まどか「私、プリキュアになる!」 (144)

立ってくれ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1364488393

 横浜に謎の怪獣が現れてから早一月。世間はいまだプリキュアの話題で持ち切りであった。
 凶悪な闇に力から街を守った正義のヒロイン達の正体は誰も知らない。
 だがそれでも世の少女達は勇ましくも煌びやかなヒロイン達に憧憬を抱いて止まなかった。
 そう、プリキュアの正体は誰も知らない。
 その一人が、大口を開けてあくびをかましながらヨタヨタ歩く様な少女であったとしても世間は知る由もないのだ。


ほのか「なぎさ、おはよう! ……って!! どうしたの、その顔!? 目元、凄いクマよ」
なぎさ「あぁ……ほのか。おはよぉ……」
ほのか「だ、大丈夫? 体調でも悪いの?」
なぎさ「いや〜、昨日の夜アニメ見てたら寝不足でさぁ」
ほのか「……え?」

ほのか「なぎさってアニメとか見るんだっけ? ちょっと意外かも」
なぎさ「いや、元々ドラゴン○ールくらいしか見たこと無かったけど。
    このあいだ黄瀬さんが流行ってるってヤツ貸してくれたんだよね。
    秋元さんも面白かったって言うから観てみよっかなって思って」
ほのか「その様子じゃ面白かったかは聞くまでもないみたいね。でもよく寝不足になるほどテレビ見てて怒られなかったわね」
なぎさ「あぁ、月影さんがポータブルDVDプレーヤー貸してくれたんだ。『アレは家族の前では観ない方がいいわ』って。
    それに実は観たのは4話だけで12時くらいまでなんだけど、続きが気になって寝れなくなっちゃってさ〜」

ほのか「家族の前では、って。ど、どんな作品なの?」
メップル「あの内容は深いメポ。とても一言二言では説明できないメポ。お陰で寝不足メ……ポ……zzZ……」
ほのか「少し気になっちゃうかも……何ていう作品なの?」
なぎさ「あ、気になる? ひかりにも勧めようと思ってたんだけど、ほのかも観た方がいいよ。
    『魔法少女まどか☆マギカ』っていうんだけど。次に貸してもらえる様に黄瀬さんに頼んであげよっか?」
ほのか「う〜ん。アニメって観たことないんだけど、なぎさや月影さん達がそこまで夢中になるなら……」


放課後:通学路
メップル「なぎさ〜、早く続きを観るメポ! きっとマミは本当は無事だメポ! 早く観るメポ」
なぎさ「もう! 言われなくても帰ったら観るわよ! よぉ〜し、晩ご飯までに2話観れそう! まどかそろそろ変身するかなぁ」

−……5話
メップル「この赤いヤツはきっと悪者メポ! 食い意地のはっているヤツにろくなヤツはいないメポ!」
なぎさ「アンタが言うワケ?」

−……6話
なぎさ「えぇー……うっそ。ゾンビとか……ありえないし!」
メップル「今ソウルジェムを拾う時にほむらが瞬間移動したメポ! きっとパッションと同種の能力だメポ!!」

……夕食後
メップル「さぁ、ご飯も食べたし、お風呂も入ったメポ! 7話を観るメポ!」
なぎさ「え〜。あたしもう眠いんだけど……。でも確かに続きも気になるかも……」

−……7話
メップル「やっぱり、食べ物を大切にするヤツに悪いヤツはいないメポ!」
なぎさ「ちょっと恭介ぇぇぇ! さやかを選ばなかったらマーブルスクリュー叩き込んでやるんだから!」

−……8話
なぎさ「ちょっと! アンタ光の勇者なんでしょ! さやかを助けなさいよ!」
メップル「さやかー! 闇に飲まれてはいけないメポー! 明鏡止水の心持ちだメポォー!」

ー……9話
メップル「……zzZ……」
なぎさ「……zzzZ……れいんぼー……セラピー……zzZZ」


1日目
母「なぎさー。起きないと遅刻するわよー」
なぎさ「ぅ……ん。やば……プレーヤー付けたまま寝ちゃった……ってあれ……無い。借り物なのに……」
メップル「……zzZ」
母「なぎさー。転校初日くらい早めに行きなさい! 新しい学校で迷ったら大変でしょう!」
なぎさ「ぅう……ん。別に転校くらい…………転校? 誰が?」
母「もう、寝ぼけてないで顔洗っていらっしゃい。今日が見滝原に引っ越してきて初めての登校でしょう! ごはん用意しておくから早くしなさいよ」

なぎさ「?? ……お母さんこそ寝ぼけてるんじゃないの? ってあれ、制服……変わってる? え? 何で? いつの間に? っていうかさっき見滝原って……」
メップル「なぎさ!! 大変だメポ!!」
なぎさ「何よ!? こっちだって大変なんだから! お母さんは寝ぼけてるし、制服はいつの間にか変わってるし」
メップル「いいから!! ベランダに出て外を見るメポ」

なぎさ「何よいきなり、富士山でもみえr……え? ……ウチって……関東の普通の住宅街にあったはずだよね? え?
    向こうの方に見えるのって……あれ、コンビーフってやつじゃ……」
メップル「それを言うならコンビナートだメポ」
なぎさ「ちょっと……あたしのほっぺ抓ってみて……」
メップル「メポ」
なぎさ「痛たたた……ゆ、夢じゃない!!?」
メップル「部屋は変わった様子は無いメポ」
なぎさ「変わってるって! なんか変な制服あるし」
メップル「メポ? これって、まどマギでまどか達が着ている服じゃないかメポ」
なぎさ「え? ホ、ホントだ……。さっきお母さんが言ってた見滝原ってまどマギの舞台だし。実在する地名だったの?」
メップル「虹の園の土地はよく知らないメポが……メポ!?」
なぎさ「もしかしたらまどかとかマミも居たりして。って! そうじゃなくて!! なんなのこの異常事態!!」
母「なぎさ!!! いい加減に準備しなさい! ご飯とっくにできてるわよ!!」
なぎさ「うぇ!? わ、わかってる〜」
……
母「いってらっしゃい、転校初日だからって張り切りすぎて無茶しないでよ」
なぎさ「う、うん……いってきま〜す」
メップル「……メポ。大変だメポ……」


なぎさ「も〜、どうしよう……。新しい学校って言ったってそもそも場所も分からないし。っていうか、この制服ってやっぱり見滝原中学だよね……。
    実際の学校をモデルにしたアニメだったんだ……。ちょっと、黙ってないでアンタも考えてよ」
メップル「……」
なぎさ「ちょっと、メップル?」
メップル「大変だメポ……」
なぎさ「?」
メップル「プリズムフラワーの気配が全く感じられないメポ……」
なぎさ「えぇ? それって光の園とか他の妖精の世界とこの世界を繋げる架け橋見たいなものだっていうヤツでしょ!? まさかまた闇の力で?」
メップル「それがおかしいんだメポ。まるで元々無かったかの様にまるで気配を感じないメポ」
なぎさ「あ〜もう全くワケ分かんないよこの状況。ほのかだったらきっといいアイデア浮かぶんだろうけど……ってそうだよ。ほのかに電話すればいいじゃない!」
メップル「それだメポ!! 早くミップルの無事を確認するメポ!」
なぎさ「よっし……あれ、通じない。じゃあ、いえ電に……」ピポパポ
メップル「早くミップルの声が聞きたいメポ〜」

『……お掛けになった電話番号は、現在使われておりません。番号をお確かめになって……』

なぎさ「え……? うそ」
メップル「か、掛け間違えたんじゃないかメポ?」
なぎさ「ち、違うわよ。電話帳に入ってるし、いえ電も繋がらないなんて……」
メップル「どういうことメポ!?」
なぎさ「あたしだって分からないわよ! 何で、どうなってんの?」

***「何かお困りかい?」

なぎさ「……! あ、いえ。えと、おかまいn」
***「ボクでよければキミの力になってあげられるけど」
メップル「……メ……ポ!?」
なぎさ「嘘……超ありえない……」
キュゥべえ「どうだい?」

なぎさ「ありえない……ありえないし」
キュゥべえ「そんなに、驚くことはないじゃないか。そこのキミだって通常の人間社会にいる生命体では無いだろう?」
メップル「……」
キュゥべえ「ボクの名前はキュゥべえ。キミさえ良かったらボクとk」
なぎさ「ま、間に合ってますっ!!!」タタタッ

なぎさ「はぁ、はぁ……さっきの、アレってどうみても……」
メップル「ま、間違いなくキュゥべえだメポ」
なぎさ「どうなってんの、もう。って見滝原中学じゃない。走ってる内に着いちゃったんだ……」
メップル「本当にアニメの風景そのままだメポ」
なぎさ「でも何なのこの状況。え〜と朝起きたらいきなり家が見滝原市にあって、何かあたしが見滝原中学に転校することになってて、
    お母さん達はそれが当たり前みたいに思ってて、しかもほのかの家の電話が繋がらなくて、挙げ句の果てにキュゥべえが現れて……」

***「あの、大丈夫?」
なぎさ「え?」
***「具合が優れないようだけど、良かったら保健室まで一緒に行きましょうか?」
なぎさ「って、マ……じゃなくてあの、だ、大丈夫。えっと、転校初日で緊張しただけだから! あははは」
マミ「そう、それなら良かったわ。転校生だったのね。私は3年の巴マミ。もし分からない事があったら何でも聞いてね。私で良かったら力になるわ」
なぎさ「あ、ありがとう。私は美墨なぎさ。私も3年生なんだ」
マミ「じゃあ、同じクラスになるかも知れないわね。分からない事は何でも聞いてね。ぜひ」
メップル(何で2回言ったんだメポ)
マミ「さし当たっては職員室まで案内しましょうか?」
なぎさ「うん、……ありがと」
なぎさ(キュゥべえに続いてマミまで? これってもう完全にまどマギの世界じゃん……どうなってんの!!!?)


職員室

教師「えぇと転校生の3年生の方はと……美墨なぎささんね。よろしく。じゃあ早速教室に向かいましょうか」
なぎさ「あの! 今あたしの届けの他にもう1枚見えたんですけど」
教師「あぁ。2年生にも明日転校生が来るんだよ」
なぎさ(今の紙、確かに暁美ほむらって書いてあった。明日ってことはここがもし、まどマギの世界だとすればキュゥべえは明日まどか達と出会うってこと?)


昼休み

なぎさ(まさか本当にマミと同じクラスになるなんて。当たり前だけど授業は普通にやってるんだよね。
    しかも見滝原中って見るからに進学校だし。あたしよく編入できたもんだよ。まぁベローネでも言えたことだけど)
生徒「美墨さん、体育で凄かったけど何か部活やってたの?」
生徒「どこから来たの?」
生徒「趣味は?」
生徒「お昼、一緒に食べましょう」

なぎさ「あ、あはは。お昼ご飯は巴さんを誘ってみようかな、なんて……」
生徒「え? でも巴さんいつも1人で食べてるし、食べ終わると本読んだり寝たりしてるから……OKしてくれるかな?」
なぎさ(……? まどか達とすぐ仲良くなってたし友達多そうな印象だったけどなぁ)
なぎさ「朝も案内して貰ったしとりあえず誘ってみるよ。誘ってくれてありがと」

なぎさ(キュゥべえは、居ないみたい)
マミ(美墨さん、凄い人気……朝話した時は今度こそ友達できそうって思ったけど、あれじゃあとても……)
なぎさ「巴さん。よかったら屋上で一緒にお弁当食べない?」
マミ「え? 私? お弁当? あ、あぁお弁当ね。えぇぁ、わわ私で良ければご一緒するわ」


職員室

教師「えぇと転校生の3年生の方はと……美墨なぎささんね。よろしく。じゃあ早速教室に向かいましょうか」
なぎさ「あの! 今あたしの届けの他にもう1枚見えたんですけど」
教師「あぁ。2年生にも明日転校生が来るんだよ」
なぎさ(今の紙、確かに暁美ほむらって書いてあった。明日ってことはここがもし、まどマギの世界だとすればキュゥべえは明日まどか達と出会うってこと?)


昼休み

なぎさ(まさか本当にマミと同じクラスになるなんて。当たり前だけど授業は普通にやってるんだよね。
    しかも見滝原中って見るからに進学校だし。あたしよく編入できたもんだよ。まぁベローネでも言えたことだけど)
生徒「美墨さん、体育で凄かったけど何か部活やってたの?」
生徒「どこから来たの?」
生徒「趣味は?」
生徒「お昼、一緒に食べましょう」

なぎさ「あ、あはは。お昼ご飯は巴さんを誘ってみようかな、なんて……」
生徒「え? でも巴さんいつも1人で食べてるし、食べ終わると本読んだり寝たりしてるから……OKしてくれるかな?」
なぎさ(……? まどか達とすぐ仲良くなってたし友達多そうな印象だったけどなぁ)
なぎさ「朝も案内して貰ったしとりあえず誘ってみるよ。誘ってくれてありがと」

なぎさ(キュゥべえは、居ないみたい)
マミ(美墨さん、凄い人気……朝話した時は今度こそ友達できそうって思ったけど、あれじゃあとても……)
なぎさ「巴さん。よかったら屋上で一緒にお弁当食べない?」
マミ「え? 私? お弁当? あ、あぁお弁当ね。えぇぁ、わわ私で良ければご一緒するわ」


……屋上
マミ「美墨さん、凄い人気だったわね。体育でも活躍していたし」
なぎさ「あ〜確かに、ベローネでも女子からばっかりラブレター貰ってたっけ」
マミ「それは、うらやま……じゃなくて凄いわね。確かに美墨さんってボーイッシュな格好良さがあるものね」
なぎさ「あぁ、なぎさでいいよ」
マミ「!? じゃ、じゃあ私のこともマミって呼んで!」
なぎさ「うん。よろしく、マミ」
マミ(凄い! まさか下の名前で呼び合える人間の友達ができるなんて! 運命って突然変わるものなのね!)
なぎさ(う〜ん、魔法少女のこと聞きたいけど、なんて切り出したらいいんだろ)

キュゥべえ「おや、マミが誰かと一緒にいるなんて珍しいね」
マミ(好き好んで独りで居るわけでは無いのだけど……)
なぎさ「げ、キュゥべえ……」
キュゥべえ「やあ、今朝はどうも」
マミ「え!? みs……なぎささんキュゥべえのことが見えるの?」
なぎさ(やばっ、そう言えば普通の人には見えないんだっけ)
なぎさ「え、あ。うん。いやー何なんだろうねこの不思議生物」
キュゥべえ「ヒドいなぁ。自己紹介なら朝したし、キミだって今ボクの名前を呼んだじゃないか。それにキミの友人だってボクと似たような存在なんじゃないのかい?」
マミ「友人?」
メップル「メポォ! お前みたいなのと一緒にして欲しくないメポ!」
マミ「!?」

なぎさ「うわっ! 何で出てくるワケ!? さらにややこしくなっちゃうじゃん」
マミ「なぎささん、その子は? ……もしかしてなぎささんも魔法少女なの?」
キュゥべえ「いや、彼女から魔法少女の力は感じないよ」
メップル「なぎさは魔法少女じゃなくてプリky……むぐ」
なぎさ「ま、魔法少女って? 何なのか気になるな〜なんて……」

マミ「魔法少女っていうのはキュゥべえと契約した女の子のことなの。平和を脅かす魔女と戦うかわりに、何でも1つだけ願いが叶えてもらえるんだけど。そっちの子も?」
メップル「メップルだメポ」
マミ「メップルも何か願いを叶えてくれたりするのかしら?」
なぎさ「え〜いや。特には無いかなぁ」
キュゥべえ「つまり、なぎさがボクと契約する事には何の問題も無い訳だよね。改めて、なぎさ、ボクと契約して魔法少女になってよ」
なぎさ「あ……いや」
キュゥべえ「代わりにどんな願いでも一つだけ叶えてあげられるよ」
マミ「キュゥべえ、ちゃんとなぎささんの意思を尊重しないとダメよ!」
なぎさ「マミ……ありがと」
マミ「願いが叶うと言えば聞こえはいいけど、代償として魔女との危険な戦いを行うことになるし。
   ……そうだわ。なぎささん、よかったら放課後に私の魔女退治を見学してみない?」

なぎさ「え゛?」
なぎさ(それってアニメでまどか達がいたポジションじゃない)
メップル(なぎさ! これはもしかしたらマミを助けるチャンスかも知れないメポ! 未来を変えるメポ!)
なぎさ(そっか! ほむらが転校してくるのは明日、1日早く知り合ったあたしならアニメ3話の悲劇を変えられるかも!)
メップル「それはいいアイデアだメポ!」
なぎさ「うん。マミさえよかったら、ぜひ見学させてよ」
メップル(なぎさ、間違っても契約してくれるなメポ)
なぎさ(はいはい、分かってるって)
マミ「じゃあ今日の放課後から早速魔法少女体験コース、開催ね! 大丈夫、なぎささんのことは私が必ず守るわ!」


放課後:郊外
マミ「それにしてもメップルとなぎささんはどういった関係なの?」
なぎさ「えっと、地上げ屋に住処を追われたコイツをあたしが匿ってあげたんだ。それだけ……あはは……ホントそれだけ」
マミ「そ、そう……なんだか不思議な関係ね……。じゃあメップルはキュゥべえみたいに力を与えてくれる訳では無いのね?」
なぎさ(……マミには悪いけどここは誤魔化した方がいいかも。どうせ1人じゃ変身もできないし)
なぎさ「うん。まぁそういうのは無いかなぁ。おまけに誰にでも見れちゃうから大変だし」
マミ「でも羨ましいわ。なぎささんは素敵な友達に恵まれてるのね」
なぎさ「コイツがぁ〜? でも確かに地元に残してきた友達のことは心配かなぁ」
マミ「え? 他にもメップルみたいな友達が?」
なぎさ「え? あははは、まぁコイツみたいなのもいるっちゃいるけどね。……ほのか、心配してるだろうなぁ。
    リナやシホにも何も言わずにこっち来ちゃったし、あぁ、アカネさんのたこ焼き食べたいなぁ。咲やのぞみ達ともまた会いたいし……」

マミ「なぎささん、お友達が凄く沢山いるのね」
なぎさ「マミは? やっぱり魔法少女の仲間とか欲しいなって思ったりするの?」
マミ「そうね。昔は一緒に戦ってくれた子が居たんだけど、魔法少女なりの理由もあってね。今は別のところで戦っているわ。
   それにやっぱり危険を伴うことだから誰彼かまわず誘う訳にもいかないしね」
なぎさ(アニメではとくにそういうシーンは無かったけど、一緒に戦ってた子がいたんだ……)
メップル「大丈夫! マミのことはボクとなぎさがしっかり守るメポ!」
なぎさ(うん! 流石に魔法少女になる気はないけど、マミのことは絶対助けなきゃ! 皆を守るために戦ってあんなことになっちゃうなんて、絶対に間違ってるよ!)
マミ「ありがとう。凄く心強いわ。でも魔女が現れたら、危ないから私の後ろから絶対に離れないでね」
なぎさ「は〜い」
マミ「っと、早速ソウルジェムに反応があったわね」


廃ビル
マミ「それじゃ魔法少女の戦い、しっかり見ててね。なぎささん」
なぎさ(魔女じゃない……使い魔?)
マミ「はぁっ!」
なぎさ(う〜ん決め台詞無しで変身っていうのも結構クールでいいかも)

−−−ズガガガッ!! ドンッ!

