千早「……? なにかしら、この輪っか」 (76)

~千早の自室~

千早「どうしてこんなところに……? 宙に浮いてる?」

千早「…………? ど、どこかに通じてるのかしら……」

ヒョコ

ドラえもん「やあ」

千早「」

ドラえもん「こんにちは、ぼくドラえもんです」

千早「」

千早「たすけて!!!」

ドラえもん「大丈夫 すぐに済むから」

ボキッ!!

千早「……」ペタン

ドラえもん「大丈夫? 腰が抜けちゃったみたいだけど」

千早「た……た……」

ドラえもん「ん?」

千早「たぬき……?」

ドラえもん「僕はタヌキじゃなあああああああああああい!!!!!!」

千早「ひっ」ビクッ

ドラえもん「未来からきた猫型ロボットなんだから!」

千早「み、未来……? ろ、ロボット……?」

???「詳しいことは私から説明するわ」

千早「だ、誰!?」

______________________________

        |: |:::|: : : : /                       \: : :|: : : : : : : : |: : l
        |: {:::|: : :イ ,.--- 、           /⌒ ∨:|: : : : : : : : |: : :
        |: :Ⅵ: : : {     `\  ,    、  / __   Ⅵ: : : : : : : : : : :l
        |: : :、: : : :|  ,ィ下≧、`ー'     ` ´,ィ升ハ ヽ  }: : : : : : : :| : : |
        ,: : : :\: :{  {  ヒ::斧ヽ         {し刈  ノ ,′: : : : : :∧: : l
       ,: : : : :{ ⌒、:.     Vzソ        Vzソ    ,: : : : : : : /: : : : .
        /: : : : : :、 )∧         ,          /: : : : : : :/: : : : : :.
       ,: : : : : : : :\__∧                    /: : : : : : :/: : : : : : : :.
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

