パワプロ「あおいちゃんを無視し続けたらどうなるか」(168)

あおい(夏の大会はボクのせいで出場停止になっちゃったけど…今はマネージャーの仕事頑張らなきゃ…!)

あおい「あっ…パワプロくん、お疲れ様!」

パワプロ「…」

あおい「はい、ドリンクとタオル…良かったら使って…」

パワプロ「…」

あおい「パワプロ…くん…?」

パワプロ「…」スッ

あおい「あっ…」

あおい(無視…された…?)

あおい(怒ってるのかな…やっぱり…ボクのせいで大会に出られなくなっちゃったから…)

あおい「うぅ…」

はいっ!

あおいちゃんのストレッチイベントとかね、弾道上がるよね

猪狩「ん? パワプロじゃないか。奇遇だな」

パワプロ「……」

猪狩「……? パワプロ……?」

パワプロ「……」

猪狩「おい! おいったら……!」

パワプロ「……」

猪狩「この僕が挨拶してやってるんだぞ! 挨拶し返すのが礼儀じゃないか?」

パワプロ「……」

猪狩「! そうか。僕とお前の間に言葉は不要。黙って野球勝負しろということだな!?」

パワプロ「……」

猪狩「さぁ、構えろ、パワプロ! 格の違いというものを教えてやる!」

パワプロ「……」

猪狩「お、おい……」

パワプロ「……」

猪狩「……」

誰か書こうぜ!

「――その合体シーンがでやんすね……」

「矢部くん、アニメもいいけどほどほどにな。ちゃんと寝てる?」

「リアルタイムで観ることに意義があるんでやんすよ!」

「そんなもんかなぁ」

あおい(控室から声……パワプロくんと矢部くんかな? 二人とも早いや)

ガチャ

あおい「おはようございます! 今日も一日よろしくお願いします」

パワプロ「おは――あ……」

矢部「……」

あおい「?」

パワプロ「……」

矢部「……」

あおい「どうしたの、二人とも。野球選手なんだから、あいさつはちゃんとしないと!」

パワプロ「……矢部くん、俺、先に球場行ってくるよ」

矢部「オ、オイラも行くでやんす」

あおい「ちょ、ちょっと――」

バタン

あおい「……」

練習開始

あおい「あ、あの……」

ザコプロ「何――げ」

あおい「キャッチボールの相手、お願いできるかな」

ザコプロ「……」

あおい「ほ、他に誰も手が空いてないらしくて……」

ザコプロ「……しょうがねえな」

あおい「ありがとう」

ヒュッ バシッ ヒュッ バシッ

あおい(パワプロくんと矢部くんだけじゃなくて、なんかみんな冷たいような……)

キャッチボール終了

あおい「パ、パワプロくん!」

パワプロ「……」

あおい「投球練習、つきあってよ」

パワプロ「……」

あおい「パワプロくんってば! ボクたち、バッテリーだろ!」

パワプロ「……キャッチャーなら他にもいるだろ」

あおい「何言ってんだよ! ボクの球は君でないと――」

パワプロ「ごめん。疲れてるんだ」スタスタ

あおい「あ……」

ザコプロ(捕)「――え? 俺ですか?」

あおい「うん、おねがい」

ザコプロ(捕)「……パワプロさんがいるじゃないですか。なんで俺が……」

あおい「パワプロくんは、調子悪いんだって……」

ザコプロ(捕)「はぁ……。まぁ、いいですけど……」



ヒュッ ククッ

ザコプロ(捕)「あ……」ポロッ

あおい(やっぱり慣れてない人にボクの球は……それにしても)

ザコプロ(捕)「……」

あおい(取り損なっておいて何も言わないなんて、態度悪いな)

