父「ただいま~…」兄妹母「…………」(344)
父「…ただいま」
兄「…母さん。この肉じゃがおいしいね」
妹「私も思ってた。作り方変えたの?」
母「ふふ。今日は圧力鍋で作ってみたの」
兄「へぇ。こんなに変わるものなんだ」
父「…おい。ただいま」
妹「母さん、圧力鍋なんて高かったんじゃないの?」
母「あ、お友達から譲ってもらったの。もう古くなったからってね」
兄「お母さんはママ友達多いなぁ」
母「あら。兄だって友達多いじゃない。学校は楽しいんでしょ?」
兄「まぁね」
妹「やー私も友達多くて忙しくてかなわないや!」
兄「お前はもっと勉強しろよ」
妹「なんだとぅ!?」
母「ふふふ…仲良いわねぇ」
ガヤガヤワイワイ
父「…おい…おかえりは…?」
ブーッブーッブーッ
妹「あ、友達から電話だ」
母「あら、食事中に行儀悪いわよ?」
妹「ごめんごめん。…あ、もしもしぃ?…ああ、明日は…」ペラペラ
父「…おーい。お父さんが帰ってきたよーっ…」
兄「あ、母さん。明日は創立記念日で学校休みだから」
母「あら、そうなの?じゃあ弁当はいらないわね?」
兄「うん」
父「…おい、みんな。無視しないd」
妹「あ、ごめん。後でかけ直すね………」ピッ
妹「お父さん、さっきからうっさいんだけど!!!!!!!!!!!!!」
父「っ?」ビクッ
母「…妹。怒っちゃダメよ」
妹「だって、さっきからうっさいんだもん!!!」
妹「ムリして会話に入るのマジでやめてくんない!?」
父「だ…って。家族の誰かが帰ってきたら、ただいま。おかえり。」
父「これが普通じゃないか…」
妹「あーもうっ!そうやって段階を踏まないと落ち着かないその性格!」
妹「マジ頭固い!うっとうしい!」
父「…そ、そうなのか。ごめんな」
兄「…妹。言いすぎだって」
妹「昨日だってさ…私達がおかえりって言うまで棒立ちだったじゃん…」
兄母「…」
妹「私、そういうのマジで無理…きもい。男のクセにウジウジしすぎ」
父「あ…ごめん…」
妹「あー…もういい。友達待たせてるし…」ピッ
父「…」
姉「ただいまー」ガチャ
兄妹母「おかえりー」
父(!?)
姉「あー疲れた。大学マジしんどいわー」
兄「そういえば、僕も来年は大学生なんだよな…」
母「あら。兄は受験のことを忘れてるのかしら」
兄「大丈夫大丈夫。受かるから」
母「ふふ…ギリギリだった姉と違って兄は頼もしいわね」
姉「ちょっ、結果的に受かったんだからいいじゃん!」
妹「あ、さっきはゴメン。で、明日のことだけどさぁ…」
ガヤガヤワイワイ
父(お…おかしいだろう…何だこの扱いの差は…)
兄「ごちそうさま」カチャカチャ
姉「あ、私も晩飯ー!お母さーん」
母「はいはい。今、用意するわね」
父「か、母さん。僕の分もだろう」
母「…はい、はい。用意しますよー…」
父「っ…」
妹「…いいね!私も行く行く!…うん、うん。それじゃ、またねー」ピッ
父「…姉。大学お疲れ様」モグモグ
姉「…」モグモグ
父「・・・・・・・・・・・・・」
一時間後、風呂
父「…ふぅ…」
姉「…父さん?私より先に風呂入っちゃったの?」
父「ん、姉か?ははっ一緒に入るか?」
姉「…セクハラ」
父「あ…いや、そんなつもりじゃ…」
姉「まぁいいや。私はシャワーで済ませるから。ゆっくりして」
父「あ、ああ…ごめんな…」
姉「別にいいよ。じゃ、ごゆっくり」トットッ
父(…昔は一緒に入って…遊んで。…それが今じゃ)
父(僕が入った後の浴槽に入ることさえ拒否される始末…)
20分後
父「…なんでもないようなことが~♪」
父「幸せなんだと思う~♪」
姉「ちょっと父さんっ!」
父「ひっ」ビクッ
姉「何くつろいでんの!?待たせてるのにゆっくりとかあり得ないよ!?」
父「す、すまん。すぐ出るから」ガチャ
姉「ちょっ・・・・・・・・・」
父「・・・・・・・・・?」
姉「・・・マジ死ねよ」バッ
父「おい、どこに…あっ。この年になると裸を見せることに抵抗が無くなってダメだ…」
さらに一時間後、リビング
妹「…うーん。面白いテレビもやってないし寝るかぁ」
母「兄は自分の部屋で勉強してるって言うのに…あんたは…」
父「そうだぞ。今のウチかr」
妹「おやすみ母さん」
母「おやすみ。たまには勉強しなさいよ」
妹「はーい…」トットットッ
父(…わざわざ、「母さん」を付ける意味は無いだろう…)
姉「私も寝ますかね…おやすみ母さん」
母「はい、おやすみ」
父「おやすm」
姉「…」トットット
父「・・・・・・・・・・・・」
父「…母さん」
母「…」ゴロゴロ
父「…母さん?」
母「ドラマが良いところなんです。静かにしてて下さい、父さん」
父「…あっ。CMだ。話があるんだが…ちょっといいか?」
母「…」ハァ
父「…いいか?」
母「はいはい。何ですか?」
父「…っ…だ、大事な相談なんだ。よく聞いて欲しい…」
母「…」ゴロゴロ
父「…母さん?」
母「…いちいち反応を見ないと話せないんですかねぇ…?」
父「ご、ごめん。じゃあ…最近のことなんだがな」
母「はい」
父「その…僕の扱いがヒドイというか。家族らしくないというか…な?」
父「それで、皆からどう思われているなk」
母「ドラマ始まった。ちょっとごめんなさいね」
父「…この話は11時からにしようか。ドラマ終わってから」
母「はい」ゴロゴロ
父「・・・・・・・・・・・・・・」
11時
母「ふぅ…泣けるわね…」ゴシゴシ
父「か、母さん。それで、話なんだが」
母「…はい。早く済ませましょう」
父「母さんは、兄や妹、姉とも仲が良いから分かると思うんだ…僕はどう思われてるんだ?」
母「うーん…分かりませんねぇ」
父「っ…でも、僕が嫌われてるのは分かるだろう?何でなのか分からないか?」
母「…じゃあ、逆に聞きます。何でなのか分かりますか?」
父「えっ…わ、分からないが」
母「そう、ですか…本当に?」
父「ぼ、僕は…自分で言うのも何だが、相手の反応を見てから話すようにしている」
母「…」
父「それは、相手を思いやっているからこそだ。相手の気持ちを理解してから話すよう、努めている」
母「…」
父「だから、コミュニケーションは上手くいくと思んだが…どうにも…」
母「…あの」
父「…?」
母「…我慢してきましたけど、ハッキリ言いましょうか?」
父「え。え。」
母「言いますね」
母「全部、自分が正しいと思っているでしょう?」
父「えっ」
母「私は相手の反応を見てから話す。だから問題ない…そうじゃないんですよ」
父「ど、どういうことだ。何がダメなんだ」
母「コミュニケーションというのは、そんな固いものじゃないでしょう?」
母「反応するのが面倒な時もある。忙しい時もある」
母「つまり、時と場所を考えて欲しいんです。はっきり言って…子供達からしてみたら」
母「父さんと話すのは重いんです」
父「ぐっ…!っ…や、やめてくれ。もう分かったから…っ」
母「妹だって言ってたでしょ?ムリに会話に入ってくるなって」
父「…あ、ああ」
母「父さんと話すのは疲れるんですよ」
父「・・・・・・・・・・・・」
母「前だって、クイズ番組ありましたよね?私達は楽しみたいだけなのに」
母「父さんがバンバン答えを言っていくから…」
父「そ、それは。お前らがわからない…答え気になるなぁ…とか言ってたから…」
母「ほら。そうじゃない、そうじゃないんですよ。何だろうなって悩むのが楽しいんですよ」
父「よ…よく分からんよ母さん…」
母「それで、注意したら理由を聞いてくるし…」
父「そりゃそうだ。何故か分からんから。相手のことを理解しようとするのは悪いことか?」
母「…良い悪いの問題じゃなくて!!!!!!!!」ダンッ
父「」ビクッ
母「面倒なんですよ!!!!!!とにかく!!!!!!」
父「ひっ…ぅ…すまん。分かった、分かったから…」
母「…私、寝ますね。」
父「あ…ぁぁ…おやすm」
母「…」バタンッ
父「…僕も寝るか…」スクッ
父の部屋
父「…怒られないようにイヤホン付けて…と」カチッ
ちょうど一年前に…
この道を通った夜…
父「…」
なんでもないようなことが
幸せなんだと思う
なんでもない夜のこと
二度とは戻らない夜~♪
父「…そういえば。母さんと一緒の部屋で寝なくなったのは…いつ頃だったか」
父「…思い出せん」
なんでもないようなことが…
父「…幸せなんだと思う…」ボソッ
なんでもない夜のこと
父「…二度とは戻れない夜~♪」ポツリ
父「…」
父「うっ…ううっ…」グスッ
父「…そう、だっ…結婚した当時は良かった……っ」ポロポロ
父「みんな素直で…僕を慕ってくれて…っ」ポロポロ
父「仕事から帰ってきたら…子供達の相手が大変だったなぁ…っ」ポロポロ
父「もう…戻れないのか…!あの頃には…戻れないのか…」ポロポロ
父「ぐっ…ぅっ…」グスッ
父「苦しい…明日も仕事…帰ってきたら冷たい目…」グスッ
父「僕は何のために生きてるんだ…?何が楽しくて…」
父「…もう日付が変わってる…」ゴシゴシ
父「…朝8時から会議なんだ。早く寝ないと」ゴソゴソ
父「…おやすみ…」ボソッ
父「…」
父「…ぅぅ…」グスッ
・・・・
・・・
・・
・
ピピピッピピピッ
父「ん…もう6時か…6時半には出ないとな」
トットットットッ
父(…家族を起こさないように階段を降りて…)
父「…」ガチャ
父「…ん?何だこの手紙」
父「…母さんから…?」
昨日は言いすぎました。お仕事頑張って下さい。私自身は、あなたの固いところ、好きです。
子供達は反抗期なんです(笑)
私のアドバイスを試してみたら、マシになるかもしれませんよ。
父「…仕事、頑張ろう…」
25分後
父「服装よし!持ち物よし!」
父「カロリーメイトよし!」
父「…今日は、母さんの手紙も持っていくか…」ゴソゴソ
父「じゃ!行ってきます!」
シーン
父「当然返事はない!だが頑張るぞ!」ガチャ
父「ドアのカギよし!」
父「今日も一日、頑張ろう!」タッ
会社
上司「…父。ちょっといいか?」
父「な、なんですか」
上司「この書類のここぉ…保健ではなく保険だろう?こういう誤字がトラブルを招くんだぞ?」
父(…別に、社員が見る参考資料なんだからいいだろう…これぐらい分かる)
上司「返事がないな」
父「…わかりました。直しておきます」
上司「ああ。はやくな」
父(なんで能力が無くて偉そうにしか出来ないアイツが俺より上なんだよ…)
昼休み
父「あぁ~…」コキッコキッ
同僚「お疲れっ。昼飯食うか」
父「ああ…そうだな」ゴソゴソ
同僚「…そういや。お前、最近ずっとカロリーメイトだけど、どうした?」
父「ん?…ああ。弁当がないからな…」
同僚「かわいそうに。俺は毎日愛妻弁当だけどなぁ」モグモグ
父「…気になってたんだが。お前…家族と仲良いだろう?」
同僚「あ?…まぁな」
父「コツ…教えてくれ。仲良くなるコツ」
同僚「え?コツ?」
父「そうだ…最近、家族が冷たくてな…」
同僚「んー…おまえ、固いからなぁ」
父「…ぐっ。母さんにも言われたよ…」
同僚「まぁ、最近の子はアレだし。女は適応能力たっけーし」
同僚「父親が嫌われやすいのは分かる」
父「っ…っ…」グサッ
同僚「でもさ…父よ」
父「なんだ…」ショボン
同僚「おまえは変わる必要ないぜ。家族から嫌われたとしてもな」
父「え…?」
同僚「俺、昔っから大分キャラが変わったと思わないか?」
