中島「磯野ー、今日はデスノートのバーゲンセールの日だぜー」(71)

カツオ「デスノート?」

中島「何でもそのノートに名前を書けば、その名前を書かれた人間が死ぬんだ」

カツオ「えぇ~そんなの嘘に決まってるよ」

中島「まぁ、見に行くだけ行ってみようぜ」

―デパート―

中島「おっ、まだノートは山積みにされてるみたいだ」

カツオ「1冊100円か」

中島「僕達の懐で殺人道具を買えるなんてワクワクするよな!」

カツオ(中島…ちょっとおかしい…)

中島「じゃあ、このピンク色のデスノートにしよっと」

カツオ「僕は金色にするよ」

中島「無難だな磯野」

カツオ「へへっ」

カツオ「ただいまー」

サザエ「カツオォ」

カツオ「どうしたの姉さん?」

サザエ「さっきデパートで、学校用のノートを買ってきたわ」

スッ

カツオ「で、デスノート!?」

サザエ「なによ…もしかしてカツオも買ったの?」

カツオ「うん、僕もついさっき中島と」

サザエ「あらやだわ~この子ったら!」

バシッ

カツオ「痛いよ姉さん!」

サザエ「勿体無いから勉強用ノートに使いなさい」

波平「ただいま」

サザエ「おかえんなさ~い」

波平「ほら、お土産だ」

ワカメ「お父さんもノートを?」

カツオ「またノートだよ~」

波平「なんだ、カツオ達も買ったのか?」

フネ「サザエもですよ」

サザエ「こんなにノートがあるんなら、勿体無いわ」

カツオ「僕、明日学校で使うよ」

波平「よかろう」

―次の日―

カツオ(1時間目は国語か…あのノートを使ってみよう)

先生「えー、それでは教科書の769Pを開け」

カツオ(そうだ…かおりちゃんの名前を書いてみよう)

サラサラ

大 空 か お り

カツオ(死のノートなんて嘘っぱちだよ…)

40秒後

カツオは、デスノートの力を信じることとなった

かおり「グォッオゲッェェェェェェ!!!!」

先生「大空?どうした!?」

かおりちゃんは、突然うめき声をあげながらイスから倒れた

花沢「く…口から泡を吹いてるわよ!」

そして、かおりちゃんはその場で息を引き取った

花沢「し……死んでるわ…」

生徒「きゃーーーーーーーっ!!!」

中島「ど、どういうことなんだよぉ」

先生「落ち着け!すぐに救急車を呼んでくる!」

タッタッタ

花沢「かおりちゃん…いきなりどうしたのよ……」

カツオは何度もノートを指でなぞり

このノートが殺人道具であることを、改めて認識した

カツオ(デスノート……本物だ…!!)

ー3時間後ー

先生「残念だが、大空は……」

花沢「いやああああああああ!!!」

花沢さんはその場で泣き崩れていた

崩れた顔面が、余計に崩れていた

中島はクールを気取り平常心を装っていたが
足が震えていた

カツオ(……このノート、最高だ…)

先生「それでは授業を始める」

花沢「こんな状況で授業なんて受けられないわ」

先生「大空の分まで、授業を受けろ!愚か者!」

花沢「ウヒッ…」

中島「先生の言う通りだ。僕たちは、前へ進まなきゃいけないんだよ。」

カツオ(…)

カツオは平常心を保ってはいられなかった

ノートを使い、かおりちゃんを裁いてしまったこと

吐き気がこみ上げてき、カツオは保健室へ向かおうとした

先生「おい、磯野」

カツオ「ほ…保健室に」

先生「お前…大空に何かしてないか?」

カツオ「!?」

花沢「なにバカなこと言ってるのよ!磯野くんは何もしてないわよ!」

中島「僕のじいちゃん、モンスターペアレントだから今すぐに攻めに行かすぞ」

先生「す…すまん」

カツオ(何て勘の鋭い奴だ……)

―保健室―

ガラガラ

保健室には誰もいなかった

カツオ「ふぅ…危なかった」

カツオはベッドに寝転び、ノートを眺める

カツオ「このノートがあれば…戦争の無い平和な世界が創れるかもしれない…」

カツオ「ククッハハハッ!!!!!!」

ガサガサッ

カツオ「!?」

リューク「面白い考えだな」

カツオ「だ、誰?」

リューク「俺の名前はリュークだ。死神だ。」

カツオ「し……死神!?」

リューク「ノートが地上に大量にバラ撒かれちまったんだよ」

カツオ「それで、ノートが大量に販売されてたのか」

リューク「俺はその方が面白いからいいけどな」

カツオ「ククッ…リューク、待ってたよ」

リューク「ほう?」

カツオ「君に、僕の新世界を創るための手伝いをしてもらうよ」

リューク(月に似てるな…)

