あかり「・・・やっぱり新入部員来ないね」(202)
七森中にも新緑の季節が到来し、去年まで小学生だった子も随分と中学に慣れてきたようだ。
新入生というが新しい風が吹きこみ、学校そのものも騒がしくも愉快な空気に包まれていた。
慣れた顔の2年生3年生も洩れなく陽気な顔であるが
2年、吉川ちなつは茶道部室でどことなくふてぶてしい顔で雑誌を読んでいた。
(このSSはサザエさん時空から解き放たれた1年後、あかり達1年生は2年。
京子たちは3年になったというお話
ストーリーがいくつか入ってるからゆるい進行です。すまん)
ちなつ「・・・・・・・」ムスー
あかり「ちなつ・・・ちゃん?」
ちなつ「・・・・・・・」
あかり「どうかしたの?具合でも悪い・・・」
ちなつ「ピンッピンよ!」ガァッ
あかり「あぅ・・・じゃあ・・・今日の運勢が最悪だった~・・・とか?」
ちなつ「・・・あかりちゃんわかってて的外れなこと言ってるでしょ」
ちなつ「わたしが最近不機嫌な理由、わかってるでしょ」
あかり「しっ、しかたないよぉ。結衣ちゃんも京子ちゃんも3年生なんだから・・・」
「勉強とかいろいろ忙しいんだよ・・・」
ちなつ「そりゃあわかってるけど、やっぱり暇よ!ひーまー!」
「おまけに結衣先輩成分補給できてないんだもん。枯れちゃうわー・・・」
あかり「あはは・・・」
二人っきりのごらく部
最近はめっきり結衣、京子が顔を出すことが減り、あかりとちなつだけで過ごすことが多くなった
当然綾乃、千歳も最近は現れなくなった
学校の離れで二人。なんだか世界から切り離されたようだ・・・とちなつは感じていた
しかもあかりちゃんと二人で。
あかり「・・・でもふたりっきりはちょっとさみしいよね」
「新入部員でも来ればよかったんだけど・・・」
ちなつ「・・・っまあ、あのチーナ特別足ツボ刺激をしてるところに来られちゃ
警戒しちゃうか・・・」
あかり「ごめんね・・・あかりが悲鳴あげたりするから」
ちなつ「あかりちゃんのことせめてるわけじゃないって」
「それに痛いほうが効くんだから!我慢せず声だしてほしいな」
(あかりちゃん、イイ声でなくんだよねぇ・・・)ゾクゾク
あかり(変な所から汗が吹き出てきたのは効いてたのかな・・・?)ニコニコ
あかり「そっそういえば今日の小テスト!どうだった?」
ちなつ「・・・それはもう教室で話したよね?」
あかり「うっ・・・」
ちなつ「そもそも同じ教室にいるのにここで二人っきりじゃ話題もなくなるよ」
あかり「そうだねー」
ちなつ「それに黙っててもおちつかないっていうか・・・」ウズウズ
あかり「4人で黙ってるのと2人で黙ってるのってなんだか空気が違うよねぇ」
ちなつ「これは由々しき問題よ!あかりちゃん!」
「なんせ、今このごらく部はわたしたちが任されてるんだもの!」
「結衣先輩が帰ってくるその日まで、この家をまもらなきゃ!!女は港よ!」
あかり「結衣ちゃんも女の子だよ・・・」
ちなつ「結衣先輩は港で舟なの!(?)」
あかり「でも本当になんとかしなきゃいけないね・・・」
ちなつ「うん」
あかり「これから先・・・もっと結衣ちゃん達来れなくなりそうだし・・・」
ちなつ「」ガーーーン
あかり「あっ、ごごめんねちなつちゃん!?」
「きっ、きっと結衣ちゃんたくさん来てくれるよ!」
ちなつ「・・・・いや。いいよあかりちゃん。」
「これからもっと来れなくなるのはたぶん本当のことだもん」
「落ち込んでてもしかたないわ・・・」
あかり「二人とも勉強がんばってるんだもんね」
ちなつ「うん・・・あの京子先輩ですら真面目にがんばってるんだもん」
あかり「すごく悩んでたけど、あかりなら二人とも行きたい学校行けるよね!」
ちなつ「うん!」
あかり「・・・・とは」
ちなつ「・・・・言うものの・・・」
(盛り上がらない・・・)
ちなつ「ほんっと、二人になっただけでこんなに話題がなくなるなんて」
あかり「いままで4人いて当然だったからね」
ちなつ「私たちが入る前は一体なにしてたんやら・・・」
あかり「あはは・・・すごいよねぇ」
ちなつ「・・・・・・」
(結衣先輩達、一年間ずっと二人っきりですごせたんだ)
(・・・わたしたちなんてちょっと静かになったくらいで困っちゃったりして)
(すごいけど・・・なんか嫌な気分。)
あかり「・・・・・・」
あかり「・・・ちなつちゃんってさ・・・」
ちなつ「?」
あかり「最初は茶道部に入りたかったんだよね」
ちなつ「うん。まさか廃部になっちゃってるとはね・・・」
あかり「・・・茶道部をまた作る・・・とか・・・」
ちなつ「!!」
「何言ってんの!あかりちゃん・・・」
あかり「ほっ、ほら。このまま部員も入らなきゃ、来年にはごらく部はなくなっちゃうんだよ?」
「それならちなつちゃんの最初の目標だった・・・」
ちなつ「あかりちゃん。」
「本気で言ってるの・・・?」
あかり「・・・・・」
ちなつ「わたしがこの4人だけの場所を忘れて、今更茶道部に行くと思ってるの?」
あかり「・・・そうだね」
ちなつ「少なくとも、この1年間はぜったいごらく部をなくさせない。あかりちゃんもそうでしょ?」
あかり「うん・・・」
ちなつ「・・・それに。」
「大事なのは場所だけじゃないよ?先輩達も、あかりちゃんもまだまだ大事にしたいの」
あかり「えへへ・・・、ありがとぉちなつちゃん」グスッ・・・
ちなつ「なっ、なに湿っぽくなってるの!?あかりちゃん!そういう意味じゃないからね!?」
あかり「なんだかちょっと感動しちゃったよぉ」
ちなつ「だからそんなんじゃないってば!もう・・・」カァ・・・
・・・・・・・・・
②
あかり「じゃーじゃーん!京子ちゃんの真似でこんなものを作ってみたよー」
「てれれれってれー『話ー題ーボーックスー』」
ちなつ「・・・暇なの?あかりちゃん」
あかり「ふぇ!?がんばって作ったのにぃ」
ちなつ「冗談だよ。じゃあ試しにやってみる?」ドッコイショ
あかり「うん!」パァァァ
『好きな動物さんは?』
ちなつ「・・・最近はパンダ・・・ふふふ・・・」
あかり「あっ、あかりはなんでもすきだよぉ!」
『血液型』
あかり「あかりはAで・・・ちなつちゃんはOだよね?」
ちなつ「うん。4人見事にバラバラって結構すごいよねー」
『宝物』
ちなつ「結衣先輩の写真・・・新しいの手に入ったら教えてね☆」
あかり「・・・(スルー)。あかりは・・・ちなつちゃん達みんなかな?」
ちなつ「・・・あかりちゃん、寒っ・・・」
あかり「えっ」
『好きな人・・・///』
ちなつ「結衣先輩一本よ!・・・てか、あかりちゃんもう知ってるよね?」
あかり「そうだね」
ちなつ「・・・あかりちゃんは・・・いないでしょ。次ー」
あかり「ひどぉ!」
etc...
ちなつ「・・・というか・・・」
「あんまり質問の内容、おもしろくないのばっかりじゃない」
あかり ガーーーン
ちなつ「昔やったやりとりばっかりだし、もっと発展しないと」ハハハ
あかり「うぅ・・・がんばるよ・・・」シュン
ちなつ(・・・・・・。)
(・・・本気で言ったわけじゃないんだけど・・・)
あかり「ごめんね・・・次までにはもっとおもしろくなるようがんばるよぉ」
ちなつ(結構ショック受けてる・・・)
(しょげてるあかりちゃんかわいい)グヘヘ・・・
あかり「なかなかうまくいかないや・・・やっぱり京子ちゃんはすごいね・・・」
ちなつ(慣れない事するから・・・)
(・・・無理してでも、盛り上げようとしてくれたのかな・・・)
ちなつ(ふふふっ・・・)
あかりちゃんが無理しながらでも私を楽しませようとしてくれたのは、口にしなくてもヒシヒシと感じた
私はそんなあかりちゃんをなんだか無性に愛おしく感じた
―――次の日
あかり「よーし!ちなつちゃん改良したからもう一回やろ!」
ちなつ「いいよー」
あかり「今回は自信作だよ!」
「まず一つ目・・・ってアレ?『ちなつの特別マッサージ10分』!?」
「こっ、こんなの入れてないよぉ!」
ちなつ「ふふふ・・・引いた紙は絶対・・・ね?」
あかり「ひぃぃ」
ちなつ「大丈夫・・・ぜったいきもちいいって・・・」
あかり「うわぁあーーーーーん!」
・・・・・・・・・
③
あかり「今日はいい天気だねー」
ちなつ「うん。日向でのんびりしてたら眠くなっちゃう」
あかり「ねこさんになった気分だよぉ」
ちなつ「ちなつにゃんにゃんだーの座は渡さないよ」ニャンニャン
あかり「それはお譲りするよー」ニャン
ガサガサ・・・
ガサガサ・・・
あかり「?」
ガサガサガサ・・・
ちなつ「なっ・・・なんの音!?」ドキドキ
ガサガサガサガサッバッ!
