ちひろ「プロデューサーさん、いつまで女装してるんですか?」
ちひろ「プロデューサーさん、いつまで女装してるんですか?」 - SSまとめ速報
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ちひろ「プロデューサーさん、女装がバレないようにしっかりしてくださいね?」
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智絵里「プ、プロデューサーさん、女装がバレないように気をつけてくださいっ」
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――事務所
ちひろ「先日は本当にすみませんでした」フカブカ
P「いやまぁ、何も無かったんでいいですけど……」
ちひろ「まさか予約したのが一般のホテルだったなんて……値段もろくに見ないで決めちゃった私が愚かでした」
智絵里「そ、そうですっ、よ、夜なんて、Pさんと紗枝ちゃんがい、ぃ、いっしょにねて……」モゴモゴ
ちひろ「え、何です?」
智絵里「い、一緒に、お布団で寝ちゃって……」
ちひろ「あらま……大丈夫だったんですか?」カタカタカタッ
P「んー……まあ、多分大丈夫かな……何か変に疑われていたわけでもなさそうだったし」カタカタッ
ちひろ「まあ、Pさんが男の人だとバレなくてホントよかったですよ……あ、お詫びに今晩奢りますから」
P「紗枝も寮暮らしでホームシックになっていたようで……こっちも少し配慮が足りなかったのでむしろ気にしておかないといけないですね」
智絵里「ホーム……シック……?」
智絵里(ううん……ホームシックなんてきっと嘘……)
ちひろ「ところでPさん、出張先で何かありました?」
P「ちょっとロケ先でティンときた女の子を見かけたんですけどね、ちょっと話しはしたんですけど何となくスカウトするのやめちゃいました」
ちひろ「あら、副産物は無しって感じでしたか」
ガチャッ
P「ん?」
紗枝「おはようさんどす~」キィッ……
智絵里「紗枝ちゃん……!」
P「あら、どうしたの紗枝? 今日はレッスンも無いしオフだったわよね?」
ちひろ「何か忘れ物ですか?」
紗枝「何もありまへんよ? 寮におっても退屈やさかい、事務所に遊びに来たんどすえ」
P「あ、そう……まあ私もちひろさんもしばらくは机で仕事してるから、智絵里と遊んでなさい」カタカタッ
智絵里「は、はい……」
紗枝「そうどすなぁ~」トコトコ
ちひろ「ん?」
紗枝「……」ジーッ……
P「……どうしたの? 私の後ろに回りこんで」カタカタカタッ……
紗枝「なんでもありまへんよ? Pはんがどないなお仕事してはるのかなって気になっただけどす」ニコニコ
P「そう……」
智絵里「……」
紗枝「……Pはんの髪ん毛、ちゃんとお手入れしたはるね。艶もあるし綺麗やわぁ」イジリイジリ
P「あっ、ちょっと髪の毛弄らないで頂戴……」
智絵里「はぁぅっ!?」ビクッ!
紗枝「いらうのも楽しいわぁ……おやまぁ、お手入れしてはるいうても、枝毛もありますえ?」
P「え、ホント? んもう……後で切っておかないと」
紗枝「ほんならうちがPはんの髪ん毛、お手入れしはるよ? もう少ししっかり枝毛も切れ毛も探さんとなぁ」ズイッ
スンスンッ
智絵里(いまPさんの匂い嗅いだ……!)
P「ちょっと紗枝、人の頭の匂い嗅がないでよ」
紗枝「ふふふっ、Pはんの髪ん毛も、ええ匂いしはりますなぁ♪ お手入れもしっかりしたはるさかい、気にせんといて?」スンッ、スンッ
智絵里(う、嘘だ……)ガタガタ……
智絵里(きっと紗枝ちゃん、Pさんの髪の毛を触る振りをして……きっと……)
ポワポワポワ……
紗枝『Pはんの髪ん毛……かつらやないんやなぁ。男ん人ならこないな長い髪やあらへんと思ったんやけどなぁ……』
紗枝『しゃんぷーで匂いも誤魔化しとるみたいやし……決定的な証拠がありまへんなぁ……』
紗枝『せやけど、どこかでぼろが出るまでしっかり見とかんとあきまへんな……うちがPはんの正体暴かんと……』
ポワポワポワ……
智絵里(わざわざ私たちの目の前でPさんの髪の毛を触りだしたのは、Pさんが不自然に紗枝ちゃんを突き放さないようにするための手段……!)
智絵里(髪の毛のお手入れっていう名目でPさんに近づいて、男の人の匂いを確認するための方便……!)
智絵里(それに、目の前で堂々とそんなことをされると私やちひろさんも迂闊に手が出せない……紗枝ちゃん、本気でPさんが男の人だって確証を得ようとしている……!)ガタガタ……
紗枝(Pはん、ええ匂いやわぁ……ふふっ、お手入れもしっかりやらへんと♪)スン……スン……
智絵里(策士……紗枝ちゃん……一瞬も気が抜けない……!!)
ちひろ「智絵里ちゃん、顔から凄い勢いで汗出てますけど大丈夫ですか?」
P「紗枝ー、あんまり変なふうに髪の毛弄らないでねー……」
……
…………
――午後、電車内
P「ゴメンなさいね、ちひろさんが午後は社用車使うから電車の移動になっちゃって……」
智絵里「ぜ、全然平気ですっ……!」
紗枝「うちは見学に付いて来ただけやし、大丈夫どすえ」
P「それならいいけど……それにしても混んできたわね……」
紗枝「ほならPはん、こん前みたいに、Pはんがうちを隠しておくれやす?」ニコニコ
智絵里(攻めてきた……またPさんの匂いを嗅ごうとしてるはず……! こ、ここは私が……!)
智絵里「わ、私が紗枝ちゃんのこと隠してあげるから……!」ササッ!
紗枝「はて? 智絵里はんもあいどるやし、意味あらへんと思うけど……?」
智絵里「だ、大丈夫!」
P「あなたたち仲良いわね……ま、私がその上から壁になればいっか」ササッ
……
…………
――某出版社
記者「それで智絵里ちゃんは、この前のバラエティに出演したときはどうだったかな?」
智絵里「は、はい! お馬さんのお面とうさぎさんの耳のどっちかを付けることになって……」
記者「へぇ、お馬さんのお面を被った智絵里ちゃん……中々シュールな絵になりそうだし見てみたいね」
智絵里「私はうさぎさんのほうが好きですから……」
P(智絵里、しっかり取材の受け答えが出来るようになってきたかな……?)
智絵里(噛まないようにちゃんと答えないと……)
P(この調子なら予定より早く終わりそうかな?)
紗枝「……くしゅんっ」
P「ん……紗枝、寒いの?」
紗枝「ほんの少し……肌寒うて……」
P「ほら、コート貸してあげるから着なさい。風邪引いたら明日から仕事できないでしょう?」
紗枝「Pはんのこーと……! ほんまに借りてええんどすか?」
智絵里「!?」ビクッ!
智絵里(Pさんのコート……!)
P「風邪引かれるほうが困るわよ」
紗枝「ふふっ♪ あったかいわぁ……」スン……スン……
記者「それじゃあ智絵里ちゃんは、次はどんな衣装や被り物がいいかなって思ってる?」
智絵里「はっ、はいっ! 私もコート着たいです! ……はっ」
P「……」
紗枝「……♪」スゥー……ハァー……
記者「……えっと、寒いのかな?」
智絵里「……は、はぃ……」カァァァッ
P(何やってんだあの子は……)ハァ……
……
…………
――夕方、事務所
智絵里「……」フラフラ
P「智絵里大丈夫? 今日の取材も時間掛かっちゃったし、疲れたの?」
智絵里「は、はい……」
智絵里(紗枝ちゃんがPさんに何をしてくるのか気になって全然集中できなかった……)
紗枝「智絵里はん、疲れとるなら早めに寮に戻りまひょ?」
智絵里「そ、そうしようかな……」
ガチャッ
ちひろ「あらみなさん、戻ってきてたんですか」
P「ついさっき戻ってきたばかりですよ。智絵里たちはこれから帰るみたいですけど」
ちひろ「もう夕方ですもんね。暗くなるのも早いし、今のうちに帰ったほうがいいですよ……リモコンリモコンっと……」ピッ!
<ジングルジングルベールベール……
<クリスマスケーキノゴヨヤクハ……
智絵里「クリスマスのCM……そういえば、明後日はクリスマスでしたよね……」
紗枝「せやなぁ、女子寮のみなはんでぱーてぃーもするみたいやし……」
ちひろ「あら、楽しそうですね」
P「私たちは仕事でしょ……美嘉たちの生番あるんだし」
紗枝「せや、Pはんもうちらと一緒にぱーてぃーしはります?」
智絵里「!?」ビクッ!
P「えー……美嘉の生番もそんなに遅くまで掛からないけど、私が女子寮に行くのはちょっと……」
紗枝「? Pはんが女子寮に来はるのはあきまへんか?」
P「あっ……いや、別に変なことじゃない……か、そうね」
智絵里(紗枝ちゃんの誘導尋問……! Pさんが男の人だと疑ってるから女子寮に来るように誘うなんて……!)
智絵里「Pさん、お仕事が忙しいなら仕方が――」
ちひろ「いいんじゃないですか? 美嘉ちゃんと一緒に女子寮に遊びに行けばいいじゃないですか。おみやげ持って行けば歓迎されますよ」
P「そうですか? それじゃ美嘉も連れて行こうかな……智絵里、何かご飯作ってあげよっか? パーティーの準備どうするのか知らないけど」
智絵里(Pさんの料理……!!)
智絵里「……わ、私、Pさんが作ってくれる料理なら何でも食べたいですっ! ……はっ」ハッ!
紗枝「うちもPはんの手料理、食べてみたいわぁ」
智絵里(わ、私が……しっかりしないとダメなのに……しっかり……しっかり……)ガクッ
……
…………
――クリスマス当日、夜、車内
美嘉「……むぁ……莉嘉ぁ……みんなの前で……脱がさないで……」ウーン、ウーン……
P「なんつー夢見てんだ……」
<ヴヴヴヴヴヴヴ……
P「ん、電話? 丁度信号赤か……はいもしもし?」ピッ!
智絵里『Pさん、もうパーティー始めちゃいましたよっ! みんな待ってますから!』
P「あらら、残念……もう女子寮の近くだからそろそろ着くかな?」
智絵里『そうだったんですか……それじゃあみんなで待ってますね!』
P「はーい」ピッ
P「さてと、急がないと……」
……
…………
――女子寮
藍子「Pさん、お疲れ様です」
P「はーいお疲れ様、疲れたつかれた」
美嘉「おっ、楽しんでるじゃん★ アタシもお腹空いちゃったー」
智絵里「みんなで待ってましたよ。あ、Pさん、私鞄を――」
藍子「鞄貸してください。居間に置いておきますから」
P「あら、悪いわね。それじゃあお願い」
智絵里「それじゃあコー――」
紗枝「うちがこーとを掛けるさかい、Pはん、脱いでおくれやす?」
P「ありがとね」モゾモゾ
智絵里(ああっ……そんな……!)
――女子寮、居間
P「はいお待たせー、ご飯できたよー」
みく「お肉にゃー!」
裕美「チキンとか結構食べちゃったけど……」
文香「ですが……Pさんがせっかくご用意してくださいましたから……頂きましょう」
P「多めに作ってあるから、明日の朝ご飯にでもして頂戴。みく以外は無理して食べなくていいから」
智絵里「お、おいひいです……Pさんの手料理……」モグモグ
紗枝「Pはん、お料理上手やわぁ」モグモグ
美嘉「スーツの上にエプロンってのも似合ってるじゃん。女子力高いカンジに見えるし★」
P「もう、変なこと言わないの。それじゃ私は先に洗い物済ませておくから、あなたたち食べてなさい」
みく「にゃー♪」モグモグ
美穂「あれ? 紗枝ちゃんそのコート、Pさんのだよね? ずっと持ったままなの?」
紗枝「ふふっ、Pはんのこーと預かっとるんどす。しっかり持っておきまへんと」ギュッ
智絵里(……はっ、そうだ、紗枝ちゃんが何か怪しい動きをしないか、私が見張っていないと……!)グッ!
