多忙な律子のささやかな休日 (17)
アイマスSSです。ひびりつです。
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竜宮小町プロデューサー秋月律子に久しぶりのオフがやってきた。
「う~ん、オフって久しぶりすぎて何すればいいか忘れちゃったわね。そういえば事務所には誰かいるのかしら、行ってみましょう。」
このところ多忙を極めていた私はオフにも関わらず事務所に顔を出すことにした。
「おはようございます小鳥さん。確かほとんどのメンバーは仕事で出払っているんでしたね。」
「律子さんおはようございます。折角のオフなのに事務所になんて来てしまって良かったんですか?」
竜宮小町も軌道に乗ってきた。このオフは私にとってプロデューサーが社長に掛け合ってくれて巡ってきた貴重なオフなのである。
しかし、外出する所なんて事務所か外回りかしかなくオフの過ごし方などとうの昔に忘れてしまっていた。
「確かにそうなんですけどオフって久しぶりだからつい。」
「律子さんも最近は竜宮のことで走り回ってましたからね、仕方ないかもしれません。」
プロデューサーになってからというもの休みなんて有ったものじゃないし最近の女の子がどんな事をしているのかも分からない。
「あっ、そういえば今日は響ちゃんもオフですよね?」
「はい、響も今日はオフだって昨日喜んでましたから。」
「はいさーい!小鳥、律子!自分オフなのに事務所に来ちゃったさー!」
そんな話をしていたら響きがやってきた、この子もなんで事務所になんか…まぁ私も変わらないんだけどね。
「律子もオフなんだろ?自分と一緒にお出かけしようよ!だめかな?」
「えっ?私とお出かけ?い、良いのかしら私とで。」
「何いってるんさー、自分事務所に行ったら誰か居るかもって来たんだから付き合ってもらわなきゃ困るぞー!」
折角のオフなのに私と一緒にお出かけなんかで良いのかしら。
「行ってあげてください律子さん、事務所にいたってしょうがないですよ!」
「そ、それもそうですね、響行きましょうか。」
「やったぞー!今日はいっぱい遊ぼうね!」
結局響と小鳥さんに押し切られる形で響と出かけることになってしまった。なってしまったという言い方は響に失礼だけど私と過ごす休日が彼女にとって有意義なモノになるのか不安でいっぱいだった。
事務所を出たはいいがいったいどこへ向かうのだろうか、最近のお店もわからないし響に付いて行きましょうか。
「よし!まずはお昼食べに行こうよ!自分いいお店知ってるんだー。」
「はいはいそんなに急がないの、子供じゃないんだから。」
「うーがー!律子だって自分とあんまり年変わらないんだぞ!いつもみたいに言わないでよー!」
「そんなこと言ったって仕方ないでしょう癖なんだから、もう止めるは。」
いつもの癖で叱ってしまう、今日はオフなんだからこんなこと言うのやめておきましょう。
そんな事を話しているうちになんだか小洒落たお店についた、響はどこでこんなお店知ってくるんだろう。
「あら、良い雰囲気のお店ね。どこで教えてもらってくるのよ。」
「ふっふっふ、自分を見くびらないで欲しいさー自分で調べたに決まってるでしょ。」
「どうだか?おおかた貴音にでも聞いたんでしょ?」
「い、良いんだそんなことは!早く中に入るさー」
「はいはい、行きましょうか。」
また響をたしなめてしまう。一緒に楽しく出来たらいいのに。
「なんだかまだ律子はお仕事モードっぽいさー」
ふと響がこんなことを言った、良く聞き取れなかったが多分こんな事を言ったと思う。
久しぶりのオフ、響に申し訳ないかもとやっぱり思ってしまった。折角誘ってもらったんだしご飯は一緒に食べましょう。
「なにぼーっとしてるんだ?早く注文しちゃおうよ!」
「じゃあ私は本日のランチでも頼もうかしら、美味しそうだし。」
「自分も律子と同じにするぞ!ウエイターさーん!」
やはり響を子供っぽいと思ってしまう、決して悪い意味ではない。彼女だってまだ高校2年生なんだからこれが普通なのだろう。
なんで私はこんな事を考えているんだろう、やっぱり響には申し訳ないしご飯が終わったら解散してもらおうと思った。
「ごちそうさまでしたー!貴音の言ってた通りでーじ美味しかったさー!」
「やっぱり貴音から教えてもらったんじゃない。」
「もう細かいことはなんくるないさー!ねえねえ次はどこに行く?」
そんなキラキラした目で見ないでよね、これ以上私といてもつまらないだけよ。
「ごめんね響、私これで帰らせてもらうわ、あとはひとりでゆっくりしていきなさい。」
「えっ?な、なんでそんなこと言うの?自分といるのがそんなにつまらなかったのか!さっきだって楽しそうじゃなかったし、折角律子とお出かけできるって楽しみだったのにそんなのあんまりだぞ!」
どうやら怒らせてしまったみたい、それもそうだ、誘った相手が楽しくなさそうにして帰りたいって言うんだものね。
でも、あなたの為を思って言ってるの、私といても楽しくないもの。
「ねぇ律子なんか言ってよ!」
もう私には言えることなんてないわ。
「もう律子なんて知らないさー!」
とうとう走って行ってしまった、こんなのプロデューサーとして失格だわ。
私ったらまたプロデューサーだなんて、今日は折角のオフなのに切り替えなんて有ったものじゃないわ。
折角響が遊びに誘ってくれてあれだけ楽しそうにしてくれてたのに、私ったら響のオフまで台無しにしちゃったわね。ここにいてもしょうがないし一旦事務所に戻りましょう。
「ど、どうしたんですか律子さん!?そんな真っ赤な目して!響ちゃんと何かあったんですか?」
私ったら泣いていたのね、それすらも分からなかったなんて。響にも悪いことしちゃったし最低よね。
「いえ、ちょっと響を怒らせちゃったみたいで、やっぱり私とオフの日までなんて楽しくなかったですかね。」
私自分のこと棚に上げて何言ってるのかしら。
「もう、詳しくは分かりませんけど律子さんだってオフの日ぐらい羽を伸ばしたっていいんじゃないですか?」
だって私はプロデューサーだし。
「律子さんだってまだ18歳の女の子なんだから。」
「小鳥さん…」
「ほら、そんなぼうっとしてないで!友達を怒らせちゃったまんまでいいの?」
そうだ、私だってプロデューサーである以前にみんなの仲間なんだ、私そんな事も忘れて響にひどい事を。
「小鳥さんありがとうございます!私どうかしてました、ちょっと出てきますね!」
「はい、いってらっしゃい律子ちゃん。」
ピンポーン
「はーい。」
「ひ、響!?私よ!律子よ!」
「はいさい、今開けるさー。」
そこには私と同じく目を真っ赤にした彼女が立っていた。
「い、今更何しに来たんさー、自分はもう律子のことなんて知らないんだからね!」」
「ごめんなさい響、私全然楽しいこととか話せないし、響のことだって叱ってばっかりで、響だって私といたって楽しくないって思っちゃったの。本当にごめんなさい。」
「そんな事だったのか?自分呆れかえるぞ。」
もう、そんな事ってひどいんじゃない?
「だからあんな顔してたのか、てっきり自分といるのがつまらないからだって思ったぞ。」
「本当にごめんなさい、響もオフなのに台無しにしちゃって。」
「何言ってるんだ律子?まだまだオフは終わってないさー!晩御飯食べに行こーよ!」
こんな提案が有るなんて思ってもみなかった、今度はためらう理由もない。
響のおかげでなんだか大切な事を思い出せた気がするは、ありがとう響
あっ、小鳥さんにもお礼言わなきゃ、また愚痴でも聞いてあげようかしら。
「そうね!残り少ない休みだけど楽しみましょ!お店は私が決めるからね。ほら、事務所の近くに細い路地があるでしょ?あのさきにいい店があるって調べたのよ!」
「えっ?そこは自分も貴音に聞いた店だぞ!あっ律子ももしかして貴音から…」
「こ、細かい事はいいのよ!ほら、ぼうっとしてないで行くわよ!」
Fin
以上で終了です、有難うございました
期待
文末の句読点は抜いた方がええよ
>>11
ありがとうございます!
面白かった!乙した
>>13ありがとうございました!
面白かった!乙した
>>15
ありがとうございます!
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