結衣「京子を無視し続けたらどうなるか」(631)
京子「・・・」
結衣「・・・よし、足の指も冷蔵庫に入れたし、掃除しないと・・・」
京子「・・・」
結衣「すぐに止血したおかげで、そこまで床は汚れてないけど」
京子「・・・」
結衣「雑巾あったかなー・・・」
京子「・・・」
結衣「あ、これでいいや。拭いたら捨てよう」
京子「・・・結衣・・・どうして・・・」
結衣「そういえば夕食がまだだったな、何食べようか・・・」
京子「・・・結衣・・・お願い・・・こんなことはもう・・・」
結衣「適当に作るか・・・オムライスなんてどうだろう」
京子「結衣・・・」
結衣「こんな時間帯だともう夜食だな・・・」
結衣「まぁいいか、流石に今日は動きすぎたし」
結衣「空腹なのも辛い」
京子「・・・」
結衣「さて、さっさと作るか」
結衣「~♪」
京子「・・・」
結衣「よし、できた」
結衣「・・・いただきます」
結衣「・・・うん、なかなかだ」
結衣「ちょっと胡椒を使い過ぎたか?」
京子「・・・」
結衣「喉が渇いた・・・水でも飲もう」
京子「・・・」
京子「・・・水」
京子「結衣・・・私も、水・・・」
結衣「んぐっ・・・ぷはぁ」
結衣「やっぱり冷えた麦茶は最高だ」
京子「結衣・・・」
結衣「・・・」モグモグ
結衣「・・・」ゴクゴク
京子「・・・」
結衣「・・・」モグモグ
京子「水・・・結衣・・・」
結衣「・・・ふぅ・・・ごちそうさまでした」
京子「・・・」
京子「うっ・・・!」ズキッ
京子「血が・・・」
京子「結衣・・・また血が出てきたよ・・・」
京子「痛いよ、結衣・・・」
結衣「どうしよう・・・食べてすぐ寝るのも体に悪いし・・・」
京子「結衣・・・?」
結衣「でも明日は学校だ・・・仕方ない、眠ろうかな」
京子「ね、ねぇ!結衣!血が!また血がでてきたの・・・!」
結衣「おっと、そういえば歯磨きしてないや」
京子「あ、あ・・・」
京子「」ポタポタ
京子「ゆ、結衣ぃ!はやく血を止めて・・・!」
京子「血って流し過ぎると死んじゃうんだよ・・・!?嫌だよ・・・!」
京子「死にたくないよ・・・!」
結衣「さて、歯磨きも済んだしもう眠ろう・・・」
京子「ねぇ!結衣!結衣ぃぃぃぃ!!!」
結衣「・・・」
京子「え・・・そ、そんな・・・」
結衣「・・・」
京子「う、ううううっ・・・!!」
翌日
あかり「?? これってどういう意味だろう?」
ちなつ「110って・・・警察?」
櫻子「わちゃっ!これまた物騒ですなー!」
向日葵「でも、会長はどうしてこの番号を?」
櫻子「二人ともまさか・・・!」
あかり「な、何もしてないよぉ!!」
ちなつ「そうよ!私たちは何も!」
向日葵「うーん・・・でも本当に何のつもりなのかしら?」
櫻子「さぁ?」
向日葵「それより、はやく会長を探しましょ。あそこに行ったわよ」
櫻子「あ、そうだったねー。二人とも、また後でねー!」
昼休み
結衣(京子・・・家で大人しくしてるかな)
結衣(学校生活を一緒に過ごせないのはつらいけど)
結衣(これで京子はわたしのものになったんだ、文句はないさ)
結衣(千歳や綾乃も静かにしてたし・・・)
結衣(いや、綾乃はちょっとうるさいか・・・)
結衣(あれ?いけない・・・これ、提出用のプリントだ)
結衣(生徒会室までか・・・)
結衣「・・・ちょっと様子を見てこようかな」
生徒会室
コンコン
櫻子「はい、どうぞー!」
向日葵「船見センパイ、こんにちは」
結衣「ああ、こんにちは。ちょっと失礼するね」
向日葵「ええ、どうぞ」
結衣「・・・二人だけ?」
向日葵「ええ、先輩方は今日休みなんです」
結衣「へぇ、そうなんだ」
櫻子「珍しいよねー二人が一緒に欠席なんて」
向日葵「ええ、本当ね」
櫻子「会長の様子もおかしいしさー、どうしたのかな?」
結衣「会長?生徒会長のこと?」
向日葵「そうです」
向日葵「昨日から何か慌ただしくて・・・」
結衣「そうなんだ・・・詳しいことは分からないの?」
向日葵「それが全然なんです・・・。昨日は先輩方を探してましたし」
向日葵「今日は手に生傷作ってましたし・・・」
櫻子「話によると、ごらく部メンバーにも用事があった感じらしいですよー?」
結衣「ん?どういうこと?」
櫻子「西垣先生から、ごらく部の人たちの家を聞いてたとか聞いてないとか」
結衣「」
櫻子「昨日、会長が家に来ませんでしたか?」
結衣「いや来てないよ」
櫻子「そうなんですか~・・・会長、どういうつもりなんだろ・・・」
結衣「・・・」
向日葵「ついさっきは赤座さんたちに110が書いてある紙切れを渡してみたり」
結衣「・・・警察?」
櫻子「多分そうですねー」
結衣(生徒会長・・・110番・・・)
結衣(ああ、なるほどね・・・)
結衣(昨日からついて回ってたのは生徒会長か・・・)
結衣(ここは合わせよう)
結衣「実は、私も生徒会長から110が書いてある紙をもらったんだ」
向日葵「そうなんですか?なんでまた・・・」
結衣「さぁ、思い当たる節もないしね」
結衣「あ、いけない・・・これ、提出用のプリントね」
向日葵「あ、はい、確かに受け取りました」
結衣「それじゃ私はこれで、仕事頑張ってね」ニコッ
結衣「・・・」
結衣(生徒会長・・・松本りせ・・・)
結衣(このまま放置できない・・・)
結衣(仕方ない・・・)
結衣(捕まえるか)
放課後、部室
結衣「・・・」
結衣(あかり、何の用事だろう・・・)
結衣(とにかく待とう)
あかり「あ、結衣ちゃん!」
結衣「やぁ、あかり」
あかり「待たせてごめんね・・・!」
結衣「いいっていいって、それで、話って?」
あかり(結衣ちゃん・・・少しは元気になったのかな・・・?)
あかり「昨日から、京子ちゃんに連絡がつかないの」
結衣「そうなのか?」
あかり「うん、京子ちゃんのお母さんからも電話が来たんだけど・・・」
結衣「私も来たよ・・・帰ってないらしいな」
あかり「うん、そうみたい・・・心配だよ」
結衣「・・・京子なら大丈夫だって、心配しすぎだよ」
あかり「そうかな・・・結衣ちゃん・・・」
結衣「ふふ、あかりは優しいな」ナデナデ
あかり「あ、う、ううん!そんなことないよ・・・!」
結衣「とにかく心配しなくてもいいよ」
結衣「ごめんね、私今から用事があるから、また今度ね」
あかり「うん、分かった・・・」
あかり「あ・・・」
あかり「結衣ちゃんは・・・」
あかり「なんで京子ちゃんが無視し続けたのか知ってるのかな・・・?」
あかり「これは直接京子ちゃんが言った方がいい気もするし・・・」
あかり「どうしよう・・・」
結衣(あかりとちなつ・・・)
結衣(京子が失踪したと知れ渡った時、多分二人が疑うのは間違いなく私)
結衣(どうしよう・・・二人とも連れ去るの?)
結衣(いや、まだ分からない)
結衣(様子を見ていよう・・・)
結衣(・・・さて)
結衣(松本りせ)
結衣(早いとこ捕まえちゃおう・・・)
結衣(いつもみたいに気絶させて運べばいいよね・・・)
夕方、結衣マンション
りせ「・・・っ!」
りせ「・・・?」
りせ「・・・」キョロキョロ
りせ「・・・!?!?!?!?」
綾乃「・・・」
千歳「・・・」
りせ「・・・!!!!」ブルブル
ガチャッ ギィ...
結衣「あ、おはようございます」
りせ「・・・っ!!」
結衣「はぁ・・・これで三人目か・・・」
結衣「本当にどうしようもないな・・・私・・・」
結衣「・・・まさか生徒会長がつけまわしてたなんて思いませんでした」
結衣「流石ですね、生徒会ってそんなに情報が行き来するものなんですか?」
結衣「どうしてわかったのかは知りませんが・・・」
りせ「・・・」ブルブルブルブル
りせ「・・・っ」
結衣「ああ、綾乃と千歳なら寝てますよ」
結衣「指切っちゃいましたけどね」
りせ「・・・!」
結衣「この電動丸鋸で」
ヴィイイイイイイイイイン!!!!!
りせ「・・・!!!」ビクッ
結衣「あはは、そんなに怯えないでください・・・別に何もしませんよ」
りせ「・・・」
結衣「多分ね」
りせ「・・・」
結衣「さて、私は自分の家に戻らないと」
結衣「安心してください、自由はないですけど殺したりはしないつもりですから」
結衣「恨むなら、勘が良かった自分を恨んでください」
結衣「では、またあとで」
バタンッ
りせ「・・・!」
りせ「・・・」ポロポロ
りせ「・・・」グスッ
ギィィ バタン
結衣「ふぅ・・・お風呂でも入ろうかな」
京子「・・・」
京子「・・・結衣」
結衣「あ・・・リンス切れてたっけ・・・まぁいいや、今日は我慢しよう」
京子「お腹空いた・・・」
結衣「・・・」
京子「昨日の夜から何も食べてないの・・・」
結衣「・・・」
京子「ねぇ、結衣・・・聞いてる?」
結衣「・・・」
京子「喉も乾いたの・・・ねぇ、結衣・・・」
京子「結衣・・・」
京子「・・・」
ザァァァァァァァァァ...
結衣「・・・」
結衣(何だろうこの気持ち・・・)
結衣(独占しているような、支配でもしているような・・・)
結衣(・・・少しだけ、気持ちいい感覚だと思う)
結衣(京子・・・)
結衣「・・・」
ザァァァァァァァァァ... キュッ...
結衣「ふぅ・・・気持ち良かった」
京子「・・・」
結衣「今日は自炊できそうにないや・・・冷凍もの、何かあったっけ・・・」
京子「・・・」
結衣「・・・このピラフ、美味しいなぁ」モグモグ
京子「・・・」
結衣「・・・」モグモグ
京子「・・・」グゥゥゥ...
京子「・・・ゆ、結衣・・・」
結衣「・・・」モグモグ
京子「お願いだから・・・」
結衣「・・・」モグモグ
京子「・・・」
京子「・・・お願いがあります・・・」
京子「私にも少し分けて下さい・・・」
京子「お願いします・・・」
結衣「・・・」
冷凍した指食うのかと思った
結衣「・・・ごちそうさま」
結衣「いけない、宿題があったっけ」
結衣「急いでやらないと・・・」
京子「結衣・・・」
京子「お腹空いたよ・・・」
結衣「・・・」
京子「お願いですから・・・せめて水だけでも・・・」
結衣「・・・」
京子「うぅ・・・」グスッ
京子「おとうさん・・・おかあさん・・・」
京子「私・・・お腹空いたよ・・・」
京子「・・・」
翌日、昼休み、生徒会室
櫻子「やぁーん!!資料整理終わんないよー!!」
向日葵「本当ね・・・このあとアンケートの集計もしないといけないのに・・・」
櫻子「どうして先輩たち誰も来ないんだぁー!!」
向日葵「会長もこないし・・・はぁ、これは放課後やっても間に合わないわね・・・」
櫻子「ぐぬぬ・・・しかし、生徒会副会長になるためにはこれぐらいしないと!!」バババババババ
向日葵「こら櫻子!適当に資料を扱わないで!それは配布用なんだから、汚れたらいけないわ!」
櫻子「チェー」
向日葵「全くもう・・・」
向日葵「それにしても、先輩方はどうしちゃったのかしら・・・」
向日葵「・・・はぁ、頑張らないと・・・」
夜、結衣マンション
結衣(とりあえず別室組全員に食事は与えた)
結衣(ただ千歳の衰弱の仕方が半端じゃない・・・)
結衣(綾乃も相当弱ってるけど、反抗できるだけマシか)
結衣(あかりやちなつも特に動きを見せないし)
結衣(とりあえずは小康状態、かな)
結衣(京子との日々・・・絶対に守ってみせる・・・!)
結衣(もう誰にも京子を渡すもんか・・・!)
結衣(あんな気持ちになるぐらいだったら・・・)
結衣(死んだ方がマシだ・・・!!!)
京子「・・・」
結衣「・・・はぁ、この本も読み飽きたな」
京子「・・・」
結衣「あとはもう寝るだけか」
結衣「明日の準備をしないと・・・」
結衣「千歳は元気ないし・・・どうしたものか・・・」
京子「・・・!!!」
京子「千歳を・・・はなし、てよ・・・・」
京子「ぁのふた・・・りは、関係ない・・・」
結衣「さて、今日はもう寝よう」
京子「殺すなら・・・私だけに・・・」
結衣「電気、消そうかな」
パチンッ
結衣「ああ・・・星が綺麗だ」
京子「・・・」
翌日、生徒会室
向日葵「・・・どうもおかしいですわ」
櫻子「ん?何が?」
向日葵「どうして先輩方は姿を見せないの?」
櫻子「そうだねー・・・流石に心配になってきた」
向日葵「聞いた話によると、学校を休んでるらしいわ」
櫻子「へ!?そうなの!?てっきり生徒会をサボってるのかと」
向日葵「そんなことをするような人たちじゃないわ!」
櫻子「そりゃそうなんだけど・・・」
向日葵「それだけじゃないわ」
櫻子「ん?」
向日葵「七森中の生徒が、立て続けに失踪してるって話があるの」
櫻子「へ!?」
櫻子「ま、まままままさか!?!?」
向日葵「落ち着きなさい!そうと決まった訳ではないでしょう!」
向日葵「決まった訳ではないのだけど・・・」
櫻子「だけど?」
向日葵「・・・先輩方に、連絡がつかないの」
櫻子「あ、実は私も!」
向日葵「ただ事ではないような・・・」
櫻子「会長も連絡がとれないし・・・」
向日葵「会長の様子がおかしくなってから、こうなったわよね」
櫻子「確かにそうかもしれない・・・」
向日葵「・・・少し、整理してみましょうか」
櫻子「うん」
向日葵「会長の様子がおかしかったのはつい最近」
向日葵「ごらく部、生徒会の人間を探していた」
櫻子「住所聞いたりここに来てる辺り、そうかもね」
向日葵「一番謎なのは『110』の紙よ」
向日葵「赤座さんや吉川さん、船見先輩に渡されたあの紙」
櫻子「確かに、なんで警察?」
向日葵「分からない・・・でも、会長はきっと何かを伝えたかったんじゃ・・・」
向日葵「それに、この紙を渡したのが何故あの三人なのか」
櫻子「どういうこと?」
向日葵「もし、通報するなら私たちでもいいんじゃないかしら?」
櫻子「それは確かに・・・でも、急に言われても、え?ってならない?」
向日葵「だから会長は、この紙を渡せば三人が事態に気づくと思ったんじゃないかしら」
向日葵「でも、三人は気づかなかった・・・」
櫻子「会長はこの失踪に三人が関係してると思ってたけど、実際は違ったってこと?」
向日葵「多分・・・」
向日葵「私たちが通報したところで、何が起こってるのか分からないから意味がなかったのかも」
櫻子「それはある・・・の・・・かな?」
向日葵「言えることはただ一つ」
向日葵「会長は一連の出来事について何か知っている」
櫻子「・・・」
櫻子「うわぁーん!!」
向日葵「!?」
櫻子「難しすぎて分かんないよー!!」ジタバタ
向日葵「もう、急に大声出さないでよ!」
櫻子「向日葵のバカー!頭痛がするぅー!」
向日葵「これぐらいで何言ってるんだか・・・はい、お茶」トンッ
櫻子「そこは甘いものちょうだいよ!」
櫻子「もう治ったよっ!」
向日葵「めでたい頭と体ね」
櫻子「いや~」
向日葵「褒めてませんわ」
向日葵「とにかく、会長を捕まえて詳しく聞かないと」
櫻子「それもそうだね~」
向日葵「少し、調べてみたい気もするし」
櫻子「・・・! ピンときたぞ・・・!」
向日葵「何かしら?」
櫻子「これはきっと七森中七不思議の七番目の不思議、七森神隠しなんじゃ・・・!」
向日葵「何かと思ったら早口言葉・・・私はもう帰るわ」
櫻子「あ、こら!待ってよー!」
夜、結衣マンション
綾乃「・・・」
千歳「・・・」
りせ「・・・」
ギィ... バタン
綾乃「・・・!」
結衣「やぁ、元気?」
綾乃「船見結衣・・・!!」
結衣「そんな怖い顔で睨まないでくれよ」
綾乃「私たちをどうするつもりなのよ・・・!」
結衣「綾乃はパワフルだなー・・・指切られても元気じゃないか」
結衣「千歳はあんなにうなだれてるのに」
綾乃「・・・! アンタのせいでしょうが・・・!」
結衣「そういえばさ、今日から三人には黙ってもらうためにガムテープで口塞ぐからね」
結衣「家にいることが少ないみたいだけど、お隣さんがいるからね」
結衣「暴れたり、大声出されたら困るんだよ」
綾乃「・・・!」
結衣「まずは生徒会長・・・」ビビビビビ ビリッ
りせ「・・・」ブルブル
結衣「千歳にも・・・なんだ、また寝てるのか」ビビビビビ ビリッ
千歳「・・・」
結衣「はい、これでガムテープは終了」
綾乃「へ・・・?」
結衣「切れちゃったんだよ、だからね、綾乃はこれで口を塞ぐことにしたんだ」
綾乃「何それ・・・」
綾乃「針と・・・糸?」
結衣「うん、そうだよ」
結衣「衣装づくりで使ってるヤツさ」
結衣「一応針は一番するどいものを、糸はかなり丈夫なヤツだよ」
綾乃「へ・・・え・・・?ま、待って・・・それ、どうするの・・・」
結衣「決まってるだろ、これで上唇と下唇を縫い合わせるんだ」
綾乃「へ・・・!?」
結衣「綾乃は本当にうるさいからね、お隣さんにバレるんじゃないかとヒヤヒヤしたものさ」
綾乃「へ・・・や・・・ちょっと待って・・・」
結衣「だから、反省してもらうよ?」
結衣「指切ってもこんなに元気なんだ、まだまだいけるよね?」
綾乃「嘘・・・嘘ぉ・・・!!」
りせ「・・・!!!!!」
結衣「大丈夫、怖がらないで、綾乃」
結衣「街中で唇にピアスしている人をたまにみかけるだろう?だから死にはしないさ」
綾乃「え・・や・・・いやぁ・・・・」ブルブル
結衣「そのためにその拘束器具をつけたんだ、顔が動かせないだろう?」
綾乃「ま、待って!!分かった・・・!静かにするから・・・騒いだりしないからやめて・・・!」
結衣「今、その声が十分うるさいなぁ」
綾乃「ご、ごめん・・・静かにするから・・・痛いのだけは・・・もうやめて・・・」
結衣「うーん・・・そう言われても・・・」
結衣「生徒会の人間が口を塞がれているんだ、役員として、公平な立場でいたいと思わない?」
綾乃「そんなぁ・・・そんなぁ・・・」
結衣「それじゃ、始めるよ、綾乃」
綾乃「嫌ぁ!お願い!やめて!ごめんなさい!ごめんなさい!」
ブスッ
綾乃「嫌あああああ!!痛いいいい!!!」
結衣「こらこら、口を動かさない。まだ少し刺しただけだろ」
結衣「貫通させて、糸を通さないといけないんだから静かにしてよ」
綾乃「いやぁ!おねがい!!やめてえええ!!」
結衣「全く、本当に綾乃は元気だなぁ・・・今日はお隣さんがいなくてよかったよ」
結衣「よし、まずは貫通させないと」
ズブブブブ
綾乃「あああああぁぁああぁ!!!!」
結衣「そんでもって、糸を通すっと・・・」
シュルルルルルル...
綾乃「いやああああ!!痛い!!痛いよおおおおお!!」
結衣「うわぁ、すごいね綾乃、あんなに白い糸が貫通したら真っ赤になったよ」
綾乃「お願い・・・もう本当にお願いだから・・・やめてぇ・・・」
結衣「ほらほら口を閉じて!」
綾乃「んーんー!!」
結衣「よし、そのまま上唇に・・・」
ブスッ ズブブブブブブ
綾乃「んんんんんんっっっっっっっ!!」ブルブル
シュルルルルルルル...
綾乃「あああぁぁぁあああぁぁああぁああぁあ!!!!」
結衣「ふぅ・・・これで一回か・・・何回やらないといけないんだろ」
綾乃「ああ・・・・・あぁ・・・」
結衣「ふふ、綾乃、唇がぶるぶる震えているよ」
結衣「ちょっと可愛いかも」
綾乃「死んじゃう・・・死んじゃうよぉ・・・・!!!」
結衣「回数は少なめにするからね、安心して」
結衣「それじゃ、次は上唇から下唇にいくよ」
ブスッ ズブブブブブ
シュルルルルルル...
綾乃「いやあああぁぁああぁあ!!!」
結衣「上と下一回ずつやるより、まとめてやっちゃった方が楽でしょ?」
結衣「その方が私としても、一気に縫えるし時間もかからないからベストなんだ」
綾乃「助けて・・・」
千歳「・・・」
綾乃「助けてよ千歳えええええええええええええ!!」
結衣「はは、無駄だよ、眠ってるんだから・・・死んではないな、うん」
りせ「・・・」ブルブルブルブル
結衣「よし、中間地点だ・・・唇の真ん中を縫うよ」
結衣「あ、そのまえに糸をきつくしめないと・・・」キュッ
綾乃「っ~~~~~~!!!!!」
結衣「ああ、ごめんごめん、緩く縫っちゃって喋れたら意味ないからさ」
結衣「もう真ん中塗ったらほとんど話せなくなるね」
結衣「それじゃ、これも一気に唇を貫通させるよ・・・えいっ」
ズブブブブブ
綾乃「あ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
結衣「ん?そんなに痛かった?声がこもったのかな?」
綾乃「ぁぁあ・・・・・あ・・・・」
結衣「意外に血が出るね・・・口に入った分は水分補給だと思って飲んでくれよ」
綾乃「ぁ・・・・ぁ・・・・」
結衣「よし、サービスだ!この一回をラストにしてあげる!」
結衣「糸が緩まなければ、問題なさそうだしね」
綾乃「・・・ゃめ・・・やめて・・・」ポロポロ
結衣「あはは、綾乃の涙が見れるなんて貴重だな」
綾乃「うぅ・・・うぅぅぅ・・・」
結衣「ちょっと可愛いかも・・・綾乃の唇、触ってみると柔らかくて気持ちいいよ?」
結衣「すごく針が刺しやすくて・・・素敵・・・」
綾乃「ぅああ・・・あ・・・」
結衣「それじゃ、これでおしまいっ」
ブスッ
綾乃「あああああぁぁあああぁぁぁああぁああぁぁああ!!!!」
結衣「ふぅ・・・糸もきつめにしたし、簡単にはとれないでしょ」
綾乃「・・・」ブルブル
結衣「しかし、よく見るとなかなかグロテスクだな・・・こんな口の人形ありそうだ・・・」
綾乃「・・・」ブルブル
結衣「もう話せないみたいだね・・・よかった・・・」
りせ「・・・」ブルブルブルブル
結衣「千歳が起きてる状態でやったら面白かったかもなー・・・」
結衣「意外と手が汚れちゃった・・・洗わないと・・・」
結衣「じゃあね、みんな、お休み」
ギィ バタンッ
綾乃「・・・」
綾乃「・・・」グスッ
綾乃「・・・・・・・・・・・・・・・・・」ブルブル
バタンッ
結衣「ふぅ・・・」
京子「」ビクッ
結衣「手、洗わないと・・・」キュッ ジャー
京子「・・・!?」
京子「・・・血・・・?」
結衣「・・・」ジャアアアー
京子「結衣・・・その血・・・」
結衣「・・・」
京子「まさか・・・誰かを・・・!」
京子「や、やめてよぉ!綾乃たちは関係ないでしょおお!!」
京子「二人にまで手を出さないで!お願いだから!全部私が悪いから!!」
結衣「・・・」
京子「そんなに誰かを傷つけたいなら私にすればいいじゃない!!!!」
京子「腕だって足だって切ればいいじゃない!!お願いだから二人には手を出さないでよぉ!!!」
京子「二人とも・・・私の大切な友達なの・・・」
京子「お願い・・・こんなこと・・・やめてぇ・・・」
京子「やめてよおおおおおおおおおおお!!!」
結衣「・・・」ゾクゾク
結衣(何だろう・・・とても気持ちいい・・・)
結衣(大好きな京子の叫び声・・・)
結衣(京子の前でさっきみたいなことやったらどうなるのかな・・・)
結衣「・・・」
京子「結衣ぃ・・・どうしちゃったのぉ・・・!」ポロポロ グスッ
結衣「・・・ふふ」
翌日
向日葵「・・・失踪事件、かなり有名になってきましたわね」
櫻子「警察も動いてるらしいよ」
向日葵「まさか生徒会のメンバーだけじゃないなんて・・・」
櫻子「歳納センパイも・・・だよね?」
向日葵「ええ、そうよ」
櫻子「これは大事になってきた・・・」
向日葵「その影響で、千歳先輩の妹さんが・・・」
櫻子「・・・へ?い、妹ぉ!?」
向日葵「知らないの?千歳先輩には双子の妹がいるわ」
櫻子「ええええええ!?!?!?」
櫻子「そ、その人がどうかしたの!?!?」
向日葵「精神病院に入院・・・だったかしら?」
櫻子「ええ!?またなんで・・・?」
向日葵「分からないわ・・・あくまで噂よ」
向日葵「名前は確か・・・千鶴さん、だったかしら・・・?」
向日葵「その妹さん、かなり甘えん坊だったらしくて・・・」
向日葵「失踪のショックが原因、じゃないかしら・・・」
櫻子「うう・・・酷い話だよ・・・」
向日葵「放課後、お見舞いに行こうと思うんだけど、どうかしら?」
櫻子「そうだね・・・行ってみよう・・・」
放課後、病院
櫻子「・・・」
向日葵「・・・」
櫻子「うぅ・・・」
向日葵「そんな悪いものを見たような目しないでよ・・・」
櫻子「だって・・・目が、開いてる状態だったから・・・」
向日葵「・・・確かに、ちょっと怖かったわね・・・」
櫻子「結局起きなかったし・・・助からないのかな・・・」
向日葵「この失踪事件を解決すれば、・・・」
櫻子「・・・向日葵」
向日葵「え?」
櫻子「この失踪事件・・・解決しようよ・・・!!!!!」
櫻子「こんな無関係な人たちまで巻き込んで、ひどいよ・・・!」
櫻子「犯人は誰なのか、何を考えてこんなことしてるか分からないけどさ!」
櫻子「こんなの許しちゃいけないと思う・・・!」
向日葵「櫻子・・・」
櫻子「前のような明るい生徒会室に戻したいよ・・・!」
向日葵「・・・ええ、そうですわね・・・!」
向日葵「私たちのできる範囲で、頑張ってみましょう・・・!」
櫻子「て、手伝ってくれるの・・・?」
向日葵「もちろんよ、第一、櫻子一人でなんて無理に決まってるわ」
櫻子「ううう・・・!ありがとう、向日葵~!」ギュウウウ
向日葵「キャッ! も、もう急に抱きつかないで!!」
櫻子「だ、だってぇ~~~!!」グスッ
向日葵「全くもう・・・」
向日葵「とにかく、今日はもう夕方ですし、帰りますわよ」
向日葵「私は楓を迎えに行かないといけないし」
櫻子「うん・・・そうだね・・・」
向日葵「ほら、みっともないから泣かないで」
櫻子「ご、ごめん・・・」
櫻子「・・・ねえ、向日葵」
向日葵「なに?」
櫻子「私・・・先輩のことが心配だから・・・毎日お見舞い行くね・・・」
向日葵「そうね・・・それがいいと思うわ。私もできるだけ行くようにするわね」
向日葵「それじゃ、楓が待ってると悪いから、先に帰るわね」
櫻子「う、うん!またね!向日葵ー!」
その頃、結衣マンション
結衣(警察が本格的に動き出したか・・・)
結衣(親友である私に話を聞きに来るのも時間の問題かもしれない)
結衣(それにあかりやちなつもいる・・・)
結衣(二人の元にも警察が行ったら・・・)
結衣(いや、あかりやちなつは私が誘拐したって知らないから大丈夫か?)
結衣(一応、そんなそぶりは見せてないはず・・・)
結衣(とにかく・・・ここが正念場だ・・・!)
結衣(大丈夫、冷静になって行動すればきっと・・・!)
翌日
向日葵「いいわね、櫻子。赤座さんや吉川さんから何か知らないか聞きだすのよ」
櫻子「分かってるって!」
向日葵「とは言っても、110の件が分かってない時点で本当に何も知らないんだろうけど・・・」
櫻子「諦めるのは早いっ!何か少しでも分かればいいのさ!」
向日葵「そうね・・・」
櫻子「あ!ちなつちゃんだ!」
向日葵「話を聞いてみましょう」
櫻子「おーい!ちなつちゃーん!!」
ちなつ「うーん・・・失踪事件についてか・・・」
ちなつ「生徒会の人も消えちゃったんだね・・・」
櫻子「他にいなくなった人たちっているの?」
ちなつ「私には分からない・・・」
ちなつ「私も京子センパイと何度も連絡を取ったり、探したりしたんだけど駄目で・・・」
櫻子「そうなんだ・・・」
ちなつ「京子センパイはひどいことをしたけど・・・いなくなるのはやっぱり寂しい・・・」
向日葵「ひどいことって?」
ちなつ「京子センパイが、結衣センパイを無視する遊びをしてた時期があったの」
櫻子「うわぁ、それはひどいなぁ・・・」
向日葵「私が何度も櫻子にしようとした遊びですわね」
櫻子「いやぁーん!」
向日葵「それで、どんな感じだったとか、もっと何か知らないかしら?」
ちなつ「それ以上は何も知らないかな・・・」
向日葵「そうなの・・・無視・・・か・・・」
櫻子「うーん・・・失踪と関係ある?」
向日葵「あまり無いような気もするけど・・・一応覚えておいた方がいいんじゃないかしら」
ちなつ「もしかして、この事件について調べてるの?」
向日葵「一応調べているわ」
ちなつ「だ・・だったら私も協力させてほしい!」
ちなつ「私も色々調べてみるから・・・!」
櫻子「本当!?ありがとう、ちなつちゃーん!」
向日葵「ええ、本当に心強いわ!」
ちなつ「えへへ・・・そうかな・・・」
向日葵「とりあえず、次は赤座さんに話を聞きに行きましょう」
ちなつ「私は色々調べてみる!また後でね!」
櫻子「あかりちゃぁーん!」
あかり「わわわ、櫻子ちゃん!!それに向日葵ちゃんも!」
向日葵「急にごめんなさい」
櫻子「今、失踪事件について調べてるんだけど、何か知らない?」
あかり「え、ええ!?急にそんなこと言われても・・・」
向日葵「そうよね・・・でも、私たちできるだけ情報が欲しいの」
向日葵「何でもいいから、知らない?」
あかり「うーん・・・京子ちゃんが失踪しちゃったぐらいしか・・・」
櫻子「やっぱりそんなもんだよね・・・」
あかり「どうして京子ちゃんが・・・」
向日葵「元気出して、きっと大丈夫だから」
櫻子「助けるために、今こうやって頑張ってるんだよ!」
あかり「う、うん!そうだね!あかりもずっと落ち込んでちゃいけないよね!!」
櫻子「そうそう!あかりちゃんは元気じゃないと、くらいちゃんになっちゃうよ!」
あかり「な、何それ!私そんな名前じゃないよ!」
向日葵「・・・? あ、これは確か・・・」
あかり「あ、これ? そうだよ!この前、ごらく部と生徒会でスポーツ大会したときの景品!」
櫻子「あのときのかー!楽しかったなー!」
向日葵「ええ、可愛いキーホルダーね」
あかり「ごらく部みんなとお揃いなんだよ!」
櫻子「勝っても負けても景品がもらえたのはよかったねー」
向日葵「でも、私は子供用防犯ブザーでしたわ・・・」
櫻子「私なんてチキンラーメン四日分だよー!」
あかり「あはは・・・家にあったものを景品にした、って感じだったもんね」
向日葵「でも、とても楽しめましたわ」
櫻子「また、あんな風にみんなと遊びたいね・・・」
あかり「そうだね・・・」
櫻子「・・・」
あかり「暗くなっちゃダメだよ!みんなで頑張って犯人を捕まえようよ!」
向日葵「そうですわ!ほら、櫻子!しっかりしなさい!」
櫻子「お、おうよ!」
向日葵「さて、もっと調査しないと」
あかり「あかりにも手伝えることがあったら教えてね!」
櫻子「OK!」
向日葵「櫻子、私はこの辺りで情報を集めるから、別の場所でお願いしていいかしら?」
櫻子「分かった、分担だね!だったら私はあっちに行ってくる!」
少し経って
櫻子「ぐはぁ!ダメだぁー!」
櫻子「ちっとも情報あつまんないよー!」
向日葵「・・・」
櫻子「あ、向日葵ーなんか分かったー?」
向日葵「事件と直接関係あるか分からないけど・・・一つだけ・・・」
櫻子「ん?何々?」
向日葵「あくまで噂なのだけど」
向日葵「少し前に、生徒会役員が誰かに首を絞められているところを見た人がいるらしいの」
櫻子「へ・・・!?」
向日葵「その首を絞めて、生徒会役員を殺そうとしてた人が、特徴とかによると・・・」
向日葵「船見先輩・・・じゃないかって・・・」
櫻子「・・・・!!!」
櫻子「そ、そんな・・・!何でよりによってあの人が!?」
向日葵「分からないわ・・・ごめんなさい、私もちょっと混乱してますの・・・」
櫻子「嘘・・・それ、本当なの?」
向日葵「あくまでも噂よ・・・そうですわ、噂・・・」
櫻子「・・・でも、考えてみれば、いなくなった人たちと関わりあるのって」
櫻子「船見先輩ぐらいなんじゃ・・・」
向日葵「ええ、そうよね・・・無視の件にしろ、噂にしろ・・・」
櫻子「・・・調べてみようよ!」
櫻子「なんなら、今すぐ船見先輩の家に行って」
向日葵「それは少し待ってほしいわ」
向日葵「携帯の番号も知らなければ、住所も知らないですし・・・何より、もっと信憑性を高めないと・・・」
櫻子「それはそうだけど・・・」
櫻子「場所を知らないんじゃ、そのあたりも調べないとダメ?」
向日葵「ええ、おそらく」
櫻子「うーんだったら今日は無理だなぁ」
櫻子「お見舞いにも行きたいし・・・」
向日葵「明日は休みだから、明日行ってもいいと思うわ」
櫻子「おう!そうだねー!」
向日葵「なら、私は学校でもう少し調べてみますわ」
櫻子「分かったー!私も街中で調べてみるよー!」
向日葵「ええ、気をつけて」
夜、結衣マンション
結衣「ふぅ・・・ごちそうさま」
京子「・・・」
結衣(京子、いい具合に弱ってきてる・・・)
結衣(か弱い京子も可愛い・・・)
結衣(食事は適度に与えてるから、死にはしないだろうけど)
結衣「・・・喉かわいたな」
京子「・・・ず・・・・」
京子「みず・・・ください・・・」
結衣「・・・ふぅ」
京子「ぁ・・・みず・・・みず・・・」
,. -‐‐-y'ニ二_
,ィ'ニ'.v ´: : : : : : : : : : : : `ヽ、
{イ: :/: : : :/: : ; : : : : : : : : : : : Yニiヽ
,ゞ/: : : ;イ: /|: : : : : :_:イ: : : : : V: :リ
彡: |: :|: / |/ V、: : :./`ト i: : : : :.iイ
\:!: : / u ヽ'´ Vヽ: : : :|:.ヽ,
,|ハ:i `ー ´ 、 j/: : :|: : r'' 妄想中
ノ|:.:゙| /// `ー‐ /: : :/_ル'
'ヘ|.: :! u /// ,': : :イ
j:ノ:ヽ、 r ァ u ,j/:/| _
ヽ: :ハ>、 トrj _. .ィ':,ィ:∧j ( _)
| ゙ミ三ニ}〈 }ニニ7' `i ( _)
| ゙ミ三!'ヽ_ノ}ニヲ' | `ー´
{,r‐=t ∨: : : :/‐" l |
{三ニニ}/: : : :/ {三三}
゙ミニヲ':´: : : :/:| {三三}
/ヽ、:_;/: :| /: : : :/ //
結衣「」ゴクゴク
京子「ぁ・・・・ぁ・・・」
結衣「・・・ぷはぁ」
京子「ゆぃ・・・」
結衣「・・・もう一杯飲もうかな」
京子「・・・」
結衣「・・・」ツルッ
結衣「あ」ガッシャァーン
結衣「いけない、手が滑ってコップ落としちゃった」
結衣「床が水浸しだ・・・」
京子「・・・!!!!」ガバッ
京子「・・・!!」ズズズズズズ
結衣(床に落ちた水を啜り飲んでる・・・)
京子「・・っ!けほっ!!」
結衣(ガラスのコップだから危ないのに・・・)
京子「・・・!」ゴクゴク
京子「はぁ・・・はぁ・・・」ペロペロ
結衣「あーしまった・・・そこそこお気に入りのコップだったのに」
京子「みずだーみずだぁー・・・」
結衣「仕方ない・・・あとで掃除するか」
プルルルルルル...
結衣「ん?電話?」
ガチャッ
結衣「あ、はい・・・あ、お母さん?」
結衣「うん、元気だよ・・・うん・・・うん・・・」
結衣「え?ああ・・・京子か・・・そうだね、すごく心配」
結衣「うん・・・うん・・・」
結衣「うん、明日は休みだね」
結衣「へ?」
結衣「あ、うん・・・でも・・・」
結衣「え、そうなんだ・・・・」
結衣「私の家に来るんだ・・・」
お母様来ちゃうのか
復活した
ガチャン
結衣「・・・」
結衣「まずい・・・急にそんな・・・」
結衣「・・・」
結衣(深夜になったら京子を別室に移そう)
結衣(こればかりは誰にも合わないようしないと・・・)
結衣(大丈夫・・・深夜ならこのマンションはとても静かだし、行き来なんてほとんどない)
結衣「・・・」
結衣(そんなに慌てなくもいいはず、ただ京子を別室に運ぶだけだ)
結衣(大丈夫・・・大丈夫・・・)
京子「・・・」
④
深夜
結衣(よし、今から別室に行こう・・・)
京子「・・・」
結衣(ああ・・・懐かしい・・・)
結衣(小さいころ、京子が転んで怪我したときこうやっておぶったっけ・・・)
結衣(ずっとわんわん泣いてて・・・本当に困ったよ)
結衣(でも今となっては、二人だけの、思い出・・・)
結衣(京子・・・ここに運んできたときと比べたら、少し軽くなったね・・・)
結衣(優しい京子の温もり・・・)
結衣(ずっと、離したくない・・・)
ほ
別室
結衣「・・・」ドサッ
京子「・・・」
結衣(電気点けるか・・・)パチッ
京子「・・・!」
京子「・・・!?!?!?」
綾乃「・・・」
千歳「・・・」
りせ「・・・」
京子「ひっ・・・・」
京子「嫌あああぁぁぁぁああああぁぁぁあぁぁ!!!」
京子「綾乃ぉ!!綾乃ぉ・・・!」
綾乃「・・・」グスッ
京子「ひどい・・・そんな・・・こんなことってぇ・・・!」ポロポロ
京子「綾乃・・・ごめんね・・・ごめんねぇ・・・!!」
綾乃「・・・」ポロポロ
結衣(口を縫ったのはいいものの・・・食事の与え方には困ったよ)
結衣(ま、鼻から水しか流してないんだけど)
京子「千歳まで・・・!千歳ぇ!!!」
千歳「・・・ぁ・・・・・・あ・・・・」
京子「指、痛かったよねぇ・・・ごめんねぇ・・・!!」
結衣(・・・)ゾクッ
結衣(あまり騒がれると困るんだけど・・・でも・・・)ゾクゾク
これ読んでたら綾乃のことが凄く好きになってきた
京子「・・・!そんな・・・!生徒会長まで・・・!」
りせ「・・・」ブンブン
京子「本当にごめんなさい・・・ごめんなさぁい・・・!」
京子「どうしてぇ!何で関係のない人を巻き込むのおおおおおぉ!!!!」
京子「もう嫌だぁ・・・!嫌ぁ、嫌ぁ・・・・!」
結衣(大好きな友達の悲鳴が・・・こんなにも気持ちいいなんて・・・)
結衣(京子をここに置いておくのもありだな・・・)
京子「みんなに手を出すぐらいなら私を殺してよぉ!!!」
京子「刺せばいいじゃない、切ればいいじゃない、バラバラにすればいいじゃないっっっっ!!!!!」
京子「みんなを苦しめないでえええええ!!!私が悪いんだよ!!全部!!!!!!」
京子「私を殺してよおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
結衣「・・・」ゾクゾクッ
京子「ああああもう嫌ぁ・・・嫌ぁ・・・」
京子「みんなごめんね・・・ごめんね・・・」
結衣(・・・今日もお隣さんはいないな)
結衣(多分、放っておいても大丈夫だろう)
結衣(電気を消して、出ていこう)
ギィ バタン
京子「ぁ・・・・ああ・・・」
綾乃「・・・」
千歳「・・・」
りせ「・・・」
京子「みんな・・・・・ごめんなさい・・・」
ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・
翌日、休日 朝
結衣(ふぅ・・・そろそろ来るころじゃないかな)
結衣(突然家に来るだなんてびっくりしたよ)
結衣(まぁでも、家も片付けたし、バレることはないと思う)
結衣(いつも通り、普通でいこう)
プルルルルルル... ガチャッ
結衣「はい、もしもし、あ、お母さん?」
結衣「え、あ、うん・・・え?そうなの?」
結衣「うん・・・うん・・・」
結衣「だったら仕方ないね・・・」
結衣「うん、分かった。またいつか」
ガチャンッ
結衣「急用で来れない・・・か」
結衣「全く、慌ててしまったじゃないか」
結衣「まぁいいか・・・もうここに京子を戻すつもりもないし」
結衣「うーん・・・今日はどうしようかな」
ピンポーン
結衣「? 誰だ?」
結衣「・・・」ピッ
結衣「あ・・・」
櫻子「船見センパーイ!こんにちはー!」
向日葵「突然すみません、近くを通ったものですから」
結衣「ああ、そうなんだ。いいよ、今開けるね」
櫻子「おおー!!いい部屋ー!」
向日葵「ええ、素敵ですわ」
結衣「そうかな・・・」
