舞園「苗木君に手を出したなこの雌豚」　セレス「」

山田の件残り僅か

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1382105411

手がかりリスト

01_【焼却炉の存在(=スイッチ)】
02_【目撃者の法則(=加害者は目撃者に含まない)】
03_【十神の証言(=アナウンスに対する)】
04_【山田の部屋(=争った形跡は見られない)】
05_【山田の部屋2(=大量の血痕)】
06_【山田の体重(=移動させるには困難)】
07_【山田の死因(=首を切られている)】
08_【丸められた大量のティッシュ(=ハサミを隠すようにゴミ箱に入っていた)】
09_【血のついたハサミ】
10_【セレスの死因(=ハンマーで撲殺)】
11_【凶器のハンマーについて(=色のみが違うものが四種類存在する)】
12_【凶器のハンマーについて2(=実際に凶器となったものは青色のハンマー)】
13_【凶器のハンマーについて3(=山田は赤色のハンマーを握り締めている)】
14_【ハンマーの持ち主について(=元々はセレスがギャンブル用に所持していた私物)】
15_【盗まれたトラッシュルームの鍵(=現在も行方,犯人共に不明)】
16_【使用されていた焼却炉(=焼却炉は何者かに使用されていた)】
17_【掃除当番(=本日の当番は舞園さやか)】
18_【不二咲の仮説(=矛盾は判明済み)】
19_【不二咲の証言(=山田の部屋に集まった際,腐川のみがいなかった】
20_【不二咲の証言2(=解散後,山田の部屋にすぐ入ったのは十神と苗木のみだった)】
21_【セレスと山田についての証言(=セレスは3日前,山田を怒鳴っていたらしい)】
22_【山田についての証言(=山田はセレスに対してビクビクしていたらしい)】
23_【セレスについての虚言(=セレスは山田との関係で悩んでいた)】
24_【十神の証言(=十神がトラッシュルームを調べた際には,鉄格子は閉じられたままであったらしい)】
25_【十神の証言2(=セレスの死体は移動させられている,という証拠を持っているらしい)】
26_【石丸の証言(=不二咲がトラッシュルームへ向かう姿を目撃したらしい)】
27_【石丸への虚言(=セレスから山田についての相談を受けていた)】
28_【石丸の証言2(=セレスは山田について随分と大声をあげたらしい)】
29_【石丸の証言3(=桑田と会ったが,特に何も話さず解散したらしい)】
30_【石丸の目撃証言(=苗木の部屋から出る舞園を目撃したらしい)】
31_【霧切の推理(=山田とセレス殺害について因果関係は無いと推理しているらしい)】
32_【霧切の推理2(=セレスの殺害現場は彼女自身の部屋であると推理しているらしい)】
33_【霧切の推理3(=セレス殺害の犯人は何らかの理由で山田の部屋へ死体を運んだらしいが……)】
34_【霧切の気になること(=モノクマアナウンスについて気にしていたらしい)】
35_【モノクマの言動(=アナウンスにことについて教える気はないようだ)】
36_【最初に別れた後の不二咲の行動(=捜査の為に積極的に動いていたようだ)】
37_【不二咲が話した人物(=霧切,大和田と話したらしい)】
38_【不二咲と霧切の情報交換(=二人の間には情報の交換があったらしいが……?)】
39_【不二咲の証言3(=不二咲がトラッシュルームを訪れた時,やはり鉄格子は開いたままであったらしい)】
40_【半焼した青色のハンマー(=焼却炉から見つかった)】
41_【半焼した江ノ島のネクタイ(=焼却炉から見つかった)】
42_【朝日奈の部屋から見つかったハンマー(=黄色)】
43_【霧切の部屋から見つかったハンマー(=白色)】
44_【見つかった白のハンマーについて(=ベッドの下に隠されていた)】
45_【霧切の主張(=騒ぎを起こさないために自分で隠したらしい)】
46_【霧切の主張2(=ハンマーが隠されていたことは裁判で主張するつもりであったらしい)】
47_【山田の事件に関するモノクマファイル】
48_【セレスの事件に関するモノクマファイル】
49_【目撃者に関するまとめ図】
50_【山田の部屋の見取り図】
51_【午前中の詳細図】
52_【不二咲の証言4(=山田は八時十五分にはまだ食堂で朝食を食べていたらしい)】
53_【セレスの服(=についての画像)】
54_【セレスが倒れていた部分の床(=についての画像)】
55_【セレスの部屋(=についての画像)】
56_【セレスの部屋の見取り図】
57_【個室_調査結果表】

　　　　　　　　　 ┃
　　　　　　　　　 ┃　　　　　　　　　【指針】
　 ━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.　　　　私(ﾏｲｿﾞﾉｻﾔｶ)┃山田君殺害の犯人は見つける。

　　　　　　　　　 ┃ただし、セレスさん殺害については誤答させなければならない。
　 ━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　　 X.(ﾔﾏﾀﾞｺﾞﾛｼ) .┃山田君殺害を誤答させなければならない。
　　　　　　　　　 ┃セレスさん殺害については、どう転んでも構わない。(危険大)
　 ━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
...　　　皆さん(ﾏｲﾅｽX)┃山田君殺害の犯人を見つける。

　　　　　　　　　 ┃かつ、必ずセレスさん殺害についての犯人も見つける。
　 ━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　　　　　　　　 ┃
　　　　　　　　　 ┃

161 名前： ◆Slhoqp832.[saga] 投稿日：2013/10/15(火) 20:20:39.15 ID:vGTBOIsXo
　.
舞園（次に、皆さんのことを考えてみると……）

舞園（証拠を持つ、持たないを大小で書き、頭の中で図示するとこうなりますね）

　　　　　　　　　　　　┏──────┓
　　　　　　　　　　　　│ 頭がキレる　│
　　　　　　　　　　　　┗──────┛

　　　　 (霧切/十神)　　　 .│
　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　(苗木)　　　 │　　　　　　　　(石丸)
　　┏─┓　　　　　　　 │　　(大神)　　　　 ┏─┓
　　│証│　　　　 (不二咲)│　　　　　　 (腐川)│証│
　　│拠│───────┼────────│拠│

　　│ ・.│　　　　　　　 │　　　　　　　　 │ ・.│
　　│大│　　　　　　　 │　　　　(大和田)　│小│
　　┗─┛　　　　　　　 │　　　　　　　　 ┗─┛
　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　(朝日奈)
　　　　　　　　　　　　 │　　　　(江ノ島/桑田)
　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　(葉隠)
　　　　　　　　　　　　┏──────┓

　　　　　　　　　　　　│ 頭は良くない │
　　　　　　　　　　　　┗──────┛

舞園（これはあくまで、私がそう思っているだけで絶対的なものではないですが）

舞園（苗木君や大和田君など、情報が少なすぎる方も多くいますし……）
.

　.
　47_【山田の事件に関するモノクマファイル】

　　　　　　　 ┃
　　　　　　　 ┃　　　　　　　【山田君殺害事件】
━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　発見現場　 ┃山田君の部屋だよ。
━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　被害者の死因 ┃出血死かなぁ。
━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　死亡推定時刻 ┃。
━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　目撃者　　 ┃。
━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　　　　　　 ┃何か分かったら随時追加していくよ！
　　　　　　　 ┃
　　　　　　　 ┃楽しみに待っててねぇ……。ぷぷっ！
　　　　　　　 ┃

.

　.
　48_【セレスの事件に関するモノクマファイル】

　　　　　　　 ┃
　　　　　　　 ┃　　【セレスティアなんとかさん殺害事件】
━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　発見現場　 ┃山田君の部屋だよ。
━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　被害者の死因 ┃外傷性ショック死！！
━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　死亡推定時刻 ┃午前十時から十一時頃かなぁ。
━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　目撃者　　 ┃。
━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　　　　　　 ┃何か分かったら随時追加していくよ！
　　　　　　　 ┃
　　　　　　　 ┃楽しみに待っててねぇ……。ぷぷっ！
　　　　　　　 ┃

.

　.
　49_【目撃者に関するまとめ図】

┏─────┳─────┳─────┓

│＼　　　　　 .│　　　　　　 │　　　　　　 .│
│ 　.＼　　　　│　山田。　　 │　セレス。　.│
│　　　＼　　.│　目撃者。　│　目撃者。...│
│　　　　　＼. │　　　　　　 │　　　　　　 .│
┣─────╋─────╋─────┫

│　　　　　 │　　　　　 │　　　　　 │
│　一人目　 │ 不確定A　..│　十神　　 │
│　　　　　 │　　　　　 │　　　　　 │
┣─────╋─────╋─────┫

│　　　　　 │　　　　　　　.│　　　　　 │
│　二人目　 │ 不確定B　..│　苗木　　 │
│　　　　　 │　　　　　　　.│　　　　　 │
┣─────╋─────╋─────┫

│　　　　　 │　　　　　　　.│　　　　　 │
│　三人目　 │　十神　　 │　霧切　　 │
│　　　　　 │　　　　　　　.│　　　　　 │
┗─────┻─────┻─────┛

　※現在は不確定Aについては特定している。

.

　.
　50_【山田の部屋の見取り図】

┏　　　.ドア　　　　　　 ━　　　　　　　　　　　　　┓
　　└────┘　　　　　　　　　　　　 ┌
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　 ┐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │机
　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
※│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └
　 ┘　　　i
　　　　◯┼＜

┃　　　　 i　　　　　　　 ┼　　　　　　　　　　　　 ┃
　　　　　●　　　　　　　　　 .┌──────┐
　　　　.-┼-　　　　　　　　　 │　　　　　　 │　　　　●＝山田
　　　　　∧　　　　　　　　　 .│　　　　　　 │　　　　○＝セレス
　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　ベッド　　　.│　　　　※＝シャワールーム

　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　└──────┘

┗　　　　　　　　　　　　　━　　　　　　　　　　　　　┛

.

　.
　51_【午前中の詳細図】　最新版

　　　　　　　　 ┃
　　　　　　　　 ┃　　【午前中の詳細図】
━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　７時～　　　 ┃食堂。朝食。
　　　　　　　　 ┃
━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　８時～　　　 ┃山田殺害される。（推測）
　　　　　　　　 ┃
━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　９時～　　　 ┃不二咲が山田の部屋を訪れる。第一発見(9:00?～)
　　　　　　　　 ┃
━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　１０時～　　　　.┃セレス殺害される。(モノクマファイル参照)
　　　　　　　　 ┃
━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　１１時～　　　　.┃山田,セレスのアナウンス(≒11:15～)
　　　　　　　　 ┃
　　　　　　　　 ┃捜査開始(≒11:15～)
━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　１２時～　　　　.┃
　　　　　　　　 ┃
━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　　　　　　　 ┃
　　　　　　　　 ┃

.

　.
　56_【セレスの部屋の見取り図】

┏　　　.ドア　　　　　　 ━　　　　　　　　　　　　　┓
　　└────┘

　 ┐
　 │
※│　　　　 3　 ┌─┐　2
　 ┘.　　　 ┌┐│ 1.│┌┐
.　　　　　 └┘│　 │└┘
┃.　　　　　　 └─┘　　　　　　　　　　 ┃
　───┐　　　　　　　　　　 .┌──────┐
　　　　 │　　　　　　　　 │　　　　　　 │
　　　　 │　　　　　　　　　　 .│　　　　　　 │　　※＝シャワールーム
　　棚　 │　　　　　　　　 │　　ベッド　　　.│.　　 1＝机
　　　　 │　　　　　　　　 │　　　　　　 │.　　 2＝椅子
　　　　 │　　　　　　　　 │　　　　　　 │.　　 3＝椅子
　───┘　　　　　　　　 └──────┘
┗　　　　　　　　　　　　　━　　　　　　　　　　　　　┛

.

　.
　57_【個室_調査結果表】

　.
┏────┳────────┳────────┓

│＼　　　 │　床掃除_汚れが　 │　シーツ_枕カバー .│
│　＼　　 │　　　　　　　　 │　抜け毛など　　　 .│
│　　＼　 │　見つかる ○ 　　.│　見つかる ○　　....│
│　　　＼│　　　からない ×　│ 　　からない ×　│
┣────╋────────╋────────┫

│江ノ島　 │　　　　○　　　　 .│　　　○　　　　　　 .│
┣────╋────────╋────────┫
│霧切　　 │　　　　×　　　　 .│　　　○　　　　　　 .│
┣────╋────────╋────────┫
│舞園　　 │　　　　○　　　　　 .│　　　○　　　　　 .│
┣────╋────────╋────────┫
│朝日奈　 │　　　　○　　　　　 .│　　　○　　　　　 .│
┣────╋────────╋────────┫
│大神　　 │　　　　○　　　　　 .│　　　○　　　　　　 .│
┣────╋────────╋────────┫
│腐川　　 │　　　　○　　　　 .│　　　○　　　　　 │
┣────╋────────╋────────┫
│セレス　 │　　　　×　　　　　 .│　　　×　　　　　　 .│
┣────╋────────╋────────┫
│不二咲　 │　　　　○　　　　　 .│　　　○　　　　　　 .│
┣────╋────────╋────────┫
│石丸　　 │　　　　×　　　　　 .│　　　△　　　　　 .│
┣────╋────────╋────────┫
│桑田　　 │　　　　○　　　　　 .│　　　○　　　　　　 .│
┣────╋────────╋────────┫
│葉隠　　 │　　　　○　　　　 .│　　　○　　　　　 │
┣────╋────────╋────────┫
│十神　　 │　　　　○　　　　 .│　　　○　　　　　 │
┗────┻────────┻────────┛

.

915 名前： ◆Slhoqp832.[saga] 投稿日：2013/10/18(金) 19:31:48.49 ID:P57Q8OF5o
　.
十神「まずはこれを見ろ」　_【寄宿舎の見取り図】

十神「これまでと同じく、俺が書いたものだ。提示してやる」

　　　　┌─┐　　　　　　　　　　　　　┌───────────┐
　　　　│25│　　　　　　　　　　　　　│┌‐┐┌‐┐┌────┐│
　　　　└─┘　　　　　　　　　　　　　││7││8││ 　 9　　 .││
　┌───┬───┐　　　　　　　.│└‐┘└‐┘└────┘│

　│　　　 │　　　 │　　　　　 ├───────────┴──┬────┐
　│　　　 │　　　 │　　　　　　　.│　┌──────────┐ 　 │ 　 10　　 │
　│　 4 　 .│　 5 　 .│　　　　　　　.│　│　　　　　　　　　　 │ 　 ├────┤
　│　　　 │　　　 │　 ┌──┐│　├─┬─┬─┬─┬─┐│ 　 │ 　 11　　 │
　└─┬─┴───┤　 │.. 6 . ││　│　 │　 │　 │　 │　 ││ 　 ├────┤
　　　 │　　　　　 │　 └──┘│　│20│21│22│23│24││ 　 │ 　 12　　│
　┌─┘　　　　　 └─────┘　│　 │　 │　 │　 │　 ││ 　 ├────┤
　┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └─┴─┴─┴─┴─┴┘ 　 │ 　 13　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ├────┘
　┐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬┘
　└─┐　　　　　　　　　　　　　　　　　 ││　 │　 │　 │　 │　 │　 │
　　　 │　　　　　 ┌─────┐││19│18│17│16│15│14│
　　　 └─┐　　　 │　　　　　 │││　 │　 │　 │　 │　 │　 │
　　　　　 │　 ┌─┘　　　　　 ││└─┴─┴─┴─┴─┴─┘
　┌───┘　 └┐　　　　　　 ││
　│　　　　　　 └──┐　　　 ││
　│　　　　1　　　　┌┐ 2.│┌─┐││

　│　　　　　　 │└─┘│3. │││
　│　　　　　　 │　　　 │ 　│││
　└──────┘　　　 └─┘││
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └┘

　1_食堂　2_厨房　3_倉庫　4_大浴場　5_脱衣所　6_ランドリー　7_女子トイレ　8_男子トイレ

　9_トラッシュルーム　10_山田の部屋　11_葉隠の部屋　12_桑田の部屋　13_大神の部屋

　14_朝日奈の部屋　15_不二咲の部屋　16_腐川の部屋　17_舞園の部屋　18_苗木の部屋

　19_霧切の部屋　20_石丸の部屋　21_大和田の部屋　22_十神の部屋　23_江ノ島の部屋

　24_セレスの部屋　25_サウナ

　.
○補足○
次から学級裁判が開始されます。
流石にゲーム本編のような裁判を掲示板で行うことはシステム上不可能なので、形式はゲームと異なります。
まず、『舞園さんが持っている手がかり≠全ての手がかり』だということを忘れないで下さい。他のキャラクターも
どんどん舞園さんが持っていない手がかりを提示してきます。その手がかりは舞園さんの手がかりリストに随時追加されていきますが。
舞園さんは直感的に手がかりの中から７つを選択し頭の中に思い浮かべます。
その７つの中から、ムジュンを打ち抜きロンパしましょう！
打ち抜く、に関してはキャラクターの台詞の中に〔このように、きっこうカッコで表示されているところ〕与えられたポイントが在ります。
最初は簡単なところからはじめていくので、システムを理解してください。
まぁやってみたら簡単だよ！　なぜならそんなに難しいシステムだとこっちだって書けないから！
.

○補足○
〔やまカッコの中身〕＋〔ｵﾓｲｳｶﾌﾞﾓﾉ〕
を添えて撃ち抜きましょう。最初は余裕ですねこれ。
今回は簡単ですが、もしかしたらこれ以降、証拠不十分で撃ち抜けない場合も考えられます。
その場合は、"撃ち抜かない"という選択も重要です。
また、"撃ち抜けない"場合もあるでしょう。例えばムジュンを指摘すると自分が不利になるようなことはスルーあるのみ。

　.
Part3_途中

〔ｵﾓｲｳｶﾌﾞﾓﾉ〕
_(i)09_【血のついたハサミ】
_(ii)15_【盗まれたトラッシュルームの鍵(=現在も行方,犯人共に不明)】
_(iii)16_【使用されていた焼却炉(=焼却炉は何者かに使用されていた)】
_(iv)21_【セレスと山田についての証言(=セレスは3日前,山田を怒鳴っていたらしい)】
_(v)37_【不二咲が話した人物(=霧切,大和田と話したらしい)】
_(vi)49_【目撃者に関するまとめ図】
_(vii)57_【個室_調査結果表】

朝日奈「でも……、〔鍵を盗んだ〕んだよね？」

.

　.
ここまで業務連絡
前スレ
舞園「苗木君に手を出したな雌豚」　セレス「」
舞園「苗木君に手を出したな雌豚」　セレス「」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1381823132/)

前スレ産業
まだ山田裁判途中後半戦
あれ不二咲と苗木の位置被らね？
じゃあ犯人は目撃者に含まないでFA

.

　.
石丸「放送が行われたのは十一時十五分であったな！」

不二咲「死体が発見された、っていう放送を聞いて……」

不二咲「行かなきゃ怪しまれる、そう思ったから服を隠して部屋を出たんだ」

舞園「……」

不二咲「出来るだけ目立たないように、何も話さないようにして……」

不二咲「ぼ、僕はみんなが山田君の死体を見て驚いてる様を見ていたんだ……」

大神「……そうか」

不二咲「そして、気づいたんだ」

苗木「気づいた？」

不二咲「十神君と苗木君が、山田君の部屋に入って行ったでしょ…………」

十神「それが、どうかしたのか」

不二咲「自分の部屋だって、絶対安心じゃないって気づいて……っ」

不二咲「血のついた服だって、この十神君ならすぐに見つけるって思って……!!」

舞園「それで、私の部屋からトラッシュルームの鍵を盗んだんですか？」

不二咲「でも……、でも…・・・」

霧切「でも？」

不二咲「……鍵を盗んだのは、僕じゃないんだ」

.

　.
十神「……おい、それはどういうことだ」

桑田「そんな話が信じられると思ってんのか！！」

霧切「ちょっと待って」

桑田「あ？」

霧切「不二咲さんは山田君を殺害した犯人でも……」

霧切「ほぼ間違いなくセレスさんを殺害した犯人でもないのよ」

十神「そうだぞ」

石丸「どういうことかね？」

十神「まず不二咲は山田を殺した犯人ではない。……今日何度目だろうなぁこれを言うのも」

石丸「う、うむ。すまないな……。だがそれは何度も聞き既に理解しているぞ！」

十神「では簡単だ。そこから考えてみろ」

十神「不二咲は十中八九セレスを殺していない」

大神「……だろうな」

十神「大体不二咲が誰かを殺し卒業を狙っていたとして……」

十神「なぜ今殺しを行う必要がある？」

.

　.
葉隠「……？　さっぱり分からんべ」

十神「どう考えても面倒になる事は分かりきっているだろうが」

朝日奈「そ、そうだね……。裁判が重なっちゃうし……」

十神「事実、セレスを殺した犯人は結果的に……」

十神「山田殺しの犯人を見つけ、自分は逃げ延びる必要があるという極めて厳しい状況にいるのだぞ？」

舞園「……」

十神「そんなことが可能なのは俺くらいだ」

舞園「……」

十神「無論、本来のこれは恐らく偶然だった」

石丸「偶然……？」

十神「ああ、恐らくセレスを殺した犯人は山田が死んでいる事までは知らなかったんだろう」

霧切「もし仮に、山田君が死んでいる状況を目撃した後で……」

霧切「普通の人はセレスさんを殺害しようと思うかしら？」

石丸「……思わないな」

十神「何故だ」

大神「山田の犯人探しすらままならぬ状況で、学園長による仕置のリスクを二重に犯すとは考えにくい」

十神「その通りだ」

.

　.
桑田「確かに……、俺なら先に山田の犯人を見つけてからじゃねーと面倒で動けなねーわ」

十神「おい桑田」

桑田「んだよ！！　俺なんもおかしなこと言ってねーぞ！！」

十神「今お前が言った状況はそのまま不二咲にも当てはまる訳だ」

桑田「っ！！」

十神「理解したか？　不二咲はほぼ間違いなくセレスを殺した犯人ではない」

十神「無論、これを逆手に取った不二咲の作戦ということも有り得るが」

不二咲「ち、違うよ……！」

十神「限りなく白である不二咲が黒かどうか考えるよりも、今は他の容疑者に目を向けた方が良いだろう」

霧切「ええ。それにセレスさんの犯人を見つけるのは山田君の裁判の後だから……」

舞園「…………」

朝日奈「えっと、つまりさ……。何の話だったっけ？」

十神「どちらの犯人でもない以上、不二咲が虚言を口にする理由も無いということだ」

朝日奈「そ、そっか……」

十神「確認しておくが、仮に不二咲が犯人に繋がっていた協力者か何かだったとしても」

十神「卒業できるのは殺した奴ただ一人なのだから、誰かを庇うということも考えにくい」

.

　.
苗木「自分がおしおきされてまで、誰かを庇う必要も無いってことだったね」

大神「そうだな。裁判のはじめに確認した通りであった……」

十神「つまりだ、とにかく聞いてやるから話を続けろ不二咲」

不二咲「う、うん……。分かった……」

不二咲「あ、あのね。僕、さっきも言ったように……」

不二咲「鍵は盗んでいないんだ……」

十神「だが、石丸はトラッシュルームへ向かうお前の姿を目撃している」

十神「それはどう説明する」

不二咲「じ、実は……」

不二咲「鍵は拾ったんだ……」

桑田「拾ったぁ！？」

不二咲「う、うん」

葉隠「小学生の言い訳でももっとマシな事を言うべ」

不二咲「ほ、本当だよ……！」

.

　.
十神「それはいつの話だ」

不二咲「そ、捜査の時間……」

霧切「どこで、拾ったの……？」

不二咲「……んっと。え、えの……」

石丸「えの？」

不二咲「え、江ノ島さんの……」

江ノ島「はっ……!?」

不二咲「江ノ島さんの部屋の前に落ちてたんだ！！」

モノクマ「…………………………」

江ノ島「えっ、え……？　マジで？」

不二咲「僕、その鍵に見覚えがあって……」

不二咲「すぐにトラッシュルームの鍵だって思い出したよ……」

十神「……聞きたい事がまた増えたか……」

霧切「それで、鍵と血のついた服を持って焼却炉へ？」

不二咲「そ、そう……。これしかないと思って……」

.

　.
石丸「ふむ……、それで」

石丸「その鍵は今も持っているのかね？」

不二咲「え、えっと……。鍵は……」

朝日奈「鍵は？」

不二咲「焼却炉の中に落としちゃって……」

不二咲「今は手元にないんだ」

桑田「拾わなかったのか？　鍵は大事だろ」

不二咲「それは、その……」

霧切「人が来る危険性から回収は出来なかったのね」

不二咲「そ、そう。焼却炉が冷めるまでは時間が掛かるし……」

不二咲「そもそも僕じゃ手が届くかどうかも分からないから……」

不二咲「鍵を取るのは諦めて、トラッシュルームから出たんだ……」

十神「それであの鉄格子は開いたままだった、という訳だな」

不二咲「う、うん……」

霧切「鉄格子を閉めないのは変だと思っていたけれど、これで理由が分かったわ」

不二咲「ご、ごめんなさい……」

十神「では次の問題だ」

.

　.
石丸「次、かね」

十神「ああ。おい江ノ島」

江ノ島「っ……!!」

十神「お前の部屋の前にトラッシュルームの鍵が落ちていたらしいが」

十神「お前は何か知っているんじゃないのか？」

江ノ島「……」

十神「どうして黙っている」

江ノ島「……」

モノクマ「…………？」

十神「何か喋ったらどうだ」

モノクマ「そ、そうだぞー！　なんか喋れやコラァァ！！」

江ノ島「……。えっと、あたしは何も知らないけど？」

モノクマ「およよー！　何も知らないって言ってるよ十神君？」

十神「そうか」

大神「……引き下がるのか？」

十神「部屋の前に落ちていただけでは、追及は出来ないだろうが」

大神「ふむ、まぁそうではあるが……」

江ノ島「…………」

.

　.
苗木「それじゃあ、ここまでのことを整理してみよう」

石丸「うむ！」

苗木「まず、不二咲さんは山田君の死体を目撃してしまう」

苗木「そして驚いて転んでしまったせいで服に大量の血が付着する……」

桑田「ああ、そうだったな」

苗木「途中、大和田君の協力もあって……」

苗木「拾ったトラッシュルームの鍵でなんとか証拠を隠滅した、これが一連の流れになるんだけど……」

石丸「まず確認しておきたいのだが」

朝日奈「なにを……？」

石丸「今日の掃除当番、つまり本来の鍵の持ち主は舞園君だったね！」

舞園「は、はい……。それが、どうかしましたか？」

石丸「舞園君は、今日鍵を持ち歩いていたのかね？」

舞園「いえ……。ここにいる何人かにはお話しましたが、鍵は私の部屋に置いてありました」

十神「つまり盗んだ奴がこの中にいるということになるな」

桑田「まぁトラッシュルームの鍵とか持ち歩くもんでもねーだろ」

霧切「……誰が盗んだのか、特定するための手がかりはあるかしら？」

.

　.
十神「……」

葉隠「珍しく十神っちが黙ったべ……」

桑田「ああ、いつもならこれを提示してやるって言ってるところだろうにな……」

霧切「何も無いの……？」

十神「お前は何かあるというのか」

霧切「そうね、特にこれといってはないかしら」

十神「一応、誰が盗んだかは考える事は出来る」

大和田「そうなのか？」

十神「山田を殺した犯人か、セレスを殺した犯人の何れかだろう」

苗木「この二人を除いて、焼却炉を使用する動機がある人なんていないだろうからね」

十神「だが先に終着点が現れてしまうようでは、この問題を解く手がかりになるとは言えないな……」

霧切「……では、他の点から攻めてみましょう」

大神「他の点とは……？」

霧切「ここまでで、深く考えていないことがあるの……」

霧切「それは何かしら？」

舞園（深く考えていないこと……？）

舞園（ええっと、私も考えてみましょう……）

舞園（それは……）　>>33　　　

　※今からこういった安価が3回行われ、3回を終えた時点で山田の裁判は終了です。

.

山田が殺された理由

　.
舞園「…………山田君が殺された理由」

苗木「えっ？　舞園さん？」

舞園「あっ、口に出してしまいましたね……」

霧切「フフッ、もう一度いい？」

舞園（山田君が殺された理由については、まだ議論されていないような……）

舞園（そうですよね？）

舞園（って誰に聞いてるんでしょう、私）

舞園「えっと、もう一度言いますが……」

舞園「やはり気になるのは山田君が殺された理由についてです」

十神「……ほう」

舞園「なぜ、山田君だったのでしょうか？」

桑田「確かに、どうして山田だったんだ？」

桑田「殺すんなら殺りやすい不二咲みたいな貧相なチビでいいじゃねーか」

不二咲「っ……！！」

大和田「おい桑田ァ！　てめぇ！！」

朝日奈「今のは最低っ！　ちゃんと謝って！！」

十神「うるさい。桑田の言ったこともある程度事実だろうが」

石丸「と、十神君っ……！」

十神「なぜ、山田が狙われた……？」

.

　.
霧切「それについて、十神君は何か知っているんじゃないの？」

十神「は？　なぜそう思う」

霧切「あなた、最初に山田君の部屋に集まった時にこう言ったわよね」

霧切「あれは苗木君が、最初に部屋を目撃した人は誰か確認した時……」

　≧「俺だ。山田に用事があった」

霧切「そう言ったでしょう？」

葉隠「あー、そういやそんなこと言ってたような気がするべ」

石丸「用事とは何だったのかね！！」

十神「……用事、か」

朝日奈「あたしもそれ不思議だったよ！」

朝日奈「最初に山田の部屋に行ったのが十神って聞いたとき」

朝日奈「十神と山田ってなんか一緒にいるところ想像できないなって……」

十神「それを聞けば、お前らは満足するのか？」

霧切「黙っているよりはいいんじゃないかしら？」

十神「……ふん」

.

　.
十神「山田に黙っていろと言われていたからな……」

十神「本来気が進むものではないが、裁判に必要な情報なのだというのであれば……」

十神「秘密を頑なに厳守する義理も無いか」

葉隠「早く洗いざらい吐くべっ！」

十神「山田は、ダイエットをしていたんだ」

桑田「は？」

朝日奈「……え？」

苗木「ダイエット……？」

霧切「……ど、どういうこと？」

十神「数日前に、山田から相談を受けた」

大神「山田はなんと……？」

十神「痩せるのに協力して欲しい、とな」

朝日奈「なんでよりにもよって十神なんか性悪に……」

十神「おい貴様、性悪は余計だ。だが確かに、何故俺なのか理由は聞いた」

苗木「それで、山田君はなんて？」

十神「俺が一番理想の体型に近い、そう言っていた」

大和田「しかしなんでいきなりダイエットなんだよ……」

十神「さぁな、〔山田がダイエットを決意した理由は不明〕だ」

十神「これだけは頑なに口を割ろうとはしなかった」

十神「想像はつくが……」

.

　.
霧切「……なるほどね」

十神「もういいんじゃないか？」

十神「恐らくこれは、山田が選ばれた理由とは関係ないと俺は思うが」

苗木「う、うん……」

十神「話を戻す」

霧切「……そうね」

十神「なぜ山田が殺されたのか、心当たりのある奴はいるか？」

朝日奈「うーん……、本当どうして山田だったんだろ」

大和田「山田が飯を食うスピードが遅かったんなら」

石丸「む？」

大和田「不二咲と同じみてぇに、病身だと思って狙いやすいと見たんじゃねーか？」

大神「……なるほど」

江ノ島「……」

モノクマ「……」

苗木「でも、それじゃあ本当のところ山田君の食べる速度が遅かったのって……」

.

　.
十神「ああ、痩せる為の一環だったと思われるな」

石丸「おかずをゆっくり三十回噛んで食べるという、あれだな！！」

不二咲「そ、そうだったんだ……」

葉隠「しかし、山田っちは自分の体型に誇りを持っていたはずだべ」

大和田「あ、あれに誇りをか……？」

葉隠「どうしていきなり痩せようなんて思ったんだべ……」

桑田「不思議なこともあるもんだな」

朝日奈「う、うん……」

苗木「え、えっと……」

.

　.
苗木「それじゃあ十神君の用事っていうのも……」

十神「ああ、山田に今後のトレーニングについて」

十神「相談があるから部屋に来てほしい、そう言われていただけだ」

苗木「……そうだったんだ」

葉隠「割とどうでもいい情報だったべ」

大神「しかし、これでは〔焼却炉については繋がらぬ〕な……」

大神「さらに言うなれば、犯人についてもだ……」

霧切「……そうかしら？」

苗木「え、霧切さん？」

霧切「ここから、私は重要なことが導けるのではないかと気づいたのだけれど……」

十神「……それはなんだ」

舞園（え、えっと）

舞園（それは恐らく、これについてだと私は思うんですが……）

　　　↓5までで多かった物を撃ちます

　　　〔やまカッコの中身〕＋〔ｵﾓｲｳｶﾌﾞﾓﾉ〕

.

　.
舞園（……）

舞園（……山田君のダイエット……、それはやはりセレスさんとのあの事件が原因……？）

舞園（そ、そんな気が……）

霧切「それは山田君のダイエットを決意した動機よ」

舞園（えっ、同じことを考えて……？）

霧切「それについて、舞園さんに答えて貰おうかしら」

舞園「は、わ、私ですか……っ!?」

霧切「何か知らないかしら？」

舞園「……」

舞園「十神君が、言いましたよね」

十神「なんだ」

舞園「山田君がダイエットを決意した理由は不明、だと……」

霧切「フフッ」

舞園「それについて、心当たりがある人がいるんじゃないですか？」

不二咲「心当たり……？」

.

　.
石丸「そういえば……！」

舞園「はい」

石丸「三日前に、山田君は……」

桑田「山田がどうかしたのか？」

石丸「セレス君に怒鳴られていたぞっ！！」

葉隠「そ、そういえばそんなこともあったべ」

大和田「……ああ。しかしここでセレスか……」

腐川「何よそれ……、誰か説明しなさいよ……」

腐川「それとも知らないほうが悪いっていうの……？」

石丸「う、うむ！　三日前にセレス君が山田君に……」

石丸「体型の罵りから始り、普段の言動や目の位置歯並びに至るまで罵倒され……」

石丸「お前みたいな肥満野郎が私と釣り合う訳ねーだろ勘違いしてんじゃねぇぇ！！」

石丸「と言われていたのだ……」

石丸「これは舞園君にも話したのであったな！！」

不二咲「う、うん……。僕も見てたけど……」

不二咲「いつもと様子が全然違ってたよねぇ……」

石丸「セレス君が特に贔屓にしていた洋服に山田君が紅茶を溢してしまったのことが原因であったはずだが……」

大和田「ありゃ確かに、思い出しただけでも虫唾が走るひでぇ様だったぜ」

苗木「三日前……？」

.

　.
桑田「なんだ苗木、なんか知ってるのか」

桑田「……っつーか、あん時お前は確かいなかっただろ」

桑田「舞園ちゃんもいなかったけどよ」

苗木「う、うん……。でも三日前っていえば……」

大和田「気になることがあるみてぇだな」

苗木「セレスさんと一緒にチェスをやった日だ」

霧切「……」

朝日奈「それ、いつ？」

苗木「昼食を食べてからの約束だったから、お昼の三時くらい？　だったと思う」

石丸「あの事件は確か……、昼一時頃だったはず……」

朝日奈「贔屓にしてた洋服……、あっ……」

舞園「なるほど……」

葉隠「んあ？　どういうことだべ」

霧切「……」

.

　.
十神「……とにかく、詳細部は繋がってきた訳だ」

十神「石丸の言う事が確かであるのならば」

十神「肥満野郎がつりあう訳がない、ここに山田はピンと来たんだろう」

桑田「それでいきなりのダイエットか……」

朝日奈「山田って、ああ見えて超健気だったんだ……」

大神「相違無い……」

十神「しかし、霧切のいう重要なことというものが俺には分からないな」

霧切「……」

十神「当事者二人は既に死亡している事件をわざわざ引っ張り出してきて、何が言いたい？」

十神「重要なことの、正体はなんだ？」

霧切「……そうね」

霧切「では、ここで聞くけれど」

霧切「あの事件の後の、山田君とセレスさんの状況から今に繋がる手がかりは無いかしら？」

苗木「今に繋がる手がかり？」

霧切「そう、山田君はダイエットを決意した」

霧切「では、セレスさんは……？」

.

　.
石丸「しばし待ちたまえ！！」

霧切「フッ、何かしら……？」

石丸「僕はセレス君がその事件の後……」

石丸「舞園君に相談していたことを知っているぞ！！」

舞園（……！！）

霧切「やっぱり、ね」

十神「お前どこまで知っていた」

霧切「別に。私は石丸君が今言ったような事は知らなかったわ」

霧切「ただ……、セレスさんと舞園さんは随分と仲が良かったみたいだから気になっただけよ」

舞園「せ、セレスさんと……？」

十神「おい、どうなんだ」

舞園「た、確かに……。お話しはよくしていましたけど……」

霧切「ええ。だってセレスさんは今日も朝食の時私に……」

霧切「最近舞園さんが苗木君についての相談に付き合ってくれていると笑顔で報告してきたもの」

霧切「そして自分が一番この中で苗木君と上手く行っているということを、ね」

舞園（あ、あの女！　いくら霧切さんが苗木君狙いのストーカーだからって……）

舞園（要らない牽制技を……ッ！）

.

　.
苗木「と、とにかく……。どういうことなんだっけ？」

桑田「お前だよ苗木！！　お前！！」

苗木「えっ!!　ぼ、僕……？」

十神「もう苗木のことは放っておけ。それより、おい舞園」

舞園「っ、はい……？」

十神「セレスから何を相談されたんだ」

舞園「……えっと」

舞園「……」

苗木「舞園さん？」

舞園「セレスさんから山田君との間に起きた問題について相談を受けていましたが……」

舞園「それが、山田君の死について何か関係あるんですか？」

葉隠「確かに、こりゃ関係ねーべ」

.

　.
朝日奈「あ、あのさ……」

桑田「どーしたんだよお前まで」

葉隠「朝日奈っちもセレスっちに何か言われたべか？」

朝日奈「それなんだけど……」

朝日奈「実はあたしも、セレスから言われたんだ……」

桑田「お前もかよ」

朝日奈「さくらちゃんが、ちょっと厨房の方まで控えのお茶を取りに行った時……」

大神「……あの時か」

朝日奈「うん。あたしが一人になった瞬間、セレスが来て……」

朝日奈「苗木に手を握られたっていう報告と……」

朝日奈「霧切の時と同じで、自分が一番苗木と上手く行ってるってことや……」

朝日奈「これから部屋で苗木君について相談する約束があるって言ってたけど」

朝日奈「もしかして、相談する相手って……？」

舞園「……」

桑田「舞園ちゃん、ってことか」

十神「おい霧切。お前もしかして朝日奈とセレスの会話を……」

霧切「勿論聞いていたわ。だから重要なことがあると言ったの」

霧切「これで、今日舞園さんがセレスさんと会っていたことが確定した」

十神「朝日奈の口から言わせるために、ここまで議論を誘導したのか」

霧切「フフッ、そうよ」

.

　.
十神「お前……。いや、別に構わないが……」

十神「正直これはどうかと思うぞ」

霧切「……？」

大神「……おかしい」

石丸「どうかしたのかね！？」

大神「こうなれば、セレスは女子全員に釘を刺していたように思われるが……」

大神「我はそのような事を聞いてはおらぬ」

大神「なぜだ……」

桑田「いや何故って……」

葉隠「そんな真顔で聞かれても困るべ」

十神「……とにかくな」

十神「議論を続けようではないか」

大和田「ああ、真面目に話そうぜ。真面目に」

朝日奈「そ、そうだね……」

舞園「……」

.

　.
十神「話が大きく脇道に逸れてしまったが」

十神「問題は、なぜ山田が狙われたのかということだった」

桑田「そこまで戻るのか」

十神「大きく脇道に逸れたと言っただろうが」

石丸「それについては、やはり山田君のダイエットを……」

石丸「病身か何かと勘違いしてしまい、犯人は弱っているであろう山田君を狙った」

石丸「これが現状ではもっとも説得力のある意見であったな！！」

十神「まぁ他にこれといって思いつかない以上暫定的にだがそれで構わないだろう」

十神「ただしここから、霧切の日頃の行いによる賜物から多くの手がかりが導かれた」

十神「一応結果は褒めてやるぞ霧切。あまり感心しないがな」

霧切「……そう」

十神「舞園に話を聞いていきたいところだが」

舞園「はい……？」

十神「舞園と強く関わっているのはセレスの件だと思われる」

十神「今現在の問題は、山田の犯人を特定することだ」

苗木「確かに……、時間も既に限られてきているからね」

十神「誰か、山田の事件について気になる事はあるか」

十神「聞いてやる」

舞園（えっと……。山田君の事件について……）

舞園（気になることといえば……）　　　>>95

.

苗木の部屋にあったハサミ

　.
舞園「あの……」

十神「なんだ」

舞園「このハサミを見て欲しいんですけど……」 09_【血のついたハサミ】

不二咲「あっ！　そ、それって……」

腐川「ひぃ!!　いきなりそんなもん見せるんじゃないわよ……!!」

腐川「心臓止まるかと思ったでしょ……っ」

腐川「それともこのくらいで騒ぐ奴は大人しく死ねとでも言うの……っ？」

十神「……」

十神「それはなんだ」

桑田「山田は首を切られて死んでるんだったよな」

葉隠「その通りだべ」

大神「…………凶器か」

舞園「これ、何処にあったと思います？」

苗木「……どこでそれを見つけたの？」

舞園「クスッ、嫌だなぁー苗木君」

苗木「……？」

舞園「苗木君の部屋ですよ？」

苗木「えっ……？」

桑田「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！？？？？」

葉隠「苗木っちが犯人だったべか！？」

朝日奈「そ、そんな……！！」

.

