照「…」ペロペロピチャピチャ 咲「」(148)

咲「部長……綺麗……」久「ひっ…!」
咲「おねえちゃん大好き」照「ごめんね」
の続き
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



~白糸台高校・麻雀部室~

全国高校麻雀大会前

淡「あ、ツモ! 2000・4000!」 パシッ

照「あがられた……」

尭深(強い……)ズズ…

菫「照や私たちと打ってトップか……末恐ろしいな」ジャラジャラ

淡「そうでしょー、さすがでしょー」ジャラジャラ

淡「……なんて、テル相手じゃ3半荘に一回くらいしか勝てないけどねー」ピッ

照「十分だよ、淡は強い。正直自信を無くしそう」

菫(自信を無くす……か、ナチュラルボーン・ウィナーが心にも無いことを……)フッ

淡「さって、親で連荘しちゃいますかねー」スッ

尭深(私には好都合……)ズ…

淡(良い配牌だよ)スー

ズキっ

淡「っ!」 コロッ

菫「…」

照「淡、牌見えてる」

淡「あ…あはは、凡ミス凡ミス」

照「気をつけてね」

淡「……うん」ズキ…

………
……


淡(テンパった……親でトップだけど……)カチャ

淡「リー…  ポロッ

カランっ

淡「…えっ?」

ビキっ!

淡「痛っ!!」ガタン

照「……」

尭深「淡ちゃん!?」

照「淡、どうしたの?大丈夫?」

淡「っ…は、はい……大丈夫ですから、続けましょう」

菫「……駄目だ。大星は今日はもう見学、もしくは帰宅しろ」

淡「…………はい」

尭深「どこか痛いの?」スッ

淡「! い、いえ!大丈夫ですから!ちょっと打ちすぎちゃったかな~、あはは」バッ

淡「私うしろで見学してますね!」

菫「…………」

照「じゃあ、誠子、代わりに入って」

誠子「はい」

………

菫「~~~以上だ。今日の部活動はここまで。解散」

淡「はー、終わった終わった。打たないとこんなにつまらないんだね~」

菫「大星、ちょっと今日のことで話がある」

照「……」

淡「な、なんですか?」

菫「いいから来い」ギロ

淡「……は、い……」

ナニ? サー? マタオオホシサンナニカシタノ? コワー

照「………………」

~空教室~

菫「誰もいないな、よし」

淡「……」ビクビク

菫「大星」

淡「……」びくっ

菫「お前―――

~~~~~~~~~~~~~~~

尭深「淡ちゃんが、いじめられてる……?」

誠子「いや、可能性の話。今日は一段と分かりやすかったけど
   時々、挙動が不審で怯えるような態度をとることがあるだろ?」

尭深(確かに……)

誠子「それに……まぁ大星は良くも悪くもフレンドリーというかフランクというか……
   宮永先輩とも仲が良いし、先輩も大星を悪く思ってないから……」

尭深「嫉妬、ってこと?」

誠子「うん」

誠子「まったくの杞憂かもしれない、でも無いとも言い切れない
   だから尭深にも気を配っていてもらいたいんだ」

尭深「分かった」

尭深「……」

尭深(弘世先輩……まさかね……)

~~~~~~~~~~~~~~~

菫「大星、お前……いじめにあってるなんて事、ないよな?」

淡「……」

菫「いや、聞き方が悪かった。誰かにいじめられているか?どうなんだ?」

淡「……なーに言ってんのスミレ、私がいじめられる? 無い無い」ヘラヘラ

菫「本当にか?」

淡「も、もうっ どうしたの?スミレ」


菫「……」


淡「…………本当だよ、「いじめられ」てなんていません。弘世部長」

………
……

菫(何かを隠していることは明らかだな。だがいじめがないという言葉に嘘は感じられなかった……)

菫(今は全国前の大切な時期……大星に連絡先も教えたしひとまず様子をみるか……)

