あかり「ムズムズする…うわっ!なんか生えてきたよ~」(198)

あかり「ちなつちゃ~ん、どうしよう!?どうしよう!?」

ちなつ「落ち着いて、あかりちゃん!とにかく、服を脱いで!」

ちなつ「何が生えてきたのか、私が見てあげるから!」

あかり「う、うん…分かったよ、ちなつちゃん…」ヌギヌギ

ちなつ「!!」

あかり「えっ…何?何が生えてたの、ちなつちゃん!?」

ちなつ「……………………………羽」

あかり「えっ?」

ちなつ「天使の…羽…だよ…あかりちゃん…」

あかり「嘘…」

女子トイレ

あかり「本当だ…あかりの背中に羽が…生えてる…」

ちなつ「飾り…じゃないよね?私も生えてきたの見たけど…」

あかり「うん…動かせるし…本物だよ」ピコピコ

ちなつ「前々から、あかりちゃんは優しすぎると思ってたけど…」

ちなつ「まさか、本物の天使だったなんてね!」

あかり「そんな~照れるよ、ちなつちゃん!」

ちなつ「取り敢えず、先輩達にも見せた方がいいんじゃない?」

あかり「うん、そうだね!えへへ、京子ちゃんと結衣ちゃんも驚くかな~」

娯楽部

京子「うわっ何、その羽!?」

結衣「とても作り物とは思えないけど…」

あかり「えへへ」ピコピコ

京子「うわ~~~動いた~~~!!」

結衣「これ、本物なんだな…あかり?」

あかり「うん、本物だよ!」

ちなつ「私が証人になりますよ、生えてくるの見ましたし!」

京子「すっげ~!!触らして触らして!!」

結衣「わ…私も…」

あかり「うん、いいよ!触って触って!」ピコピコ

京子「えい!」グイ

あかり「痛い!!」ビクン

結衣「こら、京子!優しく触れよ!」

結衣「よしよし」ナデナデ

あかり「んふふ~くすぐった~い!」ピコピコ

京子「あ~ズルいぞ、結衣!私も私も!」ガバッ

あかり「2人共、羽は2枚あるんだから仲良く触ろうよ~」


ちなつ「あれ?何か落ちてる…」

あかり「ん?何、ちなつちゃん」

京子「え~何々、何か見つけたの?」

結衣「これは…」

ちなつ「あかりちゃんの羽…」

結衣「さっき京子が引っ張った時、抜けたんだよ!」

京子「嘘!?ごめん、あかり…」

あかり「いいよ、京子ちゃん…悪気は無いんだもん!」

京子「あかり…」

ちなつ「わっ!!」ピカー

結衣「羽が…光ってる…」

京子「綺麗だな~ね、ね、私に頂戴!」

ちなつ「京子先輩!拾ったのは私ですよ~?」

結衣「そうだぞ、京子!これはちなつちゃんの物だ!」

京子「ぶ~~~!そうだ…あかりから抜けたんだから、あかりに聞こう!」

あかり「…えっ!?」

京子「なあ、あかり!この羽は誰にくれるんだ?」

ちなつ「拾ったのは私なんだから、私だよね!?」

結衣「2人の意見は気にせず、あかりが好きな子にあげなよ」

あかり「う~~~…」

あかり「えい!ぐぅ…」ブチブチ

京子「!!」

ちなつ「!!」

結衣「あかり…」

あかり「痛ててて…これで三枚だから、みんなに渡せるね!」

京子「あかり…ありがとう!本当にあかりは天使だ!!」ガバッ

ちなつ「私もちょっと大人気なかったかも…」

結衣「あかり…痛かっただろ…さすってやるよ…」サワサワ

あかり「えへへ…あかりはみんなが喜んでくれれば、嬉しいんだよ~」ピコピコ

結衣「…」サスサス

あかり「えへへ~」ピコピコ

ちなつ「見れば見るほど不思議な羽ですね~」ピカピカ

京子「そうだね~見てるとお腹が空くね~」

結衣「おいコラ、何でだよ!?」

京子「あ~~~ラムレーズン食いて~な~~~」ピカピカ

ピカー

京子「うおっ!?」

結衣「何っ!?」

ちなつ「は、羽が!?」

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ポコ

京子「……………ラムレーズン?」

結衣「えっ…いや…まさか…」

ちなつ「京子先輩…手品か何か…ですよね?」

京子「た…種も仕掛けもありません…」

結衣「そのラムレーズン本物か!?」

ちなつ「ちょっと、食べてみて下さいよ!」

京子「…」パク

京子「うめ~~~」ジーン

結衣「」バッ

ちなつ「」バッ

あかり「あ、あれれ~?」

あかり「まさか…あかりの羽…願い事が叶っちゃうの…かな?」

京子「みんなもやってみろよ~」

ちなつ「じゃ…じゃあ…結衣先輩のXXXが欲しい!」ピカー

結衣「ちょ」


パサ

ちなつ「結衣先輩…これは、結衣先輩のですか?」

結衣「///」カァー

京子「おっ本物らしいぞ?喜べ、ちなつちゃん!」

ちなつ「はぁ…はぁ…家宝にします!!」

結衣(確かに、今私が履いてるのと同じ物だけど…消えた訳じゃない…)

結衣(と言う事は、コピーした…?いや、まさに願いが叶ったんだ!!)

