淡「テルーが患っちゃった」 (36)
立ったかな
人には誰しも周囲には見せない側面がある
淡「あ、そうだ、テルーに聞きたいことがあったんだっけ」
例えば好きな食べ物が屈強な見た目からは想像できない甘い物だったり
例えば凄く女性にモテるのに二次元女子にしか興味がなかったり
淡「どこに…ああ、部室にいたんだ」
それに加えて私たちの年代はある病気を発症しやすい
そして彼女がそれを徐々に発症しつつあることに私は感づいていた
が、まさか手遅れになっているなんて、この時までは思わなかった
話しかけようと、椅子に座ってる照に近寄る
携帯の操作に集中しているのか、照が気付く様子はない
淡「テルー……」
そこで私は言葉を止めた
照の手元の携帯画面に映っていたものに対する衝撃によって
自然と止まってしまったと言った方が正しいかもしれない
真っ黒い背景に浮かぶ、白と赤の文字
多用されている十字架と羽の画像
どうやらブログのようだと、私はすぐに察知した
更新ボタンがあることから、これは照本人のものだということも瞬時に理解する
ここまではいい。良くは無いがまだいい
まだモノクロと赤の組み合わせが好きなんだろうくらいで済む
しかし
『光と影の狭間より出でし真紅の囁き~我が軌跡を綴る~』
…
……
………
全力で、見つからないように私はUターンした
淡:みんなー、もうログインしてるー?
誠子:おう。てか何なんだ突然、宮永先輩抜きでチャットなんて
菫:面倒なことならば私は早々にログアウトするぞ
尭深:淡ちゃん、悩み相談ならいくらでも聞くからね
淡:ありがとタカミー!でも悩みとかじゃなくって…
淡:えっと、、とりあえずこれを見てみて!これで大体わかるから!
【http://blog.darkside.xxx.dynast_of_justice.xxxxxx.ne.jp】
淡:とにかく見て来て!主にプロフィールだから。…じゃあまた5分後に集合で!
光と影の狭間より出でし真紅の囁き~我が軌跡を綴る~
汝を666人目の闇の使徒に任ずる
ようこそ参られたし、闇の使徒たちよ
我は血塗られた闇の末裔†Dynast of Justice†
人々は我を"テルエル"と呼ぶ
†Dynast of Justice†
誕生日:魔暦1027年6月666日
身長:666㎝
体重:666kg
愛称:テルエル様
趣味:麻雀
菫:…おい
淡:うん
尭深:あの…これって…
淡:うん、これはね
誠子:待て!聞きたくない知りたくない!!
淡:諦めて誠子。これは
淡:テ ル ー の ブ ロ グ だ よ
尭深:ああああああああああああああああああああああ!!
菫:うわあああああああああああああああああああああ!!
誠子:やっぱりいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!
淡:よかった皆同じ反応してくれて。私がおかしいんじゃなかったんだね、よかった
誠子:いやよくねーだろ全然よくねーだろこれ!!
菫:手遅れにも程があるぞ!!
尭深:Dynast of Justiceって一体…
淡:単純に訳すと『正義の覇者』だね。闇なのか正義なのかはっきりして欲しいところだよ
誠子:問題はそこじゃない!!
淡:そうだね。問題は全部。このページの恥から恥まで全部だね
菫:恥→端だぞ
淡:いやー、あえてこっちの表現にしたんだよ。まさに恥
尭深:ちょ、やめて淡ちゃんお茶噴いた!!
菫:たまに照がブツブツ呟いてるのは聞こえてたから、ああもう末期なんだな、とは思ってたが
誠子:…何て言ってたんです?
菫:「くそ、封印されているはずの右手が疼く…!まさか奴ら、既にこの近くまで?まずい!」
尭深:封印されているはずの
誠子:右手…
淡:…ねえ
菫:何だ
淡:そろそろ冷静装うの止めても良いかな
誠子:ああ、奇遇だな。私もそう思っていたところだ
尭深:そうだね、私もう我慢できない
菫:ならあれだ、解禁で
淡;おっけー
誠子:ようやく、堪えてたものが発散できるんだな。それじゃ遠慮なく……
誠子:ちょwwwwえwwwwwテルエル様wwwマジwwwどうしたwwwwwwwwww
菫:病院が来いwwwwwwwwwwwwwwwww
尭深:魔暦wwwww666日wwwwwwwww
淡:私たち闇の使徒に任じられちゃったねーw
菫:やめろ淡wwwwwwwwww
誠子:おい、昨日の日記がやばい、もはや暗号の域!!
淡:わかった逝ってくる
†月★日(水)
皆(みな)を統べる王として、運命の扉に鍵を掛ける役割を担っている。遂げるためには誰も巻き込んではならない。己が命の灯(ともしび)を犠牲にし、来るべき刻を待つ
淡:日本語でおk
菫:むしろ日本語が来い
尭深:私がおかしいのかな、私が闇の使徒になりきれないから読めないのかな
誠子:おい暗号解読班来いよ、もしくは闇の使徒来い
淡:皆、諦めちゃだめだよ。折角のテルエル様からのwwwお言葉なんだからwwwww
菫:やめろ笑うの堪えてたんだからwwwwwwwwwwww
尭深:初めから順に少しずつ読んでいきましょうかwwwwwww
尭深:まず「皆を統べる王」ですが、これは精々「麻雀部のレギュラー」程度の意味でしょうね
菫:そうなると、まさか「運命の扉に鍵を掛ける」は「部室に施錠する」…か?
淡:おー、頭良いー。んじゃ「遂げるためには誰も巻き込んではならない」は「全員が帰るの待ってるんだけど」くらい?
誠子:軽wwwなら「己が命の灯を犠牲にし」は「コイツらが中々帰らないから自分の時間が削れられる」?
尭深:「来るべき刻を待つ」は「おいお前ら早く帰れよ、待ってんだよ」…だね
淡:【訳まとめ】
○月×日(水)
麻雀部のレギュラーだから部室に施錠しなきゃならない。全員が帰るのを待っているんだが
中々帰ろうとしないから私の時間がどんどん削られる。おいお前らさっさと帰れ、私も早く帰りたい
淡:これが何であんなに壮大にwww
菫:仕方がない、それが厨二だ
尭深:仕方ありません、それがテルエル様です
誠子:テルエルwww様wwwおい今日の日記もやばいぞwwwww
淡:解読班いっきまーす!
†月‡日(木)
太陽が降り注ぐ平坦な地の上で、紫の狩人(パープル・イェーガー)と共に、草原に群れしモノの肉塊を喰らう
空虚な箱が満ちた時、最果てからの使者に悠久の彼方へと誘(いざな)われ、漆黒の闇に身を委ねた
菫:…とりあえず照の今日一日を思い出してみよう
尭深:太陽ってことは朝か昼ですよね
淡:喰らう、だから昼ご飯のことー?
誠子:宮永先輩今日何食べてましたっけ?
菫:…!まさか!!
淡:どしたの菫?
菫:いや、今日照に誘われて、二人でお弁当を買って屋上で食べたんだ
尭深:はい
菫:そのお弁当の中身がだな
、
誠子:はい
菫:ハ ン バ ー グ だったんだ
淡:ハンバーグwwwwまさにwwww肉wwww塊wwwwww
誠子:wwwwwwつーかパープル・イェーガーって弘世先輩のことですかwwwwww
菫:なんでイェーガーだけドイツ語なんだよwwwwwwwww
淡:流行りのアニメにでも影響されたんじゃない?
尭深:なるほど、「草原に群れしモノ」はさしずめ牛でしょうか
誠子:それなら「空虚な箱が~」から先は「お腹いっぱいで眠くなってきた」…かな?
淡:【訳まとめ】
○月△日(木)
晴れ。屋上で菫と一緒に昼食のハンバーグを食べた
満腹になったら眠くなってきたので寝ることにした
尭深:ご飯食べて寝ただけなのにこの壮大さ凄い
誠子:テルエル様マジテルエル様wwwww
菫:我が名は紫の狩人(パープル・イェーガー)!!
淡:やめてイェーガーwwwwwwwwww
誠子:なあ、まさか私たちも何か厨二名を付けられているんじゃ…
菫:その可能性はあるかもな
尭深:ちょっと探してみましょうか
淡:いやテルエル様風に言うと…闇の使徒たちよ、汝らに与えられし名を探せ!
誠子:やめろwwwww
尭深:テルエル様風に言うことを「テルエる」と言いたいと思います
菫:【テルエる】…厨二っぽく表現すること。または難しい言葉をあまり意味も考えずに使うこと
淡:じゃあテルエってる過去の日記でも探ってみよー!
誠子:おー!
\ワイノワイノ/
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清澄麻雀部
久「…えーと。宮永照らしき人の(痛々しい)ブログを偶然見つけちゃったんだけど…」
久「咲に知らせといたほうがいいのかしら?」チラッ
/`ヽ . - ─ ─- .
/`ヽ . - ───<_人 _ : : : : : : : : :.┼ .
/ /´ __.rr.─‐┐ノ:´Y´ .: : : : : : : : :_ 人 _: \
し ' r<´ |ll: | : : : : : : /. : : : : : :.`Y´. : : : ヽ
} └ .─ ┴‐─ ┴,. : ://: : : : / : : : : :!: : : : : _人_
> ´  ̄ フ./: : :/: : :.// :./_:/_:/:_: /. : : : : :/:/: : :! : : : ∧
___..斗< /: : :/i: : : :{: : /: /: /: : /`ヽ. :./:/: :i: :.! : : :/:∧
. /: : /´:!: :.:从: :芹竿ミx.:|: : :./:/:`メ: :.! : :/:/:.∧
/: : /!/ |: : : |人{弋 _メckj /:/:/. :ム:リ :/:/: /:.∧
. /: : /人.N: : : | ⌒ ー '' 「笊ckくj /:/:./: /:.∧
/: : //: : ヽ!: : :.| """" 辷..ソXl|: : :/: /: /:.∧
. /: : //__人_:j: : : | , """ノリルイ⌒ `ヽ/:.∧
/: : //: :.`Y´.|: : : ト、 、_ /. :i: :.:| `マ}
ー/: : //: _人_: :.j: : :.:|:.|\ ー ' . イ. :人_ | i
∨`Ⅴ「ー`Y´─.! : : |:.|. \ . イ: :.!:.`Y´. ! ___ 人 ___
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\ \ 从: :.j:.| |N\: : :l: : :!: :.リ:.:.リ l
ト、\ 人: l:.| } jト、 \j : リ: :/: :/
| .\ \ ヽ j\ _ _j ハハ ` <': :./
|:::\\ \ \ ⌒ } i `<}ト、
|: :: :::\\ \ \ .N // ト、
和「咲さんのお姉さんってどんな人なんですか?」
咲「うんとね、何でもできてクールで優しくて、でも麻雀一筋なお姉ちゃんだよ」
咲「私もいつかお姉ちゃんみたいな完璧な人間になりたいんだ」
和「そうですか。お姉さんを尊敬しているんですね」
咲「うんっ!」
\キャッキャッ/
久「………」
久「うん、私は何も見なかった!さて部活部活、と」
つづカン
終わりです
テルーファンの方マジすいませんでした
もっと続けるべき
ネタは考えてるので続きはまた後日あげます
支援ありがとうございました
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