勇者「ひもじい……」(244)

盗賊(♂)「腹減ったなぁ」

魔法使い(♀)「そうね……」

僧侶(♀)「空腹……」

勇者(♂)「でも金ないしなぁ……。誰だよ、魔物倒したらお金が手に入るとかいった奴は!」

盗賊「だってよぉー。普通落とすじゃん。よわっちい魔物は10Gとかだけど金ピカのやつとかは大金落としたりしてさー」

魔法使い「んなわけないでしょ……」

僧侶「ゲーム脳乙……」

勇者「この倒したスライム食えないかな……」

ツンツン

スライム「」

盗賊「イケるんじゃね?ゼリーみたいなもんだろ?」

勇者「そうか……」

魔法使い「ちょっ、やめなさいよ、無理無理ムリだって!」

勇者「もう二日も食べてないし……今なら……」

魔法使い「やめなさい!」

グシャ

勇者「ああ……踏むことないのに……」

魔法使い「空腹で正気を失ってるわね……」

僧侶「でもこのままじゃ餓死……」

盗賊「いいんじゃね?死んだら満腹度100%で王様のところからやり直せるぜ!死んでしまうとは情けないとか言われてな」

魔法使い「だからゲーム脳やめなさいよ!ないってそんな設定!」

盗賊「ちっ、しっかたねぇなぁ。じゃあ次の町まで行こうぜ」

魔法使い「は?」

勇者「な、何か考えがあるのか?」

盗賊「あ?大丈夫大丈夫。俺に任せておけって」

勇者「お、おお……盗賊。お前って奴は……」

魔法使い「意外と頼りになるわね」

僧侶「不安……」

―――町

宿屋「いらっしゃい!」

盗賊「4名でよろしこ!」

シュタ

宿屋「あいよ!4名様ご案内!」

盗賊「食事もよろしくな!」

宿屋「あいよ!」

魔法使い「ちょ、ちょっとお金ないのに大丈夫なの?」

勇者「結構いい宿だな」

僧侶「……」

盗賊「だいじょーぶ!任せておけって!なっ!」

             / ̄ ̄∨ ̄\

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         /⌒(_/ ̄__∨__ ̄\_)
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        \_/      人      )
           (     /  ヽ     丿
           \__/    \_/