ちなつ「結衣もやってみて下さい!」

結衣「じゃあ………………一千万円!」

京子「うわっえげつねー!!」

結衣「……………何も、起きないな」

京子「不良品掴まされてやんの~」

結衣「こら、あかりの羽なんだぞ!」

あかり「ごめんね、結衣ちゃん!今、別の羽あげるから~」

結衣「!…いいよ、大丈夫だから!!」

ちなつ「でも…少しほっとしました…」

ちなつ「何でも叶っちゃうのなら、ちょっと怖い…かなって」

結衣「ちなつちゃん…」

京子「ま~でも、まだ光ってるみたいだし…」

京子「別の願い事、試してみれば~?」

結衣「そうだな、じゃあ…」

結衣「いざと言う時の為に取っておくよ」

京子「は~~~?貯金派かよ~!?」

結衣「いいだろ!私のなんだから、どうしようとさ!」

あかり「あはははは…」

ちなつ「そろそろ帰りましょうよ~」

結衣「それもそうだね」

京子「結衣、願い事は明日までの宿題だからな~」

結衣「意味わかんねぇし!」

チートはやんわり拒否、さすが天使

ちなつ「ねえ、あかりちゃん!」

あかり「なぁに?」

ちなつ「もしかして…その羽、空とか飛べる?」

京子「!!」キュピーン

あかり「え~試して無いから分かんないよ~?」

京子「あかり、やってみろよ~!出来たらおごってやるからさ!」

結衣「何をだよ!?」

あかり「じゃあ、ちょっとだけ…」ピコピコ

あかり「えいっえいっ」ピコピコ

ピコピコピコピコピコピコ

京子「…」

あかり「えへへ…駄目みたい♪」

京子「ちぇ~つまんね~の~…んっ?」

京子「おっ!抜けた羽みっけ!」

結衣「お~ま~え~な~」

あかり「ただいま~」

あかね「おかえり、あかり!」

あかり「ね~ね~お姉ちゃん、見て見て~」ピコピコ

あかね「!!」

あかり「えへへ~」ピコピコ

あかね「…」

あかり「お…お姉ちゃん…?」

あかね「!…私のあかりが天使になって帰ってきたわ~」ダキ

あかり「ちょっとお姉ちゃん、くすぐったいよ~」

あかね「あら、ごめんなさいね…お風呂沸いてるけど、入る?」

あかり「わ~い、あかりお風呂入る~」パタパタ

あかね「うふふ…本当に羽が似合うわね…」

あかね「本当に…ね」

翌日

櫻子「あかりちゃん、お箸忘れた~」

あかり「あっあかりも忘れちゃった…」

櫻子「え~~~それじゃ、私達お昼抜き~~~?」

あかり「…そうだ!」

バサ

櫻子「!!…あかりちゃん…その羽…」

あかり「えへへ、本物だよ♪えい」プチ

ピカピカピカー…ポン

あかり「はい割り箸だよ、櫻子ちゃん!」

櫻子「えっ…あ…ありがとう…」ボケー

ちなつ「ちょ、ちょっと!あかりちゃん!」

あかり「な、何?」

ちなつ「そんな事の為に羽使っちゃうの~?」

あかり「えっ?でも…櫻子ちゃん、困ってたし…」

ちなつ「職員室に行けば、あったかもしれないのに…」

ちなつ「いい、あかりちゃん?この羽は普通では出来ない事に使うの!いいわね?」

あかり「う…うん、分かったよ…ちなつちゃん…」

京子「あかり~抜けそうな羽があるよ~?」

あかり「えっ取って取って」

京子「えい」プチ

あかり「痛っ」

京子「あれ、まだくっついてたのか…わりぃわりぃ」

あかり「大丈夫だよ、もう羽を抜くのにも慣れてきたし…」

京子「本当!?」

あかり「うん、だから好きな時…困った時にはあげられるからね!」

京子「流石、あかり!よっ天使様!」

あかり「そんなに褒めないでよ~」ピコピコ

結衣「あかり、ちょっとこっち来て…」

あかり「んっ?何、結衣ちゃん………うわぁ!!」




結衣「どう…あかり?」ザッザッ

あかり「すっごく気持ちいいよ!これ、何?」

結衣「鳥の羽をとかすクシだよ…今日の朝、買ってきた…」ザッザッ

あかり「結衣ちゃん…あかりの為に…?」

結衣「そんな、私があかりの羽に触りたかっただけだよ…」ザッザッ

あかり「結衣ちゃん…」

あかり「ただいま~」

あかね「おかえり、あかり…その、どうだった?」

あかり「えっ何が?」

あかね「学校のみんなとか…その…羽の事で…」

あかり「みんな、あかりの事を大事にしてくれてるよ!」

あかり「あかり…こんなに幸せでいいのかな…ってくらいに!」

あかね「そう…それならいいのよ、友達は大切にね!」

あかり「うん、分かったよお姉ちゃん!」

更に翌日

櫻子「あかりちゃ~ん、また箸忘れた~」

あかり「はい、割り箸あるよ~」

櫻子「…」

あかり「えっ?何、櫻子ちゃん?」

櫻子「昨日のピカピカピカーってやつ、やらないの?」

あかり「あぁ、あれはね…いざって時にしか使わない事にしたんだ!」

櫻子「え~~~私、あかりちゃんがピカーってなるとこみたい~~~」

あかり「う~~~ん、しょうがないな~」

あかり「ちなつちゃんには内緒だよ?」

櫻子「やった~~~!!」

ちなつ「あかりちゃん!!」

あかり「!」ドキ

あかり「何…ちなつちゃん…?」

ちなつ「京子先輩と結衣先輩に羽あげたでしょ~?」

あかり「え?あかり、あげた…のかなぁ?」

ちなつ「2人共、新しいあかりちゃんの羽持ってたよ~」

あかり「そ、そっか…ごめんね、ちなつちゃん」

あかり「羽…ちなつちゃんにもあげるね…」

ちなつ「ま、まぁ…別に欲しかった訳じゃないけど…一応貰うね」

あかり「あはははは…」

京子「あかり~~~!!」

あかり「どうたの、京子ちゃん?」

京子「今日提出する、宿題のプリント家に置いて来ちゃってさ~」

京子「…やってあるんだけどね?」

あかり「その手に持ってるプリントは?」

京子「あ、あぁ~これは別のやつだよ!ほら、やってないでしょ?」

京子「今欲しいのは家にある、もうやってあるプリントだから!」

あかり「そっか…せっかく宿題したのに…悲しいね…」

京子「だろ~?だからさ…」

あかり「分かったよ、羽あげるね!」プチ

京子「サンキューあかり!今日も私の天使様だよ~!」

あかり「あはははは…」

結衣「あかり…ちょっと、こっち来て…」

あかり「なになに~?」ワクワク





ゴォー

あかり「…これは?」

結衣「美容院…というか、床屋さんで使う機械でさ」

結衣「切った髪の毛がパラパラ落ちないように、これで吸い取るんだよ」

あかり「そ…そうなんだ…」

結衣「ほら、あかりの羽がそこら中に散らかるといけないからさ」

結衣「これで抜けそうな羽を綺麗にしてあげるよ」

あかり「わ~い…ありがとう…結衣ちゃん…」

あかり「ただいま…」

あかね「おかえり、あかり…どうしたの、その羽!?」

あかり「え…えへへ…その、余計な羽を取って貰ったんだ…」

あかね「ボロボロじゃない!?」

あかり「あ、あかりは部屋に戻るね!!」タッタッタ

あかね「ちょ、ちょっと!あかり!?」

バタン

あかね「やっぱり…こうなってしまうのね…」

あかね「あかり…」

最後の日

櫻子「あかりちゃ~~~ん!!」

あかり「割り箸…だよね?」

櫻子「うん、羽で羽で!」ワクワク

あかり「えへへ、分かってるよ櫻子ちゃん…」プチ

あかり「えいっ!」

櫻子「わ~~~ピカピカ…………あれ?」

櫻子「全然ピカピカしないよ~~~?」

あかり「あれれ~おかしいな~えいっえいっ!」

櫻子「も~~~お昼の時間無くなっちゃうよ!」

あかり「ごめんね櫻子ちゃん、今日はこっちの普通ので我慢してね?」

櫻子「ちぇ~~~」

ちなつ「あかりちゃん!どういう事!?」

あかり「え………何の事?」

ちなつ「とぼけないでよ!昨日の羽、全然使えないじゃない!?」

あかり「そ…そうだったの?」

ちなつ「…あかりちゃん、私が嫌いだから願い事が叶わないようにしたでしょ?」

ちなつ「そうよ!あの時、結衣先輩が一千万円の願いが叶わなかったのもワザと…」

あかり「!!…あかり…知らないよぅ…」

ちなつ「」イラ

ちなつ「いいわよ!あかりちゃんなんて知らない!!」

あかり「そんな…あかりにだって…分からないのに…」

京子「あかり…」

あかり「京子ちゃん!!」

あかり「ごめんね、昨日の羽が使えなかったんだよね?」

京子「!!」

京子「いいんだよ、そんな事!」

あかり「本当…京子ちゃんは怒ってないの………?」

京子「怒るもんか!願い事叶えて貰ってるのは、こっちなんだから!」

あかり「京子ちゃん…」ジーン

京子「それでさ、あかり………」

あかり「何、京子ちゃん!」






京子「いつ、戻るの?」

結衣「あかり…こっち…来て………」

あかり「!!」ビク

あかり「な…なに…結衣ちゃん………?」


プチプチプチ

結衣「これも…これも…これも駄目だ…」

あかり「…結衣ちゃん」

プチプチプチ

結衣「大丈夫だよ、あかり!使える羽が見つかったら」

結衣「羽…元に戻してあげるから!」

あかり「結衣ちゃん…あかり、嬉しい…」ジーン

プチプチプチ

結衣「でもさ…」

結衣「願い事を1つだけ叶えてやるって言われて…」

結衣「願い事を増やしてくれって言うのは叶うのかな…」

あかり「!!!」

あかり「ただ…いま…」

あかね「あかりぃ!!」ダキ

あかり「お姉ちゃん!?…どうしたの?」

あかね「羽!羽が!!」

あかり「えへへ…願い事が叶わないのならこんな羽、何の価値も無いよ…」

あかり「そう………あかりの価値も………」

あかね「!!」



あかね「…あかり、お姉ちゃんを見て」ヌギヌギ

あかり「わっお姉ちゃん、何で服を脱いで………!!!」

あかね「どう…背中にアザが2つあるでしょ?」

あかり「お姉ちゃん…まさか………」

あかね「そう、私も…天使だったの…」

あかり「それじゃあ、羽はどうしたの!?」

あかね「抜いたのよ…」

あかり「抜い…た………?」

あかね「痛かったわ…願いが叶う内に消しておけば良かったと思うくらい」

あかり「どうして、そんな事を!?」

あかね「あかりと同じよ…」

あかね「願いが叶わないなら、ただ気味が悪いだけだもの…」

あかり「そんな…」

あかね「でもね、あかり!私はあかりにそんな痛い思いはしてほしくないの!!」

あかり「それじゃあ…あかりは…どうすれば…いいの?」

あかね「…」


あかね「空に…帰えるのよ…」

鬱だと思ったら超展開・・・だと・・・!?

あかり「そ、空!?」

あかね「私ね…羽を抜く時に、天からの声を聞いたのよ…」

あかね「空に帰れば羽は戻るし、もう地上で痛い思いをしなくて済むって」

あかり「なんで断ったの?」

あかね「地上には…あかりが居たから…」

あかり「…お姉ちゃん」

あかね「寂しくなるけど…あかりには空に行って、元の綺麗な天使に戻って欲しいのよ!」

あかり「………分かった、あかり空に行くよ!お姉ちゃん!」

あかね「あかり…」

あかり「でもね…その前に………」

あかり「わたしだ」

あかね「お前だったのか」

ちなつ(私…あかりちゃんに言い過ぎちゃったかな…)

ちなつ(本当に困ってたみたいだし…やっぱりワザとじゃないよね?)

ちなつ(これから、あかりちゃんに謝りに行こう!)

ちなつちゃん…

ちなつ「えっ…あかりちゃんの声が…?」

ちなつ「あかりちゃん!どこ!?どこに居るの!?」

ここだよ…上を見て…

ちなつ「上?………!!!」

ちなつ「そんな…あかりちゃんが…飛んでる!!?」


あかり「えへへ、お空から力を借りてるだけだけどね…」パタパタ

ちなつ「力を借りて………そう、私に罰を与えに来たのね?」

あかり「…何で?」

ちなつ「だって、私あかりちゃんに酷い事言ったじゃない!?」

あかり「酷い事…?」

ちなつ「言わせるの?懺悔しろって…?」

あかり「あれはね、あかりが悪いんだよ…」

あかり「あかりがちなつちゃんの願いを叶わなくしちゃったんだから…」

ちなつ「嘘っ!!あの時、あかりちゃん知らないって言ってたじゃない!?」

あかり「ちなつちゃん…」

ちなつ「どこまでお人好しなのよ!少しは…怒りなさいよ…」ポロポロ

あかり「…」

あかり「あかり、もう行くね…」パタパタ

ちなつ「!!…あかりちゃん!あかりちゃ~ん!!」

あかり「京子ちゃん…」パタパタ

京子「うおっあかりが飛んでる!!?」

あかり「ごめんね、驚いた?」

京子「パンツ丸見え!」

あかり「///」バッ

京子「いいじゃん、いいじゃん!私とあかりの仲だろ?」

あかり「も~~~京子ちゃんったら///」

京子「ごめんごめん!」

京子「…あのさ、願いが叶う力が戻った訳じゃないんだよね?」

あかり「!!…うん、ごめんね京子ちゃん…」

京子「いいんだよ、謝らなくても!たださ…もし、戻ってたら…」

あかり「戻ってたら…?」


京子「私があかりの代わりに天使になろっかな~って!」

あかり「!!?」

京子「そうすりゃ、気兼ねなく自分の願いを叶えられるし!」

あかり「…」

京子「可愛いし、みんなにちやほやされるし!それに…」

京子「痛いのも、あかりじゃなくて済むじゃん?」

あかり「京子ちゃん…」

京子「あ~私にも羽生えね~かな~?」

京子「もし、私にも羽が生えたらさ…」

あかり「…うん」


京子「一緒に空飛ぼうな!!」

あかり「…うん!」

結衣「私は………」

結衣「こんなに、あかりの羽を集めてどうしたいんだ…………?」

結衣「願いも………無いのに………」

結衣「貯金………のつもり………だったんだろうか………?」

結衣「あかり………」

あかり「何、結衣ちゃん?」

結衣「!!!…あかり!?ここ何階だと思って…」

あかり「飛んで来たんだよ~」パタパタ

結衣「ははは…参ったな…こりゃ」

結衣「あかり…どうだ…この羽の山…」

結衣「呆れて声も出ないだろ…?」

あかり「聞いてたよ…結衣ちゃん」

あかり「願いも無いのに、あかりの羽を集めてたって…」

結衣「大馬鹿だよ、私は!!」

あかり「そんな!あかりはね…とっても嬉しいんだよ~!!」

結衣「……………はっ?」

あかり「だって…ただただ、あかりの羽が欲しかったんでしょ?」

結衣「そ…そんな事は………」

結衣「仮にそうだとしても!あかりのだから…じゃなくて、羽が綺麗だからだ!」

あかり「結衣ちゃん、あかりを褒めてるようにしか聞こえないよ?」

あかり「これが、よく京子ちゃんの言ってるツンデレってやつなのかな…?」

結衣「!!!」

結衣「分からない…何であかりが喜ぶのか…私には分からないよ!」

あかり「知らない内に人を傷付ける人ってよく居るけど…」

あかり「知らない内に人を喜ばせる人って珍しいよね!」

結衣「………」

結衣「それは…私じゃなくて…あかりの事だよ…」

あかり「そう?じゃあ、2人共そうなんだよ~!」

結衣「ははは…あかりはよく出来た天使だ…」

あかり「えへへへへ」パタパタ

あかり「ただいま、お姉ちゃん!」

あかね「みんなにお別れの挨拶は済んだの?」

あかり「うん、やっぱりみんなあかりの事を大事に思っていてくれたよ!」

あかね「…信じられない…けど…あかりが言うのなら本当なのよね!」

あかり「信じてくれてありがとう、お姉ちゃん!!」

あかね「!」ジワ

あかね「ほら、いい加減行かないと!力を貸して貰ってるんだから…」

あかり「!…そ、そうだった~!行ってきます、お姉ちゃん!!」

あかね「最後まで遅刻なんて、本当にあかりはあかりね…」

あかり「も~~~最後の最後まで、あかりを子供扱いしないでよ~!」パタパタ

あかね「うふふ、ごめんなさいね…」

あかね「いってらっしゃい…あかり…私の可愛い妹天使…」

芋天使
アメルさんを思い出すな・・・
しかしいい姉妹

後日

ちなつ「あかりちゃん、今日学校に来てませんでしたよ!」

結衣「朝、迎えに行った時には家には居ないって言われたんだけどな…」

京子「そうか…やっぱりアレは別れの挨拶だったんだな…」

ちなつ「別れの挨拶!?」

結衣「京子、言っていい事と悪い事があるだろ!?」

京子「もしかして、あかりは自殺したって意味だと思ってる?」

京子「アレを見て、そう思う2人に私は驚いたよ!」

ちなつ「じゃあ…あかりちゃんは…?」

京子「空に…行ったんじゃないかな?」

結衣「空…か」

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ちなつ「なんとか呼び戻せませんかね?」

京子「どうやって呼び戻すんだよ?宇宙船にでも乗って行くのか?」

結衣「…あかりの羽」

ちなつ「!…そうですよ!あかりちゃんの羽で願いを叶えれば!!」

京子「はぁ…私はあえてスルーしたのに2人と来たら…」

京子「羽で願い事が叶わなくなったから、空に行っちゃったんだろ!?」

ちなつ「でも…」

結衣「そうだよ!やってみるだけ、やってみよう!」

京子「…やっぱり、そうなるよな」

ちなつ「じゃあ、みんなで今持ってるだけ全部出しましょう!」

ちなつ「私は3枚」

結衣「私は30枚…」

京子「ちなつちゃんの10倍!?」

京子「どんだけ貪欲なんだよ、結衣!?」

結衣「うるさいな!願い事を叶えてないから余ってるんだよ!!」

結衣「そういう京子は何枚なんだよ!?」

京子「…」

京子「あはははは…」

ちなつ「まさか…京子先輩!?」

結衣「私はあえてスルーの時点で分かってたよ…」

京子「さて…沢山集まったところで…」

ちなつ「…」ゴク

京子「いでよ!アッカリーン!!」

結衣「アホか!」ベシ

京子「痛ったいな!願い事に言葉は関係ないだろ!?」

結衣「へぇ…でも私は知らなかったからね、京子と違って」

京子「う~~~」

ちなつ「何も起こりませんね…」

京子「だ~か~ら~羽で願い事はもう…」

結衣「羽が足らないのかも!放課後、私のウチに集合ね!」

京子「はぁ…大人ぶってる癖に一番子供なんだよな、結衣は…」

結衣「これだけあれば、十分かな…」

ちなつ「何…この量…?」

京子「うわっこれは引くわ~~~」

結衣「…否定はしない、あの時は私もどうかしてたんだ」

結衣「でも、ここで役に立つのなら無駄じゃなかったな…」

京子「気が早いな~結衣は!そういう事は叶ってから言えよ!」

結衣「そうだな…京子じゃ信用出来ないし…ちなつちゃん」

ちなつ「は…はいぃぃぃ!」

結衣「願ってみて…」

ちなつ「わ、分かりましたーーー!!」

ちなつ(あかりちゃん…)

ちなつ(あの時は、私が謝ってるのによくも逃げたわね…)

ちなつ(絶対に地上に降ろして、文句言ってやるんだから!)

ちなつ「…」

結衣「何も…起こらない…」ガク

京子「もう、2人共~落ち込み過ぎだよ~」バサ

結衣「こら、羽の山にダイブするなよ!!」

京子「待ってればその内帰ってくるだろ~」バサバサ

結衣「帰って来ないかもしれないだろ!!」

京子「…」

結衣「京子も何となく分かってるんだろ?このままだとあかりは…」

京子「言うな言うな!私はあかりと一緒に空を飛ぶ約束をしたんだ!!」

京子「帰ってくるに決まってるんだよ!!」バサバサ

ちなつ「京子先輩…」

結衣「ごめん…京子…」

結衣(明るく振る舞ってるだけで、京子も不安なんだ…)

結衣(それなのに、私と来たらまた………)


ピカー

京子「………えっ?」

ちなつ「羽の山の中から…光が…漏れてる…?」

結衣「京子!!」

京子「わ、分かってるよ!………あった!!」ピカピカ

ちなつ「ちゃんと光ってますよ!」

京子「でも、何でこれだけ?」ピカピカ

結衣「多分…初めにあかりから貰った羽だ…」

ちなつ「あの時の…ですか?」

京子「いや、だから何でそれが使えるのかって話で!!」ピカピカ

結衣「一度願って拒否したやつだから…スタンバイ状態なのかも?」

京子「なるほど!最後の切り札って奴だな…」ピカピカ

京子「結衣パス!!」

結衣「え?私!?」

京子「その羽は結衣の願いを待ってるんだろ?」

結衣「…分かったよ!私やってみる!!」

結衣(あかり…)

結衣(もう一度あかりに会えたら、今度は…)

結衣(知らず知らずの内なんかじゃなくて、本気であかりを喜ばせたい!!)

結衣(あかり…戻ってきてくれぇぇぇ!!)

ピカピカピカー

京子「うおっまぶし!!」

ちなつ「今まで見たこと無いくらいに光ってますよ!!」

結衣「あははは…これは叶う、叶うぞ!!」


3人「あかり、私達の元に戻って来てくれーーーっ!!!」

シーン

結衣「…あれ?」

ちなつ「…あかりちゃん、居ませんね?」

京子「なんだよ~~~!期待させやがって~~~!!」バタバタ

…ちゃん

3人「!!!」

結衣「今…あかりの声が…」

ちなつ「!…空です、空を見てください!!」バッ

京子「なにぃ!どこだどこだ!?…っていねぇし!!」バタバタ

…いよ、京子ちゃん

京子「あかりが私を呼んでる!!どこに居るんだ、あかり!?」バタバタ

あかり「重いよ京子ちゃん!!!」ヌガー

京子「うわぁぁぁ!!」ドテ

結衣「あかり!!?」

ちなつ「そ、そんな所から!!?」

あかり「京子ちゃん、結衣ちゃん、ちなつちゃん!!」

あかり「ただいま、みんなぁ~~~!!!」

結衣「あかりぃ~~~」ガバッ

ちなつ「あかりちゃ~~~ん」ガバッ

京子「あ・か・りぃ~~~」ギュー

あかり「ぎょうごぢゃん…ぐるじい…」ギブギブ

京子「あれ?羽無いじゃん!!?」

結衣「本当だ!あかり、羽はどうしたの!?」

あかり「…ここに戻ってくる願いを叶えるのに全部使っちゃったぁ!!」

ちなつ「えっ!?じゃあ、結衣先輩の持ってる羽は………まだ光ってる」

結衣「共鳴してた…だったのか…」ピカピカ

京子「なんだよ~私の言った通り、自分から帰って来たじゃんかよ~!!」

あかり「え~何々?何の話?」

京子「私とあかりが…相思相愛って事だよ!!」ガバッ

結衣「あっズルいぞ京子!!私があかりを喜ばせるんだからな!!」ガバッ

ちなつ「あかりちゃん!!私をちゃんと叱ってくれるまで帰さないんだから~!!」ガバッ

3人「あかりぃ~~~!!!」

あかり「ふえ~ん!願い事が叶うなら、あかりを3人にして~~~!!!」



ピカピカピカー


あかり「…え?」



お わ り !

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