トニオ「『アイドル』…デスカ」 貴音「はい」(122)

貴音「……」

P「頑張ったな、貴音。単独での仕事で、こんな遠くに来るのは初めてだから、疲れただろう」

貴音「…いえ」

P「悪いなぁ、明日は日曜だから、春香達につかなきゃならない」

P「独りにして悪いが、貴音は折角のオフなんだから、ゆっくり観光でもしてから帰ると良いさ」

貴音「わかりました」

貴音(はじめから分かっていた事とはいえ、やはり…)

P「ん、もうこんな時間か。そろそろホームに行かなきゃマズイな。じゃあな、また来週」

貴音「はい」

貴音(…さて、どうしましょうか)

康一「今日はラッキーだったよ!まさかロケ現場に出くわすとは!」

仗助「おぅ。…けどよォ、俺よく知らねーんだよなァ、今日のねーちゃん」

康一「えぇ!?仗助くん知らないの!?『生っすか!?サンデー』見てない!?」

仗助「生…?何だって?」

康一「『生っすか!?サンデー』だよ!今日見たのはその番組内のコーナーのひとつ」

康一「「四条貴音のラーメン探訪」だよ。」

仗助「ふぅ~ん…。『四条貴音』…ねぇ。よく知ってんなァ~」

康一「今人気の765プロのアイドルじゃないか!仗助くんが知らないって事の方がオドロキだよッ!」

億泰「ンッ!?お~い!仗助ェ!康一ィ~!」

康一「あっ!億泰くん!おぉ~い!」

億泰「何ィ!?た、貴音様だとォ!?」

仗助「おめー知ってんのかよ」

億泰「ったりめーだろうがッ!銀髪の女王!ラーメンの妖精!四条貴音様は俺にとっての至上最高のアイドルだぜッ!」

億泰「”四条”だけに」

仗助・康一「……」

仗助「しかし残念だったなァ~。なんで今日に限って放課後いきなり居なくなってたんだよ」

億泰「おっ!そうそう、今日はトニオさんところで飯を食いたい気分になってよォ」

億泰「財布を満たしに銀行に行ってたんだよ」

億泰「しかしチクショォ~ッ!貴音様が来てるって知ってたらそっちに行ってたのによォ~」

康一「トニオさん…?ああ、前に言ってたイタリア料理の!」

仗助「そうか、康一は知らないんだったなァ」

億泰「ちょうどいい!一緒に行こうぜ、康一もよ。モチロン仗助も行くよな?」

康一「でもあんまり外食は…」

億泰「ちーっとぐらいなら奢るぜ」

康一「んー…じゃ、じゃあ行こうかな」

仗助「オメェも案外そういうとこあるよなァ~康一~」

康一「い、いいじゃないか!興味はあるけど、独りじゃちょっと怖かったし…」

仗助「誘えばいいじゃねェかよォ~『山岸由花子』をよォ」

康一「そ、その…今日行ってみて…良さそうだったら…」

億泰「チッ!偵察かよ!」

康一「へへ…」



貴音「本日のろけでは、様々ならぁめんを食しましたが…」

貴音「紹介されなかった名店もあるはず…町を散策がてら探してみましょう」


貴音「…この先100めぇとる…。いたりあ料理ですか…」

貴音「この町では海産物だけでなく、野菜も新鮮で、全てのらぁめんがまこと美味でした」

貴音「…これは期待出来るかもしれません。行ってみましょう」

貴音「これは…様々な調度品が並べられていますが、そのどれもがあんてぃいくと言いますか」

貴音「古くはありますが手入れの行き届いた実に良い物ばかりそしてその配置も嫌味がなく、実に趣がありますね」

貴音「これは…様々な調度品が並べられていますが、そのどれもがあんてぃいくと言いますか」

貴音「古くはありますが手入れの行き届いた実に良い物ばかり」

貴音「そしてその配置も嫌味がなく、その調和に一片の曇りも無く、実に趣がありますね」

トニオ「お褒めいただき光栄デス」

貴音「…貴方がこのれすとらんの?」

トニオ「ハイ…。ワタシがこの店のオーナー」

トニオ「トニオ・トラサルディー。本日はお越し頂きありがとうございマス」

貴音「…てぇぶるが2つなのは…もしや」

トニオ「ご覧の通り、ワタシはシェフも兼任していマス」

トニオ「なので、この席数が限界なのデス」

トニオ「しかし、その分クオリティーに関しては『絶対の自信』有りマス…」

トニオ「オォ!お席も勧めずに申し訳ありまセン!どうぞお掛けになってクダサイ!」

貴音「では…失礼いたします…」

康一「へぇ…ここがトニオさんのお店かぁ…」

トニオ「オォ!億泰サン!仗助サン!お久しぶりデス!」

康一「あ、初めまして。広瀬康一です。」

トニオ「貴方がコーイチさん!お噂はかねがね!」

貴音(めにゅうは…どこでしょう?)

