~ラボ(未来ガジェット研究所)~
まゆり「あれもしたい♪ これもしたい♪ もっとしたい♪ もっともとしたいー♪」チクチク…
紅莉栖「ここをこうして、っと。橋田、そっちはどう?」カチャカチャ
ダル「まだまだ時間がかかりそうだお」カチャカチャ
まゆり「…やったー! 仮縫い終わったー!」
紅莉栖「あら早いわねまゆり。こっちも負けてられないな」
まゆり「えへへー♪ まゆしいも負けないのです! …あ、ねぇねぇみんな! 今からジュース買ってくるけど何がいいかな?」
紅莉栖「え? そうね…じゃあポカリをお願いできるかしら」
ダル「僕はコーラのゼロカロリー」
まゆり「うん! じゃあ行ってくるね~♪ トゥットゥルー♪」タタタタター ガチャッ バタン
チャーラーラーラーラー♪
チャーラーラーラーラー♪
紅莉栖「…岡部、さっきから携帯鳴ってるわよ。……岡部? 聞いてる?」スクッ キョロキョロ
ダル「オカリンならサンボに夕飯食べに行ってるお」
紅莉栖「あ、そういえばそうだったわね。携帯忘れていったのかあいつは」
チャーラーラーラーラー♪
紅莉栖「…長いわね。出た方がいいのかしら」
ダル「出た方がいいんじゃね? こんだけ長い間鳴ってるなら大事な要件かも知れん罠」
紅莉栖「それもそっか。まったく仕方のない奴めが…」スタスタ ヒョイッ
ピッ
紅莉栖「もしもし――」
Steins;Gate -天才少女のクオリア-
岡部「そんな…嘘だろ? なぁ起きろまゆり!」ユサユサ
まゆり「」
紅莉栖「あ…あ…まゆりが…死んじゃった…」ガクガク
ダル「ひいいいああああああああああああああ!!!!!」ガクガクガクガク
萌郁「FBのため…FBのため…」ブツブツ
ガチャンッ!
萌郁「!?」
鈴羽「伏せて!」ヒュッ ドゴッ バキィッ
ラウンダーA「ぐあっ!?」ドサッ
ラウンダーB「ごふっ!!」ドサッ
鈴羽・萌郁「「動くな!」」ジャキン
鈴羽「…42、ブラウン管、点灯済み」
紅莉栖「…タイムリープマシン!」ダダダダダ…
岡部「…あっ!!」ダダダダダ…
紅莉栖「くっ…!」カタカタカタカタ
岡部「急げ紅莉栖! 俺が跳ぶ!」スチャ
紅莉栖「岡部!? 駄目よ私が跳ぶ!! 失敗したら死んじゃうかも知れないのよ!?」
岡部「いいから急げッ!!」
紅莉栖「…っ! ねぇいいの岡部!? 本当にいいの!? 」カタカタカタカタ
岡部「ああ! やってくれ!」カチカチカチ
紅莉栖「…!」カタカタ ターン
バチバチバチバチバチバチバチバチ
萌郁「殺せッ! タイムマシンを使わせるな!」
ラウンダーA「くっ…!」パァン パァン
紅莉栖「あ゛ッ!!! ぐうッ…!」ドクドク
岡部「紅莉栖ッ!? くそっ!!」ピッ
バチバチバチバチバチバチバチバチ
岡部(――こんな結末、俺が変えてやる!)
岡部「……跳べよおおおおおおおおおおおおおッッッッッ!!!!!」
ドゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン
………
紅莉栖「……ッ」ズキンズキン
紅莉栖(…ここは…ラボか。 …そうか、タイムリープが成功したのか…!)
紅莉栖「…そうだまゆりは!? おいダル!! 今は何時だ!!」
ダル「へ!? 急にどうしたん!? 初めてダルって呼ばれたお」ビクッ
紅莉栖「は? いやいや一体何を言っているのだダルよ。俺はいつもお前をダル…と…」
紅莉栖(…あれ? なんだこの声? というか俺縮んだ?)
ガチャッ バタン
まゆり「ジュース買ってきたよー!」
紅莉栖「!! まゆりッ!! まゆりィッ!!!」ガターン!!
まゆり「わっ!?」ビクッ
ダル「牧瀬氏がっつき過ぎだお」
まゆり「よっぽどのどが乾いてたんだねー♪ まゆしぃはこんなに喜んでもらえてとっても嬉しいのです! はいポカリ」スッ
紅莉栖「え? あぁ、ありがとう…?」パシ
まゆり「はいダルくん、ゼロカロリーコーラ!」スッ
ダル「サンキューまゆ氏…ってこれバオバブコーラじゃねーか! 頼むからオカリンのドクぺと代えてくださいお願いします!」
紅莉栖「ん? 俺はポカリではなかったのか?」
まゆり「? 紅莉栖ちゃんはポカリだよ?」
ダル「ん? てゆーかさっきから気になってたんだけどいつの間に一人称変わったん?」
紅莉栖「…はぁあぁ? お前たち、さっきから何を言って…」
ガチャッ
岡部「ははは、なんだか楽しそうだなお前たち。何事だ?」バタン
紅莉栖「」
まゆり「あ、オカリン! はいジュース」スッ
岡部「ああこれはご苦労。…っておい! これはバオバブではないか!」
まゆり「でももうそれしか残ってないよ?」
岡部「何だとぉ!? おいクリスティーナ! そのポカリと代えてくれ!」
紅莉栖「…ッ!! …ッ!!」パクパク ガクガク
岡部「…ん? どぉうした助手よ? そんなにバオバブが嫌なのか?」
紅莉栖「お……お……」ガクガクガクガク
岡部「お?」
紅莉栖「俺が居るうううぅぅッ!!?」ガ---ン!!!
岡部「…はぁ? 何を言っているのだ? おいダル、助手は一体どうしてしまったのだ」
ダル「なんかさっきから様子がおかしいんだお」
紅莉栖「いやいやいや。いやいやちょっと待ってくれ…! まさか…そんなはずは…」フラフラ
まゆり「えぇっ? 紅莉栖ちゃん大丈夫?」
紅莉栖「…はっ!? そうか!! やはり俺はあいつじゃない!! 俺は考えるまでも無く鳳凰院だ!!」
岡部「へっ? …フッ…そうか、ついに助手もわが眷族に…」
紅莉栖「そんなこと俺のチ○コに触れれば一発で分かることではないか!!」ババーン
岡部「」
紅莉栖「さぁ立ち上がれ俺のバナーナァ!!」サスサス
紅莉栖「…バナーナァ…」ズーン…
ダル「」
紅莉栖(どどどどうなっているのだ!? 息子さんが家出しとるではないか!!)ガクガク
紅莉栖(うわあああああああ!!? ちょっと待ってまさかまさかいやそんなだってあああああ!!?)グルグル
紅莉栖「…そうだ…鏡…鏡はどこだ…」フラフラ
まゆり「え? …あっ、か、鏡ならここに折り畳みの鏡が…」スッ
紅莉栖「…あぁ、すまん…」パシ
紅莉栖(…落ち着け俺! まさかそんなはずはない!! 俺は鳳凰院凶真…いや、岡部倫太郎なのだ!!)ブンブン
紅莉栖(そう、俺は決して牧瀬紅莉栖などでは……)パカッ チラッ
紅莉栖「……」
紅莉栖「……」プルプル
まゆり「…紅莉栖ちゃん? 一体どうしt」
紅莉栖「ガッデム!!!!!」パリーン!!
まゆり「!?」
~20分後~
まゆり「――だからね、もうラボのものを壊したりしちゃだめなのです」
紅莉栖「はい…申し訳ありませんでした…反省してます…」セイザ
岡部(…ダルよ、助手は頭でも打ったのか)ヒソヒソ
ダル(分かんね。ここ数日の疲れが溜まってるのかも)ヒソヒソ
岡部(なるほど。しばらく休ませた方がいいのかも知れんな…)ヒソヒソ
~ブラウン管工房前・ベンチ~
紅莉栖(あー…ポカリが美味い…)ゴキュゴキュ プハー
紅莉栖(足が痺れる。…そもそもそれ以前にかなり疲労が溜まっているな…)グデー
紅莉栖(…さて、それはともかくようやく状況が理解できた。現在はまゆりが死ぬ約48時間前、11日の午後8時過ぎ)
紅莉栖(そして『俺』はタイムリープによって紅莉栖に『上書き』されている状態なのだ。分かってしまえば何ということは無い)
紅莉栖(……このことはみんなには隠しておこう。話したところで不要な混乱を招くだけだ。タイムリープした理由を聞かれたくないしな)
紅莉栖(そもそも、これはさっさとタイムリープをして『俺』を俺に『上書き』してしまえばいいだけの話なのだ! 実に簡単!)フハハ
紅莉栖(……ん? 待てよ? 『俺』が紅莉栖だということは…)
ガラガラー
鈴羽「店長、お疲れ様ー」ピシャン
紅莉栖「んあー?」ダルーン
鈴羽「あ…」
鈴羽「ッ…!」キッ
紅莉栖「おお、そんな顔をしてどうしたのだバイト戦…」
紅莉栖(…っと、俺はいま紅莉栖なのだったな。道理で鈴羽がブー垂れているわけだ)アブネェ
紅莉栖(さて、ちゃんと紅莉栖の演技をせねば)
紅莉栖「…阿万音さんよ、なぜ私にそのような態度を取るのだ? 理由が分からないと私もどうしようもないぞ」
鈴羽「…別に」
紅莉栖「別にということは無いだろう? 過去に何かあったか、或いは顔が気に入らないとか、何かしらの理由はあるはずだ」
鈴羽「…理由は、無いよ。少なくとも今はね」
紅莉栖「なんだ、それでは言いがかりではな…」
紅莉栖「……理由は、未来にある?」
鈴羽「! ……帰るから」カチャカチャ シャー
紅莉栖「…行ってしまったか。何だったのだ?」
紅莉栖(思えばラウンダー襲撃時の鈴羽の身のこなしは明らかに一般人のそれでは無かった)
紅莉栖(…敵ではないと思うが、一応のマークをしておく必要はあるのかも知れないな)
~ラボ~
ガチャッ
紅莉栖「戻ったぞ」バタン
岡部他「「「あ…」」」
紅莉栖(…何だか労わるような憐れむような視線を感じる…)
岡部「な、なぁクリスティーナ! 今日はもう解散にしようか! 悪いが俺はもう疲れてしまってな!」アセアセ
ダル「そ、そうそう! 僕もう眠いってレベルじゃねーぞ!」アセアセ
まゆり「そ、そうだよね! まゆしいもたまにはみんなゆっくりするべきだと思うのです!」アセアセ
紅莉栖(あからさまに気を使われているな…)ヘヘッ
紅莉栖「…ああ分かった。今日は解散だ」
岡部「! そうかよかった! 今日は早く寝るんだぞ!」
紅莉栖「分かってる」
ダル「タイムリープマシン作りはまた明日からやろうお!」
紅莉栖「ああそうだn…」
紅莉栖「……」
紅莉栖「……ん?」
紅莉栖「……あれ? 待て。待て待て待て――! タイムリープ? 「また明日から」?」
岡部(ああっ! また紅莉栖の様子がおかしい!)ヒソヒソ
ダル(そ、それでもまゆ氏なら! まゆ氏ならきっとなんとかしてくれる!)ヒソヒソ
まゆり(えぇー!? えっと、えっとー)ヒソヒソ
紅莉栖「待て待て――! ちょっと待て――!」
紅莉栖(今の『俺』は紅莉栖になっている。それは分かっている…!)
紅莉栖(では…『紅莉栖』は?)
紅莉栖(…『俺』は紅莉栖の体に上書きされている。それはつまり『俺』が『紅莉栖』に上書きされているということで――)
紅莉栖(つまり、『紅莉栖』は――)
紅莉栖(…死?)
紅莉栖「…う、うわあああああああああああああああああああああ!!!??」ダダダダダ
岡部他「「「ッ!?」」」ギョッ
紅莉栖「マシン!! マシンは!? くそ、カーテン邪魔だッ!!」シャー
チョコン
ダル「マシンならまだまだ未完成だお」
紅莉栖「……あ…あばば……嘘だろ倫太郎…」ガクガク
まゆり「…紅莉栖ちゃん?」
紅莉栖「……ち、ちなみに、もしお前だけで作ったとしたらあとどれくらいかかりそうだ…」プルプル
ダル「さすがに僕だけじゃ無理。もし仮にできたとしても最低3日はかかりそう」
紅莉栖「は…ははは…」ヨロヨロ
岡部「…クリスティーナ?」
紅莉栖(ヴェリーシット!!!!!)ズダーン!!
岡部「ぎゃあああ!? 紅莉栖が倒れた!!」ワタワタ
ダル「牧瀬氏マジで大丈夫なん!?」ワタワタ
まゆり「きゅ、救急車呼ぶね!!」ピッピッ
マテ…キュウキュウシャハイラン… エー!?デモ… スコシメマイガシタダケダ… メマイッテレベルジャネーゾ!
………
~ホテル~
紅莉栖「あー…疲れた…」ボフッ
紅莉栖(……しかしかなりまずい事になったな)グヌヌ…
紅莉栖(ラボ襲撃までの時間はあと46時間強だ。俺たちはそれまでにマシンを完成させ、タイムリープしなければならない)
紅莉栖(…そうしなければ、俺は本当に紅莉栖を殺してしまうことになる)
紅莉栖(…疲れたな。シャワーを浴びる気力も無い…)
紅莉栖(…数時間だけ寝るか)ゴロン
紅莉栖(……)
紅莉栖(……)
紅莉栖(…)スー… スー…
~翌日・ブラウン管工房付近~
紅莉栖「――う、お、あああああああああああああああああ!!!!!」シャカシャカシャカシャカ
紅莉栖(クソッ!! 寝過ごした!! もう昼前ではないか!!)シャカシャカシャカシャカ
紅莉栖(思わず打ち捨てられていた自転車をパクってしまったが仕方が無い! 許せ! 時間が無いのだ!)シャカシャカシャカシャカ
紅莉栖(…脚が痛い! 息が切れる! 知るか! 急げ! もう35時間しか無い! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!)シャカシャカシャカシャカ
紅莉栖(……見えた!! ラボッ!!)
紅莉栖「…のああああああああああああああああああああああああ!!!!!」キキキイイイイイイイー!!!!
ドガアアン!! ドンガラガッシャーン!!
鈴羽「え!? 何事!?」ガラッ
紅莉栖「ぐああああああああああああああああ!!!! ぬううううう…!!!」ズキズキ
鈴羽「…牧瀬紅莉栖…!」
紅莉栖「…おお阿万音さんよ…丁度良かった…上のベンチをどかしてくれ…」プルプル
鈴羽「……」ガタン
紅莉栖「…ふぅ。助かったぞ。死ぬかと思った」サスサス
鈴羽「……」
鈴羽「……あれ? その自転車って…」
紅莉栖「ん? これか? 今日ホテルを出た時に無造作に打ち捨ててあったのを見つけてな。つい…」
鈴羽「…あたしのMTB!? 盗まれたと思って諦めてたのに!!」パァアー
紅莉栖「へ? …あ、ああ!! だろう!? お前のものだろうと思ってここまで持ってきたのだ!!」(…なるほど、よく見ると確かに鈴羽の自転車だ)
鈴羽「盗られた時のままだー…!」キラキラ
紅莉栖「ふはは、たぶん傷一つ付いていないから安心しろ!」
鈴羽「昨日の夜に自販機でジュース買ってる隙に盗まれたんだけど…帰ってきて良かったー…」サスサス
紅莉栖「…まさかこんなことがあるとはな…これも運命石の扉の選択か…」ウンウン
鈴羽「え? 何か言った?」
紅莉栖「あ、いや…さて! では私はもう行くぞ! 急いでいるのでな」ダダダダダ カンカンカン
鈴羽「……あの、一応礼は言っておく」
紅莉栖「…ふん、気にするな。なにせ私もお前も同じラボメンなのだからな」カンカンカンカン
鈴羽「……」
鈴羽「……」ニヘッ
~ラボ~
紅莉栖「すまん遅れたっ!!」バターン!
ダル「おっ、牧瀬氏」
まゆり「トゥットゥルー♪」
岡部「やっと来たのかクリスティーナ」ヤレヤレ
紅莉栖(…こうして改めて自分と対面してみると妙な気分だな)
岡部「さすがに遅過ぎるぞ助手よ。随分な重役出勤っぷり…」
ダル(ちょ、オカリン! まだ刺激しちゃマズいかも知れないだろ常考!!)アワアワ
岡部(そ、そうか! そうだったな…)アワアワ
岡部「…もう大丈夫なのか?」オズオズ
紅莉栖「ああ! もう心配するな! 昨日は疲れが溜まっていただけだフハハハハ!」
ダル「なら良かったお」
まゆり「だねーえへへー♪」
岡部「うむ、全くだな! フゥーハハハ!!」
HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!!!
紅莉栖「――というわけで早くマシンを完成させるぞ! 橋田、今の状況を一行で!」
ダル「牧瀬氏が書いた設計図に従ってマシン改造中」
紅莉栖「うむ!! 設計図があるのか!! 驚くほど好都合だな!!」フハハハ
紅莉栖「ではお前たち!! 只今から『機械仕掛けの神』作戦(オペレーションデウスエクスマキナ)の開始を宣言するッ!!!」
岡部「おお!? 助手よ!! ようやくお前も俺のセンスを理解できるようになったか!!」キラキラ
紅莉栖「当然だ!! では作戦開始ッ!!」ババーン
ダル「どうでもいいけど北欧神話じゃ無くね?」
まゆり「――とまぁそんな感じでタイムリープマシン製作は再開されたのです」
まゆり「遅いペースながらも徐々に完成へと近付いていくマシン。これも設計図のおかげだねー♪」
まゆり「結局本来の完成時刻である13日の午後二時あたりには間に合いこそしなかったものの…」
まゆり「その頃にはマシン作成はなんとか最終段階にまでいったんだー♪ えへへー♪」
まゆり「……しかし! 午後6時前! 紅莉栖ちゃんが一息ついてコーヒーを飲んでいた時! その事件は起きてしまうのです!」
まゆり「残り2時間というところでの予期せぬトラブル! さぁどうなるマシン!? どうなるまゆしい!? 括目せよ!!」
まゆり「…え? マシンの完成時刻は収束で決められてる? タイムリープで引き継がれるは記憶だけ? ちょっと意味分かんないトゥットゥルー♪」
紅莉栖「まゆり、さっきから何をブツブツ言っているのだ?」ゴクゴク
まゆり「えー? 何でもないよクリリン♪」
紅莉栖「」ガチャン
紅莉栖「…え? いいいいい今何と言ったのだまゆり?」ダラダラ
まゆり「何でもないよー♪ じゃあねー♪」タタタタタ…
紅莉栖「……」ダラダラ
紅莉栖(バレとる!!!!)ズガーン!!
ダル「牧瀬氏、今の何の音…ちょ!? マシンにコーヒーこぼれてるじゃねーか!!」ガーン!!
紅莉栖「へ? …うああああああああ!?」ガーン!!
フキフキフキフキ… ヤバインジャネコレ・・・
紅莉栖「ど、どうだ橋田…?」
ダル「うーん…ほとんど影響は無かったけど…ひとつだけパーツが駄目になっちゃったお」
紅莉栖「申し訳無い…。で、その駄目になったパーツというのはどれだ?」
ダル「これだおー」スッ
紅莉栖「これか。…よし、私が今から買ってくる! どこに売っているのだ?」
ダル「それが、これって激レアなパーツなんだ罠。今日中には見つからないかも」
紅莉栖「…マジで?」
ダル「マジマジ」
紅莉栖「……」ダラダラー
紅莉栖「…ええいとにかく貸せ!! 同じのを見つければいいだけだろう!? とりあえず探してくる!!」パシッ
岡部「どうした? さっきから騒がしいぞお前たち」ヒョコッ
紅莉栖「!! ちょうどいい! お前も付いてこい岡部!」
岡部「はぁ? 一体どこにだ?」
紅莉栖「後で説明する!! 橋田、すまんがお前はできるところをやっておいてくれ!! では行くぞ!!」ダダダダダ…
………
~ブラウン管工房前~
岡部「――なるほどそういうことか!! 助手は実にアホだな!!」ハハハ
紅莉栖「実に客観的な意見だな!! とにかく一刻も早く探そう!!」
岡部「…とは言ってもどこから探す? 俺はそこまでパーツショップに詳しいわけではないぞクリスティーナ」
紅莉栖「私もだ。とにかく手当たり次第に探すしかない! まずは駅周辺から探すぞ!」
岡部「あ、ああ。了解したぞセレセブ」
紅莉栖「では走れ! どうしても今日の8時ごろまでに作り上げなければならんのだ!」タタタタタ
岡部「あ、おい待てザ・ゾンビ!」タタタタタ
紅莉栖「早くしろ!」タタタタタ
岡部(……)タタタタタ
岡部(……さっきからあだ名使ってるのにツッコんでもらえない)ソワソワ
~アキバの街~
………
紅莉栖「このパーツありませんか!?」
パーツショップ店主「無いねぇ」
………
岡部「このパーツをご存じないですか!?」
アングラショップ店主「見たことないなぁ」
………
岡部「ウィーアーザマッドサイエンティスツ!! …んー…アハ―…」
紅莉栖「…んあー…ディスパーツイズ…えー……サノバビッチ!!??」
露天商「ハァ?」
………
岡部「さっきから何なんだお前は!! 英語ペラペラではなかったのか!?」
紅莉栖「ええい黙れ黙れ黙れ!! パーツを探すほうが先だ!! あと90分しか無いのだぞ!!」
岡部「そもそも何があと90分なのだ!? 先にそれを説明しろ!!」
紅莉栖「後で説明してやるから今は気にするな!!」
岡部「と言っても…もう探してない場所なんて…」
紅莉栖「…ん? あそこにいるのは…>>95か?」
もえか
紅莉栖「…ん? あそこにいるのは…萌郁か?」
岡部「だな。あいつにも聞いてみるか」
紅莉栖「…いや、それは…」
岡部「おい! 萌郁!」
紅莉栖(…この時の俺は知らなくて当然なんだよな。仕方ない、今は少しでも情報が欲しい)
萌郁「…!」
岡部「萌郁、すまんがこんなパーツを見たことないか?」
萌郁「…」ピピピピピッ
岡部「…何? 見たことある!? どこでだ!?」
萌郁「…」ピピピピピッ
岡部「…なぜこんなパーツを探しているのか、か?」
紅莉栖「!! おい言うな!!」
岡部「何を隠そう、このパーツさえあればあっという間にタイムリープマシンが完成するのだ!!」
萌郁「…タイムリープマシン…?」
岡部「そうだ! これを使えばなんと過去に…」
紅莉栖「もういいだろう!! 場所は聞いた!! 行くぞ!!」ガシッ
岡部「…おい、何をそんなに焦っているのだ。あいつもラボメンなのだから教えても何の問題も…」
紅莉栖「…駄目なんだ、あいつだけは」
岡部「…あいつと何かあったのか?」
紅莉栖「…いや、何も。…とにかく急ごう!!」
タタタタタ…
萌郁「……」
萌郁「……」
萌郁「……」ピッピッ プルルルルル… ガチャッ
萌郁「…もしもし。こちらM4…」
………
~超アングラ系ショップ~
岡部「…まさかこんな場所に店があったとはな」
紅莉栖「違法感バリバリだな。さっさと用事を済まそう」
岡部「えーと…これと同じパーツは…うお!? 銃を売ってる!? なぜ萌郁がこんな店を知っているのだ!?」ビクッ
紅莉栖「…今はどうでもいいだろう。早く買い物を…」
岡部「…あ」
紅莉栖「…あった…! ラスト1個…!」プルプル
岡部「…クリスティーナ、今いくら持ってる?」
紅莉栖「…4860円とカードだ」
岡部「…なぁ助手よ。ここは俺が払うからあとで8000円返しt」
紅莉栖「どーうでもいいわ!! 全額返してやるからさっさと払え!!」
岡部「分かった!! それならおkだ!! すみませんこれくだs」
4℃「これくださーい」スッ
店主「まいどー」チャリーン
紅莉栖「」
岡部(ええー…)
紅莉栖「…まままま待てそこの貴様ッ!!」ビシッ
4℃「ん? 何だよテメェ?」
紅莉栖「頼むッ!! それを私に譲ってくださいッ!!」ドゲザー
岡部(ええー…)
4℃「お断りだ」
紅莉栖「何故だ!? 金ならいくらでも払う!! 望むことは何だってする!!」
岡部(ええー…)
4℃「何ィ!? マジか!? …いやだが駄目だ!! なぜならこのパーツが俺にもっと輝けとささy」
紅莉栖「せえええええい!!」バキャッ!!
4℃「ごっふううう!?」パタリ
岡部「えええええええええええええええええええ!!?」
紅莉栖「盗った!! さあ逃げるぞ岡部!!」ダダダダダ
岡部「いやちょっ…駄目だろ!!」ダダダダダ
………
オイアッチニイッタゾ!! ニガスナー!!
岡部「…はあッ…! はあッ…! …ななな何をしとるんだお前は!!」ダダダダダ
紅莉栖「仕方ないだろう!? これしか方法が無かったのだ!!」ダダダダダ
岡部「だからって強盗は無いだろう!!」ダダダダダ
紅莉栖「つべこべとうるさい奴だ!! 人のふり見て何とやらだな!!」
岡部「しかしまずいな…」ピッピッ
岡部「…もしもし!! ダル!!」
ダル『ん? どうしたんオカリン?』
岡部「いま諸事情で不良どもに追われている!! 助けてくれ!!」
ダル『え? 何したん?』
岡部「助手が不良からパーツを強奪したのだ!!」
ダル『はぁ!? 何してんの!?』
岡部「俺が聞きたいくらいだ!! とにかく今隠れている場所はドンキの裏路地で…」
ダル『いや不良怖いから僕はいけないお!!』
岡部「え? おいダル…」プツンッ ツー…ツー…
岡部「ダァァァァァァァァーーーーーーーーール!!」
岡部「…くそッ!! とりあえずここでやり過ごすぞ!!」
紅莉栖「まったくダルは使えんな」フゥー
岡部「お前が言うな!!」ガー!!
紅莉栖「しかしこれからどうするのだ?」
岡部「…頃合を見計らってラボへ逃げ帰ろう。それしかない…」
………
紅莉栖「…まずいな。残り70分を切った…!」
岡部「…そろそろここを出るか。いい加減連中も飽きたころ…」
手下A「おい居たぞ!!」
手下B「マジだ!! 捕まえろ!!」
岡部「な…」
紅莉栖「まずい!! こっちに…」
紅莉栖「……囲まれた…!!」
手下A「へへっ。観念しろよ?」ジャキンッ
岡部(特殊警棒…)「…これは」
紅莉栖「…俗に言う絶対絶命というやつだな」
岡部「俗に言わずとも絶体絶命だ。或いは自業自得か?」
紅莉栖「余裕をかましている暇があったら脱出方法でも考えてくれ…」ガクガク
岡部「…すまん、俺の灰色の脳細胞を持ってしてもこの現状を打破するのは無理なようだ」ガクガク
手下B「はははーッ!! ぶっ殺せッ!!」ダダダダダ
紅莉栖「ッ!!」
岡部「紅莉栖ッ!!」バッ
プップー ブロロロロロロ…
手下A「うお!? なんだ!?」
手下B「く、車だ!! 車が猛スピードでこっちに来る!! 逃げろッ!!!」
タタタタタタタタ…
フェイリス「ニャオーン!! お待たせしたニャン!!」バタン!!
フェイリスパパ「大丈夫かい!?」
紅莉栖「…ふぇ、フェイリス!!」
岡部「とその親父さん!!」
………
岡部「――なるほど、ダルから電話が…」
フェイリス「そうなのニャン! ご主人様のお願いとあらばこのフェイリス、チンチラ星の果てまで…」
紅莉栖「しかし助かりました親父さん。あなた方が来て下さらなかったらどうなっていたか…」
フェイリスパパ「ははは、私はそんなに大したことはしてないよ」
紅莉栖「いえ、そんなことありません。アンナ大座栄の人間に黒い感情をぶつけられたのは初めてで…さすがに怖かった」
フェイリスパパ「…このまま君たちのラボまで送ろう。きょうは早めに休むといい」
………
岡部「――なるほど、ダルから電話が…」
フェイリス「そうなのニャン! ご主人様のお願いとあらばこのフェイリス、チンチラ星の果てまで…」
紅莉栖「しかし助かりました親父さん。あなた方が来て下さらなかったらどうなっていたか…」
フェイリスパパ「ははは、私はそんなに大したことはしてないよ」
紅莉栖「いえ、そんなことありません。あんな大勢の人間に黒い感情をぶつけられたのは初めてで…さすがに怖かった」
フェイリスパパ「…このまま君たちのラボまで送ろう。きょうは早めに休むといい」
プルルルルル…
紅莉栖「…ん? ダルから電話だ。もしもし?」ピッ
ダル『もしもし牧瀬氏』
紅莉栖「おおダ…橋田!! 助かったぞ!! お前の電話のおかげで…」
ダル『助かったのはいいんだけどさ、設計図ってこれで終わり?』
紅莉栖「…ん? どういうことだ」
ダル『いや、なんか設計図が途中で止まってるんだ罠。止まってるっていうか足りないっていうか』
紅莉栖「…い、今の進行具合はどのくらいだ!?」
ダル『95%くらい? 設計図にしたら1~2枚くらいだけどこれ以上は僕だけじゃ無理だお。設計図ってまだあんの?』
紅莉栖「…待ってろ。探してみる…!!」プツッ
フェイリスパパ「どこに行けばいいんだい?」
紅莉栖「…すみません、私の止まっているホテルまでお願いします。岡部はラボで降ろしてやってください」
岡部「…大丈夫なのか?」
紅莉栖「…何とかしてみせる。お前はこのパーツを橋田に渡してやってくれ」
岡部「…無理はするなよ」
………
~ホテル前~
フェイリス「――さぁ着いたのニャ!」
紅莉栖「すみません! すぐ戻ります!!」
フェイリスパパ「足元に気を付けてね」
~ホテル~
紅莉栖「――くそ!! どこだ!! どこにある!!」ガサガサー
紅莉栖(いや、そもそも続きはあるのか!?)ポイッ ポイッ
紅莉栖(…そんなこと考えてる暇があったら探せ!!)バサバサッ
紅莉栖「…ん?」ガコガコッ
紅莉栖「何だこの引き出し。カギが掛かって…」ガコガコ
紅莉栖「…まさかこの中か!? キーは…」クルッ
ゴッチャー
紅莉栖「…壊すッ!! 鈍器どこだ!!」
紅莉栖「…この置き物でいいか…!!」スッ
紅莉栖「…らあッ!!」ガゴンッ!!
紅莉栖「くそっ…俺以上に力が無いなこの体は…!!」スッ
ガンッガゴンッゴンッゴンッバキイッ!!!!!!
紅莉栖「…あった…設計図…!! とBL本!?」ヒョイッ
紅莉栖(BL本はどうでもいい!! あと50分…!! 急ごう!!)
ドンドン
従業員「お客様!? 何の音ですか!?」ドンドン
紅莉栖「…面倒だな…!!」
ガチャッ
従業員「あ、お客様! 今のはいったい何の音ですか?」
紅莉栖「何でもない!! 急いでいるから片付け頼む!! じゃあな!!」ダダダダダ…
従業員「え!? 片付けって…うわ汚なっ!? BL本!?」
紅莉栖「…エスカレーターは…!!」ダダダダダ
紅莉栖「…今離れたばかりだと!? くそ…!! 階段はどこだ!!」ダダダダダ
ダンダンダンダン
紅莉栖「はあーッ!! はあーッ!!」ダンダンダンダン
紅莉栖(くっそ…!! 今何階だ…!!)
ズルッ
紅莉栖(しまっ――足が――)
グギィッ!!
紅莉栖「…づッあ!?」(畜生…!! 足を挫いた!!)ズギンズギン
紅莉栖(…俺はこんなところで止まれないんだ!! 足なんか知るか!!)ググ…
紅莉栖「る゛ああああああああああああああああああッッッッッ!!!!!」ダンダンダンダンダン…
~ホテル前~
紅莉栖「お待たせしましたッ!!」ガチャッ
フェイリス「ニャ!? 足挫いたのかニャ!?」
紅莉栖「大したことは無い。それより車を…」
フェイリスパパ「…それが…」
紅莉栖「!? どうかしましたか?」
ラジオ『――爆発物を仕掛けたとの予告の電話が入り…』
フェイリス「いま秋葉原は全域が大渋滞しちゃってるのニャ」
紅莉栖「…嘘だろ…? 何でこのタイミングで…!!」
紅莉栖「…ああ、そうか…」
紅莉栖「…くそ…ッ…!! 萌郁…ッ…!!」ギリッ…
紅莉栖「…ここまで車を出していただいてありがとうございました」
フェイリスパパ「…どうする気なんだい?」
紅莉栖「…走ります」
フェイリス「!? その足では無理ニャ!! 遠過ぎる!!」
紅莉栖「…もうそれしか方法は残っていないんだ。ここまで本当にありがとう」
フェイリス「……!!」
紅莉栖(…あと50分弱。制作時間も入れると30分でラボまで着きたい…)
紅莉栖(行けるのかこの足で? …いや、行くしか…!!)ズギンズギン
キキィィィィィー!!
鈴羽「牧瀬紅莉栖ッ!!」ズザザー
紅莉栖「…鈴羽ッ!! 何でここに!?」
鈴羽「君がこのホテルにいることは岡部倫太郎から聞いた。それで、ラボにいるときにテロ予告のニュースが流れたのを見て、それで」
紅莉栖「…そうか…! やはりお前は素晴らしいラボメンだ!!」
鈴羽「…借りを返しに来ただけだよ。さあこの自転車を使って…」
鈴羽「…って足挫いてるじゃん!! どうしたのさ!?」
紅莉栖「…さっきちょっとな。だが心配は…」
鈴羽「後に乗って牧瀬紅莉栖!! あたしがペダルを漕ぐから!!」
紅莉栖「すまんな鈴羽。…頼む!!」
鈴羽「…しっかり掴まっててね!!」
フェイリス「頑張ってニャン二人ともー!!」ブンブン
紅莉栖「ああ!! 二人ともここまでありがとう!! 出してくれ鈴羽!!」
'´  ̄  ̄ ` ヽ、
、__/ : : : : : )ノ: :ヾ: : : \
. `7: (: : : : : : : : : : : : :} :)ヽ
i::小● ● ノリル: ; j
从l⊃ 、_,、_, ⊂⊃从ッ》 ちぃーっす!
/⌒ヽ、|ヘ ゝ._) j /⌒i
\ 〃::(y;)>,、 __, イァ/、__/
.ルリゞ::::::((:::::::ルリゞ::::/
………
鈴羽「「――う、お、あああああああああああああああああ!!!!!」シャカシャカシャカシャカ
鈴羽(往復でさらに片道二人乗りは…さすがにキツイ…)ゼェゼェ シャカシャカシャカシャカ
紅莉栖(あと20分強…おそらくラウンダーが」攻めてくるのも前回と同じ8時だ)
紅莉栖(まゆりが殺された瞬間こそがタイムリミット。『紅莉栖』が死ぬ)
紅莉栖(…頑張ってくれ、鈴羽…!!)
鈴羽「……見えた!! ラボッ!!」
鈴羽「…のああああああああああああああああああああああああ!!!!!」キキキイイイイイイイー!!!!
ドガアアン!! ドンガラガッシャーン!!
紅莉栖「…っつつ…!!」(良かった。ダメージはほとんど無さそうだ)サスサス
紅莉栖「…鈴羽!! 大丈夫か!?」
鈴羽「…はは…。左腕やっちゃったかも」プラーン…
紅莉栖「!! 早く病いn」
鈴羽「君は急いで牧瀬紅莉栖!! マシンを完成させるんでしょ!? あたしなら大丈夫だから!!」
紅莉栖「…すまん。ありがとう!」ダダダダダ
~ラボ~
ガチャンッ!!
紅莉栖「遅れたッ!!」
岡部「!? 何があった紅莉栖!? ボロッボロじゃないか!!」
紅莉栖「私はいい!! 岡部とまゆりは下へ行って鈴羽の面倒を見てやってくれ!! 腕を折ってる!!」
岡部「何だと!? まゆり、救急箱を!!」
まゆり「救急車は!?」ガシッ タタタタタ
岡部「後だッ!!」タタタタタ
紅莉栖「ダルッ!! 設計図だ!!」バサッ!!
ダル「何か知らんけどマジでお疲れ牧瀬氏」
紅莉栖「それを言うのは後だ!! あと20分!! 急いで作業を再開しよう!!」
ダル「オーキドーキー!!」カチャカチャカチャカチャ
紅莉栖(急げ――!!)カチャカチャカチャカチャ
………
ガチャンッ!!
まゆり「スズさんは応急処置を済ませて病院に行ったよ! 安心して!」
岡部「あとなぜかブラウン管工房の42型のスイッチを入れるように頼まれた…ってどうかしたのか?」
紅莉栖「…岡部。…これ…」
岡部「何だ?」
紅莉栖「…あと2分なんだ。あと2分しか無いのに…」
ダル「設計図の最後の最後が書かれてないんだお。牧瀬氏もどうすればいいのか覚えてないって」
岡部「この8本のコードの、どれか1本を切ればいいのか?」
紅莉栖「…8本のうちの、2本だ。8分の1どころじゃない…」
岡部「…何だよそれ…」
紅莉栖「…もう、勘に頼るしかないのか…!?」
まゆり「どうしたの?」ヒョコッ
岡部「…このコードな、どれか2本を切れば完成なんだ」
ダル「だけど、どれを切ればいいのか分からないんだお。失敗したらやり直し」
まゆり「失敗したらまたそのパーツを買えばいいんじゃない?」
紅莉栖「…そのパーツが、今日苦労してやっと手に入れたパーツなんだ…!」
まゆり「なるほど…」
まゆり「じゃあまゆしいが適当に2本切っちゃうのです!!」
岡部・ダル「――……」
紅莉栖「……は?」
まゆり「何だか今日はまゆしいだけ活躍してない気がするからね、かっこいいところを見せようと思うのです」スッ
紅莉栖「はぁ!? いや待てまゆr」
まゆり「トゥルルルルルルルル…ぷちーん!!」プチーン
紅莉栖「」
岡部「おい待てまゆr」
まゆり「ぷちーん!!」プチーン
岡部「」
ダル「…もう仕方ないお!! 繋いでみて作動するか確認するしか…!!」カチッ プスッ
紅莉栖「…ああ!! もうそれしかない!!」
ヴィーン…
岡部「なああっ!? 動いた!?」
紅莉栖「…これがシュタインズゲートの選択か…」ヘハッ…
紅莉栖「あと37秒!! 設定は!?」スチャッ
岡部「もう終わる!! しかしもう使うのか!?」
紅莉栖「ああ!!」
バチバチバチバチバチバチバチバチ
ダル「牧瀬氏もういける!!」
紅莉栖「よし!!」スッ
まゆり「ねぇ、まゆしいは役に立てたかな?」
紅莉栖「もちろんだ!! むしろお前が居なければ詰んでいた!!」
まゆり「そうかな? えへへー♪」
紅莉栖(『紅莉栖』の性格からすれば…設計図は書き残していたのではなく本当に分からなかったのだろう)
紅莉栖「…では行ってくる!!」ピッ
岡部「ああ」
ダル「なんか知らんけど頑張ってお」
まゆり「いってらっしゃい!」
紅莉栖「ああ! …まゆり、この俺が認める。お前は紛れもなく――」
ガチャンッ!! ウゴクナ!!
紅莉栖「――天才少女だ!!」
ドゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン
………
まゆり「……」
紅莉栖「ここをこうして、っと。橋田、そっちはどう?」カチャカチャ
ダル「まだまだ時間がかかりそうだお」カチャカチャ
まゆり「……」パカッ
まゆり「……」
紅莉栖「そっか、やっぱり結構手強いわね。ところでまゆり、さっきの岡部の携帯の着信は誰からだったの? 私の知らない人?」
紅莉栖「…って鏡なんか見つめてどうしたの?」
まゆり「……」スッ
紅莉栖「…まゆり? 大丈b」
まゆり「ガッデム!!!!!」パリーン!!!
紅莉栖「!?」
おわり
おわったああああああああああああああああああああああああああああああ
なんとか終わらせることが出来ました。
読んで下さった方、安価に答えてくださった方ありがとうございます。
乙!
過去作あったら教えてください
乙
十分面白かったけど、設定をもっと上手く活かせばよかったと思うぞ
何かSSを投下したくなってこれを書いたのですが、正直『機械仕掛けの神』作戦以降は全く展開を思いつきませんでした。
それでもう安価に任せて行き当たりばったりでいこう、と。
えらく楽しかったけど雑だわ投下遅いわですみませんでしたです。
>>233
フレンダ「何故か生き返ったっぽい訳よ!」駒場「…そのようだな」
上条「ようムキムキ」美琴「ムキムキ言うな!」
佐天「微妙に運命を変える力かぁ…」
上条「ようガリガリ」一方通行「ガリガリ言うなァ!」
岡部「まゆりいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」
こんなとこです。良かったら読んで下さいなのだぜ…!
>>236
いやホントに自覚アリです。我ながら設定だけはよかったと思うんだ!
誰か同じか近い設定で違う話書いてくれると嬉しい!俺には扱いきれなかった!
長々とすみませんではおやすみなさい。
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