さやか「究極魔法少女?」QB「そう」 (68)

マミ「ティロ・フィナーレ!」

シャルロッテ「」ズガァーン

さやか「やったぁ!」

シャルロッテ「」ニュルン

マミ「え…」

まどか「あっ…!」

さやか「…!」

カチンッ

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まどか「あ…あぁ…!」

さやか「マミ…さん…?」

QB「二人とも!早く僕と契約を!」

QB「まどか!さやか!」

シャルロッテ「」グルンッ

さやか「う、うわ…うわぁあああああああああああああ!!!」ダッ!


まどか「さ、さやかちゃん!待っ――」


カチンッ


さやか「え……」

まどか「」ダラーン…

シャルロッテ「」モグモグ

さやか「あ、あぁ…!」

シャルロッテ「」グチャグチャ

さやか「あぁ…あ…!」

シャルロッテ「」ゴクンッ

さやか「ま、まどか…」

シャルロッテ「」ヌゥ

さやか「うわぁああああああああああああああ!!!来るなぁ!来るなぁ!来ないでぇええええ!!!」


ドオォン!ボゴォン!

シャルロッテ「!?」

ほむら「いつもより遅れてしまったわ…!」シュタッ

さやか「転校生…」

さやか「ねぇ…キュウべえ…」

QB「何だい?」

さやか「あたしが契約すれば、二人は生き返るの…?」

QB「…残念だけどキミの素質じゃ、あの二人を生き返させる事なんて不可能だよ」


さやか「……」


QB「だけど――」

さやか「?」

QB「それは普通の契約法での話だ」

さやか「…?」

QB「さやか、為してみるかい?僕が開発した『究極魔法少女システム』を」

さやか「究極…魔法少女…」

――――――
――――
――

ズガァァアアアンッッッ!

ほむら「ふぅ…」シュタッ

ほむら「……」キョロキョロ

さやか「……」ボー…

ほむら「?」

ほむら「美樹さやか?どうしたの?」

さやか「………」

ほむら「……まどかは?」

さやか「………」

まどか「いたた…あれ?ここどこ?」

マミ「あ、あら?私、何してたのかしら?」

さやか「!」

ほむら「巴マミ、生きてたのね…」

マミ「! あなたは…… 」

―――――

QB「いいかい?さやか。『究極魔法少女システム』にはメリットとデメリットが当然の様にある」

QB「メリットは素質関係無しに何でも叶えられる力。そしてソウルジェムも濁る事も無い」

QB「デメリットは多少、性格が変わる可能性があるのと、カフェインを毎日摂取する事になること」

さやか「カフェイン?」

QB「このシステムはまだ実験段階でね、副作用で頭痛や色々な症状が出やすくなるんだよ」

QB「ブラックコーヒーとかがいいね」

QB「それからソウルジェムが濁らないという事は、いくらでも魔法を使える」

QB「だけど、その代わり使えば使うほど症状は悪化していく」

QB「やがて、キミの精神と身体は崩壊するかもしれない」

さやか「……!」

QB「それでもやってみるかい?」

さやか「……」

さやか「……まどかとマミさんが生き返るのなら…!」

QB「……」

――――――――

シャルロッテ「」グググ…

ほむら「!」

ほむら(まだ生きてた…!?)

マミ「あ、あれは…!」

まどか「あぁ…!」ヘタ…

ほむら「クッ…もう一度時間を止め――」

ズバァッ!

