響「ぼっちは辛いぞ…」P「響…」(1000)
事務所から2km離れた所にある小さな小屋
午前2時、彼女達の密会がハジマル
雪歩「…」
美希「…」
雪歩「遅いね、春香ちゃん」
美希「仕方ないの、春香は今コンビニだし…」
雪歩「ふふ」
ガチャ
春香「たっだいまー!」
雪歩「春香ちゃん、何かいう事は?」
春香「えっ?」
美希「雪歩…」
雪歩「今、2:13分だよね」
春香「そ、そうだけど…」
雪歩「ジャンケン…したのは何時だったっけ」
美希「…1:30分頃なの」
雪歩「コンビニまでだいたい何分?」
美希「10分も有れば行ける筈…なの」
雪歩「春香ちゃん」
春香「雪歩、何が言いたいのかなぁ」
雪歩「…」
雪歩「おっそ」
美希「ゆ、雪歩」
春香「は?」
雪歩「遅すぎるよねぇ…常識的に考えて」
春香「…」プルプル
雪歩「ふふ、ねぇ春香ちゃん」
春香「な、なぁにかなぁ、…ゆーきほ」プルプル
雪歩「……カブトムシなら飛べよ」
春香「かっちーん」
ガシッ
美希「春香!落ち着くの!」
春香「ふっざけんなぁああ!」
雪歩「あれー?美味しいだよね、カブトムシ」
春香「食べた事無いよ!カブトムシなんてさぁあ"!」
美希「春香!いい加減にするの!」ググ
雪歩「だってジャンケンに負けた春香ちゃんが悪いんだよぉ?」
春香「ぐっ…(雪歩…覚えといてよ…)」
美希「や、やっと落ち着いたの」
雪歩「で、私達の頼んどいた者は?」
春香「…くひひ」
春香「はい、雪歩の」コト
春香「ウーロン茶ww」
雪歩「……」
雪歩「私さぁ、確か緑茶頼んだよねぇ」
春香「さぁ?私耳遠いからわかんないよぉ」
雪歩「ふふ、買い直してきてよ春香ちゃん」
春香「嫌ですよぉ」
春香「か、ん、と、く♪」
雪歩「かっちーん」
美希「雪歩!」ガシッ
雪歩「誰が落合じゃあぁあ"!!」
美希「落ち着くの!」
春香「はは、中日ドラゴンズwww」
雪歩「あぁああ"あ!」
春香「ははは」
春香「ゆりしーwww」
雪歩「はぁあるかあぁあ!」ジタバタ
美希「雪歩ー!落ち着くのー!」
雪歩「はぁ…っはぁ…」
美希「はぁはぁ……や、やっと落ち着いたの」
春香「ふふふ、だって昨日決めたよね?私達のコードネーム」
雪歩「そ…そうだねぇ」
美希「春香…いい加減にするの」
春香「まっ、美希に免じて許してあげる」
雪歩「…(春香ちゃん…いつかその首を宙に舞わすからね)」
美希「春香、ミキが頼んだ物は」
春香「うん!もちろんあるよ」
春香「はいみーき」コト
美希「……」
美希「なんなのコレ」
春香「何って、美希の好きなババロアだよぉ」
美希「確かにミキはババロアが好きなの」
雪歩「アニメじゃ完全に忘れられてるけどねww」
美希「黙れ」
雪歩「語尾に~の位つけないと」
美希「で、これはなんなの」
春香「くひひひ」
春香「チョコババロアwww」
美希「かっちーんなのー」
雪歩「な、なんでこんな事で起こるの美希ちゃん!」ガシッ
美希「雪歩は離すの!」
春香「あはははは」
美希「そもそもこのお金、払ったのはミキなの!!」
春香「ババロアwww」
美希「ムカつくのー!」
雪歩「美希ちゃん!落ち着こうよぉ」
美希「ふぅー…」
雪歩「落ち着いた?美希ちゃん」
美希「ご、ごめんなさい」
春香「ババロアwww」
美希「はるかぁああ!」
雪歩「美希ちゃん!」ガシッ
美希「離すのー!こいつだけは許せないのー!!」
春香「おにぎりwww何の具が好きなんだよwww」
美希「ムカつくのー!!」
雪歩「み、美希ちゃん!」グググ
美希「…はあぁ」
雪歩「もう、春香ちゃん!」
春香「ごめんなさーい」
美希「は、春香…お釣りを出すの」
春香「え?」
美希「え?…じゃないの、1000円渡したんだからお釣りが有る筈なの」
春香「あー、あれね」
春香「……」
春香「使ったwww」
美希「かっちーんなのー」
ガチャ
千早「遅れてごめんなさい」
千早「あの……」
雪歩「美希ちゃん!その辺にしようよ!」
美希「ミキのお金を返すのー!!」
春香「ドロリッチ美味しかったよww」
美希「うがあぁあ"!!」
雪歩「美希ちゃん!いい加減にして!」
春香「あっ、千早ちゃん遅いよー!」
千早「で、今日は何の為に呼び出したの?」
美希「はっ、一番遅れた奴が仕切ってるの」
雪歩「無いよねーwww」
春香「うん無い無いwww」
春香「おっぱい」
千早「……」
千早「ハジマル」
美希「雪歩!右はミキが抑えるから左を!」
雪歩「うん!」
ガシッ
千早「春香ー!!」ジタバタ
春香「あははは、事実じゅわあぁん」
千早「あぁあああ!」
春香「そういえば千早ちゃん、こんな歌歌ってたよね」
http://www.youtube.com/watch?v=q6YiSTlAqqs&feature=youtube_gdata_player
春香「wwwww」
美希「ぷよぷよwwww」
雪歩「おっぱいぷよぷよwww」
春香「ぷよぷよwwwぷよぷよwww」
雪歩「ぷぷぷぷよぷよwww」
千早「……」
春香「まな板なのにぷよぷよwww」
美希「つるぺたなのにぷよぷよww」
雪歩「がりがりなのにぷよぷよww」
千早「……」
千早「すううぅう…」
雪歩「みんなー!耳をふさ
千早「インフェルノー!!!」
如月千早の一喝、耳を塞いで無ければ確実に鼓膜が行かれる大音響
ちなみにステレオである
雪歩「ゆりしっ!?」
春香「わ"っほい!?」
美希「みぎぃい"!」
千早「で、何の為に呼び出したの?」
春香「ゔぅ…」
美希「な、何も聞こえないの…」
雪歩「あぁ、コスモス畑が見える…」
千早「で、何の為に」
春香「うっ…やっと聞こえてきた」
美希「…ゔっぐぅ」
雪歩「コスモス…コスモス」
春香「私達四人が集まる理由なんて一つしかないよ」
千早「……我那覇さんね」
美希「響、絶対に…許さないの」
雪歩「コスモス……コスモス」
春香「昨日をおさらいしてみようか」
千早「そうね、それが良いわ」
美希「……昨日、私達が手を組んだのもこの位の時間だったの」
雪歩「コスモス畑……」
千早「昨日、私達はプロデューサーに出会った」
美希「ハニーはある人物を追いかけてたの」
春香「それが響ちゃんだね」
雪歩「コスモす…こスモス」
千早「そう、我那覇さんは自分のわがままで飛び出したのにもかかわらず」
美希「ハニーに迷惑をかけてたの」
春香「私のプロデューサーさんを」
美希「は?」
千早「春香、今なんて言ったのかしら」
春香「へ?」
美希「今、私のプロデューサーさんって聞こえたの」
千早「春香、取り消して」
春香「な、なにを?」
美希「私のプロデューサーさん…これを取り消すの」
春香「……は、なんで?」
ヒュオッ!
春香「わっほい!?」サッ
雪歩「次そんな事言ったらさ、このスコップで首、飛ばすから」
春香「わ、わかったよ(くっ、忘れてた…皆プロデューサーさんが好きなんだ)」
千早「話しを戻しましょう」
美希「…ハニーは響を探していたの」
雪歩「そう、プロデューサーに迷惑をかけた」
春香「それに私達、みんな響ちゃんに恨みを持っている」
美希「…」
雪歩「うん、そうだよ」
千早「…(不味い、私のだけ私怨だった…)」
美希「それで、ミキ達は同じ志を持つ者として集まったの」
雪歩「千早ちゃんが一番酷いんだよね…」
千早「…」
春香「千早ちゃんは響ちゃんに弟を殺されたんだよね」
千早「え、えぇ…」
千早「…」
そう、私は我那覇さんに弟を殺されたと嘘をついてしまった…
その場の思いつきでついた嘘
一番酷い様に…それが逆効果だったのよね
春香「そういえばさ、新聞みた?」
雪歩「昨日の夕刊?」
美希「あっ!ミキも見たの」
春香「やよいの家が突然爆発したんだって」
雪歩「えっ!?」
千早「…」
そう、私はいち早く我那覇さんの居場所を掴んだ
そして相棒のインベルに乗り襲撃してしまった、目標を確認しただけ
位置までは把握しなかった…
それがいけなかった
春香「突然だよ突然」
雪歩「やよいちゃん…大丈夫だったのかなぁ」
美希「うん、やよいは無事……だけど」
雪歩「えっ!?長介君が…」
春香「うん、爆発に巻き込まれて…」
美希「……」
そう、爆発に巻き込まれて長介君は死んでしまった
悪気は無かった……と言ったら嘘になる
殺すつもりは無かった、と言っても嘘になるわよね
そう、私は人を殺してしまった
私じゃなくインベルだと思いたいけどそうもいかない
だってインベルはもう…
春香「…は、話変えようか」
雪歩「うん……なるべく明るい話しにしてほしい」
美希「そっ、そういえば昨日は凄かったの!」
美希「春香と雪歩が二人でおっきなロボットと戦った時はミキ、心震えたの」
春香「あー、あったねそんな事」
雪歩「弱かったよねぇあのロボット」
千早「は、萩原聖人さん!」
雪歩「えっ?どうしたの千早ちゃん」
千早「……ごめんなさい、何でも無いわ」
春香「…は、話変えようか」
雪歩「うん……なるべく明るい話しにしてほしい」
美希「そっ、そういえば昨日は凄かったの!」
美希「春香と雪歩が二人でおっきなロボットと戦った時はミキ、心震えたの」
春香「あー、あったねそんな事」
雪歩「弱かったよねぇあのロボット」
千早「は、萩原さん!」
雪歩「えっ?どうしたの千早ちゃん」
千早「……ごめんなさい、何でも無いわ」
そう、高槻さんの家を襲撃したその日に
私は相棒……インベルを失った
春香「こう、雪歩がびゅーんってスコップを投げて」
美希「あれは凄かったの!」
雪歩「あのロボットの両腕を落としたんだよね」
千早「……」ギリッ
そう、萩原さんのスコップの遠投によりインベルの両腕をもってかれた……
小すぎて確認出来なかった、だから避けれなかった
二対のスコップはインベルの関節を正確に撃ち抜いた…
雪歩「でもトドメをさした春香ちゃんの方が凄いよー」
春香「あははは、や、やっぱり見てたんだ」
美希「アレを観るなってのが無理な話しなの!」
雪歩「凄かったもんねぇ春香ちゃんのパンチ」
春香「もぅ、恥ずかしいよぉ」
美希「こうっ、ばっこーんって殴ってロボットの頭を粉砕して」
千早「…くっ」
そこから先は思い出したくも無い
相棒…インベル、私の……戦友
インベル「のヮ」強制脱出装置です…お嬢
千早「インベル!?な、何を考えてるの!」
インベル「のヮ」お嬢だけでも生きてください…
千早「や、やめてインベル!」
インベル「のヮ」はは、大丈夫ですよ、そもそも俺の存在事態……黒歴史なんすから
千早「嫌っ!インベルと別れるのだけは嫌!!」
インベル「のヮ」ゼノグラシア……ふふ、楽しかったですぜ…
バシュンッ
千早「インベル!インベル!!」
千早「インベルノー!!!」
千早「……インベル」プルプル
美希「千早さん?」
千早「なんで……黒歴史なの」
春香「な、なにが?千早ちゃん」
千早「……ゼノグラシア」
春香「ぜのっ!?」
雪歩「…グラシア」
美希「へ?ゼノグラシアがなんなの?」
千早「インベル……インベル、インベル…」プルプル
春香「み、美希には関係無いよ…」
雪歩「嫌…名前も思い出したくもない」ガタガタ
美希「雪歩、どうして震えてるの?」
雪歩「いや……もう殺し合いはいや…」ガタガタ
千早「私はゼノグラシアが大好きだった…」
春香「千早ちゃん…」
美希「ねー!ゼノグラシアってなんなの?」
ゼノグラシア……アレは最高の作品だった
何より気分が良かったわ
皆の皮を被った別人が続々と登場して行われる殺し合い
その中でも私は一際輝いていた
私の長年の夢が叶った瞬間だった…
千早「あの頃に戻りたい…」
雪歩「いやぁ…もういやぁああ!!」
春香「雪歩、落ち着いて!」
美希「ねー!ミキにも教えてほしいの!」
千早「大きかったの」
美希「へ?」
雪歩「いやぁああ!!ゼノグラシアはいやぁ"あ"あ!!」
春香「雪歩!気持ちは分かるけど今は落ち着いて!!!」
千早「大きかったのよ…」
美希「千早さんが?」
千早「えぇ、とっても」
千早「いぇ、確か一番大きかったわ」
美希「ゔー分からないの」
雪歩「い"やぁあ"があぁあ!」
春香「雪歩!」
千早「……インベル」
美希「もう!教えてほしいの!」
雪歩「あががががが」
春香「千早ちゃん、もうやめて!雪歩が泡噴いてるよ」
雪歩「ぎぎぎぎぎ」ピクピク
千早「…ぷよぷよ」
美希「えっ?」
千早「ぷよぷよwwwぷよぷよwww」
千早「ぷぷぷぷっぷよぷよwwwww」
美希「春香、千早さんも壊れちゃったの」
そう、ゼノグラシアでの私はぷよぷよだった
最高にぷよぷよだったの…
雪歩「。′°*.,.」ピクピク
春香「雪歩!」
雪歩「。☆°|,.」
千早「ぷよぷよwwwwぷよぷよwwwww」
美希「千早さん!落ち着くの!」
千早「あははは、私あんどうりんごwww」
美希「千早さん!!しっかりするの!」
千早「ビビっときたwww興奮してきたwwww」
雪歩「°*,.′」
春香「雪歩!雪歩!!」
~~~~~深夜の雑談編終わり~~~~~
.
すみません15分程時間くださいコーヒー買いに行ってきます
ありがとうございます
自分の糞みたいなSSでMAXコーヒー好きになってくれたなら感無量です
彼女達が集まる少し前、プロデューサーの家に泊まる事になったお姫様こと四条貴音
彼女もまた、やっかいな一人であった
午後7時
P「はぁ、今日は散々だったなぁ」
貴音「なにがですか?」
P「……貴音、お前も含まれてるんだぞ」
貴音「そうですか…」
P「なんでそんなに冷静なの?ちょっとは申し訳ないとか思わないの?」
P「朝っぱらから響を追いかけてさ、やよいの家に行って…」
貴音「わたくしと出会った…」
貴音「そうですよね、あなた様」
P「うるさいよ病み病みの実の能力者が」
貴音「あなた様…」
P「お前のせいでどれだけ大変だったか…」
四条貴音、幼少の頃より神から授かりし特別な力
『四次元空間』
彼女の作る特別な空間、いわば領域(テリトリー)
一定の範囲内に対象者を閉じ込める力
P「お前のせいでだなぁ…」
貴音「あなた様、わたくしの事、嫌いなのですか?」
P「YES」
貴音「……」
P「…う、嘘だからさ、そんな顔すんなっての」
P「俺が貴音の事を避け始めたのがちょうど2、3ヶ月前だったよな」
貴音「なぜわたくしの事を嫌いになったのですか?」
P「……あんぽんたん!」
貴音「あぁっ」
P「変な声出すなっつーの」
貴音「あの」
P「ん?なんですか」
貴音「あんぽんたんとは…」
P「し、知らないでそんな反応したのか」
貴音「はい…」
そう、今では貴音と呼んで居るが前までは名字の四条で呼んでいた
~悲劇の始まりの日~
P「はいおつかれさん」
貴音「あなた様…」
P「じゃあ俺は帰るから」
貴音「あの…」
P「どうしたぁ貴音」
貴音「車に、のりた
ガチャン
P「じゃあな」
車「のヮの」ごまえー
ブロロロロ
貴音「あなた様に使うのは初めてですよね…」
貴音「わたくしの力、本来の使い方とはズレてますが」
貴音「あなた様……」
貴音「わたくしとご一緒に…」
貴音「ドライブをっ!」
『四次元空間』
貴音「あなた様は今やわたくしの領域の中…」
貴音「そうですね、範囲は…」
貴音「ざっとこの位で」
貴音「あなた様、わたくしは諦めません」
貴音「わがままなのは分かっております、しかしっ!」
貴音「あなた様と……そ、その」
ブロロロロ
貴音「来ました」
貴音「困惑されたご様子…」
貴音「あなた様…」スタスタ
コンコンッ
P「だ、誰だ」
貴音「あなた様、わたくしです」
P「なんで貴音が?」
P「って、ここ事務所じゃん!?」
貴音「わたくしとご一緒にかえ
P「じゃあな」
車「のヮの」ぶるるー
ブロロロロ
貴音「あなた様!?」
貴音「…」
貴音「行ってしまわれた…」
貴音「ですが、あなた様」
貴音「その行為はわたくしに対する好意と受けとって宜しいのですね?」
貴音「誰かが言っていました…」
貴音「恋は叶わぬから故意になると」
貴音「あなた様…」
~5分後~
ブロロロロ
貴音「ふふっ、あなた様♡」
P「はぁっ!?また?また事務所なの!?」
貴音「あなた様」
P「んだよ、まだ居たのか」
貴音「はい、あなた様を待っておりま
P「じゃあなっ!!」
車「のヮの」ぶはぁー
ブロロロロ
貴音「あなた様…無駄ですよ」
貴音「わたくしはこの状況を楽しんでいます…」
貴音「あなた様が拒絶すればするほど」
貴音「わたくしは頑張れます」
貴音「あなた様はわたくしの事を迷惑がるかもしれません」
貴音「ですが……その反応がわたくしを駆り立てる起爆剤になるのです」
ブロロロロ
貴音「あなた様、恋は燃やす物」
貴音「諦めませんよ」
こんなやり取りを続けて行くうちに、遂にあなた様は心が折れたご様子
わたくしは、プロデューサーのお車で帰る事になりました
~車内~
P「あぁ、くそーもう始まっちまう」イライラ
貴音「…(あなた様、何故わたくしを隣に乗せてくれないのですか?)」
貴音「あの、あなた様」
P「んだよっ!?」
貴音「あ、あの(あぁっ!こ、コレです…わたくしをゴミ屑を見る様な目で見てくれている)」
コレが……快感なのですか
貴音「なぜ隣に座らせてくれな
P「黙れ」
貴音「あなた様…(んはぁっ!くうぅ)」
こ、コレが快感、快楽と言う物なのですか
P「くそがあぁあ!」
貴音「…」
もう一度、あなた様から罵倒されてみたい
あなた様…
わたくしを女に変えてくれる大切な人
すみません、あなた様
『四次元空間』
P「……」プルプル
P「んでたよっ!なんでまたここに着くんだよ!!」
貴音「あなた様…」
P「なんで!?お前を乗せるだけじゃいけないの!?は?へっ!?」
貴音「隣に座らせてくだ
P「シャラッープ!!」
あぁあっ!くっうぅ…こ、コレです
コレが…先程の快楽
この快楽に身を委ねてしまいたい
ならば、もう少しだけ
あなた様と夜のドライブを
楽しませてくださいね♡
車「のヮの」日ハム対巨人はっじまっるよー
ブロロロロ
P「んがあぁあ!!」
P「またか!またここに着いたよ!!」
P「くっそ!!」
貴音「あなた様…」
P「なんだっよっ!!!」
貴音「その、お隣に」
はあぁ…あぁっ!
あなた様、その様な表情は反則です
帰りたく無い…まだあなた様と一緒に居たい
あなた様、わたくしが嫌いですか?わたくしが憎いですか?
それでも構いません……寧ろ
そちらの方が
あなた様…
Mで病んでて粘着質だけならいいけど
能力で相手の気持ちをねじ伏せるからなぁ
その後、プロデューサーの心を折り
わたくしはプロデューサーの隣に座る事になりました
貴音「…」
P「くそっ!くそくそくっそ!」
貴音「あなた様」
P「うっせーよ!もう始まってんだよ!!」
貴音「すみません」
あぁあっあっあ!す、凄いです
その様な事を言われると……
わたくしも始まってしまいます
いえ、もう既に始まっているのかもしれません
あぁ、あなた様…も、もっと
もっとわたくしを……罵ってください
『四次元空間』
ブロロロロ
P「んぎぎぎぎぎ!!」
貴音「あ、あなたさぁ…」
P「うるっさいよ!くそ!!」
P「んだよ!隣にも乗せたぞ!!」
P「なんで!?まだなの!?」
P「まだ足りないの!!?」
貴音「あなた様…」
すみません、全然足りません…
分かっております、この行為はわたくしの未来を壊す行為になると…
ですが、この様な機会を逃す程
わたくしは馬鹿ではありません
もう少し、もう少しだけ…
快楽に
身を任せたいのです
『四次元空間』
P「ふううぅ…」プルプル
貴音「あなた様…」
P「…何時だよ」
貴音「えっ?」
P「何時になったら満足するんだよ」
満足?満足とは…どの様な状態を指すのですか?
気持ち良かったら満足なのですか?
それなら満足しています
気持ちが満たされたら満足なのですか?
それなら……まだ
わたくしは、満たされていません
貴音「今はまだ…」
貴音「その時ではありません…」
P「……」プルプル
ブロロロロ
よかった、酷いことを言われて
心を痛めてる姫ちんはいなかったんだね
ドMだったけど
貴音「あなた様」
P「……」
貴音「あの…」
P「…」
コレは……あなた様、わたくしに対する態度を変えて来ましたね
ふふ、面白いです
あなた様のそういった一面を見つける度にわたくしは燃えてしまいます
あなた様の別の一面が見たくなってしまう
見せてください…あなた様の全てを
わたくしだけに……
『四次元空間』
P「はあぁ…最悪」
貴音「あなた様?」
P「もう終わってるよ…くそ」
貴音「…」
落ち込むあなた様も素敵です
しかし、少々物足りません…
ですからあなた様、少しだけ
耐えてくださいね♡
貴音「野球など……楽しいと思った事は一度もございません」
P「……あ"?」
P「今なんつった?」
貴音「野球など、所詮は球遊び」
貴音「……力任せにぼぅるを投げ」
貴音「木の棒をふるだけのすぽぅつ」
P「……」プルプル
貴音「なにが楽しいのですか?」
P「…」
ブチンッ
P「てめぇ…」プルプル
あぁ!き、来ました♡
わたくしはあなた様のこの表情が一番好きなのです
P「力任せにボール?」
P「木の棒をふるだけ?」プルプル
PにとってはドSにしか見えないよね
P「ふ……」
P「ふざけんじゃねー!!」
貴音「あなた様…」
あぁ、す、凄いです
あなた様の怒りが爆発して…今まさにわたくしを罵倒しようとしています
P「なら言わせてもらうがな!」
P「お前だって歌うだけじゃねーか!!」
P「人の指示通りでしか動けない3流アイドルがあぁああ!!!」
貴音「あなた様…」
くふうぅ…こ、これです
わたくしが待っていた快楽
もっと言ってください、もっとわたくしを罵ってください
あなた様…最高です
未来など、この瞬間に比べたら安い物
あぁ…わ、わたくしは今満足しています
あなた様に罵られ、快楽の波に酔っております
『四次元空間』『解除』
~貴音の家~
貴音「あなた様…」
は、早く着替えなければ行けません
P「知ってるか?」
貴音「?」
P「キスってさ、お互いに感じる味が違うんだってよ」
突然何を言うのですか?
期待しても宜しいのですか?
貴音「あ、あの…」
P「…」スッ
あ、あなた様?なぜわたくしの顎をつか
チュッ
貴音「ぁ…」
あなた様、酷いです
まだ準備が出来ていなかったのに…
何故キスなどするのですか?
貴音「あ、甘い…」
あなた様の唇、少しだけ苦くて
甘く、優しい口づけでした
何時も飲んでるこぅひぃの匂い
あなた様の匂い
双方が混ざわり言葉では表しきれません
P「じゃあな」
その翌日からわたくしは、あなた様から避けられる様になりました
~悲劇の日から翌日~
ガチャ
貴音「おはようございます」
小鳥「あっ、おはようございます」
貴音「…」チラッ
P「んだよ四条」
貴音「あ、あなた様?」
四条?わたくしを名前で呼んでくれないのですか?
小鳥「ちょっ、プロデューサーさん?」
P「なんですか?」
小鳥「四条って…今までは名前で呼んでたんじゃ…」
P「お前には関係無いだろ」
小鳥「ぴよ…」
貴音「…」
あぁあっ、こ、コレは…また違う快楽の波が押し寄せてこようとしています
あぁ…も、もう少し
もう少しでこの快楽の波に乗れそうです
響「貴音、プロデューサーと何か有ったのか?」
ザパアァアン
貴音「…」
あぁ!?な、波が逃げてしまいました…
……響
あなたのせいで…
響「貴音?どうし
貴音「わたくしに関わらないでください」
響「えっ!?」
貴音「さようなら」
スタスタスタ
響「ぇ…」
タイトルにもなってる主役、ようやく登場
それから二ヶ月でしょうか…
わたくしはあなた様に無視をされ
話しかけられたと思ったら
P「邪魔だよ四条、どけ」
貴音「すみません」
んはぁああ!?す、凄いですあなた様
わたくしを人間として見てくれてないんですね!?
わたくしはあなた様から見たらゴミ屑と同類
いいです…す、凄く気持ちが良いです
わたくしはこの期間、ひたすらトイレに篭る日々が続きました
~トイレ~
ガチャン
貴音「…はぁ」スッ
わたくしはヘッドフォンと言う物を買いました
盗聴器であなた様の声を保存
それをひたすら聴く毎日
『四条、邪魔なんだよ』
貴音「ぅあぁっ…」
わたくしは自らの手で触れる事はありませんでした
『あーもう、そこどいて』
貴音「あ、あなたさまあぁっ!」
ただ、
ただひたすら声のみに集中する
あなた様に罵られ、罵倒され
わたくしは快楽の波に身を任せる
淫乱……と言われても構いません
貴音「は、はあぁっ」
最初は家のトイレでした…
次第に我慢出来なくなり、何時しか事務所のトイレでする様になりました
ガチャン
貴音「だ、ダメです…ばれてしまいます」
『うるさい、俺は今忙しいの』
貴音「んくっ…」
事務所のトイレでコレをする時にはハンカチを口に咥えています
『んだよ四条…なんも無いのに話しかけんな』
貴音「ん~っっ」
ハンカチがわたくしの唾液でびしょ濡れになる頃にはわたくしは快楽に身を任せ
ただただ、だらしなく口を開けてしまいます
ハンカチが床に落ちた時が止め時
わたくしはあなた様無しではもう我慢出来なくなっていました
それから月日が流れ、わたくしは彼女達の存在に気づいてしまいます
~夜~
貴音「…」スタスタ
貴音「あ、あれは…」
美希「遅いの」
雪歩「ごっめーん」
春香「あれ?ズン千早が居ないね」
美希「どうせミキの合図に気づいてないだけなの」
貴音「…!」
少しして
上空に巨大な浮遊物体が目の前に現れました
雪歩「こうやってね…」グググ
雪歩「なげっるね!」
ヒュオッ!
春香「出たー雪歩のスコップ遠投」
その後、彼女達の活躍により
謎の浮遊物体は沈みました…
貴音「…あれは」
貴音「如月千早?」
脱出ポットから出てきた彼女
彼女は三人を止める為に立ち上がり、返り討ちにされた
貴音「これは何かありそうですね」
わたくしは、彼女達の尾行をする事にしました
貴音「なる程」
貴音「彼女達の企みは分かりました」
貴音「少しだけ、邪魔をしてみましょう」
『四次元空間』
貴音「力だけが全てでは無いのです」
貴音「天海春香、星井美希」
貴音「萩原雪歩……如月千早」
貴音「どうですか?」
貴音「わたくしの作り出した空間のお味は」
彼女は、プロデューサー側
つまり春香側と対をなす者
貴音「明日の午前8時まで」
貴音「見えもしない壁に阻まれ続けなさい」
その後、わたくしは屋台のらぁめん屋で夜食を食し
近くの公園に向かいます
貴音「何時の間にか家から追い出されてしまいました…」
貴音「仕方の無い事です、何時も夜中まで出歩き」
貴音「トイレで自慰をする始末…」
貴音「バレるのも当然ですね」
でも今は、この人が来ない公園で
誰にも気付かれずに
貴音「…」スッ
朝まで…
『四条、何回言えば分かるんだよ?あ?』
貴音「んくうぅ…んっ」
あなた様の声を聴きながら
快楽の波に酔っております
あの…響は……いえなんでもないです、はい…
この時は、時間と言う物に縛られないでいられます
耳元で囁かれるあなた様の声
『あのさぁ、違うだろ?ここはこうなの』
貴音「ぁあっ…」
とろける様な感覚、眼を瞑ればそこにあなた様が居る様な気がします
貴音「はあぁ、あ、あなたさまぁ…」
『だーかーらー!違うって言ってるだろ?』
わたくしは変態なのですか?わたくしは普通じゃないのですか?
そんな疑問も、あなた様の声により頭の中から無くなってしまいます
今は、ただ、身を任せていたい
貴音「んぐうぅっ!」
外が明るくなる頃、わたくしは果てています
貴音「っはぁ…はぁ…」
足に力が伝わりません、わたくしはトイレに倒れ込みます
貴音「あっ……はぁ」
このまま、わたくしを流してください
トイレにそう願い中に貯まったティッシュを流します
貴音「わ、わたくしは……なにを」
我に返る時、恥ずかしさと羞恥心が同時に襲いかかり、死にたくなります
貴音「きょ…今日は…」
貴音「事務所に…い、行けそうにありません…」
貴音「はぁ…」
トイレから出る時に、改めて朝が来たんだなと痛感させられます
貴音「つっ…」
太陽が、痛く、身体が、だらしく
思う様に動けない自分が情けなくなります
貴音「……」スッ
わたくしは、何時しか出歩く時もあなた様の声を聴く様になりました
『おらっ、そこ邪魔だって』
貴音「っ…」
絶対に声をあげてはいけない
この緊張感がまた、わたくしを奮い立たせます
『四条…邪魔だから』
貴音「んっく!?」
通行人にバレたかも知れない…
もう、そんなのどうでもよくなります
今、わたくしはあなた様と一緒
二人だけの世界、周りなど見えなくなります
『はあぁ、なんで着いてくるの?』
貴音「ひぁっ…んんっ」
わたくしは変態、分かっています
今、この時、この瞬間を楽しんでいます
『四条、お前さぁ、しつこくないか?』
貴音「はあっ、す、すみません」
多分、わたくしを見る人は不思議がるでしょう
何故変な声をあげているのか?何故ぶつぶつ喋っているのか
貴音「は、はぁ…」
『っわ!?な、なにお茶こぼしてんだよば!』
貴音「あ、あなた様…す、すみましぇん…い、いまいれかえます…」
周りが見えなくなる時、わたくしは果ててしまします
は?何書いてんだ俺?
ごめんなさい、お腹が激痛です、コーヒーのせいです
保守、よろしくお願いします
なに素になってんだよwww
すみません、自分の作品は基本読み返さないので分かる人教えて下さい
確かこの日にラーメン一休でプロデューサーと会うんですよね?
電柱に支えられ、何とか立ち上がります
ふと我に返ると、周りにはわたくしを見る通行人
不思議がられるのも無理はありません
わたくしは…先ほどまであなた様に狂わされていたから
貴音「…」
恥ずかしい…逃げ出したい
だけど、身体が動いてくれません
貴音「会いたい…」
一言、溜まっていた物を吐き出す様に呟きました
貴音「あなた様に……会いたい」
四人を能力で閉じこめた翌日ならそう
太陽の日が痛く、歩く行為が苦痛に感じて来た時
わたくしはヘッドフォンを耳に当て、あなた様に会いに行きます
『あぁ、おはよ』
貴音「お、おはよぅございます…」
ゆっくり、ゆっくり歩いて行きます
街中で、ヘッドフォンを付けているのはわたくしだけ
見られてる?分かりません
今はあなた様と一緒、あなた様と二人っきり
『わかったから近寄るなっつーの』
貴音「んくっうぅ…」
声をあげる度、恐くなります
おかしくなりそう、あなた様のせいです
でも、それが気持ちいい…
そうさせたのもあなた様です
しかし茨の道だか修羅の道ってオ○ニー三昧の事だったのか
貴音「はぁ…」グルルル
いくら気持ちよくても、空腹には勝てません
ですが、わたくしは財布を持たない為、耐えるしかありません
今までもそうやって耐えて来ました
たまに家に寄り、何かを貰って食べています
『なぁ四条、お前バカじゃないの?』
貴音「はぁっ…あ、あなた様…しゅ、しゅみませ…ん」
空腹を満たす魔法の呪文
あなた様の言葉、罵声、凄く気持ちがよくなります
貴音「あっ…は、はあぁ」
止めなくちゃ…でも止められません
止まりません……
貴音「か、かっぱえびせん…」
貴音「……あぁ、お腹が…」グルルル
意識が朦朧としてきます、当たり前です
夜から今の今まで、自慰行為に明け暮れていました
貴音「な、なにか…食べなくては」
当ても無く、お金も無いわたくしが行く所
それはトイレ……公園までの道のり
貴音「はぁ…む、無理です」
この日、初めてコンビニのトイレで自慰行為をしてみようと考えました
貴音「…」
今は空腹を紛らわさなければ…
すみませんあなた様…
その為だけにわたくしは、あなた様のお力を借ります
ごめんなさい
ガチャ
貴音「は、はあぁ…」
コンビニのトイレ…公園のトイレと違い、綺麗で、優しく、温かい
貴音「…」スッ
わたくしはハンカチを口に咥え、あなた様に会いに行きます
狭い個室、しかし、綺麗で、明るい部屋
『なにやってんだっつーの!バカ!』
貴音「んっ…く」
あなた様、気持ち良いですか?わたくしを罵って楽しいですか?
貴音「…っ…んっ!」
わたくしは気持ち良いですよ?あなた様の声を聴けて
あなた様に罵声を浴びせられて
『あぁああ!なにやってんだよ』
貴音「っっ!?」
身体をくねらせ、絶頂を迎えます
身体が熱い、また…あなた様にめちゃくちゃにされてしまいました
貴音「ぁ…」
ハンカチが中に落ちてしまいました、わたくしは拾い上げる気力もなく
そのままハンカチを流します、恥ずかしさと共に……
貴音「…」
出なくちゃ行けないのに……もう少しだけ
わたくしは自分が分からなくなってしまいます
あなた様に狂わされ、獣になって
でもそれが嬉しくて、気持ちよくて
気がつけばまたあなた様に会いに言ってます
あなた様の声……も、もう限界です
会いたい、会って直接言われたい
貴音「だめ……」スッ
ヘッドフォンを首にかけたち上がろうとした時
貴音「あっ!」
ヘッドフォンをトイレに落としてしまいました
頭の中が真っ白になりました
何が起きたか理解するのに数分
貴音「あ、あなた様…」
気がつけば目の前が酷くボヤけ、頭を掻き毟っていました
涙と鼻水で顔がくしゃくしゃに、手には無数の髪の毛
貴音「ぁああ…あっ…」
あなた様に会えなくなった…それだけで死にたくなりました
また買えば良いのかもしれません
ですが今のわたくしに、その様な考えは浮かぶ訳も無く
ただただ、泣く事しか出来ませんでした
貴音「ぅ…ぁっぐ……ぅ」
店を出る前に時間を確認するとちょうど昼時
わたくしは何も考えれず、ただ歩いていました
貴音「……」
無言、いえ、出そうにも声が出せません
真っ白なのにぐちゃぐちゃで、真っ黒なのにさらさらな
奇妙な感覚……あなた様に会えない
あなた様に会いたい
貴音「…」
ただそれだけ、神様に祈りました
あなた様に……大好きな人に
会いたいです
お願いします
願いが……届きました
しえん
わたくしの大好きな食べ物、らぁめん
無意識のうちに辿り着いた所に……大好きな人が居ました
貴音「プロデューサー」グルルル
多分、聴こえて無いでしょう、お腹の底からだす声に……響が気づいてくれました
響にやよい、わたくしの大切な仲間
ですが、今は目の前の…あなた様しか見えてません
P「いや…なんで四条が店の前に居るんだ?」
あぁっ、わたくしの頭が満たされて行くのが分かりました
あなた様……大好きです、だ、だから今だけはわがままを聞いて下さい
貴音「プロデューサー、何故名前で呼んでくれないのですか…」
駄目元での一言…あなた様、だめですか?
わたくしを名前で呼んでくれませんか?
貴音「あぁ…」
聴こえなかったのですか?わたくしが変態だからですか?
お願いです、あなた様…
P「ほっとけ」
あっはあぁ…い、今すぐにでもあなた様を抱きしめてしまいたい
それが出来るならわたくしは…死んでも良い
やよい「プロデューサー、貴音さんも一緒に
P「シャラーップ!」
やよい、もう良いのですよ、悪いのはわたくし、ですからもう
P「俺は忘れねーぞ、四条のせいで俺は……俺は」
貴音「あなた様…」
P「その名で呼ぶんじゃねー!」
んやあぁっぐぅ!や、やはりわたくしは変態なのですね
凄く気持ち良い……再確認させられました
あなた様…あなた様っ!
貴音「あぁっ、」
だらしない悲鳴が口からこぼれ落ちました
恥ずかしい…二人に聴こえてる、それを考えただけで下半身が熱く、冷たくなるのが分かりました
響「貴音ー、大丈夫?」
響…情けない限りです、わたくしはもうただの変態、プロデューサーに狂わされたケダモノ
あなた様……わたくしを助けてください
甘えさせてください、ヘッドフォン無き今、あなた様に会えない今
わたくしを……救って下さい
貴音「お腹が……空きました」グルルル
P「ほら、二人共、入るぞ」
はあぁっ!股が濡れているのがわかります
助けを懇願して、それを打ち砕かれて、わたくしは快感に浸っている
そんな自分が……大好きです
響「プロデューサー!貴音がかわいそうだぞ!」
やよい「そうですよ!」
貴音「響、やよい、良いのです…悪いのはわたくしですから」
貴音「あぁっ」
P「……」
そ、そんな目で見ないでください…ま、また逝ってしまいます…
あ、あなた様…あなた様
おまえは本当になにを書いているんだ?www
そんなわたくしを見兼ねたのか、あなた様はわたくしを救ってくれました
貴音「あなた様…ありがとうございます」
それ以外の言葉を思いつけなかった
その言葉以外言えなかった
P「くったら帰れよ」
あなた様のその一言が、わたくしの心を満たしてくれた
大好きな人に、救われた、助けてもらった
貴音「あなた様…」
やはりあなた様は…わたくしにとって無くてはならない存在
ありがとうございます……ありがとうございます
大好きです、あなた様
うひひ……アホですね
小鳥さんが可愛く思えるくらいの変態っぷりです
一時間程仮眠を取らせてください、そろそろ貴音編も終わらせます
まぁマジキチと違って一部に需要あるだけ全然有りだな
ゆっくりおやすみ
響は犠牲になったのだ
んあー
あ?
城之内はいつ死ぬの?
保守だドン
P「くっさ」
響「!?」
P「くっさ」
響「だぞぞ!?」
Re:>>1へ
……ウソつき(><)
最後のレスからちょうど一時間か
P「それで、俺の車に無理矢理乗ったんだよな」
貴音「あ、あなた様!?」
P「ん?どうした貴音?」
貴音「なぜですか?今から良い所なのですが…」
P「貴音のオナ日記なんて見たくねーよ」
貴音「あ、あなた様…」
P「じゃあさ、俺は風呂入ってくるから」
貴音「……はい」
P「ばいび~」
貴音「…」
そう言い残すとあなた様は脱衣所に向かって行きました
あなた様の家、あなた様の匂い、幸せがいっぺんに襲いかかり気が気でないのですよ?
貴音「…あ、あなた様の枕」
何故か中身がくり抜かれていましたがわたくしはあなた様の枕を手に取り
貴音「…んっふ」
顔を押し付け、あなた様のベッドに横になり
貴音「あ、あなた様がいけないのですよ…わ、わたくしを変えてしまった……あなた様が」
疼く股に手を……わたくしはその日初めて
自らの手を使い
クチュ
貴音「ん"っ!?」
自らを汚してしまいました
おかえり
良いアイドル事務所は見つかったか?
部屋中に響き渡るわたくしの恥ずかしい音
自分でも何をしているのか分からない…
貴音「んっ……ぁっ」
ただ、あの時と同じ様に
快楽に……身を任せ
貴音「ぁあっ……んっく」
自らをケダモノに変え
わたくしは……初めての感覚に戸惑いながらも
貴音「…ぁっ、あなたっ…くふぅ…」
初めての筈なのに、わたくしの指は
いやらしくわたくしを弄ぶかの様に
わたくしを気持ちよくしてくれました
貴音「あっぁっ…あ、あなった…さ、まぁ…」
絶頂を迎え様とした時
ガチャ
遠くから、ドアを開ける音が聞こえました
P「あはは、俺とした事がタオル忘れちまった」
あなた様の声が聞こえた時、止めなければならないと分かっていたのに
貴音「ぅっぐっ…ぁっああ」
わたくしは、あなた様の足音を聞きながら
あなた様の声を思い出しながら
貴音「……っぐうぅっ!」
ピクンと身体が跳ねたと同時に、わたくしは絶頂を迎えてしまいました
声は聴こえなかったのに……
貴音「あっぁ……」
わたくしは自らの指で、果ててしまいました
P「えーっと、タオ……」
魔法が解ける瞬間、我に返るも
もう元には戻らない
P「なっ…」
あぁ、あなた様…その様な眼で、わたくしを見ないでください
貴音「あっ…はぁ…」
だらしなく開いた口から、わたくしの唾液が枕を濡らしました
あなた様は引きつった表情でわたくしを見ています
P「…た、貴音」
ずっと隠していた事、わたくしの本当の姿
嫌な筈なのに
恥ずかしい筈なのに
逃げ出したい筈なのに…
わたくしは、あなた様の目の前で
貴音「あ、あなた様…」
再び……自慰を
貴音「わ、わたくしを……み、見ていてくださいね」
再び部屋に響くわたくしの音
いえ、わたくしはアイドル…声、と言った方がいいのですか?
答えてください…あなた様
貴音「んっあ"……っぐっぅ」
見てくださいあなた様、わたくしを観て…
あなた様に魅せます、わたくしの全てを
P「……」
なぜ動かないのですか?わ、わたくしの悪い所を教えてください
わたくしを叱ってください、わたくしを罵ってください!
貴音「ぁあ…あっ、なた…しゃ、しゃま」
もう、自分が何を言っているのか分かりません
ただ、わたくしの声を聴いてくれているあなた様を見るだけで
わたくしの指が勝手に…わたくしを気持ちよくしてくれてます
P「あ、あの…」
あなた様が近づいて来てくれてます
わたくしの為に、あなた様が
貴音「んっ…あっぁ」
先程とは違い、今度は乱暴に自らを傷付けます
わたくしの声が……一層、部屋に響き渡ります
P「貴音…」
き、来てください、来てわたくしを貶してください!
変態なわたくしを!!あなた様に変えられてしまったケダモノを
叱ってください!あ、あなた様!
貴音「んあ"っあぁ!ぐっうぅうっ」
身体が跳ね上がり、わたくしは
あなた様の目の前で、再び絶頂を迎えました
「俺!パンツ内(なか)で出すぞ!」
貴音「はあぁ…あっは、はっぁ…」
また、口からわたくしの一部が零れ落ちます
身体に力が入りません、こんなに気持ちよくなったのは初めてです
どうですか?あなた様…
コレがわたくしの本当の姿ですよ?