***

大星を呼び出した日からその後、彼女からのSOSやおかしな様子なども見て取れなかった

いつしか私もいらぬ心配だったか、と静観から忘却へと移り変わっていった

なんと間抜けなことだろうか

私が、私ですら感じとれた、大星を呼び出すに至った彼女のわずかな変化

それこそが最初で最後の、か弱い全力のSOSであったというのに



そして全国大会後しばらくして、宮永照は失踪した。

~三箇牧大学医学部付属病院~

憩「お待たせしました。どうぞお掛けください」

憩「……はい。確かに私の祖父が宮永さんの診療を担当しておりました。カルテが残っていました」

憩「9年前ですね。本来、5年以上前のカルテが保存されているはずが無いんですが……
  おじい……祖父がなにを思って彼女のカルテを保管していたのか、これを読んで少し理解しました」

憩「非常に珍しく、そして異常です。病名にはこう書いてあります」

憩「対外性強迫性障害」

憩「こんな病名は存在しません。該当するものが無かったから……祖父が勝手に名づけたのでしょう」

憩「強迫性障害はご存知ですか?手を洗っても洗っても汚れが気になったり
  鍵をかけたかどうか何十回も確認したり……精神疾患のひとつです」

憩「手の汚れや施錠の有無が気になって仕方ないのが「強迫観念」
  強迫観念を打ち消すために行われるのが「強迫行為」です」

憩「強迫行為は第三者から見て意味不明なことが多く、その多くは不合理的です
  しかし、これらは原則として患者自身に向けられたもので、この行為によって
  他人を傷つけるなどの反社会的行動に繋がることはありません。本来は……」

憩「結論から申し上げます。宮永さんは……親しい人間、とくに愛する人間を傷つけずにはいられない。
  そういう強迫行為に悩まされていました」

憩「強迫性障害は自覚できる病気です。多くの患者は自らの異常行為に悩まされます。宮永さんも例外ではありませんでした」

憩「彼女の場合は特に精神的なダメージが大きかったでしょう」

憩「…………祖父は、宮永さんの家族が別居したのに合わせて治療を東京の精神病院に依頼しています」

憩「手に負えない。と判断したのでしょう。いや……診ることに耐えられなかったのかも……」

憩「カルテが残っていることからも、祖父が私情……哀れみの類の感情を抱いていたことは分かります。
  人を傷つけるほどの行為を強迫性障害にカテゴライズすることも本来ありません。「対外性」などと
  呼んでいたのも、祖父なりの、せめてもの擁護だったのでしょう……」

………
……


憩「はい、分かりました。お疲れ様です」

バタン

憩「……ふー…」ストン

憩「……」

憩「照ちゃんの……アホ……」

憩「照ちゃんは、人間やで……人間やめたら……ゆるさへんで……」


……
………

………
……


「ピチャッ」


ピチャ  ピチャン
ビチャ
ビチャピチャ


照「……」ペロ

ペロ……ピチャ……

照「ハァ……ハー……」ペロ ペロ

(おねえちゃん)

照「……ハッ…ハッ…ハッ」ペロペロ

(おねえちゃん大好きだよ)


照「うっ……ぐぅううう……」

(おね


照「あああああああああああああああああああああああああああああああ」

照「ああああああああああああああああ咲!、咲!、サキ!!、さき!、咲!!!!!!!」

ゴトン

咲「 」

照「あ…………」

咲「 」

照「…まだ、ナイフ持ってた……咲が傷ついちゃう……」ポイ

カラン

照「? なんだろう……これ……ああ……咲だ……私の妹……」

照「死んでるの?……誰なの?……」


(おねえちゃん!)

照「さ……」

照「あああああああ!!うるさい!!!!!うるさいうるさいうるさい!!!!!!」



ぐちゃ

………
……

宮永母「咲、お母さんとお父さんはお医者さんとお話してくるから。ここで待ってて?」

咲(8才)「うん」





咲「うんしょ」ストン

ズル……ズル……

咲「……」

ズル……ブツブツ………ズル……

咲「お話……長いのかなぁ……」

ズ…………ポフン

咲「!」

咲(びっくりしたぁ……隣に座られるまで気づかなかったよ……)

??「…………」

咲(ここに入院してる子かな…? すごいヒラヒラしてるお洋服だなぁ)

??「…………」チラ

咲(!)サッ

??「……」じー

咲(な なんだろう……見てたからおこったのかな……)ドキドキ

??「……」フイッ

咲(ほっ……)

がしっ!!

