QB「本当にもの凄かったね、変身したまどかは。 まさかあのワルプルギスの夜を、一撃で倒すとはね」
ほむら「その結果どうなるかも、見越した上だったの」
QB「「遅かれ早かれ、結末は一緒だよ。彼女は最強の魔法少女として、最大の敵を倒してしまったんだ。
もちろん後は、最悪の魔女になるしかない。
今のまどかなら、おそらく十日かそこいらで、この星を壊滅させてしまうんじゃないかな?
ま、後は君たち人類の問題だ。僕らのエネルギー回収ノルマは、おおむね達成できたしね」
ほむら「…」
QB「あ…戦わないのかい?」
ほむら「いいえ、私の戦場はここじゃない…」カチャ
QB「そうかい。それじゃ…あれ、地平線の向こうに人影が」
ほむら「えっ?」
QB「驚いたね、魔女が生まれた直後にこの辺りの人間は全滅したと思っていたけれど…運がいいのか、悪いのか」
ほむら「可哀想ね…」
QB「まあ、僕には関係のないことだ。それじゃあお先に失礼するよ」ヒュッ
ほむら「私も時間を巻き戻さないと…」
さやか「ぜぇ…ぜぇ…」
さやか「どうしちゃたのよ、これ…」
さやか「街が消えて砂漠になっちゃってる…」
さやか「…恭介、大丈夫かな」
さやか「あれ?あのビルの上に人影が…」
さやか「もしかして、生き残っている人が居たのかな…おーい!おーい!」
ほむら「…」カチャ
おーい…おーい…
ほむら「…気づかれちゃったみたいね。どうしましょう…」
おーい!おーい!
ほむら「待って、この声…何処かで聞いたことのあるような」
さやか「おーい!おーい!」
ほむら「ああ、よりにもよって…」
さやか「ああ、良かったぁ…気づいてくれたみたい」
ほむら「…」
さやか「待って、あの影って…転校生じゃ」
さやか「よりにもよって…まあ知っている人で良かったけどさ」
さやか「そこに居るの、転校生でしょー!アタシだよ、美樹さやかだよ!今そっちいくからね!」
ほむら「チッ…」
ほむら「あら、美樹さやか。生きてたのね」
さやか「転校生も無事そうで良かったよ…まあ、街は無事じゃないけどさ…」
ほむら「そう」
さやか「転校生の他に、誰か居る?」
ほむら「居ないわ。佐倉杏子も、巴マミもとっくの昔に死んだしね」
さやか「そっか…」
さやか「でさ、なんで街がこんなになっちゃったのか…ほら、あのワルなんとかの夜ってのは倒したんでしょ?」
ほむら「まどかが倒してくれたわ、一撃でね」
さやか「…まどかは、何処へ行ったの?」
ほむら「知らないわ」
さやか「そっか…無事だといいんだけどな」
ほむら「…」
さやか「ねぇ、転校生…これからどうするの?」
ほむら「ああ、それなら…」カチャ
さやか「?」
ほむら「この盾で、一か月前に戻るつもりよ。やり直さないと…」
さやか「…その盾って、タイムマシンみたいな機能が付いているんだっけ」
ほむら「ええ、じゃあもうそろそろ行かないと」
さやか「あっ、ちょっと待ってよ」
ほむら「何かしら?」
さやか「それってさ…もう一人使うことは出来ない?」
ほむら「出来るわけないわよ、能力は自分にしか使えないんだもの」
ほむら「それじゃ…誰か生き残っている人が見つかるといいわね」カチャ
さやか「ま、待ってよ!置いてかないで!」ガシッ
ほむら「…こっちも一か月前に戻って、こうならないように頑張らないといけないのよ」
さやか「こんな所で一人ぼっちになるなんて頭がおかしくなっちゃうよ!お願い、人が見つかるまででいいから一緒に居てよ!」
ほむら「…貴女の口から"一緒に居てよ!"なんて言葉が飛び出すなんてね…」
ほむら「それにほら、あの子が居るじゃない。一人ぼっちじゃないわよ」
さやか「あの子って…まさか、あの山みたいな黒い塊?」
ほむら「ええ、魔女だけどね」
さやか「えっ…あれって魔女だったの?まさかあれがワルなんとかの…」
ほむら「ワルプルギスの夜はまどかが倒したわ」
さやか「じゃあ、あの魔女って…」
ほむら「何かしらね、ワルプルギスより強いことは確かだけど」カチャ
さやか「何かしらねって…あっ、盾を動かさないでよ!」
ほむら「こっちはもう、この時間に用は無いのよ」
さやか「そんなのってないよ!残された私はどうするのよ!」ギュウウウ
ほむら「…離れなさい、気持ち悪い」
さやか「と、とりあえず誰か見つかるまででいいから…ほら、まどかも何処かにいるかもしれないし…」ギュウウウ
ほむら「…分かったわ、じゃあ人が見つかるまで一緒に探してあげる。分かったから、この手を離しなさい」
さやか「いや、でもまた盾に手を伸ばすかもしれないからさ」ギュウウウ
ほむら「…離れなさい」ゲシッ
さやか「うわあっ!」ドサッ
ほむら「たく…」ポンポン
さやか「あわわ…」ジィー
ほむら「ほら、行くわよ」
さやか「ほっ…」
ほむら(適当な所で見切りをつけて、時間を巻き戻さないと…)
ほむら「ふぅ…ふぅ…」スタスタ
さやか「ぜぇ…ぜぇ…」スタスタ
さやか「見渡す限りの大砂漠って感じだよね、これが見滝原とは思えないよ」
ほむら「…」スタスタ
さやか「ねえ、こうなったのって、あの魔女が引き起こした事なの?それとも、ワル…ギスの夜が起こしたことなの?」
ほむら「…」スタスタ
さやか「転校生?」
ほむら「…」スタスタ
さやか「ねぇったら」
ほむら「…」スタスタ
さやか「おーい!」
ほむら「…」カチャ
さやか「ちょ、ちょっと!盾に手をかけないでよ!」
ほむら「どっちのせいでもあるわ。そこら辺に転がっているビルの残骸は、ワルプルギスの夜が破壊したもの。それ以外は…」
さやか「あの魔女がやったってわけ…」
さやか「あの魔女って何者なのかな…転校生、知ってる?」
ほむら「知らないわ」
さやか「そっか…でも、あんだけ大きいんだからよほどの力を持つ魔法少女が魔女化した姿なんだろうね」
ほむら「ワルプルギスの夜を、一撃で倒せるぐらいの?」
さやか「…え?」
ほむら「何でもないわ」
さやか「なんでこの街ばっかり…不思議だよねぇ」
数時間後
さやか「…暗くなってきたね」
ほむら「…」
さやか「ねえ、辺りが真っ暗になるだろうからここら辺で一旦野営しない?」
ほむら「…そうね」
チリチリチリ
さやか「なんか、キャンプみたいだね」
ほむら「…」
さやか「去年の夏休みにまどかや仁美に行ったキャンプ、楽しかったなあ…」
さやか「まどかったら、テント張ろうとして壊しちゃってね。仕方がないから、テント無しで寝袋に入って三人で寝たんだよ」
ほむら「…」
さやか「聞いてる?」
ほむら「…ふん」
さやか「…でももう、そんな経験も出来ないんだろな…」
さやか「うっ…うううっ…」グスグス
ほむら「はぁ…泣くんじゃないわよ、ただでさえ味の濃いレーションがもっと味が濃くなるじゃない。ほら、ハンドタオル」
さやか「うぅ…」フキフキ
ほむら「それ食べたら、とっとと寝るわよ。明日も人、捜すんでしょう?」
さやか「うん」
ほむら「スリーピングマットと…毛布」ゴソゴソ
さやか「それってさ、兵隊さんが背負ってるリュックサックの上に簀巻きにしてくっつけてるやつでしょ」
ほむら「ええ、簡易型のマットレスよ」
さやか「戦争映画でよく見るよね…ほら、ベトベト戦争とか」
ほむら「ベトナム戦争?」
さやか「そう、それ」
さやか「頭がゴツゴツして痛いや…」
さやか「おやすみ、転校生」
ほむら「…」
さやか「転校生?」
ほむら「…」
さやか『ほむらちゃん、おやすみなさい!』
ほむら「!」ビクッ
さやか「えへへ、まどか見つかるといいね。おやすみ」
ほむら「ふん…」
さやか「Zzz...Zzz...」
ほむら「さて、じゃあ行きましょうか」
ほむら「ソウルジェム…ソウルジェム…」ゴソゴソ
ほむら「…あれ、さっきまであったのに」
さやか「Zzz...Zzz...」
ほむら「…まさか」ツンツン
さやか「ムニャムニャ…」
ほむら「最悪だわ、私のソウルジェムを口の中に入れてる…」
ほむら「変な所が抜け目ないわね…」
ほむら「たく…明日には、絶対に行かないと」
朝
ほむら「ほら、起きなさい」ゲシゲシ
さやか「んあ…あっ」
ほむら「どうしたのかしら?」ギロッ
さやか「もごもご…」
ほむら「何口の中に入れてるのかしら、吐き出しなさい」ツンツン
さやか「もご…ぺっ」
ほむら「たく…気持ち悪いわね」フキフキ
