ちなつ「夜の散歩は気持ちいいねー」
あかり「うんっ!」
??「あそこにジャップの餓鬼がいるぜ!強姦して金品奪ってやれ!」
あかね「…」
ギャアアアアア
ちなつ「な、何…?今の悲鳴…」
あかり「ちなつちゃん、そろそろホテルに戻ろ…?」
ちなつ「そうだね…」
ちなつ「トルコ旅行楽しかったね」
あかり「また行きたいねぇ」
ちなつ「うーん、今度は別の国がいいかも」
あかり「じゃあヨーロッパの方に行こうよぉ」
ちなつ「フランスとかいいかも」
あかり「次は結衣ちゃんや京子ちゃんとも一緒に行きたいね」
ちなつ「んー…多すぎるから二人でいいんじゃない?」
あかり「そう?」
あかり「でもお金貯めないとねぇ」
ちなつ「あーあ。またバイトかー」
あかり「ねえ、あかりたちこんなに学校お休みしてていいのかなぁ…」
あかり「バイト漬けで何ヶ月も学校休んで…お金たまったら外国旅行で学校休んで…」
あかり「もう何年も学校に行ってない気がするよぉ…」
ちなつ「今が楽しければいいんだよ」
あかり「そっか…」
あかり「たまに櫻子ちゃんとメールするんだけどね」
あかり「なんだか大学生活楽しそうだよぉ…」
あかり「あかりたち…中卒でバイトと遊びばかりで大丈夫かな」
ちなつ「でも中卒じゃ大学は入れないよ!」
ちなつ「それに若い時に遊ばなくてどうするの?」
ちなつ「人生はやり直せないんだよ」
ちなつ「だから後悔するより今を楽しむことが大切なんだよ」
ちなつ「さ、バイト探しに行こう?」
あかり「うん…」
数カ月後
ちなつ「あ、あかりちゃんバイト上がり?」
あかり「うん…」
ちなつ「どう?お金たまった?」
あかり「うん…」
ちなつ「私もたくさんたまったよ!もうちょっとでフランス旅行いけるね!」
あかり「うん…」
ちなつ「…あかりちゃん?」
あかり「」フラッ
ちなつ「!」
あかり「」バタン
ちなつ「た、たいへん!救急車よばなくちゃ!」
ちなつ「あかりちゃんは…」
医者「ガンです」
ちなつ「えっ」
医者「余命一ヶ月です」
ちなつ「えっ」
ちなつ「あかりちゃん…」
あかり「あ、ちなつちゃん…」
あかり「あかり、もう長くないんだよね?」
ちなつ「それは、えっと…」
あかり「隠さないで…覚悟はできてるから…」
ちなつ「…余命一ヶ月だって」
あかり「そっか…」
あかり「旅行行けなくなっちゃったね…ごめんね」
ちなつ「あかりちゃん…」グスッ
ちなつ「ずっと無理してたんだよね」
ちなつ「無理させちゃってごめんね」
ちなつ「私のわがままのせいで…」
あかり「ううん、いいんだぁ」
あかり「あかり、ちなつちゃんとずっと一緒で楽しかったから…」
ちなつ「あかりちゃん…」
あかり「あかり、ちなつちゃんと出会えて幸せだったよぉ…」
ちなつ「っ!」
ちなつ「フランス旅行いこう!」
あかり「!」
ちなつ「最後に、あかりちゃんとフランスを旅したい」
ちなつ「そしたら、それがきっとあかりちゃんとの大切な思い出になって」
ちなつ「あかりちゃんは永遠に私の中で生き続けられるんだから」
あかり「難しいことはよくわからないけど、ちなつちゃんが喜ぶならそれでいいよぉ」
ちなつ「あかりちゃんも楽しむんだよ!」
ちなつ「最期まで人生を楽しんで欲しい」
あかり「ありがとぉ…」
あかり「でも…まだお金足りてないんだよね?」
ちなつ「大丈夫!借りる当てはあるから」
あかり「ほんとに?」
ちなつ「任せといて!」
ちなつ「京子先輩!」
京子「おおー!?ちなつちゃん??ちょー久しぶりじゃん!」
ちなつ「相変わらずお元気そうで」
京子「どう?あかりとは上手くやってる?」
ちなつ「まあ…」
京子「どうしたの?かしこまった顔して」
ちなつ「実はお金を貸して欲しいんです」
京子「え、どうして?」
ちなつ「理由は言えませんが…必要なんです」
京子「いくらくらい?」