気持ち悪いですよね?だったら叱ってください
一緒に居たく無いですよね?だったらわたくしを思い切りぶってください
貴音「あにゃひゃ…ひゃま」
もうわたくしはここには居られません
せっかく手にしたチャンスをわたくしは自ら投げ出してしまいました
P「…」スッ
貴音「んあっ!」
刹那、頭の中が真っ白に成りました
あの時と同じ感覚に落ち入り、わたくしは考えるのを止めてしまいました
P「ほらっ、唾液、拭いたから…」
あなた様の手のひらの上で輝いている物
わたくしの唾液…
自らの手で、わたくしの汚い唾液を
あなた様は優しく……拭ってくれました
貴音「……」
優しくしてもらった?あなた様に?
殴られる事も無く……叱られる事も無く
わたくしを……こんな、わたくしを?
P「ほら、枕貸せ、変えるから」
貴音「は、はい…」
そう言うも、枕さえ持てない程に脱力してしまっているわたくしは…
返事をするだけでやっとでした
まだ全身がピリピリする、身体が熱く、中から掻き回されている様な感覚
最高に気持ちよくなった証拠
わたくしがわたくしになった証
P「んだよ?枕も持てないのか」
すみません、あなた様…
P「ったく、しゃあねぇ、ホラっ、貸せ」
そう言うとあなた様は、わたくしが両手で押さえつけている枕に手を伸ばしました
甘えてしまおう…今だけは許してもらえるかもしれない
悪魔の囁きが聴こえました
駄目…そんな事をしてしまったら、本当に……本当に終わってしまいます
P「…」スッ
貴音「…ぁ、な、…た様」
何も聴こえなくなりました、世界がゆっくり流れて行く様な気さえしました
あなた様が……近くに…
わたくしのそばに…
あなた様の手がわたくしの顔元にきた時
P「おわっ!?」
両の腕を絡ませて、あなた様をわたくしの元に
出ない筈の力、先程まで枕さえ持てかった筈なのに
思い切り、引っ張りました
ベッドが大きく揺れました
P「いっつぅ…」
こんなにも近くにあなた様を感じたのは二度目
最初はあの時……あなた様に教えてもらったキスの味
貴音「…あなた様」
忘れた訳では有りません…忘れる筈が…
ですがあなた様、もう一度、もう一度だけ
今度はわたくしが…あなた様に
P「た、貴音!や、やめっ」
右手を首に絡ませ、左手で頬を支え
あとは……わたくしが
貴音「あっ…」スッ
今度は、わたくしのターンです♡
何度か、観た事は有りました
テレビで……映画で
わたくしがあなた様に教えてもらったキスは…
お互いの唇を重ねるだけのキス
貴音「んっぷ」
わ、わたくしがあなた様に教えたいのは…
テレビやっ、映画などで観る
P「っ…」
あなた様の中に、入って行くのが分かります
舌と舌を絡ませて、お互いを感じ合う
大人のキス
ジュリップリュッジュルュ
あぁ、こ、このキスは…す、凄いです
あの時とは全然違う、頭の中がふわふわするのではなく
貴音「んっじゅりゅ……んっ…っ」
頭ではなく…か、身体であなた様を感じれる
もう、死んでも良い、今、この時を楽しみたい
P視点だと酷いことになってそうww
夢の様な時間も、何時かは終わりを迎えてしまいます
息が続かず、あなた様から顔を離す時
わたくしはずっと、あなた様のお顔を観ていました
どうでしたか?わ、わたくしのキスは?
気持ちよくなってくれましたか?わ、わたくしは気持ちよかったですよ?
貴音「ぁ…」
あなた様の吐息がわたくしの髪を靡かせます
もう……お終い
貴音「…す、」
せめて…最後に謝らないと……
無理矢理、あなた様を拘束し、無理矢理、唇まで奪ってしまった
恥じるべき行為…謝る事しか出来ません
貴音「す…」
頭では分かっているのに……謝らないといけないのに
恐い……
あなた様との関係が終わるのが…恐い
嫌です、嫌です……
分かってます、わがままな事くらい
分かってる……筈なのに
貴音「……ぅ…ぐ…」
止めどなく流れる涙を、拭く事さえ出来ません
熱いのに…熱い筈なのに
身体が震えてしまいます……
P「……」
次の瞬間、あなた様から漏れる言葉を
わたくしは受け止める事が出来ませんでした
P「…」
P「下手くそ」
な、何を言っているのですか?
下手くそ…そう聴こえました
どういう意味ですか?わ、わたくし以外に…
P「全然駄目」
視界がボヤけ、頭痛がします
駄目?駄目って……あ、あなた様?
もしかして、初めてでは無いのですか?
貴音「ぅあ…っあ…」
多分、今のわたくしの顔は見れた物じゃ無いでしょう
くしゃくしゃになっている……自分でも分かる位に
P「これならさ…」
聞きたく無いっ!あなた様!お願いです!
もう何も言わないでください!お、お願いします
今だけは…今だけはわたくしだけのあなた様で居てください!
P「律子の方が上手かったよ」
何かが……わたくしの中に有る何かが
音を立てて、崩れ去りました
律子?
律子とは、あの律子ですか?…
水瀬伊織、双海亜美、三浦あずさ
この三人をプロデュースし、竜宮小町を結成させたあの……秋月律子…ですか?
頭の中がぐちゃぐちゃになりました
心臓が痛い…胃がきりきりします……
P「あはは、嘘だよ嘘」
秋月律子…わ、わたくしは、秋月律子以下…なのですか?
比べられて……ま、負けてしまいました
P「おーい、貴音?貴音ったら!」
何も聴こえません、何も聴きたく有りません
わたくしは、意識が遠のくのを感じ
P「た、貴音!?おい!貴音!!」
そのまま意識を失いました
~濡れ濡れお姫ちん~
第
一
話 あなた様
終わり
すみません、19時まで時間をください
次はやよい編です
ちなみにやよい編、やよい好きなら見ない方が良いですよ
長介が死んじゃいました、突然の爆発
私はどうにか打撲程度ですみました
ただ……弟の長介は
やよい「…」
お父さんは喜んでました、保険金が貰える…またスロットや競馬に行けるぞって
やよい「うっうー…」カシュッ
焼肉屋の帰り、車内で私は、お父さんに買ってもらったビールを開け
やよい「…」ゴクゴク
喉の渇きを潤す様に、苦いビールを流し込みました
~やよい編~
始まります
キタ
やよいにはヨゴレやってほしく無いぬ
揺れる車内では、弟達と妹達が互いに寄り添い合う様にして寝ています
私は眠れませんでした……何故なら
父「ぶわっははははwwww」
父の耳障りな声、酒を呑んでまだ30分と経っていない筈なのに
父は車を運転しています
やよい「…」グシャッ
利き手で缶を握りしめ、父に投げます
ふわりと宙を舞う缶は…
父の頭を直撃、しかし酔っ払っている父には効く訳も無く
父「あははははwwww金金w金www」
父を調子づかせるだけでした
貴音はもうイラネ
やよい「…長介」
焼肉屋では、プロデューサーと響さんに心配をかけたくなかったので
無理に明るく振舞ってました…けど
やよい「ぅ……ぅっう…」
最愛の弟、私が事務所に…アイドルのお仕事の時には何時だって長介が
長介「やよい姉ちゃんは心配しなくていいって」
長介「俺に任せてよ!」
まだあどけなさが残る弟の背中は
小さくて…とても大きく見えてました
やよい「ぅっぅー…」
父「なははははwwwもうすぐ着くぞww」
車内に響き渡る騒音、私の胸は怒りで満ち溢れていました…
今すぐこいつを殺したい、四肢を引きちぎり、海にでも流してしまいたい
やよい「え?どこにですかー?」
どこでも良かった、早くこいつと離れたい
それだけがこの言葉を放った理由なのかもしれない
父「んっふっふ~wwww内緒www」
亜美ちゃんと、真美ちゃんの真似ですか?
ふざけんなです…
やよい「う、ぅっぅー…教えてほしいですぅ」
思い切り甘えた声で父に問いかけてみる
まぁ…どこでもいいんですけど
次の瞬間…父の口からとんでもない一言が耳を貫いた
父「ラブホwwwww」
やよい「えっ」
ラブホ?ラブホテルの事ですか?
一瞬記憶が飛んで訳が分からなくなってしまいました
やよい「ら、ラブホって…な、なんですかぁ?」
父「パコパコする所だよwwww」
嘘じゃなかったんだ……私の聴き間違いじゃなかった
わ、私達はまだ未成年、まだ入れる訳が無い
やよい「うっうー、でもまだ入れないんじゃあ」
父「だいじょうVwwwww」
思い切りブレーキを踏みたくなりました
でも、弟と妹が居る…
それだけが今の私を押さえつけていてくれる…
弟と妹に感謝です…
やよい「うっうー…」
ちょいこのビッグダディを埋めてくる
車を走らせて30分、私達は父の言うラブホテルに着きました
父「おら!起きろお前ら!!」
父は気持ち良さそうに寝ている弟妹をまるで汚物を触るかの様に雑で
手荒に引っ叩いていました
やよい「…」プルプル
我慢の限界…だけど父が死ねば宿の確保が困難になってしまう
弟妹達の為……我慢します
やよい「は、早くはいりましょー」
父「わかったヨン様wwww」
私は足元の石を拾い上げ
父の目を目掛けて投げつけました
父「ひぎゃあぁあああ!」
やよい「うっうー!」
四様できれたのかwwwwww
父は右目を抑えながらゆっくりとホテルへ足を運んで行きます
やよい「…ざまぁみろ」
つい零れた私の本音、父には気づかれませんでした
けど、妹の耳に入り、父を観て爆笑
かすみ「ぷっwwwあははは」
笑い声に気づいた父は、妹のかすみを持ち上げて
とんでもない行動に移りました
父「おいおっさん」
汚っさん「ん?」
父「こいつ、俺の娘だ、5万でどうだ?」
目を疑いました、どんなに屑な父親でも娘は娘
何を言ってるのか理解が出来ず、ただその場に立ちすくんでしまいました
かすみ「お、お父さん!?」
父「うっせーよ!ミリゴ打ちにいきたいんだよ!」
ミリゴ?その言葉に聞き覚えがあります
父がそう言って家を出た日には、決まってお財布が空になっていました
汚っさん「うひひ、5万でいいんだな」
かすみ「や、やだ!嫌だよ!お父さん、助けて!!」
父「へへ、毎度」
汚っさん(俺)「うひひ、5万でいいんだな」
やよい「あっ…」
やっと我に返りましたが……もう妹は目の前に居ませんでした
初めて見る衝撃の光景に目の当たりにしてしまった私は
やよい「か…かすみ」
もう会えないであろう妹の名前を
ひたすら呼び続けていました
やよい「かすみ!かすみ!かすみー!」
父「おい、父さんパチスロ行くから、後は頼んだぞ」
後は頼んだぞ?えっ、わ、私
お金持ってませんよ?
やよい「あ、あの」
父「じゃあねwwww」
騒がしい笑い声が、私の脳を揺らしました
妹が居なくなったこの場所で
一文無しの状態で……弟達を任されました
やよい「あっ…」
一番最初に私を襲ったのは、恐怖
見ず知らずの地に、弟達を任され
一文無しの状態で……私に何をどうすれと?
幸いさっきの焼肉で、満腹になってはいましたが
胃が痛み、吐き気に襲われ
その場で……
やよい「ゔっぶ」
床に全て吐き出してしまいました、受け付けに充満する異臭
弟達は苦しそうに私を見つめていました
ごめんっね…こんなお姉ちゃんでごめんね
弟(名前わかんねww)「やよいお姉ちゃん、大丈夫?」
弟が私の元に駆けつけてくれ、私にティッシュを渡してくれました
恥ずかしい……護ってあげなきゃいけない存在に、私は護られて
私が勇気づけなきゃいけないのに、逆に勇気づけられて
やよい「ぁっ…ぅっぐ…」
自分の無力さを痛感させられ、私は自分が吐いたゲロに顔を埋めて
泣き崩れました
やよい「ぁっ…あぁ…ぐうぃ…」
数分後、受け付けのお婆ちゃんが私の元に駆けつけてくれました
泣き崩れている私をよそに、お婆ちゃんは雑巾を持ってきてくれました
やよい「ぁっ、りがどげっざい」
お礼を言うつもりだった、だけど口から出るのはゲロと、言葉になっていない言葉
お婆ちゃん「…あんた」
私に寄りかかり背中をさすってくれました
気休め程度にしかなりませんが、何より私の為にしてくれた
その事に対して嬉しくて嬉しくて
私は顔をあげ、ちゃんとお礼を言おうと思ったやさき
べちゃ……
お婆ちゃん「きったないねぇ、早くお拭き!」
雑巾を顔面に投げつけられました
婆死ね
やよい「すっ、すみません」
お婆「あらやだもーくっさーい」
先ほどまでの好意が嘘の様な豹変っぷりを目の当たりにし、私はまた泣きそうになりました
お婆ちゃん?わ、私の為にさすってくれたんじゃなかったんですか?
な、なんで…
お婆「早く拭いてもらわないと客から苦情がくるんだよ!!」
お婆ちゃんの言ってる事は正しいと思います、いきなり床にゲロを吐かれたら誰だって嫌になります
けど……だ、だけど
困ってる人には、優しくするのが…
お婆「ほらっ!拭きな!」
やよい「ゔっ…」
お婆ちゃんの足が私のお腹に深く突き刺さり、胃の中に残っていた食べ物全てを
やよい「ゔっぶぅおえっ」
床に吐き出しました
お婆「あー臭い臭い」
床に倒れこむ私に浴びせる罵声、な、なんでそんな事言うんですかぁ?
な、なんで私を蹴るんですか?
やよい「ゔっゔ…」
鈍い痛みに耐え切れず、身体が悲鳴をあげました
息が出来ず、床にのたうち回る私…弟達にはどう映るのだろう
やよい「ぅ…ぅー…」
考えたくもありません、きっと幻滅してる、だから私は顔を隠す様に蹲りました
やよい「ぁ……ぐぅ」
もういっその事、このまま目を瞑って終わりにしたい
全部夢、そう…全部夢なんです
私はこの痛みに身を任せ、静かに瞳を閉じました
痛みが和らぐ気がして…先ほどは分からなかった冷たい床の感触
やよい「……」
このまま、瞳を開ければ、何時ものように皆でご飯を食べているんだ…
長介も、かすみも……だから、これでお終い
やよい「うっ!」
頭に伝わる冷たい感触、顔を上げるとそこにはコップに水を注いで立ち尽くす弟達が居ました
浩太郎「やよいお姉ちゃん…起きてよ!」
私の弟、大切な家族、浩太郎が私を見て泣いていました…
なんで泣いているの?居たいのは私だよ?浩二郎はどこも痛くないんだよ?
浩司「お姉ちゃん、どいて、僕が床拭いたげるから」
浩司?なんで私の吐いたゲロを拭いてるの?
