咲「私と京ちゃんが」京太郎「付き合ってるって噂が流れてる……?」(646)

京太郎「おーい咲、ちょっといいか?」

咲「何?」

京太郎「実はさ、駅前のファミレスのレディースセット食べてみたいんだ。協力してくれるか?」

咲「えぇー……学食のみならず、ファミレスまで?」

京太郎「まぁ、嫌なら無理にとは言わないが」

咲「まぁ、いいけど……じゃあ、行こっか」

京太郎「おう、助かるぜ!」

池田「ふんふんふーん……ん、あれは清澄の大将……」

池田「ファミレスに入って……にゃにゃっ! お、男連れ!?」

池田「こ、これは華菜ちゃんの乙女レーダーによると、彼氏に間違いないし! 追いかけてみるしかないし!」




池田「近くの席に、と。このへんならバレないよな」

池田「んー、ちょっと聞こえにくいなぁ……」

京太郎「いやー、持つべきものは気軽に誘えるお姫様だな、やっぱ」

咲「お姫様って何さ……もう、京ちゃんはしょうがないなぁ」

京太郎「悪いな咲、わざわざ」

咲「まぁ、別にいいけどね」




池田「さ、咲!? 京ちゃん!?」

京太郎「じゃあ、レディースセットひとつと……何にする?」

咲「うーん、どうしよう……でも、このために連れ出すのってどうなの?」

京太郎「いやー、うまそうだったもんでな。本当に咲は頼りになるぜ」

咲「中学の頃から、頼りすぎだよー」




池田「ちゅ、中学の頃から!?」

代行乙
今から書くは

桐生翼、どこにでもいる普通の高校生だ。
彼はこの春、零冥高校という進学校に入学した。彼は天才児なのだ。
入学して1か月が経ち、だいぶ新生活にも慣れてきた桐生。
そんな時彼に転機が訪れる。
桐生「今日も一日疲れたなあ・・・さて帰るか。ん?」
??「お~い、とってくれ~」
桐生「なんだこれは?ボール?」

京太郎「まぁ勘弁してくれよ。この前の合同合宿、俺だけ置いてかれて寂しかったんだからさ」

咲「それはまぁ……全員女子だからしょうがないよ」

京太郎「まぁな。それに俺は弱いから、行ったところで特訓相手にもならないだろうし」

咲「あはは。京ちゃんも、もっと強くなれば行けるかもね」




池田「も、もっとチューが良くなればイけるかも!?(難聴)」

桐生「お前、1年だよな。名前は?」
松下「俺は松下(まつした) 樹里(じゅり)ポジションはキャッチャーだ」
桐生「松下か、よろしくな」
監督「え~お前ら聞いてくれ!彼が今日から野球部に入部する桐生翼だ!
パチパチパチパチ
監督「こいつはすごいぞ!さっき投げたボールが150キロを計測したからな!」
周り「150キロ!?すげえ・・・」
桐生「フン・・・」

??「こっちに投げてくれ!」
桐生「そういえば、ここは野球も強かったな。」
そう呟いて桐生はボールを思いっきり投げた
ズバーン!!!
??「・・・え?」
桐生「なんだ今の感触は・・・」
監督「こ、この球は・・・!!」
??「キミ、すごいじゃないか!よかったら野球部に入らないか?」
桐生「野球か・・・野球をすれば今の感覚をいつでも味わえるのか?」
??「そうだな」
桐生「いいぜ、野球部に入ってやる。」
こうして桐生伝説が始まった。

京太郎「ふー、うまかった……じゃ、帰るか」

咲「うん」




池田「と、とんでもない会話を聞いてしまった……」

池田「まさかあの清澄の大将に彼氏がいて、しかもあんなに進んでいたなんて……」

池田「むむむ……しかし、ここで慌ててはいけない」

池田「ここで華菜ちゃんが取るべき大人の行動は……」

池田「とりあえず、みんなに言いふらすことだし!」キュピーン

こうして野球部に入部した桐生
彼はセンスの塊で、ぐんぐん成長していった
そして迎えた夏の初戦・・・
先発は桐生だった

桐生がもらった背番号は10
1年生ながら名門零冥高校の2番手を任されていた(エースは3年生の村山 武志)
そして桐生の公式戦初球・・・150キロのストレート。絶好調だ。
そのまま1回戦の栗岡高校を15-0でコールド勝ち。桐生が浴びたヒットは0本。12奪三振の快投だった

しかし思いもよらないことが桐生を待っていた
監督「桐生、お前は甲子園まで試合に出さん!それまでずっと練習だ!」
桐生「えーっ!?」
こうして桐生は甲子園まで練習をすることに決定した。

そして迎えた甲子園、桐生はスライダーとフォークを覚えて帰ってきた
甲子園初戦の相手は広島学院
広島学院「おい、エースの村山じゃなくて背番号10だぜ。しかも1年生らしい。なめやがって!」
気合が十分入っていたが桐生はあっさりと完封した。
そうして桐生翼の名は全国に広まった。
そしてその後はエース村山の連続ノーヒットノーランなどもあり零冥高校は甲子園優勝を果たした。
桐生翼の甲子園成績 .625 5本 34打点 0.00 2勝0敗 30奪三振

池田「みんな、大変だ! 清澄の大将に、イケメンの彼氏がいた!」

美穂子「ええっ!? 清澄の大将って、宮永さんにですか!?」

深堀「それはどこで?」

池田「駅前のファミレスで話を盗み聞きしたし! 『咲』『京ちゃん』と呼び合っていたし」

未春「京ちゃん……そういえば、須賀京太郎って名前の男子部員がいるって聞いたことあるかも」

池田「多分そいつだし! しかも、中学の頃からの付き合いだとか」

文堂「そ、そうだったですか……人は見かけによらないですね……」

池田「しかも、お互いキスしまくりのアツアツの仲だし!」

美穂子「えええええええええええっ!?」

選抜大会では1回戦から完全試合を達成するなど絶好調
球速も153キロまで上がった
しかし3回戦の倉山実業に人生初めての失点を許す
桐生は落ち込んでいたが松下の「点をとられないピッチャーなんていない」
という言葉に励まされ復活。以降は失点してでも勝ちにこだわるようになる。
こうして選抜大会も優勝して甲子園連覇を達成した零冥高校。
史上初の3連覇に向けて桐生は決意を新たにする。
桐生翼の甲子園成績 .604 6本 26打点 0.33 4勝0敗 53奪三振

美穂子「ただいま……」

美穂子「きょ、今日はとんでもないことを知ってしまったわ……」

美穂子「まさか宮永さんに、深い付き合いの彼氏がいたなんて……」

美穂子「…………」

美穂子「…………」ソワソワ

美穂子「そ、そうだわ! 加治木さんにも伝えておきましょう!」←誰かに話すと安心するタイプ



ピ ポ パ

そして優勝した桐生はすっかり有名人だ
すでに来年のドラフトの1位指名を決定してる球団もあった(ソフトバンク、阪神、ヤクルト)
そしてさらに桐生は1年生が入ってきて先輩となった
桐生は一人の男に目をつけていた
そいつの名は伊達(だて) 傑(すぐる)
なかなかいい顔つきをしている。体格もいい。
どうやらポジションはサードらしい
しかし俺は伊達にショートが向いていると思ったのでショートにコンバートさせた
そうして桐生の2年生生活がスタートした

なんと1年生から伊達はレギュラーになってしまった
桐生「とんでもない潜在能力だ・・・」(実は桐生がショートにコンバートしたおかげで才能が開花w)
そうして2年目の夏が始まった。キャプテン倉谷にとっては最後の夏だ。
倉谷「絶対優勝するぞ!オオーッ!」
松下「1回戦の相手は開運高校だ」
こうして全試合15点差をつけて夏の甲子園出場が決定した