　.
苗木「そ、それは違うよ！！」

桑田「どう違うってんだよっ！！！！」

苗木「僕は犯人じゃない……！」

葉隠「信用できねーべ！！」

霧切「…………」

十神「おい舞園、それを苗木の部屋のどこで見つけた？」

舞園「ゴミ箱の中です」

苗木「ゴミ箱……？　僕のゴミ箱は空だったはずだよ……？」

舞園「ええ。空だから隠したんですよね」

苗木「……？」

十神「隠した……？　そ、そうか……」

朝日奈「何かわかったの？」

十神「舞園、お前俺にティッシュを見せたな」

舞園「ええ、あの時に」

十神「……苗木。どういうことか説明しろ」

苗木「そんなっ、十神君まで……」

霧切「大丈夫よ苗木君。あなたが犯人でないことは私が分かってるから」

苗木「き、霧切さん……！」

霧切「フフッ……」

舞園「……」

舞園「……さ、説明してください」

.

　.
苗木「説明、っていわれてもな……」

舞園「大丈夫ですよ。ちゃんと分かることだけ話して頂ければ」

苗木「分かった……。えっと、最初から順序立てて話していくけど」

十神「ああ」

苗木「まず、僕が山田君のアナウンスを聞いて部屋を出た時……」

苗木「ゴミ箱は空だったはずだ」

霧切「そうね」

桑田「ちょっと待て霧切ッ！　てめぇはこと苗木に関しちゃ信用できねぇーんだよ黙ってろ！！」

霧切「……」

葉隠「確かに、ストーキングに走るくらいだから苗木っちに有利な事しか言わないはずだべ」

十神「おい大和田。馬鹿共が珍しくマシな事を言っているぞ」

大和田「ああ……」

苗木「……そ、それで」

苗木「僕は十神君と二人で捜査を行ったことはみんな知っているはずだ」

不二咲「うん。確かに苗木君はあの後ぉ……」

不二咲「一度も部屋に戻ることなく」

不二咲「そのまま山田君の部屋に二人で捜査に入っていったよねぇ」

.

　.
石丸「た、確かに……」

苗木「不二咲さんが今言ったように」

苗木「僕はすぐに部屋へは戻らなかった。それに次に僕が自分の部屋に訪れたのは……」

苗木「捜査の為に全員の部屋を調査した時……」

苗木「つまり十神君も一緒に居た時なんだ……！！」

十神「その時に、苗木の部屋のゴミ箱が文字通り空だったことは俺が証言してやる」

桑田「つまりどーいうことだよ」

苗木「僕はそもそも自分の部屋に、そんなハサミがあったことすら知らなかったんだよ！！」

大和田「それはお前の言うことを信じれば、だがな」

苗木「う、うん……」

十神「だが、ここで苗木を結果として助けることになるが俺の考えを述べるぞ」

大神「……構わぬ」

十神「お前らが知っている通り俺と苗木は捜査時間共に捜査を行った」

十神「そして確認しておくが苗木の言うように苗木自身、次に自室を訪れることになった時には……」

十神「俺が同伴しておりゴミ箱は空だった」

.

　.
十神「この時点で、苗木が犯人であり凶器を自室のゴミ箱に隠したとするならば」

十神「それはモノクマアナウンスが行われる以前以外ありえない、ということになるよな？」

大和田「ハサミをゴミ箱に隠すなら、か……」

大神「確かに。山田の部屋に皆が集まった後、苗木は一人で部屋に戻っておらぬ以上」

大神「隠せるとすればそれ以前を置いて他にはなかろう……」

十神「だが、俺と苗木が苗木の部屋に調査に入った際には」

十神「もう一度言うがゴミ箱は空だった」

十神「ここまではいいな？」

桑田「おう、そりゃもう三回くらい聞いたって」

十神「では、ここで苗木自身が凶器を隠した張本人だったらどう思う？」

石丸「どう、とは……？」

十神「隠した凶器が無くなっているんだぞ」

十神「跡形も無くな」

不二咲「ぼ、僕だったら……」

十神「お前だったらどう思う？」

不二咲「す、すぐに凶器を探さなくちゃって思う……」

.

　.
十神「それは何故だ」

不二咲「だ、だって……」

不二咲「ハサミが歩いて行くなんて有りえないから……、誰かに見つかって盗られたに決まってる……」

不二咲「急いで手を打たないと、ハサミが部屋から見つかったなんて……」

不二咲「も、もし皆に拡まったら間違いなく犯人だって思われるよ……！！」

不二咲「バレちゃうからッ……!!」

朝日奈「た、確かにそうかも」

霧切「……」

桑田「不二咲の言うことだが分からんでもない」

十神「だが、苗木は平然と俺との捜査を続けた」

十神「これはどう思う？　限られた捜査時間の中で……」

十神「まず誰がハサミを強奪したのかも分からない、そこから探して手を打たねばならぬ切羽詰った状況で」

十神「悠長に俺と捜査を続けていると思うか？」

.

　.
桑田「要するに、苗木はハメられたってことか」

葉隠「よう分からんが多分そうだべ」

朝日奈「ちょ、ここまで言われてよく分からないって……」

十神「だがこうなると、犯人は大層な馬鹿だな」

十神「俺ならば、今説明したことにすぐに気がつき……」

十神「凶器を使い陥れるとしても苗木以外を選ぶだろう」

霧切「……」

大和田「なぁ、そのハサミだが……」

舞園「はい……？」

大和田「本当に苗木の部屋にあったんだよな？」

舞園「そ、それは間違いありません……」

霧切「舞園さんは、苗木君の部屋に入って調査を行ったということね」

石丸「……っ!?　ちょ、ちょっと待ちたまえ！！」

桑田「今度はお前か、どうしたんだよ」

石丸「ま、舞園君は……」

石丸「苗木君の部屋に入っていないはずではなかったのか！！！！」

.

苗木が犯人だとされるのが嫌で隠してたけどもう白なのが明らかだからばらしたとか言えば余裕

>>127
それだ

切霧「苗木きゅんは犯人じゃない」=切霧さんが山田殺しの犯人

苗木を想っての行動＝セレスに釘刺されてぬっ[ﾋﾟｰｰｰ]とか突っ込まれない？

　.
桑田「ど、どういうことだ……？」

桑田「え、え……。舞園ちゃんが、舞園ちゃんが……？」

桑田「俺たちに嘘をついたってことなのか……？」

十神「おい石丸。詳しく話せ」

石丸「う、うむ！　あれは捜査時間終盤のことであった」

石丸「僕と舞園君は情報や手がかりについて質疑応答を行っていたのだが……」

舞園（……あっ!!　そ、そうでした……、私……）

石丸「まず、僕は確かに苗木君の部屋から出る舞園君を目撃したのだ！！」

霧切「……」

桑田「こ、ここまでは普通のはずだ。だ、だって舞園ちゃんは……」

桑田「苗木が怪しいと思って苗木の部屋を探して、ハサミを見つけたんだろ……」

石丸「僕は、舞園君にそのことについて尋ねたのだ……」

十神「なんて聞いたんだ」

石丸「苗木君の部屋で、いったい何を行っていたのかと……」

石丸「そうしたら、舞園君は……」

大神「舞園は？」

石丸「見間違いだと言って部屋に入ったことを認めようとはしなかったのだ！！」

.

　.
葉隠「……でも舞園っちは苗木の部屋にあったハサミを俺たちに見せたべ？」

朝日奈「そこがおかしいってことでしょ……」

葉隠「あ、なるほどだべ」

葉隠「……」

葉隠「舞園っちが俺たちを騙したべかッ！？」

朝日奈「葉隠、アンタさ……。いや別にいいけど」

桑田「あ、アポ…………」

舞園「そ、それは……」

十神「おい舞園。お前はそのハサミを苗木の部屋で見つけた、そう自分で言ったな？」

舞園「……」

十神「だが、石丸が言うにはお前は苗木の部屋に入っていないとこれも自分で言ったそうじゃないか？」

十神「説明しろ」

十神「まさかお得意のエスパーだから手品を使った、なんて言わないよなぁ？　ククッ」

舞園「……」

霧切「どうして黙っているの？　あなたは今疑われているわ」

霧切「事実に反するのならばすぐにでも弁明すべきよ」

舞園（どどどどどどうしましょう…………！！）

舞園（えっと、えっと……えっと……！）

舞園（こ、こういえばまだ……！）　　>>150

.

>>138

どう転ぶかね
内容は霧切さんのおかげでいけるかもしれないけど
霧切さん暗にセレスに最後に会ったのは舞園って言ってるしなぁ

　.
舞園（……はっ！！）

舞園（ひ、閃きました……!!）

舞園（ここっ、これを言ってしまうと……。私も変態ストーカー女の一員ですが……！）

舞園（背に腹は変えられませんッ！！）

舞園「あ、あのですね！！」

十神「言い訳だけは聞いてやる」

舞園「い、石丸君だから隠したんですよ……！！」

石丸「ぼ、僕だから……？」

大神「どういうことだ。話が見えぬ」

舞園「じ、実は私……。最初事件なんてどうでもよくて……」

霧切「……何を言ってるの？」

舞園「苗木君の私物を物色する為に彼の部屋に行ったんです！！！！！！」

十神「……？」

十神「だからそれをどうして石丸に隠したのか、と聞いている」

舞園「こ、これでも駄目ですか……。じゃ、じゃあ言いますけど……っ」

舞園「苗木君の使用済みティッシュを探してゴミ箱を漁りました！！！！！！」

十神「それでハサミを見つけたんだろうが」

霧切「と、十神君。これは違うわ……。かかっ、彼女が言いたい事は……」

十神「……はぁ？　何を言って――――」

舞園「白い液体が付着したティッシュを探してたらハサミを見つけただけなんです！！！！！！」

十神「…………ど、どうなっているだ」

十神「まるで意味が分からんぞ……」

.

ストカー園さんの事情がわかるってことは(察し)

　.
霧切「ま、まさかこんなことに…………」

霧切「……」

十神「……石丸だから、と言ったな…………」

舞園「はい！！」

十神「それは、つまり……」

舞園「やですよぉ！　だって石丸君に窃盗目的で部屋に入ったなんて言ったら……」

舞園「怒られるに決まってるじゃないですかぁ……！」

十神「事件など最初どうでもよかったとも言ったが……」

舞園「むしろ事件のドサクサに紛れて苗木君の部屋を物色するチャンス！　だと思いました！」

十神「……さ、さっぱり分からんぞ」

.

>>161
＞十神「…………ど、どうなっているだ」

なんだ…十神は田舎御曹司だったのか……

　.
舞園「それで、苗木君の部屋を物色していたんですけど……」

朝日奈「さくらちゃん……、ちょっと怖い……」

大神「朝日奈よ。我が付いている、大丈夫だ」

舞園「ゴミ箱に入ったティッシュを見つけたんです！」

十神「そ、それで。お前はどうしたんだ」

十神「お、教えろ……」

舞園「苗木君の文字通り使用済みティッシュを探してゴミ箱を漁りました……っ」

舞園「そしたら血のついたハサミを見つけちゃって……！」

舞園「苗木君がそんなことをする人とは思えないので私も捜査に本格的に加わる事にしました」

霧切「……ど、どういうことなの……」

十神「な、なぜ苗木の部屋を物色しに行ったんだ……？」

舞園「個人的な感情ですよ。言わせないで下さい」

葉隠「ここ、これがアイドルの力だべか……」

苗木「舞園さん……、そんな……」

石丸「なんということなのだ……」

.

場を混乱させてる凄い！

変態とかキチガイの振りする作戦結構有効な気がする

噛ませと探偵翻弄するとかエスパーって凄い

まさか「そんなの見間違えですよ」安価はここまで展開を予想した上で計算した安価…！？

　.
舞園「事情は把握して貰えましたよね？」

十神「……」

舞園「十神くーん？」

十神「っ！　そ、そうだな……」

十神「確かに、そういった理由なのであれば……」

十神「石丸に隠そうとしていたことも頷ける、よな霧切」

霧切「えっ、あ……そ、そうね」

霧切「そ、そうでしょう……。よね？　苗木君」

苗木「僕っ!?　あ、う、うん……」

苗木「そ、そういうことなら……。い、いんじゃない？」

苗木「だ、だよね。皆……」

桑田「あ、アポ……」

葉隠「信じられんべ……」

腐川「に、二重人格とかじゃないんでしょうね……」

石丸「今日一番の衝撃だ……」

大神「……相違無い」

朝日奈「こ、怖い……」

江ノ島「……っ」

モノクマ「ぷぷっ……ぷっ！」

舞園（なんとか切り抜けました！！）

舞園（……）

舞園（いろんなモノが犠牲になった気がしますけど…………）

.

腐川お前が言うな

　.
霧切「ぎ、議論に戻りましょう……」

苗木「うん。そ、そうだ」

霧切「えっと。ど、どこまで話していたかしら」

十神「苗木の部屋にあったハサミは罠だった、というところまでだったはずだ……」

舞園「はず……？」

十神「いや、きっとそうだ」

苗木「問題は、えっと……」

霧切「このハサミについて、ね」

十神「そうだな……」

霧切「まず、苗木君の証言で行くと……」

霧切「モノクマアナウンスを聞くまでは、ハサミは無かったのよね？」

苗木「うん、確かに無かったよ」

十神「と、いうことはだ」

十神「ハサミが苗木の部屋のゴミ箱に入れられたタイミングを推測すれば」

十神「苗木がアナウンスを聞いて部屋を出た時点から、舞園が苗木の部屋を……」

十神「……物色するまでの間ということになる」

十神「ここまでは構わないな？」

.