千早「……」ペタン

ドラえもん「大丈夫? 胸がなくなっちゃったみたいだけど」

孫「こんにちはお婆ちゃん。私は貴女の孫よ」

千早「ま、孫……? 孫って……え?」

孫「2112年の未来から、タイムマシンに乗ってお婆ちゃんに会いにきたの」

千早「ど、どうしてそんな……」

孫「私の悲惨な生活を変えるためよ」

千早「……?」

ドラえもん「千早ちゃん。君の未来はそれは酷いものなんだ」

千早「わ、私の未来が……?」

ドラえもん「そう。ちょっと見てみる?」

ドラえもん「タイムテレビ~! これで未来の様子を見ることができるよ。ほら」

千早「これは……765プロ……?」

ドラえもん「そう。経営難に陥り、廃業寸前の事務所だ。今から数年後の未来だよ」

千早「そ、そんな! どうして!?」

ドラえもん「貧乳クライシスが主な原因さ」

千早「な、なに……? ひんにゅうクライシス……?」

孫「今から2年後、黒井祟男が新アイドルユニットを結成するの」

ドラえもん「その名も、『ロケッツ』」

孫「メンバー全員がバスト90以上という、あらゆる意味で超大型の新人よ」

ドラえもん「ロケッツは芸能界を席巻し、アイドル界の頂点に立ったんだ」

千早「そんな……わ、私たちは? 765プロのみんなは!?」

孫「一部のメンバーを除き、ロケッツに仕事を奪われて引退……」

千早「うそ……!」

ドラえもん「それだけにとどまらない。本当にひどいのはこれからなんだ」

孫「ロケッツが主演した『劇場版 巨乳 ~Rokets the movie~』が世界的に大ヒットするの」

孫「それを契機に、日本では空前の巨乳ブームが勃発……」

ドラえもん「その逆に、貧乳に対するバッシングが過熱したんだ」

千早「む、胸が小さいだけで非難されると言うの!?」

ドラえもん「うん」

クロイってわるいやつだなー

ドラえもん「日本全体に巨乳至上主義が蔓延し、『新党ホルスタイン』という政党まで誕生した」

ドラえもん「多くの支持者を集めた新党ホルスタインは、凄まじい勢いで勢力を拡大させ――」

ドラえもん「とうとう野党第一党になるまで膨れ上がり、政権交代を成し遂げたんだ」

孫「その後、新党ホルスタインは政党名を『巨乳大国日本党』に変え、日本を世界一の巨乳国にすることを目標に掲げたの」

千早「……!」

ドラえもん「その陰の立役者が、黒井祟男。彼はメディアを裏で操り、巨乳至上主義のプロパガンダを行っていたんだ」

孫「2112年では、貧乳は三等日本人として、不当な扱いを受けているわ……」

孫「お婆ちゃん、貴女が貧乳だったばっかりに、私たち家族は……うっ」

ドラえもん「泣かないで……よしよし」

千早「ま、待って! 私が貧乳だからって……どうして責められなければならないの!?」

孫「見てよ! 私の胸! ぺったんこでしょ!? 遺伝よ! お婆ちゃんの貧乳遺伝子を受け継いだんだわ!」

千早「そんなこと言われても……どうしようもないわ……! 私だって……! 私だって……! っく」

ドラえもん「まあそう悲観しないで。こんな悲惨な未来を変えるために、僕は2112年からやってきたんだ」

千早「未来を……変える?」

孫「ドラえもんは未来の道具をたくさん持ってるわ。それを駆使して、私の悲惨な未来を変えてほしいのよ」

千早「そ、そんな……急に言われても……困るわ! これから仕事だってあるし……」

孫「まあまあ。きっとお婆ちゃんの役に立つから。置いていくわね」

ドラえもん「任せてよ! きっと素晴らしい未来にする!」

孫「うん。じゃあ、私はこれで」

千早「えっ! ま、待って!」

孫「がんばってね、お婆ちゃん」

ヒュッ

千早「あ、穴が閉じちゃった……」

ドラえもん「これからよろしくね、千早ちゃん」

千早「……はぁ」

千早「……はっ、もうこんな時間! 事務所へ行かないと……!」

ドラえもん「よし、僕も行こう」

千早「えっ、あの、やめたほうが……」

ドラえもん「どうして?」

千早「だって、ロボットが電車に乗ってたら騒動になると思うし……」

ドラえもん「なら空を飛んでいけばいい」

千早「そ、空を?」

ドラえもん「タケコプタ~! ほら、いこう」

ペタッ

千早「きゃっ! お、お尻に何をつけたの……!?」

ブルルルルルルル

千早「あっ、ちょっ」

ドラえもん「それっ」

千早「そ、空を……飛んでる……!?」

ドラえもん「タケコプターだよ。身体につけると空を飛べるようになるんだ」

千早「これ、お尻につけるものなの? あなたは頭につけてるけど……」

ドラえもん「どこでもいいんだ。それより、急がないと」

千早「そうね……って、私部屋着のままだわ……!」

ドラえもん「えっ、おっちょこちょいだなぁ」

千早「あ、あなたが勝手にこんなものつけるから……」

ドラえもん「いいよ。事務所についたらとりよせバッグで着替えを出すから」

ドラえもん「きせかえカメラで着替えることもできる」

千早「そんなこともできるの?」

ドラえもん「うふふ。すごいでしょ」

千早「……」

ズルッ

千早「……?」

ズズズズズ

千早「……えっ」

ズズズッ

千早「あっ、ちょっと、脱げっ」

スポン

千早「あっ」

ヒューーーーーーーーーー

            ノヘ,_
    ,へ_ _, ,-==し/:. 入
  ノ"ミメ/".::::::::::::::::. ゙ヮ-‐ミ

  // ̄ソ .::::::::::: lヾlヽ::ヽ:::::zU
  |.:./:7(.:::::|:::|ヽ」lLH:_::::i::::: ゙l   いぇい!
 ノ:::|:::l{::.|」ム‐ ゛ ,,-、|::|:|:::: ノ   道端に生えてる草は食べられる草です!

