海未「ストロベリー・パニック?」 (81)

ことり「うん、海未ちゃんと一緒に見たいの!」

海未「しかし、私はアニメというものには疎くて……」

ことり「海未ちゃんならきっと気に入ると思うの!」

海未「見ると言ってもどこで?」

ことり「ことりの家! ね、お泊りして一緒に見ようよ! 明日μ'sの練習もないし、ね?」

海未「ことりの家ですか。迷惑ではないですか?」

ことり「迷惑じゃないよ! ママも穂乃果ちゃんや海未ちゃんならいつでも、って言ってくれてるし」

海未「ことりの家にも久しぶりに行きたいですし、ことりがそこまで言うのなら……」

ことり「やった! 海未ちゃんとお泊りでストパニ鑑賞!」

――――
――

ことり「ご飯も食べたしお風呂も入った。枕もちゃんと抱きかかえたし、準備万端!」

海未「果たして枕は必要なのでしょうか?」

ことり「必要だよー。ことりこれがないと寝れないし」モフモフ

海未「ストロベリー・パニックを見るのではないのですか?」

ことり「これ抱いてると落ち着くんだもん」

海未「まぁ、人それぞれですし言及はしません」

ことり「よし、じゃあ1話から見よう! 覚悟はできた?」

海未「覚悟をしないといけないものなのですか!?」

ことり「オープニングからだね」

海未「『原作 公野櫻子』? 知らない名前なのになぜかとても身近な気がしますね」

ことり「海未ちゃんもそう思う? ことりもなんだか他人のような気がしなくて……」

海未「例えるなら、そうですね……。もう一人の親のような……」

ことり「そうそう、そんな感じ!」

海未「歌もいいですね。私の作る歌詞と似たようなものを感じます」

ことり「作詞は、『畑亜貴』だって」

海未「またもや親しみを覚える名前ですね。他人とは思えません」

ことり「もしかして海未ちゃんが畑亜貴さんとか?」

海未「一体どういうことですか……」ヤレヤレ

ことり「なんていうか、芸名みたいな?」

海未「ことりのミナリンスキーみたいなものですか?」

ことり「うん、そんな感じ」

海未「私は園田海未以外の名前を名乗ったことなどありません!」

ことり「分かってるよー。ちょっとした冗談で言っただけ」エヘヘ

ことり「そろそろオープニングも終わるね」

海未「!?」

ことり「どうしたの、海未ちゃん?」

海未「こ、この方たちはこんなに顔を近付けて何を……!」カアアアアアアアアア

ことり「何って、きs」

海未「言わないでください! 女の子同士なのに、どうして……」ブツブツ

ことり「言ってなかった? このアニメ女の子同士の恋愛の話なの」ウフフ

海未「聞いていません! まだ本編に入っていないというのにどうしてこんな! こんな接吻など――」チラッ

海未「っ! なぜ一時停止をしているんですか!」カアアアアアアアアアア

ことり「だって、ここから本編に入っちゃうし……」

海未「はぁ、はぁ……」

ことり「海未ちゃん、落ち着いた?」

海未「な、なんとか……」

ことり「それじゃあ続きみよっか」

海未「待ってください! 心の準備をしますから……深呼吸をさせてください」スーハー

ことり「もう、だから覚悟はできたか聞いたのに」

海未「何の覚悟だかわからなかったんです!」

海未「……ふぅ。どうぞ」

ことり「はい、じゃあ再生」ピッ

静馬『いつからだろう、立ち並ぶ木々がすべて緑を失って見えるようになったのは――』

海未「……この銀髪の方はなぜポエムを読んでいるのですか?」

ことり「ポエムってわけじゃないと思うんだけど」アハハ

海未「場面が変わって……この赤い髪の子が主人公ですか?」

ことり「うん、蒼井渚砂ちゃん。この作品の主人公だよ。正確には赤い髪じゃなくて赤みがかった茶色だったりするんだけど」

海未「アストラエアの『丘』という割には大分標高が高いですね」

ことり「そういうのはあまり気にしないで、ね」

海未「ふむ、なんだかたくさん制服があるのですね」

ことり「うん、アストラエアの丘には3つの学校があるから」

海未「でも渚砂さんは3つともまた違った制服ですよ?」

ことり「渚砂ちゃんは黒いワンピースの制服の学校、聖ミアトル女学園に編入してきたんだけど……」

海未「なるほど、まだ制服がないのですね」

ことり「海未ちゃんはどの制服がいい?」

海未「そうですね、私は黒でしょうか。落ち着いていますし。ことりは?」

ことり「私はル・リム! あ、ピンクの制服ね」

ことり「今のうちに紹介しちゃうとピンクのところが聖ル・リム女学校、白いところが聖スピカ女学院っていうの」

海未「ミアトル以外も関係してくるのですか?」

ことり「まぁ、最初に出てきてるくらいだしね」アハハ

――――
――

海未「なんなんですか! このアニメは! いきなり初対面の人のおでこにキスをしたり! 必要のない身体測定をしたり!」カアアアアアアアア

ことり「海未ちゃんそういうシーンの度に赤くなって可愛かったよ」ウフフ

海未「全く……。ん、渚砂さんがまだ寮に帰っていない……?」

ことり「最初の方でしか出てこない門限の設定だね」

海未「門が閉まって……! 渚砂、急いで!」ドキドキ

海未「あぁっ! 完全に閉まってしまいましたよことり!」ハラハラ

ことり「海未ちゃんなんだかんだで楽しんでるんだね、よかった」フフ

――――
――

ことり「そろそろ1話が終わるね」

海未「ようやく1話が終わりですか……なんだかとても長かったように思えます」

海未「あぁっ! またエトワール様が渚砂さんに接吻をしようと……」

ことり「実はこのアニメ26話まであるんだよね」

海未「そんなにあるのですか!?」

ことり「あ、エンディングだよ」

海未「実写とはまた珍しいですね」

海未「ん? この方はTHE ALF――」

ことり「それ以上はダメだよ、海未ちゃん」

ことり「どうする? 続き見る?」

海未「26話までと聞くとなんだか遠い気もしますが、見られるところまで見たいです」

ことり「よし、じゃあどんどん見ちゃおう!」オー

・・・

要『イカロスを知っているかい?』

海未「イカロス? この方は急に何を言い出して……」

ことり「その人はいっぱい迷言を残すから」アハハ

・・・

ことり「キマシタワー!」ガタッ

海未「一体どうしたというのですか?」ビクッ

ことり「有名なシーンだからつい」エヘヘ

海未「ただ玉青が渚砂を驚かせようとしているときに渚砂が来たから言った台詞ではありませんか」

ことり「それでも有名な台詞なの!」

ことり「この後に出てくる『タマリマセンワー』の直前の玉青ちゃんのシーンと組み合わせて使われてる百合の代名詞ともいえる台詞なんだから」

海未「百合? なぜ花がここで出てくるんですか?」キョトン

ことり「あ、女の子同士の恋愛のことを『百合』って言ったりするの」

海未「なるほど、花ではなくてそういった概念ということですね」フムフム

・・・

海未「あぁっ! 静馬が渚砂を押し倒して!」カアアアアアアア

海未「そ、そんな! だ、ダメです静馬! 思い直して!」カアアアアアアアア

海未「渚砂もなぜ抵抗しないんですか!」

ことり「渚砂ちゃん、エトワール様のことが好きだからじゃない?」

海未「す、好きとはいえ物事には順序があります!」

海未「け、結婚もしていないのにこんな……っ!」カアアアアアアアア

海未「……? 一瞬渚砂ではない人の面影が……? い、今のは……?」

ことり「今のは結構重要なシーンだよね、後々わかるから覚えておいてね」

・・・

要『そもそも地球温暖化という現象は仮説に過ぎない云々夏目漱石がどうのこうの』

海未「またこの方はわけのわからないことを……。今度は地球温暖化ですか」

ことり「一部のファンには『温暖化』って名前で呼ばれてたりするくらい有名な台詞だね」

・・・

海未「ん、曲が変わりましたね」ピクッ

ことり「っていうことは半分だね」

海未「もうそんなに見たんですか。ではもう半分見てしまいましょう!」

ことり「海未ちゃんもうすっかりストパニに夢中だね」

海未「そ、そんなことはありません! ここまで見てしまった以上最後まで見るのが道理かと思いまして」アセアセ

ことり「そういうことにしておこうか」ウフフ

海未「しておくのではなくそうなんです!」

・・・

海未「なっ……!」パクパク

ことり「どうしたの? 海未ちゃん?」キョトン

海未「ど、どうしたのではありません! 前回の引きで夜々が光莉を襲っていたと思ったら、や、夜々はこんなことまでしていたのですか!?」カアアアアアアアア