ちなつ「100万くらい」
京子「」
京子「ちょ、ちょ、それは理由も知らないのに貸せないよ!」
ちなつ「そんな…」
京子「そんなに必要なの? それがないと人が死ぬとかそんなレベルなら貸してもいいけど」
ちなつ「っ!そのレベルです!」
京子「え、人の死に関わるレベルなの?」
ちなつ「……はい」
京子「誰が死ぬの?」
ちなつ「……」
京子「言えないなんておかしいよね。その話ほんと?」
ちなつ「本当です!信じてください!」
京子「でもやっぱり詳細も言えない人に大金貸すのは嫌だな、他の人を頼ってよ」
ちなつ「…」
ちなつ「櫻子ちゃん…」
櫻子「あ、ちなつちゃん」
ちなつ「あの、ちょっと大事な話していい?」
櫻子「一応聞かせてよ」
ちなつ「100万円くらい貸して欲しいんだけど」
櫻子「えっ?」
ちなつ「100万円欲しいです」
櫻子「無理だよ…」
ちなつ「だよね」
櫻子「……通帳にはあるけど、ちなつちゃんには貸したくない」
ちなつ「!」
櫻子「私知ってるんだもん!」
櫻子「ちなつちゃんはあかりちゃんの人生を壊した極悪人だって」
ちなつ「そ、そんな」
櫻子「あかりちゃん優しいからなんでもついてきてくれるけど、ちなつちゃんのせいであかりちゃんは高校に通うことも出来なかったんだよ?」
櫻子「あかりちゃんとメールよくするんだけど、高校生活や大学生活に憧れてるみたいだった」
櫻子「あかりちゃんの人生を台無しにしたのはちなつちゃんだよ!」
櫻子「そんな人にお金なんて貸せない」
ちなつ「…」
櫻子「あかりちゃんをこれ以上苦しめることがあったら、私許さないからね」
ちなつ「っ……」
櫻子「向日葵も同じこと思ってるよ」
櫻子「ちなつちゃんはもっと自分の性格を考えたほうがいいよ」
櫻子「誰もちなつちゃんを助けてくれる人なんていないよ」
ちなつ「……」
櫻子「…まあ、あかりちゃんなら助けてくれるかもしれないけどね」
櫻子「もしどうしてもお金が必要ならあかりちゃんに頼んでみたら?」
ちなつ「そうだよね…ありがとう、時間取らせてゴメン」
ちなつ「本当は頼りたくなかったけど…」
結衣「あ、ちなつちゃん!久しぶりだね」
ちなつ「結衣先輩…折り入ってお願いがあるのですが」
結衣「うん…?」
ちなつ「お金貸してくれませんか!」
ちなつ「50万…いや30万円!」
ちなつ「どうしても必要なんです!」
結衣「いいよ」
ちなつ「結衣先輩!?」
結衣「いいよ、50万…もし必要なら100万くらいなら貸してあげられるよ」
結衣「ちなつちゃんの表情見れば分かるよ、すごく必死なんだね」
結衣「詳しいことは知らないけど、役に立てるなら喜んで」
ちなつ「結衣先輩ぃ…」グスッ
ちなつ「結衣先輩から200万貸してもらった」
ちなつ「やばい、結衣先輩かっこいい」
ちなつ「さて、お金も用意出来たことだし、いざフランスへ!」
あかり「車椅子だから押してもらうことになるけどごめんね」
ちなつ「これくらいどうってことないよ」
ちなつ「私がこれまでしてきたことに比べたら…」
あかり「! あ、あかり気にしてないよ?」
ちなつ「ううん、私いろんな人に会って改めて気付いたんだ」
ちなつ「ずっと私はあかりちゃんを苦しめてきたんだなって」
ちなつ「だから車椅子をおすことくらい…」
あかり「ちなつちゃん…」
ちなつ「さあ、飛行機に乗ってフランスまで行こう!」
フランス
ちなつ「言葉全然わからないね」
あかり「あかりたち、かろうじて英語が出来るくらいだもんね」
ちなつ「フランス語勉強してこればよかったー」
あかり「でも、あかりはこうしてちなつちゃんと一緒にいられるだけで充分幸せだよぉ」
ちなつ「あかりちゃんは優しいね…」
あかり「うっ…」
ちなつ「あかりちゃん!?」
あかり「うぅ……はぁはぁ」
ちなつ「大丈夫!?救急車呼ばないと!」
ちなつ「……でもフランス語がわからないから呼べない…」
あかり「ううん、ちなつちゃんは何もしなくていいよぉ…げほっ」
ちなつ「しゃべっちゃだめ!」
あかり「うっ…はぁ…はぁ……あかりなんとなくわかるの…もうお迎えがきたんだなぁって」
ちなつ「そんなこと言わないで!」
あかり「ちなつちゃん、人はいずれ死ぬんだよ…遅かれ早かれ」
あかり「あかりはみんなより早かっただけの話…はぁはぁ……ちなつちゃん…長生きして…ね…・・・」ガクッ
ちなつ「あかりちゃあああああああああああん」
帰国
櫻子「ちなつちゃん…」
ちなつ「…」
櫻子「あかりちゃん亡くなったんだって」
ちなつ「…」
櫻子「最悪だね…。もう二度と顔も見たくない」
ちなつ「…」
京子「ちなつちゃん、聞いたよ」
ちなつ「…」
京子「ちなつちゃんがあかりをあんな状態まで追いやったの?」
ちなつ「…」
京子「普通に考えたらそうなるよね。ずっとあかりのそばにいたもんね、何年も」
ちなつ「…」
京子「…あかりを返してよ」
ちなつ「…」
京子「あかりを返してよ!!!」
ちなつ「…」
京子「うぅ…」グスッ
結衣「ちなつちゃん…」
ちなつ「…」
結衣「きっとちなつちゃんも辛いよね」
結衣「ちなつちゃんだって好きであかりを死に追いやったわけじゃないもんね」
結衣「私、分かるよ。ちなつちゃんもあかりのこと好きだったんでしょ?」
結衣「辛かったね」
結衣「貸したお金は返さなくてもいいよ」
結衣「それよりも早く立ち直ってね」
ちなつ「結衣先輩ぃ…」
ちなつ「結衣先輩!私、必ずお金は返します!」
結衣「え、でも…」
ちなつ「いえ、借りたものは必ず返します!」
ちなつ「そしてほかのみんなにもまた仲良くしてもらえるよう努力します!」
ちなつ「何年かかるかわかりませんが、私頑張るので見守っててください!」
結衣「ちなつちゃんは強いね…」
結衣「応援してるよ」
ちなつ「はい!」
数年後
ちなつ「櫻子ちゃん…」
櫻子「……顔も見たくないってずっと前言ったはずだけど」
ちなつ「はい!」ドサッ
櫻子「え、なにこれ」
ちなつ「100万円…向日葵ちゃんとの結婚生活に役立てて」
櫻子「わ、悪いよ…。私そんなつもりで顔も見たくないって言ったんじゃ…」
ちなつ「いいの。これは私の気持ち。あかりちゃんを苦しめて、櫻子ちゃん、向日葵ちゃんを怒らせてしまったこと…本気で反省してるから」
ちなつ「それを形で表しただけ」
櫻子「あ、ありがとう」
ちなつ「お幸せに」
ちなつ「京子先輩…久しぶりですね」
京子「ちなつちゃん…?大丈夫すごいやつれてるけど」
ちなつ「大丈夫です。それより、これ」ドサッ
京子「お金?」
ちなつ「はい…100万入ってます」
京子「え、ちなつちゃんフリーターだよね?いいのもらって?てかどうして?」
ちなつ「私があかりちゃんを死に追いやったこと、そのことで京子先輩をも苦しめたこと」
ちなつ「そのお詫びみたいなものです」
京子「い、いらないよ」
ちなつ「いいんです!受け取ってもらったほうが私は嬉しいしすっきりするんですよ」
京子「そっか…」
ちなつ「先輩…漫画の連載頑張ってください、応援してます」
京子「ありがとう…。ちなつちゃんも体に気をつけてね?」
ちなつ「はい…」
ちなつ「結衣先輩…」
結衣「ちなつちゃん…」
ちなつ「私、頑張りましたよ」
ちなつ「時間かかっちゃいましたけど、やっとお金返せます」ドサッ
結衣「……400万?」
ちなつ「はい…。かりた分とあと私の気持ちです。受け取ってください」
結衣「…いらないよ」
結衣「これはちなつちゃんの汗と涙で得た立派な財産だから…ちなつちゃんが使うべきだよ」
ちなつ「でも私は結衣先輩から200万も借りてて…」
結衣「あれは本当はあげるつもりで渡したんだよ」
結衣「返してもらったほうが困っちゃうくらいだよ」
ちなつ「…結衣先輩は優しいです」
ちなつ「私何もかも我慢して…」
ちなつ「ずっとずっとバイトを……」フラッ
結衣「ちなつちゃん!?」
ちなつ「」バタン
結衣「大変だ…救急車!」
ちなつ「はっ…ここは…?」
結衣「病院だよ。私と話してる最中に倒れたんだ」
ちなつ「ごめんなさい」
結衣「謝ることないよ。ちなつちゃんはずっとずっと頑張ってきたんだ」
ちなつ「結衣先輩ぃ…」
結衣「ちなつちゃん…」
ちなつ「……もしかして私難病だったり?」
結衣「…」
ちなつ「…そうなんですね」
結衣「…うん」
結衣「余命一年だそうだ」
ちなつ「そっか…」
ちなつ「私死んじゃうのか…」
結衣「ごめんね、ちなつちゃんにばかり無理させて」
ちなつ「え、結衣先輩は関係ないじゃないですか!」
ちなつ「私は私がやったことの償いをしたまでであって…」
結衣「でも普通はこんなになるまで頑張れないよ」
結衣「ここまで頑張れるのは、きっとちなつちゃんが優しいからだよ」
ちなつ「結衣先輩…」
結衣「私は…そんなちなつちゃんの性格が大好きだ」
結衣「根は優しくて、頑張り屋さんで…」
ちなつ「…」
結衣「ちなつちゃん…結婚しよう」
ちなつ「えっ」
結衣「私はちなつちゃんが大好きなんだ」
結衣「だめ…かな?」
ちなつ「…私も結衣先輩のこと大好きです」
ちなつ「だからすごく嬉しいんですけど、私、すぐ死んじゃいますよ?」
ちなつ「それでもいいんですか?」
結衣「構わないよ」
結衣「たとえ、余命一年だとしても、ちなつちゃんを好きだということに変わりはない」
結衣「それに私の心のなかではちなつちゃんはずっと生き続けられるんだから」
ちなつ「結衣先輩ぃ…」
結衣「結婚しよう」
ちなつ「はい!」
お前あかり嫌いだろ
それから私たちは一年、とても幸せな生活をした。
大好きな結衣先輩と過ごす毎日はすごく楽しかった。
もちろん…あかりちゃんのことも忘れてはいなかった。
なんとなく、あかりちゃんもこんな気持ちだったのかな、なんて思いながら楽しい一年を過ごした。
そして時はやって来た。
>>42
大好き
ちなつ「うっ…ゲホゲホッ」
結衣「ちなつちゃん!?」
ちなつ「どうやら…お迎えがきたみたいです…さよならですね…一年間すごく楽しかったです…」
結衣「私も…楽しかったよ…」ポロポロ
ちなつ「泣かないでくださいよ…先輩らしくない……」
結衣「ごめん…」ゴシゴシ
ちなつ「結衣先輩、大好きです…」
ちなつ「さようなら」
結衣「ちなつちゃあああああああああん」
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ちなつ「という話を作ってみました」
京子「なんという…」
結衣「」
あかり「」
おわり
/. ノ、i.|i 、、 ヽ
i | ミ.\ヾヽ、___ヾヽヾ |
| i 、ヽ_ヽ、_i , / `__,;―'彡-i |
i ,'i/ `,ニ=ミ`-、ヾ三''―-―' / .|
iイ | |' ;'(( ,;/ '~ ゛  ̄`;)" c ミ i.
.i i.| ' ,|| i| ._ _-i ||:i | r-、 ヽ、 / / / | _|_ ― // ̄7l l _|_
丿 `| (( _゛_i__`' (( ; ノ// i |ヽi. _/| _/| / | | ― / \/ | ―――
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'ノ .. i )) '--、_`7 (( , 'i ノノ ヽ
ノ Y `-- " )) ノ ""i ヽ
ノヽ、 ノノ _/ i \
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