いろは「あっ、せんぱーい!」
八幡「げっ……」
いろは「なんですか!?げって!」
八幡「お前苦手なんだよ、察してくれ」
いろは「ひっどーい。あ、今暇ですか?」
八幡「耐久力あるなお前……。悪いな、俺は今から帰るところなんだ。また来週な」
いろは「なんで月曜なのに来週になるんですか。生徒会手伝って欲しいんですよ」
八幡「おい何だ急に」
いろは「生徒会意外と忙しいんですよー」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1386349318
八幡「それは今がそういう時期だからだ。そのうちすぐ暇になる」
いろは「曖昧なこと言って誤魔化さないでください。何も現状の打開になってないじゃないですかー」
八幡「つーかそういうの葉山に頼めって言ったろ?」
いろは「…………」
八幡(あれ?何この反応、地雷踏んだ?)
いろは「…………」
八幡「…………」
いろは「……振られました」
八幡「え?」
いろは「だーかーらー葉山先輩に振られたって言ってるんですよ!何ですか、今時難聴系主人公のつもりですか!」
八幡「理解が追いつかなかっただけだ。マジか、葉山がお前を振ったのか……?」
いろは「はい、はっきりとこの前、『俺には好きな人がいる。君の想いに応えることはない』的なことを言われました」
八幡「そうだったのか……」
いろは「葉山先輩のあんな顔初めて見ましたよ」
八幡(マジかよ……折本の一件で葉山がああいう一面を表に出すこともあるっていうのはわかっていたが、まさかこんな身近な奴にまでそれを見せるとは……何考えてるんだあいつは)
いろは「それからも葉山先輩これまでと同じように接してくるんだから怖いですよね」
いろは「まあ、わたしが振られたって噂は広がってないみたいなので、わたしはノーダメージなんですけど」
八幡「お前も十分怖えよ……」
いろは「ということで、先輩がわたしに出した生徒会長になる条件は未達成に終わりました。しかし、今更生徒会長を辞めることはっできません。なので先輩には責任を持ってわたしを手伝ってもらいます!」
八幡「確かにお前を乗せて生徒会長にしたのは俺だけどさ……」
いろは「そうですよ。はいはい早く来てください」グイグイ
八幡「引っ張るな。俺だって色々忙しいんだよ」
いろは「えぇ~、どっからどう見ても暇そうなのにー」
八幡「ああ、家に帰ってゲームして飯食って風呂入ってゲームしてよい子は早く寝なくちゃいけない」
いろは「ほら、早く行きますよ」グイグイ
八幡「スルー力も申し分ない……」
いろは「っていうか先輩、部活行かなくていいんですか?」
八幡「…………」
いろは(あれ?何この反応、地雷踏んじゃった?)
八幡「…………」
いろは「…………」
八幡「……色々あるんだよ」
いろは「そうですか、部活行かないなら生徒会来てください」グイグイ
八幡「おいそこは『何かあったんですか?』とか訊いてくるとこだろ」
いろは「わたし空気読める子なんで先輩が話したくないんだろうなってことくらいわかりますよ。てかぶっちゃけあまり興味ありません」
八幡「……お前最後のなけりゃ八幡的にポイント高かったのになあ」
いろは「何言ってるんですか、キモいですよ」
八幡「うっせ、空気読めるなら合わせろ」
いろは「まあまあ、温かいココアでも出しますので」
八幡「お茶でもコーヒーでもなくココアってところがあざといな、ちょっと心動かされたぞ」
いろは「チョロいですね」
八幡「だが俺はMAXコーヒーが好きだ。じゃあな」
いろは「来なかったら、先生に先輩にいたずらされそうになったって言いますよ」
八幡「マジでやめろよおい、教師が俺の言い分聞かなかったらどうする。下手すりゃ退学じゃねえか。行くから」
いろは「わかればいいんです。ではお一人様ごあんなーい!」
八幡「お一人様って言うとクレーム来るぞ、この学校にも確実にそれを嫌悪する人物に一人心当たりがある」
----------------------------
静「はっ」ガタッ
教員「どうしたんですか平塚先生」
----------------------------
ー生徒会室
ガララ
いろは「遅れてすみませーん」
めぐり「あ、一色さん、来ないかと思ってたよ」
八幡「ども」
めぐり「比企谷君!久しぶり、どうしたの?」
八幡「あ、いや、ちょっと……」
いろは「先輩が有志で手伝ってくれるそうです」
八幡「おいこら、俺はココアを飲みに来ただけだ。有志じゃねえ」
めぐり「ふふっ、じゃあ私が淹れてあげるね」
八幡「あ、先輩がわざわざそんなことしなくても……」
めぐり「別にいいよ~。私は基本的にアドバイスするだけで結構暇だから」
いろは「じゃ、先輩こっちです」
八幡「お前最初から自分で出す気なかっただろ」
いろは「比企谷先輩にやってもらうのは……」ガサゴソ
八幡「無視かよ……」
めぐり「どうぞ~」コト
八幡「あ、ありがとうございます」
めぐり「比企谷君が手伝いに来てくれるなんて嬉しいな」
八幡「半強制的に連れて来られたんですよ」
めぐり「ふふっ、それでもホントに来たくないなら君はちゃんと断ったはずだよ。だからありがとう」
八幡(……何このふわふわ空間。まだ何もやってないのに幸せな気持ちになれる。やべえよめぐりん、このココアもマジうめえ)ズズー
八幡「こちらこそ自分から言っといてなんですが、ココアすごく美味しいです。ありがとうございます」
めぐり「どういたしまして♪」
いろは「…………」
いろはす~
お前がいろはすSSを書きためてるって言ってた人か
八幡「それにしても、暖房効いてて飲み物も自由って、生徒会室って前からこんなだった……訳じゃないですよね?」
めぐり「うん、一色さんが色々改装したから。私も在任中はもう少し好きにやればよかったなあ」
八幡「いえ、先輩はあいつに染まる必要はないんです。そのままでいてください」
めぐり「何それー」クスクス
いろは「……はい!先輩はこの資料の整理をお願いします」
八幡「……多くないか?てか他の役員に説明しなくていいのか?不審者と間違われたら堪らないんだが」
いろは「そういえばそうでしたね」
いろは「みなさーん、この人はボランティアでわたしたちを手伝ってくださる二年の比企谷先輩でーす」
八幡(なに、タダ働きがこの瞬間決定したの?)
八幡「……よろしく」ヒクヒク
「…………」ペコリ
「…………ども」
八幡(反応良くねえな。やはりこの生徒会はめぐり先輩の時みたく、周りが会長を支えるシステムだ)
八幡(つまり、自分で志願して入った奴もいるだろうが、一色が自分に奉仕してくれると思ったチョロそうな奴も集められてる訳で……)
「…………」ジロッ
「…………」チラッ
八幡(どこの馬の骨とも知れん男を連れて来られたら、そりゃ面白くないわな)
めぐり「比企谷君には私が教えてあげるね」
八幡「あ、ありがとうございます」
八幡(この文頭に『あっ』ってつけちゃうのどうにかならないもんかね。あれですよ、日常会話の経験値が不足してるから仕方ない)
いろは「…………」
めぐり「文化祭の実行委員会でやったことよりは簡単だよ。この資料はここをね……」
八幡(部活に居場所が無くなって、生徒会に逃げるとかどこのハーレムラノベ主人公だよホント)
いろは「キリキリ働いてくださいよ、先輩」
八幡「はぁ……」カタカタ
おやすみまた書く
>>11
そう。チンタラ書きためしてる場合じゃなかった
書いた内容が被る被る
仕方ないから再構成してめぐり先輩を組み込んだ
月イチ連載(休載有)でいいやと思っていた(小声)
めぐりんのターン!
ー1週間後
八幡「なあ、一色」カタカタ
いろは「なんですか」
八幡「俺、一日だけって言ったよな」
いろは「言いましたっけ?」
八幡「言ってねえな」
いろは「ですよねー。てか数日で終わるとか思わないでくださいよ。葉山先輩に甘えるつもりだった分全部先輩に引き継いでるんですから」
八幡「俺に甘えるとかよせよ。反吐が出るだろ」
いろは「先輩には甘えませんよ。なに照れた風に言ってるんですか」
八幡「つーか何で俺なんだよ。お前が媚びれば喜んで靴舐めるのも平気な奴なんていくらでもいるだろ」
いろは「わたしをどんな人だと思ってるんですかっ、そんなことさせませんよ!先輩には素で喋ってもOKなんでちょっとしたストレス発散です」
八幡「おめー雪ノ下かよ……あいつも少しそんな気風があったが」
いろは「あー先輩女の子の前で違う女の名前出したー。そういうのモテませんよー」
八幡「お前にモテなかろうが一向に構わん」
いろは「ちょっとは葉山先輩あたりの気配りを見習ったらいいのに」
八幡「誰があいつなんかを……。つーかお前普通に葉山の名前出してるけど、平気なのか?」
いろは「平気、ってどういう意味ですか?」
八幡「いや、なんつうか振られたばかりだとそいつを話題に出すのも気まずいっていうか……」
いろは「うーん……」
八幡(決してこれは体験談ではない。だって話題をつくる相手がいないしな。なのに次の日には想定の数倍の気まずさを味わなくちゃいけなかったのは何故だろうね)
いろは「好きか嫌いかで言えば好きでしたけど……、そういう意味でならあれは失恋になりますね」
いろは「まあ、ぶっちゃけて言いますとあれですよ」
八幡「あれ、じゃわかんねえよ」
いろは「こういう言葉があります。『彼氏は女のステータス』」
八幡「うわぁ……」
いろは「葉山先輩くらいカッコよくて勉強できてスポーツ万能だとこっちもそれなりに都合がいいことが多いんですよ」
八幡「へークズも色々考えてるんだなあ」
いろは「クズって何ですかっ、女子の間ではこの程度の打算は当たり前ですよ」
八幡(小町、お前だけはどうか清らかなままでいてくれ)
いろは「まあ葉山先輩を逃したのは残念ですけど、まあ、あの人もわたしの素を見抜いてたみたいなんでそんなに長くは続かなかったでしょうし」
八幡「だろうな」
いろは「今回は費用対効果があまりに割に会わなかったので疲れました。しばらく恋愛はやめておきますよ」
八幡「いやークズビッチさんのお話はためになる」
いろは「クズビッチ言うな!そりゃ誰かがわたしが男を何十人も乗り換えてるなんて噂流してますけど、そんなことありませんよ!」
いろは「いち…に……さん………ほら!だいたい中学三年間の間にどうやって二桁もいくって言うんですか!」
八幡「おい今指ギリギリだったじゃねえか」
いろは「ちょっと電話で話したり、何か買ってもらったりしただけでビッチ扱いはやめて欲しいですよ!」
八幡「もうやめてくれ、これ以上ビッチさんが傷つくのは見たくない」
いろは「だからビッチって言わないでくださいってば!」
めぐり「二人とも仲いいね~」
八幡「いえ全く」
いろは「えぇ~先輩ったらやだなもー…………ホント」
八幡「最後にボソッとリアルなのつけ加えてんじゃねえよ」
めぐり「ふふっ、比企谷君がそんなに喋ってるの初めて見たなあ」
八幡「俺は別にコミュ障ではないんで、普通に喋れますよ。経験値が足りてないだけで、あと話す相手がいないだけで」
いろは「それボッチの言い訳じゃ……」
八幡「あとこいつには何言っても心が痛まないので」
いろは「ひっどーい」
めぐり「ねえねえ比企谷君、ちょっとお願いがあるんだけどいいかな?」
八幡「何ですか?」
いろは「…………」
めぐり「生徒会の備品の買い足しに行くんだけど付き合ってくれない?」
八幡「俺でいいんですか?」
めぐり「そんなに大変じゃないんだけど、この時期外も暗くなるの早いし、一緒に来てくれたら嬉しいなあって」
八幡(めぐりん>いろはす Q.E.D.数学壊滅の俺でもわかるこの世の摂理だ)
八幡「構いませんよ」
めぐり「よかった。助かるよ」
いろは「生徒会の備品ならわたしが行きますよ、城廻先輩」
めぐり「ううん。気持ちはありがたいけど、私が私的に買いたいものもあるんだ。だから今日は私に任せて」
いろは「……そうですか、じゃあよろしくお願いします!」
八幡「というわけで、さらばだ一色。残りは自分でやるんだな」
いろは「あー、人に仕事押し付けるなんてサイテー」
八幡「うっせ、元々お前の仕事だろが」
めぐり「ごめんね、一色さん。比企谷君ならきっとまた手伝ってくれるよ」
いろは「あ、じゃあその時の分用意しておきます」
八幡(ナチュラルに次回の約束がされてる)
めぐり「それじゃまた明日ね」
いろは「はい、お疲れさまでしたー」
ー公園
八幡「うぅ……寒い……」
めぐり「お待たせ~、ちょっと時間かかっちゃったね、ごめんね」
八幡「いえ大丈夫です」
めぐり「店内は暖かかったんだから一緒に来ればよかったのに」
八幡「文房具屋ならまだしもあんなファンシーな店は俺にはキツいですよ」
めぐり「カップルも結構いたのになあ」
八幡「じゃあ尚更行かなくてよかったです。荷物持ちますよ」
めぐり「ありがとう。うん、やっぱり君はいい子だよ」
八幡「何ですかいい子って」
めぐり「ふふっ、じゃあいい子には先輩からプレゼントを贈りましょう」
八幡「へ?」
めぐり「じゃじゃーん、はいどうぞ」
八幡「いや、この程度のことでプレゼントなんて受け取れませんよ」
めぐり「そう言うと思って先に買っちゃったんだよ。買ってしまったものは仕方がない。ほら、開けてみて」
八幡「はぁ………ん、これって……」ガサゴソ
めぐり「比企谷君専用マグカップでーす♪これに美味しいココアでも紅茶でもコーヒーでも淹れてあげるね」
八幡「先輩まで俺を生徒会に縛る気ですか……」
めぐり「そんなつもりじゃないよ。仕事をいつも手伝ってくれるお礼と私の個人的な感謝だよ。だからお代も要りません」
八幡「そんな、俺は感謝されることなんて……」
めぐり「だめー」
八幡「はぁ、わかりました。ありがとうございます。慎んで頂戴致します」
めぐり「うん、それがいいよ♪」
めぐり「ふぅ……外はやっぱり寒いね」
八幡「そうですね」
めぐり「……卒業まであとちょっとだね」
八幡「俺は違いますよ」
めぐり「あはは、そっか……心配だな、比企谷君を残していくのは」
八幡「どんな奴だと思われてんですか俺。卒業くらいできます」
めぐり「ううん、そういうことじゃなくてね、比企谷君が残りの学校生活を楽しく過ごせるかなあって」
八幡「……俺は今までの通り普通にやりますよ」
めぐり「うん、人の感じ方や生き方は人それぞれだし、私と比企谷君の理想にはもちろんかなりの相違があるはずだよ。だから私の楽しいは君の楽しいとは違うと思う」
八幡「……まあ、そうですね」
めぐり「でもね、せめて比企谷君もちゃんと笑顔でいてくれたらなあって」
八幡「…………」
めぐり「私はそんな学校をつくってこれたのかなあ……」
八幡「…………」
八幡(多分めぐり先輩はこう見えて勘が鋭い類いの人だ。きっと奉仕部から離れている俺の状況を全て察している)
八幡(その上で、何も言わず、俺が一人で八方塞がりになってしまわないように見守ってくれているのだろう)
八幡(自分の問題なのに、他人に心配掛けて何やってんだろうな)
八幡(まあ、こちら側の勝手な推測だが)
八幡(めぐり先輩が卒業するまでにはなんとかしないとな……)
めぐり「……なーんて、えへへ、生徒会長ができることなんてほとんどないのにね」
八幡「……先輩は俺から見てもいい生徒会長でしたよ」
めぐり「ふふっ、比企谷君が誉めてくれるなんて照れるなあ」
八幡「俺ごときの意見ですが、先輩に不満があったような生徒はきっといないでしょう。俺も含めて」
めぐり「もうっ、恥ずかしくて顔が熱いよ~」
めぐり「ほら、さわってみて~」
八幡(そう言ってめぐり先輩は俺の空いていた手をとり、自分の頬に押し当てた)
めぐり「ひゃー、比企谷君の手冷たーい」ピトッ
八幡「わっ、あっ、えっと……ちょっとっ」
八幡(恥ずい恥ずい恥ずい!なんだこのゲロ甘なシチュエーションは!)
めぐり「待っててくれたんだよね、ありがとう♪」ギュッ
八幡「あっ…いえっ……」
八幡(恐ろしいはこれを素でやってるのか、狙ってやってるのか読めないところだ。その点において陽乃さんを凌駕している)
めぐり「あっためてあげよーう」スリスリ
八幡(あったかい、柔らかい、気持ちいい、何だこれは)
八幡(ボッチ童貞にはレベルが高すぎる。思考が停止する……)
めぐり「ほら、もう片方の手も」ニギニギ
八幡「あぁ……爆発する……」
八幡(その後のことはよく覚えていない。気がついたら家の前にいた)
八幡(携帯を見るとめぐり先輩から『送ってくれてありがとう♪』とメールが来ていた。いつ送ったのかも、いつメアドを交換したのかもやはり覚えていない)
八幡(それにしても、手袋もしていないのに手はずっと温かいままだったのはどういうことだろう)
八幡(めぐり先輩とずっと手を繋いでいた……?いや、そんなことある訳ないか)
おやすみまた書く
最後のはめぐりんアトモスフィアの効果ですね多分
台本形式難しい…かと言って普通の地の分ならともかく八幡形式は面倒くさい…
週末くらいしか書く時間無いでごわす
いろはすのターン!
ー生徒会室
八幡「……ふぅ」カタカタ
めぐり「お疲れさま、今日はカフェオレをつくってみました」コト
八幡「ありがとうございます」
めぐり「お味はどうかな?」
八幡「美味しいです」ズズー
いろは「あれー?先輩マイカップ持ってきたんですかー?」
八幡「ん、まあな」ズズー
いろは「へー、意外とセンスいいじゃないですか。どこで買ったんですか?」
八幡(めぐり先輩が買ってきたからわかんねえ……)
八幡「えっと、どこだっけな……あそこだよ。お前らがよく行きそうなところ」
いろは「あそこってどこなんですかっ、……ん?」
めぐり「ふんふふーん♪」コトコト
いろは「……あれー?城廻先輩のそれって比企谷先輩のと色違いじゃありません?」
めぐり「うん、そうだよー♪」
八幡「ブフッ!」
いろは「ちょっとっ!先輩汚い!なに吹き出してるんですか!」
八幡「ゴホッゴホッ!す、すまん」
めぐり「比企谷君と一緒に買いに行ったんだよねー?」
八幡「待ってください。俺は知りませんよ、いつの間に買ったんですか」
めぐり「比企谷君のとセットで安かったんだよね。いい機会だから私もついでに買っちゃった」
あざといな流石めぐりん、あざといww
八幡(つまりペアカップってことですか。そんな男を勘違いさせるようなこと笑顔でしちゃダメですよ先輩)
いろは「へー、そーなんですかー」
八幡(あのー、もうちょっと声に感情入れてみません?)
いろは「比企谷先輩と城廻先輩って仲いいですよねー。付き合ってるんですか?」
八幡(ストレートきました)
めぐり「うーん、どうなのかなー比企谷君?」
八幡「はっきり否定してくださいよ。微塵もそんな要素ないじゃないですか」
八幡「先輩と俺ごときが釣り合う訳ありませんよ」
めぐり「つれないなあ、もう」
いろは「ですよねー、比企谷先輩とじゃ釣り合いませんよ」
八幡「放っとけ」
めぐり「そうかなあ」
いろは「そうですよ。城廻先輩、下級生の間でも人気あるんですよ?」
八幡(まあ、めぐり先輩は"理想の先輩"といった感じはあるしな。ギャルゲー的な)
めぐり「えー、そんなことないよぉ」
いろは「じゃあ、先輩って彼氏いるんですか?」
めぐり「いないってばあ、私全然モテないし」
八幡(ダウト)
八幡(これ程人当たりがよく周りに慕われてるくせにモテない訳ないじゃないですかー。むしろ周りの男子の95割は下心あると思います)
いろは「本当ですかー?じゃあじゃあ、先輩の好きなタイプってどんな人ですか?」
めぐり「うーん……やっぱり優しい人かなあ」
八幡(で、出たー!※ただし(ry必須の優しい人ー!)
いろは「えー、それじゃ芸能人で言えば誰とかですか?」
八幡(いい加減男の前でガールズトークするのやめてくれませんかね。もう聞いてないふりするの疲れたんですが)カタカタ
----------------------------
いろは「ねえ、先輩ってデートしたことあります?」
八幡「また随分と唐突だな」
いろは「だって先輩わたしたちの話聞いてたんだから流れくらいわかってますよね」
八幡(バレてる)
いろは「もしかしてデートしたことないんですか?」
八幡「ばばバッカ、あ、あああるに決まってんだろ」
八幡(小町とか戸塚とか?妹はデートに含めなかったとしても戸塚はOKだろ。この前の葉山たちとのあれは知らん)
いろは「なにキョドってるんですか。ないならわたしがデートしてあげましょうか?」
八幡「いらん」
いろは「即答!?えー本当はしたいんでしょー?」
八幡「お前のその自信はどこから来るんだよ……」
いろは「でもわたしって結構そういうお誘いあるんですよ」
八幡「ならそいつらと行って来なさい」
つーかダブルデート見かけていたよな
いろは「えーつまんないんですよー」
八幡「お前と行ったってな、どこそこ振り回されて、色々奢らされた挙げ句、『ごっめーん、今から友達と会うことになっちゃったー』とか言って、放り出されるのが目に見えている」
いろは「あーなんかそれ経験あります」
八幡「前科持ちかよ……」
いろは「大丈夫ですって。先輩の時はそんなことしませんから」
八幡「なんで俺の少ない安息の時間をお前に割かなくちゃならんのだ」
いろは「あっ、じゃあ先輩の家デートでもいいですよ」
八幡「ビッチ発言はやめろ」
いろは「どこがビッチなんですか!?」
八幡「男の家にほいほい上がろうとするとこだよ」
いろは「先輩なら襲ってもいいですよ、うっふん♪」
八幡「ふざけろ。あとウチにはビッチアレルギーの猫がいるからダメだ」
いろは「なんですか、ビッチアレルギーって!」
八幡「とにかく却下だ」
いろは「ぶーぶー」ポカポカ
八幡「気安いボディタッチもやめろビッチ」
いろは「うがー!先輩のくせにムカツクムカツクー!」ボカボカ
ー帰り道
八幡(……早く家に帰ってゆっくりしたい)キーコキーコ
八幡「あいつと話すのは疲れるんだよ……」
いろは「誰と話すのが疲れるんですか?」
八幡「うおっ!一色!?」
いろは「よいしょっと」
八幡「おい何してんだ」
いろは「先輩待ち伏せしてたんですよ。なのに先輩自転車だし柄にもなく走っちゃったじゃないですかー」
八幡「待ち伏せかよ……。つーか早く荷台から降りろ、だいたい何の用だ」
>>134
それをフォローする部分挿入するの忘れてた
今さらなんであれはデートとして認識してなかったと脳内補完してください
いろは「先輩と放課後デートしに来たんですよ」
八幡「じゃあな」
いろは「待ってくださいってば!」
八幡「まだ言ってんのか」
いろは「だってだって~、なんか拒否されると覆したくなるじゃないですか」
八幡「ドSかよ……。あと甘えた声出すな気持ちが悪い」
いろは「寒空の下、かよわい乙女を置き去りにして行くんですか?」
八幡「どこが乙女だ。お前だって俺なんかといるところをクラスメイトに見られたりしたら都合が悪いだろ」
いろは「ですから学校から少し離れたところで待ち伏せしてたんですよ」
八幡「周到なやつだ」
いろは「ねえ~いいでしょ~?」
八幡「鳥肌立つからその猫なで声やめろ」
いろは「ねえ~ん、じゃあ家まで送ってくださいよ」
八幡「お前の家なんか知らねえよ」
いろは「あっ、それが同じ方向っぽいんですよ」
八幡「チッ、早く引っ越せ」
いろは「ひどーい、じゃあわたしがナビしますんで」
八幡「決定事項かよ……。はぁ、降りたくなったら遠慮なく落ちろよ」
いろは「乗っちゃったからには降りませんよ」
いろは「それじゃ、しゅっぱーつ!」
八幡「重い重い重い重い重い……」ブツブツ
いろは「そんなに重くないですよっ」コチョコチョ
八幡「おいっ、くすぐるな!」
いろは「じゃあ真面目にこいでください」
八幡「チッ」
いろは「それにしても意外と乗り心地がいいですね。なんか手馴れてません?」
八幡「たまに妹乗っけてるからな」
いろは「ああ、例の妹さんですか。誰か他の女乗せてたかと思いましたよ」
八幡「んなことあるわけねーだろ」
いろは「ってことはわたしが初めてですか?やったー」
八幡「お前の方こそ乗り方が手馴れてないか?」
いろは「そうですかー?あっ、わたしも誰かの後ろに乗せてもらうの初めてですよ。嬉しいですかー?」
八幡「嬉しくねーよ」
いろは「なんか青春って感じしません?カントリーロード歌いましょうか」
八幡「シチュエーションかけ離れすぎだろ」
いろは「カントリーロード♪このみーちー♪」
八幡「はぁ……。そういえばお前寒くないのか?」
いろは「正直寒いですね。てか先輩今口説きにきましたか?残念ですが今のは下心と捉えられる場合があるのでプラマイゼロです」
八幡「へいへい、お前を心配した俺が馬鹿だったよ」
いろは「ずっとー♪ゆーけーばー───っ」
「…………」
いろは「…………」
八幡「どうした?」
いろは「……先輩、そこ左に曲がってください」
八幡「……おう」
いろは「……先輩、お腹空いたんでどっかで食べて帰りません?」
八幡(声のトーンが変わった。演技と見るか……いやこいつはそこまで器用な奴じゃないだろう)
八幡「構わないが……どこにする?」
八幡(もう少し先に行けばサイゼがあったはず)
いろは「じゃあこの先にサイゼがあったと思うのでそこにしましょう」
八幡「!」
寝落ちしてたまた書くおやすみ
>>151
大丈夫ゆきのんはどこにでも居てどこにも居ないから八幡の一挙手一投足の全てを把握してるよ
>>155
まるでシュレディンガーだな
>>156はシュレディンガー『准尉』と書くほうがよかったかもね
シュレディンガーの猫だと観測者しだいで結果が確定するってやつじゃなかったか?
>>155の『どこにでも居てどこにも居ない』ってのとはちょい意味ずれると思うよ?
シュレディンガー准尉は作中で「どこにでも居てどこにも居ない」ってセリフ言ってるとこから
猫のほうじゃないと思ったんだけどね
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