海未「あんな、強引に……!」

ことり「まぁ、あんなことしたら流石に光莉ちゃんでも怒るよね」アハハ

海未「温暖化に引き続き信じていた親友にまで裏切られ……光莉がかわいそうです」

ことり「海未ちゃんはことりに同じことされたら怒る?」

海未「当たり前です! 合意の上ならともかく無理矢理など論外です!」

ことり「合意の上ならいいの?」

海未「こ、言葉の綾です! ことりはそう、揚げ足を取って……」ブツブツ

・・・

ことり「あ、エンディングも変わったよ!」

海未「また実写なのですか……。なぜそこまで実写にこだわるのか……」

ことり「なんでなんだろうねー」

海未「というか、やはりこの人高見z」

ことり「それ以上はダメ」

海未「? 分かりました」

ことり「中原麻衣さんのことTHE ALFEEの高見沢さんなんて言ったりしちゃ失礼だよ、もう」プンプン

海未「ことりが言ってるじゃないですか」ヤレヤレ

・・・

海未「スピカの会長はなんというか、必死ですね」

海未「演劇の脚本担当の玉青に賄賂を贈ったり外堀から埋めたり……そこまですることですか」

ことり「冬森会長も悪い人ではないんだけどね……」アハハ

・・・

海未「なんと! カルメン役は千華留なのですか!?」

ことり「俗にいうチカルメンだね」

海未「スピカの会長、とても悔しそうですね」

ことり「あんなにしたのに主役級2人が他の学校になっちゃったからね」

海未「なんだかかわいそうですね」

ことり「冬森会長は学校のことを一生懸命に考えてるいい人だからね、空回りだけど……」

海未「えっ、夜々って中等部だったんですか!?」

ことり「そうだよ、ことりも最初渚砂ちゃん達と同じ高等部1年生だと思ってたからびっくりしちゃった」

海未「あんなにピリピリした雰囲気だったのに急にコメディタッチになりましたね」

ことり「かわいいよね、中等部の子たち」ウットリ

海未「前半のような話もすきでしたが、ストパニはコメディパートが面白いですね」クスッ

ことり「シリアスもギャグも面白いよね、ストパニ」

・・・

海未「静馬と渚砂が2人きりで……あぁっ! 渚砂が静馬に……!」

海未「って、また先程の黒髪の少女の面影が……」

海未「静馬が泣き崩れて……! か、花織……? 渚砂ではない人の名前を……!」

海未「渚砂が外に飛び出していきましたよ、ことり!」ハラハラ

ことり「海未ちゃんが楽しんでるみたいでよかったよ、本当に」ウフフ

海未「ことりっ! 笑うシーンではありませんよ!」カッ

ことり「ひ、ひぃっ! ご、ごめんなさい……」ウルウル

渚砂『ごめんなさい、私じゃだめなんですね……ごめんなさいっ!』

海未「何故渚砂が謝るのですか!?」

海未「って、飛び出したと思ったら結局屋敷に戻るんですね」

ことり「ひどい雨の中だしここ意外に行ける場所もないからね」

・・・

海未「えっ、渚砂は歩いて帰ったんですか? 行きは車で向かってましたよね?」

ことり「ほら、ことりが留学しそうになった時の穂乃果ちゃんみたいにテレポートを、ね?」

海未「あれはテレポートしたわけではありません!」

海未「帰ってきた渚砂を待っていたのは……玉青とミアトルの会長……?」

海未「玉青……! 玉青は渚砂のことを本当に大切に思っているんですね……」ウルウル

海未「そして静馬はよくわかりませんが過去を引きずっているようで……」

海未「なんだかとても切ない話ですね」ウルウル

ことり「あれだけ突っ込んでおいてちゃんと泣くんだね、海未ちゃんってすごい」

海未「多少おかしいところがあってもいいものはいいものですよ」

ことり「それはそうなんだけど……」アハハ

・・・

海未「このアニメはテニスアニメでしたっけ?」

ことり「天音様も温暖化様も2人とも上手だよね、かっこいいし」ポワーン

海未「所々に挿入される光莉と夜々も気になりますね……」

夜々『私の歌が、気持ちが。届かないことを知っているから、もう歌う歌う意味がない、歌えない……!』

光莉『届かないって?』

夜々『光莉の、心に……』

海未「夜々ああああああああ! 言ってしまうのですか!?」

海未「と思ったらまたテニスパートですか……夜々と光莉はどうなったのですか!」

ことり「南都も夜々こしい展開だよね」

