向日葵「はぁ…はぁ…」
バンッ
向日葵「櫻子!」
撫子「ひま子…」
向日葵「櫻子は!?」
撫子「大丈夫…命に別条はないってさ」
向日葵「よかった…」
櫻子「う、うぅ…」
花子「撫子お姉ちゃん!櫻子が!」
撫子「櫻子!」
櫻子「うぅ…なんだよ花子も姉ちゃんも…うるさいなぁ…」
向日葵「櫻子…よかった…」
櫻子「…」
向日葵「櫻子?」
櫻子「…誰?」
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向日葵「だ、誰…って」
向日葵「わ、わたくしですよ、向日葵ですよ!」
櫻子「向日葵…?ごめん、わかんない…」
向日葵「わたくしですよ!古谷向日葵です!あなたの幼馴染みで腐れ縁で…!!」
撫子「ひま子、落ち着いて…」
向日葵「あなたの友だちの…」ポロポロ
櫻子「…ごめん」
向日葵「うわああああああ」ポロポロ
~火曜日~
向日葵「失礼します」
櫻子「あ、向日葵ちゃん…だよね?」
向日葵「…ええ、そうですわ」
向日葵「昨日は取り乱してごめんなさい…」
櫻子「ううん、全然気にしてないよ!」
櫻子「向日葵ちゃんとわたしって仲良しだった?あんなに泣いてたし」
向日葵「どうですかね…いつもケンカばかりでしたし…」
櫻子「え、仲悪かったの?」
向日葵「仲が悪くはないと思いますよ、なんだかんだでいつも一緒だったので」
櫻子「へー、なんか不思議な関係だね」
櫻子「そういえば向日葵ちゃんは、あかりちゃんとちなつちゃんとは友だちなの?」
向日葵「…っ」
櫻子「向日葵ちゃん?」
向日葵「え、ええ、お友だちですわ」
向日葵「よく4人で遊びましたわ」
櫻子「へー、はやくみんなに会いたいなー」
向日葵「…今日はもう帰りますわね」
櫻子「え、もう帰るの?」
向日葵「用事があるので…」
櫻子「そっか…じゃあ、また来てね!おしゃべりしたいし!」
向日葵「はい、ではまた…」
ガララ…ピシャ
向日葵「…」
撫子「ひま子」
向日葵「撫子さん…」
撫子「…どうだった?」
向日葵「…やっぱり、櫻子はわたくしのことだけ忘れてるようです」
撫子「そっか…」
撫子「…先生が記憶は完全になくなったわけじゃないから戻る可能性もあるってさ」
向日葵「…はい」
向日葵「今日は帰ります…一人で考えたいので」
撫子「…わかった」
撫子「あのさ…」
撫子「…ごめん、やっぱりいいや」
向日葵「…赤座さんと吉川さんですか?」
撫子「…うん」
向日葵「わかりました、明日、二人とも連れてきます」
撫子「…ごめん」
向日葵「謝らないでください…誰も悪くないのですから」
~水曜日~
向日葵「こんにちは、櫻子」
櫻子「あ、今日も来てくれたんだ!」
ちなつ「こんにちは、櫻子ちゃん!」
あかり「今日はあかりたちも来たよ~」
櫻子「あかりちゃん!ちなつちゃん!」
あかり「櫻子ちゃん大丈夫?」
櫻子「全然大丈夫だよ!あんまり怪我とかしなかったし、来週には学校行けるって!」
ちなつ「そっか、よかった…でも一週間は入院するんだね、さみしくない?」
櫻子「花子も姉ちゃんも向日葵ちゃんも今んとこ毎日来てくれてるし、今日も二人とも来てくれたからそんなにさみしくないよ!」
あかり「そっか…よかった」
あかり「…ん?向日葵ちゃん?」
向日葵「…」
あかり「え?え?」
櫻子「??」
ちなつ「え、なにかあったの?」
向日葵「…」
向日葵「…実は、櫻子はわたくしの記憶だけなくなったそうです」
あかり「!!??」
ちなつ「ど、どういうこと?」