さやか「いや、寝てる間に行かれたら困るからさ」
ほむら「ほら、行くわよ。今度やったら、有無を言わさず行っちゃうわよ」
さやか「ごめんね転校生…」
ほむら「…」スタスタ
さやか「…」トボトボ
さやか「あのビル群まで、徒歩どれくらいかかるんだろうね」
ほむら「さあ、知らないわ」
さやか「あっ、返事してくれた」
ほむら「…」
さやか「あそこの辺りは比較的ビルの形が残ってるから、人が居ると思うんだけどな…」
さやか「恭介…お父さんお母さん…まどか」
ほむら「まあ、行くだけ行ってみましょうか。もし見つかったら、そこでお別れよ」
ビル群
さやか「うわぁ…遠くからだと綺麗に見えたけど、近くだとボロボロだね」
ほむら「そうね」
さやか「人が居るといいんだけどなあ…そういえばさ、転校生」
ほむら「何かしら」
さやか「私たちって、何で生き残れたんだろうね。私は他の人たちと避難所にいたんだけどさ、気づいたら避難所の跡の上で一人ぼっちだったし…」
さやか「転校生なんて、あの魔女のすぐ近くに居たじゃない。そう考えると不思議だなーって…」
さやか「もしかしたらさ、もしかしたらだけど…あの魔女、なんかの意図を持って私たちを生かしておいてくれてるんじゃないかな」
ほむら「意図?」
さやか「ほら、あの魔女が望む何かのために…何だろ、えーと」
ほむら「…偶然よ」
さやか「そうかなぁ…あっ」
ほむら「どうしたの?」
さやか「ほら、あそこのビル…何かピカッって光らなかった?」
ほむら「見えなかったわ」
さやか「ちょ、ちょっと行ってみようよ。もしかしたら誰か居るかもしれないし」
さやか「中に誰もいませんよ…なんちゃって」
ほむら「ちょっと美樹さやか、あまり進まない方がいいわ」
さやか「まさか、怖いの?薄暗いもんねぇ」
ほむら「そうじゃなくて、倒壊の危険性が…」
さやか「ほら行くよ!」グイグイ
ほむら「はぁ…」
ほむら「フラッシュライトの電池が切れかかってる…」
さやか「…」
ほむら「何もないでしょ?ほら、引き返すわよ」
さやか「ねえ、何か聞こえない?」
ほむら「何か?」
さやか「うん、音楽みたいな…クラシックかな、聞いたことのない曲だけど」
ほむら「…本当だわ、何なのかしら」
さやか「あっちのドアから聞こえる…ちょっと行ってみようよ」
ほむら「あ、ちょっと待ちなさい!」
さやか「おじゃましまーす…」ガチャ
さやか「コンサートホール…?」
ほむら「なぜこの時間軸に、この場所があるの…?」
さやか「誰か居るかな…キャアッ!」
「…」ユラユラ
ほむら「…なぜこいつがこの時間軸に居るの…?」
オクタヴィア「…」ユラユラ
さやか「ま、魔女…?」
ほむら「…」
さやか「どうしようか、逃げる?」
ほむら「え、ええ…今は時期が悪い…」
さやか「そうだよね、じゃあ…うわあっ」ヒョイ
オクタヴィア「…」ギリギリギリ
ほむら「どういうことなの?なぜこいつが…」
さやか「たす…け…くる…」ギリギリギリ
ほむら「混乱してきたわ…凍結したグリーフシードを落とした…?いや、それは絶対に無いわ」
さやか「てん…こ…たすけ…」ギリギリギリ
ほむら「…」ポカーン
さやか「ほ…むら…たす…け…」
ほむら「はっ、助けないと…!」
ほむら「…」チャキ ダダダダダダダダダダダダダダダッ
オクタヴィア「ヴォギャアアアアアアアアアッ」シュワワン
さやか「はぁ…はぁ…」
ほむら「大丈夫かしら、立てる?」
さやか「…ありがとう」ギュッ
ほむら「たく…気をつけなさいよ」
さやか「悪いね、私が弱いばかりに…いっそのこと、魔法少女になった方が」
ほむら「なったら、あなたを襲った魔女みたいになるわよ」
さやか「そうだよね…それにもうQBもいないしね」
ほむら「はぁ…とりあえず、グリーフシード拾っときましょう」
ほむら「あ、あれ…?グリーフシードが…」
さやか「どうしたの?」
ほむら「魔女を倒したらグリーフシードが手に入るはず…なぜ無いの?」
さやか「?」
ほむら「幻覚だったのかしら…いや、それは無いわ…」
さやか「どうしたのさ」ツンツン
ほむら「ちょっと混乱してきたわ、ちょっと外に出て休みましょうか」