億泰「あ、あァーッ!あの銀髪はァ!」

康一「えっ…!?ま、まさかッ!」

トニオ「お知り合い…なのデスカ?まさかスタンド…」

康一「ち、ちがいますトニオさん!貴音さん…アイドルの四条貴音さんですよ!」

トニオ「アイドル…デスカ?」

貴音(すたんど…?はて)「はい。私、765プロダクションであいどるをしております」

貴音「四条貴音と申します。以後、お見知りおきを」

トニオ「オォ~…これは失礼しまシタ。ゲーノー界というものには、疎いものデ…」

貴音「いえ…。高みを目指す途上故、私の知名度はまだまだ低いと思っておりました」

貴音「むしろ、知っていて頂いた事が光栄です。ありがとうございます」

貴音「ところでとにお殿…『めにゅう』が見当たらないのですが」

億泰「!」

仗助「!」

トニオ「めにゅう…?メニュー…。あぁ、リスタのことデスか?」

トニオ「ウチには置いていまセン。提供するお料理はお客様次第デスので」

貴音「なるほど…。わかりました。ではらぁめんを所望いたします」

トニオ「らぁめん…?」

貴音「はい。らぁめんを」

トニオ「…そんなもの、ウチにはないよ」

仗助「普通よォ、こんな店に来てラーメン頼むかァ?」

億泰「さすがは貴音様だぜェ~ッ!」

貴音「はて…私次第で料理を出していただけるのでは?」

トニオ「チガウチガウ!私がお客様を見て!お出しする料理を決めるのデス!」

貴音「なんと…」

トニオ「ふぅむ…」

康一「いきなり女性の手を取るなんて、やっぱりイタリア人だなァ…」

脳内で全く絵柄が噛み合わない

億泰「お、俺も貴音様の手を取りたいッ!」

仗助「そーゆーセリフ、ヤメロよなァ~。なぁ~んか嫌な気分だぜ…」

仗助「ところで康一、ありゃあ何も手にキスしようってんじゃないぜ」

康一「え?」

トニオ「…アナタ、昨日はあまり眠れていまセンね」

貴音「…何故そう思うのでしょう?」

トニオ「少しだけデスが…爪に縦線が見えマス」

トニオ「睡眠不足の証拠デスが…そこまで深刻なモノではないようデス」

トニオ「更に…かなり偏った食事をしていマス…」

トニオ「かなりの健啖家デスね…おどろきマシタ…」

トニオ「…今日もかなりの量を食べてますネ」

トニオ「胃の粘膜が少しだけ荒れているようデス」

>>27
http://blog-imgs-24-origin.fc2.com/c/y/o/cyobin/JOJO_02s.jpg

貴音「…面妖な」

トニオ「フフ…魔法じゃありまセン」

トニオ「医学デス。東洋、西洋、その他あらゆる医学薬学等を研究し、ワタシが独自に生み出した『診察』方法デス」

トニオ「しかし、これだけの健康を維持しているのはびっくりデス」

トニオ「多少調子は落ちているでしょうが、基本的に問題無い粋デス」

トニオ「ワタシの料理で劇的…とまではいかないでしょうが」

トニオ「体調を良くする事は保証シマス」

貴音「ふふふ…。まこと、不思議な方ですね」

貴音「よろしくお願いします」

康一「ま、まさか…手を見ただけで…」

億泰「おうよ!俺も初めて来たときはビビったぜ~!」

仗助「俺は何も問題無かったけどよォ~、億泰は凄かったぜェ~」

仗助「水虫まで指摘されてたからなァ~」

トニオ「さ、料理を始めましょうか」

ちょっと飯

貴音(…不思議な方たちですね)

貴音(……)

貴音(…?)

貴音「これは…水…いえ、みねらるうぉーたー、ですか」

億泰「た、貴音様ッ!よろしかったら、このハンカチを使ってくださいッ」

貴音(はんかち…?はて…? …!)

貴音(泪ッ!?こ、これは一体ッ!?)

康一「お、美味しい!美味しいよこの水!」

仗助「うめェだろ?これはちょっとした感動だぜ」

貴音(感動の涙!?いえ、これは”そんな物”では断じて…ッ!)

貴音「こ、零れ…ッ!」

貴音(は、はんかちを…ッ!…ハッ!この殿方は、最初から知っていた?)

貴音「助かりました。ありがとうございます。…えぇと」

億泰「お、億泰!『虹村億泰』っス!」

貴音「そうですか…。虹村億泰殿…。貴方は私が涙を流すことを…」

億泰「億泰と呼んで下さいっス。その水は俺も前に飲んだ事があるんスよ」

貴音「水…。やはり。これは一体…」

億泰「えぇーっと…何て言ってたっけなァ?…キリ…キリ…」

トニオ「キリマンジャロの雪解け水デス」

トニオ「飲めば十分に睡眠をとった後のような爽快感が得られマス」

貴音「そうですか…。面妖な…いえ、何とも形容しがたい」

貴音「しかし、確かに美味でした。しかしながら…」

貴音(あの涙は…一体…)

トニオ「どうかされマシタか?」

貴音「いえ…」

貴音(今、特に異常が残っている訳でもありません)

貴音(悪い方にも見えませんし、確かに眠気は無くなりました。もう少し…)