カツオ「嫌とは言わせないぞ?」

リューク「へっ、ならとことん付き合せてもらうぜ」

カツオ「ハハハハハハハハ!!!!!」

カツオ「先生、遅くなりました」

先生「戻ってきたか」

中島「へいへい磯野ー!随分と長いうんこだったなぁ!」

カツオ「うるさいよ」

花沢「下品よ!」

中島「ご…ごめん」

先生「よし、それじゃあ授業を再開するぞ」

カツオ(後で中島と花沢も消しておくか……)

リューク「へっ、面白くなってきたな」

―放課後―

カツオ「それじゃ、僕は先に失礼するよ」

花沢「うん///」

中島「一緒に帰ろうぜ」

カツオ「今日はごめん」

タッタッタ

中島「…にやっ」


カツオ「ハァハァハァ…クソッ!!!」

リューク「なに怒ってんだ?」

カツオ「中島のやつ…僕のことに感づいてるのか!!」

リューク「は、そんな風には見えなかったぜ」

カツオ「いや…あいつは相当頭がキレる。学校の模試テストの偏差値50だしな。」

リューク(すごいのかよく分からんな…)

カツオ「中島は危険だな…消しておくべきだ」

カツオはすぐさまノートを取り出した

リューク「おっ、もう殺すのか」

カツオ「あいつは危険だからな…」

ペンをノートに走らせようとしたが

ピタリと手を止めた

リューク「あ?」

カツオ「ダメだ……中島なら、僕に殺された時に何らかの策を打ってそうだ…」

リューク「そこまでしてるわけねぇだろ」

カツオ「もし、中島が死ねば真っ先に僕が疑われるように仕組まれているはずだ!!」

リューク「考えすぎだろ」

カツオ「いやいや!ダメだ、万が一のリスクも避けなければならない」

リューク「お前頭いいな」

―磯野家―

タマ「ふぎゃああああああああ!!」

フネ「タマ!?」

タマの身体が突然膨張し、破裂した

ワカメ「きゃああああああああ!!!」

まるで風船のように破裂したタマ

これもデスノートによるものだ

カツオは、その後タマが破裂した話をサザエから聞かされる

カツオ(…誰がタマを?)

リューク「お前は書いてないよな」

カツオ「ああ、他のノートの所有者が書いたのかもしれない」

リューク「そういうことだな」

それ以降、カツオは犯罪者達の名前をノートに書き裁き始めた

警察はこの事を重く見た

カツオはHPを開設し「鰹」というネットネームを使い降臨した

リューク「鰹様の復活か…」

カツオ「世間では鰹事件って呼ばれるようになったよ」

リューク「くくっ、でも殺してくれって依頼する奴はいるんだな」

カツオ「これが人間の本性さ」

リューク「オモシロ」

カツオ「僕はこれからも犯罪者を抹殺していき、素晴らしい世界を築き上げる」

カツオはノートに犯罪者の名前を書くのを止め

テレビの画面にへと視線を向けた

カツオ「あん!?」

テレビに映っていたのは三郎さんだ

サブちゃん「鰹は悪だ」

カツオ「コイツ…何を言ってるんだ…」

リューク「ほぉ……」

サブちゃん「奴は臆病者で卑怯者のクズだ!滅するべき存在だ!」

カツオ「コイツ…僕に逆らう気か!?」

サブちゃん「僕はアンチ鰹ですよ!くたばっちまえクソ野郎!」

カツオ「コロス…こいつだけは!!」

サラサラ

サ ブ ち ゃ ん

サブちゃん「お前はこの…ッグッォォォアアアア!!!」

サブちゃんは心臓付近を手で押さえ、倒れこんだ

カツオ「ハハハッ!!ざまぁみろ!!」

リューク(サブちゃんでいけたのかよ…)

