男「憧れのフリーター」 (15)
大学を卒業し、憧れの職業フリーターとなった男であったが、夢と現実とのギャップに苦しむのであった!!
~~第一話!フリーターの品格!~~
店長「おい新入り!これ片付けておけ!」ドサッ
男「はい!わかりました!」
男(くそっ!俺はこんなことをするためにフリーターになったわけじゃねえ....)
男(下積みが大事だっつのはわかる。こんなことで本当に俺は成長してるのか...?)
センパイ「.....」
センパイ「男....ちょっとこい」
男「...?...うっす」
ガチャ
センパイ「まあ座んな」
男「.....うっす」
センパイ「....不満か?」
男「....え?」
センパイ「仕事内容が気に食わねえんだろ?」
男「...別にそんなんじゃないっすよ」
センパイ「本当にそうか?」
男「.....」
男「不満というか....自分がやっていることが本当に自分の実力になっているのか不安なんです....」
センパイ「....なるほどな」
センパイ「おまえの気持ちはよく分かる」
センパイ「今では俺もイッパシのフリーターだがな、この業界は憧れだけでやってけるほど甘くはねえ」
センパイ「あらゆる困難や苦悩にうちかってこそ、このポジションになれたんだ」
センパイ「フリーターってのはな、みんなの憧れでなくちゃいけねえ」
センパイ「もちろん俺も最初は憧れだった。そのために一流の大学を出たわけだしな....」
センパイ「だが、いざフリーターになってみると苦労の連続さ」
センパイ「それでも俺が続けていられるのは、いつかフリーターの花形「 レジ打ち」になれると信じ、今までの経験全てがそれに向かっていると感じているからさ。そしてそれがフリーターの品格だ」
俺「....俺にはまだわかんないです」
センパイ「今はそれでいい」
~~フリーターの
~~第二話!フリーターの掟!!~~
男「センパイ!辞めるってどういうことっすか!」
センパイ「....」
男「花形目指すっつったじゃないっすか!!」
センパイ「....男。すまねえな...」
男「謝んないでくださいよ....」
男「また一緒にワックスがけやりましょうよ....」
男「在庫整理しましょうよ!」
センパイ「男...フリーターには鉄の掟がある....」
センパイ「俺はそれを破っちまったのさ....」
男「そんな....」
男「センパイ、今までレジ打ちになるんだ!って頑張ってたじゃないですか!」
男「掟ってなんなんすか....!」
センパイ「....お前はまだ若い....」
センパイ「いつかレジ打ちになれるかもな....」
男「く.....そんなの....卑怯だよ....」
センパイ「そうかもな....」
センパイ「俺はな....俺はな....」
センパイ「『現実』を見ちまったのさ」
センパイ「それはフリーターであるかぎり決してやっては行けないことなんだ....」
男「センパイ.....」
男「.......見損ないました.....」
男「センパイにとってフリーターってのは現実を見たくらいで諦められる夢だったんですね.....」
男「...残念です」
センパイ「すまん.....俺は親父の会社に入社することにした....そう『正社員』さ....」
センパイ「.....俺は諦めたがお前は夢をおうんだ!!.....頼んだぜ?」
男「.....うっす」涙
~~第三話!!フリーターの花形!!~~
テロロロ!ガチャ
店長「はい!わかりました!はい!」
男(また苦情か?店長にいっても無駄なのに)
店長「はい!ただちに向かいます!それでは失礼します」ガチャ
男(また忙しくなりそうだな.....)
店長「おい!男!」
男「うっす!在庫やっときます!」
店長「いや...........」
「 レジを任せる..... 」
男「.......!」ドックン
男「.....お、おれが.....?」ドックン....ドックン
男「......」キッ
男「任せてください!!」
パート「て、店長!?彼はまだ.....」
店長「.....」スッ
店長「彼には才能がある.....」
パート「それは.....わかります。しかし.....」
店長「いいんだ。彼は私の若い頃にそっくりでね.....」
店長「もう少し私が若かったらムキになっていたんだがね.....はは。フォローは君がしてあげたまえ」
パートー「わかり....ました」
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