海未「…………」テレビジーッ

ことり「ちょっとくらい突っ込んでよ!」

・・・

海未「夜々……玉青といい夜々といい、このアニメには良い子しかいないのですか」

ことり「ここの光莉ちゃんちょっと無神経だよね。『要約すると夜々ちゃんのことは好きになれないけど夜々ちゃんは歌って!』だもんね」

海未「ふふ、穂乃果も同じようなわがままを言うじゃないですか」

ことり「まぁそれはそうなんだけど……」

海未「それに、光莉は夜々が大好きだからこう言ってるんじゃないですか」

ことり「確かにそこに好意はあるのに好きのベクトルが違うってつらいよね……」

海未「確かに、そうですね、夜々……」ホロリ

ことり「……………つらいよね」ボソッ

・・・

海未「要がこんなに熱い人だったとは……!」

ことり「ここの温暖化様本当にかっこいいよね」

海未「ここで天音の出馬表明……光莉の方も夜々が背中を押し、いろいろな人に支えられながらエトワール選に……」

海未「これはエトワール選が楽しみですね」

・・・

海未「玉青と渚砂がエトワール選に出馬ですか!?」

海未「玉青も夜々のように報われないのかと思っていたら報われるのですね……」ホッ

海未「しかし静馬は……?」

ことり「どうなるんだろうねー」

・・・

海未「千華留……! あなたは聖母ですか!」

ことり「千華留様は誰かと付き合うって言うよりみんなのお母さんって感じだよね」

海未「私たちで言う希みたいな感じですね」

・・・

海未「玉青が報われましたよ! ことり!」

ことり「そうだねー」

海未「? 嬉しくないのですか?」

ことり「うぅん、嬉しいよ、なぎたま好きだし」

海未「なぎたま……? あぁ、渚砂と玉青ということですか」

・・・

海未「!?」

海未「え、静馬はいったいどうしたのですか!?」

ことり「静馬様はご乱心なんだよ」

海未「静馬……玉青が報われれば静馬が報われず、静馬が報われれば玉青が……どっちも幸せにはなれないのですか……」

ことり「渚砂ちゃんは1人しかいないもんね」

海未「あっ! 光莉と渚砂が分身すればいいんですよ!」

ことり「まぁ、分身出来たら一番丸く収まるかもね」アハハ

・・・

海未「あ、ああ、天音が落馬……!?」

海未「こ、ことり、大丈夫なんですか!? 思いっきり頭から……」

ことり「まぁ死んではいないかな」

海未「ここでEDですか……。ことり、飛ばしましょう。誰も高見沢なんてみませんよ」

ことり「EDで高見沢を見るのもストパニの楽しみの1つだから……」アハハ

海未「続きが気になりますね……残り3話しか残されていないというのにまさかこんな展開が……」

ことり「残り話数少ないのにいきなり重い話されても困るよねー」

海未「なんだか他人事でもない気がしますね」

・・・

海未「渚砂と玉青が踊っていますが天音はどうなったのですか?」

ことり「まぁ、それは後で出てくるから」

・・・

海未「光莉の涙で天音が……! 奇跡ですよ、ことり!」

海未「なるほど、この演出のために天音は落馬をしたのですね!」

海未「って、エトワール選に出馬取り消しですか!? どうしてですか、ことり!?」ユサユサ

ことり「う、うう、海未ちゃん、落ち着いて、見てれば分かるから」

海未「……! これは記憶喪失! こんな時にまさか天音が記憶喪失なんて……光莉……」ウルウル

ことり「海未ちゃんは感受性が豊かだね」ウフフ

・・・

光莉『……』ショボン

千華留『あっという間に溶けちゃったわね、雪』

海未「千華留! ことり、千華留ですよ!」

ことり「千華留様がくるとなんだか安心して見ていられるよね」ウフフ

千華留『天音さんの心には今雪が積もってるだけじゃないかな』

千華留『きっとあなたという太陽ですぐに溶かせるわ』

海未「いいこと言いますね、流石千華留です」ウンウン

ことり「千華留様は本当に素敵な方だよね」ポーッ

海未「千華留の包容力、まさに聖母ですね」

千華留『』ナデナデ

テクテク

天音『あぁ、失礼』テクテク

千華留『誤解されちゃったかしら?』

光莉『大丈夫です。信じてますから』

海未「……このシーン必要ですか?」

ことり「いきなり出てきたと思ったら一言言って帰ってくシュールなシーンだよね」