向日葵「どういうことって…これ以上なにを説明すればいいんですの?」
ちなつ「ご、ごめん…」
向日葵「あ、す、すいません…そういうつもりじゃ…」
ちなつ「ううん、こっちこそごめん」
ちなつ「自分のことだけ忘れられってつらいよね…わたし、そんなことも考えずに…」
向日葵「いえ、全然大丈夫ですから…」
櫻子「ねーねー」
あかり「どうしたの、櫻子ちゃん?」
櫻子「なんで、おかしいって気づいたの?」
あかり「あ、えっとね、櫻子ちゃんはいつも向日葵ちゃんのことを呼び捨てにしてるんだよ」
櫻子「あ、そーなんだ、言ってくれればいいのに」
櫻子「向日葵ー!」
向日葵「あ…」
櫻子「どうかした?」
向日葵「い、いえ、いつもの櫻子だなって」
櫻子「そりゃー向日葵の記憶以外はちゃんとしてるからわたしはわたしだよ!」
櫻子「もし記憶が戻らなくてもさ、また仲良くなればいいじゃん!」
向日葵「そう…ですわね」
あかり「向日葵ちゃん、そろそろ面会時間が…」
向日葵「あ、もうこんな時間…じゃあ櫻子、わたくしたちはそろそろ…」
櫻子「うん!また明日も来てね!」
向日葵「はいはい、明日は杉浦先輩たちと来ますわね」
櫻子「わーい!」
~土曜日~
向日葵「こんにちは」
櫻子「お、向日葵!」
撫子「なんだひま子来たの?今日退院するんだからわざわざ来なくてもいいのに」
向日葵「暇だったので」
櫻子「本当に向日葵はわたしのこと大好きなんだな!毎日来てくれたし!」
向日葵「べ、べつにそんなんじゃありませんわ///」
櫻子「でも、わたしは向日葵のこと好きだよ!」
向日葵「な///」
花子「ひま姉顔真っ赤だし」
向日葵「あ、え、いや、これは///」
向日葵「ほ、ほら!はやく退院の準備しないと!」
櫻子「はーい」
撫子(もうちょっと見てたかったな)
………
櫻子「たっだいまー!」
向日葵「おじゃまします」
撫子「おかえり」
花子「おかえりだし」
櫻子「やっぱり我が家はいいなー」
花子「また騒がしくなるし」
櫻子「とか言ってー、本当はさみしかったんだろ?今夜は櫻子様がいっしょに寝てやろうか?」
花子「…うん」
櫻子「お、おお!?」
花子「だ、だからいっしょに寝るし!」
櫻子「お、おう」
花子「…」
櫻子「…」
撫子(かわいいな)
櫻子「え、えっと…向日葵!」
向日葵「は、はい」
櫻子「向日葵の家って近いんだよな?」
向日葵「え、ええ、隣ですわ」
櫻子「隣?隣は楓の家だろ?」
向日葵「楓はわたくしの妹ですわ」
櫻子「ええ!?」
向日葵「はぁ…」
櫻子「じゃあ楓にも会いたいし、向日葵の家に行こう!」
向日葵「で、でも…」チラッ
撫子「ああ、別に行っていいよ」
櫻子「よーし!じゃあ行こう!」
櫻子「いってきまーす!」
撫子「いってらっしゃい」
向日葵「すいません…」
………
櫻子「おじゃましまーす」
楓「あ、櫻子お姉ちゃん!」
櫻子「楓、久しぶりー」
楓「もう大丈夫なの?」
櫻子「大丈夫!」
楓「あの…お姉ちゃんのことは…」
櫻子「あー…うん、忘れちゃった」
楓「…そっか」
向日葵「…ほら、玄関で話すのもなんですし、部屋に行きますわよ」
櫻子「そうだな」
………
櫻子「ここが向日葵の部屋かー」
向日葵「部屋のことも覚えてないんですの?」
櫻子「うん…他の部屋は覚えてるんだけどなー」
櫻子「なんか変な感じ」
向日葵「そうですか…」
櫻子「まあ、でも覚えたよ!もう記憶喪失なんてならないから大丈夫!」
向日葵「あら、忘れん坊の櫻子は記憶喪失にならなくても忘れるかもしれないですわ」
