闇の帝王「見つけたぞ、ポッター!」 ハリー(・・・こいつの名前なんだっけ・・・) (73)

闇の帝王「遂に追い詰めたぞ、貴様らの命はここまでだ!」

ロン「ハリーはやらせないぞ! 僕たちが相手になってやる!」

ハーマイオニー「ええ、あなたの相手はロンが務めるわ!」

ハリー「・・・」

ロン「ハリー?」

ハーマイオニー「どうしたの? 何か名案が思いつきそうなの?」

闇の帝王「ふはは、俺様を前にして急に怖気づいたのか?」

ハリー「いや、こいつの名前が思い出せないんだ」

闇の帝王「!?」

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闇の帝王「俺様の名前を忘れたというのか、ポッター!」

ハーマイオニー「ハリー、何言ってるのよ、こんなときに!」

ロン「そうだよ、こいつの名前なんてロックハートのバカげた授業並みにどうでもいいことじゃないか!」

ハリー「確かにそうなんだけど、歯に百味ビーンズが挟まったときみたいに気になるんだよ」

闇の帝王「貴様ら、黙って聞いておれば俺様を侮辱しおって・・・」

ハリー「ロン、君には闇の帝王の名前がわかるのかい?」

ロン「モチのロンだよ、僕を誰だと思ってるのさ」

ハリー「すごい! 鼻たれロニー坊やのくせに!」

ハーマイオニー「流石ね! 腐ってもウィーズリー家ね!」

闇の帝王「ほう、なかなかやるではないか、流石はポッターの友人といったところか」

ロン「よせよ君たち、褒めても何も出ないぜ」

ハリー「で、こいつの名前は一体何なんだ?」

ロン「聞いて驚くなよ?」

ハリー「もったいぶるなよ、そばかす」

ハーマイオニー「早く言ってちょうだい、へぼキーパー」

ロン「この男の名前は・・・」

闇の帝王「・・・」ゴクリ

ロン「名前を言ってはいけないあの人だよ!」

闇の帝王「」

闇の帝王「今は、その名前を聞いておるのだ!」

ロン「おったまげー!」

ハリー「全く、君はゴイルよりも役に立たないね」

ハーマイオニー「あなたに期待したのが間違いだったわ」

ロン「でも、闇の帝王の名前に少し近づけたよ」

ハリー「・・・ほんのちょっとだけどね」

ハーマイオニー「・・・! わかったわ、闇の帝王の名前が!」

ハリー「本当かい!?」

ロン「流石、僕のハーマイオニーだ、フゥ~ッ!」

闇の帝王「では、声高らかに言ってみろ、俺様の名を!」

ハーマイオニー「闇の帝王の名前は、名前を言ってはいけない例のアレよ!」

闇の帝王「」

ハリー「なるほど、確かにしっくりくるよ!」

ロン「フゥ~ッ! フ~ウゥッ!!」

闇の帝王「いや、間違ってる! まだ赤毛の方が近かったぞ!」

ハーマイオニー「・・・そんな、私が間違えるなんて・・・」

ハリー「気にするなよ、ハーマイオニー」

ロン「そうだよ、わかりにくい名前にした例のアレが悪いんだ!」

闇の帝王「例のアレって言い方をやめろ!」

ハーマイオニー「でもこれでまた闇の帝王の名前に近づくことができたはずよ」

闇の帝王「いや、ちょっとだけ遠ざかったぞ!」

ハリー「・・・名前を言ってはいけない・・・例のアレ・・・ハッ!」

ロン「どうした、ハリー?」

ハーマイオニー「何か気づいたの?」

ハリー「ああ、ハーマイオニーのおかげだけどね」