ことり「多分千華留に慰められて光莉の気の持ちようが変わったことを演出したかった、とかじゃないかな?」

海未「なるほど……」

・・・

海未「静馬は吹っ切れたようですね。静馬が吹っ切れたということは渚砂と玉青のカップルで決まりですね」

海未「あんなに渚砂のことが大好きな玉青が報われないのは心苦しいですからね、これで渚砂の方は安心ですね」

ことり「ソウダネー」

・・・

海未「と、思ったら渚砂が吹っ切れてないんですか」ヤレヤレ

ことり「玉青ちゃんが渚砂ちゃんを好きなように渚砂ちゃんも静馬様のことが好きなわけだから……」

海未「玉青にも渚砂にも幸せになってほしいのに……!」

ことり「やっぱり親友同士がくっつくのがいいよね」

・・・

海未「夜々と冬森会長と要が寒い中天音と光莉の帰りを待っているというのに帰らないなんて……」

天音『泣かないで、私まで泣きたくなるから』

海未「というか天音はまだ思い出さないのですか!」

光莉『けーだーかきー♪』

海未「!? な、なぜ光莉はいきなり歌い始めたのですか……?」

ことり「いきなり隣にいる人が歌いだしたら怖いよね」アハハ

天音『天使………』ハッ

天音『光莉』

海未「天音……! ついに思い出したのですね!」

海未「よかった、このまま最終回を迎えていたらどうしようかと……」

ことり「それはそれで面白そうではあるよね」フフ

海未「っ!」カアアアアアアアアアア

ことり「記憶が戻ったらすぐキスなんて大胆だよね」

海未「このアニメは何度も接吻を……何度見ても慣れませんね」

海未「場面が変わって朝……に……?」カアアアアアアアアアア

海未「な、なぜ2人とも裸なのですか……!」カアアアアアアア

ことり「まぁ、そういうことだよね」

海未「ふ、不潔ですっ!」

ことり「海未ちゃん何があったか分かるんだ」ニヤニヤ

海未「っ! し、知りませんっ!」カアアアアアアアアア

・・・

ことり「ついに最終回だね」

海未「長かったような短かったような……」

ことり「海未ちゃん、準備はいい?」

海未「はい、最後、26話をお願いします」

・・・

海未「ついにエトワール選の結果発表……クライマックスですね……」ゴクリ

ことり「……」ドキドキ

SE『ギィイイイイイイイイイ』

海未「……? 扉が開いて……?」

SE『バアアアアアアアアン』

海未「し、静馬ぁっ!?」

ことり「きたああああああああああ!」

静馬『……渚砂っ!』

海未「し、静馬がなぜここに……?」ドキドキ

ことり「海未ちゃん、しーっ!」

海未「す、すみません……」

静馬『ふっ』カツカツカツカツ

海未「自信にあふれた顔……」

静馬『渚砂っ!』バッ


静馬『愛してるのっ!』


海未「――――っ!」

ことり「きゃああああああああああ!」

玉青『行ってらっしゃい、渚砂ちゃん』シュルットスッ

海未「玉青……」ウルッ

ことり「玉青ちゃん、本当にいい子だよね……」ウルウル

静馬『行くわよ!』

深雪『静馬ぁっ!』

海未「深雪の叫びもどこか切ないですね……」

海未「駆け落ちエンドですか」

ことり「愛の逃避行だね」

海未「花畑で2人キスをして終了ですか。ふむ……」

ことり「海未ちゃんの趣味には合わなかった?」

海未「いえ、とてもいい作品でした!」パチパチ

海未「百合とは美しいものですね、その名の通り可憐に咲く百合のように気高く美しい」

ことり「よかった、海未ちゃんも百合気に入ったんだね」ウフフ

海未「……? まだ続きが? 渚砂が扉に寄りかかって……」

海未「玉青も反対側に……?」


玉青『おかえりなさい、渚砂ちゃん』


海未「玉青! なんでそんなに健気なのですか!」ブワッ

ことり「玉青ちゃん本当に良い子なだけに報われてないのが可哀想だよね……」

ことり「さて、見終わったし結構遅い時間だから寝よっか」

海未「ま、待ってください、ことり」

ことり「? どうかしたの?」キョトン

海未「再現をしたいです、あのシーンの……」

ことり「やっぱり再現したくなるよね」フフ

海未「私が静馬でいいですか?」キラキラ

ことり「そっちの方がイメージにあってるしね」ニコニコ

海未「では、こほん」

海未「ことり!」バッ

