シノ「きんいろスイッチ?」 (70)
カレン「Yes! このマシーンのボタンを押すだけで下の穴から100万円が出てきマース!」
陽子「うわっ、なにそれ凄っ!!」
アリス「エイプリルフールでもないのにみんなをからかうのは良くないよカレン」
カレン「No! 嘘じゃありまセーン! パパはこれを使ってお金持ちになりマシタ!」
陽子「マジか! じゃあ私もこれを押しまくればカレンちみたいな大金持ちに──」スッ
綾「待って! それ本当に押すだけで100万円貰えるの? 何か裏があるんじゃない?」
カレン「フッフッフ、それはデスね…」チラッ
シノ「?」
カレン「なんと! ボタンを押した瞬間別次元へ飛ばされ好きな金髪少女と5億年過ごすんデスよ!!」
陽綾アリ「!!!」
シノ「えええええっっそそそそれ本当ですかぁぁ~!!?」キラララーン
アリス「5億年って…。人間はそんなに長生き出来ないよ」
カレン「だから別次元デス。そこでは歳をとらず食事睡眠一切ナシ、更にこちらの時間は流れまセーン」
陽子「でもいくら好きな金髪少女と一緒だからって寝ないで5臆年ってのはちょっとなぁ…」
カレン「ダイジョーブ! 別次元で過ごした5億年の記憶はこっちに戻った瞬間、全て消えマスから」
綾「つまり実際には5臆年過ごしているけど、体感ではボタンを押して100万円を貰うだけなのね」
陽子「な~んだ、じゃあ問題なんか何も無いじゃん!」
カレン「ヨーコ押す気になりマシタ?」ニヤリ
陽子「押す気も何も、綾が止めてなきゃ初めから押してたし」
綾「なによ! 私は陽子のことを心配して止めてあげたのに!」ムッ
陽子「だから綾はちょっと心配症なんだって」
綾「もういいわよ! 押す気なんだったらお好きにどうぞ!」フーン
陽子「……あぁ、うん」
アリカレ「?」
陽子「じゃあ押すよ! え~い><」ポチッ
綾アリ「……」
陽子「…ん? 今ので5億年経ったのか? 全然そんな感じしなかったけど」
綾「やっぱり陽子は馬鹿ね。別次元で5億年過ごしても全部忘れて戻って来るって言ったでしょ?」
陽子「あ、そっか。へぇ~こっちじゃホントに何も起こらないんだな」
アリス「カレン、ヨーコはボタン押したよ。100万円は?」
カレン「…残念デスが、ヨーコは別次元へ飛んでないようデス」
陽綾アリ「え?」
カレン「ヨーコには好きな金髪少女が居マセン。だからきんいろスイッチは作動しマセンデシタ」
綾「なるほど、きんいろスイッチを起動させるには金髪少女が好きじゃなきゃ駄目なのね」
綾「ふふ~ん、100万円貰えなくて残念だったわね~陽子」ニヤニヤ
陽子「おっかしいなぁ~。ちゃんと頭ん中で金髪の綾を思い浮かべてたのに…」
綾「な゛っ!!?///」ボッ
綾「きゅ、急に何言い出すのよー!! ばかーばかー///」ベシベシ
陽子「いてっ! だって5億年一緒に過ごすなら綾しか居ないだろ……だから痛い、痛いって!」
シノ「5億年…金髪少女と一緒に5億年……」アハァ
アリス「大変! シノが! シノがボタンを押す前に向こう側の世界へ行っちゃったよ~!!」オロオロ
カレン「きんいろスイッチを押すのが楽しみ過ぎて、待ってる間に旅立っちゃったんデスね」
アリス「駄目だよシノ! ちゃんとボタンを押してからじゃないと100万円貰えないよ!」ユサユサ
カレン「…ん? もしや、アリスも100万円欲しいんデスか?」
アリス「ギクッ」
アリス「そ、そんなこと思ってないよ! けど、シノが押したいんならムリには止めないかなぁ…」ゲスガオ
カレン「oh…。アリスの心は金で汚れてしまいマシタ」
カレン「シノ、このボタンを押せばケガレを知らない純粋無垢な金髪少女に会えマスよ」スッ
アリス「その言い方はあんまりだよカレーン!!」ガーン
シノ「安心して下さいアリス。私はアリスが身も心も清らかな金髪少女なのを知ってますから」ポチッ
アリス「ボタンを押しながら言っても全然説得力ないよシノー!?」ガガーン
シノ「あ…」フッ
─────
―――
シノ「──あれ? ここはアリスの家……私は夢を見ているのでしょうか?」
アリス「夢じゃないよ。私たちの世界へようこそシノ!」ピョコ
シノ「アリス!? 一体どうしたんですか! 初めて会った頃より縮んでますよ!」
アリス「えへへ、だってこれから5臆年も一緒なんだよ? だから最初はこの姿で──」タッタッタ
カレン「ヘイ、シノーキター!!」ダキッ
シノ「ひゃあ! カ、カレンまで!?」ドキッ
アリス「ちょっとカレン! シノが混乱するから私の説明が終わるまで待ってて」
カレン「え~早くシノと遊びたいデース」ブー
シノ「わはぁ、今と違ってアリスの方がお姉ちゃんみたいです!」キラキラ
アリス「今でも私の方がお姉ちゃんだよ!?」ガーン
──大宮忍、金髪少女との5億年生活スタート──
シノ「どこまで行っても草原でアリスの家以外には何にも無いんですね…」
アリス「ごめんねシノ。私たち頑張ったんだけど、ここまでしか再現出来なかったんだよ…」
カレン「私たちが生まれた時には真っ暗な空間しかなくて、ホントどうしようかと思いマシタ!」
シノ「あぁ! では、この大地を作るのと引き替えに2人の体は縮んでしまったんですね~!?」ウル
カレン「ハイ。スタミナ回復に100年かかりマース!」
アリス「嘘言わないでカレン! もう、シノも最初の説明聞いてなかったでしょ!」プンプン
アリス「私たちはきんいろスイッチがシノの大好きな金髪少女を元に作り出した思念体なんだよ!」
シノ「し、思念体…??」
カレン「早い話が人間じゃないので変幻自在なのデース!」
シノ「よく分からないけど便利なんですね」
アリス「うん。でもね、いくら思念体って言ってもシノの想像を上回るものにはなれないんだよ」
カレン「例えば私のこの姿はシノが写真で見たのでOKデスが、大人の姿は見たことないのでNGデス」
シノ「そうなんですか。でも私が好きなのは金髪少女なので大人になれなくても平気ですよ♪」ニコッ
アリカレ「シノ!」パァァ
──大宮忍、3日目にして思念体の存在をなんとなく理解する──
カレン「HAHAHA! そこに居マシタかプリンセス・アリース! 大人しく私にさらわれて下サーイ!!」
アリス「にゃあぁぁー!! 助けてシノ王子ー!」
シノ「じゃん♪ 助けにきましたよアリス姫!」ササッ
アリス「わー格好いいよシノー!!///」ピト
カレン「フフフ、コケシ王国のプリンス如きにやられるボスカレンではアリマセ~ン!」
カレン「さぁかかってくるデス! そのサムライソードでお腹をつつけば一撃で死にマスよー!!」
シノ「──出来ません。やっぱりカレンを倒すなんて私には出来ませんよっ!」カラン
アリス「えぇ~!? それじゃ私ボスカレンにさらわれちゃうよ! それでいいのシノ?」
シノ「…そうだ! 実はボスカレンには呪いがかけられていて、アリス姫に触れたことで解けるです」
カレン「OK! 分かりマシタ! ではついでに中学生に成長しまショー! ドレスア~ップ!!」フッ
シノ「着ぐるみの怪獣から一瞬でお姫様に! こんな幻想的なものが見れるなんて感動です!」
カレン「シノ王子のお陰で元の姿に戻れマシタ。アリガトウゴジャイマース……Chu♪///」
