櫻子「えっ?生徒会長?」(171)
櫻子「いたんですか?」
綾乃「……え」
千歳「おるよー?」
向日葵「いるに決まってるでしょう…おばか」
綾乃「大室さん…会った事ない?」
櫻子「……?」チンプンカンプン
千歳「覚えてないん?ほら、顔合わせの時ー」
櫻子「………えっとー」ポワンポワン
櫻子(杉浦先輩とー)バッキンガム!
櫻子(池田先輩とー)ヤデー
櫻子(おっぱいとー)タユンタユン
櫻子(…………)
櫻子(……黒髪?)
櫻子「はっ!?船見先輩!!」バチーン
向日葵「違いますわよ!?」ガビーン
ガラッ
櫻子「?」
りせ「…………」
綾乃「あ、会長」
櫻子(この人が会長かぁ)
りせ「…………」スッ
りせ「…………」ジーー
綾乃「…えっと」
櫻子「あ、コピー紙ならここにありますよ」サッ
あやちとひま「!!??」
りせ「………」
櫻子「え、そうなんですか」
りせ「………」
櫻子「あはははは!やりそう!!」ケラケラ
りせ「………」
あやちとひま「………!?」
りせ「………」ガラガラ ピシャ
櫻子「あはは、会長ってかわいいですね」
綾乃「ちょ…大室さん…」
向日葵「会長が何言ってるか分かりますの…?」
櫻子「え?うん」
りせ『あぁ、そこにあったのね?探しちゃったわ』
櫻子『あはは、はいどうぞ』
りせ『西垣先生がね?実験でコピー機を使うからって』
櫻子『え、そうなんですか』
りせ『ふふ、コピー機が爆発しなければいいんだけど』
櫻子『あはははは!やりそう!!』ケラケラ
櫻子「って言ってました」
向日葵「あなた何者なんですの…」
あやちと「………すごい」
櫻子「え、みんな分からないんですか?」
綾乃「…会長、無口な人だから」
千歳「今まで意思疎通できるの、西垣先生だけだったんよ?」
櫻子「私すごい!プリン食べていいですか!」
綾乃「それ私のプリン!!」
向日葵「調子に乗るんじゃないですわこのおばか娘」
櫻子「ふっふーん♪だってすごいんだもん♪」パクパク
綾乃「それ私のプリン…」ガクゥ
その頃
理科室
りせ「………」
先生「…ん、どうした?松本」
りせ「………」
先生「ほぅ…大室が」
りせ「………」
先生「ふむふむ」
先生「あいつなかなかできるな」
先生「よかったな」
りせ「………」
先生「友達ができるじゃないか」
りせ「………」
先生「ふふ、なんでだよ、子供じゃあるまいし」
先生「嫉妬なんてしないよ」
りせ「………」
先生「いいことじゃないか」
りせ「………」
先生「…何が、って」
先生「いいことだぞ、話ができるってのは」
りせ「………」
先生「お前にはもっといろんな奴と話をしてもらいたいな」
先生「だから…」ピタ
先生「…松本」
りせ「………」
先生「コピー機が爆発しそうだ」
ズガァーーーン
ズガァーーン…
櫻子「…ん」
向日葵「この音は…」
千歳「…あれやなぁー」
綾乃「…あれね」
先生「ははは、また理科室を使用禁止になったよ」ガチャ
先生「一ヶ月」
綾乃「一ヶ月!?」
千歳「先生、今度はなにやらかしたん?」
先生「聞いて驚け…実はだな」
りせ「………」
櫻子「はい会長」スッ
りせ「………」
櫻子「おいしいですよ」
りせ「………」モグモグ
櫻子「…えへへ」
綾乃「それ私のプリン」
りせ「…………」
綾乃「?」
櫻子「『ごめんね』だそうです」
綾乃「いや…まだいっぱいありますから」
櫻子「じゃあもう1個食べていいですか!」キュピーン
綾乃「えぇっ!?」ビクン
向日葵「いい加減にしなさいよ」チョップ
櫻子「んごふ」
りせ「………」
千歳「あ、もうこんな時間や」
綾乃「そうね…」
綾乃「今日の仕事はここまでにしときますか」
櫻子「ふぃー、疲れたぁ」
向日葵「櫻子はプリン食べてただけですわ」
向日葵「しかも先輩の」
櫻子「こ、細かいことはいーのー!!」
りせ「…………」クイクイ
櫻子「ん?会長…?」
りせ「…………」
櫻子「そうなんですか、いいですよ」
向日葵「え、えっと…?」
先生「一緒に帰ろう、だそうだ」
先生「まだ私の研究が終わらなくてな…」
向日葵「会長、いつも西垣先生と帰ってましたのね」
先生「あぁ」
先生「いつも私のマシンに二人乗…」
綾乃「……」ジロ
先生「歩いて帰ってるんだ」キリッ
先生「流石に待たせておくのは悪いからな…」
櫻子「へっへー、お任せ下さい」
櫻子「じゃ行きましょう会長」
りせ「…………」コク
先生「寄り道しないで帰れよー」
りせ「…………」
向日葵(…櫻子、今なんて?)コソッ
櫻子(『子供扱いしないで』だって)ポソ
櫻子「と」
櫻子「言う事でっ」
櫻子「どこ寄っていきましょうか!?」
向日葵「ちょっ!?あなた先生の話聞いてましたの!?」
りせ「……」
櫻子「会長も行きたいって」
りせ「………」フルフル
向日葵「今のは嘘でしょう」
櫻子「ばれたか」
櫻子「会長、じゃあまたー」バイバイ
向日葵「失礼致しますわ」ペコ
りせ「………」バイバイ
櫻子「会長の家、結構近所だったんだねー」
向日葵「そうですわね、知りませんでしたわ」
櫻子「今度、遊びにいっちゃおうかなー」
向日葵「すっかり仲良しですわね」
向日葵「会長に迷惑かけるんじゃありませんわよ」
櫻子「うっさいな、分かってるよ」
向日葵「でも不思議ですわね」
櫻子「なにが」
向日葵「どうしてあなた、会長の言ってることが分かるのかしら」
櫻子「あぁ、勘だよ?」ケロッ
向日葵「勘!?」
櫻子「なんていうのかなー」
櫻子「会長の眼を見るとなんとなく言いたいことが分かるよ」
向日葵「素直にすごいですわ」
櫻子「もっとほめてもいいよ?」
りせの家
りせ「………」デンワ
先生『そうか、それはよかったな』
りせ「………」
先生『…どうした』
りせ「………」
先生『…え?』
りせ「………」
先生『おいおい…流石にそれは専門外だ』
りせ「………」
先生『でも、そんなものがなくてもお前と大室は…』
りせ「………」
先生『ふふ、そういうことか』
りせ「………」
先生『なら』
りせ「………」
先生『こういうのはどうだろう?』
次の日
七森中
1年2組
あかり「櫻子ちゃん、向日葵ちゃん」
向日葵「赤座さん、なにか?」
あかり「あの…後ろのドアのところ」
りせ「………」コソッ
櫻子「あっ」
あかり「生徒会長さんだよね?なにかご用みたいだよ」
櫻子「どうしたのかなー」トテトテ
ちなつ「…会長さんって無口なんじゃなかったっけ?」
向日葵「それが、櫻子は会長と意思疎通できるみたいなんですの」
あかり「えっ」
あかり「ほんとだ…なんか楽しそうに話してる」
ちなつ「話してる…のかな、あれ」
向日葵「正直、櫻子が一人で喋ってるように見えますわね」
あかり「櫻子ちゃんすごいなぁ」
ちなつ(もしかしてテレパシー?)
櫻子「ただいまー」
ちなつ「おかえりー」
向日葵「なにかありましたの?」
櫻子「うん、手紙もらった」ジャン
ちなつ「ラブレター?」
向日葵「なっ!?」
あかり「ちょっ!?」
櫻子「えっ!?」
櫻子「ち、違うし!」カアァ
櫻子「ただの手紙だよ…たぶん」
向日葵「会長はなにか言ってましたの?」
櫻子「言いたいことを手紙に書いたから」
櫻子「読んでほしい、って」
ちなつ「ますますラブレターっぽいね」
あかり「はわわわ…」カアァ
ちなつ「櫻子ちゃん、読んでみようよ」
櫻子「ちょ、ちょっと待って!読む!!」ガサガサ
櫻子「…………」ジー
櫻子「…………」ジーー
向日葵「さ、櫻子?」
あかり「はうぅ…」モジモジ
ちなつ(なんで櫻子ちゃんよりあかりちゃんのほうが顔赤くしてるんだろう…)
櫻子「…ふぅ」
櫻子「読んでいいよ」ピラッ
向日葵「いいんですの?」
ちなつ「どれどれ…」
あかり「あかり、なんだか恥ずかしくて見れないよぉ」
向日葵「会長、字綺麗ですわね…」
ちなあかひま「……」ジー
あかり(えーと)
向日葵(なんていうか…)
ちなつ(授業中にまわってくるような)
櫻子「すっごい普通だよね」
あかり「うん…」
ちなつ「なんていうか…わざわざ手紙書く程じゃないよね」
向日葵「他の方ならいざ知らず…」
あかり「櫻子ちゃん、会長さんとお喋りできるのにね?」
櫻子「うーん…?なんなんだろう…?」
櫻子「そうだ、先生に聞いてみよう」パチン
ちなつ「先生?」
向日葵「この学校にはもう一人、会長と意思疎通できる方がいますのよ」
櫻子「ちょっと行ってくるー」ダッシュ
向日葵「廊下は走らない!!」
理科室
先生「それで私のところに来たのか?」
櫻子「はいっ」
櫻子「先生なら、会長はこの手紙で何を伝えたいのか分かると思いまして」
先生「……まぁ、分かるが」
先生「っていうか、手紙を書くように言ったのは私だからな」
櫻子「えっ、そうなんですか」
先生「それにしてもお前…聞きにくるの早すぎだろう」
先生「もう少し考えたらどうだ?」
櫻子「えー、いじわるしないで教えてくださいよ」
先生「お前、松本が何考えてるか分かるんじゃなかったのか?」
櫻子「あぁ、あれ勘です!!」
先生「えっ!?」ゴホォ
先生「ちょ、お前…コーヒー吹いただろ…」ゴホゴホ
先生「お前すごいな」
櫻子「向日葵にも言われました!」
先生「お前ならあの手紙の意味が分かると思ったんだがな…」
先生「……」
先生「松本には、私が言ったって内緒だぞ?」
櫻子「はい」
先生「昨日、松本から電話があってな…」
先生「『人と話せるようになる道具が欲しい』と言われた」
先生「生憎そういうのは管轄外でな、無理だと言ったんだが…」
先生「どうも、お前と話がしたかったようなんだ」
櫻子「え…」
先生「知っての通り、あいつは無口だ」
先生「きっと、友達が出来て嬉しかったんだろう」
先生「なんだかんだ言ってあいつも15歳の女の子だから」
先生「人並に、友達とおしゃべりがしたいんだと思う」
先生「私も、あいつと話はできるが」
先生「…今日クラスでなにがあった、とか」
先生「…帰ったらどこに遊びに行こう、とか」
先生「そういうことを気軽に話す間柄じゃないからなぁ…」
先生「私がもう少し、若ければよかったのにな」
先生「…話が逸れたな」
先生「ともかく、あいつはお前と自分の言葉でお喋りしたいんだそうだ」
櫻子「お喋りって…」
先生「こっちがあいつの言いたいことをくみ取って、一方的に喋りかける」
先生「そうじゃなくて、言葉のキャッチボールがしたいんだと思う」
先生「だから私は手紙を勧めたんだ」
先生「文字でなら、あいつは自分から思いを伝えられるから」
先生「返事、書いてやってくれ」
櫻子「で、でも…」
櫻子「手紙だったら、私じゃなくてもいいんじゃ…」
先生「にぶいやつだな」
先生「…なんというかあいつは、人が嫌いというのか?」
先生「無口なせいもあってか、人とあまり関わりを持ちたがらない一面がある」
先生「そんな性格の人間がわざわざ手紙を書いたんだ」
先生「…分かるだろ」
先生「誰かとじゃない」
先生「お前と、話がしたいから手紙を書いたんだ」
先生「返事、書いてくれ」
櫻子「…はい」
櫻子「書きます」
先生「…そうしてやってくれ」
先生「…もう授業が始まってるな」
櫻子「あっ」
先生「まぁ始まってしまったものは仕方ない」
先生「コーヒーでも飲んでいくか?」
櫻子「甘いの作ってください!」
先生(…ココアのほうがよさそうだな)コポコポ
数日後
生徒会室
櫻子「はい会長!お手紙です!」
りせ「………」スッ
綾乃「結構続いてるわね、それ」
向日葵「もうお手紙たくさん溜まったんじゃありません?」
櫻子「そうですねー、もう机の引き出しがいっぱいですよ」
りせ「………」
櫻子「『全部ファイルにとじて保存してるわ』って」
綾乃「そ、それはなんというか…すごい」
綾乃「じゃあ今日はこれくらいにしましょうか」ガタン
櫻子「会長ー、帰りましょう?」
千歳「最近、大室さんは会長とべったりやなぁ」
先生「まぁ私としては助かってる」
先生「なんせここじゃ研究がはかどらなくてな、やることなすこと時間がかかる」
先生「大室がいれば松本を下校時刻に帰せるからな」
綾乃「お願いですから爆発は止めてくださいよ…?」
向日葵「では失礼いたしますわ」
櫻子「また明日ー」
りせ「…………」
りせ「………」
櫻子「えー?いいですよ?」
向日葵「何ですの?」
櫻子「私、会長のうち寄ってくね」
向日葵「ほんとに仲良しですわね」
櫻子「だろー?」ニヤニヤ
りせ「………」
櫻子「じゃーねー向日葵ー」
向日葵「えぇ、また明日」
向日葵「帰ったら宿題やりなさいよ」
櫻子「はいはい」
りせ「………」
りせの家
りせ「………」ゴソッ
櫻子「わっ凄い、ファイル3冊目」
櫻子「私達、いつの間にこんなに手紙交換してたんですね」
りせ「………」コクリ
りせ「………」
櫻子「…え?」
櫻子「なんですか、急に改まって…」
りせ「………」
りせ「………」モジモジ
りせ「………」カコカコ
櫻子(携帯?)
櫻子(そんなの使わなくても…)
(こっちがあいつの言いたいことをくみ取って、一方的に喋りかける)
(そうじゃなくて、言葉のキャッチボールがしたいんだと思う)
(文字でなら、あいつは自分から思いを伝えられるから)
櫻子「………」
りせ「………」カコカコ
『話したい事があるの』
『…ちょっと長くなるけど』
『頑張って、私の言いたいことを全部伝えるから』
『大室さんに聞いてほしいの』
櫻子「…はい」
りせ「………」カコカコ
『…大室さんがコピー紙を取ってくれた時』
『すっごくびっくりして』
『すっごく嬉しかった』
『私の言う事を分かってくれる人は、久しぶりだったから』
『私は…恥ずかしがり屋だから』
『自分から誰かに気持ちを伝えることができなかった』
『みんなと自分の間に壁があるように感じて』
『本当の意味で、仲良くはできなかったの』
『…でも』
『大室さんと仲良くなってから』
『帰りにどこかに遊びにいったり』
『宿題を一緒にやったり』
『お手紙を交換したり』
『…大室さんが壁を越えてきてくれた』
『ありがとう』
櫻子と会長がクリスマスデートするところまで妄想した
櫻子「いやいや…そんな、私は何もしてませんって」
りせ「………」
りせ「………」カコカコ
『だから今度は』
『私が壁を越えようと思うの』
りせ「………」モジモジ
櫻子「?」
りせ「………」…カコカコ
『大室さん』
『あなたが、好きです』
七森中
1年2組
櫻子「……」ボーッ
向日葵「櫻子、なに呆けてますの?」
櫻子「あぁ、向日葵…」
向日葵「最近あなたちょっとおかしいですわ」
向日葵「さっきの授業中だって、先生に指されてたのにうわの空で」
向日葵「春はとっくに終わってましてよ」
櫻子「…うるさいなー、ほっといてよ」
向日葵「はぁ…まったく」
向日葵「おかしいといえば」フト
向日葵「最近、会長が生徒会室に来ませんわね?」
櫻子「………」
向日葵「櫻子、なにか知りません?」
向日葵「杉浦先輩が困ってますのよ」
櫻子「分かんない」
向日葵「分からないって…あなたが一番仲良いんですから…」
櫻子「分かんないの!!」ガン!
向日葵「…櫻子?」
櫻子「…分かんない」
櫻子「分かんないよぉ…」ポロポロ
向日葵「ど、どうしましたの!?」
向日葵「ひとまず…ちょっと来なさいな」
保健室
櫻子「………」グス
向日葵「落ち着きました?」
櫻子「…うん」グスグス
向日葵「…いったいどうしましたの」
向日葵「会長とけんかでもしました?」
櫻子「あのね…」
…
向日葵「…そう」
向日葵「そんなことが」
向日葵「で、なんて答えましたの?」
櫻子「…まだ、言ってない」
櫻子「私、そんなこと言われたの初めてで…」
櫻子「会長も返事はあとでいいから、って言ってくれて…」
櫻子「…いっぱい、考えたんだよ?」
櫻子「考えて、考えて、考えたら…」
櫻子「頭の中が、いっぱいになっちゃって」
櫻子「そしたら会長の言ってること」
櫻子「分からなくなっちゃった…」
向日葵「え!?」
向日葵「それ、ほんとですの」
櫻子「うん」
櫻子「前は一緒にいるだけで自然と分かったのに」
櫻子「会長の言ってることも、会長の考えてることも」
櫻子「もう、ぜんぜん分かんないの」
櫻子「…どうしたらいいのかなぁ」グスッ
櫻子「向日葵ぃ…!」ダキッ
向日葵「………櫻子」ナデナデ
生徒会室
りせ「………」
先生「今日はどうした?」
りせ「………」
先生「そう、か」
りせ「………」
りせ「…………」
先生「…よしよし」ナデナデ
先生「頑張ったな」
りせ「………」グスッ
りせ「………」
先生「それにしても…なんでだろうな」
りせ「………」
先生「大室は…」
先生「お前の言葉が勘で分かると言っていた」
りせ「………」
先生「最初はそんな馬鹿な、と思ったんだが」
先生「少し考えて、こう思ったんだ」
先生「本能で、理解してるんじゃないかって」
先生「たぶんお前と話してる時、何も考えてないんだ」
りせ「………」
先生「他のやつと話すときと同じように」
先生「自然体でお前に接してるんだよ」
先生「だから、かもな」
りせ「………」
先生「そうさ」
先生「だから少し、考える時間を」
先生「頭の中を整理する時間をあげてもいいんじゃないか?」
りせ「………」
りせ「…………」グッ
保健室
向日葵「…櫻子らしくありませんわね?」
櫻子「…?」
向日葵「私の知ってる櫻子は」
向日葵「何にも考えずに、まっすぐ突っ走る」
向日葵「そんな女の子なはずでしたわ」
櫻子「だ、だって、告白されたんだよ?」
櫻子「ちゃんと考えて、返事してあげないと…」
向日葵「それが、らしくないって言ってるんですわ」
向日葵「会長が好きになったのは、櫻子なんですのよ?」
向日葵「櫻子らしく、応えてあげなさいな」
櫻子「………」
櫻子「…うん」
放課後
生徒会室
向日葵「こんにちはですわ」ガチャ
櫻子「………」ドキドキ
綾乃「あら二人共」
櫻子(会長…)キョロキョロ
綾乃「ちょうどよかったわ、大室さん」
綾乃「会長のメールアドレスとか知らないかしら?」
綾乃「処理に困った書類があるんだけど、最近会長来ないから…」
櫻子(いない…)ガクッ
綾乃「大室さん?」
向日葵「あぁもうしゃっきりしなさいな」ポンポン
櫻子「会長…」ドドンヨリ
ゆりはいいのぉ
千歳「あーもうみんな来てたんやな」ガチャ
向日葵「ほらほら」ポンポン
櫻子「うぅ」ズーン
綾乃「…?」オロオロ
千歳「どうしたん?」
綾乃「あぁ千歳…」
綾乃「みんな変なのよ、大室さんはへこんでるし会長は来ないし…」
千歳「会長ならさっき昇降口のとこで見かけたで?」
櫻子「えっ!?」ガバァ
櫻子「ちょ、ちょっと行ってきます…!」バタバタ
りせ「………」トテトテ
りせ「………」トテトテ
りせ「………」トテトテ
りせ「………」トテトテ
りせ「………」トテトテ
りせ「………」トテト
りせ「………」トテ
りせ「………」クルッ
櫻子「か、会長…!」ゼェゼェ
|i _ -‐  ̄ ̄ ‐- |
__ノ ヽ_ ´ ̄ __人__
⌒ヽ / ̄ `Y´
/ |! | \
く :/ / ヽ
ヽイ : :/|斗┼ト |// |
ー、/ '|_:ハ ! | :|/ニニニコ : |
l 'ニミリ ヽ、 |ニニニコ: | : l |
ノ /リ ,ゝ !: |: : :| l |
_,. ' {ソ /:/ !: : :| | !
! "´〟 / /: : : :| /: !
| / /: : : \j__ . : : |i
i --一 / / /: : :/: `ヽ: : __ノ ヽ_
', 〈 l: : -‐: ´: : :/:  ̄ヽ /⌒
| ヽ、 `ヽ、: : : ://\ |! )
`ー_人_ __) ,ゝ'´  ̄ ̄ ̄ ` 、: / /
/ `ヽ __ `Y´: : :/ :/ レ (: /
,r ´ ,ィニュ_〉 ! /: : : :( . . : : / ( ヽ、  ̄)
| ____)ノ ` 、: : :\: : :| ヽ、 :_:__: ): . /
| ___〕 /: : : :∧ / : : :,r': : _) ∧: : し' i
| __, ) (: : :/.ノ/ : :./: : : ヽ _ ノ \: . ノ
櫻子「意外と、歩くの、早いんですね…」ゼェゼェ
櫻子「へへ、追いつくの大変でした」ハァハァ
りせ「………」
りせ「………」カコカコ
『大丈夫?』
櫻子「だい、じょぶです…」ゼェゼェ
櫻子「好きな人のためなら、こんなのへっちゃらですっ!!」
りせ「………!」
櫻子「…えへへ」
櫻子「好きです、会長」
りせ「……………」
りせ「………」ダキッ
櫻子「わっ」
りせ「………」ギュウウ
櫻子「………」ギュッ
りせ「………」
櫻子「あ」
櫻子「何て言ったか、分かりました」
櫻子「…うん」
櫻子「ずっと、一緒です」
|i _ -‐  ̄ ̄ ‐- |
__ノ ヽ_ ´ ̄ __人__
⌒ヽ / ̄ `Y´
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く :/ / ヽ
ヽイ : :/|斗┼ト |// |
ー、/ '|_:ハ ! | :|/ニニニコ : |
l 'ニミリ ヽ、 |ニニニコ: | : l |
ノ /リ ,ゝ !: |: : :| l | キマシタワー!!
_,. ' {ソ /:/ !: : :| | !
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次の日
生徒会室
りせ「………」
綾乃「えっと…」
櫻子「『その書類ははんこ押して提出』だそうです」
綾乃「はい、分かりました」
綾乃「ありがとう大室さん」
櫻子「いえいえ」
向日葵「一時はどうなるかと思いましたけど」
向日葵「一件落着ですわね」
千歳「ほんとよかったなぁー」
櫻子「そりゃあ私とりせちゃんの仲ですから!」
りせ「………」
綾乃「…何て言ってるのかは分からないけど」
千歳「息がぴったりなのは分かるなぁ」
向日葵「えぇ、そうですわね」
櫻子「二人の愛の力の成せる技です!」ビシィ
りせ「………」ビシィ
櫻子「…えへへ!」
りせ「………」ニコッ
おしまい
おしまい
以前からさくりせに無限の可能性を感じてたんだ!
珍しいカプだが面白かった
乙
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