 ヽ::::::人::l. f´`  _  |:|リ:ζ    畑に生えている草は美味しく食べられる草です!
 ,ゝ:冫 |:ハ、 <´ノ /ソ:::丿
 ヽ(_  lt|゙'ゝ┬ イ (τ"      ホント 貧乏は地獄です! うっう~~はいたーっち!!!

       r⌒ヘ__>ト、
      |:  ヾ   ゞ\ノヽ:    __  .      ri                   ri
      彳 ゝMarl| r‐ヽ_|_⊂////;`ゞ--―─-r| |                   / |
       ゞ  \  | [,|゙゙''―ll_l,,l,|,iノ二二二二│`""""""""""""|二;;二二;;二二二i≡二三三l
        /\   ゞ| |  _|_  _High To

ドラえもん「765プロってこの時代では凄い人気なんでしょ?」

ドラえもん「千早ちゃんは歌がうまいの? それとも踊り?」

ドラえもん「アイドルってどっちもできなきゃダメなんだよねぇ」

ドラえもん「……」

ドラえもん「ねえ。聞いてる?」

クルッ

ドラえもん「あっ! ズボンしかない!!!」

ドラえもん「千早ちゃーん! 落ちちゃったのかな!? まずいぞ!」

           _ _ __
        ,.  ´ , - 、, -、 `丶、
      /  , -{  ollo }‐- 、 ヽ
     /  /   `ー/⌒V   ヽ. }  まっ平らだ…
     ,′/  ─‐   `T ´ 二  ∨
     ! l  二二   |   ─   ′
    l |     ,.  -┴-、   /
.    l l      `ー─-'   /
     ヽ >──────く
     / ̄ ̄ ̄ラ⌒く ̄  ハ

~バッティングセンター~

ヒュー

バイト「ん?」

ドサッ

バイト「うわ! ネットに何か落ちてきたぞ!?」

客「なんだなんだ!?」

千早「……」

バイト「女の子だ! 親方! 空から女の子が!」

親方「なに? きゅ、救急車!」

客「もしもし! あの、空から女の子が……!」 

支援

~病院~

千早「うーん……」

春香「千早ちゃん! 千早ちゃん私だよ!? わかる!?」

千早「……はる……か?」

春香「よかった~! 私、心配で……! よかった、よかったぁ!」ギュッ

伊織「ふんっ、大げさなのよ」

真「伊織だって泣きそうになってたくせにぃ」

千早「みんなも……」

やよい「うっうー! よかったですぅー!」

P「千早、どこか痛まないか?」

千早「いえ、大丈夫です……。プロデューサー、ここは?」

P「病院だ」

千早(病院……ずっと眠っていたのかしら……ってことは、今までのことは全部夢?)

P「それにしても、千早。どうして空から降ってきたんだ?」

千早(夢じゃない……現実……)