さやか「どうしたのさ」
ほむら「…」ブルブル
さやか「…大丈夫?」ナデナデ
ほむら「や、や、やめなさい。気持ちわる…」ブルブル
ほむら「…」
さやか「たく、意固地張っちゃってさ」ナデナデ
ほむら「…」ガタガタ
さやか「今日は人探しやめて、休もっか」
ほむら「ええ、そうね…」ブルブル
さやか「転校生が震えてる所、まどかに見せてあげたいよ。メロメロになっちゃうよ、たぶん」
ほむら「…」ガタガタ
ほむら「…少し落ち着いてきたわ」
さやか「そっか、良かった良かった」
ほむら「何か温かいものでも飲みましょう、お茶…お茶…」
さやか「私ココアね」
ほむら「ココア…そんなものあるわけないじゃない。まずい軍用の、紅茶かホットレモンよ」
さやか「じゃあホットレモンでいいや」
ほむら「…本当にいいのね?」ニヤ
さやか「何だよその変な笑い…」
ほむら「何でもないわ。じゃあ、さっそく作りましょうか」サラサラ
さやか「えへへ…」
ほむら「はい、完成したわ」
さやか「やっと出来たかぁ、いっただきまーす!」ゴク
さやか「ぶはっ」
ほむら「…」ニヤニヤ
さやか「な、何よこれ!めちゃくちゃ酸っぱくて…まずい!」
ほむら「まずいって言ったじゃない。その飲み物、戦場の兵隊は誰も飲まなくて、食器磨きに代用してたそうよ。ぷぷぷ」」
さやか「おぇぇ…口の中が痛いよ」
ほむら「口直しにほら、これ」
さやか「今度は何よ…」
ほむら「粉末ココアよ。奥の方探ったから、あげるわ」
さやか「…」クンクン
ほむら「今度のは比較的まともなやつだから安心しなさい」
さやか「まったく…」サラサラ
夜
さやか「さて、寝よっか転校生!」
ほむら「…」ゴソゴソ
さやか「ほら、火消す…」
ほむら「ソウルジェム、返しなさい」
さやか「あっ…ああ、はい」ヒョイ
ほむら「まったく…」
さやか「じゃ、じゃあ寝よっか」
ほむら「そうね、明日も早いし…」
さやか「…」
ほむら「…」
さやか「ねえ」
ほむら「何よ」
さやか「私が寝ている間に過去に戻っちゃうとか、無いよね」
ほむら「…無いわ」
さやか「そっか、良かった…」
さやか「Zzz...Zzz...」
ほむら「…さて」ヒョイッ
ほむら「…」カチャ
ほむら「…」
ほむら「まあ、あと一日ぐらいは付き合ってあげましょうか。まだ猶予はあるし…」
次の日
さやか「Zzz..」
ほむら「ほら、起きた起きた」グシグシ
さやか「ん…あっ…ああ」
ほむら「行くわよ、一日は短いんだから…」
さやか「ほっ…良かった」
さやか「じゃ、行く…」プーン
さやか「…ちょっと待って」
ほむら「どうしたのかしら」
さやか「…まさか」ベチャ
さやか「ウ…ウソでしょ」ベチョベチョ
ほむら「…?」
さやか「あ、あ、あの…転校生」
さやか「レ、レ、レモンには…その…利尿作用が…あったよね」
ほむら「それが?」
さやか「いや、その…」グショ
ほむら「…まさか」
さやか「うん、まさかのまさか…」
さやか「…ごめん」
ほむら「…」
さやか「ごめん…」
ほむら「服と下着一式貸しなさい」
さやか「あっ…」
ほむら「いいから」
さやか「でも、貴重な水を使って洗濯するのは…」
ほむら「砂で洗うのよ、ほら貸しなさい」
ほむら「まったく…一か月前に戻ったら…皆言い触らしてやろうかしら…」ゴシゴシ
さやか「…」
ほむら「笑い物よ…中学生にもなって…」ゴシゴシ
さやか「うん」
ほむら「時間は貴重なのよ…今日中にとっとと見つけないと、面倒くさい事に…」ゴシゴシ
ほむら「当分の間、パンツは無いわよ。まあ誰も見ていないし、裸でも構いやしないけれど」
さやか「…うぅ」
ほむら「じゃあ、行くわよ。大事な所ぶつけないように」
ほむら「…」スタスタ
さやか「…」トボトボ
さやか「…あっ、あれって」
ほむら「どうしたの?」
さやか「ユニクロじゃん!良かった、パンツあるかも」
ほむら「人の物を勝手に取るのはダメとか説教してたくせに…」ボソッ
さやか「?」
ほむら「何でもないわ。中見てみましょうか」
さやか「真っ暗だね…」
ほむら「そうね」
さやか「そっちのライト、貸してくれる?」
ほむら「はい」ヒョイ
さやか「ありがと、てんこう…いや、ほむら!」
ほむら「…」
ほむら「やれやれ…」ドサッ
ほむら「戻るに戻れないじゃない…はぁ」
ほむら「…ちょっと休みましょう」
ほむら「昨日の…疲れが…」
ほむら「Zzz...Zzz...」
まどか「ほむらちゃん、起きて、ほむらちゃん」
ほむら「…ん、まどか?」
まどか「良かった、起きてくれたんだ」
ほむら「まどか…ああ、良かった」ギュウウ
まどか「ウェヒヒ…」ギュッ
ほむら「さやかちゃんと、仲直りしたんだって?」
最後の行
ほむら→まどか
ほむら「仲直り…?仲直りっていうか…その」
まどか「さやかちゃんなんか、ほむらちゃんの事名前で呼んでたじゃん」
ほむら「いや、それは…」
まどか「しかもオネショの世話までしてあげてさ…ちょっと嫉妬しちゃうな」
ほむら「まどかのだったら、喜んでするわよ」
まどか「あっ、それはちょっと…」
ほむら「うふふ…」
まどか「私ね、ほむらちゃんとさやかちゃんが仲直りしてくれて、とっても嬉しいの」
ほむら「あら、それは良かったわ…まどかが喜んでくれるのなら…」
まどか「うん、我慢したかいがあったよ」
ほむら「我慢した…?」
まどか「ウェヒヒ!こっちの話…それでね、今は二人とも、とっても辛いだろうけど、あともうちょっと頑張ればとっても幸せになれるから…頑張ってね」
ほむら「ええ、頑張るわ…絶対にまどかを…」
まどか「うーん…まだわかってくれないかな…ま、いっか!」
ほむら「…はっ」
ほむら「はぁ、夢なのね…」
ほむら「まどかぁ…」
さやか「ほむら!なにボーっとしてるの?寝てた?」
ほむら「ええ…」
さやか「そうかそうか…それより、ほら!」チラッ
ほむら「汚いものを見せないで…」
さやか「汚いものってなんだよぅ!レディーのパンティーだぞ!」
ほむら「ああ、レディーね…レディー」
さやか「えへへ…」
ほむら「…」スタスタ
さやか「…」スタスタ
ほむら「ねえ」
さやか「何?ほむら」
ほむら「まどかの事だけど…」
さやか「あっ、まどかがどうしたの!何か手掛かりが…」
ほむら「いや、何でもないわ…」
さやか「何よ、教えてよ!」
ほむら「私の勘違いだったわ…」
さやか「はぁ…本当にどこにいっちゃったんだろ、まどか」
ほむら「…」
さやか「見つかるといいんだけどな…今まで見つかったものって、魔女しかいないもんね」
ほむら「あと、それもね」
さやか「ああ、パンツね…パンツ…あはは」
ほむら「…さて、次はどこに行きましょうか」
さやか「…そうだ、見滝原中学校行かない?」
ほむら「学校?」
さやか「そう、学校。あそこは確か避難所指定だし、結構建物頑丈だから人居ると思うんだ…」
ほむら「学校ねぇ…まあいいわ、行きましょう」
学校の三階
さやか「誰も居ないね…」
ほむら「それどころか、あちこちで窓ガラスが割れていたり…廊下に穴があいてたりして危ないわね。ここもワルプルギスの夜に耐えられなかったのね…」
さやか「いつも通ってた学校がこんなボロボロになってるのって結構ショックだなあ…」
ほむら「私にとっては、あまりいい思い出が無いからあんまり…」
さやか「そ、そっか…あれっ」
ほむら「…?」
さやか「ねえ、今あの1階の教室に誰か入ったよね」
ほむら「いえ、私は何も…」
さやか「ちょっと行ってくる!」
ほむら「まったく…また魔女だったらどうするのよ…」
さやか「あれ、誰も居ないなあ…」
さやか「一昨日からこういうのばっかり…」
ほむら「遅いわね…ちょっと行ってきましょう」
ほむら「あれ…あの教室に誰かが」
ほむら「美樹さやかと同じ病気にかかったわね、まったく…」
ほむら「…とりあえず、中を見ましょうか」チラッ
ほむら「えっ…どうして貴女が」
マミ「…」
ほむら「貴女はワルプルギスの夜との戦いで死んだはず…」
マミ「…じゃない」
ほむら「えっ…?」シュルシュルシュルシュル
マミ「…」チャキ
ほむら「これってまさか、昔の…」
マミ「ソウルジェムが魔女を産むなら、死ぬしかないじゃない!」チャキ
ほむら「どういうことなの…?」
殺伐としたスレに人間でない者が!
l!! ″ ″ ″ ″―――――――
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″ /λ 丿 \ ″――――――_―――_―――____
″_△/ ∨ \__△__ ″____――――___
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″ ノノ丿|λ//ノ 丿 ″―― ̄ ̄ ̄ ̄――――― ̄ ̄ ̄
″ ( ( (( ( 乂ノ′/ ″――__――――――― ̄ ̄――――― ̄ ̄
″ \\ヽヾ、_/ ″ ̄ ̄___――――― ̄ ̄―― ̄ ̄ ̄―――――
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/___.ノ /_____,.ノ /_/ i___/ /____/ /______./
さやか「やれやれ、、結局何も…え…」
杏子「おっ、やっと見つけたよ。ずっと探してたんだぜ」
さやか「きょう…こ?」
杏子「皆待ってるぜ。ほむらどころか、まどかやマミも一緒だぞ」
さやか「だって…ほむらが死んだって…」
杏子「あー、あいつ結構勘違いしやすいからな…」
すいません、ちょっと10分ほど居なくなります。
残ってたら書きます
杏子「ほらこっちだよ…」
さやか「でも安心したよ…偶然にしちゃ出来すぎてるけどさ、皆が生きてて…」
杏子「本当だよ、これからは皆仲良く一緒に暮らそうな、坊やも待ってるぞ」
さやか「えっ!恭介も居るの?」
杏子「坊やどころか、お前の親父やお袋もいるし、先生だって…他の誰だって居るぞ」
さやか「…なんか変な話」
杏子「ほら、早く早く」
クリームヒルトさん「こっちにくれば寂しくないよ? みんな一緒だよ。苦しいことなんて何もないよ?」的なモノを感じる。
杏子「この教室だぞ、ほら」
さやか「杏子は入らないの?」
杏子「まずはお前から入った方が、いいだろ?感動の再会な訳だし…」
さやか「そうだよね、うん…」
マミ「…」チャキ
ほむら「来ちゃダメよ…美樹さやか」
さやか「え…?」
さやか「ど、どういうこと!?きょう…」
さやか「あれ、杏子?杏子!?」
さやか「…」
マミ「あなたも、私も…!」チャキ
ほむら「美樹さやか、貴女だけでも…」
さやか「…」
マミ「痛みのないように…殺してあげるから」
ほむら「早く…」
さやか「…」カラン
ほむら「鉄パイプなんて拾ってどうするの!?相手は…」
マミ「美樹さん、貴女は魔法少女じゃないし殺さないであげるから、その鉄パイプを捨てて、ね?」
さやか「…」
マミ「美樹さん。私と暁美さん…どっちが好きなの?」
さやか「うっ…うううっ」ボコッ
マミ「ぐうっ…うっ…」
さやか「ううっ…うわああああああああっ」ボコッ ボコッ
マミ「」
さやか「ぜぇ…ぜぇ」ボスッ グチャッ
さやか「…」
ほむら「はあ…」
さやか「ああっ…マミさん…私、なんて事を」
ほむら「いや、これは…」
マミ「…」ビクッ
さやか「マミさん?」
マミ「…」ニコニコ
ほむら「うっ…」
マミ「イテテテ…魔法少女がこれぐらいで死ぬわけがないじゃない」ニコニコ
マミ「実はね、試そうと思ったのよ。美樹さんと、暁美さんがちゃんと仲直りしたか…」ニコニコ
杏子「そうだぞ、仲悪いまま一緒に暮らすのも、居心地が悪いからな」ニコニコ
さやか「えっ…杏子?」
まどか「ウェヒヒ」
ほむら「まどか…」
まどか「実はね、この地球上で二人だけ…あえて残したの」
まどか「ほむらちゃんと…さやかちゃん。ほら、二人の仲って、とても険悪だったじゃん」
まどか「そのまま私の天国に連れ込んでも、やっぱり仲悪いままだなって思って…」
まどか「だからあえて、二人だけで外の世界を歩いてもらったの。仲良くしてもらうために」
まどか「そしたらね、思っていた以上に二人とも…とっても仲良くなって」
まどか「嬉しいなって」ニコッ
ほむら「…」
まどか「まあちょっと仲良くなりすぎた感はあるけどね…ほら、おねしょの件とか…」プクゥ
杏子「あはは!あれはさやかの意外な一面が見れたよな!」
さやか「ちょっと待って、じゃあ私たちの事をずっと…」
まどか「もちろん見てたよ」
ほむら「途中の魔女も…あの夢も…」
まどか「ああ、あの魔女はほむらちゃんの記憶から取り出して具現化しただけ。あの夢は、途中で私ほむらちゃんを応援したくなって、勝手に頭の中に入り込んだだけだよ」
ほむら「ああっ…」ドサッ
まどか「じゃあいこっか、二人とも。皆待ってるよ!」
マミ「ほらほら、早く行きましょ」グイグイ
杏子「お前の大好きな坊やも、首を長くして待ってるぞ…首長族になっちゃうぐらいに」グイグイ
さやか「お、押さないで…!」
ほむら「いやっ…いやあっ!」
まどか「今は嫌がってるだろうけど…一度入れば気に入るよ…深く考える必要の無い、幸せな気持ちで一杯になる世界が待っているんだから…ウェヒヒ」
さやか「…ほむら」
ほむら「な、何かしら…さやか」
さやか「ほら、あの盾…時間戻れるんでしょ、使いなよ」
ほむら「使うって…貴女を置いてはいけないわ…」
さやか「えへへ…最初会った時とは、正反対の事言ってるね」
ほむら「…」
さやか「今の私はいいんだ、いいからさ…一か月前の私と…こんな姿になる前のまどか、マミさん…杏子を救って…」
ほむら「でも…」
さやか「ほら、もう時間ないよ…早くしなよ」
まどか「何話してるの、二人とも。話なら中でたっぷり…何年でも、何十年でも…その気になれば何百年でも出来るから…まずは入ってからにしようよ」
ほむら「…」カチャ
まどか「えっ…何やってるの?ほむらちゃん」
まどか「まさか…時間を巻き戻すつもりなの?そんなのダメだよ…私の天国にほむらちゃんが居ないなんて嫌だよ…」
まどか「ほむらちゃんが行っちゃうなら、さやかちゃんは永久に…真っ暗な中の空間に閉じ込めたり…痛いことしたりするよ…?それでもいいの?」
ほむら「…」
さやか「私はいいから、早く!」
まどか「そうだよ、落ち着いて…私、外見はこんなになっちゃっても中身はまどかなんだよ…?ほむらちゃん、私を救うために時間を繰り返してるんでしょ?」
まどか「なら今の私を救って…お願い…」ギュッ
ほむら「…」スッ
まどか「偉い偉い、ほむらちゃん…ほら、私のお手手握って…いこ?」
さやか「だめ!ほむらだめ!そいつは…」
ほむら「…」パシッ
まどか「イタッ…ほむら…ちゃん?」
ほむら「貴女はまどかでは決してないわ。散々人の嫌な記憶を思い起こさせたうえ…真っ暗な空間に閉じ込める?痛いことする?」
まどか「いや、それは嘘だよ、嘘!本当は…」
ほむら「まどかは友達にこんな事はしない。あなたは…」
まどか「いや…」
ほむら「魔女よ、ただの魔女…」
さやか「ほむら…」
まどかにお願いされたら断れない。それがほむらクオリティ……だがクリームさんならどうなんだろうか。
ほむら「それじゃあ、さようなら…」カチャッ
まどか「いやぁぁぁぁぁぁぁ!ほむらぢゃんを止めでぇぇ!行くのいやぁぁぁぁぁぁぁ」
杏子「おい、よせ!」
マミ「行ったっていい事なんて…!」
ほむら「…」スッ
クリームヒルト「ほむらぢゃぁぁぁぁぁぁぁん!私、本当にまどかだよぉぉぉぉぉ!魔女なんかじゃないよぉぉぉぉぉぉ」
クリームヒルト「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!ほむらぢゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
クリームヒルト「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
さやか「だんだん…意識が…」
クリームヒルト「いやぁぁぁぁぁぁぁ!いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
使い魔「ギギギ…」バタッ
使い魔2「グググ…」バタッ
さやか「なんだ…杏子も…マミさんも…ただの使い魔だったんだ…あは…あはは…あはははは」
さやか「…」
クリームさんの悲痛な声が胸に痛い……。
そもそも4週まどかが契約した理由って、本当にほむらを救うためか?
なんか1-3週目も全てほむら視点からの友情しか描かれていないし、
まどかは概念になるまではほむらの事をなんとも思ってなかったぽいのだが。
早乙女「はい、それじゃあ自己紹介いってみよう」
ほむら「暁美ほむらです。よろしくお願いします」
さやか「うお、すげー美人!」
まどか「夢の中で会った…ような…」
ほむら(今まではまどかだけを守るつもりだったけど、まさかこんな事になるとはね…)
ほむら(これからは誰も苦しまさせない、死なせない…絶対に、一人も欠けずに助けてみせるから…)
ほむら「それでいいのでしょう?さやか」
さやか「えっ?」
ほむら「…」ファサアッ
さやか「な、何だあの転校生…変な奴」
終わり
せっかくだし
この後のクリさや書こうぜ
>>238
まあ発狂したマミさんを殺して守るぐらいには思っていたんだろうな。
あと好きじゃない相手に抱きつくのもありえない。
というかたぶんまどかはクールほむよりメガほむのほうが親近感が湧くから簡単に仲良くなれるんだろうに。
ちなみに四週目はわからない。
マミさん殺したのは当のマミさんが危険だったからで、これがあんこちゃんかメガほむだったとしてもたぶん殺してるだろう
>>252
まあたぶんそうだろうね。
>>246
虚のインタと小説を読むまではそう思ってたんだがなあ……。
あれを読むと、なんかまどかにとって1-3週目のほむらは単に、魔法少女になった自分の功績を
示すトロフィーとしての価値しか認めてないように見えてきたんだよ。
>>63や>>242が語るが如く。
ドラマCDで1週目ワルプル戦に挑む覚悟を隠して「またあした」と別れを告げる
あの切ないエピソードも今や、単にほむらなんてどうでも良かったから言わなかっただけように
思えてならない。
>>258
ドラマCDのEDの「またあした」の歌詞とか見る限りメガほむに対して未練があるような気もするがはっきりしないんだよな。
ようするに描写不足。
>>245
はい
さやか「ん…あっ、私の部屋かあ」
さやか「なんか長くて変な夢見てた気分…頭がイテテ…」
さやか「学校行かないと…」
さやか「よっ!おはよう、まどか」
まどか「…おはよう」
さやか「ちょ、ちょっ!どうしたのさまどか!目が真っ赤だよ?」
ほむほむが自分のために間違えてくれていたって気がつくまではほむほむは怖い人だしなぁ
まどか「うっ…うわぁぁぁぁぁん」ボロボロ
さやか「えっ…ちょ、ちょっと…あの、どうしちゃったの?この子」
仁美「さあ…なんか友達と会えなくなったとか…わたくしにもさっぱり」
さやか「友達?」
まどか「うん…大切な友達なの…とっても…」
さやか「あたしや仁美よりも?」
まどか「ううん、さやかちゃんや仁美ちゃんも同じくらい大事だけど、その子はずっと私の為に頑張ってくれていた子なの」
まどか「恩返したかったのに…うっ…うぅ」
さやか「そりゃあ許せんなあ…その子、今どこに居るの?」
>>268
冷たそうな完璧超人だもんな。気弱な女の子じゃ近寄りがたいだろう。
まどか「ずっと遠く…」
さやか「遠く…県外…海外…まさか宇宙とか?あはは、それは無いか」
仁美「ちょっとさやかさん!ふざけないで!」
さやか「ごめんんごめん。でもさ、その子が生きている限り…いつか見つかるよ。だから安心し…」
まどか「ウェヒ」
さやか「ん、どうしたの?突然笑って」
まどか「ウェヒヒ…そうだよね…きっと会えるよね…それまで、我慢…」
さやか「あはは、う…うん。そうだよ、きっと会えるよ…たぶん」
仁美「それで、上条さんとの関係…どうですの?」
さやか「あっ恭介?恭介ったらね、バイオリンの演奏中に私の事を…えへへ」
仁美「あらあら…」
まどか「そうだよね、きっと会えるよね…きっと…」
まどか「ウェヒヒヒ」
まどかからすでに瘴気が出てる気がする。
さやか「聞いた?転校生だって!この季節に珍しいねえ!」
まどか「うん!とってもとっても楽しみだね!」
早乙女「はぁい、それじゃ、自己紹介いってみよう」
ほむら「あ、あの…あ、暁美…ほ、ほむらです…その、ええと…どうか、よろしく、お願いします…」
さやか「あらら、オドオドちゃんだね…でも可愛い子じゃん。これは私の嫁が増えちゃったかな?」
まどか「うん、後で話しかけに行こうね」
まどか「それで仲良くなって…一緒に…お話したり、遊びに行ったり…お泊りしたりしようね…」ニコッ
さやか「ひ、一目ぼれってやつ…?まあ、仲良くなれそうで何よりだよ」
まどか「うん、これからずぅーっとずぅーっと一緒に居る子だもん」
終わり
このクリームさんはどこからメガほむをもってきたんだ
乙
>>286
一応オクタちゃんと同じく、ほむほむから抜き取った記憶から…ってつもり
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