シャルロッテ「」ズルリ…

ズゥウウン……

ほむら「え?」

マミ「あ、あれは…!」

まどか「さやかちゃん…!」


さやか「お、おぉっ?」

さやか「キレイに斬り倒しちゃった…」

さやか「てゆうか、そんなに強くなかったな……」

さやか「マミさんや転校生と戦った後だからか弱ってたのかな?」

ほむら「……!」

まどか「さやかちゃん!」

マミ「美樹さん!あなた、魔法少女になったの!?」

さやか「えぇ…まぁ、はは…なっちゃった、と言いますか…」

ほむら「……!」

ほむら「美樹さやか!あなたは…!」

さやか「な、なんだよ」

ほむら「………後悔するわよ」

シュンッ

マミ「美樹さん、あの人に惑わされちゃダメよ」

さやか「わかってますよ、見るからに悪人って感じがプンプンしますもん!」

まどか「……」

マミ「ところで、美樹さんは魔法の使い方とか把握してるかしら?」

さやか「いえ」

マミ「それなら、私が教えてあげるわ」

さやか「本当ですか!?」

マミ「えぇ、だけどもう遅いから明日にしましょう」

さやか「はい!」

――――――


さやか「ふんふふーん♪」スタスタ

さやか「魔法少女かー、でもあたしだけ特別な魔法少女だから、ちょっとマミさんに悪い気がするなー」


さやか「ま、いっか。魔法少女の事に関しては全然分かってないし」

さやか「うっ」

さやか「なんか頭痛がする……これがキュウべえが言ってた副作用かな…」

さやか「お、丁度良い所に自動販売機が」

さやか「ラッキー、コーヒー買おう」チャリンチャリン

ピッ、ガコン

さやか「無糖ってあんま好きじゃないんだけどなー……」グビ

さやか「うげぇえ…苦い…」

さやか「うぅ……あれ?治まった」

さやか「やっぱり飲んでよかったー」

さやか「さぁ帰ろ……」

さやか「……」

さやか「また頭痛が起きた時の為に買い溜めしておこっと」

――――――

ガチャッ

さやか「結構買っちゃった」バタン

QB「やぁ、さやか。どうだい?究極魔法少女の力は」

さやか「うーん…一瞬だから、あまり実感出来なかったなー」


QB「今度マミと魔女狩りに行くんだろう?」

さやか「そうだったね」

さやか「よーし!明日に備えて――」

さやか「――寝よ」パタッ

『あんたはきっと後悔する』

『その選択は絶対に後悔する』

『後悔する』

『もう取り返しがつかない』

『あんたの選択は自分どことろか周りの人間まで破滅に導く』

さやか『誰……?』

さやか「――――!」ハッ

さやか「……朝、か」

さやか「うわ、凄いベットが湿ってる」

さやか「悪夢だったのかな……」

さやか「いたっ」

さやか「また頭が痛くなってきた…」

さやか「コーヒーコーヒー…」ガサガサ…

カパッ

さやか「うぅ…苦い」グビ…

さやか「っていうか今何時…あぁっ!」

さやか「…よく考えたら今日休みだ」グビグビ

さやか「プハー…」

さやか「あ、そうだ。マミさんと魔女狩り行くんだった」

さやか「出たら丁度、約束の時間に着くね」スッ

さやか「………」

さやか「まぁ一応、コーヒーも持って行こう」

――――――

さやか「マミさーん!」

マミ「美樹さん!待ってたわ!」

まどか「さやかちゃん」

さやか「あ、まどかも来てたんだ…」

まどか「うん、さやかちゃんが帰った後、マミさんに誘われたの」

さやか(あんな事があったんだから、まどかは抜きにして欲しかったな……)

マミ「さぁ二人とも!行くわよ!」ダッ

さやか「あはは、マミさん張り切ってるね」

まどか「うん、そうだね……」



ほむら「………」


――――――

マミ(ちゃんと先輩らしい所を見せなきゃ!)

マミ「それじゃあ、美樹さん」

さやか「はい!」ジャキッ

使い魔A「」グワァ!

使い魔B「」グォッ

さやか「……あれ?」

ズバァン!

使い魔A「ギャァァ!」

さやか(コイツらの動きが遅く見える…!)ヒュッ

使い魔B「ウギャァッ!」

さやか「これが究極魔法少女の力…!?」

さやか(この前は一瞬だったけど…今ようやく実感した…!)

さやか(魔法少女初心者のあたしでも分かる…)

さやか(この力は他の魔法少女とは『違う』!)

まどか「す、凄い!凄いよさやかちゃん!」

マミ「」ポカーン…

ほむら(何あれ…?初心者とは思えない動き…!)

ほむら(あれは明らかに巴マミを超越していた)

ほむら(美樹さやか、あなたはいったい……)

さやか「は、はは…」

さやか「よし……ちょっとまどか離れて」

まどか「え?」

ビュンッ!

まどか「きゃっ!」

マミ「は、速い」



さやか(凄い!こんなスピードで走ってるのに、辺りはよく見える)

さやか「!」

ズババァッ!

さやか(使い魔の気配も読める…!)

さやか「!」バァァンッ!

魔女「」ギギ…

さやか「……」

魔女「」グワァ!

さやか「ッ!」サッ!

スパァッ!

魔女「ギェェ…!」

さやか「遅い!」

さやか「トドメだぁああああ!!!」

魔女「!」

ズガァアアアアアッッ!!!

魔女「」ジュゥ?…

さやか「………!」

さやか「これが、究極魔法少女の力か…!」

さやか「うへ」ダラー

さやか「おおっとヨダレが…」

シュウウウウウ……

マミ「結界が…!」



ほむら「まさか一人で…?」

――――――――――

マミ「さ、流石ね、美樹さん、初めてにしては中々の……」カタカタ…

さやか「はい…自分でも驚いています…」

まどか「本当に凄かったね!」

さやか「い、いやぁ?それほどでも?」テレテレ

マミ「でもね?これはチームプレーなんだから、あなた一人で戦うのは駄目よ」

さやか「は、はい…すみません…」

マミ「今度から気をつけるのよ」

さやか「はい……」

マミ「さ、次行くわよ」

さやか「……」

まどか「……」


ほむら「………」

――――――――

マミ「美樹さん、どうしてあなたはそうやって前に出て一人で戦いだすのかしら?」

さやか「すみません…闘争本能が…」

マミ「抑えなさい」

さやか「ええ……」

マミ「もうこんな時間になっちゃったじゃない」

マミ「今日はこれで終わりよ」

さやか「は、はい…」

マミ「それじゃあね、鹿目さん」ニコ

まどか「は、はい!」

さやか「……」



ほむら「……」

――――――――


さやか「………」トボトボ…

さやか「いたっ」ズキンッ

さやか「コーヒー持ってきて良かった…」カパッ

さやか「………」グビグビ

さやか「……あれ」ズキズキ

さやか「おかしいな、痛みが治まらない」ズキズキ

さやか「帰って買い溜めしてたのを飲もう……」ズキズキ

――――――――

さやか「はぁ……」

さやか「6本も飲んだから寝れなくなった」

さやか「………」

さやか「……うん」

さやか「やっぱ、納得いかないな」

さやか「いや、でも…」

さやか「……ま、いっか」

さやか「無理でも寝よ」

――――――――


さやか「――!」

さやか「……朝か」ムクリ

さやか「………」

さやか「もうこんな時間」

さやか「学校に行くか」

――――――――

さやか「?♪」

まどか「おはよう、さやかちゃん」

さやか「おーす、まどかー」

仁美「おはようございます、まどかさん」

さやか「よーし!それじゃあ行こうか!」

仁美「……あら?」

さやか「へ?」

仁美「さやかさん、白髪…多くありません?」

まどか「うわ、本当だー」

さやか「えー?本当?…ちょっとあんま見ないでよ」

仁美「何かストレスでも溜まる様な事は?」

さやか「いや…」

まどか「なんでだろうねー」

仁美「後、目にクマが」

さやか「あ、それは多分――」

さやか「――いや、やっぱなんでもない」

まどか「?」

仁美「?」

―――学校―――

さやか「あー…寝れないー」

まどか「なんか変だね、その言葉は」

仁美「まるで寝る前提で学校に来てるみたいですの」

さやか「いや、さ?学校で昼寝というのは家で寝るのとは違う――」

ほむら「ちょっといいかしら?」

まどか「あ…」

さやか「よー転校生、何ー?暇なのー?」

ほむら「……ちょっと来てくれる?」

さやか「おーけーいいよー」

ほむら(いつもなら敵意剥き出しで話しすら聞こうとしないのに……)

―――屋上――――


さやか「ここで何する気?」

ほむら「……素直について来たわね」

さやか「ついて来ちゃった」

ほむら「……警戒しないの?」

さやか「する必要がない」

ほむら「何故?」

さやか「この神聖な学舎で死体を生み出す様な事は流石のあんたでも出来ないでしょ?」

ほむら「………あなた誰?」

さやか「え」

ほむら「私の知ってる美樹さやかはもっとめんどくさかった」

ほむら「そのめんどくささにずっと悩まされていたというのに…」

さやか「まるで何回もあたしに会ってた様な口振りね」

さやか「転校生なのに。それともあたしがあんたとの楽しい思い出を忘れているだけか?」

ほむら「そういう所よ」

さやか「は?」

ほむら「そういう所が美樹さやかっぽく無いのよ…普通なら「めんどくさい」なんて言われたら鬱陶しいぐらい食いついてくるのに」

さやか「そうか、正解はあんたの言葉を反論するべきだったのか」

さやか「あたしはめんどくさく無い、と、言いたいけど自分の事は自分では分からないので、断言出来ない」

ほむら「あなたは誰!?」

さやか「美樹さやかだって」

ほむら「どうしてそんなに真面目に答えるの!?」

さやか「どうすりゃいいんだよ……」ゲッソリ

ほむら「ッ…!とにかく、今のあなたなら話しても大人しく聞いてくれるから大丈夫でしょ」

ほむら「今から言う話……信用する?」

さやか「……信じるかどうかは話を聞いてからにする」

――――――――

ほむら「……という事よ」

さやか「へー…」

さやか「どうしてあたしに?」

ほむら「協力者が欲しい」

ほむら「佐倉杏子はまだここには居ない、巴マミはあの通り、私に敵意を向けてる」

ほむら「いつものあなたもそうだった、分からず屋だった」

さやか「そうか…とりあえずそのワルプルギスの夜というのはヤバいね、キュウべえにも今後注意しなきゃ…」

ほむら「 ……信じてくれるの?」

さやか「…まぁね」


ほむら「ありがとう…感謝するわ」

さやか「で?何をすればいいの?」

ほむら「まず、あなたの問題を解決する」

さやか「……いや、恭介と仁美はあたしに任せて」

ほむら「でも…」

さやか「いいから」

ほむら「…まぁ、今のあなたなら大丈夫でしょ」

ほむら「それじゃあ巴マミの誤解を解きましょう。彼女を味方に引き入れましょう」

さやか「よし。それじゃあ放課後マミさんに会いに行こう」

―――放課後――――

ほむら「………居たわ」

さやか「よし、転校生の誤解を解きに行こう」

ほむら「………」ムッ

さやか「なんだよ」

ほむら「別に……あ、誰か巴マミに近付いて来たわ」

さやか「まどか!」




マミ「待ってたわ鹿目さん!それじゃあ行きましょう!」

まどか「は、はい…」



ほむら「連れて行かれたわ」

さやか「何て事…あたしには誘いに来なかったのに」

ほむら「後をつけるわよ」

―――結界――――

マミ「それじゃあ行くわよ!」

まどか「は、はい」

マミ「所で、鹿目さんはまだ願い事が決まらないのかしら?」

まどか「ま、まだです…」

マミ「そう。まぁ、焦っても仕方ないものね」



さやか「マミさん!」

まどか「あ、さやかちゃん……と、ほむらちゃん……」

マミ「……どうして、あなたが暁美さんと…?」

マミ「ま、まさか!あなた達、手を組んで私を追い出そうとしてるんじゃ…」

さやか「ち、違います!あたしは…!」

マミ「鹿目さん!美樹さんはもう敵よ!早く逃げましょう!」ダッ!

まどか「あ、待っ――」

ほむら「……」カチッ

ほむら「逃がさないわ」シュンッ

マミ「クッ、もう一度リボンで――」

さやか「マミさん!ごめん!」

ドンッ!

マミ「あぁあっ!」バタッ

マミ「な、殴った…この私を殴ったわね!?そんな事する人、美樹さんなんかじゃない!」

マミ「そう…そうよ…!美樹さんじゃないのよ…!」

さやか「な、なにを…言ってるんですか…ただ背中を押しただけなのに」

マミ「美樹さんも!私に暴力を振るう気!?」

マミ「殺してやる…!殺してやるぅうううううううううう!!!」

ほむら「離れなさい!巴マミは『正気』じゃない!!!」

さやか「止めてください!マミさん!」


フッ


さやか「え…意識が…遠く…」

ドスッ

マミ「こっ…!?」

さやか「………」

ほむら「美…美樹さやか…!?」

まどか「さやかちゃんっ…!?」

さやか「……」ニタァ

――――――――――

『さやかちゃん、おはよう』

『また寝坊ですの?』

『…ティヒヒ、そうなんだ』

『夜更かしは体に悪いですわよ?』

『それじゃ、行こっか』

『あれ?さやかちゃん?』

『髪の毛と目が……に』

『あら、本当ですの』

『さやかちゃん…大丈夫?』

『さやかさん?』

『調子悪いの?』

『……うん、大丈夫なら良いけど』

――――――――

「――やか―さやか―ちゃ―」

まどか「さやかちゃん!」

さやか「!」

さやか「あれ?あたし…確か…」

さやか「あ…マミさんは!?」

ほむら「大丈夫、気絶してるだけよ」

ほむら「巴マミの鞄の中に精神安定剤の様な物が見つかったわ」

ほむら「医者から貰った物じゃなさそうね…」

ほむら「……それにしても、あなたが巴マミを刺したから驚いたわ」

さやか「…え?」

さやか「刺した…あたしが…?」

さやか「マミさんを?」

さやか「うぐっ!?」ズキンッ

さやか「う…ぐ…」ゴソゴソ…

カパッ

さやか「……」グビグビ

さやか「ぷはっ!」

さやか「うっ…あたし…もう帰る」ズキズキ

まどか「だ、大丈夫…?私が送って――」

さやか「大丈夫……」フラフラ…

ほむら「………」

―――さやかの部屋―――


さやか「………」

さやか「有り得ないくらい飲んじゃった」

さやか「にしても体が痛い……」

さやか「……」

さやか「まったく眠気が無い…」

さやか「……明日学校だっていうのに」

さやか「………」

さやか「……ゲームでもするか」

―――朝―――

ザァァァァ……

さやか「ひぇー!いきなり雨が降ってきたー!」

さやか「おっ!いい所に雨宿り出来る所が…」



仁美「あ」

さやか「あれ?仁美」

仁美「先に行ってしまったのかと思いましたの」

さやか「あたしが仁美を置いていく訳無いじゃん♪」

仁美「うふふ…所でさやかさん……その…こんな所で言うのもなんですけど……上条さんの事で……」

さやか「え?ソフト

さやか「ソフト

さやか「あのさ仁美」

仁美「え?」

さやか「……まどか来ないね」

仁美「先に学校に行ったんじゃ?」

さやか「うーん…でも、まだ時間あるし、待ってみるか」

仁美「はい」

さやか「………」

仁美「………」

仁美「………さやかさんは」

さやか「?」

仁美「……どう思ってますの?」

さやか「柔らかくてそして濡れている?」

仁美「じゃなくて、上条さんの事で」

さやか「あぁ。てっきり」

さやか「ただの幼馴染み」

仁美「本当に ?恋愛感情とかは?」

さやか「無い。前はあったけどね」

さやか「……仁美は恭介の事が好きなの?」

仁美「…はい」

さやか「……ふーん」

ガシッ

仁美「さ、さやかさん…!?」

仁美「な、何故ハグを…!?」

さやか「……酷いよ仁美」ギュッ

仁美「は、はい?」

さやか「どうして恭介が好きなの…?」

さやか「あたし…仁美の事が…好きなのに」

仁美「は?え?」

仁美「ちょっ…止め―――」グイッ

仁美「!?」

仁美「さ、さやかさん…?」

仁美「そ、その『目』……!」

さやか「………」フラフラ

さやか「どうしたの?仁美?」

さやか「何をそんなに驚いてるの?」

仁美「目が……目が!」

仁美「さやかさんの目が紅くなってますの!」

さやか「………」

仁美「さ、さやかさん…?」

さやか「………」

仁美「どうしましたの―――」

ガッ!!!

ザクッ…

さやか「ハァ…ハァ…」

ザクッ…


何をやってるんだ、あたしは。

どうして辺りはもう暗いんだ、さっきまであたしは、仁美と会話してたのに…。

なんであたしは 、こんな真っ暗な所で穴を掘っているんだ…。

体が止まらない、意識はしっかりしてるのに体が穴を掘るのを止めない。

まるで、他人の視界を覗いてる様だ。

さやか「ハァ…!ハァ…!」カラン…

さやか「ククッ…」

何故あたしは笑ってるんだ。

分からない、それすらも把握出来ない。

さやか「……ッ」ズズ…

なんだこの布をグルグル巻きにした物体は?

さやか「………」ドサッ

さやか「……」ボタボタ…

何故、あたしは…この物体とペンキを穴に入れているんだ…分からない分からない分からない分からない分からない分からない。


埋めなきゃならない。そんな使命感があった。

ザクッ…ザクッ…ザクッ…

―――――――――

さやか「!?」

さやか「あ、あたしの部屋…?」

QB「とうとう人格崩壊が始まったね」

さやか「キュウべぇ…?人格崩壊って…」

QB「究極魔法少女のデメリットの一つさ」

QB「カフェインの摂取量が限界に到達する寸前になると、本来の人格が薄れ始めるんだよ」

QB「今、さやかは人格崩壊が始まりかけてる状態なんだよ」

さやか「そんなの…聞いてない……」

QB「言わなかった?」

さやか「そう…だっけ…忘れた…よ」

QB「………」

さやか「痛いよ…頭が…痛い…」

さやか「カフェイン……」

QB「今、カフェインを摂取すると人格崩壊を早めるだけだよ」

さやか「………」

さやか「キュウ……べぇ……まだ……消えたく……ないよ……」

さやか「マミさん……が、どうして……あんな物を持ってたのか……まだ、解決してないし…仁美も…どうなったのか……分からないし…あたしが消えたら……ほむ…らを…裏切っちゃうよ……まどかを……守れ…ないよ……」

さやか「恭介も……助けられ……な…」

さやか「………い」

バタッ

QB「おや?予定より早かったね」

QB「………」

QB「さよなら、『美樹さやか』」

あたしは……どうなったんだろう……


一体……あたしは……。


「むかーしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました」


あたしの……声……?いや、これは……昔のあたし?

「さやかちゃん、同じ話ばかりで聞き飽きたよー」

これは……昔のまどかの声……

さやか「えー、仕方無いなー……じゃあ昔々あるところにパッショーネファミリーという愉快なお友達の集まりが――」

まどか「ぶ、物騒だよ!別のにして!」

さやか「じゃあーゴッドファーザーという優しいおじさんが、子供達にお使いを――」

まどか「それも物騒だよ!かろうじて私は理解出来たけど、小学生だよ私達!?」

さやか「だってお父さんが―――」


これは……走馬灯……かな?

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