貴音「接吻とはどのようなものなのでしょうか?」(580)


P「……」

貴音「? あなた様、聞いておりますか?」

P「……これだけは言っておくぞ。練習台には絶対にならない」

貴音「なんと!?それでは私はどうすれば……」

P「響に聞いたけど、今度のドラマではキスするふりなんだろ?」

貴音「そのとおりですが、役を演じる上で経験というのは大きな武器となりえます」

貴音「つまり、きす?をすることで今回はもちろん、今後の役の演じ方にも幅が広がると思うのです」

P「だとしても俺は絶対にダメだからな」


貴音「しかし、このようなことを頼める殿方はあなた様以外におりません」

P「女の子同士でも練習にはなるだろ?響に頼め」

貴音「響はきっと、初めては殿方の方がよいと思います」

P「じゃあ、真」

貴音「……真に失礼ですよ」

P「(響とまったく同じこと言ってるよ)」

P「俺は絶対にしないからな」

貴音「……してくれなければ、帰りません」

P「……かえr貴音「絶対に帰りません」

P「……」


駐車場


P「(結局、マンションまで帰ってきちゃったよ)」

P「なぁ、他に方法はないのか?」

貴音「ありません。経験とは体験することによって得られるものですから」

P「う~ん……」

P「(家に入っちゃえば、貴音だって諦めるだろ)」


P「(車の鍵を閉めたら走って逃げるか)」ガチャ

貴音「今宵はあなた様の家にお泊まりですね」ガチャ

P「今なら、家まで送ってやれるぞ」ガチャリ

貴音「そうはいきません。あなた様が決心なさるまで私は待ちます」

P「それは残念だ」ダッ

貴音「あなた様!?」

P「(突然のことで対応できてないな。これなら!)」ガチャリ


貴音「あなた様!待ってください!」タッタッタ

P「(少し胸が痛いが強引にでも離れないといつまでもこのままだからな)」ガチャ

バタン、ガチャリ

『開けてください!あなた様!』ドンドン

P「(許せ、お前のためなんだ)」

『あなた様……うぅ……開けてください……』

P「(貴音、泣かないでくれ……)」


『あなた……ヒック……様……』ペタッ

P「(座り込んじゃったよ……)」

『ヒック……ぅう……』

P「……」

『あなたさまぁ……あなたさまぁ……』

P「……もう、分かったよ」ガチャ

P「ほら、夜は冷えるからな。入れよ」


貴音「それでは、失礼します」スタスタ

P「え?」

貴音「どうかしましたか?」

P「泣いてたんじゃなかったの?」

貴音「ふふっ、今の私は役者ですよ、あなた様」

P「まんまと騙されたということか……」

貴音「これもあなた様の指導の賜物ということですよ」

P「釈然としねぇ……」


P「で、だ」

貴音「はい」

P「アイドルが一人暮らしの男の部屋に入ることがどういうことか、分かってるんだろうな」

貴音「きすしてくれるということです」

P「ちげぇよ!スキャンダルがあるかもしれないってことだよ!」

貴音「そんなことですか」

P「そんなことって、お前なぁ……」


貴音「あなた様の言うことも分かります。しかし、この状況はあなた様が作ったと言っても過言ではないはずです」

P「……」

貴音「どうですか?きすしてくださる気になりましたか?」

P「……しない、と言ったら?」

貴音「今日だけではなく、明日もあなた様のそばにいます」

P「……分かったよ」

貴音「では!」

P「一回だけだぞ。これ以降は絶対にやらないからな」


貴音「そうですか……。でしたら少し長めにきすしてくれませんか?」

P「いや、それは……」

貴音「私が知るきすというものは軽く触れるものです」

貴音「しかし、私はその一瞬できすというものを理解する自信がないのです」

P「でもな……」

貴音「お願いです、あなた様……」

P「はぁ……本当に次はないからな」

貴音「はい!」


P「一応聞いておく。キスして後悔するなよ」

貴音「これは私が望んだこと。後悔などするはずがありません」

P「そうか。……えっと、俺からすればいいのか?」

貴音「はい」

P「じゃあ、十秒程度で離れるからな」

貴音「あなた様、お願いします」

P「い、いくぞ」チュッ


貴音「んっ……」

P「(1……2……)」

貴音「はぁ……ぁん……」

P「(え、エロいな……)」

貴音「んふぅ……」

P「(や、やばい、俺の理性が持たない!)」バッ

貴音「はぁ……んはぁ……」トロン

P「た、貴音、今日はもう疲れただろ?風呂入ってきていいぞ?」


貴音「あなたさまぁ……も、もう……一度、おねがい、します」グイッ

P「だ、ダメだって!」

貴音「まだ……七秒ほどしか、経って……いません」

貴音「あと、三秒……んっ……」チュッ

P「っ!?」

貴音「ぅん……はぁ……」

バッ

P「ふ、風呂入ってくる!」タッタッタ


貴音「あっ……」

貴音「まだ……二秒……」

貴音「何か……プロデューサーの代わりになるものは」キョロキョロ

ガチャ

貴音「寝室……プロデューサーの布団……」バサッ

貴音「……」クンクン

貴音「……プロデューサーの匂いがします」

貴音「……どうしてでしょうか、胸が……とても苦しいです」

貴音「あなた様……」ギュウ


チャポン

P「あんなの反則だろ……あぁ、ムスコも成長しきってる……」

P「高校生ぐらいなら余裕だと思ってたけど、貴音は別格だな……」

P「くそ、静まれ静まれ静まれ静まれ」

P「こういうときは関係ないことを考えるが一番だよな、うん」

P「関係ないこと関係ないこと」


P「……そういえば、今日卓球やったな」

P「強いとか響に言っちゃったけど、コテンパンにやられたのはきつかったな……」

P「まぁ、三年間ちゃんと部活でやってきたやつと勝負しても勝てるわけ無いのは分かってたけど」

P「つか、響もずるいんだよ。暑いからって薄着でやるわ、それなのに激しく動き回るわ」

P「目のやり場に困るんだよ。身体が小さいくせに出るとこ出てるし……ってこれはだめだ」

P「……あー風呂から出たくない」

P「去り際にまだ二秒って声が聞こえたし」

P「……どうすっかな」


P「貴音ー?あがったぞー」

P「あれ、どこいったかな」

ガチャ

貴音「……zzz」スゥー

P「……寝ちゃってたのか」

P「ちゃんと布団被らないと風邪引くぞ?」スッ

P「ふわぁ……俺も眠くなってきたな」

P「同じ布団で寝るわけにもいかないし、ソファーで寝るかな」



