エイラ「Shall we フライ?」 (36)
ミーナ「だから、501統合戦闘航空団の一員である以上、一瞬のバランス崩れも許されない…わかるわね?」
シャーリー「はい…」
エイラ「ハイ…」
ミーナ「ほら、練習!」
エイラ「は、ハイ!」
シャーリー「はいッ!」
ルッキーニ「うじゅぅぅ…」
ミーナ「どうしたの?ルッキーニさん」
ルッキーニ「もうやだよー! こんなことしても意味ないよー! あたしだったら多少バランス崩してもネウロイ倒せてたもん!」
ミーナ「…ルッキーニさん」
ルッキーニ「うじゅ?」
ミーナ「……嫌なら結構よ………そのかわり、自分の身は自分で守りなさいね」
ルッキーニ「へ?」
ミーナ「ほんの一瞬の油断で命を落とす人も少なく無いわ」
ルッキーニ「…?」
ミーナ「………わからないのかしら? ここにいる人たちは皆、わざわざルッキーニさんのような愚かな人をかばって傷を負うほど馬鹿じゃないの」
ルッキーニ「ヒイッ!」
ミーナ「…守りたい人がいるなら強くなりなさい、誰かに守ってほしくても強くなりなさい…いいわね?」ゴゴゴ
ルッキーニ「ごっ…ごめんなさ~い! うぇぇぇぇぇぇ!」
ミーナ「……うん、全員できたわね」
シャーリー「………もう皆ヘトヘトだ」
ミーナ「お疲れさま。それじゃああなたたち3人は、ちょっと早いけど今日の訓練を終えましょうか」
エイラ
ルッキーニ「ありがとうございましたぁ…」
シャーリー
ミーナ「今日得たバランス感覚、絶対に忘れないでね」
エイラ「はーい…」
シャーリー「ルッキーニ、早いうちに風呂入ろう」
ルッキーニ「えっ!シャーリーとお風呂!?」
シャーリー「おいおい、さっきまでヘトヘトだったのに、お風呂と聞いて急に元気になったな」
ルッキーニ「おっふろ♪おっふろ♪」
シャーリー「ははは」
ミーナ「………エイラさん?」
エイラ「ナンダ?」
ミーナ「あなたも基地に戻っていいのよ?」
エイラ「…………いや、私は皆の訓練が終わるまでここにいとく」
ミーナ「そう」
エイラ「………」
ミーナ「……なにか悩み事?」
エイラ「いやっそういうわけじゃあ…」
ミーナ「…?」
・
・
・
訓練後
サーニャ「……!」
エイラ「や、やあサーニャ…いっしょに部屋まで帰ろうと思ってさ…」
サーニャ「…待っててくれてたんだ」
エイラ「ああ!サーニャのためならいつまでも待ツゾ」
サーニャ「……」
エイラ「………」ニコニコ
サーニャ「…………エイラ」
エイラ「なに?」
サーニャ「………今夜、私の部屋来てくれる?」
エイラ「…へえっ!?」
サーニャ「ちょっとお願いがあるの」
エイラ「あっ……ああ!全然構わナイ!!」
バルク「なんだか最近のあの2人は妙に仲いいな」
シャーリー「サーニャも最近調子いいんだ、良いことじゃないか」
ハルトマン「私のアドバイス、意外と効いてたのか」
エイラ「…ところでサーニャ、お願いってナンダ?」
サーニャ「………内緒」
エイラ「……?」
夜
エイラ「………サーニャ?」
サーニャ「あ、エイラ」
エイラ「…………良かったのカ?私勝手に部屋飛び出しちゃったケド」
サーニャ「………いいの………じゃあストライカーユニットを装着して」
エイラ「え? えっ?」
サーニャ「…………一緒に夜間哨戒行こう?」
エイラ「なっ!」
サーニャ「………大丈夫、ばれないよ」
エイラ「ちょっとサーニャ…」
サーニャ「ほら…早く」
エイラ「待ってサーニャ! 待てヨ~~」
サーニャ「気持ちいでしょ?夜の風を全身で感じながら大空を飛ぶの」
エイラ「………あ、ああ…………ところで、お願いってなんだったんダ?」
サーニャ「一緒に夜間哨戒に来て欲しかったの………それと」
エイラ「………?」
サーニャ「グループ訓練の時………いっしょにペア組もう」
エイラ「………えっ?」
サーニャ「…ごめんなさい………わざわざこんなところに呼び出して言う内容じゃないよね」
エイラ「いやっ…そんなこと…」
サーニャ「でも………やっぱりなんだか皆見てるとこだと恥ずかしくて………」
エイラ「………」
サーニャ「………いつも訓練参加が皆より遅れてるせいで……余った人と組ませられるの」
エイラ「……」
サーニャ「だからね、私決まったパートナーがいなかったの……エイラ、私のパートナーになってくれる?」
エイラ「…………お…」
サーニャ「…お?」
エイラ「おやすいごようダ……」
サーニャ「…嬉しい…!」
エイラ「………!!!!」
サーニャ「…エイラ…」
・
・
・
次の夜
ルッキーニ「うじゅじゅ…眠れない…」
ルッキーニ「………少佐が変なお茶飲ませるからだよきっと!」
ルッキーニ「………なんかすっごく苦かったし、美味しくないし~」
ダアン! ダアン!
ルッキーニ「何この音」
ダアン! ダアン!
ルッキーニ「…基地の外だ」
シャーリー「なにしてるんだルッキーニ」
ルッキーニ「にゃあっ!シャーリー!」
シャーリー「子供はもう寝る時間だぞー」
ルッキーニ「子供じゃない~!それにシャーリーこそなんで起きてるの!」
シャーリー「ちょっとユニットを調整しててな…」
ルッキーニ「それよかさ、この音なんなの?なんでこんな時間に銃の音が?」
シャーリー「あたしに訊かれても…」
ルッキーニ「ちょっと見てくる!」ダッ!
シャーリー「お、おいルッキーニ!」
ダアン! ダアン!
ルッキーニ「あ、あれだあれだっ」
シャーリー「ルッキーニ…?」
ルッキーニ「エイラだよエイラ!」
シャーリー「エイラ?」
ルッキーニ「見てあれ…一人で狙撃練習してる」
ダアン! ダアン!
シャーリー「ほんとだ…」
ルッキーニ「なんかさ!今日の訓練中、エイラやたらと張り切ってなかった!?」
シャーリー「言われてみればそんな気が」
ルッキーニ「サーニャもいつもよりニコニコしながら練習してた!」
シャーリー「……サーニャの笑顔を見ること自体稀じゃないか?」
ルッキーニ「サーニャ普段全く笑わないよねー」
ダアン! ダアン!
・
・
・
坂本「エイラ!サーニャ!2人の呼吸が合ってないぞ!」
サーニャ
エイラ 「はい!」
坂本「一人がシールドを張り、もう一人がネウロイのコアを探すことに集中しろと何度言わせる!」
サーニャ
エイラ「すみません!」
坂本「エイラ!聞いてるのか!お前はサーニャの真後ろにつきすぎだ!それじゃサーニャが邪魔になって前が見えないはずだ!」
エイラ「はい!少佐!」
坂本「サーニャ!シールドが弱まってるぞ!お前はエイラを誘導し、エイラを守ることだけを考えろ!」
サーニャ「はい!」
坂本「おいおいエイラ!今こそお前の『未来予知』の出番じゃないのか! さっきからサーニャのシールドに頼りすぎだ!」
エイラ「はい!」
ペリーヌ「最近少佐があの2人ばかり教えてるせいで、わたくしが蔑ろにされてる気がしますわ」
ルッキーニ「うるさい、つんつんメガネ~」
ペリーヌ「おだまりなさい!」
シャーリー「そうだもっと言ってやれルッキーニ」
ルッキーニ「まずいお茶ばっか飲むから坂本少佐に嫌われるんだよー」ヘラヘラ
ペリーヌ「あなたのような子供には到底理解できない味ですわ、それにあたくしは嫌われてなど…」
ルッキーニ「あっ!シャーリー!今あたしの目の前にちょーかっこいい虫が!」
シャーリー「おおルッキーニ!捕まえろ!」
ペリーヌ「聞いていますの!!!」
夜
ダアン! ダアン!
エイラ「ハァ…ハァ…」
ダアン! ダアン!
ルッキーニ「また今日もやってる」
シャーリー「けど何であんなに必死なんだ」
ルッキーニ「ミーナ中佐に怒られたくないんだよきっと!」
シャーリー「でも、あれじゃあ自分を追い込んでるだけだ」
サーニャ「………」
ルッキーニ「…? うわっ!」
シャーリー「わ!びっくりした! サーニャ帰ってたのか」
ダアン! ダアン!
サーニャ「何…この音………」
シャーリー「なんだサーニャ気付いてなかったのか、実はここ何日かずっと夜中に狙撃訓練してるんだよ」
サーニャ「………?」
ルッキーニ「ほらほら」
サーニャ「……………ッ…エイラ!」
シャーリー「なあサーニャ、なんで最近あんなにエイラは訓練に対してのやる気が凄いんだ?」
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