あおい「ちゃんと集中しなきゃダメだよ!」

ザコプロ(捕)「」チッ

あおい「!?」

あおい「ちょ、ちょっと!」

ザコプロ(捕)「……」

あおい「今舌打ちしたでしょ! 礼儀が成ってないよ!」

ザコプロ(捕)「……」

あおい「聞いてるの!?」

ザコプロ(捕)「……すんません。俺も調子悪いんで、ちょっと抜けますわ」

あおい「え?」

スタスタ…

あおい「……」

あおい(――誰か、別の人を探さなきゃ……)トボトボ

バシッ

あおい「?」

ビュッ バシッ

パワプロ「いいよ、みずきちゃん! ナイスボール!」

みずき「はいっ。ありがとうございます!」

ビュッ バシッ

あおい「……」

あおい(調子悪いって言ってたのに……)ジワ

おや、みずきがいるってことは10なのか

あおい(な、泣くなボクッ。これぐらいのことで……)ゴシゴシ

あおい(きっと……きっと悪くなった調子がすぐ良くなったんだよ)

みずき「次、もっと回転かけますよ! 気をつけてくださいね!」

パワプロ「おう!」

あおい(……楽しそうだなぁ……)

あおい「――はっ。そうだ練習練習……」



あおい「あの、投球練習を……」

ザコプロ(捕)B「げ……」

あおい「……」

胸がいたいお

可哀相だ…

試合前

あおい(結局ほとんど練習にならなかった……)

監督「――先発は早川! 以上だ!」

あおい「……」

監督「どうした早川、元気がないな」

あおい「そ、そんなことありません」

監督「そうか? しっかり頼むぞ」

あおい「はい!」

あおい(よかった。監督はいつも通りだ。でも……)

パワプロ「……」

あおい「……」

俺「おい!やめろよ!あおいちゃんが可哀想だろうだろうが!」

あおい「俺君....」ドキドキ

俺「おい!やめろよ!あおいちゃんが可哀想だろうだろうが!」

あおい「...」

試合開始

ビュッ ギュン! ズバン!

審判「ットラーイ! バッターアウッ!」

あおい(球種やコースのリードはちゃんといつも通りやってくれてるけど……)

パワプロ「……」

あおい(視線が冷たい気が……。気のせいだよね?)

ビュッ カキーン!

あおい「!」

実況「伸びる……! 伸び……入ったー!」

ワアアアアアアア

あおい(しまった……。ううん、次の打者に切り替えなくちゃ……あれ?)

ザコプロ(一)「……」

ザコプロ(二)「……」

ザコプロ(三)「……」

ザコプロ(遊)「……」

あおい(……励ましも、叱咤の声すら誰もかけてくれないなんて、そんな……)

あおい「パ、パワプロくん……」

パワプロ「……」

あおい「あ……う……」

審判「――ッボー! フォアボー!」

あおい「はぁ……はぁ……!」

実況「どうしたことでしょう! 早川、連続四球!」

あおい「はぁ……はぁ……」

ザコプロ(一)「……」

ザコプロ(二)「……」

あおい「はぁ……! はぁ……!」

ザコプロ(三)「……」

ザコプロ(遊)「……」

あおい「……っ」

パワプロ「……」

あおい(一人……まるでグラウンドに、ボク一人しかいないみたいだ……)

パワプロ「……」

あおい(こんなの、もうやだよ。こんなの、野球じゃないよ……)

カキーン!

実況「抜けたー!」



あおい「……」

ウグイス嬢「選手交代のお知らせです。ピッチャー、早川に代わりまして橘」

あおい「あ……終わり……?」

あおい(もう投げなくていいの?)

みずき「大丈夫ですよ先輩。きっと勝ちますから、後は任せてください!」

あおい「うん……。おねがい……」フラフラ

パワプロ「まだ序盤だ! 逆転のチャンスはいくらでもある!」

あおい「!?」

パワプロ「勝つぞ!」

「「「「「「「「おー!」」」」」」」」

あおい「……」

監督「早川、どこへ行くんだ?」

あおい「すみません……。ちょっとお手洗いに……」



トイレ

あおい「……」

あおい「……ひっく」

あおい「う、うぁ。うぁぁぁぁぁぁぁ……」



――橘みずきの好投と、野手一丸になっての猛攻により、チームは逆転勝利を果たした……。

俺「ごはん食べなきゃ」フラフラ

キャットハンズでこんなイジメがあったとは…

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年09月12日 (金) 18:39:29   ID: VnadGD1U

イジメ ダメ ゼッタイ

2 :  SS好きの774さん   2015年03月31日 (火) 13:34:07   ID: OPSLCEA3

胸が痛いな・・・

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