　.
石丸「う、うむ……！」

十神「お前が、苗木の部屋から出る舞園の姿を目撃したのは何時だ」

石丸「いつ、とは分からないが……」

石丸「捜査時間に移り、一時間もせぬ頃であったはずだが……」

十神「与えられた捜査時間は二時間だったか」

モノクマ「そうだよぉ！」

モノクマ「テキトーに、一人一時間の見積もりだねぇ……！」

十神「となれば、ゴミ箱に入れられた時間は捜査時間が始ってすぐだな」

苗木「えっと、恐らくこのハサミを僕のゴミ箱に入れた犯人は……」

十神「俺とお前が、集合した後にすぐ山田の部屋に入っていったことを見て」

十神「確実に無人の部屋を狙ったんだ」

霧切「順当に考えればそうなるわ」

石丸「なるほど……」

.

　.
十神「この時点で、十中八九最初の集合に集まっていなかった腐川が外れる」

苗木「誰かの部屋に凶器を捨てるにしても、どの部屋が無人であるか分からない腐川さんには……」

苗木「凶器を持った状態で部屋の住人と鉢合わせする危険性を孕んでしまうからね」

十神「試しに聞いてみるが、この中で腐川が自分の部屋に尋ねてきたという奴」

十神「いるか？」

十神「……」

十神「誰もいないらしいな」

腐川「……」

十神「勿論、これは確実ではない」

十神「ただし俺が腐川の立場であるならば……」

十神「空室がどれか分からない以上。わざわざ目立つ行動は取らない」

十神「凶器は隠し通すか、無人の頃を見計らい誰が来てもおかしくない食堂や脱衣所などに遺棄するだろう」

大神「ふむ……」

霧切「……そうね」

苗木「ちょっと待って。ここで気になることがあるんだけど……」

.

おやすみ

日曜だけど今日も平常業務なのではじめるのは夜から

>>214
乙です

　.
十神「なんだ」

苗木「これが凶器だ、とするよ」

十神「ああ」

苗木「それじゃあこのハサミは元々何処にあったものなのかな？」

霧切「……」

霧切「それはとても重要な問題ね」

十神「……そうだな」

十神「おい苗木。お前はどう考えているんだ、話してみろ」

苗木「僕……？」

十神「お前が言い出したんだろうが」

苗木「そうだね……」

苗木「まず、このハサミに見覚えのある人はいるかな？」

朝日奈「あたしは、知らないなぁ……」

朝日奈「そんなハサミ見たことないよ」

大神「うむ……」

苗木「まずこの学園の中で、全てのハサミを考えてみよう」

石丸「全てのハサミ……？」

苗木「まず一つは、キッチンバサミだ」

石丸「ああ、そういう意図か……」

石丸「……では、他に挙げさせて貰うが」

苗木「うん」

石丸「一つは苗木君が今言ったように厨房の料理用ハサミだ」

石丸「そして、女子の裁縫箱に入っているであろうハサミと……」

石丸「男子の工具箱に入っているハサミ。後は……、各々の私物ではないかね？」

.

　.
大和田「苗木と十神も含めて野郎共は分かってて言っているんだと思うが」

大和田「そりゃ工具箱に入ってる奴だからな」

舞園（……確かに）

舞園（学級裁判の前に、私は血の付いたハサミについて考えましたが）

　≧（揺るがない証拠だとも思われていた、この血のついたハサミについですが）

　≧（これは、キッチンバサミではどう見てもありませんし）

　≧（恐らくは、工具箱に入っていたものでしょう）

　≧（男の子に聞けば何に使うか分かるのでしょうが、私語厳禁である今の状況では聞くことは出来ませんね）

　≧（こんな大きなハサミ、何を切るんでしょうか？　針金？）

舞園（私自身、工具箱に入っていたであろうハサミだと推測していたんでしたね）

舞園（確かに裁縫箱に入っている断布用のハサミも大きいことは大きいですが……）

舞園（それなら私が見たことない訳ないですし……）

朝日奈「ちょっと男子！　そうなの……？」

桑田「あ、アポ……」

葉隠「桑田っちはショックからまだ立ち直っていないようだしそっとしておくべ」

不二咲「そ、そうじゃない？」

大神「なぜ不二咲が応えるのだ」

不二咲「あっ……。そ、それは……、えっと」

.

きてた

　.
不二咲「だ、だってさぁ……」

不二咲「キッチンバサミでも裁縫用のハサミでもないとしたら……」

不二咲「残りは石丸君が言ったように、工具箱か私物のどちらかだけどぉ」

石丸「うむ」

不二咲「私物で持ってるハサミっていっても……」

不二咲「普通は紙を切るくらいの奴を指すよねぇ？」

葉隠「ま、確かに。私物でこんなゴツイハサミ持ってる奴がいたらちと引くべ」

朝日奈「うん……。紙切るから持ってるハサミ貸してーって言ってこれ出されたらドン引きだよね……」

不二咲「に、日曜大工が趣味の人とかがいるんなら話は別だけどぉ……」

不二咲「そういう人もこの中にはいないと思うし……、じゃあ私物じゃないとしたら……」

不二咲「工具箱に入っている奴じゃないのかな、って考えて……」

大神「なるほど……」

不二咲「……ふう」

大神「……？」

朝日奈「ま、そうじゃなくたって直接男子に聞けばいいんだけどさ」

朝日奈「大和田が言うようにそれ工具箱に入ってた奴なんだよね？」

十神「ああ、そうだな」

苗木「うん」

.

　.
桑田「んだよ！　そんな分かりきったこと聞くんじゃねぇよ！！」

葉隠「桑田っちが立ち直ったべ……!!」

桑田「俺はどんな形でも舞園ちゃんが良いならそれで良いっ！！」

葉隠「おおっ!!　俺は桑田っちの心意気に感動したべ！　後で恋路を占ってやるべ！！」

桑田「おうっ、マジか!!」

葉隠「特別に一万でいいべ」

桑田「金取るのかよ……」

朝日奈「ちょっと、そこ無駄話しないでよ……！」

十神「……話を続けろ苗木」

苗木「う、うん」

苗木「これで一応、全員に理解して貰えたと思うけど」

苗木「このハサミは工具箱に入っていたものだ」

霧切「ええ、そうでしょうね」

苗木「と、いうことは……」

朝日奈「いうことは、何？」

.

　.
大和田「男子の工具箱を見て、ハサミが無くなっている奴が犯人ってことだな」

朝日奈「あ！　そうだよねっ……！！」

朝日奈「大和田冴えてるじゃん」

大和田「まぁな」

大神「……されど」

大神「今からそれを確認しに行くという訳にはいかぬ」

朝日奈「そ、そっか……。そうだよね……」

モノクマ「そうだぞぉ！　クロを見つけ出すまでお前らはここから出ちゃ駄目だかんなァ！！」

桑田「苗木！　それに十神ぃ！　お前ら工具箱を見たんじゃねーのか！！」

苗木「僕たちはハサミのことを今知ったんだよ！？　見てる訳ないじゃないか……！」

桑田「山田は首を斬られて殺されてたんだから普通刃物の確認ぐらいするだろうがボケ！！！！」

十神「ではお前はやったのか」

桑田「ハサミが怪しいって今知った俺に確認できた訳ねーだろうが！！！！」

十神「……」

霧切「……」

十神「……ハァ」

十神「馬鹿の相手は疲れるな苗木」

苗木「……」

十神「否定しないのか？」

苗木「あ、う、うーん……。はは……」

.

　.
石丸「では……、苗木君と十神君ですら工具箱の中は見ていないと？」

苗木「……」

桑田「お前ら何のために俺達の部屋全員分を調査したんだよッ！！」

桑田「聞いてんのか！！」

十神「黙れ」

大和田「おい桑田。ちょっと静かにしろ」

桑田「あっ!?」

大和田「状況は洒落にならねぇくらいやばいんだ」

大神「このままでは山田を殺した犯人の手がかりが、掴めぬ……」

苗木「……こういう時」

石丸「……？」

苗木「霧切さん、何か知ってるんじゃないの……？」

霧切「……」

苗木「霧切さんは議論を僕や十神君と一緒に先導してくれて……」

苗木「僕たちとは別れて調査を行っていたじゃないか！」

霧切「……苗木君」

苗木「なに……？」

霧切「私も、工具箱の中身までは見ていなかったわ」

苗木「……っ！！」

.

　.
石丸「で、では……」

大神「ハサミの件からは手を引くしかあるまい……」

大和田「くそっ！　犯人まであと一歩なんだ……！」

舞園（……あれ？）

舞園（……）

舞園（…………ここまでで、違和を感じます）

舞園（苗木君や十神君は、ハサミが重要だとは知らなかった為に工具箱を見ていないと言いました）

舞園（……それだと。やはり……）

舞園（この中で、工具箱のハサミについて調査を行ったかもしれない人物が……）

舞園（一人だけいるような……）

舞園（今までのことを全て思い出してみましょう）

舞園（それは……。>>250さん（君）……）

.

江ノ島、

　.
舞園「……江ノ島さん？」

江ノ島「っ！」

モノクマ「およよ……？」

舞園「工具箱のハサミについて、調査を行っているはずですよね？」

江ノ島「……」

モノクマ「どうなの？」

江ノ島「……知らないけど」

舞園「えっ？」

江ノ島「その血がついたハサミだって今はじめてみ、見たんだしさぁ」

舞園「……そ、そうですか」

舞園（適当な事を言って皆さんからの心証が悪くなった気がします……）

舞園（……こ、こうなったら。さらに江ノ島さんに喰らいついてはぐらかすしかありませんね）

舞園（江ノ島さんについて聞きたいことといえば……）　>>264

.

何か隠し事してませんか？
ただの勘ですけど

よく見るとそれカツラじゃね？

不二咲さんが江ノ島さんの部屋の前でトラッシュケースの鍵を拾ったって言ってましたが本当に江ノ島さん知りませんか？
不二咲さん絡みで不可解な点が起きすぎてるんですよ

まさかのｗｗｗｗｗｗ舞園さん掻き回すなぁｗｗｗｗ

これこの学級裁判が終わるだけじゃなく希望ヶ峰学園からの脱出ルートすら見えてきたぞ
しかし今一番困ってるのは>>1だろうな

この脱線より山田の件先に解決して欲しかった…

書くの難しいなら1個上の>>263か>>267
でもいいのよ

　.
舞園「よく見たらそれ、カツラですよね？」

江ノ島「はぁ……!?」

舞園「私の目は誤魔化せませんよ」

江ノ島「ち、違うけど……」

江ノ島「何言ってるわけ？」

舞園「そうですか……」

舞園「じゃあ――」

モノクマ「触って確かめるの？」

舞園「っ……!!」

モノクマ「別にそうしてもいいけどさぁ」

モノクマ「裁判の途中で所定の位置を離れちゃいけないのは知ってるよねぇ？」

舞園「……」

モノクマ「それに皆もさっきから舞園さんは何言ってるんだって思ってるんじゃないかなぁ……。ぷぷっ」

舞園「えっ……？」

十神「舞園、お前はさっきから何がしたいんだ」

霧切「……」

舞園（こ、これは……。私の心証がさらに悪くなっているようです……）

舞園（ど、どうしましょう……。これ以上、三回も変な事を言うとまずいのでは……）

舞園（何をどうすれば……？）　　>>290

.

>>267

君なんか雑誌と違わない？

　.
舞園「でも、やはり雑誌と違いますよね」

モノクマ「……」

苗木「……舞園さん？」

モノクマ「はい！　山田君の裁判はここまでにしまぁす！！」

舞園「は、えっ……？」

―――
―――――
―――――――

モノクマ「投票の結果、舞園さんがクロに選ばれましたァ！！」

舞園（そ、そんな……）

モノクマ「でも舞園さんは犯人じゃないんだなぁこれが！！」

モノクマ「ただ今をもって真犯人は卒業し、残った奴らは全員おしおきだぁ！！」

江ノ島「……」

　　　おわり

.

まだロードがあるから(震え声)

ぶっちゃこここで辞めるとクソ安価が調子乗るから続けてほしい

風呂行ってきただけだ

　.
苗木「舞園さんッ！！！！！！！！！」

舞園（……！！）

舞園（い、今のは……？）

舞園（凄くリアルな光景でした……）

苗木「ど、どうしたのさ……っ。いきなり黙ったかと思ったら……」

苗木「凄く暗い顔してたけど……！」

舞園「い、いえ……。別に……、考え事をしていただけですよ？」

苗木「そうなの？　本当だよね」

舞園「ええ。私が苗木君に嘘を言う訳がないじゃないですか！」

霧切「……」

苗木「はは、そうだよね。それで、一体何を考えていたの？」

舞園「この中で、ハサミについて……」

舞園「調査を行っていたかもしれない人がいるんです」

十神「お、おい。それはどういうことだ説明しろ」

舞園「それは……、>>362さん（君）に聞いてみてください」

.

ちーたん

>>367
調査時間中の舞園と十神の会話を振り返ろ

>>368
十神「調査してない」
舞園「心当たりがあります」
十神「誰だ」
舞園「十神」
十神「……」

明らかにおかしいだろ

舞園「十神君を探してみましょうか」

舞園「彼の方が、何か重要な手がかりを持っている可能性が高いですし」

舞園「素直に教えてくれるとは思えませんが……」

―――
―――――
―――――――

舞園「……はぁ。やっと見つけましたよ」

十神「舞園か、何の用だ？」

舞園「十神君とお話ししたいなー、っと思いまして……」

十神「生憎と俺はお前と話すことはない」

舞園「まぁ、そう言わないでお願いします。少しだけでいいですから」

十神「面倒だな……。言葉通り少しだけだぞ」

舞園「やった！　ありがとうございます」

十神「……」

舞園「それでは、まず……」

舞園（言葉を選ぶ時は気をつけないと、十神君はすぐ気を損ねるような気がします……）

舞園「……」

十神「なんだ。話したいことがあるなら早くしろ」

舞園「そっ、そうですね……。えっと」

舞園_(i)「苗木君はどうしたんですか？　一緒だったのでは？」
　　　_(ii)「犯人ってもう分かりましたか……？」
　　　_(iii)「情報交換しませんか？」

　　　_>>521
521 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2013/10/10(木) 14:37:51.29 ID:jqEnt1490
1

十神は捜査時点で山田とセレスの凶器がわからなくて探してた。
舞園との会話の後にセレスの方の凶器であるハンマーを二本発見してるけど、直後に裁判開始で山田の方の凶器は見つけられてなかった……十神の発言を全て真実と仮定した場合だけど。

>>379
だって凶器舞園さんが持ってるんだろ
見つかるわけ無いじゃん

とりあえずこれ日を改めよう（提案）

>>383
乙

つーかただ眠いだけだから特に誰がどうこうとは思ってない
明日もいつも通り続ける　おやすみ

　.
舞園「それは……、不二咲さんに聞いてみてください」

苗木「不二咲さん……？」

舞園「はい」

十神「不二咲にだと……」

不二咲「えっ。ぼ、僕……？」

十神「なぜ不二咲なんだ、説明しろっ」

舞園「それは私が裁判でハサミを提示する以前、つまり調査時間中に」

舞園「私を除いて、唯一……」

舞園「血の付いたハサミを見た人だからです！！」

桑田「おい不二咲ッ！　そいつはどういうことだ！！」

石丸「それは本当なのか不二咲君……！」

不二咲「え……。あ、あのぉ……」

舞園「不二咲さんにかかっているんです……！」

舞園「何か調べていませんでしたか……！？」

.

.
不二咲「た、確かにあの時……」

不二咲「ハサミは舞園さんから見せてもらったよ……？」

大和田「それで何か調べたのか!?」

不二咲「で、でも……」

朝日奈「でも？」

不二咲「あれは捜査がはじまって、随分経ってからだったでしょ……」

不二咲「調べたことは、調べたけど……」

腐川「それで何か分かったのかって聞いてるのよ……！」

不二咲「……でも、でも……。全員までは、見れてないよぉ……」

十神「待て」

不二咲「……っ」

十神「お前、調べたんだな？」

不二咲「調べは、したよ……」

十神「誰のものを見た」

十神「ハサミを見たという所から、全て説明しろ」

不二咲「わ、分かったよ……」

.

　.
不二咲「え、えっと……」

十神「舞園からハサミを見せられたんだな？」

不二咲「うん……。あれは捜査時間が半分を過ぎたくらいだったと思う……」

霧切「舞園さん、ハサミを不二咲さんに見せたのね？」

舞園「は、はい。見せました」

舞園（……）

舞園（あの時点で、不二咲さんは自身の服について隠蔽を済ませていたはず……）

　≧「それじゃ、そろそろ僕も自分のやりたいこと、あるから……」

舞園（彼女はあの時こう言っていましたが。ではあの時、不二咲さんがやりたかった事とは……？）

舞園（事件の捜査、だったということでしょうね）

舞園（考えてみても、不二咲さんは不確定Aで証拠の隠滅という紛らわしい行動に走っていますが）

舞園（それを除けば彼女自身もその他大勢と同じく、山田君殺害の犯人を捜す必要がある訳ですし）

舞園（私が血のついたハサミを見せてしまった以上、そのハサミが何処にあったものなのかという）

舞園（調査を行っていても何らおかしくはありません）

舞園（流石私……！　よく気づけました……！！）

.

　.
不二咲「舞園さんと、情報や手がかりの交換を兼ねてお話したんだ」

不二咲「そしたら舞園さんが、山田君殺害は苗木君が怪しいって言って……」

苗木「えっ……？」

十神「おい舞園、お前は霧切と同じく苗木の熱心なストーカーだったんじゃないのか」

舞園「あ、や、嫌ですねぇ。私は苗木君一筋で彼が犯人だとは全然全くこれっぽっちも思っていませんでしたが」

舞園「一応苗木君の部屋からハサミが出てきたんだから、そう言うしかないじゃないですか……！」

大和田「……まぁ、そうかもしれねぇ」

舞園「ふふっ、そうですよ」

不二咲「……僕、なんで苗木君が怪しいか証拠でもあるの？　って聞いたんだ」

不二咲「そしたら、もう何度も言うけど血のついたハサミを見せられて……」

霧切「……なるほどね」

不二咲「裁縫箱に入っているハサミじゃないことは分かったから……」

不二咲「すぐに工具箱のハサミだってことはピンと来たよ……」

十神「そして、残った時間で調べたんだな」

不二咲「う、うん……」

舞園（一応、あの時のことを思い出してみましょう）

.

　.
舞園（ハサミを不二咲さんに見せたのは、最初に彼女とおはなししたときでした）

舞園（不二咲さん、十神君、そして石丸君と続き、最後にもう一度不二咲さん）

舞園（そういう順番でおはなししたんでしたね）

舞園（不二咲さんが、すぐに工具箱のハサミと、ピンと来たと言っているのは）

舞園（先ほど私たちの前で説明したような事に、あの時点で気づいたということでしょうね）　>>240

舞園（ここまでは問題無いような気がします）

十神「ふん。調べたということは分かった」

霧切「ええ」

十神「では俺が今から質問する疑問は当然の流れだが」

十神「誰の部屋を調べた？」

大和田「確かに、そいつは重要だ」

桑田「お前まで霧切みたいに重要だ重要だって言い出すようになっちまってよぉ」

大和田「茶化すんじゃねぇよ桑田、犯人に繋がるかもしんねぇんだぞ」

十神「答えろ不二咲」

不二咲「え、えっと……」

.

　.
不二咲「さっきも言ったように……、全員は調べられなくて……」

不二咲「工具箱の中身を見れたのは、石丸君と桑田君と――」

桑田「はぁぁぁ！？　いつだっ！！　いつ見た！！」

不二咲「えっ。だって桑田君、部屋にいなくて……」

桑田「俺は殆ど部屋に居たぞっ！」

桑田「俺のこと嫌いだから犯人にしようってのか知らんが、てきとーな事言ってんじゃねぇよ！！」

舞園（あれ……）

舞園「……そうでしょうか？」

桑田「ど、どうしたんだ舞園ちゃん」

舞園「私、不二咲さんにハサミを見せたあと石丸君ともおはなししましたが……」

舞園「石丸君、言いましたよね？」

石丸「む……！　僕かね」

舞園「私と会う前に誰かとなにかお話したか、聞いたとき……」

石丸「ああっ！　そうであったな……！！」

舞園「桑田君は石丸君と会っていたんでしょう？」

桑田「あっ、そういや……」

.

　.
石丸「うむ！　確かに舞園君と話す直前に、桑田君と会っていたぞ！！」

舞園「ええ、そして」

舞園「特に何も話すことなく、石丸君曰く自室に戻ったのではないかということでしたが」

舞園「私は不二咲さんにハサミを見せた後」

舞園「次に十神君とおはなしして、石丸君と会いました」

十神「……舞園が前後に誰と会っていたかまでは勿論知る術もないが」

十神「証言しておくが、舞園と話をしたことは事実だ」

舞園「桑田君と石丸君がいつお会いしたかという正確な時刻までは、私には知りようもありませんが」

舞園「工具箱を見るだけならば、三十秒も有れば十分で一分も見積もれば余る程度です」

舞園「不二咲さんに、留守だった桑田君の部屋を見る時間は十分にあったのでは？」

桑田「たっ確かに舞園ちゃんが言う通りだ。そ、そうかもしれねぇ」

桑田「……」

桑田「だが俺は工具箱のハサミなんて使ってねーし、そもそも箱から取り出したこともねーぞ！！」

不二咲「う、うん……。石丸君と桑田君の工具箱には、ハサミは確かにあったよぉ」

桑田「だろうがっ！！」

十神「……ハァ」

十神「おい不二咲。他に誰を見た」

.

　.
不二咲「な、苗木君……」

霧切「苗木君の部屋からハサミが見つかったと聞いた以上、当然ね」

不二咲「うん……。でも苗木君の工具箱にもハサミは入ってた……」

苗木「そうだろうね」

霧切「ええ、勿論よ」

桑田「なんで霧切まで応えてるんだ……？」

葉隠「あんま考えたくねーべ」

桑田「しかしよく考えたら舞園ちゃんもこんなかもしんねーのか……」

桑田「…………」

葉隠「桑田っちが黙ってるのは似合わんべ」

桑田「まぁ俺はさっきも言ったように、舞園ちゃんがいいならそれでいいんだけどよ……！」

十神「……妄信とやらか」

桑田「ああっ!?」

霧切「不二咲さん、続けていいわ」

不二咲「うん……」

.

　.
不二咲「でも、後は山田君の部屋しか見てないんだ……」

大和田「山田の、か」

不二咲「うん」

霧切「山田君の部屋の工具箱にハサミは？」

不二咲「無かった、けど」

苗木「無かったの……！？」

不二咲「そう。で、でもさ……」

大神「……不二咲の言わんとする事は我にも分かる」

朝日奈「さくらちゃん？」

大神「男子全員の部屋を確認できておらぬ以上、これでは証拠にはならぬという訳であるな」

不二咲「そっ、そうなんだよ。……全員の部屋を見れていないんじゃ」

不二咲「証拠にはならないでしょ……？」

不二咲「だから黙ってたんだ……。無駄なこと言ってみんなの邪魔にならないようにしようと思って……」

舞園「それでも聞かれたから一応答えた、ということですね」

不二咲「うん……。力になれなくて、ごめんなさい……」

.

　.
石丸「残された唯一の頼みの綱のように感じたのであるが……」

大和田「空室の部屋に拘らずに全員の部屋を頼んででも確認すべきだったか」

十神「お前がそれを言うのか大和田？」

大和田「……？　どういう意味だよ」

十神「今でこそ工具箱を調べる理由は分かっているが」

十神「お前はいきなり部屋に来た奴から工具箱を見せろ、と言われて見せるのか？」

十神「……これでは聞き方が悪いか。見せはするかもしれないな、だが何か怪しいと思わないのか？」

大和田「……そうかっ、確かにそうだな……」

朝日奈「二人で分かったようなこと言ってるけどどういうことなのさ。説明してよ！」

霧切「不二咲さんは不確定Aだという事を隠そうとしていたわ」

霧切「自分が犯人だと疑われる危険を避ける為にね」

苗木「そういう事情がある不二咲さんが」

苗木「わざわざ目立ちたいと言わんばかりに部屋の工具箱を見たい、なんてとても頼めないってことだね」

桑田「でも凶器は工具箱に入ってるハサミだから見せろ、って言われたら別に見せてやるぜ俺なら？」

十神「馬鹿が。ハサミは舞園が持っているんだろうが」

.

　.
舞園「そうですね……」

霧切「ええ」

桑田「……どういう意味だよ。何で俺が馬鹿になんだよ！！」

十神「おい桑田、よく聞け」

十神「自分は血のついたハサミを見て、凶器が工具箱に入っているハサミだと知っている」

十神「だがお前にその血のついたハサミを今ここで見せる事は出来ない」

十神「それでも山田殺しの凶器はハサミだと間違いなく決まっているから」

十神「口だけだが今言ったことを信じて自分を部屋に入れ調べさせろ」

十神「こう言うことになるんだぞ」

十神「大好きな屑咲からそう言われて、お前は本当に快く見せてやるのか？」

桑田「そ、そりゃ……」

十神「不二咲が怪しいとは微塵も思わないのか？」

桑田「……」

十神「怪しまれる危険があるのならば、こいつの立場上動ける訳がないだろうが」

不二咲「……」

十神「むしろどうして、凶器に留まらず犯人特定の確定的な証拠となる現物を持ち合わせている舞園が」

十神「捜査時間中に動かなかったことの方が俺は不思議だ」

舞園「えっ、私ですか……？」

舞園「私は、このハサミが工具箱の物だって知らなかったんですよ……」

舞園「知らなかったのに、調べられるわけないじゃないですか！」

十神「ティッシュじゃなくてハサミを見せて欲しかったなぁ俺は。ククッ……」

舞園「そ、それは……」

十神「まぁいい。……しかし不二咲も不二咲だ、大和田を使おうとは思わなかったのか」

.

　,
大和田「……確かに、俺に言ってくれりゃ協力したんだが」

不二咲「おっ、大和田君には……。前にも言ったようにもう迷惑をかけたくなくて……」

大和田「そうは言うがよ、あれ以上の迷惑もそうそうねぇーぞ？」

大和田「頼んで部屋見せてもらうくらい、あれに比べりゃなんともねーよ」

不二咲「で、でもさぁ。ぼ、僕には無理だよぉ……」

大神「確かに、我には不二咲がそれほどまでに面の皮が厚いとも思えぬ……」

十神「……ふん。大和田の部屋を調べていないのもそういうことか」

不二咲「うん……。大和田君にはもう出来るだけ会いたくなくて……」

大和田「俺に面倒かけない為か」

不二咲「……」

十神「その計らいの賜物として、証拠不十分となり大和田に留まらず全員に面倒がかかっているわけだ」

朝日奈「ちょ！　そんな言い方しなくたって……」

十神「事実だろうが」

不二咲「ご、ごめんなさい……」

霧切「待って」

十神「……なんだ」

霧切「本当に、証拠として不十分かしら？」

桑田「は？」

.

　.
十神「おい霧切、それは俺への当てつけなのか」

霧切「フフッ。……違うわ」

十神「ではどういう意味だ、説明しろ」

霧切「不二咲さんの証言を整理してみましょう」

石丸「うむ！　今までの裁判を振り返れば、何ごとも整理するとこからはじまったからな！」

霧切「まず工具箱にハサミが入っていた、ということが確定しているのは？」

舞園「ええっと。石丸君と桑田君、そして苗木君でした」

霧切「反対に、ハサミが入っていなかったのは誰かしら」

苗木「山田君の部屋、だね」

霧切「これだけ分かっていれば十分よ」

大神「霧切よ、何を考えている……？」

霧切「そもそも」

霧切「不二咲さんの証言を聞いて、おかしいと思わなかった？」

舞園「おかしい、ですか？」

石丸「一体どこがおかしいのかね！」

霧切「……そうね」

霧切「もう一度不二咲さんの言ったことを思い出してみて」

.

　.
舞園（不二咲さんの言ったこと……）

　≧「う、うん……。石丸君と桑田君の工具箱には、ハサミは確かにあったよぉ」

　≧「うん……。でも苗木君の工具箱にもハサミは入ってた……」

　≧「山田君の部屋の工具箱にハサミは？」

　≧「無かった、けど」

舞園（何故、この人たちなのか……）

　≧「山田君殺害について言及すれば、苗木くんが怪しいでしょう」

　≧「苗木君が怪しいでしょう」

　≧「ん、ああ。そうだね……、桑田君と会ったくらいだが」

　≧「この山田君のお部屋なんだけどぉ……、何か気にならない？」

舞園（ここで、気になることは……。>>430……？）　桑田or石丸or苗木or山田

.

じゃあ山田で

　.
舞園（山田君……？）

舞園（……）

舞園（山田君の工具箱には、ハサミが無かった……）

舞園（どうしてハサミが入っていなかったのでしょうか）

舞園（山田君には工具箱のハサミを使う理由があった……？）

舞園（その可能性は限りなく低いはず）

舞園（では一体、何故なのか……）

舞園（無くなっているハサミに強く関わっているであろうこと。それは……）

舞園（山田君を殺害した犯人）

舞園（……ここが分かりません）

舞園（なぜ犯人は、山田君の工具箱からハサミを抜いたのか……）

舞園（それは……？）　　>>436

.

自分のハサミと入れ替えるため

　.
舞園（ハサミを入れ替える……）

舞園（自分のと、山田君とのハサミを入れ替える……？）

舞園（どうしてそのような面倒なことをする必要が……）

舞園（……いや、そうではなく）

舞園（入れ替えた、では言葉が悪くて……）

舞園（山田君の工具箱に元々入っていたハサミを、自分の工具箱に入れた……）

舞園（この理由は明白ですが）

舞園（犯人は自分の工具箱からハサミを抜き、そして山田君を殺害）

舞園（ただし、このまま行けば……）

舞園（自分の部屋にある工具箱をもしも調べられてしまった場合、ハサミが無いと怪しまれてしまう）

舞園（この推理で行けば、そもそもハサミの種類が合わない女子は除外され……）

舞園（裁縫箱ではない、工具箱を持つ男子に犯人が限定されますが……）

舞園「……あれ？」

苗木「ど、どうしたの？」

舞園（……今の推理には、矛盾とまでは決定できないまでも）

舞園（気にかかる点が生まれてきました……）

苗木「舞園さん……？」

舞園「……」

舞園（そもそも犯人は、他人の工具箱を開けてしまうという発想を持ち合わせていたのでしょうか？）

舞園（その思考を持ち合わせていたのであれば、行動と照らし合わせた際に……）

舞園（どうにも納得できない点があるような……）

.

　.
舞園（え、えっと……。つまり……）

舞園（この違和感の正体は……？）

苗木「ねぇ、舞園さんってば」

舞園「……」

舞園（頭が混乱してきました……）

舞園（思い出してみましょう、このハサミについて……）

舞園（まず、見つけたとき……）

　≧「ハサミ……？」

　≧「これ。血がべっとり付いてますね……」

　≧「苗木君の部屋に、どうしてこんなものが……」

舞園（ハサミは確かに苗木君の部屋に間違いなく存在した）

舞園（そしてこのハサミから裁判で導かれたこと……）

　≧「まず、僕が山田君のアナウンスを聞いて部屋を出た時……」

　≧「ゴミ箱は空だったはずだ」

　≧「そして確認しておくが苗木の言うように苗木自身、次に自室を訪れることになった時には……」

　≧「俺が同伴しておりゴミ箱は空だった」

　≧「要するに、苗木はハメられたってことか」

舞園（誰から……？）

舞園（それは間違いなく犯人）

.

　.
舞園（なぜ犯人は苗木君を狙ったの、か……）

舞園（それは）

　≧「となれば、ゴミ箱に入れられた時間は捜査時間が始ってすぐだな」

　≧「俺とお前が、集合した後にすぐ山田の部屋に入っていったことを見て」

　≧「確実に無人の部屋を狙ったんだ」

舞園（……犯人は無人の部屋を狙った）

舞園（部屋には誰もいなかった）

　≧「うん……。でも苗木君の工具箱にもハサミは入ってた……」

舞園（犯人は、苗木君を陥れる為にゴミ箱にハサミを見れたはず）

　≧「確実に無人の部屋を狙ったんだ」

　≧「要するに、苗木はハメられたってことか」

舞園（犯人の目的は苗木君に罪を着せる……）

　≧「うん……。でも苗木君の工具箱にもハサミは入ってた……」

舞園（………………そうですよ）

　≧「だがこうなると、犯人は大層な馬鹿だな」

舞園（犯人が、他人の工具箱を開けるという発想を持っていたはずがない……）

舞園（なぜなら……）

　｛　に　ぐ　ば　あ　い　る　う　と　た　ん　こ　こ　を　の　う　け　｝

　｛　な　ら　ば　を　あ　て　う　も　こ　し　せ　た　わ　ち　い　｝

　｛　き　よ　た　へ　や　つ　を　の　に　せ　う　と　え　み　ぎ　し　な　｝

　｛　が　に　な　ん　は　る　さ　ほ　よ　う　こ　み　な　に　と　｝

　｛　ま　り　つ　｝

　｛　へ　こ　ば　こ　な　の　や　え　ぎ　う　か　ぐ　ら　の　｝

　｛　を　ち　っ　は　も　く　は　さ　さ　て　ず　み　い　｝

.

>>461
これの入れどころがわからん

他人の工具箱を開けるという
｛　な　ら　ば　を　あ　て　う　も　こ　し　せ　た　わ　ち　い　｝
｛　き　よ　た　へ　や　つ　を　の　に　せ　う　と　え　み　ぎ　し　な　｝
鋏が二本になるようなこと
つまり
苗木の部屋の工具箱から
鋏を持ち去っていくはず

>>464
三行目だな

他人の工具箱を開けるという
思考を持ち合わせていたならば
罪を着せようとした苗木の部屋に
はさみが二本になるようなこと
つまり
苗木の部屋から工具箱の
はさみをもちっ去ていくはず

>>468
４行目怪しいな

4行目これであってんの？
だとしても作るときの日本語おかしすぎ

風呂から帰ってきた俺氏書き込んだのを見てワード抜けに気がつく
ビクビクしながら更新ボタンを押すと案の定>>475に指摘されていたので謝罪と弁明・・・
まずごめんなさい　理由を言うと

本当は前スレ233みたいに
　　｛　不　と　可　は　能　こ　｝　だということ。
みたいな感じで外部ヒントで
　｛　が　に　な　ん　は　る　さ　ほ　よ　う　こ　み　な　に　と　｝　はしない
にする予定だったんだけど、｛｝の中身から書いていったので外部を忘れてた・・・いや本当ごめん

　.
舞園（……！）

舞園（……）

舞園（ようやく、分かってきたような気がします……）

舞園（犯人は、工具箱そのものが眼中に無かった）

舞園（そうでなければ、苗木君の――――）

霧切「――――わかったかしら？」

舞園「っ……、あ……」

舞園（そういえば霧切さんが話してて……）

苗木「舞園さん？」

舞園（ん、苗木君……）

舞園「……どうかしましたか？　苗木君」

苗木「良かった、やっと返事してくれて……」

舞園「……？」

苗木「なんだか思いつめてた表情だったからさ、ずっと呼びかけてたんだけど」

苗木「返事もしてくれないし」

舞園「え、そ、そうだったんですか……！」

舞園「……ごめんなさい。ちょっと考え事をしてて」

.

　.
苗木「ああ、いや。それならそうで別にいいんだ」

舞園「でも、無視しちゃったみたいで……」

苗木「いいよいいよ！　気にしてないから」

苗木「具合でも悪くなったんじゃないかって思っただけで、本当それだけだからっ」

舞園「クスッ、苗木君はやっぱり優しいんですね」

霧切「……」

霧切「いいかしら？」

苗木「あ、うん。霧切さんの話も勿論聞いてたよ」

霧切「……なら、いいのだけれど」

桑田「つまり霧切の言いたいことってのは」

桑田「苗木の部屋にハサミが二本あったのは明らかにおかしいってことか」

舞園「え……」

舞園（私と同じ風に……？）

不二咲「確かに言われてみたら……」

不二咲「苗木君を犯人に仕立て上げる為に凶器のハサミをゴミ箱に入れた人が」

不二咲「苗木君の部屋にあった工具箱からハサミを抜いていかないのはどう考えても変だよねぇ」

.

　.
石丸「うむ。言われてみればその通りだ！」

石丸「そもそもハサミは全員に一本ずつしか配られておらぬのだからな！」

大和田「なんだか難しいことになってきてるが」

大和田「俺には分かりそうで分からねぇぞ……」

大神「……考えてみるとしよう」

霧切「そうね」

霧切「なぜ、犯人は工具箱のハサミを抜かなかったのかしら？」

十神「抜かない理由はないはずだ、むしろ抜くべき場面だった」

桑田「もうさそれ、忘れたしかありえねぇだろ」

霧切「でも、本当にそんな大切なことを忘れるかしら？」

桑田「そりゃ俺ならまず忘れねーよ？　だってよぉ」

桑田「人殺しちまって誰かに冤罪を着せようなんて人生掛かってんだぜ？」

霧切「そう、普通ならばまず忘れないはずよ」

霧切「ではどうして、苗木君の工具箱のハサミはそのままだったのかしら？」

葉隠「そもそもどうしてハサミがそのままだったら、駄目なんだべ……？」

霧切「……」

.

　.
霧切「もう一度、とても大切なことなのではじめから言うわ」

舞園「お、お願いします……」

霧切「……」

霧切「前提として、男子に配られている工具箱は一人一個、そしてハサミはその中に一本だけ」

石丸「今僕が言ったことであるな……！」

霧切「そして苗木君の部屋にはハサミが二本あることになっていた」

朝日奈「もうこの時点で一本は誰かが持ってきたものって確定だ、っていう話だよね」

大神「うむ」

霧切「一応確認するけれど、ここまでではまだ苗木君が完全に陥れられたことにはならない」

苗木「……」

霧切「でも。先ほどの議論から、苗木君の言動と十神君の証言を鑑みるに」

霧切「彼のゴミ箱に入れられていたハサミは、誰かにって仕組まれたものだと判明している」

石丸「問題はここであるな！　大変お粗末な犯行であるとしか……」

霧切「例えば、仮に工具箱を持つ男子生徒が犯人であったとしましょう」

葉隠「犯人は男子なんだべか？」

霧切「仮定の話よ」

霧切「犯人は自分が持っていたハサミを工具箱から取り出し、山田君の部屋へ行き彼を殺害したとする」

大和田「ああ……」

霧切「この時点で、犯人の工具箱にハサミは入っていないわ」

桑田「そりゃ取り出して行ったんなら、入ってるわけねーだろ」

霧切「そして犯人は気がつくの、もしもこのままでいて」

霧切「調査時間に、勘の良い誰かに自分の工具箱を調べられてしまうとどうなるだろうか、と」

十神「首を切られた被害者、そして本来あるはずのハサミが無い奴がいる」

十神「誰に見られても、疑われて然るべき状況だ」

.

　.
霧切「そう、それに気づいた犯人はどうすると思う？」

大和田「……あーっとな」

朝日奈「ん？」

大和田「ハサミが無いのが問題なんなら、それを有るようにすりゃあいい」

霧切「そう」

桑田「要は入れちまえってだけだろ」

霧切「これ幸いにも目の前には持ち主が既に亡い工具箱が一つあるのだから、ね」

十神「言わば新品を誰にも憚ることなく自分の部屋の箱に入れることが出来るわけだ」

霧切「山田君の持っていたハサミを取り出し、自分の部屋の工具箱に入れてしまえば帳尻は合うの」

霧切「そして、被害者である山田君の工具箱からハサミが無くなっていたとしても」

霧切「それだけでは犯人に繋がる情報とはまったく行かないから、ね」

石丸「ふむ……」

霧切「いい？　もしもこういった過程を経ているのならば」

霧切「犯人は工具箱の中にハサミが入っているという重要性に気づいていなければおかしいのよ？」
　　　　　　　 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
霧切「各々の部屋に一本しかない、その重要性をね」

霧切「それを踏まえて、次のステップへ進みましょう」

舞園「次のステップ……？」

霧切「自分の工具箱に、山田君の綺麗なハサミを入れることに成功した犯人は」

霧切「もしもの場合でも疑われる心配が払拭された以上、次の行動に移る」

十神「今現在持っている凶器のハサミを使い、誰かに冤罪を着せようと思う訳だ、そうだな霧切」

　.
霧切「考えてみて」

霧切「犯人の目的は、自分の正体を裁判で当てられないことよ」

葉隠「何をまた当然のことを言ってるべ」

霧切「これは言い換えれば、どういうことかしら？」

舞園「言い換える……？」

霧切「学級裁判では、一人の犯人を議論の末に選ぶ」

石丸「うむ……」

霧切「犯人はこれに選ばれてはいけない」

霧切「さっきも言った当てられないとは、そういうことよね」

桑田「まぁそうだ」

霧切「では、これをどう言い換えることが出来るか……」

不二咲「それは……？」

霧切「自分以外の誰かが選ばれるようにする、それが犯人の目的だといえるの」

大和田「おい霧切、簡単に一言で罪をぬすりつけるのが目的だって言えよ」

大和田「丁寧過ぎるのも逆にまどろっこしくて分からなく思えてくるぞ」

霧切「フフッ、ごめんなさい。でも私にも丁寧に話した意図はあるのよ」

大和田「意図……？」

霧切「私がこう遠回りしてまで伝えたかったことはね」

霧切「犯人は、冤罪を着せるという明確な目的の為に動いてたということ」
　　　　　　　　 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
霧切「勿論、もう全員に分かって貰えたでしょう……？」

舞園「……は、はい」

.

　.
霧切「そして、その目的の為に行動を開始するのだけれど」

霧切「決め手、があるわ」

腐川「決め手ぇ……？」

霧切「今現在犯人が持っている、山田君を殺害した凶器そのものよ」

大神「それが霧切のいう決め手か…・・・」

霧切「別に私だけがそう思っている訳ではないわ」

霧切「あなた達も、この犯人の立場になって考えてみて」

朝日奈「あんまり考えたくないけど、うん……」

霧切「誰かに冤罪を着せると決めた。そして手には実際の凶器となったハサミがあるのよ」

霧切「これを使わないの？」

大神「……訂正しよう。誰が見ても明らかな決め手となるか……」

十神「事実苗木のゴミ箱にハサミは入っていたんだろうが」

霧切「では、これを使いどうするのか」

葉隠「俺なら嫌いな奴の部屋にハサミを捨てて犯人にしてやるべ」

桑田「うおっ!!　お前サラっとえげつねぇ事言うなぁ……」

葉隠「桑田っちは嫌いじゃないから大丈夫だべ」

大和田「類友って奴だろ」

桑田「はあ！　どういう意味だよそれは！！」

霧切「……とにかく」

霧切「今、葉隠君が言ったことは殆ど正しいわ」

.

　.
舞園「ほとんど……？」

霧切「嫌いな人、という以外はね」

石丸「まぁ私情を挟んでいられる状況ではないはずであるからな……」

霧切「葉隠君は、嫌いな奴の部屋に、と言ったけれど」

霧切「なぜ部屋に限定しているのかしら？」

桑田「分かりきったこと聞くなよ！　そりゃ部屋しかねーだろ」

霧切「だからね、それは何故？」

大和田「例えば食堂で、凶器が見つかったっつーことになったとして」

朝日奈「誰のだろう？　って普通なるよね」

大和田「そうだ。これじゃあ冤罪を着せるって目的には至っていないからな」

不二咲「うーん。全員いつでも自由に出入り出来る場所じゃぁ、そうなるよねぇ……」

霧切「不二咲さんの言うように、手段が弱いの」

十神「目的を達成するには、な」

石丸「であるから、一個人の私室に投棄したという訳だな！」

石丸「今回は苗木君であったが……」

苗木「うん……」

.

　.
霧切「でも、ここで問題が発生する」

大神「問題……？」

霧切「犯人は誰かの部屋にハサミを捨ててしまえばいいと考えた」

霧切「でもどうやって？」

葉隠「どうってもこうっても、超能力者じゃねぇんだし直接出向いて捨てにいくしかねぇべ」

朝日奈「あんたが超能力者云々って言うんだ……」

葉隠「俺は占いは出来てもハサミを瞬間移動させることは出来ないべ」

葉隠「ちょっとは頭使うべ」

舞園「葉隠君が頭を使えって……」

十神「自称エスパーでもハサミを転移させることは無理だよなぁ」

舞園「は？　当然でしょう、何聞いてるんですか……？」

十神「他意はないぞ、ククッ」

霧切「考えるまでもなかったわね。それについて、犯人が取る方法はやはり一つしかない」

霧切「凶器のハサミを懐に隠し、直接誰かの私室に侵入した上で凶器を投棄する」

石丸「先ほど行った議論に帰着する、かのように僕は感じてきたぞ……！」

朝日奈「……？　どういうこと？」

.

お前と違って24時間空いてるニートばかりじゃないんだよ
むしろ今まで13日もの間毎日書いてた方が凄いってのに何言ってんだ

　.
石丸「そう、だな」

朝日奈「……？」

霧切「……」

石丸「……いや。まずは霧切君の話を最後まで聞こうではないか」

石丸「話を遮ってしまってすまない！　続けてくれたまえ」

霧切「……ええ」

朝日奈「ごめんね。邪魔しちゃって」

霧切「構わないわ。それでは続けようかしら」

苗木「うん」

霧切「凶器のハサミを誰かの個室へ投棄する方法は一つしかない」

霧切「それは葉隠君のいうように、犯人自身が直接出向くというもの」

桑田「まぁ代理に頼めることでもねーし。自分で行くしかないわな」

大神「ここで霧切のいう、問題が発生すると……？」

霧切「そう。ここで思い出してほしいことがあるのだけれど」

大和田「思い出す、か」

舞園「それは……？」

.

　.
霧切「不二咲さんのことよ」

桑田「不二咲ぃ？」

霧切「彼女が、全員の部屋を確認出来なかった理由は何だったかしら？」

不二咲「そ、それは……」

大和田「……目立つ行動は取れなかったからだ、前にも言っただろうが」

十神「そうだ。俺たちは不確定A、と呼んだが」

十神「不二咲は山田の目撃者となった事実を、伏せねばならなかった」

石丸「自分が疑われぬ為に、だな！」

十神「正体を隠すために目立つ……、怪しまれる行動を取ることは出来ない」

十神「だが自分は犯人ではない以上、山田を殺した犯人を見つける必要はある」

十神「その為に凶器の調査は是非とも行いたい」

葉隠「板挟みって奴だべか」

苗木「苦渋の末。結果として、不二咲さんが行えた事は安全圏での捜査のみだった」

桑田「鼠みてぇに、留守だった俺と石丸の部屋を見たんだったな」

不二咲「……」

朝日奈「ちょっと桑田！　もうその話はいい加減いいでしょ」

.

　.
桑田「……チッ。まぁいい、続けろよ」

苗木「……それで、不二咲さんが見たのは」

苗木「空室である桑田君と石丸君、そして被害者である山田君の部屋……」

大和田「まぁ山田の部屋を調べるのは傍から見ても問題ねぇはずだ」

石丸「現場、であるからな！」

十神「もう一つ、苗木の部屋だったが」

大神「それは舞園から、凶器は苗木の部屋で見つかったのだと聞かされていたのであれば……」

大神「調べるのは当然であろう」

十神「そうだな」

十神「苗木の部屋に、苗木自身が居たかどうかは、その時点の不二咲には分からなかったはずだが」

十神「苗木一人程度であるならば、どちらにしても問題は無かっただろうからな」

朝日奈「……どういう意味？」

霧切「苗木君がいなければ、同じように調査を行えばいいわ」

霧切「そして仮にいたとしても、話をすればいいだけだもの」

舞園「話、ですか」

.

　.
十神「ここで思い出せ。苗木は、はじめの集合やその後の調査時間冒頭においても」

十神「全員の前で熱心な行動を示していたはずだ」

葉隠「はあ……。よう分からんが、言われてみりゃ確かに苗木っちは……」

葉隠「山田っちの部屋に初めに集まったあの時から、事件についてよく喋っていたべ」

朝日奈「十神と一緒に、山田の部屋へ調査の為に入って行ったのも苗木が最初だったしね」

十神「それを踏まえて、苗木であるのならば部屋を訪ねた姿を第三者に目撃されてしまったとしても」

十神「また苗木自身と会うことになるとしても」

十神「事件について聞きたいことがあった、ある、とでも言えばどうとでも誤魔化しは効くからな」

大神「結果として、当時苗木は部屋にいなかったわけであるが……」

大神「……苗木が部屋にいた場合であったと仮定しようとも」

大神「怪しい言動がないか、あわよくば凶器について探れぬかなどと……」

朝日奈「苗木が部屋にいても、いなくても、やりたいことは沢山あったってことだね」

石丸「確かに苗木君であるならば、ただ部屋を調査する以上のことが分かる期待も出来……」

石丸「かつ、目撃されるというリスクにも一定の軽減要素が同じく期待出来る、ということか！」

大和田「十神がいう苗木一人程度なら問題ない、ってのはそういう意味だろうな」

桑田「……」

桑田「なんかまどろっこしくなってきたなぁ……」

桑田「もうさ、不二咲の行動の正当化は飽き飽きしたって感じなんだが」

桑田「結局のところ霧切は何が言いたかったわけだよ？」

.

　.
朝日奈「うーん、それは確かに。なんかイマイチ繋がらないんだよね」

桑田「さっきまで仮定した犯人について話してたはずなのに、いきなり不二咲だからな」

霧切「……」

霧切「そうね、一応謝っておくわ」

霧切「若干、話が脇道に逸れてしまったことは否定できないから」

大神「されど、霧切にはやはり何か考えがあってのことであろう……」

桑田「考え、……ねぇ」

葉隠「言われてみりゃ」

葉隠「どうしてここで、また不二咲っちが出てきたべ？」

桑田「不二咲は、山田を殺した犯人じゃないことが確定してるんだろ？」

霧切「……それについて」

霧切「私が不二咲さんの話をここで再び行ったのは……」

霧切「彼女の行動を改めて検証しようという意図では無く、とある一点を見てほしかったのよ」

舞園「とある、一点……」

舞園（やはり……、私と同じように考えている……？）

舞園「……」

舞園「石丸君と、桑田君についてですか」

霧切「……フフッ」

桑田「ん、俺と石丸……？」

石丸「……ふむ」

.

　.
霧切「舞園さんの言う通り」

霧切「不二咲さんについての行動を洗いなおすという流れになってしまったために」

霧切「山田君と苗木君にまでも、検証の矛先が向いてしまったけれど」

霧切「……」

霧切「本来私が見てほしかったのは、一番初めに出てきた桑田君と石丸君についてなの」

葉隠「さっぱり分からんべ」

十神「愚民共に分かるように要約してやる」

舞園「……」

十神「山田を殺した犯人と不二咲は、共通している部分がある」

大和田「共通……」

十神「正体を隠すために目立つ……、怪しまれる行動を取ることは出来ない」

十神「先ほど不二咲の件で、俺が言ったことだ」

葉隠「そりゃあ犯人なら正体を隠すことは当然のことだべ」

葉隠「何当然のこと言ってるんだべ」

十神「……そうか。当然のことならば、当然分かるはずだ」

桑田「は……？」

.

　.
十神「わからないのか？」

十神「犯人は空室の部屋を狙う必要があったということに」

桑田「……お？　お、おう……」

桑田「なんか拍子抜けだな」

十神「だから言っただろうが、何度も」

十神「当然のことだと」

葉隠「……」

十神「だが、ここで霧切のいうところの問題が発生するわけだ」

十神「後は代われ、苗木」

苗木「う、うん。えっと、もう僕を含めて全員が聞き飽きた事だとは承知しているけど」

苗木「不二咲さんは自分が不確定Aだという正体を隠すために」

苗木「少しの怪しい行動も取れない立場だった」

大和田「ああ」

苗木「その為に、本当何度も言うけど例外を除いて無人だった石丸君と桑田君の部屋……」

苗木「この二つを調べたんだ」

十神「では犯人はどうだ？」

.

　.
大和田「犯人……」

十神「不二咲と同じようにやれると思っているのか」

葉隠「同じように、ってどういう意味だべ」

苗木「……」

苗木「そういえば、不二咲さんにはさ」

苗木「どうして石丸君と桑田君の部屋が無人だって分かったんだっけ？」

石丸「ふむ、これも分かりきった事であるが」

石丸「僕と桑田君が共にいた姿を目撃し、そのために……」

桑田「確実に留守だって分かった俺達の部屋を調べたんだったな」

十神「それは、分かっているな」

大和田「ああっと、要するに不二咲と同じようにってのは……」

苗木「犯人はその場で空室を調べる事が出来たか、だね」

桑田「……あぁっ!!!!」

葉隠「く、桑田っち。ど、どうしたべ……？」

.

桑田「閃いちまったぞ……！！」

苗木「な、何かな？」

桑田「山田が殺されたのは朝飯を食った後の、八時から九時までの間だったよな？」

苗木「うん。そうだけど」

桑田「八時から九時頃っていえば、まだ不二咲とか飯食うのおせぇ奴は食堂にいんだろ！」

不二咲「……えっ」

桑田「いや、別に不二咲じゃなくても構わねーが。とにかく、食堂にいた誰かを狙えばいいわけだッ！！」

葉隠「なるほどそりゃその通りだべ……！」

葉隠「食うのが遅い奴を狙えばいいんだべ……！！」

霧切「……」

苗木「……」

舞園「……」

桑田「……あれ？　何で誰も答えねーんだよ」

十神「お前、どこまで本気で言っているのか知らんが」

桑田「あ……？」

十神「山田のダイエットを忘れたのか？」

.

　.
桑田「ダイエット……、ああー。そういやそんなんが……」

十神「これを見ろ」　_【不二咲の証言4】

葉隠「八時十五分にはまだ食ってたらしいべ……」

十神「これは、その食事が遅い不二咲が食堂を出るときに見たものに対する証言だったな」

十神「と、言うことはだ」

桑田「ことは？」

十神「山田よりも遅くまで食ってた人間など、今日ここには誰もいないことになるんだぞ」

朝日奈「……つまり？」

十神「犯人は動く事が出来ない状況にあったということになる」

桑田「おい苗木！！！！」

苗木「僕っ!?」

桑田「なんで山田はダイエットなんてしてたんだよぉぉぉ！！　お前のせいだろうが！！」

苗木「それは違うよっ!!　僕は関係はないはずだ……っ」

桑田「こいつマジでそう思ってんだろうから性質が悪ぃんだよなぁ……」

苗木「……？」

桑田「とにかく、せっかく閃いたと思ったのによ」

葉隠「桑田っちも良い線行ってたべ」

桑田「しかしこうなると、俺が犯人ならどうすっかな」

朝日奈「どう？」

.

　.
桑田「片っ端から部屋の扉開けていく訳にもいかないだろ」

十神「運良く一回目の部屋が空室だった場合、それでもいいだろうがな」

十神「そしてそれに賭けるか」

桑田「でも人生掛かってんのに、普通運頼みはしねーわ」

霧切「……」

霧切「そうね。その通りでしょう」

霧切「運が良ければ最初の一室が空室かもしれない、でもそこに誰かが居た場合……」

大和田「普通に考えれば、その場を誤魔化して次に当たるしか無いだろう」

霧切「まだ、ね」

霧切「この時点でならば、少し変な行動をする人だ、程度で済むでしょう」

十神「ただし山田の死が周知の事実となるのは時間の問題なわけだが」

霧切「……山田君が死んでいた」

霧切「そしてアナウンス以前の時間、自分の部屋におもむろに尋ねてきた人物……」

霧切「怪しく、ないかしら？」

朝日奈「うーん、怪しいような気がするけど……」

朝日奈「それだけじゃまだ、なんとも言えないかなぁ」

.