貴音「ところで、それは?」

トニオ「本日の前菜(アンティパスト)…『タコのカルパッチョ』デス」

貴音「『たこのかるぱっちょ』…」

トニオ「ハイ。日本では西洋人はタコを食べないイメージが強いようデスが」

トニオ「我々イタリア人は沿岸地域に住んでいるため、昔からタコはよく食べてマシタ」

トニオ「この『カルパッチョ』も、伝統的なタコ料理の一つです」

貴音「なるほど…勉強になります。では、さっそく…」

康一「お、美味しそ~!トニオさん!僕もあれ食べたいです!」

仗助「おっ、そういや俺たち注文してなかったな」

仗助「トニオさん、お願いしていいっスか?」

トニオ「シ オ カピート(かしこまりました)。少々お待ちクダサイ…しかし」

トニオ「胃の調子を整える効果が期待できるのは、四条サマだけカト…」

貴音「なんと…これはまことに…」

貴音「イタリア料理という事で、かなり味の濃い物を想像していたのですが」

貴音「これはたこという素材を使っている為か、サッパリとした後味に仕上げてあります」

貴音「しかし単調で淡白という訳ではありません!決して単純な味ではない!」

貴音「なるほどこのそぉす…いえ、どれっしんぐですか…」

貴音「更に言うならば調味料そのものが旨みを持っているように感じます」

貴音「塩、酢、おりぃぶおいる…それぞれが持つ旨みが自身を主張しながらッ!」

貴音「主役であるたこの旨みを邪魔せず…いえ、むしろ引き立てているッ!」

貴音「これは素材そのものの良さもさることながら…」

貴音「絶妙なばらんすをとっている、とにお殿の手腕に寄る所が大きい!」

貴音「とにお殿…前菜だけでここまでとは…!」

仗助「おー!確かにうめぇーぜ!こりゃあ!」

康一「すっごいですねぇ!ぼく、タコがこんなに美味しいって知りませんでした!」

億泰「けどよォ…大丈夫か?」

康一「え?何が?」

億泰「いやな、『胃』の調子を整えるって事は…」

貴音「!?」

仗助「始まったか…」

貴音「あ…うぅ…」

康一「えッ!?た、貴音さん!?」

貴音「ふ…うっ…」

康一「お腹を…!お腹が痛いんですか!?」

貴音「いえ…。…はい、少しばかり…」

康一「た、大変だ!仗助くん!…いや、これは外傷じゃないから救急車を…ッ!」

仗助「落ち着けって康一。焦るこたぁーねー」

康一「な、何言ってるんだよ仗助くん!た、貴音さんがあんなに…!」

貴音「…ふぅ」

億泰「!?」

仗助「何ィ!?」

トニオ「……」
 
貴音「なんとも…面妖な…」