ハリー「名前を言ってはいけない例のアレ・・・要するに、闇の帝王の名前は放送禁止用語ってわけだ!」

ハリー「つまり闇の帝王の名前は[ピーーー]だ!」

ハーマイオニー「まあ!」

ロン「うわぁ・・・」

闇の帝王「」

ハーマイオニー「何てこと、だから私に名前を言わせようとしてたのね!」

ロン「なんてヤツなんだ、マルフォイより最低な奴じゃないか!」

闇の帝王「違う! 俺様の名前はそんな卑猥なものではない!!」

ハリー「黙れ[ピーーー]!」

ハーマイオニー「最低の魔法使い[ピーーー]!」

ロン「変態[ピーーー]!」

闇の帝王「やめろ!!」

闇の帝王「名前を言ってはいけないというのは、みなが恐怖するからだ! 決して卑猥なものだからではない!!」

ロン「な、何だって!?」

ハリー「そんな・・・僕の名推理が・・・」

ハーマイオニー「落ち込まないで、ハリー。悪いのは闇の帝王よ」

闇の帝王「くっ、後で覚えておけよ・・・」

ハーマイオニー「でも、また振り出しに戻ってしまったわね」

ハリー「・・・ああ」

闇の帝王「元から振り出しから動いていないようなものだ・・・」

ロン「・・・言ってはいけない・・・みなが恐怖する名前・・・そうか!」

ハリー「ロン、答えがわかったのかい?」

ロン「ああ、こんどこそ間違いないはずだよ!」

ハーマイオニー「すごいわ、ロン! チェスだけが取り柄じゃなかったのね!」

闇の帝王「・・・あまり期待は出来ぬが、言ってみろ」

ロン「闇の帝王の本当の名前は・・・」

ハリー「」ゴクリ

ハーマイオニー「」ゴクリ

闇の帝王「」ゴクリ

ロン「ミッk」

闇の帝王「ステューピファイ!!」

バーン

ロン「」

ハリー「ローーーーーーーーーーーーーーン!」

ハーマイオニー「きゃああああああああああああああ!」

闇の帝王「あ、危なかった・・・」

ハリー「よくもロンを!」

ハーマイオニー「絶対に許さないわ!」

闇の帝王「落ち着け、気絶させただけだ」

闇の帝王「この世には、絶対に手を出してはいけないものがあるのだ」

闇の帝王「この赤毛は、それに手を出そうとした」

ハリー「ならしかたないな」

ハーマイオニー「ええ、そうね」

闇の帝王「貴様ら本当に友人なのか・・・」

ルシウス「我が君、やっと見つけましたよ!」

闇の帝王「!」

ハーマイオニー「あなたはマルフォイの父親の!」

ハリー「ルシウス・マルフォイ!」

闇の帝王(ルシウスの名前は覚えているのか・・・)

ルシウス「遂にハリー・ポッターを追い詰めたのですね」

闇の帝王「ああ・・・ところでルシウス?」

ルシウス「はっ、何でございましょうか?」

闇の帝王「お前は、俺様の名前を当然知っているだろう?」

ルシウス「も、もちろんでございます!」

闇の帝王「では言ってみよ」

ルシウス「し、しかし、私めが口にするなど、とてもおこがましく・・・」

闇の帝王「俺様が許す、さあ」

ルシウス「えっと、あの・・・」

ハリー「・・・」ジー

ハーマイオニー「・・・」ジー

闇の帝王「・・・」ギロリ

ルシウス(に、逃げられない・・・)

ルシウス「や、闇の帝王の名は・・・」

闇の帝王「・・・名は?」

ルシウス「ヴ・・・」

闇の帝王(おっ!)