盗賊ェ…

勇者「うめぇー!3日ぶりの飯だ!」

ガツガツ

盗賊「食え食え!入るだけ詰め込め!ははは」

魔法使い「ほ、ほんとにお金なんとかなるんでしょうね」

モグモグ

盗賊「心配すんなって!前も俺ここ来たことあるからよ」

魔法使い「あ、顔が利くってこと?」

盗賊「ま、まーなぁ。気にせず食え食え」

僧侶「……」

モグモグ

盗賊だもんな・・・

―――翌日

勇者「いやぁ、ベッドも柔らかくていい宿だったなぁ」

盗賊「だろ?俺に任せておけばこんなもんよ」

魔法使い「疑って悪かったわ。やるじゃない」

僧侶「……」

モグモグ

魔法使い「あんたまだ食べてるの?」

僧侶「食いだめ……」

盗賊「さーってっと。んじゃお仕事始めますか」

勇者「へ?」

魔法使い「は?」

僧侶「……」

モグモグ

宿屋「昨夜はよくお眠りになられましたか?」

盗賊「おうよ!」

宿屋「それはよろしゅうございました。ではこちら代金400Gいただきます」

盗賊「ははははは、俺から金とろうってか?」

宿屋「え?いや……宿代を……」

ジャキンッ

宿屋「ひぃ!ナ、ナイフ」

盗賊「てめぇらみんな動くな!金を出せ!」

宿屋「や、やめてください……」

盗賊「おう、結構レジにはいってんじゃねーか。商売繁盛で何よりだぜ」

ガチャガチャ

魔法使い「やめい!」

ガンッ

盗賊「いで!な、なにすんだよぉ」

勇者「お前……それって強盗じゃないのか?」

僧侶「窃盗と傷害未遂……」

盗賊「あたりめーだろ。盗賊が盗まないでどうすんだよ」

魔法使い「世界を平和にするために旅してるのに世間を乱してどうするの!」

ガンガンッ

盗賊「いでぇ、叩くなって」

盗賊「魔物狩っても金なんてでてこねーんだろ!だったら人を狩って旅の資金つくりしかねーだろ!」

魔法使い「だからその発想がおかしいっての!」

勇者「でも王様まったく資金とかくれなかったしな……」

僧侶「ドケチ王……」

魔法使い「あんたたち……」

勇者「だからって強盗はないな」

盗賊「ちっ、わかってよ!命拾いしたな。てめぇー」

スッ

宿屋「ふぅ……」

魔法使い「その人に謝れ!」

ガンッ

盗賊「いでっ!」

盗賊が勇者率いるメンバーに入れるとかけっこう黒いよね

勇者「はぁ……腹はとりあえず膨れたけど金目のものみんな取られちゃったな」

魔法使い「それで許してもらえただけマシでしょ」

僧侶「勇者特権……」

盗賊「あー、もうだめだー。俺達は飢え死にするしか道はねー」

ジタバタ

魔法使い「あー、もううっとうしい」

盗賊「だったら旅の資金どうすんだよぉ」

魔法使い「何かお手伝いしてお礼をもらうとかあるでしょ」

僧侶「それもゲーム脳……」

魔法使い「い、いいでしょ。悪いことするわけじゃないんだから」

勇者「魔物で困ってる人助けるとか?」

魔法使い「そうそう!」

勇者「よし……やってみるか」

盗賊「聞き込みしてきたぞぉー」

勇者「速いな」

盗賊「情報もアッチも速いのだけは自信があるぜ」

魔法使い「最低……」

僧侶「下品……」

盗賊「はぁー?これだからおこちゃまは……」

勇者「で、情報は?」

盗賊「ああ、東の洞窟の魔物が作物を荒らして困ってるらしい」

魔法使い「これこれ!こういうのよ!こういったののお礼で旅していけばいいのよ!」

盗賊「お前も結構アレだな……」

―――東の洞窟

魔物「ぐぎゃああああああああああ」

魔物「」

盗賊「意外と弱かったな」

魔法使い「私達だからそう感じただけで町の人たちには脅威だったんでしょ」

勇者「なぁ、こいつ食えるんじゃね?」

僧侶「……」

コクコク

魔法使い「はぁ?」

勇者「なんか豚の魔物だってみたいだし、焼けば……」

盗賊「持ってくか?」

魔法使い「やめときなさいよ。どうせお礼で美味しいもの食べられるんだから」

盗賊「まぁ、わざわざこれを食べることもないか」

勇者「……」

グーッ

―――町

魔法使い「東の洞窟の魔物を倒してきました!」

町人「は、はぁ……」

魔法使い「困ってたんですよね!ねっ」

町人「え、ええ。作物を荒らされてまして」

魔法使い「これで作物が安心して出来ますね!」

町人「あ、ありがと」

盗賊「あいつ……」

勇者「なんて押し付けがましい……」

僧侶「ウザい……」

町人「それじゃあ、ありがとうございました」

魔法使い「え?ちょっちょっと……」

町人「何か?」

魔法使い「あ、あのー。あたしたち魔物を倒したんですけど……」

町人「それはさっき聞きましたが……」

魔法使い「だ、だからあの……」

町人「まだ何か?」

魔法使い「うっ……ううっ……何でもないです……」

勇者「あ、諦めた」

盗賊「はぁ……ダメダメだな」

僧侶「……」

魔法使い「なぜ……良い事してもお金にならない……」

ガックリ

盗賊「おうおうおう!ちょっと待ててめぇ」

ガシッ

町人「えっ」

盗賊「助けてもらっておいてその態度はねーんじゃねーのか?あぁん?」

町人「あ、あの……ありがと……」

盗賊「おうっ、そうかそうか。ありがたく思ってるのか」

町人「は、はい……」

盗賊「だったらそれを見える形でしめさねーとなぁ?あ?」

ギラッ

町人「お、お金要求してるんですか?」

盗賊「ははは、馬鹿いってんじゃねーよ。誰が金だせなんて言った。それじゃ強盗じゃねーか。なぁ」

ガシッ

町人「あはは……そ、そうですよね……」

盗賊「だけど誠意は見せてもらわねぇとなぁ」

町人「あ、あの……じゃ、じゃあこれ……」

スッ

盗賊「おう、わりぃなゲブラッ」

ドガッ

魔法使い「ヤクザか!あんたは!」

             / ̄ ̄∨ ̄\

            /          \
         /⌒(_/ ̄__∨__ ̄\_)
      _/      ( / │  \) )
ヽ _/⌒         \ ●人 ●/ \   くもじいじゃ

 \__          /  ̄  ̄\   )
    \        /        \/ 
     \_    /           \
        \_/      人      )
           (     /  ヽ     丿
           \__/    \_/

いいぞ

盗賊「お前がモタモタしてっからだろ!取れるときに取っておけよ!」

魔法使い「そういうんじゃないでしょ!こういうのは!」

盗賊「やってることかわらねーじゃねーか。結局見返りに金要求すんだからよ」

魔法使い「お互いの善意がないと意味ないでしょ!」

盗賊「善意で飯が食えるか!」

勇者「あ、あのさー」

盗賊「何だよ!」 魔法使い「何よ!」

勇者「もうあの人どっか行っちゃったよ」

僧侶「逃げた……」

盗賊「見ろ!お前のせいだぞ!ただ働きじゃねーか!」

魔法使い「いいじゃない!人のためになったでしょ」

勇者「はぁ……ひもじい……」

グーッ

支援

盗賊だけが頼りだな

勇者「このままじゃ魔王城まで行けそうにない」

盗賊「まったくだ」

僧侶「同感……」

魔法使い「だからって悪事に手を染める気はないわよ」

勇者「いったん帰って王様に資金援助を頼んでみようと思う」

盗賊「お、いいんじゃね。勇者の案にしちゃ」

魔法使い「そうね」

僧侶「同感……」

勇者「お、俺っていったい……」

―――王城

王様「なんじゃ、魔王討伐に向かったのではなかったのか」

クッチャクッチャ

勇者「それが資金がつきまして……」

王様「旅の資金なら渡したではないか。それに装備も」

クッチャクッチャ

勇者「50Gと棍棒のことですか。装備はしておりますが、途中の食事代が……」

王様「足らんと申すか」

勇者「は、はぁ、まぁ……」

勇者(足りるわけねーだろ。くそジジイが……ひもじいっての。ブクブク太りやがって」

王様「そうかそうか」

クッチャクッチャ

勇者「な、何を食べてるんですか?」

王様「ん?ローストビーフじゃ」

勇者(こ、このやろう……)