貴音「今、胃の辺りに…妙な熱が…そしてそれが収まると…」

トニオ「胃の薄っすらとした不快感が消えタ…」

トニオ「胃モタレ…胃炎が解消されたのデス」

トニオ「胃と言う器官は、成人で約3日で全ての細胞が入れ替わると言われていマス」

トニオ「タコに含まれる成分、グルタミン酸やアスパラギン酸…その他の様々なタンパク質ト…」

トニオ「ワタシの作ったドレッシングによって、胃の粘膜の新陳代謝を活性化」

トニオ「その入れ替わりを「早めた」のデス」

貴音「なるほど…先ほどの熱はそういう事ですか」

仗助「は、腹はッ!?何ともねぇのか!?」

康一「何で今更焦ってるのさ、仗助くん?」

仗助「だ、だってよ…トニオさんの料理を食ったら…」

億泰「あぁ…『出る』…のが普通のはずだぜ…」

康一「『出る』?」

貴音「……」

貴音「…はて」

トニオ「マッ!こういう事も有りマス!ワタシが思っていたよりも、ずっと胃の調子が良かったのデショウ」

貴音「確かに、胃がすっきりとしたお陰で、食欲が増してきました」

貴音「とにお殿、次の料理は…?」

トニオ「プリモ・ピアット…いわゆるパスタ料理です」

貴音「…『らぁめん』的な」

トニオ「全く違いマス」

貴音「……」(シュン)

トニオ「確かにパスタは、一般的にスパゲッティーを含み…中にはスープに浸した形のものも日本にはあるようデスが」

トニオ「今日お出しするのは『ラビオリ』。イタリア風ワンタン…とでも言いまショウか」

トニオ「薄く延ばしたパスタで、小さく具を包んだものデス」

トニオ「今日はホワイトソースで和えてみマシタ」

仗助「俺はこれはいいや」

康一「うーん…僕も…」

億泰「お前らよォ…オーダーぐらいちったぁ自分で考えて頼めよ…。俺は『らびおり』を頼むぜトニオさんッ!」

貴音「『具』を挟んだと仰いましたね」

トニオ「エェ。中身は食べてみての…」

貴音「お楽しみ、という訳ですね。ふふ…」

トニオ「ハイ。では、ワタシは次の料理に取り掛かってキマス」

貴音「これは…見たところ2種類の具があるようですね」

仗助「お、おいッ!ちょっと食わせてみろよ!」

億泰「何言ってんだオメーは!自分でいらないつったんじゃねーかッ!」

億泰「俺はこの空間で貴音様と同じ物を食べる唯一の人間になるんだァー!」

貴音「一つは赤…、もう一つは緑…。なるほど、いたりあの国旗をいめぇじしたのかもしれません。ふふっ…」

貴音「面妖なっ!」

仗助(ビクッ)

康一(えっ、何!?)

貴音「赤い方は…なるほど、とまと…を、基調に…これは海老でしょうか」

貴音「酸味と旨みが…程よく…なんと…」

仗助(お、おい…何だ今のはよぉ~…。さすがの仗助さんもちょっぴりビビッちまったぜぇ~…)

康一(口癖…みたいなものなんだよ。僕も急すぎてびっくりしちゃった)

億泰「ンン…?こいつぁ…」

貴音「緑色は…これは…何でしょう?葉物、という事は分かるのですが…」

貴音「どこかで味わったことのある…ぱせり…いたりあん…?いえ、違いますね」

貴音「もっと…和食に多く…たまにらぁめんでも……。…!!」

貴音「わかりました!これはほうれん草ッ!ペースト状にしたほうれん草です!」

貴音「なるほど…これは意外でした。彩のためか少し味の輪郭がぼやけても感じられますが…」

貴音「しつこくない味と考えれば、これも趣が…」

億泰「待ちなッ!!」

貴音「?」

仗助「何イキナリ大声出してんだよ億泰オメェ」

億泰「ふっふっふ…俺は気付いてしまったぜェ~」

億泰「この料理の『本当の食べ方』をなァッ!」

仗助「あっ、ティンと来たぜ俺も」

億泰「黙ってろ!『削る』ぞッ!」

康一「物騒だなぁ…」

貴音「あの…億泰殿…。『本当の食べ方』とは…?」

億泰「おっ、そうそう。貴音様、これは「モッツァツァ」と同じなんスよ」

仗助「「モッツァレラ」な」

億泰「ソレだ!」

貴音「はあ…。『もっつぁれら』…ですか」

億泰「そう!つまり一緒に口の中に入れるンスよ!赤と緑を!」

貴音「…!なんと!」

貴音「それで何か変わるのでしょうか」

億泰「騙されたと思って!ささ!どうぞ!」

貴音「はい…では…」

貴音「……。……!」

貴音「こ、これは!この味は!」

貴音「サッパリとしたとまとに、ほうれん草の風味と、ほわいとそぉすのコクが!からみつく美味しさです!」

貴音「とまとがほうれん草を!ほうれん草がほわいとそぉすを!」

貴音「ほわいとそぉすがとまとを!引き立てていますっ!」

貴音「『まりあーじゅ』と言うのでしょうか!『味の競演』と言うのでしょうか!」

貴音「例えるなら三浦あずさと水瀬伊織、双海亜美のとりお!」

貴音「雪に対する月と花!」

貴音「えっと…」

貴音「といった感じですっ!」

仗助(どっかで聞いたなこのリアクション…)

億泰「やっぱりッ!」

トニオ「億泰サン…説明していただき、ありがとうございマス」

億泰「おっ、トニオさん!これは何に効くンスか?」

トニオ「…『腰』デス」

億泰・仗助「こ、『腰』ィ!?」

貴音「『腰』…そういえば『腰』の辺りに…妙な…」
..                      ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
トニオ「『四条貴音』サン…上着を…脱ぐことをオススメシマス」

億泰・仗助「!!!」

康一「え!?」

貴音「なんと…いえ、ですが確かに『腰』が…」

貴音「仕方ありません…」

バッ ギュッ

仗助「ぶ…」

億泰「ブラウスの裾を結んだのか…」

康一「で、でもおへそが!これは刺激が強すぎるよッ」



由花子「……ッ」

「あれー?由花子どうかした?」

由花子「…今、一瞬だけ『イラッ』ときたの。何故かしら」

貴音「こ、腰がッ!落ち着いて座っていられません!」

仗助「何だありゃあ!?」

康一「皮膚の下で…何かが動いてるよ!」

トニオ「落ち着いてクダサイ。アレは『背骨』デス」

康一「せ、背骨…?」

康一「い、いやっ!おかしいですよ!背骨があんな動く訳!」

貴音「ふっ…くっ…!」

ボギィッ!!

康一「あぁッ!」

貴音「これは…ッ!」

貴音「軽いッ!」

貴音「腰が軽いです!今まで特に気にしていませんでしたが、こうやって軽くなるとッ!」

貴音「今まで腰にじんわりとした痛みがあった事がハッキリしました!」

貴音「しかし…何故?」

トニオ「おそらくですが…」

トニオ「アイドルという職業柄、ダンスをよく踊るのデハ?」

貴音「なるほど…」

トニオ「知らず知らずのうちに、無理な姿勢を強いられたのデショウ」

トニオ「少しだけではありますが、骨格が曲がっていマシタ」

トニオ「それを調節し、元の位置に戻す事によって、腰の位置を安定させ」

トニオ「体全体の調子を取り戻しマシタ」

貴音「それにしても…」

貴音「まこと、面妖な料理の数々ですね」

トニオ「フフ…」

康一「アハハ…」

貴音「この不思議な小人さんたちのお陰でしょうか」

仗助「!?」

億泰「なっ…!?」

康一「えっ!?」

トニオ「…やはり、『見えている』のデスね」

貴音「…何の事でしょう」

トニオ「『雪解け水』でも感じマシタが…」

トニオ「あまりに反応が小さすぎマス」ズオッ

トニオ「ワタシのスタンド…『パール・ジャム』による効果は…」

トニオ「患部を分かりやすく示すため、まずは『露出』したり、『劇的な変化』を起こしマス」

トニオ「しかし、アナタは『カルパッチョ』を食べたにも関わらず、胃の露出が起きなかっタ」

仗助「女にはショックが強すぎるだろうと思ってよォ~」

仗助「俺も念の為に待機していたんだが、結局使う事も無かった」ズオッ

貴音(…!)

貴音「貴方方は…最初に感じたとおり…」

億泰「あぁ…。『スタンド使い』だぜ」ズオッ

康一「まさか…貴音さんも…」ズオッ

貴音「『すたんど』…と、いうのですか」

貴音「そうですね…貴方方が打ち明けてくださったのに、私が秘密にするというのは…礼を欠きますね」

貴音「正直に申し上げて、『見えて』はいます」

貴音「いえ。正確には『感じて』いるのです」

貴音「はっきりとした姿かたちを認識しているわけではありませんが」

貴音「その大きさや数といったものは、大体正確だと思います」

貴音「しかし…その、『すたんど』…ですか?」

貴音「皆様のような力を持ち合わせているわけではありません」

貴音「ですので、まさか…」

康一「…『スタンド使い同士は惹かれあう』か」

仗助「しかしよォ、これもスタンド使いなのか?」

億泰「お、俺に聞くなよッ!俺は頭ワリィんだからよォ~!」

トニオ「『才能がある』…といった感じなのでショウか」

トニオ「私も修行の末にこの能力身につけマシタ」

トニオ「『アイドル』として高みを目指すという、四条サンの行為はあるいは、」

トニオ「『スタンド使い』に近づく事になるのかもしれまセン」

アイマス好きに共通する見分け方を発見した…
一度でもアイマスをプレイした者は「どうしてこんなに美人で聡明な事務員さんをプロデュース出来ないのーーーーーッ!」
と書き込まずにはいられなくなる……ピヨ

億泰「ふぅ~ん…。よくわかんねーけどよォ~」

億泰「『近い』ってことだよなァ、俺たちと貴音様はァ~」

貴音「そうですね…。えぇ、おそらくは」

貴音「『仲間』…」

康一(ぼ、僕たちとッ!)

