少女「せんせい…」(441)
男「あーさぶっ!外さぶたっ」
男「コンビニ遠いんだよチクショウ…ふぇっくしっ!」ズビッ
男「あーくそ…ん?」
少女「」
男「子供が倒れとる」
男「寝て…るわけないかこんな真冬に道端で」
少女「」
男「新手の遊びか…」
少女「」
男「ていうかピクリとも動かないけど…」
少女「」
男「まさかこれって、死…」ゴクリ
少女「」
男「おいおい…」
少女「」
男「…」キョロキョロ
男「俺は何も見なかった」
男「コンビニのおでんが俺を待っている!」スタスタスタ
少女「」
男「帰ったら観たいドラマもあるし!」スタスタスタ
少女「」
男「…」スタ、スタ、スタ
少女「」
男「…」ピタリ
男「はぁ…」クルッ
男「いくらなんでも放置はよくないか…」
男「救急車呼ぶくらいはしとくか」
少女「」
男「お、おーい!大丈夫か?おーい!」
少女「」
男「どうしよう微動だにしない…軽く揺すってみるか」
少女「」
男「しっかりしろー!」ユサユサ
少女「」ユサユサ
少女「…」ユサユサ
男「おーい!」ユサユサ
少女「…」ユサユサ
男「やっぱりもう…」
男「これは、警察の方がいいのか?」
少女「…」
男「はぁ…」
少女「…………………ん」
男「!!えっ?」
男「い、生きてた?!」
少女「…」ボー
男「お、おいキミ?大丈夫か!?」
少女「…」キョロ、キョロ
男「と、とにかくえっと、きゅ、救急車か?」アセアセ
少女「……………………あ、れ…?」
男「あ、あれ携帯どこやった?携帯携帯」アセアセ
少女「せんせい…?」
男「え?なに?ちょっと待って、あ、携帯あった!」
少女「…」ジッ
男「救急車って番号なんだっけ…?110番はお巡りさんだろ?えっとえっと」
少女「…」ジーッ
少女「いい」
男「イチイチキュウ?って、えっ?」
少女「病院いい」
男「いや、いいって…」
少女「大丈夫」
男「いや、そもそも何でこんな所で倒れてたんだよ」
少女「…ちょっと失敗しちゃった」
男「失敗って何だよ…」
少女「大丈夫、だから、病院はいや…」スッ
男「あっおい!」
少女「っ…」フラッ
男「!」ガシッ
少女「…」グッタリ
男「全然大丈夫じゃねーじゃねえかよ」
男「どうしよ…」
男「…」
少女「…」スゥスゥ
男「…はぁ」
男「結局家まで運んできてしまった」
男「ど、どうしよこれ?どうみても誘か」
少女「う、ん…」モゾ
男「!」
男「…」ドキドキ
少女「…ん」ムクリ
男「よ、ようお目覚めかい?」ハラハラ
少女「ここ、どこ?」ボー
男「!」ドキィッ
少女「しらないおうち」キョロキョロ
男「あっとえっとこれは別に誘拐とかでは断じてないから!純粋な人助けであって、決して犯罪に結び付く行為ではないですからマジで!」ワタワタワタワタ
少女「たすけてくれたの?」
男「えっ?」
少女「ありがとう」
男「あ、どういたしまして」
男「とりあえず何か飲むか?水かポカリしかないけど。ポカリでいい?」
少女「うん」
男「体調はどう?そもそも何であんな所で倒れてたわけ。病気とかか?」
少女「…」
男「…別に喋りたくないならいいんだけど。はいポカリ」
少女「ありがとう」
少女「…」ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク
男「えっ」
少女「ふはっ…はあっはぁ…」
男「そ、そんながっついて飲まなくても。おかわりいるか?」
少女「うん」
男「今度は落ち着いて飲めよ?むせるぞ」
少女「のどかわいてた」ゴクゴク
男「そうか」
少女「ふぅ…」
男「家はどこらへんだ?さすがにもう遅いし、送ってくよ」
少女「帰らない」
男「いや帰らないじゃなくて」
少女「じゃまだったら出ていく」
男「そういうことじゃなくて!こんな時間にフラフラ出歩いてたら危ないだろうが」
少女「大丈夫」
男「大丈夫じゃないっつうの!道端に倒れてるような娘は大丈夫じゃないから」
少女「もう大丈夫になったからいい」
男「あのなぁ…世の中には変なヤツが一杯いるんだぞ、学校でも言われるだろ?知らない人にはついてっちゃダメですよーとか」
少女「知らない人にはついてかないもん」
男「いやいや、げんに知らない人だろ俺。まぁ、連れて来ちゃったのは俺なんだけどさ…」
少女「…」
男「どうする?俺がとんでもなく悪いヤツだったら。な、怖いだろ?」
少女「悪いヤツじゃないよ」
男「いや分かんないぜ?優しく助ける振りをして、実は…とかありうるだろ?」ニヤリ
少女「ううん。せんせいはやさしい人だもん」ニコッ
男「せ、せんせい?俺はキミの教師とかじゃないですが」
少女「ソンケイしてるヒトのことをセンセイってよぶって、お母さんが言ってたもん」
男「いやいや、俺尊敬されるような人間じゃないし」
少女「たすけてくれたよ」
男「倒れてるのを介抱しただけで、そんな大袈裟な」
少女「とにかく」
少女「わたしにとって、せんせいはせんせいなの」
少女「助けてくれて、ありがとうね。せんせい」ニコッ
少女「ここはせんせいのおうち?」キョロキョロ
男「あぁうん」
少女「ひとりで住んでるの?」
男「あぁ」
少女「ふぅん…」キョロキョロ
男「…」
男「(不思議な娘だなぁ…)」
男「(家出…なんだろうか?頑なに家に帰るのも病院も嫌がるなんて)」
男「(しかしまだこんなに幼いのに。家で何かあったとかかね。道端に倒れてた理由は分からんが)」ハッ
