おしまい

以上です!

拙いSSでしたが、見てくれてありがとうございました!

乙です!
もっとドロドロするかと思ったけどよかった

おつ
にやにやできた

乙だけど…おしまいの文字が見えないのは俺だけか?

後日談書いていい?

はよ

じゃあ選んで

1初デート
2少年君のお家にお泊り
3少年君、脱童貞
4幼馴染のその後

頼んだ!>>446

1

>>441
君だけだ

申し訳ない
自分なら3
ダメなら445で

なんか安価失敗してますねー

再安価下で

3

=後日談=

女「…ああ、疲れたぁあー…」ノビー

少年「はぁ、動物園って結構歩くんですねー」グタ

女「君の動物雑学で、大分体力削られた気がする」

少年「す、すみません。興奮しちゃって…」

女「なんか、付き合う前に行った水族館でも、そんなかんじだったよねー」

少年「はい、動物好きなんで…えへへ」

女「そっか。じゃあ、良かった。楽しんでくれて」クス

…僕たちがお付き合いを始めてから、数ヶ月がたちました。

女さんの言いつけどおり、僕は週に一回は彼女に会うようにしています。

少年「女さんのお弁当、すごく美味しかったです」

女「あ、そう?頑張って勉強したかいがあったな」

こういった、普通のカップルがするようなことが、今では自然にできたりします。

…ただ、不満なことがひとつ。

少年(…あれから一回も、その…)

少年(キ、キス以上のことを何もしてない…)

女さんは、僕がちゃんと「おねだり」できれば、キスをしてくれます。

女「…あー、ソファから動きたくないわ…。少年君、お茶とって」

少年「は、はい。どうぞ」

女「ありがとー」

少年「…」ジッ

女「…な、何すか」

少年「…いえ。何もないです」

女「変なの…」ゴク

少年「…えっと、隣いいですか?」

女「はいはいどうぞ」

少年「…」ギシ

女「……」ピッピッ

少年(…ゲームしてるし。…いたずらしちゃえ)

少年「…ほっぺた、赤ちゃんみたいですね」フニ

女「ちょっ、今ボーナスタイムだからやめてよ」ベシ

少年「は、はい(…冷たいなー)」

少年「…ゲ、ゲームばっかりしてないで、僕にも構ってもらっていいですか」ムス

女「…話しかけちゃ嫌」

少年(うわー…)

正直言うと、もっとこう、いちゃいちゃというか、肉体的な接触があってもいいんじゃないかと

思ってはいます。が…

少年(…女さん、そういう雰囲気になるのが怖いのかな)

少年(あの人、自分がされるのは弱いし、多分びびってるんだよなぁ…)

少年(…うーん、それか、焦らしてる、のかな)

女「ああああ、駄目だ!もういいぃいい!」ドサ

女「レベル上げも面倒だしー…。もういいや」

少年「!も、もうゲーム止めるんですか?」

女「うん。休憩ー」ゴロ

少年(…む、無防備な…)

少年(…信頼、されてるからかなー。嬉しいような、じれったいような)

少年「お、女さん…。その、ぎゅってしていいですか?」

女「…んー、いいよ」

少年「…失礼します」ギュ

女「んー」

少年「…そ、そのキ、キス」

女「ねぇ少年君、あそこの雪のステージってどうやったらクリアできるの?アイテムいる?」

少年(あ、話そらされた)

少年(…い、今はそういう雰囲気にしたいんだけど…)

どうする少年君。

1少し強引に持っていく  2下手に回っておねだり >>458

ksk

2でおなしゃす

wkwk

さむいよ‥まだ?

少年(ここは下手に回って、女さんのスイッチを入れようかな)

少年「女さん…その、キス、してもらっていいですか…?」

おずおずとした声音で、目を軽く伏せるようにしておねだりをします。

女「…えー、今ー?」

少年「…したいです。して、ください…」ギュッ

女「わ、ちょ…。しょ、しょうがないな。一回だけね」

少年「はい。ありがとうございます」ニコ

女「…顔、こっち」

少年「…はい」

女「…ん」チュッ

少年「んっ…」

女「ぷはっ。はい、お終い」

少年「えっ、これだけ…ですか?」

女「さーて、ステージ進めようかな。ねえ、対戦しない?」

少年「だ、駄目です。ゲーム置いてください!」

少年「…ぼ、没収します」バッ

女「あっ…。おいこら!返せ!」

少年「嫌です。そ、その…。僕が満足するまで、返しませんから」

女「はぁああ?君、何様なのかな?」

少年「も、もう一回キスしてください。…ちゃんとしたの」

女「ちゃ、ちゃんとしたって何…」

少年「こ、こういう軽いのじゃなくて、こう…」

女「…あ、あほか」

少年「…ねぇ、お願いします…」ギュ

女「…っ」

女「分かった…。すればいいんでしょ、すれば」グイ

女「…く、口開けなさい」

少年「…」アム

女「…んっ…。はぁ、ちゅっ…ん」

少年「…んっ…」ビク

女「はぁ、な、何か変なの。んっ…。舌、ぬるって、する…」

少年(…熱くて気持ち良い)

