向日葵「櫻子が不良になった…」(105)
ID:EWHa42lS0の代行
代行ありがとう!
向日葵「おはようございます、2人とも」
あかり「おはよう向日葵ちゃん」
ちなつ「今日は櫻子ちゃんと一緒じゃないんだね?」
向日葵「べ、別にいつも一緒にいるわけではありませんから…」
ちなつ「ふぅん… でも櫻子ちゃん遅いね」
あかり「もうホームルーム始まっちゃうよぉ? 迎えに行かなかったの?」
向日葵「いえ、普段は家に入れば大体すぐに出てくるんですけど… 今日は部屋から出てきてないって櫻子の妹が」
あかり「そうなんだ…どうしたんだろうね 風邪かな」
向日葵「…あ、あり得ますわね…櫻子の家、基本的にお姉さんがほとんどのことをやっていますから…」ソワソワ
ちなつ「休むなら先生に連絡いってるはずだよね 聞いてみたら?」
向日葵「なるほど!」ダッ
あかり「向日葵ちゃん!もう先生くるから行かなくても…」
向日葵「そ、そうですわね まったく仕方のない子ですわ」ソワソワ
ちなつ「落ち着こう…? だ、大丈夫だよ 櫻子ちゃんだもん」
向日葵「バカとなんとかは風邪をひかないといいますものね…」
あかり「普通はバカを伏せるんだと思う…」
向日葵「そ、そうでした…」ソワソワ
-昼-
ちなつ「特に先生、何も言ってなかったね…」
あかり「先生も櫻子ちゃんの名前を呼んで反応がなかったとき驚いてたよ」
向日葵「先生も理由を知らないなんて… ああ、櫻子に何が…」ソワソワ
あかり「帰りに行ってみよう? あかりも心配だから」
ちなつ「私も…向日葵ちゃんほどじゃないけど心配かな」
向日葵「な、なぜ私と比べますの…」
-放課後-
ピンポーン
向日葵「あのー ひま…古谷です」
ガチャ
撫子「ああ…どうしたの? ひま子」
向日葵「あ、あの…櫻子はいますか…?」
撫子「…いるけど 何か用事?」
向日葵「学校に来なかったのでどうしたのかと思いまして…」
あかり「お、お姉さんだよね…?」ボソッ
ちなつ「なんか怖いね」ボソッ
撫子「…悪いね怖くて 櫻子なら部屋にいるから、みんなあがったら?」
ちなつ「す、すみません」
向日葵「では失礼しますっ!」ダッ
あかり「早いよ向日葵ちゃん!」
向日葵「櫻子、入りますわよ」
ガチャッ
櫻子「…向日葵か」
向日葵「ってあなたまだパジャマで…! 何をやっているんですの?」
櫻子「うっさいな ほっとけ」
向日葵「ズル休み…したの?」
櫻子「だって学校行ったって授業わかんないし 頑張ったって評価されるの向日葵だけだし やる気でない」
向日葵「なんでそんな急に… ふざけてないで明日はちゃんと来なさい?」
櫻子「ふざけてないよ」
あかり「ねえ 来ないほうがよかったんじゃ…」ボソッ
ちなつ「は、激しく同意かも…」ボソッ
撫子「ちょっと…… 櫻子のことはひま子に任せてあげて 得意だから お茶出すから下においで」
ちなつ「あ…ありがとうございます…(やっぱりちょっと怖い)」
向日葵「ふざけてない…? じゃあ櫻子なりの真面目な理由を聞かせなさい」
櫻子「…言っただろ やる気でないの」
向日葵「本気でやる気が出ないの?」
櫻子「そう言ってるだろ 早く出てけ おっぱいうざい」
向日葵「なっ…う、うざい…?」
櫻子「言ってる意味わからない? クローズドザドア」
向日葵「それだとドアを閉めた、だけど…」
櫻子「あーもう! 早くいけよ!」ドン!
バタン!