私が吐いたんだから私が片付けないと
まだ食器も下げた事のない浩司の行動に驚きと、自分の不甲斐無さ
双方がいっぺんに私に襲い掛かり、私は言葉を失いました
俺「やよい!助けにきたぞ!!大丈夫か!!」ドーン!
やよい「!!…俺…さん…!」
受け付けの方に目をやると、先ほどのお婆ちゃんがタバコを吸っていました
やっぱり手伝ってくれないんだ…私達を見てなんとも思わないんだ
私は酷い虚しさと、ほんの少しの悔しさに我を忘れ、殴り掛かろうと思いましたが
浩司「終わったよ、お姉ちゃん」
浩司の一言が、私を連れ戻してくれました
コップを持ったまま動かない浩太郎に目をやると
浩太郎も涙と鼻水で顔がくしゃくしゃになっていました
やよい「こ、浩太郎…」
私は二人を抱きしめ、泣きました
悲しさと切なさと、虚しさが頭の中で混ざってしまい、何を考えて良いのか分からないまま
ただただ、弟達と、ホテルの受け付けで泣きました
それでもPなら…Pならきっとなんとかしてくれる
やよい「あの…」
どれ位泣いたのか覚えていません…ただ、泣き終わった後にしなければ行けない事
それが宿の確保
お婆「なんだい、さっきのゲロしゃぶかい」
お婆ちゃんからのとびっきりの悪意、私は耳も傾けずお婆ちゃんに問いかけました
一泊、どれ位かかるのか、それだけを
お婆「はっ、一人2500円だよ」
そう言い放つと、新しいタバコに火をともし、嫌味ったらしく私を睨みつけた後
後ろを向き、私の方を見ようとしませんでした
やよい「ありがとうございました」
それだけ、多分なんの感情も込めずに言ったありがとうはコレが初めてです
やよい「……」
お金が必要、だけど一銭も無い私に出来る事
やよい「……ありました」
思い立つ悪魔の策
すみません、汚風呂に入らせてください
しかし難しいですね、地の文章って言うんですか?頭ん中ぐるぐるになっちゃいます
それでは、保守、よろしくお願いします
しかし戦闘美希書きたいとか言ってたのに
このままじゃまずバトルまで行かないだろw
コブラがアップを開始したようです
>>579
ヒュー
やよい「うっ…う゛ぅぅ……」
やよい「やだあぁぁぁぁぁ!!!プロデューサーさぁぁぁぁん!助けてぇぇぇぇぇぇえぇぇぇ!!!!!」
>>585
P「うひひ、今助けるよやよい」グヘヘ
やよい「ちょっと浩司、こっちの部屋には来ちゃダメっていったでしょ……」
浩司「だって……姉ちゃん、泣いてるんだもん……」
>>586←お巡りさんこいつです
~2年前~
P「今日は皆に新しい仲間を紹介しちゃうよ」
事務所のドアの前で私は、震えていました
『アイドル、やってみないか?』自らをプロデューサーと名乗る男性に声をかけられたのが始まりでした
夕方、近くのスーパーで買い物をしていた私は、夕飯のオカズにと思いお豆腐を買おうとしていたんです
やよい「うーん……」
目の前の棚には何も無く、既にお豆腐は売り切れていました
私はしょうがないと思い大根を見にいったんですけど、私が見るに形が悪いのしか残ってなくてすっごく困っていました
そんな時です、私の後ろから私を呼ぶ声が聴こえたのは…
P「あのさ」
突然の出来事に驚いてその場に転んでしまいました
P「だ、大丈夫かい?」
そう言うと、お兄さんは私に手を差し伸べてくれました
私はお兄さんの手を借りて何とか立ち上がり、お礼を言おうとすると
P「あのさ、君、豆腐欲しいんだろ?」
お豆腐ですか?確かに欲しいですけど、お兄さんのを譲ってもらうのは嫌だったので
断ろうとして口を開けた時にお兄さんが私に
P「いや、俺さ、4つ持ってんだよね、豆腐」
そう言うとカゴの中からお豆腐を取り出して私に見せてくれました
やよい「あ、あの」
P「君さ、さっき豆腐の棚見ててがっかりしてただろ?」
お兄さんは私の事を見ていたみたいです
少し怖くもなりましたがお兄さんを見ている内に自然と私の顔から先ほどの警戒心も無くなっていました
P「で、何個必要?あっ、4つ!とかは無しだよ?」
やよい「い、良いんですかぁ?」
普段、絶対にそういう事はしなかった私がつい口に出した言葉
私自身びっくりして慌てて口を両手で塞ぎました
それを見ていたお兄さんは笑顔で私にはなしかけてくれます
P「あのさ、君、まだ若いんだろ?だったら遠慮すんなって!」
やよい「で、でも」
P「あー……だ、だったら3つあげるから!」
やよい「えっ?」
やよい「あ、あのっ」
半ば強引にお豆腐を私のカゴの中に入れてくれました
嬉しい…かったんですがそれより申し訳無いと思い
やよい「いいですよぉ、コレはお兄さんのぶんです」
P「なっ、人の好意を無駄にしちゃうの?」
好意?私にですか?
知らない人、初めて会う人から言われた言葉
素直に受け取るのが正解なのか、受け取らないのが正解なのか
頭の中で考えてる時に
P「じゃあさっ、それと交換!なっ?」
エロゲには共通ルートというものがあってだな
私のカゴの中に有る人参を指差しお兄さんは私に言います
P「なっ?交換なら良いだろ」
やよい「交換…ですかぁ」
人参ならまだ向こうに有る事をお兄さんは知ってる筈、ならどうして?
やよい「な、なんで親切にしてくれるんですか?」
P「へっ?」
思った事を口にしてみたところ、目の前のお兄さんは困ったのか考え込んでしまいました
私はその隙にここから離れようと思ってたんですけど、お兄さんの方が早く私の質問にこたえました
P「困ってたからかな、君が」
タイトル通り響がぼっちのまま出てこないで終わる予感
Pは何重人格なんだろうか……
そう言うとお兄さんは私のカゴの中の人参を取り出して私のカゴにお豆腐を入れてくれました
P「実はさ、俺、君と会うの初めてじゃないんだよね」
やよい「えっ?」
わ、私と会うのが初めてじゃない?
私はお兄さんと会うのは初めてですよ?ま、まさか…ストーカー
やよい「ああ、あのっ!私もう、帰ります!」
P「ちょっ、待ってよ!」
お兄さんに手を掴まれ持っていたカゴの中の物をぶちまけちゃいました
P「おわっ、わ、悪い!」
結局、私はお兄さんに助けてもらい、そのまま買い物を済ませたんですけど…
やよい「あ、あの…」
P「ん?どうしたんだ」
やよい「なんで私に着いてくるんですか?」
P「な、なははは」
なんで笑ってるんですか?私、本気なんですよ?
P「えっと、自己紹介がまだだったよね」
プロデューサー、お兄さんはそう呼んでくれと私にお願いしました
やっぱり逃げた方が良いんじゃないんだろうか、知らない所に連れていかれるんじゃないだろうか
怖くなり、私はその場に固まりました
やよい「…ぅ」
P「?」
やよい「うっうー!誰かー助けて下さ~い!!」
お腹の底から声を出し、私は助けを求めました、この人に関わっちゃ駄目だ
絶対に良くない事が起きる…そう思い私は力いっぱい叫びました
お兄さんはと言うと、叫んでる私を見ているだけ、何もしようとはしてこない
ただ……じっと私を見ている
P「…あははは」
えっ?わ、笑ってる?何でですか?
もしかして私を馬鹿にしてるんですか?
P「オッケー!!合格!」
大きな声でそう叫ぶと私の方に近寄り、肩に手をかけ私に一言
P「アイドル、やってみないか?」
え、えっ?な、何言ってるんですか?あ、アイドル?
やよい「あ、あっ…」
P「今の君の声聴いてさ、やっぱりなぁと思った」
やよい「あの…わ、私」
言葉が詰まる、恐怖よりも驚きが私に襲いかかってきました
アイドル?あ、アイドルって、あのアイドルですか?
まだ頭の中がぐるぐる回って状況を理解出来ません、この人、いや、プロデューサーは何を考えてるんですか?
P「俺さ、765プロの者なんだけど」
765プロ?聴いた事無いです、私、そういう事全然知らないから
で、でもこの人は私をアイドルにしようとしてくれてる?
やよい「あのっ!」
P「ん?どうしたんだ」
やよい「あ………」
駄目だ、何考えてるんだろ、ただでさえ学校から帰って来てこうして夕ご飯のしたくをしなきゃいけないのに
アイドルなんて、私には無理です…
やよい「…ぅっぅー」
P「まぁ…いきなりすぎたよな」
P「えっと、はいっこれ」
そう言うとプロデューサーは私に名刺を渡してくれました、765プロの住所が裏に書かれて有る名刺を
やよい「あ、ありがとうございます…」
こんなの貰ったってなんの意味も無い、アイドルなんてやり始めたら弟や妹達の世話が出来なくなっちゃう…
気持ちだけでも貰っておこう…
P「気が向いたらで良いからさ、よろしく」
プロデューサーはそう言い残すと私の家とは反対方向に歩いて行きました
やよい「…アイドル」
捨てよう、さっきからずっとそう思ってるのに、何故か手放せないこの名刺
なんで?無理だよ…私には弟達のお世話があるもん
私は家へと向かいました
こんないい子が……
自宅に戻るとまず最初に長男の長介が私を迎えてくれます、遅れて浩司にかすみ
みんな私の大切な家族、絶対に守るんだ
やよい「はーい、今から晩ご飯作るからねー!」
夕ご飯は私が作る事になっている、父は重度のギャンブル狂、母は1年程前に出ていってしまった
それからは私がみんなのお世話係、最初はいやいやだった…だけど私がやらないとみんなが駄目になっちゃう
みんなには父や母みたいになって欲しくないから
自分の欲は全て捨て去り私はみんなを選んだんだ…間違っちゃいない、そんな風に考えたくもないから
夕ご飯を作り終え、みんなと一緒のテーブルでご飯を食べる時、その時が私にとって唯一の至福の時
嫌な事を忘れられる、言い換えれば現実から逃れられる…
やよい「じゃあみんな、手を合わせてー」
合掌をする前にお皿に箸を伸ばそうとする浩司を長介は怒りあげる、自分も少し前まではこうだったのにね
長介も随分しっかりしてきた、私の育て方がきっと良かったんだよね
やよい「いっただっきまーす」
みんなの声がお家に響き渡る、この時は何も考えずにいられる
みんなの顔を見て笑っていられる、だから明日も頑張れるんだ
私はあの名刺を……捨てれずにいた
長介「やよい姉ちゃん、俺も皿洗い手伝うよ」
長介も積極的に私のお手伝いをしてくれる様になった。
でも力になるかと言われたら首を傾げちゃうけど……でも嬉しい
例え力にならなくても、その姿勢だけで、お姉ちゃん胸がいっぱいだよ
やよい「いいよー、私がやっとくから」
長介「いいや!俺も手伝うの」
やよい「長介…」
泣きそうになった、長介を抱きしめたくなった…気がつくと長介は流しに溜まってる食器を進んで洗い始めた
長介「うわっ!」
やよい「長介!」
床にお皿が落ち、鈍い音をあげて割れる
仕方の無い事、私も最初はよくお皿を割ってたっけ…
やよい「大丈夫?」
キツい……
倒産スレが堪えられなかった俺にはキツすぎですぜ
かすみ「やよいお姉ちゃん、床に落ちたお皿は私に任せて」
そう言うとかすみは床に散らばったお皿ね破片を箒で集め始めた
見えてないのかな…まだそこ、破片が落ちてるよ
やよい「大丈夫、私がやるから」
かすみ「お姉ちゃん、私に任せてっていったよね」
かすみは塵取りで集めた破片を掻き集めた、取れてない分は後で拾っておこう
今はかすみに感謝しないとね
やよい「ありがとう、かすみ」
かすみ「どういたしまして、やよいお姉ちゃん」
知らない内に、知らない所で、みんなは成長しているんだ…
一番成長していないのって……もしかして
後片付けも終わり私は二回で勉強、みんなの面倒を見てるから
それで勉強を疎かになんて出来ないから、そんなの見苦しい言い訳
やよい「……あっ」
無い……さっきまで有ったのに、名刺が無い
何処で落としたの?この部屋?それとも下?
慌てて部屋中を探すが見つからない、だったら下だ
私は慌てて一回に降りる、途中浩司とすれ違うが今はそっちより名刺の方が重要だ
あんなの長介にでも見られたりしたら…
私は急いであの部屋に行く、みんなとご飯を食べるあの部屋に
やよい「はぁっはぁ…」
長介が居る…後ろ姿で手に何か持っているか分からないが確かに何かを掴んでいる
それに……今長介が見ている番組
長介「姉ちゃん…」
長介はゆっくりと私の方へと振り返る
……名刺だ、プロデューサーから貰った名刺を長介が握りしめていた
やよい「長介…それ、返して」
私は長介に手を伸ばすが長介は応じてくれない
それどころか、テレビの音を大きくする
テレビに映し出されているのは…私が録画していた
アイドルのコンサートライブ
男は黙って500mlPET
きっとダイヤル式のブラウン管とβなんだろうな
やよい「返して…」
長介「やだ」
頭が痛い、吐き気がする、なんで長介に…
なんでよりによって長介にバレるんだろう
私は神様を怨んだ、最悪だ
やよい「だったらそれ…捨てといて」
長介「やだ」
もう良いんだ…諦めよう、諦めよう
諦めようって思ってた矢先にこれ…
長介「なんで俺達にいってくれないんだよ!」
やよい「だから、それはもう必要無いから…」
長介「やよい姉ちゃんの嘘つき!じゃあこのビデオはなんなんだよ!」
テレビに映るアイドル達の姿、綺麗な衣装で、キラキラのステージにたって歌ってる
このビデオの映像、まだ母が家に居た時に録画した番組
可愛い娘達が大勢のファンに囲まれて踊りながら歌を歌う
私にはそれが凄く魅力的に感じた、その場に居ないのに吸い込まれそうだった
はしゃぐ私を横に母は私に言う
母「やよいもアイドルになりたい?」
やよい「うん!」
母「なれるわよ、やよいなら」
やよい「本当!?」
母「えぇ、やよいにやる気が有るならね、お母さん、応援するからね」
やよい「わ、私頑張る!頑張ってアイドル目指してみる!」
うっうー
ううううううう
うううううううううああああああああああああああ
母が家を出ても、私はこのビデオテープだけは大切にしていた
コレを見てると……あの頃に戻れる様な気がするから
やよい「長介!消して!」
長介「嫌だ!やよい姉ちゃん言ったじゃないか!」
長介「あ、……アイドル目指すって!」
確かにあの時はそう言ったよ、けど今は違うの
事情が変わった…母が居なくなり私がみんなを見る様になって欲を全部閉じ込めた
やよい「それは昔の話し、今は関係ない!」
長介「俺達のせいなの!?」
長介の言葉に、私の心が揺れ動いた
完全に死別してる雰囲気だけど、離婚なんだよな
長介「そうなんでしょ!?俺達のせいでやよい姉ちゃん、自分の夢を諦めたんでしょ!」
違う……長介達のせいじゃない、私が勝手に諦めただけ
私が勝手に望んだ事だから、だから長介達は関係ない!!
今の私の夢は皆を立派に育てあげる事なの!
やよい「違う…違うから…」
長介「違わないよ!だ、だってやよい姉ちゃん……」
長介「今日のやよい姉ちゃん!すっごい嬉しそうだったんだもん!」
違う!嬉しくなんかない?!私は…別に
長介「俺達には分かるんだよ!ずっと一緒だったから!やよい姉ちゃんのほんの少しの変化だって!」
長介……
そういえば>>1のssでは車さん以来の死亡だったか……
長介「だって……」
違う!その名刺も家に帰って捨てようと思っただけ!それだけ!!後は捨てるだけなの!
長介「俺達家族だから!」
やよい「っあ…」
目頭が熱くなった、多分私、今泣いてる
家族だから?……卑怯だよ、そんな言葉
だって、私も長介達を家族と思ってるから
だから自分を殺してまでみんなに尽くしたいと思ったんだよ?
やよい「ぁ"っ…ぁぐ…」
下だけは絶対に向かない、私、お姉ちゃんだから
長介?なんで長介も泣いてるの?悲しいの?誰かに虐められたの?だったらお姉ちゃんが慰めてあげる、だからおいで?
長介「お姉ちゃん!お、俺達は大丈夫だから!」
長介「やよい姉ちゃんが居なくても、大丈夫だから!!」
もういい、皆うちで保護するから……
頼むから……
>>661
いや、うちがいいから…マジで…
長介 浩司『バカ兄弟』
かすみ「そうだよ、やよいお姉ちゃん」
後ろからかすみの声が聞こえる、声で分かるよ
かすみも泣いてる……なんで?なんで泣いてるの?
かすみはお利口さんだから、虐められたこと無い筈だよ?あっ、勉強が難しくて泣いてるの?
それとも好きな人に振られたから?だったらおいで?お姉ちゃんが抱きしめてあげる
長介「せっかく掴んだチャンスなんだよ!?なんで棒に振ろうとするの!」
かすみ「やよいお姉ちゃん…」
やよい「…」
首を横に振る事しか今の私には出来ないよ、だからもう何も言わないで…嫌
押さえ込んでた私が…夢を持っていた私が
出ちゃうから…お願いだよ……もうやめて
長介「…」
かすみ「長介お兄ちゃん!?」
やよい「っ」
何処行くの?長介、ねぇ、長介
かすみ「ねぇやよいお姉ちゃん」
なに?あっ、教えてくれるの?泣いてる理由
良いよ、お姉ちゃんが聞いてあげる、だからなんでも言って
かすみ「私はさ、やよいお姉ちゃんに諦めてほしくないなぁ」
何を?今はお姉ちゃんの事じゃ無いでしょ?
今はお姉ちゃんがかすみの悩みを聞いてるんだよ?
かすみ「私ね、やよいお姉ちゃんにはキラキラしててほしい」
キラキラ?あっ、お星様?うん、私もお星様は大好きだよ?
かすみはお星様が見れないから泣いてるの?だったら見よ?一緒に
かすみ「お姉ちゃん……私からのお願い聞いてくれる?」
やよい「…」
うん、きいてあげる、だから早くお姉ちゃんに言って?
私に叶えられる範囲なら叶えてあげるから!お姉ちゃん頑張るから
かすみ「お姉ちゃん…あのね」
長介「やよい姉ちゃん!」
どうしたの?長介、受話器なんか持ってきて、電話は玄関に置いとか無いと駄目だよ?
長介「はぁ…はぁ…」
長介「電話、したから」
やよい「えっ…」
長介「名刺に書いてあった番号に、電話したから!」
何言ってるの?駄目だよ?私はアイドルになるつもりなんて無いよ?だって皆を護らないと、みんなを立派な大人にしなきゃいくないもん
やよい「な、なにしてるの?長介」
かすみ「お姉ちゃん!私からのお願いはね!」
かすみ「お姉ちゃんにアイドルになってほしいの!!」
私が……アイ…ドル?
長介「はい、姉ちゃん」
やよい「だ、駄目…」
長介「もうかけたから…はいっ!」
やよい「駄目だよ、駄目」
かすみ「やよいお姉ちゃん」
駄目…駄目……私はお姉ちゃんだもん、みんなのお姉ちゃんだもん!
自分だけ良い思いなんて出来ない!そんな事しちゃいけない!私は…
私には…そんな資格…
な
ガチャ
P『はい、もしもし』
あっ……その声は
長介「かすみ、行くぞ」
かすみ「えっ?」
長介「ほらっ、行くぞ」
かすみ「きゃっ、引っぱんないでよー」
やよい「ぁっ…あ、あの」
何て言えば良いの?断わる?うん、断ろう
間違えましたって、一言いって切ろう
長介達には悪いけど…そうしよう
やよい「ま、…ま、まち…」
やよい「まちがえま
P『やっぱりかけてきてくれた』
えっ?な、何言ってるんですか?わ、私は間違い電話をしただけなんですよ?
だ、だからもう切りますよ?き、切りますね
P『ありがとう』
やよい「えっ」
P『名前、聞いてなかったね』
なんですか?なんなんですか?あっ、誰かと間違えてるんですね?そうなんですよね?
やよい「あの…ま、間違えてますよ」
P『へぇ、そっか』
うん、そう、それで良いんです
私は明日も忙しいんです、みんなを起こして、みんなの朝ごはん作って
みんなのしたくの確認をして、学校に行って、帰ってきて、夕ごはんを作って
P『さよなら』
やよい「ま、まってください!」
えっ?な、なんで…何言ってるの?
P『…なに?間違えたんだろ』
やよい「わ、私は…私の名前は!」
駄目だよ…駄目!名前なんて言っちゃ駄目!!
やよい「やよい!…高槻やよいです!」
P『やよい…分かった』
切ってよ!もう切ってよ!!駄目だよ!
こんなんじゃ……自分を優先したんじゃ
みんなを……長介達を立派な大人に育てるって夢が……
私の……夢が…
P『やよい、電話ありがとう』
もう良いんです、やめてください
胸が痛い、喉が痛い、腕が痛い、足が痛い
頭が痛い……心が…痛い
P『……やよい、お前をプロデュースしたい』
やよい「っあ"……」
P『やよい、お前、身体を動かすの、好きか?』
嫌い…
やよい「は、はい…だ、だいすきで……す」
P『歌歌うのはどうだ?好きか?』
嫌い嫌い…大嫌い
やよい「はっ、はい…だ、大好きです……ぐ…ゔぅ」
P『最後の質問』
嫌、嫌だ、嫌い、嫌い嫌い嫌い!!
P『アイドル…やってみないか?』
………
やよい「わ"、私で…私なんかで…い、良いんですかぁ…プロデューサー……」
貴音ならうちのトイレで自慰してるよ
はあぁうう…お腹檄痛モードきたのぉお"お"
すみません…30分程抜けます
あぁああ長介殺すんじゃなかったあぁああ
なんのまだ困った時の黒医師さんがいるよ
長介「新しい力のお陰でかすみを助けることができたぞ」
『汚っさん、かすみから離れろ!』
そこには失った手足をインベルの残骸で補った長介の姿が
私なんかが…アイドルを?
出来るの?私に、長介達を支えながら
学校も有るんだよ?もっと大変になっちゃう
出来るのかな?私に
諦めないで、頑張れるのかなぁ
P『やよいじゃないと駄目なんだ』
嬉しい…だけど怖い
いや……恐いんです
私なんかに…なんの取り柄の無い私なんかに
ただの普通の、何処にでもいる女の子の私なんかに
P『やよい?』
やよい「プロデューサー…」
やよい「かけなおします…」
P『なっ、はぁ!?』
プツッ
やよい「……」
少し、考え直そう
あんな事言っちゃったけど、結局は後先考えずに言った事
頭を冷やそう、そうしないと
じゃないと……長介達に迷惑メールかけちゃう
長介「やよい姉ちゃん!どうだった?」
長介…
ごめん、断っちゃった
ごめんね、馬鹿なお姉ちゃんで
かすみ「やよいお姉ちゃん」
かすみ、私、まだわかんないから
だから断っちゃった
今はまだ、やれる気が
やよい「……」
少し、考え直そう
あんな事言っちゃったけど、結局は後先考えずに言った事
頭を冷やそう、そうしないと
じゃないと……長介達に迷惑かけちゃう
長介「やよい姉ちゃん!どうだった?」
長介…
ごめん、断っちゃった
ごめんね、馬鹿なお姉ちゃんで
かすみ「やよいお姉ちゃん」
かすみ、私、まだわかんないから
だから断っちゃった
今はまだ、やれる気が
長介「断ったの?」
やよい「…うん」
だって、やっぱりまだ心配だもん
まだお皿もちゃんと洗えない長介を…
まだ任せられない、せめてあと少しだけ
かすみ「な、なんで断っちゃったの?やよいお姉ちゃん」
かすみ、まだ箒ではくこともちゃんと出来ないよね?
お願い、まだまだかすみに教えたい事があるから
だからもう少し、もう少しだけ待って
やよい「まだ…無理だよ」
長介「お、お姉ちゃん!なんでさ!」
やよい「長介、まだお皿、ちゃんと洗えないよね」
分かってる…逃げてるだけ
冷静になって考えて見たらそうだよ
こんな生活送ってる女の子に
キラキラの衣装は似合わない
こんな汚い女の子に
大勢のファンなんてつくわけないよ
かすみ「やよいお姉ちゃん…」
やよい「かすみ、あの時、まだ破片いっぱい散らばってたよ」
ごめん…長介達にまで迷惑かけちゃって
ごめんね、後先考えないダメなお姉ちゃんで
やよい「私…もう寝るね」
部屋に戻っても、何も変わらない
私は裏切ったんだ
みんなを…長介達を、プロデューサーを
やよい「…もうこれも要らないよね」
窓から投げ捨てた…プロデューサーから貰った名刺
やよい「これで良いんだよね」
うん、また明日から普通の生活
普通の生活……
普通で良いんだよね、だって私は普通の女の子
だから普通で良いんだよ
やよい「…寝よう」
嫌な事を忘れる為、自分から逃げる為
私は部屋を暗くした
母「ねぇやよい」
あれ?お母さん…
どうして?出て行ったんじゃ
お母さん?お母さん!?
やよい「なぁに?お母さん」
あれ?わ、私?
いつの頃…わ、分からない
でも、この感じ
懐かしい、私は覚えてるのかな
この光景、このシーンを
母「やよいはアイドルになったらまず、なにをしたい?」
私はもう、諦めたから
アイドル……諦めたよお母さん
やよい「えっと…」
母「やっぱり、綺麗な衣装が着たい?」
似合わないよ、似合わないもん
私には、このシャツで十分だから
このお母さんから貰ったシャツで十分だから
やよい「ううん、違うよ」
母「だったらぁ……ステージの前で歌いたい?」
ごめんさない、私には衣装も
ステージも……アイドルも
無理なんだよ、それよりも
長介達を
やよい「私の夢はね」
やよい「っは!?」
ゆ、夢…い、今何時?
まだ3時なんだね、通りでまだ暗い訳だ
やよい「……私の夢」
私の夢…私の夢は
長介達を立派な大人に
やよい「お母さんに言った事…」
お母さんに言った事…
覚えてるよ、いや、思い出した
やよい「…」
まだ近くに有る筈、風は強くないし
必ず見つけて見せる、見つけて
またプロデューサーに電話を
ダタッ
無い…何処にも無いよ!
確かにこの辺に落とした筈なのに
見つけなきゃ、見つけたい
やよい「わ、私の夢は」
お母さんに言った事
お母さんが出て行って、閉じ込めてた私の夢
思い出した、思い出せた
ありがとう、お母さん、あと
ありがとう、長介
私みたいなのをお姉ちゃんと呼んでくれて
朝、起きてきたらお姉ちゃん、長介に謝るから
ありがとうかすみ
星、綺麗だよ?明日一緒に見ようね
やよい「わ、私の夢…」
やよい「アイドルになって…」
家族みんなを招待したい、私のコンサートに
どれ位探したんだろ
結局見つけられなかった、プロデューサーから貰った名刺
薄っすらと明るくなってる
7時位かな、もっと経ってるかな
もう帰らなきゃ…帰ってみんなの朝ごはんを作らないと
やよい「…うっうー」
当たり前だよね、都合よすぎるよね
さんざん引っ掻き回しといて、結局はアイドルやりたいだなんて
通る訳ないよ、早く帰ろう
早く朝ごはん作らないと、あっ、みんなを起こすのが先かなぁ
やよい「…ごめんなさい」
扉を開けると、1番会いたくない奴に会ってしまった
私の父、キャンブル、酒、タバコそれ位しか生き甲斐のない……お母さんを追い出した人
父「ぐっぷ」
臭い、また朝まで呑んでたんだ
鼻につくような臭い、視界に入るのさえ嫌気がさしてくる
やよい「…」
私は父を避けながらキッチンへと向かう
朝ごはんを作りに、そして、何時もの生活に戻る為に
キッチンに向かう途中、微かだがいい匂いが鼻に広がる
だれ?私以外に料理なんて出来ない筈
私は恐る恐る扉に手を掛ける
やよい「…」
手に掛けた瞬間、向こうの方から話し声が聞こえる
誰だろう?私が起こしに行かない限り長介は絶対に起きないから
かすみ?だけど一人じゃなさそうだし
と、とにかく確認しなくちゃ
もしみんなが料理でもして怪我なんて起きてたら
ガチャ
扉を開け、目に飛び込んできた光景
やよい「あっ…」
長介「浩司、お前は皿を運ぶだけで良いの!」
長介?なんでキッチンに立ってるの?あれ?かすみも
二人で朝ごはん?長介…あんた、なんで起きてるの?私無しじゃ起きれないんじゃなかったの?
かすみ「あっ、やよいお姉ちゃん」
やよい「ぁ…あ、あっ」
言葉が出ないよ……おかしいよね
悲しくなんて無いのに、全然痛く無いのに
長介「やよい姉ちゃん…」
嬉しいのに…なんで前がボヤけるんだろ
あは、長介、かすみ…換気扇つけ忘れてるよ?