咲「っ!!」

咲「えっ…な、なに…」

??「………ん」

咲「?! ? え? ぬいぐるみ…?」

??「……ん」

咲「えー……っと、か かわいいね……?」

??「……」ニコッ

??「……」ナデナデ

咲(変わった子だけど……悪い子では……ないのかな)

咲「それ……大事なものなの?」

??「……」ピクっ

??「……」コクン

咲「そうなんだ」

咲(それにしてはさっき引きずってたような……)

咲「あなたも、ここの先生にみてもらいに来たの?」

??「……」

咲「そうなんだ。私もね、そうなんだ」

咲「……左目、どうしたの?」

??「……」

咲「へぇ……かわいいね」

咲「……」 ??「……」

咲「私ね、おねえちゃんがいるんだ」

??「…………」

咲「かっこよくて大好きなおねえちゃん」

咲「でも、わたしのせいでおねえちゃんが……苦しんでるんだって」

咲「なにがダメだったのかわかんないけど……きっと私が悪かったんだ……」

??「……」

なでなで

咲「!」

咲「……はは、ありがと。小さい子になぐさめられるなんて…やっぱりダメな子だよね……」

??「……」

咲「え!?同い年!? ご…ごめんね…あ…ごめんなさい」アワワ…

??「……」ニコッ

<オーイ! モコー!

??「!…ラン……」スッ

咲「帰るの? そっか……じゃあね」

??「……」ズル…

ズル……ズル………ズル…

………
……


宮永父「咲。帰ろう」

咲「うん……おとうさん」

***

程なくして宮永姉妹は離ればなれに生活することになる。

テ……!……テルっ……

照「う……ん……」

…ル!……テル!!

照「…あ…わい?」

淡「テル!良かった!気がついたんだね!」

照「どうして……ここ…に…」

淡「テル倒れたんだよ?! それで病院に……もう!すごい心配したんだよ?」

照「倒れた? そう……だっけ……」

淡「でも良かった~。たいしたことなくて。ねぇテルー、遊びにいこうよ~」

照「……ごめん、今はちょっと気分が……」

淡「?」

照「悪……くて……?」

照(あれ…?気分が……なんだっけ……)

淡「どうしたの?どこか痛いの?」

照「……いや……いいよ、行こう」

淡「やった!」

照「でも部活はどうしたの?淡」

淡「部活は無くなったんだよ、テルー」

照「そ……う、だったね」

淡「そうだよ。 あっ!遊園地いこうよテルー!」

照「今から? 日が暮れちゃうよ」

淡「そんなことないよ、ほら、あれ乗ろうよ!ほらほら」グイグイ

照「なんでこんなところに観覧車……」

淡「なんで…って、遊園地だからですよ?」

照「え…ああ。そっか、そうだね」

淡「テルー服カワイイね~」

照「ありがとう……」

照(いつ着替えたっけ……?)

………
……


淡「観覧車って意外と速く動くんですね。もう一周か~」

照「そうだね」

淡「次あれ乗りましょう!」

照「……はいはい」

照「淡、もう結構暗い。帰ろう」

淡「ちぇ~……時間経つの早いなぁ」

淡「じゃあテルーちょっとくつろいでてよ。飲み物持ってくるから」ガチャ バタン

照「くつろぐ…って、早くかえっ……、ここは…淡の部屋?」

照(服も変わってる……)

照「……まぁいいか……」

照(もう……なんでもいいか……)

………
……

淡「テルさんや、お風呂に入りませんか?一緒に」

照「一緒に?」

淡「ええはい」

照「……いいけど」

淡「よ~し!淡テルの背中ゴシゴシしちゃうぞーっ!」

照「前もお願い」

淡「え゛!?」

照「冗談……」

シャーーーーー……

照「淡、髪長いと大変だね」

淡「う~ん…そうでも……あるかも」ゴシゴシ

照「……」

浴槽から手を伸ばし細い体に張り付いた金髪に触れる

淡「……なぁに?」

照「……」

手は体をすべり背中のそれをなぞった

照「傷、残っちゃったね……ごめん」

淡「…いいよ」ゴシゴシ

ヴォーーーーー~~~~

淡「チャンピオンに髪を乾かしてもらうのって贅沢~~~」

………
……


淡「テル~一緒に寝よ~」

照「うん」

淡「電気消すね」

照「いいよ」

パチッ  ぽふん

照「淡、重い……」

淡「お!重いって……あ…あのね…テルー……その」

淡、目を伏せて顔が赤い。風邪でも引いちゃった?