少女「…」ジッ
男「っ?!」ビクッ
少女「…」ジーッ
男「な、なに?」
少女「…なんでもない」フイッ
男「??(び、びっくりした!)」ドキドキ
男「あーその、腹減ってないか?何か食えそうか?」
少女「…少し」
男「体調悪そうだし、お粥とかでいいかね。作るからちょっと待ってて」
少女「いいの?」
男「腹減って倒れられたら困るしな」カチカチャ
少女「…」
男「お待たせ。熱いからゆっくり食べなよ」
少女「い、いただきます」フーフー
少女「…」モグモグ
男「…(食い終わったら嫌がってても交番に連れてくか…このままじゃさすがにマズイしなぁ)」
少女「…」フーフー
男「(親も捜してるかもしれないし、問題になる前に何とかしないとな…)」
少女「…」モグモグ
少女「…」ジッ
少女「ごちそうさまでした」
男「ああ。食器は置いたままでいいよ」
少女「…」
男「…(さて、もう少ししたら交番に連れてくかな)」
少女「…せんせい」
男「だから先生じゃないっつうの。なに?」
少女「おじゃましました」スクッ
男「えっ?」
少女「おかゆおいしかったよ。ありがとう」ペタペタ
男「ちょ、どこ行くんだよ?」
少女「外」
男「外。じゃねえよ。家に帰るのか?」
少女「帰らない」
男「じゃあどこ行くつもり?」
少女「…」
男「そんなに家が嫌なのか?」
少女「…」
男「何があったのか知らないけど。家出にしたって行くあてもないのに」
少女「せんせいにメーワクはかけない」
男「いや俺はどうでもいいんだって。とにかく、家に帰らないとしてもだ。せめて友達とか親戚とか、知り合いの家の方がいいだろう」
少女「…いない」
男「いないって…」
少女「だれも、たすけてくれなかったもん」
少女「こんなにやさしくしてくれたのは、せんせいだけだもん」
男「…」
少女「…」
男「あ、あの」
少女「…家には帰れない」
男「だから何で」
少女「お母さんにいらないって言われたから」
男「っ!そ、それは言葉のあやとか」
少女「ちがうの。そういうのじゃない」
少女「わたしがいると、お母さんが悲しくなるから」
男「そんなの、本気で思って言ったわけじゃないだろ?」
少女「…」
少女「せんせいはやさしいね…」
男「反省してるかもしれないだろ?言い過ぎたって!本心からなわけないだろ?!今だって心配して捜してるかも」
少女「だったら、いいな」
男「え?」
少女「いなくなれって言われても、お話しなくなっても、名前呼んでくれなくても、ご飯くれなくても痛くても」
少女「死ねばいいのにって、言われても」
少女「わたし、お母さんに、嫌われたくないよお」
少女「おか、おかあ、さん…わた、わたしのことい、いら、いらないって」ボロボロ
少女「いつも、いつも、泣きながら言って。あんたがいなければって、言って…わたしが、わっわたしが、ノロワレタ子だか、ら。わたしがダメだったから」ボロボロ
男「ちょ、おい」アタフタ
少女「うあ、うぁ、あ。ひぁ、ひっ」ボロボロ
男「…(これって、虐待ってやつじゃないのか?)」
腹が痛いトイレ
少女「…」スゥ、スゥ
男「泣き疲れて寝てしまった…とりあえずベッドに運ぶか」スッ
男「おぉ!?か、軽っ」
男「(このくらいの娘はこんなもんなのか?それとも虐待の影響?)」
少女「…ぅ。せ…んせぇ」
男「あ、ごめん起こしちゃった?」
少女「…」スゥスゥ
男「寝言か」
男「先生かぁ、俺は尊敬されるような人間じゃないのに」
少女「…ぁ」ハッ
少女「っ」ガバッ
少女「…?」キョロキョロ
少女「…」ペタペタ
キィ
男「あ、おはよ。調子はどうだ?」
少女「せんせい…」
少女「おはよう。うん、大丈夫」
男「朝飯食えそうか?」
少女「うん。いいにおい」
男「卵とベーコン焼いただけだけどね。パンも食べれるなら焼くけど」
少女「食べたい。手伝う」
男「そうか?じゃあ冷蔵庫から牛乳取ってきてくれるか」
少女「うん、わかった」
男「じゃあ食べるか」
少女「いただきます」
男「テレビでも観るかね」
プチッ
男「ニュースでいい?」
少女「うん。テレビあんまり見たことない」
男「え、家にテレビないの?」
少女「お母さんがたまに見てるけど、わたしはよくないからダメだって」
男「…へぇ(教育に厳しい母親なのか?テレビくらいいいだろうに)」
男「また野菜の値段上がるのかぁ。困るっつーの」
少女「…」モグモグ
男「おーあの女優結婚かぁ。って相手あの芸人かよ!不釣り合い過ぎるだろ。何かショックだ…」
少女「…」モグモグ
《次のニュースです…》
少女「…」
男「うわ卵辛っ!塩入れすぎたなー。ごめんな食えそうか?」
少女「うん大丈夫。おいしいよ」モグモグ
男「ごちそうさま」
少女「ごちそうさまでした」
男「…」
少女「…」
男「あー。ちょっと話、いいかな」
少女「うん」
男「事情は分かった」
少女「…」
男「いや、状況を完璧に把握してるわけではないけどさ。帰りたくない理由は分かったよ」
少女「…」
男「でも見ず知らずの子を家に住まわせるわけにはいかない」
少女「…」ギュッ
少女「うん。せんせいにメーワクはかけたくないから」
男「でも、じゃあ頑張ってねさようなら。とかはしないけどさ」
少女「え?」
男「キミはどうしたい?」
少女「わたしは…」
少女「………………………………………家に、帰りたい」
男「…」
少女「でも、できない。…できない」
男「…そうか」
男「居候でいいなら」