サブちゃんは口から泡を吹き、担架で運ばれた

これで…カツオに対抗するものは死んだかと思われたが

ピピッ

カツオ「ん」

テレビにNという文字だけが大きく映し出された

N「まさかとは思ったが…ふふっ、本当に殺されたんだな」

カツオ「Nだと!?」

N「今回の事で、お前の潜伏先まで暴かせてもらった」

リューク「コイツは…」

N「この放送は、磯野家のテレビ限定で放送されている」

カツオ「なっ…」

N「だから今回の事件の犯人は、磯野家のみに絞られた」

N「それと、お前はどうやら名前が分からないと殺せないみたいだな」

リューク「すげーな、Nってやつ」

カツオ「クソックソッ!!!!」

N「ここまで分かれば…お前を捕まえるのは時間の問題だ」

カツオ「フフッ…それはどうかな……」

N「僕はお前を見つけ出し、必ず始末してみせる」

カツオ(Nか、僕のライバルにふさわしいかもしれない)

N「決着を楽しみにしておく」

プツンッ

ここから、カツオとNによる頭脳戦が繰り広げられることに

Nの正体は…

中島「こんなところだな」

裏のじいちゃん「N、お疲れ様です」

中島「ジジイ、お菓子切らしてんじゃねぇぞ」

裏ジイ「はい!」

中島「ったく…こちとら、鰹事件で忙しいって言うのによ」

アナゴ警部「さすがNゥー」

マスオ「そんなにすごいのかい?」

アナゴ「彼は日本最後の切り札とも言われてるからねぇ」

中島「2人共、捜査のために情報提供ご苦労様です」

マスオとアナゴは極秘で鰹事件に協力することになった

マスオ「本当に僕の身内に鰹が?」

中島「あくまで可能性です」

アナゴ「でも、サブちゃんを殺せたってことはそういうことになるんじゃないかぁ」

マスオ「信じられないよ…」

中島「マスオさん、人間は簡単に壊れるものですよ」

アナゴ「ゴクリ…」

中島「2人には引き続き、調査を続けてもらいます」

マスオ「わかりました」


波平「ワシは母さんが怪しいと思う」

フネ「あら、貴方こそ怪しいですよ」

サザエ「あたしはワカメが怪しいと思うわ~」

ワカメ「ひどいわお姉ちゃん!」

―次の日―

カツオ「…」

花沢「おはよう、磯野くん!」

カツオ「おはよう」

花沢「ちょっと~顔色悪いわよ?」

カツオ「それはお前の方だろ?」

花沢「い……磯野君………?」

カツオ「気分悪いんだ、僕に話しかけるな」

花沢「何よ…」

中島「ははっ!磯野もぴりぴりしてる時はあるって!」

カツオ(わかってんじゃねぇか)

中島「磯野…あとでさ、僕たち2人きりで話さないか?」

カツオ「えっ」

―女子トイレ―

カツオ「何だよ?」

中島「大したことじゃないよ」

カツオ「…」

リューク「うほっ」

中島「僕がNなんだ」

カツオ「はうっぁあっふ!?」

グラッ

一瞬、カツオの身体が揺らぐ

カツオ(コイツ…僕を揺さぶるつもりか……)

中島「どうした・・・磯野?随分と、焦っているように見えるぞ?」

リューク(やべぇな…こりゃ)

中島(ニヤリ)

カツオ「ああ、僕もNなんだ」

中島(……そんな返し方をしてくるとは…)

中島「そうか、そうか…」

カツオ「もういいか?」

中島「ああ、急に呼び出して悪かったな」

カツオ(フッ)

中島(やるな…磯野……)

リューク「今回は引き分けってところだな」

スタスタ

カツオは女子トイレを出た

中島「しばらく、女子トイレの雰囲気に浸っているのも悪くはないな」

その後、中島は職員室に呼び出された

先生「女子トイレに入ったことぐらい、気にするな」

中島「はい」

先生「校長はがみがみ言ってるが…先生は3回までならオッケーと思ってるし」

中島「……」

中島はすぐに職員室から解放され

教室にへと向かった

中島「…ん」

花沢「大変よ!!!中島くん!」

中島「どうしたの?」

花沢「早川さんの机から、ノートが出てきたわ!!」

中島「ノート……?」

早川「ち……違うの…」

花沢「とぼけないで!そのノートに磯野くんの猫の名前が書かれてたわ!」

中島(確か、磯野の家のタマは死んだんだったな)

早川「違う違う……」

花沢「コイツが鰹事件の黒幕よ!警察に突き出すわ!」

カツオ(ははっ、意外な展開だな)

グイッ

花沢「来なさい!先生にまずは報告よ!」

早川「いたっ…やめてよ、花沢さん…」

中島「は、花沢さん。嫌がってるじゃないか。」

花沢「馬鹿ね!人殺しにそんなこと言ってどうするのよ!」

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