ヒロ「沙英が浮気!?」 (51)
アニメ4期5話Bパート『マヨナカノリスケ』の続きという体で
宮子「今回は私たち出番なさそうだね〜」
なずな「?」
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朝 102号室
サーエー?
沙英「うわっ!?」
サーエー?
沙英「のっ乃莉!起きな!」
乃莉「今いい夢みてんですよーぅ・・・」
沙英「ヒロが来た!」
乃莉「っ!?ヒロさんが?もうそんな時間!?」
沙英「学校間に合いそう?」
乃莉「はい何とか」
ガチャ
ヒロ「さーえー?」
乃莉「あ・・・」
ヒロ「????」
ヒロ(なんで乃莉ちゃんが・・・)
放課後 101号室
ヒロ「まさか、沙英が乃莉ちゃんと・・・」
ヒロ「そんなことって・・・」
ヒロ「でも明らかに乃莉ちゃん、泊まっていった雰囲気だったわ」
ヒロ「これはやっぱり、そういうことよね」
ヒロ「私が沙英の部屋泊まるときだって、いつもそうだし」
ヒロ「間違いないわ・・・」
ヒロ「でも沙英ってば、何で乃莉ちゃんにまで手を出したのかしら」
ヒロ「私がいるのに・・・」
ヒロ「やっぱり若いコのがいいのかしら」
ヒロ「って、私も沙英もまだ高校生よ」
ヒロ「沙英、いつから浮気してるのかしら」
ヒロ「ついこの間泊めてくれたけど、実はその時はもう二股を?」
ヒロ「あるいは一晩で行きつくところまで、とか・・・」
ヒロ「もうっ!沙英のバカ!」
ヒロ「後輩に手をだすなんてどうかしてるわ!」
ヒロ「私にはあきちゃったのかな・・・」
ヒロ「こんなに尽くしてるのに」
ヒロ「・・・そういうところ、重いのかしら」
ヒロ「って、重くないわよ!」
ヒロ「・・・ダイエットしようかしら」
ヒロ「やっぱり3年目の浮気ってやつかしら・・・」ブツブツ
トントン
ヒロ「誰かしら?」
ゆの「ヒロさん、ちょっといいですか?今日課題が出
ヒロ「ゆのさんっ!?」
ゆの「はい?」
ヒロ「ねえ聞いてよ!今朝沙英の部屋行ったらね、乃莉ちゃんがいて」
ゆの「?」
ヒロ「どういうことかわかるっ!?」
ゆの「へ?どういうって・・・」
ヒロ「浮気!沙英が浮気してたのよ!」
ゆの「えっとヒロさん、あの・・・」
ヒロ「しかも乃莉ちゃんよ?後輩だし、私もよく知ってるし」
ヒロ「同じアパートに住んでる2人で二股かけるとかありえないわよね!?」
ゆの「あっあのヒロさん、落ち着いてくださ
ヒロ「ありえないわよねっ!?」
ゆの「えと、それはありえないとは思いますけど・・・」
ヒロ「そうよね?しかも、そのあと沙英ってば悪びれもせずに朝ごはん食べてくし」
ヒロ「もう沙英なんて知らないんだからっ!」
ゆの「そ、それは多分浮気とかじゃなくて・・・」
ヒロ「乃莉ちゃんを甘い言葉で騙したに決まってるわ」
ヒロ「なずなちゃんだって黙ってないでしょうに」
ゆの(なんで乃莉ちゃんとなずなちゃんは付き合ってる前提なの・・・?)
ゆの「ですからヒロさん・・・」
ヒロ「これは大問題よ」
ゆの(話聞いてくれない・・・)
ヒロ「そうだわ」
ゆの「?」
ヒロ「そうよ。私だって・・・」ブツブツ
ゆの「あの、ヒロさん?」
ヒロ「沙英がその気なら、私だって・・・」ブツブツ
ゆの「ちゃんと、沙英さんに話とか・・・」
ヒロ「ゆのさんっ!」
ヒロ「私とお付き合いしましょう!!」
ゆの「え?あの、それは・・・」
ヒロ「ねっ?ねっ?いいわよね?」
ヒロ「私自分で言うのもなんだけどお料理も家事もできるし」
ヒロ「付き合って損はさせないわよ?」
ゆの「あっあの付き合うとかそういうのは私にはまだ早いっていうか」
ヒロ「そんなことないわよ、ゆのさんだってもう高校2年生よ?」
ゆの「それにそういうことはもっとよく考えて決めないと・・・」
ヒロ「直感が体を動かすことだってあるわ!」
ゆの(話がだんだんおかしな方向に・・・)
ヒロ「ふふ、ゆのさんみたいな可愛い恋人が出来て嬉しい」
ゆの(しかももう付き合ってることになってる・・・)
ヒロ「そうだわ!ゆのさん、今日の夕飯食べにいらっしゃい」
ゆの「それは嬉しいんですけど・・・」
ヒロ「じゃあ、いまからお買い物に行きましょ」ガッ
ゆの「はっはい・・・」
ゆの(完全に腕つかまれちゃって逃げられない・・・)
ベリマート
ヒロ「手つないでお買い物なんて、なんだか新婚さんみたいね」ウフフ
ゆの「あはは、そうですね・・・」
ゆの(誰か助けて・・・)
ヒロ「ゆのさん、何食べたい?」
ゆの「えっと・・・私はなんでも・・・」
ヒロ「遠慮しなくていいわよ〜、好きなもの言って」
ゆの「あっそうだ、どうせならみんな呼んで夕ご飯にしませんか?」
ゆの「私も作るの手伝いますっ!」
ヒロ「何言ってるのよ、せっかくの初夜なのに」
ゆの(初夜!?)ビクッ
ヒロ「二人っきりで過ごしましょ♪」
ゆの(みんな呼べばヒロさんも冷静になるかと思ったけど、だめだった・・・)
ゆの(どうすればいいのかな・・・)
帰り道
ヒロ「いっぱい買っちゃったわね」
ゆの「そうですね・・・」
ゆの(ひだまり荘に帰ったら一旦家に戻らせてもらおう)
ゆの(それで宮ちゃんに助けを・・・)
ヒロ「ゆのさん?何か考えごと?」
ゆの「いっいえ!何でもないです!」
ヒロ「帰ったらお茶にしましょうね、ついこの間美味しい紅茶買ったの♪」
ゆの「た、たのしみです・・・」
ひだまり荘 101号室前
トントン
沙英「ヒロー?」
沙英「いないのかな」
乃莉「あ、沙英さん」
乃莉「昨夜はすみませんでした」
沙英「いいって、それよりヒロ知らない?」
乃莉「ヒロさんですか?」
乃莉「そういえばさっき、ちらっとゆのさんと出かけるとこ見ましたけど」
沙英「ゆのと?」
沙英「買い物にでも行ったのかな」
乃莉「ヒロさんに何か用事ですか?」
沙英「いや、用事ってわけでもないんだけど」
沙英「なんか今日のヒロ、様子おかしかったんだよ」
沙英「思いつめた顔してるし、私に妙によそよそしいし」
乃莉「沙英さん、何かしたんじゃないですかー?」
沙英「いや、全然思い当たることないんだけど・・・」
乃莉「だめですよ奥さん傷つけちゃ」
沙英「おお奥さんって、何言ってんの乃莉!」
乃莉(顔真っ赤だ)
乃莉「でもヒロさんが理由もなく怒ったりしますか?」
沙英「うーん、別に怒ってるというより、ショック受けてるって感じなんだよね」
乃莉「ショック、ですか・・・」
乃莉「ヒロさん見かけたら、私の方からもそれとなく聞いてみますよ」
沙英「ありがとう、助かるよ」
ヒロ「やっとひだまり荘に着いたわね、ごめんね荷物持たせちゃって」
ゆの「いえこれくらいは」
ヒロ「あっ・・・」
ゆの「?」
ゆの「あ、沙英さんと乃莉ちゃん・・・」
ゆの(って、これマズいかも!?)
ゆの「あのヒロさん・・・」
ヒロ「」
ゆの(ヒロさんの顔色がおかしいよ・・・)
ゆの「えと、あの、ヒロさん、とりあえず部屋に戻りましょう?」
ヒロ「え、あ、そうね・・・」
沙英「あ、ヒロ」
ヒロ「ああ沙英、何か用?」
沙英「て、あれ・・・?」
ヒロ「じゃあまた、ほら、ゆのさん上がって?」
ゆの「えっ」
ヒロ「ほらほら早く」
ゆの「さっ沙英さん、それじゃまた」バタン
沙英「・・・?」
乃莉(ヒロさんとゆのさん、手つないでた?)
沙英(ヒロがおかしいのって、もしかして)
沙英(ゆのに、浮気・・・?)
乃莉「確かに様子おかしいですね」
沙英「うん・・・」
乃莉「ていうか何で手、つないでたんでしょうね」
沙英「うん・・・」
乃莉「沙英さん?」
沙英「うん・・・」
乃莉「沙英さんっ!?」
沙英「うん・・・」
乃莉「さっきから『うん・・・』しか言ってないですよ!?」
沙英「うん・・・」
乃莉(沙英さんまでおかしくなっちゃった)
乃莉(3年生2人がこれって、ちょっとマズい状況かも・・・)
乃莉(どうしよう)
乃莉(まあでも、なんとかしないといけないよね)
乃莉「沙英さん?」
沙英「うん・・・」
乃莉「しっかりしてください!ほんとにヒロさんの様子が変な心当たり、無いんですね?」
沙英「そうだね・・・」
乃莉「そうですか・・・」
乃莉(ヒロさんにも話聞いてみなきゃいけないかな)
乃莉「じゃあ沙英さん、また」
沙英(これは・・・)
沙英(ヒロがゆのと、浮気・・・)
沙英(それって・・・)
沙英「・・・ねえ、乃莉」
乃莉「?」
沙英「私と、付き合ってくれない?」
乃莉「」
沙英「いや、別に気が進まないならいいんだよ?」
沙英「でもほら、こういうことも人生経験になるっていうか」
沙英「乃莉にとってもいい機会かもしれないよ?」
乃莉(あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!)
乃莉(じゃなくて)
乃莉「えっと沙英さん、さすがにそういうのは・・・」
沙英「そう?私は女同士でも全然問題ないと思うけどな」
乃莉「いえそうじゃなくて、私はなずなのこと・・・」
乃莉(って何言ってんだ私!完全に妄想垂れ流しじゃん!)
乃莉(適当にクラスの男子とかそれっぽい嘘で誤魔化しときゃいいのに!)
乃莉(さすがにこれは引かれる!)
沙英「ああ・・・そっか、そうだよね、うん」
乃莉(しかもフツーに受け入れられた・・・)
沙英「ごめんね乃莉、今のは忘れて」
乃莉「はい・・・」
乃莉(どっちかっていうと私のセリフの方を忘れてほしい・・・)カァー
沙英「そうだ私、仕事の締め切り近いんだった・・・」
沙英「それじゃ・・・」フラー バタン
乃莉「・・・ヒロさんも沙英さんも、どうしちゃったんだろう?」
乃莉「なんかテンパってるっていうか・・・」
乃莉「まぁテンパってるのは私もか」
乃莉「っていうか」
乃莉「私、なんであんなこと口走ったんだろ・・・」ズーン
103号室
乃莉「冷静に考えてみよう」
乃莉「えっと、まずヒロさんと沙英さんがケンカ?」
乃莉「そもそもケンカかどうかもわかんないのか」
乃莉「それで、ヒロさんとゆのさんが手つないでた、と」
乃莉「で、沙英さんが突然私に告白」
乃莉「意味わかんない・・・」
乃莉「『安価で先輩たちを仲直りさせる』とかどうかな?」
乃莉「・・・は置いといて」
乃莉「宮子さんとなずなは生き残ってるはずか」
乃莉「でもあの二人だと・・・」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
宮子『ヒロさんがおかしいとな!?それじゃあ私の夕飯が一大事ですぞ!』
なずな『先輩たちがケンカ?どっどうしよう乃莉ちゃん・・・』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
乃莉「頼りになんないなー」
乃莉「とりあえずゆのさんに話聞いてみようかな」
101号室
シキオリオリーイロトリドリー
ゆの「あ、メールだ」
ヒロ「あら、誰からかしら?」
ゆの「乃莉ちゃんからです、なんか私に用事みたいで」
ヒロ「何かしら・・・」
ゆの「ちょっと乃莉ちゃんの部屋行ってきますね」
ヒロ「ダメよ」
ゆの「へ?」
ヒロ「ゆのさんは、私よりも乃莉ちゃんのほうが大切なの?」
ゆの「えっと・・・あの・・・」
ヒロ「ゆのさんはどこにも行っちゃダメ♪」ギュ
ゆの(ええー・・・)
103号室
乃莉「ゆのさんから返事が来ない」
乃莉「何でだろ?」
乃莉「なんか重要な用事でもあるのかな?」
乃莉「でもフツーに買い物してただけっぽかったし、ベリマの袋だったし」
乃莉「?????」
乃莉「うーん、じゃあ次はヒロさんにメール・・・」
101号室
ゆの「あ、ヒロさん、ケータイなってますよ」
ヒロ「あらそう?」
ゆの「・・・」
ヒロ「・・・」
ゆの「でないんですか・・・?」
ヒロ「メールだし、どうせ大した用事じゃないわよ」
ヒロ「ほらゆのさん、お茶入ったわよ♪」
ゆの「あ・・・ありがとうございます・・・でもメール見た方が・・・」
ヒロ「お菓子もあるわよ?」
ゆの「あ、はい、運ぶの手伝います・・・」
ゆの(もうだめかも・・・)
103号室
乃莉「返事が無い。ただのしかばねのようだ」
乃莉「・・・ヒロさんとこにに直接押し掛けた方がいいかな?」
101号室前
トントン
乃莉「ヒロさーん?」
シーン
乃莉「・・・」
乃莉「・・・ええー」
乃莉「庭に回ってみるかー」
101号室
ゆの「いま誰か来ましたけどっ?私、でましょうか?」
ヒロ「いいわよ別に」
ゆの「で、でもっ」
ヒロ「ゆのさんは座ってて?」
ヒロ「あ、ちょっと西日が差してきたわね。カーテン閉めましょうか」シャッ
ひだまり荘庭
乃莉「あちゃーカーテン閉まってる」
乃莉「ゆのさんもヒロさんも何やってんだろ」
乃莉「うーん」
乃莉「あ、沙英さんがソファーで死んでる」
乃莉「うつぶせに寝て苦しくないのかな?」
乃莉「・・・沙英さん復活を先にしたほうがいいか」
102号室
沙英(まさかヒロが・・・)
沙英(なんで・・・)
沙英(私がヒロに頼りすぎてたのかな)
沙英(なんでもかんでもヒロにまかせっきりで)
沙英(そのくせ私はロクに感謝の言葉もなかったかも)
沙英(それとも私みたいなのは好きじゃないのかな)
沙英(ゆのみたいに、可愛くて守ってあげたくなるような子のほうがいいのかな)
沙英(・・・ちょうど原稿用紙とペンがある)
沙英(これで遺書を書いて・・・)
ハルウラウラモモイロゾラー
沙英「あ、電話・・・」
沙英「智花?」
101号室
ヒロ「お茶、美味しい?」
ゆの「はい・・・」
ゆの(美味しいんだけど・・・)
ゆの(今日のヒロさん、怖いよ・・・)
ヒロ「ねえ、ゆのさん・・・」
ゆの「な、なんでしょうか・・・?」
ヒロ「ゆのさんは、私のこと、好きよね・・・?」
ゆの「えっ・・・」
ゆの(なんて答えるのが正解なんだろう)
102号室
ピッ
沙英「智花?どうしたの?」
智花『あーお姉ちゃん?今何してる?』
沙英「何って・・・特に何も?」
智花『ふーん』
沙英「ふーんって、何ソレ?自分から電話かけてきといて」
智花『なんかお姉ちゃんの様子がおかしそうな気がしたから』
沙英「!?」
智花『ってウソウソ。乃莉ちゃんから聞いたの』
沙英「乃莉から?」
智花『なんかよくわかんないけど心配してたよ』
沙英「そっか・・・」
101号室
ヒロ「ゆのさんっ・・・!」ギュ
ゆの「わわ、ヒロさんっ?」
ゆの(抱きつかれちゃった)
ゆの(・・・あ、なんかいい匂い)
ゆの(それに柔らかくて、ちょっと落ち着くなー・・・)
ゆの(って危ない!!)
ゆの(あやうく落城するところだった)
102号室
智花『まあ私一切事情聞いてないんだけど』
智花『どうせヒロさんとケンカしたとかそんな感じじゃないの?』
沙英「いやケンカってわけじゃないし、そもそも私は何もしてないし」
智花『お姉ちゃんニブいからなー、知らず知らずのうちに』
沙英「何もないって!!」
智花『・・・まあいいけどさ、私には関係ないし』
智花『でも乃莉ちゃんにメーワクかけたんじゃないの?』
沙英「う・・・」
智花『じゃあまた、そのうち乃莉ちゃんとなずなちゃんに会いにそっち行くからね〜』ピッ
沙英「たく、なんで一方的に切るかなあ」
沙英「・・・ニブい、か」
沙英「そういうとこ、ダメなのかなぁ」
トントン
沙英「誰だろう?」
乃莉「お電話終わりました?」
沙英「あ、乃莉・・・」
沙英「・・・さっきはゴメン」
沙英「なんか私、混乱してて」
沙英「それになんか、気を遣わせちゃったみたいだし」
乃莉「いえいえそんな」
沙英「智花と話してだいぶ落ち着いたよ」
乃莉「なんていうか、沙英さんって、ちょっとシスコンなとこありますよね?」
乃莉「智花ちゃんのことホント大好きですよね」
沙英「ななな何言ってんの乃莉!そんなことないない!!」カァー
乃莉(分かりやすいなー)
101号室
ヒロ「ねぇ・・・ゆのさんは、こういうことするの、初めて?」
ゆの「えっ」ゾクッ
ヒロ「うふふ・・・」サワサワ
ゆの「あのヒロさん、どこ触って・・・」
ヒロ「いいわよね、ゆのさん?」
ゆの「え・・・あ・・・」
ゆの「だっ・・・駄目です!!」
ヒロ「え・・・?」
ゆの「駄目です!こんなこと!」
ヒロ「ゆのさん・・・?私のこと、好きじゃないの・・・?」
ゆの「・・・嫌いです」
102号室
乃莉「それで、ヒロさんともゆのさんとも連絡つかないんですよ」
乃莉「チャイム鳴らしても反応ないし」
沙英「うん・・・」
乃莉「沙英さん、ゆのさんとは何かありました?」
沙英「ゆの?それは無いと思う。今日は朝学校行くときに会っただけだし」
乃莉「てことはゆのさんは巻き込まれてるだけですかね」
乃莉「やっぱりヒロさんと何か・・・」
沙英「そうなのかな・・・」
101号室
ゆの「今日のヒロさんは、嫌いです」
ゆの「私が好きなのは、いつもの優しいヒロさんなんです」
ゆの「沙英さんとかみんなに分け隔てなく優しくしてくれて」
ゆの「みんなと仲良しのヒロさんが大好きなんです」
ゆの「だから、だから今のヒロさんのことは、私、好きになれません」
ヒロ「ゆのさん・・・」
102号室
乃莉「ヒロさんがあの様子になったのはいつからですか?」
沙英「今朝、かなあ」
乃莉「今朝ですか・・・」
乃莉「朝私たちが寝坊したとき、ヒロさん起こしに来てくれましたけど」
乃莉「その時は普通でしたよね?」
沙英「うん、まあ」
沙英「強いて言えばヒロが自力で起きたことくらいかな、変わったことと言えば」
乃莉「そーなんですか、普段は沙英さんが起こしてるんですか?」
沙英「そういうことが多いね、私の締め切り前だと別だけど」
沙英「ヒロの部屋に泊まって、朝起こしてから自分の部屋戻ったりとか」
101号室
ゆの「私、沙英さんを呼んできます」
ヒロ「でも・・・」
ゆの「絶対、何か事情があったんですよ」
ゆの「じゃなきゃ沙英さんがヒロさんに誤解されるようなことするはずないです」
ヒロ「そう・・・かしら・・・」
ゆの「はい。きっと」
ヒロ「・・・そうね」
ヒロ「ずっと逃げてるわけにもいかないものね」
ヒロ「私も行くわ」
ヒロ「ゆのさんに迷惑かけっぱなしってわけにはいかないもの」
ゆの「あはは、いつものヒロさんだ♪」
102号室
ヒロ「沙英—?」ガチャ
乃莉「あれ?ヒロさん?それにゆのさんも」
沙英「ヒロ・・・」
ゆの(あれ、乃莉ちゃんがいる・・・)
ヒロ「沙英・・・」
ヒロ「やっぱり乃莉ちゃんといるのね・・・」ブツブツ
ゆの(ヒロさんの目に生気がないよ・・・)
ゆの「あっあの、そういえば私、乃莉ちゃんに呼ばれてたんでした!」
ゆの「なので、私と乃莉ちゃんはこれで」
乃莉「えっ?あ、ああ、それではまた」バタバタ
バタン
ヒロ「沙英・・・」
ヒロ「何で・・・」
ヒロ「何で!?何で乃莉ちゃんと一緒にいたのよ!」
沙英「それはヒロだって!なんでゆのとあんな仲良さそうにしてたの!?」
ヒロ「だってそれは沙英が浮気するから!」
沙英「私が!?いつ!」
沙英「そもそも浮気してたのはヒロの方じゃん!」
ヒロ「それは沙英が浮気するからよ!」
沙英「だからいつ!?誰と!?」
ひだまり荘廊下
乃莉「結局何だったんですか?」
ゆの「えーっと・・・」
ゆの「その前にまず確認したいんだけど」
ゆの「乃莉ちゃんはその」
ゆの「沙英さんと・・・付き合ってたりとか、しないよね?」
乃莉「は?何言ってんですか?」
ゆの「うん、そりゃそうだよね、あはは」
乃莉「?????」
102号室
ヒロ「何とぼけてるのよ!乃莉ちゃんよ!」
沙英「乃莉?何で!?」
ヒロ「今朝、部屋にいたじゃない!泊まってたんでしょ!」
沙英「それはそうだけど、別に何も」
ヒロ「何もないわけないじゃない!」
ヒロ「いつも一緒に泊まったら色々するじゃない!」
ヒロ「乃莉ちゃんともそうやって楽しんでたんでしょ!」
沙英「私がヒロ以外にそんなことするわけない!」
ヒロ「え・・・」
沙英(って、いまの台詞相当恥ずかしいな・・・)
ヒロ「じゃ、じゃあ何で」
沙英「乃莉が夜中起きちゃって眠れないっていうから、それで家きただけで」
沙英「ちょっと話してそのまま寝ちゃったし」
沙英「嘘だと思うなら乃莉にも聞いてみてよ」
ヒロ「そ、そんな・・・」
沙英「ヒロこそ何でゆのと手つないで」
ヒロ「あ、あれはその」
ヒロ「沙英が・・・沙英が浮気してると・・・」
ヒロ「だから・・・」
沙英「そういうことか・・・」
沙英(そっか、ヒロも私と同じ気持ちだったんだ)
ヒロ「ごめんなさい・・・!!」
沙英「怒ってないよ」
ヒロ「でも・・・」
沙英「私も、謝らないと」
ヒロ「え・・・?」
沙英「ヒロと同じこと、しようとしてたし」
沙英「だから、ヒロのこと責められない」
沙英「でも、私が本当に好きなのは、ヒロだけだよ」
沙英「それは絶対、信じてほしいな・・・」
ヒロ「うん・・・!」
ひだまり荘廊下
乃莉「てことは、私が沙英さんの部屋に泊まったのが事の発端なんですね」
ゆの「まあ、そういうことになるかな?」
乃莉「ああー、なんかスミマセン・・・」
ゆの「そんな、乃莉ちゃんのせいじゃないよ」
乃莉「それにしても」
乃莉(沙英さんもヒロさんも、ちょっとのことであんなに気が動転するなんて)
ゆの「?」
乃莉「似たもの夫婦、ですよね」
ゆの「へ?」
乃莉「沙英さんと、ヒロさん」
宮子「こうしてゆのっちの純潔は守られたのでした〜、めでたしめでたし」
なずな「何の話ですか?」
なずな「というか宮子センパイはなんでさっきから私の部屋に・・・」
宮子「いやー、出番がなくてヒマだったもので」
なずな「でばん?」
宮子「しかしここはひとつネタを提供するために我らも付き合った方が良かったのかな?」
なずな「へっつつつ付き合うって・・・」
宮子「私となずな殿がー」
なずな「えっでも、その、私は乃莉ちゃんのこと・・・」
宮子「ほほう?」
なずな「あっあの、ちち違いますっ!」
宮子「なずな殿は乃莉スケさんのことが・・・」
なずな「ちーがーいーまーすー!」
宮子「あははは」
宮子(1年生たちも幸せになれそーだね)
おわり
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