由比ヶ浜「ねぇヒッキーの好きな人って誰?」 (205)
八幡「お前」
由比ヶ浜「え?」
八幡「由比ヶ浜結衣だよ。何度も言わせるな」
由比ヶ浜「え、ええっ!?あ、そ、その……ヒッキーのエッチ!」
八幡「なんでだよ」
はい
由比ヶ浜「あっ、ごめん……」
八幡「まあ、お前限定でエッチな気分にはなるかもな」
由比ヶ浜「は、はぁぁ!?何いってんのヒッキー!マジでキモい!」
八幡「そっか……じゃあ訂正するわ。お前だとエッチな気分にならない」
由比ヶ浜「え?」
八幡「由比ヶ浜とセックスとか考えられん」
由比ヶ浜「……」
④④④④④
八幡「これならいいんだろ?」
由比ヶ浜「う、うん……でもなんか複雑な気分……」
ガラッ
雪ノ下「あら二人とも早いわね、ときに比企谷くん」
八幡「ん?」
雪ノ下「あなたの好きな人は誰かしら?」
由比ヶ浜「ゆ、ゆきのん!?」
八幡「決まってるだろ。ゆ……」
由比ヶ浜「あっ…///」
八幡「きのした、おまえだよ」
由比ヶ浜「……」
雪ノ下「あら嬉しいわね。比企谷くんは全然タイプではないけれど悪い気はしないわ」
八幡「へいへい」
由比ヶ浜「ちょっとヒッキー……」
八幡「ん?」
由比ヶ浜「さっき言ってたことと違くない……?」
八幡「どこが?」
由比ヶ浜「さっきあたしのこと好きだってゆったじゃん!!!」バンッ
八幡「なに怒ってんだよ…」
由比ヶ浜「怒るに決まってるじゃん!あたしのこと好きって言った後になんでゆきのんのこと好きって言っちゃうの!?しかも目の前で!」
八幡「お前が嫌がったんだろ。俺に好意を持たれるの」
由比ヶ浜「え?」
八幡「だから雪ノ下のことを好きになった。どこに文句あるんだ?」
由比ヶ浜「い、嫌がってなんて……」
八幡「キモいキモいって何度も言われたらこっちだって傷つくんだよ」
由比ヶ浜「あ…う…」
八幡「こっちは好きだって言ってんのにあの態度はないだろ」
由比ヶ浜「う……ごめんなさい」
雪ノ下「もうそのくらいでいいんじゃないかしら?由比ヶ浜さんが可哀想よ」
八幡「まあ、そうだな。こいつになに言っても無駄そうだし」
雪ノ下「そうよ無駄なことはしないに限るわ。それで比企谷くん。今日は一緒に帰らない?」
八幡「なんだよ急に」
雪ノ下「あなたとの親交を深めたいだけよ。付き合ってくれるわよね?」
八幡「ま、まあそれなら……俺としても嬉しいつーか……」
由比ヶ浜「……」
バンバンバンバンバンバンバン
バン バンバンバン
バン (∩`・ω・) バンバン
_/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
\/___/ ̄ ̄
バン はよ
バン (∩`・ω・) バン はよ
/ ミつ/ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄\/___/
; ' ;
\,( ⌒;;)
(;;(:;⌒)/
(;.(⌒ ,;))'
(´・ω((:,( ,;;),
( ⊃ ⊃/ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄\/___/ ̄ ̄
/\
/ /|
∴\/ /
゜∵|/
(ノ・ω・)ノ
/ /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ポチ ポチポチポチ
ポチ (∩`・ω・) ポチポチ
_/_ミつ/ ̄/
/_/ ̄ ̄ ̄ ̄
雪ノ下「唐突だけど比企谷くんはわたしに欲情することはあるのかしら?」
八幡「女の子がなに聞いてんの!?」
雪ノ下「わたしだって恥ずかしいのよ。ちゃんと答えて」
八幡「お、おう……もちろん……ある」
雪ノ下「そう……比企谷くんってエッチなのね。正直引いてしまうわ」
八幡「自分で質問しといてそれはないんじゃないか?というか俺普通だと思うんだけど」
雪ノ下「わたしは比企谷くんには欲情しないわよ」
八幡「そりゃ……男女の違いってもんが……」
雪ノ下「ウソよ」
八幡「は?え、ウソ?えぇぇ!ちょっ、なにぶっちゃけてんの!いや嬉しいんだけどね!」
雪ノ下「由比ヶ浜さん見てるわ。自重してちょうだい///」
由比ヶ浜「……」
やっはろー!
八幡「どっちかって言うと雪ノ下が自重するべきなのでは?」
雪ノ下「ごめんなさい。ちょっと舞い上がってしまったわ」
八幡「俺の告白でか?言われ慣れてるだろこんなの」
雪ノ下「ええでも、両思いは初めてなのよ」
八幡「え?あ、ふーん、そうなんだ……」
雪ノ下「なにその反応は?もっと気の利いたことは言えないのかしら」
八幡「いや俺も……こういうの初めてで……何と言っていいか」
雪ノ下「ふふ、似てるわね」
八幡「あ、ああ」
由比ヶ浜「………」
雪ノ下「それじゃ帰りましょうか」
八幡「奉仕部の活動はどうすんだよ?」
雪ノ下「由比ヶ浜さんがいるじゃない。彼女一人でも十分奉仕部は機能するわ」
八幡「それもそうか」
雪ノ下「じゃああとは任せるわね」
八幡「困った事があったらメールくれよ。じゃお先に」
バタン
由比ヶ浜「……」
由比ヶ浜「う……うぇ……ひっ……」
わっふるわっふる
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ガバッ
由比ヶ浜「はっ!ゆ、夢……?」
由比ヶ浜「はーっ、良かったぁ、びっくりしちゃったよ……!」
由比ヶ浜「でもこれって警告なのかも……やっぱり素直にならないとね……!」
由比ヶ浜「明日からはもっとヒッキーに優しくしないと!」
ん?
由比ヶ浜「やっはろー!今日はヒッキーのためにクッキー焼いて……」
八幡「ん……ふ……」
雪ノ下「あっ……比企谷くんキスが上手になったわね」
八幡「何度もやってればな。俺の学習能力を甘くみるなよ」
雪ノ下「だったらこの先も期待させてもらうわ……んんっ……ふ……!」
由比ヶ浜「え、あ………あれ?なに……これ?」
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ガバッ
由比ヶ浜「はっ!ゆ、夢……?」
由比ヶ浜「もう一体何なの!心臓に悪すぎ……!」
由比ヶ浜「っていうかヒッキーとゆきのんが部室でチューしてるとかありえないし!」
由比ヶ浜「はぁ、もう……何でこんな夢見るんだろ。あたしって欲求不満なのかな?」
由比ヶ浜「やっはろー!今日はヒッキーにクッキー焼いて……」
八幡「く……イイぞ……ッ!」
雪ノ下「ん……じゅぷ……ん……」
八幡「も、もう……出そうだ……!」
雪ノ下「ん……いいわよ。わたしに搾り取られること光栄に思いなさい」
由比ヶ浜「ま、また!?なんなのこれ!なんなの……もう!」
八幡「……」ペラリッ
ガラッ
由比ヶ浜「……」ドヨーン
八幡「……なんだ? 今日はあの馬鹿っぽい挨拶はなしか?」
由比ヶ浜「今日はそんな気分じゃないし……ゆきのんは?」
八幡「部長会議だとよ、だから遅れるとさ」
由比ヶ浜「ああ、そいやメール来てたっけ……ハァ……」ドヨーン
八幡「……」
八幡(やけにテンションが低いな、いつもの由比ヶ浜らしくない。
授業時間使って如何に二人きりを乗り越えるかシュミレーションしてたのが馬鹿みたいだな……
いや、別にぜんぜん意識なんてしてないですよ?
ほら読書邪魔されたりするの嫌だし、俺静寂とかぼっちとか好きだし、うるさくされると嫌というか……
まあでも、このままだと居心地悪いし、空気悪いし、気になって集中できないし
それに……落ち込んでる姿見るのは、嫌だしな)
ほ?
八幡「どうした、随分と暗いな。 お前まで暗くなるとこの部活暗い人間しかいなくなるじゃねえか、真っ暗すぎて松崎しげるも逃げ出すレベル」
由比ヶ浜「なにそのたとえ……つかゆきのんは暗くないし、暗いのヒッキーだけでしょ」
八幡「いいや暗いね、真っ黒だ。 俺を罵るときなんてドス黒い笑みを浮かべてるな」
由比ヶ浜「ドス黒いってひどっ! 女の子にその言い方はないし!」
八幡「おういつもの調子に戻ってきたな。 いいぞ、まるで発情期のメス犬だ」
由比ヶ浜「ははははは発情って何だし! ひ、ヒッキーの変態!
けだもの!マジキモイ!」
八幡「おいおい俺ほど人畜無害な動物はいないぞ。 むしろ人間が近づいただけでストレスで死ぬまである」
由比ヶ浜「繊細すぎて飼育が大変だ!?」
八幡「いやいや飼育してくれる人は大歓迎ですよ? 養ってくれるなら家事全般は八幡にお任せ! 小学6年レベルで」
由比ヶ浜「まだ諦めてなかったんだ専業主夫……」
八幡「あったり前よ、何を迷う必要がある? 今は専業主夫が微笑む時代なんだ!」
由比ヶ浜「日本じゃまだマイナーだし……ありがと、ヒッキー」
八幡「……いきなり何だ」
由比ヶ浜「元気付けてくれたんでしょ……さっきの? だから、ありがと」ニコッ
八幡「……別に、そんなんじゃない」
口ではそう言うものの、由比ヶ浜は俺の内心を見透かしたのか、微笑みをさらに深くする。
それが気恥ずかしくて、俺は無理矢理視線を手元の本に戻した。
一時から講義始まるんでレスできなくなります
講義終わるまでスレ残ってたら、続きを書きます
文章力についてはこれが初SSなんだ、ごめんね
>>94
すまんな、次は必修なんだ
まあ需要があるなら、隙をみて書いてみるよ
ほっしゅ
講義終わりました
今から書きます
嬉しそうな笑顔はそのままに、由比ヶ浜はキラキラとアホみたいに装飾されたケータイを取りだし、ぽちぽちといじりはじめるた。
横目にそれを確認すると、俺も意識を本の世界へ落としていく。
まだ雪ノ下はいないが、いつも通りの光景が戻ったことに安心感をおぼえながらページを捲っていく。
由比ヶ浜「ねぇ……ヒッキー……?」
ページが三桁に差し掛かったところで、ふいに由比ヶ浜が声をかけてくる。
目線は文章に落としたまま、それに答える。
八幡「なんだ」
由比ヶ浜「ヒッキーってさ……好きな人……いるの?」
八幡「おおおお、お前いいいいきなり、なに言い出しちゃってど?!」
由比ヶ浜「す、好きな人いるかって聞いてるの! あとキョドり方きもいし」
キョドり方キモいのは元からですよ、今までどれだけの女子に言われてきたことか……
でも女子に好きな人聞かれるなんて産まれて始めてなんですよ、男子からはあったけど
話しかけられたの嬉しくてつい言っちゃったら、次の日黒板に書かれて曝されてたけどな! あの恨みは忘れんぞ浅野
そんな無関係なことを考えていても状況は好転しない。
落ち着け、素数を数えておちつくんだ。 素数は1と自分でしか割り切れないボッチな数字、まるで俺みたい。
八幡「……いねぇよ、そんな奴」
完璧、あまりにも完璧すぎる解答。 波風立てることなく会話を終了させ、追求があっても素知らぬ顔で突き通す事ができる。
大丈夫、俺ならできる。 比企谷八幡は狼狽えない。
由比ヶ浜「……本当に?」
八幡「本当だ、百戦錬磨のこの俺がそんな間違いを再び犯すなど――」
由比ヶ浜「じゃあ……あたしの目を見て、もっかい言ってみてよ」
OKOK、予想の範囲内。 あとは此処でしくじることなく、ハッキリと言い切ればいい。
どうやら、また俺の方が一手上をいっていたようだな由比ヶ浜。
俺は大きく深呼吸してから、視線を体ごと由比ヶ浜に向ける。
差し込む夕日の赤光に照らされてか、由比ヶ浜の顔は上気しているように見える。
彼女の濡れた瞳と目線が絡まり、思わず唾を飲み込む。
由比ヶ浜「ねぇ……本当に、いないの?」
切なさを孕んだ声に、心臓を鷲掴みにされた気分になる。
小鳥の囀りのような小さな呟きだったのに、ひどく頭が揺さぶられる。
堪えきれず、俺は視線をそらす。
八幡「……仮に居たとしても、お前には、関係ないだろ」
冷たい言い方をして、由比ヶ浜を突き放す。
きっと、好きな人がいないのは本当なのだ。 自分が抱いている感情に、まだ名前をつけられない、つけたくない。
希望というのは、実に厄介で忌々しい。 一寸先も見えない奈落のどん底に、一筋の光を差し込んでくる。
あそこから出られるかもしれない、這い上がれば手が届くかもしれない、そんな見当違いの幻想を抱かせる。
だから必死にもがいて、這い上がって、手を伸ばしても、這い上がれば這い上がった分だけ更に深い深いどん底に突き落とされる。
何度も手を伸ばして、突き落とされて、漸く学んだのだ。
そもそも求めるべきではないと、此処こそが自分に相応しい場所なのだと。
由比ヶ浜「関係なくなんか、ないよ」
彼女の強い声に、思わず視線を戻す。
由比ヶ浜「あたしには、関係あるよ。 あたしは知りたい、ヒッキーは、どんな女の子が好きなのか。
それだけじゃない、好きな食べ物とか、嫌いなものとか……もっと、もっといっぱいヒッキーのこと知りたい。
それで、もっともっと仲良くなって、それで……」
ドクドクと、心臓が暴走したように早鐘をうつ。
彼女の言葉ひとつひとつが、まるで桴のように胸を叩く。
もしかしたらと思っても、今までずっと否定して目をそらし続けてきた。 間違いだと、偽者だと、幻想だと。
でも、彼女はそれでも離れないで、ずっと側にいて、目を反らさないで見つめてくれて
だから気になって、いつも目で追って、まだ見ぬ一面を知って胸を高鳴らせる。
もう勘違いしないと決めたのに、もう手を伸ばさないと決めたのに、また同じ間違いをする。
がんばれー
>>159
なんでお前が書かないんだよ
>>163
もうこれNnFBHYyx0のSSだし俺は支援に徹する
もう、彼女の想いを偽者だと否定する気はない。
一転の陰り、曇りが存在しないものなど無いのだと、俺は認め許容してしまった。
だから間違いだと断じてきたその想いからも、向き合うことに決めた。
そして向き合ったから気付いてしまった。 その尊さに、大切さに。
大切だから、かけがえの無いものだから、絶対に失敗は許されない。
だから踏み込めなくて、失うのが恐ろしくて、目を反らすしかなかった。
――だからこそ
八幡「お、俺の――」
――いま、手を伸ばせば
八幡「俺の、好きな人は――」
――ここから、抜け出せるかもしれないから
八幡「ゆ――」
ガラッ
雪ノ下「ごめんなさい、遅くなったわ」
八幡「?!」
由比ヶ浜「?!」
八幡「区ぇr(^3^)/言おps」
由比ヶ浜「ゆゆゆっゆゆきのん?!」
雪ノ下「想像以上に会議が長引いたわ……で、それは何をしてるのかしら……」
八幡「べべべべべb別にぜんぞんなにもしてねえし!」
由比ヶ浜「ほほほほ本当だよゆきのん?!ただおしゃべりしてただけだって!」
雪ノ下「それにしてはやけに距離が近い……まあ、由比ヶ浜さんがそういうなら不問にしましょう」
八幡「はぁ……どうしてこんな……」
雪ノ下「そんなに深いため息をつかれると気になるのだけれど……」
由比ヶ浜「た、ただの世間話だよ! ぜんぜん大したこと話してないよぉ!」
渋々といったご様子で、雪ノ下はいつもの定位置に座り、文庫本を読みはじめる。
俺も最後に盛大なため息をついて、読みかけの本を取る。
また雪ノ下に睨まれるが無視する。ため息つかなきゃやってられるかっての。
やはり俺の青春ラブコメは間違っている。
由比ヶ浜「……ヒッキー」
ふと、由比ヶ浜が俺に小声で話しかけてくる。
目だけを彼女に向けて、要件を聞く。
由比ヶ浜「さっきの続き……またあとでね?」
そういって最後に可愛らしくウインクする。
またトクンと、胸が高鳴った。 どうやら逃げることは許されないらしい。
頬が緩むのを抑えられそうにない。 俺はいま過去最高にキモい表情をしていることだろう。
そろそろ素直になって、この感情に名前をつける時が来たのかもしれない。
了
乙!
疲れた、SS書くのがここまでつらいとは……
最近俺ガイルSSのたて逃げが多いから、せめて一つくらい終わらせようと思ってはじめたんだが
支援、保守してくださった皆様、ありがとうございました
少しでも楽しんで頂けたなら幸いです
このSSまとめへのコメント
きんも
※1
そんなきんもなやつ見てるあんたもきんも(|||´Д`)
ガハマ派の人間か……。
俺ガイルは八幡と雪乃の成長を
周囲が自然と促して、恋愛感情
に素直になっていくというのが
メインテーマな訳で、ガハマの
アレは八幡の捻くれ観念の緩和
と、雪乃の八幡への恋愛感情の
自覚のトリガー的なものだから
読者がそれを理解してないのは
ダメだよ?
それでもガハマ√を書きたかった
のなら話は別だけどね。
※3
これあくまでもSSな?
分かってて言ってるんだったらどうかと思うぞ?