綾野「こういっちゃんと子作りしないと死ぬ病気にかかった」(355)

お願いします!

えっ?

おいマジで頼む ホントマジで頼む 綾野ちゃんに幸せを

綾野「こういっちゃんと子作りしないと死ぬ病気にかかった」

恒一「変な冗談を言ってないで急いで、遅刻するよ」

綾野「少しは本気にして欲しいなぁ」

見崎「いつも変な冗談を言っているからよ」


いつもと変らない平和な日常がそこにあった
ご愛読ありがとうございました

小椋「えっ?」

綾野「どうしよう……」

小椋「いやいやいや……えっ?」

綾野「このままじゃ私死んじゃうよぉ……」

小椋「いやいやいやいやちょっと待って」

綾野「なに?」

小椋「彩、あんた今なんて言ったの?」

綾野「だからこういっちゃんと子作りしないと死んじゃうって……」

小椋「ごめん意味がわからない」

小椋「彩、あんた頭大丈夫?」

綾野「どういう意味?」

小椋「いやだって……ねえ? そんな子作りしないと死ぬ病気なんてあるわけないでしょ」

綾野「でもお医者さんがそう言ったんだもん」

小椋「それ多分やぶ医者よ」

綾野「稀によく見る奇病だって言ってた」

小椋「稀によく見るってどういう表現よ……」

綾野「どーしよぉ! ねえ! 私まだ死にたくない!」

小椋「とりあえず落ち着け!!」

小椋「と言うかなんでそんな話を私にするのよ」

綾野「こんなこと相談できるの、由美しかいないし……」

小椋「えー……私はあんたの中でどういうポジションなのよ」

綾野「えっ? 一番の親友だけど……」

小椋「えっ」

綾野「へ?」

小椋「…………そ、そうっすか」

綾野「? どうしたの由美、顔赤いけど」

小椋「何でもないからほっとけ」

小椋さんの一人称はあたしじゃなかったけ?

支援

小椋「えーっと……それでなんだっけ、榊原くんと……こ、子作りしないと死ぬ病気だっけ?」

綾野「うん」

小椋「俄かには信じられないけど……仮にそれが本当だったとして」

綾野「うん」

小椋「それであんたはどうすんのよ?」

綾野「うん?」

小椋「榊原くんにそのこと伝えるの?」

綾野「えっ……ええええええ!? むむむムリムリムリ!! 絶対ムリ!!」

小椋「でもそうしないとあんた死んじゃうんでしょ?」

綾野「そっそうだけど!! こんなことこういっちゃんに言えないよ!!」

>>24
ミスったごめん

小椋「じゃああんた死ぬしかないじゃない」

綾野「うっ……そ、それもヤダぁ……」

小椋「なら榊原くんに事情を伝えて、なんとか頼み込むしかないんじゃないの?」

綾野「うぅううぅ……でもぉ」

小椋「……」

綾野「そ、そもそもこういっちゃんが私なんかと子作りしてくれるかわかんないし……」

小椋「……」

綾野「それに仮に子作りしてもこういっちゃんに迷惑かかっちゃうし……」

小椋「……」

綾野「やっぱり無理だよ……私はもう死ぬしか道が――」

小椋「あーもううじうじうじうじ面倒くさいなあ!!」

小椋「あんたそんなキャラじゃなかったでしょ!? いつもの鬱陶しい程の元気っぷりはどこにいったのよ!」

綾野「うぅ……うぇえん」

小椋「泣くなよ!」

綾野「うぅ……でもぉ……」

小椋「あーもう面倒くさいなあ……わかったわよ!」

綾野「ふぇ?」

小椋「あたしが何とかしてあげるわ!」

綾野「なんとかするって?」

小椋「どうにかして榊原くんと……あ、アレ、ができるように手伝ってやるって言ってんのよ!」

綾野「え……えええええ!?」

綾野「ゆ、由美が!? どうやって?」

小椋「……まあ、それは今から考えるけど」

綾野「ええー……」

小椋「なによその顔! あんたがしっかりしないからあたしがでしゃばる羽目になってんでしょうが!」

綾野「そ、それは……」

小椋「それに……親友が困ってんだから、助けないわけにはいかないでしょ!」

綾野「えっ」

小椋「あっ……」

綾野「……ゆ、由美……」

小椋「……」

綾野「ゆみぃいいいいいい!!」ダキッ

小椋「わああっ!? 抱き着くな暑苦しい!!」

綾野「うぇえええええん!! ありがどうゆみぃいいいい!!」

小椋「だから泣くなってば!!」

いいよいいよー

小椋「制服が涙と鼻水だらけに……」

綾野「ご、ごめん。つい嬉しくって」

小椋「はあ……いいわよ、気にしなくて」

綾野「うん……ありがとね、由美」

小椋「はいはいどーいたしまして。……それじゃ、早速何か方法を考えましょ」

綾野「方法?」

小椋「あんた自分のことなのに何で忘れてんのよ……榊原くんと子作りする方法よ」

綾野「あっ……そ、そうだった」

小椋「こいつ……」

小椋「一番手っ取り早い方法があんたから病気の話を伝えることなんだけど」

綾野「うっ……そ、それはちょっと」

小椋「はあ……あんたって、いざとなると急にヘタレになるわよね」

綾野「うぅ……面目ない」

小椋「しょうがないわね。あんた、榊原くんの携帯か家の番号しってる?」

綾野「? 知ってるけど、何で?」

小椋「あたしから話伝えてあげるわよ。彩の病気のこと」

綾野「え……うええええええ!? だだだダメダメダメ! 絶対ダメ!」

小椋「はあ?」

綾野ちゃんマジきゃわわ

綾野「恥ずかしいからダメ! 絶対にダメ!」

小椋「恥ずかしいって……自分の命掛かってんでしょ?」

綾野「そ、そうだけど、でもぉ……!」

小椋「このまま何もせずに死ぬのと、榊原くんとセックスして助かるのとどっちがいいのよ?」

綾野「そりゃ勿論後者だよ!!」

小椋「うわ、即答かよ……」

綾野「あっ……」

小椋「まあそれなら話が早いわね。ほーらさっさと腹括れ、番号教えろ」

綾野「ううぅ……」

小椋「は・や・く」

綾野「わかったよー! もー! このメモ帳に番号乗ってるよ!」ブンッ

小椋「わっと……ちょっと投げてよこさないでよ」

綾野「うええええええん! 由美のバカー!」

小椋「はいはいバカで悪かったわね。えーと、この近くに公衆電話あったかしら……」

――三十分後

小椋「取りあえず電話で彩の家まで来るよう呼び出したけど……」

綾野「うぅ……」

小椋「いい加減覚悟決めなさいって」

綾野「でもぉ……」

小椋「大丈夫大丈夫、榊原くんは人がいいから頼みごと断ったりしないわよ」

綾野「そういう問題じゃないの!」

小椋「どういう問題よ――ん?」


ピンポーン


綾野「!!」ビクッ

小椋「あ、来たみたいね」

ガチャッ

恒一「あっ……どうも、こんにちは」

小椋「いらっしゃい。悪いわね、急に呼び出したりして」

恒一「別に気にしてないよ。小椋さんたちに呼ばれるなんて珍しいとは思ったけどね」

小椋「ごめんね、ちょっと話がね……」

恒一「話?」

小椋「まあそれについては後にしましょう。彩も部屋でまってるから」

恒一「? うん、わかった」

ガチャッ

恒一「お邪魔しまーす」

綾野「っ!! う、うわあああっ!!」

恒一「えっ!? なに!?」

綾野「ほ、ホントにきちゃったあああ! ホントにこういっちゃん来ちゃったよぉおお!」

恒一「え? ど、どういうこと綾野さん?」

綾野「うわぁああん! 無理だって! 絶対無理だって!」

恒一「あ、綾野さん? 大丈夫?」

綾野「無理無理無理――あだっ!?」バシッ

小椋「少し落ち着け」

綾野「いったぁああい……」

小椋「ごめんね榊原くん。ちょっと彩のやつ、いま色々といっぱいいっぱいで」

恒一「? う、うん……大丈夫、気にしてないよ」

小椋「ありがと。それじゃ適当に座ってくれる?」

恒一「うん」

綾野「うー……」

小椋「ほら彩、あんたもうずくまってないで体起こしなさい」グイッ

綾野「あうっ」

小椋「ったく……それじゃ榊原くん、早速で悪いけど本題に入るわね」

恒一「うん、いいよ」

小椋「えっと……実は、彩が――」

綾野「ゆ、由美ぃ! やっぱりよそうよぉ!」

小椋「あーもういいから! あんたは私に任せて大人しくしてなさい!」

綾野「うぅううぅ……」

小椋「ごめんね。それで……今からする話、笑ったり引いたりしないで聞いてくれる?」

恒一「……? わ、わかった」

小椋「実はね……」

恒一「うん」

小椋「実は……」

恒一「……うん」ゴクリ

小椋「彩が榊原くんと子作りしないと死ぬ病気に掛かっちゃったの」

恒一「………………うん?」

綾野「あうぅうう……」

恒一「……ご、ごめん、ちょっと今うまく聞き取れなかったかも。もう一度言ってくれる?」

小椋「だから、彩が榊原くんと子作りしないと死ぬ病気にかかったのよ」

恒一「……え、ええと? なに、子作り? 綾野さんが僕と?」

小椋「そうよ」

恒一「こ、子作りってあれだよね……こ、こうおしべとめしべがアレするやつだよね?」

小椋「その通りよ。ね、彩?」

綾野「は、はい……その通りでございます……」

恒一「……」

うんこ

小椋「そういうわけで榊原くん。申し訳ないんだけど、彩のこと助けてくれない?」