ルシウス「ヴァルデモート卿でございます!」

闇の帝王「間違いだ! ステューピファイ!!」

バーン

ルシウス「」

ハリー「・・・」

ハーマイオニー「・・・」

闇の帝王「くそっ、使えぬ男め!」

ハリー「・・・」ジトー

ハーマイオニー「・・・」ジトー

闇の帝王「何なのだ、その生温かい視線は!?」

ハリー「別に・・・」

ハーマイオニー「部下にも名前を覚えてもらえないなんて・・・」

闇の帝王「だ、だが今までで一番近かったぞ!」

ハリー「近い? ヴァルデモートが?」

ハーマイオニー「言われてみれば、そんな気もするわね」

闇の帝王「あとちょっとだから、ほんの少し変えるだけでいいから!」

ハリー「少し変えるだけ・・・」

ハーマイオニー「ヴィルデモートとか?」

闇の帝王「そう、その調子だ! グレンジャー!」

ハリー「その調子ってことは、次は・・・ヴゥルデモート?」

闇の帝王「どんどん答えに近づいているぞ!」

ハーマイオニー「それじゃあ、ヴェルデモート!」

闇の帝王「惜しい、あとほんのすこし!」

ハリー「わかったぞ、ヴヵルデモートだ!」

ハーマイオニー「そう、それよ!」

闇の帝王「貴様ら、わかってて俺様をおちょくっているだろう・・・」

ハリー「ヴヵルデモートじゃないのか?」

闇の帝王「違う! というかどうやって発音しているんだ・・・」

闇の帝王「もう一度、ヴァルデモートからやり直すのだ、ポッター!」

ハリー「え~、めんどくさっ」

ハーマイオニー「もう答え言っちゃいなさいよ」

闇の帝王「ここまできたら何としても思い出させてやるぞ!」

ハリー「・・・頭痛が痛いよ」

闇の帝王「さあ、ヴァルデモートからスタートだ!」

ハリー「・・・ん~」

ハーマイオニー「・・・全く見当もつかないわ・・・」

闇の帝王「何でもいいから、答えてみろ!」

ハリー「モデラート!」

闇の帝王「違う!」

ハーマイオニー「プリンアラモード!」

闇の帝王「違う!」

ハリー「レイフ・ファインズ!」

闇の帝王「ある意味正解だけど、違う!」

闇の帝王「ヴァルデモートが今までで一番近いってさっき言っただろう! というかほぼ答えだから!」

ハリー「!」

ハーマイオニー「!」

闇の帝王「遂に気がついたか・・・」

ハリー「ああ、やっとわかった!」

ハーマイオニー「私としたことが・・・いまやっと思い出したわ!」

闇の帝王「では、遠慮せずに言うのだ、ポッター!」

ハリー「お前の名は・・・」

闇の帝王「・・・」ゴクッ

ハリー「ボルデモートだ!」

闇の帝王「・・・まあ、うん・・・いつかくるな~とは思っていたさ・・・」

ハーマイオニー「違うわ、ハリー。そうじゃない」

ハリー「えっ、そうなのか」

闇の帝王「グレンジャー・・・」

ハーマイオニー「Boldemortよ」

闇の帝王「そういう問題じゃないから・・・」

闇の帝王「くそっ・・・どうして俺様の名を覚えていないんだ」ガクッ

ハリー「お前が悪いんだぞ」

ハーマイオニー「覚えにくい名前なんかにするから」

闇の帝王「こうなったら、貴様らを殺して俺様も死んでやる!」

?「もうよさんか、トムよ」

闇の帝王「・・・お前は」

ハリー「ダンブルドア!」

ダンブルドア「もういいじゃろう、お主は十分やったよ」

闇の帝王「・・・」

ダンブルドア「さっ、醜い争いなど終わらせようではないか」

闇の帝王「・・・しかし、俺様はもう・・・」

ダンブルドア「大丈夫じゃ、ワシがついとるからのぉ」

闇の帝王「ダンブルドア・・・」

ダンブルドア「ホグワーツでやり直そうではないか」

闇の帝王「・・・やり直せるのか?」

ダンブルドア「ああ、もちろんじゃとも」ニッコリ

闇の帝王「・・・」

ダンブルドア「さあ、一緒に行こうぞ、トム・ブラウン」

闇の帝王「うあああああああああああああああああああああああああ!!」

~魔法省~

バーン

うわー、闇の帝王が攻めてきたぞ!

いったいなぜ魔法省に!?

闇の帝王「どけ、邪魔をするな!!」

バーン

~魔法省・神秘部~

闇の帝王「確か、ここにはアレがあったはず・・・」

闇の帝王「あった、見つけたぞ!」

闇の帝王「逆転時計(タイムターナー)だ!!」

闇の帝王「これを使って、俺様は過去を変えるのだ」

闇の帝王「誰にも名前を覚えてもらえない、そんな世界を変えてやる!」

闇の帝王「跳べよぉおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!

~50年前、スリザリン寮~

トム・リドル「ふはは、ついに完成したぞ!」

トム・リドル「三日三晩徹夜で考えた完璧な名前だ!」

トム・リドル「誰もが口にすることすら恐れる、悪の魔法使いにふさわしい名前!!」

トム・リドル「そう、俺様こそがヴォルデモート卿だ!!」

トム・リドル「我ながら素晴らしいネーミングセンスだな、自分の才能が恐ろしいよ」

闇の帝王「うわぁ・・・見てるだけで背中がむず痒くなってくる・・・」

トム・リドル「!? 誰だ、貴様は!」

闇の帝王「ほう、俺様に向かって貴様だと?」

トム・リドル「何者だと聞いている!」

闇の帝王「礼儀を知らん奴め」

トム・リドル「深夜に寝室に忍び込んでくるような奴に礼儀を問われたくない!」

闇の帝王「おじぎをするのだ!」

ビューン ヒョイ

トム・リドル「な、なんだ!? 体が勝手に」

ペコリ

闇の帝王「ふっ、それでいい」

トム・リドル「なんたる屈辱・・・」

闇の帝王「トム、貴様は本当にそれでいいのか?」

トム・リドル「どういうことだ?」

闇の帝王「本当にヴォルデモート卿と名乗ってもいいのかと聞いているのだ」

トム・リドル「貴様、俺様がつけた名前にケチをつける気か!?」

闇の帝王「ああ」

トム・リドル「俺のネーミングセンスを否定すると言うのか!」

闇の帝王「他人に覚えてもらえない名前に価値など無い!」

トム・リドル「何!?」

闇の帝王「貴様がどれほど悪の魔法使いとして悪名高くなったとしても、例のあの人呼ばわりだぞ」

トム・リドル「何のことだ?」

闇の帝王「俺様が、そうだったようにな」

トム・リドル「ちょっと待ってくれ、話についていけない・・・」

闇の帝王「貴様も薄々感じているのではないか?」

トム・リドル「・・・」

闇の帝王「トムよ、俺様は未来から忠告にきたお前自身だ」

トム・リドル「」

闇の帝王「どうした、言葉も出ないか?」

トム・リドル「・・・嘘だ」

闇の帝王「嘘ではない、事実だ!」

トム・リドル「嘘だ嘘だ嘘だ!」

闇の帝王「現実を見ろ!」

トム・リドル「未来の俺がこんなにも不細工なわけがない!」

闇の帝王「」

トム・リドル「さっさと帰れ、偽物!」

闇の帝王「この俺様を侮辱するものは、たとえ俺様自身であっても許さん!!」

闇の帝王「アバダ・ケダブラ!!」

バーン

トム・リドル「」ドサッ

闇の帝王「あっ」

闇の帝王「・・・しまった」

闇の帝王「ついカッとなって、過去の自分自身を殺してしまった・・・」

闇の帝王「ああ、手が、足が・・・消えていく!」

闇の帝王「うわぁあああああああああああああああああああああああ!!」



こうして闇の帝王は自らの命を断ってしまった。

いまでは、名前を言ってはいけないあの人の名前どころか、存在を知る人すらいない。


おしまい

読んでくれた人、レスしてくれた人、AAを貼ってくれた人ありがとうございました。


没ネタ

ハリー「JKとローリングしたい」

ダングルドア「ハリー、あきらめるのじゃ・・・」



没ネタはよ

ちなみに一昔前の三省堂の中学英語の教科書のメインキャラがトム・ブラウン

>>62
すみません、一発ネタなので続きはないです。

>>63
誰にも通じないかなと思ったけど、通じた人がいてうれしい。

他に書いたSSってある?読みたいぜ

>>69
はい、今までも何個かss書いてます。
ただ下品なのや気持ち悪いのがほとんどなのであまり期待しないでください。


比較的まとも↓

メリーさん「はあ・・・仕事、変えたい・・・」
メリーさん「はぁ・・・仕事、変えたい・・・」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379867426/)

浜面「俺だけアイテムの中で影薄い気がする・・・」
浜面「俺だけアイテムの中で影薄い気がする・・・」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1378973632/)



下品なのや気持ち悪い系↓

少女「あなたの股間にストライク」
少女「あなたの股間にストライク」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1380380779/)

女「男君、お尻から何か出てるよ!?」 男「あっ、ハリガネムシ!」
女「男君、お尻から何か出てるよ!?」 男「あっ、ハリガネムシ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1387447923/)

犬「お股に付けた肉団子くれませんか」
犬「桃太郎さん、お股に付けた肉団子ひとつ私にくれませんか」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1391794928/)

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