父「…まぁな。ハイカラな言葉ばっかり使うように…」
同僚「これ、家族に嫌われないためなんだよね」
父「…ははっ。上手くいってるようじゃないか。僕なんて…」
同僚「まぁまぁ、よく聞けよ。…これ、疲れるんだぜ?」
父「…嫌味か?家族と接することが出来るのに…私の方がよっぽど」
同僚「分かってねーなー」
これは深い家族考察スレ
同僚「こんなの、本当の家族のあるべき姿か?」
父「…え?」
同僚「家族に合わせてキャラ変える。それで仲良い家族完成。でもな…それってさ」
同僚「結局、仕事場や学校で周りに合わせるのと一緒。上司にペコペコすんのと一緒なワケだ」
父「…いいじゃないか。それで家族と話せるのなら」
同僚「でもさ?家族ってそうじゃないじゃん。自分の最も安心できる場所じゃん。ありのままの姿を受け止めてくれる場所であるべきだろ?」
父「…まぁ、確かに。…おまえ、僕の話し聞いてないだろう」
同僚「結局、俺と家族の関係は…家族とは言えねぇ。仲の良い友達ってところだな」
父「…」
同僚「だから…お前にはこう言いたい。変わるな」
同僚「お前も俺も…家族を愛する気持ちは変わらねぇ。そんなの当然だ」
同僚「けどな。愛のあまり自分を変えるのは間違ってる。俺みたいになるな」
父「…ははっ。語り始めたら止められないところは…」
父「…変わってないようだな?」
同僚「…まぁな」
同僚「…お前の愛はいつか伝わるはずだよ」
父「…おまえは?」
同僚「俺は…勇気が出ないだけだ。空っぽの言葉吐いて…毎日を過ごしてる」
父「…そうか。それも…愛の形…だろう?」
同僚「…はっ。よく分かってらっしゃる」
父「お前との付き合いは深いからな。お前の口グセは愛の形だ」
同僚「…くっくっくっ…久しぶりに語らせてもらったよ。ありがとう」
父「…ははっ…良い同僚を持ったものだな…」
同僚「ま、頑張れよ。応援してっから」
父「…ああ。…僕からも語らせてくれ」
同僚「お?なんだなんだ?」
父「…僕は、僕自身の方法で家族に愛を伝えたい」
同僚「はぁ」
父「だから…今夜。出来れば…いや!無理矢理にでも!」
父「家族会議を開いて徹底的に話をつける!!!!」
同僚「…ウゼーだろうな。家族からしてみたら」
父「…分かってる。分かってるが…」
父「これが僕だ」
同僚「…ま、頑張れ。報告頼むわ。ベルよろ」
父「…ベルヨロ?」
同僚「電話よろしくってことだよ」
父(本当にそんな言葉あるのだろうか…)
ポケベルかと思ったわwwwwww
上司「おいぃ、おまえら。仕事に戻れ」
同僚「ちっ…もう一踏ん張りだ。金曜日…最後の勝負!」
父「ああ…」
父(待ってろよ…僕の)
父(愛する家族たち)
・・・・・
・・・・
・・
・
帰り道
同僚「かーっ!終わった終わったぁ!」
父「…」ドキドキ
同僚「あっ!?何!?おまえ緊張してんの!?」
父「…そ、そんなことはない。話すだけだからな」
同僚「…大丈夫だって。お前、イイヤツだし」
父「!…ありがとう。お前もイイヤツだよ」
同僚「ってことで、俺はこっちの道だから。ベルよろ」
父「あ、ああ。電話、だな」
同僚「んじゃ!」タッ
父「ああ…」
父(ベルヨロの由来が分からない…外国語だろうか…い、いや。今は家族のことだろう…)
父親も俺らと同じで「ベルよろ」気になってるwww
家の前
父「…」プルプル
父(だ…だめだ。緊張する…)
父(くっ…ちゃんと言えるだろうか…タイミングは…?)
姉「…父さん?早く入りなよ」
父「ふぁっあ!?」ビクッ
姉「っ!?…ちょ、情けない声出さないでよ」
父「あ、ああ」ガチャ
姉「ったく…ビックリしたじゃん」
父「ご、ごめん…」
父(くそっ…心の準備が出来ないまま入ってしまった…っ!)