ゆみ『もしもし』

美穂子『あ、加治木さん! 私です、福路です!』

ゆみ『あぁ……合宿の時は世話になった。今日は何か?』

美穂子『ちょ、ちょっと聞いて下さい! 宮永さんに彼氏がいること、知ってますか!?』

ゆみ『宮永さんって……まさか、清澄の?』

美穂子『はい。同じ麻雀部の同級生で、京ちゃんって呼んでて、彼氏に麻雀を教えてて……』

美穂子『さらに小学校からの付き合いで、毎日キスしている……だったかしら?』

ゆみ『なんと、彼女にか……』

美穂子『ど、どうしましょう。ご祝儀とか差し入れるべきかしら?』

ゆみ『そ、それはちょっと……しかし、驚いたな』

2年生夏の甲子園 もちろんエースは桐生
冬を超えた桐生は球速が155キロまでアップ 変化球のキレも増した
1回戦の相手は村雨高校
伊達の3打席連続ホームランなどで試合を決定づけると桐生は完全試合を達成
また桐生伝説に新たな1ページを刻んだ
2回戦、3回戦は二番手投手の猿村が連続完封
そして準々決勝は桐生がノーヒットノーラン
さらに準決勝はスクイズで1点を奪われるものの1失点完投で決勝まで駒を進めた

決勝の相手は愛知の新宮連合高校
世間の予想は零冥の圧勝だったが現実は違った
1年間桐生の研究をしてきた新宮の打線が桐生に襲い掛かる
1回表に粘って連続四球で塁に出ると送りバントとスクイズで1点を先制する
さらに2回表、ショートへの内野安打、盗塁、そしてタイムリーで2点目をとられる
桐生は慌てたが、松下が桐生をフォローし、すぐに立ち直った
それからはしっかり抑えた
しかし新宮の投手は左のサイドスローから繰り出すシュートを武器にしており、零冥打線は苦戦を強いられた
だが桐生の満塁ホームランで逆転するとさらに伊達と杉原も続き、この回6得点
結局決勝戦を6-2で勝利した 史上初の甲子園3連覇である!!
桐生翼の甲子園成績 .731 5本 40打点 0.50 4勝0敗

新キャプテンには名瀬(なぜ) 紲(きずな)が選ばれた
しかしこのままではダメだと思った桐生は変化球の精度を増すトレーニングに励む
毎日何球も何球も投げ込んだ
そして春の選抜出場が決定甲子園4連覇に向けて進みだした桐生
ちょうど1月にチェンジアップも習得し、投球の幅が増えた
変化球のキレもアップし、すでに手の付けられない投手になっていた
甲子園初戦を当たり前のように完封し、さらにその後もノーヒットノーラン
準々決勝と準決勝は二番手の猿村が投げ連続完封
決勝でも北氷高校に8回までパーフェクトに抑えていた

翌日



睦月「宮永さんに、彼氏ですか……」

モモ「し、しかもそんなに深い関係の……」

佳織「うわわわ……す、凄いなぁ……」

ゆみ「まさか、身近に彼氏持ちがいたとはな。さすがに私も驚いた」

蒲原「ワハハ、せっかくだし透華の奴にも教えておくか。知ってるかもしれないけどな」

ゆみ「番号、知ってるのか?」

蒲原「あぁ。合宿の時に部長同士交換したんだ」



ピ ポ パ

しかし桐生には致命的な弱点があった
―――そう、決め球がないのだ
その弱点に付け込まれ最終回に2失点
味方が11点とっていたから勝ったものの、今後に課題を残す投球となった
しかしなにはともあれ4連覇を達成した零冥高校!前人未到の5連覇に向けて桐生達は突き進むのであった・・・
桐生翼の甲子園成績 .734 6本 45打点 0.28 3勝0敗 31奪三振

桐生「くそっ・・・!こんな球じゃダメだ!」
松下「おい、どうしたんだよ!いい球来てるぜ!」
桐生「松下・・・俺は決め球がほしい・・・誰にも打たれない最強のボールが投げたいんだ!!」
松下「桐生・・・」
監督「投げてみるか?」
桐生「監督!?そんなボールがあるんですか!?」
監督「ああ・・・だが失敗したらお前はもうピッチャーができなくなるかもしれない」

透華『もしもし。どうしたんですの蒲原さん』

蒲原『ワハハ、いや宮永咲の彼氏の話知ってるかと思ってな』

透華『み、宮永咲に彼氏ですって!?』

蒲原『同じ麻雀部の一年の、須賀京太郎という男と付き合ってるそうだ』

透華『し、信じられませんわ……あの子に……』

蒲原『しかも近所に住む幼馴染、朝晩におはようとおやすみのキスをする仲……だっけ、ゆみちん?』

ゆみ『え? あぁ……そんな感じ……だったかな?』

透華『キ、キス!?』

蒲原『あと宮永咲は彼氏に麻雀を教え、彼氏からは別のことを教わってる……だったかな?』

透華『べ、別のことって何ですの!? 一体何なんですの!?』

桐生「それでも・・・」
監督「・・・」
桐生「それでも俺は魔球が投げたい!!教えてくれよ監督!!」
監督「いいだろう。お前、メジャーリーグって知ってるか?」
桐生「メジャーリーグ・・・野球の本場アメリカにあるプロリーグだろ?」
監督「そうだ、そこにロイ・クライシスという選手がいてな」
桐生「ロイ・クライシス・・・」

衣「どうしたんだ、とーか? 茫然として」

透華「み、宮永咲にイケメンの彼氏が……」

純「彼氏ぃ? あんな地味そーな奴にか?」

智紀「…………」カタカタ

透華「しかも家が隣同士で、毎日朝晩におはようとおやすみのキスをしていて……」

一「へぇ、ラブラブだねぇ」

透華「そして、彼女は麻雀を教え、彼氏から別のことを教わっているって……」

純「べ、別のことって……」

智紀「…………」カタカタ

透華「きっと『京ちゃんのリー棒で、私を嶺上開花させて……』とか言ってるんですわ……ふ、不潔ですわ!」

一「透華、何言ってるのさ……」

衣「どういう意味だ?」

純「あー……衣にはまだ早い」

衣「むぅ」

監督「そのロイ・クライシスが投げているボールだ。向こうでも魔球と呼ばれているらしい」
桐生「メジャーリーガーの決め球か・・・いいねえ・・・」
監督「よし、では早速特訓だ!このボールはカーブを基にした変化球だ!」
松下「カーブか・・・確かに桐生にはピッタリかもな」
監督「カーブは投げる時に強い回転をかける。この魔球はその時に何倍もの回転をかけることで生まれるらしい」
桐生「それで、どんな魔球なんだ?」
監督「実際に見たことがないので詳しくは知らんが・・・インパクトが強すぎて見ただけでわかるらしい」
桐生「そうか・・・よし!今日から練習だ!」

一「まぁ、プライベートな問題だし、あまり関わったり広めたりはしない方がいいと思うよ」

透華「そ、それもそうですわね……」

智紀「……ごめん、手遅れ」

一「え?」

智紀「今、各地の麻雀部のネット友達にチャットで言っちゃった……うちの代表校の大将はかくかくしかじかって」

一「と、ともきー……」

純「おいおい……その話、全国に広まりかねないぜ。気の毒に」

智紀「ごめん。祝福してくれる人は多いにこしたことは……ってことで」

透華「わ、私は何も知りませんわ……」

衣「?」



その後、咲と京太郎の噂は、恋愛事に興味津々のお年頃である女子高生雀士達の気を引いた。

前年度大活躍した龍門渕を破ったということもあり、またたく間に噂は広まっていった。

ふぅ~む

そして特訓を続けた桐生
しかし魔球はなかなか投げれなかった
結局習得できないまま夏の大会を迎えることとなった
1回戦から順調に勝ち進み、決勝に進出した
決勝の相手は、最強世代と呼び声高い水橋東高校
プロ注目の4番、宮雲(みやくも) 三兵(さぶへい)率いるレベルの高いチームだ
試合は終盤までに3点を加えた零冥が有利に運んだ
そして9回裏、あとは桐生が抑えれば勝利、甲子園出場だ

しかし桐生の頭の中では別のことが浮かんでいた
俺はこのままで全国で通用するのか―――
魔球を覚えられなかったショックを引きずっていたのだ
何とかツーアウトをとったが、そのショックから満塁にされてしまう
そしてバッターボックスには宮雲・・・
ホームランで逆転サヨナラ・・・絶体絶命のピンチだ
桐生は強気に攻めたが宮雲にどのボールもファールにされ粘られてしまう・・・

久保「池田、妹さん達の世話は大丈夫なのか?」

池田「あ、コーチ。大丈夫です、文堂達に頼んでありますんで」

久保「そうか。全国の強豪を間近で見られるのはいい経験になる、しっかり勉強しろよ」

池田「はい。清澄にも頑張ってもらいたいですね」

久保「そうだな。清澄の大将も、彼氏の件で気合い入ってるだろうしな」

池田「あ、コーチもそのこと知ってるんですか?」

久保「最近聞いた。どうやら、全国的に有名らしいな」

池田「へ? 全国的に?」

久保「あぁ。なんでも清澄が優勝したら逆プロポーズするそうじゃないか」

池田(にゃにゃっ!? か、華菜ちゃんそんなこと言ってないし!)