マミ「そこっ! レガーレ・ヴァスタアリア!!」
なぎさ(あたし達ももうちょっと気軽に使える飛び道具あればなぁ)
マミ「これで、トドメ!」
なぎさ「やった!」
メップル「いや、後ろだメポ!」
マミ「ッ!」

−−−ドガンッ!

マミ「っ! 不意打ちなんて、味のあることしてくれるわね」
なぎさ「……ぇ? あれって……」
メップル「メポ……」
影「コワイナァァァーー」
なぎさ「うっそ……」
マミ「見かけない使い魔だけどっ! はぁ!!」

−−−ズガガガガ……


なぎさ「ちょっと、あれって……なんでコワイナーがここにいるのよ!?」
メップル「そんなこと言われても分からないメポ!」
マミ「ティロ・フィナーレ!」

−−−ズゥゥゥゥン……

マミ「ふぅ。今度こそやったみたいね。どうだったかしら。初めての魔女退治は?」
なぎさ「え、あぁうん。お疲れ様」
マミ「ふふ、ちょっと緊張させちゃったかしら」
なぎさ(何で、どうして……)
マミ「良かったらこの後、私の部屋に寄っていかない? ケーキと紅茶をご馳走するわ」
なぎさ「え!? 行く行く! うわー、『マミさんケーキ』! 超楽しみ!」
マミ「ふふっ、なぁにそれ?」


……同刻:囚われた世界 隣街
織莉子「この部屋は自由に使って頂いて構わないわ」
***「うっわー。素敵なお部屋!」
織莉子「使っていない部屋だから気にせずくつろいで頂戴」
***「いきなり訳分かんないところに来ちゃって、どうしようかと思ったけど織莉子さんと出会えてよかったよ〜」
織莉子「私も貴方の様な友人が出来て嬉しいわ。夢原のぞみさん」
のぞみ「よ〜し。明日は織莉子さんに恩返しするぞ〜! けって〜い!」

……同刻:虹の園 杉並区 有限会社シャフト
***「ふふふ、すでに2人が囚われた……。 絶望が定められた世界でいつまで笑っていられるかしらぁ……プリキュア」
***「んっふっふ。愉快な事になりそォォですねェェェ」

2日目
なぎさ「今日はいよいよほむらが転校してきて、マミとまどか達が出会う日。途中までしかアニメを見てないあたしには理由は分からないけど、
    ほむらはまどかのことを大切に思ってる。ソウルジェムが何なのかを知ってるあたしからすればキュゥべえを敵視するのは頷けるけど……」
メップル「あいつはどうしようもないヤツだメポ! 同じマスコットとして、絶対に許せないメポ!」
なぎさ「あぁアンタ、マスコットだったんだ」
メップル「普通の女の子に強引に迫って契約を取り付けるなんて最低だメポ。時に強引に、時に弱みにつけ込んで、時に泣き落としで、
     これはもう詐欺を通り越して押し売り、マスコットの風上にもおけないクズ野郎だメポ!」
なぎさ「……」
マミ「なぎささん、おはよう」
なぎさ「あ、マミ。おはよ!」
キュゥべえ「やあ、なぎさ。おはよう」

なぎさ「マミ、今日も魔女退治行くんでしょ?」
マミ「ええ、なぎささんさえ良かったら一緒にね」
なぎさ「じゃあさ、今日はショッピングモールの方行こうよ。確かCDショップの近くに工事中のビルとかあったよね。」
なぎさ(まぁ実際には行ったこともないけど)
キュゥべえ「やあ、メップルだったかな。キミもおはよう」
メップル「あー、あそこはいかにも魔女が出そうだメポ。いや、きっと出るメポ」
マミ「あら、早くも魔女探しのコツが掴めたのね。あそこは私もチェックしようと思っていたし、じゃあ放課後の予定は決まりね」
なぎさ(これで、まどか達と出会える……。私には魔法少女の力も無いし、一人じゃプリキュアにも変身できないけど……あんな悲劇、絶対間違ってる!
    マミやさやかがどうなるかを知っているのはあたしだけなんだ! 絶対みんなを救ってみせる!)

……放課後
なぎさ「マミ、早く早く!」
マミ「ど、どうしたのなぎささん? そんなにあわてて」
なぎさ(先回りして上手く立ち回ろうと思ってたのにホームルームがあんなに長引くなんて……あ〜も〜ありえない!
    キュゥべえは居ない。やっぱりまどかを勧誘しに行ってるんだ……)
マミ「それになぎささん、CDショップ裏のビルに行きたいって言ってなかった?」

なぎさ「うん! 早く行かないと!」
マミ「えっと……あの、なぎささん!」
メップル「……?」
なぎさ「……?」
マミ「あのね……逆方向よ。それ」
なぎップル「……えええ〜〜〜!!!?」

同刻:工事中のビル
さやか「あ、あれ……非常口は? どこよここ……」
まどか「変だよ、ここ! どんどん道が変わっていく……」
さやか「冗談だよね!? 私悪い夢でも見てるんだよね? ねぇまどか!」
使い魔「ja,schneiden wir sie ab.」
さやか「ひっ……」
まどか「い、いや……助け……」

なぎさ「でぇぇいやぁ!!」

−−バキッ!

まどか「え?」
なぎさ「間に合った! マミ! 早くこいつらを!」
キュゥべえ「……!? なぎさ?」
さやか「あの棒……ラクロスのやつじゃ……それに見滝原の制服!?」
なぎさ「マミ! ってあれ……」
メップル「マミならまだ後ろだメポ! なぎさの脚が速すぎるんだメポ!」
なぎさ「え、うっそ!!」
キュゥべえ「このままじゃ危険だ! なぎさ、早くボクと契やk……」
なぎさ「でりゃぁ!」

−−ドカッ! バキィ!!

なぎさ(ドツクゾーンのヤツらに比べたら全然遅い!)
キュゥべえ「」
なぎさ「だぁ!」

−−グシャ!

使い魔「」
さやか「あんなに囲まれてるのに……す、すごい」
マミ「はぁ……はぁ……なぎささん大丈夫!? 今助け……」
なぎさ「これで、ラストォ!」

なぎさ「ふぅ、2人とも大丈夫?」
マミ(私は身体能力を強化してたはずなのに。なぎささん、何て脚の速さなの?)
まどか「あ、ありがとうございます。でも、今のは?」
ほむら「……」
さやか「あ、あいつ!」
マミ「魔女なら逃げたわよ。仕留めたいなら今回は譲ってあげるわ」
ほむら「私が用があるのは……」
マミ「飲み込みが悪いのね。見逃してあげるって言ってるのよ」

なぎさ「まぁまぁ、キュゥべえを傷つけたのにも理由があるかも知れないしさ。だよね、暁美さん。何ならこの後一緒にお菓子でもつまんでさ」
ほむら(何なの? こんな人、今までのループでは一度も登場していない。それに今の戦闘、魔法少女の力を使っていないのに打撃だけで……戦い慣れしている)
マミ「キュゥべえにこんなに怪我を負わせたんですもの。いくらなぎささんの頼みでも!」
ほむら(織莉子の例もあるし、慎重に行動した方が良さそうね)
ほむら「キュゥべえを傷つけたことはお詫びするわ。それじゃ」
なぎさ(行っちゃった……出だしは失敗かぁ)


……マミ宅
さやか「じゃあ、あの転校生は将来の商売敵を増やさない為にキュゥべえを狙ってたと」
キュゥべえ「おそらくはそんなところだろうね」
さやか「酷いヤツだね。大丈夫だよ、まどか。次に来たら私がぶっ飛ばしてあげるから」
まどか「う、うん」
マミ「はい、なぎささん。ケーキのお代わりよ。紅茶もどうぞ」
なぎさ「やったー。このケーキ超おいしーよマミ。紅茶もサイコー!」
メップル「おいしいメポー」

同刻:虹の園 美墨家
ほのか「何……これ。家具も何も無い。まるで丸ごと何処かへいってしまったみたい」
ミップル「メップル……心配ミポ」
ひかり「ほのかさん。これ、見て下さい」
ほのか「ポータブルDVDプレーヤー? 確か一昨日なぎさ、魔法少女のアニメが面白いって。なぎさの失踪と何か関係があるかも知れないわ」
ひかり「なぎささん……必ず助けますからね」

3日目
昼休み
さやか「まどか。願いごと、何か考えた?」
まどか「ううん、さやかちゃんは?」
さやか「私も。いくらでも思いつくと思ったんだけどなぁ」
キュゥべえ「意外だなぁ。大抵の子は二つ返事なんだけど」
さやか「きっと私たち、幸せバカなんだよ」
まどか「うん……でもさ……」

なぎさ「やっば〜、クラスの皆の質問責めのお陰で遅れちゃったよ。マミは先に行っちゃうし……」
ほむら「……」
メップル「……! ほむらだメポ!」
なぎさ「やった。ナイスタイミング! ほむ……暁美さん!」
ほむら「……!? 美墨なぎさ……」
なぎさ「まどか達のところへ行こうとしてるんでしょ? 一緒に行こ」
ほむら「遠慮しておくわ……私は貴方のことを信用していない」
なぎさ「まどかを魔法少女にしないようにすればいいんでしょ! 私に任せてよ! キュゥべえの思い通りになんてさせないから!」
ほむら(何なのこいつは……? 何を知っているの? 織莉子と同種の能力?)
なぎさ「ほらほら、早く早く」
ほむら「……」

……屋上
さやか「あ、なぎささ〜んってうぉぇ! 転校生!?」
まどか「ほ、ほむらちゃん。なぎささんと知り合いだったの?」
なぎさ「まぁね。ほら昨日言ってた魔法少女体験コースあるじゃない? 先生2号として暁美さんも一緒に行ってもらおうかと思って」
マミ「ちょ、ちょっとなぎささん!」
さやか「あ、マミさんいたんですか?」
マミ「影ながら後輩達を見守って……ってじゃなくて! なんでキュゥべえを傷つけた子を一緒に!?」

なぎさ「まぁまぁ、暁美さんだって事情があったのかも知れないじゃん」
マミ「だからって友達を傷つけられて無かったことになんて出来ないわ!」
まどか「で、でも……」
なぎさ「そのことはしっかり話し合えばさ、ね?」
ほむら「せっかくだけど遠慮するわ」
なぎさ「え?」

ほむら「あなた達と一緒に戦うことは出来ないわ」
マミ「……」
ほむら「でも……」
なぎさ「ん?」
ほむら「誘ってくれたことには……感謝するわ」

……放課後

キュゥべえ「頑張って。もうすぐ結界の最深部だ」
マミ「見て! あれが魔女よ!」
さやか「うわぁ、グロ」
マミ「はぁ!」
さやか「あれ? なぎささんは今日は戦わないんですか?」
なぎさ「え?」
さやか「え?」
まどか「?」
さやか「そのラクロスのヤツみたいな武器で」

なぎさ「いや、これ普通のスティックだよ。だってあたし魔法少女じゃないし」
さやか「……えぇぇええ!? だって昨日あんなに鮮やかに使い魔を倒してたのに!? てっきり魔法少女なんだと思ってました!」
まどか「す、凄いです。魔法少女じゃなくてもあんなに戦えるんですね」
マミ「痛っ! 後輩が見てる前でカッコ悪いところ見せられないものね……ティロ・フィナーレ!」
−−ズゥゥゥン!!
マミ「ふう。2人ともどうだったかしら初めての魔女退治は?」
さやか「なぎささんマジパネェっす」 ワイワイ
まどか「私もなぎささんみたいになれたらなぁ」 キャッキャ
マミ「」


……同刻:虹の園 雪城家

ひかり「これは……とても悲しいけれど、とても優しい物語ですね」
ポルン「ポポ……まどか、可哀想ポポ」
ほのか「ええ。でもなぎさの失踪との関係は分からないわね」
ひかり「でも何もかも無くなっていたなぎささんの家に、このDVDだけが残されていた……きっと何か繋がりがあるはずです」


……同刻:囚われた世界 隣町

影「……コワイナァ……」 シュゥゥゥ
キリカ「ふん、見かけない使い魔だったね。大したコト無いけど」
ゆま「やったーー! キリカ、すごーい」
のぞみ「ぇぇええ、なんでコワイナーが……」
織莉子「……」


4日目

キリカ「織莉子! いつまであの変なヤツを住ませておくのさ!」
織莉子「何を怒っているの? キリカ」
キリカ「心配なんだよ織莉子! あんなヤツと一緒に居たらキミの頭の中までお花畑になっちゃうよ!」
織莉子「あら、それはとても楽しそうね」
キリカ「うん、そうなったら私がしっかり織莉子のメンドーを見て、ってそうじゃなくて、あんなアホ女を何故助けるのさ!?」
織莉子「……」
キリカ「織莉子?」

織莉子「……彼女は何かを隠しているわ」
キリカ「うん。それは知ってるよ。昨日もあの変な仮面を付けた使い魔を見て騒いでたし。たまにプラキュリだとか意味不明なこと言ってるし」
織莉子「それに、彼女に関する未来が全く視えない」
キリカ「!?」
織莉子「これまで何度未来を視ても世界の終焉は避けられなかったわ。もし事態に介入すれば、経緯はどうあれ必ず暁美ほむらに敗北して私たちの未来は潰える。
    でも未来に囚われない彼女の存在を上手く利用すればあるいは……」
キリカ「……分かったよ」

のぞみ「あれ、何の話してるのー? キリカさん達も一緒に遊ぼーよー」
ゆま「おりこー。のぞみに絵本読んで貰ってたんだよー。キリカもよもー」
キリカ「あ〜はいはい」
織莉子「……戦力は揃ったわ。あとは鹿目まどかを倒して、結末を変える!」


なぎさ「ついに……」
メップル「この日が来たメポ」
なぎさ(マミは今日お菓子の魔女と戦う……絶対に助けて見せるんだから!!)
教師「美墨さん」
なぎさ(例えプリキュアの力が使えなくても! あたしにだってきっと何か出来るはず!)
教師「美墨さん」
なぎさ(アニメ8話のあと、さやかがどうなったのかも気になるけど……まずはマミを助けなきゃ!)
教師「美墨さんっ!!」
なぎさ「!? ……あ、はい!」
教師「聞いていましたか? 宿題を忘れたなら今日の放課後は居残りで課題プリントを終わらせて提出してください」
なぎさ「え?」
教師「?」

なぎさ「ぇぇぇぇえええええええええええっ!」


……放課後

なぎさ「やばいやばいやばい」
マミ「ふふ、どうしたのなぎささんてば。大丈夫。分からない所は私がしっかり教えてあげるもの。友達なんだから」
なぎさ「うん、ありが……」

♪〜ソルティ オライ〜 アマリッチェ キャンティア マッサ エスティッア〜〜 ♪

マミ「あら、美樹さんからだわ。もしもし?」 ピッ
なぎさ「ぎゃぁぁぁぁぁ」
マミ「え? えぇ。分かったわすぐに行くから! 絶対に結界の中には入らないで!」 ポチッ
なぎさ(今日に備えてせっかくみんなでアド交換しといたのに、これじゃ台無しだよ〜)
マミ「ごめんなさい。少し出てくるわ。なぎささんはお勉強しっかりね」 タタッ
なぎさ「あ! マミ! ……行っちゃった」
メップル「追いかけるメポ!」
なぎさ「分かってるわよ! もう!」

……

なぎさ「全速力で走ればきっと追いつけるはず……って!?」
メップル「メポ!?」
影「コワイナァーー」
マミ「っく!」

−−ズガガガガッ!

なぎさ「うっそ、ありえない! マミ!」
マミ「……! なぎささん? 課題のプリントは?」
なぎさ「そんな場合じゃないって!」
マミ「そ、それもそうね。美樹さんから病院に孵化寸前のグリーフシードがあるって連絡が来たんだけど、途中でこいつに襲われて……」
なぎさ(ちょっと……なにコレ! こんなの予想外すぎるよ! まどか達も病院の人も心配だけど、マミも心配だし……あ〜も〜、こうなったら!)
なぎさ「ちょっと」
メップル「何だメポ?」

改稿しないと読みにくい

……

まどか「マミさん……まだかな」
さやか「……どうしてもって時はあたしが……!」
キュゥべえ「ボクはいつでも構わないよ。決意が固まったら言ってよ」
まどか「……さやかちゃん……?」
さやか「キュゥべえ、私……」
メップル「ちょっと待ったメポ!」
さやか「!?」
まどか「え? メップル!?」

キュゥべえ「やれやれ、またキミか」
メップル「さやか。それには及ばないメポ」
さやか「どういうことよ? マミさんとなぎささんは?」
メップル「マミはここに来る途中で別の敵と戦ってるメポ!」
さやか「じゃ、じゃあどうすんのさ! アンタが代わりに戦うの?」
メップル「戦える者は他にもいるメポ! 力を貸してくれメポ!」
まどか「……?」
さやか「……?」
キュゥべえ「……」
メップル「……」

ほむら「……」
さやか「……? うわ!? いつの間に!?」
まどか「ほむらちゃん!?」

>>26
こう?


ほむら「魔女は私が倒すわ。貴方達はここで待っていて」

さやか「なっ、アンタのことなんか信用できねーって! まどかとキュゥべえを襲っておいて何言ってんのさ!」

メップル「でもマミが来れない以上はほむらに頼むしか無いメポ!」

さやか「だから私が契約して……」

ほむら「美樹さやか、貴方は病院にいる人たちを守りたいの? それとも魔女と戦ってヒーローにでもなりたいの?」

さやか「な、何を!」

ほむら「どうするのが最良か、分かっているはずよ」

さやか「……」

まどか「さやかちゃん。……ほむらちゃん、お願い! 病院の人たちを魔女から守って」

ほむら「元々そのつもりで来たわ……それじゃあ、行ってくるから貴方たちはここで待っていて」


……

まどか「あ、マミさん! こっちです」

マミ「はぁ……はぁ……。もう結界が展開されている!? 2人とも大丈夫?」

まどか「あの、実はほむらちゃんが戦いに行ってくれてて……」

なぎさ(メップル……GJ! 心配じゃない訳じゃないけど、ほむらならアニメでもあの魔女を圧倒してたし)

マミ「心配ね。一応助けに行きましょうか……ってあら」

まどか「結界が消えていく」

さやか「転校生、魔女を倒してくれたんだ」

なぎさ(やった! これでマミは助かったんだ!)

−−ドガァン!

さやか「うわっ! な、何か飛んできた!?」

マミ「!?」

なぎさ「……え? うっそ……」

−−ゴロゴロ……ズシャ

ほむら「ぅくっ……」

なぎさ「ほむら! なんで!?」

まどか「ほ、ほむらちゃん! 大丈夫!?」

なぎさ「な、何で!? 結界は消えたし魔女は倒したんじゃ? それにほむらがやられるなんて……」

ほむら「……どういうこと。あんな魔女……見たこと無い!!」

***「あらぁ。魔女魔女ってひどいわねぇん。あんなものと一緒にされるなんて心外だわぁ」

さやか「何あれ!? オ、オカマ!?」

なぎさ「……あ、ありえないし!」

メップル「シャ、シャ……シャドウだメポ!!」

シャドウ「うふふふふ〜ん。絶望に囚われたこの世界、さいこぉう。ワタシのものにしちゃいたいわぁ」

なぎさ「アンタ! ブラックホールの時にココ達にミラクルライトの力で浄化されたはずじゃ!?」

シャドウ「はぁ? ブラックホォル? 何言っているのぉ? それにあんな妖精ごときにワタシが負けるはずないじゃなぁい?」

なぎさ(ブラックホールを知らない? 以前のぞみ達が倒したっていうオリジナルの方なの!?)

シャドウ「それよりもこの世界は気にいってくれたかしらぁ? キュアブラック?」

まどか「きゅあぶらっく?」

なぎさ「アンタがあたしをこの世界に!?」

シャドウ「あのDVDとか言うのに仕込んだ鏡の力で招待してあげたのよぉん。アニメはどうだったかしらぁ? この世界で起きることを参考に、わざわざ優秀なスタッフを集めて作らせたのよぉ。でも一人じゃ何も出来ないなんて可哀想ねぇん。……イジメたくなっちゃうわぁ♪」

なぎさ「どうしてあたしを!?」

シャドウ「貴方を狙ったワケじゃないわぁよぉん。ただあの鏡のトラップは単純な思考のおバカさんであればあるほど効きやすいの」

なぎさ「え? ガ、ガーン……」

シャドウ「まぁ、それはさておき、知っての通りワタシの狙いは貴方じゃないのぉん。でも、そこの子の能力はこの世界を真のバッドエンドにするにはちょっと邪魔なのよねぇ。だ・か・ら、2人まとめて始末してあげる」

なぎさ「……っく!」

マミ「……」 ジャキッ

なぎさ「マ、マミ!?」

シャドウ「あらぁ、何のつもりかしらぁ?」

マミ「あら、大切な友人を変態から守っているつもりなのだけど。今の質問は貴方に変態という自覚が無かったことによるものでいいのかしら?」

シャドウ「うふふ。貴方、命が惜しくないようねぇん。さすが死の因果に囚われているだけのことはあるわぁ」

マミ「何を! トッカ・スピラーレ!」

シャドウ「遅いわねぇ♪」

マミ「……!」

−−バキィッ!

マミ「あぐっ! 痛っ!」

ほむら「止しなさい! そいつは普通じゃないわ!」

マミ「この……ティロ・フィナーレッ!!!」

−−ドォォォォン……

まどか「やった!」

シャドウ「うふふふふふ。いいええん。やっちゃうのは……これからよぉ!!」

ほむら「っく!」 カチッ……

−−……

シャドウ「無駄無駄よぉん。鏡の世界に生きるワタシに時間なんて低俗な概念は無いものぉ!」

ほむら「このっ!!」

−−ボンッ!

シャドウ「爆弾も、ム・ダ♪ むしろ時間が止まっている間にワタシも他のコにやりたい放題ねぇん」

ほむら「……! やめっ……」

シャドウ「なんちゃって♪」

−−ドコォ!

ほむら「かはっ……」 カチッ……

……−−

ほむら「……」

マミ「……」

さやか「マ、マミさん!」

まどか「ほむらちゃん!!」

なぎさ「何てことを……アンタ、こんなことして何が目的な訳!?」

シャドウ「勿論、世界すべてを手に入れる為よぉ! キュアドリームに負けて世界の狭間を彷徨っていたら、おもしろいヤツと知り合ってねぇん。手始めに選んだこの世界にプリキュアを招待したってワケ」

なぎさ「酷い……ただでさえピンチのこの世界で好き勝手やって!」

シャドウ「どうせ因果に囚われた子よぉ♪ 貴方アレを見たなら知ってるんでしょぉ。そっちのコも友達を助けたいだか何だか知らないけど延々ムダなことやっちゃって……気づいてないんでしょうけど、貴方が守りたがってるコ、因果の特……」

なぎさ「黙れ! 好き勝手言って、必死で戦ってる人のこと笑って……アンタ、絶対、絶対に許さないっ!!!」

ほむら「……美墨……なぎさ……」

なぎさ「キュゥべえっ!!!」

キュゥべえ「何だい?」

なぎさ「契約する! あたし、魔法少女になる!!」


メップル「え?」

キュゥべえ「え?」

シャドウ「……ぷっ♪ 変身出来ないからって自棄になったのかしらぁ。アニメ、見たんでしょぉ。この世界の条理は狂ってるわ。実にワタシ好み。それでも魔法少女になりたいだなんて貴方も狂っちゃったのかしらぁ?」

なぎさ「キュゥべえ!」

メップル「なぎさ! やめるメポォ!」

キュゥべえ「いいだろう。美墨なぎさ。キミの願いご……」


なぎさ「あたしを今すぐ!! プリキュアに、変身させてっ!!」


ほむら「?」

マミ「な……なぎささん……逃げて……」

シャドウ「っな!?」

キュゥべえ「ボクの理解は及ばないが、世界の理には認められたようだ。美墨なぎさ、キミの願いは今かなえr……」



なぎさ「オーロラ・ウェイィィブ!!」 カッ!!


ほむら「……!?」

さやか「まぶしっ」

まどか「す、すごい光……」

マミ「いったい何が……」

キュゥべえ「なんという力だ。エントロピーがめちゃくちゃだよ」

ブラック「……光の使者、キュアブラック!!」

シャドウ「んな!?」

ブラック「しぇーなる泉を……じゃなかった。えっと、闇の力の……おしべ? 調べ? じゃなくて……あれ、なんだっけ」

まどか「……」

さやか「……」

シャドウ「……」

ブラック「あ〜〜もう!! とっとと! おウチに!!」

シャドウ「……っ!!」

ブラック「帰りなさいっ!!!」

−−ドゴォ!!!

シャドウ「……〜〜ッ!!」

マミ(速い……!)

ほむら(それに、なんて凄まじい…………打撃ッ!)


シャドウ「うぐ……へ、変身出来たところで……ワタシはキュアドリームをあと一歩の所まで追いつめたこともあるのよぉ! それに貴方は確か1人じゃ必殺技すら……」

ブラック「でえぁぁぁぁああ」

−−ドスッ!!

シャドウ(ただの打撃が何でこんな……に……重いのよぉ!)

ブラック「だりゃぁ!」

−−バキッ! ズンッ!!

シャドウ「びゃぶぁ」

ほむら「今よ! 援護を!」 ジャキ……

マミ「えぇ!!」 チャキ……

−−ズガガガガガッ……

シャドウ「……ぁがは……ッ! うぐ! 今日の所は退いてあげるわぁ。でも忘れないことねぇ。この世界で……」

ブラック「はぁぁぁっ!!」

シャドウ「ひぃっ」 シュバ!!


……

マミ「た……助かったの?」

ほむら「その様ね……」

マミ「恐ろしい魔女だったわね。あんなに強い魔女見たことないわ。喋っていたし……それに……魔女なのになんだか……男性の様に見えたわ」

さやか(マミさんあれ、素で言ってるのかな)

まどか(あはは、どうだろ)

ほむら「あいつは魔女では無いわ。病院にあったグリーフシードから生まれたのはお菓子の魔女。私が倒したわ」

マミ「え? じゃあさっきのは」

ほむら「魔女を倒したあとに突然現れたのがあいつ。信じがたい強さだったわ」

まどか「なぎささん、あの人のこと知ってたみたいですけど」

ほむら「それに、あのとんでもない力は何? さっき言っていた意味不明な願い事と関係があるの?」

なぎさ「え゛? えっと……」

メップル「あいつはシャドウだメポ。そしてなぎさは伝説の戦士プリキュアだメポ!」

マミ「プリ……」

さやか「……キュア?」

なぎさ「あ〜言っちゃった」


メップル「シャドウは鏡の国を襲ったワルモノだメポ。なぎさとは別のプリキュア達に倒されたはずだったけど、きっと水晶と鏡の力でこの世界に逃げてきていたんだメポ」

ほむら「この世界? 他にもそのプリキュアがいるということ?」

メップル「あ……。ま、まぁ他のプリキュアはちょっと遠くにいるメポ」

マミ「凄いわ。あんなに強い相手を倒したなんて……ほかのプリキュアという人たちも皆そんなに強いのかしら? どうやったらなれるの?」

キュゥべえ「マミ?」

なぎさ「う〜ん、プリキュアはみんな結構、力の種類とか質が違うんだよね。闇の力の浄化が一番得意だったり精霊の加護を受けてたり、チーム戦が得意だったり、必殺技の威力がとにかくバカでっかかったり」

マミ「必殺技があるの?」 キラキラ

なぎさ「まぁとにかくあたしがいる限りシャドウに手出しはさせないからさ」

キュゥべえ「残念だけどそれは難しいんじゃないかな?」

なぎさ「え?」

キュゥべえ「キミが願ったのは『今すぐプリキュアに変身させる』ことだ。そしてキミは今変身を解いてしまった」

なぎさ「え……またまた〜そんな」

キュゥべえ「これからは普通の魔法少女として戦うことになるだろうね」


なぎさ「オーロラウェーブ! うそ! おーろらうぇーぶ!!! おーろらうぇーぶ!! あ、あ、ありえないし!! どうすんのよ!」

メップル(何のつもりだメポ!!! さっきのシャドウの強さを見ただろメポ! 魔法少女じゃ太刀打ち出来ないメポ!あいつに魔法少女や魔女がやられたらお前だって困るだろうが、あァん!?だメポ!!」

キュゥべえ(何を言っているんだい。訳が分からないよ)

キュゥべえ「残念だけど、すでに叶えられてしまった願いを訂正する術は無いよ」

マミ「な、なぎささん……まさか……」

ほむら「ちょ、ちょっと……」

なぎさ「ま、魔法少女なぎさ……頑張ります」

マミ「なん……」

ほむら「……ですって?」


同刻:虹の園 雪城家

ほのか「……」

かれん『……もしもし? 雪城さん?』

ほのか「い、今の話……本当なの?」

かれん『はい……。もう3日目になります。学校にも来ていませんし家にも帰ってないみたいで、シロップ達にも手伝って貰って総出で捜索しているんですが……』

ほのか「……そんな……なぎさだけじゃ無かったの?」


5日目

さやか(昨日のなぎささん、凄い戦いだった。私もあのプリキュアは無理でも……魔法少女にならなれるんだよね……。あんな風に戦えるかは分かんないけど私が決心しさえすれば、恭介はまたバイオリンが弾けるんだ……)


放課後:校門

さやか「なぎささん、これからちょっと時間あります?」

なぎさ「ん? あるけど、どうかしたの?」

さやか「はい。ちょっと相談が……」

なぎさ「じゃあさ、ショッピングモールの方行こうよ! 昨日美味しそうなタコ焼き屋さん見つけたんだ〜!」 ジュルリ

さやか「え、あ、はぁ」


……

さやか(め、めちゃくちゃ買ってる……)

なぎさ「よっしゃ〜。タコ焼きゲット!! ノーマルにネギ、てりたま、チーズ明太も! そうだ、せっかくだし公園で食べようよ!」

さやか「あぁ、それならそっちの路地が近道ですよ」

なぎさ「じゃあ行こう! そう言えば相談って?」 テクテク

さやか「はい……なぎささん、他人の為に願い事をするって……どう思いますか?」

メップル(……!? なぎさ、チャンスだメポ! さやかを止めるメポ! 魔法少女にしちゃいけないメポ!)

なぎさ「え? 勿論いいことだと思うよ? でもその結果、誰かが不幸になるのは間違ってると思う!」

さやか「!?」

なぎさ「例えばそれが、さやか自身でも」

さやか(なぎささん、もしかして……)

なぎさ「誰かが幸せになった分だけ誰かが不幸になるなんて絶対にありえない!もしも、さやかが誰かの幸せを願って、魔法少女になって、どんなことがあっても自分も絶対に幸せになるんだって約束できるなら、あたしは何も反対しないよ」

メップル「メポ!?」

さやか(私の考えてること、見透かしてる!?)


なぎさ「でもさ、私は奇跡って別に魔法少女やキュゥべえの力のことだとは思ってないんだよね」

さやか「え?」

なぎさ「私はプリキュアの力があったけど凄いピンチだった時もあったし、自分の力だけじゃどうしようもない時もあったけど、なんとかやってこれた。それって自分が精一杯やった結果、皆と助け合えたからだし、逆に皆と助け合ったから精一杯やれたんだと思うんだ。だから、まずは奇跡っって起こすところから始めなきゃいけないんじゃないかな?」

さやか「なぎささん……いや、姉御ぉっ!」


***「あっはっは。笑っちゃうねぇ。人のねぐらでピーチク騒いでるバカがいると思ったら、とんだアマちゃんがいたもんだ」

さやか「!?」

杏子「アンタ、魔法少女だろ? 他人の為に力を使う必要がどこにあるってのさ」

なぎさ(うっそ……なんで杏子がいるのよ。マミが居なくなって初めて見滝原に来たんじゃないの?)

杏子「願いも魔法も、全部そいつ自身のもんだ。それを他人の為に使おうなんて、バカのすることさ」

なぎさ「違うよ!! そんなこと、絶対にないッ!!」

杏子(……こいつ、なんて迫力だ!?)


なぎさ「あたしは……ううん、あたし達は自分たちの為なら平気で他人を不幸にしようとするヤツらと沢山戦ってきた! 中には人のことを思いやれる優しい人もいたけど殆どは自分たちのことしか考えてない……誰とも信頼し合えない悲しい人たちだった……」

杏子「はん、そいつらには力があったんだろ? だったら自分たちの為に使うのは当然のことじゃねーか!」

なぎさ「ううん! 絶対に間違ってる! どうしても分からないっていうなら!」

杏子「はっ、やる気かよ!?」

なぎさ「勝負よ!!」

杏子「上等!」

なぎさ「早食いで!!」

杏子「おもしれ……え?」

さやか「え?」

なぎさ「ここにタコ焼きが64コある! ちゃんと美味しく食べれるように味も均等に分けて……」

杏子「お、おい! な……なんでそうなるんだよ!!?」

なぎさ「だって魔法少女の力を使ったらソウルジェムが濁っちゃうんでしょ? グリーフシードが勿体ないじゃん?」

杏子「お、おう」


なぎさ「よし、と。さやか、合図おねがい!」

杏子「なんだか分からねーが、あたしが食い物のことで負ける訳がねー! 上等だ!!」

さやか「えーとじゃあ。レディ……ゴー!」

なぎさ「おりゃああーー」 ハフハフ……

杏子「うぉぉおおおーー」 モグモグ……

さやか「……なんかお腹好いてきた」

杏子「へっ! 1パック完食! あと3パック! こりゃあたしの勝ちだな」

なぎさ「りゃぁぁぁぁ」 モグモグモグモグ……

メップル「流石はなぎさだメポ!! 食欲的な意味で『全てを飲み込む力』の持ち主だメポ!!」

杏子「な……もう2パック目の半分以上を! くっそ!!」 ガツガツガツガツ……

……

杏子「ごっそーさん!」 ダンッ

なぎさ「ごちそうさま」 バシッ

さやか「ど、同時!? っていうか2人とも凄い勢い……」

杏子(……ん? コイツ!?)

なぎさ「う〜ん引き分けかぁ。決着は持ち越しだね」

杏子「いや……あたしの負けだ……。参ったよ」


さやか「え?」

杏子「その空の容器を見れば引き分けだなんて言える訳がねー」

メップル「メポ! これは……」

杏子「アンタの容器にはカツオブシの欠片一つのこってねー。それは当然としても、ソースまで綺麗に舐め取ってある。並みの女じゃこうはいかねーよ……」

さやか「ほ……ほんとだ」

杏子「対するあたしの空容器はソースが僅かに残ってる……完敗だよ」

なぎさ「ねぇ。タコ焼き、おいしかった?」

杏子「あ? あぁ、美味かった……」

なぎさ「じゃあタコ焼き屋さんの人を魔女から守ってあげないとね」

杏子「え……あ、あぁ」

なぎさ「はいジュース。喉乾いたよね?」

杏子「お、おう」

なぎさ「じゃあジュースや水作ってる人達も魔女から守らないとね」

杏子「……あぁ」

なぎさ「生きてるってさ、そうゆうことなんじゃないかな? 別に本当に戦わなくてもいい。でも色んな人が色んな人の為に色んなことやっててさ、そうやってみんな生きてるんだよ、きっと」

杏子「……アンタ、名前は?」

なぎさ「美墨なぎさ! ヨロシクね杏子!」

杏子「あぁ。あれ、あたし、名前言ったっけ?」


同刻:囚われた世界 隣町

のぞみ「よっと……よーし卵焼きかんせ〜い」

ゆま「かんせ〜い! でものぞみ、なんかぐちゃぐちゃだよ?」

のぞみ「む〜、せめてスクランブルエッグって言ってよ〜。それに具を入れて、サランラップでこうしてくるんで、ギュってすれば!ほら夢原のぞみ特製、茶巾風卵焼きスペシャルの出来上がり〜!」

ゆま「お〜」 パチパチ

のぞみ「あとは、2人が帰ってくる前に、盛りつけ盛りつけ〜」

ゆま「おりこもキリカも喜んでくれるかなぁ〜」

のぞみ「もっちろん! いつも美味しいご飯とお菓子を用意してくれるんだもん! 今日は目一杯恩返ししちゃうんだから! けって〜い!」

ゆま「けって〜い」


……


織莉子「のぞみさん達大丈夫かしら。夕食を作るって張り切っていたけど」

キリカ「もうその辺で食べて帰っちゃおうよ」

織莉子「あら、ダメよ。彼女の未来は全く視えないと言ったでしょう。そんな事をしたら悲しんだぞみさんがどんな行動にでるか予想できないわ。絶望してソウルジェムが真っ黒になってしまうかも」

キリカ「あははっ。あの脳みそお花畑ならあり得るかもね。しっかしどうせ手駒にするなら魔女狩りも手伝わせればいいのに。お花畑もちびっ子もその為にキュゥべえと契約させたんだろう?」

織莉子「ええ。お腹一杯のケーキを願いにね。でも今はまだ……その時ではないわ」

キリカ「まぁあの子達が変身したところでたかが知れてるだろうけどね」

織莉子「さ、そろそろ帰りましょうか」

***「おやぁ! 楽し〜ィお喋りはお終いですか? ざァんねん。私も混ぜていただきたかったのにィィ」

キリカ「……!」

織莉子「……誰!?」

ジョーカー「んっふっふっふっふ。はァじめまして。私、ジョーカーと申します。どうぞ、お見知り置きを」


織莉子「ジョーカー?」

ジョーカー「そォのとォォォり。美国織莉子さァん。呉キリカさァァん! んふふふ、短いお付き合いですがどうぞ一つヨォロシクお願いします!」

織莉子(私達を知っている!?)

織莉子「短いお付き合いというのは?」

ジョーカー「それはモチロン! ここで消えていただく、という意味に他なりませェん」

キリカ「……ぁん!?」

織莉子「ふふ、私たちのこと、ご存じの様ですが……私が目的の為なら手段を選ばないこともご存じかしら? 例えばここで貴方を……」

キリカ「バラバラにしたりね!!」

−−ガキィン!

キリカ「トランプで受け止めた!? 私の鉤爪を!?」

ジョーカー「バラバラにィィ? この私を!? んふふふ……あひゃひゃは! いいからさっさと……絶望しろよ小娘ァ!!」

織莉子「……!」 ゾクッ

キリカ(コイツ……殺スッッッ!!!! 速度低下!!)


キリカ「ハァッ!」

−−スカッ

ジョーカー「あっひゃぁ。残念」

キリカ「な、後ろ!?」

−−ドカァ!!

キリカ「がぁっ!」

織莉子「キリカ!」

織莉子(一瞬で背後に! ……キリカの速度低下魔法が効いていない? いえ、これは)

ジョーカー「おやァ、お気づきになりましたァァ? 生憎私は飛んだり跳ねたりで移動する必要はありませェェェんので!」

織莉子(この1回で見極める!!)

ジョーカー「トランプカードを使えばこんな風に」

織莉子「っな! 体がトランプに!?」

ジョーカー「貴方がたの背後をとることもかァァァァんたァんに、出来ちゃうんですよォ!」

−−バキッ!

織莉子「うぐっ!」

キリカ「織莉子!」

織莉子「だ、大丈夫……」

キリカ「お前っ……殺ス!殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス……」

ジョーカー「あっひゃっひゃ……あたりませんよォォ」



……

のぞみ「う〜ん。織莉子さん達……遅いね」

ゆま「おそいね〜」

のぞみ「お腹すいた〜」

ゆま「すいた〜」


……

織莉子「ぁぐ……」

キリカ「こ……の」

ジョーカー「んふふふふ。あっけない、もうお終いですかァァ?」

織莉子「な、何が目的? なぜ私達を……」

ジョーカー「モチロン、貴方が鹿目まどかさんを狙うのと同じ理由ですよ」

織莉子「……!?」

ジョーカー「私達の望む結末には貴方と暁美ほむらさんは邪魔ですからねェェェ。一つ、消ィィえていただこうかァと」

キリカ「結末?」

ジョーカー「はァい。最悪の結末、バァァァットエンドにはねェェェ」

織莉子「貴方……っ、まさかあの未来を」

ジョーカー「でェェは、そろそろ、幕引きとしましょう! 世界よ! 最悪の結末『バッドエンド』に染まりなさい! 白紙の未来を黒く塗りつぶすのです!!」

織莉子「……? っ! ソウルジェムが!」

キリカ「濁っていく!?」

織莉子「キリカ、グリーフシードを!」

ジョーカー「あひゃひゃはは。浄化してもムダですよォォォ。絶望は無限に生まれていくのでェェす」

織莉子「……こんな……ところで……」

***「夢見る乙女の底力っ!!」

ジョーカー「!?」


ドリーム「受けてみなさい!! プリキュア・ドリームアタック!!」

ジョーカー「……っ」

キリカ「お、お花畑!?」

ゆま「すきあり! たぁ!」

−−ゴキッ!

ジョーカー「ぶほっ! 酷いことをしますねェ。せっかく黒く塗りつぶした本が灰になってしまいましたよォ?」

ドリーム「大丈夫!? 織莉子さん! キリカさん!」

ゆま「迎えにきたよ」

織莉子「……え……えぇ……」

ジョーカー「まったく……この世界でもプリキュアに邪魔されるとは……」

ドリーム「貴方は!?」

ジョーカー「ジョーカーと申します」

ドリーム「……ジョーカー! みゆきちゃん達から聞いてるよ! 世界をバッドエンドにする為に皆に酷いことしてるって!」

ジョーカー「んふふふ……前の世界ではキュアビューティに遅れをとりましたが……世界の狭間をさまよっているところに彼が声をかけてきましてねェェェ。聞けば貴方、彼から相当な恨みを買っている様で……。貴方に恨みはありませんが、一つ切り刻んで差し上げますよォォ! ハッ!」

ドリーム「っ!? クリスタルフルーレ!」

−−ギィン!


ジョーカー「んふふふふ! 遅いですよォォ! 背中ががら空きです」

ドリーム「っ! そこぉっ!!」

−−ガキッ!

ゆま「2人ともだいじょうぶ?」

キリカ「お花畑……」

織莉子「あのジョーカーと互角に戦っている……」

ジョーカー「ハァァァッ!!」

ドリーム「たぁぁぁぁっ!!」

ジョーカー「んふふふふ、頑張りますねェ。ですが貴方は美国織莉子が何を目的としているのか、ご存じなんですかァ? 彼女は貴方のことも利用して……」

織莉子「!?」

ドリーム「そんなの、関係ないよ!!」

キリカ「!?」

ドリーム「私、いきなり知らないところに来ちゃって凄く心細かった! でも織莉子さんとキリカさんが声をかけてくれてとっても心が暖かくなったの! きっとココもナッツもシロップもこんな気持ちだったんだと思う!」

キリカ「アイツ……」

ドリーム「だから、私は2人に恩返しするって決めたんだもん! プリキュア! クリスタルシュートッ!!」

−−ドガガガッ!!

ジョーカー「っぐ!! んふふふ、まぁ今日のところは退かせていただきましょうかねェェ。友人の手によって貴方のその眩しい希望が絶望に染まる瞬間を見届けるのもまた……楽しそォォですしねェェェェ」 シュバ……


……


同刻:囚われた世界 見滝原


さやか「いや〜それにしても、ビックリしましたよ。なぎささん、いきなり早食いって」

なぎさ「あっはは。まぁタコ焼きを食べさせたらあたしの右に出るものはいないかなぁ」

♪ マ〜ック〜スハ〜ッ!! プリッキュア プリッキュア……♪

なぎさ「ん? マミからだ」

マミ『あ、なぎささん? 鹿目さんと一緒かと思って電話してみたんだけど……』

なぎさ「え? まどか? 一緒じゃないけど……」

マミ『そう。鹿目さん、まだ帰ってないみたいだから貴方と一緒なのかと思ったんだけど……美樹さんと一緒なのかしら』

なぎさ「いや、さやかならここに……あぁ!!!」

さやか「なぎささん?」

なぎさ(しまった!! 今日はまどかが……なんだっけあの、緑の髪の子と廃工場で……)

なぎさ「マミ! イヤな予感がするの! この街に廃工場ってどこかない?」

マミ『や、やけに具体的ね? 工場……そうね海沿いにはいっぱいあるけど……』

なぎさ「あ〜たぶんそうゆう感じじゃなくてもっとこう街の工場みたいな」

さやか「工場ありますよ! 私場所分かります!」

なぎさ(そっか、アニメでもさやかが駆けつけてくれたんだっけ)

なぎさ「お願い! 案内して!!」


……

さやか「はぁ……はひ……なぎささん脚速すぎ……その交差点右で、あとはまっすぐです! さ、先に行ってください!」

マミ「なぎささん!!」

なぎさ「マミ、良かった。今ちょうど……!? さやか! 後ろ!!」

さやか「え?」

アカンベェ「アァァカンベェェェ!!!」

さやか「ひ、ひぃぃぃ……」

……カチッ

さやか「……ぃぃぃ!わ、私、し、しんだ?」

ほむら「残念ね。生きているわ」

さやか「て、転校生!?」

なぎさ「ほむら!! ありがとう!」

ほむら「礼には及ばないわ。まどかは?」

なぎさ「きっと、この先の工場! お願い! 行ってあげて!」


アカンベェ「アカンベェェ!!」

なぎさ「この青い鼻のヤツ……もしかしてあかね(お好み焼きの方)やなお達が言ってた……っ!!」

コワイナー「コワイナァァァァ!!」

なぎさ「ってぇぇぇ!! また出た!!」

ほむら「っ!! こんな所で足止めされる訳には……」

なぎさ「デュアル……じゃなかった。変身!!! でぇぇやぁ!」

−−バキィ!

なぎさ「うわっ。なんかラクロススティックみたいな武器出た!」

ほむら「まどか……いま行くわっ!」

アカンベェ「アカンンベェェェ!!」

コワイナー「コォォォワイナァァ!!」

マミ「ここから先へは……」

なぎさ「行かせない!!」


……

ほむら「大丈夫!?」

まどか「ほむらちゃん!? 助けてくれたの? ありがとう!!」

ほむら「私だけじゃないわ」

まどか「え?」

さやか「まどか!! 大丈夫?」

まどか「え? え?」

なぎさ「いや〜無事でよかった」

まどか「えぇ?」

マミ「鹿目さん。心配したわ」

まどか「あ、あの? あの……えぇ?」

ほむら「……? どうかしたの?」

まどか「ううん。なんかいつの間にか、ほむらちゃんが皆と仲良くなってたから、嬉しくって」


ほむら「!」

マミ「そう言えば……」

さやか「私、さっき助けて貰ったんだっけ……。あ、ありがと。てんk……暁美さん」

ほむら「……ほむらでいいわ」

なぎさ「うんうん。美しい女の友情だね!!」


ほむら(これまでのループと違いすぎて無我夢中だったけど……美墨なぎさを中心に皆が団結し始めている!? 私を……含めて。マミの生存や美樹さやかが契約しないだけならこれまでも無かった訳じゃないけど……これで美墨なぎさと杏子が繋がったなら……いや。それはないわね。個性が強すぎて相性がいいとは思えないし)


6日目

『さやかは、僕をいじめてるのかい?』

『自分で弾けもしない曲、ただ聴いてるだけなんて!』



さやか(昨日は私は何も言えなかった……。私は……奇跡に頼る勇気もなくて、逃げる様になぎささんの所へ行ったんだ……でも!)

−−バンッ!!

さやか「恭介!!」

恭介「……っえ!?」 ビクッ……

さやか「昨日言ったよね! 奇跡か魔法でもない限り直せないって!」

恭介「あ、あぁ」

さやか「奇跡も魔法も……あるんだよ!!」

恭介「な、なに言ってるんだよ?」

さやか「昨日ネット記事で調べまくったんだ! ほら、このマラソン選手! この自転車選手も!このピアニストも、こっちの脳卒中の人も! この人も! この人も! ほら!! みんな奇跡的に完治して復帰してる」


恭介「な……そ、そんなの運が良かっただけじゃ……」

−−バシィッ!

恭介「っ痛! な、何すんだよ!」

さやか「甘ったれんな!!! 何もしないのに奇跡なんて起きる訳ないよ!!」

恭介「さ……さやか?」  

さやか「私、恭介の演奏を初めて聴いた時、凄く感動した! また聴いてみたいって思う」

恭介「か、勝手なこと言わないでくれy……」

さやか「恭介自身はどう思ってるの? また演奏したいんでしょ!? 本当に奇跡を起こそうとしたの!?」

恭介「……」

さやか(直接見た訳じゃなくても分かる。なぎささんはきっと奇跡に頼ったんじゃない。自分達の力で起こしたんだ!)

さやか「バイオリン好きなんでしょ! 奇跡の一つくらい……起こしてみなさいよぉぉぉ!!!」 タタタタッ

恭介「……い、行っちゃった。なんなんだよ……」


……

さやか(これでいいんだ。あとは私自身。ヒーローだとかヒロインになりたいなんて訳じゃない……ただ……)

なぎさ「あれ? さやか?」

さやか「なぎささん!」

なぎさ「ショッピングモールに一人でどうしたの? あ、さやかもクレープ食べにきたの?」

さやか「え?」

なぎさ「昨日見かけたクレープ屋さんがちょ〜美味しそうでさぁ! 一緒に行こうよ!」

さやか「あ、はぁ」


……

なぎさ「ん〜、んま〜い!!」

さやか「モグモグ」

なぎさ「元気ないけど、どうかしたの?」

さやか「なぎささん……私……」

メップル「なぎさ!! あれを見るメポ!!」

なぎさ「なによ? ってあれって! あの人の首筋、魔女の口づけ?」

さやか「追いかけましょう!!」


……

さやか「これ……魔女の結界!!」

メップル「白黒だメポ!!」

なぎさ(これ……アニメでさやかが戦ってた影絵のヤツ!!?)

さやか「な、なぎささん」

なぎさ「っ! 変身!!」

メップル「なぎさ! 戦う気かメポ!」

なぎさ「当然! 放っておいたら誰かが犠牲になっちゃうじゃない! ……でぇぇぇやぁぁぁ!!」

メップル「マミもほむらもいないのに大丈夫かメポ!?」

なぎさ「たぁぁぁぁああ!!」

さやか「……」

なぎさ「でぃやぁ!」

さやか「……」

なぎさ「うわっったった! てぇい!」


さやか「……」

キュゥべえ「ボクの力が必要かな?」

メップル「げ……メポ! なにしに来やがったメポ!!」

さやか「キュゥべえ、来ると思ったよ」

キュゥべえ「キミ達がそれを望むなら、ボクはいつでも契約に答えるよ」

メップル「さやか、よせメポ!」

さやか「ありがとう、メップル。心配してくれる気持ち分かるよ。昨日までのあたしはホント馬鹿だった……でも、今のあたしの願いは違う」

メップル「メポ……」

キュゥべえ「さぁ、キミの願いを聞こう」

さやか「キュゥべえ! ……恭介の腕と脚を治して!!」

メップル「メポォ!!?」

さやか(きっとあたしにしか分からない。でも、この願いは……昨日までとは全然違うものだから!)

さやか「後悔なんて、あるわけないっ!!」


……

なぎさ「っ痛ぁ! やっぱりプリキュアとはちょっと違うかも……ってヤバッ!」

−−ミシィッ

なぎさ「あぐっ!」

−−ミシミシ

なぎさ「ぐ……ぁう……ちょっと……ヤバい゛……かも……」

さやか「でぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぃぃゃぁぁぁああああ!!」

−−ズバァァァ!!

なぎさ「っぷは! さやか?」

さやか「なぎささん! 私、精一杯やります! 起こしちゃいますよ! 奇跡ってやつを!!」

なぎさ「……うん! 一緒に戦おう!」

メップル「……訳が分からないメポ」

なぎさ「でぃっ!」

−−ドカッ!

さやか「だぁっ!」

−−ザシュ!

なぎさ「これで」

さやか「これで」


「「トドメだぁぁぁぁぁぁ!!」」


−−ドォォォォン!


さやか「やった!!」

なぎさ「さやか、ありがとう。助かったよ」

さやか「ううん。全部なぎささんのおかげです」


−−パチパチパチ

さやか「!?」

なぎさ「誰!?」

ジョーカー「んふふふふ。素晴らしィィい友情ォォですねェ」 パチパチパチパチ

さやか「オ、オカマの次は……なにあれ、マジシャン!?」

なぎさ「何者!?」

ジョーカー「はァァァじめましてェェ。私、ジョーカーと申します。お2人に一ォつ絶望していただきたァく、参上致しましたァァァ」

なぎさ「ジョーカー! あかね(お好み焼きの方やねん)やなおが戦ったってヤツ!?」

メップル「マズいメポ!! アイツ、底知れない闇の力を感じるメポ! プリキュアの力なしじゃ……」


ジョーカー「早速ですが」

なぎさ「っく!」

ジョーカー「絶望して頂けますかねェ」 ヒュン

さやか「速っ!」

−−ドカッ!

なぎさ「あぐっ!!」

ジョーカー「おやァ〜? 彼が散々にやられたと聞いて楽しみにして来たんですがねェェ。名高いキュアブラックも変身出来ないのでは意味がありませんねェ」

−−バキッ!

なぎさ「ゲホッ! っかは……」

さやか「なぎささん! こぉんのぉぉぉぉぉッ!!!」

ジョーカー「んふふふふ! 遅いですねェェェ」 スカッ

さやか「くっ! この! この!」

ジョーカー「遅すぎて……全く面白くありませんねェ。ここはやっぱり……」 ヒョイ ヒョイ

なぎさ「……さやか……逃げて……」 

ジョーカー「あっひゃっひゃっひゃ! ィいい顔を見せて下さいよォォォ。まずは一人では変身も出来ない役立たずのプリキュアを始末しましょォかァァァ」

なぎさ「ゲホ……ケホ。ぉえ……」

さやか「なぎささん! 逃げて!」

ジョーカー「でぇは……そォォォれェェェ!!」


−−ガキィィン……

ジョーカー「……!?」

***「っらぁぁぁぁぁああああ!!!」

−−バキィィィィ!!

さやか「……なっ!?」

ジョーカー「……ォおんやァ? ……何者ですか?」

杏子「通りすがりの魔法少女だよ」

さやか「アンタ……」

杏子「っへ! 昨日の借りの分だ……なぎさ! 手ぇ、貸すぜ」

なぎさ「……き、杏子!?」

杏子「テメェこそ何モンか知らねーが、ヒトの連れに好き勝手してくれてんじゃ……ねーぜ!!」 ヒュン

ジョーカー「おっと、良い槍捌きですねェ。今のはちょォォォっとゾォクゾクきちゃったよォ」

杏子「おぉぉぉっらぁぁぁぁぁぁ!!!」

ジョーカー「んんん〜♪ 良いですねェェ! キミの攻撃、甘さがまるでない! 凄く良いィィィ」 ゾクゾク♪

杏子「オラオラオラオラ!!!」

ジョーカー「それにキミ、格上の相手と戦い馴れてる。これまでどんな人生を送ってきたのか……想像するだけで……あっひゃっひゃァ!」

杏子「っ!」 ゾク……


ジョーカー「キミの絶望、凄く美味しそうだよォォ」

杏子「きしょいってんだよ!!」 ジャラララ……

なぎさ(出た! 多節槍! あれなら……)

杏子「捕まえたぜっ!」

ジョーカー「んふ♪」 バラ バラ バララララララ……

杏子「なっ!」

さやか「か、体がトランプに!?」

ジョーカー「こォォォっちですよォ」

−−ドスッ!

杏子「ぅぐぁ!」

さやか「なにあれ反則じゃん!」

ジョーカー「こォんなこともできますよォ」バララララ……

メップル「トランプが鎖に、メポ!?」

ジョーカー「そォれ。今度はこっちが捕まえましたよォォォ」

−−ドゴォォッ!

杏子「ぁぐぁぁ!」

なぎさ「こんのぉぉぉぉ!!」

さやか「てやぁぁぁぁぁ!!」

ジョーカー「んっふっふっふ。遅いなァ……そんなんじゃ全然ダメダメェ。もっと楽しませて下さいよォォォ」

−−ドカッ! バキッ!

なぎさ「ぐふっ!」

さやか「ぁうっ!」

杏子「てぇんめぇぇぇぇえ!!!!」

ジョーカー「キミもダメですねェ。威勢がいいのは最初だけなんて。もっと楽しませて下さいよォ。ねェ?」

−−ドカッ バキッ ゴキッ

杏子「っ!! ぅぐ!!」

ジョーカー「あれあれェ? どうしたんですかァ? 聞かせて下さァいよォ。カワイイ悲鳴ィィィ♪」

なぎさ「痛っ……! 杏子! もういいよ! もういいから、逃げて!!」

杏子「っざっ……けんな! 誰が!」

ジョーカー「ほらほら、もっォォォっとゾクゾクさせてよォォ」

−−メキョッ……

杏子「ぃぎっ……ぎぃぁ……」

杏子(くそったれ! こんなところで!)


ジョーカー「バカですねェェ! 折角の忠告を無視してしまうとは。ひゃは、正義の味方にでもなったおつもりですかァ? 貴方程度の力で誰かを守れると?」

杏子(正義の味方……)


『この魔女め!』

杏子(違う! あたしは……)


『父……さん』

杏子(そんなんじゃない!! あたしはただ……)


『そんなヤツら……命を張って助ける必要あるのかよ!』

杏子(あたしは……)


『だからあたしは2度と、他人の為に魔法を使ったりしない!!』

杏子(あたしは……あたしはっ!!)


『生きてるってさ、そうゆうことなんじゃないかな?』


杏子「!! うぉぉあああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!」

ジョーカー「真っ正面からくる? おバカですかァァァ!?」

−−ドスッ!!

杏子「…………ぇぁ?」


ジョーカー「あぇっひゃっひゃっはひゃえひゃは! たァいへん!! 大事な大事なソウルジェムが真っ二つ!!
      おんやァ? 首も!? 腕も!? 脚も!? バァラバラ!!」

−−ザシュ!! ザザザザシュ!!

さやか「そんな……いや……いやぁぁぁぁぁぁぁ……」

なぎさ「杏子ぉぉぉぉぉぉ!!」

ジョーカー「……!?」

メップル「メポ!?」

杏子「」 フッ

なぎさ「消え……」

***「どこ見てやがる!」

ジョーカー「なっ!」

杏子「こっちだ変態野郎ぉぉぉぉおおおっ!!!」


−−ドガァァァァァァ!!!


ジョーカー「っかは……」

なぎさ「あれは!?」

ジョーカー「っく!」

杏子「そらぁ!」

ジョーカー「!」

杏子「こっちだ!」 ヴンッ

杏子「後ろだよ!馬ぁ鹿!」 ブンッ

杏子「なんてな!」 ヴンッ

さやか「杏子が……いっぱい?」

杏子(あたしの願いが間違っていたかどうかなんかどうでもいい! でも、何でかは分からねぇが、なぎさの眼を見てると感じるんだ……)


杏子「うぉぉぉぁぁああああああ!! 喰らいやがれ! ロッソ!ファンタズマッ!!!」


杏子(……こんなあたしでも、正義の味方ってヤツになれるんだって!!)


−−ザシュゥゥゥ!!

ジョーカー「っぐ!」

杏子「ぜぇ……ぜぇ……」

ジョーカー「っこの……!?」

−−カチッ!

ジョーカー「!? な!?」

ジョーカー(これは−−!! 一瞬の内に……周囲全てを弾丸が取り囲んでいるゥゥ−−!? 逃げ場は……『無い』!?)

−−ズガガガガガガッ!!! ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ン!!

ジョーカー「っく!」 シュゥゥゥゥゥゥゥ

さやか「今のは!?」

ほむら「遅くなったわ」

マミ「みんな大丈夫!?」

なぎさ「マミ、ほむら!」

ジョーカー「これは皆さんお揃いで。良いでしょう。今日の所は退かせて頂くとします」 シュバッ


……

さやか「た……助かったぁぁ」

マミ「なぎささん、大丈夫?」

なぎさ「うん、ありがと」

マミ「それにしても、どうして佐倉さんが?」

杏子「な、何でマミがここに居んだよ。あたしは別に……その……たこ焼きが……」

なぎさ「あれ? マミ、杏子と知り合いだったの? あたし達3人は昨日友達になったんだけど?」

さやか(あ、あたしも含まれてるんだ)

杏子「友……達?」

マミ「そう。……昔の大切な友人に似ている気がしたのだけど気のせいだったみたいね」

杏子「へ?」

マミ「でもなぎささんの友達なら私も是非仲良くなりたいわ。佐倉杏子さん、私とお友達になってくれるかしら」

杏子「……ま、まぁどうしてもってんなら……いいんじゃねーの……」

ほむら「……」


……5分前

マミ「なぎささん! それにあれは!」

ほむら(杏子!? なぜ彼女がなぎさ達と!?)

マミ「っ! ここからじゃ間に合わない!」

ほむら「……私の手を!」

マミ「え?」

ほむら「握って! 早く!」

−−カチッ

マミ「こ、これは!?」

ほむら「……これが私の魔法少女の能力よ。今の内に全ての火力をヤツに!」

マミ「気前がいいのね。貴方にとっても切り札なのでしょう。この能力」

ほむら(……私は、この周回に全てを賭ける!! 美墨なぎさ、貴方が何者かなんて最早どうでも良い! 私を……私たちに絶望以外の結末があるのなら、どうか……導いて)

マミ「……」


同刻 隣町

のぞみ「かんせ〜い! りんちゃん直伝のビーズアクセサリー!」

ゆま「すご〜い! きれ〜」

織莉子(ここ数日、未来の変動がこれまでに無く激しい。あのジョーカーという男のせい……? でも……)

のぞみ「じゃあ、さっそくキリカさんに着けてもらお〜」

ゆま「お〜」

織莉子(何度未来が変わっても、鹿目まどかがもたらすあの結末だけは絶対に揺るがない。
    現状としては不確定要素が多すぎるけれど、もう私たちには、いえ、この星には……時間が無い)

織莉子「キリカ、のぞみ、ゆま。話があるわ」


7日目

ドリーム「うっわ〜。本当に織莉子さんの言った通りにコワイナーとアカンベェが現れちゃった。予知能力って凄いんだねぇ」

織莉子「えぇ」

織莉子(実際には夢原のぞみやジョーカーの未来は私には一切見えない。でもジョーカーの目的が世界の終焉であるなら、『私がこれからやろうとしていること』に対して刺客を送り込んでくることは容易に想像できた)

ゆま「がんばろ。のぞ……じゃなかった、どりーむ!」

ドリーム「うん、頑張ろう!」

織莉子「では手はず通り2人はこの場をお願い。私とキリカは直接敵を叩くわ」

ドリーム「まかせて!」

ゆま「世界をほろぼそうとしてるなんて、きっと凄くわるい人なんだね」

織莉子「えぇ。だから、私達でそれを止めるのよ」


……

まどか「そっか。さやかちゃんも魔法少女になったんだ」

さやか「うん。成り行きだけどね。でも、後悔はしてないよ」

まどか「上条くん……無事に治ってよかったね。明日退院でしょ?」

さやか「ま、私の気合いのおかげかな!」

まどか「あはは」

さやか「それはそうと、まどかも別にあたしに付き合わなくても、なぎささん達とパフェ食べに行けば良かったのに」

まどか「私は……いいかな。病院まで一緒に行くよ」

さやか「おやおや〜何やら物憂げな表情。さては……ダイエット中ですな?」

まどか「も〜さやかちゃんってば」

***「そこ行くお嬢さん方。ちょっといいかな?」

まどか「え?」

さやか「あたし達ですか?」

キリカ「うん。そうそう」


さやか「えと、すいませんけど急いでるんで……」

キリカ「へぇ、キミが……」

まどか「え……あの……」

キリカ「ふーん、キミが世界をねぇ?」

さやか「ちょっと、何ですか?」

キリカ「いや、何でもないよ。ただちょっと、死んで欲しいだけだよ」

さやか「!?」

−−ガキィィン

さやか「ま、魔法少女!?」

キリカ「動きが全然ぎこちないね。キミ、新米?」

さやか「な、なんなのよアンタ!」

キリカ「残念だけどその質問には答えられないね。それに……答えたとしても、どうせキミは聞く意味を失う」

まどか「きゃぁ!」

さやか「まどか!? っ! アンタ、仲間が?」

織莉子「鹿目まどか。貴方こそが全ての元凶であり全てに結末をもたらすもの。恨みは無いけれど……」

まどか「ぇ?」

織莉子「ここで消えて頂戴」

−−ズガガガガガ!

まどか「っ!!」


さやか「まどか!! まどかぁぁ!!」

織莉子「……」

ほむら「こっちよ」

さやか「え!?」

まどか「ほ、ほむらちゃん。ありがとう」

織莉子「待っていたわ。貴方が現れることは予知の通り。あの『世界の終末』で無様に足掻いていた貴方。鹿目まどかと暁美ほむらを倒すことで、世界は救済されるのだから」

まどか「……え? え? 私?」

さやか「どうして魔法少女じゃないまどかが狙われるのさ!」

ほむら「美国織莉子!!」

織莉子「貴方、私のことをご存じなのね。そして、あの終末を経験している。……ふふ、貴方の能力、私にも見当が付いたわ」

ほむら「……知ったところで!!」 カチッ……

−−ドガガガガガ!

織莉子「その程度の攻撃で通用したのかしら? 貴方の知る私には……」

さやか「うそ。ほむらのあの良く分かんない攻撃が避けられた……百発百中のはずなのに!」

ほむら(美国織莉子の予知と呉キリカの速度低下、私の攻撃は着弾、あるいは爆発前に正確に回避される……。以前の世界ではキリカの魔女化と織莉子のソウルジェムの限界が近かったこともあって勝利することができたけど)

織莉子「ふふ。視えるわ。貴方には私たちに対する決定的な打開策は無い」

ほむら「このっ!!!」

織莉子「遅い!」


ほむら(キリカの速度低下さえ途切れさせればっ!)

キリカ「あっはぁ!!」 ザシュッ

さやか「ぁぐ!!」

キリカ「いただき!!」

ほむら「っ! させない!!」 カチッ

−−ドガガガガガ! ボン!

キリカ「そんな武器なんか! 当たるまでの数瞬あれば十分に避けられるよ!」

ほむら「っく!」

織莉子「そう、そして貴方は鹿目まどかを庇って前へ出る……予知通り!!」

ほむら(……!! しまった! 背後から織莉子の魔法球!? 間に合わない!!」

キリカ「貰った!」

ほむら(やられる−−!!)

−−ギィィィン!!

キリカ「……!!」

さやか「黒いヤツの攻撃を止めた!? 誰?」

織莉子「どうして邪魔をするのかしら? ……のぞみ」

ドリーム「織莉子さんこそどういうこと!? この人達は魔女でも怪人でもないよ!!」


ゆま「のぞみ……? おりこ?」 トテトテ

ドリーム「世界を救うって言ってたじゃない! 何で同じ魔法少女と戦うの!?」

キリカ「っ邪魔! っすんなぁぁ!!」

−−キィィィン!

ドリーム「キリカさん!? いきなりヒドいよ! それに、私この人たち知ってる! まどマギで見たもん!」

織莉子「?」

ほむら「?」

キリカ「ちょっと強いからって! いい気になんなァァァァ!!」

ドリーム「キリカさん! どうして!」

織莉子「私の予知の及ばぬ存在……手元に置いておけば役に立つかと思ったけれど、残念ね。ゆま、のぞみを始末して頂戴」

ゆま「え? ……で、でも。のぞみは」

織莉子「早く」

ゆま「……っ」

−−ドガン!!

ドリーム「っく! ゆまちゃん!? どうして……2人ともやめてよ!!」

さやか「……ど、どうなってんの?」

ほむら「分からないわ。けど……あの子、呉キリカと正攻法で打ち合って……全く引いていない! とんでもなく強いわ」

ドリーム「なんで! 世界を救うって言ってたじゃない! どうして魔法少女同士で戦う必要があるの!!」

織莉子「答えてあげるわ。世界を救うために、必要だからよ」

キリカ「織莉子の願いの……邪魔すんなぁぁぁぁァァァァァ!!!!」

ドリーム「ゆまちゃん! やめてよ!!」

ゆま「おりこは家族だから。独りぼっちだったゆまの家族になってくれたから。ゆまはいらない子じゃないから。役に立たなきゃ。役に、役に、役に役に役に役に」


……

マミ「ソウルジェムの共鳴が強くなってる! こっちよ」

なぎさ「でも魔女の反応も闇の力も感じないんでしょ!? 何と戦ってるの?」

杏子「おおかた縄張り争いでもしてんだろ。見えたぜ」

なぎさ「あれは、ほむら達と、見たこと無い魔法少女……それに……うそ。ありえない……」


……

なぎさ「ドリーム!!」

ドリーム「え……? な、なぎささん!?」

メップル「な、なんでドリームがここに居るメポ!!?」

マミ「暁美さん、美樹さん、鹿目さん。大丈夫!?」

さやか「な、なんとか……」

ほむら(なぎさの知り合い? なら彼女も例のプリキュアということ……)

ドリーム「な、なぎささんこそ何でここに!」

なぎさ「あたしは、何かまどマギ見てたらいつの間にか……」

ドリーム「えぇ!? なぎささんも!?」

メップル「シャドウの仕業だったメポ!」

ドリーム「あの人がまた!!?」

−−パチパチパチパチ

ドリーム「!?」

織莉子「!?」

シャドウ「んっふ♪ 感動ぉの再会」

ジョーカー「おォォめでとうございます!」 パチパチパチ


なぎさ「あんたら!! 性懲りもなく!!」

ジョーカー「おォォォっと。せっかちはいけませんねェェ」

シャドウ「今日は戦いに来た訳じゃないのよぉ」

杏子「はんっ、だったらなんだってんだい!!」

ジョーカー「一つ、皆さんに魔法ォ少女の真実を教えて差し上げようかと♪」

織莉子「!?」

ほむら「!?」

杏子「はぁ? 真実だぁ?」

シャドウ「そう。アナタ達の大事な大事なソウルジェムのねぇん」

なぎさ「それって……!」

ジョーカー「はァい。ここに見本を容易しましたァ! これが皆さんご存じのソウルジェムゥゥ! んん〜〜綺麗な菱形ですねェェ。ちょっと濁っている所がまたキュート」

織莉子「それは!! キリカの!!?」

キリカ「無い!! いつの間に!!」

ジョーカー「でも濁り方が半端ですねェェ。いっそ全部濁れば……もォォォっとキュートになるかも」 ニタァァァァ

ほむら「な!?」


織莉子「止めなさい!!!」

ジョーカー「ソウルジェムよ!! 最悪の結末、バッドエンドに染まりなさい!! 少女の魂を黒く塗りつぶすのでェェす!」

キリカ「……!!? ぁ……が……」

織莉子「キリカ!?」

ジョーカー「さァァァァ皆さんご一緒にバッドバースデイを祝いましょう!!」

まどか「ぇ? な、なんなの?」

杏子「おい、何だってんだ?」

キリカ「……ぁ……ぅ……」

ドリーム「キリカさん!!」

織莉子「キリカ!!」

キリカ「……ぃじょうぶ……織莉子……たとぇ、この世の全てに絶望しても、私は……キミを…………ぁぁぁぁぁああああアアアアアアアアアアア!!!」

織莉子「キリカ!!!」

ドリーム「貴方っ!! よくもぉぉぉぉぉぉ!!!」

ジョーカー「あっひゃっひゃっっひゃっひゃっひゃ。それではァ」シュバ

シャドウ「んふふふふふ。どうぞ、お楽しみあれ♪」 シュバ


まどか「うそ、何なの……あの人どうなっちゃったの! ほむらちゃん!!」

魔女「……」

マミ「ソウルジェムが……」

杏子「魔女になりやがった!!」

なぎさ(これって、アニメの8話ラストのさやかと一緒じゃない!! こんなの……ヒドすぎる!)

ドリーム「キリカさん!」

織莉子「その死体は最早ただの抜け殻よ……」

ドリーム「……ぇ?」

織莉子「キリカの魂はここにある」

杏子「魂ってお前……それ、魔女じゃねーか」

ほむら「魔法少女の魂は肉体には宿らないわ。そして……穢れをため込みすぎたソウルジェムはやがて魔女になる。全て事実よ」

マミ「そんな……本当なの!?」

ほむら(……ここまでが順調すぎただけなのかも知れない。これまでのループではこの事実が周知された時点で失敗は免れなかった……)

魔女「−−−−−!!!」

−−ズ┣¨┣¨┣¨┣¨ド!

ほむら「!!?」

なぎさ「まどかを狙って!!」

織莉子「……彼らは何も分かっていない。真に絶望するのはキリカではないわ」


杏子「あの魔女! あの白いヤツには全く手ださねーぞ!」

ほむら「ムダよ! 彼女は魔女になってなお、美国織莉子の為だけに力を振るっている」

杏子「てめー! この状況でまだ戦うってのかよ!」

織莉子「……当然よ。私もキリカも死すら恐れない。例えどんな姿になろうと! 成し遂げてみせる!! ゆま!!」

ゆま「役立たずじゃない役立たずじゃない役立たずじゃない役立たずじゃない役立たずじゃない役立たずじゃない役立たずじゃない役立たずじゃない」

−−ドガッ! ガギィィン!

杏子「っち! このガキ! くそ! あの魔女……あぁクソ!! どうなってやがる!!」

さやか「魔法少女が……魔女に……」

まどか「そんな、そんなのってあんまりだよ…………! だって、それじゃ……それじゃあ……」

さやか「あたし達もいずれ魔女に……」

ほむら(っ! この状況では……なぎさ! 何か! 何かないの!?)


マミ「そんなの……そんなの、絶対に間違っているわ!」


ほむら「……巴……マミ? まさかまた自棄に……」



マミ「魔女の正体なんて私は分からない。でも、私達は生きている。例え最後がどうなろうと、私たちには今はまだ出来ることがあるわ。私たちは、今絶望する必要なんてない!!!」


ほむら「巴マミ……貴方……」

杏子「マミ……」

マミ(本当は凄く怖い。でも、なぎささんならこんな状況でも絶対に挫けない。だから、だから私も……っ!)


織莉子「下手な強がりを! 私とこの姿のキリカを相手にいつまで吠えられるのかしら!」

なぎさ「マミの言うとおりだよ!!!」

マミ「なぎささん」

なぎさ「あんた、友達なんでしょう! それを助けようともせずに成し遂げるだのなんだのって! そんなの、ありえないよ!!」

織莉子(……コイツ、未来が見えない!?)

織莉子「貴方には分からないわ。私達が目指すものはただ1つのみ! 私達の関係は友達なんて言葉で語れ……」

ドリーム「やめて、織莉子さん!! 友達は友達だよ! どんな目的があったって、比べられるようなものじゃない!!」

織莉子「ふふ、それがこの世界救うことでもかしら」

なぎさ「当たり前よ!!」

織莉子「まるで子供の駄々ね。キリカは必要ならば自分からでも魔女になる覚悟があったわ。私たちの目的はあくまでも世界の救済。貴方たちのちゃっちな友情論なんて聞きたくもないわ」

ドリーム「だったら! 世界と友達! 両方救ってみせる!!」


メップル「なぎさ! ドリームの力ならまだ間に合うかも知れないメポ!」

なぎさ「うん!」

織莉子「−−無駄よっっ!!!」

魔女「−−−−」

−−ズバババババババババッ!!

ドリーム「っ! 速い!!」

なぎさ「それでも!」

織莉子「例え貴方たちの未来が視えなくとも、キリカの遅延魔法が健在ならば!!」

−−ズガガガガ!!

ドリーム「っく!」

なぎさ「そんなの!!」

織莉子「何を……!?」

なぎさ「んぎぎぎぎ……」

杏子「お、おいおい。それ、10tトラックだぞ」

ほむら「ちょ、一体なにして……」

メップル「なぎさ! プリキュアの力も無しに持ち上がる訳ないメポォ!」


なぎさ「こんなの……氷川丸や飛行機に比べたら……ふぅぅんがぁぁぁ!!」


−−ズァ……


織莉子「な……」

なぎさ「どぉぉぉぉぉりゃぁぁぁ」 ブンッ

杏子「な、なんつー馬鹿力……」

織莉子「っく!!」

−−ドガシャァァァァァァァ!!

織莉子「……キリカも、回避している! 驚いたけれど、無駄だっ……」

なぎさ「ドリーム!!!」

ドリーム(上手くいくか分からないけど! でも!! キリカさん、絶対に助けるからね!!!)

ドリーム「プリキュア!!!」

織莉子「な……」

ドリーム「シューーーーーーーーーーティング!!!」

魔女「……!!!」


ドリーム「スタァァァァァァーーーーーーーーーーーーッ!!!」


……

杏子「す、すげぇ……一撃で……」

魔女「……」 シュゥゥゥゥゥ


織莉子「キリカ……。私たちの願いも圧倒的な力の前では無力だというの……」

ドリーム「織莉子さん……」

織莉子「例えキリカを失っても!! 私は立ち止まらない!!」

メップル「それは違うメポ!」

織莉子「……! ……インキュベーター……ではない? 何?」

メップル「魔女の残骸をよく見ろメポ!」

織莉子「あれは、グリーフシード……いえ……ソウルジェム!?」

なぎさ「……」 GJ!!

ドリーム「……」 GJ!!

織莉子「なぜ……」

メップル「プリキュアの力の源は光! プリキュアの攻撃には浄化の力が込められているんだメポ!」

キリカ「……ぅ……ん」

ゆま「キリカ!」

ドリーム「まぁ私のシューティングスターは攻撃寄りの技だからしばらくダメージが残っちゃうかも知れないけど……」

なぎさ「でもきっと大丈夫だよ!」

ハトプリとかの完全浄化組がいたら、普通に人間に戻せたんだろうか……?

>>96
一応ソウルジェムは魂の形態が変わっただけで存在自体は中立なので
プリキュアの技では戻せない設定でやってます。


ほむら「……けた」

マミ「ん?」

ほむら(……見つけた)

織莉子「キリカ……」

杏子「……行けよ」

織莉子「……」

ゆま「おりこ……?」

織莉子「……今日はこれで失礼するわ。でも、貴方が世界の終焉をもたらす存在である限り、私はまた現れる……」

ほむら「……」

のぞみ「織莉子さん……」

織莉子「貴方とはここまでよ。貴方と私では同じものを望んでも、辿る道が違いすぎる」


……


マミ「へぇ。貴方たちのことだから黙って帰すか、なんて言い出すかと思っていたけれど」

杏子「あいつはあいつで守るべき家族がある。今追う理由はねーよ」

ほむら(見つけた……幾度と無く繰り返した私の戦いの終わり。……間違いないわ。……プリキュアが……プリキュアこそが……私の……最後に残った道しるべ……)



同刻:虹の園 水無月邸

かれん「美墨さんも同じアニメを観て行方不明になっていたなんて」

ほのか「なぎさの家は家具も一切無くなっていたけれど……夢原さんも?」

うらら「それが……時計塔で1人で観ていたみたいで……」

こまち「ご両親はお仕事で海外へ行っているからまだ大事にはなっていないのだけど……」

シロップ「俺が一緒に観れば良かったんだ。誘われてたのに俺、めんどくせーって……」

ココ「シロップだけのせいじゃないさ。僕たちにも責任はある。あまり気負わない方がいい」

ミルク「ココ様のせいじゃないミル!」

シロップ「メルポを通して手紙も書いてみたんだけど、一向に返事がこねーんだ」

ひかり「なぎささんの家のDVDは9話までで止まっていましたけど、のぞみさんも?」

ナッツ「……いや。2話までだった……」

ミップル「ミ……ポ?」

ほのか「え?」



ナッツ「2話までだった」



8日目


放課後

恭介「さやか、ちょっと屋上で話せるかな?」

さやか「恭介? うん、大丈夫だけど」

まどか「……? じゃあ私、校門で待ってるね」

さやか「うん」

ほむら(……!)

なぎさ(げ……あれって……まさか……)

……

恭介「まずはさ、言いそびれてたんだけど……ありがとう。さやかに言われた通りさ、あきらめずにリハビリに挑戦してみたらみるみる治っちゃって……医者も奇跡としか言いようが無いって、驚いてたよ」

さやか「何言ってんのさ! 私はただひっぱたいただけで、頑張ったのは恭介じゃん」

恭介「それでもさ。それで、今日登校して……」

さやか「ん?」

恭介「志筑さんに告白されたんだ……付き合って欲しいって」

なぎさ(……!) コソコソ

ほむら(……!) コソコソ


さやか「え……? そ、そっか〜。仁美がねぇ〜。良かったじゃん」

メップル(さやか、無理に明るく振る舞って……可哀想だメポォ……)

恭介「でも、断ったよ」

なぎさ(……!!!) コソコソ

ほむら(……!!!) コソコソ

さやか「え? なんで?」

恭介「あの時さやかに元気づけられて分かったんだ。僕は、本当の気持ちと向き合うことにした! さやか、君が好きだ。僕と付き合って欲しい!」

なぎさ(キ、キキキキキターーーーー)

ほむら(何億回繰り返しても得られないような結果を、これもなぎさの起こした奇跡だというの……)

さやか「ん〜。ごめん」

恭介「え!?」

なぎさ「え!?」

ほむら「え!?」

メップル「メポ!?」

さやか「なんか今、変なトコから声が……? まいいや。あたしも恭介のことは好きだけどさ、なんか恋愛って感じじゃないんだよねぇ。仁美もいい子だよ? 一回くらいデートしてから答えても遅くないんじゃん?」

ほむら(求められる立場になった途端、こんの女……!!! ソウルジェムを真っ黒に塗りつぶしてやりたい!!!!)

さやか「それに、あたしも今ちょっと色々やりたいことあるしさ。あたしなんかじゃ全然力不足で居ても居なくても変わんないのかも知れないけど……それでも、あたしに大切なこと教えてくれた人たちのこと、守りたいから」

ほむら「……」


ほむら家


ほむら「ちょっと……ソファー汚さないでもらえる?」

杏子「のぞみ、こっちの味も超うめーぜ。食うかい?」

のぞみ「やったー。ありがとう杏子ちゃん」

なぎさ「ん〜クレープって何でこんな美味しいんだろ! たこ焼きと同じくらい大好き! あ、たこ焼きをクレープの具にすればいいじゃん!!」

杏子「おいおい……天才かよお前! アカデミー賞並みの大発明だぜそりゃ」

のぞみ「トッピングはもちろん〜」

なぎ杏「「チョコレート!」」

マミ「はい、紅茶をどうぞ」

さやか「あ、どうも」

まどか「ありがとうございます」

ほむら「……」


……

まどか「じゃあ、のぞみちゃんって、ほむらちゃんの家に居候してるんだ」

のぞみ「あははは、ちょっと事情があって」

ほむら「今日集まって貰ったのは、貴方たちに話しておきたいことがあるからよ」

マミ「それは昨日の出来事と関係のある話かしら?」

ほむら「……少なからずね」

***「それは興味深い」

一同「!?」

キュゥべえ「ボクも混ぜて貰っていいかな?」

杏子「テメェ! どの面下げて出てきやがった!?」

マミ「キュゥべえ。貴方は、魔女の正体が何なのか知っていたのかしら」

キュゥべえ「否定はしないよ」

さやか「ふざけんな! 私たちを魔女にする為に願い事ふりまいて回ってたってこと!?」

キュゥべえ「勘違いしないで欲しいんだが、僕らはなにも人類に悪意を持っている訳じゃない。全てはこの宇宙の為なんだ」

杏子「はぁ? 宇宙だぁ?」

キュゥべえ「キミたちはエントロピーという言葉を知っているかい? 簡単に言うと……かくかくしかじかきゅうべえべえ」

……

キュゥべえ「……とまあ、その時ボクらはかつて無い程のエネルギーを得るはずなんだ」


マミ「……そんなのって……」

まどか「皆をを消耗品として扱ってるだけじゃない!! 酷すぎるよ」

さやか「zzzzzz」

杏子「お、こっちのバナナのやつもうめーな」ワイワイ

のぞみ「あれ? マミさーん、紅茶の角砂糖どこー?」ガヤガヤ

ほむら「……」

杏子「あ、終わったのかよ」

キュゥべえ「説明を要求しておいて、全く聞こうとしないなんて、訳が分からないよ……」

杏子「お前の小難しい話なんて聞いてられるかよ! つまりどうゆうことだってばよ」

メップル「つまり、この世界の既存のエネルギーが限界を迎えつつあることに気づいた『宇宙人=キュゥべえ』が目をつけた新たなエネルギーが、『彼らが持たないもの=感情』なんだメポ。絶望して少女の魂であるソウルジェムがグリーフシードへと変化する瞬間のエネルギーを目当てに甘言をふりまいて回ってるんだメポ!」

杏子「お前なぁ、もう少し分かりやすく言えないのかよ?」

メップル「メポ!?」

さやか「そんなの詐欺じゃん! なんで契約の時言ってくれないのさ!!」

キュゥべえ「ボクとしてはあくまでもキミたちの合意の上でのことだからね。詐欺という概念自体がボクには理解できないよ。それに……キミ達の内何人かはこのことを知っていたんじゃないのかい?」

マミ「え?」

キュゥべえ「まずは暁美ほむら。先日の織莉子との会話でキミの正体に納得がいったよ。それに美墨なぎさとメップル。キミも感づいていた可能性があるね」

ほむら「……」

なぎさ「……」

ほむら「今の貴方たちになら、話しても構わないわ」


……

さやか「か、過去へ戻る能力って……」

杏子「マジかよ」

マミ「貴方にそんなことがあったなんて……。出会った時に貴方を疑っていたこと、謝罪しなくちゃね」

のぞみ(なんか、アニメのお話の雰囲気とずいぶん違うよね)

メップル(そうかメポ? ちなみに何話まで観たんだメポ?)