まあ家族といえども人間関係は難しい
父親、心の準備ちゃんとしとけよ
リビング
父「た、ただいま…」
姉「ただいまーっと」
妹「おかえりー…兄、これは卑怯だね」
兄「おかえり…は?将棋に卑怯も何も無いから」
母「おかえりなさい。今、ご飯を用意するわね」
父「ああ…」
姉「うん。…疲れたわぁ」
母「はい。出来ました」コトッ
姉「いただきぃ!」ガツガツ
父「いただきます…」モグモグ
兄「おいおい、また待ったか?」
妹「そうなりますね」
兄「バカだから待ったが多いんだぞ」
妹「へーへー。言ってろ」
父(…いつ言えばいいんだ…)
父(姉は疲れてるし…母さんは家事で忙しそうだし…兄と妹は遊んでるし)
父(……しかし、こうして改めて見ると…)
父(……僕は、家族が好きなんだな)
父(仲間外れにされても…かまわない。そう思わせてくれる何かを持ってる)
父(…僕は、父で良かった。誰かを愛することが出来る。それだけで自分を保てるから。生きがいになるから)
父(…嫌われてもいいんだ。そう、嫌われてもいい)
父(…一生に一度くらい…この気持ち、伝えておこうじゃないか)
父「みんな…ちょっといいか?」
兄妹母姉「…」
父「話しがある。みんな、テーブルのイスに座りなさい」
兄妹母姉「…」
父「家族会議だ」
兄妹母姉「…」
父「…いい加減にしろぉっ!!!!!!!!!!!!!」ダンッ
兄妹母姉「っ!?」ビクッ
父親のカミナリキターキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
うわあ
何を思って>>1は考えたのか
SSの書き手としてこの稚拙な話は許せないな
父「…ははっ。やっと反応してくれたか。僕は反応が無いと困る性格なんだ」
母「ちょ、ちょっと父さん…」
父「みんな座れ!話しがあるんだ!!」
兄「…」スクッ
妹「ちぇっ…」スクッ
姉「ど、どうしちゃったのよ…」
父「…よし。皆ありがとう。そして、話しがある」
兄妹母姉「…」
父「返事は?」
兄妹母姉「…はい…」
父「…何の話しか分かると思う。父さんの扱いについてだ」
兄妹母姉「…」
父「最近、みんな冷たいだろう?だから…」
妹「…もっと優しくしろって?」
父「ちがう」
妹「…?」
父「ここらで、僕の愛を伝えておこうと思ってね」
母「とう、さん…」
父「姉」
姉「っ…」ビクッ
父「返事」
姉「は、はい」
父「姉は、昔から体が弱かったな。だから勉強も遅れたりした」
父「そんな姉を心配した時期もあった。でも…今では立派に大学も入って。バイトまで初めて」
父「自慢の娘だよ。これからも頑張って下さい」
姉「…」
父「返事」
姉「はい…」
wktk
父「兄」
兄「はい」
父「兄は昔からヤンチャで周りを困らせることもあったけど…」
父「今では、家族の大黒柱的な存在だ。僕なんかよりよっぽど」
父「まぁ、これから困る事があったら僕に言ってくれ。男同士」
兄「…はい」
妹「…ちょっ、ちょっといい?」
父「なんだ?」
妹「いや…なにこれ?」
/ ̄\
| |
\_/
| __
┴´ ``ヽ
/::::::::::|:::::: `ヽ ん?キレた?キレた?殴ってもいいよ?早く?早く?
/:::\::::::::<● > `ヽ
(( / <●>::::::::::⌒ )
| ⌒(_人__) ノ | |
ヽ )vvノ: / ノノ
ヽ (__ン 人
人 \ ←妹
父「妹」
妹「なによ」
父「お前は橋の下で拾ってきた子で、俺たちの子じゃない。」
父「…一人ずつ、僕の思いを伝えているんだ」
妹「…はぁ?」
父「僕は嫌われてもいい。話にムリに入るような男だ。嫌われるのも当然」
父「だから、せめて…僕が家族を好きなことは知ってもらいたいんだ」
妹「…思い?今、父さんは褒めただけじゃん。お兄ちゃんとお姉ちゃんを」
妹「私はどうすんのよ…あー!もう嫌っっ!!!」
父「…?」
父「北朝鮮に売り飛ばすぞ」
妹「この家族…みんな良いところの高校出ててさぁ」
父「…ん?」
妹「そっ、それでぇ……お父さんは…勉強しろ、勉強しろって言ってきて…」グスッ
父「な、何が言いたいんだ」
妹「…私は、ダメダメな高校の一年生じゃん。父さん…中学の頃…いつも言ってたよね」
「良い高校入れ」
妹「わっ、私は…私は…!!期待にも答えることが出来ないダメ娘じゃん…!?」ポロポロ
父「…」
妹「なのに…どこを褒めるっての…ホント…やめっ、やめてよ…もうヤダ…プレッシャーなんだってーの…」ポロポロ
妹「あんたと話すの…っ」ポロポロ
父「…」
これはどこの家庭にもあるもんなの?
俺ん家離婚して父さんいないからわからないんだけど
父「…」
母「…ほら、あんまり泣かないの…」
妹「うっさぁい!!私の気持ち分かる!?」
妹「わからないよ…わからないよ…あんたらには………」
妹「父さんと話してると…重いんだよっ…いちいち反応見てきたり…」
妹「…」
父「妹」
妹「…」チッ
父「返事」
妹「…」
>>210
まあここまで臭くなくてもある
というか、210だって父親がいなくても母親と似たような事はあったはず
こういう子は殴らないと矯正されない
父「返事」
妹「…なに!?」
父「聞こえてるみたいだな。じゃあ話すけど」
妹「…」
父「父さんは、確かに勉強しろと言った。でも…それは、良い高校に行った方が就職に有利だからだ」
父「人間の価値が高校で決まるなんて一言も言ってないだろう?」
妹「…あーはいはい。決まり文句ですね。現実はそう甘く無いんですよー」
父「…な、何がだ」
γ⌒/^^/^-
,ゝ`/~ /~ /~ /⌒
〈(_| | |~ |~ /^ )
(/~ /~ /~ /~ ~ /~ /^\
へ^〈,|,,、,,|,,、,,,,,|~,,,,、〈~,, 〈~ /⌒|)\
,iiiiiiiiiiiiiii'' ゛ ゛ `iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii,
,iiiiiiiiiiiii!' `iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii,
,iiiiiiiiiiiii! _,___ _,,,,.`iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii,
iiiiiiiiiiiiii!./∴,,゙・;;\../∴,,゙・,;\`!iii!iiiiiiiiiiii,
iiiiiiiiiiiiii!.|;,'“●●・∵|.「∴●●.゜,;」`!i!iiiiiiiiii
iiiiiiiiiii!!..|:,..;●●゙;;.;ノ.i,.;:,,●●;;.,..,i !!iiiiiiiii
iiiiiiiiii|!'...\∵;,o,;:/ \;,,o,;:..,/ '!iiiiiiiii
iiiiiiiiii|⌒\ ̄ ̄( ○ ,:○)  ̄ /⌒..'iiiiiiiii
iiiiiiiiiii|: \______/ |iiiiiiiiiii!
iiiiiiiiiii'i、ヽ 匚匚匚匚匚匚匚i / ,!iiiiiiiiiii!
iiiiiiiiiiiiii'! \ " / /lliiiiiiiiii!
iiiiiiiiiiiiiiil\ \匚匚匚匚匚l/ /llliiiiiiiiiii!
iiiiiiiiiiiiiiiillllii\:.. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/lllllllliiiiiiiiiiiii!
iiiiiiiiiiiiiiiillii;;;:: `ー-..............-‐´illlllllllllliiiiiiiiiiii!
iiiiiiiiiiiiiiiilli;;;:: : :;;illllllllllliiiiiiiiiiii!
iiiiiiiiiiiiiiiilli;;:::: : ::;;;illllllllliiiiiiiiiiiii!