淡「テルは……私のことす、すき……?」

照「……うん」

淡「……なら、……お願い……ね?」

照「いいよ」

私の方が我慢できない。

淡を下にして覆いかぶさった。こうしたほうが楽だ。

いつもと同じように肌を舐めた。何往復も。

淡「っ……!テ…っ……ル……歯が立ってるよ」

知ってる。そっちも期待してるくせに。

息が荒くなってきたよ。普段は子供っぽいのに『これ』のときはやたらと扇情的になる。

淡「てるぅ……もう……はやくぅ…」

照「…………」

私の舌が、淡の左手から昇り、指、手首、肘、二の腕、肩と、ゆっくり

唾液の跡を残しながら這い上がっていく。

淡「ッ――――!!」

淡から声はあがらない。呼吸すらままならない。

照「あわい……好きだ、よ……」

舌が首に到達し、淡の体を不安と恐怖と快感が駆け巡る。

頸動脈のあたりを舐める。

淡「ぁ……」

犬歯が、牙が淡の薄い肌に喰い込んだ。

プツっと皮膚を突き破る感触が伝わってきた。

ビクンと淡の体が跳ねる。動けばさらに歯が食い込むので大人しい。

照(ぁぁ……)ギリギリギリ……

元より淡に照を振りほどく力などないというのに、その両手はうっ血するほど強く抑えられている。

照(血の味……)

照「フーッ……フーっ…」じゅる

淡「っ!……ぁッ!!……!」ビクンビグン

もうこうなってしまえば押さえつけなくても大丈夫だ。両腕を解放した。

にちゃ……っと音をたてて牙が離れた。

照「脱がすよ」ボソ

剥かれている間も抵抗は無い。全てを剥ぎ取り、上半身が露になる。

他の者なら一瞬うろたえたであろう傷の多さも照をさらに欲情させる。

照「これも……これも……全部私がつけたんだよ…私が傷つけた…ふ……ふふふふ」

淡「……んっ」

淡の胸に手を重ねる。

淡「……テル……キスし…」

言い終わるまえに口を塞いだ。

淡「んぁ……ハア……ん……っ」

揉みしだきながら後輩の唇を味わった。この子は今自分の血の味を感じているだろう。

照「……」ぎゅううううう

胸をまさぐる手は既に鷲掴みに変わっていた。肩にまわした一方の腕にも力が入る。

淡「んんっ……!…あ゛……ぅ!」

爪が食い込む。痛みによる震えがさらに照を燃え上がらせる。

淡は、ガッチリと牙と爪が食い込んだ被捕食動物のように硬直し、時折おおきく跳ねた。

ギュウウウウゥ…!…と力はさらに強くなっていく。口が塞がれていなければ悲鳴が聞こえていたかもしれない。

淡「!!!っ……!!……っ」ブルブル

ゥウウウウウウ……ブツン!!…

淡「かッ…!…っぁ…ぉ!…」

ぶつっ……ぐちっ……グチャ……

照(あっ…あっ……はぁああぁああ//)

淡「おごッ…!…ハッ……ぁ!ぇ…」ガクガクガク

重ねられた唇の間からブクブクと泡が溢れた。

秒針が何回か回ったころ、小さい体の痙攣は止んだ。

照「…あわ……い……ねぇ…」ボソっ……

照「…ぁ…ぃ…また…刻んであげたよ、ねえ、淡、痛い?どうだった?綺麗だよ……」ペロペロ

淡「 」

気絶しているのか、声を出す気力もないのかは分からない。返事が欲しくて話しかけているわけではなかった。

もはや見てさえいない。そこにあるのは自分の欲望だけだ。

照「ごめん。激しかった?ごめんね。ごめん」ペロ……ペロ…

虚ろになったその淡い碧の瞳を舐めた。舐めるだけで我慢した。

眼球に移った自分の姿を見た。この子には私がどう映っているんだろうか、何に見えるんだろう。

栗色の髪を撫でながらそんなことを考えた。

栗色?

あれ。なんで金髪じゃないの?それに、私の腕、なにかついてる。これは、針?それにチューブも。

「痛い……よぉ……おねぇちゃ…ん」

? 淡の胸から金属が生えていた。違う、淡じゃない。 それにこの金属、見覚えがある。

「助けて……やめて……」ゴポッ

照「あ…あ…あああ…あ……」

これは私が咲に突き立てたナイフの、柄。


 おねえちゃん、ごめんなさい。


おびただしい量の血液が溢れた。

照「あ…」


ああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!

―――――あああああああああああ」

宮永照と名札のかかった病室に、絶叫が響き渡った。自らが夢の中を過ごしていたこと、
廃ビルから救出され、般送先の病院で今、目覚めたこと、それらを理解するほどの余裕
など無かった。

照「あ゛あ゛あ゛!!…」

点滴を引き抜き、その針で自らを滅多刺しに、目、頬、首、そして心臓に深く突き立てた。


――であろう。

菫「やめろ!!」ガバッ!

弘世菫が付きっ切りで見守っていなければ。

菫「何をするつもりだった!?」

強引に針を奪った。

照「ふうううううううう!!!……がァ!」がしっ

菫「うっ!……ぐ……こ、の…!」

首を絞められた。冗談にならない力で。

菫「う…ゥぅうぅうう……!!」(なんて力だ…!!)

照の顔面はガーゼと包帯で大部分が覆われているが、
その隙間から覗く目は、完全に狂人のものであった。

菫(ッッ……こ、…殺される、…のか?……はは、…冗談)ギリギリギリ

菫(あの照に……、マ……ヌケ…も……いいとこだ……)ブクブクブク

菫「かッ……!!……!!」ツーーっ……

照「×××!!ッ×××××!!!」ギリギリギリ

菫(い…………)


菫(嫌だッ!! 死にたくない……!!)

菫「ひ………ゃ……だ…ず……け……で…」ポロポロ

照「ハッ!!…」バッ

どさっ

菫「ゴホッ!!ゴホッ!!…ヒュー…ひゅー……おええええぇ…!!」

照「わ、わた、わた、わたしは…わ、す、わ、わた…し」フルフル

菫「ハーーッ…!…ハーーッ!!」(助かった…?なんで、離し…)

照「ご、ごめ、ごめ、ん、な、さ、ごめ、ご……」ガリガリ

菫(ま……まさか、『助けて』と言ったから…、怯えた表情を見せたから…か?)

菫(そんな…ことでか? そんなの今までだって……。……!)

菫(もしかして……今まで、無かったのか…?誰も、淡も、妹さんでさえ……)

菫(そんな当たり前の、して当然の反応を…『してくれた』人がいなかったのか…?)

菫(やめてと。駄目な事なんだと。こいつを本当に思ってくれる人が…)

ぽとっ……

顔を覆っていた照の手が音を立てた。

菫「!」ハッ

照「…………」

菫「照っ!私は大丈夫だから…!大丈夫だから!だから……!」ぎゅっ

照「えっ?えっ…?どうしたの菫」テレテレ

菫「え?……?」

照「もう…急に抱きつくなんて、淡みたいなことして」ハア

菫「…お……お前、大丈…夫…なのか?…」

照「え、なにが?」ニコニコ

菫「っ!………」ゾワゾワゾワ

ジリ、ジリ……ペタン…

菫(ああ……私の親友は…もう……でも、こいつが悪いわけじゃない…)

菫(こいつの……周りにいた人間の……中途半端な思いやりが……歪んだ愛が…
  不幸を呼んだ……こいつが幸せになるには……もう―――)

………
……



212病室  [宮永 咲]

ピッ…ピッ…ピッ…

咲「――――――」スー スー 

咲「―……」

咲「……………」ムク

咲「……」チラ

宮永父「……」スー スー

咲「………」ニコ

ゴソ……ぺた…ぺた……ぺた……

ガラガラガラ………パタン…



~荒川憩によれば、強迫性障害は精神的病気であり、
バクテリアやウィルスが原因ではないので、感染することは物理的にはない。
しかし、他の強迫性障害の患者から影響を受けて、
本来本人が持っていなかった別の症状が発症することがある。
精神的な感染はあり得る。~

510病室  [宮永 照]

照「…………」パチ…

……タ……ペ……

照「…………」じっ

…ペ……ペタ……


ガラ……ガラガラガラ……


照「………やっぱり来てくれたんだね」ニコ




おわり

は?終わるなよ。もっとバイオレンスなのください

>>142
前スレどうぞ(小声)

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