櫻子「すっごーい!私もこんな部屋に住みたーい!」
向日葵「一人暮らしされてると聞いたのですが、本当だったんですね」
結衣「ああ、まあな。それにしても、よくここが分かったね」
櫻子「あかりちゃんから聞きましたー!」
結衣「なるほどね」
結衣「何か飲むかい?お菓子もあるけど」
向日葵「おかまいな」
櫻子「ジュースならなんでもー!」
向日葵「こら!櫻子!」
結衣「はは、構わないよ。ちょっと待っててね、すぐに準備するから」
櫻子「・・・」
ピピピッ
櫻子(お、きたきた。向日葵からのメール)
向日葵『船見先輩、特に変わった様子はないわね、家も』
櫻子「・・・」カチャカチャ
向日葵「・・・」ピピピッ
櫻子『いきなり来てもいつも通りって感じ?』
向日葵『そうね・・・本人から話を聞かないと分からないと思うわ』
櫻子『なんか船見センパイじゃない気がするなー・・・』
向日葵『失踪事件の犯人?』
櫻子『うん』
向日葵『それはちょっと飛躍しすぎですわ、私もそこまでは・・・』
結衣「二人とも、おまたせ」
櫻子「クッキー美味しい!」
結衣「喜んでもらえて嬉しいよ」
結衣「ちょうど退屈してたところでね、どうしようかと思ってたんだ」
向日葵「そうですか・・・」
櫻子「このジュースも美味しいな~」
向日葵「・・・」
向日葵「・・・あの、船見先輩、実はお話があってここに来たのですが・・・」
結衣「話?なんだい?」
向日葵「その、あくまでも噂だと思うのですが・・・」
向日葵「船見先輩が、生徒会の誰かの首を絞めていた、という目撃情報があったんです」
結衣「」
向日葵「いつごろなのか、というのは分かりません」
向日葵「噂を調べて、容姿が近いのが船見先輩だと私は思いましたわ」
向日葵「生徒会役員として、この出来事は知っておくべきではないかと思いました」
結衣「・・・」
向日葵「もしかしたら生徒会に不祥事があり、それが原因でということもありえますし・・・」
向日葵「とにかく、生徒会役員として、見過ごせない出来事だと思いましたの」
結衣「・・・私は知らないな」
向日葵「え?」
結衣「第一、なんで私が生徒会の誰かにそんなことをするんだ?」
結衣「有り得ないよそんなこと・・・」
向日葵「そ、そうですよね・・・ごめんなさい・・・」
結衣「はは、いいんだよ別に。私みたいな髪型、いくらでもいるしね」
向日葵ちゃん、世の中には知らない方がいいことが沢山あってね
結衣「しかしびっくりだよ、そんなことが起きてたなんて」
向日葵「ええ・・・私も信じられませんわ・・・」
結衣「・・・最近は物騒な事件が多いね」
結衣「失踪とか」
向日葵「ええ、本当ですね」
結衣「私も京子のために少し調べたりした」
結衣「・・・でも、身の危険を感じてやめてしまったんだ」
向日葵「え?どういうことですか?」
結衣「誰かにつけられてるような気がしてね」
結衣「外からドアノブをガチャガチャされたり」
向日葵「・・・!? だ、誰かが入ってこようと・・・?」
結衣「多分そうだと思う・・・とても怖かったよ」
向日葵「・・・」
結衣「・・・まぁ、今は警察が動いてるし、私は大人しくするしかないかな、って」
向日葵「・・・」
櫻子「・・・」
結衣「・・・解決することを、祈るしかないよ・・・」
結衣「・・・ごめんごめん、暗くなっちゃったね」
結衣「テレビゲームもあるんだ、一緒にやらない?」
櫻子「・・・そうですね、やります!」
向日葵「・・・私も」
結衣「ふふ、そうか。じゃあ準備するね」
結衣「・・・」
向日葵「今日は本当にありがとうございました」
櫻子「楽しかったですー!」
結衣「私も楽しかったよ。またいつでも来てくれ」
結衣「待ってる」ニコッ
向日葵「それでは、お邪魔しました」
ギィ ガチャン
結衣「・・・」
結衣(まずいことになった・・・)
結衣(あの二人、おそらく私を疑ってる・・・)
結衣(ここに連れてきても、もう拘束できるような道具がない・・・)
結衣(簡易的なものはどうも危ない・・・どうする・・・)
結衣(動かれる前に何とか取り押さえたい)
結衣(鎖やらをそろえる時間が欲しい)
結衣(今日はいつも通り振る舞ったんだ・・・疑いが少しでも晴れてくれれば)
結衣(少なくとも、警告はしたつもり)
結衣(一番楽なのはあれで捜査をやめてくれること)
結衣(でも一応様子はみないといけない)
結衣(・・・そうだ、鎖を揃えるよりも楽な方法がある)
結衣(要は部屋に閉じ込められたらいい)
結衣(自分でできるか?多分、大丈夫だろう)
結衣(別室のドアノブを、内鍵がないものに変えてしまえば・・・)
結衣(それ専用の鍵も作って・・・)
結衣(それまでは、監視役が必要だ・・・)
結衣(どうする・・・どうする・・・)
帰り道
向日葵「・・・」
櫻子「うーんどうも船見センパイじゃない気がするなぁ」
向日葵「・・・そうとも言い切れないわ」
櫻子「へ?どして?」
向日葵「赤座さんや吉川さんに、失踪事件について聞いたでしょう?」
櫻子「うん、聞いた聞いたー」
向日葵「そのとき、二人とも事件について調べてる、って言ってなかったかしら?」
櫻子「ああ、そういえば言ってたような」
向日葵「二人とも、誰かにつけられているという話は?」
櫻子「してなかったけど・・・ん?どういうこと?」
向日葵「事件について調べているのに、船見先輩だけ誰かにつけられてるの、これっておかしいと思わない?」
櫻子「んー・・・・ん?」
向日葵「誰かにつけられてるってのが嘘じゃないかって話よ」
お前は知りすぎた
櫻子「ああ、なるほど!」
櫻子「確かに、それだったら私たちやあかりちゃん達も同じような目に遭ってるはず!」
向日葵「そういうことだと思うわ」
櫻子「でもでもー・・・次は私たち、ってことじゃ・・・」
向日葵「うっ・・・それは言えてますわ・・・」
櫻子「う、うわぁー・・・怖いなぁ・・・」
向日葵「・・・でも、その可能性の方が高い」
向日葵「今後、更に船見先輩について調べた方がいいと思うわ」
櫻子「そうだね!こそこそっと調べるよ!」
向日葵(ただ・・・そろそろ本当に危ない領域に入ってきましたわ・・・)
向日葵(櫻子を逃がすなら・・・いえ、それこそ櫻子が許しませんわ)
向日葵(何とかして、犯人を捕まえてみせる・・・!)
翌日、昼休み 部室
結衣「・・・やぁ、ちなつちゃん。急に呼び出して悪いね」
ちなつ「いえいえ、そんな・・・結衣センパイ?顔色悪いですよ・・・?」
結衣「あ、いやぁ・・・そんなことないよ・・・大丈夫・・・」
結衣(昨日は結局ずっと考えてて京子の顔、見れなかったし・・・)
ちなつ「そうですか・・・それで、話って?」
結衣「・・・生徒会一年生組がいるだろ?」
ちなつ「ええ、いますけど・・・」
結衣「その二人が、今回の失踪事件の犯人を私だと疑ってるんだ・・・」
ちなつ「へ!?」
結衣「それで、その二人から若干ストーカーされているような・・・」
ちなつ「そ、そんな・・・それはひどいですね・・・」
結衣「だから、ちなつちゃんには二人の様子を見ててほしいんだ」
ちなつ「へ?どういうことですか?」
結衣「二人が私にちょっかいを出さないように、見ててほしいんだ」
結衣「二人が私の知らないところで、全く関係ない私の個人情報を探していると思うと・・・」
ちなつ「確かに・・・それはあまりいいことではないですね」
ちなつ「でも、それって直接やめろ、って言えばいいだけなのでは?」
結衣「言っても駄目だったんだ・・・昨日なんて、いきなり私の家に来たんだ」
ちなつ「そうなんですかー・・・だから監視、ってことですか・・・」
結衣「お願いできないかな・・・?」
ちなつ「でも、それ自体あまりいいことじゃないんじゃ・・・っ!!!?」
結衣「」チュッ
ちなつ(お、おでこにチューされたあああああああああ!)
結衣「お願いできないかな・・・」
結衣「ほんの少しの間だけでいいんだ・・・」
ちなつ「は、はいぃ~・・・」
結衣「・・・」
結衣(これで二人の動きは見れそうだ・・・)
結衣(それまでに必要なことしておいて)
結衣(二人をそのままあの部屋に閉じ込める)
放課後
向日葵「駄目ですわー・・・」
櫻子「何にもわかんないねー・・・」
向日葵「はぁ・・・完全に息づまりましたわ・・・」
櫻子「船見センパイにしても、調べても何も分かんないよ~・・・」
向日葵「うーん・・・」
櫻子「はぁ・・・実はこれ、本当に神隠しなんじゃない?」
向日葵「またその話?もう聞き飽きましたわ」
櫻子「あれ?私そんなに話したっけ?」
向日葵「耳にタコが住みましたわ」
櫻子「それではお聞かせしよう・・・七森中七不思議の七番目の不」
向日葵「七人の生徒が神隠しにあって二度と帰ってこなくなる、でしたわね?」
櫻子「にょあっ!言っちゃだめだよ!」
向日葵「そんなのあるはずないじゃない・・・全く・・・」
櫻子「チェー」
向日葵「櫻子は能天気で羨ましいですわ・・・」
櫻子「そう?」
向日葵「あまりにも能天気だからその脳みそと私の脳みそを交換したいわ」
櫻子「やややっ!なんて怖い発言!もしやお前、犯人かっ!!」ビシッ
向日葵「そんなことはないですわ!」
櫻子「むむむ・・・」
向日葵「はぁ、今日はもう帰りましょう」
櫻子「そうだねー私もお見舞いに行かないと」
ちなつ「」
夜、古谷宅
向日葵(はぁ・・・今日も疲れましたわ)
向日葵(宿題しないと・・・・ん?何この紙切れ・・・)
【コレ以上調べたラ 大切ナも】
向日葵「・・・!!!」
向日葵「な、なにこれ・・・!?」
向日葵「へ・・・まさか、犯人から・・・?」
向日葵「う、うそ・・・そんな・・・」
向日葵(船見先輩の言う通りだ・・・
向日葵(私・・・見られてる・・・!?)
怖えええ
向日葵「・・・」
ギシッ... ギシッ...
向日葵「ひっ」
向日葵(誰かが・・・この部屋に近づいてる・・・!!!)
ギシッ... ギシッ...
向日葵「そ、そんな・・・!!」
ギシッ... ギシッ...
向日葵「嫌・・・」
ギシッ... ギシッ...
向日葵(声が・・・出ない・・・・!)
ギシッ... ギッ...
向日葵(へ、部屋の前で止まった・・・!!!!!)
ガラガラッ
楓「お姉ちゃん、パンツ乾いたよ」
向日葵「か、楓・・・!!!もう、びっくりさせないで・・・!」
楓「どうしたのお姉ちゃん、泣きそうな顔して」
楓「社会の風潮がそうさせたの?まさか、学校の教育改革の波にのまれ、ついていけなくなって」
向日葵「もう・・・バカ、そうじゃありませんわ!」
楓「なら、日本の政治が悪いの?それとも経済?」
向日葵「もう・・・楓のせいよ」
楓「わぁ、なんてことだ。私が世の中の不条理より勝るなんて」
向日葵「ふふ・・・もう、訳わかんないんだから・・・」クスッ
結衣マンション 別室
結衣(ちなつちゃんからの報告・・・特に今日は動きがなかったか)
結衣(よかった・・・何とか間に合いそうだ)
結衣(更に警告したつもりなんだけど・・・どうかな)
京子「・・・」
綾乃「・・・」
結衣(それにしても、全員衰弱しきってるな)
千歳「・・・」
りせ「・・・」
京子「ゅぃ・・・・」
京子「お腹・・・すい・・・」
結衣「・・・」
結衣「なんか甘いもの食べたくなってきちゃった」
結衣「家に何かあったかなー・・・取りに行こう」バタンッ
京子「・・・」
結衣「ああ・・・ラムレーズンうめぇ」
京子「・・・」
結衣(やっぱり・・・京子、無視してもあまり意味がなくなってきてるな)
結衣(というより、あまり話しかけてこないしな)
結衣(まるでこっちが無視されているかのようだ)
結衣「・・・」
結衣(あの時のように・・・)
ラムレーズンうめぇって京子の口調真似してわざと言ってんのか
結衣「・・・」
結衣「・・・生徒会長」
りせ「・・・!」ビクッ ブルブル
結衣「役員二人が指を切りました、そのうちの一人は更に口を塞ぎました」
りせ「・・・」
結衣「生徒会長は・・・どうしてほしいですか?」
りせ「・・・!!!!」ブルブルブルブルブルブルブル
京子「・・・!」
京子「ゆい・・・やめて・・・」
結衣「・・・」
もう許してやれよ
結衣「残念ながらこれと言って道具がなくて・・・丸鋸や針ぐらいなんですよね・・・」
結衣「あとは・・・調理用具とか?」
京子「・・・それ・・・ぁ・・・」
結衣「・・・」
結衣「これ、ピーラーです。野菜の皮を剥くやつですね」
りせ「・・・」
結衣「生徒会長の爪を剥ごうにも、道具がないので」
結衣「これで少しずつ肉を剥いて爪を剥がそうと思います」
りせ「・・・!?!?!?!?!?」
京子「ぅそ・・・嫌ぁ・・・いやぁ・・・やめてあげて・・・」
俺「あっ...やめて...皮は剥かないで...////あっ、ああぁぁぁそこはらめぇ~ん///」
結衣「どうしたの?もっとやって欲しいんじゃないの?」
俺「はぁぁぁい///もっと皮剥いて俺の爪(亀頭)をいじめてぇぇぇ...///」
結衣「一応、研いで切れやすくはしたのですが・・・」
りせ「・・・!!」ポロポロ
結衣「あはは、泣いたって無駄ですよ・・・こうでもしないと・・・」
結衣(京子が反応してくれない)
結衣「大丈夫です、指先を潰すわけじゃありません。ただ単に爪を剥ぐだけです」
結衣「まず、ピーラーの刃を爪に当てます」
結衣「それをそのまま指の関節の方に引っ張るんです」
結衣「そしたら、多分爪下の肉が剥けるんじゃないかなーって」
結衣「それを何回かして、指の甲の肉を剥けば爪が取れると思いません?」
りせ「・・・!」
京子「結衣・・・やめて・・・いたいよ・・・そんなの・・・」
結衣「さて、生徒会長、いきましょうか」
りせ「・・・!!!!」
スパッ
りせ「・・・~~~~!!!!!!!!!」ジタバタ
結衣「暴れないでください」
京子「いやああ!!ゆい!!やめてぇええええええ!!」
結衣「少し肉が減りました。爪の付け根が少し見えましたよ」
結衣「案外、すぐに終わるかもしれませんね」
スパッ ブジュウ
りせ「ーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
京子「嫌ああああああああ!!結衣ぃぃぃ!!そんなことしないでえええええ!!」
結衣「・・・」
京子「生徒会長は関係ないじゃない!!!やめてよおおおお!!!!」
結衣「うーん・・・意外に肉が剥けましたね・・・力技で爪剥せるかな?」
結衣「ちょっと無理矢理だけど・・・えいっ」ブチッ
りせ「!!!!!!!!!」
_| ̄|_ //ヽ\
| '|/ / ノ "´ ̄ ̄''''‐-...ノヽ
|__|'' ̄! ! / 丶 |
,‐´ .ノ'' / ,ィ \
ヽ-''" 7_// _/^ 、 `、
┌───┐ / / 、_(o)_,;j ヽ|
|┌─, .| /. - =-{_(o)
└┘ ノ ノ |/ ,r' / ̄''''‐-..,>
// { i' i _ `ヽ
 ̄フ i' l r' ,..二''ァ ,ノ
n / 彡 l /''"´ 〈/ /
ll _ > . 彡 ;: | ! i {
l| \ l 彡l ;. l | | !
|l トー-. !. ; |. | ,. -、,...、| :l
ll |彡 l ; l i i | l
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|l { 彡|. ゝ ;:i' `''''ー‐-' }
. n. n. n l 彡 ::. \ ヽ、__ ノ
|! |! |! l彡| ::. `ー-`ニ''ブ
o o o l :. |
結衣「うん、やっぱり剥しやすかった」
結衣「ふぅ・・・血の量がすごいな」
京子「結衣いいいいい何でこんなことするのおおおお!!!」
京子「そんなことしたって意味ないじゃない!!!」
京子「もうやめて!!何でもする!!何でもするからああああああ!!」
京子「私はここから出れなくたっていい!!でもここにいるみんなだけは!!!」
結衣「・・・」
京子「死んじゃ駄目なの!!!私は・・・私は・・・」
京子「結衣を傷つけたから、仕方ないの!!!!」
結衣「・・・」
京子「お願いだから私の言葉を聞いてよ結衣いいいいいいいいい!!!!」
結衣「・・・掃除が大変になるので、今日はあと一回のみのしましょう」
りせ「・・・!!」ブルブルブルブルブルブル
結衣「痙攣してますか?すごく震えてますね」
りせ「・・・」
結衣「そんなお願いされるような目でみたら・・・もっとしてほしい、ってことですか?」
りせ「・・・!!!!」ブンブン
結衣「はは、流石に違いますよね」
結衣「はい次いきますよー」
スパン
スパン ブジュウウウ
りせ「!!!!!!!」
ブチッ
りせ「~~~~~~!!!!!!!!!!!」
京子「やめてえ・・・・やめて・・・!!!」
りせ「・・・!!!」ブルブル
結衣「・・・はい、止血はしておきました」
結衣「他の三人と比べたら、全然楽ですよね?」
りせ「・・・」ブルブル
結衣「今日はとりあえずここまでです」
京子「結衣っ・・・・」
結衣「・・・」
京子「絶対に・・・許さない・・・」
結衣「・・・」
結衣「・・・掃除は明日でいいや、今日はもう寝よう」
翌日、生徒会室
櫻子「二人だけだと・・・やっぱり寂しいね」
向日葵「・・・」
櫻子「・・・変な手紙・・・届いたんだよね」
向日葵「はぁ・・・まさか、船見先輩の言ってることが事実だったなんて・・・」
櫻子「私にはそんなことなかったけど・・・」
向日葵「・・・」
櫻子「・・・いいんだよ、無理しなくても」
向日葵「へ?」
櫻子「ほら、私、バカだから!怖いけど、調べないと気が済まないし!」
櫻子「向日葵はもう頑張らなくてもいいと思う、だってここまでこれたのは向日葵のおかげだし!」
向日葵「櫻子・・・」
櫻子「後は私に任せてよ!大船に乗ったつもりで!」フンスフンス
向日葵「・・・ふふ、馬鹿ね。こんなのに挫ける訳ありませんわ」
櫻子「え?」
向日葵「それに、櫻子だと出港する前にメンテナンス不備で動けもしないわ」
櫻子「なななななな、何を~~!!」
向日葵「ふふ、冗談よ、冗談」
櫻子「チェー」
向日葵「でも・・・本当に頼りにしてるのよ、櫻子」
向日葵「貴方といたら・・・何でもできる気がするの」
櫻子「向日葵・・・」
向日葵「最後まで一緒に頑張りましょう・・・!みんなを助けるために!!」
櫻子「・・・うん!!!」
生徒会室前
結衣「・・・」
結衣(駄目か・・・むしろヤル気になっているな)
結衣(ちょっと時間が足りない・・・)
結衣(準備が終わるかどうか・・・)
結衣(早めにこの二人を抑えないと・・・)
結衣(もう警告しても無駄か・・・)
結衣(どうする・・・どうする・・・)
どう転んでもbadエンドか...
生徒会室
向日葵「とにかく・・・情報収集を徹底的にするのよ」
櫻子「船見センパイはどうするのー?」
向日葵「先輩についても調査を、できればあの首絞めの件とか」
櫻子「そうだねー・・・正直、それっぽい人はもう船見先輩しか・・・」
向日葵「それに、冷静に考えたら、あの手紙も本人じゃないと言い切れませんわ」
櫻子「あ、それは言えてるかも」
向日葵「さぁ、行きますわよ!」
櫻子「おう!」
翌日、二年教室
結衣「・・・」
結衣(ふぅ・・・何とか準備はできた)
結衣(でも流石に資金不足・・・思ったような準備ができなかった)
結衣(今の状態で捕えるのは危険か?)
結衣(でも、京子の起爆剤は欲しい)
結衣(ホント・・・京子はああでもしないと反応してくれない)
結衣(面白くないよ・・・)
結衣(京子・・・)
放課後
櫻子「おっし!私はあそこで聞き込みして来るよ!!」
向日葵「私はこの辺でいきますわ」
向日葵「でも、今日はちょっと早く帰りますの」
櫻子「用事?」
向日葵「ええ」
櫻子「だったら仕方ないかなー・・・ま、帰るときは連絡でも入れてよ」
向日葵「ええ、分かったわ」
櫻子「じゃ、いってきまーす!」
向日葵「気をつけてね」
しばらくして
向日葵「はぁ・・・収穫0ですわ・・・」
向日葵「もうこんな時間・・・」
向日葵「楓を迎えに行かないと・・・」
どこかの公園
友達母「あら、向日葵ちゃんじゃない!」
向日葵「ユミちゃんのお母さん、こんにちは」
向日葵「楓はどこにいますか?」
友達母「え?楓ちゃん?」
友達母「それなら、さっき女の子が迎えに来てたけど・・・」
向日葵「え・・・?」
_| ̄|_ //ヽ\
| '|/ / ノ "´ ̄ ̄''''‐-...ノヽ
|__|'' ̄! ! / 丶 |
,‐´ .ノ'' / ,ィ \
ヽ-''" 7_// _/^ 、 `、
┌───┐ / / 、_(o)_,;j ヽ|
|┌─, .| /. - =-{_(o)
└┘ ノ ノ |/ ,r' / ̄''''‐-..,>
// { i' i _ `ヽ
 ̄フ i' l r' ,..二''ァ ,ノ
n / 彡 l /''"´ 〈/ /
ll _ > . 彡 ;: | ! i {
l| \ l 彡l ;. l | | !
|l トー-. !. ; |. | ,. -、,...、| :l
ll |彡 l ; l i i | l
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|l { 彡|. ゝ ;:i' `''''ー‐-' }
. n. n. n l 彡 ::. \ ヽ、__ ノ
|! |! |! l彡| ::. `ー-`ニ''ブ
o o o l :. |
向日葵「え・・・え?ど、どういうことですか?」
友達母「あら?向日葵ちゃんのお友達じゃないの?向日葵ちゃんの名前を出したから、つい」
向日葵「え、ちょ・・・ど、どんな人でした!?!?」
友達母「髪がショートぐらいで、ちょっとボーイッシュ?な感じだったかしらー」
友達母「愛想良くて、なかなか可愛らしい子だったわー」
向日葵(嘘・・・まさか・・・いや、船見先輩以外の誰かってことも・・・)
向日葵「・・・! ほ、他に特徴は・・・!?」
友達母「うーん・・・確か、とても可愛らしいキーホルダーをしてたわね」
向日葵「どんなものですか!?」
友達母「地面に描くと・・・こんな感じかしら?」
人のやることじゃない
______________________________________________
向日葵「・・・? あ、これは確か・・・」
あかり「あ、これ? そうだよ!この前、ごらく部と生徒会でスポーツ大会したときの景品!」
櫻子「あのときのかー!楽しかったなー!」
向日葵「ええ、可愛いキーホルダーね」
あかり「ごらく部みんなとお揃いなんだよ!」
______________________________________________
向日葵「!!!!!!!!」
向日葵(赤座さんと全く同じもの・・・!!!!)
友達母「え・・・どうしたの?顔が青ざめてるけど・・・」
向日葵「い、いえ・・・何でもありません・・・これで失礼します・・・」
友達母「は、はぁ・・・」
あちゃー
向日葵「嘘・・・嘘・・・」
向日葵「楓・・・楓ええええええええええええええええ!!!!」
向日葵「どうしてあの子が!!!そんな・・・・・!!」
向日葵「・・・! 楓に上げた景品の子供用防犯ブザー・・・!」
向日葵(確かあれにはGPSも備わってたはず・・・!!!!)
向日葵(もし登録しているのなら・・・!!)
向日葵「・・・・・」ピピッ
向日葵「ここは・・・!!!」
櫻子「やーん!全然わかんないー!」
櫻子「いけない・・・このままだと向日葵の足を引っ張ってばっかりだ・・・」
櫻子「私、頼りにされてるらしいけど・・・全然役に立ってないじゃん・・・」
櫻子「・・・」ピピピッ
櫻子「あれ?電話?」
櫻子「あ!!」
櫻子(お見舞いに行ってる病院の看護婦さんからだ!)
櫻子(仲良くなって、メアド交換しちゃったんだよねー)
櫻子「はい、もしもしこんにちはー」
櫻子「・・・・え!?本当ですか!?」
櫻子「先輩が、目を覚ました!?!?」
精神病院
櫻子「はぁ・・・はぁ・・・」
看護婦「櫻子ちゃん!急にごめんね!」
櫻子「いえいえー・・・先輩の様子は・・・?」
看護婦「それが、かなり取り乱れてるの」
看護婦「たまにあることなんだけど、すごく荒れてて・・・」
櫻子「・・・私、様子見てきます!」
看護婦「あまり話せないだろうけど、頑張って!!」
櫻子「はいっ!!!」
「ああああああぁぁああぁぁあああ!!」
櫻子「・・・!」ガラガラッ
櫻子「・・・千鶴先輩!」
「あああああ!!千鶴ぅ!!千鶴ぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
「綾乃ちゃああああん!!うわああああぁぁあああん!!」
櫻子「お、落ち着いてください!!」
「あ・・・あ・・・・大室さん・・・?」
櫻子「あ、はい・・・そうですけど、え?なんで私のことを・・・」
「私、千鶴ちゃうぅぅぅぅ!!」
千歳「千歳やああああ!!!!」
櫻子「へ・・・?」
だから喋らなかったのか…
予想外すぎ
櫻子「な、何言ってるんですか!?!?」
櫻子「センパイは確かに・・・!」
千歳「ちゃうねん・・・ちゃうねぇん・・・!」
千歳「千鶴が・・・綾乃ちゃんが・・・」
千歳「うわあああああああああああああ!!!」
櫻子「せ、センパイ!!しっかりしてください!センパイ!!」
千歳「千鶴・・・ごめんなぁ・・・千鶴・・・」
櫻子「お、落ち着いてからでいいです・・・!」
櫻子「は、話してもらえませんか・・・?」
櫻子「千鶴センパイに・・・何があったのか・・・」
少し前の話
千歳「千鶴ー風邪大丈夫なん?」
千鶴「へ、平気・・・」
千歳「嘘やーん、顔真っ赤やでぇ?」
千鶴「うう・・・ごめん・・・」
千歳「ええのええのー」
千歳「ちょっと晩ご飯の材料買ってくるわー大人しくしぃやー」
千鶴「分かった・・・」
千歳「ほないってきまーす」
千鶴「行ってらっしゃい・・・」
近所のスーパー
千歳「うーん・・・困ったなぁ」
千歳「欲しいものがあらへん・・・売り切れやなぁ」
千歳「千鶴には消化の良いもの食べさせたいしなー」
千歳「・・・しゃーない、遠いけどもう一つのスーパーに行こかー」
千歳「綾乃ちゃんの状態も気になるし」
千歳「電話しながら行けば多分あっという間やなー」
千歳「さて、行こかー」
千歳「・・・あ、もしもし、千歳ですー」
綾乃「ああ、千歳・・・ちょうど今電話しようとしてたところ」
千歳「せやの?奇遇やなー」
綾乃「本当にね」
千歳「でも、電話ってどうしたん?」
綾乃「ちょっと歳納京子のことで・・・」
千歳「なるほどなー・・・ウチもそれ気になってたんよー」
千歳「綾乃ちゃん大丈夫かなー思って」
綾乃「うん・・・こういうのって、会って話したいと思ったから」
綾乃「そっちに向かいながらだけど、一応時間大丈夫かなーっと思って」
千歳「ふふーそんな気遣いいらへんよーいつでも来ぃやー」
綾乃「うん・・・なんか、ごめんね」
千歳「あーそうそう、今ウチ家にいないねん」
千歳「ちょっとちらかってるけど、家に上がっといてなー」
綾乃「大丈夫、多少ちらかってたって心配はノンノンノートルダムよ!」
千歳「あははー、いつも通りの綾乃ちゃんでよかったわー」
綾乃「あ、そろそろ千歳の家に着くよ」
千歳「えー?ホンマ?なんなら今日ばんご」
綾乃「きゃあ!!!」
千歳「!?」
綾乃「なっ!!がっ・・・!」 ガシャン
千歳「あ、綾乃ちゃん!?!?」
千歳「綾乃ちゃん!!綾乃ちゃん!!!!!!」
ブチッ ツーツーツー...
千歳「え・・・?」
千歳「綾乃ちゃん・・・?」
千歳「何があったん・・・」
千歳「・・・」
千歳「綾乃ちゃん!!!!!!!!!」
結衣「ふぅ・・・人通りが少なくてよかった」
結衣(さて、次は千歳か・・・)
結衣(千歳の家までそう距離はない・・・すぐにできるかな)
結衣(むっ・・・)
結衣(綾乃の髪の毛・・・長すぎて邪魔だなぁ・・・)
千歳宅周辺
千歳「はぁ・・・はぁ・・・!」
千歳「綾乃ちゃん!!綾乃ちゃああん!!!!」
千歳「どこにおるん!?返事してやぁ!!」
千歳「・・・!?」
千歳(家の窓が開いてる・・・)
千歳(閉めたはずや・・・)
千歳「」ブルッ
千歳「千鶴・・・・!!!!!!」
切るなよ!絶対に切るなよ!
千歳宅
千歳「千鶴ぅ!!」
千歳「千鶴・・・ちづ・・・」
千歳(何やの・・・これ・・・)
千歳(血・・・?)
千歳「う、うわあああああああああああ!!」
千歳「嘘やああ!!千鶴ううううううう!!!!」
千歳「どこにおるん!?!?返事しぃやあ!!!!!」
千歳「お姉ちゃんここにおる!!!!隠れてないで出てきぃやぁ!!!」
千歳「・・・!?」
千歳(お風呂場のドアが・・・開いてる・・・?)
千歳「・・・千鶴・・・?」
千歳(誰もおらへん・・・)
千歳(浴槽に何か入っとる・・・)
千歳「」
千歳(たくさんの、赤い髪の毛や)
綾乃『心配はノンノンノートルダムよ!』
千歳「うわああぁぁあああぁぁあああぁぁあ!!!」
千歳「綾乃ちゃああああん!!!綾乃ちゃあああああん!!!!!!!!」
千歳「どうしてやぁ!!どうして・・・!」
千歳「嘘やろおお!!やめてぇやぁ!!!!!!」
千歳「ひっ」ピピピッ...
千歳(電話・・・船見さんからや・・・!!!!!)
千歳「も、もしもし!?船見さん!?!?」
「・・・」
千歳「船見さんの仕業なん!?こんなことやめてぇや!!!」
「・・・」
千歳「もしそうなら、二人を解放してや!!!お願いや!!」
千歳「二人とも私の大切な・・・・!!!!」
「・・・姉・・・ちゃん・・・」
千歳「へ・・・?」
「たすけて・・・」
千歳「」
千歳「あ、あ・・・・」
ブチッ
千歳「うわああぁああぁぁああああああああああ!!!」
切るなって言ったやろうが
現在、病室
千歳「・・・」
櫻子「そ、そんな・・・」
千歳「・・・そっこら先の記憶はあらへん・・・」
千歳「気づけば、ここにいたんや・・・」
櫻子「そんなことって・・・」
千歳「・・・千鶴は・・・綾乃は・・・無事なん・・・?」
櫻子「・・・まだわかりません・・・」
千歳「はは・・・せやろな・・・せやろな・・・」
櫻子「・・・」
櫻子「・・・今は、安静にしててください・・・」
千歳「・・・」
櫻子「・・・そうだったんだ・・・そういうことだったんだ・・・」
向日葵「この場所・・・間違いない・・・!」
櫻子「はぁー・・・あの番号、はやく気づけばなぁ・・・」
向日葵「もう逃げられないわよ・・・!絶対に、逃がさない・・・!」
櫻子「もう決定だよ・・・言い逃れなんてできないはず」
向日葵「私たちはここまで・・・お願い・・・!」
櫻子・向日葵「」ピッポッパッ
結衣マンション
結衣「・・・」
楓「・・・」
結衣「意外と冷静なんだね、この状況で」
京子「・・・結衣っ・・・・!」
楓「どうしてこんなことをするの?とても人がすることとは思えない」
結衣「そう?私はまともだけど?」
楓「これは社会とか、環境のせいじゃない」
楓「全て貴方のせい」
結衣「・・・」
楓「どうしてこうなったか分からないけど」
楓「欲求を満たすだけにこうやって人を集めて、残酷なことをしているの?」
楓「それとも心の拠り所をなくしてこんなことをしてしまったの?」
楓「全て貴方のせい、弱い、貴方のせい」
結衣「なっ・・・!」ピピピッ
結衣「電話か・・・もしもし」
あかり「・・・あかりです」
結衣「あかり?どうしたの?」
あかり「ちなつちゃんから聞いたよ・・・結衣ちゃん、そうだったんだね・・・」
結衣「へ・・・?急に何・・・?」
あかり「生徒会長さんそこにいるんだよね?・・・こう伝えて」
あかり「遅くなってしまって、本当に申し訳ありませんでした、って」
結衣「え・・・?」
>あかり「生徒会長さんそこにいるんだよね?・・・こう伝えて」
>あかり「遅くなってしまって、本当に申し訳ありませんでした、って」
濡れた
ピーポーピーポー
結衣「!?」
結衣「・・・!?!?!? そんな・・・警察!?」
京子「・・・!!!」
楓「・・・」
結衣「ど、どうして・・・!」
あかり「結衣ちゃん・・・みんなを解放して?」
あかり「そうすればきっと・・・」
結衣「くっ・・・!!」
千鶴「・・・」
結衣「・・・」
あかり「結衣ちゃん・・・」
結衣「・・・・はは」
あかり「へ・・・?」
結衣「あははははははははははははははははは!!!!!!」
りせ「」ビクッ
楓「・・・」
結衣「あーあ!!上手くいくと思ったのに!!」
結衣「やっぱあの二人急いで捕まえるべきだったなぁ・・・!!!」
あかり「ゆ、結衣ちゃん・・・?」
結衣「・・・はぁ」
結衣「仕方ない・・・か・・・」
向日葵「はぁ・・・はぁ・・・!」
櫻子「向日葵!!」
あかり「向日葵ちゃん!大丈夫!?」
ちなつ「今、警察とかいろいろ来てるみたい」
向日葵「やっと着いた・・・」
向日葵「船見結衣のマンション・・・!」
あかり「・・・・!! あれは・・・!!!!」
ちなつ「火・・・?!マンションのあちこちから火が上がってる!!!」
櫻子「う、嘘・・・!?」
向日葵「・・・!!!!!」
♪ /\/\ ブッブブ- ブッブブ-
♪ \ \
◎\ / ブッブブッブ ブ-
\ \
◎\/
♪ /\/\
♪ / / ブッブ ブッブ ブッブ ブ-
\ /◎
/ / ブッブ ブッブ ブ-
\/◎
向日葵「消防車!!消防車は!?」
あかり「まだ来てないみたい!!」
向日葵「そんな・・・!」
櫻子「・・・」
ちなつ「ああ、一気に燃え広がっていく・・・!」
あかり「マンションからどんどん人が出て来たよ!」
向日葵「そんなぁ・・・・!楓えぇぇ!!!!」
櫻子「・・・私、役立たずだから、こういうときにしか向日葵のためになれないし」
向日葵「へ?」
櫻子「身長低いし、煙も大丈夫!!」
あかり「ま、まさか」
櫻子「みんなを助けに行ってきます!ちょわー!!!」
向日葵「櫻子!!だめええええ!!!!!」
あかり「駄目だよ向日葵ちゃん!危ないよ!!」
向日葵「櫻子!!!戻ってきてえええええ!!!」
櫻子「・・・」
櫻子(煙はそこまでない感じ・・・身を低くしないと・・・)
櫻子(この前船見センパイの家には誰もいなかった・・・)
櫻子(もしかして、別の部屋・・・?)
櫻子「・・・」
櫻子(逃げた後のドアは全部開いてる・・・)
櫻子(閉まってるドアを見つければ・・・そこは多分・・・)
櫻子「・・・」
櫻子「・・・絶対に助け出してみせる!!!」
櫻子「・・・」
櫻子「・・・!このドア・・・」ガチャ...
櫻子「・・・!?!?!? みんな!!!!」
綾乃「・・・」
櫻子「こ、これは・・・酷過ぎる・・・なんてことを・・・!」
楓「あ・・・」
櫻子「楓ちゃん!!よかった!!無事だったんだね!」
櫻子「今すぐ縄を解くからね!」
バタンッ
櫻子「!?!? ドア閉められた!?」
櫻子「でも、中だから、鍵開けちゃえばよゆ・・・」
櫻子「内鍵が・・・ない・・・?」
最後の最後でええええええええええええええええええええええええええ
ゴオオオオオオ バチバチバチバチ
櫻子「嘘・・・!!そんな・・・!」
櫻子「誰かぁ!!誰かいませんかあ!!!!!!」ドンドンドンドン
ガチャガチャ
櫻子「!? だ、誰かいるんですか!?!?お願いします!!開けてください!!!!」
ガチャガチャガチャガチャ
櫻子「へ・・・?」
ガチャガチャガチャガチャ
櫻子「ガチャガチャガチャガチャ・・・」
結衣『外からドアノブをガチャガチャされたり』
櫻子「」
櫻子「え、・・・・あ・・・・」
櫻子「船見・・・センパイ・・・」
櫻子「い、嫌ああああああ!!!」ドンドン
櫻子「お願いです!!!ここを開けてくださいぃぃぃ!!!!」
りせ「・・・」
千鶴「・・・」
櫻子「熱いんです!!お願いします!!!」ドンドン
櫻子「嫌ああああああああああああああああああああ!!!!!!」ドンドンドンドンドンドンドンドン
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`);:'∵ `;:';:し' ,;;;;;;;;;
,.,;:'(;:,,(.;:;,.,⌒;:;):;:⌒;:,.,,、;;;;;;;;` り;:;'’ ;:;人_,ィ ;;;
ど (;:,.⌒;:,.;:';:(;:,.;:(;;:⌒;:,.;:(;:,.´;::,.,;;;;;ソ;;:;:,. ,.;:∴;:(´;;;;
明 う (;:,.,⌒;:ソ,,.,.;:(;:,.;:(;;:⌒;:.;:;),.':, ̄"~⌒`=':;ー:;':;;⌒~ ̄
る だ (;:,.(;,.';:⌒:;,.;:';:⌒;:,`);:,;:.,. ` ヾ;、 ’,.:;(;:
く ,、-ー-、 ー''(:,.;:('⌒;:,.';:(´;;, ̄ ̄ ̄ ̄| |l ̄ノ;:(、,.;l
な ,r'"´ ̄`ヾ、.. | |l 、:;ト从[il | |l ソ;:;''"゛';:(
ろ つ リ ,,, ニ ,,,_ ヾト、. | |l ヾJ;;':' l|,;:';,.゛;;:, | |l从;:,’ ;:て
う た ,ハ ^7 ,^ !.:..\ | |l り∴; l| ;:,.:;;:' O .| ` ̄ ̄ ̄
? /.:.:.V,r''''''ゞyイ.:.:.:.:..ヽ | |l ソ;:';:;’ [il |
ノ.:!:.:.:.:`ゞ-<7.:〉.:.:.:i.:.:} |_|l从';;;、_l|_____|_____
結衣の部屋
結衣「・・・京子」
京子「・・・」
結衣「これで邪魔者は消えたね」
京子「・・・」
ゴォォォォォ... バチバチバチ...
結衣「最初からこうすれば早かったのかもしれないね」
京子「・・・」
結衣「もう誰にも邪魔されない・・・二人で同じ場所にいけるよ」
京子「・・・」
結衣「京子・・・ああ、やっぱり京子は温かい・・・」
結衣「こうやって抱いてるだけで、幸せな気持ちになれるんだ・・・」
京子「・・・」
結衣「京子・・・私ね、京子に無視されたとき本当につらかったんだ・・・」
結衣「死んじゃうかと思った」
結衣「辛くて、悲しくて、怖くて、切なくて・・・」
結衣「でも、最後はこうやってそばにいてくれるんだね・・・」
京子「・・・」
結衣「綾乃や千歳たちはしょうがないよ・・・悪いことをしたんだし」
結衣「きっかけはどうであれ、あの連中は私から京子を奪おうとした、そうだろう?」
京子「・・・」
結衣「京子の気持ちを知りたくて、私も同じように無視してみた」
結衣「辛かった・・・でも、京子の新しい一面が見れて嬉しかった・・・」
京子「・・・」
結衣「これからも京子を守り続けるからね・・・誰にも近づけさせない・・・」
京子「」ギュウウウ
結衣「きょ、京子どうしたんだ急に・・・そんな抱きしめてきて・・・」
京子「・・・アンタだけは・・・絶対に誰にも近づけさせない・・・」
京子「絶対に・・・誰も・・・」
結衣「京子・・・そんな風に言ってくれるなんて嬉しいよ・・・!」
京子「・・・」
結衣「・・・こんな気持ちで死んでいけるなんて、とても幸せだ・・・」
結衣「来世も一緒にいようね、京子」
京子「・・・ずっと一緒だよ、絶対に、ずっと、ずっと、どこまでも・・・」
京子「みんなを守ってみせるから・・・」
ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ...
一瞬スレ間違えたと思った
少し先の話
向日葵「・・・」
あかり「ふぅ・・・ここは終わったよー」
ちなつ「ここも、ちゃんと磨いた」
向日葵「・・・ここは少しかかりそうですわ」
あかり「そっか、じゃあ私、ジュース買ってくるよ!」
ちなつ「あ、私も行くー」
向日葵「・・・」
向日葵「・・・」キュッキュッ
向日葵「ふぅ・・・拭いたし、ちょっと休憩してもいいよね・・・」
向日葵「櫻子・・・」
向日葵「・・・」
向日葵「そういえば、あれからのこと、話してませんでした・・・」
向日葵「・・・お話しますわね」
向日葵「犯人はやはり、船見結衣でした・・・動機はよく分かってないそうよ・・・」
向日葵「生徒会役員の首絞め行為も、船見結衣だと分かりましたわ・・・」
向日葵「あの火災は大火事となって、近隣にも火が飛び移ったそうよ」
向日葵「でも、他の家屋に住んでる人」
向日葵「出火元のマンションに住んでる人は早急に脱出して事なきを得たらしいわ」
向日葵「・・・」
向日葵「・・・貴方たち、七人以外は・・・助かったのよ・・・」
_| ̄|_ //ヽ\
| '|/ / ノ "´ ̄ ̄''''‐-...ノヽ
|__|'' ̄! ! / 丶 |
,‐´ .ノ'' / ,ィ \
ヽ-''" 7_// _/^ 、 `、
┌───┐ / / 、_(o)_,;j ヽ|
|┌─, .| /. - =-{_(o)
└┘ ノ ノ |/ ,r' / ̄''''‐-..,>
// { i' i _ `ヽ
 ̄フ i' l r' ,..二''ァ ,ノ
n / 彡 l /''"´ 〈/ /
ll _ > . 彡 ;: | ! i {
l| \ l 彡l ;. l | | !
|l トー-. !. ; |. | ,. -、,...、| :l
ll |彡 l ; l i i | l
ll iヾ 彡 l ;: l | { j {
|l { 彡|. ゝ ;:i' `''''ー‐-' }
. n. n. n l 彡 ::. \ ヽ、__ ノ
|! |! |! l彡| ::. `ー-`ニ''ブ
o o o l :. |
向日葵「あれから、池田千歳先輩は今でも精神病院に入院しているわ」
向日葵「退院の目途はまだ立ってないそうよ・・・」
向日葵「・・・」
向日葵「私も、死のうと思いましたわ」
向日葵「でも、死ねなかったの・・・」
向日葵「・・・みっともなくて、手首は見せられませんわ・・・」
向日葵「貴方たちの分まで生きていける自信がないけど・・・頑張らないといけないのよね・・・」
向日葵「・・・」グスッ
向日葵「うぅ・・・櫻子ぉ・・・楓ぇ・・・」
向日葵「うぅ・・・・ぐすっ・・・」
向日葵さん強い子やでぇ……
向日葵「ゆっりゆらら」
ちなつ「らら」
あかり「ゆるゆり」
三人「「「大事件!!!」」」
完
ちなつは自殺したのかな
向日葵「大好きだったのにっ・・・!大好きだったのにっ・・・!!!」
向日葵「またみんなで海に行きたかった・・・花火したかった・・・」
向日葵「スポーツ大会・・・したかったなぁ・・・・・!!」
向日葵「みんな・・・・みんなぁ・・・・・・・・・!!」
向日葵「・・・・・・・・・」
向日葵「・・・・・・」
向日葵「・・・」
向日葵「・・・ああ・・・」
向日葵「・・・」
向日葵「憎い」
おしまい
,. -‐‐-y'ニ二_
,ィ'ニ'.v ´: : : : : : : : : : : : `ヽ、
{イ: :/: : : :/: : ; : : : : : : : : : : : Yニiヽ
,ゞ/: : : ;イ: /|: : : : : :_:イ: : : : : V: :リ
彡: |: :|: / |/ V、: : :./`ト i: : : : :.iイ
\:!: : / u ヽ'´ Vヽ: : : :|:.ヽ,
,|ハ:i `ー ´ 、 j/: : :|: : r'' 妄想中
ノ|:.:゙| /// `ー‐ /: : :/_ル'
'ヘ|.: :! u /// ,': : :イ
j:ノ:ヽ、 r ァ u ,j/:/| _
ヽ: :ハ>、 トrj _. .ィ':,ィ:∧j ( _)
| ゙ミ三ニ}〈 }ニニ7' `i ( _)
| ゙ミ三!'ヽ_ノ}ニヲ' | `ー´
{,r‐=t ∨: : : :/‐" l |
{三ニニ}/: : : :/ {三三}
゙ミニヲ':´: : : :/:| {三三}
/ヽ、:_;/: :| /: : : :/ //
ハッピーエンド
おい
おい
ここで終わりかよ
たった1人の生徒会
後味が悪い
向日葵「うぅ・・・櫻子ぉ・・・楓ぇ・・・」
向日葵「大好きだったのにっ・・・!大好きだったのにっ・・・!!!」
この流れで泣きそうになったが
向日葵「憎い」
ここでゾッとした
なにはともあれ乙
死人にムチ打つようで悪いがすっ飛ばされた7人の最期をだな
>>600
あかりを無視すればいいじゃない
>>606
元々割と無視されてないか
向日葵の家
櫻子「・・・っていう物語を作ってみたんだけどどう!?」
向日葵「グロすぎですわよ」
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