P「ん……朝か」

トントントントン

P「包丁の音?」

貴音「おや、おはようございます、あなた様」

P「おはよう、貴音」


貴音「昨夜は少し取り乱してしまい申し訳ありませんでした」

P「いや、気にしてないよ」

貴音「せめてもの償いとして朝餉を作らせていただいています。もうすぐ出来ますから、少し待っていてください」

P「あぁ、ありがとな」

貴音「それと真に勝手ながらしゃわーと洗濯機、乾燥機をお借りしました」

P「うん、分かった」

P「(よかった。いつもの貴音だな)」


P「いただきまーす」

貴音「いただきます」

P「このあと、一回、帰るだろ?」モグモグ

貴音「そうですね、洗ったとはいえ二日続けて同じ服では嫌ですから」

P「それと今日は午前に撮影だったよな?」

貴音「えぇ、それから午後に違う仕事が入っています」

P「それじゃあ、貴音の家に寄ってから、スタジオに向かうってことで」

貴音「承知しました」


P「ここが貴音の家か……」キョロキョロ

貴音「恥ずかしいので、あまり見ないでください」

P「あぁ、悪い」

貴音「では、私は着替えて参りますのでしばしお待ちを」

P「うん」

P「……貴音の家って何もないな」

P「千早の家も何もなかったけどこっちも同じぐらいだな」

P「唯一違うのはこの本棚か」


P「……歴史の本がたくさんあるな」

P「日本史、世界史、時代ごとに色々」

P「……」パラパラ

貴音「歴史に興味があるのですか?」

P「うおっ、いつの間に!?」

貴音「ふふっ、今さっきですよ」

P「声ぐらいかけてくれよな……」

貴音「申し訳ありません。……それで、あなた様は歴史に興味があるのですか?」

P「いや、俺はそれほどないな」

貴音「そうですか……」


P「貴音は興味あるのか?歴史」

貴音「えぇ、歴史とは人類の歩み。とても興味深いです」

P「そうだったのか。にしても貴音のことはまだまだ知らないことだらけだな」

貴音「ふふっ、もっと私を知りたいですか?あなた様」

P「そうだな。もっと貴音のこと知れば、仕事だって選びやすくなるからな」

貴音「……仕事、ですか」ボソッ

P「なんか言ったか?」

貴音「いえ、何も。それより、早く行きましょう」

P「あぁ、そうだな」


ブロロロロロロ

P「貴音は歴史が好きなんだな」

貴音「えぇ、自宅ではよくその手の書物を読んでいるのでそう言えるでしょう」

P「じゃあ、貴音の趣味は歴史と天体観測か」

貴音「天体観測?」

P「あれ、違ったか?夜になると月を見てるからそうなのかなって思ってたんだけど」

貴音「趣味……といえるでしょうか。気がついたら空を見上げているので」


P「でも好きなんだろ?月を眺めてるの」

貴音「えぇ、なにやら懐かしい気分になりますから」

P「……そうだ、今度一緒に見に行かないか?」

貴音「あなた様と二人で、ですか?」

P「あぁ、二人でもいいし、響や春香たちを呼んだっていいぞ」

貴音「……いえ、あなた様と二人で行きたいです」

P「うん、分かった。今の季節は星も綺麗だからな、きっとビックリするぞ」

貴音「ふふっ、楽しみにしていますよ」

P「まかせとけ」


貴音「――――?」

男「――――――!」

貴音「――――――――――!」

カット、オーケーデス

貴音「ありがとうございました」

男「貴音ちゃん、昨日もすごかったけど、今日も一段とすごい演技だったよ」

監督「確かにな。俺の理想と合致していた見事な演技だった」

貴音「お褒めにあずかり光栄です」

男「そうだ、今日もこれからみんなでご飯食べに行くけど貴音ちゃんも来るよね?」

貴音「申し訳ありませんが、次の仕事があるので今回は辞退させていただきます」

男「そっか、それならしょうがないな」

監督「気をつけて帰れよ」

貴音「はい」


貴音「(今日は監督殿や共演者の方々に褒められてしまいました。これもプロデューサーのおかげですね)」

貴音「(昼餉にはプロデューサーをお誘いしましょう)」

ガチャ

貴音「ただいま戻りました」

P「おかえり、貴音」

響「貴音おかえりー。それから、はいさーい」

貴音「……えぇ、おはようございます、響」


響「なぁーご飯食べに行こうよー」

P「もうすぐ終わるから、ちょい待ってくれ。それから、いい加減離れろ」

響「なんくるないさー!」

P「まったく……」

貴音「……響、プロデューサーが嫌がっています。離れなさい」

響「えー。別にいいよね、プロデューサー」

P「まぁ、べt貴音「離れなさい!」

貴音さんは、まさに宇宙の神秘そのものだな。

試演


響「わっ!?」ビクッ

P「ど、どうした?貴音」

貴音「……えっ?わ、私は何を……?」

響「た、貴音……じ、自分……」

貴音「響……その、私は……」

P「貴音、向こうで何かあったのか?」

貴音「あ、あなた様……くっ」ダッ

P「お、おい!どこいくんだよ!」


響「プロデューサー、自分、貴音を怒らせることしちゃったかな……」

P「いや、そんなことはないと思う。とりあえず俺は貴音のあとを追うよ」

響「自分も行くぞ!」

P「お前はここで待ってろ。何が原因か分からない以上、俺一人で行った方が話しやすい」

響「……うん、わかったぞ」

P「そんな不安そうな顔するな。必ず連れ戻してくるし、貴音だってちょっと声がでかくなっただけだよ」ナデナデ

響「……うん」

P「それじゃ、行ってくる」


貴音「はぁ……はぁ……」タッタッタ

貴音「(私は最低です……響に当たり散らすなんて……)」タッタッタ

貴音「(今すぐに謝りたい……でも、今の私には響にもプロデューサーにも会わす顔がない……)」タッタッタ

貴音「はぁ……はぁ……」

貴音「私は……なぜ、あのようなことを……」

P「貴音!」タッタッタ

貴音「あなた様……こ、来ないでください!」

P「貴音……」


貴音「今は私にかまわないでください……」

P「そんなわけにもいかない。お前が悩んでいるなら、それをプロデューサーの俺が無視するわけにはいかないんだよ」

貴音「……」

P「何があったんだ?もし、仕事で嫌なことがあったなら遠慮無く俺に言ってくれよ」

貴音「……」

P「……俺じゃ、信頼できないか?」

貴音「そ、そんなことはありません!」


P「なら、どうして話してくれないんだ?」

貴音「……話してしまうと、あなた様に失望されてしまうからです」

P「大丈夫だよ。お前が何を言おうが俺はお前を嫌いにはならないし、お前から距離を置くこともしない」

貴音「……本当ですか?」

P「本当だよ」
_
貴音「……分かりました。……話します」


貴音「……あのとき、私は事務所であなた様と響が親しくしているのを見て、なぜか急に、胸が苦しくなったのです」

P「……」

貴音「あなた様が響と会話をするだけでどんどん息苦しくなり、見ているのも嫌になって、それであのようなことを……」

貴音「なぜそのような気持ちになったのか、私自身にもわかりません……」

P「(以前にもこんなこと聞いたな……。確か、千早だったか)」

貴音「響が嬉しそうにしているのなら私だって嬉しいはずです」

貴音「それなのに、その姿を見ているのが嫌になるなんて……。私はどうしてしまったのでしょう……」


P「(もし千早と同じだとしたら俺が言うべきじゃないよな)」

P「……悪いが、その感情の正体を俺が言うわけにはいかない」

貴音「そんな……」

P「これは他人に言われて気づくんじゃなくて、貴音が自分で気づくべき感情なんだ」

貴音「……そう、ですか」

P「中途半端になってしまうことを許してくれ」

貴音「……」


P「一旦、事務所に帰ろう。響が心配してるよ」

貴音「ですが私は響にひどいことを……」

P「あいつなら大丈夫だよ。それとも、この程度で壊れる関係なのか?」

貴音「そんなことはないです!」

P「なら、帰ろう。あいつはお前と仲直りしたがってるよ」

貴音「……はい」


ガチャ

P「ただいま」

貴音「……」

響「貴音!」

貴音「響……」

響「その、ごめんな。自分、貴音のこと怒らせちゃったみたいで……」

貴音「謝らないでください。悪いのは私なのですから……」

貴音「ごめんなさい、響。いきなり怒鳴ったりして」

響「ううん、そんなの気にしてないぞ。それより、なんで怒鳴ったりしたんだ?」

貴音「それは……」


P「俺が響の胸を触ろうとしてたから、とっさに怒鳴っちゃったんだよ」

貴音「あなた様……」

響「プロデューサー、自分にそんなことしようとしてたのか!?」

P「ちょっとぐらいならいいかなって思ってさ」

響「黙って触ろうとするなんて最低だぞ!」

P「ごめんなさい……」

響「言ってくれれば、その……いいのに」ボソッ


P「とにかく、悪かった。だから貴音を許してやってくれよ?」

響「元から怒ってなんかないぞ。貴音もありがとね」

貴音「え、えぇ。響、プロデューサーをあんまり責めないでくださいね」

響「わかってるさー。でも、プロデューサーは罰として昼ご飯をおごること!」

P「へいへい、わかったよ」

響「……反省の色が見えないぞ」

P「奢らせていただきます」

響「なら、早くいくぞ!」ギュウ

貴音「っ」ズキッ


響「貴音も行くよね?」

貴音「……私は次の仕事があるので」

響「えー!行こうよー!」

貴音「ごめんなさい、プロデューサーと行ってきてください」

響「うーん、でも仕事じゃ……しょうがないよね」


響「今度は一緒に行こうね。ほら、行くぞ、プロデューサー」グイッ

P「引っ張るなよ。貴音、何かあったらすぐに呼べよ?飛んでいくから」

貴音「はい。あなた様、いってらっしゃいませ」

P「あぁ、仕事頑張れよ」

貴音「はい」

バタン

貴音「……なぜ、私は共に行かなかったのでしょうか」

貴音「……」

貴音「……全然、わかりません」


―――ラーメン二十郎

ガラッ

店長「いらっしゃい、って貴音ちゃんか」

貴音「こんにちは、店長殿」

店長「いつものかい?」

貴音「えぇ、お願いします」

店長「分かった。ちょっと待ってな」

貴音「はい」


貴音「……」

貴音「(今頃、プロデューサーは響と……)」ズキッ

貴音「(またです……どうしてこのように胸が痛く、苦しくなるのでしょう)」

貴音「(呼べば飛んでくる……プロデューサーはそう、仰っていましたね)」

貴音「(……今呼んでも、飛んできてくれるでしょうか。響ではなく私を選んでくれるでしょうか)」

貴音「……」


店長「おまちどおさん」

貴音「ありがとうございます」

貴音「いただきます」ズルズル

店長「……どうかしたのか?浮かない顔してるけど」

貴音「いえ、なんでもありません」

店長「それならいいけどよ」

貴音「お気遣い、感謝します」


貴音「……ごちそうさまでした」

店長「……やっぱり、なんかあったんじゃないか?」

貴音「残してしまったことは謝ります。申し訳ありません」

店長「そんなことはいいんだよ。もし悩みがあるなら聞くぞ?これでも口は堅いからな」

貴音「いえ、本当に大丈夫です。心配していただきありがとうございます」

店長「なら、今度来るときは豪快な食べっぷりを見せてくれよ?俺はそのためにこうして作り続けてるんだからよ」

貴音「はい、約束いたします。それでは失礼します」

店長「また来いよ」

ガラッ

貴音「(まったく食が進みませんでした……)」

貴音「(店長殿には、悪いことしましたね)」

貴音「……」スタスタ

貴音「(……プロデューサー)」


貴音「……はぁ」

貴音「(午後の収録は全然うまくいきませんでした……)」

貴音「(……気にしすぎても仕方ありません。夕餉でも食べに行きましょう)」

貴音「(しかし、あまり食欲がわきませんね……)」

貴音「(どういたしましょう)」

貴音「……」

貴音「……」ピポパ

prrrrrprrr

貴音「(どうして、電話などしているのでしょうか……。用事なんて何もないのに……)」


『はい』

貴音「……あ、あなた様」

『貴音か、どうかしたか?』

貴音「あの、その……」

『何だよ、用事があったんだろ?』

貴音「いえ、えっと……」

『……夕飯はもう食べたか?』

貴音「ま、まだです」


『なら一緒にどうだ?一人で食べても寂しいし』

貴音「良いのですか?」

『いいも何も俺から誘ってるんだぞ』

貴音「ふふっ、そうでしたね。では、ご一緒させていただきます」

『じゃあ、迎えにいくよ。どこにいるんだ?』

貴音「場所は―――」

『了解、少し待っててな』

貴音「はい」

貴音「……ふふっ、二人きり、ですね」

本来だったらプロデューサーってのは、プロジェクト全体の統括と総指揮。必要な資金のやりくりとかもするんじゃなかったっけ。
アニメの製作で言ったら、プロデューサーは監督に匹敵か、さらにその上の立場。マネージャーは制作進行どまりじゃないかな。

アイマスのはプロデューサーとマネージャーの中間ぐらいな気がする。

まあ
貧乏事務所だしな
細かいとこはいいんだよ

>>161
そうそう。本当に大切なのは貴音さんのかわいさだよな。


ブロロロロロロ

P「何食べたい?」

貴音「らぁめんです」

P「ま、聞くだけ無駄だったか」

貴音「らぁめんは美味ですから」

P「でも毎日食べてたら飽きるだろ?」

貴音「む、私だって毎日食べてるわけではありません」

P「へぇ、じゃあ、昨日の昼は何食べた?」

貴音「らぁめんです」


P「一昨日の昼と夜は?」

貴音「らぁめんとらぁめんです」

P「……ラーメンはやめにしよう」

貴音「そんな!?」

P「ラーメン以外ならなんでもいいからさ」

貴音「あなた様はいけずです……」

P「そういうなって」

貴音「……」

P「はぁ……分かったよ」


貴音「らぁめん……」

P「冷やし中華だって似たようなものだろ」

貴音「似て非なるもの、つまりまったく別物です」

P「ま、これからは一週間に一回だけな」

貴音「……なにがです?」

P「らーm貴音「聞こえません」

P「……」


P「はぁ……貴音、七夕の日って空いてるか?」

貴音「その日なら午前で仕事は終わりですが」

P「だったら、その日に、今朝言った天体観測に行かないか?」

貴音「構いませんよ。私もあなた様と見に行きたいですから」

P「なら決まりだ。晴れるといいな」

貴音「そうですね」


ブロロロロロロ

P「食った食った~」

貴音「少し量が足りませんでしたね」

P「何杯食ったと思ってんだよ」

貴音「あなた様」

P「ん?」

貴音「昼間はありがとうございます。私をかばってあのような嘘を」

P「あぁ、別に良いよ。昼飯奢ってやったら、機嫌も直ってたみたいだから」


貴音「しかし、あなた様にあのような汚れ役を……」

P「だから、気にするなって」

貴音「……分かりました」

貴音「ところで……響とはどうでしたか?」

P「どうって別になにもないよ。ただ飯食って話をして、それから仕事先まで送ってっただけだよ」

貴音「そうですか」ホッ

貴音「(なぜでしょう、とても安心した気持ちになりました)」



P「それじゃあな」

貴音「えぇ、おやすみなさい」

P「おやすみ」

ブロロロロロロ

貴音「……行ってしまいましたか」

貴音「さて、早く部屋に入りましょう」スタスタ


ガチャ

貴音「ただいま戻りました」

シーン

貴音「(いつもと変わらない部屋なのに……なぜかとても、切ないですね)」

貴音「そうです、あの日の天気は……」

貴音「……雨、ですか」

貴音「……てるてる坊主でも作りましょう」

貴音「……」

貴音「お願い致します。どうか、叶えてください」


貴音「……」

貴音「(眠れません)」

貴音「(昨夜はぐっすりと眠れましたのに……)」

貴音「(……電話をしたら、迷惑でしょうか)」

貴音「……」ピポパ

prrrrrprrrrr

ガチャ

貴音「あ、あなた様」

コチラオルスバンサービスデス

貴音「……」ピッ

貴音「……あなた様」


ガチャ

貴音「おはようございます」

小鳥「おはよう、貴音ちゃん」

貴音「おはようございます、小鳥嬢」キョロキョロ

小鳥「プロデューサーさんならいないわよ?」

貴音「そう、ですか……」

小鳥「何か用事?」

貴音「いえ、そういうわけではないのですが……」

小鳥「プロデューサーさんが事務所に帰ってきたら、連絡してあげようか?」

貴音「……そうですね、お願いします」


カットカット!

監督「どうした、四条」

貴音「……申し訳ありません」

監督「……しょうがない、一旦休憩入れるぞ」

貴音「いえ、私はまだできます」

監督「だが今の状態でやったところでいい映像が撮れるとも思えない」

貴音「しかし……」

監督「無理して続けても良い結果はでないぞ」

貴音「……わかりました。休憩、お願いします」

監督「プロとしての自覚があるなら、この時間で立て直せよ」

貴音「はい」


貴音「(うまくいきません……どうしてでしょうか)」

貴音「おや、小鳥嬢からめぇるが」

『プロデューサーさん、帰って来ましたわよ!』

貴音「……ありがとうございます」カチカチ

貴音「……」ピポパ

prrrrrprrr

『もしもし』

貴音「あなた様……」


『貴音か、悪いな昨日電話に出られなくて』

貴音「いえ、あのような時間にかけた私が悪いのです」

『それで、どうしたんだ』

貴音「えっと……そうです、七夕の日は雨の予報が出ているようですけど……」

『ありゃ、そうなのか』

貴音「はい、だからどうするのかと思いまして」

『俺はあの日ぐらいしかまともに空いてる日がないからなぁ』

『雨が降るようなら中止になるかな』

貴音「そうですか……」


『そんな声出すなよ。大丈夫、てるてる坊主を百個ぐらい作れば晴れるだろ』

貴音「ふふっ、そうですね」

『貴音はまだ仕事か?』

貴音「えぇ、今は休憩中です」

『そうか、うまくいってるのか?』

貴音「いえ、それがあまり……」


『珍しいな、何かあったのか?』

貴音「なんというか……気分が乗らないと言いますか」

『ったく、そんなことじゃダメだぞ』

貴音「……申し訳ありません」

『……そうだ、うまくできたらご褒美をあげよう』

貴音「……本当ですか?」


『あぁ、だから頑張れるな?』

貴音「はい!」

キュウケイオワリデース

貴音「すみません、休憩が終わったようです」

『悪いな、長々と話しちゃって』

貴音「いえ、こちらこそ。それよりご褒美の話、忘れないでくださいね」

『分かってるよ。それじゃ』プツッ

貴音「……ご褒美」


貴音「はぁ……はぁ……」タッタッタ

貴音「(プロデューサーと話してからなぜか調子が良くなりました)」

貴音「ふふっ、さすがはプロデューサー、ですね」タッタッタ

貴音「はぁ……はぁ……着きました」

貴音「……どこかおかしいなところはないでしょうか」キョロキョロ

貴音「……よし」スッ


『プロデューサー、沖縄にはいつ行く?』

貴音「っ!?」ピタッ

『そうだなぁ、みんな一斉に休みなんて取れないだろうし』

『自分はプロデューサーと二人で行きたいぞ』

貴音「……」ズキッ

『まぁ、休みの日まであいつらのお守りっていうのもなんだしな』

『その点、自分はカンペキだからそんなの必要ないさー』

P「じゃあ、なつやs貴音「戻りました」


響「あっ、おかえり、貴音」

P「おかえり、どうだった?」

貴音「えぇ、うまくいきました」

響「プロデューサー、話の続きだけど……」

貴音「響、プロデューサーは用事があるので借りますね」

響「えっ……」

P「お、おい」


貴音「約束をお忘れになったのですか?」

P「忘れてないけど……」

貴音「ならば行きましょう」グイッ

響「プロデューサー!」

P「悪い、この話はまた今度な」

響「や、約束だぞ!」

貴音「……あなた様」グイッ

P「分かってるよ」


ブロロロロロロ

P「どうしたんだよ、あんな強引に引っ張って」

貴音「……分かりません。気がつけば、あのようなことを」

P「まぁ、いいけどさ」

P「で、約束の話だけど」

貴音「何をくださるのですか?」

ミスった。ちょっと>>280から書き直す


貴音「約束をお忘れになったのですか?」

P「忘れてないけど……」

貴音「ならば行きましょう」グイッ

P「今、響と話してるからちょっと待ってくれよ」

貴音「ダメです。仕事に遅れてしまいます」

P「すぐに終わるからさ」


貴音「……」グイッ

P「うおっと!?」

貴音「早く行きましょう」

P「……分かったよ」

響「プロデューサー!」

P「悪いな、この話はまた今度」

響「や、約束だぞ!」

貴音「……あなた様」

P「分かってるって」


ブロロロロロロ

P「どうしたんだよ、あんな強引に引っ張って」

貴音「……分かりません。気がつけば、あのようなことを」

P「まぁ、いいけどさ」

P「で、約束の話だけど」

貴音「何をくださるのですか?」


P「響から貴音は目が悪いって聞いてな。メガネでも買ってやろうって思うんだけど」

貴音「眼鏡ですか」

P「コンタクトの方が良かったか?」

貴音「いえ、直接目に入れるのは少し怖いので眼鏡の方が良いです」

P「そうか、よかった」

P「ところで、今はちゃんと見えているのか?」

貴音「ふふっ、秘密です」


貴音「どれが良いのでしょうか?」

P「そうだなぁ……一通りかけてみれば?」

貴音「分かりました。では、どれが良いかあなた様が選んでくださいね」

P「まかせろ」

貴音「では、まずはこれを」スッ

P「黒縁か……。似合っているけど貴音は目立たないメガネの方が良いかもな」


貴音「そうですか?では、こちらを」

P「下フレームだな。うん、似合ってる」

貴音「ふふっ、こちらはどうですか?」

P「こっちもいいな」

貴音「ちゃんと決まるのですか?あなた様」

P「だ、大丈夫だ。ビシッと決めてやるって」

貴音「ふふっ、お願いしますね」


アリガトウゴザイマシタ

P「さて、貴音はこの後また仕事だろ?」

貴音「えぇ、写真撮影だったと思います」

P「俺も午前で仕事がだいたい終わったから一緒に行こうか?」

貴音「そ、それは真ですか?」

P「うん、最近仕事を見てやれなかったからな」

貴音「是非、お願いします!」

P「んじゃ、行くか」


パシャパシャ

P「(問題ないみたいだな。けど……)」

貴音「……」チラッ

P「(ちょくちょく、こっち見てくるな)」

カメラマン「貴音ちゃん、こっち見て」

貴音「はい」


パシャパシャ

P「(集中できてないのか?)」

P「(でも、表情は悪くない。むしろ良いぐらいだ)」

貴音「……」チラッ

P「(まただ……。……いや、もしかしたら何かあったのかもしれない)」


P「すみません、ちょっといいですか?」

カメラマン「はい、どうかしましたか?」

P「貴音の調子が悪いようなので少し休憩をもらえますか?」

カメラマン「えっ、そうなんですか?」

P「えぇ、あいつすぐ無理するので。貴音!」

貴音「なんでしょうか?」

P「ちょっとこい」

貴音「はぁ」


P「何があった」

貴音「何が、とは?」

P「ときどきこっちを見てただろ?それで何かあったんじゃないかと思ったんだけど」

貴音「き、気づいていたんですか?」

P「あれだけ頻りに見られてたら気づくだろ。それでどうなんだ」

貴音「特に問題はありません。あなた様を見ていたのは、その……」

P「?」


貴音「見ていないと、いなくなってしまうんじゃないかと……」

P「俺がお前を置いてどこかに行くわけないだろ?」

貴音「それはわかっているのですが……」

P「だったら、俺はカメラマンの後ろに立ってるか?」

貴音「良いのですか?」

P「たびたび目線を外されても困るからな。正面にいればその心配もないだろ」

貴音「そうですね」

貴音「では、そのようにお願いします」

P「あぁ」



貴音「どうでしたか?」

P「うん、完璧だよ。今回の写真集は売れるに売れるだろうな」

貴音「ふふっ、あなた様も買っていただけますか?」

P「もちろん。プロデューサーとして三冊は買うよ」

貴音「プロデューサーとして、ですか……」


P「これからどうする?俺は仕事があるから事務所に戻るけど」

貴音「私は歩いて帰ります。ついでに食事もしたいので」

P「そうか。……ラーメンは食べるんじゃないぞ」

貴音「……」

貴音「それでは、失礼します」スタスタ

P「おい、こら」

貴音「ふふっ、冗談ですよ」クルッ

P「ったく……。気をつけてな」

貴音「はい、また明日」


―――ラーメン二十郎

ガラッ

店長「いらっしゃい、貴音ちゃん」

貴音「こんばんわ、店長殿」

店長「いつものかい?」

貴音「えぇ、お願いします」

店長「ちょっと待ってな」

貴音「はい」


貴音「(今日はとても良い日でした)」

貴音「(どらまの撮影も最後はうまくいきましたし、午後の写真撮影も完璧と言われました)」