ゴゴゴゴゴゴ

勇者「ころ……」

王様「いいじゃろう」

勇者「へ?」

王様「ん?ころ?『ころ』なんじゃ?」

勇者「い、いえ!なんでもありません!」

ブンブンッ

勇者「で、では資金を……」

王様「資金と言っても税金じゃ。簡単には渡せん」

勇者「なっ……」

王様「じゃからこの書類をやろう」

スッ

勇者「こ、これは?」

一日に5人は勇者になる御時世ですからお金と装備あげる王様も優しい人だよ

もう早い話特殊部隊を魔王城に一気に送りこめ

王様「各町にお主を支援するように行っておこう。役場に提出すれば」

勇者「提出すれば?」

王様「お金が出るかもしれん」

勇者「かもしれんって!確証くださいよ!」

王様「あー、わかったわかった」

シッシッ

勇者「じゃ、じゃあもらっていきます」

スツ

王様「おーい!大臣!これおかわり!」

クッチャクッチャ

勇者「……」

盗賊「おい、勇者!どうだった?いくらもらえた?ちょろまかしてねーだろーな?」

魔法使い「いくらいくら?ねっねっねっ?」

僧侶「……」

グーッ

勇者「お前ら……」

盗賊「いいから見せろよ。ん?なんだこれ?」

魔法使い「申請書?」

勇者「各町でそれ出すと支援してもらえるらしい」

盗賊「はぁ?なんだよそれ」

魔法使い「で、でも飢えることはなくなるんでしょ」

僧侶「……」

コクコク

勇者「だったら……いいなぁ……」

グーッ

―――町役場

勇者「あのー……」

役人A「あー、順番守って。横からはいっちゃ駄目だよ」

勇者「え?」

役人A「ほらっみんな並んでるでしょ」

勇者「わ、わかった……」

勇者「……」

勇者「……長いな」

勇者「……そろそろか」

勇者「来た!」

勇者「あのー……」

役人A「番号札は?」

勇者「は?」

役人A「番号札の順番に呼んでますから、番号札とって待っててね」

勇者「くっ……」

イラッ

勇者「最初から言えよ!」

役人A「144番の方ー」

勇者「無視かよ!」

勇者「番号札……これか」

勇者「421番……どれだけ待つんだよ……」

勇者「……」

勇者「……」

イライラ

役人「420番の方ー」

勇者「次か」

勇者「……」

役人A「422番の方ー」

勇者「飛ばされた!?」

勇者「おい!次は俺だろ!」

ズイッ

役人A「あー、もう大声出さないでください」

勇者「次421番だろ。ほらっ!これこれ」

役人A「え?もう次の方も来てますからもう一度お願いします」

勇者「はぁ!?」

役人A「423番の方ー」

勇者「な、なんだここは……」

町役場が消し炭になるぞ・・・・・

勇者「……」

イライラ

役人A「620番の方ー」

勇者「来た!」

バッ

勇者「俺俺!俺620番!」

役人A「あーはいはい。あなたね。で、何の用?」

勇者「これ!支援要請お願いします!」

スッ

役人A「んー?あんたが勇者?証明するものは?」

勇者「え……」

役人A「ないの?なかったら渡せないよ?」

勇者「いや、だって俺勇者だし……」

ひもじいじゃ

役人A「口で言われてもねー。最近不正受給も多いんでね」

勇者「そ、そんな……」

役人A「じゃあ次の方……」

勇者「ま、待て。戸籍!戸籍があれば俺が勇者と分かるだろう!役場なら見てくれ!」

役人A「戸籍は別の窓口になります。そちらにお並びください」

勇者「……」

>>40 書かれてたか

―――町

勇者「……」

ボー

盗賊「おーい、勇者しっかりしろー」

魔法使い「町役場の中でいったい何が……」

僧侶「茫然自失……」

勇者「戸籍複写に500G……申請は1か月待ち……毎月報告義務……」

サラサラサラ……

盗賊「逝くな!勇者!勇者ああああああああ!」

魔法使い「なんということでしょう……」

僧侶「お役所仕事……」

―――山林の村

勇者「木の実がうまい……」

モグモグ

盗賊「ぜんっぜん腹膨れねーけどな」

僧侶「山しか進めない……」

魔法使い「お金ないんだからしかたないでしょ」

グーッ

勇者「でもまぁ死ななくて良かった……本当によかった……」

魔法使い「あたしたち何と戦ってるんだっけ……」

盗賊「それはそうと村に着いたな。金目のものがあれば……」

魔法使い「駄目だっていってるでしょ!」

盗賊「じゃあどうすんだよ」

魔法使い「あたしに考えがあるわ」

勇者「考え?」

魔法使い「お手伝いで報酬作戦」

盗賊「それ前失敗したじゃねーか」

魔法使い「それは前もって報酬の話しなかったからでしょ!」

盗賊「あ?俺のせいだってのか!?」

勇者「まぁまぁ」

魔法使い「今回はちゃんと前もって報酬について話してから行こう」

勇者「な、なんかだんだん傭兵みたいになってきたな……」

盗賊「ちっ……盗んだ方がはえーのによ」

村長「勇者様!お待ちしておりましたぞ!!」

勇者「へ?」

盗賊「は?」

魔法使い「え?」

僧侶「……」

村長「勇者様!お願いがございます!」

勇者「ちょ、ちょちょちょ。展開が速すぎてついていけないんだけど……」

村長「す、すみません。うれしくてつい。お茶も出さずに。少女、お茶をお出しして」

少女「はい、おじいちゃん」

勇者「え、えーっとそれでなんでしたっけ?」

村長「実はこの村は魔物に襲われておりまして……」

勇者「でも普通そうですけど……」

村長「ええ、今はまだ……しかしこの季節に生贄を出さないと……」

村長「今年はわしの孫のあの子の番で……うううっ……」

盗賊「おう、ねーちゃん、かわいいじゃねーか」

少女「や、やめてぇー」

勇者「……」

実際助けてもらう側の奴らがクズばっかだから盗賊の言うとおりにした方がいいよな

神スレ

盗賊「へへへ、いい体してんなー」

モミモミ

少女「あああ」

村長「ちょっ!」

勇者「ちょっ!」

盗賊「村長さん、いいぜ。その魔物、俺達が倒してきてやるよ。その代わり報酬は前払いでいただくぜ」

村長「ま、孫を離してください」

盗賊「だから報酬前払いっていってるだろ」

チュッチュッ

少女「あうっ」

村長「ま、まさか……」

盗賊「この子をいただこうか」

魔法使い「こ、この……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

僧侶「待って……」

魔法使い「何よ!早くとめないと」

僧侶「演技っぽい……」

魔法使い「え」

村長「お願いします。孫は……孫だけは……」

盗賊「じゃあ、大事な大事なお孫さんと同じくらいの価値の報酬をいただかないとなぁ」

村長「わ、わかりました。こ、これだけ払いますから。ですから離してください」

盗賊「おお、結構な額だな。はいよっと」

スッ

勇者「お前ってやつは……」

村長「ふぅ……少女こっちにおいで」

少女「……」

村長「ですが、成功報酬ですぞ。前払いはいたしませんよ」

盗賊「は?」

勇者「あれだけやって信用されるわけないだろ……」

盗賊「ま、しゃーねーわな。じゃ、書類作ろうか。お互い逃げないようにな」

しぇん

盗賊「じゃま、そういうことでよろしく」

バタンッ

村長「まったく……あれが勇者一行とはなさけない……」

村長「じゃが村のためじゃ……やむをえん」

村長「少女、大丈夫じゃったか?」

少女「盗賊様……///」

ポッ

村長「え゛」

盗賊「どうだ。報酬が跳ね上がっただろ。どうだ」

魔法使い「あんたってやつは……」

盗賊「あんなに大事にしてる孫がいるんだから利用しない手はねーだろ」

勇者「……」

魔法使い「勇者も何か言ってよ」

勇者「うまい飯……」

グーッ

僧侶「木の実以外のご飯……」

魔法使い「駄目だ……こんな空腹で大丈夫かしら……」

盗賊「村長の話じゃたいした魔物じゃなさそうだし、余裕だって」

魔法使い「まぁ、それであの報酬ならいいけどね……村も助かるし」

いいぞ

―――ドラゴンの巣

ドラゴン「ギャオオオオオオオオオオオオン!」

ゴゴゥ

盗賊「ぎゃー!あちぃー」

魔法使い「どこがたいした魔物じゃないのよ!ドラゴンって聞いてないし!」

盗賊「あ、あの村長め……くそー」

勇者「ドラゴン……ドラゴン肉……ステーキ……」

ジャキンッ

盗賊「おお!勇者いけ!やっちまえ!」

魔法使い「もう目が怪しいけど……大丈夫?」

勇者「ドラゴン肉の煮込み……スペアリブ……照り焼き……」

グーッ

僧侶「……お腹が減って動けないよ」

フラフラ

魔法使い「と、とにかく行くわよ!」

カッ!