恒一「えっ……」

小椋「このままじゃこの子死んじゃうらしいから……ほら彩、あんたからもお願いしなさい」

綾野「う、うん……こういっちゃん」

恒一「……な、なに?」

綾野「私、死にたくないの……」

恒一「えっ」

綾野「うぅ……お、お願いこういっちゃん! 私と、こっ、こ、こっ……!」

恒一「えっ、ちょ、ちょっと待って!」

綾野「子作りしてっ!!」

恒一「待ってってば!」

綾野「い、言えたよ由美ぃ! 私ちゃんとお願いできた!」

小椋「はいはいよくやったわね、偉い偉い」

綾野「やったー! やったよー!」

恒一「だからちょっと待ってってば!」

綾野「やったー……えっ? な、なに?」

恒一「いや、あのさ……」

綾野「?」

恒一「……じ、冗談だよね?」

綾野「冗談?」

恒一「いや、だから……僕と子作りしないと死ぬって、冗談だよね?」

綾野「えっ」

恒一「ま、全くもう……冗談きついよ二人とも」

綾野「えっ、えっ」

恒一「二人してこんなバレバレの嘘ついて」

綾野「えっ……」

恒一「もしかして話ってこれのことだったの? 酷いなあ、流石に僕もこんな嘘には引っかからないって」

綾野「うっ……嘘じゃないよ!? ホントの話だよ!」

恒一「いや、だから騙されないってば」

綾野「だから騙してないのー!!」

綾野「ゆ、由美ぃ! どうしよう!」

小椋「あー……まあそりゃそうなるわよね」

綾野「ええ!?」

小椋「正直私だって未だに半信半疑だし」

綾野「えええええ!? そうだったの!?」

小椋「あんたの話じゃなかったら、きっと一蹴してたわよ」

綾野「そ、そんなぁ……」

恒一「えーと……それじゃ僕、もう帰ってもいいかな?」

綾野「ええ!?」

恒一「もうそろそろ夕方だしさ、今日うちおばあちゃんがいないから僕がご飯作らないと……」

綾野「ままま待って! もう少し待って!」

恒一「えっ?」

綾野「あと十分だけ! ちょっと作戦会議するから!」

恒一「作戦会議?」

綾野「待っててね! 一生のお願いだから!!」

恒一「? う、うん、わかった」

綾野「絶対だからね! ……由美ー!!」

綾野「どうしよう! これどうすればいいの!?」

小椋「いや、ここからはもうあたしの出る幕じゃ……」

綾野「待ってよぉ! 一緒にどうすればいいのか考えてよ!」

小椋「うーん……」

綾野「ねえねえ! どうすればいいの!? どうしたら信じて貰えるの!?」

小椋「あー……そうねえ、何か証拠みたいの見せればいいんじゃない?」

綾野「し、証拠って言っても……」

小椋「ええと……そうだ、診断書とかないの?」

綾野「診断書?」

綾野「ええっと……」

小椋「病院で何かそういうの貰わなかったの?」

綾野「うーん……」

小椋「まあ、こんな嘘臭い病気に診断書つくとは思えないけど――」

綾野「……あ! 思い出した!」

小椋「えっ?」

綾野「貰った! 貰ったよ診断書!」

小椋「えっ」

綾野「確か机に閉まってた筈……ちょ、ちょっと待ってて!」

小椋「えっ……マジ?」

ごはん

綾野「あったー! ほらこれ診断書だよ!」

小椋「ま、マジであったんだ……ちょっと読ませて」

綾野「うん、どうぞ!」

小椋「えーっと……なに? 突発性セックス中毒症(仮称)? 一番好きな人と性交渉を行わないと精神に負担がって……」

綾野「ね! ホントだったでしょ?」

小椋「うわー、マジだ……実は彩が榊原くんとヤりたくて嘘言い出したんだと思ってたんだけど」

綾野「ええ!? なにそれ!? 私そんなエッチな子じゃないよ!!」

小椋「いや、それは知ってたけどさー……」

小椋「まあ、とりあえずこれを見せれば信じて貰えるんじゃない?」

綾野「ホントに!?」

小椋「うん、ホントホント」

綾野「わかった! それじゃこういっちゃんにこれ見せてくるね!」

小椋「ええ、そうしなさ……ん? あれ、ちょっと待って。これ隅の方に小さく何か書いて――」

綾野「こういっちゃーん! ちょっとこれ見て!」パシッ

小椋「あっ!? ち、ちょっと待ちなさい!」

綾野「ほらこういっちゃん、これ!」

恒一「え? なにこれ?」

綾野「診断書! 病院でもらったの!」

恒一「えっ……診断書?」

綾野「うん!」

恒一「ち、ちょっと貸してくれる?」

綾野「いいよー! はいどーぞ」

恒一「ありがとう。えーっと……」

綾野「……」

恒一「……え、ええー……? これ、本当に……?」

恒一「偽物の診断書……には見えないけど」

綾野「だから本当だって言ってるじゃん!」

恒一「本当にこんな病気が……って、あれ? ちょっと待って?」

綾野「へ?」

恒一「いや、ここ……病気の概要のとこにさ」

綾野「ん?」

恒一「一番好きな人とってあるんだけど」

綾野「うん」

恒一「え、あの……あ、綾野さんの一番好きな人って……」

綾野「……うん?」

恒一「……ぼ、僕、なの?」

綾野「……………………あっ」

綾野「わああああ! 待って! 待って! 今の無し!」

恒一「えっ、ちょっ」

綾野「ち、違うの! いや違わないんだけど! これはちょっと抜けてたと言うかなんというかそのー!」

恒一「あ、あの……」

綾野「うっうわああああああ! 私のバカー! これ完全にバレバレじゃん! バレてんじゃん! いやー!!」

恒一「あの」

綾野「わー! わー! わー――いたいっ!!」バキッ

小椋「落ち着け」

綾野「ま、またぶったぁ……」

小椋「ごめんね榊原くん。ちょっとその診断書、もう一回見せてくれる?」

恒一「う、うん。どうぞ」

小椋「ありがと……」

綾野「うぅ……痛い……」

小椋「……やっぱり。ちょっと彩、こっち」チョイチョイ

綾野「いたいよぉ……ふえ? どうしたの由美?」

小椋「ちょっとここ見てみなさい」

綾野「へ? なに、診断書の隅に何か……」

小椋「……」

綾野「……え?」

『尚わかっているとは思うけど、この診断書の内容は嘘です。そんな病気は存在しません by彩の伯母』


綾野「……ふえ?」

小椋「そういえばあんたの伯母さんって夕見ヶ丘病院に勤めてたわね……」

綾野「……え? え?」

小椋「そういえば昔からあの人ってイタズラ好きだったわよね」

綾野「えっ、えっ、ちょっと待って」

小椋「まあこんなのに騙される方も騙される方だけど」

綾野「えっ、待って。待ってちょっと待って」

小椋「ご愁傷様ね、彩」

綾野「ええええええええ!? ちょっと待ってぇええええええええ!!!!!」

綾野「伯母さあああああん!? ちょっとどういうことおおおっ!!」

小椋「そういえばこれ診断日丁度4月1日ね……なるほどそういうことか」

綾野「うわあああん!! バカー!! 伯母さんのバカー!!」

小椋「っつーか今6月じゃん。何であんたこんな話二か月も溜めてたのよ」

綾野「だってええええええ!! 誰にも言えなかったしぃいいいい!!」

小椋「せめて親にぐらいは言いなさいよ……あーだから誰もネタバレしなかったのね」

綾野「うぇえええええん!!」

綾野ちゃんは可愛いなあ!