貴音「(おまけにご褒美としてプロデューサーに眼鏡も買っていただけました)」

貴音「(眼鏡に髪飾り。ふふっ、いずれお返しをした方が良いですね)」

貴音「(……一方で、響には悪いことをしました)」

貴音「(表面上は仲直りしましたが、響に対して生じるあの感情の正体が分かるまで、本当の意味で仲直りはできません)」

貴音「(……いったい、何なのでしょうか)」

店長「おまち」

貴音「ありがとうございます。……いただきます」


貴音「……ごちそうさまでした」

店長「おっ、もう悩みは解決したみたいだな」

貴音「いえ、実はまだありまして……」

店長「そうなのか?ってことはこの前のは、俺のラーメンが不味かったから……」

貴音「それとはまた異なる悩みです」

店長「そ、そうか。食えねぇほどの悩みがあったなら仕方ないよな!」

貴音「……相談させていただいても構わないでしょうか?」

店長「もちろんだ。……おい、隣のやつ。食い終わったならさっさとどきな」

ハ、ハイ

店長「……さ、これで安心して聞けるな」

貴音「お気遣い、感謝致します」


貴音「今日の昼に私の友人とプロデューサーが話をしていたときのことです」

店長「プロデューサーってのは以前一緒に来ていた男だろ。友人ってのは女の子かい?」

貴音「えぇ、名前は響と言います」

店長「……ふむ」

貴音「響とプロデューサーは休みの日に旅行するという話をしていました」

店長「二人でか?」

貴音「最初は皆と行くつもりだったらしいのですが、結局は二人で行く、ということで話はまとまったみたいです」


貴音「恥ずかしくも遠くで聞き耳を立てていた私は心の内で響に対して嫌悪感を抱きました」

店長「……なるほどな」

貴音「なぜ、私は響に嫌悪感を抱いてしまったのか、それが気になっているのです」

店長「……貴音ちゃん。それは恋だよ」

貴音「恋?私は響に恋をしているのですか?」

店長「あ、いや、そっちじゃなくてだ。貴音ちゃんはそのプロデューサーさんに恋しちまってるんだ」

貴音「なんと」


貴音「ですが、響への感情はなんといえば良いのですか?」

店長「それは嫉妬だな」

貴音「嫉妬……」

店長「貴音ちゃんはプロデューサーさんがその響ちゃんといつも一緒にいたらどう思う?」

貴音「それは……嫌、です」

店長「自分より響ちゃんを優先したらどう思う?」

貴音「嫌です」

店長「それが嫉妬だよ」

貴音「なるほど……」


店長「それは決して悪い感情ではないが、抑えることができないと人間関係を壊すから気をつけな」

貴音「はい」

貴音「しかし、プロデューサーには自分で気づくべき感情だと言われましたが店長殿に聞いてもよかったのでしょうか?」

店長「いいんじゃないか?プロデューサーさん本人の口からお前は俺が好きなんだ、なんて言うわけにもいかないだろ」

貴音「そうなのですか?」

店長「そうなの」

貴音「分かりました。相談に応じていただき、まことにありがとうございました」

店長「これぐらいならいくらでも力を貸すからな」

貴音「はい。らぁめん、とても美味しゅうございました。それでは、失礼します」

店長「まいど」


ガチャ

貴音「ただいま戻りました」

貴音「(明日はいよいよ七夕ですが……)」

貴音「(予報は……)」

貴音「……」

貴音「……あと何体あれば足りるでしょうか」

P 「アイドルは数とゴリ押しだよ!」


貴音「(……また、眠れません)」

貴音「(明日、中止になったら違う日に連れて行ってくれるでしょうか)」

貴音「(空いてる日がないって言っていましたから、次はいつになるのか……)」

貴音「……」

貴音「(恋……ですか。いつからでしょうか……)」

貴音「(きすをした夜、あの夜までは響には普通に接していたのでやはり……)」


貴音「(……そういえばプロデューサーは誰が好みなのでしょうか)」

貴音「(事務所には私よりも魅力的な女の子がたくさんおります)」

貴音「(プロデューサーが私を選ぶ可能性など……)」

貴音「(……)」ズキッ

貴音「(こんなに苦しいなら、恋などしたくありませんでした……)」

貴音「(こんなに苦しいなら、きすなんて……するんじゃありませんでした)」

貴音「……あなた様」ギュウ

分かる……分かるぜ……

俺も貴音さんのことを考えると苦しくて夜も眠れないから、代わりに仕事中にぐっすり寝てるぜ


チュンチュン

貴音「……朝、ですか」

貴音「少し起きるのが遅れてしまいましたね」

貴音「そうです、外は!」バッ

貴音「……」

貴音「……顔、書いてあげませんから」


ゲコゲコ

貴音「……」

ゲコゲコ

貴音「……面妖な」

ゲコゲコ

貴音「どうして……私ばかりこんな目に……」

P「事務所の前でどうした?」

貴音「あ、あなた様!」ギュウ


P「おっと、傘ささないと濡れちまうぞ?」

貴音「それより、あの面妖な生き物をどうにかしてくださいまし!」

P「なんだよ、たかが蛙の一匹や二匹……いっぱいいるのな」

響「どうかしたのか?プロデューサー」

P「響、ちょうどいいところに」

響「?」


P「あの蛙をどうにかしてくれないか?」

響「蛙?あー!カエ郎!カエ郎じゃないか!」

ゲコゲコ

P「それも飼ってるやつなのか?」

響「ううん。名前も今付けた」

P「……そうかい」

響「ほら、お前たち。こんなところにいると自転車に轢かれてぺしゃんこになるぞ」

ゲコゲコ

P「こんな雨の日に、しかも大量にいる蛙を轢いていく物好きはいないだろ……」

貴音「……」ブルブル


響「バイバーイ!集会を開くなら水の中でやりなよー!」

P「助かったよ、響」

響「へへーん、カンペキな自分にかかればこんなのどうってことないさー!」

貴音「ありがとうございます、響」

響「うん。貴音は蛙とか蛇が苦手だからな、困ったらいつでも自分を呼ぶんだぞ」

貴音「えぇ」

P「……あんなに集まったら男でも怖いわ」


P「おはようございまーす」

響「はいさーい!」

貴音「あの、あなたs小鳥「プロデューサーさん!」

P「どうしたんですか?小鳥さん」

小鳥「今日は大事な会議があるって昨日言ったじゃないですか!」

P「うわっ、忘れてた!」

小鳥「今なら急げば間に合いますから。はい、必要な書類をまとめておきました」

P「ありがとうございます!」


貴音「あなた様!」

P「悪いな、貴音。話はあとでな」ガチャ

バタン

貴音「……」

小鳥「うふふ、やっぱりプロデューサーさんにはあたしがついてないとダメね♪」

響「ピヨ子とプロデューサーじゃ、歳が離れすぎてるぞ」

小鳥「響ちゃんだって同じじゃない!」

響「でも、プロデューサーは若い方がいいに決まってるぞ」

小鳥「そんなことないわ!」

響「あるぞ!」

貴音「……仕事に行ってきます」

響「でも、アイドルは若い方がいいに決まってるぞ」
あずさ 「そんなことないわ!」
やよい 「あるぞ!」


貴音「――――」

男「――――――」

監督「……」

貴音「―――――――」

監督「……止めろ」

スミマセン、カットデス

監督「……四条、やる気あるのか」

貴音「……申し訳ありません」

監督「ちょっと頭冷やしてこい」

貴音「……はい」


貴音「(ダメですね……まったく集中できません……)」

貴音「(こんな時はプロデューサーに励ましてもらえば……)」ピポパ

prrrrrprrrrr

貴音「……」

prrrrrprrrrr

貴音「……でて、くれません」

貴音「(このままでは……)」

貴音「(……いえ、いつまでもプロデューサーに頼り切りではダメですね)」

貴音「(眼鏡に髪飾り。もらうだけもらって頑張れないとあっては四条貴音、一生の恥です)」

貴音「すぅー……はぁー……すぅー……はぁー」

貴音「……よし」


貴音「(怒られはしませんでしたが、褒められもしませんでした……)」

貴音「(本調子にはまだ遠いですね)」

貴音「……」スタスタ

貴音「雨、止みませんね……」

貴音「そうです、どうせ中止になるならせめてお返しの品を買って帰りましょう」

貴音「何が良いでしょうか……」


貴音「(響はぺあねっくれすとやらをつけていただいてるみたいですから、私も常に身につけていられるものがいいですね)」

貴音「(すーつ、ねくたい……ダメです、日によって変わります)」

貴音「(携帯電話、は契約が出来ませんし、それ以前に勝手に機種変更するのは失礼ですね)」

貴音「……時計」

貴音「プロデューサーは常に身につけていますし、良いかもしれません」


アリガトウゴザイマシタ

貴音「(……買ってから気づきましたが本当に時計で良かったのでしょうか)」

貴音「(もしかしたら既に誰かが贈った品を身につけているのかもしれません)」

貴音「(私が買った品はプロデューサーにとって邪魔なものに……)」

貴音「……」ジワッ

貴音「(もっと他のものを買いに行きましょう……)」


貴音「(何も思いつきません……)」

貴音「(仮に時計を受け取ってもらえたとしてもプロデューサーのお気に召さなかったら……)」

貴音「……」

貴音「(思考がどんどん悪い方にしかいきません……)」

貴音「……とりあえず、事務所に帰りましょう」


貴音「ただいま戻りました」

小鳥「おかえりなさい、貴音ちゃん」

貴音「小鳥嬢だけですか?」

小鳥「えぇ、さっきまでみんないたけど仕事に行っちゃったわ」

貴音「そうですか」


小鳥「!? た、貴音ちゃん、それはぶ、ブランド物の袋?」

貴音「よく分かりませんが、多分そうです」

小鳥「どうしたのそれ!?ねぇ、どうしたの!?」

貴音「私が買いました」

小鳥「貴音ちゃんが?でも貴音ちゃんってブランド物なんて興味なさそうだけど」

貴音「私のためじゃなく、プロデューサーのためです」

小鳥「なぁんだ、プロデューサーさんにか……」


貴音「そこで小鳥嬢、相談があるのですが」

小鳥「何?」

貴音「プロデューサーは時計を贈られて喜ぶでしょうか」

小鳥「あたしなら絶対に喜ぶわ!」

貴音「……」

小鳥「……コホン、あのプロデューサーさんにそんな心配はいらないわよ」

貴音「そうでしょうか?」

小鳥「えぇ、どんなものをあげたってプロデューサーさんは必ず喜ぶから」

貴音「それはそれでどうかと……」


貴音「ですが、既に誰かから贈られていたら迷惑になるのでは?」

小鳥「大丈夫よ、絶対に笑ってありがとうって言ってくるから」

貴音「しかし、時計なんかは一つで事足りると思うのですが……」

小鳥「いずれは使ってくれると思うけど?」

貴音「いずれでは嫌です」

小鳥「それはプロデューサーさんに言ってもらわなきゃ」

貴音「そう、でしたね」


小鳥「……もしかして渡すか渡さないかで迷ってる?」

貴音「えぇ、もしも拒絶された時を考えると気が引けてしまい……」

小鳥「迷ってるぐらいなら渡した方がいいわよ」

貴音「ですが……」

小鳥「怖いのは分かるわ。けど、ここで渡さないと、そのままずるずる引きずってしまうわ」

貴音「小鳥嬢にもこのような経験があるのですか?」


小鳥「えぇ、あたしもね、学生時代にあこがれの彼にプレゼントを渡そうか迷っていたときがあったわ」

小鳥「結局は渡せなかったんだけど、もし渡していればきっと結婚までしていたわ、うん」

貴音「……」

小鳥「そうよ、あのときしっかりしてれば今頃あたしだって結婚してたんだから!」

貴音「そ、そうですか……」

小鳥「プレゼントか……」

小鳥「はっ!?プロデューサーさんに指輪をプレゼントしてお返しは指輪がいいなってお願いすれば……」

小鳥「……」

貴音「小鳥嬢?」


小鳥「……きっとプロデューサーさんからのお返しの指輪にはDear KOTORIの文字が刻まれているんだわ」

小鳥「それに気づいたあたしは、冗談はよしてくださいよ、ってからかい気味に言っちゃって」

P「ただいま」

貴音「おかえりなさいませ、あなた様」

小鳥「そしたらプロデューサーさんはおもむろにあたしのことを抱きしめて、小鳥、愛してる、なんて言われるの……キャー!」

小鳥「それからそれから、話を聞いてみれば初めて出会ったときから好きだったことが分かって」

P「……どうしたんだ、音無さん」

貴音「話をしていたらいきなりこんなことに」


小鳥「……話をしていくと、次第に二人は気恥ずかしくなってしまいお互い黙り込んでしまう」

小鳥「しかし、そんな空気を破るかのようにプロデューサーさんは立ち上がり、あたしに改めて求婚をする」

小鳥「あたしは困惑した様子で、でもアイドルの子たちはいいんですか?とひかえめに尋ねてみると」

小鳥「俺は小鳥だけを愛しています、と周囲の人間にもアピールするかのように声を張り上げる」

P「……帰るか」

貴音「その方が良さそうですね」

小鳥「あたしはその言葉に顔を真っ赤にして俯いてしまう」

小鳥「言葉だけでは足りないと言わんばかりにプロデューサーさんはあたしを抱きしめ、キスをした」

小鳥「周りの人たちが囃し立てる中、あたしは最愛の人だけに聞こえるよう、呟く、幸せにしてくださいね、と」

小鳥「……これでもう半日頑張れるわね。って貴音ちゃーん?どこ行ったのー?」


貴音「(雨が止みません……やはり中止でしょうか)」

P「貴音は昼飯食べたか?」

貴音「いえ、まだですが」

P「よかった。それじゃ、何を食べる?」

貴音「らぁmP「ラーメンいg貴音「らぁめん」

P「……いつものところか?」

貴音「はい」

P「はぁ……なんで俺はこんなに甘いんだ……」

貴音「ふふっ、そこがあなた様の魅力ですよ」

P「ちょろいってか」

貴音「褒めたのですよ?」

P「はいはい、ありがとさん」

貴音「ふふっ」


ガラッ

店長「いらっしゃい」

貴音「こんにちは、店長殿」

P「どうも」

店長「ほ~う、貴音ちゃんもやるなぁ」

貴音「何がですか?」

店長「ものにしたんだろ?」

貴音「め、滅相もないです!ただらぁめんを食べにきただけです!」

店長「本当か?」

貴音「そ、それより、私はいつものを。あなた様はどうなさいますか?」

P「俺も貴音と同じので」

店長「あいよ、少し待ってくれ」


店長「おまち」

貴音「いただきます」ズルズル

P「……」

貴音「食べないのですか?」

P「いや、多すぎだろ……」

貴音「ですが、あなた様が頼んだのですよ?」

P「前に来たときのいつものはもっと少なかっただろ」

店長「それは俺が貴音ちゃん用に開発した裏メニューだからな」


P「つまり、いつものの内容が変わってたのか」

店長「そういうこったな」

P「で、毎日これ食ってたのか」

貴音「いえ、その……」

P「……ラーメン禁止だな」

貴音「そんな!?」

店長「おいおい、兄ちゃん。それはひどいんじゃないか?」


P「毎日こんなラーメンだったら栄養バランスが偏りますよ」

貴音「あなた様……」

店長「……よし、まかせろ。俺が栄養バランスが完璧でさらにうまいラーメンを作ってやる。それならどうだ」

P「そんなことが可能なんですか?ちゃんと魚や野菜もいれて塩分の取りすぎには注意してくださいよ?」

店長「わかってらぁ。貴音ちゃん、全て俺にまかせておけ!」

貴音「店長殿!」

P「大変だなぁ」ズルズル


貴音「ごちそうさまでした」

P「……うぇ」

貴音「手が止まってますよ、あなた様」

P「なんでもう食い終わってんだよ……」

貴音「これでもゆっくり食べたのですが……」

P「……食うか?」

貴音「良いのですか?」

P「俺の食べかけで良ければ是非食べていただきたい……つか、もうギブ……」

貴音「そ、そうですね。いただきます、もったいないですから」

P「ありがとな」


貴音「ごちそうさまでした」

P「ごちそうさま」

店長「おう、また来てくれよな」

貴音「はい」

P「貴音ー、行くぞー」

貴音「今、参ります」

店長「貴音ちゃん」

貴音「何でしょうか?」

1. 初恋ばれんたいん スペシャル
2. エーベルージュ
3. センチメンタルグラフティ2
4. ONE ~輝く季節へ~ 茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司のSS
茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司を主人公にして、
中学生時代の里村茜、柚木詩子、南条先生を攻略する OR 城島司ルート、城島司 帰還END(茜以外の
他のヒロインEND後なら大丈夫なのに。)
5. Canvas 百合奈・瑠璃子先輩のSS
6. ファーランド サーガ1、ファーランド サーガ2
ファーランド シリーズ 歴代最高名作 RPG
7. MinDeaD BlooD ~支配者の為の狂死曲~
8. Phantom of Inferno
END.11 終わりなき悪夢(帰国end)後 玲二×美緒
9. 銀色-完全版-、朱
『銀色』『朱』に連なる 現代を 背景で 輪廻転生した久世がが通ってる学園に
ラッテが転校生,石切が先生である 石切×久世
10. Dies irae
誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって


店長「……いいか、あの手のニブイ奴は自分から仕掛けないといつまでも相手にしてくれないからな」

貴音「しかし、プロデューサーは私の気持ちに気づいているはずですよ?」

店長「それでもだ。貴音ちゃんだけじゃないんだろ、あの兄ちゃんを好きな奴は」

貴音「そうですが……」

店長「やらないで後悔するならやって後悔しろって言うだろ?俺は全力で応援するぞ」

貴音「……わかりました。私なりに精一杯やってみます」

P「貴音ー?」

貴音「それでは、失礼します」

店長「頑張れよ」


ブロロロロロロ

貴音「雨、止みましたね」

P「そうだな」

貴音「(しかし、止んだところで雲がはれない限りは……)」

貴音「(……それならば、せめて時計だけでも)」

貴音「あなた様」

P「なんだ?」


貴音「今している時計はどのような経緯で手に入れたのですか?」

P「これか?なんてことはない、ただその辺で買った安物だよ」

貴音「(良かった……誰かからの贈り物ではなかったのですね)」

P「けど、これがどうかしたのか?」

貴音「いえ、ただ少し気になっただけです」

貴音「(今は運転中ですし、渡すのは別れ際にしましょう)」


貴音「……」コクンコクン

P「眠いのか?」

貴音「はい、昨日よく眠れなかったもので……」

P「寝ててもいいぞ、着いたら教えるから」

貴音「では、お言葉に甘えまして」

P「あぁ、おやすみ」

貴音「おやすみなさい」


P「くそ、渋滞かよ……」

貴音「……zzz」

P「……曇ってるな」

P「(夜には晴れるって天気予報で言ってたけど、大丈夫かな)」

P「(この日のためにてるてる坊主も作ったんだ。働かないなら顔書かないで捨ててやるからな)」

スタートスタートスタートエブリシングオーケー

P「ん?メールだ」

P「(春香か……。明日、歌のレッスンお願いできますか、ね)」

P「……」

P「(……千早なら喜んで教えてくれると思うからそっちに頼め、っと)」カチカチ

P「(一応、千早の方にも連絡するか)」カチカチ

P「……晴れるかな」

のヮの


貴音「ぅん……あなた様、今どこですか?」

P「起きたか。今、展望台に向かってるところだ」

貴音「展望台?ですが空は……」

P「まだ少し曇ってるけど、確実に晴れてきてるだろ。ほら、隙間から星が見えてるし」

貴音「……どうやら、顔を書いてあげねばならないようですね」

P「顔?」

貴音「いえ、こちらの話です。でも晴れて良かったですね」

P「そうだな。もう少しで着くからそれまでには雲もなくなってるだろ」

貴音「そうだと良いですね」


P「ふぅ、雨が上がってから肌寒くなったな。貴音は寒くないか?」

貴音「えぇ、今のところは大丈夫そうです」

P「無理はするなよ?風邪でも引いたら大変だからな」

貴音「はい。それにしても見事ですね」

P「雨が降って空気中のほこりが落ちたんだろうな。いつもより綺麗だ」

貴音「(そういえばここ数日、空を見上げたことがありませんでしたね)」チラッ

P「どうかしたか?」


貴音「(思えば、暇さえあればプロデューサーのことを考えていましたね)」

貴音「いいえ、なんでもないです」

貴音「眼鏡……」ガサゴソ

P「いつもつけてなくていいのか?」

貴音「えぇ、月を眺めるときや書物を読むときにだけ使わせていただきます」スッ

P「もったいないな。それでテレビにでればCMの依頼がくるぞ?」

貴音「私が眼鏡を使用していることはあなた様だけに知っていてほしいですから」

P「ま、その辺は貴音にまかせるけどな」


貴音「それより、あなた様」

P「どうした?」

貴音「先日、生まれた感情の正体がようやくわかりました」

P「……そうか」

貴音「えぇ、私は……恋をしていたのですね」

P「……」

貴音「私は生まれて初めて恋をしました。だから……」

貴音「だか 響「はいさーい!プロデューサー!!」

デデーン




貴音「誰にも負けません。必ず、あなた様を振り向かせてみせます」


じぶ…響がすでにPの隣にいるからな
貴音が失恋するとわかってるのはきついぞ



P「……え?俺なの?」

貴音「え?」

P「響のことが好きなんじゃないの?」

貴音「……今、なんと?」

P「だから、響のことが好きなんだろ。だから俺が響と仲良くしてたから怒ったりしたんだろ?」

貴音「……」

P「え、なに違うの?」

>>501
なんか獣臭いな

だめだコイツ


貴音「……なぜそのような思い違いを?」

P「千早も同じようなこと言ってたから今度もそうなのかなって思ったんだけど」

貴音「はぁ……」

P「溜息つかなくても……」

貴音「……あなた様、こちらへ来てください」

P「は、はい」


貴音「……いいですか、私は……四条貴音はあなた様を愛しております。響ではなく、あなた様です」

P「……」

貴音「これが、その証拠です」チュッ

P「…………二回目はないって言ったはずだよな」

貴音「おや、忘れたとは言わせませんよ。あのときのきすはまだ一秒残っていましたから」

P「もうしないからな」

貴音「ふふっ、本当はあなた様からする約束ですから、三秒残っているはずですよ?」

P「……勘弁してください」

貴音「さて、どうしましょう」

P「はぁ……」


貴音「ふふっ、あなた様、これを」スッ

P「今度はなんだよ……」

貴音「眼鏡と髪飾り、それと今までの感謝を込めたお返しです」

P「なんだ、そんなの別に良いのに。開けてもいいか?」

貴音「どうぞ」

P「……時計か。いいやつみたいだけど、高かったんじゃないか?」

貴音「今の私にしてみればたいした額ではありません」

P「そ、そうか。アイドルってすごいな……」

給料何ヶ月分の時計だよ


P「でも、ありがとな。大切にするよ」

貴音「使っていただけますよね?」

P「こんなにいいものを使うのはちょっと……」

貴音「使っていただけないなら、またきすしてください」

P「そりゃ、また新手の脅迫だな。分かった、明日から大事に使わせてもらうよ」

貴音「えぇ」

P「でも、眼鏡とカチューシャじゃ、この時計と釣り合わないな」

貴音「それなら気にしなくても大丈夫です」

P「なんで?」

貴音「数年後には二人の財産になっていますから」

P「ははは……」

二人の財産ってエロいよね
そこはかとなく淫猥な響「はいさーい!」


貴音「ところであなた様。お腹が空きました」

P「あれだけ食っておいて、もう腹が減ったのか!?」

貴音「良いではありませんか。さ、早くらぁめんを探しに行きましょう」

P「また、ラーメンかよ……」


P「でも、星は見なくていいのか?」

貴音「食べ終わったら、また来ましょう。夜は長いですから」

P「いつまでいるつもりだよ……」

貴音「私が飽きるまでです」

P「そうかい。ま、この際、いつまでも付き合ってやるよ」

貴音「それでこそ、私のあなた様です」ニコッ


おわり

ちなみに次の需要ってありますかね

それじゃ、書きためができ次第立てます

良いお年を

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