少女「え?」
男「あー…これってやっぱり犯罪になるのかなぁーあーあーあー…」ブツブツ
少女「せんせい?」
男「少しの間くらいなら、ここに居てもいいんじゃないかなってね?」
少女「え…」
男「あー。ずっとは無理だけどね?まぁ、解決策を探す間くらいならね。まぁ、いいんじゃないかね。世間的には分からんけどな!はははは」
少女「…いいの?ここにいても」
男「俺がしてやれるのはこれくらいしかないけど、まぁ」
少女「…」ジッ
男「な、なに」ドキマギ
少女「………やっぱり、せんせいはせんせいだ」
男「どういうこと?」
少女「やさしい人ってこと」
男「まぁ、端からみたら立派な誘拐に軟禁だけどな!あははは」
少女「ありがとう、せんせい…」
男「はは…どういたしまして」
男「そんなわけで、俺はバイトに行ってくるけど」
少女「お留守番してる」
男「暇だったらテレビ観てていいよ。あとその辺の本とか適当に読んでもいいし」
少女「うん」
男「チャイム鳴っても出なくていいからね。居留守でオッケイ」
少女「いるす?」
男「えっと、居ない振りっていうか。まぁとにかくほっとけばいいから」
少女「わかった」
男「帰りは夕方になるけど…昼飯はパンでいい?朝の残りだけど」
少女「うん」
男「じゃあ、行ってくるな」
少女「…」
少女「ねえ。せんせい、いいの?」
男「?なにが?」
少女「わたしを置いてって」
男「え?!まさか一人は寂しいとか言っちゃう?」
少女「そうじゃなくて…わたしがわるいひとだったら」
男「は?」
少女「ドロボーもしれないよ。お金ぬすんでにげちゃうかも」
男「おお」
少女「せんせいをだましてるかも。昨日のおはなしは全部うそで、ほんとは…」
男「キミは悪い人じゃないだろ」
少女「…わからないよ?」
男「本当にそうなら、俺の見る目はないってことで。じゃあ行ってきまーす」
少女「あっ」
バタン
男「はぁ」スタスタスタ
男「…」スタスタスタ
男「あー」スタスタスタ
男「………………」スタスタスタ
男「ほっとけないんだから、仕方ないよなぁ」
少女「…」
少女「…はぁ」
少女「…よかった」
少女「せんせいだ」
少女「……………………」
少女「わたし、生きてるんだ」
男「いらっしゃいませー」
男「(あの娘は大丈夫かなあ)」
男「584円お願い致します」
男「(昼飯パンだけで足りるだろうか。明日はちゃんとしたご飯作り置きしとくか…)」
男「ありがとうございましたーまたお越しくださいませー!」
男「…」
男「いらっしゃいませー!」
男「(偽善だよなぁ)」
少女「…テレビ」
プチッ
《近隣の住民の話によりますと…》
少女「…」
《とても熱心な…》
少女「…」
《にも頻繁に参加していたとのことです》
少女「…」
少女「…」
男「ただいまー」ガチャッ
少女「おかえりなさい」パタパタッ
男「変わりなかった?」
少女「うん」
男「飯の前に風呂いいか?汗かいちゃったよ」
少女「うん」
だメダ瞼落ちる
落ちたらスレ立て直ス
男「風呂沸かしたから先入っといで」
少女「ありがとう。でも…」
男「ん?」
少女「きがえない」
男「!あ、そういえばそうだな」
少女「…」
男「んー。どうしようか…」
少女「お風呂出ました」ホカホカ
男「おお。あー、ブカブカだなぁ当たり前だけど。Tシャツがワンピースだな」
少女「男の人の服着たの初めて」
男「パンツ落ちて来ないか?」
少女「うん。ひもで止めたから、多分」
男「新品だからね。そこは安心してほしい」
少女「うん、大丈夫」
男「着てた服は洗っとくからね」
少女「ありがとう」
男「じゃあ俺も風呂入ってくるわ」スタスタ
少女「うん」
少女「…」
少女「…」
少女「あっ」
男「ふぅー。今日も疲れた…」パサッ
男「はぁー…」カチャカチャジーッバサッ
パタパタパタパタパタッ
ガタッ
少女「せ、せんせえっ!」
男「えっ」
少女「あの、下着は自分で洗うからっ!」
男「え、あ。お、おう」
少女「!あっごめんなさい」バッ
パタパタパタパタパタ…
男「……………………」
男「で、出ました」ホカホカ
少女「うん」
男「な、何観てんの?」
少女「ニュース」
男「へぇ…」
少女「ご飯作る?手伝うよ」
男「あぁありがと」
男「(まぁ、子供だし…父親とかのだって見たことあるだろうしな。でも気にしなさ過ぎは何か悲しい…)」
起キた
続けまス
男「今日はハンバーグな」
少女「えっ」
男「え?もしかしてハンバーグ嫌いだった?」
少女「好きっ好き!」ブンブン
男「そ、そうか。はは、やっぱり子供はハンバーグだよな」
少女「うれしい…」
男「そうかそうか。じゃあちゃっちゃっと作るぞー」
少女「うんっ」
少女「いただきます」
男「うまいかい?」
少女「うん、うん。おいしい…」モグモグ
男「そんなしみじみと言わなくても」
少女「せんせいは料理上手だね」
男「一人暮らしだからなぁ。自炊の方が安上がりだし」
少女「せんせいのごはん、好き」
男「そうかそうか。モリモリ食えー」
少女「うんっ」モグモグ
男「ふーごちそうさま」
少女「食器洗う」カチャカチャ
男「いいよ置いといて」
少女「手伝う」カチャカチャ
男「…そか。じゃあお願いしようかな」
少女「うんっ」
男「あぁもうこんな時間か」
少女「…」
男「寝るか」
少女「…」
男「何観てんの?」
少女「…ニュース」
男「まぁニュースくらいかやってないもんなこの時間」
少女「…」
男「そろそろ寝るか?」
少女「…うん」
男「行ってきまーす」
少女「いってらっしゃい。今日はおそいんだよね?」
男「うん。カレー、昨日の残りがタッパーに入れてあるから。温めて食べなね」
少女「うん、カレー好き」
男「はは。じゃあ、なるべく早く帰ってくるかな」
少女「うんっ」
バタン
男「(なんだかんだで、一週間経っちゃったなぁ)」
男「(少しずつ元気になってくれたのは良かったけど)」
男「(やっぱりこのままじゃダメだよなぁ)」
男「はぁ…」
男「ただいまー」
少女「おかえりなさい」
男「お土産買ってきたぞー」
少女「おみやげ?」
男「まぁ、大したもんじゃないけどさ。風呂入ってくるから、その後な」
少女「はーい」
少女「おみやげ、おみやげ」ワクワク
男「じゃーん!雪見大福だー」ドーン
少女「…」ポカン
男「あれ?」
少女「…」
男「き、期待外れだったかな…はは」
少女「…」ジッ
男「…?」
少女「せんせい…?」
男「な、なに?」
少女「…ぁ」
少女「…んん。これ、好き」
男「そか」
男「(たまにジッと見つめてくるんだよなこの娘。何か言いたいことがあるんだろうか…)」
少女「おいしいっ」ニコニコ
男「うん、雪見大福はうまいよな」モグモグ
少女「ん」モグモグ
トイレ
男「じゃあ、お休み」
少女「おやすみなさい」
パタン
男「…ふぅ」
男「(このままじゃ、ダメだよなぁ)」
男「おはよ」
少女「おはよう」
男「今日は休みだから、どっか出掛けるか」
少女「え?」
男「ずっと篭りっぱなしだと気が滅入るだろ?」
少女「いいの?」
男「どっか行きたい所ある?服とか欲しいだろ」
少女「んん…ゆ、遊園地…」
男「遊園地?」
少女「ダメだったら、他のとこで大丈夫」
男「あ、いやダメじゃないけど。遊園地ね、分かった行こう行こう」
少女「いいの?」
男「(やっぱり子供だなぁ)」
男「遊園地か。近くだとどこがあったかな」
少女「…○○ランド」
男「あぁ、懐かしいな。昔よく友達と行った行った」
少女「…」ジッ
男「じゃあそこに行くか」
少女「うんっ」
男「おー。ガラガラだなぁ…」
少女「あれ、あれ乗りたいっ。あ、あの回るやつも」キョロキョロ
男「ははは。順番にな。まずはジェットコースター行くか?」
少女「ん、うんっ!」ワクワク
少女「つぎ、次はねあの行ったり来たりするやつ」
男「うん」
少女「あ!あのぶら下がるの乗ろうっ」
男「おう」
少女「車の運転するのやりたいっ」
男「ほー」
少女「次っ次はね」
男「ちょっと休憩しようか」
少女「はー」
男「はいカルピス」
少女「ありがとう」ニコニコ
男「(はしゃぎまくったなぁ。連れてきた甲斐があった)」
少女「せんせい。次はあれ乗りたい」
男「観覧車か、分かった」
男「これ乗ったらそろそろ帰るかね」
少女「うん。…せんせい」
男「ん?」
少女「今日、とっても楽しかった」
男「俺も楽しかったよ。遊園地なんて何年ぶりかなぁ」
少女「…」
男「ここはよく来たりしたのか?アトラクション詳しかったし」
少女「…」ジッ
少女「前に一回だけ」
男「へぇ」
少女「楽しかった…ありがとうせんせい」
男「どういたしまして」
男「じゃあ帰りますか」
少女「うん」
男「…」
少女「…?せんせい?」
男「あのさ」
少女「…?」
男「キミの家に行ってみないか?」
少女「え…」
男「やっぱりこのままじゃ、ダメだと思うんだ」
少女「帰れない」フルフル
男「家に追い帰すわけじゃないよ、とりあえずお母さんに会って話だけでも」
少女「…っ」フルフル
男「話は俺がするから、とりあえず家だけでも教えてくれないか?」
少女「っ!だ、ダメ!」
少女「だめ、だめ…」フルフルフルフル
男「(困ったな…ここまで拒否られるとは)」
少女「…」ギュッ
男「分かった。じゃあ家だけでも教えてくれないか?万が一の時のために」
少女「…っ」ジッ
男「(駄目か…)」
少女「…」ジーッ
少女「…せんせいが、大丈夫なら」
男「(…?)おう!じゃあ行こうか」
少女「…あそこ」
男「あのアパートか」
少女「…」ジーッ
男「大丈夫、無理に帰したり会いに行ったりしないよ」
少女「………………」ジッ
少女「…ん」
男「(これ以上は無理そうか)」
男「ありがと、帰ろうか」
少女「…うん」チラッ
ガチャッ
男「あー…今日は遊び疲れたな」
少女「ん。楽しかった」
男「良かったよ、先風呂入っといで」
少女「うん」ペタペタ
男「はーサッパリした。」スタスタスタ
少女「…」スゥスゥ
男「あれ、寝ちゃったか」
少女「…」スゥスゥ
男「こんな所で寝たら風邪ひくぞ。よいしょっと、相変わらず軽いな…」スッ
少女「…ん、せんせ…?」モゾ
男「寝るならちゃんと布団で、」
少女「…んん」
男「寝言か」ゴソゴソ
少女「…ぃ…」
少女「…めん、なさぃ」
男「え?」
少女「…」
少女「め…なさ、ぃ」
男「…」
少女「…ぅ、ぁ」
少女「………………せん…せ……」
男「…」
少女「…」スゥ、スゥ
男「……………」
男「おはよ」
少女「おはよぅ…いただきます」ボー
男「今日もちょっと遅くなるから」
少女「ん…」モグモグ
男「…」モグモグ
少女「…」モグモグ
夕飯買イに行ク
腹が痛いのでtoilet
男「行ってきます」
少女「いってらっしゃい」
バタン
男「…」スタスタスタ
男「ふぅー…」スタスタスタ
男「…………よし」
男「あ、もしもし。おはようございます」
男「すみません、今日お休み頂いてもいいでしょうか?すみません、体調が…」
男「はい、ありがとうございます。はい、失礼します」ピッ
男「よし」スタスタスタ
男「確か、この辺りだったよな…」スタスタ
男「(せめてどんな顔してるかだけでも…)」スタスタ
男「…」スタスタ
男「何やってんだろうなぁ…」
食事中に携帯してタラ怒られタ
ごめんナサイ
男「…」
男「…」
男「…」
男「…暇だな」
男「…(うぅ…通行人が不審な目で見てくる)」
男「(中々外出しないな…もしかして既に出掛けてるとか?)」
男「(あと一時間待って出てこなかったら、少し移動しようかな…)」
男「はぁ…」
男「(結局昼まで張り込んでしまった)」
男「(しかし、いつまでもこんな所で突っ立ってたら、不審者扱いされても言い逃れ出来ないな…)」
ガチャッ
男「ん?」
女「…」パタン
男「っ!!」
女「…」カチャン
男「(あれが母親なのか…?)」
女「…」カッカッカッカッ
男「っ!やべ」ササッ
女「…」カッカッカッカッ
男「…(どこ行くんだ?何より…)」
男「(何か嬉しそうに見える…」
少女「…」ゴソ
少女「…」ペラッ
少女「…………」ギュッ
《次のニュースです。…》
少女「…」ハッ
少女「…せんせい」
少女「このままじゃ、ダメ…」
男「ただいまぁ」
少女「あっおかえりなさい。今日は早いんだね」パタパタッ
男「あ、あーうん。たまなはね」ジッ
少女「?せんせい?」
男「あ、いや。今日は外食にしようか。出れそう?」
少女「わかった。あ、おせんたく物しまわなきゃ」パタパタッ
男「あぁ、手伝うよ」
男「…………(様子見に行ったことは、とりあえず言わないでおこう)」
男「(結局後をつけたりはしなかったけど)」
男「(あれが母親なら…おかしくないか?)」
男「(娘が居なくなったのに…何で笑ってられるんだ?)」
男「(何で…!)」
少女「せんせい?」
男「!」ハッ
少女「わたし、食べたいの決まったよ?せんせいは?」
男「あぁごめん、ちょっとぼおっとしてた。えっと…俺はこのステーキ丼にしようかな。すみませーん」
少女「つかれてる?大丈夫?」
男「はは、大丈夫大丈夫。あ、注文何にした?」
少女「エビフライのセット」
男「またそれかー。本当好きだなぁ」
少女「………せんせいとエビフライ食べた?」
男「…?いや、えっと?うん。無いな…」
少女「………」ジッ
男「アレだ、子供らしいものが好きだなってことだよ、うん」
少女「…そう」
少女「…」モグモグ
男「かたっ。この肉かってぇ」ギリギリ
少女「…」モグモグ
男「うまいかい?」
少女「うん。せんせいも食べる?」モグモグ
男「お、じゃあ一口」
少女「しょうゆ、しょうゆ…」チョロロ
少女「はい、あーん」
男「ありがと。あ、肉食べる?固いけど」モグモグ
少女「食べるっ。あー」
少女「おいしかった」
男「ふぅー食ったー。もう寝れるね」
少女「帰ったらお風呂」
男「はいはい」
少女「…」ジッ
男「またそんな見つめて…何ー?」
少女「…なんでもない」フイッ
男「意味深なんだよもう…」
男「ふはぁー。サッパリサッパリ」
少女「…」
男「テレビ面白いかい?」
少女「んー…」ウトウト
男「眠かったら無理しないで布団行きなよ」
少女「ん、まだだいじょうぶ…」
男「ジュース飲むか?」
少女「うーん…」カクッカクン
《今月○○日に○○県で起こった殺人未遂事件。通称○○事件について、簡単におさらいしましょう。まず、この事件の発端は…》
男「またこの事件の特集か」
少女「…」ジッ
《調べによりますと、○○容疑者と被害者の○○さんは××会の会員として知り合い…》
少女「…」
《○○容疑者はこの××会の熱心な信者だったんですよね。今回の事件も、この××会での活動に関する意見の食い違いから口論に発展し…カッとなって犯行に及んだのではないか?と推測されるわけですが…》
男「怖いねぇ。宗教とか」
少女「…」チラッ
《××会にも取材を申し込みましたが、会員活動とは一切関係がないとのコメントが返ってきただけで…》
少女「…」
男「寝るか。の前にトイレトイレ」スタスタ
少女「…」
少女「…」ゴソゴソ、ペラッ
少女「………」ギュッ
男「ふー」ガチャッ
少女「…」ギュッ
男「何それ。パスケース?」
少女「ぁっ!」ビクッ
少女「な、なんでも!」バッ
男「そ、そんなに勢いよく隠さなくても…」
少女「だ、大事なものだから…」
男「そ、そうかい…」
少女「おやすみなさい」
男「あぁ、おやすみ」
パタン
toilet
男「お疲れ様でしたー」ガチャ
男「(今日の夕飯は何にするかな)」スタスタ
男「ん…?」
猫「」
男「うわっひでーな…野良猫かな」
猫「」
男「車に轢かれたのかね…可哀想に」
猫「」
男「…」キョロキョロ
男「とりあえず近くに埋めてやるか」スッ
猫「」
猫「…」ピクッ
男「!まだ生きてるのか」
男「ど、どっか近くに動物病院は…!?け、携帯で調べるか」ゴソゴソ
少女「…せんせい、おそいな」
ガチャッ
少女「あっ」
男「遅くなってごめん、ただいま」
少女「おかえりなさ…っ!?」ビクッ
男「?どうし」
少女「血、血が」
男「あぁコレ俺の血じゃないよ。しかし、この服もう着れないな…」
少女「どうかしたの?」
男「ちょっと猫を病院に連れてっててさ」
少女「ねこ?」
男「車に轢かれて倒れててさ。最初ピクリともしないからダメだと思ったけど、まだ微かに息があったんだよ」
少女「ぁ…」
男「で、急いで病院に連れてって」
少女「大丈夫だった…?」
男「何とか。一命はとりとめたってさ」
少女「そう、よかった」
男「明日また様子見に行ってくる。野良猫っぽいから里親も捜してやんないとなぁ」
少女「…」ジッ
少女「せんせいはやさしいね…」
男「ただいまぁ」
少女「おかえりなさ、あっ?」
男「今日退院だったんで連れ帰ってきた」
少女「眠ってるの?」
男「あぁ、しばらくは安静だな」
少女「…」チラッ
猫「…」
少女「…よかったね」
カチャ
男「そんなに気になるかい。でもあんまり見過ぎるとストレスになるらしいから程々にね」
少女「うん。早く元気になるといい」
男「じゃあバイト行ってくる」
少女「いってらっしゃい」
男「猫宜しくな」
少女「うん。見てる」
男「あんまりジッと見すぎないように」
少女「うん」
男「何かあったら電話ね。じゃ、行って来ます。」
少女「いってらっしゃい」
男「(本当は今日休みなんだが)」スタスタスタ
男「(もう一度、見に行ってみよう)」スタスタスタ
男「………………」スタスタスタ
男「(何で俺は…)」
男(出会ってまだ少ししか経ってない、他所の子供の為にこんな犯罪紛いのことまでして
最初から深く関わらずに警察に任せておけば良かったのに)
男「………………はぁ」
男「グダクダ考えてる内に着いちゃったよ、はは」
男「…………!」
ガチャッ
女「…あ、もしもし?うん、あと20分くらいで着くと思う。うん、じゃあまた後で」ピッ
女「はぁ…」カッカッカッカッ
男「(待ち合わせか?)」スッ
女「…」カッカッカッカッ
男「…」ヒタヒタ
男「喫茶店か…」
女「…あっ」ガタッ
中年男「悪い遅くなって!」
女「ううん大丈夫。お久しぶりね」
中年男「いやー本当久しぶりだよなぁ。何年振りだ?卒業式以来だもんなぁ。連絡きた時は驚いたよ」
女「ごめんなさいね、急に呼び出したりしちゃって…」
中年男「はは、どうせ暇してるから良いよ」
中年男「そういえば結婚したんだっけ?子供もいるとか…」
女「あら、アナタも随分美人な奥さん捕まえたって噂で聞いたけど」
中年男「あー、はは。じゃあそれが結婚詐欺で、借金背負わされたって噂も聞いたんだろ?」
女「…」
中年男「それから仕事も上手くいかなくって…この年でフリーターだよ。笑えだろ?ひひ、ひへへ…」
中年男「何か、何でかねえ。上手くいかないわ人生って。ひへへ、悪いね久しぶりに会ったのに暗い話で」
女「上手くいかないのは貴方のせいではないわ」
中年「慰めはいいって、どうせずっとこんな人生なんだからさ。もう諦めてるしなぁ」
女「本当にそれでいいの?諦めてしまっても」
中年「あぁ?」
女「貴方次第で、運命はいくらでも良きものに変わるのよ」
女「大事なのは、変えたいと願う精神なの」
中年「な、何の話?」
女「ねえ?このまま辛く悲しいままの人生を続けていって、本当にそれでいいの?少しの努力で、人間は幾らでも幸せになれるのに」
中年「何だよ?ほ、ほっといてくれよ!そ、そりゃ俺だって勝ち組になりたかったさ!今からでも叶うんなら、そうなりたいに決まってんだろ!でも」
女「なら、大丈夫よ」ニコッ
女「実は私も数年前まで、不幸のどん底にいたのよ」
中年「…」
女「悲しいことしか無くてね。毎日毎日、生きてるのが辛かった」
女「そんな時にね、ある方に出会ったの。その人に悩みを打ち明けたらね、とってもスッキリした気分になった。それだけじゃなくて、どうすればよりよい人生を歩めるか…素晴らしい人間になるための心構えとか…沢山のアドバイスをくださったの」
女「ね、どう?この後もし、時間があったら。一緒に会いに行ってみない?」
男「(店を出るのか)」カタッ
中年「あの、何か危ない所じゃないよな?俺やっぱり…」オドオド
女「大丈夫よ?ここから近いし、すぐだから」カッカッ
中年「わ、分かったよ…」トボトボ
男「…」ヒタヒタ
女「あ、見えてきたわ。此処よ」
中年「え?ここって…」
女「…ねえ、××会って聞いたことあるかしら?」
男「ここ…?」
中年「最近ニュースでやってる、あの事件の」
女「あぁ、あれは違うの。あれはね、とっくに会員でもなんでもないわ。こっちも困ってるのよ?すっかり悪いイメージがついてしまって」
中年「あ、あんた会員なのか?」
女「そうよ。でも誤解しないでね?あんなのはただの例外なの。他の会員の方たちはね、ちゃんっとした素晴らしい人間ばかりなんだから」
中年「いや、おれ宗教とか興味ないし…」ジリッ
おい、ニート。
こんなことしてないで寝ろよ
>>313
クソゴミ電話が知っておかなければならない三つの暗黙のルール
・書き込むときは必ず「もしもしですいません」と前置きしておかなければならない
・スレで末尾〇の書き込みが三つ以上連続しないように、タイミングを計って書き込まなければならない(電話の書き込みが重なると不愉快)
・自分をクソゴミ以下のVIPの蛆であることを自覚し開き直ってはいけない
最近となるとこのルールをもう忘れてる生意気なクソ共が蔓延しはじめてるようだな^^
「うわつまんね」「VIP終わってるな」「画像でかくて開けね、imepitaで頼むわ…」は?は?は?お前何言ってんの?電話でしょ?鏡見て?君末尾Oなんだよ?分かってる?恥ずかしくないの?
いいか?電話ってのはほとんど9割方がつまらなく空気読まない、書き込むだけでそのスレの存在価値が
ゼロ以下つまりマイナスに下げる要因の一つになる癌なんだぞ?
それを俺達PC白血球様が寛大なる心でいくつかの制約を与え、やっとお前らがいていいことになってんだ
俺達白血球が本気になればいつだってひろゆきに連絡して永久規制を申請することができるんだからな。
今知っただろ?無知無恥のクソ電話はこの事実を知りぶるぶる震えてろ
あと、お前ら電話は本当は害なんかじゃないとか開き直ってんだろ?
違うね。今言ってるのは全て真実の事実だ。
例えば携帯用AAが開発されたり、糞ゆとりが携帯使って下らないけいおんSSスレをageたりPC様の目障りになって
実害は数えられないほどある。分かってるのか??真実から目を逸らすな。理解しろ。電話でもだ。
それと電話もPCも使ってるって奴はもうどうしようもない屑。VIPEERである誇りを失い、電話を持ってることがステータスだと勘違いしてるゆとり屑以下。
非VIPEER。似非。屑。雑魚。勘違い野郎。「私はリア充なので電話を使わざるをえないんです・・・」←ふざけんなクソ市ね
自分が蛆以下のゴミクソ存在であることをちゃんと理解しましょうね。それがVIPにお前らが存在していい唯一のアレなんだからよ
以上だ。反論レスは許さない。
分かったら「もしもし理解しました申し訳ございません」これだけ書き込んどけ( ´,_ゝ`)プッ
女「宗教だなんて大袈裟に考えなくていいのよ?ちょっとしたお悩み相談の場よ。皆人間だもの、誰にだって悩みはあるわ。それをありのままに打ち明け合うの。己をさらけ出して、相手を受け入れる。そうすることで、自ずと見えてくる答えがきっとある筈よ」
中年「金とかないし、人見知りだし…」
女「いやだ。お金なんかいらないわよ?そういうのは余裕のある人が出せばいいの。誰も強要なんかしないもの。無理することなんかちっともないの。それに皆本当に優しい人たちばかりよ。何にも怖がることないわ?」
中年「で、でも」
女「ふふ、分かるわ。私も最初は半信半疑、不安だったもの。ね?少しだけ皆とお話してみない?怪しいと思ったら、すぐに帰っても構わないから」
中年「…分かったよ。じゃあ、少しだけ…」トボトボ
女「わ、良かった!皆に紹介するわね。きっと皆歓迎してくれるわ」カッカッカッカッ
バタンッ
男「ここって…」ボー
『せんせいはやさしいね』
『わたしがいけないの。お母さんの言う通りにしなかったから。だからお母さんまた泣いちゃった…』
『わたしエビフライのセットがいい!』
『好きな食べ物?ハンバーグとカレーと…』
『お母さんが子供は好きでしょ?ってよく作ってくれるの』
『せんせいってよんでもいいですか?』
『前にお母さんが、ソンケイしてる人のことセンセイってよぶって言ってた』
『わたしには、せんせいはせんせいだよ』
保守
スーツの男「あれ…あ、貴方は」
男「ぁ…」ハッ
スーツの男「あ、あ!ちょっとお待ちを、今他の者を呼んで参ります!」クルッ
男「え?な、待っ」
男「…っ!」ダッ
スーツ「あ、お待ちください!おい誰か!誰か早く…!」
ガチャッ
少女「あ、おかえりなさい。ネコごはんちゃんと食べたよ!せん…」
男「…」
少女「?せんせい?どうかしたの…?」
男「……………………」
男「俺とキミは、前に会ったことがあるのか?」
少女「ぁっ…………」
男「××会で」
少女「…」
男「キミは気づいていたのか?」
少女「…」
少女「……………うん」
男「何で…何も言ってくれなかったんだ…」
少女「………いいと思ったの」
男「え?」
少女「わすれた方がせんせいがシアワセなら、その方がいいと思ったの」
男「そんなの…」
少女「全部思い出したの…?」
男「分からん…どこまでで全部なのかも分からんしさ。でも…」
男「キミとご飯食べたり遊園地行ったり…一緒に遊んでたことは思い出した」
男「それと」
男「俺があの、最低な人間の息子だってことも…」
少女「…」
男「何で俺、忘れてたんだ」
少女「せんせいは、事故にあったんだよ」
男「事故」
少女「でもあれは事故じゃなかったって。多分、誰かがって…」ギュッ
男「会員の誰かってことか」
少女「その事故のショックで、せんせいはキオクソウシツになったんだって。全部忘れちゃったって、お母さんが言ってた」
男「キミのお母さんは」
少女「××会の会員。最近カンブになれたって、よろこんでた」
少女「お母さん変わったの。昔はため息ばっかりついてたのに、会員になってから笑うことが多くなった。仲間が出来たって、すごくうれしそうだった」
少女「でもだんだん、家にいることが少なくなってた。だんだん、ご飯作らなくなって、お話することもなくなっていっちゃった」
少女「家に一人でいるのもさびしくて、いつも会場の外でカツドウがおわるのを待ってた」
少女「そしたら、ある日せんせいに会ったの」
男『何してんの、こんな所で』
少女『…お母さんをまってるの』
男『お母さん?中にいんの』
少女『うん…カツドウしてる』
男『お前も中入りゃいいじゃん。寒いだろ』
少女『前にダメっていわれたもん』
男『あぁ…そうか』
少女『お兄ちゃんも仲間の人?』
男『っ!違う!』
少女『!』ビクッ
男『あ、ごめん』
少女『じゃあ、お兄ちゃんもだれかまってるの?』
男『いや、俺は違うんだ…』
少女『ふーん…』
男『…』
少女『…』ボー
少女『あ、昨日のお兄ちゃんだ』
男『今日も待ってたんのか』
少女『うん。家に一人でいてもつまんないもん』
男『友達とかと遊べばいいだろ』
少女『…お母さんがダメって言うから』
男『はぁ?何で?』
少女『ケガレがつくからだって』
男『…頭おかしいだろ』
少女『…?』
男『親がアレだと子供は大変だよなぁ』
少女『うん?』
男『なぁ、どっか飯でも食いに行くか?』
少女『だれかとご飯食べるの、学校以外で久しぶり』キョロキョロ
男『お母さんとは一緒に食ってないのか』
少女『お金だけ置いてってくれる』
男『…とりあえず今日は好きなもん食えよ』
少女『本当?うーんとー…じゃあ、このエビフライのセットがいい!』
男『おう。俺はステーキ丼にするか。すいませーん』
男『今更だけど、知らない人についてくなって学校で言われるだろ?』
少女『危ない人にはついてくなっていうのは言われるよ』モグモグ
男『いや一緒だから。知らない人にもダメだからさ』
少女『でも一緒にごはん食べたから、お兄ちゃんはもう知らない人じゃないよ』モグモグ
男『そういうことじゃなくてさぁ』
少女『危ない人でもないよ?』モグモグ
男『わかんねえだろ、誘拐犯だったらどうすんの』
少女『え!えー?じゃーあー…んー。逃げるもん』モグモグ
男『逃げるもんじゃないっつうの。とにかくこれからは知らない人にもついてかないように』
少女『わかったあ』モグモグ
男『いただきます。…かたっ。この肉かたいな…』
男『よ』
少女『お兄ちゃんだ。こんにちはっ』
男『お前学校休みの日でも、ずっとここでボーッとしてるよな』
少女『お母さん毎日来るから』
男『つまんなくねえの』
少女『…お母さんのそばにいたいもん』
男『………そうかい』
少女『あっ!お兄ちゃんだー』
男『おう。あのさ、どうせ暇なら遊びに行かないか?』
少女『えっ?』
男『遊園地とか。近くのとこで良かったらだけど』
少女『あ、えっと…でも勝手にでかけたら怒られるかも』
男『どうせ終わるまで出てこないじゃん。少しくらいならいいだろ』
少女『でも…』
男『…嫌ならいいんだけどさ』
少女『あっ』
男『ん?』
少女『ちょっとだけ、なら。いいかなぁ?』
男『大丈夫大丈夫。おしっ行こうぜ』
少女『わ、わ、わあ、あああ』
男『チケット買ってきたぞー』
少女『わ、わたし遊園地初めてきたっ!』キョロキョロ
男『珍しいな。俺は子供の頃よく来たなぁ』
少女『あれがジェットコースターかぁ』キョロキョロ
男『はは。じゃあどんどん乗りまくるか!』
少女『わあ!うん!』
男『次はあの行ったり来たりするヤツ行くか』
少女『はーい』
男『よーしあのぶら下がるの乗ろう』
少女『うん』
男『あれ、車の運転できるんだぜ』
少女『ふぇー』
男『よし次は』
少女『お兄ちゃんちょっとつかれちゃったー』ヘトヘト
男『休憩するか。何か飲む?何がいい?』
少女『んー、カルピス!』
男『じゃあ俺は烏龍茶っと』ピッガコン
少女『はぁー。すっごい楽しい!』
男『そりゃ良かった。最後はアレ乗るか。やっぱり定番だからなぁ』
少女『アレ?あのおっきいヤツ?』
男『観覧車な』
女『たかーい!』
男『おいあんま動くなよー。揺れる揺れる』
少女『楽しかったなぁ』ニコニコ
男『良かったな』
少女『ありがとうお兄ちゃんっ』
男『…どういたしまして』
男『あ、どうせならアレ撮ってくか』
少女『写真?』
男『プリクラ。記念にさ』
少女『うん、とりたいっ』
男『よし、撮ろう撮ろう』
少女『わああ…!』
男『写真映り悪いなぁ俺…』
少女『大切にするね!』
男『はは、おう』
少女『あ、お兄ちゃん!昨日はありがとう』
男『おう』
少女『見て見て昨日の写真ー』ピラッ
男『パスケースに入れてんのかよ』
少女『大切だから、いつでも見れるように』
男『…そうかい』
男『よう。今日はお土産がありまーす』
少女『おみあげー?』ワクワク
男『お土産な。じゃーん、雪見大福でーす』
少女『わぁ!なにこれ美味しそうっ』
男『美味いぞ』
少女『あまいーおいしいっ』
ダい2部完
瞼が落ちル
落ちタラ立て直す
保守
し
はよ
保守
コノママだと保守スレになりそうDAKARA木曜か金曜クライに立て直す
titleは同じにスルつもリ
御詫びに次回必ず完結サセルので、気が剥いたら読んでクレると嬉しイ
ではお休みなサい
し
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