ちなつ・あかり「「キャーーーーーーーッ!!!」
西垣「やぁ。ごらく部諸君」
ちなつ「普通に出てきてください!」
あかり「心臓ばくばくしたー!」
ちなつ「西垣先生一体こんなところで何してたんですか?」
西垣「ボランティアさ」
あかり「ボランティア?何のですか?」
西垣「よくぞ聞いてくれた。茶道部周辺の草むしりだ」
ちなつ「なんでまた・・・まさか変な薬品の実験とか絡んでないですよね!?」
西垣「失敬な。確かに除草のために新薬を使い植物を根こそぎ爆発させているが・・・」
ちなつ・あかり「「やめてください!」」
西垣「そういえば何やら人数が足りないな・・・先輩二人は?」
あかり「二人は3年生なんで忙しいんです」
西垣「ん。そうか歳納ももう3年なのか・・・早いなぁ」ハハハ・・・
ちなつ「・・・・・・」
西垣「船見がいないとさみしいか?」ニヤッ
ちなつ「なっ!そんなことないです!あかりちゃんと毎日イチャイチャしてるもんねー?」
あかり「えっ、そそそんな・・・///」
西垣「アッハッハッ・・・。円満そうでなにより、だ」ニヤニヤ
ちなつ「・・・」ムッ・・・
西垣「・・・そうだな。まぁ先生と生徒だからな」
「どんなに想いあっててもいつかは終わる関係だと思ってたさ」
ちなつ「」 あかり「」
ちなつ「・・・えっ」
「・・・想いあう・・・って!?本当にどこまで進んでたんですか!?」アセッ
西垣「それは・・・いくら私でも言うのは憚られるな・・・///」
あかり「」
ちなつ「あかりちゃん固まっちゃったじゃないですか・・・」
西垣「ちょっと赤座には早かったかな?」
ちなつ「ははは・・・」
西垣「まぁそういうことなんだ。」
「いくら想いあっていたとしても、距離が変わると霞んでしまうもんだ」
ちなつ「・・・」
西垣「とにかく、松本も新しい世界でがんばってる・・・」
「それが私にとっても救いであって、少し悲しいものなんだ」
ちなつ「・・・はぁ」
(なんだかいい話にしようとしてるなぁ)
そう思いながらも、飄々とした物言いの中に西垣の真意が見えた気がした
先輩と後輩、先生と生徒。人は何故こうも報われない思いを抱いてしまうのか
西垣「吉川も同じ思いをしてる・・・そんな風に見えたから少々話し込んでしまった」
ちなつ「・・・私は・・・」
西垣「まぁ、その・・・なんだ」
「松本のとのことはナイショだぞ!松本との約束だったからな」
ちなつ「・・・しかたないですね」ニコ・・・
・・・(下校中)
―――帰り道
あかり「」
ちなつ「いつまで固まってるのよあかりちゃん」
あかり「・・・ハッ!あかり、ちょっと大人の会話についていけなかったよぉ」えへへ・・・
ちなつ「大丈夫だよ、空気なのはいつもどおりだったし」
あかり「ひどぉい!」
―――茶道室
西垣「・・・ということがあったんだ」
「・・・ははは。大丈夫だよ、言ってない言ってない。二人の関係は内緒さ」
西垣「・・・もちろん二人の関係が続いてることも、今日二人で会うこともな。松本」ポン
りせ「・・・・・・///」ポー・・・
西垣「はっはっは。デートだなんて大袈裟だなぁ」
りせ「・・・・・・」
西垣「それはよかった。いや何、わたしも今日がたのしみでな、自主的に茶道部室の草刈をしたんだ」
「きれいになってるだろ?どう?」
りせ「・・・、・・・・・・」クスッ
西垣「ハハハ・・・そういうなよ。たまには母校でゆっくりもオツじゃないか」
「それより松本、背伸びたかな?」
・・・・・・・・・
④
櫻子「こーーんにーちわーーーっ」
向日葵「お邪魔しますですの」
「んん・・・やぁ・・・///」
櫻子・向日葵「「!!?」」
あかり「ふぁあ・・・もっ・・・もう駄目ぇ・・・ちなつちゃ・・・ん、んんっ・・・」
ちなつ「あはは・・・まだまだよ・・・ここがええのんか?ここがええのんかぁ・・・?」
あかり「ひゃううぅぅやめてぇぇぇっ・・・あぁあんっ」
櫻子・向日葵「「大事件!!?」」
櫻子「なーんだー!マッサージしてただけかー」
向日葵「てっきりゴニョゴニョしてたのかと思いましたわ///」
櫻子「ゴニョゴニョってなんだよ」
ちなつ「私があかりちゃんにそんなことするわけないじゃない」
あかり「うっ・・・喜んでいいのか悪いのかわからないよぉ」
ちなつ「あかりちゃんはいいとして、副会長さんがこんなところで油売ってていいの?」
あかり「そうだよ。忙しいんじゃないの?」
櫻子「うっ・・・いいんだよー」
「茶道部室を占拠する不届き者をこらしめにきたのだ」キリッ
向日葵「事務仕事に飽きたから、ごらく部に逃げてきたくせに何を言ってるのこの子は・・・」
櫻子「うぐ」
当初の多くの生徒達の予想を裏切り副会長になったのは櫻子だった
友好関係の広い櫻子と、成績優秀で教師達からも信頼の厚く真面目な向日葵では、向日葵に分があると誰もが考えていた
しかし元々友好関係が広かった櫻子の、選挙への真摯な姿勢が信頼を得たらしく、
「やればできる子櫻子」と呼ばれるほどであった彼女の怒涛の追い上げにより勝利を掴んだのであった
結局デッドヒートの末、副会長の座を得た櫻子であったが、凡庸な書類仕事にうんざりする日々、
日に日にやる気をなくしていき向日葵に尻を叩かれながらひーひー庶務をこなすことになった
今では「ひとりじゃダメな子櫻子」といわれる始末
櫻子「もっと福会長なんて名前なんだからさー、裏で学校の敵と戦うみたいなのがよかったのにぃ」
向日葵「杉浦先輩が日夜敵の組織と戦ってましたか?」ハァ・・・
ちなつ「あはは・・・」
向日葵「まったく・・・なんでこんなバカ子に負けたのかしら・・・」
櫻子「なにをー!このまけっぱい!櫻子ちゃんの魅力のお陰に決まってるじゃん!」
向日葵「はいはい・・・わかったから。まじめに仕事なさいね」
「今でも、仕事の割合が櫻子副会長と私じゃ3対7ぐらいですのよ」
ちなつ「ダメじゃん櫻子ちゃん・・・」
(そうは言ってても向日葵ちゃん手伝ってあげてるんだね・・・)
あかり「でもっ向日葵ちゃん、櫻子ちゃんてなんだか二人揃っててこその副会長の魅力なんじゃないかな」
櫻子・向日葵「「なっ」」
ちなつ「そうだよねー。真面目な向日葵ちゃんが櫻子ちゃん支えて
櫻子ちゃんの人懐っこさが向日葵ちゃん一人の時以上に人望?集めてるっていうか・・・」
あかり「運命共同体っていうかんじかな?」
櫻子・向日葵「「なななな」」
向日葵「なに言ってるんですの!///」
櫻子「そうだよ!///」
「向日葵とうっ、うんめいのカップルだって!?///わけがわかんないよ!」
向日葵「二人はお似合いなカップルだなんてまだ早いですわよ!!///」
ちなつ「そんなこと言ってないよ・・・二人とも・・・」
(うわぁ・・・バカップルだ・・・)アチャー
生徒会の2年生二人が仲良すぎるというのは学校でも有名になっていた
たまにしかごらく部に顔を出さないのは生徒会室でイチャコラしているのかもしれないとちなつはため息をついた
ちなつ「はいはい、ノロケならお昼時間だけで十分」
向日葵「よっ吉川さん!///ノロケだなんてそんな・・・」
櫻子「わっ私と向日葵が付き合ってるわけないじゃん!こんなおっぱいと!」
向日葵「なっ!そんなの私の方がお断りですわっ!バカちっぱい!」
櫻子「なにをーっ!また大きくなったくせにー!」
ちなつ(ツン8:デレ2・・・。素晴しい比率ね・・・)
あかり「あはは・・・」
ちなつ「もう十分でしょー仕事の残りがんばって終わらしてきなよ」
ちなつに促され喧嘩しながら帰っていく二人
小さくなっていく二人の罵り合いの声も生徒会室に着くころにはデレデレになってるんだろう
幸せそうだなーと、やはりちなつはため息をつくのであった
向日葵もまた、選挙前のがんばりを見て見直した人間の一人だとちなつにこっそり教えてくれた
あれだけ固執していた選挙戦で潔く副会長の座を櫻子に渡したことに
きっと向日葵の本当の気持ちが隠れているんだろうと思った
競い合っても二人の仲は変わらないし、一緒にいる今だって変わらない
あかり「二人ともホントなかいいよねぇ」
ちなつ「・・・あかりちゃん」
あかり「?」
ちなつ「空気」
あかり ガーン
ちなつ「影の薄い子」
あかり「ちっ、ちなつちゃん?」
ちなつ「不憫、えーと・・・おバカ。」
(影薄いキャラ以外悪口ないな・・・)
あかり「ちなつちゃぁん・・・」ウルウル
ちなつ「言い返してもいいんだよ?あかりちゃん。ほら」
あかり「!」
「え・・・っと・・・」ウルウル
ちなつ「・・・・・・」
あかり「・・・・・・」
ちなつ「あははっ!やっぱりあかりちゃんはいい子だね」
「冗談よ、冗談。あかりちゃんったら本気にしちゃってー」ハハハ
あかり「なっ!」
「もう!あかりをあんまりからかわないでよぉ!」プリプリ
ちなつ「ごめんね、あかりちゃんかわいいからすぐからかっちゃうんだー」
あかり「ひどいよー」アハハ
ちなつ(やっぱりあかりちゃんと喧嘩なんてできないなー・・・)
(喧嘩したいわけじゃないけど・・・)
(あの二人みたいにお互い気兼ねなく本当のことを晒せる関係ってうらやましい・・・)
ちなつ「ねぇ」
「あかりちゃん本当はわたしといたって疲れるんじゃない?」
あかり「え?」
ちなつ「今みたいな時も、わたしばっかり好き勝手言っちゃって疲れないかな?」
あかり「ちなつちゃん・・・」
ちなつ「いい子だから、わたしに気を使ってるんじゃないの?」
あかり「あかりは・・・」
「ちなつちゃんといっしょにいるの大好きだよ」
ちなつ「・・・」
あかり「確かに言いたいことをいえないこともあるけど」
「それでもちなつちゃんと居るといつもより自分らしくいれるみたいでとっても落ち着くの」
ちなつ「あかりちゃん・・・」
あかり「言えないことも、ぜんぜんもどかしくないよ」
「だからそんなこといわないでほしいな・・・なんて」
ちなつ「」
「うん・・・ありがと。あかりちゃん」
ちなつ(わたしもあかりちゃんと一緒に居るのたのしいよ)
・・・・・・・・・
⑤
ちなつ「もう二学期も終わりかぁ・・・」
「そろそろクリスマスだし、どっか行こうか!?」キラキラ
あかり ピクピク
ちなつ「もー聞いてる?あかりちゃん」
あかり「う・・・やっぱりちなつちゃんのマッサージは必要以上に体に効くね・・・」
「一瞬何か不穏な川原がみえちゃったよぉ・・・」
ちなつ「でしょー」
ちなつ「もっとしてあげ・・・
タッタッタッタ・・・
ガラガラバタン!
京子「ちっなちゅー!お久しぶりーっす!」
結衣「おい、走るなよ・・・あれ?二人は・・・」
(ちなつ『どっどうしよ・・・』コソコソ)
(あかり『急に京子ちゃんたちが来たからビックリして押入れに隠れちゃった・・・』コソッ)
(ちなつ『とっとにかく・・・早く出たほうが・・・』)
(あかり『そっその前にあかりの上からどいてよぉ・・・』)
京子「あり?もう帰ったのかな?」
結衣「そうかもね。まぁそういうこともあるよ」
(ちなつ『うぅ・・・すでに出にくい雰囲気・・・』)
( 『わたしはここですよー!結衣先輩!!』)
京子「久しぶりだね・・・この部屋も」
結衣「そうだな」
京子「新しく増えたものもあるみたいだけど雰囲気変わらないな」
結衣「まぁ二人分の私物なんて知れてるよ」
「誰かさんみたいに同棲同然な頻度で泊まりにきてるわけじゃないし」
京子 ヒューッヒュヒュー♪
結衣「口笛やめろ」
京子「しかし二人っきりでいつもなにしてんのかなぁ」
結衣「意外とうまく行ってるんじゃない?」
京子「どんなことしてんのかな・・・まさかここはもう二人の愛の巣!?」
(ちなつ『ブッーーー!!何言ってるんですかあの人は!?』)
結衣「わたしらだって二年前はふたりっきりだっただろ」
「二人なら二人でうまくやっていけるもんじゃないか?」
京子「愛の巣発言スルーかよ」
結衣「愛の巣はさておき意外とイチャイチャしてるかもしれないけどな」
京子「仲良かったしね」
(ちなつ『わーっわーっ!あの二人ってばなんてこと言ってるのーっ!///』)
( 『私の想い人はただ一人!結衣先輩だけですからねーっ!』)
( 『・・・ん?』)
(ドックンドックンドックンドックン・・・)
(ちなつ『あかりちゃんの心臓がバクバクしてる・・・』)
( 『表情は見えないけど・・・ドキドキしてるのかな』)
結衣「ほら、1年の時にちなっちゃんがあかりを押し倒してた事件もあったし」
京子「あかり押しに弱そうだもんね」
「強引に唇奪われて始まるラブかー熱いねー」ケタケタ
結衣「それはわからないけど。半年以上ふたりっきりだよ?」
京子「うん。寂しい思いさせてたかもな・・・」
結衣「・・・まぁ・・・その」
京子「?」
結衣「私達だって二人の時は・・・さ。結構ベタベタしてたし・・・///」
(ちなつ『』)
(あかり『!京子ちゃん、結衣ちゃん・・・!?』)
あかりは一瞬、ちなつが聞いてられなくて飛び出してしまうんじゃないかとドキドキした
修羅場を避けなければ、ちなつが早まらないようにしなければと考えた
実際はちなつは動けなかったらしかったが、
飛び出してしまっていたほうがよかったかもしれなかったとあかりたちは後悔することになる
京子「ははーんもしかして結衣ちゃんてばイチャイチャし足りないの?」ニヤニヤ
結衣「んなっ!///・・・そんなことあるか!ばか京子!」
「ただ単に、わたしらがふたりっきりで過ごしてた時みたいに
二人だって必要以上に仲良くなっててもおかしくないって・・・」
京子「やぁ~んもっと素直になればいいのに」
「一年ぶりにごらく部でイチャイチャ。しちゃう?」
結衣「ていうかイチャイチャってなんだよ」
京子「そりゃおまえさん、こんな真昼間に恥ずかしいことを言わせなさんな///」
結衣「また語弊を生みそうな言い方を・・・」
京子「そう?」
結衣「そーゆうことを恥ずかしげもなくよく言うよな、お前は」
京子「いいじゃん。ふたりっきりなのに気にしちゃうほうがおかしい」キリッ
「それとも真昼間から恥ずかしいことホントにしちゃう?」
結衣「」ドキッ
京子「結衣のかわいいところ、みたいな・・・」
京子「ねぇ・・・結衣ぃ・・・」
結衣「ばか・・・///」
「・・・本当に仕方ないな・・・京子は」
―――チュッ・・・チュ・・・
京子「ふふっ・・・結衣大好き」
結衣「あぁ・・・私も・・・だよ。」
「大好き」
二人の音が聞こえる。二人だけの世界ができている
ちなつちゃんは終始あかりの胸に顔を埋めて震えていた
途中ちなつちゃんから鼻をすするような音がしたり苦しそうな嗚咽が聞こえるたび
あかりまで悲しくなってちなつちゃんを強く抱きしめてた
唇を合わせる音、二人の服がすれる音、愛をささやく生生しい声は耳を塞ごうとも聞こえてきた
ただただ息の詰まる静寂の中、残酷すぎるひとつの恋の終わりに身を寄せ合ってただただ耐えるしかなかった
京子「結衣ー待ってよー・・・」
結衣「もうこんな時間だぞ。早く帰って勉強しないと。明日からもう冬休みだぞ」ソソクサ
「受験はお前でも一夜漬けじゃどうにもならないんだから」
京子「へいへーいわかりましたよ。ア・ナ・タ♪」
結衣「甘やかすとすぐこれだ」ハァ・・・
京子「いつもありがとね結衣ちゃん!ちゅっちゅー愛してるー」
結衣「はいはい愛してる愛してる」
ガラガラガラ・・・ピシャンッ
(ちなつ『・・・・・・』)
ちなつ「・・・・・・・・・」
あかり(ちなつちゃん・・・)
ちなつ「・・・・・・・・・」
あかり「・・・」
ちなつ「・・・」
ちなつ「・・・・・・・」
あかり「・・・・・・」
「・・・あの・・・ちなつちゃ――」ボソボソッ
ちなつ「少し」
「もう少しだけ・・・このままでいさせ・・・て」フルフル
あかり「・・・・・・」
「・・・うん」
胸の辺りに熱を感じる。こもった声と一緒に出た吐息と嗚咽が肌に直接伝わる
すこしだけ抱きしめる力を強くした
いくらか時間がたって日はとっくに沈んだようだ
押入れを開けた後も、二人は動かずそのまま抱きしめあっていた
お互い狂いそうな気持ちを押さえ込んで落ち着いてきたのは外も真っ暗になってからだ
不意にあかりはちなつの背中を撫で始めた
ちなつも決壊した悲しみに堪えられなくなって肩でがくがくと震える
あかり「・・・・・・」
ちなつ「・・・・・・」ヒックッヒク・・・
あかり(ちなつちゃんは強いなあ・・・)
あかり「・・・ちなつちゃん」
ちなつ「グスッ・・・えぐ・・・」
あかり「好きなだけ泣いていいよ?」
「あかりが受け止めてあげるから・・・」
ちなつ「・・・うっ・・・うぅぅ・・・」
「うえぇぇぇぇえぇぇぇええんんん!!あ゛がりちゃぁぁあ゛ぁぁぁんん」ボロボロ
「わだしっ・・・わだしぃぃうわあぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁあぁぁ」ボロボロ
「ふられちゃったよぉぉおおおおっ!こくはくも゛まだなのにぃぃう゛わぁああぁぁっあぁぁぁ・・・」ボロボロ
何も言えず、ただただ抱きしめることしかできなかった
ちなつ「うええぇぇぇぇぇぇん゛ん・・・こんなのってないよぉおぉぉぉぉぉ」
「ぎょぉこせんぱい゛のばかぁぁぁぁぁあぁぁ」
「ゆいせんぱいだってっさいしょからわたしのきもちしってたのにいいぃぃ」
「うわぁぁぁんん・・・もぉみんなだいきらいぃだよおぉおぉぉぉぉうわーぁぁぁん」
「ゆいせんぱいのばかぁぁぁぁ・・・」
「あぁぁぁぁんあぁん・・・・・・」
・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・
・
下校時間を回っていたらしく鍵のかかった電気もついてない茶道室から泣き声が聞こえるのが
たまたま西垣の耳に入り、ひとしきり泣いて少しずつ落ち着いてきたちなつとあかりを連れ出した
真っ赤な目と、いまだ嗚咽の収まらないちなつを
西垣は何も聞かずに家へ帰した
あかりは黙ったままちなつの手を握り家へと送った
あかり(・・・何もできなかった)
(あかり、気の利いたことばもかけれなかったし)
(ちなつちゃんの悲しさを和らげること、できなかった・・・)
(ちなつちゃん・・・)
(・・・)
ピッポッパポ・・・
あかり「もしもしー・・・
・・・・・・・・・
⑥
あかり「おっはよー!ちなつちゃん!待った?」
ちなつ「おはよ、あかりちゃん。」ボー・・・
「わたしも今来たばっかりだよ」
あかり「よかった!じゃ行こっか」
ちなつ「うん・・・」
「でも、どこに行くの?」
あかり「クリスマス前だしプレゼントとか、買い物したいんだ」
ちなつ「そうだね。もうそんな季節だったね」
あかり「まっ、まぁデートとも言えるじゃなぃかなぁ・・・///」ゴニョゴニョ
ちなつ「後半ほとんど聞こえなかったよ・・・」
あかり「きっきにしないで!」
ちなつ「デートって・・・」
あかり「もぉ!恥ずかしいから聞きなおさないでー!」ウワーン
あかり(あかりがちなつちゃんを励ますんだ!)
(きっとちなつちゃんの元気をとりもどしてみせるよ!)
ちなつ(・・・・・・)
・・・(昼頃・ファミレス)
あかり「いやーいろいろ見て回ったねちなつちゃん!」
「ちなつちゃん、つきあわせてゴメンね」
「疲れちゃったかな?」
ちなつ「・・・・ううん」
あかり(なんだか魂がぬけたみたい・・・)
(いつものちなつちゃんはもっとキラキラした目してるのに・・・)
あかり「ちなつちゃんあんまり買ってなかったけどお財布苦しいの?」
「あ、ウィンドウショッピングってやつかなぁ!ちなつちゃんてばおしゃれさんだね」
「あかりにはまだちょっと早いかなぁ」
「大人だねちなつちゃん」
ちなつ「あかりちゃん」
あかり「」
ちなつ「そんな・・・無理しなくていいんだよ」
あかり「・・・」
ちなつ「無理して私を励まそうとしてるよね・・・」
あかり「ちなつちゃん・・・」
ちなつ「でもそんな簡単に気持ちの整理できるわけないじゃない・・・」
「私そんなに強くないもん」
「それなのにあかりちゃんまで無理に優しくしても息苦しいだけだよ・・・」
あかり「・・・」
ちなつ「ごめんね・・・気分悪くしたでしょ?」
「今日は、もうやめよ・・・?」
あかり「・・・ちなつちゃん」
あかり「カラオケいこっ」ニコッ
ちなつ「は?」
あかり「いいからいいから!あかり今歌いたい気分なんだー!」
ちなつ「あかりちゃん今の話聞いてた・・・?」
あかり「一生のお願い!ね!」
「行こー行こー♪」グイッ
ちなつ「あっ、ちょっと・・・」
後から考えると、あかりちゃんが私を引っ張っていったことは最初で最後。あれっきりだった気がする
・・・(カラオケ)
ガチャッ・・・
電気のついてないボックス。勝手に流れ続けるカラオケのCM映像が明るい
あかり「入って入ってー」ニコニコ
ちなつ「・・・あかりちゃん、いいかげんにー・・・」
バタンッ
あかり「・・・」シーン・・・
ちなつ「・・・?あかりちゃん?」
あかり「・・・ふーっ・・・。」
「ちなつちゃん。ここなら何話しても大声だしても大丈夫だよ」ニコッ
ちなつ(!・・・そういうこと・・・)
(私に愚痴でもこぼさせたいの?気持ちを吐き出させようとしてんの?)
ちなつ「あかりちゃんあのさぁ・・・!」
あかり「・・・・・・」 ガシッ
ギュウゥゥバタッ!
ちなつ「キャッ」
ソファーに倒れこんだちなつ。あかりは覆いかぶさるようにして手を掴んで放さない
ちなつ「どっ、どうしたの・・・あかりちゃん」ドキドキ
あかり「・・・・・・」
あかり「ちなつちゃん・・・」
ちなつ「・・・」ドキドキ
あかり「あかり・・・ちなつちゃんのこと」
「ずっと好きだったの」グッ
ちなつ「な」
あかり「今ならちなつちゃんの心の傷・・・癒してあげれる・・・」ググ゙イ・・・
ちなつ「な、なに言って・・・」
(あかりちゃんっ・・・近い)
(なんだか・・・怖い・・・っ)
あかり「ねぇ・・・」ハァ・・・ハァ・・・
ちなつ「ゃぁっ・・・」
(強引に迫られるのがこんなに怖いなんて・・・)
あかり「ねぇ」
ちなつ「やだぁっ!」
ドンッ
無意識に押し返していた。向こうのソファーにドスンとあかりが腰を下ろす
黙り込む二人、バックで流れるカラオケの曲紹介だけが耳につく
ちなつ「あかりちゃん・・・」
あかり「・・・・・・」
ちなつ「あかりちゃんは、こんなことふざけてするような子じゃないって」
「私、知ってるよ・・・?」
あかり「うん・・・」
「ふざけてなんかないよ・・・」
ちなつ「じゃあ何で!?私の気を紛らわすため?」
「嘘ついてまで、そんな・・・」
あかり「うそじゃないよ」
「うそなんかじゃない」
あかり「あかり、ちなつちゃんの純粋なところが好き」
「時々、いじわるに見えるけど、自分を隠さないでつきあえるちなつちゃんが好き」
「不器用だけど一生懸命なちなつちゃんが好き」
「一途で、笑顔の似合うちなつちゃん」
「わたしの好きなちなつちゃんはいつもキラキラした目をしてた」
ちなつ「・・・」
あかり「あかりも気がつかない間に、ちなつちゃんはいなくちゃいけない存在になってた」
「実はね」
あかり「ちなつちゃんが落ち込んで」
「これはチャンスかなーって思ってたの。卑怯だったかなー・・・?」ニコッ
ちなつ「そうやって・・・」
「自分から傷ついてまでなんでわたしに構うの!?」
あかり「・・・ちなつちゃんの笑顔が大好きなのはホントだもん」
「たくさん泣いたら、笑ってほしいの」
ちなつ「バカみたい」ポロポロ
あかり「うん・・・ごめんね・・・」
ちなつ「なんであやまるのよ!バカぁ!」ポロポロ・・・
ちなつ「わたしばっかり泣いて・・・」グスグス
「泣いてばっかりのわたしにいつまでも構って・・・あかりちゃんのバカぁ」ポロポロ
あかり「ちなつちゃんは強いよ」
「勝手にあかりが傷に触って、結局ちなつちゃんを泣かせちゃっただけなの・・・」
ちなつ「全部じぶんのせいにしてぇ・・・わたしまでばかみたいじゃない」ボロボロ
あかり「ごめ・・・
ちなつ「こんど謝ったらまた無理矢理キスするよ!」グスッ・・・
あかり「」
あかり「・・・」クスッ
「ごめんね」
「ちなつちゃんの笑顔取り戻したくて。その上あかりだけのものにしたかった・・・」
「ごめんね、ちなつちゃん」
ちなつ「あかりちゃんのくせにわがままなのよ」グスグス
・・・・・
・・・・
・・・
・
・・・・・・・・・
⑦
三月某日・茶道部
西垣「おっ・・・こんなところで何してるんだ吉川」
ちなつ「みんなで集まるんですよ。ごらく部みんなで最後にこの茶道室に」
「って、先生こそこのタイミングで何してるんですか」
西垣「ボランティアだ、草刈ついでにじっ・・・」
ちなつ「爆発はやめてくださいね」
西垣「ぐぬぬ」
西垣「そういえば来年からは吉川はどうするんだ?」
「愛しの船見は卒業だし、ごらく部はなくなるのか?」
ちなつ「・・・なんか嬉しそうですね」
西垣「いや・・・ここは元々私と松本の逢引の場所だったからなー」ハッハッハ
ちなつ「んなっ!」
「だからやけに熱心に整備してたんですか!?てかまだ松本先輩と続いてたんですか!?」
「スケベ教師!」
西垣「はっはっは・・・なんとでも言いなさい。」サラリ
ちなつ「くっ・・・」
西垣「で、どうしたいんだ吉川は?」
ちなつ「・・・・・・」
西垣「船見のことは仕方ない。」
「でも気持ちさえあれば私達みたいに距離が離れても思いを諦めないこともできる・・・と思うぞ」
ちなつ「あはは・・・!西垣先生がめずらしく人を励ましてるー」クスクス
西垣「なっ///」
ちなつ「でもいいんですよ。この思いは最初から始まってなかったんです」
『おーい!ちなつちゃーん!二人とも教室から出てきたよぉー!』
ちなつ「来年も二人でごらく部は続けます。残念でしたねー」クスッ
「じゃあ先生また今度。あかりちゃーん!今行くーっ!」
西垣「・・・そうか。よかったな、吉川・・・」
タッタッタッタ・・・
・・・・・・
京子「いやーもう卒業かー案外早かったなー」
結衣「あぁ」
京子「もう毎日ちなつちゃんと会えないなんて悲しいよー」チュッチュー
ちなつ「んもう!やめてください!」
京子「あぁんいけずぅー。最後までデレなかったなぁーオヨヨ・・・」
あかり「最後まで変わらないねー」アハハ・・・
結衣「あかりともまたお別れだね」
あかり「また置いてかれるのは悲しいけど、ずっとお友達だもん」
「先に高校生になっても、元気にがんばってね!」
京子「てやんでい」
結衣「うん、ありがとうあかり」
あかり「えへへ」
京子「あーあー・・・誰かここで泣いてくれるとグッと盛り上がるのになぁー」
結衣「お前は卒業式のときわんわん泣いてたじゃないか」
京子「ぬっ。それは内緒という話じゃないかい結衣さーん」
ちなつ「・・・・・・」
結衣「・・・ちなつちゃん?」
京子「?」
ちなつ「結衣先輩。」
結衣「・・・なにかな」
ちなつ「わたし!結衣先輩のこと好きでした!」
結衣「・・・」
京子「わわわ」
ちなつ「でも」ガシッ
あかり「え」
ちなつ「でも!今のわたしはあかりちゃんのモノですっ」
ちゅーーっ
ちなつ「っぷはぁ!とっ、というわけで!」
「京子先輩は絶対、結衣先輩を幸せにしてあげてくださいねっ」ウル・・・
「結衣先輩泣かせたら代わりにあかりちゃん泣かせますよ!」
あかり「///」カァァァ
「・・・ってえぇ!?なんであかりが泣かされるのぉ!?」
京子「あははは!わかったよちなっちゃん!絶対大事にする!」
結衣「ありがとう・・・ちなつちゃん」
「あかりをよろしく・・・」
ちなつ「はいっ!」
後日、結衣先輩はわたしに今までのことを謝っていた
私の気持ちに気づいていたのに京子との関係を隠し続けていたこと。卑怯だったと後悔していたそうだ
私はもう気にならなかったし、負い目を感じることはないと伝えた
でも
あの時、あかりちゃんがいなかったら、今みたいに結衣先輩に本当の気持ちを伝えれただろうか
一人で素直に自分の気持ちに決着をつけれたかな・・・とも考えた
・・・・・・・・・
あかり「・・・やっぱり新入部員来ないね」
ちなつ「ほんと。あかりちゃんの勧誘努力が足りないんじゃないの?」グリグリ
あかり「いたたたたっ、ちょっ、そこはダメだってばぁ!」
ちなつ「・・・なんで痛がってるのになんで笑顔なのよ」グリッ
あかり「えへへ・・・っていたたた」
「ちなつちゃんが幸せそうだなぁって」
ちなつ「///」カァァァ
「何言ってんの!///もう!足ツボもサービスするよ!?」グリグリグリ
あかり「ひぃぃいたたた・・・」ニコニコ
ちなつ「あかりちゃん」
あかり「いたた・・・なに?」
ちなつ「これからもよろしくね」ニコッ
あかり「・・・」
あかり「うん!」
おわり!
異常に長くてすまなんだ
読んでくれてありがとう
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