海未「愛してるのっ!」

ことり「でも、私……っ!」シュルッ

海未「リボンは自分でほどくのですね」

ことり「こうするしかないし……。続きいい?」

海未「どうぞ」

ことり「海未ちゃん!」ギュッ

海未「ことり……」ギュッ

海未「行こう」キリッ

ことり「えっ?」キョトン

海未「行きますよ!」グイッ

ことり「え、ちょっと待って! 本当に行くの!?」

海未「なんだか楽しくなってきたので」フフ

ことり「海未ちゃん完全に深夜テンションだよ!」

海未「神田明神まで来てしまいましたね」

ことり「まさかパジャマのままで男坂を登ることになるとは思ってなかったよ……」ハァハァ

海未「さて、帰りましょうか」

ことり「……帰っちゃうの?」

海未「あぁ、せっかく神田明神まで来ましたしお賽銭でもあげて……」

ことり「そうじゃなくて! 続きとか……」ドキドキ

海未「つ、続きって……っ!」カアアアアアアアアア

ことり「キス、だよ?」ウワメ

海未「そ、そんな、演技で接吻など――」

ことり「ことりは、海未ちゃんだったらいいよ……?」

海未「っ! そ、それはどういう意味ですか……?」

ことり「なんて、わかってるよ。海未ちゃんはことりのことそういう風に好きじゃないよね」エヘヘ

ことり「ごめんね、いまのわすれt」チュッ

ことり「え?」

海未「好きですよ、ことり」

ことり「……それは演技?」

海未「いえ、本心です。私は南ことりが好きです」キッパリ

ことり「それって、ストパニを見て女の子に恋したくなって、たまたま近くにいたのがことりだから?」

海未「そんなわけないじゃないですか!」カッ

ことり「ひぃっ!」ビクッ

海未「私は元々ことりのことが好きだったんです、でも女の子同士だからとその気持ちを認められずにいた」

海未「そんなときにストロベリー・パニックを見てことりを好きだという気持ちを認め、向き合うことができたんです」

海未「だから、その、誰でもよかったとかそういうことは全くなくて……」カアアアアアアアア

ことり「じゃ、じゃあ本当に海未ちゃんはことりのこと好きなの!?」

海未「さっきからそういってるじゃないですか……」ヤレヤレ

ことり「えっと、その、こ、ことりはぁ……」ドキドキ

海未「……」

海未「イカロスを知っていますか?」

ことり「は?」ポカン

海未「イカロスは太陽に近づきすぎて落ちてしまったんです。あなたも穂乃果という太陽には近づけません」

ことり「それって……」

海未「悲しむことはないですよ。私も太陽です。ほら、あなたは、私という太陽になら触れることができます。私に触れてみてください」

海未「愛してますよ、ことり」フフッ

ことり「あ、あの? 海未ちゃん?」

海未「私は口下手ですからね、なんて」フフ

ことり「もう、いきなり温暖化様の真似始まったからびっくりしちゃったよ」フフッ

海未「なんだかことりが緊張している様子でしたので」フフッ

ことり「他に緊張解く方法なかったの?」アハハ

海未「先程も言った通り私は口下手ですので」

ことり「もう、海未ちゃんったら」アハハ

ことり「……」

ことり「ねぇ、海未ちゃん」

海未「なんでしょうかことり?」

ギュッ

海未「な、なぜ脈絡もなく抱き付いてくるんですか!?」カアアアアアアアアア

ことり「ダメかな?」ウワメ

海未「だ、だめではありませんけど、少し離れてください!」カアアアアアアア

ことり「離れないよ、なぜなら」



ことり「月がとっても綺麗だから」

海未「……!」

ことり「夏目漱石は天才だよね、彼はある英文をそんな風に翻訳したの」

ことり「わかるよね? 海未ちゃん」

海未「は、はい」カアアアアアアアアア

ことり「じゃあこれが告白の返事でいい?」

海未「……いえ、聞かせてください、ことりの口から」

ことり「言葉にするのが恥ずかしいからこんなこと言ってるのに……」ブツブツ

ことり「わかった、一回だけだからね」

海未「はい、一回だけで結構です」

ことり「海未ちゃん」チュッ

海未「!?」カアアアアアアアアアアアアア

ことり「大好きだよっ!」ニコッ

おわり

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