アリス「ちょ、ちょっと! 呪いを解いたのは私でしょー!? シノから離れてよカレーン!!」
シノ「はぁ…私今本当に幸せです……」ポワワン
──大宮忍、一週間目にして別次元での生活に完全適応する──
アリス「今日から私たち高校生の姿になるよシノー♪」
シノ「中学生のアリスも懐かしくて可愛かったですが、やっぱり高校生の方が落ち着きますね」ニコニコ
カレン「え~でもアリスはあんまり変わらないデース!」
アリス「ふ、服装と髪型は変わるもん!」ムー
カレン「私は背も胸もこんなに大きくなりマスよ?」ニヤリ
アリス「もう、カレンなんて知らない!」プイ
シノ「アリス、私はアリスが小さいことなんて気にしませんよ? アリスはアリスなんですから」
アリス「シノ…///」ジーン
シノ「それに本当はカレンだってアリスのことを一度も小さいなんて思ったことないハズです」
シノ「カレンにとってアリスはどんなことがあっても頼りになるお姉ちゃんなんですもんね?」ニコッ
アリス「そうなのカレン?」
カレン「…やっぱりシノは凄いデスね。からかってゴメンナサイ、アリス! 大好きー!」ギュッ
アリス「えへへ、私もカレンのこと大好きだよ!」
シノ「では仲直りの印に3人で歌いましょう♪ せ~の、きん! ぱつ! きん! ぱつ!」タンタン
──大宮忍、3ヶ月目にして思念体たちと本物同様の絆を深める──
アリス「シノー今日は何して遊ぶー?」ギュッ
カレン「シノとはどれだけ遊んでも遊び足りないデース!」ギュッ
シノ「!」ビクッ
シノ「きゃっ!!///」ドン
アリス「にゃーー!?」ペタン
カレン「Noー! …いきなり突き飛ばすなんて酷いデス」
シノ「ハッ! すみません! すみません!///」ペコペコ
アリス「…どうしたのシノ? 顔真っ赤だよ?」
カレン「熱でもあるデスか?」ペタ
シノ「ひっ!!///」ボッ
カレン「って、ここでは病気も何にも無いんデシター」HAHAHA
アリス「わーズルいよカレン! 次は私が──」
シノ「アリス、カレン。2人に聞きたいことがあります」
シノ「その……女の子が女の子を好きになるって、やっぱり変…なんですかね?///」カァァ
──大宮忍、半年目にして金髪少女に恋愛感情が芽生える──
シノ「アリス……んっ」チュッ
アリス「は…ん、ちゅ……っ!?」ビクン
シノ「はぁ……えへへ、アリスがあまりに可愛いものですから舌入れちゃいました♪///」テレ
アリス「もう、シノったら最近ちょっとえっちだよ!?///」プンプン
シノ「…ちょっと、なんかじゃないです。私、本当は凄くえっちなんですよ?」サワ
アリス「シ、シノ…? そこは……きゃああ!」ドサッ
シノ「アリスと恋人になって…いっぱいキスをして…私、幸せじゃなきゃいけないのに……」
シノ「駄目なんです! アリスともっと先のことがしてみたいんです! もう止まりません!」
アリス「…本当にいいの、シノ? 私、ぜんぶ偽物なんだよ? この髪も目も声も体も心も全部…」ジワワ
シノ「ここで私たちが過ごしてきた日々は本物です! それにアリスはアリスじゃないですか!」
アリス「シノ……うぅぅぅ///」ポロポロ
シノ「こんな綺麗な涙が偽物な訳ありません。ほら一滴一滴アリスの心の形になっていますよ?」ニコッ
アリス「そっか…この気持ち本物なんだ。シノのこと愛していいんだ! ──シノ…大好き///」チュッ
──大宮忍、1年目にして金髪少女アリス・カータレットと結ばれる──
カレン「──私の役目はここまでのようデスね。さよなら、アリス……シノ」フッ
シノ「カレーン、どこに居るんですかカレーン! …カレン。──カレン、カレンに会いたいです…」
カレン「……」
シノ「あの輝く金色は……カカカカカレン!? 本物なんですか!? 夢じゃないんですね!!?」ダッ
カレン「…シノ、アリスを置いてこんな遠くへ何しに来たデス?」
シノ「え? あ、あの……ちょっとお散歩に……」アセアセ
カレン「ここはアリスの家の丁度反対側、片道10年コース! とてもお散歩とは思えマセン!」
シノ「それじゃカレンはどうして出て行っちゃったんですか! 私たちあんなに仲良しだったのに!」
カレン「…お散歩デス」
シノ「カレンもですか、奇遇ですね。では、お散歩はここまでです。一緒に帰りましょう!」ニギ
カレン「シノ……でも、私は」
シノ「草原を越えて真っ暗闇に入った時は驚きました。10年間あの星を辿って来たんですよ?」スッ
カレン「ア、アレは私がここに来て初めに作った星! 証拠にホラ2つの仲良し星が居マス!」
シノ「うふふ、そうなんです。まるで私とアリスとカレンが仲良く寄り添ってるようですね♪」ニコッ
カレン「シノ、心配かけてゴメンナサイ! 見つけてくれてアリガトー大大大好きデース!!///」ドサッ
──大宮忍、40年目にして39年ぶりにカレンと再会する──
カレン「ほ、ほれへひいんヘフかヒノ…?///」ムグムグ
シノ「はい! あぁ…金髪メイドの口スカートたくし上げ最高です!」
アリス「シノぉ…こんな格好恥ずかしいよぉ……///」モジモジ
シノ「きゃああ~! やっぱりアリスにはブルマーが似合います!」
カレン「それでこれからどうするデス? メイド服えっちをゴショモーデスかご主人様…?///」ピラッ
アリス「そんな格好じゃ鬱陶しいでしょカレン! シノ、えっちするなら動きやすい体操着だYO!」
シノ「いいえ、今回私は2人とはえっちしません…」フルフル
シノ「ですから代わりに2人が私の前でえっちして下さい!!」バーン
カレアリ「what!?・えぇぇ~!?」ガーン
アリス「──はぁはぁ…カレ…駄目っ……はぁぁあん! うぅ、こんなの絶対におかしいよシノ!!」
シノ「金髪少女同士のえっち…美し過ぎます! 感激です! もっと激しく動いて下さい!!///」ハァハァ
──大宮忍、100年目にして変な趣味に目覚める──
金髪少女との5億年生活、残り499999900年
シノ「……」ボー
アリス「どうしたのシノ? …シノ? ねぇ、シノったら…返事してよ、シノ! シノ~!!」
シノ「…すみません、アリス。今考え事をしているのでちょっと黙っててもらえませんか?」ニコッ
アリス「え…」ゾクッ
カレン「無駄デスよアリス。シノはアリスのことまるで見てマセン」
アリス「どういうことなの…? 説明してよカレン!!」
シノ「──青髪」ボソッ
シノ「青髪は落ち着いていていいですねぇ…。あっ、情熱的な赤髪も素敵です! 緑髪もなかなか…」
アリス「違う……違うよ! シノが好きなのは金髪だよ!? ねぇ、こっち向いてよシノ!!」
カレン「アリス、今のシノは見てても辛いだけデス! さぁ、早く行きましょう──」
アリス「シノ!!!」
──大宮忍、12066年目にして──
シノ「はぁ…どこかに居ないでしょうか? 金髪以外のプリティッシュガール」
アリス「──っ」
──金髪少女に飽きる──
アリス「──これから私たちどこへ行くの? もしかして、前にカレンの行った私の家の反対側?」
カレン「イエ、そこではシノへの想いは断ち切れマセン。ですから世界の果てへ行きマショー!」
アリス「世界の…果て……? 確かそこって……」
カレン「私たち思念体が一瞬で5億年迎えられる特別な場所。きっと楽になりマスよ?」ニコッ
アリス「…2人で消滅しようってこと?」
カレン「あの時わたしは独りで消えるのが怖くて思いとどまってしまいマシタ…」
カレン「しかし、アリスと一緒なら寂しくありマセン! だから──」
アリス「けど、シノはどうなるの? まだ1億年も経って無いんだよ? 独りじゃ心が壊れちゃうよ!」
カレン「5億年経てばここでの記憶は消えマス! つまり、私たちは居ても居なくても一緒デース!」
アリス「嘘っ!! それじゃ私たちは何の為に生まれたの!?」
カレン「それは……分かりマセン」
アリス「私は大好きなシノに気付かれないまま消えるのは嫌だよ!! カレンは違うの!?」
カレン「アリス…」
アリス「ごめんね、カレン。私は……私はシノが居る限り消えられないよ!!」ダッ
カレン「アリス!? アリ~~ス!! アリス……うぅぅ」ポロポロ
シノ「……」ボー
アリス「…シノ、戻ってきたよ 。こっちを見て。見てくれるまで私ずっとシノのこと呼ぶからね?」
シノ「青髪少女…」ポツリ
アリス「私ね、生まれた時からシノのこと好きだったの。おかしいよね? 出会う前から好きなんて」
シノ「はぁ、赤髪少女…」ブツブツ
アリス「だから私は自分が本物のアリスの代わりに作られたオモチャなんだって1人納得してた」
アリス「けど、そんな私にシノはアリスはアリスですって言ってくれたから今ここに居るんだよ?」
シノ「よく見ればこの草原、緑髪少女の髪のようです!」スリスリ
アリス「シノ! 私を……アリスを嫌いにならないで!!」ギュッ
アリス「私シノの望むこと何でもするよ! シノが見たいならカレンとだってえっちする! だから──」
シノ「い、いえ! 青髪も赤髪も大好きですよ! みんな違ってみんないいんです!」バッ
アリス「シノ…」
アリス「」キッ
シュルシュルシュル……プスッ!!
シノ「あひぃぃぃー!!?」ビクゥ
シノ「これは私がアリスにあげたかんざし…?」ハッ
シノ「アリ…ス……?」
アリス「いい加減にしてよシノ! 私はこんなにシノのこと好きなのにどうして応えてくれないの!?」
シノ「え…」ドキッ
アリス「シノは私のことを好きって言ってくれたんでしょ!? 違うの!? 好きだったのは髪だけ!?」
シノ「いいえ、違います! 私はアリスが好きなんです!! 金髪じゃなくてアリスのことが……あっ」
アリス「はぁ…はぁ……シノはいつも……口だけじゃない……」ポロポロ
シノ「アリス……はわわわわ」ガクガク
シノ「すすすすみません! 何でもするので許して下さい!! 死ねと言うのなら今すぐここで──」グッ
アリス「きゃぁぁーっ!? 死んじゃ駄目だよシノ!! ていうか私のかんざしで自殺しないで!!」
カレン「──どうやら、長期カップルにアリガチな倦怠期ってやつだったみたいデスね」
カレン「2人にフられてしまったのは残念デスが、アレだけ見せつけられたら適いマセンよ♪」フフッ
アリス「…シノ、死ななくていいから私だけを見て。もう二度と私のことを忘れないで…」ギュッ
シノ「…私の心はアリスのものですよ。大好きです……アリス///」チュッ
──大宮忍、12066年と半日にして金髪少女アリス・カータレットと永遠を誓う──
シノ「私、英語を覚えます!」
アリス「…シノ、それここに来て10000回は言ったよね?」
カレン「もう耳ダコデース! …んっ? 耳に居るタコってなんデス?」
アリス「カレン、日本では海の生き物のタコの他に腫れ物のこともタコって言うんだよ」
カレン「そうなんデスか。んー日本語ムズカシいデース!」
シノ「真面目に聞いて下さ~い!!」
アリス「えっ、本気なのシノ?」