億泰(貴音様が…『仲間』ッ!)

貴音「ところで、とにお殿」

トニオ「オォ!失礼しまシタ!メインディッシュにも入っていませんでしたネ!」

貴音「ふふ…ありがとうございます」

承太郎「ここか…。ん?」

仗助「アッ!承太郎さんッ!」

康一「え?承太郎さん?…あれ?そこに居るのは…」

響「おー!すごいぞ!ホントにいたさー!」

康一「が、我那覇響ちゃんッ!?」

貴音「響ではありませんか。こんなところで出会うとは」

響「美希もいるぞ!」

美希「やっほー!」

響「自分たちも今日の午後からしばらくオフなんだけど」

美希「他の皆は都合が合わなくて、せっかくだから貴音も誘って観光に来ようって事になったの」

康一「す、すごいよッ!フェアリーだッ!」

億泰「俺…今死んでもイイ…」

美希「あはっ☆ファンの人たちなの?よろしくなの!」

響「で、杜王駅まで来たのは良いんだけど…」

美希「貴音は携帯をもうちょっと確認したほうが良いって思うな!」

貴音「はて…。!これは失礼しました。美希、響」

響「なんくるないさー!このでっかいオジサンに案内してもらったからな!」

承太郎(…お約束だな)

仗助「そういや、承太郎さんはなんでココに四条貴音がいるってわかったんです?」

承太郎「…別にその女がいると知ってて案内した訳じゃあない」

承太郎「『美味い飯屋を知らないか』と聞かれてな」

承太郎「この町で評判の良い店はここぐらいしか知らなかっただけだ」

響「でもさすがだなジョジョ!やっぱり自分たちは運命的な何かがあるさー!」

承太郎「やれやれだぜ」

貴音「じょじょ…?」

響「あぁ!…えーっと」

承太郎「『空条』だ」

響「そうそう!このオッサンの名前は空”条” ”承”太郎!だからジョジョさー!」

康一「それにしても…我那覇さん…」

響「ん?響って呼んでくれよ!」

康一「じゃ、じゃあ響さん…。よく承太郎さんを知ってたね」

響「駅で見かけてでっかいなーと思って声かけただけさー」

康一「えぇ~…」

美希「ミキもちょっと気になったから声かけるのは賛成だったよ?」

美希「あ、気になるって言ってもハニーへの気持ちとは全然違うの!」

響「まぁ社長の言う『ティンときた』って奴だな!」

トニオ「ナルホド…」

美希「おいしそうな匂いがするの!」

貴音「えぇ、ちょうど『めいんでぃっしゅ』がくる所です」

貴音「よろしかったら御一緒しましょう」

美希「ミキおなかぺっこぺこなの!おにぎりも頼むの!」

トニオ「…そんなもの、ウチにはないよ」

仗助「承太郎さんも一緒にどっスか?」

承太郎「…あぁ…そうだな」

響「フルコース頼んだのか!さすが貴音だな!」

億泰「ふぇふぇふぇフェアリーの皆さんッ!ごごご御一緒しませんかッ!?」

響「たっだいまー!」

美希「なのー!」

貴音「あなた様。お土産です」

P「おっ、牛タンか~!ありがとう、貴音!買い忘れてたんだ!」

貴音「ふふ…」

美希「小鳥にもお土産なの!」

小鳥「あ、ありがとう!美希ちゃん!」

小鳥(…赤べこ)

P「しかし、今日は妙に調子良さそうだな」

P「なんか良い事でもあったのか?」

貴音「ふふ…」

貴音「とっぷしぃくれっと、です」



トニオ「『アイドル』…デスカ」 貴音「はい」

 _________|\  
|To Be Continued...?   >
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/  

終わったー
初めて一つの話を書き上げた気がする

時間かかるなぁ
ちょっと読み返してきます

>>101
うそだろ小鳥さん!

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