妹「私のふりかけも使っていいよ」(802)

兄「ほ、ほんとに!?」

妹「いいよ、今日はお兄ちゃんの誕生日だもん」

兄「な、なんていい妹なんだ!ハフッ!う、うまい!」

妹「うふふ、良かったね」

兄「毎日ふりかけご飯ばっかりで悪いなぁ…むぐむぐ」

妹「私はいいよ、貧乏でも」

兄「俺の稼ぎも少ないし」

妹「お父さんとお母さんの借金があるからね」

兄の全身を擦って採取した謎のふりかけを食べるんですね?

兄「くそぉあいつら、逃げるなら普通は家族全員で逃げるだろ」

妹「お父さんとお母さんを悪く言っちゃだめだよ」

兄「いやここは言ってもいいと思うが」

妹「仕方ないよ…いつかきっと帰ってくるよ」

兄「帰ってきたらぶん殴ってやる」

妹「そんなこといわないでってば…あれ、誰かきたよ」

兄「どうせ借金取りだ、放っておけ」

妹「そうだね」

兄「はぁ…いつまでこんな暮らしを続けるんだろ俺たち」

妹「私も15歳になったら働くからね」

兄「い、いいよ…お前くらい俺が養ってやるから」

妹「えへへ、ありがと」

兄「俺もせめて高校さえ出てたらもっとまともな仕事につけるんだけど」

妹「私は中学も途中から行ってないや…」

兄「……すまねぇ」

妹「?…お兄ちゃんのせいじゃないよ」

兄「うんでも…すまん…俺がもっと大人だったら」

妹「もー、そんなこと言っても仕方ないよ…ふりかけご飯冷めちゃうよ?」

兄「…そうだな」

妹「おなかいっぱい?」

兄「まぁ…いっぱいではないけど満足」

妹「お茶碗洗っちゃうからかして」

兄「あぁ、いつも悪いな」

妹「お茶碗ふたつ洗うだけだもん…大したことないよ」

兄「そっか…あ、風呂はいる?」

妹「うん」

兄「じゃ、お湯沸かしておくからな」

妹「はーい」

兄「よし、ヤカンの湯は沸いたから」

妹「タライも準備したよー」

兄「おっけ、これに沸かしたお湯と」

妹「水をまぜて…これくらいかな」

兄「うん、いい湯加減だ」

妹「私が先でもいいの?」

兄「あぁ、お先にどうぞ」

妹「えへへ、そっち向いてて」

妹「いいお湯だよー」チャポチャポ

兄「そいつはよかった」

妹「お兄ちゃんも一緒に入る?」

兄「入りたいが物理的に無理だ」

妹「一人用だもんね…このお風呂」

兄「風呂って言うのもおこがましいレベルだけどな」

妹「ね、背中流して欲しいな」

兄「う、うん…」

兄「背中、流すぞー」

妹「うん、お願いします…」

兄「気をつけないと畳にこぼれちゃうな」

妹「あはは、気をつけないとね」

兄「お兄ちゃんにまかせろ」

妹「あんまり下のほうは見ないでね」

兄「うん?」

妹「だ、だからあんまり下のほう見ないで。お尻見えちゃってるもん…」

兄「あ、す、すまん」

妹「えへへ、お兄ちゃんならいいけどね」

妹「ねえ、お兄ちゃん」

兄「何だよ」

妹「私、少しは女の子らしい体になった?」

兄「い、いきなりどうした」

妹「…おっぱいも出てきたんだよ?ほら」

兄「こっちみんなって」

妹「あはは、お兄ちゃんのえっちー!」

兄「全く…ほら、背中はもういいだろ」

妹「前も洗ってくれる?」

兄「なんななな」

妹「あははっウソだよー」

妹「ねえ、お兄ちゃん」

兄「何だよ」

兄「私、少しは女の子らしい体になった?」

兄「い、いきなりどうした」

兄「…おっぱいも出てきたんだよ?ほら」

兄「こっちみんなって」

兄「あはは、お兄ちゃんのえっちー!」

兄「全く…ほら、背中はもういいだろ」

兄「前も洗ってくれる?」

兄「なんななな」

兄「あははっウソだよー」

妹「・・・・・(こいつキモイ)」

妹「私ね、こないだ借金取りのおじさんに言われたの」

兄「は?なんて?」

妹「…もうちょっとしたら使えるぞって」

兄「……くっ…!」

妹「使えるって…そういう意味なんだよね」

兄「知るかよ…」

妹「私みたいな女の子は、みんなそういうことしなくちゃいけないんだって」

兄「……」

妹「お兄ちゃんもそうしたほうがいいと思う?」

兄「ふ、ふざけるな」

妹「ふりかけご飯いっぱい食べられるようになるよ?」

兄「俺がそんなことさせないから」

兄「俺が絶対にそんなことさせない。すぐにいい生活させてやるから」

妹「お兄ちゃん…ありがとう」

兄「苦労かけてるけど…お兄ちゃん頑張るからな」

妹「うんっ!待ってるねっ」

兄「いつになるかわからないけどな…さ、流しで髪洗え」

妹「はーい」ザバァ

兄「お、おいっ!タオル巻け」

妹「あ、忘れてた…取ってきてっ」

兄「し、尻が…桃が…」

妹「はー、いいお湯だった」

兄「たまには銭湯でもいきたいなぁ」

妹「うん、行きたいね」

兄「じゃあ、今度の給料日に一緒に行こうな」

妹「わーいっ!!やったー!」

兄「……う…ぐすっ…すまん…すまん…」

妹「どうして泣いてるの?」

兄「泣いてないよ…さ、寝るか」

妹「起きてると電気がもったいないもんね」

妹「じゃあ、おやすみなさい」

兄「おう、お休み」

妹「なんだか最近涼しくなってきたね」

兄「秋だからなぁ…」

妹「……くしゅっ…!」

兄「お、おい、寒いのか?」

妹「へ、平気だよ…くしゅんっ!」

兄「くそぉ、せめてもう一枚掛けるものがあればな」

妹「大丈夫…だから…くしゅっ!」

兄「こっちくるか?少しはましだと思うぞ」

妹「え…?」

兄「はは、嫌だよなやっぱり」

妹「うぅん…嫌じゃない…お兄ちゃんと寝る」

妹「あったかいよぅ…えへへ」

兄「少しはましになったか?」

妹「うんっ!お兄ちゃん、石鹸のいい匂いがするね」

兄「あれ?俺風呂入ったっけ」

妹「ちゃんと入ってたよ、くんくん」

兄「うーん、全然覚えてない」

妹「お兄ちゃん、背中が少し寒いよ…」

兄「もっとこっちに来て」

妹「ぎゅーってして、ぎゅーって」

兄「こら、抱きつくな…」

妹「少しならいいでしょ?えへへ…」

チュンチュンチュン

兄「…朝かぁ…ふぁああ…」

妹「すー…すー…」

兄「あぁ、寒いから一緒に寝たんだっけ」

妹「くー…くー…」

兄「冬になる前に布団買わないとなぁ」

妹「すやすや…」

兄「さって、起きて仕事に行かないと」

妹「あ…お兄ちゃん、おはよう…」

兄「起きたのか」

妹「待ってて…朝ごはん作るから」

兄「いただきまーす」

妹「いただきまーす!」

兄「けさはのりたまか、贅沢だな」

妹「はい、おにぎり作ったから持って行ってね」

兄「お、サンキュー」

妹「ちゃんと具も入ってるからねっ」

兄「な、なんて贅沢なんだ」

妹「今月は少し余裕があるのー」

兄「じゃ、行ってくるからな」

妹「あー!おにぎり忘れてるよっ!」

兄「あ、ごめんうっかり」

妹「もう…はいっ!愛妹弁当だよー」

兄「ありがたくいただく」

妹「えへへ、なんか私たち結婚してるみたいだねー」

兄「…お前は今日も家にいるのか?」

妹「あ、ごまかした」

兄「そんなんじゃないけどさ」

妹「私は掃除とか、洗濯とかかなぁ」

兄「こんなボロアパート掃除しても仕方ない気が」

妹「そんなこと言っちゃだめだよ…ボロでも私とお兄ちゃんの家なんだから」

兄「まぁなぁ…」

妹「前の家はどうなったかなぁ」

兄「売りに出されてたから、もう誰か住んでるだろ」

妹「そう…」

兄「…」

妹「…」

兄「じゃ、家のことは任せた…誰か来ても部屋に入れないようにな」

妹「うん…いってらっしゃい」

?「こらーさっさと足場組めやー!」

兄「は、はいーすみませんっ」

?「んだぁこの組み方はっ!崩れっちまうだろうがこのガキッ!」

兄「す、すいません…急いでたもので」

?「急げばいいってもんじゃねーんだよ!」バキッ

兄「ぐはっ…すいません…すいません…」

?「ったくよー…使えねーのが入ってきたもんだぜ」

兄「が、頑張りますから…すいません」

?「オラァ!いいからさっさと仕事しろやっ!」ドゴッ

兄「痛ッ…は、はい…すぐやりますから…」

妹「お、お兄ちゃん…」

兄「い、妹…なんでここに…」

妹「お兄ちゃん…水筒忘れたから、現場ここだって…だから…」

妹「お、お仕事…大変そうだね…」

兄「ま、まあな…」

妹「水筒…あの…お茶入ってるから…」

兄「あぁ、忘れてたわ」

妹「ご、ごめん…ね…私…」

兄「何が?」

妹「お兄ちゃんが…こんなに大変だなんて…し、知らなくて…」

兄「仕事なんてこんなもんだろ」

?「オラッ何ぼさっとしてやがんだ」ドゲシッ

兄「いだだっ…すみません今」

妹「ご、ごめんなさい…もう…行くから…」

兄「あ、待って…」

兄「…」

兄「ありがとーって言いたかったのに…」

兄「さってと帰るか…」

?「まてや」

兄「な、何でしょう」

?「これ妹ちゃんに食わせてやんなぁ」

兄「お、保存が利きそうな食品がたくさん。カレーやらなんやら」

?「今日来たの、お前の例の妹だろ?」

兄「そうです」

?「ちゃんと食わせてやってんのかぁ?」

兄「ふりかけなら…いやなんでも」

?「もうちょっとしたら給料上げてやるからよ…頑張れや」

兄「ありがとうございます」

?「ケッ…さっさと帰りやがれ」

兄「さっき買ってきてくれたんですか?これ」

?「帰れって言ってんだろうがボケナスぅッ!!」

兄「は、はいっ…失礼します」

兄「よっしゃ、今日は久々にまともなものが食えそうだぞ」

兄「妹も喜ぶだろうな、へっへっへ」

兄「牛丼、カレー、ビーフ…缶詰か…ふへへ」じゅる

兄「っと、アパートに着いたぞー」

兄「ただいまー!」

妹「あ、お、お兄ちゃん…」

おじさん「どうもお邪魔しております」

兄「だ、誰!?」

兄「て、てめぇもしかして例の借金取りだなっ」

お「はて何のことやら…」

妹「お、お兄ちゃん落ち着いて」

兄「さっさと出て行かないと警察よぶぞこら」

お「これは面妖な」

兄「黙れこの闇金め…」

妹「お、お兄ちゃん違うの…待ってってば」

兄「誰も部屋に入れるなっていってただろうが…まったくお前は」

妹「待ってよー!話をちゃんと聞いて」

お「私は貴方の母親の兄の妻の従姉妹のはとこのまたいとこのさらに親戚の家の執事として働いているものですが」

兄「ほ、ほとんど他人じゃねえか…」

妹「しーっ」

お「分かりやすく言うとあなたの遠縁の身内の家の家政長です」

兄「すこしはわかりやすくなった」

お「お館さまがあなたがた兄妹を引き取りたいと申しております」

兄「は?」

妹「……」

お「あなたがた二人は若いのにずいぶんご苦労なさっているようですな」

兄「ちょいまち」

お「何でしょうか」

兄「そんな事あるわけねーだろ!大体なんだよお館様ってのは…」

お「お館さまはお館さまです…あなたの遠縁の身内ですよ」

妹「な、なんだかね、すっごくお金持ちのお家なんだって」

兄「ほほう、俺は初耳だぞ」

妹「養子になれば、借金も全部払ってくれるって…」

兄「そ、そんなうまい話があるはずない」

お「両親のない子供を血縁者が引き取る。何もおかしなことはないと思いますが?」

兄「で、でも…会ったことも無いのに」

お「お館様はたいそう気の毒がっておりましてな…ぜひ養子に迎えたいと」

兄「そんな、急に知らない人の子供になれって言われても」

お「みたところ、妹さんは中学生なのでは?」

兄「それがどうした」

お「学校には行ってらっしゃらないようですな」

妹「……」

兄「なんでそんな事を知ってんだよ…」

お「簡単にですが、調べさせていただきましたから」

お「こちらに住むことになれば、妹さんは学校に通うことが出来ます」

兄「う…」

お「もちろん、それは貴方も。高校を中途退学されてますな?」

兄「……」

お「あなたがたにとって悪い話ではないように思います」

兄「そ、その屋敷だか家に俺たちが行ったら邪魔だろ。そのおっさんにも家族がいるだろ」

お「はい…お館様とお嬢さんと二人でお住まいです。あとは私ども小間使いが何人か」

妹「お、お嬢さん?」

兄「ほらみろ、そんなところに行けるかよ…」

お「お嬢様は非常に心待ちにしておりますよ?」

お「それでは決心がつきましたら、こちらへ連絡ください」

兄「…」

妹「…」

兄「えーっと…どっきりカメラはいつ来るのかな?」

妹「それってまだ放送してたっけ?」

兄「よくわかんないや…」

妹「そっかぁ私も…」

兄「…あ、これ…お土産…親方がもってけって」

妹「お、お館…さま!?」

兄「そっちじゃないって」

兄「じゃ、いただきます…」

妹「うん…いただきます」

兄「…もぐもぐ」

妹「…はぐはぐ」

兄「美味しい?」

妹「美味しいよー…」

兄「そか…」

妹「うん…」

兄「…もぐもぐ」

妹「…はぐはぐ」

兄「で、どうする…」

妹「え…?」

兄「さっきの話だよ、本当かなぁ」

妹「なんかねぇ、お金持ちの家があるのは本当みたい…もぐもぐ」

兄「な、なんでそんなこと知ってんだ?」

妹「さっきのおじさんがね、その家の本があるっていってくれたの」

兄「うは…家の本って…史記みたいなもんか」

妹「私はよくわかんないけど…」

兄「うーんもらった名刺の住所とは一緒だけど」

妹「でしょ?」

兄「ふーん…製糸とかで昔大もうけした家なのか…」パラパラ

兄「今でもすごい資産家みたいだなぁ…この本が本当だとすれば」

妹「私は読めない漢字が多くてだめだったよー」

兄「…ま、そうでもなきゃこんな酔狂な真似するわきゃないか…」

妹「そこの家の子になったら、ふりかけご飯いっぱい食べれるのかなぁ」

兄「ふりかけどころか毎日いいもん食えそうだけど」

妹「じゅ、じゅるっ…ど、どうしようお兄ちゃん…」

兄「めっちゃ行きたそうだなお前」

兄「お前はどうしたい?」

妹「私は…私はお兄ちゃんにまかせるよ」

兄「俺に?」

妹「うん…お兄ちゃんが行くって言えば行くし」

兄「行かないって言ったら?」

妹「私一人で行くね」

兄「おい待て小一時間ほど問い詰めてやる」

妹「あははっ!ウソだよーぅ」

兄「ほんとかよ全く」

妹「お兄ちゃんと離れ離れはやだ…だから、お兄ちゃんがここにいたいならここにいる」

兄「……」

妹「くー…すー…お兄ちゃん…」

兄「ふぅ…どうしたものやら」

妹「お兄ちゃんについてくよー…すやすや」

兄「…あの話が本当だとすれば…」

妹「すぴぴぴ…」

兄「やっぱり、行ったほうがいいんだろうな」

妹「ずずず…くしゅっ…」

兄「どう考えたってこんな暮らし普通じゃない…学校にも通わせられない、満足に飯も、服も…」

妹「むにゃ…」

兄「くそっ…!大人じゃなきゃいけないのに…なんで俺は子供なんだっ…」

兄「こいつに人並みの幸せを与えられるのは、俺じゃないんだ」

妹「…くーくー…」

兄「ちゃんとした地位があって、お金があって…少なくとも今の俺じゃない」

妹「…くーくー…」

兄「ごめんな…だめな兄ちゃんで」

妹「…く…くっ…うっ…」

兄「…?」

妹「お兄ちゃんはだめじゃないぃぃ…うわ…ぁぁん…」

兄「お、おきてたの?」

妹「あ、あんなおっきな声で独り言してたら起きるよっ!ぐす…」

兄「そいつはすまん…」

妹「ぐすん…わ、私の事ばっかり言ってたけど…」

兄「うん?」

妹「お、お兄ちゃんだって…本当なら高校に行ってて…部活もして」

兄「別に高校行ったからって、リア充になるとは限んないぞ」

妹「それはそうだけど…きっと今よりずっといいよ」

兄「そうかな」

妹「わ、私の分まで苦労して働いて…ぐす…叩かれたり、怒鳴られたりして…」

兄「あの人結構いい人なんだって」

妹「ひっく…でもやっぱりやだもん…あんなの見たら…」

兄「まぁ、体育会系に慣れてない女の子にはきつく見えるだろうな」

兄「行ってみっか」

妹「…ほんとに?」

兄「あぁ…なんだよそのびっくりした顔は」

妹「だって、なんとなく断る気がしてたもん」

兄「まぁ色々考えてはみたけど…きっと考えてもわかんないし」

妹「うん…」

兄「向こうからしたら子猫を拾うような感覚なんだろうなぁ」

妹「もしかしたら、お兄ちゃんを跡取りにするとか」

兄「んなわきゃないって」

妹「わかんないよー?女の子しかいないっていってたし」

兄「それにしたって俺はないだろ」

妹「きっとお兄ちゃんがすっごく成績良かったこととかも知ってるんじゃない?」

兄「うーん、色々調べてはいるんだろうけど…」

妹「あ…そういえば女の子がいるんだったよね」

兄「そーいやそうだった…」

妹「私たちが行くの待ってるっていってたよね」

兄「言ってたことが本当ならだけど」

妹「妹になるのかな?それともお姉さんかな」

兄「どうだろ」

妹「私は妹がいいな…お兄ちゃんは?」

兄「うーん…選べるなら姉貴がいいかな」

妹「どうして?」

兄「姉貴ならやさしくふんわり包んでくれそうで」

妹「私だって毎日包んでるでしょー!もうっ!ぎゅううううっ」バギバギバギ

兄「ギバップ!ギバーップ」

妹「ふーんだっ!お兄ちゃんのえっちっ!」

兄「なんでそうなるんだ…」

兄「じゃあ寝よう、明日連絡してみる」

妹「う、うん…なんかドキドキするね」

兄「はは、俺もだよ」

妹「あのね、もしもだよ?もしもその女の子がとってもいい子で」

兄「うん?」

妹「かわいくて、性格も良くて、おっぱいも大きくて、お尻がきゅっとしてても」

兄「なんなんだよ」

妹「わ、私よりかわいがっちゃだめだよ…ね?」

兄「…ププ」

妹「な、なんで笑うのー!」

兄「ブラコンだな、うんうん」

妹「もー!真剣に話したのにっ」プイ

兄「悪かったって」

兄「なあ、機嫌直せって」

妹「つーんだ」

兄「後ろから抱っこしちゃうぞ」

妹「え…あ…きゃっ!」

兄「約束するよ、お前よりかわいがらない」

妹「ほ、ほんとに?」ドキドキ

兄「あぁ、ほんとにほんと」

妹「ふぅーん…な、ならいいけど…」

兄「それ以前に向こうがどう思うかだけどな…」

妹「み、見た目はまぁ80点てところだから、あとは中身じゃない?」

兄「なんで急に上から目線なの」

妹「し、知らないっ!お休みっ」

兄「はいはい…お休み」

妹「は、離れると寒いの!そのままでいてよ」

兄「うん…」

妹「へへ…あったかい」

兄「こ、今度こそ寝るぞー!」




序章おしまい

ガタタン ゴトトン

妹「お・兄・ちゃ・んー」

兄「……」

妹「ばぁっ」

兄「……」

妹「…えいっ」ギュムッ

兄「あだだだだっ!何するんだ」

妹「ちっともお話してくれないから退屈だよー」

兄「悪い…いろいろ考え事してたから」

妹「なに考えてたの?」

兄「これから行くところの事かな」

妹「まさか旅費まで全部出してくれると思わなかったね」

兄「あぁ…しかもグリーン車特等席だ」

妹「椅子がふかふかー」

兄「はは、行儀が悪いぞ」

妹「お仕事のほうは大丈夫だった?」

兄「あぁ、ま、もともとそんなに役に立ってなかったし」

妹「でも、親方さんすっごく喜んでくれてたね」

兄「ああ、いきなりやめるなんていったら普通怒りそうなもんだけど」

妹「退職金もくれたんでしょ?」

兄「ちょっと給料に色ついた程度だけどな」

妹「えへへ、お兄ちゃんおなか空いたよー」

兄「よしよし、まかせろ。すみませーん!しうまい弁当二つ」

妹「わーい!」

兄「紐を引っ張ってあっためるんだぞ」

妹「もぐもぐ…え?そうなの」

兄「おまっ!あせんなって」

妹「でも、こんなに遠いと思わなかったね」

兄「だなぁ、もうそろそろ着くみたいだけど、そこから鈍行で1時間」

妹「山と川と谷しかないね」

兄「すっごい田舎だぞ、その家があるとこ」

妹「ええー!そうなの?」

兄「うん、地図で確認したから間違いない」

妹「コンビニとかある?」

兄「うーん…厳しそうだったけどな」

妹「ジャスコは?ないのかな」

兄「どうだろうな…県境の村だからな」

妹「ええー!お金持ちなのにそんなとこに住んでるの?」

兄「らしいぞ」

妹「お金あるんだからひっこせばいいのにね」

兄「逆に金があるからそういうとこでも住めるんだろ」

妹「えー、よくわかんない」

兄「自分でわざわざ買わなくても、配達とか、家政婦さんに買ってきてもらったり」

妹「ふーん…」

兄「ま、行けばわかるだろきっと」

妹「あ、もうすぐ着くね」

兄「乗り換えなきゃな」

妹「うぅ~ん…ずっと座ってたからお尻が痛い」

兄「さ、降りよう」

妹「着いたー!」

兄「ふぁあああ…ようやくだなぁ」

妹「すっごーい!山がこんなに近いよー!」

兄「想像以上のど田舎だなこりゃ」

妹「せみの声がいい感じだね」

兄「ひぐらしかな?よくわかんねーや」

妹「これからどうするの?」

兄「なんでも迎えに来てくれるらしい…お、来たかも」

妹「な、なんかすっごい高そうな車だよっ!」

兄「まわりの風景にそぐわないな…すげえ」

執事「お待たせいたしました、兄様、妹様」

妹「あ、この間のおじさんだ」

兄「あ、兄様って…なんというかむずがゆい」

執「はは…もうお二人は法的にもお館様と親子なのですから当然です」

妹「ふぁ…こ、こないだまでの生活がウソみたい」

兄「うーん未だに信じられない」

執「信じようと信じまいとこれが現実です…さ、お乗りになってください」

妹「うひゃー!車の中に冷蔵庫があるー!」

兄「じゃ、失礼して…」

兄「山間部なのに田んぼが多いなぁ」

妹「こーいうのなんていうんだっけ」

兄「段々畑とかでいいんじゃないの」

執「…このあたりの土地は、全てあなたのお父様のものですよ」

兄「え?」

妹「なになに?実は農家だったの?」

執「いえ、要は地主というやつです」

兄「それって戦後GHQだかマッカッサーだかに禁止されたんじゃ」

執「山間部は田園の開発に時間もお金もかかりますから…土地の没収を例外的に免れる事があります」

兄「ふむふむ…」

執「この辺りでは今も変わらず地主と小作民の関係が続いているというわけです」

執「着きました」

兄「うわ…!」

妹「すっごーい…!すごいね…お兄ちゃん」

執「私は車を車庫に…少々ここでお待ちください」

兄「あ…は、はい…」

妹「お兄ちゃん、なんだかお城みたいだね」

兄「雰囲気のある洋館だなぁ…」

妹「ど、どうしようお兄ちゃん…こんなところに住めないよう…」

兄「お、臆するな!びびったら負けなんだってこういうのは」

妹「だ、だって昨日まで6畳のアパートに二人暮らしだったのに」

兄「だからどうしたっ…たったっ大したことないよ」

妹「あ…だれか庭にいるよ」

兄「女の子…?」

女の子「…こんにちわ」

兄「こ、コニチワ」

妹「こんにちわー」

女の子「お兄様ですね」

兄「へっ」

妹「お、お兄様って…じゃああなたが…ってか私はー!?」

女の子「お待ちしていました…お兄様」

兄「はっはっはっはふうううううううう」

妹「ちょ、ちょっとお兄ちゃん!」

女の子「あなたは…妹ちゃんですね」

妹「そ、そうだけど」

女の子「私たち、同い年なんですよ」

妹「そ、そうなんだーえへへ」

女の子「うふふ、仲良くしましょうね」

妹「う、うん…!よろしくねっ」

兄「お兄様…お兄様…」

妹「ちょっと、帰ってきてよー!ばかっ」

兄「いでっ!なにしやがる」

女の子「うふふ…今日から家族ですね、お兄様」

兄「はふっ」

妹「ねー、それ禁句にしてくれない?」

女の子「想像していたよりもとっても素敵なお兄様で…私…ちょっと緊張してます」

兄「ふおおおおっ!!」

妹「な、なにこの流れ!?私いらない子?」

執「お待たせしました、お部屋のほうへご案内致します」

兄「あ…あ…はい…ふぅ…」

妹「全くもー!」

女の子「それでは、また後で…」

兄「あ、あのさ、お兄様ってやめてくれるかな?」

女の子「? どうしてですか?」

兄「呼ばれるたびに別の世界に入っちゃうからさ…せめてお兄さんとか」

女の子「わかりました、お兄さん」

兄「ふがっ!はぁあ…」パァアア

妹「結局同じじゃないの!もう行くよ!」

女の子「うふふ、後でゆっくりお話しましょうね」

執「お館様は現在お仕事で明日ご帰宅の予定です」

妹「そっか、残念だね、お兄ちゃん」

兄「…ん、ああそうだな」

妹「……」ムギュッ

兄「いったーい」

妹「ふーんだっ!」

兄「何すんだよっ!」

執「仲のよろしいことで…兄様はこちらの部屋をお使いください」

兄「あ、はい…うわ、予想通りの立派な部屋」

執「妹様はあちらの部屋をお使いください…あちらから送られてきた荷物はこちらです」

兄「ほんとにこんなとこに住んでいいんですか?」

執「何度も申し上げることではありませんが…ここはもう貴方の家なのです、兄様」

兄「そ、そうですか…」

妹「…私、荷解きしてるからね」

兄「まぁ荷物といっても大したものはないわけだが…」

兄「このクローゼットとやらに服でもかけるか」

兄「しかしなぁ…俺がこんなとこで暮らすってか」

兄「実感がわかないな……ん?」

兄「クローゼットの内側に何か引っかき傷が」

兄「なんだか字みたいに見えるけど、どれどれ…」

兄「……」

妹「お兄ちゃーん、入っていい?」

兄「ん?いいよー」

兄「まあ後でいいか…」

妹「私の部屋と内装同じだね」

兄「ふーん、そうなんだ」

妹「ねー、何か手伝うことない?」

兄「特にないよ。もともと大して荷物なかったしな」

妹「そっか…私もなんだ」

兄「なんだ、退屈なのか?」

妹「……」ギュッ

兄「おいおい、どした」

妹「べっつにぃ…」ギュッ

兄「さては、今までずっと二人で六畳一間だったから…寂しくなったんだろ」

妹「」コクコク

兄「はは、子供だなぁ」

妹「ねー、約束ちゃんと覚えてる?」

兄「えっとえとえっと…覚えてるって」

妹「…さっき約束破った」

兄「へ?」

妹「私より、妹ちゃんのほうがいいんでしょ?」ギュ

兄「そ、そんなことないってば」

妹「嘘…さっき明らかに浮かれてたもん」

兄「そんなことないって、平常心そのものだったぞ」

妹「嘘だっ!絶対誰がどう見てもでれーっとしてたもん!」

兄「いい子っぽかったしいいじゃないか…」

妹「むー…」

妹「じゃ、もう一回約束してよ」

兄「ま、また?」

妹「うん、デレてもいいからさ、私のほうを可愛がるって」

兄「わかったよ…お前のほうが付き合い長いしな」

妹「へへっ…そうだよ~っ!すりすり」

兄「しっかし、落ち着かない部屋だな」

妹「今日は一緒に寝てあげようか?」

兄「単にお前が寂しいだけだろ」

妹「う、うん…」

女の子「お兄様…じゃなくてお兄さん、そろそろ夕食です」

兄「お、飯かぁ」

妹「楽しみだねー」

兄「で、お前はいつまで俺に引っ付いてるんだ?」

妹「うーんとね、最低でもあの子に見られるまで」

兄「そ、それが最低ラインかよっ」

女の子「お兄さん、そろろそ下に…きゃっ!」

妹「へっへっへー」

女の子「妹ちゃんも一緒だったんですね」

兄「う、うん」

女の子「くすくす…仲がよろしくてうらやましいです」

妹「なんか私馬鹿みたい…」

女の子「我が家の食事の時間はいつもこの時間ですから、覚えていてくださいね」

兄「毎日同じ時間なの?」

女の子「ええ…そうしないとシェフが帰れませんから」

妹「シェ、シェフ!?」

兄「ほえー…まさしく住む世界が違うな」

女の子「今日はお父様がいらっしゃいませんから三人ですが…腕によりをかけて作ってくれたそうです」

兄「あぁ…母親はいないんだったな」

妹「ご、ごくっ…早くいこうよーお兄ちゃんっ」

おなかが いたいよ

兄「いただきます」

妹「グアツグアツ」

兄「こら、行儀悪いぞ」

女の子「くすくす、いっぱい食べてください」

兄「でもすごいな、いつもこんな豪華なの?伊勢海老とか」

女の子「そんなことありません、普段は私とお父様だけですから、もっと簡単にすませてしまいます」

兄「だってよ、残念だったな…もぐもぐ」

妹「グアツグアツ」

兄「だめだ聞こえてないようだ」

女の子「ふふ、気に入っていただけて何よりです」

妹「はっ…私ったら…!」

女の子「今夜は何をしてお過ごしですか?」

兄「特に何も。風呂に入って寝るくらいしか」

妹「いっつも夜は早く寝てたもんね、電気代がもったいないから」

兄「こら、育ちがばれるぞ…」

女の子「…少しは伺ってます。お父様とお母様が…その…」

兄「ああ、そうか。うん、そういうこと」

妹「……」

女の子「…あとで、浴室の場所を案内させますね」

兄「ありがと」

妹「ちゃんとしたお風呂に入れるー」

兄「ふいー食った食った」

妹「お兄ひゃん…私もうらめぇ…」

兄「食いすぎなんだよお前は…太るぞ」

妹「おなかがぱんぱんだよー…ほら、触ってみて」

兄「ぽっこり出てるなぁ…なでなで」

妹「えへへ、くすぐったい」

兄「何ヶ月だよこれ…なでなで」

妹「うーん3ヶ月?」

兄「毎日こんなもん食ってたらあっという間にピッツアだな」

妹「あ、執事さんだー」

兄「あれ、俺の部屋から出てきたなぁ」

執「…これは兄様と妹様。お食事はもうお済みですか?」

兄「はい」

妹「とっても美味しかったよー」

執「それはよろしゅうございました」

兄「なにか俺に用でしたか?」

執「屋敷の案内をして差し上げようかと思い…」

妹「あ、ちょうど良かったね」

兄「だなぁ、俺たち風呂に入ろうかなって思ってたから」

執「かしこまりました。浴室はこちらでございます…」

兄「うーん…足の伸ばせる風呂はいいなぁ、やっぱり」

妹「お兄ちゃん、私も一緒に入っていい?」

兄「!? こ、こら!」

妹「お邪魔しまーす」

兄「返事聞く前に来てるじゃないか」

妹「だって、広いのになんだかもったいないんだもん」

兄「これが貧乏性ってやつか…もう根っから染み付いてるんだな」

妹「だめ?ちゃんとタオルも巻いてるよ」

兄「うーん…」

妹「一緒に入ろうよ、お兄ちゃん」

兄「わかったわかった、入ろうな」

妹「わーい!」ザップーン

兄「わぷぷ…ちゃんと体を洗え」

妹「泳げるくらい広いよーきゃー」

兄「こら、泳いだらタオルが…!」

兄「しっかし、お金ってあるところにはあるもんだな」

妹「そうだね」

兄「立派な屋敷で、何人もお手伝いさんがいて…まあずっと控えてるのは執事さんだけみたいだけど」

妹「ふーん、よく知ってるねお兄ちゃん」

兄「明日のこと考えると緊張するなぁ」

妹「お養父さんのこと?」

兄「うん、俺たちの事気に入ってもらえたらいいけど」

妹「うんうん、いい子にしてなきゃね」

兄「…もう上がるか」

兄「うーん、いいお湯だった」

兄「妹は先に部屋に戻ったみたいだな」

兄「そーいや執事さん俺の部屋で何してたんだろ」

兄「…」

女の子「お風呂はもうすみましたか?」

兄「うわっと!びっくりした」

女の子「ごめんなさい、びっくりさせて」

兄「いや、気にしないで」

女の子「えっと、よろしかったら私の部屋に来ませんか?お兄さん」

兄「え?」

女の子「私、お兄さんが出来たらしてみたいことがあったんです」

兄「えっと、よくわかんないけど俺でよければ…」

女の子「うふふ、また私の勝ちですね」

兄「くそぉまた負けるなんて」

女の子「FPSは少々得意なんです」

兄「ゲーム好きなの?」

女の子「ゲームは私の命ですっ!」

兄「そ、そう…」

女の子「お兄さんはあんまりゲームしないんですか?」

兄「その昔ゲーム機も差し押さえられて以来やってなかったな」

女の子「ご、ごめんなさい…私ったら」

兄「あ、別に気にしなくていいよ。昔の事だし」

女の子「お兄さんって優しいですね」

兄「そ、そうかな…あはは」

女の子「優しい男性って素敵だと思います」

兄「あっはっはっは…また変なスイッチが入りそうだ」

兄「しかし、すごいゲーム機の本体とソフトの数だ」

女の子「あ、あんまり見られると…恥ずかしいです」

兄「最近のはもとよりSFCにメガドラ、果てはカセットビジョンまであるじゃないか」

女の子「メガドラはランドストーカーが一押しですよ」

兄「ふーん、こんどやらせてね」

女の子「は、はい…あ、サターンでぷよぷよしませんか?」

兄「…ちなみに10連鎖とか平気で出来ちゃう人?」

女の子「えっと、最高は19連鎖ですけど」

兄「廃人だ…廃人すぎる」

女の子「あはは…私友達いないんです」

兄「え?」

女の子「だから、こうして遊ぶの初めてで…」

兄「俺でよかったらいつでも付き合うからさ」

女の子「う、嬉しいです…」

兄「気軽に声掛けてね、妹もゲーム好きだし」

女の子「はい…明日は三人でゲームしましょう」

兄「じゃあ、そろそろ部屋に戻ろうかな」

女の子「はいっ!おやすみなさい」

兄「お休み、…妹ちゃん」

兄「さて…寝るか」

兄「ちゃんとしたベッドで寝るなんていつ以来だろうなぁ」

兄「うーん、柔らか過ぎて腰が落ち着かない」

妹「おにいちゃーん」

兄「ん?どうした」

妹「入ってもいい?」

兄「どぞ」

妹「おじゃましまーす」

兄「さっそく寂しくなったんだな…ういやつめ」

妹「ち、違うもんっ!えっと…違わないかもだけど」

兄「どっちだ」

妹「今日は一緒に寝てもいい?」

兄「あぁ、ベッド大きいし問題ない」

妹「なんか落ち着かなくってさ…じゃ、お休みなさい」

兄「落ち着かないって、部屋がか?」

妹「うん…見られてるような気がして」

兄「気にしすぎだ…ここ二階だし、周りに民家もないし」

妹「そうだよね」

兄「気のせいじゃないとしたら…」

妹「したら?」

兄「お化けとか」

妹「や、やめてよー!」

兄「ベッドの下は見たか?」

妹「み、見てないけど」

兄「ベッドの下にカマ持った殺人鬼がいた実話があってな…」

妹「ぎゃーーーーーーーっ!!」

兄「ププ、怖がりだなぁ」

殺人鬼「クソッ! 気づかれたか!」ニュッ

兄「」

妹「」

妹「うぅ…もうベッドで寝れないよ…」

兄「毎日いるかいないか確認すればいいだろ」

妹「そ、そんなことして目が合ったらどうするの!」

兄「ダッシュで逃げて警察呼べばいいだろ」

妹「む、無理だよぅ…ひ…ひっく…」

兄「わ、悪かった…そんなに怖がるなんて思わなかった」

妹「もぅっ!お兄ちゃんのばかっ…ぐす」

兄「よしよし…大丈夫だからな」

妹「ひっく…ぐす…」

兄「さ、寝よう」

妹「あのね…ひっく…お兄ちゃん」

兄「何だ?」

妹「おしっこ行きたい…」

兄「行けばいいだろ」

妹「む、無理だよ、一人で行くなんて」

兄「そんなことでここで毎日暮らせると思ってんのか」

妹「お兄ちゃんが変な話するからいけないんだよっ」

兄「はぁ…一緒についてってやるからさっさと済ませろよ」

妹「あ、ありがと…」

兄「うーん…確かにこういう洋館の廊下って夜は不気味だなぁ」

妹「でしょでしょ?」

兄「消灯してるとなおさらだなぁ」

妹「電気はどこかなぁ…」

兄「トイレならすぐそこだから大丈夫、ほら手」

兄「……」

妹「この家ってトイレも立派だよね」

兄「なんで俺が中まではいらにゃならんのだ」

妹「だ、だってトイレで一人になったら結局一緒だもん!」

兄「理屈は分かるけども…」

妹「目、閉じててね」スルスル

兄「屁したら怒るぞ」

妹「し、しないもん…お兄ちゃん最低っ!」

兄「排泄に付き合わせるほうが最低だろどう考えても…」

妹「ん……」チョロロロ

兄「……」

妹「み、耳もふさいでてっ」

兄「どっちかというと鼻をふさぎたい気分だわ」

妹「終わったよ、お兄ちゃん」つんつん

兄「やれやれ、じゃあ部屋に戻ろうか」

妹「ちゃんと洗面台があって手が洗えるね…ごしごし」ジャー

兄「トイレに前室があるなんてどこの貴族だよ」

妹「はぁ…部屋までまた怖い思いするのやだなぁ」

兄「俺がいるから大丈夫だろ」

妹「お化け屋敷は二人で入っても怖いもん…あれれ?」

兄「どうした」

妹「廊下に電気が付いてるよ」

兄「へー…こんな時間に誰か付けてくれたのかな?」

妹「きっとセンサーで明かりがつくようになってるんだよ」

兄「それなら俺たちが来るときにつくだろうけど…まあいいか」

妹「これならそんなに怖くないかも」

兄「……」

チュンチュンチュン

執「おはようございます、兄様」

兄「うーん…おはようございます…」

執「失礼してもよろしいでしょうか?」

兄「はい…ってちょっとまって」

妹「くー…くー…」

執「失礼します…おや、これは…」

兄「ち、違いますこれは」

妹「すぴぴ…お兄ちゃん…」

執「仲のよろしいことで…アーリーティーをお持ちしました」

兄「あ、アーリーティー?」

執「ええ、ベッドの中や寝室で嗜む目覚めの紅茶の事です」

妹「…うん…いい匂いがする…むくっ」

執「妹様、おはようございます」

妹「おはよう…ございます…ぐー…」

兄「こら、みっともないぞ」

執「さ、どうぞ」

兄「いただきます…うん、うまいな」

妹「美味しいね、お兄ちゃん」

執「今日の予定は何か?」

兄「全くもってないです。こっちに知り合いもいないし…」

妹「学校もないもんね」

執「左様ですか…夜にはお館様が戻られますので、それまでは如何様にもお過ごしください」

兄「要するに夜には屋敷に居ろってことだな」

妹「はーい」

女の子「おはようございます、お兄さん、妹ちゃん」

妹「おはよー」

兄「ああ、おはよう」

女の子「今日は何をして過ごされるんですか?」

妹「みんなに聞かれちゃうね」

兄「絶賛ニート中だからな…マジでやることねぇ」

女の子「私も学校がなければお二人に村でも案内したいのですが」

兄「制服可愛いね」

女の子「あ、ありがとうございます…お兄さん」

妹「ねねね、コンビニってこの辺あるのかな?」

女の子「えっと、車で20分ほどいったところにありますけど」

兄「全然コンビニエンスな感じじゃないな…」

妹「妹ちゃんがゲーム貸してくれてよかったね、お兄ちゃん」ピコピコ

兄「時間つぶしにはちょうどいいな」ピコピコ

妹「あー!お兄ちゃん鷹村はだめだってばー」ピコピコ

兄「お前こそ一歩はよせ。デンプシーが鬼すぎる」ピコピコ

執「兄様、妹様、お昼の食事の用意が出来ました」

妹「はーいっ!いこお兄ちゃん」

兄「うーん、ダメ人間まっしぐらだなこりゃ…」

妹「お兄ちゃんは今までいっぱい苦労したからいいんだよ」

妹「私、先に行ってるね」

兄「あぁ、俺もすぐ行くから」

妹「待ってるよー」

兄「クローゼット…見るの忘れてたんだよな」

兄「なんか気になるんだよな…なんなんだろ」

兄「……」

兄「……え?」

兄「傷が増えてて…読めない」

兄「前からこうだったっけか?それとも…」

兄「よく見れば…でも少しは…」

兄「名前…!?お、俺の?」

兄「他は…だめだ、読めない」

兄「…うーん、俺と同じ名前の子供がいたってことか?」

兄「古い家だしありうることではあるけど…うーん」

兄「……」

兄「わかんないことを今考えても仕方ないな、飯食うか」

妹「おにいちゃーん!先食べちゃうよー」

兄「でっけー声…食堂から届くとは」

妹「いただきまーす!はむっはふっ」

兄「俺たち、こんなゴロゴロしていていいんですか?」

執「ゴロゴロ、と申しますと」

兄「なんていうか家の事とかしなくていいのかなって。退屈だし」

執「お二人の世話は全て私どもに任されております。何も心配なさらずくつろいで下さい」

兄「でも…あ、草むしりでもしましょうか」

執「そんなことをされてしまいますと、私どもがお館様に叱られてしまいます」

妹「そうだよお兄ちゃん…もぐもぐ」

兄「お前は順応早すぎるんだよ」

妹「えへへ、そうかな」

執「人間がここまで繁栄できたのは強いからではなく、適応力がずば抜けていたからですよ、兄様」

妹「そうそう…もぐもぐ、はぐはぐ」

兄「お前はあつかましいだけな気もするんだが」

うーん…これボツにした同人ゲーム用のシナリオなんだけど
さすがにVIPでやるにしても長すぎるな
落ちまで考えてないしSS速報に移動するか

                     ____         
                   / ___  \      
                ( ̄二  |´・ω・`|   \  
                 \ヽ   ̄ ̄ ̄    )  
                ∠/       /| |   
                (        ///  
                 |   ,、______,ノ ̄ ̄)     
                 |  /    ̄/ /     
                _|_|____//_  
.            |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
──────   |    マダですCAR-R       |          |
 _____    |   ,-─-、        . ,-─-、 |          |
.           |_/  ,-、ヽ____/ ,-、 ヽ_|_____|

             ',   -' ノ   ヽ:::::::::',  -'  ノ  ヽ::::::::::丿

兄「何か家の手伝いでもしよっかな」

妹「執事さんはやらなくていいって言ったのに」

兄「何もしないのも結構苦痛なんだよ…いきなりご主人顔もできないしさ」

妹「私はゲームやってるほうがいいなー」

兄「ま、お前は部屋に戻ってていいぞ」

妹「私も一緒に手伝うー」

兄「お、偉いじゃないか」

妹「私一人で部屋にいるのも悪いし」

兄「そっか…じゃやるか」

妹「何するの?」

兄「うーん、窓拭きとか草むしりとか」

兄「裏庭のほうは手入れがされてないなぁ」

兄「軍手も借りてきたし…ここからやるか」

兄「ちなみに妹は窓拭きのお手伝いにいったみたいだ」

兄「……」

兄「うーん、暑い」

兄「……」

兄「あれ、この辺だけ草が生えてないな…」

兄「それになんだか地面が柔らかいような」

兄「気のせいかな…スコップでも持ってこようか」

兄「この物置にスコップがありそうだ」

兄「……」

兄「俺、何してるんだろ?」

兄「別にそんなに気にすることでもないような気がするけど」

兄「なんだか…気がかりなんだよなぁ」

兄「あ、あれ?鍵がかかってる」ガタゴト

兄「…仕方ない、諦めようか」

執「ここで何なさってるんですか?」

兄「あ…執事さん」

執「…ここで何をなさっているのか、と私は尋ねました」

兄「何って、えーっと…庭掃除の道具をと思って」

執「そのようなことはしなくていいと申し上げたはずです」

兄「えっとでも…暇だし」

執「妹様も窓拭きをなさっていましたから止めて頂きました。あなた方のすべきことではありません」

兄「…そうですか」

執「ところで裏庭の方には行っておりませんかな?」

兄「え?」

執「今のは聞こえたはずですが…もう一度お尋ねしますか?」

兄「…行ってません」

執「そうですか。安心致しました」

兄「何かあるんですか?裏庭に」

執「いえ…あそこは藪蚊が多いですからな。使用人以外は立ち入らぬほうが宜しいでしょう」

兄「……」

執「さ、もう日が暮れます…間もなくお館様がお帰りになりますよ」

兄「…はい」

妹「あ…お兄ちゃん」

兄「よう」

妹「窓ふきしてたらね、執事さんに怒られちゃった」

兄「そっか、俺もだよ」

女の子「こんにちわ」

妹「あ、おかえりなさい」

兄「学校終わったんだ?」

女の子「はい」

妹「今日、お養父さんが帰ってくるっていってたね」

兄「うーん緊張するな」

女の子「……」

妹「今日の夕食も豪華だねー」

兄「食事の時間になると、ここに来て良かったと心から思うな」

女の子「くすくす、いっぱい食べましょうね」

妹「うん、いただきまー…」

執「お待ちください」

妹「ふがっ」

執「間もなくお館様がいらっしゃいます。食事は家族全員が揃ってからが宜しいかと存じます」

兄「え?いつの間に帰ってきてたの」

執「つい先ほどでございます」

妹「全然気が付かなかったね」

女の子「…思ったより早かったんですね」

執「昨夜から兄様と妹様に会うのを楽しみしておりましたからな……おや?」

館「…ようこそ、我が家へ…」

兄「…あ…!?」

妹「こ、この人が、お養父さん?」

館「よくぞ遠くから来てくれたな、兄君、妹君」

兄「は、はじめまして」

妹「…あ、あの…こん、こんばんわ…」ペコリ

館「ははは、そう気を使うな…私たちは親子だ」

女の子「お父様、お帰りなさいませ」

館「我が娘…会いたかったぞ…こっちへ来なさい」

女の子「は、はい…きゃっ…お父様」

館「遠慮するな…父は…寂しかったぞ…」

女の子「は、離して…二人が見てます」

館「ふむ…」

女の子「はぁ…はぁ…」

兄「(な、なんなんだこの親父…ほんとに妹ちゃんの父親か?)」

妹「今、お尻触ってなかった…」ヒソヒソ

兄「み、見間違えだろ、さすがに」ヒソヒソ

女の子「……」

館「では、食事にするとしよう…」

兄「い、いただきます」

妹「グアツグアツ」

館「屋敷には慣れたかね?」

兄「え、えっと、正直まだ…」

妹「この間まで借金生活だったもんね」

館「ふむ…事情は聞いておる。ここへ来たのなら余計な心配は無用だ」

兄「あ、ありがとうございます」

妹「ありがとーおじさんっ!」

館「親たるものの務め、気にしなくとも良い…来週からは学校に通えるよう手続きもしている」

兄「何から何まで本当にすみません」

館「君たちの両親は…どこにいるのかね?」

兄「さあ…全く音沙汰がないので」

妹「きっとどこかのドヤに潜んでると思いまーす」

館「そうか…クク…美しい母と、頼もしい父であったな…」

兄「え?」

館「…食事はうまいかね?」

妹「おいしいでーす!」

兄「あ、あのー…会った事があるんですか」

館「食事が気に入らんかね?」

兄「あの」

館「気に入らんかね?」

兄「う、うまいです」

女の子「私、もう部屋に戻りますね」

兄「え、もう?」

妹「まだ半分も食べてないよ、妹ちゃん」

女の子「ええ、少し体調が…」

館「待ちなさい」

女の子「きゃっ!」

館「座りなさい…父の膝に…座るのだ」

女の子「や、やめて、お父様…」

館「家族が揃っての晩餐を…途中で抜け出すとはどういう事かな?」

女の子「ご、ごめんなさい…」

館「お前の母親を…この屋敷で雇ってやったのは誰だ?」

女の子「…お父様です」

館「母が死に…身寄りのないお前を引き取って育てたのは誰だ?」

女の子「…お父様です」

館「それなら…私の膝に座ってくれるな?」

女の子「…は、はい…」

館「おぉ…お前も随分大きくなったもんだ…」

女の子「……」

館「この尻の感触…大人でもない…子供でもない…張りがあり柔らかい…胸も…」

女の子「や、やめて…お父様…!」

兄「(お、おいおい…)」

妹「グアツグアツ」

館「お前の母親も美しい女であったが…」

女の子「は、離してくださいっ!」

館「お前も勝るとも劣らず美しい…」

女の子「いやっ!お父様っ…」

館「お前の成長が楽しみだ…フフフ」

女の子「も、もうやめて下さいっ!」タタタッ

館「むぅ…」

兄「ほっ…」

館「後でお灸をすえねばならんな…クク」

妹「すみませーん!お代わりー!」

兄「こいつが見てないのは幸か不幸か…」

館「しかし兄君は…美しい顔立ちだな」

兄「え?」

館「女性には苦労しなかったのであろう?」

兄「そ、そんなことないですけど」

館「隠さずとも良い、家族なのだから…」

兄「はぁ…」

館「童貞かね?」

兄「ぶはッ!」

館「クックック、冗談だよ…こういう冗談を一度言ってみたかったのだ…」

兄「は、はぁ…」

館「…衆道を知っているかね?クックック」

兄「…しゅ…どう…いえ、初耳です」

館「そうかそうか…はっはっは…」

仕事で鬱気味なんだ
鬱展開抜きでハッピーエンドキボンヌ

妹「ふぁー…おなか一杯だよ…」

妹「お兄ちゃんは部屋に戻っちゃったし…どうしようかな」

妹「…お風呂はいろ」

妹「へっへー…足の伸ばせるお風呂なんて贅沢だなー」

館「おや…?」

妹「あ、おじさん…じゃなくお養父さん」

館「よいよい…風呂にでも入るのかな?」

妹「そうだよー」

館「そうか…風呂から上がったら、私の書斎に来なさい…話がある」

妹「はーい」

妹「お風呂上がったよ?」コンコン

館「…入りなさい」

妹「お話ってなあに?」

館「うむ…来週から学校に通わせるとは話したな?」

妹「うん、すっごく楽しみだよ」

館「ははは…そうか」

妹「妹ちゃんと同じ学校?」

館「うむ…それでここに娘の制服があるのだが…」

妹「?」

館「お前のサイズが分からんのでな…今ここで着てみてくれんか?」

妹「えー!」

館「娘と同じくらいの背丈だ…良ければ同じものを注文しよう…クク」

妹「でも…今パジャマに着替えたばっかりだよ…」

館「すぐに済む…それとも父の前では着替えられないのかね?」

妹「そ、そういう訳じゃないけど…恥ずかしいよぅ…」

館「家族なのだ…何も恥ずかしがることはないのだよ…フフ」

妹「うぅ~…わ、わかりました…」

館「さぁ…もっと近くへ来るのだ…」

妹「えっと…上脱いだから…ブラウスちょうだい…」

館「…ブラジャーを着けたのは…いつからだ?」

妹「えっ…!な、なんでー?」

館「父として…知る必要がある。私たちのように急に親子になったのなら尚更だ」

妹「…去年から」

館「ふふふ…そうか…そうか…」

妹「は、はやくブラウスを…くしゅんっ…!」

館「下も脱いでからだ…早くしない風邪を引くぞ…」

妹「う、うぅ~…」ヌギヌギ

館「…いちご柄が好きなのかね?」

妹「た、たまたまだよぅ…」

館「そうか…そうか…今度下着も買ってやらんとな…フフ」

おまえら無駄に梅んな

妹「じ、自分で買いにいくからいいよ」

館「毛玉がついておるぞ…取ってやろう」

妹「ひゃっ!お、お尻触った…」

館「満足に下着も買えない生活をしておったのだろう?」

妹「別にそんなに欲しいわけじゃなかったから…」

館「お前に似合うものを見繕ってやる…おぉ…どうせなら下着のサイズも見ておくか…」

妹「それは絶対やだー!」

館「冗談だよ、さすがに父とてそこまでは出来ん…クク」

妹「ほっ…」

館「さぁ…スカートを履け、その次にブラウスだ…」

妹「じゅ、順番があるの?それにそれって逆じゃない?」

館「クク、今言った順番で着るのだ…」

妹「上がブラひとつってかっこ悪いなぁ」

妹「着替えたよ、これでいい?」

館「ふむ、制服のサイズに問題はないようだな」

妹「ほんとにぴったり」

館「では、同じものを注文しておこう…」

妹「じゃ、私もう寝るね」

館「待ちなさい」

妹「ま、まだ何かあるの?」

館「うむ…ひとつ頼みがあってな」

館「あそこの本棚にな…読みたい本があるのだ」

妹「取ってあげるね?なんていう本?」

館「最上段にある赤い本だ」

妹「うんしょ、うんしょ…高すぎて届かないよー」

館「この脚立を使え…これなら届くであろう」

妹「ありがと…でもぎりぎりだよ」

館「……」

妹「うんしょ、うんしょ…」

館「やはり、スカートはもう少し長くないとな…ククク」

妹「お養父さん?」

館「ほれ…尻を押してやる…これで届くか?」

妹「きゃっ!…あんっ…お尻、割れちゃうよっ…」

館「ならば寄せてやる…こうか?」

妹「やぁっ!へ、変なことしないで!」

荒らそうかな・・・・いやまて荒らすのは・・・・この変態が妹をやったら荒らすことにする・・・・そのときは皆協力してくれ

     (;´Д`)   シコシコシコシコ
   _(ヽηノ_
     ヽ ヽ

      (゚д゚) !
    _(ヽっノ_
       ヽ ヽ

      ( ゚д゚)っ

      (彡ηr シコシコシコシコ・・・・・
.       i_ノ┘

     ⊂( ゚д゚ )   (゚д゚ ) っ
.      ヽ ηミ)  (彡η r ≡=- サッ
シコシコ・・・(⌒) |     .しu   ≡=-

..           ''';;';';;'';;;,.,    シコシコシコ ・・・
             ''';;';'';';''';;'';;;,.,   シコシコシコ・・・
              ;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
             ;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
          vymyvwymyvymyvy、
      ヽ(゚д゚)vヽ(゚д゚)yヽ(゚д゚)v(゚д゚)っ
 ⊂( ゚д゚ ) と( ゚д゚ ) 〃ミ ( ゚д゚ )っ ( ゚д゚ )つ

   ゝηミ ( ゚д゚ )っ ミ) ⊂( ゚д゚ ) .(彡η r
    しu(彡η r⊂( ゚д゚ ) .ゝ.η.ミ) i_ノ┘
.       i_ノ┘  ヽ ηミ)しu
           (⌒) .|
            三`J

>>659
こっちくんなwwwwwwwwww




お館様惨殺マダー?

>>658
荒らしたほうがいいと思うぞ…

兄「なんかこっちのほうから妹の声が聞こえたような」

兄「こっちは養父さんの部屋があるほうだけど…」

兄「まさかな…いやでも」

執「どうなさいましたか?」

兄「うわっ!し、執事さんか」

執「こちらはお館様の書斎ですが…何かご用ですか?」

兄「いや、さっきから妹が見当たらないもんで」

執「夜風にでもあたりに行ってるのでしょう」

兄「そうかなぁ…あんなに寒がりなのに」

兄「もうちょっと探してみます」

執「私もお見かけしたら兄様が探していることを伝えておきます」

兄「ありがとうございます」

執「……」

兄「……」

執「行かれないんですか?」

兄「いや、こっちのほうにいる気がして」

執「こちらは誰一人来ておりません、はい」

兄「そうですか…」

執「探すなら外が宜しいでしょう。今夜は蒸し暑いですから」

兄「いや、寒いくらいだけど…じゃ行ってみます」

館「…行ったか」

執「はい」

妹「んー…!んーっ…!」

館「ははは…父の腕の中がそんなに嬉しいか」

執「お館様は愛されておいでです」

館「娘と比べると小ぶりの乳房だが…それはそれで趣があるというもの」

妹「んむっ!んーーっ!!んっ…!」

執「私はこれで失礼致します…親子の触れ合いをごゆるりとお楽しみ下さいませ」

館「む…見ていかんのか?」

執「私はモニターで兄様が戻られるのを確認して参ります」

館「うむ、ご苦労」

妹「ぷはっ…モ、モニターって?」

館「お前たちの部屋に取り付けてあるものだ」

妹「え、えー!」

館「家族だからな…隠し事はしてならない」

妹「そ、そんなのおかしいよ」

館「ふふ…お前たちは毎晩一緒に寝るのか?」

妹「な、なんで知ってるの…?」

館「昨夜、見ていたからな…性交をするかと思ったのだが…」

妹「し、仕事で出かけてたのは?」

館「私はずっと屋敷でお前たちを見ていたぞ…クク」

妹「そ、そんなの…なに…なんなの…」

館「お前たちはな、売られたのだよ、私に」

妹「え…」

館「さぁ…今夜は私と書斎で寝よう…」

妹「やだっ!お兄ちゃんっ!おにいちゃーん!」

館「何も怖がることはない…おっと、制服のままでは良くないな」

妹「や…脱がさないでよぉ…!」

館「暴れると…下着が破けるぞ」

妹「やっ!やぁあああっ!」

館「ほぉ…乳首もまるで子供だな…」

妹「見ないでよっ!離してー!」

館「娘のもかつてはこうだった…これでは授乳できんぞ」

妹「な、何するの…?」

館「父が吸ってやろう…力を抜け」

兄「おいこらこの変態っ!」

兄北






さて、お屋敷乗っ取り計画のスタートか

兄「てめぇ…妹になんてことを」

妹「お、お兄ちゃんだ…助けてー!」

館「むう…執事は何をしてるのだ」

兄「いいからそこから離れろっ!」

館「くっ…!」

妹「お兄ちゃん…怖かったよぅ…」

兄「おい、売られたってどういうことだ」

館「…私に金を借りに来たのだよ、お前たちの両親はな」

兄「何?」

館「私に子供を預けてくれるという条件でな…まぁそれは反故になったが」

兄「ど、どういうことだよ」

館「お前にはもう関係のないことだ…」

兄「な、なんだと…」

執「後ろにも気を付けないといけませんよ、兄様」

妹「きゃあああああっ!」

館「殺したのか?」

執「申し訳ありません…」

館「まあよい…兄の分まで妹で楽しむしかあるまい」

兄「くっ…ぐは…」

妹「お、お兄ちゃん…嘘…お兄ちゃんってばぁ!」

館「さて…続きをしよう」

執「お嬢様もお呼び致しますか?」

館「いや、今日は良い。時には休ませんとな」

執「承知いたしました…」

妹「離してっ!お兄ちゃんっ!お兄ちゃーん!」

館「さて、破瓜はしておるまいな…?そうなら興が冷める」

妹「やだっ!やめてよぉーーーっ!」

兄「や…め…」

執「まだ生きておりましたか…お館様、どうされますか?」

館「もういい…楽にしてやるが良かろう」

執「お館様の慈愛の心…しかと受け取りました」

兄「……ぐっ!!あ………………」

兄「ご…めん…な…妹…」

兄「………うーん……」

兄「あれ…俺…」

兄「死んじまったんだっけ…するとここはあの世か」

兄「おっあれが有名な三途の川という奴では」

兄「カメラを持ってくれば良かったな…ちくしょう」

兄「はて、なんか忘れているような気がするんだが…」

兄「なんで死んだんだっけなぁ…」

兄「…それに俺には大事な人がいたような」

兄「恋人じゃなくって…えっとえっと」

       _,,,-‐、_ノ)
       ヾ'''"     ⌒゙ヽ、
      r''"          ''ヾ、
    i(__..'´             ゝ
    |ヽ               し
   〈                 (
  、_/                 ゝ

  ヽ、 .{  ノ( /( /)/(/  /⌒l ´し
   ヽ、〈 (/、,,_( ノ_;;;;三''`、 .)`i.|  )
   ヾ、`;Yr::ヶ,、  '-`="' 、ノ .|、_/ (_,,)

     `ー{ ~~´ノ      ヾ、| ヾ、/‐ 、_
       ヽ (⌒ )  、 ヾ彡\__ツ:::::::::::::::`ー、
   _..-''´ ̄ヽ、二´-‐ '´ /  ,,''::::::::::::::::::::::::::::::`-、
  /:::::::::::::::::r''/ー‐''  /_,,-‐"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`-、
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           ヽ、;;: -‐"::::::::::::::::::\;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/:::::::::/
          _,,-''":::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ー---‐''´:::::::::::::|

父「お前なにやってんだ?」

母「まだくんじゃねーよ。ってか妹助けろks」

兄「」

兄「そ、そうだ妹…思い出したっ!」

兄「くそ…あいつらに今頃ひどい目にあってるんじゃ」

兄「でもなぁ…死んじゃったし…」

兄「死んだら全てを諦めなくちゃいけないんだ…」

?「そんなことないよー」

兄「え?」

?「まだ大丈夫だから、頑張って」

兄「いや、どう見てもアウトだろこれ」

?「大丈夫だよ、戻ってきてよ」

兄「戻れるのか?」

?「うん…だからね」

兄「というかどちら様ですか?」

?「今度は私をちゃんと守って…お兄ちゃん」

兄「あーれー!」

なんか急に雑に、なっ・・た?

マインド・ゲーム

よし、二周目は新しい選択肢増えてるかなー

これマルチエンディング1スレじゃ無理だたw
一旦〆ます
保守してくれて感謝にたえません
次はもうちょっとハートフルな妹(時々姉)SSで会いましょうデュフフ

Wrong end

残り書かないんなら真ルートの流れだけでも頼む

死の淵から蘇った兄とお館様の超能力バトルだろ

さっさと書け

>>782で頼む
いや、超能力じゃなくてもいいけど
一回死にかけたから戦闘力か巫力上がるな

>>785
妹が兄をオーバソウルか

>>781
次に館を訪れると死んだのがお母さんではなく親父
つまりお館様不在という設定だったけどね…

>>787
問題は何を媒介にするか
ふりかけのビンでいいか

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