千早「ごめんなさい。よく覚えて無くて」

P「だ、だよな! いいんだ、無事なだけで」

律子「手足の骨折で、全治二か月程度だそうよ。残念だけど、お仕事は……」

P「しばらく休みだな。こればっかりはしょうがない」

千早「はい……すいません、ご迷惑おかけして」

律子「いいのよ。いい機会だから、ゆっくり休んで」

響「千早がいないぶんは、自分たちがフォローするぞー!」

亜美真美「「おー!」」

律子「こーらっ。病院では静かにっ」

春香「千早ちゃん、ほしいものがあったら言ってね?」

千早「ええ……大丈夫、ありがとう」

P「じゃあそろそろ行くか。千早、お大事に」

千早「はい。ありがとうございました」

春香「じゃーね」

支援

千早「……」

ニュルルルル

千早「!? な、なに……!? ドア?」

ガチャ

ドラえもん「千早ちゃん! よかった、元気そうで」

千早「元気じゃないわ……身体中痛いわよ」

ドラえもん「でも、これは良い機会だ」

千早「どういうこと?」

ドラえもん「アイドルのお仕事はしばらくお休みでしょ? その分、貧乳クライシス対策がとれるじゃない」

千早「無理よ。腕と足の骨が折れて、動ける状態じゃないわ」

ドラえもん「それなら……お医者さんカバン~!」

ドラえもん「聴診器を当てるよ」ペタッ

千早「……どうして骨折なのに胸へ当てるの?」

ドラえもん「そういう仕様なんだ。ほら、診断結果が出たぞ」

【骨折】

ドラえもん「骨折らしい」

千早「だから、そう言ってるじゃない……」

ドラえもん「はい。この薬を飲めば治るよ」

千早「…………本当に?」

ドラえもん「疑り深いなぁ。大丈夫だよ。ほら飲んで」

千早「……」ゴクン

千早「…………? 痛みがなくなった……!」

ドラえもん「ね? じゃあさっそく、行こう」

千早「ちょ、ちょっと待って、着替えるから」

ドラえもん「はい、とりよせバッグ」

支援

千早「着替えたわ」

ドラえもん「じゃあ961プロへ乗り込もう」

千早「えっ」

ドラえもん「どうしたの?」

千早「の、乗り込んでどうするつもり……?」

ドラえもん「ロケッツが元凶なんだ。961プロを潰せば問題解決じゃないか」

千早「そんな! 乱暴だわ!」

ドラえもん「そうかなぁ。じゃあ他にいいアイデアがあるの?」

千早「……」

ドラえもん「ね? 覗くだけ覗いてみようよ」

千早「でも……きっとすぐ警備員に追い出されるわ」

ドラえもん「だったら見つからないように潜入すればいい。石ころぼうし~!」

ドラえもん「これをかぶると、周りの人間から存在を感知されなくなるんだ」

千早「未来の道具って凄いのね……」

支援

~961プロ~

ドラえもん「立派な建屋だねぇ」

千早「ええ……」

ドラえもん「さあ行こう」

警備員「……」

千早「本当に、私たちに気づかないわ」

ドラえもん「今の僕らは道端の石ころみたいなものだから」

千早「こんなものが開発されたら、犯罪が横行するんじゃない?」

ドラえもん「そういった対策もきちんととられているさ」

ドラえもん「ほら、ここが黒井祟男のオフィスだよ」

千早「……」ゴクリ

ガチャ

黒井「なに? 如月千早が怪我? ハハハ、あそこの稼ぎが減るのは朗報だ」

ドラえもん「誰かと電話で話してるみたいだ」

黒井「こちらも次の計画を立てていてね、そのときはそちらの生徒さんを……ええ」

ドラえもん「生徒……?」

千早「961プロと提携してるスクールじゃないかしら。生徒から有望な人材を引き抜くのよ」

ドラえもん「へぇ」

黒井「胸が大きめの女の子がいいんですがねぇ」

千早「!?」

ドラえもん「まさか、ロケッツのメンバー集め……!」

黒井「はい。新ユニットを結成しようと……他も訪ねてはいるんだが、なかなか目当ての人材が集まらなくて……」

黒井「本当ですか? それは良かった。では次、またどこかでお会いした時に……ええ」

ドラえもん「まずいぞ。計画は着々とすすんでいるみたいだ」

黒井「怪我か、ふふふ……」

千早「黒井社長はどういうつもりで巨乳のメンバーを集めようとしているのかしら……」

千早「なんとか聞きだせたらいいのだけど……そういう道具はないの?」