_,,..iiiiiiiiiiiiiiilli;;::::: : : ::::;;;;illllllliiiiiiiiiiiiiii!.,,_
_,,i-i‐'''"~ iiiiiiiiiiiiiiili;;:::::: : : ::::::;;;;;illllliiiiiiiiiiiiiiiii! ~i~i'‐-..,,_
_,,..-''''~ i i ''''--iiiiiiiiiiiiiiili;;::::::: : : ::::::;;;;;;;illiiiiiiiiiiiiiiiiiiii! i i ~"-.,
,r'" i i ,iiiiiiiiiiiiiiii!'''''''''''―:::.. ..:::―''''''''''iiiiiiiiiiiiiiiiiiiii! i i ヽ
父「ガキが口答えするな!髪をバリカンで剃ってやる!」
妹「」
妹が姉になるとうちの実話
妹「いちいち万引きが起こったら私達のせいにされるし」
妹「前さぁ…お兄ちゃんの学校の制服着た人が、○○高校がまだ自転車事故起こしたんだって!…って。私達の高校のこと話してた」
父「…」
妹「そんな事故起こってないのにね。頭が悪いだけでこうなる。結局、見下されてるの」
父「…僕は、妹を馬鹿にするヤツはぶん殴る」
妹「…」
父「今まで…僕からも見下されてると思ったのか?」
妹「…っ」
父「そんなこと、気にしなくていい。勉強出来ないから頭が悪いなんてクズの言い分だ」
妹「…キレイゴト言うところも、気持ち悪いんだよ…っ」グスッ
父「ご、ごめん」
父「グダグダ言うな!お前はお父さんのちんちんをしゃぶってればいいんだよ!」
妹「ペロペロペロペロペロペロ」
>妹「昨日だってさ…私達がおかえりって言うまで棒立ちだったじゃん…」
>
>兄母「…」
>
>妹「私、そういうのマジで無理…きもい。男のクセにウジウジしすぎ」
わかるわーこういうの
構ってもらえるまで待ってる奴きもい
妹「…もう、ヤダ…」
父「妹は勉強出来ないかもしれない。でも、僕と違って人の心を汲み取る天才だろう?」
妹「…」
父「昨日だって、指摘してくれた。ムリに会話入るのはうっとうしいって」
父「そんな妹が、僕は大好きだ」
妹「……あっそ……勝手に言ってろ」
父「…で。母さんだが…このカバンの中身を見て欲しい…」
プルルルルル
父「…?」
母「…私が出ますね」ガチャ
母「はい…父さん。上司さんから…」
父「っ…大事な時なのに…カバンを見ておいてくれ」サッ
母「?…はい」ゴソゴソ
父「…はい、お電話代わりました…えっ、はい…またですか…」
母「…カロリーメイトだわ」
妹「…なんじゃこりゃ」
母「こっちは仕事の資料…?」
姉「…うわっ、父さんの会社ってこんなことまでしてんの?」
この父親やヴぁいだろ・・・
なんでお前らが父親に感情移入してるのか分からん・・・
父「えっ!?…ああ、はい…」
母「…父さん。自分で弁当作れるって言ってたじゃない。カロリーメイト…」
妹「…うわっ。保健と保険間違えただけで訂正させられてるよ」
兄「これはムカつくね。馬鹿みたいな字でマークつけて…馬鹿もん!だってさ」
姉「細かい仕事だなぁ…で、今は上司にペコペコしてると」
母「…やだ。私の手紙…律儀に入れて…」
妹「あっ、見せて見せてー!」
母「だ、ダメよ!」
ワイワイガヤガヤ
父「…はぁ。やっと終わった…ん?」
姉「おお…このケータイ業務連絡のメールばっかり」
妹「…またカロリーメイト見つけた!」
兄「どんだけ買い貯めてるんだよ…」
父「お、おい!余計なところを見るな!」
母「父さん…弁当がいるなら言って下さいよ」
父「え」
母「必要なら作ったのに…」
父「そ、そんなことはどうでもいいんだ。家族会議の続きを…」
姉「…もうよくない?」
父「…はっ?」
姉「なんか、大体わかったし。色々」
父「いや、待て待て。言うことはまだまだあるんだぞ?」
妹「お風呂入ってくる」タッ
父「いや、待て!!」
兄「勉強してくるね」タッ
父「おい…!!!!」
母「…父さん。もういいですから」
父「いや…これは…」
母「姉も言ってるじゃないですか?大体わかったって」
姉「そーだよ。私はレポートでも書きますか」タッ
父「お、おいおい…」
母「…」
父「…どうしてこうなった」
母「…」
父「母さん…まだ話は終わってなかったんだ。まだ…」
母「…ごめんなさい」
父「…」
母「…」
-10分後-
妹「父・・・お父さん~ (カポーン)」
父「なんだー。バスタオルがないのか~?」
妹「た、たまには・・・一緒にお風呂入ってほしい・・・な~。」
==続きは省略されました。続きを読みたい方は半ケツ出しながらびっくりするほどユートピア!と3回書きこんで下さい==
父「…あのな。カバンにはこれが入ってたんだ」ゴソゴソ
母「?」
父「みんなに、一人一人に手紙。資料の間に挟まってて見えなかったようだが…」
母「…そんな手紙無くても、みんな、大体わかりましたよ」
父「…なんだ。さっきから大体大体と…」
母「そのままじゃないですか。大体わかったんです」
父「??」
母「…ごめんなさい」
父「…???」
大体わかったってなんだよ
全部わかれよ
>>282
ttp://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080828/313626/?SS=imgview&FD=-926911839&ST=upper
これ思い出した。
母「いや、その…ええと…何と言いますか」
父「????」
母「父さんなら大丈夫だと思ってて…ちょっと」
父「…」
母「父親って、苦労が見えにくいんですよね…働いてる姿とか想像できないし」
母「私達が思ってるよりも、ずっとずっと大変なんですね」
父「あぁ…」
母「…ごめんなさい」
父「あ、謝って欲しいワケではないのだが…」
母「見えにくいから、まだまだ分かっていない部分があると思います」
父「…」
母「だから…大体なんです。言いたいことは分かりましたから…」
父「…別に僕は…苦労自慢をしたかったんじゃないんだ」
母「えぇ…でも、それはまた今度ですよ」
父「…今。僕は今、言いたかったんだ」
母「いいじゃないですか。あの子達だっていつか分かります」
母「子供は父親の背中を見て育つものでしょう?」
父「…釈然としないが」
母「家族会議の意味はあったと思いますよ。今までと違って、子供が父親の背中を見るようになったと思います」
母「十分じゃないですか?」
父「はぁ…十分…?」
父「十分なわけがあるかぁぁぁぁぁ!!!!!!!」バンッ!
母「ひっ」
父「なんで僕がこんな目に合わなきゃいけないんだ!僕は働いてるんだぞ!僕正社員んんんんん!!!!!」
すまん、もうやめる。
母「…あと、ごめんなさい。弁当、作りますから」
父「ん?…ああ」
母「じゃあ、私も皿洗いに戻りますね」
父「…ああ…」
父(…ベルヨロ…今は放っておこう)
父(これで良かったのか…?)
月曜日、会社
同僚「あのさぁ…ベルよろって言ったじゃん?報告は?」
父「…ごめん。そんな気分ではなかった」
同僚「えっ…マジ…?」
父「…」
同僚「子供の態度とか変わらず…?」
父「いや、まぁ…土日に言葉は交わしたけど」
同僚「なーんだ!前は口も聞けなかったんだろ?いーじゃん」
父「…でも。お前の言うありのままの自分というのは出せていない」
父「言えなかったんだ…」
同僚「ふーん…」
母「・・・なるほどな、だいたいわかった」
~例の音楽~
父「貴様、なにものだっ」
母「通りすがりの、仮面ライダーだっ」
カメンライドディケーイ
母「ちょっとくすぐったいぞ」
ファイナルカゾクライド みんなへの手紙!!!
ごめんないさいもう寝ます
これ、ノンフィクションなんだろ?>>1
父「僕にとっては、距離が近づくことよりも…思いを伝える方が大事だった」
同僚「…まぁ、また今度でいいじゃん。そう、また今度」
父「…」
同僚「実はさぁ、俺もこのキャラやめて家族にガツンと言うつもりなんだ」
父「…そうか」
同僚「反応うっす…」
父「…確かに、話せるのはうれしいけど…」
同僚「いいんだって!話せるぐらいになったなら、いつか分かってくれる!お前の気持ちも!」
父「そんなものか…?」
帰り道
同僚「…さて…じゃあな」
父「…」
同僚「ま、あせんなよ。それじゃ」タッ
父「…ああ」
父「…」
父(…)
家
父「ただいま~…」
兄妹母「おかえり」
父(…まぁ、自分を出すなんて簡単に出来ることじゃないからな)
父(たとえ家族でも…ガマンするところはガマンしなくてはならない)
父(…家族の輪に入れただけでも良しとしよう)
プルルルルル
父「ケータイ?…もしもし」ピッ
同僚「あ、父?今さぁ、勇気を出して、甘えんなクソアマ!って妻に言ってやったらさぁ」
同僚「フラれた」
END
まぁ盛り込んであるけど大体実話ですよ
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