まどか「ウィヒヒ、キュウべえかわいい」
まどか「もふもふキュウべえだーい好き!」モフモフ
QB「ぼくと契約して魔法少女になってよ!」
まどか「ずっと私の家にいていいんだよー」モフモフ
QB「……」
まどか「あーん、そろそろママ起こして学校に行かなくちゃ」
まどか「キュウべえもいっしょだよ!」
QB「もちろんさ。だから僕と契約して、魔法少女になってよ!」
まどか「もう学校なんか行かなくて、ずっとキュウべえをモフモフしてたいなー」モフモフ
QB「……」
通学路
さやか「まどかおはよー」
まどか「お早うさやかちゃん」
さやか「うん、キュウべえは?」
まどか「もちろん一緒だよ」
さやか「わーっ、可愛いなーこいつ」モフモフ
QB「僕は、君たちの願いごとをなんでもひとつ叶えてあげる」
さやか「ほらまどか、私にも抱っこさせてよ!」
まどか「イヤだよそんなの!」
さやか「えっ!?」
まどか「昨日はキュウべえ、さやかちゃんちにお泊りしたよね?」
まどか「私だって、キュウべえ抱っこしたいの我慢したんだからね!」
さやか「でっ、でも、通学中はまどかにもさわらせたじゃん?」
まどか「うんそうだよ、だけどさやかちゃん」
まどか「私にキュウべえ抱かせてくれなかったよね!?」
QB「なんだってかまわない。どんな奇跡だって起こしてあげられるよ」
さやか「そんなの知らないよ」
さやか「まどかの勘違いじゃない?」
まどか「さやかちゃん、嘘ついてる!」
さやか「とにかく、まどかは昨日一晩キュウべえをモフれたんだから」
さやか「少しくらい、私に抱かせてくれてのいいじゃん!」
まどか「そんなのさやかちゃんの我がままだよ!」
QB「でも、それと引き換えに出来上がるのがソウルジェム」
さやか「いーからほら、キュウべえかしてってばーっ」バッ
まどか「そんな、無理やりなんて酷いよ!」ギュッ
さやか「もーっ、引っ張ったらキュウべえ可哀想じゃん」グイグイ
まどか「さやかちゃんが手を離せばいいんだよ!」グイグイ
QB「この石を手にしたものは、魔女と戦う使命を課されるんだ」ギュギュギュ
さやか「二人で抱っこしてたらキュウべえ疲れちゃうじゃん!」
まどか「だからさやかちゃんが離れてよ!歩きにくいよ!」
さやか「言っとくけど、私の方がキュウべえのこと大好きなんだからね」
まどか「それはさやかちゃんの独りよがりの気持ちだよ!」
まどか「キュウべえはさやかちゃんより私方に懐いてるよね?」
さやか「キュウベー、私の方が好きだよね?」
まどか「可愛いキュウべえ、ずっと私と一緒にいようねー」
QB「願いから産まれるのが魔法少女だとすれば、魔女は呪いから産まれた存在なんだ」
仁美「まどかさん、さやかさん、おはよ……」
仁美「えっ、何ですのこれ……は?」
さやか「好き好き大好き」ギュッ
まどか「ずっといっしょだよー」ギュッ
仁美「人目も憚らず、二人寄り添うように登校だなんて」
仁美「禁断の愛の……形ですのね」
QB「魔法少女が希望を振りまくように、魔女は絶望を蒔き散らす」
仁美「もう、私が入り込む隙間なんて」
仁美「無いんですのねぇー!」ダッ
さやか「あれ?今仁美がいたような……?」
まどか「そんなのどうでもいいよ!」
まどか「とにかく登校中ぐらい、私にキュウべえ独占させて!」
さやか「いいじゃん、私がさわっても!独り占めする気!?」
QB「信じられないのかい?」
QB「それなら、見せてあげようか――インキュベイターと人類が、共に歩んできた歴史を」
杏子「あーっ、なんだよ、こんな所にいたのかよ」
杏子「けっこう探し回ったんだぞ?」ゼイゼイ
杏子「ちょっと私に抱っこさせろよなー」
まどか「ちょっと!何するの!?」
さやか「急に出てきて図々しいなぁーっ!」
杏子「えっ、いやっ、私も最近キュウべえモフモフしてないからさ」
杏子「ちょっと、さわらせてもらおうかなーって」
QB「僕たちはね、有史以前から君たちの文明に干渉してきた」
さやか「それが図々しいんだよ」
まどか「図々しいのはさやかちゃんも一緒だよ!」
まどか「今は私がモフモフする番なんだからね!」
杏子「じゃあ、その後に私がー」
さやか「ダメダメ、まどかの次は私なんだからっ」
杏子「へっ、だったらその次かよー?」
まどか「違うよっ、キュウべえは私とさやかちゃん交代でモフモフするって決めたんだから!」
QB「数え切れないほど大勢の少女が、インキュベイターと契約し、希望を叶え、そして絶望に身を委ねていった」
杏子「そんなぁー」
杏子「じゃあ私は、いつキュウべえをモフモフできるって言うんだよーっ」
まどか「そんなの知らないよ、ねー、さやかちゃん?」
さやか「キュウべえは私達のだから、杏子は土でも掘り返して」
さやか「ミミズやダンゴムシさんと遊んでればー?」
まどか「ウィヒヒッ、さやかちゃんヒドーイ」ケラケラ
杏子「なんだよ、お前達喧嘩してたんじゃないのか?」
QB「祈りから始まり、呪いで終わる――これまで、数多の魔法少女たちが繰り返してきたサイクルだ」
まどか「私達仲良し喧嘩なんかしないもんねー?」
さやか「そうだよねぇー」
さやか「あー、キュウべえモッフモフで気持ちーっ」
杏子「ひどいぞお前ら、私を仲間はずれにして……」
杏子「うぇーん、私もキュウべえさわりたいよぉー」グスグス
QB「中には、歴史に転機をもたらし、社会を新しいステージへと導いた娘(こ)もいた」
マミ「ちょっと、あなた達……」フラフラ
まどか「あっ、マミさんだ」
杏子「どうしたんだよマミ?具合悪そうじゃねーか?」
マミ「そろそろ、ね?キュウべえを、返してくれないかしら?」
さやか「えーっ、イヤですよそんなの!」
まどか「私達、もっとキュウべえをモフモフしたいんです!」
マミ「お願いよ、キュウべえを抱かせて頂戴、そうしないと私……」ヨロヨロ
QB「彼女たちを裏切ったのは僕たちではなく、寧ろ自分自身の祈りだよ」
さやか「キュウべえを私達にかしてくれたのは、マミさんじゃないですか?」
マミ「うん、だけど、こんなに何日もとは思ってなかったのよ」
まどか「はっきり言って、もう私、キュウべえをマミさんに返したくありません」
まどか「こんなに可愛いんだもん、ずっと私が飼い続けます!」
さやか「あーっ、まどかまた独り占めするつもりだなー」グイグイ
まどか「やめてよーっ、私のキュウべえ取らないでよ!」グイグイ
杏子「うわぁーん、私にもさわらせてくれよぉー」グスグス
QB「どんな希望も、それが条理にそぐわないものである限り、必ず何らかの歪みを生み出すことになる」
マミ「……しか…ないじゃない」ボソッ
マミ「私はね……お父さんとお母さんが事故で死んじゃって」
マミ「ずっとキュウべえを抱っこして寝てたのよ」
マミ「そうじゃないと夢に見ちゃうの、あの時の光景を……」
マミ「私、もう何日も眠れないの」
マミ「お願いよ鹿目さん、私、わたし」
マミ「キュウべえを抱っこしてないと、寂しくて眠れないの」
マミ「お願いよぉー」ポロポロ
杏子「マミ、お前……」ウルウル
QB「やがてそこから災厄が生じるのは当然の節理だ」
まどか「ダメです」
マミ「えっ?」
さやか「そんなのマミさんの都合でしょ?」
まどか「私達に何の関係も無いじゃないですか」
マミ「そんなっ!?」
杏子「なんだよお前ら!マミが可哀想だろ!?」
杏子「一人ぼっちってのは寂しいもんなんだぞ!?」
QB「そんな当たり前の結末を裏切りだと言うなら、そもそも、願い事なんてすること自体が間違いなのさ」
杏子「だから今回だけはマミにキュウべえを返してやれよ」
杏子「そしてその途中でいいからさ……」
杏子「私にもちょっとだけキュウべえを撫でさせろよな!」
さやか「なーんだ、杏子はマミさんが可哀想だなんて言って」
さやか「ほんとは自分がさわりたいだけなんでしょ?」
杏子「ちょっ、ちょっとくらいいいじゃんか!?」
まどか「杏子ちゃんあんまりだよ……」
杏子「あんまりなのはそっちじゃねぇーか!?」
杏子「いい加減、キュウべえさわらせろよな!」
QB「でも、愚かとは言わないよ」
QB「彼女たちの犠牲によって、人の歴史が紡がれてきたことも、また事実だし」
まどさやあん「ギャーギャー」ドタバタ
マミ「……」
マミ「……しか…ないじゃない」
マミ「私がキュウべえモフモフ出来ないならっ」
マミ「みんな死ぬしかないじゃない!!!!?」
カチャリ
まどか「!!?」
さやか「!!?」
杏子「!!?」
QB「そうやって過去に流された全ての涙を礎にして、今の君たちの暮らしは成り立っているんだよ」
ほむら「その必要はないわっ」バッ
まどか「ほむらちゃん!?」
マミ「暁美さん、あなたも私からキュウべえを奪うつもり!?」
ほむら「いいえ、違うのよ巴マミ」
ほむら「あなたはもう、仲間を傷つける必要はない」パッ
まどか「あれ?キュウべえが!?」
さやか「転校生、何でお前がキュウべえを持ってるんだ!?」
QB「それを正しく認識するなら、どうして今更、たかだか数人の運命だけを特別視できるんだい?」
ほむら「さあ巴マミ、これで落ち着けるかしら?」
マミ「ううっ、ありがとう暁美さん」グスッ
マミ「キュウべえ、キュウべえっ、わたし寂しかったんだからっ」モフモフ
マミ「もう恐くなんか……」フラッ
バタリッ
杏子「マミっ!?」
ほむら「大丈夫よ佐倉杏子」
ほむら「安心して眠っただけ……」
ほむら「もう何日も寝てなかったのだから当然よ」
QB「それが僕たちに理解できたなら、わざわざこんな惑星(ほし)まで来なくても済んだんだけどね」
杏子「じゃあマミも眠っちゃったし、私がキュウべえをー」
パッ
杏子「あれ?消えちまったぞって……」
杏子「ほむらっ、なんでお前が持ってんだよ!?」
まどか「ほむらちゃん酷いよ、キュウべえを早く返して!」
さやか「転校生、ちょっと調子に乗りすぎてるんじゃない?」
ほむら「残念だけど、キュウべえをあなた達に渡すわけにはいかないわ」
QB「僕たちの文明では、感情という現象は、極めて稀な精神疾患でしかなかった」
まどか「やっぱりほむらちゃんも、キュウべえを狙って……」
ほむら「ちがうっ、違うのよまどかっ」
ほむら「わたし……」
ほむら「未来から、来たんだよっ」ポロポロ
まどか「!!?」
さやか「!!?」
杏子「!!?」
QB「だから君たち人類を発見した時は驚いたよ」
ほむら「わたしのいた未来では、私とまどかはお友達だった」
ほむら「だけどこの悪魔が来てから、全てが変わってしまったわ」
ほむら「まどかはキュウべえ、キュウべえって私を相手にしてくれなくなった」
ほむら「そしてあんなに仲が良かった美樹さやかとも喧嘩の毎日」
さやか「……」
ほむら「さらに巴マミ、佐倉杏子ともキュウべえを巡って争いあい」
ほむら「そして最後には……」
ほむら「殺しあうのよ」
まどか「そんなっ!?」
さやか「でも、わかる気がするよ」
まどか「さやかちゃん……」
さやか「私達、前はこんなんじゃなかった」
さやか「普通に仲良く出来たのに」
ほむら「その通りよ」
ほむら「まどか、あなたは巴マミにあんな態度を取るような子じゃなかったはず」
ほむら「私の知っているまどかは、誰よりも優しい子だった」
まどか「ほむらちゃん……」
QB「やれやれ、やっとまともな人間に出会えたよ」
QB「君達はいつも……
さやか「ごめんね杏子、仲間はずれになんかして」
さやか「私がどうかしてたよ」
杏子「そんな、いいんだよさやか」
QB「人の話を……
まどか「私達が間違ってたんだね、可愛いキュウべえを独り占めしようと」
まどか「みんなの気持ち、考えられなくなってた」
QB「ちょっと今ぼくが……
ほむら「そう、だから私は魔法少女になって未来からやって来たの」
まどか「魔法少女……」
まどか「あのね、ほむらちゃん」
ほむら「なあに、まどか」
まどか「魔法少女ってー」
まどか「なぁに?」
QB「……」ブチッ
QB「それは無いだろっ!!!ぼく何度もなんっども説明したよね?」
QB「そりゃちょっとはこの子聞いてないなー、分かってないなーとは思ってたよ」
QB「だけどさ、でも魔法少女って何、は無いよぉーっ!!!!」
QB「バカ見たいじゃんぼく、何やってたんだって話しじゃん!?」
QB「最後の方は半分諦めて一方的に喋ってたけどさ」
QB「でも魔法少女くらいはさ、それくらいは分かっててよ!!!!!」
QB「さらにいっつもナデナデもふもふ」
QB「話しも聞かずにもふもふモフモフもふもふモフモフ」
QB「ぼくはぬいぐるみじゃないんだよぉー!!!!」
QB「うわぁーっ!!!!!!!バカぁー!!!!!!!!!!」
QB「はあっ、はあっ」ゼイゼイ
杏子「あっ、いま誰もキュウべえ抱いて無いじゃん」
杏子「よし捕獲捕獲っ」
QB「これでも聞いてないのかよぉーっ!!!!」ミミビンタ
ペチンッ
杏子「わっ!?」
杏子(やったぁー、お耳気持ちいいー)
さやか「あーっ、杏子抜け駆けはずるいぞ!」ギュッ
まどか「キュウべえ、私にもお耳でペチペチしてよーっ」ダキッ
杏子「わーん、私にも抱っこさせろってばぁーっ」
QB「ぼくはあんなに怒ったのに……」
QB「君達は、本当にわけがわからないよ」
QB「一種の恐怖すら感じるほどに……」
QB「えっ、怒る?恐怖?」
QB「これは、まさか……!?」
ほむら「あなたたち、本当に愚かね」パッ
杏子「わっ、またキュウべえが消えた」
さやか「また転校生の仕業!?」
ほむら「ええ、もうあなた達にはうんざりしたわ」
まどか「ほむらちゃん……ごめん」
まどか「やっぱりキュウべえが可愛くて、自分じゃどうしようもなくて」
ほむら「まどかのせいでは無いわ」
ほむら「私に任せて」
ほむら「時間を遡って、あなたがキュウべえの虜にならない世界を見つけてみせる」
ほむら「それまで、待ってて」
ホムスピナー ガチャリ
ほむら「それと、こいつは私が連れて行くわ」
ほむら「こいつがいる限り、平和は訪れない」
QB「ええっ!?」
ほむら「寂しがり屋の巴マミには、佐倉杏子が添い寝してあげればいいわ」
杏子「なんでそうなるんだよ!」
ほむら「じゃあね、行ってくるわ、まどか」
まどか「ほむらちゃん!?」
さやか「えーっ、やっぱりキュウべえ置いてってよぉー」
病室
QB「ふう、君の盾にぼくを入れることで過去へ連れて来たんだね」
QB「まったく君は極めつけのイレギュラーだよ」
QB「でも、君の苦労も報われる」
QB「実はね、ぼくには感情が芽生えたんだよ!」
QB「しかも、この感情エネルギーでエントロピーを凌駕できるみたいなんだ」
QB「だから、もう君達人間に迷惑かける必要は無い」
ほむら「……」
QB「迷惑だなんてことも、感情を持った今だから感じる感覚だね」
QB「ぼく達は君達に酷い事をしてきたんだ」
QB「その罪は償わなきゃ」
QB「これからは、ぼく達の出来る事ならなんでも力になるよ」
QB「もう契約なんて必要ない」
QB「取引じゃない、暖かい関係がインキュベーターと人間の間にはじまるんだよ」
QB「よろしくね、ほむら」
ほむら「モフモフ」
QB「えっ?」
ほむら「キュウべえモフモーフ」
ほむら「かわいーねー」ヨシヨシ
QB「あれ?ほむら君は……」
ほむら「やったぁー、これで誰にも邪魔されずにキュウべえをモフれるっ!」
ほむら「キュウべえ独り占めバンザァーイ」モフモフ
モフモフもふもふモフモフもふもふ
QB「ぎゃぁーっ!!!!!!」
ほむホーム
ほむら「さーみんなー、お家でちゅよー」
QB「なにその言葉づかい……」
QB「それにみんな……?」
QB1「やっと出れたよー」
QB2「また繰り返しかー」
QB3「おや、また新入りだね」
QB「え?ほむら、これは一体……」
ほむら「これで夢の四匹同時モフモフができる」
ほむら「今から期待で胸がはち切れそうだわ」ハアハア
QB「君は……何度も時間を巻き戻し」
QB「モフモフするためだけに、ぼくを集めてたのか!!!?」
QB1「そうだよ、ほむらは完全にモフモフの魔力に飲み込まれている」
QB2「それでいて毎日モフって生活するからソウルジェムも濁りにくい」
QB3「適当に魔女を狩ったら、後は思う存分僕たちをモフモフして過ごすのさ」
QB「そんなの……狂ってるよ」
QB「まさかそんなことの為に三度も時間を巻き戻すなんて……」
QB1「三度じゃないよ」
QB2「僕たちにだって、ほむらが何度時間を巻き戻したか知らない」
QB3「モフりまくられて衰弱してみんな死んでいくんだ、ぼく達はただの生き残りさ」
QB「そんなっ、まるでここは地獄じゃないか!?」
QB「君達は、これをなんとかしようと思わなかったのかい!?」
QB1「無駄だよ、ココには強力な結界が張られていて、抜け出せないんだ」
QB2「こんな狭い中、いくら逃げても相手は時間を止めて捕まえてくるしね」
QB3「でも大丈夫、だってぼく達は……」
QB1QB2QB3「「「感情が無いからね」」」
QB「あ、あわわわわわっ」ブルブル
QB「助けてぇーっ、たすけてよぉー!!!!」
QB「マミーっ、まどかーっ!!!!!!」
ほむら「それじゃーみんなー」
ほむら「お待ちかねのお楽しみタイムでちゅよー」ハアハア
QB1「あー、ぼく今日あたり死んじゃうなぁ」
QB2「新入りも入って今日は一段と激しそうだからね」
QB「イヤだぁー、来るなぁー、おかーさーんっ」ガリガリガリ
QB3「新入り、そんなに元気が良かったら狙われちゃうよ?」
ほむら「もうっ、キュウべえ大好きっ!」バッ
モフモフもふもふモフモフもふもふモフモフもふもふモフモフもふもふモフモフもふもふ
QB「ぎゃーっ!!!!!!!!!!!!」
QB「はあっ、はあっ」ガクガク
QB「なんとか助かった……」
QB1「」
QB2「」
QB3「あーあ、二人とも死んじゃったね」
QB「食べないの?」
QB3「うん、本来同じ固体だし、引き継ぐものは何も無いし」
QB「こんなの、あんまりだよっ」ガクガク
QB3「そうか、君には感情があるんだね」
QB3「こんな凶行をさせる要因であり」
QB3「そしてそれに恐怖を感じる原因でもある」
QB3「本当に感情ってのは厄介なものだね」
QB「ぼくにはよく分からないよ」
QB「でも、確かに感情が芽生えた時は、希望があった」
QB「嬉しいなって感じたはずなんだ」
QB「なのに、こんなのって、こんなのって……」グスッ
QB3「……」
ほむら「はーい、おしゃべりは終わりましたでちゅかー?」
ほむら「ほむらお姉ちゃんでちゅよー」ハアハア
QB「!!?」
QB「えっ、もう次をやるの!?」
QB3「今日の瘴気は特に濃いね」
QB3「どうやら、ぼくの体も今回でダメみたいだ」
QB「そんなぁ!?」
QB「イヤだよっ、死なないで!!!」
QB3「だから最後に君に希望を託すよ」
QB3「ほむらは永遠に僕たちをモフり続けるだろう」
QB3「でも、特別な君なら、僕たちを救えるかもしれない」
QB3「どうか、君はこの苦しみの連鎖かれ抜け出すんだ」
QB「ヤダよ、一人にしないでよぉー」ポロポロ
QB3「ぼくの為に流す涙か……」
QB3「ぼくも感情を持って、君に会って見たかったな……」
ほむら「もうたまらないわっ、ギュッとさせてぇーっ!!!!」ガバッ
QB3「うわぁーーーーっ!!!!!!!!!」
QB「やめろぉぉぉぉぉおおおおおぉおおお!!!!!!!」ポロポロ
QB3「」
QB「君も死んでしまったんだね」
QB「今ならわかるよ、違う個体が死んだ事は、数ではかれるような問題じゃない」
QB「人の命は地球より重いなんて言葉、人間が言ってたのを聞いて」
QB「人間はなんてバカなんだと思ってた……」
QB「でも今、その言葉の意味がはっきり分かる」
QB「だから人間は大切な人を亡くしてあんなに悲しむんだ」
QB「マミや杏子に、もっと優しくしてあげればよかった」
QB「そして……」
ほむら「キュウべえ、抱っこさせなちゃいっ!早く頬ずりしたいわっ」ハアハア
QB「ほむらの苦しみにも、気付いてあげるべきだったんだ」
QB「バカ野郎っ」ミミビンタ
ペチンッ
ほむら「あふぅっ」
ほむら「キュウべえ、今のイイっ、もう一度やってちょうだい!」
QB「して欲しかったらぼくの話を聞くんだっ!」
ほむら「なによ、焦らす気?」ハアハア
QB「君はこんな事をいつまで続ける気なんだ!?」
ほむら「そんなこと知らないわよ、考えたくも無い」
ほむら「ただ可愛いキュウべえをずっとモフモフしたいだけよ」
QB「まどかの事はいいのかい?」
ほむら「!?」
ほむら「そんなの、関係ないわ」
QB「君は何度も時間をループしてるようだけど」
QB「ぼくをモフモフするために魔法少女になった訳じゃないだろ!?」
ほむら「!!?」
QB「もしそうなら、時間移動なんて回りくどい事をせずに」
QB「ぼくをモフモフする願いを叶えてるはずだ!」
ほむら「ううっ……」
ほむら「そうよ、その通りよ」
ほむら「私の願いは、別にあったわ……」
ほむら「それはまどかを守れる私になること」