櫻子「むぅ…向日葵のいじわる…」
向日葵「あ、ごめんなさい…つい、いつもの櫻子みたいに…」
櫻子「いつもこんな感じなの?」
向日葵「ええ、まあ、そうですね」
櫻子「へー、向日葵って以外に口が悪いんだね」
向日葵「あなただけにしかこんなこと言いませんわ」
櫻子「え、なにそれ、わたしかわいそうじゃん」
向日葵「いやいや…あなたはもっとひどいですわよ」
櫻子「は?わたしが?」
向日葵「ええ、急に後ろから思いきり傘で殴ってきたり、わたくしの胸を叩いたり、悪口もほぼ毎日言いますわ!」
櫻子「わたしでもさすがにそんなことしないよ!」
向日葵「わたくしにだけはしますの!」
櫻子「…わたしたち本当に友だちだったの?」
向日葵「まあ、一応は」
櫻子「向日葵ってドM?」
向日葵「違います」
櫻子「あー、よくわかんないー!」
向日葵「たしかに、わたくしと櫻子の関係はちょっと特殊ですわね」
櫻子「お互いにしか見せないアレな」
向日葵「お互いにしか見せない一面ですか?」
櫻子「そーそー、それそれ」
櫻子「でもなんかそれって、友だちよりもっと深い関係みたいだね!」
向日葵「な///」
櫻子「あれ、向日葵顔赤くない?」
向日葵「き、気のせいですわ!」
櫻子「あ、もしかして照れてるー?」
向日葵「この、バカ櫻子!」ベシッ
櫻子「いたっ!」
………
向日葵「はぁ…やっと帰りましたわ」
向日葵「まったく…記憶がなくなっても櫻子は櫻子ですわ」
向日葵「まあ、わたくしの記憶しか消えてないからですかね…」
向日葵「明日はみんなで遊ぶんだー!だなんて…」
向日葵「本当に迷惑なんだから…」
向日葵「…でも、少し安心しましたわ」
向日葵「明後日からは学校…」
向日葵「今週は櫻子がいなくて静かに過ごせたのに…また賑やかになりそうですわ」フフッ
~日曜日~
櫻子「はー、今日は楽しかったなー」
向日葵「まったく…はしゃぎすぎです」
櫻子「いーじゃん楽しかったんだから!」
向日葵「まったく…」
櫻子「ねー、向日葵」
向日葵「なんですか?」
櫻子「わたし、今までの登校する時の記憶がほぼないんだけど、もしかして毎朝一緒に学校に行ってた?」
向日葵「ええ、そうですけど…もしかして、学校の場所を忘れたんですか!?」
櫻子「いや、場所は覚えてるよ」
櫻子「そーじゃなくて!明日一緒に学校に行こうって話!」
向日葵「あ、そういうことですか」
櫻子「なんでわからないんだよ!」
向日葵「いえ、一緒に登校するのが当たり前だったので…」
櫻子「まったく…」
向日葵「わかりました、いいですわ」
向日葵「一緒に行ってあげます」
櫻子「ありがと向日葵!」
向日葵「では、明日8時にここで」
櫻子「りょーかい!」
櫻子「じゃあ、また明日な!」
向日葵「はい、また明日」
櫻子「あ、向日葵!」
向日葵「まだなにかあるんですの!?」
櫻子「わたし、向日葵のこと好きだよ」
向日葵「あ、はあ!?///」
櫻子「ほら、記憶を失う前のわたしって向日葵にいろいろひどいことしてたんでしょ?」
櫻子「だからさ、向日葵はわたしが向日葵のこと嫌いだと思ってるかもしれないけど、そんなことないから!」
向日葵「そ、そうですか///」
櫻子「そんだけ!じゃあね!」
向日葵「は、はい///」
………
向日葵「あああああ///」バタバタ
向日葵「な、何よ櫻子ったら突然…!」
向日葵「べ、別に照れてなんかないですわ!」
向日葵「櫻子はただ友だちとして好きと言ってるわけで…」
櫻子『向日葵のこと好きだよ』
向日葵「///」
向日葵「き、今日はもう寝ましょう!明日に備えて!」
向日葵「明日は久しぶりの櫻子との登校ですからね」
向日葵「朝から体力使いそうですわ」フフッ
~月曜日~
向日葵「…早く来すぎたかしら」
向日葵「まあ、少し待ちますか」
………
向日葵「…約束した時間になりましたわ」
向日葵「はぁ…寝坊かしら」
向日葵「もう少し待ちますか…」
………
向日葵「遅い…これじゃ遅刻ですわ!」
向日葵「でも変ね…撫子さんがいるのにこんなに遅くなるなんて…」
向日葵「まさか何かあったんじゃ…」
撫子「あれ、ひま子なにしてんの?」
向日葵「な、撫子さん?」
向日葵「あの、櫻子知りません?待ち合わせをしたのですが来なくて…」
撫子「え、櫻子なら久しぶりの学校だー、って早めに出たけど…」
向日葵「!?」
………
ガララ
向日葵「はぁ…はぁ…」
ちなつ「ひ、向日葵ちゃん…」
向日葵「おはようございます吉川さん、すいません、ちょっと櫻子に話があるので」
ちなつ「ま、待って!そろそろ朝礼はじまるから席についたほうがいいよ!」
向日葵「すぐに済むので大丈夫です」
ちなつ「だ、ダメ!」
向日葵「大丈夫です、ケンカはしませんので」
ちなつ「そ、そうじゃなくて…」
向日葵「櫻子!なんで今朝は約束の場所に来なかったんですの!?」
ちなつ「あ…」
櫻子「…」
向日葵「聞いてますの!?」
櫻子「…誰?」
向日葵「なんの冗談ですか」
櫻子「いやいや、本当に誰?」
あかり「あの…櫻子ちゃん、今話した向日葵ちゃんだよ」
櫻子「え、この子が?向日葵ちゃんってあかりちゃんとちなつちゃんの嘘だと思ってた」
櫻子「え、じゃあ、わたし記憶喪失!?」
櫻子「ど、どうしよう、病院行くべき!?」
ちなつ「あの、向日葵ちゃん、聞いて」
向日葵「聞きたくないです」
ちなつ「向日葵ちゃん…」
向日葵「聞かなくても…わかりますから」ポロポロ
向日葵「すいません、今日はもう帰ります」ポロポロ
………
向日葵「…ただいま」
向日葵「…学校をさぼるなんて初めてですわ」
向日葵「櫻子…なんで」ポロポロ
向日葵「なんで…」ポロポロ
………
向日葵「…もうお昼ですか」
ピンポーン
向日葵「こんな時間に誰でしょう」
向日葵「はーい」
櫻子「おぉ、本当に楓の家にいた!」
向日葵「さ、櫻子!?」
櫻子「えっと、向日葵ちゃん…じゃなかった、向日葵!大丈夫?」
向日葵「な、なんで?学校は?」
櫻子「いや、心配だったからさ」
向日葵「あなた、わたくしのこと覚えてないんでしょう?」
櫻子「覚えてないけどさ、あかりちゃんとちなつちゃんに向日葵はわたしの大切な友だちって聞いたから」
向日葵「…バカ」
櫻子「え?」
向日葵「バカバカバカバカ!」
向日葵「大切な友だちなら忘れないでよ!」ポロポロ
向日葵「二度も忘れられたわたくしのことを考えなさいよ…」ポロポロ
櫻子「…ごめん」
向日葵「忘れるなら好きとか言わないで…」ポロポロ
櫻子「え?」
向日葵「今日はもう帰ってください」グスッ
櫻子「でも…」
向日葵「明日はちゃんと行きますから」
櫻子「…わかった、じゃあ、また明日」
向日葵「ええ、また明日」
~火曜日~
向日葵「さて、学校に行きますか」
向日葵「…櫻子との関係はどうすればいいんでしょうか」
ピンポーン
向日葵「こんな朝に誰かしら」
向日葵「はーい」ガララ
櫻子「おはよ、向日葵」
向日葵「さ、櫻子!?」
向日葵「な、なにか用ですか?」
櫻子「一緒に学校行こうよ!」
向日葵「いいですけど…」
櫻子「で、向日葵のことたくさん教えてよ!」
向日葵「櫻子…」
向日葵(そうだ…櫻子は櫻子…また、先週のように、いつも通りにすればいいんですわ)
向日葵「仕方ないですわね」
………
櫻子「おはよー!」
ちなつ「おはよう、櫻子ちゃん、向日葵ちゃん」
あかり「おはよー」
向日葵「おはようございます」
ちなつ「あの、向日葵ちゃん…」
向日葵「大丈夫ですわ」
ちなつ「なら、いいけど…」
櫻子「ああ!宿題やるの忘れた!」
あかり「あ、櫻子ちゃんは昨日途中で帰ったから追加の宿題が…」
櫻子「ええ!?」
櫻子「ど、ど、どうしよう!?」
向日葵「櫻子の方が大丈夫じゃなさそうなので」
ちなつ「そうみたいだね」
向日葵「ほら、教えてあげますからこっちにいらっしゃい」
櫻子「本当!?ありがとー!」
向日葵「いいですか?ここはこうして…」
櫻子「ふむふむ…なるほど!」
櫻子「向日葵って教えるの上手いなー」
向日葵「誰かさんのおかげですわね」
櫻子「もしかして誰かさんってわたし?」
向日葵「そうですわ、いつもいつも宿題教えろーって…」
櫻子「そっか、いつもありがと!」
向日葵「え、ええ///」
向日葵「ほら、はやくやらないと先生が来ますわ!」
櫻子「はーい」
櫻子「よし、なんとか終わったぞ!」
向日葵「お疲れ様です」
櫻子「向日葵大好きー」ギュー
向日葵「ちょ///」
櫻子「…けど、なんで向日葵のこと忘れたんだろ」
向日葵「…」
櫻子「しかも2回も忘れたんでしょ?」
向日葵「…はい」
櫻子「…まあいいや、いつかは記憶戻るでしょ」
向日葵「そう…ですわね」
櫻子「さすがに3回も記憶喪失にはならないしねー」
向日葵「3回…?」
櫻子「いや、ほら、今んとこ月曜日になると記憶消えちゃうじゃん」
向日葵「あ…」
ちなつ「おーい、二人とも、先生来ちゃうよー」
櫻子「はいはーい」
向日葵「…」
ちなつ「向日葵ちゃん?」
向日葵「あ、す、すいません」
ちなつ「?」
………
向日葵「…」ボー
綾乃「あのー…古谷さーん?」
向日葵「あ、はい!」
綾乃「あの…さっきから全然進んでないようだけど…」
向日葵「ご、ごめんなさい…」
櫻子「わたしの宿題手伝ってからずっとボーっとしてるんですよ」
池田「もしかして疲れとるん?」
向日葵「い、いえ、大丈夫です!」
櫻子「それにしても、すごい量ですね」
綾乃「ごめんね…先週は二人とも休んでたし、わたしたちも心配しててあまり仕事できなかったから…」
向日葵「ごめんなさい…」
綾乃「あ、いや、こちらこそ言い訳なんてしてごめんなさい…」
千歳「ほら、謝ってないで手動かさんと帰れへんよ?」
綾乃「わ、わかってるわよ!」
向日葵「はい」
櫻子「うぅ…なんて量だ…つらい…」
向日葵「今日は手伝う余裕なんてないですから」
櫻子「え、まさか生徒会の仕事も手伝ってもらってたの!?」
向日葵「ええ」
櫻子「マジか…だから生徒会で仕事してる記憶がほとんどないのか…」
綾乃「でも、やり方とかは覚えてるのね」
向日葵「そういえば、宿題やってる時もわたくしが前に教えたことは覚えてましたわね」
櫻子「あー、なんか覚えてますねー」
櫻子「そういうことは忘れないのか」
綾乃「へー」
綾乃「そういえば、なんで事故に遭ったの?」
綾乃「あ、いや、ごめんなさい…ずっと気になってて…それで…」
櫻子「いやいや、全然いいですよー」
櫻子「て言っても、覚えてないんですよねー」
綾乃「覚えてない?」
櫻子「はい、目撃者によると、わたしがずっと下向いて歩いてて信号無視したらしいけど…」
櫻子「なんか、その日の記憶がほとんどないんですよね」
向日葵「わたくし以外の記憶もですか?」
櫻子「うん、その日のクラスのことも生徒会のこともなにも覚えてない」
千歳「生徒会の記憶が無いのは当たり前や」
櫻子「え?」
千歳「その日は大室さん、生徒会さぼったんやで」
櫻子「本当ですか?」
向日葵「ええ、その日は授業が終わった途端に走って帰りましたわ」
櫻子「なんで?」
向日葵「わかりませんけど…その日は朝からなにか思いつめたようでしたわ」
櫻子「へー」
櫻子「まあ、一日くらい記憶がなくてもいいや」
向日葵「…」
………
櫻子「あー、疲れたー」
向日葵「大変でしたね」
櫻子「…ごめんな」
向日葵「え?」
櫻子「いや…なんかいろいろ…」
櫻子「今日だって、ずっとボーッとして…疲れてたんでしょ?それなのに生徒会の仕事を…」
向日葵「…わたくしは大丈夫ですわ」
向日葵「いつもあなたに振り回されてるので」
櫻子「うぅ…ごめん…」
向日葵「別にいいですわ、なんだかんだで楽しんでますから」
櫻子「え、向日葵ってドえ…」
向日葵「違います」
櫻子「まだ最後まで言ってないじゃん!」
向日葵「先週も同じこと言われましたわ」
櫻子「おぉ…さすがわたし」
向日葵「ほら、もう家に着きましたわ」
櫻子「あ、ほんとだ」
櫻子「じゃあ、また明日な!向日葵!」
向日葵「ええ、また明日」
向日葵「また明日…」
~月曜日~
向日葵「…」
ピンポーン
向日葵「…はい」
向日葵「おはようございます…撫子さん」
撫子「おはよう…ひま子」
向日葵「…」
撫子「…なさい」
向日葵「…」
撫子「ごめんなさい…」ポロポロ
向日葵「なんで撫子さんが謝るんですか」
撫子「櫻子が…櫻子が…」
向日葵「…わかってます」
撫子「櫻子が…また、ひま子のこと…」ポロポロ
向日葵「わかってましたから…」
………
ガララ
向日葵「おはようございます」
ちなつ「…おはよう」
あかり「…」
櫻子「え、えーっと…向日葵ちゃん?」
向日葵「…っ」
向日葵(昨日の夜、泣いておいてよかった…)
向日葵「呼び捨てでいいですわ、櫻子」
………
向日葵「はぁ…今日も疲れましたわ…」
ピンポーン
向日葵「こんな時間に誰かしら…」
向日葵「はーい」
撫子「こんな時間にごめん、ひま子」
向日葵「撫子さん…どうしたんですか?」
撫子「櫻子のことで話あってさ」
向日葵「…上がってください」
撫子「おじゃまします」
向日葵「お茶です」
撫子「ありがと」
向日葵「それで、話というのは」
撫子「ひま子さ、今日、櫻子が記憶なくなってたってよくわかったね」
向日葵「先週、櫻子がまた記憶が無くなるかもって言って…それで、昨日の夜に覚悟してただけです」
撫子「そっか…ごめんね」
向日葵「謝らないでください…」
向日葵「話はそれだけですか?」
撫子「…今日、病院行ってきたよ」
向日葵「…!」
撫子「櫻子の記憶がなくなる原因…なんだけどさ」
向日葵「…はい」
撫子「事故も原因だけど…」
向日葵「…はい」
撫子「その…」
向日葵「…」
向日葵「…わたくしに原因があるんですね」
撫子「…うん」
撫子「…精神的にひま子に対して何かを抱えていた可能性が高いって」
向日葵「やっぱり、わたくしは櫻子に嫌わ…」
撫子「それは絶対にない!」
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