ドラえもん「うーん。これはどうかな。さとりヘルメット~!」

ドラえもん「これをかぶると半径30m以内にいる人の心が読めるようになるんだ」

千早「そんなことまで……貸して」

ドラえもん「はい」

カポッ

千早「……」

ドラえもん『千早ちゃんは貧乳だなぁ。まるで壁だ』

千早「効果は本物のようね」ギュウウウ

ドラえもん「イテテっ。なんで髭をひっぱるのさっ」

ドラえもん「僕もかぶって……さあ、黒井祟男の心を読んでみよう」

千早「ええ」

黒井『如月千早……定例ライブでの復活劇で765プロを勢いづかせたが、それもここまでだ……!』

黒井『私の力でアイドル界に巨乳ブームをつくり出す! ロケッツはその先人となるのだ……!』

黒井『その時、如月千早筆頭の765プロ貧乳メンバーはどうなるかな……? はーはっはっはっは!』

千早「鬼畜……!」プルプル

ドラえもん「千早ちゃん落ち着いて!」

千早「でもこのままじゃ……高槻さんや真が……貧乳の同志が……!」

ドラえもん「要するに、765プロの貧乳メンバーに意地悪しようとしているんだ。だったらやりようはあるよ」

千早「どうするの?」

~千早の自室~

真「千早、怪我は大丈夫なの? 律子が全治2ヶ月って言ってなかった?」

千早「ええ、もう大丈夫」

亜美「でー、どうして亜美たちは千早お姉ちゃんの家に呼ばれたのー?」

伊織「呼ばれてない人もいるみたいだけど」

千早「今日ここへ集まってもらったみんなにはある共通点があるの……」

真美「えー?」

やよい「共通点……ですかぁ?」

伊織「……? わからないわ」

真「うーん。お手上げ、教えてよ千早」

千早「バストが80以下なのよ」

真「……ん?」

やよい「バストー?」

伊織「……は?」

千早「ここにいるみんなは、バスト80以下でしょう?」

亜美「えー、そうだっけー」

真美「貧乳の集いだー!」

伊織「ちょっと! 私はバスト77よ! 四捨五入すれば80なんだから!」

千早「四捨五入とか、そんな現実逃避はしないで!!!」

伊織「ひっ」ビクッ

千早「怒鳴ってごめんなさい。でも、765プロ存続のためには大切な話なのよ」

真「よくわからないけど、聞かせてよ」

やよい「うっうー! みんなのためにやれることがあるなら、頑張りますぅー!」

                     _____
    / ̄ ̄ ̄ ̄\,,      /-、 -、    \
   /_____  ヽ    /  |  ・|・  | 、    \
   | ─ 、 ─ 、 ヽ |  |   / / `-●-′ \    ヽ
   |  ・|・  |─ |___/   |/ ── |  ──   ヽ   |
   |` - c`─ ′  6 l   |. ── |  ──    |  .|
.   ヽ (____  ,-′   | ── |  ──     |   l
     ヽ ___ /ヽ     ヽ (__|____  / /
     / |/\/ l ^ヽ    \          / /
     | |      |  |     l━━(t)━━━━┥








       -──- 、        _____

    /_____ \〟   //⌒ヽ ⌒ヽ  `\
    |/⌒ヽ ⌒ヽヽ | ヽ  /  |  ^ |^  |- 、  ヽ
    |  / | ヽ  |─|  l //  `ー ●ー′  \   ヽ
   / ー ヘ ー ′ ´^V /  ─  |  ─    ヽ  i
    l \    /  _丿 i   二   |  二     |   |
.   \ ` ー ´  /   .l \     |     /  l   !
      >ー── く    ヽ  \  |   /    /   /
    / |/\/ \     ヽ   ̄ ̄ ̄     /  /
    l  l        |  l     >━━6━━━━━く
    ヽ、|        | ノ    /  く    /     ヽ
       |ー───j      l   (⌒(⌒)  /

千早「その前に、紹介したい人がいるわ」

ドラえもん「どうもみなさん。ぼくドラえもんです」

伊織「きゃっ! な、なによそいつ!」

真「たぬき!?」

ドラえもん「ぼくはたぬきじゃなあああああああああい!!!!」

亜美「着ぐるみー!?」

真美「青いたぬきだー!」

ドラえもん「説明が長引きそうだなぁ……そうだ、あれを使おう」

ドラえもん「ツーカー錠~!」

千早「……薬?」

ドラえもん「このカプセルを上下に分けて、上を僕が、下をみんなが飲むんだ」

ドラえもん「そうすると、相手との意思疎通が『ツー』と『カー』だけでとれる」

ドラえもん「ツー」

千早「……みんな、わかってくれたかしら」

真「なるほど……許せないな、961プロ!」

伊織「女性のコンプレックスを狙うなんて、サイテー!」

亜美「貧乳として許せませんなー! ねえ真美さん?」

真美「同感ですねー! 亜美さん!」

やよい「でもでもぉ、どうやってその計画をやっつけるんですかぁ?」

千早「その方法は簡単よ……。私たちが、貧乳でなくなればいいの」

伊織「……え? つまり、みんなで巨乳になろう……ってこと?」

千早「そうよ」

亜美「いいねー!」

真「待って待って! そんなの、どうやってなるのさ!」

千早「それは……」チラッ

ドラえもん「からだねん土~!」

~数分後~

伊織「不自然よ」ボインボイン

真「うん……どう考えても、怪しまれるよね」バインバイン

亜美「巨乳だー!」ボヨヨン

真美「それー!」バヨン

やよい「うっうー! 肩がこりますぅー!」プルン

千早「さすがに、突然巨乳になるのは無理があったわ……」

ドラえもん「うーん。765プロ全員を巨乳にしてしまう作戦はだめかぁ」

伊織「徐々に巨乳になっていけばいいんじゃない? 私たち成長期なんだし」

千早「それだと、私たちが巨乳になる頃には黒井社長の計画がかなり進んでしまっているわ」

ドラえもん「それに、女の子の胸の大きさは15歳で決まるらしいんだ」

千早「えっ!?」

伊織「そう……なの?」

亜美真美「「セーフ!」」

やよい「私はあと一年ですぅー」

千早「……」ガクッ

真「ち、千早! どうしたの? やっぱりまだ怪我が……!」

千早「……ぃ……ぉ?」

真「え?」

千早「貧乳の何が悪いのよ!!!」カバッ

真「わっ」

千早「すこし胸部の脂肪が足りないだけで、どうして非難されなければならないの!?」

伊織「ちょ、ちょっと落ち着きなさいよ」

千早「個性なの! これが私よ! この胸が私のなの!!!」

ドラえもん「えらい! よく言った!」

ドラえもん「千早ちゃんが貧乳の自分を曲げないなら、違う方法を選ぼう」

やよい「違う方法……? なんですかぁ?」

ドラえもん「961プロに対抗して、765プロでも貧乳を集めたユニットをつくろう!」

~765プロ~

社長「律子くん。話とは、いったいなんだね?」

律子「千早が今後の展開について意見があるらしく……私たちに提案したいと」

社長「ほう」

P「あの千早がなぁ。入院してる間に、何かあったのかな」

律子「とりあえず、聞いてあげましょう」


千早「……緊張してきたわ。あの時は熱くなっていたけど……冷静に考えたら無茶苦茶な提案よ」

千早「三人は納得してくれるのかしら……貧乳アイドルユニットだなんて」

ドラえもん「不安なら、これを貸すよ。腹話ロボット~!」

ドラえもん「このロボットを使って話すと、どんな無茶な理屈でも相手は信じてしまうんだ」

千早「少し卑怯な気が……」

ドラえもん「日本中の貧乳のためだよ! ほら! 頑張って!」

千早「実は、貧乳アイドルユニットを結成したいんです」

律子「ひ、貧乳……?」

P「アイドルユニット……?」

千早「ええ。古来、日本では女性の胸は大きすぎないほうがいいと言われてきました。その理由、わかりますか?」

P「さ、さあ」

千早「伝統的衣服である和服が崩れやすいからです。和服の粋な美しさは貧乳女性の特権というわけですね」

千早「さて、昨今では日本の民族衣装として世界中に広まっている着物ですが……」

千早「現代を生きる日本女性の何人に着付けができるでしょうか? 文化は失われつつあるのです」

~数分後~

千早「今こそ日本の文化を守るために、アイドル業界から一石を投じてみてはいかがでしょうか!?」バンッ

P「ブラボー!」

律子「涙が止まらない」

社長「決まりだ! 貧乳アイドルユニット結成だ!!!」

~TV局~

司会「はい! 今回、765プロが新ユニットを電撃結成! ということでねぇ~」

司会「ユニット名は?」

千早「『モスキート・バイト』です」

司会「真さんとやよいさんと真美さんは初のユニットですね」

真「はい!」

真美「そうなるねー」

やよい「うっうー! がんばりますぅー!」

司会「伊織さんと亜美さんは竜宮小町と掛け持ちですか?」

伊織「ええ。でも、どっちも力を入れていくわ。両立よ!」

亜美「がんばるよー!」

司会「それでは行ってみましょう! モスキート・バイトのデビュー曲!」

千早「『ステータス』、お聴き下さい」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom