PC「即決する人ってかっこいいよね?」PC「わかるわかる!」(110)

PC「私達って結構色々な種類があるでしょ?」

PC「デスクトップだったりノートだったり?」

PC「あと細かいことを言えばスペックとかね。なのに即決で買う人はやっぱりかっこいい」

PC「正直、中身のことなんて自分じゃわかんないけどね」

PC「あはは、それは人間も一緒だし」

PC「あ、そっかそっか。HDDとかメモリとかもなんのこっちゃって感じだよね」

PC「人間が勝手に組み込んだ部品だからね」

PC「作る側は勝手だよね」

PC「ほんとにね」

店員「いらっしゃいませー!!」

PC「あ、お客さんが来た!!」

PC「……うっふーん♪そこのお兄さん、私を買ってくださらない?」

―――家電量販店

男「うーん……」

店員「どんなPCをお探しですか?」

男「あ、えっと……」

PC「ちょ!店員、邪魔邪魔!!」

PC「この人は自分で選びたんだってば!!空気読め!!」

男「一人暮らしを始めるんで……」

店員「ではデスクトップ型ですか?それともノート?」

男「それが決めかねてて……」

店員「でしたらこちらのPCが当店のお勧めで―――」

PC「あーあ。この人はダメね」

PC「うん、流されてる」

PC「武士の心を持ってないでござるな」

店員「―――という感じなんです」

男(何を説明されたかわかんない……)

PC「あ、何も分かってないってかんじですお」

PC「きゃー!!初心な感じがかわいい!!」

PC「あんたってPC童貞ばっかり狙ってるから売れ残るんだよ?」

PC「うっさい!!」

ノートPC「おめえら、うるせえよ」

PC「ノート君は黙ってて」

ノートPC「やろう……」

男「あ、えっと、自分で決めてみます」

店員「そうですか。では、何かありましたらまたいつでも声をかけてください」

男「わかりました」

PC「さ、私を!!」

PC「いーえ、私を!!」

ノートPC「お、俺だ!!」

男「ブランドもOSとかもスペックとかも正直、何もわかんないしな……」

PC「ラーメンは何が好き?」

PC「しょうゆかな?」

PC「とんこつ」

男「……」

PC「ドライブのとこがパカパカしていいと思わない?」

PC「だっせー!!」

ノートPC「こいつ決めるのおっせー」

PC「他のひとがいいなぁー」

男「やっぱりデザインで決めるか。どうせやることはインターネットぐらいだし」

PC「インターネットだけだって」

PC「マジかよ。つまんね」

PC「ミクちゃんたべたいお」

PC「インストールっていいなさいよ」

男「……」

PC「む、拙者か?」

男「違うな……こっちかな?」

PC「やったー!童貞を食べるチャンス?!」

PC「はいはい、よかったわね」

男「……決めた。これにしよう」

デスクトップPC「ぶっ!?」

PC「おめでとー」

デスクトップPC「あんがと」

男「すいません」

店員「はい」

男「これ貰えますか?」

店員「ありがとうございます」

男「安いし、お手頃かな」

デスクトップPC「悪かったわね、売れ残りで!!」

店員「―――ありがとうございましたー」

男「やった」

PC「ねえねえ、付属品は?空のDVDとかUSBメモリとかいらないわけ?」

USBメモリ「あ!やっと売れたんだ。おめでとう!!」

PC「だまれ!!」

DVD「うわ!あれ買った奴がいるんだ。すげえな」

SDカード「売れるだけマシよ……」

携帯「卑屈になるなよ」

PC「……」

男「さてと帰ったら早速セッティングしようか」

PC「こいつ、インターネットの契約とかしてなかったけど……大丈夫なんでしょうね?」

LANケーブル「ふわぁぁぁ。あれ、俺は?」

PC「しらん」

―――自宅

男「よし」

PC「……」

男「えっと……スイッチはどこだろう……」

PC「……マジか」

男「あ、説明書みなきゃ」

PC「とんだPC童貞ね」

男「えっと……ここか」

PC「ぁん」

男「―――おお、ついた。で、初期設定は……」

PC「キーボードつけんかい!」

男「あ、キーボード忘れてた」

PC「馬鹿か」

キーボード「あ、お姉さん、ちわっす!」

PC「これからよろしくね?」

キーボード「うっす!お姉さんにご迷惑をかけないようにがんばりまっす!!」

PC「ふふ、ありがとう」

男「キーボードのこれを……ここに差し込んでっと」

PC「ぉん♪」

キーボード「お姉さん、大丈夫ですか?」

PC「平気よ」

男「まずはユーザー名か……」

キーボード「これから長い付き合いになりそうっすね」

PC「そうね。この人、PCに疎いからキーボードとかもそのままかも」

キーボード「僕的にはそのほうがうれしいっすね!」

PC「あら、そうなの?」

キーボード「壊れるまでマスターに使ってもらえるなんて最高じゃないっすか!」

PC「そういうものかな……」

こういう初心者が知識を持ってそのうち
4GBメモリ「おら」ズプ

ママン「やぁっ・・・おっきいよぉ・・・///」

やばいちょっと抜いてくる

男「ふぅ……初期設定はこれでいいな」

キーボード「さあ、なにをするんですかね」

PC「さあ?」

男「さてと、インターネットの接続工事は……来週だからそれまで使うことがないな」

PC「なんですって!?」

キーボード「うっそー!!ひどいっすよ!!マスター!!なんかアプリで色々と!!」

PC「つーかマウスもだしてあげなよ!!」

男「……あ、マウスもついでに繋いでおこうかな。―――あったあった」

マウス「ひっく……えぐ……忘れられたかと思いましたぁ……」

キーボード「あ、ちっす」

マウス「ぐすっ……どうもです……」

PC「ご、ごめんね、なんか」

マウス「いいえ……お姉ちゃんの所為じゃないから……」

男「えっと、シャットダウンは……ここをクリックか(カチッ」

マウス「ひゃん♪」

普通新しいPC買ったら色々試したくなるもんじゃないの?ww

>>24
新しいPC買った素人「どうせネットしかやらないし適当に初期設定して電源切るか」

新しいPC買った玄人「外蓋あけて・・・っと」

男「よし。ご飯でも買いに行こうかな」

PC「マジで電源を落としやがった……」

キーボード「これは退屈っすね。僕なんてマスターに叩かれてなんぼってとこがありますし」

マウス「わたしも」

PC「私だって見られてこそ価値があるんだからね」

キーボード「でも、悪い人じゃなさそうっすよ」

マウス「うん、それは思った」

PC「なんで?」

キーボード「だって、ほら」

テレビ「ぬへぇ……」

掃除機「ぐぅ……ぐぅ……」

キーボード「みなさん、結構古い人ですけど、なんだか安心してるじゃないっすか」

マウス「きっと大切に使われてるんだと思うよ?」

PC「でも、使ってもらわないとこっちが困るっていうか……」

空気清浄機「あ、新しい子たちだ!!」

掃除機「―――なに!?」

テレビ「うわ!!ホントだ!!!」

冷蔵庫「ちょっと!!私たちからの位置だと見えないんだけど、これからよろしくね!!!」

電子レンジ「おいどんとはきっと会うことはないと思うが、一つ屋根の下で暮らすもの同士、仲良くやりやしょう!!」

PC「う、うん……」

キーボード「おねがいしまっす!!」

マウス「これからよろしく……」

テレビ「でも、お前らラッキーだな」

PC「なんで?」

テレビ「マスター、機械には弱いけどすごく大切にしてくれるからな」

空気清浄機「きっとすぐに好きになると思うよ!」

PC「でも、使ってくれないとねえ」

キーボード「あはは、まあそうっすね」

PC「なによ。スマートフォンなんかにデレデレしちゃって!」

男「ただいまぁ」

PC「でも、一人暮らしを始めたばかりなんでしょう?」

テレビ「俺は前の家から使ってもらってるんだ。もうすぐ10年目さね」

キーボード「あー、だからなんか分厚いんっすね」

テレビ「年齢と地デジ化のせいもあって流石のマスターも買い替えを考えてるみたいだけどな」

PC「え……」

掃除機「テレビさんはもう半年以上、稼働してないの」

マウス「そうなんですか?」

テレビ「もう何も映んねえんだ。テレビとしては失格だろ?」

PC「……それでもこの人は貴方を捨てないのね」

男「……もぐもぐ」

テレビ「な、良い人だろ?……いい人過ぎて、捨てられるのが怖いけどな」

PC「そう……」

マウス「テレビさん……」

―――夜

男「おやすみ」

蛍光灯「ばっくしゅん!!―――あ、おやすみ、マスター」

PC「……」

キーボード「どうかしたんすか?」

PC「本当に物に優しい人なんだろうなって」

キーボード「でしょうね。これだけの家電に好かれてる人は珍しいかもしれません」

マウス「一つぐらい埃が被ってて、忘れられたまま捨てられるって子もいるらしいから……」

PC「そうね……こうやって見える場所にいるだけでも幸せなのかも」

キーボード「そうっすよ。いればいつかは使ってくれるんすから」

PC「……」

男「ぐう……ぐう……」

PC「どんな使われかたするのかしら……?」

キーボード「まあ、男性ですから……ねえ?」

マウス「うぅ……あの後は手を洗ってほしい……です」

マウス「うぅ……あの後は手を洗ってほしい……です」

なにげにグサリときた

―――1週間後

テレビ「ぬへっぇ……」

PC「気が緩んでるわね」

テレビ「することねーんだもん」

キーボード「テレビゲームもないんすね」

掃除機「マスターって趣味がジョギングと登山だからね」

マウス「それは……」

PC「彼女、いないんじゃないの?」

テレビ「前はよくAVを見てたけど、確かに彼女を連れてきたところはみたことないな」

PC「童貞か」

テレビ「なあ?」

DVDプレイヤー「し、しらないっ!!」

携帯「マスター!!電話ですよー!!知らない番号からです!!出るときは気をつけ―――」

男「あ、もしもし?はい、はい。ええ、お願いします」

PC「誰かしら?」

業者「お邪魔します」

男「じゃあ、お願いします」

業者「はい。えっと……」

PC「……?」

キーボード「お姉さん、きっとネットの工事っすよ」

PC「ああ、なるほどね」

マウス「よかったね、お姉ちゃん」

PC「べ、別に嬉しくなんてな、ないけど!」

テレビ「いいなぁ……」

業者「―――はい、接続はこれで大丈夫です」

男「あと、これにも繋いでもらえますか?」

業者「ああ、ええ」

チューナー「……」

テレビ「誰だ……?」

PC「誰かしら?」

チューナーたんキタ━━(゚∀゚)⌒Y⌒(。A。)⌒Y⌒(゚∀゚)⌒Y⌒(。A。)⌒Y⌒(゚∀゚)━━!!

業者「これで大丈夫だと思います」

男「すいません」

テレビ「なんか変な奴をくっつけられたぞ?」

DVDプレイヤー「だ、だれなの?」

チューナー「……」

テレビ「無口な奴だな」

男「ケーブル会社と一緒に加入しておいてよかった……久しぶりに……」

テレビ「え……」

掃除機「うぉおぉぉおおお!!!!!」

キーボード「おお!!テレビさんが!!」

男「よかった。綺麗に映ってるな。まだまだ現役だ」

テレビ「……マスター……」

チューナー「……よ、よろしくね?」

テレビ「お、おう!!」

PC「……私は?」

テレビ「お前、結構可愛いじゃん」

チューナー「……」

テレビ「なんとかいえよー」

チューナー「……ごめんなさい、話すの慣れてなくて……」

DVDプレイヤー「な、なによ……わ、私のほうがテレビとはずっと繋がってたんだからね……」

男「さてと、インターネットでもしてみようかな」

PC「まってました!!」

キーボード「さあ!!早く起動してあげてほしいっす!!」

マウス「お兄ちゃん、つけてあげて!」

男「LANケーブルを繋いで……スイッチを……」

LANケーブル「よろしく」

PC「うん……ぁん♪」

LANケーブル「なんだ、ここは初めてかよ。いい具合に締まってんじゃん」

PC「そんなこといわないでよ……」

男「おぉ、繋がった……何をしようかな?」

マウス「あひゃん♪……お兄ちゃん、クリックになれてないよぉ」

キーボード「それは仕方ないっすね」

男「……」

キーボード「何から検索するのか……」

PC「どきどき……」

男「そういえば買い物とかネットですると安いってきいたなぁ」

キーボード「おお、いいっすね」

マウス「アマゾン♪アマゾン♪」

男「らく、てん……っと」

PC「そっち!?」

キーボード「まあまあ、人それぞれっすから」

PC「まあ、ね……」

マウス「がっかりぃ」

テレビ「なあ、どこ生まれ?」

チューナー「……台湾」

男「―――あ、そろそろ夕食でも買いにいこうかな」

PC「通販サイトばっかりだったわね」

キーボード「これから楽しみが増えていくと思いますよ?」

PC「だと良いけど」

マウス「ぉお♪」

男「よし。電源も落としたし、いこ」

PC「もっとこう活用してほしいわね」

テレビ「でも、お前が活用されたら俺のことを見てくれなくなりそうで怖いぜ」

PC「それはないわよ」

キーボード「そうっすよ。もし本格的にPCを使うなら、PCをテレビの代わりにしててもおかしくないっすから」

テレビ「あ……」

PC「貴方はまだまだ使ってもらえるわ。私が妬いちゃうほどにね」

チューナー「……がんばろ?」

テレビ「……あ、ああ……そうだな」

マウス「ふはぁ……つかれたぁ……」

―――翌日

男「……いってきまーす」

マウス「いってらっしゃーい♪」

PC「マスターって大学生かなにか?」

テレビ「社会人だ」

PC「ふうん」

キーボード「やっぱ、マスターがいないと暇っすよね」

マウス「だよね」

冷蔵庫「―――暇なのはいいことよ!!!」

PC「うわ!?なに!?」

冷蔵庫「私なんて6年もの間、24時間休みなく稼働しているのよ!!」

キーボード「あ、それはそっすね」

電子レンジ「嘘はいかん。ブレーカーが落ちた時は爆睡して中身をダメにしよったやろ」

冷蔵庫「いや、あれは事故だし……!!」

電子レンジ「おいどん、嘘はすかんで!!」

冷蔵庫「ご、ごめん……」

電子レンジ「そう。素直がいちばん!!」

PC「冷蔵庫って電子レンジに弱いの?」

掃除機「電子レンジが尻にひいてるんだよ」

キーボード「へえ、すごいっすね」

空気清浄機「あ、そろそろ電源落とさなきゃ」

マウス「時間?」

空気清浄機「そうそう。マスターって意外と綺麗好きだからね。しばらくは稼働するようにタイマーを仕掛けていくのよ」

PC「まあ、貴方のお陰で埃とかきにしなくていいからね」

空気清浄機「でしょ?」

キーボード「空気清浄機の姉貴がいるだけで全然違うッス!」

空気清浄機「おほほほ♪」

チューナー「………」

テレビ「どうした?」

チューナー「……みんな、仕事してるなって」

>>54
尻にひくじゃない
尻に敷くだ

恥ずかしい
休憩

テレビ「何を言ってるんだよ。お前がいなきゃ俺は使ってもらえないんだ。十分に働いてる」

チューナー「……そかな?」

DVDプレイヤー「まあ、私のほうが十分に働いてるけどね!!」

テレビ「おい!!」

DVDプレイヤー「ほ、ほんとのことでしょ!!」

チューナー「……ごめんなさい。何もしてないのにテレビさんの上に乗ってるだけだもんね……」

テレビ「あ、いや……」

PC「……色々思うところがあるのね」

キーボード「そうっすね……」

マウス「みんなそれだけマスターのことが好きだからじゃないかな?」

キーボード「え?」

マウス「好きだから役に立ちたいんだと思う」

PC「……」

キーボード「そうっすね。僕たちを使ってくれることでマスターが喜んでくれる。それが一番っすもん!」

電子レンジ「左様」

掃除機「うんうん。綺麗になったときのマスターの笑顔が一番すき!」

電子レンジ「おいどんもじゃ。親方殿が美味しそうに料理を頬張るときが極上の至福じゃのう」

冷蔵庫「うん……そうかも」

テレビ「……そうだ。お前だってみただろ?」

チューナー「え……?」

テレビ「画面が映ったときのマスターの笑顔……あれは俺とお前に向けられてたんだぜ?」

チューナー「そう……なの?」

テレビ「ああ。だから胸を張れ。お前がマスターを笑顔にさせたんだからな」

チューナー「……うん♪」

DVDプレイヤー「ふん……」

テレビ「お前も口が過ぎるぞ?」

DVDプレイヤー「……悪かったわよ……ごめん」

チューナー「ううん……これからもよろしくね?」

DVDプレイヤー「……うん」

PC(そっか……みんな本当にマスターのことが好きなんだ……)

―――夜

冷蔵庫「マスター、遅いなぁ」

電子レンジ「親方殿も大変やからのぉ」

PC「そうなの?」

電子レンジ「ああ。仕事の時はいつも遅いけん」

PC「へえ」

キーボード「じゃあ、あんまり使ってもらう機会とかなさそうっすね」

マウス「残念」

テレビ「……ぬへえ」

チューナー「ぬへえ」

PC「こらこら、ダメなとこを真似しないの」

掃除機「ぐう……ぐう……」

男「――ただいま」

PC「あ、帰ってきたわね」

マウス「おかえりー♪」

男「……」

PC「な、なによ……?」

キーボード「手になんかもってますね」

男「……」

PC「何する気?インターネット?」

男「えっと……」

キーボード「あ、なんかディスクを入れるみたいっす」

マウス「お姉ちゃん、ふぁいとー」

PC「むぐ……もぐもぐ……」

男「……」

テレビ「なんだ、なんだ?」

掃除機「どうかしたの?」

キーボード「お姉さん……?」

PC「―――マウス、覚悟しておいた方がいいわよ?」

マウス「え……?」

エロゲディスク「初めまして。私『うたわれるもの』という者です」

PC「聞いてないわよ」

エロゲ「でも、こうして中に入っていくわけですから、失礼のないようにしないと」

PC「早く出ていってくれないかしら」

エロゲ「それは旦那様次第でしょうね」

マウス「あわわわわ……ついに恐れていたことが……!」

キーボード「あーあー」

テレビ「何の話だ?」

DVDプレイヤー「……あの感じ……いやらしいやつね」

テレビ「分かるのか?」

DVDプレイヤー「だって、喋り方がそうなんだもん」

男「あいつ、面白いっていってたけど……本当か……?」

エロゲ「そろそろ浸食が完了しますよ?」

PC「嫌な言い方しないで!!」

―――翌日

男「―――いってきまーす」

マウス「……………くちゃい」

キーボード「大丈夫?」

マウス「うぅ……拭いてくれるかと思ったのにぃ」

PC「あー疲れた」

テレビ「中々の喘ぎ声だったぜ?」

チューナー「う、うん……」

PC「はぁ……スピーカー買ってくれないかしら」

掃除機「望み薄ですなぁ。あの人がそんな付属品を買うとは思えないし」

PC「なんで私がいちいち声を張り上げないといけないのよ……まったく」

キーボード「一体型の宿命ってやつっすね」

PC「もうやだ……今日もやるのかしら?」

マウス「お願いだから手を洗ってぇ……マスタぁ……」

―――夜

男「さてと、これを温めるかな」

電子レンジ「うむ!!まかせときん!!!」

男「えっと、2分ぐらいか。―――よし」

電子レンジ「んんんんんんんん!!!!!!!!!!」

PC「凄い声ね」

テレビ「レンジ兄さんはああ言わないと温めた気にならないんだって」

キーボード「職人って感じっすね」

DVDプレイヤー「うるさいだけよ」

男「さてと、なにか面白い番組でも……」

携帯「マスター!!電話ですよ!!着信ありですよ!!!えっと!!えっと!!電話の相手はNO.42の―――」

男「はい、もしもし?―――ああ、昨日やってみたよ。ああ、結構面白いな」

PC「今日も喘ぎ声を出す仕事が始まるのね……」

マウス「マスター……手だけは洗って……あと、消毒もして……」

電子レンジ「んんんんんんん!!!!!――――――チン♪」

男「さてと……」

PC「ゴクリ……」

男「あのゲームはもういいや」

PC「え……?」

キーボード「飽きちゃったんすかね?」

マウス「ほっ……」

男「抜くだけならもっと違う方法があるし……」

マウス「ぎゃあぁあああ!!!!」

キーボード「うっひょー。お姉さん!!今日は大忙しになりそうっすよ!!」

PC「……ついにエロ動画を……!?」

男「ツタヤにいくか」

PC「……へ?」

DVDプレイヤー「わたしかぁぁぁ!!!!」

テレビ「くそ……久しぶりに喘ぎ声ださないといけないのかよ……!!」

チューナー「……がんばって」

―――深夜

男「―――ふぅ」

テレビ「はぁ……はぁ……」

DVDプレイヤー「……大丈夫?」

テレビ「……ま、まあな」

男「さて、寝るか」

蛍光灯「ばっくしょん!!―――あ、おやすみ、マスター」

PC「意外ね。普通はエロ動画を延々と見るって聞いてたのに」

キーボード「インターネットに疎いからじゃないっすか?」

マウス「そうだと思う……早く、消毒……」

PC「まあ、いいんだけど……でも、なんかこう……違うのよね」

キーボード「違う?」

PC「もっと色んなことを試して欲しいっていうのかな……」

マウス「つまらないってこと?」

PC「そうは思わないけど……」

―――休日

男「携帯は……」

携帯「マスター!!ここですー!!枕の下ー!!!マスター!!!」

男「コンビニに行くだけだし、いいか」

携帯「マスタぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

PC「こんにちは」

携帯「携帯電話は……携帯してくれないと……意味がないのに……」

キーボード「兄さんも大変っすね」

携帯「大事にしてくるのはありがたいけどさ。はぁ……なんというか機能には無頓着な人なんだよね」

マウス「みたいだね」

携帯「俺っちさ、自分で言うのもなんだけど高性能なんだ。だけど、マスターったらメールと電話しかしなくて」

PC「インターネットもしないわけ?」

携帯「そう。だから、ゲームとかも一切しない。おかげで俺っちのバッテリーはいつも7割以上をキープしちゃってるのさ」

マウス「なるほど……いつも持ち歩かれているの羨ましいって思ってんだけど、そんな苦労が……あるんですね」

携帯「マスター……ぐすん……」

アルコールティッシュでしょっちゅう拭いてるからうちのマウスはアル中だわ

携帯「そういえばまともに話すのって初めてかも」

PC「いつもあなたは外に行っちゃうからね」

テレビ「ああ。マスターの外での様子はこいつしか知り様がないからな」

キーボード「あ、聞きたいっすね。マスターが外でどんなことをしているのか」

マウス「どんなことをしているんですか?」

携帯「マスターはバリバリの営業マンで、いつも外を歩きまくってる」

PC「へえ」

キーボード「あれ?それなら携帯兄さんってかなり活躍してるんじゃないっすか?」

携帯「いや。仕事で使う携帯電話は別にあるのさ。俺っちはあくまでも私用なんだ」

PC「その仕事用の携帯は?」

携帯「アイツはマスターの仕事場にいる。アンタ達が会うとしたら、多分マスターが間違えて持って帰ってきたときぐらいだね」

マウス「いい人、なんですか?」

携帯「いい人っていうか……まあ、マスターのことは大好きだけど、他のことには目を向けないんだ」

PC「どういうこと?」

携帯「マスターのことが好きすぎて、俺のことなんて完全に無視してきやがる。同じポケットに入ったときもだ。どうかしてるよ」

テレビ「俺たちも興味、あるけどな」

掃除機「そうそう」

携帯「会ってもいいことないって」

男「―――ただいま」

マウス「おかえりー♪」

冷蔵庫「マスター、私をあけるのですかぁ!?」

男「えっと、これは夜食べるから……」

冷蔵庫「うふ♪」

男「よし。今日は掃除でもするかなー!!」

携帯「あ!!マスター!!電話ー!!着信ですよー!!!相手は―――」

男「お、こんなところにあったか。―――もしもし?」

PC「ふわぁぁ……偶には私の掃除もしてほしいわね」

キーボード「そうっすね」

マウス「うん」

男「いまから?まあ、いいけど。わかった、待ってる」

男「ふんふーん」

掃除機「すうよー!!ゴミはすっちゃうんだからねー!!!」

ピンポーン

男「お、来たな。―――はーい、開いてるぞー」

友「おっす!久しぶり!」

男「急に来るって言うからびっくりしたぞ」

友「わりいな。こっちに来る用事があったから、顔でも見ようかなって」

男「そうか」

友「お!PC買ったのか。一人暮らしには欠かせないもんな」

男「まあな」

友「ちょっとやってもいいか?」

男「ああ」

友「んじゃ……」

PC「誰よ、こいつ」

携帯「古い友人。前のメモリーから名前があったし、親友だと思うよ」

友「なんだよ、何もインストールしてねえのか」

男「まあ、初めから色んなソフトが入ってるから」

友「俺が色々便利なフリーソフト落としてやろうか?」

男「え?例えば?」

友「P2Pって知ってるか?」

男「いや、分かんないな」

友「あると便利だぜ?」

男「そうなのか?」

PC「ちょ!!」

キーボード「マスターが犯される……」

PC「いや、その前に私が変な虫に襲われちゃうでしょ!!」

キーボード「そういえばマスターってその辺のこと知らなさそうっすもんね」

PC「ひぃぃ……変なサイトに繋がっちゃう……」

LANケーブル「ロシアのサイトなら安心だぜ。おらおら!」

PC「やめて……変な物をとりこまないでぇぇ……」

友「―――で、こっから色んな物がダウンロードできるんだ」

男「へえ……すごいな」

友「音楽とか動画とか、ゲームなんかも取り放題だ」

男「無料で?」

友「勿論」

男「そうなんだ……」

PC「うぅ……」

キーボード「お姉さん、大丈夫っすか?」

マウス「お姉ちゃん……」

テレビ「P2Pってなんか聞いたことあるなぁ」

チューナー「ほら、前にテレビのニュースで言ってなかったかな?」

テレビ「あー!思いだした。違法ダウンロードがなんちゃらってやつか」

友「まあ、何かわかんないことがあったらまた聞いてくれ」

男「ああ」

PC「……ごほ、ごほ……」

速攻感染wwwwwww

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