恒一「あ、あのー……」

綾野「うぇえええ……バカぁ……伯母さんのバカー……」

恒一「ね、ねえ。綾野さんどうしたの? 何かあったの?」

小椋「まあ何というか、この子が抜けてたと言うか……」

恒一「抜けてた?」

小椋「あー……実はね――いやちょっと待って」

恒一「え?」

小椋「……」

恒一「小椋さん? どうしたの?」

小椋「……榊原くん。さっき診断書見て、彩の病気のこと信じてくれた?」

恒一「え? う、うん……それはまあ」

小椋「ふーん……そっかそっか。隅のアレは読んでなかったのね」

恒一「隅のアレ?」

小椋「いやいやこっちの話だから気にしないで」

恒一「?」

小椋「……うん、よしこれで行こう」

恒一「え?」

小椋「榊原くんよく聞いてね。実は彩が――」

うんこっつーか下痢

お腹痛いよかーちゃん…

正露丸探してくるからちょい待って

綾野「ううー……どうしよぉ……こういっちゃんになんて言い訳すれば……」

小椋「おーい、彩ー」

綾野「あっ、由美ぃ! お願い、一緒にこういっちゃんに謝って――」

小椋「それじゃあたしもう帰るから」

綾野「へっ?」

小椋「ちゃんと言っといてあげたから、後は自分でうまくやりなさいよ」

綾野「えっ、え? 由美?」

小椋「それじゃ上手く言ったら電話頂戴ねー」

綾野「ええええええ!? どういうこと由美ぃいいいい!?」

小椋「じゃーねー」

綾野「待っ――」


ガチャッ バタン


綾野「て…………う、うそぉ……本当に行っちゃった」

恒一「……」

綾野「うう……ゆ、由美のバカぁ! 人でなしー!」

恒一「あのー……」

綾野「ペチャパイ! 貧乳! 由美なんて一生Aカップのままになればいいんだー!!」

恒一「ちょっと、綾野さん!」

綾野「ひゃいっ!?」

綾野「あっ……こ、こういっちゃん」

恒一「えーっと……」

綾野「え、えーっと……」

恒一「……綾野さん、さっき小椋さんから聞いたよ」

綾野「っ!!」

恒一「綾野さんの病気のことなんだけどさ」

綾野「あっ……う、うう……ご、ごめんなさい。実は病気は……」

恒一「余命が明日までなんだよね?」

綾野「嘘――って、えっ?」

恒一「明日の朝までがタイムリミットなんでしょ?」

綾野「えっ?」

鳴ちゃんと小椋さんだろ

恒一「だから今日中にその……こ、子作りしないと死んじゃうんだよね?」

綾野「えっ……え?」

恒一「だ、だからさ! 綾野さんが好きな人が僕だって言うなら、その」

綾野「ち、ちょっと待って!」

恒一「あっ綾野さんを助けるためなら、僕……」

綾野「まっ待ってよこういっちゃん! その話由美から聞いたの!?」

恒一「? う、うん。そうだけど」

綾野「え、ええー……どういうこと? 由美ったらどういうつも――」


ピピピピピ!

綾野「あれ? 電話? リビングの方……」


ピピピピピ!


綾野「こんな時に誰から……ご、ごめんこういっちゃん! ちょっと待ってて、電話出てくるから!」

恒一「う、うん。わかった」

綾野「ごめんね! すぐ終わらしてくるから!」


ガチャッ バタン

ガチャッ

綾野「もしもし?」

『あ、もしもし彩?』

綾野「お母さん? どうしたの、まだ仕事中じゃ……」

『聞いたわよ彩!』

綾野「え?」

『今家に彼氏さんが来てるんでしょ?』

綾野「……へ?」

『さっき由美ちゃんから私の携帯に連絡があってね』

綾野「え? え?」

『私は今日は会社の方に泊まりこんでいくから』

綾野「え? え? え?」

『お父さんの方にもうまく言い訳して明日まで帰らせないでおくから』

綾野「ち、ちょっと待って? お母さん?」

『それともしもの時はアレ、お父さんの書斎の引き出しに入ってるから使いなさい』

綾野「アレってなに? お母さん何言ってるの?」

『それじゃ彩! しっかりやるのよ!』

綾野「ちょっと待ってえええ!!?」


ブツッ ツー ツー ツー

ガチャッ


恒一「あ、おかえりなさい」

綾野「……」

恒一「何の電話だったの?」

綾野「っ! な、何でもない! 何でもないから!」

恒一「?」

綾野「う、うぅうう……」

綾野(由美、どういうつもりなの……? こういっちゃんやお母さんに嘘吐いて)

綾野(……)

綾野(…………も、もしかして)

綾野(もしかして、あの嘘の病気の通りに私とこういっちゃんをこ……こ、こ、子作りをさせるために、こんなことを?)

綾野「……うぅううう……」

綾野(ゆ、由美のバカ……!! すごい余計なお世話だよ!!)

綾野「うぅうう~……!!」ジタバタ

恒一「綾野さん? どうしたの大丈夫?」

綾野「大丈夫ぅ~……」ジタバタ

恒一「とてもそうは見えないんだけど……」

恒一「も……もしかして病気の発作か何か?」

綾野「ふえ?」

恒一「綾野さん、今苦しいの?」

綾野「えっ……ま、まあ苦しい状況と言えばそうだけど」

恒一「っ! な、なら早くしないと!!」

綾野「ふえっ!?」

恒一「え、えっと、その……あっ綾野さん!」

綾野「えっ、ま、待って」

恒一「時間がないんでしょ? な、なら……」

綾野「え、あ、いやあの」

恒一「僕、こういうの初めてだからうまくできないかもだけど……」

綾野「えっ……ま、待って、ちょっと――」

恒一「――綾野さん!」

綾野「はいっ!?」

恒一「……よ」

綾野「よ?」

恒一「……よ、よろしくお願いします」

綾野「……こ、こちらこそ、お願いします……?」

濡れ場入る前に風呂で体を清めてくる

――三十分後


ガチャッ


綾野「……し、シャワー浴びてきたよ」

恒一「う、うん」

綾野「……」

恒一「……」

綾野「……」

恒一「……え、えっと、じゃあベッドの方に……」

綾野「っ! う、うんっ……」

綾野(どうしよう……結局流れでこんなことに……)

綾野(こ、こういっちゃんとって言うのはそりゃ嬉しいけど……こんな騙すような真似……)

恒一「……綾野さん?」

綾野「!!」ビクッ

恒一「大丈夫? 少し顔色悪いけど」

綾野「っ……な、なんでもないよ! 気にしないで!」

恒一「……」

綾野(うぅ……やっぱ顔にも出てたみたい……)

恒一(綾野さん……やっぱり病気のせいで……)

恒一(早く綾野さんを楽にしてあげないと……)

綾野「うぅ……」

恒一「そ、それじゃ綾野さん! 早速始めよっか」

綾野「っ! ……う、うん」

恒一「えっと、それじゃあ……」

綾野「……」

恒一「……」

綾野「……」

恒一「……ど、どうすればいいんだろう?」

綾野「えっ?」

恒一「いや、さっきも言ったように僕こういうこと初めてだから、勝手がわからないと言うか……」

綾野「え、えっと……」

綾野(ええええ……!? わ、私だってわからないよ! 処女だもん!)

恒一「うーん……」

綾野(ど、どうしよう……こんなことなら雑誌とか読んで勉強しておけばよかった……)

恒一「えっと……ま、まずは服を脱がせばいいのかな?」

綾野「!? ぬっ脱がす!?」

恒一「いや、服を着たままじゃできないかと思って……」

綾野「あっ……う、うん、そうだね! はっ裸じゃないとダメだよね!」

恒一「そ、それじゃ脱がすね?」

綾野「うん……ど、どーぞ」

恒一「……」スッ

綾野「っ……!」ピクッ

恒一「……ブラウスのボタン、外すよ」プチ

綾野「う、うん……」

恒一「……」プチプチ

綾野「……」

恒一「……」プチッ プチ

綾野(……こ、こういっちゃんが……私の服を……)

恒一「……」プチッ…

綾野(あっ……し、下着、見えちゃう……)

恒一「っ……!」

綾野「あ、あう……」

恒一「……え、えっと……」

綾野「うぅ……」

恒一「か、可愛い下着、だね?」

綾野「っ!! ……あ、ありが、とう」カァアアア

恒一「……う、ううん。どういたしまして」

綾野「うん……」

綾野(し、下着……褒められちゃった……さっき取り換えておいてよかったぁ)

パサッ…


恒一「……!」

綾野「はうぅ……」

綾野(私、今こういっちゃんの前で下着だけに……)

恒一「……」

綾野(な、なんか凄く見られてる気が……)

恒一「……」ゴクッ

綾野(うぅ……は、恥ずかしいぃ……)

恒一「……それじゃ、綾野さん」

綾野「っ!!」ビクッ

恒一「……い、いいかな? 始めても」

綾野「へ? は、始める?」

恒一「その……か、身体とか、触ってもいい?」

綾野「えっ……あ、う、うん! い、い、いいよ!」

恒一「それじゃ……」

綾野「っ……! あ、ま、待って!」

恒一「え?」

綾野「そっその前に……一つ、お願いが……」

恒一「お願い?」

綾野「その……」

恒一「……?」

綾野「…………き、キス」ボソッ

恒一「え? 今なんて……」

綾野「っ……き、キス!!」

恒一「!?」ビクッ

綾野「き、キス……してくれると嬉しい、かも……」

恒一「えっ……き、キス……?」

綾野「う、うん……」

恒一「綾野さん、キスって――」

綾野「っ……! こ、こういっちゃんが嫌なら別にいい、けど……」

恒一「えっ? いや、そんな嫌な訳ないよ!」

綾野「っ!!」ビクッ

恒一「あっ……」

綾野「……ほ、ホントに?」

恒一「……う、うん」

綾野「じゃあ……」

恒一「……うん」

綾野「……」

恒一「……綾野さん、目瞑ってくれる?」

綾野「っ……う、うんっ!」

綾野「……!」ドキドキドキ

恒一「……」

綾野「……!!」ドキドキドキドキドキ

恒一「……」スッ

綾野「んっ……!」


――チュッ


綾野「ふあっ……!?」ビクッ

綾野(な、なに今の……? 今、唇が触れた途端……)