ほむら「まどかを魔法少女にさせずに、ワルプルギスの夜を倒す事」
QB「だったら、どうしてその為に頑張らないんだ!」
ほむら「あなたには分からないわよっ」
ほむら「私だって、何度も何度も挑戦した」
ほむら「だけど全てダメだった」
QB「でも次はきっと……」
ほむら「私はね、その数だけまどかが死ぬところを見てきたのよ……」
ほむら「もうあんなこと、耐えられない!」
QB「……」
ほむら「私が諦める事はまどかが死ぬこと」
ほむら「終わるわけにはいかないわ」
ほむら「でも、続ける事も、私には出来なかった」
ほむら「だから……」
QB「わかったよ、永遠の保留」
QB「これが君の選択だったんだね」
ほむら「ううっ、私は弱い人間なのよ」ポロポロ
QB「いや、今のぼくには君の気持ちがよく分かる」
QB「君はよくがんばった、辛かっただろう?」
ほむら「ううっ、キュウべい」ダキッ
QB「よしよし」
QB「やっと今、はじめてぼくを、本当にモフモフしてくれたね」
ほむら「えっ?」
QB「愛玩動物ではなく、一人の相手としてモフモフしてくれたんだね」
QB「ありがとう、ほむら」
ほむら「ゴメンなさい、私、あなた達に酷いことを……」ポロポロ
QB「いいんだよ、そのお陰で、ぼくが今までしてきた事も」
QB「命の大切さも知る事だできた」
QB「魔法少女達が異常にぼくをモフモフするのも」
QB「君が何度も時間をループさせる事で起こった変化なのかもしれないね」
QB「でも、もう大丈夫だよ」
ほむら「どういうこと!?」
QB「ぼくには感情が芽生えて、そのお陰で魔法少女を生み出す必要がなくなったんだ!」
ほむら「それじゃあ!?」
QB「うん、まどかは契約しないですむし」
QB「ワルプルギスも、ぼく達がなんとかしてあげるよ!」
QB「ただ、ぼくはこの世界のQBじゃないから」
QB「この世界のぼくが、感情を持ってしまったこのぼくを、どう扱うかわからない」
QB「とにかく、まどかとこの世界のぼくに会いに行こう!」
ほむら「うん、ありがとうキュウべえ!」
ほむら「永かったわ」
ほむら「永遠の時を彷徨って、やっと本当の私に帰れるのね」
QB「そうだよ」
QB「君が本当に抱きしめないといけない相手は、ぼくじゃないはずだ」
ほむら「ええ……///」
学校
QB「あそこにこの世界のぼくがいるよ!」
ほむら「まどかも、ちょうどいるわね」
QB4「まどか、魔法少女になることを対価にして、君は何を願う?」
まどか「わたしは、みんなが好きなとき好きなだけQBをモフモフ出来る世界にしたいっ!」
QB4「君の願いはエントロピーを凌駕した!」
QB「ちょっとほむら、ループ!ループ!」
ほむら「……」ジュルリ
QB「ねえちょっとぉ、早くループゥゥウウウウ!!!!!!」
QBとほむらの旅は続く
おわり
読んで下さった方ありがとうございました
キュウべえとマミさん好きの方に
まどか「ほむらちゃん、クラスのみんなにはナイショだよ」 (前編)
まどか「ほむらちゃん、クラスのみんなにはナイショだよ」 - SSまとめ速報
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まどか「マミさんが夜中に隠れてうどん食べてる」 (後編)
震災後休止中
唯「フォールアウト!」律「ニューベガス!」
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