あっほら……目玉焼き、焦げてるよ
やよい「…ぐぅ……っあ…」
長介「おはよう、やよい姉ちゃん」
かすみ「おはよう」
おはよう、みんな
長介「やよいお姉ちゃんは向こうで待っててね」
やよい「ぅん……うん」
もう涙で前なんて見えない、何処に行けば良いのかもはっきり分からない
浩司に案内されながら何時もの場所、みんなでご飯を食べる場所
そこに座り、料理を待つ
あぁ、こんな感じだったんだ長介達って
なにが出てくるか分からないこのわくわく
浩司がよく料理中の私を見にくる理由が分かった気がする
いい匂いが部屋中に広がる、長介達の視点で、朝ごはんを迎えるのは本当に久しぶり
ごめんね、私、勘違いしてた
私が居ないと駄目なんじゃなくて、私がみんなと居ないと駄目だったんだ
もう、巣立ちの時なんだね
嬉しいけど……悲しい
早くやよいセックス編に行きたかったんですけどすみません、3時まで寝させてください
お前昨日なんつったよ?
一時間だけ寝るって言ったまま起きなかったよなあ!?
おやすみ
>>757
ひいいぃ!
すみません、今日アイマスの日なんです13話と14話見逃しました、だから15話は見たいんです
寝るのは良い
やよいにさせちゃダメ~~~!
ゆりしーネタが有ったら狂います無かったら狂います
それでは30分程抜けますので、よろしくお願いします
どっちにしろ狂うのかよ…
書きたがっていた戦闘美希はお預けか
朝食を済ませてみんなは学校に行く準備をしています
長介、お皿、割らずにちゃんと洗えたね
かすみ、長介のサポートお疲れ様
やよい「私は…」
そう、学校はお休み
先週は日曜日まで出ていた為、今日の月曜日は休みです
長介「いってきまーす!」
やよい「あっ、長介、プリント忘れてるよー」
長介「いっけね、ありがと」
みんなを無事見送った後、私の休日が始まります
やよい「みんな、頑張ってね」
今から何をしよう
休日と行ってもこうしてみんなと過ごさない休日は久しぶりです
目の前の父に目をやり、苛立ちとも思えぬ感情が心を満たしていきます
やよい「うっうー…お父さん、ほら、起きてください」
父を揺さぶるも微動だにせず
それがまた私を苛立たせます、何故こうまで狂ってしまったのか
今となっては考えたくも無い…思い出したくも無い
ピンポーン
やよい「は、はーい」
突然の呼び鈴に慌てて返事をする私
玄関に目をやると見覚えのあるシルエット
もしかして…私は期待を膨らませドアを開けます
P「あれっ?や、やよい!?」
やっぱり、私の知ってる人でした!
あっ、でも今は先に謝らなくちゃいけないよね
やよい「き、昨日はごめんなさい」
ごめんなさい、私、馬鹿だから頭を下げる事しか出来ません
本当は別の方法が有るのかもしれません、でも今の私の精一杯
P「な、なんでやよいがここに居るんだ?」
え?な、何言ってるんですか?
私は下げた頭を元の位置に戻しプロデューサーを見つめます
P「いや、昨日財布を拾ってさ…ほら、コレ、住所はココで有ってるだろ?」
プロデューサーが私に見せてくれた財布
あいつのだ……
プロデューサーは父の財布に入っていた免許証から住所を割り当てわざわざ家まで来てくれたんですね
P「でもこれ、高槻じゃないよな、苗字」
そうです、私達は母の苗字を使わせてもらっているんです
父の苗字を使うなんて死んでも嫌
やよい「あっ、この財布、父のですー」
P「…あ、あのさ」
プロデューサー、なんで困った様な顔で私から目を離すんですか?
悪いのは私なんですよ?プロデューサーが縮こまる必要、ないんですよ?
やよい「プロデューサー」
私は再び頭を下げた
許して貰えるとは思ってない、ただ、今度こそ
掴んだチャンスを、私は手放したくないから
やよい「プロデューサー、わ、私」
駄目って言われても良い、無理って見放されてもいい
ただ、後悔だけはしたくないから
やよい「昨日の話なんですけど」
P「あ?あぁ、アレだろ?やよいはアイドルやりたいんだよな?」
私の予想と全然違う返答
頭がすぽーんって飛んで行った様な感じ
私は言葉を失い下げた頭を上げれずにいました
やよい「……え、え?」
P「偶然だけどさ、やよいに会えて良かった」
私に会えて良かった?わ、私にですか?
こんな何処にでもいる私に?
特徴も何もない地味で汚い私に?
やよい「あっ、ぷ、プロデューサー…」
頭をあげプロデューサーを見る
真剣な表情、私の知らないプロデューサー
P「…やよい」
やよい「は、はい」
P「最初にやよい、お前に聞きたい事が有る」
なんですか?私、どんな事だって耐えてみせます
どんな苦難にも諦めません、だ、だから
やよい「プロデューサー!」
いけない、口からこぼれてしまった
両手で口を覆い、無言で頭を下げる…恥ずかしかった
P「……じゃあ始める」
P「やよい、お前の夢を言ってくれ」
やよい「えっ?」
夢を…ですか?
今ここで、プロデューサーの前で…
言っても良いんですね?ず、ずっと心にしまってた想いを
今ここで、言っても良いんですね
ありがとうございます、プロデューサー
やよい「わ、私の夢は」
やよい「浩司、そこで待っててね、絶対に動かないでね」
私は弟達をホテルの外に出し、人が通らなさそうなところへ移す
お金が無い、じゃあどうする?稼ぐしかない、どうやって?
答えは出ていた……ここはどういう所?
私は唇を噛み締める
唇が切れ、血の味を口いっぱいに感じた時、生きてる事を実感させられる
私はこんな所で死なないし死にたくも無い
それに、弟達を救わなければいけない
長介が死に、かすみは知らないおじさんの所に連れていかれてしまった
やよい「大丈夫だからね…お姉ちゃんが絶対に助けるからね」
再びホテルに入る、相変わらずお婆ちゃんはタバコを吸っている
やよい「すみません」
こんな奴、本当は口も聞きたくない、見たくも無いのに
弟達を養う為…かすみを救う為
私の中にある小さなプライドなんて投げ捨ててやる……今は私より家族が大事
やよい「紙と、ボールペンってありますかぁ?」
私の質問に無言のお婆ちゃん、私を客として見ていない、ゴミを見る様な目で私を睨みつける
お婆「ほらよっ!返さなくて良いからね、
汚らしい」
最後の一言が無かったら素直にお礼が言えたのに……大人ってのが分からない
感謝されたいのか、憎まれたいのか
私は紙に言葉を書いて行く、使い終わったボールペンはもしもの時の為にポケットに忍び込ませる
『1うっうー2000円』
死にたくなった
俺も死にたくなった
私はホテルのエレベーターの前で人が来るのを待ち続けていた
エレベーターから人が降りて来た時、すかさず声をかける
やよい「すいませーん」
おっさん「ん?なんだ…嬢ちゃん、欲求不満かい?」
ポケットに忍ばせたボールペンでこいつの腹をさしてやろうとさえ思った
でも今は我慢、耐えなきゃいけない
やよい「コレなんですけど」
私は先ほど紙に書いた文字を相手に見せる
声には自信があった、これはアイドルをやっていくうちに気づいた事
おっさん「2000円?高い高い」
そう言うと思った、だからこそ対策もとってある
やよい「あのぉ、買ってくれませんかぁ?」
服を胸が見えるぎりぎりの所まで上げる、自分はノーブラだと見せつける為
プライドなんて物は最初から無い、生きる為に必死なんだ…
かかれ……かかれ
おっさん「じゃあとりあえず聴かせてくれないかい」
かかった
やよい「ありがとうございました~」
6000円、二人分の宿代は稼げた
でもまだ足りない、もっと稼がないと…
この行為により、得られた物はもう一つあった
それが私と言う財産、コレをしれた事の方が大きかった
先ほどの客から不意に言われた台詞、『君の着ている服を売ってくれないか』
やよい「私の服……どうしましょう」
幾らで売れる?先ほどの客に幾らで買うかを聞かなかったのが失敗だった
そうこう考案して居るうちに、エレベーターがドアを開き
新しい客を運んで来てくれる
やよい「すみませーん」
やはりそうだった、1万と8000円、私が着ていた服が売れた
それも1万円で…信じられない、自分でも驚いた
やよい「ありがとうございました~」
今の私は裸な訳では無い、服を売る時の条件に新しい服を持って来てくれと言ったら本当に持って来てくれた
やよい「…」
コレを繰り返す、とにかく外で待たせて居る家族の元へと向かう
宿代は手に入れた、後はベッドで寝させるだけ
私はホテルを飛び出し浩司達の元へ向かった……
目を疑った
やよい「こ、浩司…?」
おひまいです、すみません睡魔には勝てません8時までお時間をください
ぅっぅー
今日もハロワに行ったみたいだな
なんで?私は浩司の元へと駆け寄る
どうしたの?何が起きたの?私の頭の中、多分真っ黒だと思う
やよい「浩司!!」
声を張り上げて叫ぶ、目の前の光景を嘘だと信じたい
私の弟、お調子者の浩司、私の大切な家族
その浩司が、床に倒れこんでいる
衣服は剥がされ裸の状態で、なんで?なんで裸なの
どうして浩司が裸で倒れこんでるの?
やよい「浩司!し、しっかりして!」
浩司の側に着いてようやく気づけた
全身青痣だらけなのである、足の指から頭にかけて、肌色の箇所の方が少ない位に
やよい「あっ……な、なんで」
私の呼び掛けに浩司は反応してくれない
当たり前だ、気を失って……いや、もしかしたらもう
やよい「いやぁ!浩司!だめっ!それだけはだめぇ!!」
アイドルになってから、私にも変化はあった
肺活量はもちろん、低音、高音の出し方
声も大きくなった気がする、ハッキリと物が言える様になった
やよい「なんでっ!な、なんで!!」
自分の過ちに気付けない、どうしてこうなったか分からない
今はただ怒りと悲しみで心がいっぱいだったから、考えるなんて事、出来なかった
私は浩司を抱き締める、私の鼻水と涙が混じった液体が浩司を濡らす
ただ、ただ抱き締め、泣いた、叫んだ
やよい「あぁあ"あ!!」
やよい「うぁああ"あぁあ!!」
私の叫びは……弟にはもう届かない
帰ってきた途端に鬱っ鬱ーすぎる…
浩司がこうなったのには理由があった
人が通らない様な所、それが間違いだった
この辺りには居酒屋、それに父が大好きなパチンコ屋が多く並ぶ、いわば大人の繁華街
酔っ払う人も居ればお金を使い込み酷く苛立つ人も居る
両方、お金を使い込み酔っ払ってる人ももちろん居る
そんな中、ひとけの少ない路地裏
ひとけが少ない、つまり誰も見ていない
私のせいだ……私のせいで浩司が
やよい「こうじいぃ!!お、起きて!おぎでぇえ"!」
浩司はそれらの人に出くわしたんだ、もちろん、何も出来なかったんだと思う
怖くて、恐くて……動けなかったんだよね
だから…こんなになるまで
相手が飽きて捨てるまで、必死に耐えたんだよね?
やよい「ぁ"っあ……」
浩司の顔を見る、目の辺りが腫れ上がり、唇が切れて……前歯が何本も折られてる
痛かったよね?でも、浩司は耐えたんだよね?
偉いよ、浩司は偉いよ…私の自慢の弟だよ
浩司の体を確認する
あぁ、浩司、左腕、変な方向に曲がってるよ?そんな風に腕は曲がらないよ?
あ、浩司…右指、どうして四本しかないの?
もう一本は?わ、私の見間違いじゃないよね
浩司、右足、なんか白いのが見えるよ?なにこれ?お姉ちゃん馬鹿だからわかんないよ
ねぇ浩司……どうして身体が冷たいの?どうして床が真っ赤なの?
どうして………息をしてないの
やよい「……」
私は浩司を抱きかかえ、ホテルへと戻った
浩司、こんなに軽かったんだ…知らなかった
私がちゃんと食べさせてあげなかったのが悪いのかな
浩司、私、知りたいよ…だから答えて
ホテルへ入り、お婆ちゃんの所に向かう
相変わらずタバコを吸い、ビールの缶まで何本か置かれていた
やよい「うっうー…一人、休みたいんですけど」
そう言うとお婆ちゃんは私を睨みつけます
けど、私がお札を手にしているのを確認すると、先ほどの表情から一変、甲高い超えで私に話しかけてきます
お婆「あらぁ、じゃあ3000円ね、あなた、何処でお金を?」
部屋鍵を渡されたので、一万円札を投げ渡し、お婆ちゃんを無視して部屋に向かいます
先ほどより値段が上がっている気がしましたが、関係無かった
今は浩司を休ませてあげたい、ただそれだけだったから
072、鍵にはそう記載されていました
私はその番号の部屋を見つけ、鍵を使い部屋に入ります
やよい「浩司、着いたよ」
殺風景な部屋、本当にホテルなのか疑うくらいに何も無い部屋
ベッドに、テレビ、あとは冷蔵庫
何より狭かった……いや、ベッドが大きいから狭く感じるのかも知れない
やよい「…みんな入れますぅ」
それ位大きく、広いベッドだった
軽はずみの一言が私の頭を刺激する
そうだった……もうみんなじゃないんだ
長介が居ない、かすみも居ない
そして、浩司もいない
やよい「…ぅっ」
床が濡れた
前スレコメディ
今スレ前半バカ話、中盤エロ、後半鬱
別シリーズでカブトムシ、HipHop、たまにマジキチ
本当に一人で書いてんのか?
やよい「お休み、浩司」
私はそう言うと浩司にキスをした
唇が切れてて……いや、裂けている浩司の唇は
柔らかく、温かくて……固く、冷たかった
やよい「また明日…ね」
私はそう言い残すと部屋を出る
お金を稼がないといけない、みんなを養わないと
そう言うと私はおもむろに服を脱いだ、先ほどのボールペンを取り出し身体に当てる
こそばゆかったが、すぐに慣れた
本当はマジックが良かったのだが、そんな贅沢言ってられない
今なら、受け付けのお婆ちゃんに一言言えば気前良くくれるだろう
だけどそんな事はしたくない、もうあの人に会いたく無かったから
やよい「出来ましたぁ…」
数分?いや、数秒なのかも知れない、もうそんなのどうでも良かった
今はただ、お金が欲しい
『私をあなたの物にしてください』
そう、身体に書き残し、私はボールペンを床に落とした
今度はホテルの外で待つことにした
そうしないと拾ってくれない気がしたから
頭では理解していない、ただ身体がそうしろと私に信号を送るから、それに従っただけ
やよい「…」
痛い、胸がきりきりする、肺に穴が空いているみたいな感じ
寒空の下、車から降りてこちらに向かう男の人……最初はこの人だ
私はその男の人に近づき声をかける
やよい「あの、お兄さん…一人ですかぁ?」
お兄さん、私はそう呼んだが明らかに40代の男性、髪は薄く、何を食べればそうなるのかと思う位太っている
おじさん「今わたしは忙しいんだ、君に構ってる暇は無いんだよ」
そう言い放つとお兄さんは私から去ろうとした
駄目だよ、逃がさないから
私はそう言うとお兄さんの目の前に立ち服を脱いだ、お兄さんはビックリするもすぐに状況を把握する
やよい「うっうー」
お兄さん、顔が緩んでますよ?下心が見え見えです
私は脱いだ服を再び着てお兄さんの腕を握った
やよい「あそこにホテルがあるんですよぉ?」
私の長い夜がハジマル
~キラメキンキラリやよい編~
第
一
話 お金の価値とは
お終いです
不憫なやよいは見てられないよ…
すみません、やよいのもう1人の弟は二話で必ず出します
それよりこんな書き方初めてだったので疲れました、楽しめて頂けたのなら幸いです
もうこのシリーズは前半バカ話、中盤はお姫ちんにエロを、やよいに鬱をといった形式に変えようと思っています
もちろんエロと鬱は誰になるかはその時の気分しだいなので
千早「…インベル」
インベル、私の相棒にして私の良き理解者
あの日、春香達にあなたを奪われて以来、私の中にぽっかりと穴が空いた
大きくは無い、だけど埋まらない
そんな不思議な穴が……
千早「…」
私は手元のリモコンを手に取りテレビをつける
騒がしいだけ、何も頭に入ってこない、ただの色の集まり
私は電源を切ろうとチャンネルに指を置く
千早「!」
その時だった、テレビに映し出された一つの映像
私の中の埋まらない穴が、埋まろうとしていた
千早「キサラギ?」
30秒程、その映像は流された
身体に衝撃が走った、初めて皆の前で歌を歌った時よりも
プロデューサーをカメラで隠し撮りをし、その日の夜、猿の様に自分の秘部を弄くり回したあの時よりも
千早「こ……これよ、これだわ」
埋まった、決して埋まらないと思っていた穴が埋まった!
私は急いでパソコンを立ち上げGoogleで検索をかける
千早「キサラギ…キサラギ」
まだ買ったばかりのパソコン、まだ文字を入力するのに慣れてないせいか何度も打ち間違える
いえ、きっとそれだけじゃない
今の私、興奮してる、プロデューサーに頭を撫でられた時よりも
プロデューサーの靴を持ち出し事務所のトイレで自慰行為をした時よりも
千早「あ、あった…」
今の私は輝いている
千早もまさしく変態(とも)だった
千早「…くっ」
熱く火照った私の身体に冷水をかけられた気分だ
キサラギー15億円にて販売
高すぎる…インベルは10億だったのに
私は一気に現実に引き戻された
千早「…キサラギ」
インベルの時の10億円はある女性に頼んで出してもらった
彼女にプロデューサーの隠し撮り映像、プロデューサーの顔写真などを渡した
その時の彼女の顔は今でも忘れられない
千早「でも…もう彼女には頼めそうにもないわね」
私はそっとパソコンの電源を落とし落胆する
キサラギ、私を変えてくれる存在なのは間違いない
でもそんなお金、私には絶対に用意出来ない、どうしたら良いか分からず私はベッドに潜り込む
千早「15億……」
会いたい、キサラギに会いたい
私の頭の中はキサラギでいっぱいだった
キサラギ以外何も考えれなかった
千早「キサラギに会いたい、キサラギが欲しい!」
抑え込もうとすればする程、キサラギへの思いが膨れ上がる
心の中にしまい込む事なんて出来る訳が無い
今すぐにでもキサラギに乗りたい、乗ってコックピットの匂いを嗅ぎたい!
千早「でも…でもっ!」
お金、世の中を象徴する上で最も重要な物
15億……きっと私じゃ死ぬまで働いても手に入れれる金額じゃあ無い
分かってる、分かってるけど
千早「……」
彼女に頼む…いや、無理だ
いきなり15億円欲しいと言っても相手にもしてもらえないだろう
インベルの時に私の全てを彼女に渡してしまったから
千早「…」
ふと、その日の事を思い出す
春香・美希・萩原さん・そして私、四人で我那覇さんを殺しに行ったんだっけ
そうだ、我那覇さんを殺しに行く際、ある人の家に行く事になったんだ
プロデューサーの家、そうだ思い出した
その日、私はプロデューサーの家に行って数々の衝撃を受けたんだった
千早「我那覇さん…」
唇を噛み締める、血の味がする…
そう、私達の最終目的、それが我那覇さんの抹殺
私はプロデューサーの家に入るとプロデューサーを感じた
プロデューサーの匂い、プロデューサーのお部屋、プロデューサーのお家
でも、そんな至福のひと時もある出来事を境に崩れ去る
千早「……」
壁を思い切り殴った
私はすぐさま浴槽へと向かった、途中美希が脱衣所の方で何かしていたけど関係無かった
プロデューサーの髪の毛、私の欲しかった物
私は浴槽に入り床を見渡した、プロデューサーの使ったであろう石鹸を一齧り、プロデューサーの味がした気がする
千早「…」
プロデューサーの手垢が付いてるであろうシャンプーとリンス
私は双方の口を舌で舐め回した、プロデューサーの手垢、プロデューサーの味
プロデューサーがいつも身体を洗う時に使ってるであろう泡立てネット
口に吠えばり味を噛み締める、プロデューサーの身体を洗うネット
千早「ふほひゅーはー」
私の頭はプロデューサーの事でいっぱいだった、幸せ過ぎて怖い位だ
もう死んでも良い、そう思った矢先
私を地獄に叩き落とす出来事が起きた
千早「ごっほぉ」
私は口に頬張っていたネットを吐き出し愕然とした
床に落ちている髪の毛、黒色の髪
私の髪の色は青、プロデューサーは茶色、だから違う
事務所の皆を瞬時に思い出した
該当者は二人、菊地真、そして我那覇響
彼女しか居ない…プロデューサーの言えに居ると予測されてた人物は
そう、我那覇さん…あなたしか
千早「…」
私はその髪を拾い上げ、ある感情に支配される
殺意…そう、殺意だ
もう彼女を人として見れる気がしなかった
私に向けられた圧倒的な敵意を前に、私はこう心に誓う
殺してやる…我那覇さん、貴女を
浴槽に有ったプロデューサーの髪の毛を掻き集め浴槽を後にする
脱衣所で美希が震えていた、床には二本の歯ブラシ、片方には名前が書いていた
『自分の!』
自分の?誰、自分って
私は美希に目をやる、彼女の表情を見て私も悟った
美希もまた、私を見て悟った様な表情を見せる
美希「…」
私たち二人に言葉は要らなかった、ただ、コレだけは言いたかった
千早「美希…」
美希「千早さん、美希…間違ってたの」
えぇ、私も間違ってた、正直なところ、プロデューサーに会える為
プロデューサーに近づく為に皆を利用していたのかも知れないわね
けどもう…今はそんなの関係無いわ
美希「千早さん……響を」
千早「春香達と共に…」
千早「……殺す」
千早「そう、私は我那覇さんを殺す」
ベッドの中で思い出す思い出したく無い出来事
なぜ今更こんな事を思い出したのだろう?なぜ胸糞悪くなる事を思い出すのだろう
千早「……あっ」
私は自らの汚さに震えた
そうだ、プロデューサーの家だ、これなら彼女の心を鷲掴みに出来る
私は携帯を取り出し彼女へ電話をしてみる事にした
彼女は多忙な毎日を送っている、その為プロデューサーの家が何処に有るかなど知りもしない筈
だが!!だからこそ!
この情報は喉から手が出る程欲しい筈
ガチャ
彼女が電話にでる、ふてぶてしそうな言葉使い、今日も仕事が長引いたんだろうとすぐさま理解する
ふふっ、最高のご褒美をあげる
千早「…水瀬さん、あのね」
私は翌日、キサラギを手に入れる事になる
~~~番外編ー胸囲の千早~~~
友との別れ、友との出会い
お終いです、お疲れ様でした
Pの体内でMAXコーヒーが科学反応を起こして
フェロモンだか麻薬だか媚薬だかを垂れ流しているな
えっと、次回は多分明日になります、話し的にはコッチをもう少しだけ進めたいなぁと
なによりやよいのモヤモヤをとってあげたいんで、性描写はまぁ…多分やります
それでは明日の21:36分に会いましょう!スレタイはコレと殆ど変わらないので、見かけた時は宜しくお願いします
おつぅっぅー
やよいパート以外は楽しみに待ってる
あっ、ハロワですがアレです、結果的に言うと多分落ちましたね電話まだかかって来ないです
福島の原発も実は応募してみたんですけど若すぎるという理由で落とされました
後日電話を受けてその会社に面接だったんですけど電話かかってきてないんで多分
馴れ合いが過ぎるとウザいと思われるのでもう去ります、ありがとうございました!
アイマス関係無いんですが一ヶ月前に書いたアンサートーカもいい加減終わらせたいです
どんまい
原発関連は中抜き派遣会社が枠持ってっちゃって
一般応募だと狭き門って話を聞いたけどホントかすら?
あれもお前だったのか
響「えっ?マラソン?」
P「あぁ、今度の収録でな、響が走る事になったんだけど」
響「マラソンって…どれ位走るんだ?」
P「今はわかんないけどさ、やってみるか?」
響「うーん…」
P「響にやってほしいんだ」
響「自分に?」
P「あぁ、響に」
響「そ、そんな事言われたら…こ、断れないぞ」
P「じゃあ走ってくれるんだな!?」
響「うん、自分頑張ってみる」
P「ありがとな!響」
響「て、照れるからやめてよプロデューサー」
P「なはは、じゃあ今から行くか」
響「……」
響「えっ」
P「いやいやいや、今から」
響「い、今から…?」
P「うん」
響「ま、待つさープロデューサー!」
P「にゃに?」
響「今からってどういう事さぁ」
P「いやいやいや、走ってくれるんだよな?」
響「う、うん…」
P「実はな、今美希と千早が生放送の番組をやってるんだが」
P「雪歩がケガしちゃってさぁ、コーナーの一つ、雪歩走っちゃいますが中止になっちゃってさ」
響「きゅ、急すぎるぞ…」
P「響…お願いします」
美希「あっ!皆ー速報なのー」
千早「たった今、スタッフから緊急発表がありました」
美希「皆が期待していたコーナーの一つの雪歩走っちゃいますの代わりに~」
美希「他のアイドルが走っちゃうのー!」
千早「えー、現場のプロデューサー、聞こえますか?」
P「はいはーい、こちら現場のプロデューサーでーす」
P「急ですが、仲間の無念を引き継ごうと立ち上がったアイドルが居ます、どうぞ」
響「じ、自分頑張るさー!」
P「ばかっ、まずは自己紹介だろ」
響「うぇっ!?」
P「えっと、こちらの小さくて可愛らし
響「自分、小さく無いぞ!」
P「え、えー、こちらのポニーテールが可愛らしいアイドルさん、自己紹介をお願いします」
響「はいさい!自分、沖縄生まれの我那覇響って言うぞ!雪歩の代わりになっちゃったんだけど」
響「自分、絶対ゴールするぞ!」
P「はい、以上現場のプロデューサーでしたー」
千早「ありがとうございます」
美希「じゃあ早速いっちゃうのー!」
千早「今回のチャレンジは、我那覇さんが居る所からこちらのスタジオまで、この番組が終わるまでにゴールするというコーナーです(良かった、噛まずに言えた)」
美希「もう時間が無いけどぉ、うん、響なら大丈夫なの!」
千早「それじゃあ我那覇さん、宜しくお願いします」
美希「スタートなのー!」
P「じゃあな」
響「……え?」
P「俺は帰るから」
響「な、何言ってるんだ?プロデューサー」
P「まぁ今来た道をくれば良いだけだからな」
響「ま、まっ」
車「のヮの」ぶるるる
ブロロロロ
自分、ひとりぼっちになっちゃったぞ
響「あ、うぅ…」
来た道を帰るだけ、プロデューサーはそう言ったけど
自分、車の中でゲームやってたから道なんて全然見てないぞ
と、とにかく走らないと…
響「ゔうぅ…な、なんくるないさー!」
心配無いさ、そう心に言い聞かせ無いと自分が壊れちゃいそうだったから
知らない土地、周りにはカメラマンすら居ない…
あっ、上にヘリコプターが居るぞ、コレで自分を中継するつもりなのかな
響「……」
タッタッタッタ
今は走ろう、走って前に進もう
そして皆の所に帰るぞ、かえって皆に褒めてもらうんだ
なんくるないさ…
響の、たったひとりのたたかいがハジマル
どれ位走ったんだろう、息がし辛い
プロデューサーに水位貰えば良かったかなぁ…自分、本当に馬鹿だなぁ
響「…はっはっ……はあっ…はぁ」
おかしいな、ずっと走ってる筈なのに、全く景色が変わらないぞ
コンクリートで整備された道路、白いラインにガードレール
それだけ…それだけが延々と続いてる
響「はっ…はぁっ」
自分、体力には自身はあったさぁ
有ったけど……有ったけど
辛いぞ、もう自分、走れないさぁ
響「っ…はぁ」
だ、ダメ、こんな所で諦める訳にはいかないぞ
プロデューサーが……プロデューサーが自分にって声をかけてくれた
自分じゃないと嫌だって、そう言ってくれた
嬉しかった、いつも事務所の隅でピヨコから貰ったお茶を啜るだけの自分に
レッスンの時、いつも一人で踊っている自分に
合唱の時、2人組を組まされる時いつも残って気不味くなりトイレに行くと言って逃げ出す自分に
声をかけてくれた!プロデューサーから
大好きな人から!だ、だから自分
響「なんくるないさぁああ!」
響は走り出す、全く関係無い所を
足が重い、胸が痛い、息が出来ない、苦しい
延々と続いてる道路…自分、今どの辺りなのかな
スタジオに…皆の所に
プロデューサーの所に…近づいてるのかなぁ
響「はあぁ…っはぁ…」
あれ?なんだか身体が軽いぞ
これなら自分、プロデューサーの所まで頑張れる気がする
スタジオで、沢山の声援に支えられてゴールする自分がいる
いけるぞ…頑張るさ
絶対にゴールしてやるぞ!今の自分ならいける!
この身体ならいける!だからプロデューサー、待っててほしいさぁ
あはは、いける、イケるぞ
身体が軽い、背中に翼が生えてるみたいに軽いぞ!
プロデューサー、自分、もうすぐそっちにいくさぁ…だからもう少しだけまっててほしいぞ
皆、こんな自分でも頑張れるってところを見せてやるぞ!
だから、この収録が終わったら、皆でご飯食べに行こうよ…
だから…だから
響「……」
あれ…おかしいぞ、なんで自分…倒れてるんだ?
さっきまで走ってたのに…あんなに速く走ってたのに
あぁ…そっか、アレ…全部夢なんだな
自分、もう辛いぞ、もう走れないさぁ
だから……だから
もうゴール、していいよね。 …ここまで自分、頑張ったさぁ…だから、もうゴールしていいよね。 … 自分のゴール。ずっと目指してきたゴール。<BGM>Go My Way
響「ぼっちは辛いぞ…」P「響…」
終わり
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