シノ「はい、今度は本気の本気です!」
カレン「では、今後一切日本語を喋りマセンよ?」ニヤリ
シノ「えぇぇ~!?」ガーン
アリス「大丈夫、ちゃんと言葉に合わせてジェスチャーするよ!」
カレン『シノ、どれくらいでギブアップするかな?』ペラペラ
アリス『多分半日もたないよ。シノが泣きそうになったらすぐやめようね』ペラペラ
シノ「わ、私負けません! 絶対に英語をマスターしてみせます!」フルフル
──大宮忍、504万9272年目にして英語を始める──
それから忍はアリスとカレンの英会話を聞き続けた
毎日、毎日
十年… 百年… 一万年…
そして
アリス『シノ、今日は何して遊ぶ?』
シノ「そうですねぇ……では、かくれんぼをしましょう!」
カレン『えぇ~、私はかくれんぼより鬼ごっこがしたいな~?』
シノ「鬼ごっこですね? いいですよ。最初は私が鬼をしますね♪」ニコッ
アリカレ『……』
アリス『シノ、大好き! 今日は久しぶりにえっちしたいな?///』モジモジ
カレン『アリスの許可さえあれば私も一緒にえっちするよ!///』フンフン
シノ「本当ですかカレン!? ……ハッ!!」
シノ「違うんですよ! 浮気じゃないんです! アリスが駄目なら諦めますから!」アタフタ
アリカレ『シノ!』パァァ
──大宮忍、20000000年目にしてヒアリングを拾得する──
シノ『私の…名前は…大宮忍デス…』
シノ『好きなものは…金髪少女…恋人は…アリス・カータレットデス…』
シノ『どう…デスか? ちゃんと…喋れて…マスか?』
アリス『す、凄いよシノ! ちゃんと英語になってる!!』
シノ『本当デスか!? とっても…嬉しい…デス♪』
カレン『でもまだ全然片言だよー? もう少し練習した方がいいんじゃない?』クス
アリス『なに言ってるのカレン! シノの英語はカレンの日本語と同じくらい喋れてるよ!』
カレン『マジで!?』ガーン
シノ『では…このまま…カレンの日本語…追い抜かしちゃい…マショーか?』ニコッ
カレン「No! それは困りマース! 2人とも今すぐ日本語喋って!」アタフタ
アリス『うふふ』
シノ『あはははは』
──大宮忍、1億2316万9649年目にして遂に英語を喋りだす──
アリス「シノ、今日が何の日だか覚えてる?」ニコニコ
シノ「もう、忘れる訳ないじゃないですか! 今日は私とアリスが恋人になった日ですよ」
アリス「覚えててくれてんだ! 嬉しいよシノ!」ギュッ
シノ「──ここに来てから色々なことがありましたね」
アリス「うん。カレンが居なくなったり…シノが他の髪色に浮気したり……」ドヨーン
シノ「も、もしかしてまだ根に持ってるんですか!? もう3臆年前のことですよ!?」ガーン
アリス「それだけ大変なことだったんだよ! 何臆年でもいいから反省して!」プンプン
カレン「アリスの愛は重すぎデース! シノ、今からでも私に乗り換えマセンか?」ニヤリ
アリス「嘘っ!? カレン、まだシノのこと諦めてなかったの?」
カレン「人生何があるか分からないじゃないデスか! 離婚の相談は九条カレンまでっ!」キラキラ
シノ「カレンのお気持ちは嬉しいですが……私たちはまだ結婚なんてして──」ハッ
シノ「アリス、結婚式をあげましょう! 衣装は今すぐ用意できますね!?」
アリス「私は白無垢がいい!」フッ
カレン「では、私はウエディングドレスデ!」フッ
──大宮忍、3億7683万351年目にして金髪少女アリス・カータレット(と九条カレン)と結婚する──
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