ふむ。

盗賊「うぐぐぅ……め、目があああああああ」

魔法使い「盲目ブレスとか聞いてないし……くぅ……」

勇者「倒したのに……俺の肉が見えない……」

僧侶「……」

フラフラ

魔法使い「しばらく治らないわよ……これ……」

支援

盗賊「肉より角だ。魔物を倒した証が必要だからな」

魔法使い「それなら持ったわ。ううっ……」

盗賊「がはっ……も、もうボロボロで俺は……」

勇者「しっかりしろ!……うぐぅ」

ガシッ

盗賊「勇者、正気だったのかよ」

勇者「お前が肉に見えない程度には……な」

魔法使い「僧侶も立てる?」

僧侶「……」

コクッ

魔法使い「はぁはぁ……」

ズリズリッ

勇者「ぜぃぜぃ……」

ズリズリッ

盗賊「がぁ……も、もう置いていっていいぜ……」

ボタボタ

僧侶「……」

魔法使い「な、何言ってるのよ……」

盗賊「ろくに前もみえてねーんだろ……」

魔法使い「でも置いてなんて……はぁはぁ」

勇者「ムリだ……」

バタッ

魔法使い「勇者まで何を……うっ」

クラッ

魔法使い「あ、あんたがそんな弱気だと……うっ」

バタッ

勇者「ひもじい……」

ksk

村人「ふんふんふ~ん♪」

村人「お?」

村人「おーい、生きてるかー?」

ツンツンッ

盗賊「うううっ……」

村人「お、生きてんじゃん」

盗賊「た、たすけ……」

村人「動けないのか?」

盗賊「そ、そう……だ。がはぁ……」

ボタボタ

村人「ほほぅ」

ゴソゴソ

盗賊「何を……やってんだ……」

村人「金もってねーのか」

盗賊「なっ……」

村人「うわぁ、全員血だらけだなぁ……」

ゴソゴソ

盗賊「ううぅ……」

村人「おっ、何かはっけーん」

キラーン

村人「何なに?魔物討伐の証と交換で……お、おお!マジか!」

村人「あんのか?この袋の中にあんのか?」

盗賊「や……め」

村人「発見!ドラゴンの角!ひゃっはー」

ダダダッ

盗賊「ま……て」

ガクッ

支援

紐「紐じいじゃ!」

村人屑過ぎワロタwwwwww

村人死ね

胸糞わりー

???「ねっ、ねっこの人たち血だらけだよ」

???「血だらけだねー」

???「死ぬのかなー」

???「たぶんね」

???「助ける?」

???「え?だって人間だよ」

???「でもこのままじゃしんじゃよ」

???「もう死んじゃってるんじゃない?」

???「それじゃ仕方ないね。それに私達になんて助けれらたくないかも」

???「そうだね」

勇者「ひもじい……」

グーッ

支援② 邪魔なら邪魔と言ってくれ

勇者「いやは、ふぁふへへもらっへありがほう」

モグモグモグ

???「食べながら喋らないでください。部屋が汚れます。それにそんなにこぼして」

勇者「んぐぐ。ごめんごめん、盲目ブレス食らってまだ目が見えなくてさ」

勇者「盗賊と魔法使いと僧侶は?」

???「盗賊さんと魔法使いさんはまだ治療中です」

勇者「僧侶は?」

???「あの人は怪我一つしてませんでしたね。空腹だった見たいで3日分くらいの食事をペロリと食べて寝ちゃいました」

勇者「無傷だったのかよ……」

???「何かあったんですか?盲目ブレスとは?」

勇者「いやぁドラゴンと戦ったんだけど相打ちみたいな?」

助けないのかよ

僧侶無傷なら村人倒せよ

???「ドラゴン!?あの暴れ者を倒したのですか?」

勇者「倒したというか倒されたというか……」

???「私達も彼には困っていましたが……」

勇者「そりゃよかった」

???「わ、わたしたちまでいじめたりしないですよね?」

勇者「はぁ?なんで?」

???「だって……」

勇者「するわけないだろ。命の恩人なんだし。あっ、でもお礼はちょっと待って欲しいんだけど……」

???「お礼?」

勇者「いやぁ……お金がなくって……入る予定はあるんだけど」

???「お礼などいりませんよ」

支援

僧侶ちゃんが脱げばすぐお金なんて手に入るのに・・・

勇者「えっ、でも……」

???「森の中ではお互いに助け合って生きていくものです。まぁ、食べるために狩りなんかはしますけどね」

勇者「あ、そういえばドラゴンの肉……もう腐っちまったかな……」

???「あははは。きっと森の仲間が山分けにしてますよ」

勇者「ちっ、仕留めたのは俺なのに……」

???「まぁゆっくり休んでいってください」

―――森のはずれ

勇者「え!?契約書とドラゴンの角を盗まれた!?」

盗賊「仕方ねーだろ!動けなかったんだからよ!」

魔法使い「死んでも死守しなさいよ!」

僧侶「お腹が空いて動けなかった……」

魔法使い「僧侶は良く頑張ったわ。盗賊は責任とりなさい」

盗賊「お前ら俺に厳しすぎ!」

???「あ、あの……」

勇者「あ、ごめん。送ってくれてありがとう」

???「目はだいじょうぶですか?」

勇者「うっすらとだけど見えるようになってきたよ」

???「そうですか。気をつけていってください。もしまた倒れてて死んじゃってたら食べちゃいますからね」

勇者「ははは。気をつけるよ」

???「それでは」

バサッバサッ

勇者「?」

勇者「あれ?もういない」

魔法使い「いい人達だったわねー」

僧侶「……」

コクコク

勇者「顔が見えなかったのが残念だよ」

盗賊「おっぱいでかかったな」

魔法使い「さわったの!?」

盗賊「触るだろ、普通」

勇者「そ、そうなのか……」

魔法使い「おい」

支援

盗賊「さて、今後の旅の方針についてなんだけどよ」

魔法使い「なに?」

盗賊「魔法使い、お前の作戦は失敗だ」

魔法使い「なっ!あ、あれはたまたま運が悪かっただけでしょ!」

勇者「そうそう、今からでも……」

僧侶「……」

コクコク

盗賊「シャラップ!それはそれ、これはこれ。またこんな失敗は勘弁してもらいてー」

魔法使い「あたしのせいじゃないでしょ!」

とりあえず盗賊村を焼き討ちにいかなきゃな!

盗賊「まぁ聞け、もうちょっと進んだら魔界に入る。魔族の密集地だ」

魔法使い「だから何?倒してもお金になんないわよ」

盗賊「まぁまて。魔族の密集地ということは集落や村や町もあるだろぉ?」

魔法使い「えっ……まさか……」

盗賊「そのまさかよ!魔族の町を襲えばいいじゃねーか。きっと食料も金もあるぜ」

勇者「う、ううーん、それは人としてどうなんだ?」

僧侶「……」

コクコク

盗賊「また腹減らして死に掛けたいのか!?あぁ?空腹じゃなけりゃあんなドラゴン普通に倒せたんじゃねーのか?なぁおい」

勇者「そ、それは……」

こんなインフレーション溜まる作品をなんで書いてるんだ。
イライラしてたまらんのだが

フラストレーション?

魔法使いウザすぎ
村人にレイプされろ

はよ続き

はよ

はよはよ

盗賊「じゃあ、魔界に入ってからはそれでいくぜ。だがその前に……」

魔法使い「は?まだ何かやるの?」

盗賊「ドラゴン退治のお礼はもらえなかったけどよ。お礼はしにいかねーとなぁ」

勇者「でも俺気を失ってたし、目も見えなかったから犯人分からないぞ」

魔法使い「あたしも……」

僧侶「……」

コクコク

盗賊「そいつが村長から報酬もらってんなら村長に聞けばわかるだろ」

勇者「なるほど」

盗賊「勇者……お前ばかだろ……」

勇者「え?なんで!?」

>>91エロが読みたいだけだろ

―――山林の村

勇者「い、行くぞ。やろうども」

僧侶「あいあいさー……」

魔法使い「ちょっと勇者……山賊じゃないんだから……」

盗賊「俺は盗賊だけどな……」

魔法使い「襲うわけじゃないんだからね。気をつけてよ」

勇者「わ、わかってるよ」

ガシャ

勇者「こんにちは……」

村長「むっ?誰じゃ?」

勇者「どうも勇者一行です」

ペコッ

村長「な、ななななななななんで生きておるんじゃ!?」

勇者「え?」

村長「じゃなかった!てへっ」

ペロッ

勇者「いや、いまなんで生きてるって……」

村長「そんなこと言っておらん!やりなおし!」

勇者「やり直しって……」

村長「よくぞ生きて帰ってこられた!勇者様」

勇者「……」

村長「それでドラゴンは?」

勇者「え?先に倒したって村人が来てない?」

村長「な、なんのことだか……」

勇者「ドラゴンなら倒したんだけど……」

村長「ほぅ……してその証は?」

勇者「ないけど……」

村長「それでは約束が違いますなぁ。報酬は渡せませんぞ」

なるほどなんか展開読めた
wktk

まさかの連携wwww

勇者「でも倒したんだし、ドラゴンの心配は……」

村長「ドラゴンはまだ生きてるかもしれませんなー。あー、心配で夜も眠れませんわ」

勇者「……」

村長「あー、心配で胃が痛いわい」

スリスリッ

少女「きゃあ」

盗賊「おい、村長こっちをみろぉ」

グイッ

村長「しょ、少女……!?」

盗賊「どうせこんなことだろうと思ったぜ。あの村人に報酬の一部渡して有耶無耶にしちおうってんだろ?あ?」

村長「し、知りませぬ。孫をはなしてくだされ」

盗賊「ドラゴンは確かに倒した!だが報酬が渡せないっていうんなら、仕方ない。こいつをさらっていく」

村長「なっ……」

盗賊「いくぜ!やろうども!」

勇者「え?」

魔法使い「え?」

僧侶「あいあいさー……」

バッ

よし
焼き払え!

ワロタ

少女は望む所だろ

まぁ報酬は後払いだしな
これは当然

―――山林

魔法使い「誘拐なんてして!またどうすんの、これ」

盗賊「どうしようか……こいつと引き換えに報酬もらおうと思ってたんだけどよ……」

少女「盗賊様……好き///」

ギュッ

勇者「完全に惚れられてるな。この野郎」

ガスッ

盗賊「いでっ」

魔法使い「あー、もう誘拐とかないから。あんたも帰りなさい」

少女「嫌です!盗賊様は私をさらってくれると言ってくれました///」

ギュッ

盗賊「え、えっと……」

少女「一生大事にするって言ってくださいました///」

盗賊「いや、それは言ってねぇ」

少女は賢者に転職するんですねわかります

勇者「盗賊、お前は少女の一番大事なものを盗んじまったのさ」

僧侶「それは少女の心です……」

勇者「なんてな!ははははは」

僧侶「……」

コクコク

盗賊「何面白がってんの?金になんねーんだぞ?なぁ、お前ら仲いいな」

少女「盗賊様……」

ウルウルッ

盗賊「よく聞け、少女。お前このパーティーにいたらな……」

少女「いたら?」

盗賊「飢えるぞ」

勇者「嫌な事言わないでくんない!?まぁその通りだけどさ!」

僧侶は俺の嫁

>>1は女魔王の人?

なんてさみしい……

少女「盗賊様と一緒なら……それでもいい」

ギュッ

魔法使い「な、なんでそんな盗賊が好きになっちゃったの?」

勇者「それは気になる」

少女「だって……あの時……盗賊様の手がとってもお上手だったんですもの///」

ポッ

勇者「な、な、盗賊お前あの時何をした!?」

盗賊「ちょ、ちょっと触っただけだって!マジで」

少女「好き///」

ギュッ

盗賊「あー、もうしらね。行こうぜ」

ズルズルッ

魔法使い「そうやって引きずっていくつもり?」

勇者「いつか力尽きて離れるのを待つのか?」

盗賊「あー、もううっとうしい。ほらっ手を出せ」

少女「え」

ギュッ

盗賊「さらってやんよ」

勇者「うわぁ」

魔法使い「これは……」

僧侶「これはいいツンデレ……」

おいついた おもしろい
続きたのしみだぜ

テクテク

魔法使い「もうすぐ魔界ね……」

勇者「ひもじい……」

魔法使い「結局お金もないし、食料は現地調達だもんね……」

少女「ほらっ、盗賊様。私の木の実差し上げます」

盗賊「いいからお前が食え」

少女「そう言って前も私にくださいました。ほらっ、あーん」

盗賊「けっ!」

勇者「なぁ、あいつ殴ってもいいよな?許されるよな?なぁ?」

僧侶「あいあいさー……」

魔法使い「こらこら」

盗賊がどんどんまるくなっていく

支援

支援
盗賊にほれそう

―――ハーピーの村

勇者「魔族の村だ」

魔法使い「翼が生えてるわね」

少女「ハーピーだぁ、絵本で見たわ」

盗賊「みつかんなよ。一気に制圧するんだからな」

僧侶「……」

コクコク

盗賊「やばかったら逃げる。盗ったら逃げろ、これが一番大事だ」

少女「メモメモ」

魔法使い「変な事教えるんじゃない」

盗賊「最初はでかい声で威嚇するからな、頼んだぜ?勇者」

勇者「え?また俺!?」

ドキドキ

勇者「え……えー」

盗賊「ほらっ、早く言え」

勇者「えー本日はお日柄もよろしく……」

魔法使い「それ結婚式のあいさつ」

勇者「えーえっと……腹減ったーーー!!」

盗賊「だめだこいつ……」

魔法使い「勇者……」

僧侶「イイ……90点」

「あれって……」

「また来たの?」

「クスクスクス」

ザワザワ

ハーピー女「あら、あなたたち。お久しぶりね」

勇者「え゛」

俺「え゛」

恩を仇で返す展開じゃなくてほっとした

危うく鬱エンドフラグ

ドンッ

ハーピー女「さあ、召し上がれ」

勇者「なぁ、これ食っても大丈夫かな?」

魔法使い「さ、さぁ」

勇者「盗賊、どう思う?」

盗賊「俺に聞くんじゃねーよ」

少女「こ、これ虫の形してますけど……」

ハーピー女「あら?この間は美味しい美味しいって言ってましたよね?」

僧侶「美味しい美味しい……」

パクパク

くもじいスレじゃなかった 帰る

勇者「お、おい、大丈夫か?」

盗賊「毒とか入ってねーか?」

魔法使い「む、虫なんでしょ?」

僧侶「いらないなら全部私の物……」

モグモグ

グイッ

勇者「ちょっ、待て!俺から食べ物を盗るな!殺すぞ!」

ガシッ

勇者「く、食えるのか……」

パクッ

勇者「むっ……この味は……」

勇者「この間の恩人!!!」

ハーピー女「え?気づいてなかったんですか?っというか味で気づくって……」

よかった
気がつかないまま恩人をSATUGAIしちゃうなんてお話はなかったんだね

あれ?ここなら食に困らないし、平和に暮らしていけるんじゃね?

飢えと戦いながらよく魔界までこれたなw

勇者「この間は目が見えなかったから人間だとばかり……」

モグモグ

ハーピー女「あらあら」

魔法使い「ほ、本当にこの間の人……?」

僧侶「……」

モグモグ

ハーピー女「ええ、大変でしたね。お怪我はもうよろしいですか?」

勇者「おい、僧侶、お前のちょっとくれ」

モグモグ

魔法使い「ええ、あ、あの……ありがとう///」

僧侶「阻止」

ギィーン

モグモグ

ハーピー女「皆さんはこれからどちらに?」

勇者「ちょっとくらいいいだろ」

モグモグ

魔法使い「えー、魔王城までちょっと……」

僧侶「美味しい美味しい……」

ゴクンッ

勇者「あー!全部食いやがった!」

魔法使い「ちょっと!うっさい!」

そして寝返って人間界を征服する旅に出た勇者たちであった

勇者「いやぁ満腹満腹、ごちそうさん」

僧侶「腹八分……」

魔法使い「ご馳走様でした」

少女「意外と虫って美味しいんですねー」

盗賊「……」

ハーピー女「ご満足いただけてよかったです」

盗賊「さーて、腹もいっぱいになったことだし……」

勇者「え?」

魔法使い「まさか?」

盗賊「お仕事といきますか!金目のものを出してもらおうか!」

ジャキンッ

僧侶「あいあいさー……」

勇者「魔王が殺しても死なない」書いてた人?

盗賊しね

僧侶はもう考えることをやめてるww

しえ

勇者「おまっ、命の恩人に何言ってんの!?」

魔法使い「そうよ!」

盗賊「命の恩人って言っても魔物じゃねーか、あ?」

ハーピー女「ええ、私は魔物ですが、それで何か問題でもありますか?」

盗賊「……」

ハーピー女「それとも別の理由ですか?」

盗賊「盗賊の仕事は盗むこと、ただそれだけなんだよ。食べ物だって金だって……」

盗賊「それに平和だって盗んで手に入れるだけなんだよ……」

ハーピー女「それだけには見えませんね。あなたは我々に最初から敵意があるように感じますが……」

盗賊「そんなんじゃ……」

ハーピー女「大事な人を魔物に殺されでもしましたか?」

盗賊「なっ……」

盗賊ェ・・・

盗賊「そーだよ!悪いか!親父もお袋も魔物に食われた!ゆるさねー!」

ジャキン

ハーピー女「そうですか……」

ハーピー女「それで魔物全てが悪だと?」

盗賊「それは……」

ハーピー女「ではお金を差し出せば命は助けていただけますか?」

盗賊「……」

ハーピー女「魔物の中にもいい人ばかりじゃありません。でも悪い人ばかりでもないんですよ?」

盗賊「そ、そんなこたぁ……」

ハーピー女「それに私達も盗賊です」

盗賊「はぁ?」

ハーピー女「先ほど食べたものにしても私達は虫の命を盗んで生きています。生きるために盗んでるのです」

盗賊「……」

ハーピー女「ですが、相手もこちらを針で刺したり抵抗はしてきますよ?ですから」

盗賊「な、なんだよ……」

ハーピー女「あなたが我々から何かを盗むというのであれば、私達も針で刺さなければなりません」

盗賊「……」

ハーピー女「あなたは今生きるために私の命を盗むことが必要ですか?」

盗賊「あー、もう!満腹だよ満腹!」

ハーピー女「ふふふっ」

盗賊「ご馳走様でしたっと。けーっ!」

プイッ

少女「あっ、盗賊様待って」

タタタッ

勇者「な、なんかすみません」

ペコッ

魔法使い「盗賊が口で負けたの初めてみたかも」

ハーピー女「いえ、いつ殺されるかとドキドキしてました、ふふふ」

勇者「いろいろありがとうございました」

ハーピー女「この先の村にもあなたたちのことは話しておきましょう」

勇者「え」

ハーピー女「飢えた旅人が通るので恵んであげてください、と」

勇者「あの、間違ってはないんだけど……間違ってはないんだけど、なんか……」

魔法使い「あたしたちって……」

ハーピー女「あと魔王城に行くとかいってましたけど……」

魔法使い「え、えっと、それは……」

ハーピー女「安心してください。別に止めませんから」

魔法使い「え?」

ハーピー女「魔王城は今機能していないって言ってもいい状態みたいですから」

魔法使い「それはどういう……」

ハーピー女「それ以上は秘密です。ふふっ」

魔法使い「行ってみれば分かるってことね」

僧侶「……」

モグモグ

勇者「あ、お前それは……」

僧侶「非常食……もらった」

モグモグ

勇者「今食うなよ!」

ほしゅ

僧侶かわいい

僧侶が長門役ですね、分かりました

>>109
22219
9255
13973

>>126
16468
5029

ありゃ

タッタッタ

少女「いたいたー」

盗賊「何だよ、こっちくんじゃねー」

グスッ

少女「泣いてるの?」

盗賊「泣いてねーよ。うっせー」

少女「……」

ギュッ

盗賊「こっちくんなっつってんだろ」

少女「もう私盗賊様のものですから」

盗賊「まだいってんのかよ」

少女「盗んじゃいましょうよ」

盗賊「はぁ?」

少女「盗むんでしょ。平和も何もかも」

盗賊「あれは……」

少女「違うの?」

盗賊「……」

少女「誰かを平和にするための盗みをやるってことなんでしょ?」

盗賊「あーもう!うぜー!盗んでやるぜ!平和だろうが城だろうが国だろうがな!そして……」

少女「そして?」

盗賊「」

―――ゴブリンの村

ゴブリン女将「ほらっお食べ」

勇者「ありやとやす!ありやとやす!」

ゴブリン女将「かわいそうにねぇ……このご時勢で飢えるなんて……」

勇者「うううっ……」

ゴブリン女将「泣くほどつらかったのかい。そうかいそうか」

勇者「くっ、くそぅ……」

ゴブリン女将「どうだい?あたしのうちに来ないかい?飢えたりなんかさせないしさ……」

勇者「え゛」

ゴブリン女将「あんたいい男だし……///」

勇者「な、仲間がまってるんで!食料ありがとうございました!」

ダダダッ

ゴブリン女将「あっ、ちょっと待って……///」

勇者「変な噂流しやがって……もう俺のプライドはズタズタだ……」

魔法使い「よしよし、よくやったよくやったわ」

ナデナデ

僧侶「もう勇者のライフポイントは0よ……」

盗賊「楽でいいじゃねーか。戦わなくていいしよー、なーっ」

少女「ねーっ」

勇者「ぶっとばしてぇ……こいつら……」

僧侶「……」

モグモグ

勇者「物乞いみたいなのはもういやだ!」

魔法使い「飢えたほうがいいの?」

勇者「それはもっと嫌だ……」

魔法使い「贅沢は敵よ」

僧侶「贅沢は素敵……」

モグモグ

魔法使い「でも全然軍隊もないし、魔物の村って言っても普通ね」

勇者「まぁ、俺達のこと知らせておいてくれたおかげもあるだろうけどな」

魔法使い「もしかして魔王も話せばわかるかも?」

盗賊「それはねーだろーな」

魔法使い「え」

盗賊「人間を襲う魔物もいる。それを野放しにしてんだ。和平求めてるわけがねー」

少女「盗賊様……」

支援

盗賊「悪い奴ばっかじゃあねーんだろうがな……けっ!」

少女「あはっ」

魔法使い「で、ちょっと問題なんだけど……」

勇者「何?」

魔法使い「もうすぐ魔王城なんだけどね」

勇者「魔王との戦いの話?」

魔法使い「じゃなくて……魔王城まで歩いて7日はかかるらしいの」

勇者「げっ」

魔法使い「で、分かるでしょ?」

勇者「食料がねー!!!」

魔法使い「どうする?」

勇者「こ、ここで奪って……いや、黙って拝借して……」

盗賊「させねーよ?」

ジャキンッ

勇者「じょ、冗談だよ」

バイバイさるさん

はい

>勇者「こ、ここで奪って……いや、黙って拝借して……」

>盗賊「させねーよ?」
逆じゃね?

魔法使い「盗賊がそんなこと言うなんて珍しいわね」

僧侶「珍プレー……?」

盗賊「そ、そんなんじゃねーよ」

勇者「7日か……いけるか?」

盗賊「だいじょうぶだいじょうぶ!水はあるからな」

魔法使い「あとはそれで魔王に勝てるかどうか……ね」

盗賊「力が出なければ食うだけだからな」

魔法使い「な、何を!?」

勇者「飢えた力を見せてやるか」

魔法使い「だから何を!?」

僧侶「じゅるりっ」

魔法使い「だから何を食べるの!?」

―――魔王城前

勇者「ぐるるるるる……はぁはぁ」

グーッ

盗賊「肉……肉ぅ……」

モミモミ

少女「盗賊様///それ胸です……」

盗賊「はぁはぁ……幻覚か……」

僧侶「自爆魔法発動……」

ゴゴゴゴゴッ

魔法使い「し、しっかりして!」

バンバンッ

僧侶「はっ……」

キョロキョロ

魔法使い「あたしも空腹でおかしくなりたい……」

魔法使い「でも7日も食べてないと流石に……」

フラフラッ

勇者「ぐるるるるるぅ!いた!あれか!あれ食べる!門番!」

魔法使い「ちょっ!勇者!」

僧侶「あいあいさー……」

フラフラッ

盗賊「腹の音が……」

グゴゴゴゴゴゴゴゴー

門番「ふぁー。暇だなー……んっ?何の音だ?」

グゴゴゴゴゴゴゴゴーーー!

門番「うるさいなぁ」

ガバァ

勇者「グオオオオオオオオオオオオン!」

門番「ぎゃっ!ば、化物!?」

僧侶「ワタシ オマエ マルカジリ……」

門番「ひいいいいいい!」

つまんね死ね

ばいさるfack④

がんばれ

支援

支援

勇者「グアウ!」

ガブゥ

門番「いたー……くない?」

勇者「がぶがぶっ」

ガチガチ

門番「お、おい、そこ鎧……」

僧侶「がぶがぶっ」

ガチガチッ

門番「いい加減に……って歯型ついてるし!」

ダダダッ

魔法使い「はぁはぁ……正気にもどりなさい」

ガンガンッ

勇者「あたっ」

僧侶「酷い……」

門番「お前たちは……!?」

魔法使い「やばっ、ばれた!?」

門番「不死族の方っすか?」

ひもじいじゃ

魔法使い「え」

門番「いやぁ、相変わらずガリガリっすねー。ゾンビって」

魔法使い「え?え?ゾンビ?あ、あたし達痩せすぎて……」

勇者「あ、俺ゾンビっす。あと勇者っす」

僧侶「僧侶っす……」

盗賊「ほんと仲いいな……お前ら……ぜぃぜぃ」

少女「待って下さい……」

フラフラッ

門番「は?」

魔法使い「じょ、冗談よ!あ、あははは……は」

門番「で、不死族の方が何のようで?」

僧侶っすワロタ

魔法使い「ちょっと魔王に……」

門番「魔王様っすか!おねがいしゃーっす!」

魔法使い「いや、まだ何も言ってないけど」

門番「ガツンと言ってやってくださいよ!ほんともう、みんな怒ってるんすから」

魔法使い「え、えーっと何に?」

門番「会ってもらえば分かりますから。あ、そこ階段上って左っすよ」

魔法使い「え、あの……」

門番「じゃ、俺仕事があるんで」

魔法使い「ちょっ、まっ」

門番「うっひょー、女の子ゾンビの歯型ゲットっすー。えへへへへー」

僧侶「変態……」

盗賊「いっちまったぞ、どうするよ」

勇者「どうするって食べ損なったな」

僧侶「残念……」

魔法使い「え゛、ほんとにアレ食べる気だったの?」

勇者「動けるうちに何とか食べ物を……」

フラフラッ

盗賊「そうだな……魔王とかどうでも……」

僧侶「いい……」

グーッ

少女「あの、でも……階段登って左……」

魔法使い「そうよ!魔王をその空腹パワーで……」

少女「……から美味しそうな香りがしてきます」

魔法使い「ちょっ」

そろそろか

支援

支援

勇者「ここか」

盗賊「早く開けろよ」

僧侶「肉肉……」

ワクワク

魔法使い「あのさ……あんたたち魔王と戦うって分かってる?」

勇者「ああ、もうよだれが……じゅるり」

盗賊「うめぇかな?うめぇだろうなー」

僧侶「肉肉……」

少女「こ、怖い……」

勇者「行くぞ!」

ガチャッ

魔王「……」

ピコピコ

勇者「豚?」

ガノンか

魔王「……」

バリボリッ

魔王「……」

ピコピコッ

勇者「豚がゲームしてる?」

盗賊「いや、ただのデブじゃね?」

僧侶「焼く……?蒸す……?」

魔法深い「あ、あのー……」

魔王「……」

バリボリッ

ピコピコ

勇者「無視するなよ」

盗賊「菓子くってんじゃねーよ!デブ!」

僧侶「……」

パリポリッ

勇者「あ、菓子を!」

僧侶「もうない……」

魔王「……」

ピコピコ

魔法使い「おーい、聞いてる?」

側近「いらっしゃいませ」

魔法使い「うわっ!びっくりした」

勇者「いたのか」

僧侶「背後を取られた……」

しえn

側近「これはこれは不死族の皆様……にしては目が死んでませんね?」

盗賊「おい、菓子もうねーのか?」

勇者「一人で食いやがって」

僧侶「もうない……」

パサパサ

勇者「袋もっと見せろ!欠片でもいい!」

側近「まさに獲物を狩る狩人の目……」

魔法使い「そんないいものじゃないと思うんだけど……」

勇者「はけっ!吐き出せ!おい!魔王お前でもいい!じゃないと食っちまうぞ」

魔王「……」

僧侶「ゲームは1日1時間……」

ポチッ

魔王「あああああああああああああああ!」

僧侶www

それは(アカン)

僧侶とやりてー

支援

魔王「なにするんだ!何するんだよう!」

勇者「お、喋った」

魔王「セーブしてなかったのに!あああああああああああ!」

ジタバタッ

魔王「出てけ出てけええええええ!」

側近「ああ、これはいけません。こちらへ」

グイッ

魔法使い「え?え?」

バタンッ

「ああああああああああああああああああああ!」

勇者「まだ叫んでるよ……」

側近「話を聞いてくださいますか?」

勇者「その前に飯!」

盗賊「じゃねーと食っちまうぞ!」

僧侶「噛まれたい……?」

側近「え、あの……」

勇者「ううううううううううう!」

盗賊「ぐるるるるるるる!」

僧侶「わん……」

少女「ステイ」

魔法使い「あ、あの……食事をいただけたらうれしいなぁ……なんて」

側近「わ、分かりました」

―――食堂

側近「どうぞ、空腹のようですので食べきれない程用意させました」

ズラーッ

勇者「ば……」

側近「?」

勇者「馬鹿野郎!!」

ガッ

側近「ぎゃっ!」

ドテッ

側近「な、なんで殴るんですか」

勇者「食べきれない程だと!?ふざけんな!余ったらどうすんだよ!」

側近「え、残飯に……」

勇者「食べ物粗末にするんじゃねえ!」

ガッ

側近「あたっ、またぶった」

勇者「世の中には……食いたくても食えないやつがいるんだぞ……」

プルプル

側近「そ、そうですか」

勇者「俺みたいにな!」

側近「あ、あなたですか!?」

勇者「だから食い物には感謝しないといけないんだよ!」

側近「わ、わかりました」

勇者「よし!じゃあみんな食べ物に感謝していただくぞ!」

盗賊「おうよ」

僧侶「……」

コクコク

少女「はい」

『いただきます!!』

魔法使い「なにこれ……」

勇者「ふぅ……食った食った」

盗賊「げっぷ」

魔法使い「美味しかったわね」

側近「結局全部食べてるし……」

僧侶「おかわり……」

側近「もうありません」

僧侶「……」

カプッ

側近「噛まないでください……」

いいぞ

側近「それで話ですが……」

勇者「え?なんだっけ?」

盗賊「っつーかこいつ誰?」

少女「妻です」

盗賊「おめーじゃねーよ」

僧侶「ここはどこ……?わたしは誰……?」

側近「え」

勇者「何日か前から記憶が途切れ途切れで……」

盗賊「あー、俺も俺も」

側近「なにこの人達!?」

魔法使い「あー、もう、話はあたしが聞くから」

魔法ちゃんいなかったらと思うと

くもじい「ひもじい・・」

側近「魔王様のことなんですが……」

魔法使い「あの太った?」

側近「ええ……」

勇者「あっ、思い出した。いたいたなんか暗い豚がいた」

僧侶「紅の豚に似てる……」

魔法使い「ちょっと黙っててくんない?」

勇者「へいへい」

僧侶「……」

コクコク

魔法使い「で、その豚がデブなんだっけ?」

側近「魔王様です!」

魔法使い「で、その魔王がなんであんな感じなの?」

側近「引きこもりというやつでして……お恥ずかしい」

魔法使い「出てこないの?」

側近「ええ、もう一日ゲームとお菓子ばかりで……」

魔法使い「でも魔王なんでしょ?」

側近「いえ、魔王としての仕事も放棄されて……」

魔法使い「どうしてこうなったの?」

側近「前魔王様が亡くなって今の魔王様が即位されたのですが……」

勇者「あ、それ俺のおやじが殺したやつじゃね?」

盗賊「そうなのか?」

勇者「なんとかストラッシュで倒したとかなんとか」

僧侶「おやじストラッシュ……」

魔法使い「だから入って来ないで!」

側近「え、えっと今のは……?」

魔法使い「あー、気にしないで続けて。あは……は」

側近「魔王様はまだその当時幼く、後見人がついたのですが……」

魔法使い「悪いひとだったと」

側近「ええ、魔王様を利用できるだけ利用して、まとまったお金を持ってトンズラしてしまいました……」

魔法使い「うわぁ……」

側近「それ以来魔王様は心を閉ざしてしまって……うううっ」

勇者「だからって職務放棄はないだろ」

盗賊「魔物が好き勝手暴られたんじゃ困っちまうだろ、なぁ、おい?」

少女「私の村もそれで……」

僧侶「……」

コクコクッ

支援

勇者「なるほど、分かった!」

魔法使い「え」

勇者「全部魔王が原因だ」

勇者「魔物が暴れるのも」

勇者「ドラゴンに殺されかけたのも」

勇者「俺達に金がないのも」

勇者「食い物に困るのも」

勇者「俺が全然モテないのも」

勇者「おやじが浮気して帰ってこないのも」

勇者「全部魔王が悪いってことだな!」

僧侶「……」

コクコクッ

魔法使い「最後の方違う!」

魔法使い「他の誰かが魔王を代わろうとかしなかったの?」

側近「誰も彼も面倒がって……」

魔法使い「で、魔王はああやっているだけの存在になっちゃったのね」

側近「ええ……お恥ずかしい」

魔法使い「あなたが代わってあげればよかったんじゃないの?」

側近「いえいえ、とても私などでは……」

魔法使い「お似合いだと思うんだけど……」

勇者「待て。魔法使い」

魔法使い「だから黙っててくれない?勇者」

勇者「俺でも傷つくぞ……」

魔法使い「なによ」

勇者「魔王の代わりがいればいいんだろ?」

側近「そうですが……」

勇者「よし!俺がやる!」

シエンタ

超展開

盗賊「何言ってんだ?お前」

勇者「もう俺がやってやるしかねーだろ?」

僧侶「いいえ、私が……」

盗賊「人間が魔王とかマジで何いってんだよ、あ?」

少女「いや、私が……」

魔法使い「ほんと何を……」

勇者「……」

パチッパチッ

魔法使い「ウィンク?あ……」

魔法使い「あたしが魔王やろうかなー」

盗賊「おめーら馬鹿なこといってんじゃねーよ。そんなんなら俺が……」

『どうぞどうぞ』

竜ちゃん!

ダチョウ倶楽部wwwwwwww

盗賊が主役だった

側近「お笑い芸人の方々でしたか……?」

魔法使い「確かに盗賊ならぴったりかもねー」

盗賊「何をおめーら……」

勇者「なんせ世界を盗んでやるんでやるんだもんな」

盗賊「な゛……てめぇまさかあの時聞いて……」

勇者「お前のために世界を盗んでやるぜ!」

僧侶「盗賊様……ポッ」

勇者「あははははははは」

僧侶「ぷすすっ……」

少女「まぁ///」

盗賊「てめぇら……命捨てる覚悟はあるんだろうなぁ、え?」

ジャキンッ

勇者「ちょっ、生きるためにしか殺さなくしたんじゃ……」

盗賊「骨まで食ってやんよ!!!」

おさる会費

勇者「酷い……本当に斬りつけやがった……いつつ」

魔法使い「あれは勇者が悪いわ」

勇者「だって、リア充で王様になるとかムカつかない?」

僧侶「……」

コクコクッ

魔法使い「わ、分かる、分かるけどさ……なんかそれ情けなくない?」

勇者「言うな……男にはやるしかないって時があるものなんだ」

魔法使い「は?あれがその時ってこと?」

勇者「男にはやるしかないって時があるものなんだ」

魔法使い「なんで2回言ったし」

魔法使い「まぁ、結局魔王やるって言ったんだからいいじゃない、側近も喜んでたし」

勇者「あとは……こいつだな」

バタンッ

勇者「おい!」

魔王「……」

ピコピコッ

勇者「おい、そこの過食症」

魔王「……」

勇者「よいしょっと」

ガシッ

勇者「魔王ゲットだぜ」

魔王「何をするー貴様らー」

ブラブラッ

勇者「俺達と一緒に来るんだよ」

魔王「やだ!離せ!」

ブンッ

勇者「おっ、やろうってのか?だけど……てぃ」

ガッ

魔王「あうっ」

ドテッ

勇者「その体型で勝てるつもりか?」

魔王「この!この!」

ブンブンッ

勇者「遅い!この飢えて無駄に痩せすぎた俺に追いつけるとでも思っているのか」

支援

魔法使い「飢えてってのがかっこよくないんだけど……」

勇者「勝ちたかったらやせてみろ」

ズルズルッ

魔王「く、くそぅ」

魔法使い「で、どうするの?その子」

僧侶「丸焼き……?」

勇者「王国まで連れて行こう」

魔法使い「え」

勇者「仕事の報告しに行かないとな」

魔法使い「で、でも……それに戻る資金は……あ、側近にお願いすればいいかな?」

勇者「いや、このまま行こう」

魔法使い「え?」

勇者「おい、魔王。木の皮や泥水で飢えをしのいだことあるか?」

魔王「ひっ……」

勇者「虫を探して地面を掘り返したことあるか?なぁ、おい」

魔王「や、やだ……助け……」

魔法使い「あ、あたしたちもまたアレ繰り返すの……!?」

勇者「なーに、今度はこんなに太った非常食があるんだから大丈夫だって」

僧侶「……」

コクコク

魔王「た、助けてえええええええええええええ!」

さるよけ

支援

ダーウィンが来た?

―――玉座

盗賊「くっそー、あいつら面倒なこと押し付けやがって……」

盗賊「あれだけ斬りつけてやったのに生きてやがる。しぶとすぎだっつーの」

盗賊「あんで親父やお袋殺した魔物の王様やらなきゃいけねーんだよ、くそ!」

少女「でも結局引き受けちゃったね」

盗賊「けっ!」

少女「目が綺麗だったから」

盗賊「あ?何言ってんだてめぇ」

少女「目が綺麗だったから好きになったの」

盗賊「お、おめーの目腐ってんじゃねーの!?な、何言ってんだよ突然」

少女「ふふっ」

側近「あのー、イチャイチャしてないで仕事を……」

盗賊「イチャイチャなんてしてねーつの!」

側近「それで仕事……」

盗賊「わーってるよ!まず暴れてる魔物の情報を集めてこい」

側近「はっ、それで対処は……」

盗賊「それは俺のほうでやる」

側近「いえ、こちらにも軍はあるので……指示していただければそちらで……」

盗賊「いいっつーの。少しは使ってやらねーと気がおさまらねー」

側近「はぁ……」

盗賊「あの野郎……なんで勇者が魔王軍に入ってんだよ、ばっかじゃねーの」

悪くない

―――王国郊外

魔王「ひもじい……」

勇者「はぁ……はぁ……どうだ……食い物の大切さが分かったか」

魔王「うぅ……人間は冷たいな……なかなか食べ物を分けてくれん」

勇者「いい奴ばかりじゃなないけど悪いやつばかりじゃねーよ」

フラフラ

魔法使い「も、もうすぐよ……」

僧侶「……」

モグモグ

勇者「おい、何食ってんだ……」

僧侶「へそくり……」

魔王「ぐるるるる」

僧侶「欲しい……?」

へそくりってお金食べてんのか?

魔王「く、くれるのか?」

僧侶「お手……」

スッ

魔王「……」

ポンッ

僧侶「……」

ゴクンッ

僧侶「もうない……」

魔王「……」

バタッ

勇者「あ、気を失った」

魔法使い「僧侶……今のはちょっとかわいそうじゃ……」

魔王がかわいい

>>242
デブでヒキオタだぞ

>>243
改善されたものと信じたい

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