P「ヤンデレになったアイドルに追われる」 (79)
P「ふぅーっ、これで片付けは終了ですか」
律子「結構派手にしちゃいましたね」
P「たまにはこういうのもいいだろ」
律子「そうですね…」
P「それじゃあちょっとゴミをまとめてくる。帰るときに一緒に出すな」
律子「わかりました……」
給湯室
P「ん?こんな缶ジュースあったか?ってもしかしてお酒か?」
P「……よかった、ただのジュースか。未成年がお酒飲んだら大変だしな。買ったのはビールだけのはずだし」
『ヤンミーデレール』
P「また変な名前だし、紫色の毒々しいジュースだな。誰がこんなアメリカンなもの持ってきたんだ」
P「捨てるとするか」
カラン
P「おっと」
律子「はい、プロデューサー殿」
P「ありがとう、律子。手伝ってくれるのはいいけれど、律子も疲れただろ。先に帰ってくれていいよ」
律子「プロデューサー殿は私がいると迷惑ですか?だから先に帰れって言うのですか?」
P「そんなこと無いに決まってるだろって、律子…お前目が変だぞ」
律子「そんなことないですよ」
P「だって光がないというか生気がないというか。本当に疲れているんじゃないのか」
律子「心配してくれるプロデューサー殿は大好きです」
P「そ、そうか」
律子「でも、私に帰ってほしいんですよね…」
P「そ、そんなこと一つも思ってない」
律子「じゃあ、一緒にいたいですか?」
P「い、いやぁそういうわ…」
律子「ほらっ!!やっぱり私のこと嫌いなんですよね!!」
P「律子、声が大きいって」
律子「嫌って言いました!嫌って!!」
P「そういう意味じゃ!!」
律子「プロデューサー殿はアイドルにしか興味ないんですよね」
P「そんなこと一つも言ったことないだろ」
律子「さっきだってあの娘たちに囲まれてへらへらして!!私みたいなアイドル落ちのプロデューサーの事なんて嫌いなんですよね!」
P「そんなわけないだろ」
律子「いいんです…プロデューサー殿からあの娘たちの匂いがしていますから…いまから消してあげます」
P「バーベキューの後だから匂いもなにも、煙たいだけだろ…」
律子「プロデューサー殿の血の匂いで消しますから」シャキッ
P「おい、なに包丁をとってるんだよ?」
律子「プロデューサー殿!!」
P「うわっ!!」
律子「逃げないでくださいよ…プロデューサー殿、死んでも私がそばにいますから…」
P「(完全におかしくなってる)」
律子「プロデューサー殿~大好きですよ~」
P「いいかげんに…!!うっ」
律子「……」ニヤァ
P「り、つこ…」
律子「プロデューサー殿の血ってすごくきれいですね」
P「こんな…ことって」
律子「あはははははは!!プロデューサー殿は私のもの!!」
P「って痛くない…この包丁ってドラマの小道具か…刃が引っ込むと赤い塗料が出てくるおもちゃじゃないか」
律子「あはははははは!!やった!やった!」
P「誰が置いたのかは知らんがよくやった。今のうちに逃げるとするか…」ソソクサ
律子「あはははははは!!はは……ZzzZzz」
P「それにしてもスーツが血糊でべっとりだな。事務所を出たのはいいとして…ってうおっ!!」
@下水道
P「イテテテテテ…マンホールが開いてたか?違う…雪歩の掘った穴だ…」
P「ということは雪歩がこの下水道にいるってことか。考えただけで怖くなってきた。暗すぎて何も見えない」
カラカラカラ
P「ひっ」
カラカラカラカラカラカラ
P「なにか金属のものを引きずっている…(雪歩のシャベル!!)」
雪歩「プロデューサ~どこにいるんですか~返事してください~」
P「(一番やっかいだな。声を出して居場所を悟られるわけにはいかない…)」
カラカラカラカラカラカラ
雪歩「プロデューサー、私のシャベルはチタン合金でも掘れるんですよ~プロデューサーの体を掘って私が入れる穴を空けますぅ」
P「(怖すぎる…三角頭かよ…)」
P「(早く逃げないと)」
雪歩「どこに逃げるんですかぁ?」
P「ゆ、雪歩、後ろにいたのか」
雪歩「プロデューサーのことはなんでもわかりますぅ…誰、よ、り、も」
P「うわっ!!」ガキィン
雪歩「逃げないでくださいよぉ、コンクリートじゃなくて、プロデューサーのおなかに大きな穴を空けたいんですからぁ」
P「まだ死ぬわけにはいかないんだ」
雪歩「フフフフ…どんなに逃げても私からは逃げられませんよ」
P「くそっ…下水道をさまようことになるなんてって、あれは地下の処理場か?」
@地下下水道処理施設
P「エレベーターもあるし、ここなら地上に出られそうだな。」
雪歩『プロデューサ~どこ行きましたか~エレベーターなんて使おうなんて考えないでくださいよ~』
P「くそっさすがに読まれているか」
雪歩『地下は私の庭ですから、プロデューサーがどこにいるかすぐにわかりますぅ』
P「頼むからわかりかねてくれ」
雪歩『プロデューサー、そこの監視カメラ見えますか?私、プロデューサーがどこにいるかわかっちゃいました』
P「くそっ!」
カラカラカラカラカラ
P「走ってくるのかよ!!」
雪歩「プロデューサーァッ!!」ガキッィン
P「危ない!!」
雪歩「シャベルが抜けなくなっちゃいました…んしょ、んしょっと。これだから鉄筋コンクリートはいやなんですぅ」
P「今のうちに…」
雪歩「逃がしません…」
P「雪歩、早く目覚めてくれ。いやこれが夢なら…」
P「エレベーター早く来てくれ…」
雪歩「ぷろでゅぅさぁぁ…」
P「早く早く!!」カチカチカチ
雪歩「待ってくださぃ」カラカラカラ
P「来た!早く扉閉まれ!閉まれ!閉まれ!」カチカチカチ
雪歩「逃がしません!!」
P「ひぃっ!ドアを貫通した…」
雪歩「あぁっ!シャベルがエレベーターに持って行かれますぅ」
P「よかった。さすがに柄が木製だとエレベーターが勝つな。金属製ならどうなっていたかわからん」
P「助かったぁ…」
雪歩「………ブツブツブツ」
@下水処理施設地上
P「タクシー」
運転手「どこまでですか?」
P「とりあえず、ここから離れてください。えぇと、行先は○○で」
運転手「かしこまりました」
P「(女性の運転手か…めずらしいな…どこかで聞いたことのある声だけれど)」
運転手「着きましたよ」
P「ふぁっ…眠ってしまった」
運転手「お代はいりませんから」
P「え?(車内の明かりをつけた…バックミラー越しに顔が見れる)」
あずさ「プロデューサーさん」
P「!?」
あずさ「驚くのも無理ありませんね~迷子になっていたらいつのまにかタクシーを運転していました」
P「いや、いくらなんでもそんな嘘は!?」
あずさ「嘘ってひどいプロデューサーさんです」
P「それにここは?港?」
あずさ「コンテナ置き場です」
あずさ「あらあら~プロデューサーさん、いきなり降りたら危ないですよ~」
P「いやいやいや!!おかしいですって」
あずさ「何がおかしいんですか?忙しい合間を縫って免許を取ったんですよ~」
P「いや、このさい2種免とかどうだっていい…料金取ってないからセーフかって違う!!」
あずさ「そこのコンテナがちょうど、アメリカ行きです。一緒に乗ってアメリカに逃げませんか?」
P「ちょっ?」
あずさ「ぎゅーっ」
P「あずささん、いくら誰もいないからって外で抱きつくなんて!!」
あずさ「まえは貴音ちゃんといっしょだったから、プロデューサーさんを独り占めできなかったけれど、今夜は独り占めね~うふふ~」
P「すいません、頭が追い付いていません」
あずさ「前に言ったこと忘れていませんか?」
『次私以外の子に変ないたずらしたら許しませんよ。』
P「あ、でも!!」
あずさ「言い訳は聞きたくありません。悪いプロデューサーさんは、二人きりでお仕置きが必要ですね~うふふ~」
P「っていいながらコンテナに押し込めないでください!!」
あずさ「ここが二人の愛の巣ですよ~」
P「なにもないじゃないですか!!アメリカに着く前に餓死しますよ!!」
あずさ「海上でコンテナから出て、船員を脅せば食料くらい出ますよ」
P「(いまのあずささんならやりかねない)」
あずさ「プロデューサーさん、やっと二人きりになれましたね」
P「マウントポジションとって首根っこを掴みながらいわないで…あう~」
あずさ「私に逆らうと喉を絞めますよ~」
P「あ、あずささん!!」
あずさ「プロデューサーさんなら初めてがこんなところでも我慢します」
P「じゃあいまからホテルにでも!!」
あずさ「逃げようと考えてるプロデューサーさんは悪い子です、めっ」
P「(あ、いまのお姉さんに怒られている感じいいなって違う!!)」
あずさ「あらあら~こんなところにゴムがありますよ~」
P「(絶対わざとだ)」
キィー
P「(ん?扉があいた?)」
シュルルルッシャーッ
あずさ「プロデューサーさんよそ見はいけませんよ~」
P「いまだっ!」
あずさ「きゃっ!」
P「すいません、まだ童貞を奪われるわけにはいかないんです!童貞を守れなくて世界を守れるわけがないんです!」
あずさ「プロデューサーさん……はぁ、逃げちゃいましたね。私も帰ろうかしら」
P「(そうえいば、視界の隅に蛇が見えたが。いまは家に帰ろう)」
@P自宅
P「どうして鍵が開いてるんだ?」
響「おかえりなさい、プロデューサー!!」
P「うお」ダキッ
響「待ってたんだぞ」
P「どうして響が俺の家に!?」
響「へび香が開けてくれたんだぞ。プロデューサーをコンテナから逃がしたのもへび香だぞ!」
P「そ、そうだったのか。お礼を言っていいのか迷うな…」
響「とりあえず、中に入ってよ」
P「お、おう。」
響「自分、すっごく待ってたんだぞ?」
P「いや、バーベキューしてから数時間も経ってないだろ」
響「バーベキュー?なんのことだ?自分は仕事が終わったらプロデューサーの家にすぐ帰ったぞ」
P「(記憶がおかしいだろ)」
響「プロデューサーがおなかすいているだろうって思って、ご飯作っておいたぞ」
P「いや、さっきバーベキューでさ」
響「プロデューサーは自分の作ったご飯、嫌なのか」グスッ
P「そ、そんなことない!大好きだ」
響「それじゃあ食べてくれるよね?」
P「だけど今はおなかいっぱいというか」
響「もしかして誰かと食べてきたのか?」
P「そんなことは…まあ食べてきたというか、響も一緒にいたんだがな」
響「ぐすっ…プロデューサーは他の娘の料理のほうがいいんだ」
P「違うって!!」
響「それじゃあ食べてよ!!」
P「うぅ…わかった。でもあれだ。遅いからおかずだけにするよ」
響「せっかくご飯とあうおかずにしたのに…」
P「やっぱりご飯も食べるよ!!」
P「(なんかところどころに髪の毛っぽいものが)」
響「プロデューサーと一緒に食べるごはんはおいしいな」
P「うん」
響「プロデューサー大好きだぞ」
P「うん」モソモソ
響「ねえ?プロデューサーは自分のこと好き?」
P「……」
響「返事してくれないんだ」
P「(食うのに精いっぱいだからな)」
響「ねえ?」
P「響はアイドルだからな」
響「自分プロデューサーのためなら何でもするから」
P「それじゃあトップアイドルになってからな」
響「トップアイドルになったら付き合ってくれるのか?」
P「……それは」
響「プロデューサーじゃなきゃ嫌だぞ」
P「響はいい子だからわかってくれるだろ?」
響「分からない…プロデューサーが分からないぞ。本当は自分のことなんてどうでもいいって…」
P「そんなことあるわけないだろ」
響「ないなら付き合ってよ…プロデューサーがいなきゃ仕事したくないぞ」
P「わがままいうなよ」
響「プロデューサー」
P「おい抱きつくな」
響「う…」
P「う?」
響「気持ち悪い…」
P「そんなに食べるからだろ!!早くトイレに!!」
響「~~っ!!」
P「さて、響は家で寝てるわけだし、俺が寝る場所を探さなくちゃならんな」
千早「プロデューサー…こんな夜遅くにどうされたのですか?」
P「千早か」
千早「私だと残念ですか?」
P「いや、少し疲れることがあってな」
千早「大丈夫ですか」
P「まあ大丈夫と言えば大丈夫だが。とりあえず家に帰れなくなったから、どこかに泊まろうかと」
千早「それでは私の家に泊まりますか」
P「それはまずいだろ」
千早「それもそうですね」
千早「私の顔になにかついていますか?」
P「いや、千早は普通だと思って」
千早「何を言っているのかわかりません。まあどうでもいいですけれど」
P「そしてどうしてついてくる」
千早「プロデューサーが変なことしていないか気になったので」
P「そこのビジネスホテルに泊まるだけだ」
千早「そうですか」
P「だからついてくるなって」
千早「もうロビーに入ってしまいましたし、もし記者に取られているならおしまいですね、クスクス」
P「笑うところじゃないだろ…」
千早「ツインルームで」
P「おい?」
千早「私が出しますから」
P「そういうことじゃなくて」
千早「405ですよ」
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