……
…………
――数時間後
美穂「……」ウツラウツラ
裕美「……」スー……
藍子「……」スヤスヤ
美嘉「……うっ、うっ、莉嘉……それアタシのパンツ……」ウーン、ウーン……
P「はいはいパンツ丸出しで寝てるんじゃないわよまったく……」ハァ……
みく「仕方が無いにゃあ……今日は美嘉チャンを女子寮に泊めるしかなさそうにゃ……みんなも部屋に帰さないと……」
智絵里「み、みんな、疲れてぐっすり眠っちゃってますね……」
P「とりあえず部屋まで運ぶかぁ……みく、悪いけど手伝ってね」
みく「にゃー」
……
…………
――数分後
みく「それじゃーみくもそろそろ寝るにゃ。智絵里チャンもPチャンも遅くならないうちに寝るにゃ」
P「はいはい、おやすみなさい」
智絵里「お、お休み、みくちゃん」
みく「くはぁー……お腹一杯で眠いにゃ……」タタタタッ
P「さてと……あとはあの子をどうするか……」
紗枝「……」スー……
智絵里「Pさんのコート掴んだまま寝ちゃってますね……」
紗枝「Pはん……ええ匂い……」スゥ、スゥ……
P「うーん、いっそコート置いて帰るか……」
智絵里「ダ、ダメですっ! 紗枝ちゃん、Pさんのこと疑ってるみたいですし……」
P「……紗枝、この子ね」スッ
ナデナデ
紗枝「お母ちゃん……」スー、スー……
P「ホームシックになって、寂しいんだって。この前のホテルのときも、紗枝と一緒に寝たときに言われちゃった」
P「私がお母ちゃんやお父ちゃんみたいって」
智絵里「お母さん……お父さん……」
紗枝「……」スヤスヤ
P「私のこと疑ってるとか、そんな感じに見えなくてね……無闇に突っぱねちゃうのも可哀そうでしょ?」
P「それに、私がこんな格好してなかったら、紗枝はもっと寂しくなっていたかもしれないし」
智絵里「Pさんの格好……」
智絵里(私がワガママだったから……)
P「ま、それならこれでいいかなってね。この格好でこういうことも出来るなら、紗枝のお母さんやお父さん役やるのも、ね」
智絵里(Pさんが女の人の姿でいてくれたから、私も何とかお仕事が出来るようになって……紗枝ちゃんも……)
智絵里「……そうですね、わ、私も……紗枝ちゃんのこと、もう少しだけ信じてみます……」
P「そう……そうして頂戴」
智絵里「はいっ」
……
…………
――翌日
智絵里「昨日Pさんはコート置いて帰っちゃったし、紗枝ちゃんが起きてたらコート返してもらわないと……」
智絵里「紗枝ちゃん起きてるかな……昨日Pさんと話した後だと、何となくコート返してって言いにくいけど……あれ?」
智絵里(紗枝ちゃんの部屋のドアが開いてる……)チラッ……
紗枝「……はぁ、Pはんのこーとの匂い……なんでこないな嗅いでまうんやろ」スンスンスンスン……
紗枝「なんだかうち、いけないことしとるようで……でも、(お父ちゃんみたいな匂いで)ほっとして……」スンスンスンスン……
紗枝「Pはん……事務所やお仕事やないとき、お母ちゃんって呼んでもええやろかな……あかんかなぁ……」スゥー……スンスン……
智絵里「……」クラッ……
智絵里(ダ、ダメ……やっぱりこのまま紗枝ちゃんを放っておいたら……いつかPさんが男の人だって絶対気付いちゃう……!)
智絵里(ちひろさんは役に立たないし……やっぱり私がしっかりして、何とか誤魔化さないと……!)ギュッ!
完
しぶりんのクンカクンカは猛獣が肉に食い付いているイメージ、紗枝はんのスンスンは小動物がちょっとビクビクしながら餌の匂いを嗅ぐイメージ
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