向日葵「さ、櫻子…」シュン
向日葵「…今は何を言っても無駄ですわね…」
あかり「あ、向日葵ちゃん どうだった?」
向日葵「…ダメ 今日の櫻子はどこかおかしいですわ」
あかり「向日葵ちゃんが言うなら間違いないよね…」
向日葵「だ、だって…「うざい」なんて、櫻子はそうは使う言葉じゃないし…」
撫子「やっぱり… 一応私も忠告しに行ったんだけど 珍しく無視されて少し迷ってた」
ちなつ「そ、そうなんですか? お姉さま」
撫子「あまりベタベタしないで…」
向日葵(この短期間で何が…)
向日葵「と、とにかく 明日の朝はまた迎えに来ますから」
撫子「わかった といっても、いつものことだけど」
向日葵「では私は帰ります お二人はどうします?」
あかり「向日葵ちゃんが帰るのにあかりたちが残ったらおかしいよ…」
ちなつ「私はもう少しいたいなぁ」
撫子「帰ってね…今日私夕飯の当番だから邪魔しないで」
ちなつ「ガーン」
あかり「ほら帰ろうちなつちゃん…」
向日葵(櫻子…)
-後日-
ピンポーン
向日葵「櫻子!学校にいきますわよ!」
向日葵「……」シーン
向日葵(反応がない…また勝手に入りますわ)ガチャッ
撫子「ひま子、勝手に入るのはいいけど少し待とう 出るまでに10秒はかかる」
向日葵「す、すみません!櫻子は起きてますか?」
撫子「見に行ってないから分からない」
向日葵「そうですか…少し失礼しますわ」
撫子「いいよ ご自由にどうぞ」
コンコン
向日葵(櫻子の部屋に入るためにノックなんて…)
向日葵「櫻子、起きてます?」
櫻子「起きてるよ」
向日葵「学校に行きますわよ」
櫻子「行かないっつってんだろ」
ガチャッ
向日葵「その言葉使いはなんですの」
櫻子「なに勝手に入ってるの? 優等生の向日葵さん」
向日葵「櫻子…?」
櫻子「毎度毎度、朝早くから迎えにきてさ 向日葵は私の奥さんかっつーの」ヘラヘラ
向日葵「…せ、せっかく迎えに来てあげているのに…」ジワッ
櫻子「な、なに柄にもなく涙目になってるの…」アセアセ
向日葵「ではあなたは何故柄にもなくそんなに拗ねていますの…?」
櫻子「…昨日言っただろ 授業わかんないし 向日葵には勝てないし 学校なんて行っても誰も私を見てないんだよ」
向日葵「そんなことないですわ…」
櫻子「成績優秀な優等生にはわからないことだってあるんだよ 早く学校いけよ うざい」
向日葵「…櫻子のバカ! もう知らないから…」ダッ
櫻子「…あ……」
櫻子「…何やってんだろう私 向日葵に当たって… バカなのは自分が悪いのに…」
-学校-
向日葵「………」
あかり「ひ、向日葵ちゃん 櫻子ちゃんは…」
向日葵「聞かないでください… …あの子が悩んでること、全然気付かなかった…」
ちなつ「櫻子ちゃん、なにか悩みがあったの?」
向日葵「…ええ、まぁ それが来ない理由にもつながっているんだと思いますわ…」
あかり「解決できそう?」
向日葵「わかりません… でも、今まで散々面倒を見てきましたもの ありとあらゆる手段は試してみますわ」
ちなつ「その意気だよ!頑張って!」
あかり「あかりたち、何もできないのがつらいね…」
-放課後生徒会室-
向日葵「すみません 遅れました 今日は集会だったはず…?」
綾乃「ええ よく覚えてたわね 実は私もさっきまで忘れてたんだけど」
千歳「それ情けないから言わん方がええで綾乃ちゃん…」
綾乃「今月の生徒会の方針を決めます… ってあれ 大室さんは?」
向日葵「あ、えっと… 今日は休みなんですの 内容は私が伝えておきますので…」
千歳「珍しいね? 大室さんが休みなんて…」
向日葵「はい… あの、先輩方 話し合う前に1つお聞きしてもよろしいですか?」
綾乃「どうしたの?改まって… 応えられる範囲なら応えるわ?」
ごめん 風呂
保守してくれたら泣いて喜ぶ
向日葵「あの、変な質問なんですけど… 先輩方はとても優秀な方々なのでお聞きします」
千歳「くすぐったいなぁ… 遠慮しないで言って?」
向日葵「優等生には分からない悩みって、なんなんでしょうか…」
綾乃「…へ?」
千歳「ど、どういうこと…?」
向日葵「実はとある子に「優等生には分からないことだってあるんだよ」って言われて…」
綾乃「ああ…(大室さんか)」
千歳「そうなんや…(大室さんやな)」
向日葵「ど、どうですか なにかわかりませんか?」
綾乃「そうね… つまりその、言いにくいけど 出来ない子に言われたのかしら」
向日葵「ち、違います!頑張ってはいる子なんです!」
千歳「こらこら綾乃ちゃん…」
綾乃「ごめんなさい そうね… ネットで見たことでいい?」
向日葵「は、はい!」
綾乃「出来が悪い子は、ある日いきなり自分は全然大したことないって自覚するらしいわよ」
向日葵「……」
綾乃「それに、気づいてむなしくなっちゃったんじゃないかしら…」
向日葵「な、なるほど… ためになりますわ…」ブツブツ
千歳「やけに的確な解答やね?」ボソッ
綾乃「私も去年そんな感じのことがあったからね すぐに立ち直ったけど」
千歳「あはは、ただでは起きない綾乃ちゃんやね」
綾乃「もちろんろんロングビーチよ!」
千歳「ちょっとキレがないね・・・」
綾乃「さて まあ今日の話はすぐ切り上げるから 聞くだけ聞いていって」
向日葵「あ、はい… ありがとうございます」
千歳「実は文化祭のデコレーションをうちらで担当しようと思うんよ」
向日葵「デコレーション… 看板とかですか?」
綾乃「そうそう 話が早いわね 入口の看板と、各クラスの出し物の案内を作ってほしいの ですよね?」
りせ「……」コクリ
向日葵「なるほど… それで、何を話し合うんでしょうか…?」
綾乃「どういう看板にするかってデザインを各自考えてきてほしいのよ いいところを集めて使う、みたいな」
千歳「大室さんにも伝えたってな?」
向日葵「わかりました…」
綾乃「そうね 次の集まりまでに決めてきてくれればいいから 話し合いもそのときにしましょう」
向日葵「了解しましたわ …ありがとうございます」
千歳「なんか、問題があるみたいやね…」
綾乃「そうね どこかそわそわしていたし…」
-櫻子の家-
櫻子「…暇だな 学校いかないって」
櫻子「向日葵なにやってるかな」
櫻子「ちょっと外でよ…」
ガチャ
櫻子「誰もいないのか カギどこだっけ…」
櫻子「……ホント、なにやってるんだろ私 …あったあった」
櫻子「どこいこうかな…」
櫻子「公園でもいこ…」
-公園-
櫻子「…ふぅ…」
櫻子「あんなおじーさんも掃除してるのに」
櫻子「…手伝ってこようかな」
櫻子「おじーさん 手伝います!」
「もう終わったんだ… あとはこれを処分するだけだよ」
櫻子「葉っぱ… あ、私が処分しておきますよ!」
「そうかい…? じゃあこの袋に入れて、外の捨て場まで持って行ってくれるかな」
櫻子「はい 任せてください」
櫻子(なんかやってないとダメだ 落ち着かない)
櫻子「あのおじーさんすごいなぁ ボランティアだよね」
櫻子「…多い 持ってくの大変だ…」
櫻子「あ! ここで燃やしちゃえばいいんだ! あったまいい!」
シュボッ パチパチ
櫻子「この時期には効きますなー あったかい」
ビュー バサバサ
櫻子「ああっ! や、やばい! 火が木に! ど、どうしよう!」
バチバチ…
櫻子「そ、そうだ 水! あの水道から届くかな!」
櫻子「うぐ…全然届かない…」
「お、おい君!なにをしたんだ! 早く消防車を呼ばないと!」
櫻子「あ、え…あ…えっと…」
「もういい 離れてなさい!」
櫻子「はい……」シュン
1時間後
「もう火遊びはしちゃダメだぞ… 一応、夜におうちの人に電話するから」
櫻子「はい… すみませんでした…」
櫻子(ま、まさかこんな大きい火事になっちゃうなんて…)
向日葵「…櫻子の家、行きにくいですわ… 行ってもまた帰れって言われるし…」ブツブツ
向日葵「え… ここって確か花壇と、いくつかドングリの木があったはずですわ…?」
向日葵「焦げてる 火事でもあったのかしら…」
「ああ向日葵ちゃんおかえり なんでも櫻子ちゃんが放火したらしいわよ」
向日葵「え…?」
「消防士さんがいうには火遊びが原因みたいだけど…」
向日葵「そ、そんな! 今櫻子はどこに?」
「おうちじゃない?」
向日葵「あ、ありがとうございます!」ダッ
向日葵(櫻子…一体…どうしたの…?)
-櫻子の家-
撫子「はぁ… そういうことだけはしないと思ってたのに…」
櫻子「ごめんなさい…」
撫子「いいよ 夜になったらしっかり話をするから… それまで部屋にいて」
向日葵「櫻子!」
櫻子「ひ、向日葵…」
向日葵「あ、あなた…公園の木に火をつけたって 本当なの…?」
撫子「私もおばさんに聞いて驚いたよ 本当だって」
櫻子「だ、だからわざとじゃないって…」
向日葵「櫻子……」
撫子「もういいから 部屋で待ってな」
櫻子「うぅ……」
向日葵「櫻子、とりあえず部屋に…」
櫻子「……」シュン
向日葵「大丈夫 私は信じていますから」
櫻子「……うん…」
撫子「ひま子 ケアお願い」
向日葵「わかりました」
-櫻子の部屋-
櫻子「……」
向日葵「なにがあったの? ちゃんと聞かせて」
櫻子「…暇だったから公園に行ったんだ そしたらおじいさんが掃除しててさ…」
向日葵「ええ」
櫻子「掃くのは終わってたらしいから 大変そうだし、最後の葉っぱの処分だけ私がやるって言ったんだ」
櫻子「でもそれ思ったより重くて めんどくさくなっちゃって… 燃やせばすぐかなって火をつけたら」
櫻子「風が吹いてきて… 木のそばだって気づかなくって、燃え移っちゃって…」ウルウル
向日葵「……そうだったの…」
櫻子「ねーちゃんに言っても「後で聞く」ばっかりで… 信じてくれないんだよ…うっ…ぐすっ…」
向日葵「わかりましたわ 私は信じますから 泣くのをやめて」
櫻子「ほ、本当だよ 本当だよ? ひまわり…ひっく…」
向日葵「わかってますから…」
向日葵(信じるとは言っても… 最近の様子じゃ… 絶対にやらないとは私にも言いきれないですわ…)
櫻子「…どうしたの? なに、考えてるの…?」
向日葵「さっきの話は本当なんでしょう?」
櫻子「本当だよ…」チラッ
向日葵「なら、聞かれてもその話をすればいいですわ… ほら、げんばけんしょう…? がありますから」
櫻子「うん…」
向日葵(なんで目線を合わせてくれないの…? それじゃあ嘘にしか聞こえないですわ…)
向日葵「…まだ時間がありますわね」
櫻子「待っててくれるの?」
向日葵「…いない方がいい?」
櫻子「ううん…いて…」
向日葵「……そういえば 学校の文化祭で使う看板のデザインを考えてきてほしいらしいですわ」
櫻子「生徒会で?」
向日葵「そう 次の集まりまでに考えてほしいとか」
櫻子「…それ描いて、学校いかないとな」
向日葵「…その意気ですわ」
ピンポーン
数分後…
向日葵「…どうだった…?」
櫻子「…近くで葉っぱが燃えてたっていうのは確認できてたから、事故ってことになった…」
向日葵「そう… よかった…」
撫子「悪かったね あまり信じなくて…」
櫻子「今回は完全に私が悪いから 別にいいし…」
撫子「…ごめん」
向日葵「や、やめましょう… では私は帰りますから… 櫻子 明日は学校に行きますわよ」
櫻子「わかった……」
-後日・学校-
櫻子「…お、おはよ…」
あかり「櫻子ちゃん! もう、大丈夫なの?」
櫻子「あはは、ごめんね 風邪とか引いてたわけじゃないからさ…」
ちなつ「よかったね! …そういえば昨日、2人の家の方で火事あったよね… なんかうちの生徒が火をつけたらしいけど…」
櫻子「!」
向日葵「そ、それは大したことありませんでしたわ! ええ ちょっとした焚火程度で…」
あかり「そうなんだ… や、やけに力入ってるね」
ちなつ「櫻子ちゃん、お姉さまは大丈夫だった?」
櫻子「う、うん… 私が大丈夫なんだから、ねーちゃんも大丈夫だよ…」
向日葵(吉川さん… 知らないから仕方ないとは言え…空気を読んでください…)
放課後
櫻子「ちょっと今日は生徒会いいや…向日葵、1人で行って…」
向日葵「さ…櫻子が帰るなら私も帰りますわ 別に心配だからとかじゃないから」
櫻子「そ、そうかよ… 勝手にすれば」
向日葵「勝手にしますわ」
櫻子「……帰ってなにすんの?」
向日葵「宿題」
櫻子「終わったら?」
向日葵「特には… 何かあるなら付き合ってあげますわ」
櫻子「ない …けど、向日葵んちいく」
向日葵「…構いませんけど…」
-向日葵の家-
楓「向日葵おねえちゃん、おかえりなさい 櫻子おねえちゃんも」
向日葵「ただいま帰りましたわ 宿題やったらご飯にするから、待っててね」
楓「うん!」
櫻子「う、うっす…」
楓「…うっす…?」
向日葵「ほら櫻子、来るなら早く来なさいな」
櫻子「い、行くってば」
向日葵「……」カリカリ
櫻子「……」カリカリ
櫻子「ん…向日葵 ここ…」
向日葵「…どこ?」
櫻子「あ、やっぱりいい… 邪魔してごめん」
向日葵「逆にこっちが気になるから聞くなら聞きなさい…」
櫻子「いいよ… 聞いてもわかんないんじゃ、向日葵も教えるの嫌でしょ」
向日葵「別にそんなこともありませんわ… 教えてて自分の復習にもなりますし…」
向日葵(正直、櫻子が宿題を真面目にやってることが珍しくてそれどころではありませんけど)
櫻子「…あのさ」
向日葵「…なあに…?」カリカリ
櫻子「な、なんだよその優しい返事…///」
向日葵「な… き、きつく言ってほしいの…?///」
櫻子「そうじゃない ごめん」
向日葵「謝ってばかり…」
櫻子「あのさ さっき、信じてくれてありがと… 誰も信じてくれてなかったら多分やけくそになってたよ…」
向日葵「そのこと… 別に…櫻子は嘘をつくような子ではないから…信じただけですわ」
櫻子「向日葵……」ジーッ
向日葵「そ、それに! 実はほんの少し疑ってましたわ!」
櫻子「…だよね 自分でも焦ってて変な動きしてるなって思ってた」
向日葵「え… あの…」
4
櫻子「さっきの落ち葉処理みたいにさ… 私ってやることなすこと全部空回りしちゃうんだよ…」
向日葵「……ええ…」
櫻子「なんでなんだろうね… なんで一生懸命やってるのにうまくいかないんだろ…」
向日葵「……強いて言うなら、それが櫻子の魅力じゃないかしら」
櫻子「え!?」
向日葵「だから、一生懸命やってるのにうまくいかないのが可愛いんですわ…」
櫻子「え、ええ!?///」
向日葵「近くで見てるから分かるの 勉強できなくても、私に負けてもいいと思いますわ」
櫻子「…うぅ…」
向日葵「一生懸命やってる人には、必ず魅力があるんですのよ 結果はどうあれ」
櫻子「向日葵……」
櫻子「ひ、向日葵…うぅっ…」ポロポロ
向日葵「櫻子… 何故泣いていますの…?」
櫻子「向日葵は…見ててくれるんだ… 結果がダメでも、頑張ってる私を見てくれてるんだ…」
向日葵「……小さいころから 見ていますわ」ギュッ
櫻子「…! ありがとう…向日葵… こんなダメな私を見ててくれてありがとう…」ギュッ
向日葵「もう、自虐なんてあなたらしくもない…」
櫻子「明日からも…頑張るからさ また、競ってくれる?」
向日葵「もちろんですわ… むしろいつも勝負をしかけてくるのがいなくなると私まで空回りするというか…」
櫻子「へへ…」
向日葵「…いつか、勉強で私を越せるほどになりなさいな」
櫻子「…そ、それは無理かも」
向日葵「じゃないと私と同じ高校、同じ大学に行けませんわよ」
櫻子「あ…そ、そっか…!」
向日葵「…ふふ…」
櫻子「…へへ…」
向日葵「宿題はもうやめにして… 一緒に看板のデザイン、考えましょう?」
櫻子「うん! やる! よーし…!」
向日葵(櫻子は、たまに本当にダメになってしまうときがある…)
向日葵(それをカバーして引っ張ってあげるのも)
向日葵(私の役目 私の義務 私がやりたいこと、ですわ)
~end~
短くて申し訳ない
代行してくれた>>1に感謝です
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