のぞみ(2話)

メップル「」

なぎさ(これで納得がいったかも。ほむらの過去にそんなことがあったなんて……)

まどか「ほむらちゃん……ずっと私の為に戦ってくれてたんだね。ありがとう……ありがとう……ごめんね……ほむらちゃん」

ほむら「それは逆よ。まどか、あの時、貴方に助けてもらったから今の私がある。だから……お願い。貴方を、私に守らせて」

まどか「ほむらちゃん……」

……

マミ「そんなことがあるなんて……」

杏子「つまりワルプルギスの夜をぶっ倒せばいいんだろ」 モグモグ


ほむら「これまで何度挑んでもあの日を乗り越えたことは無い……。でも今回こそは……なぎさ、どうか私に力を貸して欲しい」

なぎさ「うん! 勿論!!」

のぞみ「私も戦うよ〜!!」

さやか「あたしだって!」

マミ「皆で戦えばきっと乗り越えられるわ」

まどか「わ、私も応援するよ!」

ほむら「……ありがとう。ワルプルギスの夜の襲来は1週間後。それまでに作戦を用意するわ。この戦力なら……絶対に、勝てる」

キュゥべえ「……」

なぎさ「さて、だいぶ遅くなっちゃったね。みんな家に連絡とか大丈夫?」

杏子「あ〜、あたしはこのまま泊まってくわ」

……パチ……パチ……パチパチパチパチ……

まどか「拍手?」

さやか「誰!?」

ジョーカー「んっふふふ。美しいィィ友情ォですねェェェ」


杏子「ジョーカー! てめぇ! 勝手にヒトんちで何してやがる! 出てけ!」 モグモグ

ほむら「私の家だけれど」

シャドウ「うふふ♪ ワタシもいるわよぉ」

マミ「っ! 貴方!」

のぞみ「シャドウ!!!!」

なぎさ「アンタ!! よくも!!!」

ほむら「何の用か知らないけど、お引き取りいただけるかしら」

シャドウ「あらぁん? いいのかしら? アナタたちにとっても知らなければ困る情報だと思うけどぉ?」

なぎさ「どうゆうことよ!?」

ジョーカー「先刻お話にあがっていたワルプルギスの夜さァんのことですよォォォ」

ほむら「!?」

シャドウ「ここまで、1週間もかかる道のりじゃ彼女も大変でしょうから……」

ジョーカー「ちょォォっと手助けして差し上げたんですよ」

のぞみ「手助け!?」

さやか「それってどうゆう……」

マミ「……!? 皆、静かに」


『本日午後8時、突発的な異常気象に伴い県内全域に避難警報が発令されました。落雷、暴風、津波被害が予想されますので、速やかに最寄りの避難施設へ移動してください。繰り返します……』


ほむら「な……」

杏子「こいつは……」

ジョーカー「アナタにとっては一足早くとなりますが、ワルプルギスの夜さんにご登場いただきましたァァ」

キュゥべえ「まいったね。こっちのプランがが滅茶苦茶だよ」

ジョーカー「しかし最終的にはアナタの望みと合致しますよォォ。アナタが望む力、それこそがバッドエナジーなのですからねェェ!」

キュゥべえ「なっ!?」

のぞみ「このっ!!」

シャドウ「あぁら怖い。じゃぁワタシは手はず通りあっちを」

ジョーカー「えぇ、宜しくお願いしまァす」

シャドウ「それじゃ」 シュバ

なぎさ「退いた!? ちょっと! アイツどこへ行ったのよ!?」

ジョーカー「彼には別の仕事をお願いしてェいますので、アナタがたのお相手は私とアカンベェが致しましょう」

なぎさ「そんなの!」


ジョーカー「んっふっふ。イヤだなァァ。焦らないで下さいよォォ……この闇っ鼻は特別製でしてねェ。とっても深ァい絶望が詰まっているんですよォ」

のぞみ「!?」

ジョーカー「それもそのはずゥゥ! この闇っ鼻はグリィィィフシィドから作られたものですからねェ!! さァァ!! いでよウルトラアカンベェ!!!」

アカンベェ「アァァァァァァカァァァンベェェェェ!!!」

なぎさ「っ!!」

メップル「凄いパワーを感じるメポ!!」

のぞみ「っく!! プリキュア・メタモルフォーゼ!!」

なぎさ「こいつらは私たちが!! みんなはワルスギギスとかいうのをお願い!!」

ドリーム「大いなる希望の力!! キュアドリーム!!!」 バンッ!!

ほむら「分かったわ」

マミ「なぎささんも気をつけて!」

ジョーカー「んふふふふふ。このウルトラアカンベェのチカラ、よォォォく味わってくださいよォォォ!!」

なぎさ「ここから先へは……」

ドリーム「行かせない!!!」


……

同刻 虹の園:有限会社シャフト

ほのか「ごめんくださーい」

かれん「どなたかいらっしゃいませんか?」

ひかり「ここが、あのアニメを作っている会社なんですね」

くるみ「へぇ、他のアニメの広告も貼ってあるわ。このキャラクターなんておどおどしてそうであゆみに似てない?」

うらら「もう、坂上さんに失礼ですよ。でも私もまどマギのさやかは声がちょっと蒼乃さんに似てるなぁって思いました」

くるみ「あたしってホント完璧……」

うらら「ぶふっ……ちょっとくるみさん」

りん「ちょっとそこ、遊ばない!!!」

ほのか「誰も居ないのかしら……すみませーん、お伺いしたいことが……!?」

こまち「……!!? な……これって!!」

うらら「コワイナーの仮面を着けた人が沢山!?」

ひかり「もしかしてアニメを作るスタッフの人たちなんじゃ……」

***「んふふ♪ ご明察ぅ〜」

ほのか「誰!?」

シャドウ「よくぞたどり着いたわねぇ。プリキュア!!」


こまち「な……」

うらら「そんな……」

りん「あんた!」

かれん「シャドウ!!」

シャドウ「うふふふ」

くるみ「のぞみとなぎさをさらったのもアンタの仕業ね!!」

シャドウ「その通り。アタシの鏡の力であのアニメの元にした世界に送ってあげたのよぉん」

ひかり「元にした世界?」

ほのか「見て。あの奥の鏡に映っているの、アニメの風景に似てない?」

かれん「えぇ。あの男の言葉からするとおそらくあれが……」

シャドウ「んふふ、アナタたちには見せてあげるわぁん。絶望の条理に囚われた世界で描かれる物語の、真のバッドエンドを!!」

ほのか「なぎさと夢原さんはどこ!!?」

シャドウ「もう分かってるんでしょう? んふふ、滑稽だったわぁ。1人じゃプリキュアの力を使えず、うふふふ。今頃は絶望に囚われているかもねぇ」

ほのか「!?」


シャドウ「この意味分かるわよねぇ? アニメ、観たんでしょう?」

ほのか「なぎさ……」

シャドウ「さて、大人しく観るなら座席を用意してあげてもいいけどぉ?」

りん「誰が!!」

かれん「みんな!! 行くわよ!!」

「「「「Yes!!!!」」」」

ひかり「ほのかさん、後ろに!」

ほのか「……えぇ」

「「「「プリキュア・メタモルフォーゼ!!!」」」」

「スカイローズ・トラングレイト!!!」

「ルミナス・シャイニングストリーーーーーーームッ!!」


同刻:囚われた世界 見滝原市街地

アカンベェ「アカンベェェェェ!」

−−バキィ!!!

ドリーム「ぁぐ!!」

なぎさ「つ、強い!」

ジョーカー「ィィィイイイ表情ですねェ! この様子ではアカンベェだけで十分ですね」

なぎさ「この、待ちなさい!」 ブンッ!!

ジョーカー「んふふ。貴方にもプリキュアの力があれば少しは楽しめるかも知れませェんが、絶望を待つだけの魔法少女ではねェ」 スカ……

ドリーム「こぉのぉぉ! プリキュア! シューティングスタァーーーー!!」

ジョーカー「当たりませんよォォォ。ではアカンベェ相手にごゆっくりィィ」 バララララララ……


同刻:虹の園 有限会社シャフト

コワイナー「コワイナァァ!!!」

コワイナー「コォォワイナァァァァ!!!」

ルージュ「こう数が多いと!!!」

レモネード「それに元はここのスタッフさん達ですから……」

ローズ「あぁもう、一気に蹴散らせたら楽なのに!」

ルミナス「それならっ!! 今です!! 鏡を!!」 ピキーン

ミップル「ルミナスのバリアなら誰にも破れないミポ!!」

ミント「これさえ!!」

アクア「押さえれば!!」

シャドウ「んふふ……鉄壁と名高いシャイニールミナスのバリア……! でぇも、このシャドウにかかれば……」 ズズッ……

ミント「!!? バリアの内側に!!?」

シャドウ「んふふふふ。鏡あるところにシャドウありよぉ♪」


アクア「一瞬でも、隙を作れれば!! プリキュア!! サファイアアロー!!」

ルージュ「プリキュア!! ファイアーストライク!!」

ミント「プリキュア!! エメラルドソーサーーー!!」

シャドウ「んふふ……遅い遅いわぁ」

シャドウ(そ・れ・に! 死角から一人走ってきているのもお見通し)

ほのか(シャドウは気づいていない! いけるわ!) タタタタ……

シャドウ「ざぁんねん!! お見通しよぉぉ!!」

ほのか「っ!!」

レモネード「雪城さん!!!」

シャドウ「変身すら出来ない可哀想なコ……一撃で葬ってあげるわぁ!!」

−−ザシュ!!

ほのか「」

シャドウ「んふ♪」


−−パリーン

シャドウ「……ぇ? 鏡!?」

ほのか「残念だったわね! 鏡は貴方だけのものじゃないのよ!」

ほのか(このまま奥の鏡まで……間に合って!!!!)

シャドウ「アタシを鏡で出し抜く!!!!!? そんなことがぁぁぁl!!!!」

ローズ「邪魔はさせない!!」

シャドウ「はっ! キュアブラックじゃあるまいし! 貴方たちのちゃっちなパンチ程度でアタシを……」

ローズ「ふんっ!!!」

−−ドゴォォォォォ!!!!!

シャドウ「ぉうふべぇあ!!」

アクア「今よ!! 行って雪城さん!!! のぞみをお願い!!」

ほのか「みんな、ありがとう!!」 タタッ

−−……


同刻:見滝原 沿岸部

さやか「こ、こいつがワルプルギスの夜!?」

まどか「大きい……」

ほむら「準備が無かった訳じゃないけど、すぐに用意できるものは限られるわ。まずは迫撃砲で集中砲火を浴びせるから、杏子はヤツをあの地点まで誘導して」

杏子「オーケイ」

ほむら「私は砲撃が終わり次第、地対艦誘導弾の発射準備に移るわ。マミはその間のヤツの足を止めて」

マミ「了解よ」

ほむら「美樹さやかはまどかの護衛を……聞いているの? ……さやか!!?」

さやか「ぁが……ぁ……」

ジョーカー「んっふっふあひゃは。背中がガァァァァァラ空きですよォォォ!!」

まどか「さ、さやかちゃん!!」

ジョーカー「あっひゃっひゃっひゃ!! ソウルジェムが濁るとどうなるのか、見ていただきましたよねェェ? じゃあ大事な大事なソウルジェム、割れてしまったら……どうなるんでしょうかねェェェェ!? あっひゃは!」

さやか「ぅ……そ……あたしのソウルジェム……ヒビ……入って……」

ほむら「や、やめ……」

−−パキッ……

さやか「…………ぁ」


マミ「美樹さん!!!」

杏子「おい!!! さやか!!! うそだろ! おい!!!」

まどか「さやかちゃん!! さやかちゃ……そんな……」

キュゥべえ「やってくれたね。キミの言いたいことは分かるつもりだけど、こうまで強引にことを運ぶとは……」

ジョーカー「んっふっふ」

キュゥべえ「まどか。ほむらの言っていた通り、ソウルジェムは魂そのものだ。砕かれた命はもう戻ってはこない。……通常の方法ではね」

まどか「……」 ピクッ

ほむら「インキュベーター!!!! まどか、耳を貸さないで!!」

キュゥべえ「まどか、キミが美樹さやかの命を取り戻したいと願うなら、ボクにはそれを叶える術がある」

マミ「鹿目さ……」

ジョーカー「あひゃっは!! 邪魔はさせまんよォ!」

杏子「っ! てめぇ!!」

ほむら「っく!!」

キュゥべえ「他のみんなにはできない。まどか、これはまだ契約をしていないキミいしかできないことだ」

まどか「さやかちゃん……」


ほむら「貴方!! まさか最初からまどかを!!」

ジョーカー「とォォぜん!! 世界をバッドエンドに導くには彼女の存在は必須ですからねェ。邪魔はさせませんよ!」

マミ「っく! 速い!」

杏子「これなら……どうだ!!!」 ヴン……

ジョーカー「一度見た技など聞きませんよォォ!」 バキィ

杏子「ぅぐ……」

まどか「キュゥべえ。私が魔法少女になれば……さやかちゃんを助けられるの?」

キュゥべえ「勿論だよ。キミの力なら造作もないことだね」

まどか「……私……魔法少女になる! さやかちゃんを助けて!」

ほむら「まどか!! お願い!! やめ……」

ジョーカー「あっひゃぁ!!!」

−−ザシュ!!

ほむら「っぁ!!」

キュゥべえ「いいだろう。キミの願いは今叶えられた」

ジョーカー「あひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!!」


キュゥべえ「これで美樹さやかの魂は再び彼女の肉体に宿った。……まどか。早速だけど残念だよ……。いや、ボクには残念なんていう感情は無いか……。キミはこれから世界を滅ぼす災厄になるだろう」

まどか「え……」

ジョーカー「そォれ!!」

−−バキィィッ!!

まどか「ッッッ!!! かはっ!!」

ほむら「まどか!!」

杏子「てめぇ! 変身前に!!」

まどか「ぁ……ごふ……うぇ……」

ジョーカー「契約……しちゃいましたねェェェェ!! 待ってましたよ!! 待ァァァァっていましたよォォォ!!!!」

キュゥべえ「何故だろうね。ボクにとっても予想できた結末だけれど、別の可能性を想定せずにいられないよ。キミたちの言葉で言うのなら、これこそが『願い』というものなのかな」

ほむら「まどかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

ジョーカー「おォっと!! 動かないでくださァい!」 グイ

マミ「鹿目さんを盾に!」

ほむら「お願っやめ……!!」

ジョーカー「さぁソウルジェムよ! 最悪の結末、バッドエンドに染まりなさい!! 彼女の魂を黒く染め上げるのです!!」

ほむら「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」


最終日



同刻:囚われた世界 見滝原 郊外

ほのか「はぁ……はぁ……うまくいったの?」

ミップル「ここは、見滝原の風景ミポ」

ほのか「本当にあの世界に来たのね。でも凄い嵐。これってまるで……」

ミップル「アニメの11話みたいミポ」

ほのか「いつに間にか12時になっちゃってる……おばあちゃま心配してるでしょうし、早くなぎさを見つけて帰らなきゃ……」

ミップル「みんなで帰るミポ」

ほのか「えぇ、とにかくなぎさを探さないと……!!?」

使い魔達「キャハハハハハ」

ミップル「ミ、ミポーーー!」

ほのか「うそ、これって!!? ワルプルギスの夜の使い魔!!?」

ミップル「ほのか!!! 逃げるミポ!!」

ほのか「だめ! 間に合わない!!」

使い魔「キャハハハ」

ほのか「−−−−ッ!」


−−ザシュ……


同刻:囚われた世界 見滝原 市街地

なぎさ「あぐっ!!」

ドリーム「このっ!!! プリキュア! シューティング・スターーーー!!」

アカンベェ「アカンベェェェ!!」 バキィ−−

ドリーム「効かない!? そんな……」

メップル「メポォ! まどか達が心配だメポ! って!! なぎさ! あそこを見るメポ!!」

なぎさ「何よ! ……ぇ? 何あの超デッカい影? ジャアクキングより大きい……」

ドリーム「あれって……もしかして……」

アカンベェ「アァァァァァカンベェ!」

ドリーム「しまっ……」

−−ドガァァァッ!!

なぎさ「ドリーム!! 痛っ……」

アカンベェ「アカンベェェェェェェェェェェェェ!!!」

メップル「魔法少女じゃ直撃したら一溜まりも無いメポ!! なぎさ!」

なぎさ(よ、避けきれない……)

−−ドグシャァァァ!!!

ほむらの話も自分が魔女になったらどうなるかの話も聞いたろうに躊躇いなく契約しおったで


同刻:囚われた世界 見滝原 沿岸部
マミ「うそ……あれが……鹿目さんだと言うの?」
ジョーカー「えぁっひゃっひゃっひゃひゃはははははは!! ィィィィィやったァァァァァァ!! 究極のバッドエンドォォォォォ!!! 世界の終焉の始まりでェェェェェす!!」
杏子「冗談だろ……おい」
キュゥべえ「……こうなってしまっては最早世界の終焉を止める術は無いね」
ほむら「まどか…………まどかぁ……」
ジョーカー「さァァァ、最後に皆さんからも心地よいバッドエナジーを頂戴致しましょうかねェェ」
マミ「諦めないって決めたのに……こ、こんなの……どうしようもないじゃない……」
杏子「お、おい、お前、ソウルジェムが……」
ほむら(砂時計の砂が落ちきるのはまだ先。過去へ戻ることすら出来ない……。いえ、それ以前に、なぎさ達という最強ののイレギュラーを以てしてもまどかを救うことが出来なかった私に、これ以上出来ることなんてない……)
ほむら「……」
ジョーカー「おんやァ? ィィィいい顔してますねェェェェェ!ではまず貴方から、最悪の結末にご招待致しましょォォォォォ!」
マミ「暁美さん!!
杏子「ほむら! おい! 避けろよ! おい!」
ほむら「……」
ほむら(私には最早……戦う理由なんて……ない)
ジョーカー「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」









                BAD   END





>>124
確かにあの箇所のトークは省きすぎた。
ほむらが話したのはまどかを助けようとしてループしてるという点で
まどか自身の最後は、ほむらも言い出せなかったというイメージ。


ほむら(それでもッ!!!!!)

……カチッ

ジョーカー「……ひゃひゃひゃ……!?」

ジョーカー(んな!? 気づけば眼前に−−対戦車ロケット弾ッ!!!?)

−−ドガァァァァン!

ジョーカー「んっふ。まァだ足掻くとは。絶望することすら出来ないバカのようですねェェェ!」

ほむら「私1人なら諦めていた……。最早まどかを救う術も無い。私に戦う理由は無い。けれど、何も出来ないのと、何もしないのとでは……きっと違う」

キュゥべえ「やれやれ、ボクとしてはこれ以上付き合う必要もないんだけどね」

杏子「お前……。いいぜ、最後まで付き合うよ。どうせ足掻くなら最後の最後までだ!!」

マミ「正直に言えば逃げ出したいくらい怖いけど、後輩にばかり……いえ、ううん、友達を残して逃げるなんて出来るはずないものね」

ジョーカー「んっふっふ。随分と物分かりの悪いコたちもいたものですねェ! いいから、さっさと絶望しろやァァァァァァ!!」

ほむら「いいえ! 私たちは、絶対に絶望したりはしないわ」

ジョーカー「なら……ここでくたばりやがれェェァァァァ!!」

ほむら「……っ!」

ーーカッ!!!

ジョーカー「!?」


同刻:囚われた世界 見滝原 市街地

−−ドガァァァァン!!

メップル「なぎさーーー!!!」

***「心配はいらないわ」

メップル「メポ!?」

なぎさ「え? アンタ……?」

ほのか「なぎさっ!!」

なぎさ「え? えぇ? え? ほのか!!?」

メップル「ミップルゥゥゥゥ!!!」

ミップル「メップルーーー!!!」

ほのか「なぎさ、無事で良かった!! 本当に」

なぎさ「な、何でほのかがここに?」

ほのか「シャドウの鏡を通ってこの世界に来たんだけど、途中で使い魔に襲われて、この人たちに助けて貰ったの」

織莉子「そうゆうことよ」

なぎさ「ど、どうして……」

アカンベェ「アカンベェェェェェ!!」

−−ギリギリギリ……

キリカ「こ……の、程度!! 絶望を乗り越えたキリカ様を見くびらないで欲しいね!!!」


ゆま「てやぁぁぁぁぁ!!!」

なぎさ「どうして、助けてくれたの?」

織莉子「分かったからよ」

なぎさ「……?」

織莉子「何度未来を視ても、世界の終焉は変わらなかった。きっと『この』未来は経緯はどうあれ、絶対に発生してしまう。だから、私は『その先』を変えることにしたわ」

なぎさ「その先……」


織莉子「未来に囚われない貴方達なら、きっとここから先を描くことができる。……私に見せて頂戴。この絶望に溢れた最悪の結末の、その先にあるものを!!」


ほのか「貴方……」

なぎさ「なんだか分からないけど……ほのか!」

ほのか「えぇ」


−−ガシッ


なぎさ「絶対また会えるって、信じてた」

ほのか「私も、なぎさならきっと無事だって思ってた」

なぎさ「行こう!」

ほのか「えぇ」


同刻:見滝原 沿岸部


ーーカッ!!!

ジョーカー「!?」

杏子「なっ、何だ!?」

マミ「あそこよ! 見て!!」

ほむら「光の……柱?」


「「デュアル!! オーロラウェーーーィィィィィブッ!!!!」」


ジョーカー「なっ!! まさか……」

−−ドガァァァアアア!!! ゴロゴロゴロ!

杏子「うぉ! な、なんだ!?」

アカンベェ「ア……カ……ンベ…………ェ」 シュゥゥゥゥゥ……

ジョーカー「んなァァァ!? ウルトラアカンベェが……これは……」



「光の使者、キュアブラック!!!!」

「光の使者、キュアホワイト!!!!」



ホワイト「闇の力のしもべ達よ!!!」


ブラック「とっととおウチに帰りなさい!!!」



ほむら「なぎさ……。まどかが……」

ブラック「大丈夫!! 絶対に助け出すから」

マミ「なぎささん……」

ホワイト「ここは私たちが。皆さんは何とかワルプルギスの夜の足を止めて!」

マミ「で、でも2人だけじゃ……」

ホワイト「大丈夫。こんな人には……」

ブラック「絶対に負けない! そしてまどかも助け出す!」

ほむら「……分かったわ」

杏子「おい、さやか? いいかげん起きろよ。よいしょ……っと」

マミ「それじゃ、気をつけて」

ブラック「そっちもね」


……

ジョーカー「んっふっふっふ。ふたり揃ったところでェェ、もはや世界はお終ァァァァい! 今更ワルプルギスの夜など……んふ♪ 救済の魔女が世界を滅ぼすのも時間の問題でェェすよォォォ」

ブラック「はぁ? ……何勘違いしてるの?」

ジョーカー「なァにを……」

−−ドゴォッ!

ジョーカー「げぐひゃ!」

ホワイト「貴方を倒すのに」

−−ゴキャァ! ベキッ!

ジョーカー「あがぁ!」

ブラック「時間なんて」

−−バキッ!

ジョーカー「ぐふぅぁ」

スーパーブラック「必要!!!!!」

スーパーホワイト「ないっ!!!!!」

スーパーブラック「でぇやぁぁぁぁぁぁぁああああああ! だぁだだだだだだだだだぁぁぁぁぁっ!!!」

−−ドカ バキ ゴキ メキ グシャ!!!

ジョーカー(あびゃばぁ……つ、強い!!? 何なんですかァ!! この強さはッ?)


−−バキィィ!

ジョーカー「っくが……! ですが、吹き飛ばしてくれたお陰で距離が開きましたよォォ。ここは一旦退いて……」

ドリーム「プリキュア!!!」

ジョーカー「!!!?」

シャイニングドリーム「スターライト!!」

ジョーカー「んなっ!!」

シャイニングドリーム「ソリューーーーーションッ!!!

−−ズガガガガガガガッ!

ジョーカー「あびゃばばばばばば! こ、こんな……ところで……」

スーパーブラック「ブラック・サンダーッ!!」

スーパーホワイト「ホワイト・サンダーッ!!」

ジョーカー「あばっ!!?」

スーパーホワイト「プリキュアのっ!! 美しき魂が!!!」

スーパーブラック「邪悪な心を打ち砕くっ!!!」

ジョーカー「に、逃げっ……」

シャイニングドリーム「だぁぁぁっ!!」

−−ズガガガ……

ジョーカー「あぎゃぁ」


「「プリキュアッ!!! マーブル・スクリューーーーーーーーーッ!!!」」


ーーーーズンッ!!!

ジョーカー「何なんですかこのチカラ! 知らない! 聞いて……いません……よォ……」


「「マックスーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!」


ジョーカー「」


同刻:虹の園 有限会社シャフト

レモネード「プリキュア! プリズムチェーン!!!」

ルミナス「ルミナス!! ハーティエルアンクション!!!」

シャドウ「ぅぐ……この!」

ローズ「ミルキィローズ! メタル・ブリザードッッ!!!!」

シャドウ「あ……が……」

ミント「やった!」


ルミナス(なぎささん、ほのかさん……)

ルミナス「お二人に……」

ポルン「力をポポー!!」



同刻:見滝原 沿岸部

スーパーブラック「ふんっ!!」

スーパーホワイト「ふんっ!!」


「「スパァァァァァァァァァァァーーーーークッッッッ!!!!!」


ジョーカー「」


……

ワルプルギス「キャハハハハ」

マミ「さすがに強いわね!」

ほむら「でも!」

杏子「こんなトコで負けてらんねーだろ!」

マミ「鹿目さんが戻ってきたら、全員でおかえりっていいましょう!」

さやか「みんなーがんばれぇぇぇぇぇ!!」


……

救済の魔女「……」 ズズズズズズズ……

スーパーホワイト「これが……救済の魔女」

スーパーブラック「知ってるの?」

スーパーホワイト「一応アニメは観てきたもの。勿論9話以降もね」

スーパーブラック「さっすが! 頼りになるぅ!」

スーパーホワイト「あの物語自体はとても優しくて、でも悲しい結末だったわ」

スーパーブラック「そっか。でもあたしたちなら……!」

スーパーホワイト「えぇ」

救済の魔女「……!!」 ズァァァ!!

スーパーホワイト「気づかれた!」

シャイニングドリーム「私が足を止めるよ!! まどかさんのこと助けてあげて!!」

スーパーブラック「オッケー!」

ミップル「ブラック、ホワイト」

メップル「ここはアレでいくメポ!!!」


スーパーブラック「当然!! ブラック・パルサー!!」


スーパーホワイト「ホワイト・パルサー!!」


スーパーホワイト「闇の呪縛に囚われし者たちよ」


スーパーブラック「今、その鎖を断ち切らん!」


「「プリキュア!! レインボーセラピーーーー!!!!」」


スーパーブラック(希望を抱いた分だけ絶望する……そんなの絶対に間違ってる! だって希望はあたしたちの胸のなかからいくらでもわき上がってくるんだから!!)


「「マックスーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!」」



……

マミ「ワルプルギスの夜、こうまで恐ろしい相手だったなんて……」

杏子「おい、もうあのミサイルみてーなのはねぇのかよ?」

ほむら「残念ね。さっきので撃ち止めよ」

さやか「こ、こーなったら! キュゥべえ! あたしもう一回……」

キュゥべえ「いやぁ……キミが加わったところで……ねぇ?」

ワルプルギス「キャハハハハ……」

杏子「くっそ……もうすぐ後ろは街だぞ! 避難所も間近だ! ……って、おい! あれ!」

まどか「ほむらちゃーーーん!! みんなーーー」

マミ「鹿目さん!」

杏子「ったく、遅せーっての」

さやか「まどか!」

ほむら「……ま……どか」

まどか「みんな……心配かけてごめんね」

ブラック「良かった。街は無事みたい!」

ホワイト「それじゃあ最後に」

ドリーム「もうひと頑張りだね!」

まどか「……ううん」

ブラック「まどか?」


まどか「さっき、真っ黒な意識に沈んでた私をなぎささんたちが助けてくれた時、実は少しだけ感じたんです。なぎささんたちのこと」

ホワイト「……」

まどか「なぎささん、本当はこの世界の人じゃないのに……私なんかの為に必死で戦ってくれて……」

ドリーム「まどかちゃん……」

まどか「だから私も、私の世界の為に、私なんかの為に戦ってくれた人たちの為に戦いたいって……そう思うから」

ほむら「まどか……それは!」

キュゥべえ「いいんじゃないかな」

ほむら「貴方は黙っていなさい!!」 チャキ

キュゥべえ「自分たちのソウルジェムを見てみるといい。あと銃下ろして貰えるかな?」

ほむら「ソウルジェム……これは……」

杏子「どうなってやがる!? 一片の濁りもねぇじゃねーか!」

マミ「ジョーカーにワルプルギスの夜と立て続けに戦ったのに……」

キュゥべえ「この世界の条理が覆されたからさ。キミたち、プリキュアという存在が希望は無限であるという理をこの世界線上に上書きしてしまったんだ。キミたちは今やエントロピーを完全に超越した存在となった」

ブラック「?」

ドリーム「?」

キュゥべえ「理屈では理解出来なくても……キミたちなら分かるんじゃないかな? 今すべきことが。今やキミたちを阻む理は存在しないんだからね」

まどか「うん」


ほむら「まどか……」

まどか「ほむらちゃん。さやかちゃん。マミさん。杏子ちゃん。一緒にやってくれるかな?」

ほむら「貴方が望むのなら」

さやか「当然!!」

マミ「ふふ、理を越えた存在、悪くない響きね」

杏子「よく分かんねーけどアイツをぶっ倒すんだろ? やるさ」

ほむら「……で、まどか? 具体的に何をするのかしら?」

キュゥべえ「キミたちにもう一つ助言しておこう。さっきの話と同時に、この世界に一つの理が加わった。『成せば成る』だ」

まどか「いくよ! みんな!」

杏子「お、おう」

ほむら「え? え?」 オロオロ

まどか「私、プリキュアになる!」





      「「「「「コネクト!! プリキュア!!!!!」





セイファー「ピンクのソウルは世界を照らす救世の光! キュアセイファー!」

オフィーリア「真紅のソウルは闇を切り裂く刃の煌めき! キュアオフィーリア!」

フィナーレ「黄色のソウルは人々を繋ぐ友情の瞬き! キュアフィナーレ!」

オクタヴィア「蒼きソウルは愛を育む深海の木漏れ日! キュアオクタヴィア!」

リリィ「紫のソウルは決して挫けぬ不屈の輝き。 キュアリリィ」



「「「「「絶望を晴らす奇跡を今ここに!! マジカル・プリキュア!」」」」」



オクタヴィア「な、なんじゃこりゃーー!」

フィナーレ「私たち、プリキュアに!? 凄いわ! 見てなぎささん、ほら!!」 キラキラ

リリィ「こ、こんなふりふりした派手な衣装である必要はないんじゃ……」

セイファー「必要あるもん! ホムリリィも一緒じゃなきゃ駄目だよ!」

リリィ「いや、ほむの部分はつけるに及ばないわ」

オフィーリア「つーか、フィナーレって何だよ? マミはもっとこう、キヤノンデールみたいな名前じゃね?」

フィナーレ「あら、可愛くていいじゃない」

オクタヴィア「そう言えばフィナーレの変身だけ描画がハンパなかったような……」


ドリーム「おぉーーー」

ブラック「本当に変身しちゃった」

ホワイト「でもこれなら……」

メップル「きっと」

ミップル「大丈夫ミポ」

ブラック(もうこの世界で絶望に囚われる必要なんてない……だって、諦めなければ希望は無限に溢れてくるんだもん)



……

ゆま「キリカ……見て! ソウルジェムが……」

キリカ「ギリギリまで戦ってたはずなのに、欠片も濁ってない?」

織莉子「確かに見せてもらったわ。バッドエンドの先にあるもの……さぁ、帰りましょう」

キリカ「最後まで見ていかないのかい?」

織莉子「えぇ、結果は視えなくとも分かりきっているわ。急がないと貴方の分のクッキーもゆまが食べてしまうわよ」

ゆま「くっきー!!」

キリカ「あ、ちょ、待ってよー」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年11月07日 (金) 21:56:00   ID: FCNVMv_2

プリキュアまどかクライマックス

2 :  SS好きの774さん   2015年01月13日 (火) 01:52:11   ID: 0GyNpJbd

これ最後までまとまってないんだけど
続きあるよ

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom