上条当麻「千の風になって」 (366)




死んだら魂は何処に行くのか?


幻想を殺してきた俺の魂は――何処に行くのか?


全てを終わらす代わりに、死んでしまった俺の、死んだ後の物語





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結論から物語ろう






死後の俺は、墓の上でプカプカしてる


気楽な幽霊生活――ではない


フワフワと漂ってきた地縛霊に話しかけて触れたら

「ファァァァァッ」

とか

「サバカァァァァァン!」

とか

「ハクラァァァァァァァイ!」

とか

「ムヌハァ!」


なんて言いながら成仏していく



フレンダと駒場とあとふたり誰だ?



ステイル「やぁ上条当麻」

上条当麻「お、ステイル」

だから最近俺の話し相手はステイルだ

ステイル・マグヌス。必要悪の教会神父。享年20。



死因ー―――肺癌



ステイル「煙草吸いすぎたかなぁ・・・・・・」

上条当麻「当たり前だ、まさかお前が一番に死ぬとは思わなかった」


ステイル「一日参箱はやめとおくべきだったな」

上条当麻「えらいヘビスモだな」


>>5

モブです

>>5

モブです

ステイル「まぁ、抗がん剤はきつかったな」

上条当麻「若いうちからのたばこはだめだな」




ステイル「酒煙草はやり過ぎたら駄目だな」


上条当麻「そうだぜ」トン









ステイル「アイラヴスモォォォォォォキングゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ」





上条当麻「あ・・・・・・右手でタッチしちまった・・・・・・」



上条当麻「ステイル成仏して暇だ」


ザッザッザッ


上条当麻「誰だ?」


墓地の地面を踏みしめる音

現れたのは――



土御門元春「よう、かみやん」

青ピ「かみやん・・・・・・」


親友二人だった



土御門元春「よっと」

青ピ「ほっ」

土御門と青ピは、俺の墓前に花束とビールを置く

土御門「さて、近況報告だぜい」

暫く間をおいて、土御門は話し出す

土御門「俺、舞夏と結婚するんだぜい」

上条当麻「このシスコンが・・・遂に・・・」←上条当麻の台詞は霊感0の生者には聞こえてません

青ピ「ぼくは姫神ちゃんと結婚するんや」

上条当麻「リア充の幻想をぶち殺してやる!」スカッスカッスカッ

土御門「・・・青ピ、ちょっと住職さんにステイルの墓の位置聞いといてくれないか?」

青ピ「ええよ」



青ピは本堂に向かう






土御門元春「かみやん、いつ成仏するんだ?」



上条当麻「やっぱ陰陽師には見えてるのか」

土御門元春「ああ」

上条当麻「あっちゃー、ステイル成仏させなきゃよかったか」

土御門元春「は?」

上条当麻「いや、なんか右手で触れたらみんな成仏する」

土御門元春「幻想殺し(イマジンブレイカー)が成仏作り(ショウテンメイカー)になったのか」

上条当麻「みたいだな」

土御門元春「そうか・・・いつ頃成仏する予定だ?」

上条当麻「わからねぇな。でも、今はまだしたくない」

土御門元春「・・・・・・そうか、また暇があったら来るぜい」

上条当麻「ああ、幸せになれよ」

土御門元春「おう」





――月日は河の如く流れ行く

――人間は移ろう物事――







上条当麻「・・・・・・」



黒子「」スピー




上条当麻「訳がわからないよ」






――十分後


黒子「」

上条当麻「白井ー、現実を受け止めろ」

黒子「まさか・・・・・・生きていたのですのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」


上条当麻「お前が死んでんだよぉぉぉぉ!」


黒子「」


上条当麻「まぁ、自分の死を受け入れないのはわかる・・・まぁ、とりあえず思い出して話してみろ」


黒子「はい」







前日 佐天ちゃんハウス



佐天「さぁ、今日は白井さんの就職決定を祝って乾杯!」


初春「白井さん、警視庁就職おめでとうございます!」

御坂美琴「おめでとう黒子!」

神裂「おめでとうございます」

バードウェイ「おめでとう」

寮監「おめでとう、白井」

姫神「おめでとう」

吹寄「おめでとう、これでやっと知ってる後輩ができたわ」



黒子「グスン、皆様の優しさが目に染みるんですの」


黒子「ちょっと水をのむんですの」





上条墓


黒子「そこで記憶が途切れてますわ」


上条当麻「あー、白井・・・・・・多分それ水じゃなくてアルコールだったんだわ」

白井「」

上条当麻「多分お前の死因・・・・・・」










上条当麻「急性アルコール中毒だ」



黒子「」



白井黒子、享年22
死因――水と間違ってスピリタスを飲んだことによる急性アルコール中毒







白井黒子「」グスッ


上条当麻「白井・・・・・」











白井黒子「うわーん、どうせ死ぬならお姉さまを押し倒してピーをペロペロしたりピーを擦ったりピーをピーしてピーしてみたり、ピーをつけてお姉さまのピーにぶちこんだりピーを吸ったり揉んだりこねくり回したかったですのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」ビェェェェェェン





上条当麻「」ドンビキ






御坂美琴「グスッ・・・黒子ぉ」

白井黒子「お姉さまぁぁぁぁぁぁぁっ!」スカッ

御坂美琴「なんで水とスピリタス間違えるのよぉ」

白井黒子「お姉さまペロペロ」スカッスカッスカッスカッ


上条当麻「きめぇ・・・」

御坂美琴「黒子ぉ・・・」

白井黒子「お姉さまの髪クンカクンカ」

御坂美琴「黒子ぉ・・・たしかにあんたは変態でレズでキチガイじみたストーカーだったけど、それでも大事な後輩だったのに・・・」



黒子「」



御坂は俺の墓を素通りして、白井葬式場にむかった







白井黒子「毎日ストーカーの如く類人猿の墓参りをしていたお姉さまが・・・それを無視して私の方に・・・」











白井黒子「ン゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」

白井黒子「ン゛ギモ゛ヂイ゛イ゛イ゛イ゛!」


白井黒子「お姉さまが黒子を見てくれているDETHNOOOOOO!」


白井黒子「ワ゛ダグジイ゛グゥゥゥゥ!」







上条当麻「アヘ顔ダブルピースで幸せそうに成仏・・・だと」




御坂美琴「あ、あいつの墓に参るの忘れてた」チーンパンパン



上条当麻「白井・・・不憫だ・・・」ブワッ




御坂美琴「因みに、黒子就職祝いにスピリタスがあったのは、私がカクテルにドはまりしていたから」


御坂美琴「チーンパンパンのパンパンは汚れを払った音よ」


御坂美琴「46と48は後でレールガンが飛んで来ることを覚悟しなさい」





一人俺は墓の上で考える

何故俺は成仏しないのかを


分からない

分からない


何で俺は成仏しないのだろうか――


ステイルも白井も成仏した


何故俺は――









上条当麻「」



「よう、ヒーロー。死んじまったァ」タユユン




何故成仏しないか考えてたら――白い豚がいた






上条当麻「――って、一方通行!?」

一方通行「そォだよ」

上条当麻「なんでそんな太ったんだ!?つーかなんで死んだ?」

一方通行「落ち着けェヒーロー。これには深ァい訳があるンだァ」

上条当麻「」ゴクッ











一方通行「打ち止めの料理が美味すぎて太ったンだ」


上条当麻「」




一方通行死因:糖尿病、高脂血症、高血圧、心不全、腎不全etc. よーするに生活習慣病



上条当麻「打ち止めェ・・・」

一方通行「流石によォ、餓鬼四人育ててたらケーキの頻度は上がンなァ」

上条当麻「そういえばお前子沢山だったな・・・」


一方通行「やっぱ不摂生は駄目だなァ」


上条当麻「肺癌で死んだステイルを反面教師にできなかった時点でお前は詰んでいる」


一方通行「耳が痛てェ」




上条当麻「とりあえずしばらく地縛っとく?」

一方通行「地縛っとくってなンなンだァ?」

上条当麻「地縛霊として未練たらたらに現世を漂うこと」

一方通行「そいつも悪くねェ」フヨフヨポヨヨーン

上条当麻「飛ぶ擬音が情けなくなってるぞ」

一方通行「あァ」ショボンポヨヨーン












木原数多「待ってたぜ一方通行ぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」



一方通行「木ィ原くゥゥゥゥゥゥゥン!?」ボヨヨヨヨーン







木原数多「やーいやーい一方通行ぁ、醜く太ってやんの」

上条当麻「大人気ねぇ煽りだなぁ!?」

一方通行「木原くンそンなキャラクターだったかァ!?」ポヨヨーン





木原数多「ふぅ、一方通行をバカにできてやっと成仏できるぜぇ」スーッ


上条当麻「それが成仏条件!?」




木原数多「あぁ・・・・・・」スーッ


木原数多「最後に良い忘れてたぜ」スーッ










木原数多「一方通行――四子ちゃん誕生おめでとうなぁ」



一方通行「木ィ原くン・・・・・・」グスンポヨヨーン



上条当麻「今度こそきえたか」




一方通行「ふゥ、なンか肩の荷が降りたなァ」スーッボヨヨヨヨーン

上条当麻「一方通行・・・・・・」

一方通行「三下ァ、まァ・・・・・・生前は色々世話になった」スーッポヨヨーン


一方通行「ありがとうなァ」スーッボヨヨヨヨーン




上条当麻「え・・・・・・一方通行も成仏?」







上条当麻「暇だ」


上条当麻「一方通行が成仏してから暇だ」


上条当麻「オルソラがお供え物を隣の墓に間違って置いた以外、取り立て面白い事がない」


上条当麻「御坂が来たけどいつもとかわりなし」


上条当麻「暇だな」



――だから考えよう


何故俺が成仏しないかを







そんなことを考えようとしたとき



?「珍しいな、地縛霊でありながら全く悪霊になる気配がない」



変な兄さんに話しかけられた


上条当麻「あんた、俺が見えるのか?」

?「ああ、寺生まれだからな。あんたみたいなのは身近にいたさ」

上条当麻「へぇ、霊が見える意外になんか特技があるのか?」




?「ああ――俺の特技は」

削板「見つけたぞ上条当麻!勝負だ!」バーン


上条当麻「削板!?お前も死んだのか!?」

削板「そうだ、死んだ!」


?「なんてまぁ生きがいい霊だ――だが、今回感じた障気は貴様か」

上条当麻「つーか殺しても死ななそうなお前が何で死んだんだ?」

削板「ははははは、上条当麻!いいことを聞いてくれた!」











削板「根性で河豚を丸飲みしたら食中毒で死んだ」




上条当麻「あほぉぉぉぉぉぉ!それ食中毒ちゃう!」



削板軍覇――死因、河豚毒による中毒死





削板「さぁとりあえずしょう」

?「破ぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」チュドーン


削板「ぐわぁぁぁぁぁっ!」ハューン


上条当麻「」


?「ふぅ、これで悪霊の芽は摘んだな――此が俺の特技、除霊だ」

上条当麻「――寺生まれって凄い――」








削板「根性ぉぉぉぉぉぉ!」



?「なにぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」

上条当麻「なんと!?」



削板「なんと根性が入った一撃!気に入った」


上条当麻「第七位って凄い・・・・・・」






削板「凄いパーンチ!」バキッ

?「破ぁぁぁぁぁっ!」チュドーン




そして――削板と寺生まれの戦いが始まった






チュドーンバキッバキッドカーンスゴイパーンチハァァァァァァッキャァァァァァジョウブツスルマエニセロリタンナメナメシタカッタァァァァァハァァァァァァッラットテモスゴアパンチグフッバカッチュドーンモットサケガノミタカッタデスードゲシャグチャバカッバキッバーンチュドーンスゴイパーンチスゴイパーンチスゴイパァァァァァァァァァンチアマイアオガジョウブツシタコノヒトデナシチュドーンバーンドクシャガシャァァァァンブゼンナンデマキコマレテジョウブツスルンダ



上条当麻「すげぇ・・・あの二人の戦いで色々成仏してる・・・」

小萌センセ?

>>104

Yes



?「楽しいなあぁぁっ!久しぶりだっ!霊相手に高ぶるのはっ!」チュドーン

削板「ああ――俺もだ!宿敵(とも)よっ!」バキィ

それは第三次世界大戦を間近に見た――否――当事者であった俺でさえ身震いする戦いだった

武と武のぶつかり合い――体が震える!





次の日



削板「なかなかやるな――宿敵(とも)よ」スーッ


?「未練は晴れたか?好敵手(とも)よ」


削板「ああ――」











上条当麻「上条さんは空気ですかそうですか」プクー



?「それじゃぁな、『まだ晴れぬ未練を抱いた』男――」



削板を成仏させた男は去っていった


上条当麻「一体なんだったんだ?」



――削板が消えた

皆成仏する


上条当麻「――っ」


俺は――





黄泉川「なんか懐かしいのがいるじゃん」

上条当麻「黄泉川先生!」


また―――一1人





上条当麻「黄泉川先生はどうしておなくなりに?」

黄泉川「・・・・・・沈黙の臓器って怖いじゃん」


上条当麻「沈黙の・・・・・・臓器?」










黄泉川「気がついたらバタンキューって肝臓怖いじゃん!」



黄泉川愛穂:死因 鯨飲による肝硬変+肝臓癌





上条当麻「」





上条当麻「ステイルといい、一方通行といい、黄泉川先生といい、健康に気をつかえぇぇぇぇぇぇぇっ!」


黄泉川「気がついたら死ぬじゃん」


上条当麻「」




黄泉川「あぁ、でも小萌先生の死因よりましじゃん」

上条当麻「え、小萌先生いつの間に死んでたんでしか?」

黄泉川「ちょっと前に酔っぱらって道端で寝て死んだじゃん」


上条当麻「」










月詠小萌:死因 泥酔による事故





上条当麻「なんで皆ろくな死に方してないんだ・・・・・・」


黄泉川「平和だからじゃん」


上条当麻「あ・・・・・・」








黄泉川「上条・・・・・・あんたが死んでから皆頑張ったじゃん」

黄泉川「一方通行も、ステイルも、第三位も――誰もあんたのような死に方をさせないように努力したじゃん」


黄泉川「確かに、たった一人だけそれは叶わなかったけど・・・・・・それでもあんたの死後、あんな馬鹿な事で死んだ奴はいないじゃん」


黄泉川「胸をはるじゃん、上条当麻――あんたは救世主で――」








黄泉川「私たちの教え子じゃん」スーッ







上条当麻「黄泉川先生・・・・・・」



黄泉川「ああ、言いたいこと言えたから成仏したじゃん――」スーッ


黄泉川「また――」スーッ




結局最期まで言葉を出しきれずに、黄泉川先生は成仏した



何故俺は成仏しないのか?


――考える


わからない――



何かを忘れてる?





上条当麻「」


陽気に誘われうとうとしてたら、変な物が視界の端に映った


上条当麻「」


芳川「」グデーンダラーン


上条当麻「また増えた・・・・・・」




上条当麻「えっと・・・・・・」



芳川「だらけたいわね」スーッ

上条当麻「ちょっ!」


芳川「楽だわぁ」スーッ

上条当麻「じ・・・・・・成仏した・・・・・・」






芳川桔梗:死因 孤独死







上条当麻「一体なんだったんだ?」

芳川さんが成仏した後、暫くぼーっとしていたら――



ニャァ



上条当麻「ん?」

声がした

上条当麻「なんだ、お前か――スフィンクス」

スフィンクス「ニャァ」

上条当麻「お前も死んだのか」

スフィンクス「ニャニャニャ!」

上条当麻「そうか――」

スフィンクス「ニヤッ」スーッ

上条当麻「俺に会いに来たのか?」

スフィンクス「ニャーゴ」コクコクスーッ

上条当麻「ははっ――ありがとう」

スフィンクス「ニャーゴ」スーッ



スフィンクスはそうして消えていった




スフィンクス:死因 大往生



時の流れは河の如く

後悔は轍の如く

死は閃光の如く



ーー然し、死後は――







上条当麻「お前も死んだのか」


浜面「ああ、死んじまったよ、大将」


上条当麻「久しぶりだな」

浜面「大将が死んでから十四年、一方通行が死んでから五年――俺も死んだ」

上条当麻「そうか――良い人生だったか?」

浜面「ああ、良い人生だった」


上条当麻「そうか、なら何で成仏してないんだ?」

浜面「決まってるだろう、大将――」








浜面「あんたに会うためだ」スーッ







浜面「俺は生ききった――だけど、成仏する前に大将に会いたかった・・・・・・それだけだ」スーッ


上条当麻「ありがとうな、浜面」

浜面「ああ、ありがとうな、大将」スーッ


浜面も成仏した

また一人、俺の知ってる人が死んだ

















浜面仕上 死因:滝壺とチョメチョメしすぎてテクノブレイク




死後人は成仏する


では、成仏した後人の魂は何処に向かうのか?


わからない


俺にはわからない






吹いた風が落ち葉を散らす


散りし落ち葉が収まりし後、奴はいた



垣根「よっ」

上条当麻「今度こそ死んだのか、死に損ない」

垣根「ああ、今度は死んだよ――冷蔵庫にならずにな」


上条当麻「お前が死ぬとはなぁ、どうして死んだんだ?」






垣根「久しぶりにマッチの火をおならで大きくしようとしたら腸が爆発した」


上条当麻「ああ、いつもやってたあれに失敗したのか」

垣根「ああ、河童の川流れだ」

上条当麻「そうだな」






垣根帝督 死因:腸が爆発したことによるショック死



垣根「とりあえず、せっかくお前に会えたからやるか」

上条当麻「やるのか」

垣根「ああ、やる」

上条当麻「はい、マッチ」

垣根「いくぞ」

上条当麻「ああ」



垣根「」プリン


上条当麻「」ゴクッ


垣根「」シュッ


垣根「」プゥ




ポワッ



上条当麻「流石だな、その技は未だに変わらずか」

垣根「ああ、満足した」スーッ


上条当麻「じゃあまた来世で」

垣根「ああまたな」スーッ






垣根は成仏した









上条当麻「あいつマジで何しに来たんだ?」





ゆらりゆらりと流れ移ろう


俺の定めは何処にある?





姫神「とりあえず。ひさしぶり」

上条当麻「おお、姫神か、綺麗になったな――ってお前も死んだのか」


姫神「うん」


上条当麻「なんやかんやで姫神は長生きしそうだったんだけどな」


姫神「一寸先は闇。だよ」

上条当麻「そうか」





上条当麻「とりあえず死因は?」


姫神「凍死」

上条当麻「」

姫神「凍死」

上条当麻「お・・・・・・おう・・・・・・」


姫神「大事なことだから。二回言った」







姫神 死因:仕事中に冷凍室の扉を閉められ存在を忘れ去られたまま放置による凍死




姫神「うん。それじゃぁ。またね」スーッ

上条当麻「姫神・・・・・・」

姫神「みんなが待っている。だから。逝くね」スーッ

上条当麻「そうか・・・・・・また極楽浄土で」

姫神「うん。またね」スーッ



姫神も俺に会いに来たのか?

結局多くを語らず姫神は成仏した



また時は流れる


何を失ったのかを忘れているのだろう


結局生前からそうだった




――馬鹿だなぁ、俺は









アレイスター「ああ、お前は馬鹿だ」






上条当麻「お前にだけは言われたくないよ――亡霊」

アレイスター「はは、私が亡霊ならお前も亡霊だな」



嫌な奴に会ってしまった――こいつまだ成仏してなかったのか



自分の知り合いの死を全て見届けたら成仏しそう

>>190

さすがにそれはないですね



アレイスター「相討ちから互いに成仏せず――か」

上条当麻「お前は何か未練でもあるのか?」

アレイスター「ああ――プランが完成しなかったことだ」

上条当麻「厨二病乙」

アレイスター「」

アレイスター「大分口が悪くなったな」

上条当麻「ああ――それなりには」

アレイスター「ふふ、上条当麻――お前の未練はなんだ?」

上条当麻「思い出せねぇんだよ、それが」

アレイスター「ん?私はてっきり「破あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」ジュ



上条当麻「うをっ」パリーン



?「済まないそこの地縛霊!大丈夫か――って、ひさしぶりだな」

上条当麻「ああ!寺生まれの人!」

?「なるほど、まだ成仏してないか――余程強烈な未練なのだな」


上条当麻「それが思い出せねぇんだよなぁ」

?「そうか、ならば考えてみろ――そうしたら君の未練が思い出されるかも知れないぞ」


上条当麻「それならいいんだけどな」





?「それでは去らばだ」


上条当麻「ああ」









上条当麻「結局アレイスターは何を伝えようとしたんだ?」








アレイスター 死因:最終決戦で上条当麻と相討ち





上条当麻 死因:アレイスターの自爆攻撃の被害を最小限にするために特攻









――いつか人は、自分が逃げたモノと向かい合う――





俺はそれが、死後だっただけ






あれから何十年たっただろうか?


多くの死後を見た



痴情の縺れで刺されて死んだ食蜂

鮭にあたって死んだ麦野

上の花に乗っ取られた初春

バナナの皮で滑って頭蓋骨骨折で死んだ青ピ

電撃オナニーにはまり、御坂に土具座して電撃を浴びせてもらってショック死した海原(偽)

自分好みのショタを守るためにトラックに引かれた結標

食用茸とベニテングダケを間違えて食べた吹寄

甘いの飲みすぎて糖尿で死んだバードウェイ

テクノブレイクした土御門(兄)

世界わ回っている途中に迷って餓死したフィアンマ

貧乏になりすぎてゴキブリ食べて死んだ天井

内戦を止めに行って死んだ神裂

老衰で死んだローラ

呆けて米と餅を間違えて食べて死んだオルソラ




色んな死後を見てもまだ俺は成仏しない








「見つけたわよ」







上条当麻「ああ――お前も遂に死んだか」



「ええ――ってか、成仏する前にあなたの忘れ物を届けにきたのに、なんなのよその言い草は!」



上条当麻「はは」


ああ――相変わらず変わらない




上条当麻「で、忘れ物ってなんだ、ビリビリ」



御坂「ビリビリって言うな!」


ああ――見た目は例え老婆だろうと、性格までは変わらない







御坂美琴 死因:心不全






御坂美琴「じゃあね――あんたに忘れ物渡せたし成仏するわ――もうちょっと生きたかったわね」スーッ



上条当麻「お・・・・・・おう」









電撃健康法で134歳まで生きた奴がとんでもない捨て台詞を吐いていったぞおい





で――俺の忘れ物ってなんだ?




上条当麻?「俺だ」


上条当麻「」


上条当麻?「だから俺だ」


上条当麻「」









上条当麻「ギャァァァァァァシャベッタァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」








上条当麻「竜王の顎!」ガオオオオオ

上条当麻?「幻想殺し」パリーン


上条当麻「」


上条当麻?「落ち着け俺」

上条当麻「訳がわからないよ」

上条当麻?「俺は記憶を失う前のお前だ」

上条当麻「マジで?」

上条当麻?「ああ、便宜上みんなから前上って呼ばれてる」

上条当麻「誰からだよ!」

上条当麻?「未だに漂ってるエトセトラメンバーから」



上条当麻「はよ成仏しろ!」





上条当麻?「はは、未だに成仏出来ずに漂ってるお前が言うな」

上条当麻「お前もな」

上条当麻?「・・・・・・その様子だと、ステイル達は約束を守ってるのか」

上条当麻「ん?どういう事だ?」

上条当麻?「いや、気にすんな」

上条当麻「?」



上条当麻?「ああ――」スーッ


上条当麻「!!お前・・・・・・」


これは――


上条当麻?「じゃあな、俺――」スーッ



過去の上条当麻――インデックスを守るために死んだ俺が消えて行く


上条当麻?「現実は時に創作より悲劇だ」スーッ

上条当麻?「多分お前は残酷な現実に膝を屈しそうになる」スーッ

上条当麻?「――だから、俺から最後に一言言わせてくれ」スーッ


消え行く俺はじっと俺の目を見て言った







上条当麻?「負けるなよ――」スーッ



上条当麻「・・・・・・」



何なんだ


この嫌な感じは――






インデックス「久しぶりなんだよ――とうま」


――ああ、久しぶりだ


上条当麻「久しぶりだな、インデックス」


ああ、インデックスは嘗てと変わらぬまま――










変わらぬまま?



上条当麻「おまえ――」


インデックス「うん、とうまの予想通りかも」


インデックス「わたしは」


インデックスは聞きたくない事を言う


俺が一番恐れていた事を




インデックス「とうまが死んだ後、すぐに死んだんだよ」


上条当麻「・・・」





インデックス 死因:ショックによる拒食症による衰弱死




インデックス「とうまがいなくなった後、わたしは何も食べれなくなったんだよ」

上条当麻「――」

インデックスは淡々と語る


インデックス「ステイルが用意した満漢全席も――」

インデックス「かおりが用意したフランス料理フルコースも」



全部食べれなかった



インデックスはそう言って微笑んだ


上条当麻「・・・」

俺は何を言えばいいんだろうか?

インデックス「とうま――」

上条当麻「ん?どうした?」


俺が顔をあげると――


              /,r __________  ヘ  \
.              /  !/)   ノ⌒) (/ x  'フ'⌒)) '´フ∨  ヽ
              ∧  |/)x /'~'  , く__ノ ./'⌒)).x /+ !  ヘ
              ,'    |// (_/    /    /⌒) 、_|    ハ
.             /    |/ ̄i ̄!`Τ`| { ̄ 〕~ 「`}゚「~~\!   │
           │  _./ {ァ'爪¨゚}二V ] V  !´丁Τ〕ヾ、.い     |
           |  '⌒7 | / ! ∨   ヽ{  \{ ´` ∨│ iト、\_  |
           |   ! トl ,r===ミ  `   `彡=ミ、 Y.リ|  ̄  |
           小  人_∧         ,         ,ィ l|     |
         /.1   {ゞ| 7,                  ,'i  !.     !
.         /  l   |:.:.l /八    r──‐v    ∧  |i     ト、
        ∧.    }: :f │lrヽ、  ∨    ノ   /i.:.|  !゚,    l ハ
       ,'     /// ,レ:::::::{´> .`ー‐ ゜  <:::::ヾ.|  !:ハ     ∧
.      /       /ィ.;'  ;::::::::::l  \_ `二´/ :::::::::〕|  !:.∧      ',
     ∧    ,ムィ゚!  {:::::::::∧__       ,/::::::::::|f  ト、:.:,    ∧
.     〔    /  │  !:::::::::::∧_`ー─  /,::::::::::::::}}  |  ゙ヾ      }

    インデックス「やっとあえたんだよ」




笑顔のインデックスがいた


俺は怒る気にも責める気にもなれなかった


ただ、結局俺はその後一言だけ、インデックスに言った








上条当麻「ああ、やっと会えたな」








上条当麻「あ」スーッ

インデックス「あっ」スーッ



そうか、俺の未練は――



上条当麻「インデックス」

インデックス「どうしたのかな?」


体が消えていく

消える前に、成仏する前に、言わなきゃいけない事がある


上条当麻「俺はお前を――」


それは生前に言いたかったけど言えなかった一言


臆病で弱かった俺が、死んでからやっと言う勇気が出てきた一言を、今から言う

消える前に


成仏する前に







上条当麻「愛している」










インデックス「」クスッ



インデックスはクスリと笑い、言った


インデックス「わたしもなんだよ」スーッ



上条当麻「ありがとう」スーッ








こうして、俺の浮遊霊ライフは終わった


俺の生前は何も意味がなく、きっと誰も覚えてないだろう


だけど、俺は生前――たったひとつだけ大切なものを得た


だから、きっと俺は幸福だった






おしまい





とりあえず長引いてすいません

死ぬほど忙しい+ラストをあっさりいい感じにするかごてごて詳しくやるかで死ぬほど迷ってました


来週か再来週辺りに番外編『生命の極限に挑んだ女』&『その後の彼』をやって終わりたいと思います




生命の極限に挑んだ女




御坂美琴「――生きよう」


御坂美琴「あいつが命をかけて守った世界を、私は生き抜く」

御坂美琴「まずは禁煙禁酒低脂肪低糖質高蛋白の生活習慣に変えるわ」

御坂美琴「そして規則正しい生活と規則正しい食生活を!」





御坂美琴「ふふふ、体脂肪10%を維持――年一の健康診断で更に健康維持よ」




10年後


御坂美琴はあることに気がついた

御坂美琴「常時微弱電流を自らに流すと、血流が良くなる?」

御坂美琴「更に、上手いこと電流を流せばテロメアの減少を防げるわね」

御坂美琴「これを妹たちに教えれば皆調整が要らなくなる?」



御坂美琴「 か が く の し ょ う り !」






カエル顔の医者「君はすごいな」

御坂美琴「何でですか?」

カエル顔の医者「君は君の妹たちの運命を変えた」

御坂美琴「運命を変えた――いえ、私はただ生きようとしただけ」


カエル顔の医者「その生きようとした思いが世界を変えた」

カエル顔の医者「いまじゃ世界の寿命は20年伸び、健康寿命は25年伸びた」

カエル顔の医者「ピンピンコロリが当たり前になった」

カエル顔の医者「君はそれを誇るべハウワッ」

御坂美琴「ありがとうございます」ペコリ



カエル顔の医者 死因 ピンピンコロリ




更に何十年もたった


御坂美琴「はぁ、以外と老後の孤独は悲しいものね」


御坂美琴134歳

一人空を見る



御坂美琴「死んだら皆に会えるのかな」



一言彼女は空に呟き









会えるんだよ きっと











御坂美琴「そうだと良いわね」クスリ




御坂美琴134歳は、眠るように、笑顔で逝った








生命の極限に挑んだ女

おしまい





御坂美琴「因みに、この時代ピンピンコロリが多いのよ」

御坂美琴「さっきまで走ってた100歳のおじいちゃんが突然倒れて死んだり」

御坂美琴「キャバクラでドンペリ開けていた98歳が突然死んだり」

御坂美琴「道端死って言葉がブームになったのよね」

御坂美琴「まぁ、ピンピンコロリが多い方がいいけどね」



おしまい




その後の彼





アフリカ東部、ソマリア首都モガディシュ



?「破ぁーっ!」チュドーン

ソマリア美女「ありがとうございます!」

?「いえいえ、寺生まれとして当然のことをしたまでです」

ソマリア美女「寺生まれってスゴい」




ロスアンゼルス


黒服の男「ははは、君にソマリアの除霊を任せて正解だった。あれで国際的な支援もソマリアに行きやすいだろう」

?「ふふっ、そう誉められると嬉しいですね」

黒服の男「ははは、今や君は世界からひっぱりだこの除霊師じゃないか――モスコミュールでもどうだ?奢るぞ」

?「ありがたく戴きます――それにしても、最近の霊は狂暴ですね」

黒服の男「仕方がない。文明が発達し、情報が増えて霊の強さも上がったのだ」

?「寺生まれの俺でも辛いときがありますよ」

黒服の男「そうか」



男はモスコミュールを口に含み、バーの蝋燭を見る








そういえば、あのウニ頭はちゃんと成仏できたのか?





寺生まれの男はゆったりとそんなことを考えた







その後の彼

おしまい







さぁ、これで全ての物語は終わった













本当に?





何か抜けていないかい?










蛇足的な、余りに蛇足的な












エイワス「ふふふ、ヘッダをチューニングして人間に相応しい理解領域に合わせた」


エイワス「だからアレイスターが死んで暇だし上条当麻を弄ろうとしたら勝手に成仏してた」


エイワス「絶望した!ヘッダが足りないとか訳のわからない設定を持つ自分に絶望した!」


エイワス「というわけで、蛇足的な、余りに蛇足的ながはっじまるよー♪」

エイワス「これは蛇足とわかりながら、この物語における不足を満たすコーナーだ」

エイワス「今日の23時までの質問にまずは答えよう」



このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年11月10日 (月) 21:06:29   ID: Z7yv1qvK

ギャグが無かったら泣いてた

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