唯「けいおんに出ていた頃は、望めばなんでも買えましたね(笑)」 (50)

ー例えばどんな物を?

唯「んー、例えば劇中でギブソンのレスポールを買うシーンあるじゃないですか?もちろん撮影は弾いたふりだったからギターなんて弾けないんだけど、撮影した楽器屋さんで本当にギブソンのレスポール買っちゃった(笑)
せっかくだし練習しようかな?って思ったんだけど、結局インテリアになってます(笑)」

ー練習用にギブソンですか(笑)

唯「正直メーカーの違いとか良くわからないんですよ(笑)あ、その辺は作中の唯と同じですね(笑)」

ー“けいおん”に出演したことは、自分にとってプラスだった?

唯「それはわからないです。でも後にも先にもあんなに騒がれたことはなかったし、夢みたいな時間だったなーって思います。今はプラスともマイナスとも思えないけど、当時は間違いなくプラスだって思ってたかな」

ー共演した他の人達とは今でも会ったりするの?

唯「んー(笑)」

ーどうしたの?

唯「言っちゃっていいのかなあ……(笑)
えっと、けいおんが放映されてた頃は、やっぱりみんなプライベートでも仲良いですよーってことになってたんだけど、実際はもう酷かったんですよ」

ーでも、紬ちゃんは今でもみんな仲良いし、続編やりたいねって話をしてると言ってたよ?

唯「紬ちゃんはまだあの世界でやって行きたいからそう言ってるんだと思います。まだけいおんキャラで売ってますもんね」

ーでも、君だって

唯「わかってます」

唯「私はこの仕事を最後に、“けいおん”から卒業します。今日はそのつもりで現場入りしました」

ー今日は、暴露話の場ではありませんでしたね(笑)

唯「そうです(笑)そういう暴露系は、私がやらなくてもそのうち秋山さん辺りがやると思います」

ー澪ちゃんがですか(笑)

唯「はい(笑)」

ーじゃあ、そろそろカメラを回して撮影に入るけど良い?

唯「はい」

ーではまず、自己紹介からお願いします

唯「平沢唯です」

ー歳は?

唯「18です」

ー若いね!(笑)

唯「ありがとうございます(笑)」

ー今日は“あの”制服を着て来てもらいました

唯「ねー(笑)
もう着ることもないなって思ってたんだけど(笑)」

ーまさかこんな場所で着ることになるなんて?

唯「はい(笑)」

ー初体験はいつ?

唯「……え?」

ーはじめてエッチしたのはいつくらい?

唯「……ちょっと、どうしてそんなこと聞くんですか?」

ー踏み込んだ質問もOKなんだよね?

唯「そうだけど、そんな質問が来るなんて聞いてません」

ーこういうイメージビデオの撮影は初めて?

唯「初めてです」

ー見たことは?

唯「ないです」

ーこういうの、割と普通だよ。アイドルじゃないんだから

唯「……そうですか」

唯「……16歳の時です」

ー早いね!

唯「私達の世代だと普通な方だと思います」

ーそれから何人とした?

唯「……」

ーどうしたの?

唯「あの、本当に全部答えなきゃならないの?」

ーもし嫌なら無理して答えることないけど

唯「じゃあ、ごめんなさい。NGで」

ーわかりました(笑)……じゃあ、友達は何人くらいいる?

唯「え?……いっぱいいるかな。たくさんです」

ーたくさん、ね。

「じゃあまず、ソファの上で彼氏役の俳優さんとイチャついてるシーンの撮影ね」

唯「はい」

俳優「よろしくね」

唯「はい、こちらこそ」

ーーーー

唯「あー!もう、私のお菓子食べちゃダメだよお(笑)」

俳優「ええー?食べてないよー?」

唯「じゃあその手に持ってるお大福は何ー?」

俳優「仕方ないなあ、じゃああげるよ」

唯「わーい!」

俳優「全くー」

唯「えへへー」

ムニュ

唯「……えっ!?」

俳優「じゃあ俺はこっち貰おうかなー(笑)」

ムニュムニュ

唯「え!?ちょっ……や、やめて下さい!!」

ガシッ

唯「えっ!?」

俳優「お口頂きーwww」

唯「あむっ……」

唯(な、何……!?なんなの……!?)

ペチュ……チュパ……

唯「やめて……やめて下さい!!」バンッッ

「はい、ちょっと撮影中止ー」

唯「あの!なんなんですかこれは!?こんな撮影だなんて聞いてないです!」

「あのさー、恋人同士なんだから流れてエッチなことしたりとか普通にあるでしょ?」

唯「確かにありますけど、でもそんな撮影とは聞いてません!!」

「……君さ、まさかまだ自分が価値ある役者だと思ってんの?綺麗どころしかやらない役者だと思ってる?」

唯「……え?」

「けいおんが終わった時点で、君の価値はもう終わってんの。君に将来なんてない。あとは未だに君達の作品にすがってる男たちのために、当時見れなかったエロを見せてやることしか価値は残ってないんだよ」

唯「……」

「わかったらさっさと撮影再開するから。ソファに座って」

唯「……」

「……めんどくさいな、事務所の許可は取れてんだし、レイプ物に変えるぞ!!」

唯「なっ!?」

俳優「唯ちゃーんwwww」

唯「いやあああ!!やめて!やめて下さい!やめてー!!!!」

おわり

唯「はぁ、はあ……」

唯「なんとか逃げて来れた……」

唯(事務所の許可は取れてるとか言ってた……でも社長がそんなこと言うはず……まずは社長に電話しなきゃ……)

プルルル……

唯「……あ……社長ですか?」

社長「ああ平沢、現場から逃げ出したらしいじゃんどうしたの」

唯「だって……エッチなことされそうになったんですよ!?私そんな話聞いてません!!」

社長「はぁ……偉そうな奴だなあお前は」

唯「えっ……」

社長「お前、けいおんが終わってから何か仕事したか?金は稼いだか?」

唯「……」

社長「どうなんだ?」

唯「なにも……してないです……」

社長「その癖売れっ子気取りで仕事選びやがって。お前が現場から逃げたお陰でどんだけ損害出てると思ってんの?」

唯「ごめんなさい……」

社長「いやもう謝らなくていいから。お前もうクビな」

唯「え……?ちょ、ちょっと待ってくだ……」

ツーッツーッ

唯「……」

唯(そんな……)

唯(クビにされちゃったら私、これからどうやって生活していけばいいの……?)

唯(食べ物……携帯代……家賃……仕事がなくなったら、私……)

唯「事務所……事務所、探さないと!」

唯(そうだよ……事務所は一つじゃないもん……)

唯「事務所見つけて……また仕事しよう……!!」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom