ほむら「絵を描いているのよ」(153)
ほむら「ええ。私の大切な人の絵よ」
ほむら「よし。この絵はこんなところね」
ほむら「初めの内よりはだいぶマシになってきたかしら……」
ほむら「次はどんな構図にしましょう」
杏子「おっ、ほむらじゃん!」
ほむら「あら杏子」
杏子「何してんの?」
ほむら「絵を描いているのよ。ほら」
杏子「ふーん……。案外上手いじゃん」
杏子「で、モデルは誰なのこれ?」
ほむら「私の大切な人よ」
杏子「へーっ。ほむらがそんな言い方する相手なんて、どんな奴なんだろうな」
ほむら「貴女から見ればきっと普通の子よ」
杏子「ふーん……。まあさ、また今度機会があったらあたしにも会わせてくれよ」
ほむら「たぶん一度は会う機会があると思うわ」
杏子「んじゃ、その時を楽しみにしておくよ」
マミ「また絵を描いているの?」
ほむら「ええ」
マミ「そんなに楽しいものなのかしら?」
ほむら「そう楽しくもないわ。でも他にやりたいこともないから」
マミ「そっか……」
マミ「あっ、さっき買ったんだけど、よかったらこれあげるわね」
ほむら「缶の紅茶?」
マミ「外で絵なんて描いていたら冷えるでしょう?」
ほむら「ありがとう……」
マミ「いつも同じ女の子を描いているのね」
ほむら「そうね」
マミ「どう? たまには私も絵のモデルにしてみたり?」
ほむら「遠慮しておくわ」
マミ「つれないんだから……」
ほむら「だって彼女を描かなければ意味が無いんだもの」
マミ「そう頑なに拒否されると……、逆に意地でも自分を描いて欲しくなっちゃうな」
ほむら「はいはい」
マミ「本当に、つれないわねー」
杏子「よっこいしょ、と」
ほむら「その画用紙と色鉛筆は……」
杏子「アンタを見てたらあたしもやってみたくなってさ」
杏子「隣、いいだろう?」
ほむら「構わないわよ」
杏子「ああああっ! 上手くいかねえー!!」
ほむら「確かにこれは酷いわね」
杏子「うっせえ!」
ほむら「さやかを、描いていたの?」
杏子「なんで疑問形なんだよ!? どっからどう見てもさやか……、でもないか、この画力だと」
ほむら「……心配ないわ」
杏子「へっ?」
ほむら「貴女がさやかのことを描きたいと思い続ける限り、きっとみるみる絵は上手くなる」
杏子「どうして分かるんだ?」
ほむら「強い気持ちは飲み込みの早さを変えるのよ」
杏子「まるで体験してきたみたいなレベルの言いきり方だなー」
それ以来、佐倉杏子は、よく私の隣に座っては、さやかの絵を描くようになった
マミ「今日はケーキを差し入れに持ってきたわよ!」
ほむら「ケーキって野外で食べるものかしら……」
マミ「いいのよそんなのは。美味しいものはどこで食べても美味しいの!」
ほむら「もぐもぐ」
マミ「って、私が喋ってる間にもう食べてるじゃない! あんなこと言ってた癖に!」
ほむら「美味しいケーキね」
マミ「そう……。ありがとう」
ほむら「ねえ。マミはやりたいことってある?」
マミ「やりたいこと?」
マミ「私は魔獣を退治することで、なるべく多くの人を助けたいな」
ほむら「魔法少女としてやりたいことではなく、巴マミとしてやりたいことはないの?」
マミ「へっ? ……そう言われてみると、うーん」
ほむら「……」
マミ「やりたいことは沢山ある気がするのだけれど、咄嗟には思いつかないわね」
ほむら「そう」
マミ「ああ、でも1つだけ、楽しみなことはあるわ」
ほむら「どんなこと?」
マミ「秘密よ」
ほむら「なら、それが何かは分からないけれど――――」
ほむら「やりたいことはやれる内にやっておいた方がいいわよ」
ほむら「私は気付くのが遅すぎて、本当にやりたいことをできなくなってしまったから」
マミ「……」
ほむら「絵なんて、所詮は代替手段の出来損ないに過ぎないのよ……」
それ以来、巴マミは、よく自作のお菓子を持ってきては、私に味の感想を尋ねるようになった
杏子「どうだほむら!」
ほむら「最初を思えば上達したわね」
杏子「だろ!」
ほむら「でも私と比べるとまだまだだわ」
杏子「ぐっ……」
ほむら「ねえ、杏子」
杏子「ん?」
ほむら「私達こんなことしてて、意味、あるのかな……」
杏子「いきなり随分な質問だね、おい」
ほむら「私達がこんなことをしても、描かれた少女は何も得ない」
杏子「そりゃそうだ」
ほむら「こんな自己満足を続ける意味あるのかなって、最近ちょっと考えることがあるんだ」
杏子「……意味、あるじゃん」
ほむら「えっ?」
杏子「自己満足だって1つの立派な理由だよ」
ほむら「……」
杏子「あたし、さやかのこと忘れたくないんだ。忘れたくないから、絵を描いてる」
杏子「こんなことして誰が喜ぶでもないし、描いても描かなくても世界はちっとも変わらないけどさ」
杏子「忘れたくないって気持ちは少しだけ満たされる」
杏子「それでいいじゃん」
ほむら「……そうね。貴女の言う通りかもしれないわ」
ほむら「それにしても、自己満足を正当化するだなんて、まったく貴女らしい論理展開ね」
杏子「どういう意味だよ!」
それから3日後、杏子は、魔獣との戦いで命を落とした
私の隣は永遠の空席になった
ほむら「絵を描いているのよ。ほら」
ほむら「ええそう、モデルは私の大切な人よ」
ほむら「……それから」
ほむら「仕方が無いから、貴女と、貴女の大切な人ものことも描いてあげているわ」
ほむら「忘れたくなかったんだよね、美樹さやかのこと」
ほむら「私がちゃんと覚えていてあげるから……」
ほむら「もちろん主役はまどかだけど、貴女とさやかも、絵のどこかに必ず入れてあげるから」
ほむら「だからゆっくり休んでね、杏子」
マミ「最近、美樹さんや佐倉さんのことも描くようになったのね」
ほむら「ええ。心境の変化があったのよ」
マミ「そうなんだ……」
マミ「あっ、今日の差し入れはチョコタルトよ!」
ほむら「もういただいているわ。もぐもぐ」
マミ「遠慮が無いわね……」
ほむら「ほろ苦くて甘すぎない、思い切り私好みの味ね」
マミ「本当!?」
ほむら「ええ。とても美味しいわ」
マミ「よかった!」
ほむら「……ねえ、マミ」
マミ「うん?」
ほむら「次の絵のモデルになってみない?」
ほむら「あまり動かないでね。かきかき……」
マミ「絵を描いて欲しいとは確かに以前言ったけれど、どうしてまた突然?」
ほむら「したいことはできる内にしておきたいのよ」
マミ「……そうね。いつまでこうしていられるかは、分からないものね」
ほむら「……」
マミ「……」
ほむら「マミ」
マミ「ええ」
ほむら「今度はショートケーキが食べたいわ」
マミ「あら。リクエストだなんて珍しい」
ほむら「その次はシュークリーム、そのまた次はモンブラン、更に次は―――」
マミ「ちょっとちょっと! 本当にどうしたの!?」
ほむら「……」
マミ「暁美さん……?」
ほむら「マミは、いなくならないで……」
マミ「じゃあ、こうしましょう」
ほむら「……?」
マミ「スケジュール帳を買ってきて、1年先まで差し入れの予定を立てちゃうの」
ほむら「1年分の予定……」
マミ「5年先まででも、10年先まででもいい」
マミ「こうやって予定を立てれば、お互い約束を破るわけにはいかないものね」
マミ「これで意地でも死ねなくなるわ」
ほむら「……そうね」
マミ「さ、そうと決まればさっそくスケジュール帳を買いにいきましょう!」
それから1週間後、マミは、魔獣との戦いで命を落とした
以来、美味しい差し入れがもらえることは二度となかった
ほむら「今日はロールケーキの日よ、マミ」
ほむら「コンビニで買ってきたわ」
ほむら「もぐもぐもぐ」
ほむら「マミのつくったものの方が何倍も美味しかったわね」
ほむら「絵もにぎやかになってきたんだよ」
ほむら「まどかがいて、さやかがいて、杏子がいて、マミがいる」
ほむら「マミは独りぼっちなんかじゃないよ」
ほむら「だから寂しくなんてない、孤独なんかでもない」
ほむら「……貴女の楽しみにしていたことって、けっきょく何だったのかしら」
ほむら「かきかきかき」
ほむら「かきかきかき」
ゆま「何してるの?」
ほむら「……」
ゆま「なーにーしーてーるーのー?」
ほむら「……絵を描いているのよ」
ゆま「絵? ああっ、キョーコだ!」
ほむら(そういえば彼女は、キョーコの弟子のような存在だったわね)
ほむら「その絵はあげるからどこかへ行ってちょうだい」
ゆま「ねえ、キョーコのこと知ってるの!?」
ほむら「お願い……、どこかへ行って……」
ゆま「うー……、分かった」
ゆま「絵、ありがとう。またくるね!」
ほむら「……」
それ以来、千歳ゆまは、よく私の後ろに座っては、私に話しかけてくるようになった
ほむら「かきかきかき」
ゆま「ふんふん」
ほむら「かきかきかき」
ゆま「おねえちゃん、上手だねー!」
ほむら「かきかきかき」
ゆま「ねえー! ねえったらー!」
ほむら「かきかきかき」
ゆま「ううー」
ほむら「……ねえ、ゆま」
ゆま「あれ? お姉ちゃんどうしてゆまの名前知ってるの?」
ほむら「……杏子から、聞いたのよ」
ゆま「あ、そうなんだ! キョーコはわたしのことなんて言ってた!?」
ほむら「妹のようだって、言っていたと思うわ」
ゆま「えへへ、そっかー。キョーコがお姉ちゃんかー」
ほむら「貴女は……、人と仲良くなるのが、怖くないの?」
ゆま「えっ?」
ほむら「私は怖いわ……。私と仲の良かった人は、皆いなくなってしまった」
ほむら「寂しくて、辛くて……、もう同じ悲しみを味わうのは、とても怖くて……」
ゆま「……うん、分かるよ。ゆまもキョーコがいなくなっちゃって、たくさん泣いたもん」
ゆま「でもでもでもね! キョーコとあって、たくさん楽しいこともあったの!」
ゆま「だからわたし、キョーコと会えてよかった!」
ほむら「……」
ゆま「お姉ちゃんはキョーコと会わない方がよかったと思うの?」
ほむら「!!」
ほむら「私ね、私……」
ほむら「会えてよかったよぉ……」
ゆま「うん」
ほむら「杏子と、さやかと、マミと……、まどかと、会えてよかった……」
ほむら「うっ、ぐすっ、うぅぅ……」
ほむら「会わない方がよかったなんて……、思えない、よ……」
ゆま「よしよし」
ゆま「えへへへっ。キョーコがね、ゆまが泣いてると、よくこうして頭を――――」
ほむら「……」ギュウッ
ゆま「お姉……、ちゃん……?」
ほむら「ほむらっていうの……、私……」
ゆま「……」
ほむら「だから今度からほむらって呼んで、ゆま……」
ゆま「……うんっ! ほむら!」
それから、私はゆまと共に魔獣を狩るようになった
絵を描く時も、いつも傍にべったり、彼女を置くようになった
ほむら「かきかきかき」
ゆま「キョーコでしょー、マミでしょー、さやかでしょー」
ほむら「かきかきかき」
ゆま「それでこれがマドカー!」
ほむら「ふふっ。すっかり覚えちゃったね」
ゆま「えへへ。ゆま凄い?」
ほむら「うん、凄い凄い。よしよし」
ゆま「わーい!」
ほむら「さあ、お待ちかねのおやつの時間よ」
ゆま「やったー!」
ほむら「今日はチョコケーキ」
ゆま「またコンビニ?」
ほむら「贅沢言っちゃ駄目よ」
ゆま「はーい。……えへへ」
ほむら「どうしたの?」
ゆま「うんとね、怒られてるのに怖くないから、嬉しくなったの」
ほむら(ああ……。そういえば、いつだか杏子が言ったいたっけ)
ほむら(どうもアイツは親から虐待を受けていたようだ、って)
ほむら「ゆま」
ゆま「うん!」
ほむら「家族に……、なろっか」
ゆま「……」ポカーン
ゆま「えっ……? 家族……?」
ほむら「うん、私達家族になろうよ。それでずっとずっと、一緒に暮らすの」
ゆま「いいの!?」
ほむら「ゆまさえよければ、私は」
ゆま「わーい!! 家族! 家族! ほむらとかぞくー!」
ほむら「よろしくね、ゆま」
ゆま「うん!!」
ほむら「そうだ。せっかくだし今度家族旅行でもしてみない?」
ゆま「かぞく……、りょこう……?」
ほむら「そうよ。家族で一緒に、遊びに行くの」
ほむら「遊園地とか、動物園とか、温泉とか、どこでもいいわ」
ゆま「それじゃあね。わたしは、ホッカイドーに行ってみたい!」
ほむら「北海道?」
ゆま「うん! キョーコが、あそこは美味しいものが沢山あるって言ってたから!」
ほむら「そう、杏子が……。それなら家族旅行第一弾は北海道で決まりね」
家族旅行の前日、私は、魔獣の攻撃により全身を10に分断された
しかし私は死ななかった
ほむら(あ、れ……?)
ほむら(私、もう駄目だと、思ったのに……)
ほむら(身体がばらばらに……、ばらばら……)
ほむら「っ!? まさか、ゆまが!?」
ゆま「よかった……。ほむら、気がついた……」
ゆま「ゆまの魔法はね……、ケガを、治す魔法だから……」
ほむら(全身にレーザーで貫かれたような穴がある……)
ほむら(私をっ! 私を治癒しながら、魔獣と戦ったから!)
ほむら「どうしてこんな無茶をしたの!?」
ゆま「だって、家族だもん……」
ほむら「っ……!!」
ゆま「えへへ……、ゆま、役に立てた、かな……」
ほむら「……うん。ゆまのおかげで、助かったよ」
ゆま「じゃあ、いいこいいこ……、してくれる?」
ほむら「うんっ! うんっ! いくらだってするよ!」
ゆま「ふふっ。ほむらのよしよし、気持ちいいから好き……」
ほむら「いくらだってなでるから、いかないでよ、ゆまぁ……!」
ゆま「ホッカイドー……、行きたかったなぁ」
ほむら「行けるわよぉ……」
ゆま「でもっ、……ね、ほむら……」
ほむら「どうしたの?」
ゆま「本……とう、は……、ゆま、ね……」
ほむら「ちゃんと聞いてるからね」
ゆま「ホッカイドー……、よりも……」
ほむら「うんうん」
ゆま「ねえ……、だっこ、して」
ほむら「えっ……? 分かったわ、だっこね!」
ゆま「……」
ほむら「ちょっとゆま!? ゆま!?」
ゆま「……ほむ、ら? どこ……?」
ほむら「ここにいるよ。私はちゃんとここにいるからね」
ゆま「よかっ、た……」
ほむら「ゆま……」
ゆま「ホッカイ……ド……、より、も……」
ほむら「うん」
ゆま「ゆまはここが一番、好き……」
「ほむらのそばが、一番好き」
そう言ってほほ笑んで、ゆまは消滅した
ほむら「ねえ、ゆま。ここが北海道だよ」
ほむら「1人だと寒くって、凍えちゃう」
ほむら「2人ならぎゅって手を繋いで暖めあえたのにね……」
ほむら「一緒に……、行きたかった、なぁ……」
ほむら「……うっ、ううっ」
ほむら「誰か、助けて……」
ほむら「助けてまどかぁ……」
ほむら「助けてよぉ……」
―――その時
天から桃色の光が、私の目の前へと降り注いだ
それは涙が出るほどあたたかくて、懐かしくて、愛おしくて、
「よく、頑張ったね」
ぽたぽたと雪の上に涙が零れおちた
ほむら「まど、か……?」
まどか「うん。そうだよ、ほむらちゃん」
ほむら「まどかあああっ! 私、私ねっ、私……!」
まどか「大丈夫。全部見てたよ」
ほむら「まどかぁ……」
まどか「頑張ってくれてありがとう、ほむらちゃん」
ほむら「私は……、私……」
まどか「でも、もういいの。一緒に行こう。ねっ?」
まどかから差し出される、救いの手
握りしめたかった
そうして、辛いことがたくさんあったこの世界から、逃げ出したかった
まどかのいる温かい場所へ行きたかった
でも、私は……、
「まどか、私はこの世界が好き」
まどか「ほむらちゃん……?」
ほむら「昔の私はこの世界のことが好きじゃなかった」
ほむら「悲しみと憎しみばかりを繰り返す、救いようのない世界だと思った」
ほむら「まどかが守ろうとした世界だから……」
ほむら「それだけの理由で、私はこの世界を守ろうとした」
ほむら「でも、ね……」
ほむら「ここでは素敵な出会いが沢山あったの」
『アンタを見てたらあたしもやってみたくなってさ』
ほむら「杏子と一緒に絵を描くの、とっても楽しかったんだよ」
ほむら「あの子ったら最初はとっても絵が下手で……」
ほむら「でも、だんだん上達していくのを見るのが、なんだか微笑ましくて」
ほむら「不器用だけどいい子だった」
ほむら「さやかと、今頃仲良くやってるといいな」
『ああ、でも1つだけ、楽しみなことはあるわ』
ほむら「今なら……、マミのやりたかったこと、分かるような気がする」
ほむら「それはきっと、いつの間にか私にとっても楽しみになっていたこと」
ほむら「マミのお菓子、大好きだった」
ほむら「でもそれ以上に……、マミとお話しするのが、好きだった」
ほむら「今でも大切な先輩。会えてよかった」
『何してるの?』
ほむら「ゆまには……、最初は冷たく当たっちゃったっけ」
ほむら「でも、あの子が気がつかせてくれた」
ほむら「人との出会いって、素敵なものなんだって」
ほむら「撫でられたり、教えられたり、どっちがお姉さんか分からなくなっちゃうね」
ほむら「大切な、家族」
ほむら「だからね、まどか」
まどか「うん」
ほむら「もう本当に戦えなくなるその時まで、私はこの、素敵な世界を守りたい」
ほむら「私の意思で、守りたいの」
まどか「……尊敬、しちゃうな」
ほむら「えっ……?」
まどか「わたしは……、本当は少し、後悔してた」
まどか「最初から結果は予想できていた筈なのに……」
まどか「世界を改変しても、それで不幸が無くなるわけじゃなくって」
まどか「自分のやっていることに意味があるのか、だんだん分からなくなりそうで」
ほむら「まどか……」
まどか「でもねっ!」
まどか「こんなに素敵な、尊敬できるほむらちゃんに、知っていてもらえるなら……」
まどか「わたしも、もう少し頑張れそう!」
ほむら「そう言ってもらえると、凄く……、嬉しい」
ほむら「大好きなまどかの力になれるなんて、凄く凄く、嬉しいよ……」
まどか「わたしはずっとほむらちゃんに支えられていたんだよ」
ほむら「まどかぁ……、私もだよ」
ほむら「私も、まどかとの出会いがあったからこそ……」
まどか「それじゃあ、またいつか、会おうね」
ほむら「ええ。そうしたら今度は一緒に絵でも描きましょう」
まどか「そうだね……。ふふっ、楽しみだな」
――――
「何をしているんですか?」
新米らしき魔法少女が問う
「絵を描いているのよ」
私はそう答える
キャンパスの中には、数え切れないほどの、人
あれから、何度も何度も出会いを繰り返し、同じだけの数の別れを経験した
その度に笑ったり、泣いたり、傷ついたりを繰り返して
キャンパスの中の魔法少女は、日に日に増えるばかりで
「素敵な絵ですね……」
「貴女も一緒に描いてみる?」
「えっ!? で、できるかなあ、私に……」
「できるわよ」
「それなら……」
だけどやはり出会いというものは、どれもかけがえがない
だから今日も私は、キャンパスに筆を走らせる
大好きなこの世界を、形にする
おわり
キャンバスじゃね
ほむ大学長ってのも面白いけど
乙
>>117
うわあああああああああ、本当だあああああああ
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