桐生「くそっ・・・投げる球がねえ・・・っ!」
ついに追いつめられた桐生、しかしあるボールが頭をよぎる
―――魔球
桐生「フフフ・・・そうだ、俺にはまだ魔球があるじゃないか!」
宮雲「(魔球・・・?ハッタリを・・・)」
そして振りかぶった桐生、その眼にはもう、迷いはなかった

ギュルルルルルルルル!!
桐生の手から放たれたボールはものすごい回転をしている
桐生「いっけええええええええ!!!!!」
宮雲「なんだこれは!?カーブ!?いや・・・」
そしてその瞬間、ボールは大きく曲がり・・・黒色に変化した
宮雲「黒い・・・カーブだと!?」
桐生「これが魔球・・・ブラックカーブか―――」
ストライークバッターアウト!!!!
審判の声が球場に鳴り響く
ものすごい大歓声だ こうして最後の夏も甲子園出場が決定した

零冥高校の初戦の相手は冬見学院高校
伊達、桐生、松下の三者連続ホームランなどもあり17-0の圧勝
猿村が完封
2回戦も猿村が先発し、6回無失点で森川にマウンドを譲った
打線は大山、堂山のタイムリーなどで得点を挙げた後、打者2順の猛攻で突き放した
3回戦以降はすべて桐生が先発することになった

桐生が初めて甲子園でブラックカーブを投げた瞬間、甲子園は一瞬静まり返った
しかし、すぐにまた大歓声に包まれた
桐生が最速157キロのストレートのスライダー・フォーク・チェンジアップを武器に
相手打線を翻弄 さらに要所でブラックカーブを投げることによって手が付けられなかった
3回戦準々決勝で連続完全試合を達成した桐生
そして準決勝の相手は広島高校
田舎の公立校で、守備のいいチームだった
日本中の誰もが番狂わせを期待した
しかし今日の桐生は運の悪いことに絶好調だった

久保「しかし、脱衣麻雀というのは年齢的にいかがなものかと思うがな」

池田(ちょ、ちょっと待つし! 何だか尾ヒレがつきまくってるし!)

久保「わずかながら教育に携わる者としては、一言注意しておきたいが……他校の生徒ということを考えると、どうもな」

池田「…………」ダラダラダラ・・

久保「まぁ、それはそうと気を付けて行ってくるんだぞ、池田」

池田「は、はい……」

池田(か、華菜ちゃん、知ーらない……)

ここで一旦、零冥高校のオーダー紹介
1 (中)佐中 零冥の切り込み隊長 走攻守三拍子揃った選手でプロ入り確実
2 (右)雲園 バント成功率100%の天才 遠投160メートルの肩も注目
3 (遊)伊達 2年生ながら打力ではチームトップクラス 守備も抜群でここまでエラー0 将来のドラ1確定
4 (投)桐生 言わずと知れた怪物 1位指名確定
5 (捕)松下 桐生を支える零冥の頭脳 チャンスに強く、パンチ力のある打撃も注目 遠投150メートル ドラ1確実
6 (一)大山 非凡な長打力を持つ2年生 荒削りだが、パワーだけならチームトップ
7 (三)早島 守備職人 足が速い
8 (左)堂山 将来のエース候補 1年生でレギュラーを掴んだ天才肌の選手
9 (二)古村 50メートル5秒5の俊足に加え、シュアなバッティングも注目
2番手 猿村 Max150キロの直球と切れ味鋭いスライダーとシンカーが持ち味 コントロールはプロでもトップクラス
というわけで再開します

27奪三振完全試合―――
しかも広島高校の打者はバットに1度もかすりさえしなかった
こうして最高の形で決勝に弾みをつけた形となった
決勝の相手は帝国高校・・・零冥高校と同等の戦力だと言われている高校だ
今大会は史上最高クラスにレベルが高い大会ともっぱらの噂だ
帝国高校はエース橋田と4番の桑山がドラ1確定の怪物で、接戦になるというのが戦前の予想だった

予想通り、決勝戦は白熱した試合展開となった
3回までは両者ノーヒット
試合が動いたのは4回だった
4回表、死球にサードのエラーが重なり、1点を先制された
しかしその裏、桐生の女房、松下がバックスクリーンにホームランを放ち同点
球場は大盛り上がりだった

しえんでー

久「さて、いよいよ明日から始まるのね……全国が」

優希「楽しみだじぇ!」

咲「……ところで、何だか私たち注目されてませんでしたか?」

京太郎「あー、そういえばそんな気がしたな……咲と一緒に買い出しに行った時、やけにジロジロ見られたよ」

まこ「抽選くじを引いた時も、姫松以上に大盛り上がりじゃったのう……」

久「全国的には無名のはずなんだけど……何でかしらね」

和「龍門渕を破ったから……というだけとは思えませんね、あれは」

優希「きっと、のどちゃんのおっぱいが大きいからだじぇ!」

和「それは絶対、関係ありません……」

その後は再び投手戦
しかし9回表・・・悪夢は待っていた
カキーン!!鋭い打球音が聞こえる
帝国の4番、桑山の打球はライトスタンドに突き刺さった
肩を落とす桐生、しかし桐生は成長していた
松下「次の攻撃で俺たちが決めればいいんだ!」
桐生「ああ!」

次の攻撃は1番の佐中から・・・一人出れば俺に回る
しかしあっさりとツーアウトをとられてしまった
名瀬「5連覇の夢が・・・こんなところで・・・」
伊達「桐生先輩は俺たちをここまで引っ張ってくれたんだ・・・今度は俺が恩返しする番だ!!」
カキーン!! レフト前ヒット
観客「うおおおおお!!!」
ウグイス嬢「4番ピッチャー桐生君!」

>蒲原「あぁ。合宿の時に部長同士交換したんだ」

……部長?

俺はここまで橋田から3安打していた
だから正直打つ自信はあった
しかしその打席の橋田は今まで以上に気迫があった
―――抑えられる・・・そう思った時にはもう遅かった
しかし、俺の体は、橋田の決め球高速スライダーにびっくりするぐらい素直に反応していた
カキーン!!
俺がとらえた打球は、レフトスタンドに吸い込まれていった・・・
監督「本能が理性を上回った瞬間・・・か・・・」
桐生翼の甲子園成績 .833 7本 56打点 0.21 4勝0敗 95奪三振

実際のどっぱいも絶対注目されちゃうよねあれ・・・

池田「おっ、清澄じゃないか。明日は頑張るし」

久「あら、風越の池田さん。遠くまで応援ありがとう」

優希「お疲れだじぇ、池田!」

池田「さんをつけろ、さんを……って、み、宮永咲っ!」

咲「え……何でしょうか?」

池田「あ、え、えーと……その……何というか、大変なことになってしまったな……」

咲「大変……? ま、まぁ全国で戦うのは大変だとは思いますけど……」

池田「……ん?」

京太郎「…………」

前人未到の甲子園5連覇・・・
その報道は日本中を駆け巡った
そして時は9月・・・

松下「お前、進路どうするんだ?俺はプロに進むつもりだけど」
桐生「どうするって?」
松下「メジャーからも話きてるんだろ?お前の実力ならどこに行っても楽しめると思うぜ!」
桐生「さあな・・・俺は今、残りの高校生活を楽しむことしか考えてねえぜ!」
松下「ハハハ・・・」
こうして高校球児、桐生翼の高校野球は終わった
彼ならきっと日本中に元気を与えられるだろう・・・

桐生翼伝説~高校野球編~ 完

どうでしたでしょうか?
初作品だったのでとても緊張しました。
結構自信作です
しかし悪いところがあればどんどんアドバイスしてくださいw
それでは!また次の作品でお会いしましょう!さよならっ!

このスレは落として下さい

池田「……君が、須賀京太郎君か。そういえば、県大会でも見たような気もするな」

京太郎「あ、はい……風越の池田さん、ですよね?」

池田「これから(華菜ちゃんのせいで)色々苦労するだろうが……彼氏として、しっかり支えてやるんだぞ」

京太郎「彼氏? 誰がですか?」

池田「君に決まっているだろ」

京太郎「……誰の?」

池田「もちろん、宮永咲の」

京太郎「…………」

咲「…………」




「「「「「「ええええええええええええっ!!!!!!!」」」」」」

妨害はあったけど(w完走できてよかったです!!
上で気持ち悪い妄想垂れ流してる人は死んで下さいね!恥ずかしくないのかな

だよな
気持ち悪すぎ、画面の前の半開きの口臭いから早く死ねよ

ついにきたか
しえんし

久「あなたたち……いつの間にそんな仲になってたの?」

京太郎「し、知らないですよ!」

池田「え……ま、まさか、違うの?」

咲「ち、違いますよっ!」

京太郎「そ、そうそう、咲とは中学からの付き合いってだけで、そんなんじゃ……」

池田(ま、まじか……その時点で既に間違っていたのか……)

まこ「なんじゃ。風越ではそんな噂が立ってるんか?」

池田「い、いや……風越っつーか、その……」

優希「その?」

池田「……全国的に。今回の参加校は、おそらくほぼ全校……」

咲「ええええええええーっ!」

取り巻きのアフィカスどもも臭すぎ
そんなにまとめたいか
働かずに生きて行きたいか

>>109
くっせぇwwww

>>117
ハーレム豚の方が臭いぞ

ハーレム願望くっさあwwwwwwww
こんなゴミ溜でマス掻いてないで現実で努力しろ

久「……それで、注目されてたってわけか」

和「一体、どうしてそんなことになったんですか?」

池田「さ、さぁ……華菜ちゃん、何も知らないなー……あはは……」

まこ「まぁ、お前さん達は仲が良いから恋人だと誤解されたんじゃろうな」

京太郎「そういうもんなんですか……」

久「でも不思議ね……団体戦だけでも200人以上の出場者がいるのよ。彼氏持ちくらい、何人もいるはずだけど」

和「確かに……どうして宮永さんだけ、噂になったんでしょうか?」

池田「龍門渕を倒したインパクトってのもあるみたいだけど、一番は噂の内容の衝撃性みたいだ」

京太郎「噂の内容の……衝撃性?」

池田「実は……噂は、二人が付き合ってるってだけじゃないし」

咲「ほ、他にも……何ですか?」

池田「えっと、華菜ちゃんが最後に聞いた限りでは……」

お前生きてても意味ないから城ヶ島で首吊って死んでこいよ
野良猫が食ってくれるから

ダヴァン「日本の性事情はスゴイデスね」
エイスリン「ナガノノレンアイッテスゴイネ」

池田ァ!

アフィ豚は俺のレスもまとめろよ

華菜ちゃん悪くないし!勝手に尾ヒレをつけた奴が悪いし!

・彼氏の須賀京太郎とは、お互い生まれた時からの付き合い

・福山雅治似のイケメンで学年トップの頭脳、運動神経も抜群で160kmのストレートが得意球

・家が隣同士で、毎日おはようとおやすみのキスを欠かさない

・寝る時は一緒のベッド、一日おきに交互の部屋で

・学校でもいつもベッタリ、町内レベルで有名なラブラブカップル

・彼氏への麻雀の授業は脱衣麻雀

・さすがに避妊はしている

・清澄が優勝した場合、逆プロポーズを計画中

・卒業後は即同棲の予定

・彼氏と一秒たりとも離れたくないゆえ、無理を言って全国大会に連れてきた



池田「こんなとこかな」

咲「」

京太郎「俺、原形とどめてねぇぞ……」

ハーレム豚はSS速報で勝手に死んでろよ

尾鰭ってレヴェルじゃねぇぞ池田ァ!

>>134
気持ち悪っ
死ねよ

咲「京ちゃん逃げて!あの女何するか分からない!」

久「困ったわね……」

まこ「もはや、付き合ってるとかいうレベルじゃないのう……」

優希「大騒ぎされるのも、分かる気もするじぇ」

久「大会が終われば自然消滅するとは思うけどね。色々常識を超えてるし」

和「でも、この大会では注目を浴びまくりますよね……」

咲「京ちゃん、ごめんね。私のせいで、その……私と付き合ってる、なんて噂立てられちゃって……」

京太郎「んー……俺は別に構わないけど」

まこ「なぬ!?」

和「え!?」

優希「じぇええええええええええっ!」

あーハーレム豚気持ち悪
巣があるんだからそこから出ないでマス掻いてろ

咲「きょ、京ちゃん! そ、そ、それって……!?」

京太郎「だって女子の麻雀界隈での噂だろ? 男子の俺には何も関係ないからな」

咲「あ……うん、そうだよね……びっくりした……」

京太郎「むしろ問題なのは、咲の方だろ」

和「確かに、宮永さんは他人事じゃないですからね……」

まこ「どうなんじゃ、咲? 実際のところは」

咲「え、ええと……は、恥ずかしいです……みんなにも迷惑がかかりますし……」

久「……ふーん……」

まこ「まぁ、なるようにしかならないじゃろな……」

池田「頑張れ少年少女。華菜ちゃんは応援してるぞ」

気持ち悪いから死ね

準々決勝前日



池田「おー、清澄のみんな。明日は準々決勝だな、キャプテンやみはるんと共に応援するし」

優希「ありがとうだじぇ」

久「それにしても、初戦は大変だったわ……相手が羨望と妬みのこもった目で」

京太郎「まぁ、咲まで回らなかったのが幸いだったな」

咲「だね……」

まこ「明日はさすがに相手も手ごわそうだし、咲まで回るじゃろうな」

咲「どんな反応されるんだろ……」

池田「華菜ちゃん情報によると、あの噂を聞いた反応は、3つにタイプに分類されるっぽいし」

和「3つのタイプ……ですか?」

優希「どんなだ?」

池田「まず第一の反応。大して騒ぎもせず、あまり問題にしないタイプ」

京太郎「まぁ、一番ありそうな反応ですね……」

池田「でもどうやら、案外少ないっぽいし」

同時刻、永水女子



初美「明日は宮守、姫松……そして、清澄ですねー」

春「噂の宮永咲とは……霞さんですね」

霞「はい。といっても、私はいつも通りに打つだけですけどね」

小蒔「……噂? 何ですか、それ?」

霞「あら、小蒔ちゃんは知らないのかしら?」

小蒔「えぇ、何のことだか……」

巴「清澄の大将の宮永咲には、ラブラブの恋人がいると聞いています」

小蒔「こ、恋人ですか!?」

小蒔「ちょ、ちょっと待ってください、清澄の大将って一年ですよね!?」

春「……確か」

小蒔「そ、そ、そんな……高校一年で、殿方とお付き合いなど……は、早すぎます!」

霞「清澄って共学みたいですし、別に不思議なことでもないんじゃない?」

小蒔「そ、それではまさか……い、一緒に、手を繋いで登校したりとか……」

巴「いや、そんなもんじゃないでしょう。キスもしてるみたいだし」

小蒔「き、キス!? い、いけません! そういうことはお互い成人してから……!」

初美「姫様、いつの時代の人ですかー」

霞「キスくらいで驚いてはいけません。もっと凄いことをしているとも聞いてますし」

小蒔「も、もっと凄いことですか!? そ、それは……」

霞「それはですね…………を…………に…………そして…………で…………」ゴニョゴニョ

小蒔「は、はわわわわわ……」プシュー

バタリ

巴「ひ、姫様!?」

初美「刺激が強すぎたみたいですねー」




池田「次に第二の反応。ひたすら羨ましがるタイプ」

池田「華菜ちゃん情報によると、一番の多数派っぽいし」

久「恋に恋するお年頃、ってとこかしらね」

照「スガコロス……」

同時刻、宮守女子



豊音「明日は清澄だね。大将、どんな子なのか楽しみだなー」

シロ「あぁ、噂の……」

胡桃「やっぱり共学校って進んでるねー、色々と」

塞「私たちとは、住む世界が違うってカンジだね」

エイスリン「…………」バッ ← 仲睦まじい男女の絵

豊音「色々聞きたいなー、彼氏さんのこと」

胡桃「豊音、ちゃんと麻雀もするんだよ……」

豊音「アハハ、任せてよ。でも、いいないいなー羨ましいなー」

胡桃「恋人ねぇ……いつか私たちにもそんな日が来るのかなぁ」

塞「正直、現実感ないよねぇ」

エイスリン「コイビト……ステキ……」

豊音「私も素敵な人とデートしたり、お食事したり……お姫様抱っことかしてもらいたいなぁ……」

四人(まだ見ぬ豊音の彼氏さん、頑張れ……超頑張れ……)

塞「でも彼氏さんもここに来てるって聞いたし、清澄は相当気合入ってるだろうね」

胡桃「彼氏の前じゃ、カッコ悪いとこ見せられないもんね」

エイスリン「ラブ・パワー!」バッ ← ハートマーク

シロ「ふうん……愛の力って、凄いんだ……」

豊音「えっ、何々!?」

胡桃「シロも恋愛に興味あるの!?」

シロ「うっ…………ちょ、ちょっとは…………」カァァ

塞「へー、シロにも女の子らしいとこあるじゃん!」

エイスリン「シロ、カワイイ!」

シロ「ダ、ダルい……」




池田「最後に第三の反応。嫉妬に溢れかえった、リア充爆発しろ派」

和「……それ、さっきの羨ましい派と本質的には一緒ですよね」

池田「まぁ、そうかも……」

同時刻、姫松



洋榎「スズ隊員、彼氏の有無を答えよ!」

漫「彼氏!? なんでしょうかそれ美味しいんですか!?」

洋榎「由子隊員、今まで恋人とか両想いといった言葉に縁は!?」

由子「失恋とか片想いといった言葉なら、多少はあるのよー」

洋榎「恭子隊長、清澄の大将は恋人を連れてきたらしいが、どう思う!?」

恭子「由緒正しき神聖なる大会をピンクに染める清澄高校には、我々が天誅を下さなあかんと思いますわ」

洋榎「そして私! 華の女子高生も今年で最後だというのに、彼氏の『か』の字もない人生!」

洋榎「明日は絶対に清澄を、ついでに永水と宮守もボコボコにしたるで!」

漫「うおおおおおおおおおおお! 燃えてきたああああああああああ!」

絹恵「……あ、あのー……」

洋榎「ん? なんや絹?」

姫松仲ええなあwww

絹恵「気合を入れるのは、勿論いいと思うんやけど……」

絹恵「別に彼氏がいるくらいで、そんなに……」

洋榎「かーっ、出たよ! さすがモテる女は言うことが違いますなぁ!」

漫「勝者の余裕ってやつやなぁ! 上から目線やで!」

絹恵「しょ、勝者って……私だって彼氏おらへんし……」

由子「『いない』と『できない』は違うのよー!」バンッ!

絹恵「ひぃっ! す、すいません!」

洋榎「絹……お前に分かるか、私の気持ちが……!」

洋榎「クラスの男子に『愛宕って妹は美人なのに、なんで姉はおもろい顔しとるん?』って言われた時の気持ちが!」

絹恵「そ、そんなこと言われてたんか……」

恭子「とにかく、清澄は絶対に許してはならん悪の王国や」

由子「我ら正義のモテない軍団で、鉄槌を下すのよー」

洋榎「戦え喪女! 許すなリア充!」

「「「「おーーーーーーーーー!!!!!!」」」」

絹恵「みんな、ようは羨ましいだけなんじゃ……」




咲「うぅ……なんか無駄な心労だよ……」

京太郎「同情するぜ、咲……」

優希「まったく、どっからそんな噂が立ったんだじぇ?」

池田「ど、どどどどっからだろうなー! あ、あははははは!」

クラスの男子(また洋榎に酷いこと言うてもうた…俺はホンマアホやわ…)

>>203
ええやん

その夜、風越部屋




池田(うーん……うーん……)



美穂子「吉留さん、ちょっといいかしら?」ヒソヒソ

未春「はい。多分私も、同じこと聞こうと思ってました」ヒソヒソ

美穂子「華菜、一体どうしたのかしら?」

未春「さっきからずっと、頭を抱えて苦しそうな顔をしていますね。でも頭痛って感じでもなさそうだし」

美穂子「直接聞いても、何でもないって言い張るし……夏休みの宿題が溜まってて困ってるとか?」

未春「それだと隠す理由がないのでは? 第一、華菜ちゃんが宿題で慌てるのは、残り3日くらいになってからです」

池田(や、ヤバいし……大ピンチだし……)

池田(二人が付き合ってない以上、そのうち噂は間違いだったと知れ渡る可能性が高い)

池田(そもそも160kmとか投げられる奴がどうして麻雀部にいるんだよ! 誰かおかしいと思わなかったのか!?)

池田(噂はデタラメとして消えていく。そしたら今度は、そんなデタラメな噂を広めた奴は誰だって話になりかねない)

池田(最初に二人が付き合ってるって言い出したのは、他ならぬこの私……)

池田(キャプテンやみはるんは忘れてるっぽいけど、あの場には他にも何人もいた……きっと誰かは覚えている)

池田(もし、もし私が元凶だって判明したら……『もう、華菜ちゃんったら~』程度で済めばいいけど……)

池田(下手すると……)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


美穂子「華菜……あなたには失望したわ」

未春「こんな人と友達やってたなんて、恥ずかしい……」

深堀「あの二人のみならず、清澄全員に迷惑かけたってわかってるの?」

文堂「先輩……最低です……」

久保「池田ァ!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



池田(ひゃあああああああ! ヤバい! ヤバいしいいいいいい!)

池田(どうすればいいんだあああああああああああああ!)




美穂子「あ、今度はベッドの上でゴロゴロ転がり始めたわ」

未春「落ちないような位置を保ってるあたり、なかなか器用ですね」

スーミンがいっぱいしゃべった!

池田(こ、このままじゃ、華菜ちゃんは嘘つきの汚名を着せられて一生十字架を背負って生きていくハメに……)

池田(何か、何か手は……『もう、華菜ちゃんったら~』で済むように祈るしかないのか……?)

池田(どうすれ…………ば…………)

池田(……………………)

池田(…………待てよ…………)

池田(ふ、ふふふ……華菜ちゃん、閃いたし……起死回生の、逆転手段……)

池田(これで、華菜ちゃんの地位は安泰だし……ふふふ……華菜ちゃん、天才だし!)




池田「ふふふ……ふふふ……」

美穂子「いきなり笑い始めたわ……何だか怖い……」

未春「そっとしておきましょう」

あ、これは・・・

準々決勝




久「さて、咲の全国初お披露目ね」

和「宮永さんの力なら問題ないとは思いますが……」

まこ「動揺してたりせんかのう」

京太郎「咲、頑張れー」





恭子「よろしくお願いいたします」

霞「よろしくお願いします」

豊音「よろしくねっ!」

咲「よろしくお願いします」

????「私に良い考えがある」

恭子(こいつが噂の宮永咲? 想像してたのと随分ちゃうな……)

霞(へー、もっと派手そうな子だと思ってたんだけど……)

咲(うう、変なこと聞かれたりしないかな……いや、大丈夫だよね)

恭子(でも、こんな大人しそうな顔して、やることやりまくってるんやで……叩き潰す!)

霞(いけないいけない。噂のことは忘れて、今は麻雀に集中しないと!)

咲(この三人だって、何より大事なのは目の前の試合のはず。京ちゃんのことを聞いてくる人なんているわけ……)




豊音「ねーねー、須賀君だっけ? 彼氏さんとはいつから付き合ってるのー?」

ゴガンッ! ← 三人が雀卓に額をぶつけた音

霞「こ、これはまたストレートね……」

恭子「あんたなぁ……ちょっとは空気っちゅうもんを……」

豊音「えー、だって気にならない?」

咲「あ、あの……京ちゃんとは、別にそういう関係では……」

豊音「わー、京ちゃんだって! ラブラブだー、いいないいなー!」

恭子「ぐぬぬ……私はろくに男子から話しかけられたこともないのに……」

霞「まだまだこれからですよ。あ、それロンです」

恭子「メゲるわ……」

恭子「ったく、あんたは恵まれすぎやで。しかも福山雅治似のイケメンなんやろ?」

咲「いえ、微塵も似てないですよ。むしろ福山潤って感じですよ」

豊音「幼馴染って素敵な響きだよねー。私も幼馴染の男の子とか欲しかったなー」

咲「京ちゃんとの付き合いは、中学からですけど。そもそも、幼馴染くらい誰にでもいませんか?」

恭子「いないわっ!」

霞「気が付けば疎遠になってたりするものねぇ。引っ越しでもしたら尚更」

豊音「私が前に住んでた村なんて、同年代の子自体がほとんどいなかったよー。通らばリーチ。ロン」

恭子「メゲるわ……」

福山潤www

ごめん一時間ほど離席する
残ってたら続き書く

そら保守よ

友達かよwwww

ピ、ピンクさんと和ちゃんは別人やから

あかん、レジェンドしんでまう

レディースセットって男だけで行っても頼めるぞ?
駄目な店があるのか?

>>274
口実が欲しいんだよ!言わせんな恥ずかしい!

豊音「告白はどっちから? 何て言って告白したの?」

咲「で、ですから京ちゃんとは別に付き合ってなんか……」

恭子「はぁ~あ、告白とかされてみたいもんやなぁ。永水さんは男に不自由しなさそうで羨ましいわぁ」

豊音「美人さんだし、胸も大きいもんねー」

咲「あ、あの、話を……」

霞「ありがとうございます、でも永水は女子校ですから……それに、お二人も可愛いと思いますよ」

恭子「ええねんええねん、お世辞なんか」

豊音「ありがとっ! 私も大学生になったら、素敵な彼氏さん出来るかなぁ?」

恭子「あんたは、あまりにデカすぎるのがネックやな。苦労すると思うで」

豊音「うぅ、やっぱり……通らばリーチ。ロン」

恭子「メゲるわ……」

咲(何で私たち、全国大会の場でガールズトークしてるの……?)

やたきたよー

咲「ええと、いいですか。ハッキリ言っておきますね」

恭子「何や、あらたまって」

咲「確かに私と京ちゃんは、中学からの付き合いで同じ麻雀部にいます」

咲「でも、恋人だとか付き合っているだとか、そういうのは全くありませんから!」

豊音「またまたぁ、恥ずかしがらなくてもいいんだよー」

霞「うふふ、照れ屋さんなのね」

恭子「ウザっ」

咲「本当ですって!」

霞「……本当の本当に、付き合ってないの?」

咲「本当の本当です」

恭子「え……マジなん? じゃあ、あの噂は……」

咲「全部デタラメです。私と京ちゃんは、恋人同士でも何でもありません」

豊音「…………」

霞「…………」

恭子「…………」

咲「…………」

豊音「うわあああああああああああん! 幻想がぶち壊されたよおおおおおおおおおお!」

咲「何で泣くんですか!?」

霞「まぁ、確かに少しおかしいところもあるかなって思ってはいたけど……」

恭子「てことは……なーんや、あんたも私らと同じモテない組の一員やったんか!」

霞「仲間にされた!?」

咲「そうですけど……何だかそう言われると、少し複雑……」

豊音「じゃあ、須賀君のことは何とも……」

咲「仲は良いけど、恋愛感情とかそういうものはお互いに無いと思いますよ。あ、それロンです」

恭子「メゲるわ……」

豊音「ガッカリだよぉ、期待してたのに……」

恭子「ま、男子と会話することも、ろくにあらへんのが現実ってもんやからな」

咲「あ、それくらいなら。京ちゃんとはクラスが同じですし付き合いも長いから、毎日喋ってます」

豊音「冗談を言い合えるほど気の合う男の子なんて、なかなかいないよねー」

咲「時々お姫様とか呼ばれます。絶対からかってますよ、アレは」

霞「実際は男子と一緒に食事をする機会も、なかなか無いくらいだものね」

咲「京ちゃん、レディースランチのためにしょっちゅう私を誘うんですよ。そのためだけに誘うって、どう思います?」

あれ、咲ちゃん・・・

恭子「周囲にもカップルと見られたりするほど、仲が良い男子なんて……」

咲「この前京ちゃんの友達から、嫁さんって言われました。嫁さん違います」

霞「麻雀を打つ機会も……」

咲「ずっと打ってるのに、一向に強くならないんですよ。なぜか」

豊音「何かに誘われることも……」

咲「そういえば、最初に麻雀部に誘ってくれたのは京ちゃんだったっけ」

恭子「…………」

霞「…………」

豊音「…………」

咲「……え、何ですか?」

その頃、京太郎サイド



京太郎「ふぅ……トイレと控室が無駄に遠いのがしんどいなぁ」

京太郎「ついでに何か飲み物でも買っておくか。自販機はどこかなっと」

京太郎「しかし、咲の奴は大丈夫かな。まぁ咲のことだし大丈夫か」

京太郎「それにしてもあの四人、やたら喋ってるっぽかったが、何話してたんだろ? 変なこと言われてなきゃいいが」

京太郎「お、あったあった……うわっ、ドクペが自販機で売ってるよ! さすが東京!」

照「……君、ちょっといいか?」

京太郎「ん……何ですか?」

きたー!

照「清澄高校一年の、須賀京太郎君だな?」

京太郎「はい、そうですけど……」

京太郎(誰だろう? どっかで見たような気もするんだけど……)

京太郎(俺なんかに用ってのは、噂のことだろうな。否定しておいて、適当にあしらうか)

照「言いたいことは山ほどあるが、とりあえずは……」

京太郎「えーっとですね、あの噂は……」

照「一発殴らせろ」ギュルギュル

京太郎「へっ?」



ドガァッ!

照「こら、避けるな。壁が傷つくだろう」

京太郎「よ、避けますって! 何で俺が殴られなきゃいけないんですか!?」

照「勿論、後で咲も殴る。これは姉としてのけじめだ」

京太郎「姉……? あっ、もしかして……宮永、照さん……でしたっけ?」

照「知っているなら話は早い。白糸台高校三年宮永照だ、初めまして須賀君。妹が世話になっている」

京太郎「い、いえ、こちらこそ初めまして……清澄高校一年の、須賀京太郎です……」

照「では自己紹介も終わったことだし、大人しく殴られたまえ」ギュルギュル

京太郎「なぜに!?」

おお、生きてたwww

照「本来私は、もう高校生にもなる妹の恋愛事情に、とやかく口を挟むつもりはなかった」

京太郎「は、はぁ……」

照「しかしだ。いくら別居しているとはいっても、咲が私の妹であることに変わりはない。わかるな?」

京太郎「それはわかりますけど……」

照「いくら生まれた頃からの付き合いである気心知れた仲とはいえ、君たちはお互い高校生だ」

照「高校生ならば、それに準じた付き合いというものがあるはずだろう」

京太郎「あぁ、やっぱり噂のことですか……」

照「そのラインを大幅に踏み越えてしまった君たち二人には、一発殴らねば姉として気が済まん」ギュルギュル

京太郎「あのですね……俺と咲は別に付き合ってなんかないですよ。あの噂は全部デタラメです」

照「この期に及んで、そんなでまかせが通じるとでも?」

京太郎「さっき生まれた頃からの付き合いって言いましたよね」

照「そうだな」

京太郎「だったら、俺と照さんは既に知り合いじゃないと、おかしいんじゃないですか?」

照「…………」

京太郎「…………」

照「た、確かに!」

京太郎(この人、ポンコツだ……)

とある喫茶店



照「す、すまなかった……お詫びに好きなものを頼んでいい。私が持つから」

京太郎「あ、ありがとうございます……」

照「それで、実際は中学の頃からの付き合いってだけで、別に彼氏でも何でもない……ということで、いいのかな?」

京太郎「ええ、そんな感じです。全く、何であんな噂が……」

照「なるほど、事情はわかった……ところで、本当のところはどうなんだ?」

京太郎「へ?」

てるてるお姉さんしてる
すばらっ

照「君の話を聞く限り、咲とはずいぶん仲が良いようじゃないか」

京太郎「そう……なんでしょうか」

照「実際、君は咲のことをどう思ってるんだ?」

京太郎「どうって……好きなのかってことですか?」

照「そういうことだ」

京太郎「確かに咲とは仲が良いですけど……恋人とかそういうのは、考えたこともないですよ」

照「何だ、つまらん。他にもっと好きな人でもいるのか?」

京太郎「他に、好きな人……ですか?」

京太郎(うーん……)

京太郎(真っ先に浮かぶのは和だけど……あれはもう、高嶺の花すぎて俺にどうこう出来るレベルじゃないしな)

京太郎(部長も染谷先輩も好きっちゃ好きだけど、咲の方が気軽に付き合えるんだよな、やっぱ)

京太郎(優希に至っては、彼女なんかにしたら奴隷のような人生決定だ。他校生でも可愛い人はいたけど、さすがに現実的じゃないし……)

京太郎(…………)

京太郎(あれ? 実は咲くらいしか選択肢がない?)



京太郎「ええと……」

照「うん」

京太郎「どうやら……特にいないようです」

照「…………」

京太郎「…………」

照「ほう、つまりは咲が一番好きと?」ニヤニヤ

京太郎「何ですか、その笑みは」

てるてる女子高生してる
すばらっ

照「いや、少々不安だったんだよ。咲はこういうことには奥手っぽいから」

京太郎「そんな感じはしますね」

照「もしかしたら、麻雀ばかりでろくに男を家に招くこともないままアラフォーになったりしないかと……」

京太郎「あー……確かにそうなったら、目も当てられませんね」

照「しかし、君が良い人そうで安心したよ。だが、咲が欲しければこの私に麻雀で勝つことだ」

京太郎「絶対無理です!」

照「わかってる、さすがに冗談だ」

京太郎「というか俺は別に、咲に恋愛感情なんて抱いて……」

照「友情から始まる恋だって、あってもおかしくないと思うが」

京太郎「そういうもんですかね……」

照「まぁ、何にせよ咲とは仲良くしてやってくれ。何なら、お義姉さんと呼んでもいいぞ」

京太郎「お断りします」

> 照「もしかしたら、麻雀ばかりでろくに男を家に招くこともないままアラフォーになったりしないかと……」
>
> 京太郎「あー……確かにそうなったら、目も当てられませんね」

 /  ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ト、 .:.::::::::::::::::.  /  // // ノ    (_
.,′. ..: .:: :::::::::::::/|:::::/|:::::/|:| }::ト、:::|::| :::i  /   /    ) ー┬ァ (
:  .:::::::::::::|::::|: / j/  j/  j/ V ∨イ::::i|    /       }   ノ    |
|  .: ::::::::::|::::|/    u            | :::i|            |   ニニ,   |
| .:::|::::::::::::|::::ト .___,ノノ   廴___,.| :::i|            |   _,ノ  {

>アラフォーになったりしないかと……
照さんも人のこと言えないんじゃないんですかね

>>405
>>407
オッズってことを全く理解していなかった
私ってホント馬鹿・・・

池田「よくよく考えてみれば、華菜ちゃんの罪は『宮永咲と須賀京太郎が付き合っている』という嘘を広めたことだけ」

池田「その後ついた尾ヒレに関しては、華菜ちゃん何も関係ないし」

池田「ならば、その嘘を真実に変えてしまえば、華菜ちゃんは晴れて逆転無罪」

池田「すなわち、あの二人をくっつけてしまえばいい!」

池田「元々かなり仲は良さそうだったから、ちょっと背中を押してやればN極とS極のようにくっつくはず」

池田「なんて簡単な仕事だし! 華菜ちゃんなら、朝飯前だし!」

池田「というわけで須賀京太郎を探してたら、喫茶店の前で見かけたわけだが……」

池田「一緒にいるのは、チャンピオンの宮永照じゃないか」

池田「一体、なぜ……」




照「それじゃあな。咲をよろしく頼む」

京太郎「照さんも、お元気で」




池田「!?」

キューピッド成るか・・・!

あっ・・・

>>425
wikipedia見てみ

京太郎「ふぅ……あれが咲のお姉さんか」

京太郎「何だか、色々とそそっかしそうな人だったな。やっぱり血は争えないか」

池田「す、須賀君!」

京太郎「あ、池田さん。どうしたんです?」

池田「華菜ちゃん、嬉しいし! まさか、須賀君の方は既にその気だったとは!」

京太郎「何の話ですか?」

池田「それにしても、外堀から埋めていくとはな。発想がヘタレだけど、将来のことも見据えてるわけだ」

京太郎「え? え?」

池田「少々気が早いと思うけど、晴れて姉公認の仲だし華菜ちゃん的にもオールオッケー!」

京太郎「あの……」

池田「大丈夫だ、君の気持ちはきっと伝わる。後はこの華菜ちゃんに任せるし! ではさらばだ!」ドヒューン!




京太郎「何だったんだろ、今の池田さん」

京太郎「それにしても、咲と恋人か……やっぱ今一つ、想像できないな」

京太郎「まぁ……嫌な気はしないけど」

末原「……だから、さっさと付き合ってしまえっちゅーんや!」

豊音「そうだよー、絶対うまく行くって!」

咲「で、ですから京ちゃんは別に……」

末原「あんたなぁ、自分がどんだけ恵まれた環境にいるのか理解してるんか?」

豊音「それだけ仲の良い男の子がいたら、普通付き合うと思うよー」

咲「確かに京ちゃんとは麻雀を打つし、ご飯も食べるし、時々仲をからかわれたりもしますけど……」

末原「自慢か! 私もそんな高校生活送りたかったわ!」

咲「でも、恋人とかそういう感じじゃなくて……あ、ロンです」

末原「メゲるわ……」

末原「いいか、あんたは今までフラグというフラグを順調に立ててきたんや」

末原「ここで回収に向かわんと、そのうち誰かに取られてしまうで。もったいないお化けが出るで」

豊音「きっと辛いよぉー、好きな男の子が他の子と仲良く話してる姿を見るのは」

咲「京ちゃんのことは好きだけど、そういう好きでは……というか末原さんは、どういう立場なんですか?」

末原「付き合うまでは応援するが、付き合ってからは叩く」

咲「り、理不尽だ……」

霞「でも、須賀君とは今までずっと一緒だったんですよね?」

霞「彼が他の誰かと付き合うと、自然と疎遠になっていきます。それはやっぱり、寂しいことだと思いますよ」

咲「うーん……言われてみると、確かにそうかもしれませんが……あ、ロンです」

末原「メゲるわ……」

>末原「付き合うまでは応援するが、付き合ってからは叩く」
ええわあwww

霞「恋愛感情はともかく、須賀君があなたの心の中に占めている率は、決して低くはないはずです」

霞「私は付き合うべきとは言いませんが、かといって付き合うという選択肢を頭から切り捨てるのが良いとも思いません」

霞「人生は一度きり。失った青春は、もう二度と取り戻すことができないんですから」

霞「ですから……自分自身の気持ちをもう一度真剣に考えて、結論を出してみて下さい」

霞「付き合ってから、芽生える恋……というのも、あるかもしれませんよ」

咲「…………」

末原「あんた、いいこと言うなぁ……」

豊音「うぅ、感動したよ……」

霞「ロンです」

末原「メゲるわ……」

咲「私は……やっぱり、まだよくわからないです」

霞「うふふ、それはそれでいいんじゃないですか」

末原「あんまりモタモタしてると、誰かに取られてしまうかもしれんけどな」

豊音「でも永水さん、凄いねー。大人だよ」

咲「見た目も凄く大人っぽいですしね」

霞「ありがとうございます。でも、そんなに大人っぽく見えますか?」

咲「はい。まるで既婚者みたいな風格があります」

豊音「アラサーってカンジかなっ!」

末原「薄墨とかいう永水の副将、実はあんたの娘とちゃう?」

霞「」

初美「言われてますよー」ケラケラ

準々決勝終了



豊音「うわああああああああん! ありがとうございましたあああああああ!」

霞「お疲れ様です」

咲「ありがとうございました」

豊音「私たちの分も、お幸せにいいいいいいいい!」

末原「そのセリフは何かちゃうやろ……」

和「お疲れ様です、宮永さん」

優希「トップ通過とは、さっすが咲ちゃんだじぇ!」

まこ「やたら喋ってたみたいだが、何を話してたんか?」

咲「え、ええと、ちょっとガールズトークを……」

久「まぁ、何にせよ、無事で終わったのは良かったわね。準決勝もこの調子で行くわよ」

咲「……あれ? 京ちゃんは?」

まこ「そういや、だいぶ前にトイレ行くとか言っておいて、まだ戻ってないのぅ」

優希「大きい方だとしても長すぎだじぇ。きっとどっかで道草でも食ってるんだじぇ」

咲「…………」

池田「お、宮永咲。今、一人か?」

咲「あ、池田さん……はい、そうですけど」

池田「ふっふっふ……華菜ちゃんが、耳寄りな情報を持ってきてあげたし」

咲「何ですか?」

池田「実はさっき、須賀君を見かけたんだが……」



かくかくしかじか



咲「きょ、京ちゃんとお姉ちゃんが!?」

池田「ああ。どうやら彼はお前さんに気があるようだし」

咲「京ちゃんが……私を、好き……?」

池田「しかし姉から攻めるとはヘタレだし。これじゃあ、彼からは告白もできないかもしれないな」

池田「なんだったら、お前さんから告白してあげると良いし。それではサラバだ、準決勝も頑張れ」

咲「…………」

一周回って池田gj

その夜、ホテル内



咲(…………)

咲(私は……どうしたいんだろう……)

咲(京ちゃんのことは好きだけど、そういうのとはやっぱり違う……)

咲(でも、京ちゃんは私のこと……)



京太郎「よっ、咲」

咲「きょ、京ちゃん!?」

京太郎「これからコインランドリーで洗濯か? 一緒にいこうぜ」

咲「う、うん……」

ゴウンゴウン・・



京太郎「今日はお疲れさん。やっぱり咲は強いな」

咲「あ、ありがと……」

京太郎「疲れただろうけど、準決勝までは何日か空くんだろ? ゆっくり休めるな」

咲「そ、そうだね……」

咲(ど、どうしよう……京ちゃんの顔、まともに見れないよぉ……)

京太郎「…………」

咲(ていうか、何で京ちゃんは平然としてるの!?)

咲(京ちゃん、私のこと好きなんでしょ!? なのに……あれ?)

京太郎「…………」カタカタ・・

咲(京ちゃん、よく見たら……少し、震えてる……)

咲(緊張してる……のかな? てことは、やっぱり……)

咲(…………)

咲(私のこと、好きなんだ……)

京太郎(うぅっ、夏だからって冷房効きすぎだろ……寒ぃ……)

咲(私は……京ちゃんのことは恋人とかとは違う気がするけど、男の子の中では間違いなく一番の仲良し)

咲(でも……やっぱり、恋人とかそういうのとは少し違う気もする……)

咲(だけど……京ちゃんは、私のことが好き……)



『人生は一度きり。失った青春は、もう二度と取り戻すことができないんですから』

『付き合ってから、芽生える恋……というのも、あるかもしれませんよ』



咲「…………」

咲「ねぇ、京ちゃん……」

京太郎「どうした?」

咲「そ、その……京ちゃんが、その気なら……」

京太郎「……よければ?」

咲「…………」

京太郎「…………」

咲「付き合っても……いいよ」

京太郎「へ?」

咲「…………」

京太郎「付き合うって言われても、別にどこにも行く予定ないけど」

咲「そっちの付き合うじゃないよっ!」

京太郎「そっちじゃないって……じゃあ、まさか男女の!?」

咲「当たり前でしょ! 全く、こんな時まで空気が読めないの!?」

京太郎「す、すまん!」

咲「べ、別に私は京ちゃんのことなんて、何とも思ってないけど……」

咲「ほら、付き合うことで新しい自分の発見とか、そういうこともあるかもしれないし……」

京太郎「……もしかして俺、告白されてんの?」

咲「そうだよっ! 京ちゃんがヘタレだから、私から言ってあげてるんじゃない!」

咲「ほら、私のこと好きなんでしょ!? 喜びなさいよっ!」

京太郎(え? なにこの状況?)

京太郎(一体なんなんだこれ?)

京太郎(とりあえず咲に告白されていることは分かったが、何でこんな上から目線なんだ?)

京太郎(その割には顔真っ赤でプルプル震えてるし、精一杯の強がりが見え見えだ……)

京太郎(…………)

京太郎(咲と……かぁ……)



咲「…………」

京太郎「…………」

咲「…………」

京太郎「そうだな……付き合ってみるか」

咲「えっ!?」

京太郎「えっ、何かまずかったか?」

咲「い、いや何もまずくないけど! もう、取り消せないからね!」

京太郎「取り消さねーよ。でも、何か実感わかないけどな」

咲「それは私もだよ。京ちゃんと私が……なんてさ……」

京太郎「だな。咲なんて子供っぽいから、まだそういうのは10年は早そうだったのに」

咲「わ、私だってちゃんと成長してるんだよ!?」

京太郎「そうかぁ? とても成長してるようには見えないが」

咲「ど、どこ見て言ってるのっ!」

京太郎「…………」

咲「…………」

京太郎「……ははっ」

咲「……ふふ」

京太郎「なぁ、咲……俺たち、うまくいくかな?」

咲「うーん、どうだろ……京ちゃんがちゃんとしてれば、大丈夫じゃない?」

京太郎「お前もな」

咲「えへへ……」




そして時は過ぎ、新学期が始まった。

咲「ロン。これで京ちゃんのトビだね」

京太郎「うぅ、またか……」

優希「相変わらず弱いじぇ」

和「でも見ている限り、須賀君もちょっとは上達してきてると思いますよ」

京太郎「お、マジか!?」

まこ「まだまだみんなには及ばないがのう」

久「よし、そろそろ遅いし今日はここまでにしましょう。今日は私が片付けておくから、先に帰っていいわよ」

京太郎「ありがとうございます、部長。じゃあ、お先に」

咲「あ、京ちゃん待ってー!」パタパタ

和「……それにしても、あの二人って付き合ってるんですよね?」

優希「本人たちがそう言ってたからな」

まこ「大会中に付き合い始めたとか聞いた時は、おったまげたわ」

和「あの大会は、噂のせいで大変でしたね……」

まこ「結局、京太郎を目撃した選手達が『噂ほどのイケメンでもないじゃん』って気付いたのが始まりじゃったな」

優希「哀れなり、犬……」

久「そしたらやっぱり色々おかしいってことにみんな気づき始めて、あっという間に収束したわね」

和「むしろ、今まで誰も気づかなかったことが不思議です……」

久「でも私は、付き合い始めるのは時間の問題だと思ってたわ」

まこ「そうなんか?」

久「元から早く付き合っちゃえってくらい、仲が良かったしね。あの二人は」

久「それに噂のことを初めて聞いた時、咲が何て言ったか覚えてる?」

優希「いや……覚えてないじぇ」

久「『恥ずかしい』とか『みんなに迷惑がかかる』とかいう感じのことは言ってたんだけど……」

久「『困る』とか『嫌だ』とかいう感じのことは、言わなかったのよね」

まこ「へえ……満更でもなかったんじゃな」

和「しかし、以前と何も変わらないように見えますね」

優希「知ってなきゃ、誰も付き合ってるなんて思わないじぇ」

久「まぁ、それもあの二人らしいんじゃないかしら?」

和「……ふふ、そうかもしれませんね」

京太郎「……しかし、俺たち付き合ってるのに、昔とあんまり変わらないな」

咲「そうだね。毎日、登下校を一緒にするようになった程度?」

京太郎「正直、まだあんまり実感ないよな」

咲「だね……」



ビーッ ビーッ



咲「あ、メール……池田さんからだ」

京太郎「俺にもだ」




『やぁ諸君、元気かね?

 たまには君たちがどこまで進んだか聞いてみたいし。

 なんたって華菜ちゃんは、恋のキューピッドなんだからな』

咲「い、池田さん……」

京太郎「あの人は相変わらずだな……全く、照さんとの会話も誤解されたし」

咲「あー、あれね……後で何だか話がかみ合わないと思ってたら、池田さんの伝達ミスだったね」

京太郎「あの人、そそっかしいからな。案外あの噂の発端も、池田さんだったりして」

咲「あはは、あり得るかも。まぁ、なんだかんだで感謝はしてるけどね」

京太郎「…………」

咲「…………」

京太郎「なぁ、咲……手でも、繋いでみるか?」

咲「……うん」

ギュッ

咲「…………」

京太郎「…………」

咲「な、何か気恥ずかしいね……」

京太郎「言うな、よけい気恥ずかしくなる……」

咲「……でも……嫌じゃないよ」

京太郎「……だな」

咲「京ちゃん……明日もまた、一緒に学校行こうね!」

京太郎「ああ、勿論だ!」

未春「華菜ちゃん、誰にメール?」

池田「ん、あの二人さ。どこまで進んだかと思ってな」

未春「そういうのはほどほどにね……馬に蹴られるよ」

池田「わかってる、ほんの冗談だって。でもあの二人じゃ、手を繋ぐのが精いっぱいだろうな。中学生かっつーの」

未春「華菜ちゃんだって、全く恋愛に縁がないでしょ」

池田「わ、私はモテモテだし! 彼氏なんて7人いて曜日交代制だし!」

未春「はいはい……」

池田「……お、返信が来た。どれどれ……」



ピッ

『『内緒です♪』』






END

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom