ほむら「寝る時間なのだけど……」さやか「いやーそこをなんとか」(208)

―ほむホーム―

ほむら「夏休みの宿題が終わってない?」

さやか「うん……それで成績優秀なほむらに……助けてもらいたいなって……」

ほむら「そこに宿題をまとめたものがあるから、持って帰りなさい」

ほむら「明日返してくれたらいいから」

さやか「いや、写したら自分の為にならないでしょ、だから教えてよ」

ほむら「ギリギリに助けを求めてきておいて図々しいわね……」

ほむら「というか仁美の方を尋ねたほうがいいんじゃないの?」

さやか「いやーこの時間に仁美の家はねぇ……不審者って捕まりそうだし」

ほむら「はぁ……」

さやか「眠気覚ましのコーヒーおごってあげるからさ」

ほむら「わかったわよ……」

ほむら「それで、半分ぐらいは終わってるんでしょうね……」

さやか「いやーそれが全然……」

ほむら「……」

さやか「ごめんなさい……」

ほむら「時間ならあったでしょう……」

さやか「いやぁ、私とほむらとまどかと仁美で遊びまわってたし」

さやか「仁美が杏子やマミさんに変わったりもしたけどさ」

ほむら「なるほど、確かに沢山遊んでいたわ」

さやか「そうそう!だから時間がさ」

ほむら「そのメンバーにいる私が宿題が終わっているのだけど」

さやか「ごもっともで……」

ほむら「全然できてないのはわかったけど、どれぐらいはやってあるの?1/4ぐらい?」

さやか「えーっと、実はまだ開いたことすら……」

ほむら「寝るわ……おやすみなさい」

さやか「あーごめんなさいごめんなさい助けてほむら様!」

ほむら「……もしかしてあなた、写しても間に合わなそうだからって私にも手伝わせようと思ってない?」

さやか「そ、そんなことないって……あ、あはは……」

ほむら「……おやすみなさい」

さやか「今度ご飯おごるから助けてぇ」

ほむら「さやか、私は実は指を骨折していてペンがもてないの、わからない所があれば答えてあげるわ」

ほむら「さぁ、頑張って自分で解いて頑張りなさい」

さやか「いや指動いてるじゃん!」

ほむら「自分の言ったことでしょ?自分でしっかり解くのよ?」

ほむら「私は読書でもしてるから」

さやか「あ!それなら読書感想文を!」

ほむら「あなた……」

さやか「遊んでただけじゃなくてさ、このところ魔女もおおかったじゃん?」

ほむら「そうね」

さやか「だから夜も寝る暇もなくて……」

ほむら「そうね、確かに夜遅くに集まることが多かったわね」

さやか「そうそう、魔法少女になって初めての夏休みだからさ、やっぱりこう……時間が」

ほむら「言っておくけど私も魔法少女になって初めての夏休みだから」

さやか「ですよねー……」

ほむら「さらに言えばその魔女退治の全ての戦いにおいて私はあなたと合流していたと思うけど?」

さやか「はい……」

ほむら「さやか、あなたは夏休みの宿題をどうしたいの?」

さやか「え?そりゃあ終わらせて……」

ほむら「先生に怒られないようにしたいの?」

ほむら「ちゃんと自分が理解するために勉強がしたいの?」

さやか「前者で」

ほむら「……私を手伝わせようとした言い訳の建前ぐらいたてなさいよ……」

さやか「いやーもうばれてるでしょ?」

ほむら「まぁ……ね……」

さやか「それで、どちらにせよ夏休みの宿題をやるしかないとおもうんだけど、何か違うの?」

ほむら「えぇ、違うわ」

さやか「え?」

ほむら「あなたが先生だとして、あなたは忙しい新学期に大量の宿題をしっかりとチェックできる?」

さやか「うーんきついかなぁ」

ほむら「そういうことよ」

さやか「え?」

ほむら「まず、問題集はたまにまるごと1ページぐらいとばしなさい」

さやか「え!だめでしょ!」

ほむら「どうせパラパラとしかチェックしてないわ、ばれてもわからなかったとでもいいなさい」

ほむら「不安ならでたらめな答えでも書いておきなさい」

さやか「なるほど……」

ほむら「あとはたまにページをきれいに破りとってしまいなさい」

さやか「いやいやいやいやさすがにそれは……」

ほむら「6ページ以内ならまぁばれないんじゃない?」

さやか「正直ばれても自分には関係ないって思ってない?」

ほむら「えぇ、だって私は終わらせてあるもの、付き合ってあげてるだけ感謝してほしいのだけど」

さやか「最初の授業に出すのかと思ってました」

さやか「やったけど家に忘れてきました」

さやか「ぶっちゃけやってねーっす!ああやってませんわ!」

さやか「うぐぐ……」

ほむら「あとは、眠気覚ましのコーヒーをこぼして書けなくなったとでもいうとか」

ほむら「後は定番のもってくるのを忘れたとでもいいなさい」

さやか「いやもう定番すぎてむしろそれはないでしょ」

ほむら「まるごとだったらそうなるかもしれないわね、でも、一部分だけなら?」

さやか「なるほど……」

ほむら「とはいっても冊子関係はやめておくべきね……」

ほむら「後は勝手に私のを写してもいいから、そんな感じでやりすごしなさい」

ほむら「部分的には翌日に持ち越せるから、なんとかなるでしょう」

さやか「なんとかなる気がしてきたよ」

ほむら「じゃあおやすみなさい」

さやか「いやいや、やっぱりおじゃましている家主が寝たら居づらいじゃん」

ほむら「ああもう、なら家に帰りなさい、さっきも言ったでしょう?持って行っていいって」

さやか「いやーもう今日はお泊り会ってことで家でちゃったから」

ほむら「あなた、私が寝てたらどうするつもりだったのよ……」

さやか「そんな暇そうにゴロゴロしてるなら助けてよほむら」

ほむら「眠いのを我慢しているだけ感謝してほしいのだけど」

さやか「この読書感想文とか自由研究とか絵日記とか」

ほむら「なんでどう考えても小学生時代だけしかないような宿題もあるのかしらね」

さやか「さぁ?」

ほむら「というかあなた、この時間から自由研究とか絵日記ってどうするつもりなのよ、そこは終わらせておきなさいよ」

さやか「自由研究を共同ってことにして私の名前をあんたの自由研究に!」

ほむら「本当によくあるパターンだけど、それってだいたいバレてるからね?」

ほむら「本当に名前しか付け足してないなってさすがにばれるわよ?」

さやか「いやいや、書くのはほむら、実行は私みたいな」

ほむら「はぁ……早く寝たいしいいわ、書いといてあげるわよ」

さやか「持つべきものは友達だね!」

ほむら「私は友達をやめたいわ」

さやか「いつもはこの時間には半分も終わってるんだよ?」

ほむら「見苦しい言い訳以前に半分もじゃなくて半分しかでしょ?」

さやか「今回はやっぱほむらと初めて海だったしさ」

ほむら「人を言い訳に使うのはやめなさい」

さやか「そうだ、だいたいこの時間ならまどかも起きてるかな?」

ほむら「まどかは計画的にやるタイプじゃないのかしら?」

さやか「結構計画倒れしちゃうみたいだよ」

ほむら「そう、でも何度か宿題がわからないって聞かれて教えたからあなたよりは進んでるわよ」

さやか「私も一緒に教えてもらえばよかったよ……まぁいいや、電話してみよ」

プルルルル プルルルル

まどか「もしもし、どうしたの?さやかちゃん」

さやか「やっほーまどか、宿題進んでる?」

まどか「ティヒヒ、実は数学がわからない部分があって」

さやか「ほうほう、ではこのさやかちゃんが教えてしんぜよう」

まどか「本当!えっとね58pの問4と~」

さやか「そこの答えは~」

まどか「あ、そういうことなんだ、さやかちゃんすごいね!」

ほむら「人の宿題の解答を自分のもののように答えるのはやめなさい」

まどか「あれ?今ほむらちゃんの声が」

さやか「あー実はいまほむらの家に乗り込んで宿題してるのよ私」

まどか「え!ずるいよさやかちゃん!私は今日、昼からずっと一人で宿題やってたのに!」

ほむら「もっと早くに終わらせるべきだけど、自分でやるのは正しいと思うわ」

さやか「もっと早くに終わらせるべきだけど、自分でやるのは正しいと思うわ、だってさ」

まどか「さやかちゃん、あんまりほむらちゃんに迷惑かけちゃ駄目だよ?」

さやか「くぅーさすが私の嫁、優しいなぁ……っとスピーカーモードにしたらほむらも会話にはいれるかな」ピッ

まどか「もしもーしほむらちゃん、聞こえる?」

ほむら「えぇ、聞こえるわよ」

まどか「さやかちゃんが迷惑かけてない?」

ほむら「かけられすぎてどうでもよくなってきたわ」

さやか「ひど!」

ほむら「というかまどかもさやかも電話している場合じゃないんじゃないの?」

まどか「私は一応あとちょっとだから」

ほむら「睡眠不足は体に良くないわ、それに成長期なんだから寝ないと大きくなれないわよ」

まどか「心配してくれてありがとう、ほむらちゃん」

ほむら「私はどこかの誰かさんのせいで今日は睡眠不足になりそうだし……」

さやか「あ、ほむらって普段から寝てないから胸が」

ほむら「……」チャキ

さやか「銃刀法違反はやめようよ……」

まどか「なんだか楽しそうだね、私も誘ってくれたらよかったのに」

ほむら「そうね、このお泊り会が予め私に確認をしてもらっていればよかったのだけどね」

さやか「そんなに睨まないでよ、悪かったって、今からでもまどかもきたらいいじゃん!」

まどか「パパとママに止められちゃうと思うけど、聞いてみようかな……」

さやか「良かったら連絡してよ、ほむらが迎えに行くからさ、それにまどかがきたらほむらの態度も少しは優しくなるし、通話料金も助かるし」

ほむら「あなた、あと少しで終わりそうなまどかも手伝わせる気なのね……」

まどか「一旦切るねー」

さやか「あいよ」

プツ

さやか「よーし頑張りますかー」

ほむら「素直に諦めたらいいのに」

さやか「いやいや諦めたら駄目でしょ」

ほむら「いいじゃない、どうせやってないのだから」

さやか「まどかには優しいのに私には冷たい……」

ほむら「いいでしょう別に」

さやか「ま、ほむらがまどかが大好きなのは今更だしね」

ほむら「えぇ、たしかにまどかのことは大好きよ」

さやか「最近慌てたり、赤面すらしないで肯定するようになったよね」

ほむら「あなた達に何度からかわれたと思っているのよ」

さやか「いやー一応あんたの過去聞かされてるし、もうくっつけばいいのにって見てて思うし」

ほむら「はいはい、無駄話してる暇があるなら終わらせなさい」

さやか「そういえばさ、読書感想文の本決めてないんだけど、なにかない?」

ほむら「どういう本がいいのよ」

さやか「短くて、作文が書けそうな本」

ほむら「やる気のなさが伝わってくるような注文ね」

ほむら「これなんかどうかしら?」

さやか「お、確かに薄いし私なら作文が書けるような内容って」

さやか「これ音楽の教科書じゃん!」

ほむら「ぴったりじゃない」

さやか「読書じゃないよこれは楽譜だよ!」

ほむら「注文が多いわねぇ……」

さやか「からかったり押しかけたのはわるかったからさぁ」

ほむら「というか過去の読書感想文でも使いまわしたら?」

さやか「いやーさすがに捨てたよ」

ほむら「まどかの過去の読書感想文を借りるとか」

さやか「なるほど!」

ほむら「まぁ、まどかがとっておいてあるならの話だけど」

さやか「まどかにメールおくっとこ」

ピピピピ ピッ

ほむら「無駄なことばかり行動が早いわね……」

ほむら「もっと他で活かせばいいのに」

さやか「傷つくことをズバズバ言うよねほむら……」

ほむら「あなたに言われたくないわ、さやか」

ピリリ

さやか「お、メール帰ってきた……残念、捨てちゃったってさ」

ほむら「そう、となると適当に本を調べてその感想レビューを写すとか」

さやか「いやいや、あれって販売促進的なのとかでしょ?間違えてオススメの一冊ですとか書いたらどうするのさ」

ほむら「私はどうもならないわ、何か文句でもあるの?」

さやか「……ごめんなさい……あとまどか無理だってさ」

ほむら「知ってるわ」

さやか「あ、そっちもメールきたの?」

ほむら「えぇ、宿題終わったって報告と一緒にね」

さやか「なぬ!」

ほむら「それに、あなたに付き合わされて可哀想な私のためにメールでお話しようってお誘いもきたから暇がつぶせて助かるわ」

さやか「刺々しいなぁ……転校してきたばかりのほむらを思い出すよ」

ほむら「自分のしたことを振り返って考えてみなさい、私の態度がどれだけ寛大かわかるはずよ」

さやか「……ごめんなさい」

ほむら「わかればいいのよ」

さやか「やったーやっと半分終わったー」

ほむら「正確に言えば半分もおわってないけどね」

さやか「え?」

ほむら「その冊子以外にも宿題はあるでしょう」

さやか「あー……」

ほむら「ほら、嘆いてる暇があるならやりなさい、自業自得なんだから」

さやか「いまごろほむらが手伝ってくれていればもう終盤に……」

ほむら「宿題を短縮する方法を教えてあげただけで感謝してほしいのだけど」

さやか「あーうん、ありがとう」

ほむら「どういたしまして」

さやか「さっきからあんたすごい速さでメールうってない?」

ほむら「暇だもの」

さやか「それならちょっとぐらい手伝ってくれても……」

ほむら「そうね、大好きな上條君とのメールと友人の自業自得の尻ぬぐい、どっちをとる?」

さやか「……すみませんでした」

ほむら「そうね、大好きな上條君とのメールと友人の自業自得の尻ぬぐい、あなたはどっちをとる?」

だった

さやか「ふわぁ……」

ほむら「眠そうね」

さやか「まぁずっと作業してるわけだしね」

ほむら「あなたが眠ったら私も堂々と眠れるわ」

さやか「手伝ってくれないわりには律儀に起きてるよねほむら」

ほむら「そうかしら?普通じゃない?」

さやか「ま、約束守るためにずっと頑張ってたようなやつだもんね」

ほむら「ほら、無駄話はいいからさっさとしなさい」

ほむら「あなたのせいでイライラして魔女になりそうだわ」

さやか「へいへーい」

さやか「そういえばなんかマミさんが遠い存在になった気がするよね」

ほむら「この前会ったじゃない」

さやか「いやーだって高校生だよ?高校生っていったらなんか大人じゃん」

ほむら「女性なら16歳になるから結婚できるわね」

さやか「でも、日本で同性は無理でしょ」

ほむら「……どうあっても私をからかう方向に持って行きたいのね」

さやか「あーいやそんなつもりは」

ほむら「来年には私達も高校生よ」

さやか「今年受験なのにこんな宿題やらせるってどうなのさー」

ほむら「受験生だからこそ勉強しなさいよ……」

さやか「ほむらは成績で言えば難関校もいけるとか言われてたけど、やっぱり繰り返すときに勉強したの?」

ほむら「そうね、なにか使えることはないかって勉強してたわ」

さやか「難関校にでも行くの?」

ほむら「……まどかと同じ学校に行きたい……かな……」

さやか「お、ちょっと照れた」

さやか「冊子おわったー」

ほむら「お疲れ様」

さやか「いやまぁ正確に言えばおわってないんだけどさ、ところどころ飛ばしたし」

ほむら「それでもやりましたアピールはできるわよ」

さやか「さて後は、読書感想文がラスボスだね」

ほむら「絵日記があるじゃない」

さやか「ほむらとまどかの二人といつも一緒にいたし、あんたの日記をみたら何したか解るでしょ」

ほむら「なるほどね」

さやか「さて、本どうしようかな」

ほむら「事実は小説より奇なりっていうし、自分のことでも書いたら?」

さやか「え?」

ほむら「私の話を聞いて、そして自分の行動を思い出して、その時の感情や感想でも書いたら?」

さやか「あーそういうことね」

ほむら「そんな本があるかどうか調べられたら終わりだけど、まぁファンタジーな話になるし、つくり話だっていうならそれはそれで評価してもらえるわよ」

さやか「ではその方向でいきますかね」

さやか「タイトルはどうしようかな」

ほむら「タイトルねぇ、魔法少女とでも書いとけば?大量にそんなタイトルありそうだし見つからなかっただけって思うんじゃない?」

さやか「それいただき」

ほむら「あぁそうそう、登場人物の名前は変えておきなさい、さすがにあなたと私とまどかの名前が出てくるのはまずいわ」

さやか「細かないなぁ……」

ほむら「変に間違えると面倒だから、やっぱりその辺の本でも選べば?」

さやか「いやー本読まなくても感想書きやすいしいいよこれで」

ほむら「まぁそう言うなら止めないけど」

さやか「登場人物の名前だけ一緒に考えてよ」

ほむら「登場人物ねぇ……私、あなた、まどか、仁美あたりだけ変えればいいかしら」

さやか「まぁマミさんとか杏子とかは繋がりがあってもわからないもんね、仁美はチョイ役だけど、恭介も変えたほうがいっか」

ほむら「まぁ全員変えるのに越したことはないと思うけど」

さやか「よーし、じゃあ5人だけ変更だね」

さやか「じゃあまずは私の名前!」

ほむら「さやカス」

さやか「……」

ほむら「青」

さやか「……さすがにちょっと泣きたくなったよ」

ほむら「冗談よ」

さやか「美貴とかにしとこっかな」

ほむら「いいんじゃないかしら?私は明美で名前になるわ」

さやか「まどかはどうしようかな」

ほむら「円でいいんじゃない?」

さやか「もじっただけってばれないこれ……」

ほむら「あなた、自分の感想文がしっかり読まれるほどの力作を今からかけるの?」

さやか「ごもっともで」

さやか「あとは仁美と恭介かな」

ほむら「めんどうだわ瞳、京介でいいじゃない」

さやか「もう一発でバレかねないレベルだよね」

ほむら「読み方が変わっていないせいであなたが漢字を間違える可能性がたかまるわね」

さやか「それは困るなぁ」

ほむら「そこまで私も面倒はみれないわよ、数枚ぐらいすぐでしょう?メモに書いて名前だけ後で見直しなさい」

さやか「しょうがない、これでいくか」

ほむら「早く書きなさい、もうまどかも眠っているし、私も結構眠いわ」

さやか「そう言うなら絵日記やっといてくれたらいいのに……」

ほむら「ふざけているのかって先生に呼び出しされるような内容でもいいならやってあげるわ」

さやか「遠慮しておきます」

さやか「ねぇほむら」

ほむら「何?」

さやか「あんたってすごいね」

ほむら「突然何よ」

さやか「いやーなんかあんたの話思い出してたら、私なら絶望するだろうなって思ってさ」

ほむら「……あなたなら、私と違ってもっとうまくやれたんじゃないかしら」

ほむら「コミュニケーションは苦手な私よりずっと……ね……」

さやか「こうして軽口言い合ってるとそんなことはないって思えるけどねぇ」

さやか「まぁやっぱり精神的に追い詰められてたのはあるんじゃない?最初がまどかの死からだし……」

ほむら「……それより手を動かしなさい、追い出すわよ」

さやか「変なこと言っちゃったね、ごめんごめん……」

さやか「……あんまりほかの世界の事、気にしすぎないようにね、誰もあんたを恨んだりしてない、むしろ感謝してるんだから」

さやか「他の世界の私達も今のあんたをみてきっと感謝してるって」

ほむら「いまさらそんな事言われると、どう返答していいかわからないものね」

さやか「でーきた!」

ほむら「読んでもいいかしら?」

さやか「ほいよ」

ほむら「……へぇ、そんな事思ってたんだ」

さやか「あ、やば!」

ほむら「まぁ否定はできないわね……」

さやか「で、でしょ?」

ほむら「あと所々名前がもとに戻ってるわよ」

ほむら「読み方は一緒でも字数が上條君以外違うんだから直すのは大変そうね」

さやか「そんなー」

ほむら「ほら、こことここ、あとこことここも、それにここも」

さやか「うわー途中からほとんど間違えてるじゃん……」

ほむら「忠告したじゃない、間違えやすくなるって」

さやか「あーちょっと休憩ー」

ほむら「駄目よ、今休憩したらあなた眠るじゃない」

さやか「これで……いかがでございましょうか……」

ほむら「私が国語先生なら勉強しろといいたくなるかしら」

さやか「うへー」

ほむら「まぁ今は宿題を提出ってことだからいいんじゃない?」

さやか「よーし後は絵日記!」

さやか「ってなわけで貸して」

ほむら「はい」

さやか「サンキュー」

さやか「ほうほう……なるほどなるほど」

ほむら「ニヤニヤしながら何よ……」

さやか「いやーこのほむらさんの絵日記がですねー」

ほむら「何よその口調……」

さやか「実に可愛らしいと思いまして」

ほむら「その日誰と何をしたかって事しか書いてないと思うんだけど……」

さやか「いやー確かに文章側は手抜きってよくわかるんだけどさ」

さやか「絵が、気合入れすぎでしょこれ」

さやか「まどかと会った日は全ページまどかの笑顔じゃん」

さやか「しかもちゃんとその日の服とか全部再現してあるし」

ほむら「べ、別にいいでしょう」

さやか「というかよく一緒にいた私の扱いひど!申し訳な下げに端っこにいるだけじゃん!」

ほむら「う、うるさいわよ!さっさと写して返しなさい!」

さやか「絵が面倒だなぁ……」

ほむら「先生だってあなたの絵に期待なんてしていないわ」

さやか「ひど!」

ほむら「棒人間でもなんでも書いて終わらせなさい、一応絵なんだから」

さやか「そだね、1日で宿題やって疲れたし」

ほむら「私は宿題を終えていたのに疲れたわ」

さやか「わかったわかった、今度まどかと二人きりでデートできるようにセッティングしてあげるって」

ほむら「そういって無理やり私とまどかを二人で出かけさせてあなたとマミが後を付けなかった事はないわね」

さやか「げ!バレてた!」

ほむら「まどかは気がついてなかったけど……あなた達バレバレの変装じゃない」

さやか「いやーあれはたまたま……」

ほむら「いいわよ、あなたのお節介なんて今更なんだから」

さやか「あはははは」

さやか「おーわりっと!」

ほむら「お疲れ様」

さやか「あーもう疲れたよ、眠い……」

ほむら「あ、ソファーじゃなくて布団で……」

さやか「すぅ……すぅ……」

ほむら「まったく、人にさんざん迷惑をかけておいて……額に肉って書いてやるわ」

さやか「すぅ……すぅ……」

キュッキュ

ほむら「これでよしと、寝付きがいいわね本当に……」

ほむら「こっちはむしろ起きてたせいで眠れないっていうのに」

ほむら「……そうだ、絵日記の最終日かきなおそうかな……」

―朝―

さやか「んーあれ?あーソファーで寝ちゃったのか私」

さやか「でもタオルケットがかけてある……ほむらがかけてくれたのかな……サンキュ……」

ほむら「すぅ……すぅ……」

さやか「なんでこいつは机で寝てるんだろ……」

さやか「あれ?最終日の絵……書きなおしたのかな」

さやか「私の寝顔なんて気合入れて描いちゃってまぁ……」

さやか「ん?絵の額に肉?まさか!鏡鏡っと」

さやか「あー!」

ほむら「ん……なによ騒がしい……」

さやか「ちょっと何書いてるのさ!」

ほむら「うるさいわね、迷惑をかけた罰よ……って時間!」

さやか「ゲッ!」

ほむら「急ぐわよ!準備しなさい!」

―通学路―

まどか「あ、遅いよさやかちゃん、ほむらちゃん!ってさ、さやかちゃん……そ、それ」

仁美「さやかさん、新学期早々に面白いことを」

さやか「え?え?あ!!消し忘れた!!!」

ほむら「だから走ってる時にこっちを見ている人がいたのね」

まどか「というかほむらちゃんはまだしも、さやかちゃんは寝癖もひどいよ?」

仁美「暁美さんはクマがちょっとできていますね」

ほむら「いろいろあったのよ」

まどか「あのあともずっと起きて徹夜してたんだね」

さやか「あーもうどうしよう!」

ほむら「時間にそこまで余裕はないわ、諦めて学校で落としなさい」

さやか「そんなー」

―正午 HR―

さやか「今日はこれで終わりだね」

まどか「始業式来ると夏休み終わっちゃったんだなーってなんだか残念だよね」

仁美「そうですわね」

さやか「いやー本当昨日はどうなるかと」

仁美「宿題はコツコツやりませんといけませんわよ」

まどか「ちゃんとほむらちゃんにお礼いわなきゃ駄目だよ?」

さやか「そだね」

―――――
―――

早乙女「えー美樹さんと暁美さんは放課後残ってください、お話があります」

ほむら「え?」

さやか「え?」

―放課後―

ほむら「何かしたかしら……」

さやか「私だけならまだわかるけど、ほむらもってなんだろう……」

まどか「じゃあ私は待ってるね!」

仁美「私は習い事があるので申し訳ありませんが……」

さやか「あ、うんまたね仁美」

ほむら「またね」

まどか「ばいばい仁美ちゃん」

仁美「えぇ、ではまた新学期もよろしくお願いしますね」

まどか「教室の前にいるから」

ほむら「えぇ、待たせてごめんなさいねまどか」

さやか「後でね」

早乙女「えーあなた達二人に残ってもらった理由はこれです」

ほむら「自由研究?」

さやか「何か問題がありましたか?」

早乙女「問題も何も、なんですかこれは」

早乙女「簡単な爆弾の作り方って!」

ほむら「実験としては問題ないかとおもったのですが?」

早乙女「問題大有りです!」

早乙女「確かに内容は素晴らしい出来です、中学生とは思えないぐらいしっかりとしています!」

早乙女「ですが爆弾を作ってはいけません!」

ほむら「ですがこの自由研究の爆弾の威力はとても弱く、さらに遠隔操作で周りの安全もしっかり考えて……」

さやか「すみませんでしたー」

早乙女「内容としては素晴らしいのですが、今後危ないことをしてはいけませんよ?」

さやか「わかりました!」

さやか「ちゃんとあんたの自由研究の内容みてから名前書いてもらうんだった……」

ほむら「普段使っている自家製の爆弾の威力に比べたらあんなのオモチャなのだけど……」

まどか「大変だったんだね」

さやか「魔法少女やってるせいで確かにあんなものが危ないっていわれても実感わかない気持ちはわからなくはないけどさ」

さやか「とくにあんたは長いこと爆弾に触れてたんだろうし」

ほむら「あの実験は遠隔操作を試したくてやったのよ」

まどか「そうなの?」

ほむら「えぇ、力のない私が戦いで生き残るためにもね」

ほむら「まぁでも、面倒だったとはいえそれを自由研究に回したのは間違いだったわね、迷惑をかけてごめんなさいさやか」

まどか「ねぇほむらちゃん、さやかちゃん、帰りにクレープ屋さんいかない?」

さやか「お、いいねー」

ほむら「そうね、甘いものを食べたい気分だわ」

さやか「あ、そうだほむら」

ほむら「何かしら?」

さやか「いい忘れてたんだけど、昨日はありがとうね」

ほむら「正確に言えば昨日と今日ね」

さやか「口が減らないなぁ……」

ほむら「……どういたしまして」

まどか「ほら、早くいこうよ!ふたりともおいてっちゃうよー」

さやか「くぉらぁ!まどかが私から逃げ切れると思うなよ!」

ほむら「あ、ちょっと待ちなさい二人とも!」



おわり

中学生なら夏休みって今日までだなぁと妄想をはじめたらさやかちゃんとほむほむになった
付き合ってくれてありがとう
それにしてもほむほむの転校時期って一体いつなんだろうか……10月~11月だって思い込んでた

正直、中学の夏休みの宿題って何があったか覚えてない

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