綾野(あっ、頭がふわって……眩暈みたいのが……)

恒一「……綾野さん、大丈夫?」

綾野「っ……う、うん、へいき」

恒一「そう……ならよかった」

綾野「……ね、ねえこういっちゃん」

恒一「ん? なあに?」

綾野「も、もう一回」

恒一「え?」

綾野「もう一回、キス、欲しい」

恒一「もう一回?」

綾野「だ、ダメ……?」

恒一「いや……うん、いいよ」

綾野「! あ、ありがとっ」

恒一「ううん。それじゃ、もう一回するね?」

綾野「う、うん……」

恒一「綾野さん、少し顔上げて?」

綾野「うん……」スッ

恒一「……んっ」

綾野「っ! んんっ……!」

恒一「ちゅ……ちゅ」

綾野「んっ、あっ……」

綾野(すご……な、なにこれ? 唇が触れ合う度に、頭がぽわーって……)

恒一「ちゅっ……」

綾野「んっ……!」

綾野(や、やだ、これ……私、こんなの……)

恒一「ちゅぱっ……ね、ねえ綾野さん」

綾野「ふえ?」

恒一「少し、口開けてくれる?」

綾野「口? ……こう?」

恒一「うん……じゃあ、ちょっとごめんね」

綾野「んっ……んぐっ!?」

綾野(な、なに!? 口の中に何か温かいのが……!)

恒一「んっ……れろっ」

綾野(こ、こういっちゃんの、舌……? こういっちゃんの舌が、私の口の中に……)

恒一「れろ……ちゅ、ちゅぱっ……れろっ」

綾野「んっ、んあっ、やっ……!」

綾野(し、舌が歯をなぞって……くすぐったい……)

恒一「ちゅ……んっ、れろ……じゅるっ」

綾野「んああっ……んあ、らっ、らめっ」

綾野(つ、つば……こういっちゃんが私のつば、飲んじゃってるよぉ……)

恒一「れろっ……ちゅ、ぷはっ。ね、ねえ綾野さん」

綾野「んあ……な、なに?」

恒一「綾野さんも舌、絡めてみてくれる?」

綾野「わ……わたしも?」

恒一「うん、僕がやってるみたいに」

綾野「……わ、わかった。やってみる」

恒一「うん。それじゃ、もう一回するね?」

綾野「う、うん」

恒一「んっ……」

綾野「あっ、や……」

恒一「じゅる……れろ、ちゅ」

綾野「あっ、んあっ……!!」

恒一「はぁ……れろっ、ちゅ、れろ」

綾野「んっ、んぐっ……んんっ、んあっ、れろ」

恒一「んむっ……そ、そうそう、その調子」

綾野「う、うんっ……れろ、ちゅ」

綾野(……す、すごい)

恒一「んっ……れろ、ちゅ、ぺろ」

綾野(私とこういっちゃんの舌が絡まって、涎がだらだら垂れて)

綾野「あっ、んあっ、はあっ……れろ、じゅる、ちゅっ」

綾野(なんか……すごくエロい、かも)

綾野(頭、ぼーっとする……)

恒一「――ぷはっ……はぁ、はぁ……」

綾野「はっ、はぁっ……はぁっ……」

恒一「……あ、綾野さん? 大丈夫?」

綾野「う、うん……らいじょーぶ……」

恒一「……ホントに?」

綾野「うんっ……へ、へーき、だから……続けて」

恒一「……う、うん。わかった、続けるね」

綾野「うん……」

綾野ちゃんが可愛すぎて濡れる

恒一「それじゃ……ブラジャー、とってもいい?」

綾野「っ……! う、うん、いいよ」

恒一「じゃあ……」スッ

綾野「んっ……」

恒一「えっと……こ、こうかな?」グイ

綾野「っ!」ビクッ

恒一「ご、ごめん! えっと……こ、こう?」グイグイ

綾野「あっ……だ、ダメだよ無理に引っ張っちゃ!」

恒一「あっ、ご、ごめん!」

綾野「えっとね……ここを、こういう風にして外すの」

恒一「ええと……こう?」プチッ

綾野「そうそう」

ポロンッ


綾野「あっ……」

恒一「……こ、これが綾野さんの……」

綾野「あっ、ちょ、ちょっと……」

恒一「……」ジー

綾野「こういっちゃん?」

恒一「……」ジーーー

綾野「ね、ねえ、こういっちゃん」

恒一「……えっ? な、なに?」

綾野「余りまじまじと見られると、その……恥ずかしいと言うか、何というか……」

恒一「あっ……ご、ごめん!」

恒一「ごめんね。その、女の人の胸を見るのって初めてだったからさ、つい……」

綾野「う、ううん! 大丈夫だよ、怒ってないから!」

恒一「あ……ありがとう、綾野さん」

綾野「べっ、別にお礼言われることじゃ……」

恒一「ええと……それじゃ、下の方も脱がしていい?」

綾野「へっ?」

恒一「いや、その……ぱ、パンツの方も……」

綾野「へ……あ、う、うんっ! そうだよね! そりゃブラジャーの次はパンツだよね!」

恒一「? う、うん、そうだね?」

綾野「それじゃーどうぞ! し、下の方も……ぬ、脱がして、い、いいよ」

巨乳でもなく貧乳でもない美乳の綾野ちゃんマジ天使

スルッ…


綾野「んっ……!」

恒一「……」スルスル

綾野「っ……!」

綾野(や、やだ……こういっちゃんの指が太ももに当たって、くすぐった――)

綾野「ひゃんっ!?」

恒一「あっ……ご、ごめん。大丈夫?」

綾野「……だ、大丈夫だよ!」

恒一「そう……」

綾野(うぅう……変な声でたぁ……)

パサッ…


綾野「あっ……」

恒一「っ……こ、これが……」

綾野「やっ、ちょっ……」

綾野(わ、私いま真っ裸だよぉ……こういっちゃんの前で……)

綾野(恥ずかしい……は、恥ずかし過ぎて頭沸騰しそう……)

恒一「……」ジー

綾野(な、なんかまたマジマジと見てるし――って、あれ?)

恒一「……」ギンギン

綾野(あ、あれ? こういっちゃんのズボン、あれ、大きくなってるのって……)

綾野「……こ、こういっちゃん?」

恒一「っ!! な、なに?」

綾野「あの……そ、それ」

恒一「え?」

綾野「その……ず、ズボンの中」

恒一「え……あっ! ち、ちがっ! これはそのっ!」

綾野「こういっちゃん?」

恒一「あの、これは……」

綾野「こういっちゃん、もしかして……わ、私の裸で、興奮してる?」

恒一「っ……!」

恒一「……う、うん。ごめん、綾野さんの裸見てたら僕……」

綾野「そ、そーなんだ……」

綾野(こういっちゃんが、私なんかの裸で)

綾野(お、おっ、おち……あ、アレをあんなに大きくして……)

綾野(……)

綾野「……ね、ねえ、それ苦しそうだよね?」

恒一「えっ?」

綾野「こういっちゃんも……服、ぬ、脱いだ方がいいと思うんだけど」

恒一「えっ……」

綾野「ほ、ほら! 私だって全部脱いだんだし、今度は私が脱がしてあげる!」

恒一「えっ、ち、ちょっと待って!」

綾野「さっ先にシャツの方脱がしちゃうね!」プチプツ

恒一「あっ、ちょ……あ、綾野さん」

綾野「だいじょーぶ! 私がやってあげるから……こ、こういっちゃんはじっとしてて?」

恒一「っ……!」

綾野「ね?」

恒一「……う、うん」

綾野「うんっ! それじゃ、すぐに脱がしてあげるね」プチプチ

恒一「あっ……」

綾野「……」プチプチ

恒一「……」

パサッ…


綾野「わー……こういっちゃん、細いと思ってたけど結構筋肉あるんだね」

恒一「そ、そうかな?」

綾野「うん。私、こういう逞しいの、結構好きだったり……」

恒一「えっ?」

綾野「あっいや、な、なんでもないよ! そ、それじゃ、ズボンの方もするね」

恒一「え!? い、いや待って、ズボンは自分で――」

綾野「い、いーから! 私も自分がして貰ったみたいにしてあげたいの!」

恒一「え、ええー……」

綾野「ほら、じっとしててね」カチャカチャ

カチャカチャ…ズルッ


綾野「っ! わ、わー……す、すごっ」

恒一「あ、あの……」

綾野(トランクスがテント張ったみたいになっちゃってる……)

綾野(お、男の人のってこんな大きくなっちゃうものなの?)

恒一「あ、綾野さんっ……」

綾野「っ! ご、ごめん! 今下着も脱がしちゃうね!」

恒一「えっ? い、いや、そんなつもりで呼んだんじゃ――」

綾野「よ、よいしょっ、と!」グイッ

恒一「あっ、ちょっと!」

ボロンッ


綾野「きゃっ!?」

恒一「っ!」ビクッ

綾野「…………わ、わあー……」

綾野「こ、これが男の人の……」ジー…

綾野(な、なんか思ったよりも大きい……)

綾野(形とか色とかすごいグロいけど……ち、ちょっと可愛い、かも?)

綾野(こういうのグロ可愛いって言うのかな……)

恒一「あ、あの、綾野さん?」

綾野「ふえ? な、なに?」

恒一「み、見過ぎ……見過ぎだって」

綾野「あっ……そ、そうだね。ごめんごめん」

綾野「……」

恒一「……」

綾野「……え、えっとさ」

恒一「? どうしたの?」

綾野「……あの、こ、これがさ」

恒一「これ?」

綾野「これ……このおっきいのが、わ、私の中に入るんだよね?」

恒一「えっ? お、おっきいって……」

綾野「この……こ、こういっちゃんの……アレ」

恒一「っ……う、うん。そうだね」

綾野「そ、そっかー……そ、そうだよね、そうなんだよね……」

綾野(こういっちゃんのが、わ、私の中に……)

綾野(私がこういっちゃんと……)

恒一「……そ、それじゃ、そろそろやろうか」

綾野「へっ?」

恒一「もう結構時間も経ってるし、病気の方もやばいかもしれないでしょ?」

綾野「病気? ……あっ」

恒一「だからほら、少し急いだ方が……」

綾野「っ……そ、そうだね」

恒一「えっと、それじゃ横になって……」

綾野「……」

恒一「? 綾野さん?」

綾野「……ご、ごめん、こういっちゃん」

恒一「え?」

綾野「や、やっぱりダメだよこんなの!」

恒一「ダメ? ダメってなにが……」

綾野「私、こ、こんなこういっちゃんを騙すような真似して、こんなの……!」

恒一「……? 騙すような真似ってどういうこと?」

綾野「っ……!」

綾野「っ……ごめんなさい、こういっちゃん」

恒一「……? あ、綾野さん……?」

綾野「ごめっ……ごめんなさっ……うっ、うぇええ」

恒一「!?」

綾野「ごめんなさいぃ……や、やっぱり私、こんなの、こんな風にこういっちゃんと繋がるの……うぇえええん!」

恒一「あ、綾野さん!? どうしたの突然泣き出して!」

綾野「うぇええええええええん!! ごめんなざいぃいいいい!!」

恒一「ち、ちょっと! 綾野さん落ち着いて!」

綾野「うぇええええええん!!」

恒一「綾野さんー!?」






恒一「え、えっとつまり……」

綾野「グスッ……」

恒一「綾野さんの病気の話は、伯母さんの嘘だったってこと?」

綾野「ヒック……うん、そう」

恒一「しかも小椋さんがそれに便乗して僕に余命一日も無いって嘘を教えて」

綾野「……グスッ」

恒一「そして流されるまま綾野さんも……と」

綾野「その通りですぅ……うぅ」

綾野「ごめっ、ごめんねこういっちゃん……私が最初に言えればよかったのに……」

恒一「いや、その……」

綾野「私最低だよ……こんな嘘吐いてまで、こういっちゃんと……」

恒一「……」

綾野「ごめ……うっ、うぇえ……ごめんなさ……」グスグス

恒一「……」

綾野「ごめんなさい……ごめんなさ――」

恒一「……綾野さん」

綾野さん「……ふえっ?」

恒一「顔、少しこっちに向けてくれる?」

綾野「え? か、顔? なんで――」


――チュッ

綾野「……」

恒一「……」

綾野「……えっ?」

恒一「……綾野さん」

綾野「えっ? えっ? こ、こういっちゃん? いま、い、今、私に……」

恒一「綾野さんっ!」

綾野「はいっ!」ビクッ

恒一「えっと……」

綾野「……」

恒一「……あ、綾野さん、僕はさ」

綾野「な、なに?」

恒一「僕は……す、好きじゃない女の子とキスしたりなんてしないよ?」

綾野「……ふえ?」

恒一「あのニセの診断書……一番好きな人って書いてあったよね?」

綾野「うっ、うん……」

恒一「それを見たときさ、実は嬉しかったんだ」

綾野「!? う、嬉し……?」

恒一「綾野さんが僕のことを好きなんだって分かった時……すごい嬉しかった」

綾野「っ……こ、こういっちゃん、それって……」

恒一「……」

綾野「それって、も、もしかして……」

恒一「……」

綾野「……」

恒一「…………僕も」

綾野「……うん」

恒一「僕も綾野さんのこと……す、好きだよ」

綾野「っ……! ほ、本当に?」

恒一「うん」

綾野「ほ、本当に私のこと……好き、なの?」

恒一「うん、好きだよ」

綾野「……ほ、本当の本当に?」

恒一「うん、本当の本当に」

綾野「ほ、本当の本当の本当に?」

恒一「本当の本当の本当に」

綾野「ほっ、本当、に……」

恒一「……」

綾野「ホントに……わ、私のこと……」ポロポロ

恒一「……うん」ギュッ

綾野「ほ、本当に……私のこと……す、すきっ……」ポロポロ

恒一「うん……本当に、好きだよ。綾野さんのことが」

綾野「う、うえっ……ご、ごめ……」

恒一「うん」

綾野「私、私いま、すっごい嬉しいのに……な、涙がぁ……」

恒一「うん……そうだね」

綾野「グスッ……ごめ、ごめんね、こういっちゃん」

恒一「大丈夫だよ」

綾野「……あり、がとう……私も」

恒一「うん」

綾野「私も――こういっちゃんのこと、大好き」

ちょっとまた腹痛くなったのでタイム

――小椋宅


プルルルル……ガチャッ


小椋「もしもし?」

『あ、由美!?』

小椋「その声……彩? どうしたのよこんな夜中に」

『どうしたじゃないよ! 電話しろって言ったのは自分のくせに!』

小椋「あー……そういえばそんなことも言ったわね」

『ひっどーい! 自分で行ったくせに忘れるとか!』

小椋「はいはいごめんなさい」

小椋「それで、どうだったの?」

『え? どうって?』

小椋「電話してきたってことは、上手いこと行ったってことでしょ?」

『あっ……え、えーとそれはですね』

小椋「あー良いわよ要点だけで。生々しい表現とか聞きたくないし」

『な、生々しい表現ってなに!? 私別にそんなこと――』

小椋「……そんなこと?」

『……そ、そんなこと……』

小椋「だから、そんなこと、なんなのよ?」

『…………ま、まあ、そんなこと、あったけど』

小椋「おおー……マジか」

『あーもう恥ずかしいなあ! なんてこと言わせるの!!』

小椋「勝手に言ったのはそっちじゃない」

『うるさいうるさい! 由美のバカ! ひんぬー!』

小椋「………………ああん?」

『ひっ!? ご、ごめんなさい! 由美様は素晴らしいお胸の持ち主です!!』

小椋「それはそれでバカにされてる気がするんだけど……?」

『あうぅ……ご、ごめん』

小椋「ったく……」

小椋「それじゃ、いい報告も聞けたことだしそろそろ切るわね」

『あっ、うん。ごめんねこんな時間に』

小椋「いいわよ。それじゃまた学校で、ね?」

『うん! また学校で!』

小椋「……あ、そうだそれと」

『ん?』

小椋「……おめでとう、彩」

『……!! うんっ!』


『――――ありがとう、由美!』





おわれ

やっぱり中学生がセックスはおかしい。俺は童貞なのに

正直に告白すると単に綾野ちゃんと小椋さんがイチャイチャするのを書きたかっただけなんだ、すまんな

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