少年「あっ、もっと…してください…んっ」チュ

女「な、何か息切れるし嫌だ」

少年「じゃ、じゃあ僕がしますよ」

女「は?ちょ」

少年「…んっ、ふ…」チュッ

女「!んむっ…!?」

少年「女さんっ…女さんの舌、ちっちゃくて、可愛い…あむ…」

少年(駄目。我慢、できない…)

少年「…っ」ギシッ

女「こ、こら!!のしかかるな!」

少年「はぁ、女さん…っ。だ、駄目、ですか…」

女「ま、待って。したいなら、その、抜いてあげるから!上に乗らないで」ジタバタ

少年「それじゃ、嫌です…。一緒に気持ちよくなりたいです」ギュ

女「待って、雲行きが怪しい!退け!退いて!」

女「私はいい!いいから、お願い…!」

少年「…だ、だって。約束したじゃないですか…。いつか最後までって」

女「じゃあそれ無しにしよう!」

少年「…そんな」

少年「こ、怖いんですか?僕じゃ、駄目…ですか」

女「え、えっと」

女(そんな見つめられても困るんだけど…!)

少年「…好きです、女さん。大事にします」チュ

女「…う」カァ

女「わ、分かった」

少年「…!ほ、本当ですか」

女「ただし、私がやめてって言ったら絶対やめて!分かった?」

少年「…は、はい。我慢できるよう頑張ります」

女(頑張るって何だ…。不安すぎる)

少年(良かった。で、でも…最初に何すればいいのかな…)

どうする少年君! >>470

kskst

足を舐める

少年(えっと…。お風呂でしたときみたいに、足を舐めればいいのかな)

少年「…そ、その…。足舐めていい、ですか」

女「…また?」

少年「だって、前したとき気持ちよさそうだったから…」

女「…う、うるさい。やるんなら早くして」

少年「はっ、はい!えっと、失礼します」モゾモゾ

少年(…相変わらず白くて綺麗…)ゴク

少年「じゃ、じゃあ足の甲からしますね。…ん」チュ

女「…」ビクッ

少年「あ、びくってなった…。あはっ…ちゅ…」

少年(足の甲から、骨をなぞるように舐め上げて…)

女「…んっ…」

少年「はあ、んっ…。ちゅ、女さん…きもひい?」

女「ふ、普通」

少年「んっ…そう、ですか…。じゃあ、もっと頑張ります…ちゅっ…」

少年「太もももするので…。スカート、めくりますね」ピラ

女「ちょ、嫌だっ」

少年「え、どうしてですか…?女さん、太もも好きでしょ?」

女「だ、だって…その、下着見えちゃうし」カァ

少年「ふふ。今更ですよ…裸だって見せ合ったじゃないですか」

女「う、うるさいっ」

少年「えいっ」ピラ

女「う、うわっ!」

少年「ん、ちゅっ…あむ。はぁ、すごく、熱く…なってますね」

女「…っ。な、ってない…」

少年(…あれ?)

少年(あ、あの…。下着…。濡れて…ませんか?)

女「…ん、はぁ…んっ…」

少年(か、感じてくれてる…?僕に、こんなところ舐められて…?)

少年「…」ブルッ

少年(こ、ここ。触っても、いいよね…?)

実際する予定ない日にそんなことされたら困るよね。毛の処理とかあるし。

>>475
逆に聞こう
いつから毛がはえていると錯覚していた

まだかな

来ませんな…

もう来ないのかな

来ないなぁ…

少年君が休みの間焦らされ続けたくらい、焦らされる俺達

>>476
戻って来い

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年01月07日 (水) 05:43:13   ID: mR88YnV-

素晴らしい。
俺の中では永久保存版だな

年上の女の子がSに目覚め、少年君とSMプレイをすること、その中で心境変化があって両想いになるというベタな恋愛要素、これらが組み合わさった秀逸な作品。作者の創造力と妄想力に感謝。

2 :  SS好きの774さん   2015年01月10日 (土) 15:53:19   ID: A_nNwl5K

うわああああああああああああああ
続きい!!続きはあ?????

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